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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023064652
(43)【公開日】2023-05-11
(54)【発明の名称】洗浄剤組成物
(51)【国際特許分類】
   C11D 1/68 20060101AFI20230501BHJP
   C11D 3/20 20060101ALI20230501BHJP
   C11D 3/22 20060101ALI20230501BHJP
   C11D 3/12 20060101ALI20230501BHJP
   C11D 3/50 20060101ALI20230501BHJP
   C11D 3/33 20060101ALI20230501BHJP
   C11D 3/36 20060101ALI20230501BHJP
【FI】
C11D1/68
C11D3/20
C11D3/22
C11D3/12
C11D3/50
C11D3/33
C11D3/36
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021175052
(22)【出願日】2021-10-26
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-05-16
(71)【出願人】
【識別番号】521470065
【氏名又は名称】合同会社M&D企画
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】森本 育子
(72)【発明者】
【氏名】井上 量美
【テーマコード(参考)】
4H003
【Fターム(参考)】
4H003AC05
4H003BA12
4H003DA01
4H003DA04
4H003DA05
4H003DA06
4H003DA08
4H003DA09
4H003DA11
4H003DA13
4H003DA17
4H003DB02
4H003DC02
4H003EA25
4H003EB04
4H003EB07
4H003EB08
4H003EB13
4H003EB23
4H003ED02
4H003ED28
4H003FA04
4H003FA26
4H003FA27
(57)【要約】
【課題】洗浄力に優れ、様々な汚れに対し力を入れなくても落とすことができる洗浄剤組成物を提供する。
【解決手段】洗浄剤組成物は、成分A、成分B、成分C、成分D及び成分Eを含有する。成分A:リモネン、成分B:クエン酸、成分C:2H-ピラン-2-オン-4,6-ジカルボン酸の銀塩又は銀錯体、及び酸化銀とフィチン酸とを含む混合物の少なくとも一方、成分D:アルキルグルコシド、成分E:酸化チタン及び酸化タングステンの少なくとも一方を含む光触媒触媒。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記成分A、下記成分B、下記成分C、下記成分D及び下記成分Eを含有する洗浄剤組成物。
成分A:リモネン
成分B:クエン酸
成分C:2H-ピラン-2-オン-4,6-ジカルボン酸の銀塩又は銀錯体、及び酸化銀とフィチン酸とを含む混合物の少なくとも一方
成分D:アルキルグルコシド
成分E:酸化チタン及び酸化タングステンの少なくとも一方を含む光触媒物質
【請求項2】
下記成分Fをさらに含有する請求項1に記載の洗浄剤組成物。
成分F:アミノ酸防臭成分
【請求項3】
トイレ洗浄用、風呂洗浄用、食器洗い用、洗濯用、手洗い用、洗面所清掃用、洗濯室清掃用、台所清掃用又は居間清掃用である請求項1又は2に記載の洗浄剤組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗浄剤組成物に関し、詳しくは、5種類の成分を含有する洗浄剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
トイレ、風呂、洗面台、食器等に付着している汚れの種類は多岐にわたっており、例えばタンパク質、油脂等の有機物、カルシウム分等の無機物、これらが複合して形成されるものなど様々である。これらの汚れの洗浄には、例えば、有機物には、弱アルカリ性の洗浄剤が好適であり、無機物には、酸性の洗浄剤が好適であるなど、様々な汚れを1つの洗浄剤で効果的に落とすことは難しい。
【0003】
様々な汚れに対する洗浄剤としては、トイレ洗浄用として、特許文献1では、界面活性剤と、アルカリ剤と、キレート剤と、テルペン系化合物と、水とを含む洗浄用組成物が、特許文献2では、(a)脂肪族有機酸及び/又は無機酸、(b)アミンオキシド、(c)第4級アンモニウム化合物、並びに(d)芳香族有機酸及び/又はその塩を含有する洗浄剤組成物が検討されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008-038033号公報
【特許文献2】特開2005-097511号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、前記従来の洗浄剤組成物では、様々な種類の汚れに対する洗浄力はまだまだ不十分である。一方、これらの汚れの中には、固まっていたり、洗浄箇所に強固にこびりついていたりするものが多く、また、これらの汚れは、洗浄を行う場所の隅、裏側など、洗浄を行いにくい所にあるものが多い。そのため、洗浄剤組成物には、従来よりも様々な汚れに対する洗浄力を向上させると共に、洗浄を容易にし、これらの汚れに対し力を入れなくても落とすことができることが求められている。
【0006】
本発明の課題は、洗浄力に優れ、様々な汚れに対し力を入れなくても落とすことができる洗浄剤組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る洗浄剤組成物は、下記成分A、下記成分B、下記成分C、下記成分D及び下記成分Eを含有する。
成分A:リモネン
成分B:クエン酸
成分C:2H-ピラン-2-オン-4,6-ジカルボン酸の銀塩又は銀錯体、及び酸化銀とフィチン酸とを含む混合物の少なくとも一方
成分D:アルキルグルコシド
成分E:酸化チタン及び酸化タングステンの少なくとも一方を含む光触媒物質
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、洗浄力に優れ、様々な汚れに対し力を入れなくても落とすことができる洗浄剤組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<洗浄剤組成物>
本発明の洗浄剤組成物(以下、洗浄剤組成物(X)ともいう)は、下記成分A、下記成分B、下記成分C、下記成分D及び下記成分Eを含有する。
成分A:リモネン
成分B:クエン酸
成分C:2H-ピラン-2-オン-4,6-ジカルボン酸の銀塩又は銀錯体、及び酸化銀とフィチン酸とを含む混合物の少なくとも一方
成分D:アルキルグルコシド
成分E:酸化チタン及び酸化タングステンの少なくとも一方を含む光触媒物質
【0010】
本発明者らは、前記課題を解決するため、鋭意研究を進めたところ、特定の複数種の成分を組み合わせることにより、驚くべきことに、様々な汚れに対する洗浄剤組成物の洗浄力を向上させることができ、特に、これらの汚れを、力を要しなくても落とすことができることを見出し、本発明を完成させた。
【0011】
すなわち、洗浄剤組成物(X)は、成分A~成分Eを含有することで、洗浄力に優れ、様々な汚れに対し力を入れなくても落とすことができる。また、洗浄剤組成物(X)は、成分C、成分D及び成分Eを含有しているので、落とした汚れ及び洗浄箇所に対し、抗菌性及び抗ウイルス性を付与することができ、特に、新型コロナウイルス、インフルエンザウィルス、ノロウイルス等に対する優れた抗ウイルス性を付与することができる。さらに、洗浄剤組成物(X)は、成分A~成分C、成分E等を含有することにより、輝きを与える等の洗浄箇所の材質に対しても効果を付与し、また、洗浄箇所に再び汚れが付着しにくくなる等の効果も奏する。また、洗浄剤組成物(X)の成分の大部分が天然由来であるため、洗浄剤組成物(X)は安全性に優れ、例えば手洗い等にも用いることができると共に、環境にも優しいものになっている。
【0012】
洗浄剤組成物(X)は、成分A~成分Eに加えて、アミノ酸防臭成分(成分F)を含有していてもよく、本発明の効果を損なわない範囲において、前記成分以外のその他の成分を含有していてもよい。また、洗浄剤組成物(X)は、通常、水等の溶媒を含有する。洗浄剤組成物(X)は、各成分をそれぞれ1種又は2種以上用いることができる。
以下、各成分について説明する。
【0013】
[成分A]
成分Aは、リモネンである。リモネン(limonene)は、化学式C1016で表される単環式モノテルペンの一種である。リモネンとしては、D-リモネン、L-リモネン、及びDL-リモネンのいずれでもよい。
【0014】
成分Aの割合は、洗浄剤組成物(X)の全固形分に対して、1質量%以上50質量%以下であることが好ましく、3質量%以上30質量%以下であることがより好ましく、5質量%以上20質量%以下であることがさらに好ましい。「全固形分」とは、洗浄剤組成物(X)の溶媒以外の成分の総和をいう。
【0015】
[成分B]
成分Bは、クエン酸である。クエン酸は、2-ヒドロキシプロパン-1,2,3-トリカルボン酸である。
【0016】
成分Bの割合は、洗浄剤組成物(X)の全固形分に対して、1質量%以上50質量%以下であることが好ましく、3質量%以上35質量%以下であることがより好ましく、5質量%以上25質量%以下であることがさらに好ましい。
【0017】
[成分C]
成分Cは、2H-ピラン-2-オン-4,6-ジカルボン酸の銀塩又は銀錯体(以下、成分C1ともいう)、及び酸化銀とフィチン酸とを含む混合物(以下、成分C2ともいう)の少なくとも一方である。
【0018】
成分C1の銀塩又は銀錯体としては、例えば2H-ピラン-2-オン-4,6-ジカルボン酸(以下、PDCともいう)又はPDCの誘導体が、1個もしくは2個の銀イオン又は銀原子に結合したもの等が挙げられる。成分C1は、銀及びPDC以外に、クレアチニンを含むものであることが好ましい。クレアチニンは、2-アミノ-1-メチル-5H-イミダゾール-4-オンである。成分C1がクレアチニンを含む場合、クレアチニンの銀に対するモル比(クレアチニン/銀)は、2以上80以下であることが好ましく、3以上8以下であることがより好ましい。
【0019】
成分C2の混合物に含まれるフィチン酸は、イノシトールヘキサリン酸である。フィチン酸としては、例えばmeso体等が挙げられる。
【0020】
成分C2の混合物におけるフィチン酸の酸化銀に対する質量比(フィチン酸/酸化銀)は、1以上10以下であることが好ましく、3以上7以下であることがより好ましい。成分C2は、酸化銀及びフィチン酸以外に、アルギニン及びジエチレントリアミン五酢酸五ナトリウムの少なくとも一方の化合物(以下、化合物cともいう)を含むものであることが好ましい。成分C2が化合物cを含む場合、化合物cの酸化銀に対する質量比(化合物c/酸化銀)は、10以上300以下であることが好ましく、60以上200以下であることがより好ましい。
【0021】
成分Cの割合は、洗浄剤組成物(X)の全固形分に対して、0.01質量%以上10質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以上5質量%以下であることがより好ましく、0.5質量%以上2質量%以下であることがさらに好ましい。
【0022】
[成分D]
成分Dは、アルキルグルコシドである。アルキルグルコシドは、グルコースのα位又はβ位の1つ以上の水酸基の水素原子をアルキル基で置換した化合物であり、糖系界面活性剤の1種である。アルキルグルコシドとしては、グルコールのα位の1つの水酸基の水素原子をアルキル基で置換したモノグルコシドが好ましい。アルキルグルコシドを構成するアルキル基の炭素数は、6以上30以下であることが好ましく、8以上20以下であることがより好ましい。
【0023】
アルキルグルコシドとしては、例えばオクチルグルコシド、ノニルグルコシド、デシルグルコシド、ラウリルグルコシド、ミリスチルグルコシド、セトステアリルグルコシド、カプリルグルコシド、(カプリリル/カプリル)グルコシド、ヤシ油アルキルグルコシド等が挙げられる。
【0024】
成分Dの割合は、洗浄剤組成物(X)の全固形分に対して、5質量%以上90質量%以下であることが好ましく、10質量%以上70質量%以下であることがより好ましく、30質量%以上60質量%以下であることがさらに好ましい。
【0025】
[成分E]
成分Eは、酸化チタン及び酸化タングステンの少なくとも一方を含む光触媒物質である。酸化チタンは、例えば化学式TiO(二酸化チタン)、TiO、TiO、Ti、Ti等で表される物質である。酸化タングステンは、例えば化学式WO(三酸化タングステン)、WO、WO、W、W、W11、W2573、W2058、W2468等で表される物質である。
【0026】
光触媒物質は、光を照射することにより、酸化作用及び還元作用の少なくとも一方が促進される物質である。酸化チタンは、二酸化チタンを含むことが好ましい。二酸化チタンとしては、例えばルチル型二酸化チタン、アナターゼ型二酸化チタン、ブルッカイト型二酸化チタン等が挙げられる。これらの中で、光触媒作用の観点からは、ルチル型二酸化チタン及びアナターゼ型二酸化チタンを含むことが好ましく、アナターゼ型二酸化チタンを含むことがより好ましい。酸化タングステンは、三酸化タングステンを含むことが好ましい。
【0027】
成分Eとしては、水溶性の酸化チタン又は酸化タングステンを含むものが好ましい。この場合、洗浄剤組成物(X)の保存安定性をより向上させることができる。また、成分Eは、酸化チタン又は酸化タングステン以外に、光触媒物質のバンドギャップを変化させるためのドープ剤等を含んでいてもよい。
【0028】
成分Eの割合は、洗浄剤組成物(X)の全固形分に対して、0.5質量%以上50質量%以下であることが好ましく、2質量%以上30質量%以下であることがより好ましく、5質量%以上20質量%以下であることがさらに好ましい。
【0029】
[成分F]
成分Fは、アミノ酸防臭成分である。アミノ酸防臭成分は、アミノ酸に由来し、におい物質と結合して、においを抑制することができる両性化合物である。
【0030】
洗浄剤組成物(X)が成分Fを含有する場合、成分Fの割合は、洗浄剤組成物(X)の全固形分に対して、1質量%以上50質量%以下であることが好ましく、3質量%以上30質量%以下であることがより好ましく、5質量%以上20質量%以下であることがさらに好ましい。
【0031】
[その他の成分]
その他の成分としては、例えば成分A以外の炭化水素化合物等、成分B以外のヒドロキシカルボン酸化合物等、成分C以外の銀化合物、成分D以外の界面活性剤、成分E以外の光触媒物質、色素、香料、酵素、消泡剤等が挙げられる。洗浄剤組成物(X)は、これらのその他の成分を含有しないことが好ましい。
【0032】
[溶媒]
溶媒としては、例えば、水、エタノール等の水溶性有機溶媒、これらの混合溶媒などが挙げられる。水としては、例えば蒸留水、イオン交換水、精製水、水道水、ろ過水、滅菌処理水、地下水、井戸水などを用いることができる。
溶媒の洗浄剤組成物(X)の全固形分に対する質量比(溶媒/全固形分)は、1以上100以下であることが好ましく、5以上50以下であることがより好ましく、10以上30以下であることがさらに好ましい。
【0033】
<洗浄剤組成物の製造方法>
洗浄剤組成物(X)は、例えば、成分Bのクエン酸、並びに成分Cの2H-ピラン-2-オン-4,6-ジカルボン酸の銀塩又は銀錯体及び酸化銀とフィチン酸とを含む混合物の少なくとも一方を含む水溶液と、成分Aのリモネン及び成分Dのアルキルグルコシドを含む溶液とを調製し、これらを混合した液に、成分Eの酸化チタン及び酸化タングステンの少なくとも一方を含む光触媒物質を加えることなどにより製造することができる。
【0034】
洗浄剤組成物(X)は、例えばトイレ等の便、尿石等の汚れ、排水口、洗面台、シンク等の水垢等の汚れの他、油膜化した汚れ、フローリングの汚れなどの様々な汚れに対し、噴射することにより、力を入れなくても、ひと拭きで、又は数秒間拭くことにより、除去することができる。また、洗浄剤組成物(X)は、洗浄箇所が例えば陶器、ホーロー、金属、木材等で、大理石以外の幅広い材質の場合に用いることができる。
【0035】
すなわち、洗浄剤組成物(X)は、トイレ洗浄用、風呂洗浄用、食器洗い用、カー用品洗浄用、洗濯用、手洗い用、洗面所清掃用、洗濯室清掃用、台所清掃用、居間清掃用などの幅広い用途に好適に用いることができる。
【実施例0036】
以下、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明は、実施例のみに限定されるものではない。
【0037】
<洗浄剤組成物の調製>
成分Bのクエン酸、及び成分Cの2H-ピラン-2-オン-4,6-ジカルボン酸の銀塩の水溶液を、蒸留水に加えて、撹拌し、溶解させることにより、溶液1を得た。また、成分Aのリモネン及び成分Dのアルキルグルコシドを混合し、攪拌することにより、溶液2を得た。これら溶液1と溶液2とを混合した後、成分Eの酸化チタンを含む光触媒物質を加え、十分に撹拌させることにより、本発明の洗浄剤組成物を調製した。
【0038】
<評価>
以下に示す洗浄箇所の種々の汚れに対し、本発明の洗浄剤組成物、及び市販の洗浄剤について洗浄力を評価した。洗浄力の評価結果を、下記表1に示す。
【0039】
洗浄力を、以下の基準で評価した。
A:力を入れず、ひと拭きで汚れが落ちた。
B:力を入れず、3秒程度拭くことにより汚れが落ちた。
C:力を入れずに拭くことで汚れは落ちたが、あと残りがあった。
D:力を入れて拭いても、汚れは落ちにくかった。
E:力をいれて拭いても、汚れは全く落ちなかった。
【0040】
[トイレ]
(洋式トイレ便座の外側面)
便座の外側面に付着した便汚れに対する洗浄力を評価した。
この洗浄箇所は、掃除しにくく、通常、力が必要で、時間がかかる箇所である。特に、車椅子からの移乗時に汚れやすい場所である。
本発明の洗浄剤組成物では、力を入れずに、ひと拭きで便汚れを落とすことができた。一方、市販のトイレ洗剤では、便汚れは、落ちにくかった。
また、洗浄剤組成物で洗浄した後の汚れの再付着について評価したところ、市販のトイレ洗剤で洗浄した後は、3週間でトイレの中蓋がかなり汚れたのに対し、本発明の洗浄剤組成物で洗浄した後の汚れのつき方は市販のトイレ洗剤に対し3分の1程度であった。
【0041】
(洋式トイレ便座の裏側)
洋式トイレ便座の裏側に付着した直径2cm程度の尿石の汚れに対する洗浄力を評価した。この尿石の汚れに、本発明の洗浄剤組成物を直接噴射して3秒程度置いた後、5秒程度トイレブラシで擦り洗いを行ったところ、尿石の汚れは2割程度落ちた。市販のトイレ用洗浄剤では、数か月にわたって使用しても、全く落ちなかった。
【0042】
(汲み取り式トイレ)
汲み取り式トイレに付着した付着時期が不明の排便汚れに対する洗浄力を評価した。この排便汚れは、本発明の洗浄剤組成物を2プッシュ程度振りかけて、トイレブラシでひと擦りすると落ちた。市販の洗浄剤では、力を入れて5分程度擦らないと、排便汚れは落ちなかった。
【0043】
[洗面所]
(排水口)
洗面所の排水口のステンレス部分に付着したカルシウムが結晶化して形成された水垢の汚れに対する洗浄力を評価した。本発明の洗浄剤組成物では、2、3プッシュ程度振りかけて、スポンジで擦ると、水垢の汚れは除去され、その上、ステンレス部分は輝くようになった。市販の漂白剤又は中性洗剤では、この水垢の汚れは、全く取れなかった。
【0044】
(洗面台)
水垢の汚れの付着がひどい洗面台に対し、洗浄力を評価した。本発明の洗浄剤組成物では、つるりと汚れが綺麗に落ちた。市販の中性洗剤では、力を入れて擦ることにより、水垢の汚れをやっと落とすことができた。
【0045】
[洗濯室]
(乾燥機の支柱)
乾燥機の塗装したステンレス製の支柱に付着した油膜化した汚れに対する洗浄力を評価した。この汚れに、本発明の洗浄剤組成物を2プッシュ程度を振りかけて雑布で拭いたところ、汚れは落ち、輝きが出た。このとき、塗装は剥げず、錆は残った。
【0046】
(乾燥機のボタン)
乾燥機のボタン付近に付着した汚れに対する洗浄力を評価した。この汚れに、本発明の洗浄剤組成物を2プッシュ程度を振りかけて雑布で拭いたところ、汚れは取れて、ツヤのある輝きが見えた。
【0047】
[台所]
(シンク)
台所のシンクに付着した水垢を含む汚れに対する洗浄力を評価した。本発明の洗浄剤組成物をキッチン用スポンジに2プッシュ程度振りかけて洗ったところ、汚れは全て落ち、輝きが出た。
【0048】
[居間]
(フローリング)
真っ黒に汚れたフローリングに対し、洗浄力を評価した。本発明の洗浄剤組成物では、2往復程度で、汚れが綺麗に除去できた。市販の中性洗剤では、何度も擦らないと汚れは落ちなかった。
【0049】
【表1】
【0050】
表1の結果から、本発明の洗浄剤組成物によれば、洗浄力に優れ、種々の汚れを、力を入れなくても落とすことができることが分かる。