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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023064668
(43)【公開日】2023-05-11
(54)【発明の名称】構造材の接合構造
(51)【国際特許分類】
   E04B 1/94 20060101AFI20230501BHJP
   E04B 1/26 20060101ALI20230501BHJP
   E04B 1/58 20060101ALI20230501BHJP
【FI】
E04B1/94 H
E04B1/94 R
E04B1/26 G
E04B1/58 508L
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021175074
(22)【出願日】2021-10-26
(71)【出願人】
【識別番号】000183428
【氏名又は名称】住友林業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002170
【氏名又は名称】弁理士法人翔和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】関 真理子
【テーマコード(参考)】
2E001
2E125
【Fターム(参考)】
2E001DE01
2E001DE03
2E001DE04
2E001EA08
2E001FA01
2E001FA02
2E001GA63
2E001HA01
2E001HA03
2E001HA21
2E001HC02
2E001HC04
2E001HF12
2E001LA00
2E001LA04
2E125AA04
2E125AA14
2E125AB12
2E125AC24
2E125AG03
(57)【要約】
【課題】簡便に施工することができる構造材の接合構造を提供すること。
【解決手段】第1構造材10の側面に、第2構造材20が垂直に接合された構造材の接合構造1であって、第1構造材10及び第2構造材20は、それぞれ、荷重支持部11,21、該荷重支持部11,21の軸方向Z1,Z2に沿う側面を被覆する被覆部材12,22、及び該被覆部材12,22の外側に配された燃えしろ層13,23を備え、第1構造材10と第2構造材20の接合部において、第1構造材10の荷重支持部11の側面11eに、第2構造材20の軸方向Z2の端面が当接しており、且つ第1構造材10の被覆部材12における第2構造材20側の側面2eと、第2構造材20の被覆部材22における第1構造材10側の端面2aとの間に隙間7を有しており、隙間7を覆うように難燃性の小部材71が配されている、構造材の接合構造1。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1構造材の側面に、第2構造材が垂直に接合された構造材の接合構造であって、
第1構造材及び第2構造材は、それぞれ、荷重支持部、該荷重支持部の軸方向に沿う側面を被覆する被覆部材、及び該被覆部材の外側に配された燃えしろ層を備え、
第1構造材と第2構造材の接合部において、第1構造材の前記荷重支持部の側面に、第2構造材の軸方向の端面が当接しており、且つ第1構造材の前記被覆部材における第2構造材側の側面と、第2構造材の前記被覆部材における第1構造材側の端面との間に隙間を有しており、
前記隙間を覆うように難燃性の小部材が配されている、構造材の接合構造。
【請求項2】
第1構造材の側面に、第2構造材が垂直に接合された構造材の接合構造であって、
第1構造材及び第2構造材は、それぞれ、荷重支持部、該荷重支持部の軸方向に沿う側面を被覆する被覆部材、及び該被覆部材の外側に配された燃えしろ層を備え、
第1構造材と第2構造材の接合部において、第1構造材の前記荷重支持部の側面に、第2構造材の軸方向の端面が当接しており、且つ第1構造材の前記被覆部材における第2構造材側の側面と、第2構造材の前記被覆部材における第1構造材側の端面との間に隙間を有しており、
前記隙間又は該隙間の近傍に熱膨張系断熱材が配されている、請求項1に記載の構造材の接合構造。
【請求項3】
前記熱膨張系断熱材は、有機系断熱材である、請求項2に記載の構造材の接合構造。
【請求項4】
前記熱膨張系断熱材は、発泡性耐火テープ、発泡性耐火シート、発泡性コーキング材又は発泡性耐火塗料である、請求項2又は3に記載の構造材の接合構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、構造材の接合構造に関する。
【背景技術】
【0002】
木材は、火災時に外部から加熱されると表面が燃えて炭化層が形成される。この炭化層が木材の表面に均一に形成されると木材内部への熱の侵入が抑制され、木材内部の構造的な劣化が抑制される。この特性を利用し、柱や梁等に使用する木材を太くし、燃焼後の木材の内部に長期荷重を支持し得る健全な断面が確保されるように、木材の表面に、燃えて炭化層を形成すべき所定の厚みの燃えしろを設ける技術が知られている。このような燃えしろを設けた構造材等を主要構造部に用いて、木造建築物を準耐火建築物とすることも行われている。
燃えしろを設けた構造材としては、例えば、荷重を受ける長尺かつ矩形横断面の構造部と、該構造部の横断面の少なくとも三方をその全長に亘って被覆する被覆部と、構造部と被覆部との間に層状に介在し、構造部に作用した荷重が被覆部に伝達されないようにする絶縁部とを含んで構成されたことを特徴とする木製建築部材が知られている(特許文献1参照)。
【0003】
木材の表面や木材と他の材料との複合材の表面に燃えしろを設けた耐火材の部材どうしを接合する技術は種々提案されており、例えば、特許文献2には、燃えしろ層の内側に位置する燃え止まり層を構成する燃え止まり部材が露出する凹部を柱に設け、該凹部に梁を当接させて、柱と梁を接合する構造材の接合構造が提案されている。また、特許文献3には、柱の側面に固定されたブラケットのガセットプレートを、梁の下面から該梁の木質心部へ延びるスリットに挿入した状態で、該スリットに栓部材を挿入した接合構造が提案されている。また、特許文献4には、柱部材と梁部材とが、木材よりも硬質で耐火性能に優れた材料からなる仕口部材を介して接合された接合構造が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007-46286号公報
【特許文献2】特開2008-014036号公報
【特許文献3】特開2014-201984号公報
【特許文献4】特開2020-118001号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の木製建築部材は、構造部が被覆部及び絶縁部で覆われているので、木製建築部材の構造部どうしを接合しようとしたときに、被覆部及び絶縁部が邪魔になってしまう場合がある。したがって、工場等で木製建築部材を製造するときには、木製建築部材における接合部に相当する部分には被覆部や絶縁部を施工せずに、建築現場で木製建築部材の構造部どうしを接合した後に、接合部における被覆部や絶縁部を施工する必要がある。このように、同文献の木製建築部材どうしを接合する際には、建築現場での作業に手間がかかる。
【0006】
特許文献2の接合構造では、柱及び梁の接合部において、柱の燃え止まり層と梁の燃え止まり層とを当接しているところ、両者を当接させるためには、配置位置を高精度に制御する必要がある等により、手間がかかる。例えば、柱と梁とを接合する際に、例えば柱の軸方向の上方から梁を降下させたときに、柱の燃え止まり層と梁の燃えどまり層とが当接するようにするためには、両者が干渉しあうことを防ぐ必要があり、手間がかかる。
【0007】
特許文献3では、梁に形成されたスリット孔の形状に合う栓部材を製造するのに手間がかかる。また梁のスリット孔において耐火性能が損なわれないようにするためには、栓部材をスリット孔に隙間なく入れる必要があるが、栓部材をスリット孔に隙間なく入れるには手間がかかる。
特許文献4では、仕口部材として、木材よりも硬質で耐火性能に優れたものを用いる必要があり、同文献の接合構造は汎用性が低い。
【0008】
本発明の目的は、簡便に施工することができるとともに、耐火性能に優れる構造材の接合構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、第1構造材の側面に、第2構造材が垂直に接合された構造材の接合構造であって、第1構造材及び第2構造材は、それぞれ、荷重支持部、該荷重支持部の軸方向に沿う側面を被覆する被覆部材、及び該被覆部材の外側に配された燃えしろ層を備え、第1構造材と第2構造材の接合部において、第1構造材の前記荷重支持部の側面に、第2構造材の軸方向の端面が当接しており、且つ第1構造材の前記被覆部材における第2構造材側の側面と、第2構造材の前記被覆部材における第1構造材側の端面との間に隙間を有しており、前記隙間を覆うように難燃性の小部材が配されている、構造材の接合構造を提供するものである。
【0010】
また本発明は、第1構造材の側面に、第2構造材が垂直に接合された構造材の接合構造であって、第1構造材及び第2構造材は、それぞれ、荷重支持部、該荷重支持部の軸方向に沿う側面を被覆する被覆部材、及び該被覆部材の外側に配された燃えしろ層を備え、第1構造材と第2構造材の接合部において、第1構造材の前記荷重支持部の側面に、第2構造材の軸方向の端面が当接しており、且つ第1構造材の前記被覆部材における第2構造材側の側面と、第2構造材の前記被覆部材における第1構造材側の端面との間に隙間を有しており、前記隙間に熱膨張系断熱材が配されている、構造材の接合構造を提供するものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、簡便に施工することができるとともに、耐火性能に優れる構造材の接合構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1(a)は、本発明の好ましい実施形態の構造材の接合構造を模式的に示す断面図であり、図1(b)は、図1(a)の要部拡大図である。
図2図2は、図1(a)のII-II線断面図である。
図3図3(a)は、本発明の好ましい別の実施形態の構造材の接合構造を模式的に示す断面図であり、図3(b)は、図3(a)の要部拡大図である。
図4図4は、図3(a)のIV-IV線断面図である。
図5図5(a)~図5(e)は、図3(a)に示す実施形態の接合構造に係る熱膨張系断熱材の配置位置の変形例を示す要部拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明をその好ましい実施形態に基づいて詳細に説明する。
本発明の構造材の接合構造の好ましい一実施形態である接合構造1を図1及び図2に示す。接合構造1は、第1構造材10の側面に、第2構造材20が垂直に接合された構造材の接合構造である。
【0014】
第1構造材10は、例えば、建築物の柱として使用される構造用の角材である。第1構造材10は、荷重支持部11、荷重支持部11の軸方向Z1に沿う側面を被覆する被覆部材12、及び被覆部材12の外側に配された燃えしろ層13を備える。
荷重支持部11は、該荷重支持部11単独で、固定荷重、積載荷重、積雪荷重の長期に生ずる荷重(長期荷重)に対して構造耐力上安全であるようにその断面設計がなされている。斯かる断面設計は公知である。荷重支持部11の横断面形状は四角形状であり、第1構造材10の横断面における、荷重支持部11の縦方向の長さ及び横方向の長さは、梁や柱の形状、或いは大きさ等によって適宜に変更することができる。
【0015】
被覆部材12は、荷重支持部11の軸方向Z1に沿う4側面を被覆している。被覆部材12は、第1構造材10の横断面の一方向X1における荷重支持部11の両側を被覆している第1被覆部材12aと、該一方向X1と直交する直交方向Y1における荷重支持部11の両側を被覆している第2被覆部材12bとを含んでいる。
第1被覆部材12aは、Y方向における両端が、荷重支持部11のY方向における両端と一致しており、Y方向の全域に亘って該荷重支持部11を被覆している。第1被覆部材12aは、ねじ、釘、ステープル又は接着剤等の公知の固定手段により荷重支持部11の側面に固定することができる。本実施形態において、第1被覆部材12aは、2枚の板状部材を重ね合わせた積層体からなる。積層体を構成する各板状部材は、複数の部材を留め付け材により繋ぎ合わせて構成されていてもよい。留め付け材としては、例えば、接着剤、ネジ、釘、ステープル等を用いることができる。また、第1被覆部材12aは、3枚以上の板状部材を重ね合わせた積層体であってもよい。積層体は、該積層体を構成する板状部材間が、予め接着剤等により接合されていてもよいし、接合されていなくてもよい。積層体は、該積層体を構成する板状部材間を接着すると共に又は接着することなく、荷重支持部11等の被固定部材に固定してもよい。後述する第2被覆部材12b及び角部補強部材15が積層体からなる場合も同様である。第1被覆部材12aは、1枚の板状部材であってもよい。
【0016】
本実施形態では、第1被覆部材12aの外面に、角部補強部材15が配されている。より具体的には、角部補強部材15は、第1被覆部材12aの外面に一部を重ねた状態に且つY方向において荷重支持部11の一端から一部が延出した状態に配されている(図1(a)参照)。ここで、重ねた状態とは、角部補強部材15と第1被覆部材12aとが重なった部分を有している状態を意味し、角部補強部材15と第1被覆部材12aとが当接している状態のみならず、角部補強部材15と第1被覆部材12aとが離間している状態も含む。本実施形態において、角部補強部材15と第1被覆部材12aとは当接している。また、本実施形態において、角部補強部材15は、第1被覆部材12aの一端からも延出している。
【0017】
角部補強部材15は、ねじ、釘、ステープル又は接着剤等の公知の固定手段により第1被覆部材12aの外面に固定することができる。本実施形態において、角部補強部材15は、2枚の板状部材を重ね合わせた積層体からなる。積層体を構成する各板状部材は、複数の部材を留め付け材により繋ぎ合わせて構成されていてもよい。また、角部補強部材15は、3枚以上の板状部材を重ね合わせた積層体であってもよい。尚、角部補強部材15を構成する各板状部材は、留め付け材により繋ぎ合わせられている必要は必ずしも無く、該板状部材の端部どうしを突き合わせた状態であってもよい。角部補強部材15は、1枚の板状部材であってもよい。
【0018】
第2被覆部材12bは、X1方向における荷重支持部11の両端から延出し、その延出方向の先端面が、角部補強部材15における荷重支持部11の一端から延出した部分と対向している。第2被覆部材12bは、ねじ、釘、ステープル又は接着剤等の公知の固定手段により荷重支持部11の側面に固定することができる。また本実施形態において、第2被覆部材12bは、2枚の板状部材を重ね合わせた積層体からなる。また、第2被覆部材12bは、3枚以上の板状部材を重ね合わせた積層体であってもよい。第2被覆部材12bは、1枚の板状部材であってもよい。
【0019】
燃えしろ層13は、X1方向における第1被覆部材12aそれぞれの外側に配された第1燃えしろ層13aと、Y1方向における第2被覆部材12bそれぞれの外側に配された第2燃えしろ層13bとを含む。第1燃えしろ層13aは、第1被覆部材12aの外側に、第1被覆部材12aとの間に通気層6を有するようにスペーサー17を介して固定されている。図1(a)に示すように、通気層6は、角部補強部材15と燃えしろ層13aとの間にも延在していることが好ましく、第2被覆部材12bと第2燃えしろ層13bとの間にも存在していることが好ましい。燃えしろ層13と荷重支持部21との間に通気層6を有することにより、荷重支持部21を乾燥した状態に保ち易い。例えば雨等により荷重支持部21や第1被覆部材12a、第2被覆部材12b、角部補強部材15が濡れた場合であっても、荷重支持部21から蒸発した水分が通気層6を介して空気中に拡散され易い。
【0020】
燃えしろ層13の厚みTは、公知の燃えしろ設計に基づいて設定することができる。燃えしろ設計は、長期構造耐力や地震時等の短期構造耐力に対して必要な断面に、所定の燃えしろ分を足す設計手法であり、防耐火性能上の非損傷性(火災加熱を受けても建物を支える荷重に耐えたまま、崩壊しない性能)を荷重支持部11により確保した上で、その周囲に、要求される耐火性能に応じた厚みの燃えしろ層を設ける設計である。例えば、1時間の準耐火性能に対しては45mmの木材被覆を設ける燃えしろ設計が行われている。
【0021】
木材の一般的な炭化速度は約0.6mm/分であるため、燃えしろ層13の厚みTは、該燃えしろ層13に1時間の耐火性能を付与する観点から、好ましくは36mm以上、より好ましくは45mm以上である。燃えしろ層13の厚みTは、該燃えしろ層13を2時間の耐火性能を付与する観点から、好ましくは72mm以上であり、より好ましくは90mm以上である。燃えしろ層13の厚みTは、該燃えしろ層13に3時間の耐火性能を付与する観点からは、好ましくは108mm以上であり、より好ましくは120mm以上である。
【0022】
本実施形態において、スペーサー17は、荷重支持部11の軸方向Z1及び軸方向Z1に直交する方向Z2のいずれか一方又は両方に間欠的又は連続的に配されている。図1に示す実施形態において、スペーサー17は、軸方向Z1に間欠的又は連続的に配されている。
また、本実施形態において、スペーサー17はビス(図示せず)により荷重支持部11及び第1被覆部材12aに固定されており、第1燃えしろ層13aはねじ又は釘(図示せず)によりスペーサー17に固定されている。第1燃えしろ層13aを固定するねじ又は釘(図示せず)の先端は荷重支持部11まで達していないことが、該ねじ又は釘が熱橋となることを防ぐ観点から好ましい。また、本実施形態においては、第1燃えしろ層13aに座彫り加工を施し、前記ビスが第1燃えしろ層13aの外面から突出しないようにすることが好ましい。
【0023】
本実施形態では、上述のように、第1構造材10の側面に第2構造材20が接合されている。第2構造材20は、例えば、木造建築物の梁として使用される構造用の角材である。
第2構造材20について更に詳述すると、第2構造材20は、荷重支持部21、荷重支持部21の軸方向Z2に沿う側面を被覆する被覆部材22、及び被覆部材22の外側にはいされた燃えしろ層23を備える。
第2構造材20の荷重支持部21は、第1構造材10の荷重支持部11と同様に、荷重支持部21単独で、固定荷重、積載荷重、積雪荷重の長期に生ずる荷重(長期荷重)に対して構造耐力上安全であるようにその断面設計がなされている。
【0024】
第2構造材20の被覆部材22は、荷重支持部21の軸方向Z2に沿う3側面を被覆している。被覆部材22は、第2構造材20の横断面の一方向X2における荷重支持部21の両側を被覆している第1被覆部材22aと、該一方向X2と直交する直交方向Y2における荷重支持部21の片側を被覆している第2被覆部材22bとを含んでいる。本実施形態では、軸方向Z2における、第1被覆部材22a及び第2被覆部材22bそれぞれの端部の位置と、荷重支持部21の端部の位置とは一致していない。具体的には、第1被覆部材22a及び第2被覆部材22bそれぞれの端部は、荷重支持部21の端部まで達していない。換言すれば、第1被覆部材22a及び第2被覆部材22bそれぞれの端部の位置は、荷重支持部21の端部の位置よりも軸方向Z2内方に位置している。尚、第1被覆部材22a及び第2被覆部材22bそれぞれの端部の位置と、荷重支持部21の端部の位置とは一致していてもよく、第1被覆部材22a及び第2被覆部材22bは、軸方向Z2の全域にわたって荷重支持部21を被覆していてもよい。
【0025】
第1被覆部材22a及び第2被覆部材22bは、ねじ、釘、ステープル又は接着剤等の公知の固定手段により荷重支持部21の側面に固定することができる。本実施形態において、第1被覆部材22a及び第2被覆部材22bは、2枚の板状部材を重ね合わせた積層体からなる。積層体を構成する各板状部材は、複数の部材を留め付け材により繋ぎ合わせて構成されていてもよい。また、第1被覆部材22a及び第2被覆部材22bは、3枚以上の板状部材を重ね合わせた積層体であってもよい。積層体は、該積層体を構成する板状部材間が、予め接着剤等により接合されていてもよいし、接合されていなくてもよい。なお、第1被覆部材22a及び第2被覆部材22bは、耐火性を有する1枚の板状部材であってもよい。
【0026】
燃えしろ層23は、X2方向における第1被覆部材22aそれぞれの外側に配された第1燃えしろ層23aと、Y2方向における第2被覆部材22bの外側に配された第2燃えしろ層23bとを含む。第1燃えしろ層23aは、第1被覆部材22aの外側に、第1被覆部材22aとの間に通気層6を有するようにスペーサー27を介して固定されている。燃えしろ層23の厚みTは、第1構造材10の燃えしろ層13と同様に、公知の燃えしろ設計に基づいて設定することができる。
【0027】
スペーサー27は、荷重支持部21の軸方向Z2及び軸方向Z2に直交する方向Z1のいずれか一方又は両方に、間欠的又は連続的に配されている。図1に示す実施形態において、スペーサー27は、Z1方向に間欠的又は連続的に配されている。
本実施形態において、第2構造材20のスペーサー27を荷重支持部21及び第1被覆部材22aに固定する方法は、第1構造材10のスペーサー17を荷重支持部11及び第1被覆部材12aに固定する方法と同様であってもよい。また、第2構造材20の第1燃えしろ層23aをスペーサー27に固定する方法は、第1構造材10の第1燃えしろ層13aをスペーサー17に固定する方法と同様であってもよい。
【0028】
本実施形態では、第2構造材20の軸方向Z2において、荷重支持部21及び被覆部材22は、燃えしろ層23から延出しており、荷重支持部21は、被覆部材22から延出している。第2構造材20の軸方向Z2の端面は、第2構造材20の荷重支持部21の端面21aとなっている。
【0029】
本実施形態の接合構造1は、図1及び図2に示すように、第1構造材10と第2構造材20との接合部において、第1構造材10の荷重支持部11の側面11eに第2構造材20の軸方向Z2の端面が当接している。本実施形態では、第1構造材10の荷重支持部11は、その一部に、被覆部材12及び燃えしろ層13の覆われていない部位が設けられており、該部位における荷重支持部11の側面11eに、第2構造材20の荷重支持部21の端面21aが当接している。
本実施形態では、第1構造材10には、荷重支持部11の側面11eが露出する凹部19が形成されており、第2構造材20の荷重支持部21の端面21aは、該凹部19において、荷重支持部11の側面11eに固定されている。凹部19は、第1構造材10の燃えしろ層13及び被覆部材12を貫通するように、燃えしろ層13及び被覆部材12の一部を切り欠くことにより形成することができる。第1構造材10荷重支持部11と第2構造材20の荷重支持部21とは、公知の方法により固定することができる。
【0030】
また接合構造1は、第1構造材10と第2構造材20との接合部において、第1構造材10の被覆部材12における第2構造材20側の側面2eと、第2構造材20の被覆部材22における第1構造材10側の端面2aとの間に隙間7を有する。換言すれば、第1構造材10と第2構造材20との接合部において、第1構造材10の被覆部材12の側面11eと第2構造材20の被覆部材22とは当接しておらず、両者は離間している。本実施形態では、前記隙間7は、第2構造材20における被覆部材22a,22bに覆われた3側面に沿って形成されている。前記隙間7は、第2構造材20における被覆部材22a,22bに覆われた3側面のうち、いずれか1以上の側面に沿って形成されていてもよい。前記隙間7は、第2構造材20の周方向に連続していてもよいし、該周方向に複数に分割されていてもよい。
【0031】
本実施形態の接合構造1が、第1構造材10と第2構造材20との接合部において、第1構造材10の荷重支持部11の側面11eに第2構造材20の軸方向Z2の端面が当接しており、且つ前記隙間7を有することの利点は以下のとおりである。
仮に、第1構造材10と第2構造材20との接合部において、両者の被覆部材12,22どうしを隙間なく当接させるためには、両被覆部材12,22どうしが当接した状態を維持したまま、第1構造材10及び第2構造材20を接合する必要がある。また、両被覆部材12,22が隙間なく当接するためには、第1構造材10及び第2構造材20を、設計寸法どおり精密に製造する必要もある。このように、第1構造材10と第2構造材20との接合部において、両者の被覆部材12,22どうしが当接している接合構造の施工には、手間がかかる。
【0032】
これに対し、本実施形態の接合構造1は、第1構造材10と第2構造材20との接合部において、第1構造材10の被覆部材12の側面2eと第2構造材20の被覆部材22の端面2aとの間に隙間7を有しているので、両被覆部材12,22どうしが当接した状態を維持するための作業が不要である。また、例えば、第2構造材20の被覆部材22の軸方向Z2の長さが設計寸法よりも短い場合であっても、被覆部材22の長さを補うための作業等をすることなく、接合構造1を施工することができる。
このように、本実施形態の接合構造1は、簡便に施工することができる。
【0033】
また、第1構造材10と第2構造材20との接合部において、第1構造材10の荷重支持部11の側面11eに第2構造材20の軸方向Z2の端面が当接していることにより、第1構造材10の荷重支持部11の側面11e及び第2構造材20の荷重支持部21の端面21aが直接火炎に晒されることを防ぐことができるので、第1構造材10の荷重支持部11及び第2構造材20の荷重支持部21が燃焼することを防ぐこともでき、接合構造1の耐火性能を向上させることができる。
【0034】
本実施形態では、図1及び図2に示すように、前記隙間7を覆うように難燃性の小部材71が配されている。より具体的には、小部材71は、前記隙間7における第2構造材20の荷重支持部21とは反対側に位置する開口を封鎖している。また本実施形態においては、第2構造材20の荷重支持部21のX2方向の両側に前記隙間7を有するのと同様に、第2構造材20の荷重支持部21のY2方向の片側における、第1構造材10の被覆部材12と第2構造材20の被覆部材22との間にも隙間7を有しており、隙間7及び該隙間7を覆う小部材71が、第2構造材20の荷重支持部21の周方向の3方を囲むように存在している。難燃性とは、難燃性能以上の耐火性能を有することを意味し、例えば、建築基準法施行令第1条第六号に示す材料ことであり、より具体的には、輻射電気ヒーターで50kW/mの輻射熱を表面に照射したときに、加熱開始後5分間の総発熱量が8MJ/m以下であり、かつ、加熱開始後5分間で防火上有害な裏面まで貫通する亀裂及び穴がないこと、かつ、加熱開始後5分間の発熱速度が10秒以上継続して200kW/mを超えないこと等を意味する。
前記隙間7を覆うように小部材71が配されていることにより、該隙間7を介しての火炎の侵入を防ぐことができるので、接合構造1は耐火性能に優れる。
このように、本実施形態の接合構造1は、簡便に施工することができるとともに、耐火性能に優れる。
【0035】
小部材71は、小断面の部材である。ここで、小断面とは、小部材71における、第2構造材20の軸方向Z2に沿う幅が10cm以下であることを意味する。
小部材71は、第2構造材20の被覆部材22とは、別部材である。ここで、別部材であるとは、小部材71と被覆部材22とが別体の部材であることを意味する。小部材71と被覆部材22とは、材質が同じであってもよいし、異なっていてもよい。本実施形態では、小部材71は、第1構造材10の被覆部材12とも別部材である。
難燃性の小部材71としては、例えば、石膏ボード、耐水石膏ボード、ケイ酸カルシウム板、木片セメント板、木毛セメント板、窯業系サイディング、難燃木材、不燃木材、グラスウール、ロックウール、熱膨張性断熱材、モルタル、コンクリートブロック、ALC板、金属板、アルミテープ等を用いることができる。ボード材(板状材)等は、好ましくは、第2構造材20の軸方向Z2に沿う幅が10cm以下に形成又は裁断したものを用いる。
【0036】
接合構造1の耐火性能を一層向上させる観点から、第1構造材10及び第2構造材20の接合部において、第1構造材10の被覆部材12の側面2eと、第2構造材20の被覆部材22の端面2aとの間の距離Dは、好ましくは3cm以下、より好ましくは2cm以下、更に好ましくは1cm以下である(図1(b)参照)。また、接合構造1を容易に施工できるようにする観点から、前記距離Dは、好ましくは0cm超、より好ましくは1cm以上、更に好ましくは2cm以上である(図1(b)参照)。
【0037】
次に、本実施形態の接合構造1の施工方法の一例について説明する。
まず、軸方向Z1を鉛直方向に一致させた状態で第1構造材10を建てる。第1構造材10は、工場等において予め、荷重支持部11の一部に、被覆部材12及び燃えしろ層13が覆われておらず、荷重支持部11の側面11eが露出した部位を設けておくことが好ましい。そして、揚重機等により吊り上げた第2構造材20を、第1構造材10の軸方向Z1の上方から、第1構造材10の荷重支持部11における、前記露出した部位まで降下させる。そして、第1構造材10の荷重支持部11の側面11eに、第2構造材20の荷重支持部21の端面21aを固定する。このとき、第1構造材10と第2構造材20との接合部において、第1構造材10の被覆部材12と第2構造材20の被覆部材22との間に隙間7が形成されるようにする。第1構造材10の荷重支持部11に、第2構造材20の荷重支持部21を固定した後、小部材71によって、第1構造材10の被覆部材12と第2構造材20の被覆部材22との間の隙間7を覆う。このようにして、接合構造1を施工することができる。小部材71は、任意の方法によって、第1構造材10の被覆部材12又は第2構造材20の被覆部材22に固定することができる。
【0038】
また、本実施形態の接合構造1によれば、一対の第1構造材10を一定の間隔で立設させたのち、両者間に梁材としての第2構造材20を配置する際にも、第1構造材10の被覆部材12と第2構造材20の被覆部材22との間に隙間7が生じるように第2構造材20を降下させて配置可能であるので、第2構造材20の下降時に、第1構造材10の被覆部材12と第2構造材20の被覆部材22との接触が抑制され、第2構造材20の適切な位置への配置や、第2構造材20の第1構造材10への固定が容易である。
【0039】
次に、本発明の別の実施形態について、図3及び図4を参照しながら説明する。図3及び図4に示す実施形態における特に説明しない構成については、図1及び図2に示す実施形態についての説明が適宜適用される。
【0040】
図3及び図4に示す接合構造1Bは、図1及び図2に示す接合構造1と同様に、第1構造材10及び第2構造材20の接合部において、第1構造材10の被覆部材12と第2構造材20の被覆部材22との間に隙間7が形成されているが、接合構造1Bにおいては、小部材71は配されていない。
接合構造1Bにおいては、図3及び図4に示すように、前記隙間7に、熱膨張系断熱材72が配されている。熱膨張系断熱材72は、火災時等に該熱膨張系断熱材72に熱が加わることによって、前記隙間7の全部又は一部を埋めることによって、熱の遮断効果を発現して、外部からの熱に荷重支持部が晒されて発火することを抑制するものである。
膨張前の状態において、熱膨張系断熱材72は、前記隙間7を完全に埋めるように配されていてもよいし、図3(b)に示すように、前記隙間7の一部に空間が残るように配されていてもよい。熱膨張系断熱材72は、少なくとも一部が隙間7内に存在することが好ましい。熱膨張系断熱材72は、その全体が、隙間7外における該隙間7の近傍に配されていてもよい。ここでいう隙間7の近傍は、熱膨張系断熱材72が熱で膨張したときに、その一部が、該隙間7の一部又は全体を埋める程度に、該隙間7の近くに配されていることを意味する。
本実施形態では、熱膨張系断熱材72が、第2構造材20の被覆部材22の端面2aに、第1構造材10の被覆部材12の側面2eに達しないように固定されており、熱膨張系断熱材72が熱膨張することによって該側面2eに達した状態となる。
このようにして、接合構造1Bについても、前記隙間7があり、且つ火災時に該隙間7を介しての熱の流入が熱膨張した熱膨張系断熱材72により阻止されるので、接合構造1と同様に、簡便に施工することができるとともに、耐火性能に優れる。
【0041】
熱膨張系断熱材72としては、発泡性耐火テープ、発泡性耐火シート、発泡性コーキング材、発泡性耐火塗料等を用いることができる。これらの中でも、短時間で簡易に施工できるという観点から、発泡性耐火テープを用いることが好ましい。
発泡性耐火テープ及び発泡性耐火シートは、それぞれ、熱を受けると発泡して断熱層を形成するものである。発泡性耐火テープ及び発泡性耐火シートは、それぞれ、主たる構成材料として樹脂を含む。発泡性耐火テープ及び発泡性耐火シートそれぞれの主たる構成材料である樹脂としては、ブチルゴム系、エポキシ樹脂系、塩化ビニル樹脂系等が挙げられる。発泡性耐火シートは、例えば、接着剤やステープル等を用いて、被覆部材22の端面2aや被覆部材12の側面2eに固定することができる。
発泡性コーキング材及び発泡性耐火塗料は、施工箇所に塗布したり吹き付けたりすることによって施工することができるので、施工箇所が、発泡性耐火テープや発泡性耐火シートの施工が困難な箇所であっても、容易に施工できる。発泡性コーキング材及び発泡性耐火塗料それぞれの主たる構成材料である樹脂としては、シリコーン樹脂系、アクリル樹脂系、酢酸ビニル樹脂系、エポキシ樹脂系、ウレタン樹脂系等が挙げられる。
熱膨張系断熱材72は、一般に、有機系断熱材である。有機系断熱材は、有機化合物を主成分とする断熱材である。
【0042】
接合構造1Bにおいては、図5(a)~(e)に示すように、熱膨張系断熱材72が、第1構造材10の被覆部材12の側面2eに固定されていてもよい。以下、熱膨張系断熱材72の配置の仕方の変形例について、図5(a)~(e)を参照しながら説明する。
図5(a)に示す例では、熱膨張系断熱材72は、前記隙間7の底面7bから開口7aに亘って配されている。より具体的には、熱膨張系断熱材72のX1方向の一端72bは、前記隙間7の底面7bと接しており、熱膨張系断熱材72のX1方向の他端72aは、X1方向の位置が、前記隙間7の開口7aの開口面と一致している。前記隙間7の底面7bは、第2構造材20の荷重支持部21の側面により形成されている。
図5(b)に示す例では、熱膨張系断熱材72は、前記隙間7の開口7aを超えて延在している。より具体的には、熱膨張系断熱材72の他端72aは、前記隙間7の開口7aよりも、底面7bとは反対側に位置している。
図5(c)に示す例では、熱膨張系断熱材72は、前記隙間7の開口7aまで達していない。より具体的には、熱膨張系断熱材72の他端72aは、前記隙間7の開口7aよりも底面7b側に位置している。
図5(d)に示す例では、熱膨張系断熱材72は、前記隙間7の底面7bまで達していない。より具体的には、熱膨張系断熱材72の一端72bは、前記隙間7の底面7bとは接しておらず、両者は離間している。
図5(e)に示す例では、熱膨張系断熱材72は、前記隙間7外に配されている。
【0043】
図5(a)~図5(e)のいずれの変形例も、火災時に熱膨張した熱膨張系断熱材72によって隙間7が埋められるようになっているので、隙間7を介しての熱の流入を阻止することができるので、耐火性に優れる。また図5(a)~図5(e)のいずれの変形例も、隙間7を有するので、簡便に施工することもできる
【0044】
次に、上述した各実施形態に共通する事項について説明する。
燃えしろ層13,23は、クロス・ラミネーテッド・ティンバー(CLT)、集成材、単板積層材(LVL)、合板、製材、パーティクルボード(PB)、中密度繊維板(MDF)からなる群から選択される材料で形成することができ、これらの中でも、幅広で長スパンの材料の製造が容易で、かつ大規模な木造建築で美観を担保し易い観点から、クロス・ラミネーテッド・ティンバー(CLT)、集成材、単板積層材(LVL)、合板又は製材からなる群から選択される材料で形成することが好ましい。CLTや集成材は、断面が長方形状のラミナを、該長方形の頂点どうしを重ねるようにして、Y1方向又はY2方向に複数積層したものなどであってもよい。
【0045】
また、第1被覆部材12a,22aとしては、石膏ボード、耐水石膏ボード、ケイ酸カルシウム板、ALC板、木片セメント板、木毛セメント板、窯業系サイディング、モルタル、難燃木材等を用いることができ、耐火性能の観点から、石膏ボード、耐水石膏ボード、ケイ酸カルシウム板を用いることが好ましい。
【0046】
また、スペーサー17,27としては、木材や鋼製材、ステンレス鋼製材等を用いることができ、熱による変形のしにくさの観点から、木材を用いることが好ましい。
【0047】
角部補強部材15としては、石膏ボード、耐水石膏ボード、ケイ酸カルシウム板、ALC板、木片セメント板、木毛セメント板、窯業系サイディング、モルタル、難燃木材等を用いることができ、耐火性能の観点から、石膏ボード、耐水石膏ボード、ケイ酸カルシウム板を用いることが好ましい。角部補強部材15を構成する材料と、被覆部材12,22を構成する材料とは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0048】
第2被覆部材12b,22bとしては、ケイ酸カルシウム板、石膏ボード、耐水石膏ボード、ALC板、木片セメント板、木毛セメント板、窯業系サイディング、モルタル、難燃木材等を用いることができ、熱収縮を抑える観点から、ケイ酸カルシウム板を用いることが好ましい。
【0049】
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は上述した実施形態に制限されない。
例えば、上述した各実施形態では、第1燃えしろ層13a,23aは、スペーサー17,27を介して第1被覆部材12a,22aに固定されていたが、第1燃えしろ層13a,23aは、スペーサー17,27を介さずに第1被覆部材12a,22aに固定されていてもよい。また、第2燃えしろ層13b,23bは、第2被覆部材12b,22bとの間に隙間を有するようにスペーサー17,27を介して固定されていてもよい。
【0050】
また、上述した各実施形態では、第2構造材20は、第1構造材10のY1方向の一方側に接合されていたが、第2構造材20は、第1構造材10のY1方向の両側に接合されていてもよい。また第2構造材20は、第1構造材10のX1方向の一方側又は両側に接合されていてもよい。
【符号の説明】
【0051】
1,1B 接合構造
10 第1構造材
11 荷重支持部
12 被覆部材
13 燃えしろ層
20 第2構造材
21 荷重支持部
22 被覆部材
23 燃えしろ層
7 隙間
71 小部材
72 熱膨張系断熱材
図1
図2
図3
図4
図5