(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023064696
(43)【公開日】2023-05-11
(54)【発明の名称】電極構造体、ステアリングホイールおよびステアリングホイールの製造方法
(51)【国際特許分類】
B62D 1/04 20060101AFI20230501BHJP
B60R 16/027 20060101ALI20230501BHJP
【FI】
B62D1/04
B60R16/027 T
【審査請求】未請求
【請求項の数】54
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022121560
(22)【出願日】2022-07-29
(31)【優先権主張番号】P 2021174669
(32)【優先日】2021-10-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2021174694
(32)【優先日】2021-10-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2021174727
(32)【優先日】2021-10-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2022064195
(32)【優先日】2022-04-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】山下 康弘
(72)【発明者】
【氏名】山田 匠
(72)【発明者】
【氏名】澤田 剛輝
【テーマコード(参考)】
3D030
【Fターム(参考)】
3D030DA25
3D030DA35
3D030DA45
3D030DA57
3D030DA69
3D030DA78
3D030DB13
3D030DB15
3D030DB81
(57)【要約】
【課題】ステアリングホイールの外観性を確保しつつ、ステアリングホイールの製造コストの高騰化を抑制することができる電極構造体、ステアリングホイールおよびステアリングホイールの製造方法を提供する。
【解決手段】電極構造体20は、車両3に設けられたステアリングホイール1の芯金11の外周に配置される電極構造体20であって、絶縁体と、ステアリングホイール1の芯金11と対向する面と反対側の面である絶縁体の第1面21aに配置される第1電極31と、を備え、絶縁体は、芯金11に設けられた第1被係合部11c1に係合する係合部を有する。
【選択図】
図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に設けられたステアリングホイールの芯金の外周に配置される電極構造体であって、
絶縁体と、
前記ステアリングホイールの芯金と対向する面と反対側の面である前記絶縁体の第1面に配置される第1電極と、を備え、
前記絶縁体は、前記芯金に設けられた被係合部に係合する係合部を有する、
電極構造体。
【請求項2】
前記絶縁体は、第1絶縁体を含み、
前記第1電極は、前記第1絶縁体の前記第1面に配置され、
前記第1絶縁体は、前記芯金に設けられた前記被係合部に係合する前記係合部を有する、
請求項1に記載の電極構造体。
【請求項3】
前記絶縁体は、第1絶縁体および第2絶縁体を含み、
前記第1電極は、前記第1絶縁体の前記第1面に配置され、
さらに、前記第1絶縁体の前記第1面と反対側の面である第2面に配置される第2電極と、
前記第2電極と前記芯金との間に配置される前記第2絶縁体と、を備え、
前記第2絶縁体は、前記芯金に設けられた前記被係合部に係合する前記係合部を有する、
請求項1に記載の電極構造体。
【請求項4】
前記第1絶縁体、前記第2絶縁体、前記第1電極、および、前記第2電極は、前記ステアリングホイールの周方向と垂直な平面で前記ステアリングホイールを切断した場合の断面において、少なくとも前記ステアリングホイールの外周側から前記ステアリングホイールの内周側までの範囲に配置される、
請求項3に記載の電極構造体。
【請求項5】
前記第1電極および前記第2電極は、前記ステアリングホイールの周方向と垂直な平面で前記ステアリングホイールを切断した場合の断面において、曲面形状を有する、
請求項3に記載の電極構造体。
【請求項6】
前記第1絶縁体を複数備え、
複数の前記第1絶縁体それぞれが、1つの前記第1電極と1つの前記第2電極との間に、前記ステアリングホイールの周方向に沿って離間して配置され、
前記第2絶縁体を複数備え、
複数の前記第2絶縁体それぞれが、1つの前記第2電極と前記芯金との間に、前記ステアリングホイールの周方向に沿って離間して配置される、
請求項5に記載の電極構造体。
【請求項7】
複数の前記第2絶縁体それぞれは、前記係合部を有する、
請求項6に記載の電極構造体。
【請求項8】
前記第1絶縁体は、樹脂材料で構成され、
前記第2絶縁体は、樹脂材料で構成され、
前記第1電極は、金属メッキ、金属シート、または、金属板で構成され、
前記第2電極は、金属メッキ、金属シート、または、金属板で構成される、
請求項3に記載の電極構造体。
【請求項9】
前記第1電極には、前記第2電極に印加される交流電圧と同位相の交流電圧が印加される、
請求項3~8の何れか1項に記載の電極構造体。
【請求項10】
前記第1絶縁体は、第1位置決め部を有し、
前記第2絶縁体は、前記第1位置決め部と噛み合わさる第2位置決め部を有する、
請求項4~8の何れか1項に記載の電極構造体。
【請求項11】
前記係合部は、第1係合部を含み、
前記第1係合部は、前記被係合部に含まれる第1被係合部と締結する締結孔を有する、
請求項1~8の何れか1項に記載の電極構造体。
【請求項12】
前記係合部は、第2係合部を含み、
前記第2係合部は、前記被係合部に含まれる第2被係合部に係合する係合爪を有する、
請求項1~8の何れか1項に記載の電極構造体。
【請求項13】
前記芯金は、前記ステアリングホイールの周方向と垂直な平面で前記ステアリングホイールを切断した場合の断面において、湾曲状の湾曲部を有し、
前記被係合部は、前記湾曲部に形成される、
請求項1~8の何れか1項に記載の電極構造体。
【請求項14】
請求項1~8の何れか1項に記載の電極構造体と、
前記芯金と、
前記電極構造体を覆う発泡体と、を備える、
ステアリングホイール。
【請求項15】
請求項11に記載の電極構造体が備える前記締結孔に締結部材を挿入して、前記係合部を前記芯金に締結させ、
前記係合部を前記芯金に締結させた状態で、発泡体を用いて前記電極構造体を覆う、
ステアリングホイールの製造方法。
【請求項16】
請求項12に記載の電極構造体が備える前記係合爪を前記芯金に設けられた前記第2被係合部に係合させ、
前記係合爪を前記芯金に設けられた前記第2被係合部に係合させた状態で、発泡体を用いて前記電極構造体を覆う、
ステアリングホイールの製造方法。
【請求項17】
前記絶縁体は、前記ステアリングホイールの周方向と垂直な平面で前記ステアリングホイールを切断した場合の断面において、前記芯金の開口を閉じる方向に延設する延設部を有し、
前記延設部は、前記芯金に接続されている、
請求項1に記載の電極構造体。
【請求項18】
前記延設部には、挿通孔が形成され、
前記挿通孔は、前記ステアリングホイールの周方向と垂直な平面で前記ステアリングホイールを切断した場合の断面において、前記芯金に設けられた締結孔と同軸となる位置に形成され、
締結部材が、前記延設部の前記挿通孔、及び、前記芯金に設けられた前記締結孔に挿入される、
請求項17に記載の電極構造体。
【請求項19】
前記延設部には、前記芯金に設けられた被係合部に係合する爪部が形成され、
前記芯金は、前記ステアリングホイールの周方向と垂直な平面で前記ステアリングホイールを切断した場合の断面において、湾曲部、第1部および、第2部を有し、
前記第1部は、前記第2部よりも短く形成され、
前記被係合部は、前記第2部に形成され、
前記延設部は、前記ステアリングホイールの周方向と垂直な平面で前記ステアリングホイールを切断した場合の断面において、前記第1部の長手方向と垂直な方向で前記第2部に向かって延設し、
前記延設部に形成された前記爪部は、前記第2部に形成された前記被係合部に係合する、
請求項17に記載の電極構造体。
【請求項20】
前記絶縁体は、第1絶縁体および第2絶縁体を含み、
前記第1電極は、前記第1絶縁体の前記第1面に配置され、
さらに、前記第1絶縁体の前記第1面と反対側の面である第2面に配置される第2電極と、
前記第1電極と前記芯金との間に配置される前記第2絶縁体と、を備え、
前記第2絶縁体は、前記ステアリングホイールの周方向と垂直な平面で前記ステアリングホイールを切断した場合の断面において、前記芯金の開口を閉じる方向に延設する前記延設部を有し、
前記ステアリングホイールの周方向と垂直な平面で前記ステアリングホイールを切断した場合の断面において、前記延設部は、前記芯金の開口を閉じて前記芯金の外周面に沿うように形成され、
前記延設部には、前記芯金に設けられた第1被係合凹部に係合する第1係合爪が形成され、
前記ステアリングホイールの周方向と垂直な平面で前記ステアリングホイールを切断した場合の断面において、前記第2絶縁体には、前記延設部が形成されていない前記第2絶縁体の他端において、前記芯金に設けられた第2被係合凹部に係合する第2係合爪が形成される、
請求項17に記載の電極構造体。
【請求項21】
前記絶縁体は、第1絶縁体および第2絶縁体を含み、
前記第1電極は、前記第1絶縁体の前記第1面に配置され、
さらに、前記第1絶縁体の前記第1面と反対側の面である第2面に配置される第2電極と、
前記第1電極と前記芯金との間に配置される前記第2絶縁体と、を備え、
前記第2絶縁体は、前記ステアリングホイールの周方向と垂直な平面で前記ステアリングホイールを切断した場合の断面において、前記芯金の開口を閉じる方向に延設する前記延設部を有し、
前記ステアリングホイールの周方向と垂直な平面で前記ステアリングホイールを切断した場合の断面において、前記延設部には、前記芯金の開口を閉じる方向と直交する方向に突出する突出部が形成され、
前記突出部には、前記芯金に設けられた被係合部に係合する爪部が形成される、
請求項17に記載の電極構造体。
【請求項22】
前記絶縁体は、前記ステアリングホイールの周方向において前記絶縁体に隣接して配置された別の絶縁体と連結する連結部を有する、
請求項1に記載の電極構造体。
【請求項23】
車両に設けられたステアリングホイールの芯金の外周に配置される電極構造体であって、
絶縁体と、
前記ステアリングホイールの前記芯金と対向する面と反対側の面である前記絶縁体の第1面に配置される第1電極と、を備え、
前記絶縁体は、前記ステアリングホイールの周方向と垂直な平面で前記ステアリングホイールを切断した場合の断面において、前記芯金の開口を閉じる方向に延設する延設部を有し、
前記延設部は、前記芯金に接続されている、
電極構造体。
【請求項24】
前記絶縁体は、第1絶縁体を含み、
前記第1電極は、前記第1絶縁体の前記第1面に配置され、
前記第1絶縁体は、前記ステアリングホイールの周方向と垂直な平面で前記ステアリングホイールを切断した場合の断面において、前記芯金の開口を閉じる方向に延設する前記延設部を有する、
請求項23に記載の電極構造体。
【請求項25】
前記絶縁体は、第1絶縁体および第2絶縁体を含み、
前記第1電極は、前記第1面に配置され、
さらに、前記第1絶縁体の前記第1面と反対側の面である第2面に配置される第2電極と、
前記第1電極と前記芯金との間に配置される前記第2絶縁体と、を備え、
前記第2絶縁体は、前記ステアリングホイールの周方向と垂直な平面で前記ステアリングホイールを切断した場合の断面において、前記芯金の開口を閉じる方向に延設する前記延設部を有する、
請求項23に記載の電極構造体。
【請求項26】
前記延設部には、挿通孔が形成される、
請求項23に記載の電極構造体。
【請求項27】
前記挿通孔は、前記ステアリングホイールの周方向と垂直な平面で前記ステアリングホイールを切断した場合の断面において、前記芯金に設けられた締結孔と同軸となる位置に形成され、
締結部材が、前記延設部の前記挿通孔、及び、前記芯金に設けられた前記締結孔に挿入される、
請求項26に記載の電極構造体。
【請求項28】
前記延設部には、前記芯金に設けられた被係合部に係合する爪部が形成される、
請求項23に記載の電極構造体。
【請求項29】
前記芯金は、前記ステアリングホイールの周方向と垂直な平面で前記ステアリングホイールを切断した場合の断面において、湾曲部、第1部および、第2部を有し、
前記第1部は、前記第2部よりも短く形成され、
前記被係合部は、前記第2部に形成され、
前記延設部は、前記ステアリングホイールの周方向と垂直な平面で前記ステアリングホイールを切断した場合の断面において、前記第1部の長手方向と垂直な方向で前記第2部に向かって延設し、
前記延設部に形成された前記爪部は、前記第2部に形成された前記被係合部に係合する、
請求項28に記載の電極構造体。
【請求項30】
前記ステアリングホイールの周方向と垂直な平面で前記ステアリングホイールを切断した場合の断面において、前記延設部は、前記芯金の開口を閉じて前記芯金の外周面に沿うように形成され、
前記延設部には、前記芯金に設けられた第1被係合凹部に係合する第1係合爪が形成される、
請求項25に記載の電極構造体。
【請求項31】
前記ステアリングホイールの周方向と垂直な平面で前記ステアリングホイールを切断した場合の断面において、前記第2絶縁体には、前記延設部が形成されていない前記第2絶縁体の他端において、前記芯金に設けられた第2被係合凹部に係合する第2係合爪が形成される、
請求項30に記載の電極構造体。
【請求項32】
前記ステアリングホイールの周方向と垂直な平面で前記ステアリングホイールを切断した場合の断面において、前記延設部には、前記芯金の開口を閉じる方向と直交する方向に突出する突出部が形成され、
前記突出部には、前記芯金に設けられた被係合部に係合する爪部が形成される、
請求項25に記載の電極構造体。
【請求項33】
前記ステアリングホイールの周方向と垂直な平面で前記ステアリングホイールを切断した場合の断面において、前記ステアリングホイールの断面周方向に対し、前記第1絶縁体、前記第1電極、及び前記第2電極は、1/4周以下の範囲に亘って配置されている、
請求項25、30~32の何れか1項に記載の電極構造体。
【請求項34】
前記第1絶縁体、前記第1電極、および、前記第2電極は、前記ステアリングホイールの周方向と垂直な平面で前記ステアリングホイールを切断した場合の断面において、少なくとも前記ステアリングホイールの外周側から前記ステアリングホイールにおける前記車両の後方側までの範囲に配置される、
請求項25、30~32の何れか1項に記載の電極構造体。
【請求項35】
前記第1絶縁体は、樹脂材料で構成され、
前記第2絶縁体は、樹脂材料で構成され、
前記第1電極は、金属メッキ、金属シート、または、金属板で構成され、
前記第2電極は、金属メッキ、金属シート、または、金属板で構成される、
請求項25、30~32の何れか1項に記載の電極構造体。
【請求項36】
前記第1電極には、前記第2電極に印加される交流電圧と同位相の交流電圧が印加される、
請求項25、30~32の何れか1項に記載の電極構造体。
【請求項37】
前記第1絶縁体は、第1位置決め部を有し、
前記第2絶縁体は、前記第1位置決め部と噛み合わさる第2位置決め部を有する、
請求項25、30~32の何れか1項に記載の電極構造体。
【請求項38】
請求項23~32の何れか1項に記載の電極構造体と、
前記芯金と、
前記電極構造体を覆う発泡体と、を備える、
ステアリングホイール。
【請求項39】
請求項26又は27に記載の電極構造体が備える前記挿通孔に締結部材を挿入して、前記延設部を前記芯金に締結させ、
前記延設部を前記芯金に締結させた状態で、発泡体を用いて前記電極構造体を覆う、
ステアリングホイールの製造方法。
【請求項40】
請求項28、29又は32の何れか1項に記載の電極構造体が備える前記爪部を前記芯金に設けられた前記被係合部に係合させ、
前記延設部を前記被係合部に係合させた状態で、発泡体を用いて前記電極構造体を覆う、
ステアリングホイールの製造方法。
【請求項41】
請求項30又は31に記載の電極構造体が備える前記第1係合爪を前記芯金に設けられた第1被係合凹部に係合させ、
前記延設部を前記芯金に係合させた状態で、発泡体を用いて前記電極構造体を覆う、
ステアリングホイールの製造方法。
【請求項42】
車両に設けられたステアリングホイールの芯金の外周に配置される電極構造体であって、
絶縁体と、
前記ステアリングホイールの芯金と対向する面と反対側の面である前記絶縁体の第1面に配置される第1電極と、を備え、
前記絶縁体は、前記ステアリングホイールの周方向において前記絶縁体に隣接して配置された別の絶縁体と連結する連結部を有する、
電極構造体。
【請求項43】
前記絶縁体は、第1絶縁体を含み、
前記第1電極は、前記第1絶縁体の前記第1面に配置され、
前記第1絶縁体は、前記ステアリングホイールの周方向において前記第1絶縁体に隣接して配置された別の第1絶縁体と連結する前記連結部を有する、
請求項42に記載の電極構造体。
【請求項44】
前記絶縁体は、第1絶縁体および第2絶縁体を含み、
前記第1電極は、前記第1絶縁体の前記第1面に配置され、
さらに、前記第1絶縁体の前記第1面と反対側の面である第2面に配置される第2電極と、
前記第1電極と前記芯金との間に配置される前記第2絶縁体と、を備え、
前記第2絶縁体は、前記ステアリングホイールの周方向において前記第2絶縁体に隣接して配置された別の第2絶縁体と連結する連結部を有する、
請求項42に記載の電極構造体。
【請求項45】
前記第2絶縁体は、さらに、前記ステアリングホイールの周方向における一方側の端縁に形成された被連結部を有し、
前記連結部は、
前記ステアリングホイールの周方向における前記第2絶縁体の他方側の端縁に形成され、
前記別の第2絶縁体の被連結部と連結する爪状をなしている、
請求項44に記載の電極構造体。
【請求項46】
前記第1絶縁体は、前記ステアリングホイールの周方向において前記第1絶縁体に隣接して配置された別の第1絶縁体と連結する連結部を有する、
請求項44に記載の電極構造体。
【請求項47】
前記第1絶縁体は、さらに、前記ステアリングホイールの周方向における他方側の端縁に形成された被連結部を有し、
前記連結部は、
前記ステアリングホイールの周方向における前記第1絶縁体の一方側の端縁に形成され、
前記別の第1絶縁体の被連結部と連結する凸部である、
請求項46に記載の電極構造体。
【請求項48】
前記絶縁体は、第1絶縁体および第2絶縁体を含み、
前記第1電極は、前記第1絶縁体の前記第1面に配置され、
さらに、前記第1絶縁体の前記第1面と反対側の面である第2面に配置される第2電極と、
前記第1電極と前記芯金との間に配置される前記第2絶縁体と、を備え、
前記第1絶縁体は、前記ステアリングホイールの周方向において前記第1絶縁体に隣接して配置された別の第1絶縁体と連結する第1連結部を有し、
前記第2絶縁体は、前記ステアリングホイールの周方向において前記第2絶縁体に隣接して配置された別の第2絶縁体と連結する第2連結部を有し、
前記第2絶縁体は、さらに、前記ステアリングホイールの周方向における一方側の端縁に形成された第2被連結部を有し、
前記第2連結部は、
前記ステアリングホイールの周方向における前記第2絶縁体の他方側の端縁に形成され、
前記別の第2絶縁体の第2被連結部と連結する爪状をなしており、
前記第1絶縁体は、さらに、前記ステアリングホイールの周方向における前記他方側の端縁に形成された第1被連結部を有し、
前記第1連結部は、
前記ステアリングホイールの周方向における前記第1絶縁体の前記一方側の端縁に形成され、
前記別の第1絶縁体の第1被連結部と連結する凸部である、
請求項42に記載の電極構造体。
【請求項49】
前記第1絶縁体、前記第2絶縁体、前記第1電極、および、前記第2電極は、前記ステアリングホイールの周方向と垂直な平面で前記ステアリングホイールを切断した場合の断面において、少なくとも前記ステアリングホイールの外周側から前記ステアリングホイールの内周側までの範囲に配置される、
請求項44~48の何れか1項に記載の電極構造体。
【請求項50】
前記第1絶縁体は、樹脂材料で構成され、
前記第2絶縁体は、樹脂材料で構成され、
前記第1電極は、金属メッキ、金属シート、または、金属板で構成され、
前記第2電極は、金属メッキ、金属シート、または、金属板で構成される、
請求項44~48の何れか1項に記載の電極構造体。
【請求項51】
前記第1電極には、前記第2電極に印加される交流電圧と同位相の交流電圧が印加される、
請求項44~48の何れか1項に記載の電極構造体。
【請求項52】
前記第1絶縁体は、第1位置決め部を有し、
前記第2絶縁体は、前記第1位置決め部と噛み合わさる第2位置決め部を有する、
請求項44~48の何れか1項に記載の電極構造体。
【請求項53】
請求項42~48の何れか1項に記載の電極構造体と、
前記芯金と、
前記電極構造体を覆う発泡体と、を備える、
ステアリングホイール。
【請求項54】
請求項47に記載の電極構造体の前記第1絶縁体が有する前記連結部および前記第2絶縁体が有する前記被連結部に、前記ステアリングホイールの周方向において当該電極構造体の前記第1絶縁体および前記第2絶縁体に隣接して配置された別の第1絶縁体の前記被連結部および前記別の第2絶縁体の前記連結部を一対一で連結させ、
前記第1絶縁体が有する前記連結部および前記第2絶縁体が有する前記被連結部に前記別の第1絶縁体の前記被連結部および前記別の第2絶縁体の前記連結部を一対一で連結させた状態で、発泡体を用いて前記電極構造体を覆う、
ステアリングホイールの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電極構造体、ステアリングホイールおよびステアリングホイールの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、切削工具を用いてステアリングホイールの発泡体に切れ込みを入れ、切れ込みの第1の層および第2の層のそれぞれにセンサの導電体を導入する方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ステアリングホイールの発泡体に切れ込みがなされるため、外観性に改善の余地があった。また、切れ込み作業およびセンサの導電体を導入するための工数が増加するため、ステアリングホイールの製造コストに改善の余地があった。
【0005】
そこで、本開示は、ステアリングホイールの外観性を確保しつつ、ステアリングホイールの製造コストの高騰化を抑制することができる電極構造体、ステアリングホイールおよびステアリングホイールの製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る電極構造体は、車両に設けられたステアリングホイールの芯金の外周に配置される電極構造体であって、絶縁体と、前記ステアリングホイールの芯金と対向する面と反対側の面である前記絶縁体の第1面に配置される第1電極と、を備え、前記絶縁体は、前記芯金に設けられた被係合部に係合する係合部を有する。
【0007】
なお、これらの包括的または具体的な側面は、システム、装置、方法、記録媒体、または、コンピュータプログラムで実現されてもよく、システム、装置、方法、記録媒体、および、コンピュータプログラムの任意な組み合わせで実現されてもよい。
【発明の効果】
【0008】
本開示の電極構造体等は、ステアリングホイールの外観性を確保しつつ、ステアリングホイールの製造コストの高騰化を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施の形態1におけるステアリングホイールが配置された車両の車室を示す図である。
【
図2A】
図2Aは、実施の形態1のステアリングホイールを示す斜視図、電極構造体を示す部分拡大図、
図2Aの一点鎖線における芯金の断面図、および、第1絶縁体の第1位置決め部と第2絶縁体の第2位置決め部とを示す部分拡大図である。
【
図2B】
図2Bは、第1係合部が設けられていない電極構造体および第1被係合部が設けられていない芯金を示す斜視図である。
【
図3】
図3は、
図2AのA-A線におけるステアリングホイールの第1被係合部および第1係合部を示す断面図である。
【
図4】
図4は、実施の形態1におけるステアリングホイールの第1被係合部、第2被係合部および第2係合部を示す斜視図である。
【
図5】
図5は、
図4のB-B線におけるステアリングホイールの第2被係合部および第2係合部を示す断面図である。
【
図6】
図6は、実施の形態1におけるステアリングホイールを示すブロック図である。
【
図7】
図7は、実施の形態1のステアリングホイールの製造方法を示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、実施の形態1の変形例1のステアリングホイールを示す斜視図および電極構造体を示す部分拡大図である。
【
図9】
図9は、ステアリングホイールの第1被係合部および第1係合部を示す断面図である。
【
図10】
図10は、
図8のC-C線におけるステアリングホイールの第2被係合部および第2係合部を示す断面図である。
【
図11】
図11は、実施の形態1の変形例2のステアリングホイールを示す斜視図である。
【
図12】
図12は、実施の形態1の変形例2の電極構造体を示す斜視図である。
【
図14A】
図14Aは、実施の形態1の変形例3の電極構造体および芯金を示す別の斜視図である。
【
図14B】
図14Bは、実施の形態1の変形例3において、ハーネスと第1電極および第2電極との電気的接続を示す部分拡大斜視図である。
【
図14C】
図14Cは、実施の形態1の変形例3の電極構造体および芯金を示す別の斜視図である。
【
図14D】
図14Dは、実施の形態1の変形例3において、ハーネスと第1電極および第2電極とがリベットでカシメられることで電気的接続された場合を示す部分拡大斜視図である。
【
図15】
図15は、実施の形態1の変形例4の電極構造体および芯金を示す斜視図である。
【
図16】
図16は、実施の形態1の変形例4の電極構造体を示す分解斜視図である。
【
図17A】
図17Aは、その他変形例において複数の第1絶縁体に対して第1電極が1つの場合に、第1電極とハーネスとがリベットでカシメられることで電気的に接続された場合を示す斜視図である。
【
図17B】
図17Bは、その他変形例において複数の第1絶縁体に対して第1電極が1つの場合に、第1電極とハーネスとが半田で電気的に接続された場合を示す斜視図である。
【
図18A】
図18Aは、実施の形態2のステアリングホイールを示す斜視図、電極構造体を示す部分拡大図、および、
図18Aの一点鎖線における芯金の断面図である。
【
図18B】
図18Bは、第1延設部が設けられていない電極構造体および第1被係合部が設けられていない芯金を示す斜視図である。
【
図21】
図21は、
図19Aにおいて、ステアリングホイールの第2絶縁体が係合支持片を有しない電極構造体および芯金を示す断面図である。
【
図22】
図22は、実施の形態2の変形例1のステアリングホイールを示す斜視図、および、電極構造体を示す部分拡大図である。
【
図24】
図24は、実施の形態2の変形例2のステアリングホイールを示す斜視図である。
【
図25】
図25は、実施の形態2の変形例2の電極構造体を示す斜視図である。
【
図27】
図27は、ハーネスと第1電極および第2電極との電気的接続を示す部分拡大斜視図である。
【
図28】
図28は、実施の形態2の変形例3のステアリングホイールを示す斜視図、および、電極構造体を示す部分拡大図である。
【
図29】
図29は、実施の形態2の変形例4のステアリングホイールを示す斜視図である。
【
図30】
図30は、実施の形態2の変形例5のステアリングホイールを示す斜視図および電極構造体を示す部分拡大図である。
【
図32】
図32は、実施の形態2の変形例6のステアリングホイールを示す斜視図である。
【
図33】
図33は、実施の形態2の変形例6の電極構造体および芯金を示す斜視図である。
【
図36】
図36は、実施の形態2の変形例7のステアリングホイールを示す斜視図である。
【
図38】
図38は、実施の形態3におけるステアリングホイールが配置された車両の車室を示す図である。
【
図39B】
図39Bは、第1係合部が設けられていない電極構造体、および、第1被係合部が設けられていない芯金を示す斜視図である。
【
図39C】
図39Cは、
図39AのP-P線におけるステアリングホイールの第1被係合部および第1係合部を示す断面図である。
【
図40】
図40は、実施の形態3の変形例1のステアリングホイールを示す斜視図である。
【
図41】
図41は、実施の形態3の変形例1の電極構造体を示す斜視図である。
【
図44】
図44は、
図40のハーネスと第1電極および第2電極との電気的接続を示す部分拡大斜視図である。
【
図45】
図45は、実施の形態3の変形例2のステアリングホイールを示す斜視図および電極構造体を示す部分拡大斜視図である。
【
図47】
図47は、ステアリングホイールの周方向と垂直な平面でステアリングホイールを切断した場合の断面を示す断面図である。
【
図48】
図48は、その他変形例において第1絶縁体の第1位置決め部と第2絶縁体の第2位置決め部とを示す部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0011】
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置および接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0012】
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、同じ構成部材については同じ符号を付している。
【0013】
また、以下の実施の形態において、略等間隔またはT字状等の表現を用いている。例えば、略等間隔またはT字状は、完全に等間隔またはT字であることを意味するだけでなく、実質的に等間隔またはT字である、すなわち数%程度の誤差を含むことも意味する。また、略等間隔またはT字状は、本開示による効果を奏し得る範囲において等間隔またはT字という意味である。他の「略」、「状」を用いた表現についても同様である。
【0014】
(実施の形態1)
<構成:ステアリングホイール1>
図1は、実施の形態1におけるステアリングホイール1が配置された車両3の車室を示す図である。
図2Aは、実施の形態1のステアリングホイール1を示す斜視図、電極構造体20を示す部分拡大図、
図2Aの一点鎖線における芯金11の断面図、および、第1絶縁体21の第1位置決め部21tと第2絶縁体22の第2位置決め部22tとを示す部分拡大図である。
図2Aの第1絶縁体21の第1位置決め部21tと第2絶縁体22の第2位置決め部22tとを示す部分拡大図では、ハーネス8a、8bの図示を省略している。
【0015】
図1および
図2Aに示すように、ステアリングホイール1は、例えば車両3の操舵輪に対して操舵角を与えることができる。
【0016】
ステアリングホイール1は、リム10を有する。リム10は、リム10の内周面に配置されたT字状のスポーク9と一体的に形成されている。
【0017】
リム10は、芯金11と、電極構造体20と、電極構造体20を覆う発泡体15とを備える。
【0018】
[芯金11]
図3は、
図2AのA-A線におけるステアリングホイール1の第1被係合部11c1および第1係合部23aを示す断面図である。
【0019】
芯金11は、
図2Aおよび
図3に示すように、金属製の円環状の芯である。具体的には、芯金11は、円環状の第1部11aと、第1部11aの内周側に配置された円環状の第2部11bと、第1部11aと第2部11bとを連結する湾曲状の湾曲部11cとを有する。第1部11aの一端縁は湾曲部11cの一端縁に連結され、第2部11bの一端縁は湾曲部11cの他端縁に連結されている。つまり、湾曲部11cは、芯金11の周方向と垂直な平面で芯金11を切断した場合の断面(以下、芯金11の断面ということがある。)において第1部11aと第2部11bとの間に配置される。このような芯金11の断面は、U字状、V字状、J字状、C字状等の形状である。
図2Aでは、芯金11の断面がU字状の場合を例示している。また、本実施の形態では、芯金11の断面において、第1部11aおよび第2部11bは、直線状である。
【0020】
また、芯金11の断面がU字状、V字状、J字状、C字状等の形状であるため、第1部11a、第2部11bおよび湾曲部11cによって、芯金11には凹部10aが形成される。凹部10aは、円環状をなした凹部10aである。本実施の形態では、凹部10aの開口は、リム10における車両3の前方側(リム10に対する座席側と反対側)に形成されている。
【0021】
図4は、実施の形態1におけるステアリングホイール1の第1被係合部11c1、第2被係合部11c2および第2係合部23bを示す斜視図である。
【0022】
図3および
図4に示すように、凹部10aには、第1被係合部11c1と、第2被係合部11c2とが形成されている。
【0023】
第1被係合部11c1は、凹部10a側である湾曲部11cの裏面に形成され、当該裏面から立設する円筒状または円管状の突部である。第1被係合部11c1の内部には、ネジ等の締結部材19および第2絶縁体22の第1係合部23aを挿入可能な挿入孔11dが形成されている。第1被係合部11c1の底部、言い換えれば第1被係合部11c1の先端には、締結部材19を挿入可能なネジ孔11d1が形成されている。第1被係合部11c1は、被係合部の一例である。
【0024】
図5は、
図4のB-B線におけるステアリングホイール1の第2被係合部11c2および第2係合部23bを示す断面図である。
【0025】
図4および
図5に示すように、第2被係合部11c2は、凹部10aに形成された挿通孔11c3および立壁11c4で構成される。挿通孔11c3の内部には、第2絶縁体22の第2係合部23bを挿入可能である。立壁11c4は、凹部10a側である湾曲部11cの裏面に形成され、当該裏面から立設する板状の突部である。立壁11c4は、挿通孔11c3に挿入された第2係合部23bと係合可能である。第2被係合部11c2は、被係合部の一例である。
【0026】
なお、本実施の形態に係る芯金11は、第1被係合部11c1および第2被係合部11c2を有しているが、これに限定されない。
図2Bは、第1係合部が設けられていない電極構造体20g、および、第1被係合部が設けられていない芯金11gを示す斜視図である。例えば、
図2Bに示すように、芯金11gは、第1被係合部を有さず、第2被係合部11c2を有してもよい。この場合、図示は省略するが、電極構造体20gは、第1係合部を有さず、第2係合部23bを有してもよい。また、芯金11gは、第2被係合部を有さず、第1被係合部11c1を有してもよい。この場合、電極構造体20は、第2係合部を有さず、第1係合部23aを有してもよい。
【0027】
[電極構造体20]
図1および
図2Aに示すように、電極構造体20は、運転者の手によるステアリングホイール1の把持を検出する装置に用いられる。具体的には、電極構造体20は、ステアリングホイール1の把持を検出し易いように、車両3に設けられたステアリングホイール1の芯金11の外周に配置されている。より具体的には、電極構造体20は、芯金11の第1部11aから湾曲部11cを経由して第2部11bに亘って、芯金11の外周側から内周側に亘って覆うように、芯金11に設けられている。つまり、複数の電極構造体20は、芯金11の凹部10aを除いて、芯金11を覆うように芯金11に設けられている。
【0028】
電極構造体20には、運転者の手によってステアリングホイール1の把持を検出することが可能な制御回路40が接続されている。運転者の手によってリム10が把持されると、電極構造体20の電極とその手との間の静電容量が変化する。制御回路40は、電極構造体20の電極から、静電容量が変化した出力信号に基づいて把持を検出する。具体的には、制御回路40は、その電極の静電容量、または、その静電容量に応じた値(変化量)を計測し、その値に基づいて、運転者の手によるリム10の把持を検出する。このような、制御回路40は、専用回路または汎用プロセッサで構成されている。また、制御回路40は、例えば
図1のスポーク9に埋設されている。
【0029】
また、電極構造体20は、車両3に設けられたステアリングホイール1に配置されている。本実施の形態では、電極構造体20は、ステアリングホイール1のリム10に埋設されている。また、
図1等では、電極構造体20がリム10の左右にそれぞれ設けられている場合を例示している。なお、
図1等では、リム10の一部に一対の電極構造体20が設けられている場合を例示しているが、これには限定されない。例えば、電極構造体20は、3つ以上がリム10に設けられていてもよく、1つがリム10に設けられてもよい。
【0030】
図6は、実施の形態1におけるステアリングホイール1を示すブロック図である。
【0031】
具体的には、
図2Aおよび
図3に示すように、電極構造体20は、第1絶縁体21と、第2絶縁体22と、第1電極31と、第2電極32とを備える。
【0032】
第1絶縁体21は、芯金11の外周側の面に沿って、芯金11の表面から離間した状態で配置されている。ここで、芯金11の外周側の面は、円環状の芯金11の全体を見た場合に、スポーク9が配置された芯金11の内周側の面とは反対側の面である。
【0033】
また、第1絶縁体21は、芯金11側と反対側の面である第1面21aと、芯金11側の第2面21bとを有する。第1面21aには第1電極31が配置され、第2面21bには第2電極32が配置されている。言い換えれば、第1絶縁体21は、第1電極31と第2電極32とで挟まれている。このような、第1絶縁体21は、第1電極31と第2電極32とを離間させ、かつ、第1電極31と第2電極32とが重なる状態に配置することができる。つまり、第1絶縁体21は、第1電極31と第2電極32とが電気的に接続されないように第1電極31と第2電極32とを配置することができる。
【0034】
なお、本実施の形態では、第1絶縁体21は、第1電極31と第2電極32との間を埋めるように、第1電極31および第2電極32と同等の長さとなるように、第1電極31および第2電極32の長手方向に沿って延びているが、第1電極31と第2電極32との間の一部に配置されていてもよい。
【0035】
また、第1絶縁体21は、例えば、ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレート等の硬質プラスチック等の樹脂材料で構成されている。
【0036】
また、第1絶縁体21は、一定の板厚が確保されている。一定の板厚とは、例えば、第1絶縁体21の厚みが数(mm)程度の厚みである。第1絶縁体21が一定の板厚を確保しているため、剛性が確保される。
【0037】
また、第1絶縁体21および第2電極32は、第2絶縁体22に支持されることで、芯金11に対して所定距離だけ離間した状態で配置されている。言い換えると、第1絶縁体21と第2絶縁体22との間に配置された第2電極32は、第2絶縁体22によって芯金11に対して所定距離だけ離間した状態で配置される。つまり、第1絶縁体21および第2電極32と、芯金11との間には、第2絶縁体22が配置されている。
【0038】
第2絶縁体22は、第2電極32と芯金11との間に配置され、第1絶縁体21、第1電極31および第2電極32と重なり合い、第1絶縁体21、第1電極31および第2電極32に覆われている。また、第2絶縁体22は、芯金11の外周側の面に接触した状態で、芯金11の外周側の面に沿って配置されている。つまり、第2絶縁体22は、第2電極32と芯金11とが電気的に接続されないように第2電極32を配置することができる。また、第1絶縁体21および/または第2絶縁体22は、絶縁体とも総称する、言い換えると、第1絶縁体21および/または第2絶縁体22は、絶縁体に含まれる。
【0039】
なお、本実施の形態では、第2絶縁体22は、第2電極32と芯金11との間を埋めるように、第2電極32と同等の長さとなるように、第2電極32の長手方向に沿って延びているが、第2電極32と芯金11との間の一部に配置されていてもよい。
【0040】
また、第2絶縁体22は、
図3、
図4および
図5に示すように、ステアリングホイール1の周方向と垂直な平面でステアリングホイール1を切断した場合の断面(以下、ステアリングホイール1の断面ということがある。)において、芯金11に設けられた第1被係合部11c1に係合する第1係合部23a、および、第2被係合部11c2に係合する第2係合部23bを有する。第1係合部23aおよび第2係合部23bは、係合部に含まれる。
【0041】
第1係合部23aは、芯金11の第1被係合部11c1と係合する。具体的には、第1係合部23aは、第1被係合部11c1の内部に挿入することで、第1被係合部11c1と係合することができる。つまり、第1係合部23aは、第2絶縁体22の芯金11側の面から立設する円筒状または円管状をなしており、第1被係合部11c1の内部に嵌め合わされることで、第1被係合部11c1に固定される。
【0042】
また、第1係合部23aは、円筒状または円管状であるが、第1被係合部11c1のネジ孔11d1に対応する締結孔23a1を有する。つまり、第1係合部23aは、第1被係合部11c1のネジ孔11d1を挿通した締結部材19が第1係合部23aの締結孔23a1に挿入されることで、締結部材19と締結することができる。
【0043】
第2係合部23bは、芯金11の第2被係合部11c2と係合する係合爪23b1を有する。具体的には、第2係合部23bは、第2被係合部11c2の挿通孔11c3に挿入されて、第2被係合部11c2の立壁11c4と係合することができる係合爪23b1を有する。つまり、第2係合部23bは、第2絶縁体22の芯金11側の面から立設する棒状または板状をなしており、第2被係合部11c2の挿通孔11c3に挿入されることで、第2係合部23bの係合爪23b1が第2被係合部11c2の立壁11c4に引っ掛かる。なお、本実施の形態では、係合爪23b1は、芯金11の周方向に沿って突出しているが、芯金11の周方向と交差する方向に突出していてもよい。本実施の形態の芯金11の立壁11c4は、芯金11の周方向と直交するように配置されているが、係合爪23b1が芯金11の周方向と交差する方向に突出している場合、芯金11の周方向に沿って配置されていてもよい。
【0044】
また、第1係合部23aおよび第2係合部23bのそれぞれは、第2絶縁体22に1以上配置されている。また、第1係合部23aおよび第2係合部23bの数に応じて、第1被係合部11c1および第2被係合部11c2のそれぞれは、芯金11に複数形成されている。また、第1係合部23a、第2係合部23b、第1被係合部11c1および第2被係合部11c2のそれぞれは、リム10上に略等間隔に配置されてもよい。
【0045】
また、第2絶縁体22は、例えば、ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレート等の硬質プラスチック等の樹脂材料で構成されている。
【0046】
また、第2絶縁体22は、一定の板厚が確保されている。一定の板厚とは、例えば、第2絶縁体22の厚みが数(mm)程度の厚みである。第2絶縁体22が一定の板厚を確保しているため、剛性が確保される。
【0047】
また、
図2Aに示すように、第1絶縁体21は第1位置決め部21tを有し、第2絶縁体22は第2位置決め部22tを有している。第1位置決め部21tは、芯金11の周方向に沿って延びた第1絶縁体21の両端部の角部に形成されている。第2位置決め部22tは、芯金11の周方向に沿って延びた第2絶縁体22の両端部の角部に形成されている。本実施の形態では、第1位置決め部21tは、第2位置決め部22tと噛み合わさる凹部であるが、第2位置決め部22tと噛み合わさる凸部であってもよい。第2位置決め部22tは、第1位置決め部21tと噛み合わさる凸部であるが、第1位置決め部21tと噛み合わさる凹部であってもよい。第1絶縁体21と第2絶縁体22とで第2電極32を挟みながら、第1絶縁体21を第2絶縁体22に組付ける際に、第1位置決め部21tは、第2位置決め部22tと噛み合わされる。これにより、第1絶縁体21と第2絶縁体22との位置合わせをすることができるため、第1絶縁体21と第2絶縁体22との周方向のズレの発生を抑制でき、組付けを容易かつ適切にすることができる。
【0048】
なお、第1位置決め部21tは第1絶縁体21の角部に形成されているが、どこに形成されていてもよい。また、第1位置決め部21tは第1絶縁体21に複数形成されていてもよい。また、第2位置決め部22tは第2絶縁体22の角部に形成されているが、どこに形成されていてもよい。また、第2位置決め部22tは第2絶縁体22に複数形成されていてもよい。例えば、第1位置決め部21tは第1絶縁体21の両端部における4つの角部に形成されていてもよく、第2位置決め部22tは、第2絶縁体22の両端部における4つの角部に形成されていてもよい。
【0049】
また、第1電極31、第2電極32、第1絶縁体21および第2絶縁体22は、一体的に構成されていてもよく、それぞれが分離可能な別体であってもよい。
【0050】
第1電極31は、金属メッキ、金属シート、または、金属板で構成される。第1電極31が金属シート、または、金属板の場合、金属シート、または、金属板が接着剤等によって第1絶縁体21の第1面21aに貼り付けられる。第1電極31は、例えば、銅またはアルミニウム等を含んだ金属である。
【0051】
また、第1電極31は、ステアリングホイール1の芯金11と対向する面と反対側の面である第1絶縁体21の第1面21aに配置されている。ここで、第1絶縁体21における芯金11と対向する面とは、第2絶縁体22および第2電極32を介して芯金11と対向する第1絶縁体21の第2面21bのことである。つまり、第1電極31は、芯金11および第2電極32から離間して配置されている。
【0052】
また、第1電極31には、
図6に示すように、交流電圧が印加される。第1電極31に印加される交流電圧は、
図6の電源部41から供給された電力によって制御回路40で生成される。ここで、第1電極31は第1絶縁体21の第1面21aに配置されているため、リム10において第1電極31が配置されている部位が、運転者の手によって把持されると、第1電極31とその手との間に静電容量が形成される。したがって、制御回路40は、その静電容量の変化に応じて、手によるリム10の把持を検出することができる。
【0053】
第1電極31および第2電極32は、ハーネス8a、8bと電気的に接続されている。
【0054】
図2Aに示すように、ハーネス8aがそれぞれの電極構造体20の第1電極31と電気的に接続されている。ハーネス8aと第1電極31とが半田付けされることによって、ハーネス8aと第1電極31とが電気的に接続されてもよい。また、ハーネス8aと第1電極31とがリベットでカシメられることで、ハーネス8aと第1電極31とが電気的に接続されてもよい。
【0055】
また、ハーネス8bがそれぞれの電極構造体20の第2電極32と電気的に接続されている。ハーネス8bと第2電極32とが半田付けされることによって、ハーネス8bと第2電極32とが電気的に接続されてもよい。また、ハーネス8bと第2電極32とがリベットでカシメられることで、ハーネス8bと第2電極32とが電気的に接続されてもよい。
【0056】
ここで、
図6の制御回路40は、ハーネス8a、8bを介して第1電極31および第2電極32に交流電圧を印加することができる。
【0057】
第1電極31および第2電極32に同位相の交流電圧を印加することで、第1電極31と芯金11との間に形成される静電容量を打ち消す、または、小さくすることができる。このため、制御回路40は、第1電極31と運転者の手との間に形成される静電容量を精度よく検出することができる。
【0058】
第2電極32は、金属メッキ、金属シート、または、金属板で構成される。第2電極32が金属シート、または、金属板の場合、金属シート、または、金属板が接着剤等によって第1絶縁体21の第2面21bに貼り付けられる。第2電極32は、例えば、銅またはアルミニウム等を含んだ金属である。
【0059】
なお、第1電極31および第2電極32を金属メッキで形成する場合、
図5に示すように、第2絶縁体22における第2係合部23bの付根に孔22fが形成されているため、第2絶縁体22の孔22fにマスキングを施し、かつ、当該孔22fに対応する個所の第1絶縁体21の第1面21aにもマスキングを施す。これにより、孔22fを除いて、第2絶縁体22の第1絶縁体21側の面に第2電極32を形成し、当該孔22fに対応する個所を除いて、第1絶縁体21の第1面21aに第1電極31を形成することができる。言い換えれば、第2絶縁体22の孔22fには、第2電極32が形成されず、孔22fに対応する第1絶縁体21の第1面21aに第1電極31が形成されていない。また、別の方法として、第1絶縁体21の第1面21aに金属メッキを施して第1電極31を形成し、第1絶縁体21の第2面21bに金属メッキを施して第2電極32を形成してもよい。
【0060】
また、第2電極32は、第1絶縁体21の第1面21aと反対側の面である第2面21bに配置されている。具体的には、第2電極32は、第1電極31とともに第1絶縁体21を挟むように第1絶縁体21の第2面21bに沿って配置されている。第2電極32は、第1絶縁体21と第2絶縁体22とで挟まれているため、第2絶縁体22の第1絶縁体21側の面に配置されているとも言える。つまり、第2電極32は、芯金11および第1電極31から離間して配置されている。このため、第2電極32は、芯金11および第1電極31と電気的に接続されていない。
【0061】
また、第2電極32には、第1電極31に印加される交流電圧と同位相の交流電圧が印加される。第2電極32に印加される交流電圧は、
図6の電源部41から供給された電力によって制御回路40で生成される。
【0062】
また、
図2Aに示すように、第1電極31および第2電極32において、第1電極31と第2電極32と重ねて見た場合、第1電極31が第2電極32の全てに覆われ、かつ、第1電極31が第1面21aに配置される表面積よりも、第2電極32が第2面21bに配置される表面積の方が大きい。このため、第2電極32は、第1電極31と芯金11との間に静電容量が形成されることを抑制することができる。
【0063】
また、第1絶縁体21、第2絶縁体22、第1電極31、および、第2電極32は、ステアリングホイール1のリム10の周方向と垂直な平面でステアリングホイール1を切断した場合の断面(以下、リム10の断面ということがある。)において、少なくともステアリングホイール1のリム10の外周側の部分からリム10における車両3の後方側の部分までの範囲に配置されている。
【0064】
本実施の形態では、第1絶縁体21、第2絶縁体22、第1電極31、および、第2電極32は、リム10の断面の周方向に沿って、少なくとも1/4周の範囲に亘って配置されている。
図3に示すように、第1絶縁体21、第1電極31、および、第2電極32は、二点鎖線で示される2つの直線V1、V2の間の範囲Lよりも大きい範囲に亘って配置されている。具体的には、第1絶縁体21、第2絶縁体22、第1電極31、および、第2電極32は、リム10の第1部11aから湾曲部11cを経由して第2部11bに亘って、配置されている。このように、運転者の手がリム10を把持した場合の手が接触し易い個所に、第1絶縁体21、第1電極31、および、第2電極32が配置されることで、電極構造体20では、運転者の手によるステアリングホイール1の把持を精度よく検出することができる。
【0065】
[発泡体15]
図2Aに示すように、発泡体15は、運転者の手が把持する部分であり、ステアリングホイール1におけるリム10の外殻を構成している。発泡体15は、電極構造体20を覆うポリウレタン等のウレタン樹脂の樹脂材料からなる。発泡体15は、第1絶縁体21、第2絶縁体22、第1電極31、第2電極32および芯金11を埋設している。つまり、第1絶縁体21、第2絶縁体22、第1電極31、第2電極32および芯金11は、発泡体15から露出しないように、発泡体15によって覆われている。
【0066】
<ステアリングホイール1の製造方法>
図7は、実施の形態1におけるステアリングホイール1の製造方法を示すフローチャートである。
【0067】
まず、
図7に示すように、作業者は、芯金11と、電極構造体20とを準備する。そして、電極構造体20が備える係合部と、芯金11の被係合部とを係合させ、締結孔23a1に締結部材19を挿入して、係合部を芯金11に締結させることにより、電極構造体20は芯金11に組付けられる(S11:組付け工程)。具体的には、芯金11の第1被係合部11c1は、第2絶縁体22の第1係合部23aと係合する。つまり、第1係合部23aを第1被係合部11c1に係合させ、第1被係合部11c1のネジ孔11d1および第1係合部23aの締結孔23a1に挿入する締結部材19によって、第1係合部23aと第1被係合部11c1とが締結される。また、芯金11の第2被係合部11c2は、第2絶縁体22の第2係合部23bを係合する。つまり、電極構造体20が備える第2係合部23bの係合爪23b1を芯金11に設けられた第2被係合部11c2に係合させる。これにより、電極構造体20が芯金11に締結された構造体が得られる。
【0068】
次に、構造体を金型のキャビティ内に固定し、金型を型締めする。つまり、電極構造体20と芯金11とを締結させた状態で、発泡体15を用いて構造体を覆う。つまり、金型に形成されているゲートから射出成形樹脂を金型内のキャビティに流し込む(S12:射出工程)ことで、構造体を覆う発泡体15を形成する。射出成形樹脂は、例えばポリウレタン等のウレタン樹脂の樹脂材料である。
【0069】
これにより、発泡体15は、電極構造体20を芯金11に係合させた状態で、電極構造体20および芯金11を覆うことができる。こうして、ステアリングホイール1を得ることができる。
【0070】
<作用効果>
本実施の形態における電極構造体20、ステアリングホイール1およびステアリングホイール1の製造方法の作用効果について説明する。
【0071】
上述したように、本実施の形態に係る電極構造体20は、車両3に設けられたステアリングホイール1の芯金11の外周に配置される電極構造体20であって、絶縁体(第1絶縁体21および/または第2絶縁体22)と、ステアリングホイール1の芯金11と対向する面と反対側の面である絶縁体の第1面21aに配置される第1電極31と、を備える。そして、絶縁体は、芯金11に設けられた被係合部(第1被係合部11c1)に係合する係合部(第1係合部23a)を有する。
【0072】
これによれば、電極構造体20を予め芯金11に取り付けることができる。これにより、ステアリングホイール1を形成する際に電極構造体20をステアリングホイール1の内部に配置することができる。このため、従来のように、ステアリングホイール1を形成してから、ステアリングホイール1に切り込みを入れて第1電極31および第2電極32を配置する必要もない。
【0073】
したがって、電極構造体20は、ステアリングホイール1の外観性を確保しつつ、ステアリングホイール1の製造に関する工数が増加し難く、製造コストの高騰化を抑制することができる。
【0074】
特に、この電極構造体20では、被係合部と係合部とが係合することで、第1電極31および絶縁体の距離の確保と姿勢の維持との両立を図ることができる。このため、ステアリングホイール1の樹脂成型時において、電極構造体20を確実にステアリングホイール1に組み込むことができる。
【0075】
また、被係合部と係合部とが係合することで、電極構造体20を芯金11に強固に締結することができる。このため、ステアリングホイール1の樹脂成型時の圧力によって、絶縁体が芯金11に対して位置ズレしたり、ステアリングホイール1の周方向に対して回転ズレしたりすることを抑制することができる。その結果、ステアリングホイール1の製造に関する工数の増加を抑制でき、製造コストの高騰化を抑制することができる。
【0076】
また、本実施の形態に係るステアリングホイール1は、電極構造体20と、芯金11と、電極構造体20を覆う発泡体15と、を備える。
【0077】
このステアリングホイール1においても、上述と同様の作用効果を奏する。
【0078】
また、本実施の形態に係るステアリングホイール1の製造方法は、電極構造体20が備える締結孔23a1に締結部材19を挿入して、係合部を芯金11に締結させ、係合部を芯金11に締結させた状態で、発泡体15を用いて電極構造体20を覆う。
【0079】
これによれば、係合部を芯金11に締結することで、電極構造体20と芯金11とを強固に締結することができる。このため、ステアリングホイール1の樹脂成型時の圧力によって、絶縁体が芯金11に対して位置ズレしたり、ステアリングホイール1の周方向に対して回転ズレしたりすることを抑制することができる。このステアリングホイール1の製造方法においても、上述と同様の作用効果を奏する。
【0080】
また、本実施の形態に係るステアリングホイール1の製造方法は、電極構造体20が備える係合爪23b1を芯金11に設けられた第2被係合部11c2に係合させ、係合爪23b1を芯金11に設けられた第2被係合部11c2に係合させた状態で、発泡体15を用いて電極構造体20を覆う。
【0081】
これによれば、係合部を芯金11に接続することで、電極構造体20と芯金11とを強固に締結することができる。このため、ステアリングホイール1の樹脂成型時の圧力によって、絶縁体が芯金11に対して位置ズレしたり、ステアリングホイール1の周方向に対して回転ズレしたりすることを抑制することができる。このステアリングホイール1の製造方法においても、上述と同様の作用効果を奏する。
【0082】
また、本実施の形態に係る電極構造体20において、絶縁体は、第1絶縁体21および第2絶縁体22を含む。また、第1電極31は、第1絶縁体21の第1面21aに配置される。電極構造体20は、さらに、第1絶縁体21の第1面21aと反対側の面である第2面21bに配置される第2電極32と、第2電極32と芯金11との間に配置される第2絶縁体22と、を備える。そして、第2絶縁体22は、芯金11に設けられた被係合部に係合する係合部を有する。
【0083】
これによれば、第2絶縁体22が第2電極32を芯金11から離間した状態で配置することができ、第1絶縁体21が第1電極31を第2電極32および芯金11から離間した状態で配置することができる。また、第1絶縁体21に第1電極31および第2電極32を配置することができるため、第1絶縁体21、第1電極31および第2電極32が一体化された部材を芯金11に容易に組付けることができる。ここで、第1絶縁体21は第1電極31と一体化され、第2絶縁体22は第2電極32と一体化されていてもよい。
【0084】
また、本実施の形態に係る電極構造体20において、第1絶縁体21、第2絶縁体22、第1電極31、および、第2電極32は、ステアリングホイール1の周方向と垂直な平面でステアリングホイール1を切断した場合の断面において、少なくともステアリングホイール1の外周側からステアリングホイール1の内周側までの範囲に配置される。
【0085】
これによれば、運転者の手がステアリングホイール1を把持した場合、運転者の手がステアリングホイール1の表面に接触し易い個所に電極構造体20を配置することができる。このため、運転者の手によるステアリングホイール1の把持を検出することができる。
【0086】
また、本実施の形態に係る電極構造体20において、第1絶縁体21は、樹脂材料で構成される。また、第2絶縁体22は、樹脂材料で構成される。また、第1電極31は、金属メッキ、金属シート、または、金属板で構成される。そして、第2電極32は、金属メッキ、金属シート、または、金属板で構成される。
【0087】
これによれば、第1絶縁体21に第1電極31および第2電極32を配置することができるため、絶縁体、第1電極31および第2電極32が一体化された部材を芯金11に容易に組付けることができる。さらに、第1絶縁体21および第2電極32と芯金11との間に第2絶縁体22を配置するため、第2絶縁体22は、第1電極31を芯金11から離間した状態で第1電極31を配置させることができる。
【0088】
また、本実施の形態に係る電極構造体20において、第1電極31には、第2電極32に印加される交流電圧と同位相の交流電圧が印加される。
【0089】
これによれば、第1電極31と芯金11との間に形成される静電容量を打ち消す、または、小さくすることができる。このため、運転者の手によるステアリングホイール1の把持を検出する制御回路40を用いれば、制御回路40は、この手がステアリングホイール1を把持した際に生じる、第1電極31と運転者の手との間に形成される静電容量を精度よく検出することができるようになる。
【0090】
また、電極構造体20において、第1絶縁体21は、第1位置決め部21tを有する。そして、第2絶縁体22は、第1位置決め部21tと噛み合わさる第2位置決め部22tを有する。
【0091】
これによれば、第1絶縁体21を第2絶縁体22に組付ける際に、第1位置決め部21tと第2位置決め部22tとを噛み合わすことができる。これにより、第1絶縁体21と第2絶縁体22との位置合わせをすることができるため、第1絶縁体21と第2絶縁体22との周方向のズレの発生を抑制でき、組付けを容易かつ適切にすることができる。
【0092】
また、本実施の形態に係る電極構造体20において、係合部は、第1係合部23aを含み、第1係合部23aは、被係合部に含まれる第1被係合部11c1と締結する締結孔23a1を有する。
【0093】
これによれば、第1被係合部11c1を第1係合部23aに締結することができるため、電極構造体20を芯金11に容易に締結することができる。
【0094】
また、本実施の形態に係る電極構造体20において、係合部は、第2係合部23bを含み、第2係合部23bは、被係合部に含まれる第2被係合部11c2に係合する係合爪23b1を有する。
【0095】
これによれば、係合爪23b1を第2被係合部11c2に係合することで、電極構造体20を芯金11に容易に締結することができる。
【0096】
また、本実施の形態に係る電極構造体20において、芯金11は、ステアリングホイール1の周方向と垂直な平面でステアリングホイール1を切断した場合の断面において、湾曲状の湾曲部11cを有し、被係合部は、湾曲部11cに形成される。
【0097】
これによれば、芯金11の湾曲部11cに形成された第1被係合部11c1に第1係合部23aを容易に係合させることができる。
【0098】
(実施の形態1の変形例1)
本変形例の電極構造体120およびステアリングホイール1aが第1絶縁体21および第1電極31を有し、第2絶縁体22および第2電極32を有しない点で実施の形態1の電極構造体およびステアリングホイールと相違する。本変形例では、実施の形態1の電極構造体およびステアリングホイールと同一の構成および機能については同一の符号を付し、これら構成および機能に関する詳細な説明を省略する。
【0099】
図8は、実施の形態1の変形例1のステアリングホイール1aを示す斜視図および電極構造体120を示す部分拡大図である。
図9は、ステアリングホイール1aの第1被係合部11c1および第1係合部23aを示す断面図である。
図10は、
図8のC-C線におけるステアリングホイール1aの第2被係合部11c2および第2係合部23bを示す断面図である。
【0100】
図8~
図10に示すように、本変形例の電極構造体120は、第1絶縁体21と、第1電極31と、突出部21dとを備える。
【0101】
第1絶縁体21は、芯金11の外周側の面に沿って配置されている。
【0102】
また、第1絶縁体21は、芯金11側と反対側の面である第1面21aと、芯金11側の第2面21bとを有する。第1面21aには第1電極31が配置されている。第1電極31は、ハーネス8aと電気的に接続されている。また、第2面21bは、突出部21dにより芯金11から所定距離離間した状態で位置している。このような、第1絶縁体21は、第1電極31と芯金11とが電気的に接続されないように、芯金11から離間した状態で第1電極31を配置することができる。第1絶縁体21と芯金11との間には、発泡体15が配置されてもよい。また、第1絶縁体21の第2面21bは、芯金11に接触してもよい。
【0103】
また、第1電極31は、第1絶縁体21に支持されることで、芯金11に対して所定距離だけ離間した状態で配置されている。このため、第1電極31と芯金11との距離を確保することができる。
【0104】
また、第1絶縁体21は、ステアリングホイール1aの周方向と垂直な平面でステアリングホイール1aを切断した場合の断面において、芯金11に設けられた第1被係合部11c1に係合する第1係合部23aおよび第2被係合部11c2に係合する第2係合部23bを有する。
【0105】
第1係合部23aは、芯金11の第1被係合部11c1と係合する。具体的には、第1係合部23aは、第1被係合部11c1の内部に挿入することで、第1被係合部11c1と係合することができる。つまり、第1係合部23aは、第2絶縁体22の芯金11側の面から立設する円筒状または円管状をなしており、第1被係合部11c1の内部に嵌め合わされることで、第1被係合部11c1に固定される。
【0106】
また、第1係合部23aは、円筒状または円管状であるが、第1被係合部11c1のネジ孔11d1に対応する締結孔23a1を有する。つまり、第1係合部23aは、第1被係合部11c1のネジ孔11d1を挿通した締結部材19が第1係合部23aの締結孔23a1に挿入されることで、締結部材19と締結することができる。
【0107】
第2係合部23bは、芯金11の第2被係合部11c2と係合する係合爪23b1を有する。具体的には、第2係合部23bは、第2被係合部11c2の挿通孔11c3に挿入されて、第2被係合部11c2の立壁11c4と係合することができる係合爪23b1を有する。つまり、第2係合部23bは、第2絶縁体22の芯金11側の面から立設する棒状または板状をなしており、第2被係合部11c2の挿通孔11c3に挿入されることで、第2係合部23bの係合爪23b1が第2被係合部11c2の立壁11c4に引っ掛かる。
【0108】
また、第1電極31および第1絶縁体21は、一体的に構成されていてもよく、それぞれが分離可能な別体であってもよい。
【0109】
突出部21dは、芯金11と対向する位置に配置されている。また、突出部21dは、第1絶縁体21から芯金11へ向かって突出している。突出部21dの先端の一部は、芯金11と当接している。つまり、突出部21dは、第1絶縁体21と芯金11との間に配置されている。このため、突出部21dは、第1絶縁体21および第1電極31と芯金11とが接触しないように、芯金11に対する第1絶縁体21の距離の確保と姿勢の維持との両立を図ることができる。
【0110】
また、突出部21dは、第1絶縁体21と一体的に形成されている。なお、突出部21dは、第1絶縁体21と分離可能な別体であってもよい。
【0111】
また、突出部21dは、芯金11と第1絶縁体21との間に複数配置されている。また、突出部21dは、芯金11および第1絶縁体21に略等間隔に配置されてもよい。
【0112】
第1電極31は、ステアリングホイール1aの芯金11と対向する面と反対側の面である第1絶縁体21の第1面21aに配置されている。また、第1絶縁体21における芯金11と対向する面とは、発泡体15を介して間接的にまたは直接的に芯金11と対向する第1絶縁体21の第2面21bのことである。
【0113】
このような、本変形例の電極構造体120において、絶縁体は、第1絶縁体21を含む。そして、第1電極31は、第1絶縁体21の第1面21aに配置される。そして、第1絶縁体21は、芯金11に設けられた被係合部(第1被係合部11c1)に係合する係合部(第1係合部23a)を有する。
【0114】
これによれば、第1絶縁体21が第1電極31を芯金11から離間した状態で配置することができる。また、第1絶縁体21に第1電極31を配置することができるため、第1絶縁体21および第1電極31が一体化された部材を芯金11に容易に組付けることができる。
【0115】
(実施の形態1の変形例2)
本変形例の複数の電極構造体20が芯金11の周方向に沿って互いに連結されて配置されている点で実施の形態1および実施の形態1の変形例1の電極構造体およびステアリングホイールと相違する。本変形例では、実施の形態1および実施の形態1の変形例1の電極構造体およびステアリングホイールと同一の構成および機能については同一の符号を付し、これら構成および機能に関する詳細な説明を省略する。
【0116】
図11は、実施の形態1の変形例2のステアリングホイール1bを示す斜視図である。
図12は、実施の形態1の変形例2の電極構造体20を示す斜視図である。
図13は、
図11のD-D線における電極構造体20および芯金11を示す断面図である。本変形例では、隣り合う2つの第1電極31の第1接続片31c、31dがリベット8c等によって締結されている場合、および、隣り合う2つの第2電極32の第2接続片32c、32dがリベット8c等によって締結されている場合を例示している。
【0117】
本変形例では、
図11に示すように、電極構造体20は、芯金11の周方向に沿って、複数設けられている。本変形例では、8つの電極構造体20を用いているが、電極構造体20は、7つ以下でもよく、9つ以上でもよい。また、電極構造体20が芯金11の周方向において全てを覆わなくてもよい。
【0118】
図12および
図13に示すように、複数の電極構造体20におけるそれぞれの第1絶縁体21には、第1連結部25aと、第1被連結部25bとが形成されている。本変形例の
図13では、複数の電極構造体20における隣り合う2つの電極構造体20のうちの一方の電極構造体20を第1電極構造体121と呼び、他方の電極構造体20を第2電極構造体122と呼ぶ。第1電極構造体121および第2電極構造体122のそれぞれは、第1連結部25aと第1被連結部25bとを有する。
【0119】
第1連結部25aは、第1電極構造体121の第1絶縁体21における一端側、および、図示を省略するが第2電極構造体122の第1絶縁体21における一端側に形成されている。第1被連結部25bは、図示を省略するが第1電極構造体121の第1絶縁体21における他端側、および、第2電極構造体122の第1絶縁体21における他端側に形成されている。
【0120】
第1連結部25aは、第1電極構造体121に隣接する電極構造体20である第2電極構造体122の第1絶縁体21の第1被連結部25bと連結する。第1連結部25aは、第1電極構造体121の周方向における第1絶縁体21の一方側の端縁から突出した凸部である。
図13では、第1連結部25aは、ピン状の凸部である。なお、第1連結部25aは、爪状の凸部であってもよい。
【0121】
第2電極構造体122の第1被連結部25bは、第1電極構造体121における第1絶縁体21の第1連結部25aと連結する。第1被連結部25bは、第2電極構造体122の周方向における第1絶縁体21の他方側の端縁から窪んだ凹部である。
図13では、第1連結部25aがピン状の凸部である場合、第1被連結部25bは、ピン状の凸部を挿入可能な凹部である。なお、第1被連結部25bは、爪状の第1連結部25aを引っ掛けることが可能な引っ掛け部を有する凹部であってもよい。
【0122】
図12および
図13に示すように、第2連結部24aは、図示を省略するが第1電極構造体121の第2絶縁体22における他端側、および、第2電極構造体122の第2絶縁体22における他端側に形成されている。第2被連結部24bは、第1電極構造体121の第2絶縁体22における一端側、および、図示を省略するが第2電極構造体122の第2絶縁体22における一端側に形成されている。
【0123】
第2電極構造体122の第2連結部24aは、第1電極構造体121の第2絶縁体22の第2被連結部24bと連結する。第2連結部24aは、第2電極構造体122の周方向における第2絶縁体22の他方側の端縁から突出した凸部である。
図13では、第2連結部24aは、爪状の凸部である。なお、第2連結部24aは、ピン状の凸部であってもよい。
【0124】
第1電極構造体121の第2被連結部24bは、第2電極構造体122の第2絶縁体22の第2連結部24aと連結する。第2被連結部24bは、第1電極構造体121の周方向における第2絶縁体22の一方側の端縁から凹んだ凹部である。
図12では、第2被連結部24bは、爪状の第2連結部24aを引っ掛けることが可能な引っ掛け部24b1を有する凹部である。なお、第2連結部24aがピン状の凸部である場合、第2被連結部24bは、ピン状の凸部を挿入可能な凹部であってもよい。
【0125】
このように、第1電極構造体121の第1絶縁体21の一方側の端部には、第2電極構造体122の第1被連結部25bと連結する第1連結部25aが形成され、他方側の端部には、隣接する別の電極構造体20の第1連結部25aと連結する第1被連結部25bが形成されている。また、第1電極構造体121の第2絶縁体22の一方側の端部には、第2電極構造体122の第2連結部24aと連結する第2被連結部24bが形成され、他方側の端部には、隣接する別の電極構造体20の第2被連結部24bと連結する第2連結部24aが形成されている。これにより、第1電極構造体121の第2被連結部24bと、これに第2電極構造体122の第2連結部24aとが連結し、第1電極構造体121の第1連結部25aと、第2電極構造体122の第1被連結部25bとが連結することで、複数の電極構造体20を連結した状態で芯金11の周方向に沿って、芯金11に取り付けることができる。
【0126】
なお、本変形例において、電極構造体20の一端側または他端側に、第1連結部25a、第2連結部24a、第1被連結部25bおよび第2被連結部24bを設けてもよい。
【0127】
(実施の形態1の変形例3)
本変形例の複数の電極構造体20において、ハーネス8a、8bが複数の第1電極31および複数の第2電極32と個別に電気的に接続される場合がある点、ハーネス8a、8bが複数の第1電極31のうちの1つの第1電極31および複数の第2電極32のうちの1つの第2電極32と電気的に接続される場合がある点等で実施の形態1および実施の形態1の変形例1、2の電極構造体およびステアリングホイールと相違する。本変形例では、実施の形態1および実施の形態1の変形例1、2の電極構造体およびステアリングホイールと同一の構成および機能については同一の符号を付し、これら構成および機能に関する詳細な説明を省略する。
【0128】
隣り合う2つの電極の接続手段について説明する。
【0129】
図14Aは、実施の形態1の変形例3の電極構造体20aおよび芯金11を示す別の斜視図である。
図14Bは、実施の形態1の変形例3において、
図14Aにおけるハーネス8a、8bと第1電極31および第2電極32との電気的接続を示す部分拡大斜視図である。
【0130】
本変形例では、複数の電極構造体20aの一例として左右に2つずつ配置した電極構造体20aの場合を例示している。
【0131】
複数の電極構造体20aが芯金11に設けられる場合、ハーネス8aは複数の第1電極31のそれぞれと個別に電気的に接続されてもよく、ハーネス8bは複数の第2電極32のそれぞれと個別に電気的に接続されてもよい。また、ハーネス8aは電気的に1つの電極となるように接続された複数の第1電極31のうちの1つの第1電極31と電気的に接続されてもよく、ハーネス8bは電気的に1つの電極となるように接続された複数の第2電極32のうちの1つの第2電極32と電気的に接続されてもよい。
【0132】
図14Aおよび
図14Bに示すように、ハーネス8aが複数の第1電極31のそれぞれと個別に電気的に接続されてもよい。また、ハーネス8bが複数の第2電極32のそれぞれと個別に電気的に接続されてもよい。つまり、ハーネス8aは、電気的に独立した複数の第1電極31のそれぞれと、半田付け、または、リベットでカシメられることによって電気的に接続されてもよい。
図14Aおよび
図14Bでは、複数の第1電極31のそれぞれとハーネス8aとが半田8hによって電気的に接続され、複数の第2電極32のそれぞれとハーネス8bとが半田8hによって電気的に接続されている場合を例示している。
【0133】
また、ハーネス8bは、電気的に独立した複数の第2電極32のそれぞれと、半田付け、または、リベットでカシメられることによって電気的に接続されてもよい。
【0134】
また、複数の第1電極31のそれぞれと、複数の第2電極32のそれぞれとが芯金11の周方向に沿って並んでいるため、ハーネス8a、8bは、芯金11の周方向に沿って配置されている。
【0135】
図14Cは、実施の形態1の変形例3の電極構造体20bおよび芯金11を示す別の斜視図である。
図14Dは、実施の形態1の変形例3において、
図14Cにおけるハーネス8a、8bと第1電極31および第2電極32とがリベット8cでカシメられることで電気的接続された場合を示す部分拡大斜視図である。
図14Cおよび
図14Dでは、複数の電極構造体20bの一例として2つの電極構造体20bの場合を例示して説明する。
【0136】
図14Cおよび
図14Dに示すように、複数の第1電極31のそれぞれは、直接的に互いに電気的に接続するための第1接続片31c、31dを有している。
【0137】
第1接続片31cは電極構造体20bの周方向における一端側に形成され、第1接続片31dは電極構造体20bの周方向における他端側に形成されている。隣り合う2つの第1電極31の第1接続片31cと第1接続片31dとが重ね合わさった状態でリベット8c等によって締結されることで、複数の第1電極31は、芯金11の周方向に沿って並んだ状態で電気的に接続されてもよい。この場合、ハーネス8aは、このリベット8cによって第1接続片31cと電気的に接続されてもよい。つまり、ハーネス8aは、リベット8cでカシメられることで、複数の第1電極31のうちの1箇所の第1接続片31c、31dと電気的に接続されてもよい。
【0138】
また、第1接続片31cおよび第1接続片31dは第1絶縁体21から飛び出た状態で配置され、第2接続片32cおよび第2接続片32dは第2絶縁体22から飛び出た状態で配置されている。第1接続片31cおよび第1接続片31dは、第2接続片32cおよび第2接続片32dと接触しないように離間している。
【0139】
複数の第2電極32のそれぞれは、直接的に互いに電気的に接続するための第2接続片32c、32dを有している。隣り合う2つの第2電極32の第2接続片32cと第2接続片32dとが重ね合わさった状態でリベット8c等によって締結されることで、複数の第2電極32は、芯金11の周方向に沿って並んだ状態で電気的に接続されてもよい。この場合、ハーネス8bは、このリベット8cによって第2接続片32c、32dと電気的に接続されてもよい。つまり、ハーネス8bは、リベット8cでカシメられることで複数の第2電極32のうちの1箇所の第2接続片32c、32dと電気的に接続されてもよい。
【0140】
(実施の形態1の変形例4)
本変形例の電極構造体20eにおいて、第1被係合部11c1および第2被係合部11c2に対応する個所に第1絶縁体221および第2絶縁体222が部分的に設けられている点等で実施の形態1および実施の形態1の変形例1~3の電極構造体およびステアリングホイールと相違する。本変形例では、実施の形態1および実施の形態1の変形例1~3の電極構造体およびステアリングホイールと同一の構成および機能については同一の符号を付し、これら構成および機能に関する詳細な説明を省略する。
【0141】
図15は、実施の形態1の変形例4の電極構造体20eおよび芯金11を示す斜視図である。
図16は、実施の形態1の変形例4の電極構造体20eを示す分解斜視図である。
【0142】
本変形例では、
図15および
図16に示すように、第1絶縁体221は、第1電極31と第2電極32との間の一部に配置されている。つまり、第1絶縁体221は、芯金11の周方向に沿って、第1電極31と第2電極32との間に点在して複数個所に配置されている。
【0143】
また、第1絶縁体221は第1電極31と第2電極32との間に点在して配置されているが、第1電極31と第2電極32との間の隙間には、発泡体15が配置される。
【0144】
第2絶縁体222は、第2電極32とステアリングホイール1eの芯金11との間の一部に配置されている。つまり、第2絶縁体222は、芯金11の周方向に沿って、第2電極32とステアリングホイール1eの芯金11との間に点在して複数個所に配置されている。
【0145】
具体的には、1つの第2絶縁体222aは、第2電極32とステアリングホイール1eの芯金11との間に配置されるスペーサ部223aと、スペーサ部223aから芯金11の第1被係合部11c1に挿入される1つの第1係合部23aとを有している。また、別の1つの第2絶縁体222bは、第2電極32とステアリングホイール1eの芯金11との間に配置されるスペーサ部223bと、スペーサ部223bから芯金11の第2被係合部11c2の挿通孔11c3に挿入される1つの第2係合部23bとを有している。第2絶縁体222aのスペーサ部223aおよび第2絶縁体222bのスペーサ部223bは、第2電極32がステアリングホイール1eの芯金11から離間した状態で、第2電極32を配置することができる。
【0146】
また、第2絶縁体222は第2電極32とステアリングホイール1eの芯金11との間に点在して配置されているが、第2電極32と芯金11との間の隙間には、発泡体15が配置されることになる。
【0147】
また、本変形例では、電極構造体20eが第2絶縁体222a、222bを用いているが、第2絶縁体222aおよび第2絶縁体222bのうちの少なくともいずれか一方が用いられればよい。
【0148】
また、第2絶縁体222aは、第2絶縁体222bと分離した別体である。本変形例では、第2絶縁体222a、222bを総称して第2絶縁体222と呼ぶことがある。
【0149】
第1絶縁体221と第2絶縁体222とは、互いに対応する個所に配置されている。具体的には、芯金11の周方向と直交する方向において、第1絶縁体221と第2絶縁体222とが第2電極32を挟んで重なるように、ステアリングホイール1e内に配置されている。
【0150】
本変形例の第1電極31および第2電極32は、第1絶縁体221および第2絶縁体222が点在して配置されていても、芯金11における断面の外形形状に沿って第1電極31と第2電極32とを配置することができる。本変形例では、第1電極31と第2電極32、および、第2電極32と芯金11がそれぞれ略等距離離間した状態で重ねるように配置することができる。
【0151】
第1電極31および第2電極32には、金属板が用いられる。第1電極31および第2電極32は、プレス等によって曲面形状が形成される。つまり、第1電極31および第2電極32は、ステアリングホイール1eの周方向と垂直な平面でステアリングホイール1eを切断した場合の断面において、曲面形状を有している。これにより、第1電極31および第2電極32の剛性が確保されるため、複数の第1絶縁体221が芯金11の周方向に沿って離間して配置され、複数の第2絶縁体222も芯金11の周方向に沿って離間して配置されていても、第1電極31および第2電極32の姿勢を維持させることができる。また、第1電極31および第2電極32は、環状の芯金11の形状に沿って湾曲した曲面形状を有しているとも言える。なお、ステアリングホイール1eを切断した場合の断面は、上述の
図3と同様になるため、図示を省略する。
【0152】
第1電極31と第2電極32との間に第1絶縁体221を組み付ける場合、両面テープ、接着剤などによって第1絶縁体221を第1電極31の第2電極32側の面と、第2電極32の第1電極31側の面とに貼り付けてもよい。また、第2電極32に第2絶縁体222を組み付ける場合も、両面テープ、接着剤などによって第2絶縁体222を第2電極32の芯金11側の面に貼り付けてもよい。このとき、第1絶縁体221と第2絶縁体222とが第2電極32を挟んで重なるように、これら電極に貼り付けられてもよい。
【0153】
また、ハーネス8aと第1電極31とが半田付けされることによって、ハーネス8aと第1電極31とが電気的に接続されてもよい。また、ハーネス8aと第1電極31とがリベットでカシメられることで、ハーネス8aと第1電極31とが電気的に接続されてもよい。また、ハーネス8bと第2電極32とが半田付けされることによって、ハーネス8bと第2電極32とが電気的に接続されてもよい。また、ハーネス8bと第2電極32とがリベットでカシメられることで、ハーネス8bと第2電極32とが電気的に接続されてもよい。
【0154】
このような、本変形例の電極構造体20eにおいて、第1電極31および第2電極32は、ステアリングホイール1eの周方向と垂直な平面でステアリングホイール1eを切断した場合の断面において、曲面形状を有する。
【0155】
これによれば、第1電極31および第2電極32が湾曲することで、第1電極31および第2電極32の剛性を確保することができる。このため、第1絶縁体221および第2絶縁体222が配置されていない個所でも第1電極31および第2電極32が変形して、第1電極31および第2電極32の位置関係が変わることを抑制することができる。
【0156】
また、電極構造体20eは、第1絶縁体221を複数備える。また、複数の第1絶縁体221それぞれが、1つの第1電極31と1つの第2電極32との間に、ステアリングホイール1eの周方向に沿って離間して配置される。また、電極構造体20eは、第2絶縁体222を複数備える。そして、複数の第2絶縁体222それぞれが、1つの第2電極32と芯金11との間に、ステアリングホイール1eの周方向に沿って離間して配置される。
【0157】
これによれば、長尺な第1絶縁体を1つの第1電極と1つの第2電極との間に配置する場合よりも、第1絶縁体221を小型にすることができる。また、長尺な第2絶縁体を1つの第2電極と芯金との間に配置する場合よりも、第2絶縁体222を小型にすることができる。その結果、電極構造体20eの大型化を抑制するとともに、製造コストの高騰化を抑制することができる。
【0158】
また、第1電極31と第2電極32との間、第2電極32と芯金11との間に発泡体15が充填された場合であっても、長尺な第1絶縁体および長尺な第2絶縁体を用いる場合に比べて、電極構造体20eを軽量化することができる。
【0159】
また、例えば、第1電極および第2電極が金属板で構成されるような場合において、長尺な第1絶縁体を1つの第1電極と1つの第2電極との間に配置する場合よりも、第1電極31を第1絶縁体221の第1面221aに配置するにあたり、第1電極31の製造の精度に余裕を持たせることができる。また、長尺な第2絶縁体を1つの第2電極と芯金との間に配置する場合よりも、第2電極32を第1絶縁体221の第2面221bに配置する、または、第2絶縁体222が有する芯金11側と反対側の面である第3面222cに、第2電極32を配置するにあたり、第2電極32の製造の精度に余裕を持たせることができる。その結果、製造コストの高騰化を抑制することができる。
【0160】
また、電極構造体20eにおいて、複数の第2絶縁体222それぞれは、係合部(第1係合部23aおよび/または第2係合部23b)を有する。
【0161】
これによれば、長尺な第2絶縁体を1つの第2電極と芯金との間に配置する場合よりも、第2絶縁体222を小型にすることができつつ、電極構造体20eを芯金11に取り付けることができる。
【0162】
なお、上記実施の形態1に係る電極構造体20c、ステアリングホイール1cおよびステアリングホイール1cの製造方法において、
図17Aおよび
図17Bのような構成であってもよい。
図17Aは、その他変形例において複数の第1絶縁体21に対して第1電極31aが1つの場合に、第1電極31aとハーネス8aとがリベット8cでカシメられることで電気的に接続された場合を示す斜視図である。
図17Bは、その他変形例において複数の第1絶縁体21に対して第1電極31aが1つの場合に、第1電極31aとハーネス8aとが半田8hで電気的に接続された場合を示す斜視図である。
図17Aおよび
図17Bに示すように、隣り合う2つの電極構造体20cでは、一方の電極構造体20cに配置された第1電極と他方の電極構造体20cに配置された第1電極とは、一体化された1つの第1電極31aであってもよい。また、
図17Aおよび
図17Bには第2電極が図示されていないが、隣り合う2つの電極構造体20cでは、一方の電極構造体20cに配置された第2電極と他方の電極構造体20cに配置された第2電極とは、一体化された1つの第2電極であってもよい。この場合、第1電極31aには第1接続片31cが設けられ、第2電極には第2接続片32cが設けられている。このように、第1電極31aはステアリングホイール1cの周方向に沿った2つの第1絶縁体21の長さと同等の長さで形成され、第2電極はステアリングホイール1cの周方向に沿った2つの第2絶縁体22の長さと同等の長さで形成されている。この場合、第1絶縁体21および第2絶縁体22は、同様の形状を連結したり外したりするだけで、芯金11に対して電極構造体20cを配置する領域を拡大または縮小することができる。また、第1電極31aおよび第2電極を、ステアリングホイール1cの周方向に沿った第1絶縁体21および第2絶縁体22の長さに応じて形成することで、隣り合う2つの第1絶縁体21の間で第1電極31aを電気的に接続したり、および、隣り合う2つの第2絶縁体22の間で第2電極を電気的に接続したりすることもない。このような構成であれば、運転者の手によるステアリングホイール1cの把持を検出する領域を拡大することができるため、より使い勝手がよくなる。
【0163】
なお、上記実施の形態1に係る電極構造体20d、ステアリングホイール1dおよびステアリングホイール1dの製造方法において、
図17Cは、その他変形例のステアリングホイール1dを示す斜視図である。
図2A、
図8、
図11、
図14A、
図14C、
図15、
図17A、
図17Bの場合に対して、
図17Cの芯金111では、芯金111の内周側の開口面に対して芯金111が面対称となるように反転し、かつ、芯金111に取り付けられている電極構造体20dの取り付け位置も反転してもよい。つまり、
図17Cの芯金111における凹部10aの開口が運転席側に対向するように芯金111がスポーク9に固定されてもよい。また、電極構造体20dが芯金111における凹部10aを覆うように、車両3の前方側に取り付けられてもよい。
【0164】
(実施の形態2)
<構成:ステアリングホイール201>
本実施の形態の電極構造体220およびステアリングホイール201の絶縁体が延設部26を有する点等で実施の形態1の電極構造体およびステアリングホイールと相違する。本実施の形態では、実施の形態1の電極構造体およびステアリングホイールと同一の構成および機能については同一の符号を付し、これら構成および機能に関する詳細な説明を省略する。また、本実施の形態では、同一の構成の場合は、実施の形態1の図を用いて説明することがある。
【0165】
図18Aは、実施の形態2のステアリングホイール201を示す斜視図、電極構造体220を示す部分拡大図、および、
図18Aの一点鎖線における芯金211の断面図である。
【0166】
図18Aに示すように、ステアリングホイール201は、例えば車両3の操舵輪に対して操舵角を与えることができる。
【0167】
ステアリングホイール201は、リム10を有する。リム10は、リム10の内周面に配置されたT字状のスポーク9と一体的に形成されている。
【0168】
リム10は、芯金211と、電極構造体220と、電極構造体220を覆う発泡体15とを備える。
【0169】
[芯金211]
図19Aは、
図18AのE-E線におけるステアリングホイール201を示す断面図である。
【0170】
芯金211は、
図18Aおよび
図19Aに示すように、金属製の円環状の芯である。具体的には、芯金211は、円環状の第1部211aと、第1部211aの内周側に配置された円環状の第2部211bと、第1部211aと第2部211bとを連結する湾曲状の湾曲部11cとを有する。第1部211aの一端縁は湾曲部11cの一端縁に連結され、第2部211bの一端縁は湾曲部11cの他端縁に連結されている。つまり、湾曲部11cは、芯金211の周方向と垂直な平面で芯金211を切断した場合の断面(以下、芯金211の断面ということがある。)において第1部211aと第2部211bとの間に配置される。このような芯金211の断面は、U字状、V字状、J字状、C字状等の形状である。
図18Aでは、芯金211の断面がU字状の場合を例示している。また、本実施の形態では、芯金211の断面において、第1部211aおよび第2部211bは、直線状である。
【0171】
また、芯金211の断面がU字状、V字状、J字状、C字状等の形状であるため、第1部211a、第2部211bおよび湾曲部11cによって、芯金211には凹部10aが形成される。凹部10aは、円環状をなした凹部10aである。本実施の形態では、凹部10aの開口は、リム10における車両3の前方側(リム10に対する座席側と反対側)に形成されている。
【0172】
第1部211aおよび第2部211bには、被係合部211eが形成されている。被係合部211eは、後述する電極構造体220における延設部26の爪部と係合する。被係合部211eは、第1部211aおよび第2部211bに複数形成されている。また、被係合部211eは、第1部211aおよび第2部211bに等間隔に形成されている。
【0173】
なお、被係合部211eは、第1部211aおよび第2部211bに形成された貫通孔であってもよく、第1部211aおよび第2部211bの一部が切り欠かれた切欠きであってもよい。また、芯金211の全周に亘って、第1部211aは、第2部211bよりも短く形成されていてもよい。この場合、芯金211の断面がJ字状になっていてもよい。
【0174】
図19Bは、
図18AのF-F線における電極構造体220および芯金211を示す断面図である。
【0175】
図19Bに示すように、ステアリングホイール201の周方向と垂直な平面でステアリングホイール201を切断した場合の断面(ステアリングホイール201の断面ということがある)において、第1部211aは、第2部211bよりも短く形成されている部分が存在する。つまり、後述する第1延設部27が第1部211aの被係合部211eおよび第2部211bの被係合部211eを挿通する芯金211の一部分において、第1部211aは、第2部211bよりも短く形成されている。また、第1部211aが、第2部211bよりも短く形成されている場合、第2延設部28が芯金211の被係合部211eを挿通しやすくなる。
【0176】
凹部10aには、第1被係合部211c1が形成されている。
【0177】
第1被係合部211c1は、凹部10a側である湾曲部11cの裏面に形成され、当該裏面から立設する円筒状または円管状の突部である。第1被係合部211c1の内部には、ネジ等の締結部材19を挿入可能な締結孔11kが形成されている。
【0178】
なお、本実施の形態に係る芯金211は、第1被係合部211c1および被係合部211eを有しているが、これに限定されない。
図18Bは、第1延設部が設けられていない電極構造体220gおよび第1被係合部が設けられていない芯金211gを示す斜視図である。例えば、
図18Bに示すように、芯金211gは、第1被係合部を有さず、被係合部211eを有していてもよい。この場合、図示は省略するが、電極構造体220gは、第1延設部を有さず、第2延設部28を有していてもよい。また、芯金211gは、被係合部を有さず、第1被係合部211c1を有していてもよい。この場合、電極構造体220gは、第2延設部を有さず、第1延設部27を有していてもよい。
【0179】
[電極構造体220]
図1および
図18Aに示すように、電極構造体220は、運転者の手によるステアリングホイール201の把持を検出する装置に用いられる。具体的には、電極構造体220は、ステアリングホイール201の把持を検出し易いように、車両3に設けられたステアリングホイール201の芯金211の外周に配置されている。より具体的には、電極構造体220は、芯金211の第1部211aから湾曲部11cに亘って覆うように、芯金211に設けられている。
【0180】
電極構造体220には、運転者の手によってステアリングホイール201の把持を検出することが可能な制御回路40が接続されている。運転者の手によってリム10が把持されると、電極構造体220の電極とその手との間の静電容量が変化する。制御回路40は、電極構造体220の電極から、静電容量が変化した出力信号に基づいて把持を検出する。具体的には、制御回路40は、その電極の静電容量、または、その静電容量に応じた値(変化量)を計測し、その値に基づいて、運転者の手によるリム10の把持を検出する。このような、制御回路40は、専用回路または汎用プロセッサで構成されている。また、制御回路40は、例えば
図1のスポーク9に埋設されている。
【0181】
また、電極構造体220は、車両3に設けられたステアリングホイール201に配置されている。本実施の形態では、電極構造体220は、ステアリングホイール201のリム10に埋設されている。また、
図1等では、電極構造体220がリム10の左右にそれぞれ設けられている場合を例示している。なお、
図1等では、リム10の一部に一対の電極構造体220が設けられている場合を例示しているが、これには限定されない。例えば、電極構造体220は、3つ以上がリム10に設けられていてもよく、1つがリム10に設けられてもよい。
【0182】
具体的には、
図18Aに示すように、電極構造体220は、第1絶縁体221Aと、第2絶縁体222Aと、第1電極31と、第2電極32とを備える。
【0183】
第1絶縁体221Aは、芯金211の外周側の面に沿って、芯金211の表面から離間した状態で配置されている。ここで、芯金211の外周側の面は、円環状の芯金211の全体を見た場合に、スポーク9が配置された芯金211の内周側の面とは反対側の面である。
【0184】
また、第1絶縁体221Aは、芯金211側と反対側の面である第1面21aと、芯金211側の第2面21bとを有する。第1面21aには第1電極31が配置され、第2面21bには第2電極32が配置されている。言い換えれば、第1絶縁体221Aは、第1電極31と第2電極32とで挟まれている。このような、第1絶縁体221Aは、第1電極31と第2電極32とを離間させ、かつ、第1電極31と第2電極32とが重なる状態に配置することができる。つまり、第1絶縁体221Aは、第1電極31と第2電極32とが電気的に接続されないように第1電極31と第2電極32とを配置することができる。
【0185】
また、第1絶縁体221Aは、例えば、ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレート等の硬質プラスチック等の樹脂材料で構成されている。
【0186】
また、第1絶縁体221Aは、一定の板厚が確保されている。一定の板厚とは、例えば、第1絶縁体221Aの厚みが数(mm)程度の厚みである。第1絶縁体221Aが一定の板厚を確保しているため、剛性が確保される。
【0187】
また、第1絶縁体221Aおよび第2電極32は、第2絶縁体222Aに支持されることで、芯金211に対して所定距離だけ離間した状態で配置されている。言い換えると、第1絶縁体221Aに配置された第2電極32は、第2絶縁体222Aによって芯金211に対して所定距離だけ離間した状態で配置される。つまり、第1絶縁体221Aおよび第2電極32と芯金211との間には、第2絶縁体222Aが配置されている。
【0188】
第2絶縁体222Aは、第1電極31と芯金211との間に配置され、第1絶縁体221A、第1電極31および第2電極32と重なり合い、第1絶縁体221A、第1電極31および第2電極32に覆われている。また、第2絶縁体222Aは、芯金211の外周側の面に接触した状態で、芯金211の外周側の面に沿って配置されている。つまり、第2絶縁体222Aは、第2電極32と芯金211とが電気的に接続されないように第2電極32を配置することができる。また、第1絶縁体221Aおよび/または第2絶縁体222Aは、絶縁体とも総称する、言い換えると、第1絶縁体221Aおよび/または第2絶縁体222Aは、絶縁体に含まれる。
【0189】
また、第2絶縁体222Aは、1以上の延設部26を有する。
【0190】
図20は、
図19BのG-G線における電極構造体220および芯金211を示す断面図である。
【0191】
延設部26は、
図18A、
図19A、
図19Bおよび
図20に示すように、ステアリングホイール201の断面において、芯金211の開口を閉じる方向に延設する。延設部26は、ステアリングホイール201の断面において、第2絶縁体222Aの一端に形成され、芯金211に接続されている。
【0192】
具体的には、延設部26は、第2絶縁体222Aから芯金211の開口を閉じるように延び、芯金211の開口の一部を覆っている。言い換えれば、延設部26は、ステアリングホイール201の周方向と垂直な平面でステアリングホイール201を切断した場合の断面において、第1部211aの長手方向と垂直な方向となるように、第2絶縁体222Aの一端から第2部211bに向かって延設している。つまり、延設部26は、芯金211の周方向と直交し、かつ、第2絶縁体222Aにおける芯金211の第1部211a側から芯金211の第2部211b側まで延びている。
【0193】
延設部26は、第1延設部27と、第2延設部28とを含んでいる。なお、延設部26は、第1延設部27および第2延設部28のうちのいずれか一方だけを含んでいてもよい。つまり、第2絶縁体222Aには、第1延設部27および第2延設部28のうちのいずれか一方だけが設けられていてもよい。
【0194】
図18A、
図19Aに示すように、第1延設部27は、板状をなしている。第1延設部27には、挿通孔27aが形成されている。
【0195】
挿通孔27aは、ステアリングホイール201の周方向と垂直な平面でステアリングホイール201を切断した場合の断面において、芯金211に設けられた第1被係合部211c1の締結孔11kと同軸となる位置に形成されている。つまり、挿通孔27aは、第1被係合部211c1の締結孔11kと対応する位置に形成されている。このため、ネジ等の締結部材19は、挿通孔27a、および、芯金211に設けられた第1被係合部211c1の締結孔11kに挿入される。つまり、締結部材19は、挿通孔27aを挿通した状態で、締結孔11kと締結することができる。これにより、第1延設部27が第1被係合部211c1に固定される。
【0196】
図18A、
図19Bおよび
図20に示すように、第2延設部28は、棒状をなしている。第2延設部28の先端には、芯金211の第2部211bに設けられた被係合部211eに係合する爪部28aが形成されている。
【0197】
爪部28aは、ステアリングホイール201の断面において、第2絶縁体222Aの一端から第2部211bに向かって延びることで、第2部211bに形成された被係合部211eに係合する。具体的には、第2延設部28は、第1部211aに形成された被係合部211eを挿通し、かつ、第2部211bに形成された被係合部211eを挿通している。そして、第2延設部28の爪部28aは、第2部211bに形成された被係合部211eと係合している。つまり、爪部28aは、第1部211aを跨いで第2部211bと係合することで、爪部28aの爪部が第2部211bの被係合部211eに引っ掛かる。
【0198】
また、
図19Aに示すように、第2絶縁体222Aは、芯金211と係合する係合支持片29を有する。係合支持片29は、ステアリングホイール201の断面において、芯金211の表面に沿って延びている。係合支持片29は、延設部26が形成されていない第2絶縁体222Aの他端に形成されている。係合支持片29は、延設部26と対応する位置に形成され、延設部26とともに芯金211を挟むように配置される。なお、係合支持片29には、爪状の接続体が形成されていてもよい。この場合、芯金211には、爪状の接続体に係合する凹部が形成されていてもよい。係合支持片29は、係合爪の一例であってもよい。
【0199】
なお、
図21に示すように、電極構造体220の第2絶縁体222Aは、係合支持片29を有していなくてもよい。
図21は、
図19Aにおいて、ステアリングホイール201の第2絶縁体222Aが係合支持片29を有しない電極構造体220および芯金211を示す断面図である。
【0200】
また、第2絶縁体222Aは、例えば、ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレート等の硬質プラスチック等の樹脂材料で構成されている。
【0201】
また、第2絶縁体222Aは、一定の板厚が確保されている。一定の板厚とは、例えば、第2絶縁体222Aの厚みが数(mm)程度の厚みである。第2絶縁体222Aが一定の板厚を確保しているため、剛性が確保される。
【0202】
また、
図18Aに示すように、第1絶縁体221Aは第1位置決め部21tを有し、第2絶縁体222Aは第2位置決め部22tを有している。第1位置決め部21tは、芯金211の周方向に沿って延びた第1絶縁体221Aの両端部の角部に形成されている。第2位置決め部22tは、芯金211の周方向に沿って延びた第2絶縁体222Aの両端部の角部に形成されている。本実施の形態では、第1位置決め部21tは、第2位置決め部22tと噛み合わさる凹部であるが、第2位置決め部22tと噛み合わさる凸部であってもよい。第2位置決め部22tは、第1位置決め部21tと噛み合わさる凸部であるが、第1位置決め部21tと噛み合わさる凹部であってもよい。第1絶縁体221Aと第2絶縁体222Aとで第2電極32を挟みながら、第1絶縁体221Aを第2絶縁体222Aに組付ける際に、第1位置決め部21tは、第2位置決め部22tと噛み合わされる。これにより、第1絶縁体221Aと第2絶縁体222Aとの位置合わせをすることができるため、第1絶縁体221Aと第2絶縁体222Aとの周方向のズレの発生を抑制でき、組付けを容易かつ適切にすることができる。
【0203】
なお、第1位置決め部21tは第1絶縁体221Aの角部に形成されているが、どこに形成されていてもよい。また、第1位置決め部21tは第1絶縁体221Aに複数形成されていてもよい。また、第2位置決め部22tは第2絶縁体222Aの角部に形成されているが、どこに形成されていてもよい。また、第2位置決め部22tは第2絶縁体222Aに複数形成されていてもよい。例えば、第1位置決め部21tは第1絶縁体221Aの両端部における4つの角部に形成されていてもよく、第2位置決め部22tは、第2絶縁体222Aの両端部における4つの角部に形成されていてもよい。
【0204】
また、第1電極31、第2電極32、第1絶縁体221Aおよび第2絶縁体222Aは、一体的に構成されていてもよく、それぞれが分離可能な別体であってもよい。
【0205】
図18Aおよび
図19Aに示すように、第1電極31は、金属メッキ、金属シート、または、金属板で構成される。第1電極31が金属シート、または、金属板の場合、金属シート、または、金属板が接着剤等によって第1絶縁体221Aの第1面21aに貼り付けられる。第1電極31は、例えば、銅またはアルミニウム等を含んだ金属である。
【0206】
また、第1電極31は、ステアリングホイール201の芯金211と対向する面と反対側の面である第1絶縁体221Aの第1面21aに配置されている。ここで、第1絶縁体221Aにおける芯金211と対向する面とは、第2絶縁体222Aおよび第2電極32を介して芯金211と対向する第1絶縁体221Aの第2面21bのことである。つまり、第1電極31は、芯金211および第2電極32から離間して配置されている。
【0207】
また、実施の形態1の
図6に示すように、本実施の形態でも、第1電極31には、交流電圧が印加される。第1電極31に印加される交流電圧は、実施の形態1の
図6の電源部41から供給された電力によって制御回路40で生成される。ここで、第1電極31は第1絶縁体221Aの第1面21aに配置されているため、リム10において第1電極31が配置されている部位が、運転者の手によって把持されると、第1電極31とその手との間に静電容量が形成される。したがって、制御回路40は、その静電容量の変化に応じて、手によるリム10の把持を検出することができる。
【0208】
第1電極31および第2電極32は、ハーネス8a、8bと電気的に接続されている。
【0209】
図18Aに示すように、ハーネス8aがそれぞれの電極構造体220の第1電極31と電気的に接続されている。ハーネス8aと第1電極31とが半田付けされることによって、ハーネス8aと第1電極31とが電気的に接続されてもよい。ハーネス8aと第1電極31とがリベットでカシメられることで、ハーネス8aと第1電極31とが電気的に接続されてもよい。
【0210】
また、ハーネス8bがそれぞれの電極構造体220の第2電極32と電気的に接続されている。ハーネス8bと第2電極32とが半田付けされることによって、ハーネス8bと第2電極32とが電気的に接続されてもよい。また、ハーネス8bと第2電極32とがリベットでカシメられることで、ハーネス8bと第2電極32とが電気的に接続されてもよい。
【0211】
ここで、実施の形態1の
図6に示すように、本実施の形態でも、制御回路40は、ハーネス8a、8bを介して第1電極31および第2電極32に交流電圧を印加することができる。
【0212】
第1電極31および第2電極32に同位相の交流電圧を印加することで、第1電極31と芯金211との間に形成される静電容量を打ち消す、または、小さくすることができる。このため、制御回路40は、第1電極31と運転者の手との間に形成される静電容量を精度よく検出することができる。
【0213】
第2電極32は、金属メッキ、金属シート、または、金属板で構成される。第2電極32が金属シート、または、金属板の場合、金属シート、または、金属板が接着剤等によって第1絶縁体221Aの第2面21bに貼り付けられる。第2電極32は、例えば、銅またはアルミニウム等を含んだ金属である。
【0214】
なお、第1電極31および第2電極32を金属メッキで形成する場合、
図20に示すように、第2絶縁体222Aにおける第2延設部28の付根に孔22fが形成されているため、第2絶縁体222Aの孔22fにマスキングを施し、かつ、当該孔22fに対応する個所の第1絶縁体221Aの第1面21aにもマスキングを施す。これにより、孔22fを除いて、第2絶縁体222Aの第1絶縁体221A側の面に第2電極32を形成し、当該孔22fに対応する個所を除いて、第1絶縁体221Aの第1面21aに第1電極31を形成することができる。言い換えれば、第2絶縁体222Aの孔22fには、第2電極32が形成されず、孔22fに対応する第1絶縁体221Aの第1面21aに第1電極31が形成されていない。また、別の方法として、第1絶縁体221Aの第1面21aに金属メッキを施して第1電極31を形成し、第1絶縁体221Aの第2面21bに金属メッキを施して第2電極32を形成してもよい。
【0215】
また、第2電極32は、第1絶縁体221Aの第1面21aと反対側の面である第2面21bに配置されている。具体的には、第2電極32は、第1電極31とともに第1絶縁体221Aを挟むように第1絶縁体221Aの第2面21bに沿って配置されている。第2電極32は、第1絶縁体221Aと第2絶縁体222Aとで挟まれているため、第2絶縁体222Aの第1絶縁体221A側の面に配置されているとも言える。つまり、第2電極32は、芯金211および第1電極31から離間して配置されている。このため、第2電極32は、芯金211および第1電極31と電気的に接続されていない。
【0216】
また、第2電極32には、第1電極31に印加される交流電圧と同位相の交流電圧が印加される。第2電極32に印加される交流電圧は、実施の形態1の
図6の電源部41から供給された電力によって制御回路40で生成される。
【0217】
また、
図19Aに示すように、第1電極31および第2電極32において、第1電極31と第2電極32と重ねて見た場合、第1電極31が第2電極32の全てに覆われ、かつ、第1電極31が第1面21aに配置される表面積よりも、第2電極32が第2面21bに配置される表面積の方が大きい。このため、第2電極32は、第1電極31と芯金211との間に静電容量が形成されることを抑制することができる。
【0218】
図18Aに示すように、第1電極31は、第1接続片31cを有する。また、第2電極32は、第2接続片32cを有する。第1接続片31cおよび第2接続片32cは、互いに電気的に接続されないように離間した状態で配置されている。第1接続片31cには、ハーネス8aが半田またはリベットによって電気的に接続されている。また、第2接続片32cには、ハーネス8bが半田またはリベットによって電気的に接続されている。つまり、本実施の形態では、第1接続片31c、第2接続片32cおよびハーネス8a、8bは、ステアリングホイール201の裏面側(車両3の前方側)に配置されている。
【0219】
また、第1絶縁体221A、第2絶縁体222A、第1電極31、および、第2電極32は、ステアリングホイール201のリム10の周方向と垂直な平面でステアリングホイール201を切断した場合の断面(以下、リム10の断面ということがある。)において、少なくともステアリングホイール201のリム10の外周側の部分からリム10における車両3の後方側の部分までの範囲に配置されている。
【0220】
本実施の形態では、第1絶縁体221A、第2絶縁体222A、第1電極31、および、第2電極32は、リム10の断面の周方向に沿って、少なくとも1/4周の範囲に亘って配置されている。第1絶縁体221A、第1電極31、および、第2電極32は、実施の形態1の
図3に示すように、二点鎖線で示される2つの直線V1、V2の間の範囲Lよりも大きい範囲に亘って配置されている。具体的には、第1絶縁体221A、第2絶縁体222A、第1電極31、および、第2電極32は、リム10の第1部211aから湾曲部11cを経由して第2部211bに亘って、配置されている。このように、運転者の手がリム10を把持した場合の手が接触し易い個所に、第1絶縁体221A、第1電極31、および、第2電極32が配置されることで、電極構造体220では、運転者の手によるステアリングホイール201の把持を精度よく検出することができる。
【0221】
[発泡体15]
図18Aに示すように、発泡体15は、運転者の手が把持する部分であり、ステアリングホイール201におけるリム10の外殻を構成している。発泡体15は、電極構造体220を覆うポリウレタン等のウレタン樹脂の樹脂材料からなる。発泡体15は、第1絶縁体221A、第2絶縁体222A、第1電極31、第2電極32および芯金211を埋設している。つまり、第1絶縁体221A、第2絶縁体222A、第1電極31、第2電極32および芯金211は、発泡体15から露出しないように、発泡体15によって覆われている。
【0222】
<ステアリングホイール201の製造方法>
本製造方法のフローチャートは、実施の形態1の
図7と同様であるため、
図7を用いて説明する。
【0223】
まず、
図7に示すように、作業者は、芯金211と、電極構造体220とを準備する。そして、作業者は、第2延設部28を第2部211bの被係合部211eに係合させる。また、作業者は、締結部材19を用いて、電極構造体220が備える第1延設部27と芯金211の第1被係合部211c1とを締結する。これにより、電極構造体220を芯金211に組付ける(S11:組付け工程)。
【0224】
具体的には、第2延設部28は、第1部211aの被係合部211eを挿通し、かつ、第2部211bの被係合部211eを挿通することで、第2延設部28の爪部28aは、第2部211bの被係合部211eと係合する。これによって、爪部28aは、被係合部211eに引っ掛かる。また、挿通孔27aと芯金211に設けられた第1被係合部211c1の締結孔11kとを位置合わせし、締結部材19を挿通孔27a、および、締結孔11kに挿入する。これによって、締結部材19は、締結孔11kと締結することで、第1延設部27を第1被係合部211c1に固定する。このように、第1延設部27を芯金211の第1被係合部211c1に固定し、第2延設部28と第2部211bの被係合部211eとを係合することで、電極構造体220は、芯金211に固定される。これにより、電極構造体220が芯金211に締結された構造体が得られる。
【0225】
次に、構造体を金型のキャビティ内に固定し、金型を型締めする。つまり、電極構造体220と芯金211とを締結させた状態で、発泡体15を用いて構造体を覆う。つまり、金型に形成されているゲートから射出成形樹脂を金型内のキャビティに流し込む(S12:射出工程)ことで、構造体を覆う発泡体15を形成する。射出成形樹脂は、例えばポリウレタン等のウレタン樹脂の樹脂材料である。
【0226】
これにより、発泡体15は、電極構造体220を芯金211に係合させた状態で、電極構造体220および芯金211を覆うことができる。こうして、ステアリングホイール201を得ることができる。
【0227】
<作用効果>
本実施の形態における電極構造体220、ステアリングホイール201およびステアリングホイール201の製造方法の作用効果について説明する。
【0228】
本実施の形態に係る電極構造体220における、車両3に設けられたステアリングホイール201の芯金211の外周に配置される電極構造体220であって、絶縁体(第1絶縁体221Aおよび/または第2絶縁体222A)と、ステアリングホイール201の芯金211と対向する面と反対側の面である絶縁体の第1面21aに配置される第1電極31と、を備える。そして、絶縁体は、ステアリングホイール201の周方向と垂直な平面でステアリングホイール201を切断した場合の断面において、芯金211の開口を閉じる方向に延設する延設部26を有する。そして、延設部26は、芯金211に接続されている。
【0229】
これによれば、延設部26を芯金211に接続することで、電極構造体220を芯金211に取り付けることができる。これにより、ステアリングホイール201を形成する際に電極構造体220をステアリングホイール201の内部に配置することができる。このため、従来のように、ステアリングホイールを形成してから、ステアリングホイールに切り込みを入れて第1電極および第2電極を配置する必要もない。
【0230】
したがって、電極構造体220は、ステアリングホイール201の外観性を確保しつつ、ステアリングホイール201の製造に関する工数が増加し難く、製造コストの高騰化を抑制することができる。
【0231】
特に、この電極構造体220では、延設部26が芯金211に接続されることで、電極構造体220の姿勢を強固に支持することができる。このため、ステアリングホイール201の樹脂成型時において、電極構造体220を確実にステアリングホイール201に組み込むことができる。
【0232】
また、延設部26が芯金211に接続されることで、電極構造体220を芯金211に強固に締結することができる。このため、ステアリングホイール201の樹脂成型時の圧力によって、絶縁体が芯金211に対して位置ズレしたり、ステアリングホイール201の周方向に対して回転ズレしたりすることを抑制することができる。その結果、ステアリングホイールの製造に関する工数の増加を抑制でき、製造コストの高騰化を抑制することができる。
【0233】
また、本実施の形態に係る電極構造体220における、絶縁体(第1絶縁体221Aおよび/または第2絶縁体222A)は、ステアリングホイール201の周方向と垂直な平面でステアリングホイール201を切断した場合の断面において、芯金211の開口を閉じる方向に延設する延設部26を有する。そして、延設部26は、芯金211に接続されている。
【0234】
この電極構造体220においても、上述と同様の作用効果を奏する。
【0235】
また、本実施の形態に係るステアリングホイール201は、電極構造体220と、芯金211と、電極構造体220を覆う発泡体15と、を備える。
【0236】
このステアリングホイール201においても、上述と同様の作用効果を奏する。
【0237】
また、本実施の形態に係るステアリングホイール201の製造方法は、電極構造体220が備える挿通孔27aに締結部材19を挿入し、延設部26を芯金211に締結させ、延設部26を芯金211に締結させた状態で、発泡体15を用いて電極構造体220を覆う。
【0238】
これによれば、延設部26を芯金211に締結することで、電極構造体220と芯金211とを強固に締結することができる。このため、ステアリングホイール201の樹脂成型時の圧力によって、絶縁体が芯金211に対して位置ズレしたり、ステアリングホイール201の周方向に対して回転ズレしたりすることを抑制することができる。このステアリングホイール201の製造方法においても、上述と同様の作用効果を奏する。
【0239】
また、本実施の形態に係るステアリングホイール201の製造方法は、電極構造体220が備える爪部28aを芯金211に設けられた被係合部211eに係合させ、延設部26を芯金211に係合させた状態で、発泡体15を用いて電極構造体220を覆う。
【0240】
これによれば、爪部28aと被係合部211eとを係合することで、電極構造体220と芯金211とを強固に締結することができる。このため、ステアリングホイール201の樹脂成型時の圧力によって、絶縁体が芯金211に対して位置ズレしたり、ステアリングホイール201の周方向に対して回転ズレしたりすることを抑制することができる。このステアリングホイール201の製造方法においても、上述と同様の作用効果を奏する。
【0241】
また、本実施の形態に係る電極構造体220において、絶縁体は、第1絶縁体221Aおよび第2絶縁体222Aを含む。また、第1電極31は、第1絶縁体221Aの第1面21aに配置される。電極構造体220は、さらに、第1絶縁体221Aの第1面21aと反対側の面である第2面21bに配置される第2電極32と、第1電極31と芯金211との間に配置される第2絶縁体222Aと、を備える。そして、第2絶縁体222Aは、ステアリングホイール201の周方向と垂直な平面でステアリングホイール201を切断した場合の断面において、芯金211の開口を閉じる方向に延設する延設部26を有する。
【0242】
これによれば、第2絶縁体222Aが第2電極32を芯金211から離間した状態で配置することができ、第1絶縁体221Aが第1電極31を第2電極32および芯金211から離間した状態で配置することができる。また、第1絶縁体221Aに第1電極31および第2電極32を配置することができるため、第1絶縁体221A、第1電極31および第2電極32が一体化された部材を芯金211に容易に組付けることができる。
【0243】
また、本実施の形態に係る電極構造体220において、延設部26には、挿通孔27aが形成される。
【0244】
これによれば、挿通孔27aに締結部材19を挿通させれば、延設部26と芯金211とを締結することができる。
【0245】
また、本実施の形態に係る電極構造体220において、挿通孔27aは、ステアリングホイール201の周方向と垂直な平面でステアリングホイール201を切断した場合の断面において、芯金211に設けられた締結孔11kと同軸となる位置に形成され、締結部材19が、延設部26の挿通孔27a、および、芯金211に設けられた締結孔11kに挿入される。
【0246】
これによれば、締結部材19が延設部26と芯金211とを接続することができるため、電極構造体220を芯金211に容易かつ強固に締結することができる。
【0247】
また、本実施の形態に係る電極構造体220において、延設部26には、芯金211に設けられた被係合部211eに係合する爪部28aが形成される。
【0248】
これによれば、爪部28aを被係合部211eに係合することで、絶縁体を芯金211に接続することができるため、電極構造体220を芯金211に容易かつ強固に締結することができる。
【0249】
また、本実施の形態に係る電極構造体220において、芯金211は、ステアリングホイール201の周方向と垂直な平面でステアリングホイール201を切断した場合の断面において、湾曲部11c、第1部211aおよび、第2部211bを有し、第1部211aは、第2部211bよりも短く形成される。また、被係合部211eは、第2部211bに形成される。そして、延設部26は、ステアリングホイール201の周方向と垂直な平面でステアリングホイール201を切断した場合の断面において、第1部211aの長手方向と垂直な方向で第2部211bに向かって延設し、延設部26に形成された爪部28aは、第2部211bに形成された被係合部211eに係合する。
【0250】
これによれば、爪部28aは第2部211bに形成された被係合部211eに係合することで、絶縁体を芯金211に接続することができるため、電極構造体220を芯金211に容易かつ強固に締結することができる。
【0251】
また、本実施の形態に係る電極構造体220において、第1絶縁体221A、第1電極31、および、第2電極32は、ステアリングホイール201の周方向と垂直な平面でステアリングホイール201を切断した場合の断面において、少なくともステアリングホイール201の外周側からステアリングホイール201における車両3の後方側までの範囲に配置される。
【0252】
これによれば、運転者の手がステアリングホイール201を把持した場合、運転者の手がステアリングホイール201の表面に接触し易い個所に電極構造体220を配置することができる。このため、運転者の手によるステアリングホイール201の把持を検出することができる。
【0253】
また、本実施の形態に係る電極構造体220において、第1絶縁体221Aは、樹脂材料で構成される。また、第2絶縁体222Aは、樹脂材料で構成される。また、第1電極31は、金属メッキ、金属シート、または、金属板で構成される。そして、第2電極32は、金属メッキ、金属シート、または、金属板で構成される。
【0254】
これによれば、第1絶縁体221Aに第1電極31および第2電極32を配置することができるため、絶縁体、第1電極31および第2電極32が一体化された部材を芯金211に容易に組付けることができる。さらに、第1絶縁体221Aおよび第2電極32と芯金211との間に第2絶縁体222Aを配置するため、第2絶縁体222Aは、第1電極31を芯金211から離間した状態で第1電極31を配置させることができる。
【0255】
また、本実施の形態に係る電極構造体220において、第1電極31には、第2電極32に印加される交流電圧と同位相の交流電圧が印加される。
【0256】
これによれば、第1電極31と芯金211との間に形成される静電容量を打ち消す、または、小さくすることができる。このため、運転者の手によるステアリングホイール201の把持を検出する制御回路40を用いれば、制御回路40は、この手がステアリングホイール201を把持した際に生じる、第1電極31と運転者の手との間に形成される静電容量を精度よく検出することができるようになる。
【0257】
また、電極構造体220において、第1絶縁体221Aは、第1位置決め部21tを有する。そして、第2絶縁体222Aは、第1位置決め部21tと噛み合わさる第2位置決め部22tを有する。
【0258】
これによれば、第1絶縁体221Aを第2絶縁体222Aに組付ける際に、第1位置決め部21tと第2位置決め部22tとを噛み合わすことができる。これにより、第1絶縁体221Aと第2絶縁体222Aとの位置合わせをすることができるため、第1絶縁体221Aと第2絶縁体222Aとの周方向のズレの発生を抑制でき、組付けを容易かつ適切にすることができる。
【0259】
(実施の形態2の変形例1)
本変形例の電極構造体220aおよびステアリングホイール201aが第1絶縁体221Bおよび第1電極31を有し、第2絶縁体および第2電極を有しない点等で実施の形態2の電極構造体およびステアリングホイールと相違する。本変形例では、実施の形態2の電極構造体220aおよびステアリングホイール201aと同一の構成および機能については同一の符号を付し、これら構成および機能に関する詳細な説明を省略する。
【0260】
図22は、実施の形態2の変形例1のステアリングホイール201aを示す斜視図、および、電極構造体220aを示す部分拡大図である。
図23は、
図22のH-H線におけるステアリングホイール201aを示す断面図である。
【0261】
図22および
図23に示すように、本変形例の電極構造体220aは、第1絶縁体221Bと、第1電極31と、突出部21dとを備える。
【0262】
第1絶縁体221Bは、芯金211の外周側の面に沿って配置されている。また、第1絶縁体221Bは、芯金211側と反対側の面である第1面21aと、芯金211側の第2面21bとを有する。第1面21aには、第1電極31が配置されている。第1電極31は、ハーネス8aと電気的に接続されている。また、第2面21bは、突出部21dにより、芯金211から所定距離離間した状態で位置している。このように、第1絶縁体221Bは、第1電極31と芯金211とが電気的に接続されないように、芯金211から離間した状態で第1電極31を配置することができる。第1絶縁体221Bと芯金211との間には、発泡体15が配置されていてもよい。また、第1絶縁体221Bの第2面21bは、芯金211に接触していてもよい。
【0263】
また、第1電極31は、第1絶縁体221Bに支持されることで、芯金211に対して所定距離だけ離間した状態で配置されている。
【0264】
また、第1絶縁体221Bは、1以上の延設部26を有する。
【0265】
延設部26は、
図22および
図23に示すように、ステアリングホイール201aの断面において、芯金211の開口を閉じる方向に延設する。延設部26は、第1延設部27と、第2延設部28とを含んでいる。
【0266】
第1延設部27は、板状をなしている。第1延設部27には、挿通孔27aが形成されている。
【0267】
第2延設部28は、棒状をなしている。第2延設部28の先端には、芯金211に設けられた被係合部211eに係合する爪部28aが形成されている。
【0268】
また、
図23に示すように、第1絶縁体221Bは、芯金211と係合する係合支持片29aを有する。係合支持片29aは、ステアリングホイール201aの断面において、芯金211の外周面に沿って延び、延設部26とともに芯金211を挟むように配置される。
【0269】
また、第1電極31および第1絶縁体221Bは、一体的に構成されていてもよく、それぞれが分離可能な別体であってもよい。
【0270】
突出部21dは、芯金211と対向する位置に配置されている。また、突出部21dは、第1絶縁体221Bから芯金211へ向かって突出している。突出部21dの先端の一部は、芯金211と当接している。つまり、突出部21dは、第1絶縁体221Bと芯金211との間に配置されている。このため、突出部21dは、第1絶縁体221Bおよび第1電極31と芯金211とが接触しないように、芯金211に対する第1絶縁体221Bの距離の確保と姿勢の維持との両立を図ることができる。
【0271】
また、突出部21dは、第1絶縁体221Bと一体的に形成されている。なお、突出部21dは、第1絶縁体221Bと分離可能な別体であってもよい。
【0272】
また、突出部21dは、芯金211と第1絶縁体221Bとの間に複数配置されている。また、突出部21dは、芯金211および第1絶縁体221Bに略等間隔に配置されていてもよい。
【0273】
このような、本変形例の電極構造体220aにおいて、絶縁体は、第1絶縁体221Bを含み、第1電極31は、第1絶縁体221Bの第1面21aに配置される。そして、第1絶縁体221Bは、ステアリングホイール201aの周方向と垂直な平面でステアリングホイール201aを切断した場合の断面において、芯金211の開口を閉じる方向に延設する延設部26を有する。
【0274】
これによれば、第1絶縁体221Bが第1電極31を芯金211から離間した状態で配置することができる。また、第1絶縁体221Bに第1電極31を配置することができるため、第1絶縁体221Bおよび第1電極31が一体化された部材を芯金211に容易に組付けることができる。
【0275】
(実施の形態2の変形例2)
本変形例の複数の電極構造体220が芯金211の周方向に沿って互いに連結されて配置されている点等で実施の形態2および実施の形態2の変形例1の電極構造体およびステアリングホイールと相違する。本変形例では、実施の形態2および実施の形態2の変形例1の電極構造体およびステアリングホイールと同一の構成および機能については同一の符号を付し、これら構成および機能に関する詳細な説明を省略する。
【0276】
図24は、実施の形態2の変形例2のステアリングホイール201bを示す斜視図である。
図25は、実施の形態2の変形例2の電極構造体220を示す斜視図である。
図26は、
図24のI-I線における電極構造体220および芯金211を示す断面図である。本変形例では、隣り合う2つの第1電極31の第1接続片31c、31dがリベット8c等によって締結されている場合、および、隣り合う2つの第2電極32の第2接続片32c、32dがリベット8c等によって締結されている場合を例示している。
【0277】
本変形例では、
図24に示すように、電極構造体220は、芯金211の周方向に沿って、複数設けられている。具体的には、複数の電極構造体220は、芯金211の第1部211aから湾曲部11cに亘って覆うように、芯金211に設けられている。つまり、複数の電極構造体220は、芯金211の第2部211bおよび凹部10aを除いて、芯金211を覆うように芯金211に設けられている。本変形例では、8つの電極構造体220を用いているが、電極構造体220は、7つ以下でもよく、9つ以上でもよい。また、電極構造体220が芯金211の周方向において全てを覆わなくてもよい。
【0278】
図25および
図26に示すように、複数の電極構造体220におけるそれぞれの第1絶縁体221Cには、第1連結部25aと、第1被連結部25bとが形成されている。本変形例の
図26では、複数の電極構造体220における隣り合う2つの電極構造体220のうちの一方の電極構造体220を第1電極構造体121と呼び、他方の電極構造体220を第2電極構造体122と呼ぶ。第1電極構造体121および第2電極構造体122のそれぞれは、第1連結部25aと第1被連結部25bとを有する。
【0279】
第1連結部25aは、第1電極構造体121の第1絶縁体221Cにおける一端側、および、図示を省略するが第2電極構造体122の第1絶縁体221Cにおける一端側に形成されている。第1被連結部25bは、図示を省略するが第1電極構造体121の第1絶縁体221Cにおける他端側、および、第2電極構造体122の第1絶縁体221Cにおける他端側に形成されている。
【0280】
第1連結部25aは、第1電極構造体121に隣接する電極構造体220である第2電極構造体122の第1絶縁体221Cの第1被連結部25bと連結する。第1連結部25aは、第1電極構造体121の周方向における第1絶縁体221Cの一方側の端縁から突出した凸部である。
図26では、第1連結部25aは、ピン状の凸部である。なお、第1連結部25aは、爪状の凸部であってもよい。
【0281】
第2電極構造体122の第1被連結部25bは、第1電極構造体121における第1絶縁体221Cの第1連結部25aと連結する。第1被連結部25bは、第2電極構造体122の周方向における第1絶縁体221Cの他方側の端縁から窪んだ凹部である。
図26では、第1連結部25aがピン状の凸部である場合、第1被連結部25bは、ピン状の凸部を挿入可能な凹部である。なお、第1被連結部25bは、爪状の第1連結部25aを引っ掛けることが可能な引っ掛け部を有する凹部であってもよい。
【0282】
図25および
図26に示すように、第1電極構造体121および第2電極構造体122のそれぞれは、第2連結部24aと、第2被連結部24bとを有する。
【0283】
第2連結部24aは、図示を省略するが第1電極構造体121の第2絶縁体222Cにおける他端側、および、第2電極構造体122の第2絶縁体222Cにおける他端側に形成されている。第2被連結部24bは、第1電極構造体121の第2絶縁体222Cにおける一端側、および、図示を省略するが第2電極構造体122の第2絶縁体222Cにおける一端側に形成されている。
【0284】
第2電極構造体122の第2連結部24aは、第1電極構造体121の第2絶縁体222Cの第2被連結部24bと連結する。第2連結部24aは、第2電極構造体122の周方向における第2絶縁体222Cの他方側の端縁から突出した凸部である。
図27では、第2連結部24aは、爪状の凸部である。なお、第2連結部24aは、ピン状の凸部であってもよい。
【0285】
第1電極構造体121の第2被連結部24bは、第2電極構造体122の第2絶縁体222Cの第2連結部24aと連結する。第2被連結部24bは、第1電極構造体121の周方向における第2絶縁体222Cの一方側の端縁から凹んだ凹部である。
図26では、第2被連結部24bは、爪状の第2連結部24aを引っ掛けることが可能な引っ掛け部24b1を有する凹部である。なお、第2連結部24aがピン状の凸部である場合、第2被連結部24bは、ピン状の凸部を挿入可能な凹部であってもよい。
【0286】
このように、第1電極構造体121の第1絶縁体221Cの一方側の端部には、第2電極構造体122の第1被連結部25bと連結する第1連結部25aが形成され、他方側の端部には、隣接する別の電極構造体220の第1連結部25aと連結する第1被連結部25bが形成されている。また、第1電極構造体121の第2絶縁体222Cの一方側の端部には、第2電極構造体122の第2連結部24aと連結する第2被連結部24bが形成され、他方側の端部には、隣接する別の電極構造体220の第2被連結部24bと連結する第2連結部24aが形成されている。これにより、第1電極構造体121の第2被連結部24bと、これに第2電極構造体122の第2連結部24aとが連結し、第1電極構造体121の第1連結部25aと、第2電極構造体122の第1被連結部25bとが連結することで、複数の電極構造体220を連結した状態で芯金211の周方向に沿って、芯金211に取り付けることができる。
【0287】
なお、本変形例において、電極構造体220の一端側または他端側に、第1連結部25a、第2連結部24a、第1被連結部25bおよび第2被連結部24bを設けてもよい。
【0288】
次に、隣り合う2つの電極構造体220における、隣り合う2つの第1電極31と、隣り合う2つの第2電極32との接続形態、複数の第1電極31とハーネス8aとの接続形態、および、複数の第2電極32とハーネス8bとの接続形態について説明する。
【0289】
複数の電極構造体220が芯金211に設けられる場合、ハーネス8aは複数の第1電極31のそれぞれと個別に電気的に接続されてもよく、ハーネス8bは複数の第2電極32のそれぞれと個別に電気的に接続されてもよい。また、ハーネス8aは電気的に1つの電極となるように接続された複数の第1電極31のうちの1つの第1電極31と電気的に接続されてもよく、ハーネス8bは電気的に1つの電極となるように接続された複数の第2電極32のうちの1つの第2電極32と電気的に接続されてもよい。
【0290】
図27は、ハーネス8a、8bと第1電極31および第2電極32との電気的接続を示す部分拡大斜視図である。
【0291】
図25および
図27に示すように、複数の第1電極31のそれぞれは、直接的に互いに電気的に接続するための第1接続片31c、31dを有している。
【0292】
第1接続片31cは電極構造体220の周方向における一端側に形成され、第1接続片31dは電極構造体220の周方向における他端側に形成されている。隣り合う2つの第1電極31の第1接続片31cと第1接続片31dとが重ね合わさった状態でリベット8c等によって締結されることで、複数の第1電極31は、芯金211の周方向に沿って並んだ状態で電気的に接続されてもよい。この場合、ハーネス8aは、このリベット8cによって第1接続片31cと電気的に接続されてもよい。つまり、ハーネス8aは、リベット8cでカシメられることで、複数の第1電極31のうちの1箇所の第1接続片31c、31dと電気的に接続されてもよい。
【0293】
複数の第2電極32のそれぞれは、直接的に互いに電気的に接続するための第2接続片32c、32dを有している。
【0294】
第2接続片32cは電極構造体220の周方向における一端側に形成され、第2接続片32dは電極構造体220の周方向における他端側に形成されている。隣り合う2つの第2電極32の第2接続片32cと第2接続片32dとが重ね合わさった状態でリベット8c等によって締結されることで、複数の第2電極32は、芯金の周方向に沿って並んだ状態で電気的に接続されてもよい。この場合、ハーネス8bは、このリベット8cによって第2接続片32c、32dと電気的に接続されてもよい。つまり、ハーネス8bは、リベット8cでカシメられることで複数の第2電極32のうちの1箇所の第2接続片32c、32dと電気的に接続されてもよい。
【0295】
また、第1接続片31cおよび第1接続片31dは第1絶縁体221Cから芯金211の凹部10aの開口に沿って延びるように配置され、第2接続片32cおよび第2接続片32dは第2絶縁体222Cから芯金211の凹部10aの開口に沿って延びるように配置されている。第1接続片31cおよび第1接続片31dは、第2接続片32cおよび第2接続片32dと接触しないように離間している。
【0296】
(実施の形態2の変形例3)
本変形例の複数の電極構造体220が芯金211の周方向に沿って互いに連結されて配置されている点、および、電極構造体220およびステアリングホイール201cが第1絶縁体221Dおよび第1電極31を有し、第2絶縁体および第2電極を有しない点等で実施の形態2および実施の形態2の変形例1、2の電極構造体およびステアリングホイールと相違する。本変形例では、実施の形態2および実施の形態2の変形例1、2の電極構造体およびステアリングホイールと同一の構成および機能については同一の符号を付し、これら構成および機能に関する詳細な説明を省略する。
【0297】
図28は、実施の形態2の変形例3のステアリングホイール201cを示す斜視図、および、電極構造体220を示す部分拡大図である。
【0298】
本変形例では、
図28に示すように、2つの電極構造体220は、芯金211の周方向に沿って左右にそれぞれ設けられている。具体的には、ステアリングホイール201cの右側には2つの電極構造体220が設けられ、ステアリングホイール201cの左側には2つの電極構造体220が設けられている。
【0299】
本変形例の電極構造体220は、第1絶縁体221Dと、第1電極31と、突出部21dとを備えている。
【0300】
第1絶縁体221Dは、芯金211の外周側の面に沿って配置されている。第1電極31は、第1絶縁体221Dに支持されることで、芯金211に対して所定距離だけ離間した状態で配置されている。突出部21dは、第1絶縁体221Dと芯金211との間に配置されている。このため、突出部21dは、第1絶縁体221Dおよび第1電極31と芯金211とが接触しないように、芯金211に対する第1絶縁体221Dの距離の確保と姿勢の維持との両立を図ることができる。
【0301】
2つの第1電極31のそれぞれは、直接的に互いに電気的に接続するための第1接続片31c、31dを有している。
【0302】
第1接続片31cは電極構造体220の周方向における一端側に形成され、第1接続片31dは電極構造体220の周方向における他端側に形成されている。隣り合う2つの第1電極31の第1接続片31c、31dがリベット8c等によって締結されることで、複数の第1電極31は、芯金211の周方向に沿って並んだ状態で電気的に接続されていてもよい。この場合、ハーネス8aは、リベット8cでカシメられることで複数の第1電極31のうちの1箇所の第1接続片31c、31dと電気的に接続されてもよい。
【0303】
(実施の形態2の変形例4)
本変形例の芯金211Aが
図28の場合に対して面対称となるように反転し、かつ、芯金211Aに取り付けられている電極構造体220の取り付け位置も反転している点等で実施の形態2の変形例1~3の電極構造体およびステアリングホイールと相違する。本変形例では、実施の形態2の変形例3の電極構造体およびステアリングホイールと同一の構成および機能については同一の符号を付し、これら構成および機能に関する詳細な説明を省略する。
【0304】
図29は、その他変形例のステアリングホイール201dを示す斜視図である。
【0305】
図29の芯金211Aでは、芯金211Aの凹部10aの開口面が運転席側に対向し、電極構造体220が芯金211Aにおける車両3の前方側に取り付けられている。つまり、芯金211Aにおける凹部10aの開口が運転席側に対向するように、芯金211Aがスポーク9に固定されている。なお、電極構造体220が芯金211Aにおける凹部10aを覆うように、車両3の後方側に取り付けられていてもよい。
【0306】
(実施の形態2の変形例5)
本変形例の電極構造体220bおよびステアリングホイール201eの第2絶縁体222Eが第1係合爪22d1および第2係合爪22d2を有する点等で実施の形態2および実施の形態2の変形例1~4等の電極構造体およびステアリングホイールと相違する。本変形例では、実施の形態2の電極構造体およびステアリングホイールと同一の構成および機能については同一の符号を付し、これら構成および機能に関する詳細な説明を省略する。
【0307】
図30は、実施の形態2の変形例5のステアリングホイール201eを示す斜視図、および、電極構造体220bを示す部分拡大図である。
図31は、
図30のJ-J線におけるステアリングホイール201eを示す断面図である。
【0308】
図30および
図31に示すように、芯金211Bには、第1被係合凹部11f1および第2被係合凹部11f2が形成されている。第1被係合凹部11f1は芯金211Bにおける第2部211bと湾曲部11cとの境界部分、および、第2被係合凹部11f2は芯金211Bにおける第1部211aと湾曲部11cとの境界部分に形成されている。本変形例では、第1被係合凹部11f1は芯金211Bの内周側に複数形成され、第2被係合凹部11f2は芯金211Bの外周側に複数形成されている。
【0309】
第2絶縁体222Eには、芯金211Bに設けられた第1被係合凹部11f1と係合可能な第1係合爪22d1と、芯金211Bに設けられた第2被係合凹部11f2と係合可能な第2係合爪22d2とが形成されている。
【0310】
第1係合爪22d1は、ステアリングホイール201eの断面において、延設部26における第2部211b側の端部から芯金211Bの第2部211bの表面に沿って延びた爪部である。第1係合爪22d1は、芯金211Bの第1被係合凹部11f1に係合することで、第1被係合凹部11f1に引っ掛かる。
【0311】
第2係合爪22d2は、延設部26が形成されていない第2絶縁体222Eの他端において、芯金211Bに設けられた第2被係合凹部11f2に係合する。つまり、第2係合爪22d2は、ステアリングホイール201eの断面において、第2絶縁体222Eの他端から芯金211Bの第1部211aの表面に沿って延びた爪部である。第2係合爪22d2は、芯金211Bの第2被係合凹部11f2に係合することで、第2被係合凹部11f2に引っ掛かる。
【0312】
つまり、第1係合爪22d1および第2係合爪22d2は、芯金211Bを挟むように芯金211Bの第1被係合凹部11f1および第2被係合凹部11f2に引っ掛かることで、電極構造体220bを芯金211Bに固定することができる。
【0313】
また、本変形例では、ステアリングホイール201eの断面において、ステアリングホイール201eの断面周方向に対し、第1絶縁体221E、第1電極31、および第2電極32は、1/4周以下の範囲に亘って配置されている。つまり、第1絶縁体221E、第1電極31、および第2電極32は、二点鎖線で示される2つの直線V1、V2の間の範囲Lよりも小さい範囲に亘って配置されている。本変形例では、さらに、第2絶縁体222Eも、二点鎖線で示される2つの直線V1、V2の間の範囲Lよりも小さい範囲に亘って配置されている。
【0314】
本変形例では、運転者の手がリム10を把持した場合の手が接触し易い個所に、第1絶縁体221E、第1電極31、および、第2電極32が配置されるため、ステアリングホイール201eの大型化を抑制しつつ、運転者の手によるステアリングホイール201eの把持を精度よく検出することができる。
【0315】
なお、本変形例では、芯金211Bは、第1被係合部211c1および被係合部211eを有しているが、これに限定されない。例えば、芯金211Bは、第1被係合部を有さず、被係合部211eを有していてもよい。この場合、電極構造体220bは、第1延設部27に挿通孔27aが形成されていなくてもよい。また、第1延設部27は第2絶縁体222Eとで芯金211Bを挟むことができてもよい。
【0316】
次に、ステアリングホイール201eの製造方法について説明する。
【0317】
ステアリングホイール201eにおける製造方法は、実施の形態1の
図7と同様であるため、
図7を用いて説明する。また、同一の説明については、適宜説明を省略する。
【0318】
まず、
図7および
図31に示すように、作業者は、電極構造体220bが備える第1係合爪22d1を第1被係合凹部11f1に係合させる。さらに、作業者は、電極構造体220bが備える第2係合爪22d2を第2被係合凹部11f2に係合させる。さらに、作業者は、芯金211Bと、電極構造体220bとを準備する。作業者は、締結部材19を用いて、電極構造体220bが備える第1延設部27と芯金211Bの第1被係合部211c1とを締結する。これにより、電極構造体220bは芯金211Bに組付けられる(S11:組付け工程)。
【0319】
次に、構造体を金型のキャビティ内に固定し、金型を型締めする。つまり、電極構造体220bと芯金211Bとを締結させた状態で、発泡体15を用いて構造体を覆う。つまり、金型に形成されているゲートから射出成形樹脂を金型内のキャビティに流し込む(S12:射出工程)ことで、構造体を覆う発泡体15を形成する。
【0320】
これにより、発泡体15は、電極構造体220bを芯金211Bに係合させた状態で、電極構造体220bおよび芯金211Bを覆うことができる。こうして、ステアリングホイール201eを得ることができる。
【0321】
このような、本変形例に係る電極構造体220bにおいて、絶縁体は、第1絶縁体221Eおよび第2絶縁体222Eを含む。また、第1電極31は、第1絶縁体221Eの第1面21aに配置される。電極構造体220bは、さらに、第1絶縁体221Eの第1面21aと反対側の面である第2面21bに配置される第2電極32と、第1電極31と芯金211Bとの間に配置される第2絶縁体222Eと、を備える。そして、第2絶縁体222Eは、ステアリングホイール201eの周方向と垂直な平面でステアリングホイール201eを切断した場合の断面において、芯金211Bの開口を閉じる方向に延設する延設部26を有する。
【0322】
これによれば、第2絶縁体222Eが第2電極32を芯金211Bから離間した状態で配置することができ、第1絶縁体221Eが第1電極31を第2電極32および芯金211Bから離間した状態で配置することができる。また、第1絶縁体221Eに第1電極31および第2電極32を配置することができるため、第1絶縁体221E、第1電極31および第2電極32が一体化された部材を芯金211Bに容易に組付けることができる。
【0323】
また、電極構造体220bにおいて、ステアリングホイール201eの周方向と垂直な平面でステアリングホイール201eを切断した場合の断面において、延設部26は、芯金211Bの開口を閉じて芯金211Bの外周面に沿うように形成される。また、延設部26には、芯金211Bに設けられた第1被係合凹部11f1に係合する第1係合爪22d1が形成される。
【0324】
これによれば、第1係合爪22d1と第1被係合凹部11f1とを係合することで、絶縁体を芯金211Bに接続することができるため、電極構造体220bを芯金211Bに容易かつ強固に締結することができる。
【0325】
また、本変形例に係る電極構造体220bにおいて、ステアリングホイール201eの周方向と垂直な平面でステアリングホイール201eを切断した場合の断面において、第2絶縁体222Eには、延設部26が形成されていない第2絶縁体222Eの他端において、芯金211Bに設けられた第2被係合凹部11f2に係合する第2係合爪22d2が形成される。
【0326】
これによれば、第2係合爪22d2と第2被係合凹部11f2とを係合することで、第2絶縁体222Eを芯金211Bに接続することができるため、電極構造体220bを芯金211Bに容易かつ強固に締結することができる。
【0327】
また、
図31に示すように、本変形例に係る電極構造体220bにおいて、ステアリングホイール201eの周方向と垂直な平面でステアリングホイール201eを切断した場合の断面において、ステアリングホイール201eの断面周方向に対し、第1絶縁体221E、第1電極31、および第2電極32は、1/4周以下の範囲に亘って配置されている。
【0328】
これによれば、第1絶縁体221E、第1電極31、および第2電極32は、1/4周以下の範囲に亘って配置させることで、電極構造体220bの大型化を抑制することができる。また、運転者の手がリムを把持した場合の手が接触し易い個所に、第1絶縁体221E、第1電極31、および、第2電極32を配置すれば、電極構造体220bは、運転者の手によるステアリングホイール201eの把持を精度よく検出することができる。
【0329】
また、本変形例に係るステアリングホイール201eの製造方法は、電極構造体220bが備える第1係合爪22d1を芯金211Bに設けられた第1被係合凹部11f1に係合させ、延設部26を芯金211Bに係合させた状態で、発泡体15を用いて電極構造体220bを覆う。
【0330】
これによれば、第1係合爪22d1を芯金211Bに係合することで、電極構造体220bと芯金211Bとを強固に締結することができる。このため、ステアリングホイール201eの樹脂成型時の圧力によって、絶縁体が芯金211Bに対して位置ズレしたり、ステアリングホイール201eの周方向に対して回転ズレしたりすることを抑制することができる。このステアリングホイール201eの製造方法においても、上述と同様の作用効果を奏する。
【0331】
(実施の形態2の変形例6)
本変形例の電極構造体220fおよびステアリングホイール201fの爪部128cが芯金211Cの開口を閉じる方向と直交する方向に突出している点等で実施の形態2および実施の形態2の変形例1~5等の電極構造体およびステアリングホイールと相違する。本変形例では、実施の形態2の変形例5の電極構造体およびステアリングホイールと同一の構成および機能については同一の符号を付し、これら構成および機能に関する詳細な説明を省略する。
【0332】
図32は、実施の形態2の変形例6のステアリングホイール201fを示す斜視図である。
図33は、実施の形態2の変形例6の電極構造体220fおよび芯金211Cを示す斜視図である。
図34は、
図32のK-K線における電極構造体220fおよび芯金211Cを示す断面図である。
図35は、
図33のM-M線におけるステアリングホイール201fを示す断面図である。
【0333】
本変形例では、
図32~
図35に示すように、凹部10aには、第1被係合部211c1と、第2被係合部11c2とが形成されている。第1被係合部211c1には、締結部材19を挿入可能である。第2被係合部11c2は、凹部10aに形成された挿通孔11c3および立壁11c4で構成される。挿通孔11c3の内部には、第2延設部128を挿入可能である。立壁11c4は、凹部10a側である湾曲部11cの裏面に形成され、当該裏面から立設する板状の突部である。立壁11c4は、挿通孔11c3に挿入された第2延設部128と係合可能である。第2被係合部11c2は、被係合部の一例である。
【0334】
なお、本実施の形態に係る芯金211Cは、第1被係合部211c1および第2被係合部11c2を有しているが、これに限定されない。例えば、芯金211Cは、第1被係合部を有さず、第2被係合部11c2を有してもよい。この場合、電極構造体220fは、第1延設部を有さず、第2延設部128を有してもよい。また、芯金211Cは、第2被係合部を有さず、第1被係合部211c1を有してもよい。この場合、電極構造体220fは、第2延設部を有さず、第1延設部27を有してもよい。
【0335】
本変形例でも、延設部26は、第1延設部27と、第2延設部128とを有する。
【0336】
第1延設部27は、締結部材19によって芯金211Cに締結されている。
【0337】
図32および
図34に示すように、第2延設部128は、板状をなした板状部128aと、板状部128aから芯金211Cの湾曲部11cに突出する突出部128bとを有する。板状部128aは、芯金211Cの凹部10aの開口を閉じる方向に延びている。つまり、板状部128aは、芯金211Cの第1部211aから第2部211bに亘って延びている。突出部128bは、ステアリングホイール201fの断面において、芯金211Cの開口を閉じる方向と直交する方向に突出する。つまり、突出部128bは、第2絶縁体222Eから芯金211Cの第1部211aに向かって延びる方向と直交する方向に延び、芯金211Cの湾曲部11cと係合している。
【0338】
具体的には、突出部128bには、芯金211Cに設けられた第2被係合部11c2に係合する爪部128cが形成されている。突出部128bは、板状部128aから芯金211Cの湾曲部11cに向かって延び、芯金211Cの湾曲部11cに形成されている挿通孔11c3を挿通している。これにより、突出部128bの爪部128cが挿通孔11c3に引っ掛かることで、突出部128bと芯金211Cとが係合する。
【0339】
また、
図32に示すように、第2延設部128における芯金211C側の面と反対側の面上には、第1電極31の第1接続片31cと、第2電極32の第2接続片32cとが電気的に接続されないように離間した状態で配置されている。第1接続片31cには、ハーネス8aが半田またはリベットによって電気的に接続されている。また、第2接続片32cには、ハーネス8bが半田またはリベットによって電気的に接続されている。
【0340】
つまり、本変形例では、第1接続片31c、第2接続片32cおよびハーネス8a、8bは、ステアリングホイール201fの裏面側(車両3の前方側)に配置されている。
【0341】
1つの電極構造体220fには、1以上の第1延設部27および第2延設部128が設けられている。本変形例では、1つの電極構造体220fに対して2つの第2延設部128が設けられているが、2つの第2延設部128における突出部128bの爪部128cは、互いに向かい合っている。なお、2つの突出部128bの爪部128cは、互いに向かい合っていなくてもよく、互いに遠ざかっていてもよい。
【0342】
このような、本変形例に係る電極構造体220fにおいて、絶縁体は、第1絶縁体221Eおよび第2絶縁体222Eを含む。また、第1電極31は、第1絶縁体221Eの第1面21aに配置される。電極構造体220fは、さらに、第1絶縁体221Eの第1面21aと反対側の面である第2面21bに配置される第2電極32と、第1電極31と芯金211Cとの間に配置される第2絶縁体222Eと、を備える。そして、第2絶縁体222Eは、ステアリングホイール201fの周方向と垂直な平面でステアリングホイール201fを切断した場合の断面において、芯金211Cの開口を閉じる方向に延設する延設部26を有する。
【0343】
これによれば、第2絶縁体222Aが第2電極32を芯金211Cから離間した状態で配置することができ、第1絶縁体221Eが第1電極31を第2電極32および芯金211Cから離間した状態で配置することができる。また、第1絶縁体221Eに第1電極31および第2電極32を配置することができるため、第1絶縁体221E、第1電極31および第2電極32が一体化された部材を芯金211Cに容易に組付けることができる。
【0344】
また、ステアリングホイール201fの周方向と垂直な平面でステアリングホイール201fを切断した場合の断面において、延設部26には、芯金211Cの開口を閉じる方向と直交する方向に突出する突出部128bが形成される。そして、突出部128bには、芯金211Cに設けられた被係合部(第2被係合部11c2)に係合する爪部128cが形成される。
【0345】
これによれば、突出部128bを芯金211Cに係合することができるため、電極構造体220fを芯金211Cに容易かつ強固に締結することができる。
【0346】
(実施の形態2の変形例7)
本変形例のステアリングホイール201hにおける芯金211に第1被係合凹部および第2被係合凹部が形成されていない点、および、第2絶縁体222Fに第1係合爪と第2係合爪とが形成されていない点で実施の形態2および実施の形態2の変形例1~6等の電極構造体およびステアリングホイールと相違する。本変形例では、実施の形態2の電極構造体およびステアリングホイールと同一の構成および機能については同一の符号を付し、これら構成および機能に関する詳細な説明を省略する。
【0347】
図36は、実施の形態2の変形例7のステアリングホイール201hを示す斜視図である。
図37は、
図36のN-N線におけるステアリングホイール201hを示す断面図である。
【0348】
図36および
図37に示すように、芯金211には、第1部211aと、湾曲部11cと、第2部211bとが形成されている。第1部211aおよび第2部211bには、被係合部211eが形成されている。被係合部211eは、電極構造体220hにおける延設部26の第2延設部28と係合する。また、芯金211の凹部10aには、第1被係合部211c1が形成されている。第1被係合部211c1は、締結部材19によって延設部26の第1延設部27と締結される。
【0349】
電極構造体220hは、第1絶縁体221Fと、延設部26を有する第2絶縁体222Fと、第1絶縁体221Fに配置される第1電極31と、第1絶縁体221Fに配置される第2電極32とを備える。
【0350】
なお、本変形例では、芯金211は、第1被係合部211c1および被係合部211eを有しているが、これに限定されない。例えば、芯金211は、第1被係合部を有さず、被係合部211eを有していてもよい。この場合、電極構造体220hは、第1延設部を有さず、第2延設部28を有していてもよい。また、芯金211は、被係合部を有さず、第1被係合部211c1を有していてもよい。この場合、電極構造体220hは、第2延設部を有さず、第1延設部27を有していてもよい。
【0351】
(実施の形態3)
<構成:ステアリングホイール301>
本実施の形態の複数の電極構造体20が芯金11の周方向に沿って互いに連結されて配置されている点で実施の形態1、2等の電極構造体およびステアリングホイールと相違する。本実施の形態では、実施の形態1、2の電極構造体およびステアリングホイールと同一の構成および機能については同一の符号を付し、これら構成および機能に関する詳細な説明を省略する。また、本実施の形態では、同一の構成の場合は、実施の形態1、2の図を用いて説明することがある。
【0352】
図38は、実施の形態3におけるステアリングホイール301が配置された車両3の車室を示す図である。
【0353】
図39Aに示すように、ステアリングホイール301は、例えば
図38の車両3の操舵輪に対して操舵角を与えることができる。
【0354】
ステアリングホイール301は、リム10を有する。リム10は、リム10の内周面に配置されたT字状のスポーク9と一体的に形成されている。
【0355】
リム10は、芯金11と、電極構造体20と、電極構造体20を覆う発泡体15とを備える。
【0356】
[芯金11]
図39Cは、
図39AのP-P線におけるステアリングホイール301の第1被係合部11c1および第1係合部23aを示す断面図である。
【0357】
芯金11は、
図39Aおよび
図39Cに示すように、金属製の円環状の芯である。具体的には、芯金11は、円環状の第1部11aと、第1部11aの内周側に配置された円環状の第2部11bと、第1部11aと第2部11bとを連結する湾曲状の湾曲部11cとを有する。第1部11aの一端縁は湾曲部11cの一端縁に連結され、第2部11bの一端縁は湾曲部11cの他端縁に連結されている。つまり、湾曲部11cは、芯金11の周方向と垂直な平面で芯金11を切断した場合の断面(以下、芯金11の断面ということがある。)において第1部11aと第2部11bとの間に配置される。このような芯金11の断面は、U字状、V字状、J字状、C字状等の形状である。
図39Aでは、芯金11の断面がU字状の場合を例示している。また、本実施の形態では、芯金11の断面において、第1部11aおよび第2部11bは、直線状である。
【0358】
また、芯金11の断面がU字状、V字状、J字状、C字状等の形状であるため、第1部11a、第2部11bおよび湾曲部11cによって、芯金11には凹部10aが形成される。凹部10aは、円環状をなした凹部10aである。本実施の形態では、凹部10aの開口は、リム10における車両3の前方側(リム10に対する座席側と反対側)に形成されている。
【0359】
図39Cに示すように、凹部10aには、第1被係合部11c1と、第2被係合部11c2とが形成されている。
【0360】
第1被係合部11c1は、凹部10a側である湾曲部11cの裏面に形成され、当該裏面から立設する円筒状または円管状の突部である。第1被係合部11c1の内部には、ネジ等の締結部材19および第2絶縁体22の第1係合部23aを挿入可能な挿入孔11dが形成されている。第1被係合部11c1の底部、言い換えれば第1被係合部11c1の先端には、締結部材19を挿入可能なネジ孔11d1が形成されている。
【0361】
実施の形態1の
図4および
図5に示すように、本実施の形態でも、第2被係合部11c2は、凹部10aに形成された挿通孔11c3および立壁11c4で構成される。挿通孔11c3の内部には、第2絶縁体22の第2係合部23bを挿入可能である。立壁11c4は、凹部10a側である湾曲部11cの裏面に形成され、当該裏面から立設する板状の突部である。立壁11c4は、挿通孔11c3に挿入された第2係合部23bと係合可能である。
【0362】
なお、本実施の形態に係る芯金11は、第1被係合部11c1および第2被係合部11c2を有しているが、これに限定されない。
図39Bは、第1係合部が設けられていない電極構造体20m、および、第1被係合部が設けられていない芯金11mを示す斜視図である。例えば、
図39Bに示すように、芯金11mは、第1被係合部を有さず、第2被係合部11c2を有してもよい。この場合、図示は省略するが、電極構造体20mは、第1係合部を有さず、第2係合部23bを有してもよい。また、芯金11mは、第2被係合部を有さず、第1被係合部11c1を有してもよい。この場合、電極構造体20は、第2係合部を有さず、第1係合部23aを有してもよい。
【0363】
[電極構造体20]
図38、
図39Aおよび
図39Cに示すように、電極構造体20は、運転者の手によるステアリングホイール301の把持を検出する装置に用いられる。具体的には、電極構造体20は、ステアリングホイール301の把持を検出し易いように、車両3に設けられたステアリングホイール301の芯金11の外周に配置されている。より具体的には、電極構造体20は、芯金11の第1部11aから湾曲部11cを経由して第2部11bに亘って、芯金11の外周側から内周側に亘って覆うように、芯金11に設けられている。つまり、複数の電極構造体20は、芯金11の凹部10aを除いて、芯金11を覆うように芯金11に設けられている。
【0364】
電極構造体20には、運転者の手によってステアリングホイール301の把持を検出することが可能な制御回路40が接続されている。運転者の手によってリム10が把持されると、電極構造体20の電極とその手との間の静電容量が変化する。制御回路40は、電極構造体20の電極から、静電容量が変化した出力信号に基づいて把持を検出する。具体的には、制御回路40は、その電極の静電容量、または、その静電容量に応じた値(変化量)を計測し、その値に基づいて、運転者の手によるリム10の把持を検出する。このような、制御回路40は、専用回路または汎用プロセッサで構成されている。また、制御回路40は、例えば
図38のスポーク9に埋設されている。
【0365】
また、電極構造体20は、車両3に設けられた
図39Aのステアリングホイール301に配置されている。本実施の形態では、電極構造体20は、ステアリングホイール301のリム10に埋設されている。
【0366】
具体的には、電極構造体20は、第1絶縁体21と、第2絶縁体22と、第1電極31と、第2電極32とを備える。
【0367】
第1絶縁体21は、芯金11の外周側の面に沿って、芯金11の表面から離間した状態で配置されている。ここで、芯金11の外周側の面は、円環状の芯金11の全体を見た場合に、スポーク9が配置された芯金11の内周側の面とは反対側の面である。
【0368】
また、第1絶縁体21は、芯金11側と反対側の面である第1面21aと、芯金11側の第2面21bとを有する。第1面21aには第1電極31が配置され、第2面21bには第2電極32が配置されている。言い換えれば、第1絶縁体21は、第1電極31と第2電極32とで挟まれている。このような、第1絶縁体21は、第1電極31と第2電極32とを離間させ、かつ、第1電極31と第2電極32とが重なる状態に配置することができる。つまり、第1絶縁体21は、第1電極31と第2電極32とが電気的に接続されないように第1電極31と第2電極32とを配置することができる。
【0369】
また、第1絶縁体21は、例えば、ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレート等の硬質プラスチック等の樹脂材料で構成されている。
【0370】
また、第1絶縁体21は、一定の板厚が確保されている。一定の板厚とは、例えば、第1絶縁体21の厚みが数(mm)程度の厚みである。第1絶縁体21が一定の板厚を確保しているため、剛性が確保される。
【0371】
また、第1絶縁体21および第2電極32は、第2絶縁体22に支持されることで、芯金11に対して所定距離だけ離間した状態で配置されている。言い換えると、第1絶縁体21と第2絶縁体22との間に配置された第2電極32は、第2絶縁体22によって芯金11に対して所定距離だけ離間した状態で配置される。つまり、第1絶縁体21および第2電極32と芯金11との間には、第2絶縁体22が配置されている。
【0372】
第2絶縁体22は、第2電極32と芯金11との間に配置され、第1絶縁体21、第1電極31および第2電極32と重なり合い、第1絶縁体21、第1電極31および第2電極32に覆われている。また、第2絶縁体22は、芯金11の外周側の面に接触した状態で、芯金11の外周側の面に沿って配置されている。つまり、第2絶縁体22は、第2電極32と芯金11とが電気的に接続されないように第2電極32を配置することができる。また、第1絶縁体21および/または第2絶縁体22は、絶縁体とも総称する、言い換えると、第1絶縁体21および/または第2絶縁体22は、絶縁体に含まれる。
【0373】
また、第2絶縁体22は、
図39C、実施の形態1の
図4および
図5に示すように、ステアリングホイール301の周方向と垂直な平面でステアリングホイール301を切断した場合の断面(以下、ステアリングホイール301の断面ということがある。)において、芯金11に設けられた第1被係合部11c1に係合する第1係合部23a、および、第2被係合部11c2に係合する第2係合部23bを有する。第1係合部23aおよび第2係合部23bは、係合部に含まれる。
【0374】
第1係合部23aは、芯金11の第1被係合部11c1と係合する。具体的には、第1係合部23aは、第1被係合部11c1の内部に挿入することで、第1被係合部11c1と係合することができる。つまり、第1係合部23aは、第2絶縁体22の芯金11側の面から立設する円筒状または円管状をなしており、第1被係合部11c1の内部に嵌め合わされることで、第1被係合部11c1に固定される。
【0375】
また、第1係合部23aは、円筒状または円管状であるが、第1被係合部11c1のネジ孔11d1に対応する締結孔23a1を有する。つまり、第1係合部23aは、第1被係合部11c1のネジ孔11d1を挿通した締結部材19が第1係合部23aの締結孔23a1に挿入されることで、締結部材19と締結することができる。
【0376】
第2係合部23bは、芯金11の第2被係合部11c2と係合する係合爪23b1を有する。具体的には、第2係合部23bは、第2被係合部11c2の挿通孔11c3に挿入されて、第2被係合部11c2の立壁11c4と係合することができる係合爪23b1を有する。つまり、第2係合部23bは、第2絶縁体22の芯金11側の面から立設する棒状または板状をなしており、第2被係合部11c2の挿通孔11c3に挿入されることで、第2係合部23bの係合爪23b1が第2被係合部11c2の立壁11c4に引っ掛かる。
【0377】
また、第1係合部23aおよび第2係合部23bのそれぞれは、第2絶縁体22に1以上配置されている。また、第1係合部23aおよび第2係合部23bの数に応じて、第1被係合部11c1および第2被係合部11c2のそれぞれは、芯金11に複数形成されている。また、第1係合部23a、第2係合部23b、第1被係合部11c1および第2被係合部11c2のそれぞれは、リム10上に略等間隔に配置されてもよい。
【0378】
また、第2絶縁体22は、例えば、ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレート等の硬質プラスチック等の樹脂材料で構成されている。
【0379】
また、第2絶縁体22は、一定の板厚が確保されている。一定の板厚とは、例えば、第2絶縁体22の厚みが数(mm)程度の厚みである。第2絶縁体22が一定の板厚を確保しているため、剛性が確保される。
【0380】
また、第1電極31、第2電極32、第1絶縁体21および第2絶縁体22は、一体的に構成されていてもよく、それぞれが分離可能な別体であってもよい。
【0381】
第1電極31は、金属メッキ、金属シート、または、金属板で構成される。第1電極31が金属シート、または、金属板の場合、金属シート、または、金属板が接着剤等によって第1絶縁体21の第1面21aに貼り付けられる。第1電極31は、例えば、銅またはアルミニウム等を含んだ金属である。
【0382】
また、第1電極31は、ステアリングホイール301の芯金11と対向する面と反対側の面である第1絶縁体21の第1面21aに配置されている。ここで、第1絶縁体21における芯金11と対向する面とは、第2絶縁体22および第2電極32を介して芯金11と対向する第1絶縁体21の第2面21bのことである。つまり、第1電極31は、芯金11および第2電極32から離間して配置されている。
【0383】
また、実施の形態1の
図6に示すように、本実施の形態でも、第1電極31には、交流電圧が印加される。第1電極31に印加される交流電圧は、電源部41から供給された電力によって制御回路40で生成される。ここで、第1電極31は第1絶縁体21の第1面21aに配置されているため、リム10において第1電極31が配置されている部位が、運転者の手によって把持されると、第1電極31とその手との間に静電容量が形成される。したがって、制御回路40は、その静電容量の変化に応じて、手によるリム10の把持を検出することができる。
【0384】
第1電極31および第2電極32は、ハーネス8a、8bと電気的に接続されている。
【0385】
図39Aに示すように、ハーネス8aがそれぞれの電極構造体20の第1電極31と電気的に接続されている。ハーネス8aと第1電極31とが半田付けされることによって、ハーネス8aと第1電極31とが電気的に接続されてもよい。ハーネス8aと第1電極31とがリベット8cでカシメられることで、ハーネス8aと第1電極31とが電気的に接続されてもよい。
【0386】
また、ハーネス8bがそれぞれの電極構造体20の第2電極32と電気的に接続されている。ハーネス8bと第2電極32とが半田付けされることによって、ハーネス8bと第2電極32とが電気的に接続されてもよい。また、ハーネス8bと第2電極32とがリベット8cでカシメられることで、ハーネス8bと第2電極32とが電気的に接続されてもよい。
【0387】
図39Aでは、隣り合う2つの第1電極31の第1接続片31c、31dがリベット8c等によって締結されている場合、および、隣り合う2つの第2電極32の第2接続片32c、32dがリベット8c等によって締結されている場合を例示している。
【0388】
ここで、
図6の制御回路40は、ハーネス8a、8bを介して第1電極31および第2電極32に交流電圧を印加することができる。
【0389】
第1電極31および第2電極32に同位相の交流電圧を印加することで、第1電極31と芯金11との間に形成される静電容量を打ち消す、または、小さくすることができる。このため、制御回路40は、第1電極31と運転者の手との間に形成される静電容量を精度よく検出することができる。
【0390】
第2電極32は、金属メッキ、金属シート、または、金属板で構成される。第2電極32が金属シート、または、金属板の場合、金属シート、または、金属板が接着剤等によって第1絶縁体21の第2面21bに貼り付けられる。第2電極32は、例えば、銅またはアルミニウム等を含んだ金属である。
【0391】
なお、第1電極31および第2電極32を金属メッキで形成する場合、実施の形態1の
図5に示すように、第2絶縁体22における第2係合部23bの付根に孔22fが形成されているため、第2絶縁体22の孔22fにマスキングを施し、かつ、当該孔22fに対応する個所の第1絶縁体21の第1面21aにもマスキングを施す。これにより、孔22fを除いて、第2絶縁体22の第1絶縁体21側の面に第2電極32を形成し、当該孔22fに対応する個所を除いて、第1絶縁体21の第1面21aに第1電極31を形成することができる。言い換えれば、第2絶縁体22の孔22fには、第2電極32が形成されず、孔22fに対応する第1絶縁体21の第1面21aに第1電極31が形成されていない。また、別の方法として、第1絶縁体21の第1面21aに金属メッキを施して第1電極31を形成し、第1絶縁体21の第2面21bに金属メッキを施して第2電極32を形成してもよい。
【0392】
また、第2電極32は、第1絶縁体21の第1面21aと反対側の面である第2面21bに配置されている。具体的には、第2電極32は、第1電極31とともに第1絶縁体21を挟むように第1絶縁体21の第2面21bに沿って配置されている。第2電極32は、第1絶縁体21と第2絶縁体22とで挟まれているため、第2絶縁体22の第1絶縁体21側の面に配置されているとも言える。つまり、第2電極32は、芯金11および第1電極31から離間して配置されている。このため、第2電極32は、芯金11および第1電極31と電気的に接続されていない。
【0393】
また、第2電極32には、第1電極31に印加される交流電圧と同位相の交流電圧が印加される。第2電極32に印加される交流電圧は、
図38の制御回路40で生成される。
【0394】
また、
図39Aに示すように、第1電極31および第2電極32において、第1電極31と第2電極32と重ねて見た場合、第1電極31が第2電極32の全てに覆われ、かつ、第1電極31が第1面21aに配置される表面積よりも、第2電極32が第2面21bに配置される表面積の方が大きい。このため、第2電極32は、第1電極31と芯金11との間に静電容量が形成されることを抑制することができる。
【0395】
また、第1絶縁体21、第2絶縁体22、第1電極31、および、第2電極32は、ステアリングホイール301のリム10の周方向と垂直な平面でステアリングホイール301を切断した場合の断面(以下、リム10の断面ということがある。)において、少なくともステアリングホイール301のリム10の外周側の部分からリム10における車両3の後方側の部分までの範囲に配置されている。
【0396】
本実施の形態では、第1絶縁体21、第2絶縁体22、第1電極31、および、第2電極32は、リム10の断面の周方向に沿って、少なくとも1/4周の範囲に亘って配置されている。
図39Cに示すように、第1絶縁体21、第1電極31、および、第2電極32は、二点鎖線で示される2つの直線V1、V2の間の範囲Lよりも大きい範囲に亘って配置されている。具体的には、第1絶縁体21、第2絶縁体22、第1電極31、および、第2電極32は、リム10の第1部11aから湾曲部11cを経由して第2部11bに亘って、配置されている。このように、運転者の手がリム10を把持した場合の手が接触し易い個所に、第1絶縁体21、第1電極31、および、第2電極32が配置されることで、電極構造体20では、運転者の手によるステアリングホイール301の把持を精度よく検出することができる。
【0397】
[発泡体15]
図39Aに示すように、発泡体15は、運転者の手が把持する部分であり、ステアリングホイール301におけるリム10の外殻を構成している。発泡体15は、電極構造体20を覆うポリウレタン等のウレタン樹脂の樹脂材料からなる。発泡体15は、第1絶縁体21、第2絶縁体22、第1電極31、第2電極32および芯金11を埋設している。つまり、第1絶縁体21、第2絶縁体22、第1電極31、第2電極32および芯金11は、発泡体15から露出しないように、発泡体15によって覆われている。
【0398】
本実施の形態では、
図39Aに示すように、電極構造体20は、芯金11の周方向に沿って、複数設けられている。本実施の形態では、8つの電極構造体20を用いているが、電極構造体20は、7つ以下でもよく、9つ以上でもよい。また、電極構造体20が芯金11の周方向において全てを覆わなくてもよい。
【0399】
実施の形態1の
図12および
図13に示すように、本実施の形態でも、複数の電極構造体20におけるそれぞれの第1絶縁体21には、第1連結部25aと、第1被連結部25bとが形成されている。
図13では、複数の電極構造体20における隣り合う2つの電極構造体20のうちの一方の電極構造体20を第1電極構造体121と呼び、他方の電極構造体20を第2電極構造体122と呼ぶ。第1電極構造体121および第2電極構造体122のそれぞれは、第1連結部25aと第1被連結部25bとを有する。ここで、第1連結部25aは連結部の一例である。また、第1被連結部25bは被連結部の一例である。
【0400】
第1連結部25aは、第1電極構造体121の第1絶縁体21における一端側、および、図示を省略するが第2電極構造体122の第1絶縁体21における一端側に形成されている。第1被連結部25bは、図示を省略するが第1電極構造体121の第1絶縁体21における他端側、および、第2電極構造体122の第1絶縁体21における他端側に形成されている。
【0401】
第1連結部25aは、第1電極構造体121に隣接する電極構造体20である第2電極構造体122の第1絶縁体21の第1被連結部25bと連結する。第1連結部25aは、第1電極構造体121の周方向における第1絶縁体21の一方側の端縁から突出した凸部である。実施の形態1の
図13に示すように、本実施の形態でも、第1連結部25aは、ピン状の凸部である。なお、第1連結部25aは、爪状の凸部であってもよい。
【0402】
第2電極構造体122の第1被連結部25bは、第1電極構造体121における第1絶縁体21の第1連結部25aと連結する。第1被連結部25bは、第2電極構造体122の周方向における第1絶縁体21の他方側の端縁から窪んだ凹部である。第1連結部25aがピン状の凸部である場合、第1被連結部25bは、ピン状の凸部を挿入可能な凹部である。なお、第1被連結部25bは、爪状の第1連結部25aを引っ掛けることが可能な引っ掛け部を有する凹部であってもよい。
【0403】
実施の形態1の
図12および
図13に示すように、本実施の形態でも、第2連結部24aは、図示を省略するが第1電極構造体121の第2絶縁体22における他端側、および、第2電極構造体122の第2絶縁体22における他端側に形成されている。第2被連結部24bは、第1電極構造体121の第2絶縁体22における一端側、および、図示を省略するが第2電極構造体122の第2絶縁体22における一端側に形成されている。ここで、第2連結部24aは連結部の一例である。また、第2被連結部24bは被連結部の一例である。
【0404】
第2電極構造体122の第2連結部24aは、第1電極構造体121の第2絶縁体22の第2被連結部24bと連結する。第2連結部24aは、第2電極構造体122の周方向における第2絶縁体22の他方側の端縁から突出した凸部である。
図13では、第2連結部24aは、爪状をなした凸部である。なお、第2連結部24aは、ピン状の凸部であってもよい。
【0405】
第1電極構造体121の第2被連結部24bは、第2電極構造体122の第2絶縁体22の第2連結部24aと連結する。第2被連結部24bは、第1電極構造体121の周方向における第2絶縁体22の一方側の端縁から凹んだ凹部である。
図12では、第2被連結部24bは、爪状の第2連結部24aを引っ掛けることが可能な引っ掛け部24b1を有する凹部である。なお、第2連結部24aがピン状の凸部である場合、第2被連結部24bは、ピン状の凸部を挿入可能な凹部であってもよい。
【0406】
このように、第1電極構造体121の第1絶縁体21の一方側の端部には、第2電極構造体122の第1被連結部25bと連結する第1連結部25aが形成され、他方側の端部には、隣接する別の電極構造体20の第1連結部25aと連結する第1被連結部25bが形成されている。また、第1電極構造体121の第2絶縁体22の一方側の端部には、第2電極構造体122の第2連結部24aと連結する第2被連結部24bが形成され、他方側の端部には、隣接する別の電極構造体20の第2被連結部24bと連結する第2連結部24aが形成されている。これにより、第1電極構造体121の第2被連結部24bと、これに第2電極構造体122の第2連結部24aとが連結し、第1電極構造体121の第1連結部25aと、第2電極構造体122の第1被連結部25bとが連結することで、複数の電極構造体20を連結した状態で芯金11の周方向に沿って、芯金11に取り付けることができる。
【0407】
なお、本実施の形態において、電極構造体20の一端側または他端側に、第1連結部25a、第2連結部24a、第1被連結部25bおよび第2被連結部24bを設けてもよい。
【0408】
なお、隣り合う2つの電極の接続手段については、上述の実施の形態1に記載されている内容、
図14A~
図14D、
図17Aおよび
図17B等と同様のため、説明を省略する。
【0409】
<ステアリングホイール301の製造方法>
本製造方法のフローチャートは、実施の形態1の
図7と同様であるため、
図7を用いて説明する。
【0410】
まず、
図7に示すように、まず、作業者は、芯金11と、複数の電極構造体20とを準備する。作業者は、ステアリングホイール301の周方向において当該電極構造体20の第1絶縁体21および第2絶縁体22に隣接して配置された別の第1絶縁体21の連結部および別の第2絶縁体22の被連結部を一対一で係合させ、第1絶縁体21が有する連結部および第2絶縁体22が有する被連結部に別の第1絶縁体21の被連結部および別の第2絶縁体22の連結部を一対一で係合させる。具体的には、作業者は、複数の電極構造体20のうちの第1電極構造体121の第1絶縁体21が有する第1連結部25aと第2絶縁体22が有する第2被連結部24bとに、ステアリングホイール301の周方向において当該電極構造体20に隣接して配置された別の電極構造体20である第2電極構造体122の第1絶縁体21の第1被連結部25bと第2絶縁体22の第2連結部24aとを係合させる。これにより、複数の電極構造体20を1つに連結する。そして、複数の電極構造体20が備える係合部と、芯金11の被係合部とを係合させ、締結孔23a1に締結部材19を挿入して、係合部を芯金11に締結させることにより、複数の電極構造体20は芯金11に組付けられる(S11:組付け工程)。芯金11の第1被係合部11c1は、第2絶縁体22の第1係合部23aと係合する。つまり、第1係合部23aを第1被係合部11c1に係合させ、第1被係合部11c1のネジ孔11d1および第1係合部23aの締結孔23a1に挿入する締結部材19によって、第1係合部23aと第1被係合部11c1とが締結される。また、芯金11の第2被係合部11c2は、第2絶縁体22の第2係合部23bを係合する。つまり、複数の電極構造体20が備える第2係合部23bの係合爪23b1を芯金11に設けられた第2被係合部11c2に係合させる。これにより、複数の電極構造体20が芯金11に締結された構造体が得られる。
【0411】
次に、構造体を金型のキャビティ内に固定し、金型を型締めする。つまり、複数の電極構造体20と芯金11とを締結させた状態で、発泡体15を用いて構造体を覆う。つまり、金型に形成されているゲートから射出成形樹脂を金型内のキャビティに流し込む(S12:射出工程)ことで、構造体を覆う発泡体15を形成する。射出成形樹脂は、例えばポリウレタン等のウレタン樹脂の樹脂材料である。
【0412】
これにより、発泡体15は、複数の電極構造体20を芯金11に係合させた状態で、複数の電極構造体20および芯金11を覆うことができる。こうして、ステアリングホイール301を得ることができる。
【0413】
<作用効果>
本実施の形態における電極構造体20、ステアリングホイール301およびステアリングホイール301の製造方法の作用効果について説明する。
【0414】
本実施の形態に係る電極構造体20は、車両3に設けられたステアリングホイール301の芯金11の外周に配置される電極構造体20であって、絶縁体(第1絶縁体21および/または第2絶縁体22)と、ステアリングホイール301の芯金11と対向する面と反対側の面である絶縁体の第1面21aに配置される第1電極31と、を備える。そして、絶縁体は、ステアリングホイール301の周方向において絶縁体に隣接して配置された別の絶縁体と連結する連結部(第1連結部25aおよび/または第2連結部24a)を有する。
【0415】
これによれば、絶縁体の連結部が隣接する別の絶縁体と連結することができるため、複数の電極構造体20を互いに連結した状態で芯金11に容易に組付けることができる。また、複数の電極構造体20をステアリングホイール301の周方向に沿って固定することで、運転者の手によるステアリングホイール301の把持を検知できる領域を容易に変更(拡大または縮小)することができる。
【0416】
また、電極構造体20を芯金11に取り付ければ、ステアリングホイール301を形成する際に電極構造体20をステアリングホイール301の内部の正確な位置に配置することができ、また、電極構造体20の配置位置を任意の正確な位置に配置することができる。このため、従来のように、ステアリングホイール301を形成してから、ステアリングホイール301に切り込みを入れて第1電極31および第2電極32を配置する必要もない。
【0417】
したがって、電極構造体20は、ステアリングホイール301の外観性を確保しつつ、ステアリングホイール301の製造コストの高騰化を抑制し、さらに、運転者の手によるステアリングホイール301の把持を検知できる範囲を変更することができる。
【0418】
特に、従来のようにステアリングホイールを形成してから、ステアリングホイールに切り込みを入れて第1電極および第2電極を配置する場合では、切れ込み作業のための工程、および、第1電極および第2電極をステアリングホイールの内部に導入するための工程がかかる。このため、従来のようにステアリングホイールでは、切れ込み作業およびセンサの導電体を導入するための工数が増加してしまう。しかしながら、従来のステアリングホイールに比べて、この電極構造体20では、ステアリングホイール301の製造に関する工数が増加したりし難く、ステアリングホイール301の製造コストの高騰化を抑制することができる。
【0419】
また、この電極構造体20を芯金11に固定すれば、芯金11に対する電極構造体20の姿勢を強固に支持することができる。このため、ステアリングホイール301の樹脂成型時において、電極構造体20を確実にステアリングホイール301に組み込むことができる。このため、ステアリングホイール301の樹脂成型時の圧力によって、絶縁体が芯金11に対して位置ズレしたり、ステアリングホイール301の周方向に対して回転ズレしたりすることを抑制することができる。その結果、ステアリングホイール301の製造に関する工数の増加を抑制でき、製造コストの高騰化を抑制することができる。
【0420】
本実施の形態に係る電極構造体20において、絶縁体は、ステアリングホイール301の周方向において絶縁体に隣接して配置された別の絶縁体と連結する連結部(第1連結部25aおよび/または第2連結部24a)を有する。
【0421】
この電極構造体20においても、上述と同様の作用効果を奏する。
【0422】
また、本実施の形態に係るステアリングホイール301は、電極構造体20と、芯金11と、電極構造体20を覆う発泡体15と、を備える。
【0423】
このステアリングホイール301においても、上述と同様の作用効果を奏する。
【0424】
また、本実施の形態に係るステアリングホイール301の製造方法は、電極構造体20の第1絶縁体21が有する連結部(第1連結部25a)および第2絶縁体22が有する被連結部(第2被連結部24b)に、ステアリングホイール301の周方向において当該電極構造体20の第1絶縁体21および第2絶縁体22に隣接して配置された別の第1絶縁体21の被連結部および別の第2絶縁体22の連結部を一対一で係合させ、第1絶縁体21が有する連結部および第2絶縁体22が有する被連結部に別の第1絶縁体21の被連結部および別の第2絶縁体22の連結部を一対一で係合させた状態で、発泡体15を用いて電極構造体20を覆う。
【0425】
これによれば、第1絶縁体21の連結部および第2絶縁体22の被連結部が隣接する別の第1絶縁体21の被連結部および別の第2絶縁体22の連結部と一対一で対応するように連結することができるため、複数の電極構造体20を互いに連結した状態で芯金11に容易に組付けることができる。また、複数の電極構造体20を芯金11に固定すれば、ステアリングホイール301の樹脂成型時の圧力によって、第1絶縁体21および第2絶縁体22が芯金11に対して位置ズレしたり、ステアリングホイール301の周方向に対して回転ズレしたりすることを抑制することができる。このステアリングホイール301の製造方法においても、上述と同様の作用効果を奏する。
【0426】
また、本実施の形態に係る電極構造体20において、絶縁体は、第1絶縁体21および第2絶縁体22を含み、第1電極31は、第1絶縁体21の第1面21aに配置される。また、電極構造体20は、さらに、第1絶縁体21の第1面21aと反対側の面である第2面21bに配置される第2電極32と、第1電極31と芯金11との間に配置される第2絶縁体22と、を備える。そして、第2絶縁体22は、ステアリングホイール301の周方向において第2絶縁体22に隣接して配置された別の第2絶縁体22と連結する連結部(第2連結部24a)を有する。
【0427】
これによれば、第1絶縁体21の連結部および第2絶縁体22の被連結部が隣接する別の第1絶縁体21の被連結部および別の第2絶縁体22の連結部と一対一で対応するように連結することができるため、複数の電極構造体20を互いに強固に連結することができる。また、複数の電極構造体20を互いに連結した状態で芯金11に容易に組付けることができる。
【0428】
また、電極構造体20において、第2絶縁体22は、さらに、ステアリングホイール301の周方向における一方側の端縁に形成された被連結部(第2被連結部24b)を有する。そして、連結部(第2連結部24a)は、ステアリングホイール301の周方向における第2絶縁体22の他方側の端縁に形成され、別の第2絶縁体22の被連結部と連結する爪状をなしている。
【0429】
これによれば、第2絶縁体22の連結部と、第2絶縁体22に隣接して配置された別の第2絶縁体22の被連結部とが連結することで、第2連結部24aは、被連結部に引っ掛かる。このため、第2絶縁体22と別の第2絶縁体22とを容易かつ強固に連結することができる。これにより、隣り合う2つの電極構造体20は、一体的に連結することができる。また、複数の電極構造体20を互いに連結した状態で芯金11に容易に組付けることができる。
【0430】
また、本実施の形態に係る電極構造体20において、第1絶縁体21は、ステアリングホイール301の周方向において第1絶縁体21に隣接して配置された別の第1絶縁体21と連結する連結部(第1連結部25a)を有する。
【0431】
これによれば、第1絶縁体21の連結部が、第1絶縁体21に隣接する別の第1絶縁体21と連結することができるため、複数の電極構造体20を互いに連結した状態で芯金11に容易に組付けることができる。また、複数の電極構造体20を互いに連結した状態で芯金11に容易に組付けることができる。
【0432】
また、本実施の形態に係る電極構造体20において、第1絶縁体21は、さらに、ステアリングホイール301の周方向における他方側の端縁に形成された被連結部(第1被連結部25b)を有する。そして、連結部は、ステアリングホイール301の周方向における第1絶縁体21の一方側の端縁に形成され、別の第1絶縁体21の被連結部と連結する凸部である。
【0433】
これによれば、第1絶縁体21の連結部と、第1絶縁体21に隣接して配置された別の第1絶縁体21の被連結部とが連結することで、連結部と被連結部とを容易に連結することができる。このため、隣り合う2つの電極構造体20は、一体的かつより強固に連結することができる。また、複数の電極構造体20を互いに連結した状態で芯金11に容易に組付けることができる。
【0434】
また、本実施の形態に係る電極構造体20において、第1絶縁体21、第2絶縁体22、第1電極31、および、第2電極32は、ステアリングホイール301の周方向と垂直な平面でステアリングホイール301を切断した場合の断面において、少なくともステアリングホイール301の外周側からステアリングホイール301の内周側までの範囲に配置される。
【0435】
これによれば、運転者の手がステアリングホイール301を把持した場合、運転者の手がステアリングホイール301の表面に接触し易い個所に電極構造体20を配置することができる。このため、運転者の手による把持を検出することができる。
【0436】
また、本実施の形態に係る電極構造体20において、第1絶縁体21は、樹脂材料で構成される。また、第2絶縁体22は、樹脂材料で構成される。また、第1電極31は、金属メッキ、金属シート、または、金属板で構成される。そして、第2電極32は、金属メッキ、金属シート、または、金属板で構成される。
【0437】
これによれば、第1絶縁体21に第1電極31および第2電極32を配置することができるため、絶縁体、第1電極31および第2電極32が一体化された部材を芯金11に容易に組付けることができる。さらに、第1絶縁体21および第2電極32と芯金11との間に第2絶縁体22を配置するため、第2絶縁体22は、第1電極31を芯金11から離間した状態で第1電極31を配置させることができる。
【0438】
また、本実施の形態に係る電極構造体20において、第1電極31には、第2電極32に印加される交流電圧と同位相の交流電圧が印加される。
【0439】
これによれば、第1電極31と芯金11との間に形成される静電容量を打ち消す、または、小さくすることができる。このため、運転者の手によるステアリングホイール301の把持を検出する制御回路40を用いれば、制御回路40は、この手がステアリングホイール301を把持した際に生じる、第1電極31と運転者の手との間に形成される静電容量を精度よく検出することができるようになる。
【0440】
(実施の形態3の変形例1)
本変形例の電極構造体320aおよびステアリングホイール301aの第2絶縁体322が1以上の延設部26を有する点等で実施の形態3の電極構造体およびステアリングホイールと相違する。本変形例では、実施の形態3の電極構造体およびステアリングホイールと同一の構成および機能については同一の符号を付し、これら構成および機能に関する詳細な説明を省略する。
【0441】
図40は、実施の形態3の変形例1のステアリングホイール301aを示す斜視図である。
図41は、実施の形態3の変形例1の電極構造体320aを示す斜視図である。
【0442】
図40および
図41に示すように、芯金311の第1部311aおよび第2部311bには、被係合部11eが形成されている。被係合部11eは、後述する電極構造体320aにおける延設部26の爪部と係合する。被係合部11eは、第1部311aおよび第2部311bに複数形成されている。また、被係合部11eは、第1部311aおよび第2部311bに等間隔に形成されている。
【0443】
なお、被係合部11eは、第1部311aおよび第2部311bに形成された貫通孔であってもよく、第1部311aおよび第2部311bの一部が切り欠かれた切欠きであってもよい。この場合、第1部311aは、第2部311bよりも長さが短くてもよい。つまり、芯金311の全周に亘って、第1部311aは、第2部311bよりも短く形成されていてもよい。この場合、芯金311の断面がJ字状になっていてもよい。
【0444】
図42は、
図40のQ-Q線における電極構造体320aおよび芯金311を示す断面図である。
【0445】
図42に示すように、ステアリングホイール301aの断面において、第1部311aは、第2部311bよりも短く形成されている部分が存在する。つまり、後述する第1延設部27が第1部311aの被係合部11eおよび第2部311bの被係合部11eを挿通する芯金311の一部分において、第1部311aは、第2部311bよりも短く形成されている。なお、芯金311の全周に亘って、第1部311aは、第2部311bよりも短く形成されていてもよい。
【0446】
図43Aは、
図40のR-R線におけるステアリングホイール301aを示す断面図である。
図43Bは、
図40のS-S線における電極構造体320aおよび芯金311を示す断面図である。
【0447】
【0448】
第1被係合部311c1は、凹部10a側である湾曲部11cの裏面に形成され、当該裏面から立設する円筒状または円管状の突部である。第1被係合部311c1の内部には、ネジ等の締結部材19を挿入可能な締結孔11kが形成されている。
【0449】
なお、本変形例に係る芯金311は、第1被係合部311c1および被係合部11eを有しているが、これに限定されない。図示は省略するが、例えば、芯金311は、第1被係合部を有さず、被係合部11eを有していてもよい。この場合、電極構造体320aは、第1延設部を有さず、第2延設部28を有していてもよい。また、芯金311は、係合部を有さず、第1被係合部311c1を有していてもよい。この場合、電極構造体320aは、第2延設部を有さず、第1延設部27を有していてもよい。
【0450】
電極構造体の第2絶縁体322は、1以上の延設部26を有する。
【0451】
延設部26は、ステアリングホイール301aの断面において、芯金311の開口を閉じる方向に延設する。延設部26は、ステアリングホイール301aの断面において、第2絶縁体322の一端に形成され、芯金311に接続されている。
【0452】
具体的には、延設部26は、第2絶縁体322から芯金311の開口を閉じるように延び、芯金311の開口の一部を覆っている。言い換えれば、延設部26は、ステアリングホイール301aの周方向と垂直な平面でステアリングホイール301aを切断した場合の断面において、第1部311aの長手方向と垂直な方向となるように、第2絶縁体322の一端から第2部311bに向かって延設している。つまり、延設部26は、芯金311の周方向と直交し、かつ、第2絶縁体322における芯金311の第1部311a側から芯金311の第2部311b側まで延びている。
【0453】
延設部26は、第1延設部27と、第2延設部28とを含んでいる。なお、延設部26は、第1延設部27および第2延設部28のうちのいずれか一方だけを含んでいてもよい。つまり、第2絶縁体322には、第1延設部27および第2延設部28のうちのいずれか一方だけが設けられていてもよい。
【0454】
第1延設部27は、板状をなしている。第1延設部27には、挿通孔27aが形成されている。
【0455】
挿通孔27aは、ステアリングホイール301aの周方向と垂直な平面でステアリングホイール301aを切断した場合の断面において、芯金311に設けられた第1被係合部311c1の締結孔11kと同軸となる位置に形成されている。つまり、挿通孔27aは、第1被係合部311c1の締結孔11kと対応する位置に形成されている。このため、ネジ等の締結部材19は、挿通孔27a、および、芯金311に設けられた第1被係合部311c1の締結孔11kに挿入される。つまり、締結部材19は、挿通孔27aを挿通した状態で、締結孔11kと締結することができる。これにより、第1延設部27が第1被係合部311c1に固定される。
【0456】
第2延設部28は、棒状をなしている。第2延設部28の先端には、芯金311の第2部311bに設けられた被係合部11eに係合する爪部28aが形成されている。
【0457】
爪部28aは、ステアリングホイール301aの断面において、第2絶縁体322の一端から第2部311bに向かって延びることで、第2部311bに形成された被係合部11eに係合する。具体的には、第2延設部28は、第1部311aに形成された被係合部11eを挿通し、かつ、第2部311bに形成された被係合部11eを挿通している。そして、第2延設部28の爪部28aは、第2部311bに形成された被係合部11eと係合している。つまり、爪部28aは、第1部311aを跨いで第2部311bと係合することで、爪部28aの爪部が第2部311bの被係合部11eに引っ掛かる。
【0458】
また、第2絶縁体322は、芯金311と係合する係合支持片29を有する。係合支持片29は、ステアリングホイール301aの断面において、芯金311の表面に沿って延びている。係合支持片29は、延設部26が形成されていない第2絶縁体322の他端に形成されている。係合支持片29は、延設部26と対応する位置に形成され、延設部26とともに芯金311を挟むように配置される。なお、係合支持片29には、爪状の接続体が形成されていてもよい。この場合、芯金311には、爪状の接続体に係合する凹部が形成されていてもよい。
【0459】
なお、電極構造体320aの第2絶縁体322は、係合支持片29を有していなくてもよい。つまり、第2絶縁体322は、延設部26と、爪部28aとを有していてもよい。
【0460】
次に、隣り合う2つの電極構造体320aにおける、隣り合う2つの第1電極31と、隣り合う2つの第2電極32との接続形態、複数の第1電極31とハーネス8aとの接続形態、および、複数の第2電極32とハーネス8bとの接続形態について説明する。
【0461】
複数の電極構造体320aが芯金311に設けられる場合、ハーネス8aは複数の第1電極31のそれぞれと個別に電気的に接続されてもよく、ハーネス8bは複数の第2電極32のそれぞれと個別に電気的に接続されてもよい。また、ハーネス8aは電気的に1つの電極となるように接続された複数の第1電極31のうちの1つの第1電極31と電気的に接続されてもよく、ハーネス8bは電気的に1つの電極となるように接続された複数の第2電極32のうちの1つの第2電極32と電気的に接続されてもよい。
【0462】
図44は、
図40のハーネス8a、8bと第1電極31および第2電極32との電気的接続を示す部分拡大斜視図である。
【0463】
図41および
図44に示すように、複数の第1電極31のそれぞれは、直接的に互いに電気的に接続するための第1接続片31c、31dを有している。
【0464】
第1接続片31cは電極構造体320aの周方向における一端側に形成され、第1接続片31dは電極構造体320aの周方向における他端側に形成されている。隣り合う2つの第1電極31の第1接続片31c、31dが重ね合わさった状態でリベット8c等によって締結されることで、複数の第1電極31は、芯金311の周方向に沿って並んだ状態で電気的に接続されてもよい。この場合、ハーネス8aは、このリベット8cによって第1接続片31c、31dと電気的に接続されてもよい。つまり、ハーネス8aは、リベット8cでカシメられることで、複数の第1電極31のうちの1箇所の第1接続片31c、31dと電気的に接続されてもよい。
【0465】
複数の第2電極32のそれぞれは、直接的に互いに電気的に接続するための第2接続片32c、32dを有している。
【0466】
第2接続片32cは電極構造体320aの周方向における一端側に形成され、第2接続片32dは電極構造体320aの周方向における他端側に形成されている。隣り合う2つの第2電極32の第2接続片32c、32dが重ね合わさった状態でリベット8c等によって締結されることで、複数の第2電極32は、芯金311の周方向に沿って並んだ状態で電気的に接続されてもよい。この場合、ハーネス8bは、このリベット8cによって第2接続片32c、32dと電気的に接続されてもよい。つまり、ハーネス8bは、リベット8cでカシメられることで、複数の第2電極32のうちの1箇所の第2接続片32c、32dと電気的に接続されてもよい。
【0467】
また、第1接続片31cおよび第1接続片31dは第1絶縁体321から芯金311の凹部10aの開口に沿って延びるように配置され、第2接続片32c、32dは第2絶縁体322から芯金311の凹部10aの開口に沿って延びるように配置されている。第1接続片31cおよび第1接続片31dは、第2接続片32c、32dと接触しないように離間している。
【0468】
(実施の形態3の変形例2)
本変形例の電極構造体320eおよびステアリングホイール301cが第1絶縁体321Aおよび第1電極31を有し、第2絶縁体および第2電極を有しない点で実施の形態3および実施の形態3の変形例1の電極構造体およびステアリングホイールと相違する。本変形例では、実施の形態3および実施の形態3の変形例1の電極構造体およびステアリングホイールと同一の構成および機能については同一の符号を付し、これら構成および機能に関する詳細な説明を省略する。
【0469】
図45は、実施の形態3の変形例2のステアリングホイール301cを示す斜視図および電極構造体320eを示す部分拡大斜視図である。
図46は、
図45のT-T線における電極構造体320eおよび芯金311を示す断面図である。
【0470】
本変形例では、
図45および
図46に示すように、2つの電極構造体320eは、芯金311の周方向に沿って左右にそれぞれ設けられている。具体的には、ステアリングホイール301cの右側には2つの電極構造体320eが設けられ、ステアリングホイール301cの左側にも2つの電極構造体320eが設けられている。
【0471】
本変形例の電極構造体320eは、第1絶縁体321Aと、第1電極31と、突出部21dとを備えている。
【0472】
第1絶縁体321Aは、芯金311の外周側の面に沿って配置されている。また、第1絶縁体321Aは、芯金311側と反対側の面である第1面21aと、芯金311側の第2面21bとを有する。第1面21aには、第1電極31が配置されている。第1電極31は、ハーネス8aと電気的に接続されている。また、第2面21bは、芯金311から所定距離離間した状態で位置している。このような、第1絶縁体321Aは、第1電極31と芯金311とが電気的に接続されないように、芯金311から離間した状態で第1電極31を配置することができる。第1絶縁体321Aと芯金311との間には、発泡体15が配置されていてもよい。また、第1絶縁体321Aの第2面21bは、芯金311に接触していてもよい。
【0473】
また、第1絶縁体321Aは、1以上の延設部26を有している。
【0474】
延設部26は、ステアリングホイール301cの断面において、芯金311の開口を閉じる方向に延設する。
【0475】
延設部26は、第1延設部27と、第2延設部28とを有する。
【0476】
第1延設部27は、板状をなしている。第1延設部27には、挿通孔27aが形成されている。
【0477】
第2延設部28は、棒状をなしている。第2延設部28の先端には、芯金311に設けられた被係合部11eに係合する爪部28aが形成されている。
【0478】
また、第1絶縁体321Aは、芯金311と係合する係合支持片29aを有する。係合支持片29aは、ステアリングホイール301cの断面において、芯金311の外周面に沿って延び、延設部26とともに芯金311を挟むように配置される。
【0479】
第1電極31は、第1絶縁体321Aに支持されることで、芯金311に対して所定距離だけ離間した状態で配置されている。
【0480】
2つの第1電極31のそれぞれは、直接的に互いに電気的に接続するための第1接続片31c、31dを有している。
【0481】
第1接続片31cは電極構造体320eの周方向における一端側に形成され、第1接続片31dは電極構造体320eの周方向における他端側に形成されている。隣り合う2つの第1電極31の第1接続片31c、31dがリベット8c等によって締結されることで、複数の第1電極31は、芯金311の周方向に沿って並んだ状態で電気的に接続されていてもよい。この場合、ハーネス8aは、リベット8cでカシメられることで、複数の第1電極31のうちの1箇所の第1接続片31c、31dと電気的に接続されてもよい。
【0482】
また、第1電極31および第1絶縁体321Aは、一体的に構成されていてもよく、それぞれが分離可能な別体であってもよい。
【0483】
突出部21dは、芯金311と対向する位置に配置されている。また、突出部21dは、第1絶縁体321Aから芯金311へ向かって突出している。突出部21dの先端の一部は、芯金311と当接している。つまり、突出部21dは、第1絶縁体321Aと芯金311との間に配置されている。このため、突出部21dは、第1絶縁体321Aおよび第1電極31と芯金311とが接触しないように、芯金311に対する第1絶縁体321Aの距離の確保と姿勢の維持との両立を図ることができる。
【0484】
また、突出部21dは、第1絶縁体321Aと一体的に形成されている。なお、突出部21dは、第1絶縁体321Aと分離可能な別体であってもよい。
【0485】
また、突出部21dは、芯金311と第1絶縁体321Aとの間に複数配置されている。また、突出部21dは、芯金311および第1絶縁体321Aに略等間隔に配置されていてもよい。
【0486】
このような、本変形例の電極構造体320eにおいて、絶縁体は、第1絶縁体321Aを含み、第1電極31は、第1絶縁体321Aの第1面に配置され、第1絶縁体321Aは、ステアリングホイール301cの周方向において第1絶縁体321Aに隣接して配置された別の第1絶縁体321Aと連結する連結部を有する。
【0487】
これによれば、第1絶縁体321Aの連結部が隣接する別の第1絶縁体321Aと連結することができるため、複数の電極構造体320eを互いに連結した状態で芯金311に容易に組付けることができる。また、複数の電極構造体320eをステアリングホイール301cの周方向に沿って固定することで、運転者の手によるステアリングホイール301cの把持を検知できる領域を容易に変更することができる。
【0488】
(実施の形態3の変形例3)
本変形例の電極構造体123の第1絶縁体321Bが第3連結部25cを有する点、電極構造体123の第2絶縁体322Bが第4被連結部24dを有する点、電極構造体124の第1絶縁体321Cが第3被連結部25dを有する点、電極構造体124の第2絶縁体322Cが第4連結部24cを有する点、で実施の形態3および実施の形態3の変形例1~3の電極構造体およびステアリングホイールと相違する。本変形例では、実施の形態3および実施の形態3の変形例1~3の電極構造体およびステアリングホイールと同一の構成および機能については同一の符号を付し、これら構成および機能に関する詳細な説明を省略する。
【0489】
図47は、ステアリングホイール301dの周方向と垂直な平面でステアリングホイール301dを切断した場合の断面を示す断面図である。
【0490】
図47に示すように、電極構造体123の第1絶縁体321Bには、第3連結部25cが形成されている。また、電極構造体123の第2絶縁体322Bには、第4被連結部24dが形成されている。また、ステアリングホイール301dの断面における周方向において、電極構造体123と隣り合う別の電極構造体124の第1絶縁体321Cには、第3被連結部25dが形成されている。また、電極構造体124の第2絶縁体322Cには、第4連結部24cが形成されている。また、第3連結部25cおよび第4連結部24cは、凹部又は凸部であってもよい。また、第3被連結部25dおよび第4被連結部24dは、凹部又は凸部であってもよい。
【0491】
図47に示すように、電極構造体123の第1絶縁体321Bの第3連結部25cと電極構造体124の第1絶縁体321Cの第3被連結部25dとが連結し、電極構造体123の第2絶縁体322Bの第4被連結部24dと電極構造体124の第2絶縁体322Cの第4連結部24cとが連結することができる。第3連結部25cおよび第4連結部24cは、連結部の一例である。第3被連結部25dおよび第4被連結部24dは、被連結部の一例である。
【0492】
これにより、ステアリングホイール301dの断面における周方向においても、複数の電極構造体を連結することができ、運転者の手によるステアリングホイール301dの把持を検知できる範囲を変更することができる。
【0493】
なお、電極構造体123の第2絶縁体322Bは、挿通孔が形成された第1延設部271を有し、電極構造体124の第2絶縁体322Cは、挿通孔が形成された第1延設部272を有し、締結部材19は、第1延設部271および第1延設部272それぞれの挿通孔を挿通した状態で、締結孔11kと締結することができる。これにより、第1延設部271および第1延設部272が第1被係合部311c1に固定される。
【0494】
なお、複数の第1電極31のそれぞれは、直接的に互いに電気的に接続するための第1接続片を有し、複数の第2電極32のそれぞれは、直接的に互いに電気的に接続するための第2接続片を有している。
【0495】
第1接続片と第2接続片は、例えば、ステアリングホイール301dの周方向において、締結部材19が配置されない箇所に設けられ、複数の第1接続片が重ね合わさった状態でリベット等によって締結されることで、複数の第1電極31は、電気的に接続されてもよい。また、複数の第2接続片が重ね合わさった状態でリベット等によって締結されることで、複数の第2電極32は、電気的に接続されてもよい。
【0496】
このような、本変形例の電極構造体123、124において、第1絶縁体321Bには、第3連結部25cが形成されている。また、隣り合う別の第1絶縁体321Cには、第3連結部25cと連結される第3被連結部25dが形成されている。また、第2絶縁体322Bには、第4被連結部24dが形成されている。そして、隣り合う別の第2絶縁体322Cには、第4被連結部24dと連結される第4連結部24cが形成されている。
【0497】
これによれば、ステアリングホイール301dの断面における周方向においても、絶縁体の第3連結部25cおよび第4被連結部24dが隣接する別の絶縁体の第3被連結部25dおよび第4連結部24cと連結することができるため、複数の電極構造体123、124を互いに連結した状態で芯金11に容易に組付けることができる。また、複数の電極構造体123、124をステアリングホイール301dの断面における周方向に沿って固定することで、運転者の手によるステアリングホイール301dの把持を検知できる領域を容易に変更(拡大または縮小)することができる。
【0498】
(その他の変形例)
以上、本開示に係る電極構造体、ステアリングホイールおよびステアリングホイールの製造方法について、上記実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、これらの実施の形態に限定されるものではない。本開示の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思い付く各種変形を実施の形態に施したものも、本開示の範囲に含まれてもよい。
【0499】
例えば、実施の形態に係る電極構造体、ステアリングホイールおよびステアリングホイールの製造方法において、
図48に示す構成を備えていてもよい。
図48は、その他変形例において第1絶縁体21の第1位置決め部21tと第2絶縁体22の第2位置決め部22tとを示す部分拡大図である。なお、
図48の第1絶縁体21の第1位置決め部21tと第2絶縁体22の第2位置決め部22tとを示す部分拡大図では、ハーネスの図示を省略している。
図48に示すように、第1絶縁体21は第1位置決め部21tを有し、第2絶縁体22は第2位置決め部22tを有している。第1位置決め部21tは、芯金11の周方向に沿って延びた第1絶縁体21の両端部の角部に形成されている。第2位置決め部22tは、芯金11の周方向に沿って延びた第2絶縁体22の両端部の角部に形成されている。本実施の形態では、第1位置決め部21tは、第2位置決め部22tと噛み合わさる凹部であるが、第2位置決め部22tと噛み合わさる凸部であってもよい。第2位置決め部22tは、第1位置決め部21tと噛み合わさる凸部であるが、第1位置決め部21tと噛み合わさる凹部であってもよい。第1絶縁体21と第2絶縁体22とで第2電極32を挟みながら、第1絶縁体21を第2絶縁体22に組付ける際に、第1位置決め部21tは、第2位置決め部22tと噛み合わされる。これにより、第1絶縁体21と第2絶縁体22との位置合わせをすることができるため、第1絶縁体21と第2絶縁体22との周方向のズレの発生を抑制でき、組付けを容易かつ適切にすることができる。なお、第1位置決め部21tは第1絶縁体21の角部に形成されているが、どこに形成されていてもよい。また、第1位置決め部21tは第1絶縁体21に複数形成されていてもよい。また、第2位置決め部22tは第2絶縁体22の角部に形成されているが、どこに形成されていてもよい。また、第2位置決め部22tは第2絶縁体22に複数形成されていてもよい。例えば、第1位置決め部21tは第1絶縁体21の両端部における4つの角部に形成されていてもよく、第2位置決め部22tは、第2絶縁体22の両端部における4つの角部に形成されていてもよい。このような、電極構造体において、第1絶縁体21は、第1位置決め部21tを有する。そして、第2絶縁体22は、第1位置決め部21tと噛み合わさる第2位置決め部22tを有する。これによれば、第1絶縁体21を第2絶縁体22に組付ける際に、第1位置決め部21tと第2位置決め部22tとを噛み合わすことができる。これにより、第1絶縁体21と第2絶縁体22との位置合わせをすることができるため、第1絶縁体21と第2絶縁体22との周方向のズレの発生を抑制でき、組付けを容易かつ適切にすることができる。
【0500】
また、上記実施の形態に係る電極構造体、ステアリングホイールおよびステアリングホイールの製造方法において、ステアリングホイールは、制御回路をさらに備えていてもよい。
【0501】
また、上記実施の形態1~3に係る電極構造体、ステアリングホイールおよびステアリングホイールの製造方法において、実施の形態1、実施の形態1の変形例1~4、実施の形態2、実施の形態2の変形例1~7、実施の形態3、および、実施の形態3の変形例1~3をそれぞれ任意に組み合わせてもよく、実施の形態1、実施の形態1の変形例1~4、実施の形態2、実施の形態2の変形例1~7、実施の形態3、および、実施の形態3の変形例1~3に開示された態様に限定されない。
【0502】
なお、上記の実施の形態1~3に対して当業者が思い付く各種変形を施して得られる形態や、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で実施の形態1~3における構成要素および機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本開示に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0503】
本開示の電極構造体、ステアリングホイールおよびステアリングホイールの製造方法は、例えば車両のステアリングホイール等に適用可能である。
【符号の説明】
【0504】
1、1a、1b、1c、1d、1e、201、201a、201b、201c、201d、201e、201f、201h、301、301a、301c、301d ステアリングホイール
3 車両
11、11g、11m、111、211、211g、211A、211B、211C、211g、311 芯金
11a、211a、311a 第1部
11b、211b、311b 第2部
11c 湾曲部
11c1、211c1、311c1 第1被係合部
11c2 第2被係合部
11e、211e 被係合部
11f1 第1被係合凹部
11f2 第2被係合凹部
11k 締結孔
15 発泡体
19 締結部材
20、20a、20b、20c、20d、20g、20e、20m、120、220、220a、220b、220f、220g、220h 電極構造体
21、221A、221B、221C、221D、221E、221F、321、321A、321B、321C 第1絶縁体
21a、221a 第1面
21b、221b 第2面
222c 第3面
21t 第1位置決め部
22t 第2位置決め部
22、222A、222C、222E、222F、322、322B、322C 第2絶縁体
22d1 第1係合爪
22d2 第2係合爪
23a 第1係合部(係合部)
23a1 締結孔
23b 第2係合部(係合部)
23b1 係合爪
24a 第2連結部(連結部)
24b 第2被連結部(被連結部)
24c 第4連結部(連結部)
24d 第4被連結部(被連結部)
25a 第1連結部(連結部)
25b 第1被連結部(被連結部)
25c 第3連結部(連結部)
25d 第3被連結部(被連結部)
26 延設部
27 第1延設部
27a 挿通孔
28、128 第2延設部
28a、128c 爪部
31 第1電極
32 第2電極
121 第1電極構造体(電極構造体)
122 第2電極構造体(電極構造体)