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特開2023-64713地図を利用したクエスト提供システム及びそのプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023064713
(43)【公開日】2023-05-11
(54)【発明の名称】地図を利用したクエスト提供システム及びそのプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20230501BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022166112
(22)【出願日】2022-10-17
(31)【優先権主張番号】P 2021174411
(32)【優先日】2021-10-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】520343261
【氏名又は名称】株式会社データインサイト
(71)【出願人】
【識別番号】597062650
【氏名又は名称】技研商事インターナショナル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100093104
【弁理士】
【氏名又は名称】船津 暢宏
(72)【発明者】
【氏名】中西 義樹
(72)【発明者】
【氏名】松本 芳典
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC12
5L049CC20
(57)【要約】
【課題】 従来は、位置情報に関連する各種情報収集や、場所に紐づく仕事や行動に関しては、行政、企業、NPO、個人が、各々情報収集や仕事ニーズがある主体のそれぞれがその場所に出向き情報収集し、または、仕事や行動をする必要があり、移動に伴う費用や時間的コストが生じ、最適化されていなかった。
【解決手段】 スマートフォン又はタブレットに提供する本アプリを用いて、「位置情報に関連する各種情報収集」と「場所に紐づく仕事や行動」をクエストとして、当該クエストの実施場所の近くに存在している本アプリ利用者が容易に実施できるものであり、クエスト管理サーバ1が、行政、企業、個人の依頼者端末2からのクエストを受け付けてエントリーし、ユーザ端末3にクエスト内容のアイコンとポイント数を地図上に表示させて、クエスト内容を参照可能とするプラットフォームを実現するクエスト提供システム及びそのプログラムである。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークに接続するクエスト管理サーバを備えるクエスト提供システムであって、
前記クエスト管理サーバは、課題となるクエストの依頼者端末から前記クエストに対応する実施場所の位置情報と報酬となるポイント数を含む前記クエストの内容を受け付け、前記クエストを実施するユーザのユーザ端末からクエスト表示の指示を受けると、前記ユーザ端末の表示画面に地図を表示させると共に前記位置情報が示す前記地図の位置に前記クエストのアイコンとポイント数を表示させることを特徴とするクエスト提供システム。
【請求項2】
クエスト管理サーバは、クエストの種類によって表示するアイコンの形状を変更することを特徴とする請求項1記載のクエスト提供システム。
【請求項3】
クエスト管理サーバは、ユーザ端末から近い順にクエストの一覧を前記ユーザ端末の表示画面に表示させることを特徴とする請求項1又は2記載のクエスト提供システム。
【請求項4】
クエスト管理サーバは、ユーザ端末が特定の位置にいるとき、または特定のタイミングでプッシュ通知により前記ユーザ端末の表示画面にクエストを表示させることを特徴とする請求項1又は2記載のクエスト提供システム。
【請求項5】
クエスト管理サーバは、クエストの実施によりユーザ端末で撮影された画像データを評価する評価クエストについて、実施場所の位置情報が示す地図の位置に当該評価クエストのアイコンとポイント数を表示させることを特徴とする請求項1又は2記載のクエスト提供システム。
【請求項6】
ネットワークに接続するクエスト管理サーバで動作するコンピュータプログラムであって、
前記クエスト管理サーバを、課題となるクエストの依頼者端末から前記クエストに対応する実施場所の位置情報と報酬となるポイント数を含む前記クエストの内容を受け付ける手段と、
前記クエストを実施するユーザのユーザ端末からクエスト表示の指示を受けると、前記ユーザ端末の表示画面に地図を表示させると共に前記位置情報が示す前記地図の位置に前記クエストのアイコンとポイント数を表示させる手段として機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項7】
クエスト管理サーバを、クエストの種類によって表示するアイコンの形状を変更させるよう機能させることを特徴とする請求項6記載のプログラム。
【請求項8】
クエスト管理サーバを、ユーザ端末の位置から近い順にクエストの一覧を前記ユーザ端末の表示画面に表示させるよう機能させることを特徴とする請求項6又は7記載のプログラム。
【請求項9】
クエスト管理サーバを、ユーザ端末が特定の位置にいるとき、または特定のタイミングでプッシュ通知により前記ユーザ端末の表示画面にクエストを表示させるよう機能させることを特徴とする請求項6又は7記載のプログラム。
【請求項10】
クエスト管理サーバを、クエストの実施によりユーザ端末で撮影された画像データを評価する評価クエストについて、実施場所の位置情報が示す地図の位置に当該評価クエストのアイコンとポイント数を表示させるよう機能させることを特徴とする請求項6又は7記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地図を利用して社会の課題(困りごと)を解決するシステムに係り、特に、課題をクエストの形で地図上に表示し、近くのユーザが課題を解決するとポイントを提供するクエスト提供システム及びそのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
[従来の技術]
社会の課題として、行政の課題、企業の課題、NPO(非営利団体)の課題、個人の課題がある。尚、社会の課題を「クエスト」と定義している。
行政の課題は、例えば、防災については市区町村の職員が見回っており、また、街の美化については清掃作業員の方々が担っており、行政のコストアップにつながっている。
【0003】
企業の課題は、目視点検やフィールドワークのために、スタッフを現地に都度派遣する必要があり、非効率になっている。
NPOの課題は、社会貢献のために活動しているが、サポートしてくれる人を適材適所で探すことが困難で、非効率になっている。
個人の課題は、近所付き合いの減少により、ちょっとした困りごとを気軽に頼める近所の方がいなくなり、個人的な不便が解消されない事態となっている。
【0004】
一方、一般市民でも、自分にできる範囲で地域の困っている人を手助けしたり、行政の手伝いをして社会貢献したいと考える人は多い。
しかし、そのような市民にとって、どこにどのような課題があるのかがわかりにくいため、やる気があってもなかなかアプローチすることができない。
【0005】
[関連技術]
尚、関連する先行技術文献として、特開2018-088222号公報「見守り要員誘導システム及び見守り要員誘導方法」(特許文献1)がある。
特許文献1には、自治体が提供する見守りサービスの対象となる高齢者が外出先で異常が発生すると、見守り要員の誘導を支援することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2018-088222号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記従来のシステムでは、行政、企業、NPO、個人が抱える多種多様なクエスト(課題)が可視化されていないため、一般市民がクエストの解決に参加することが困難であり、市民の力をクエストの解決に活用できないという問題点があった。
【0008】
特に、上記従来のシステムは、クエストを抱える行政、企業、NPO、個人が、容易にクエストを提示できるものではなく、また、それを解決しようとするユーザが、場所や報酬ポイントを参照して、自分に合ったクエストを容易に選択できるものではないという問題点があった。
【0009】
そして、従来は、位置情報に関連する各種情報収集や、場所に紐づく仕事や行動に関しては、行政、企業、NPO、個人が、各々情報収集や仕事ニーズがある主体のそれぞれがその場所に出向き情報収集し、または、仕事や行動をする必要があり、移動に伴う費用や時間的コストが生じており、最適化されていなかった。
【0010】
尚、特許文献1には、行政又は企業等から容易にクエストを提供し、そのクエストの中からユーザが地図を参照してポイントを確認してクエストに対応できることについての記載がない。
【0011】
本発明は上記実状に鑑みて為されたもので、社会のクエストを行政、企業、個人から容易に提供できると共にそのクエストに対応するユーザが自分に合ったクエストを容易に選択でき、クエストの解決に市民の力を活用できるプラットフォームとなるクエスト提供システム及びそのプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記従来例の問題点を解決するための本発明は、ネットワークに接続するクエスト管理サーバを備えるクエスト提供システムであって、クエスト管理サーバが、課題となるクエストの依頼者端末からクエストに対応する実施場所の位置情報と報酬となるポイント数を含むクエストの内容を受け付け、クエストを実施するユーザのユーザ端末からクエスト表示の指示を受けると、ユーザ端末の表示画面に地図を表示させると共に位置情報が示す地図の位置にクエストのアイコンとポイント数を表示させることを特徴とする。
【0013】
本発明は、上記クエスト提供システムにおいて、クエスト管理サーバが、クエストの種類によって表示するアイコンの形状を変更することを特徴とする。
【0014】
本発明は、上記クエスト提供システムにおいて、クエスト管理サーバが、ユーザ端末から近い順にクエストの一覧をユーザ端末の表示画面に表示させることを特徴とする。
【0015】
本発明は、上記クエスト提供システムにおいて、クエスト管理サーバが、ユーザ端末が特定の位置にいるとき、または特定のタイミングでプッシュ通知によりユーザ端末の表示画面にクエストを表示させることを特徴とする。
【0016】
本発明は、上記クエスト提供システムにおいて、クエスト管理サーバが、クエストの実施によりユーザ端末で撮影された画像データを評価する評価クエストについて、実施場所の位置情報が示す地図の位置に当該評価クエストのアイコンとポイント数を表示させることを特徴とする。
【0017】
本発明は、ネットワークに接続するクエスト管理サーバで動作するコンピュータプログラムであって、クエスト管理サーバを、課題となるクエストの依頼者端末からクエストに対応する実施場所の位置情報と報酬となるポイント数を含むクエストの内容を受け付ける手段と、クエストを実施するユーザのユーザ端末からクエスト表示の指示を受けると、ユーザ端末の表示画面に地図を表示させると共に位置情報が示す地図の位置にクエストのアイコンとポイント数を表示させる手段として機能させることを特徴とする。
【0018】
本発明は、上記プログラムにおいて、クエスト管理サーバを、クエストの種類によって表示するアイコンの形状を変更させるよう機能させることを特徴とする。
【0019】
本発明は、上記プログラムにおいて、クエスト管理サーバを、ユーザ端末の位置から近い順にクエストの一覧をユーザ端末の表示画面に表示させるよう機能させることを特徴とする。
【0020】
本発明は、上記プログラムにおいて、クエスト管理サーバを、ユーザ端末が特定の位置にいるとき、または特定のタイミングでプッシュ通知によりユーザ端末の表示画面にクエストを表示させるよう機能させることを特徴とする。
【0021】
本発明は、上記プログラムにおいて、クエスト管理サーバを、クエストの実施によりユーザ端末で撮影された画像データを評価する評価クエストについて、実施場所の位置情報が示す地図の位置に当該評価クエストのアイコンとポイント数を表示させるよう機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、クエスト管理サーバが、課題となるクエストの依頼者端末からクエストに対応する実施場所の位置情報と報酬となるポイント数を含むクエストの内容を受け付け、クエストを実施するユーザのユーザ端末からクエスト表示の指示を受けると、ユーザ端末の表示画面に地図を表示させると共に位置情報が示す地図の位置にクエストのアイコンとポイント数を表示させるクエスト提供システムとしているので、クエストの依頼者は容易に依頼でき、ユーザは近所のクエストを容易に認識して、自分に合ったクエストを選択でき、楽しみながら社会貢献することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本システムの概略構成図である。
図2】本アプリのホーム画面の説明図である。
図3】クエスト絞り込み画面の説明図である。
図4】近くのクエストを探す画面の説明図である。
図5】クエストを選択した場合のクエスト表示画面の説明図である。
図6】クエスト実施の画面を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
スマートフォン又はタブレットに提供する本発明の実施の形態に係るアプリケーション(以下、本アプリと言う)を用いて、発明の課題に記載した「位置情報に関連する各種情報収集」と「場所に紐づく仕事や行動」を社会の課題(以下、本アプリ上では「クエスト」と称す)として、そのクエストの実施場所の近くに存在している本アプリ利用者が容易に実施できる仕組みを提供するものである。
これにより、社会における各種移動に伴う費用や時間的コストを最適化し、行政、企業、NPO、個人の生産性を高めることが可能となる。
【0025】
[実施の形態の概要]
本発明の実施の形態に係るクエスト提供システム(本システム)は、一般市民が楽しみながらクエストの解決に貢献できるようにするものであり、ネットワークに接続するクエスト管理サーバが、行政、企業、NPO又は個人の依頼者端末からクエスト(課題)の対応(実施)場所の位置情報と報酬となるポイント数を含むクエストの内容を受け付け、ユーザ端末からクエスト表示要求を受けると、ユーザ端末の表示画面に地図を表示すると共にクエストの位置情報が示す地図の位置にクエストのアイコンとポイント数を表示させるものであり、コストアップすることなく、クエストの依頼者は容易に依頼でき、ユーザは近所のクエストを容易に認識できるものである。
【0026】
[クエスト例]
ここで、クエスト例として、行政のクエスト例、企業のクエスト例、個人のクエスト例について説明する。
行政のクエスト例は、落ち葉拾い、落とし物発見、公共物の危険個所の発見等である。
企業のクエスト例は、建設計画書の撮影、自動車事故現場の確認、各飲食店のビール銘柄のマーケティング調査等である。
個人のクエスト例は、ゴミ捨て代行、買い物代行、行列の下見等である。
【0027】
[本システム:図1
次に、本システムについて図1を参照しながら説明する。図1は、本システムの概略構成図である。
本システムは、図1に示すように、クエスト管理サーバ1と、クエストの依頼者端末2と、クエストに対応するユーザ端末3と、ネットワーク4とを備えている。クエスト管理サーバ1、依頼者端末2、ユーザ端末3は、ネットワーク4を介して接続している。
図1では、依頼者端末2とユーザ端末3を各1台表示しているが、実際は、複数の端末がネットワーク4に接続している。
【0028】
[クエスト管理サーバ1]
クエスト管理サーバ1は、制御部11と、記憶部12と、インタフェース部3とを備えており、記憶部12に記憶された処理プログラムを制御部11で実行することにより、本システムの処理を実現している。尚、クエスト管理サーバ1における具体的な処理については後述する。
【0029】
また、記憶部12には、依頼者の情報及びユーザの情報が記憶されており、更に、依頼者端末2からのクエストの依頼内容として、対象エリア(位置情報)、報酬ポイント、作業時間目安、作業内容等のデータが記憶され、当該クエストに対するユーザ端末3からの対応(実施)内容として、対応日時、対応位置、写真又は動画、コメント等のデータが記憶されている。
【0030】
尚、記憶部12に記憶している依頼者の情報を依頼者データベースに、ユーザの情報をユーザデータベースに、クエスト依頼内容をクエスト依頼データベースに、クエスト実施内容をクエスト実施データベースに記憶させ、それらデータベースをインタフェース部13に接続するようにしてもよい。
また、インタフェース部13は、ネットワーク4等に接続するための接続部である。
【0031】
[依頼者端末2]
依頼者端末2は、クエストを依頼する依頼者の端末装置(コンピュータ)でありクエスト依頼のためのアプリ(本アプリ)が予めインストールされている。尚、図1では無線によってネットワーク4に接続しているが、有線でネットワーク4に接続してもよい。
依頼者端末2は、クエストの依頼内容(クエスト内容)として、クエスト実施についての対象エリア(位置情報)、報酬ポイント、作業時間目安、作業内容等のデータをクエスト管理サーバ1が提供するフォーマットに従って入力し、ネットワーク4を介してクエスト管理サーバ1に送信する。
【0032】
[ユーザ端末3]
ユーザ端末3は、クエストに対応(実施)するユーザが保有するスマートフォン、タブレット等の端末装置であり、予め、クエスト内容を表示し、実施結果を入力するためのアプリ(本アプリ)がインストールされている。
ユーザ端末3は、ネットワーク4を介してクエスト管理サーバ1にアクセスし、クエストの内容を表示させる。
【0033】
具体的には、ユーザ端末3の位置情報を中心とした地図を表示し、その地図上にアイコンでクエスト内容を表示する。表示例については後述する。
本システムでは、ユーザ端末3の位置情報で地図を表示しているが、ユーザ端末3の指定により別のエリアの地図とクエスト内容を表示させてもよい。出張先でのクエストを予め把握するのに役立つものである。
【0034】
また、ユーザ端末3は、クエスト実施のエリアに出向き、作業内容に従ってクエストを実施すると実施結果を入力し、クエスト管理サーバ1にアップロードする。
また、ユーザ端末3は、クエスト実施結果によってクエスト管理サーバ1からポイントを取得する。取得したポイントは、確認画面で確認でき、ギフト券等に交換可能となっている。
尚、ユーザは、クエスト内容のポイントを取得すると、それをユーザ個人の経験値として独自のポイントを貯めるようにすることもできる。
【0035】
[本システムの処理]
次に、本システムにおける処理について説明する。
本システムにおける処理には、依頼者エントリー(登録)処理、クエスト内容エントリー処理、ユーザエントリー処理、クエスト表示処理、クエスト実施処理等がある。
上記各処理は、クエスト管理サーバ1の制御部11で処理プログラムが実行されることにより各処理の機能を実行する手段を実現している。
【0036】
[依頼者エントリー処理]
クエストの依頼者は、依頼者端末2を使用して本アプリが指定するフォーマットで依頼者のエントリーをクエスト管理サーバ1に行う。
本システムの管理者は、依頼者について、例えば、信用力、ポイントの支払い能力等を審査してエントリーを許可する。エントリーに当たって、最初は扱えるポイント数を小さくし、実績が上がればポイント数を大きくするなど段階的な対応としてもよい。
クエスト管理サーバ1の制御部11は、登録されたクエストの依頼者の情報を依頼者ID毎に記憶部12に記憶する。
【0037】
[クエスト内容エントリー処理]
クエストの依頼者は、依頼者端末2を使用して本アプリが指定するフォーマットでクエスト内容のエントリーをクエスト管理サーバ1に行う。クエスト内容については、クエストID又はクエスト番号が付与されて管理される。
【0038】
クエスト内容は、例えば、「駅周辺の写真を撮ろう!」などのタイトル、実施の対象場所、報酬(ポイント数)、目安の作業時間、更に作業内容、注意事項、依頼日時等が登録される。尚、作業内容では、手本となる画像を添付すると分かり易い。
クエスト管理サーバ1の制御部11は、依頼者端末2からのクエスト内容をクエストID毎に受け付け、記憶部12に記憶する。
【0039】
[ユーザエントリー処理]
クエストを実施するユーザは、クエスト実施の報酬としてギフト券又は他のポイントプログラムのポイントに交換可能なポイントを取得することになるため、ユーザ端末3から本アプリに従ってユーザ登録を行う。
クエスト管理サーバ1の制御部11は、登録されたユーザの情報をユーザID毎に記憶部12に記憶する。ユーザ登録に際しては、年齢、性別、趣味嗜好等も受け付けて記憶する。
更に、クエスト管理サーバ1の制御部11は、クエストの実施状況に応じてユーザID毎に実績が更新されており、実施が増えればポイントが加算され、ポイントを使用すればポイントを減算する。
【0040】
[クエスト表示処理:図2~5]
クエスト表示処理について図2~5を参照しながら説明する。図2は、本アプリのホーム画面の説明図であり、図3は、クエスト絞り込み画面の説明図であり、図4は、近くのクエストを探す画面の説明図であり、図5は、クエストを選択した場合のクエスト表示画面の説明図である。
【0041】
[ホーム画面:図2
ユーザ端末3は、本アプリを立ち上げると、図2に示すように、端末の座標の位置情報から端末位置を地図上に表示する。そして、表示されている地図上にクエストのアイコンを表示する。地図の範囲内に複数のクエストがある場合には、複数のアイコンが表示される。
【0042】
クエスト内容は、種類によって区分されており、その種類に応じてアイコンのデザイン(形状)を変えて表示する。アイコンの下にはポイント数が表示される。
クエストの種類によってアイコンの形状を変更して表示することで、クエストの種類を容易に把握できるものである。
【0043】
[クエスト絞り込み画面:図3
ユーザ端末3は、図2のホーム画面において、上側の「クエスト条件を絞り込む」のボタンが選択されると、図3に示すように、クエストを絞り込むための条件項目が表示されるようクエスト管理サーバ1の制御部11が処理を行う。
絞り込みは、クエストの種類とポイント数から行うことができるようになっている。
条件項目は、チェックボックスで選択できるようになっている。また、地図上の特定のエリアでクエストを絞り込むようにしてもよい。
【0044】
[近くのクエストを探す画面:図4
また、ユーザ端末3は、図2のホーム画面において、下側の「近くのクエストから探す」のボタンが選択されると、図4に示すように、現在地から近い順にクエストの一覧が表示されるようクエスト管理サーバ1の制御部11が処理を行う。
図4では、近い順に上から、左側にアイコンを、そのアイコンの横にクエストのタイトルと簡単な説明を表示している。
尚、店舗からのクエストであれば、その店舗のマークをアイコンに表示してもよい。また、店舗に限らず、企業名若しくはロゴ等をアイコンに表示してもよい。
【0045】
[クエスト表示画面:図5
ユーザ端末3は、図2の地図上のクエストアイコンが選択された場合、図4のクエスト一覧からクエストが選択された場合に、図5に示すように、クエストが表示されるようクエスト管理サーバ1の制御部11が処理を行う。
図5では、画面上半分に地図を表示して、画面下半分にクエストの簡単な説明とポイント数が表示される。尚、図5では、説明のため選択されたアイコンが分かるように丸で囲み、矢印で特定しているが、実際の選択では丸と矢印は表示されないものである。
そして、画面下半分の下側の「クエストの詳細を見る」を選択すると、クエスト内容エントリー処理で説明した詳細なクエスト内容を表示するようになっている。
【0046】
[クエスト実施処理:図6
次に、クエスト実施の処理について図6を参照しながら説明する。図6は、クエスト実施の画面を示す説明図である。
図5のクエスト表示画面において、「クエストの詳細を見る」のボタンを選択して、クエストの詳細を表示させると、詳細表示画面の最後に、規約に同意して「クエストに挑戦する」のボタンが表示される。
【0047】
その「クエストに挑戦する」のボタンが選択されると、図6に示すように、クエスト実施画面に移行する。
図6では、画面上半分に地図が表示され、実施するユーザの位置も表示される。また、画面下半分にはユーザが撮影した写真データを投稿(アップロード)できるようになっている。
尚、画面における地図の表示は、操作により画面内いっぱいに行うこともでき、画面内で最小化することも可能である。
【0048】
クエスト管理サーバ1の制御部11は、ユーザ端末3からクエストIDに対応付けて写真データの投稿を受け付けると、図6の画面上半分におけるユーザの位置(撮影位置)が固定(確定)され、投稿された写真データとユーザの撮影位置のデータをクエストID、ユーザIDに関連付けて記憶部12に記憶する。
【0049】
つまり、クエストは、クエストIDが付与されて管理され、そのクエストの依頼者の依頼者ID、そのクエストの実施者のユーザIDが関連付けられているので、ユーザID単位で集計すれば、ユーザ毎のクエスト実施回数、総獲得ポイント数を該当するユーザ端末3に表示させることができる。
【0050】
更に、クエスト実施後に、クエスト依頼者が挑戦者(実施者)を評価してクエストを完了させるようにしてもよい。当該評価にはコメントを記載できるようにしている。
クエスト依頼者の評価により、高評価のデータを投稿したユーザに高いポイントを別途付与し、クエスト依頼者はそのデータを買い取ることができる。
また、依頼者から実施者への評価がフィードバックされて実施者のスキル向上につながることが期待できる。
【0051】
[評価クエスト]
更に、クエスト依頼者は、クエスト(依頼クエスト)の実施者の成果(写真等)に対して第三者に評価をクエストしてもよい。
クエスト管理サーバは、実施者が依頼クエストを実施してユーザ端末3で撮影した画像データを第三者に評価させるクエスト(評価クエスト)について、実施場所の位置情報が示す地図の位置に当該評価クエストのアイコンとポイント数を表示させるものである。
具体的には、図2に示した本アプリのホーム画面で地図上に評価クエストのアイコンとポイントを表示し、第三者(依頼クエストの実施者以外のユーザ)に評価の実施を促す。
【0052】
前提として、クエスト管理サーバ1は、依頼クエストに対応して実施成果の画像データ等を記憶部12に記憶しておき、依頼者端末2からの要求又は自動的に実施成果の評価クエストをエントリーし、地図上の評価クエストのアイコンとポイント数を表示させる。
そして、クエスト管理サーバ1は、評価クエストのアイコンがユーザ端末3で選択されると、実施成果の画像データ等を表示させ、それを評価させる入力を行わせ、その評価結果を集計して依頼者端末2に通知する。
【0053】
具体的には、第三者は、ユーザ端末3の地図上で評価クエストのアイコンを選択すると、クエストの実施者が撮影した写真等が表示され、その画像が正しいか否かを判断して、判断結果を入力し、クエスト管理サーバ1の記憶部12に記憶される。
また、第三者は、評価クエストへの応答としてポイントを取得する。
評価クエストの内容として、画像の真偽を応答してもらうだけでなく、撮影画像の出来栄えを点数化して評価を書き込んでもらえるようにしてもよい。
【0054】
クエスト依頼者は、クエスト管理サーバ1から第三者の評価結果を受信する。
評価結果としては、撮影画像の真偽の数値(応答数、真の数と偽の数、若しくは割合)又は出来栄えの数値(応答数、平均点、最高最低点等)である。
クエスト依頼者は、第三者からの評価も参考に撮影画像を評価できるものである。
【0055】
[マイページ画面]
ユーザ端末3において、ユーザはマイページ画面でポイント確認を行うことができる。
マイページ画面では、「ノーマル(通常の)クエスト回数(実施回数)」、「スペシャル(特別な)クエスト回数」、「ボランティアクエスト回数」、「現在のポイント数」を表示する。
ここでは、クエストを3つのカテゴリに分類しており、クエスト管理サーバ1でも分類するために3つのカテゴリに分けて管理している。
【0056】
[キャラクタ表示]
そして、ポイント確認画面では、上記3つのクエスト回数に応じてキャラクタ表示を行うようになっている。例えば、クエスト回数が少ない場合は「ひよこレベル」のキャラクタデザインを表示するものであり、クエスト回数が多くなると「名古屋コーチンレベル」のキャラクタデザインを表示するようにしている。
つまり、クエスト回数を増やすと、キャラクタが変化し、育成ゲームの要素を持たせ、楽しくポイントを取得できる。
【0057】
[応用例]
以下、本システムの応用例について説明する。
[応用例1:プッシュ通知型クエスト]
本システムでは、ユーザはユーザ端末3でアプリを開いて地図上のクエストを探し、実施するようになっていたが、クエスト管理サーバ1からユーザ端末3が特定のエリア又は位置にいるとき、または特定のタイミングでプッシュ通知をユーザ端末3に配信し、クエストを表示させて、クエストの実施を促すようにしてもよい。
【0058】
[応用例2:ユーザ特性に応じたクエスト表示]
クエスト管理サーバ1は、ユーザの登録情報から性別、年代、趣味嗜好に応じて、ユーザに表示するクエストを選択する。つまり、ユーザの趣味等に合うクエストを選択的に表示させるようにしてもよい。
クエスト管理サーバ1は、クエスト実施の履歴、依頼者又は口コミの評価からユーザの習熟度、信用度、適性度等を判定し、ユーザの特性に合ったクエストを選択的に表示させるようにしてもよい。
【0059】
[応用例3:ポイント付与の方法]
ポイント付与の方法として、上記の習熟度、信用度、適性度等に基づいて付与するポイント数の増減を行う。つまり、ユーザの習熟度等が高い場合にはポイント数を多くし、習熟度等が低い場合にはポイント数を少なくして付与するようにしてもよい。
【0060】
その他のポイント付与の方法は、アプリを起動し、経過時間に応じてポイントを付与してもよいし、アプリを起動して移動した場合に移動距離に応じてポイントを付与するようにしてもよいし、クエストを実施して投稿した場合に採用の可否には関係なくポイントを付与してもよいし、他のユーザを新規に招待した場合にポイントを付与してもよい。
【0061】
[応用例4:キッズ向けデジタルスタンプラリー]
キッズ向けのスタンプラリーの主催者は、クエストの依頼者として地図上のデジタルスタンプラリーのクエストをエントリーし、クエスト管理サーバ1は、参加者のユーザ端末3の地図上に複数のデジタルスタンプラリーのクエストのアイコンとポイント数を表示し、参加者は地図上のクエストを実施することでデジタルスタンプラリーを実行することになる。
【0062】
[応用例5:アンケートクエスト]
クエスト依頼者は、地図上にアンケートのクエストをエントリーし、クエスト管理サーバ1は、アンケートの回答者のユーザ端末3の地図上にアンケートのクエストのアイコンとポイント数を表示し、ユーザは、ユーザ端末3で当該アイコンを選択してアンケートに回答してポイントを獲得する。
尚、アンケートの回答結果は、依頼者にとって商品開発や集客に利用される。
【0063】
[応用例6:リアル広告との連動]
デジタル広告ではなく、リアルな広告媒体と本システムとを連動させることも可能である。
例えば、本アプリを用いてリアルな広告をユーザ端末3が撮影すると、撮影者は当該リアルな広告に対応したデジタル広告を本アプリ内に出すことができるものである。
これにより、リアル広告の広告主を本アプリのデジタル広告に呼び込むことができる。
【0064】
[実施の形態の効果]
本システムによれば、クエスト管理サーバ1が、行政、企業、個人の依頼者端末2からのクエストを受け付けてエントリーし、クエスト対応者(ユーザ)のユーザ端末3にクエスト内容のアイコンと取得できるポイント数を地図上に表示させて、クエスト内容を参照可能とするプラットフォームを実現するようにしているので、コストアップすることなく、依頼者からのクエストの登録とユーザからのクエスト選択を容易に行うことができ、様々なクエストを可視化して、ユーザとなる一般市民は楽しみながらクエストに対応する社会貢献ができ、依頼者にとっては効率的にクエストを解決できる効果がある。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明は、社会のクエストを行政、企業、個人から容易に提供できると共にそのクエストに対応するユーザが自分に合ったクエストを容易に選択できるプラットフォームとなるクエスト提供システム及びそのプログラムに好適である。
【符号の説明】
【0066】
1…クエスト管理サーバ、 2…依頼者端末、 3…ユーザ端末、 4…ネットワーク、 11…制御部、 12…記憶部、 13…インタフェース部
図1
図2
図3
図4
図5
図6