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特開2023-64720画像読み取り機能付き体組成分析システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023064720
(43)【公開日】2023-05-11
(54)【発明の名称】画像読み取り機能付き体組成分析システム
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/0537 20210101AFI20230501BHJP
   A61B 5/107 20060101ALI20230501BHJP
   G01G 19/50 20060101ALI20230501BHJP
【FI】
A61B5/0537
A61B5/107 100
G01G19/50 Z
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022168748
(22)【出願日】2022-10-21
(31)【優先権主張番号】110139711
(32)【優先日】2021-10-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】522077421
【氏名又は名称】興友科技股▲分▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000660
【氏名又は名称】Knowledge Partners弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】謝 坤昌
(72)【発明者】
【氏名】▲蔡▼ 至清
【テーマコード(参考)】
4C038
4C127
【Fターム(参考)】
4C038VA03
4C038VB35
4C038VC05
4C127AA06
4C127BB05
4C127DD03
4C127LL08
(57)【要約】      (修正有)
【課題】画像読み取り機能付き体組成分析システムを提供する。
【解決手段】画像読み取り機能付き体組成分析システムは撮影装置、体組成分析器およびコントロールパネルを備える。体組成分析器は立つ台、二つのひじ掛けおよび計算ユニットを有する。立つ台は二つの第一電極セットを有する。二つのひじ掛けはそれぞれ伸縮ロッドおよびグリップを有する。それぞれの伸縮ロッドは一端が立つ台に連結される。それぞれのグリップは伸縮ロッドの別の一端に連結され、第二電極セットを有する。計算ユニットは撮影装置に電気的に接続され、体型モジュールデータベースおよび計算論理から構成される。計算ユニットは二つの第一電極セットおよび二つの第二電極セットで検知した抵抗およびリアクタンスと、撮影装置で撮った撮影データとを読み取り、撮影データを体型モジュールデータベースと対照し、計算論理に基づいて体組成データを算出する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影装置、体組成分析器およびコントロールパネルを備え、
前記体組成分析器は前記撮影装置に所定距離を保つように配置され、立つ台、二つのひじ掛けおよび計算ユニットを有し、前記立つ台は二つの第一電極セットを有し、二つの前記ひじ掛けはそれぞれ伸縮ロッドおよびグリップを有し、それぞれの前記伸縮ロッドは一端が前記立つ台に連結され、それぞれの前記グリップは前記伸縮ロッドの別の一端に連結され、第二電極セットを有し、前記計算ユニットは前記撮影装置に電気的に接続され、体型モジュールデータベースおよび計算論理から構成され、前記計算ユニットは二つの前記第一電極セットおよび二つの前記第二電極セットで検知した抵抗およびリアクタンスと、前記撮影装置で撮った撮影データとを読み取り、前記撮影データを前記体型モジュールデータベースと対照し、前記計算論理に基づいて体組成データを算出し、
前記コントロールパネルは前記体組成分析器、前記撮影装置および前記計算ユニットに電気的に接続されることで前記体組成データを表示することを特徴とする画像読み取り機能付き体組成分析システム。
【請求項2】
前記撮影装置はカメラレンズおよびY軸ブラケットを有し、前記カメラレンズは前記Y軸ブラケットに回転可能に配置されると同時にY軸方向に沿って移動できることを特徴とする請求項1に記載の画像読み取り機能付き体組成分析システム。
【請求項3】
前記立つ台は形が円形であり、外周辺縁部に環状レールを有し、前記Y軸ブラケットは前記環状レールに沿って移動可能に装着されることを特徴とする請求項2に記載の画像読み取り機能付き体組成分析システム。
【請求項4】
前記立つ台はさらに回転盤を有することを特徴とする請求項1に記載の画像読み取り機能付き体組成分析システム。
【請求項5】
それぞれの前記グリップは前記伸縮ロッドの別の一端に回転可能に装着されることを特徴とする請求項1に記載の画像読み取り機能付き体組成分析システム。
【請求項6】
前記立つ台はさらに重量センサーを有し、前記重量センサーは前記計算ユニットに電気的に接続されることを特徴とする請求項1に記載の画像読み取り機能付き体組成分析システム。
【請求項7】
前記計算ユニットは判定論理を含み、前記判定論理は前記体型モジュールデータベースのデータに基づいて前記撮影装置で撮った前記撮影データが正確であるか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載の画像読み取り機能付き体組成分析システム。
【請求項8】
二つの前記第一電極セットおよび二つの前記第二電極セットは測定対象の異なる体節の抵抗およびリアクタンスを異なる周波数のACによって測定し、
前記撮影装置で撮った前記撮影データは前記異なる体節の円周、断面積および長さを含むことを特徴とする請求項1に記載の画像読み取り機能付き体組成分析システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、体組成分析システムに関し、詳しくは画像読み取り機能付き体組成分析システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
体組成(Body Composition)は様々な方式によって評価される。特にDXA(二重エネルギーX線吸収測定法)、CT(コンピュータ断層撮影)、MRI(核磁気共鳴画像法)などの高度な医用画像機器で体組成を評価する際、高精度の評価を求めることはできるが、欠点は検出コストが高いだけでなく、専門技術者に操作してもらわなければならないことである。またCTは放射線量が通常のX線の数百倍に達するため、使用制限が厳しい。DXAは放射線量が極めて低く、正確性が高いため、体組成分析のゴールドスタンダードになるが、検出コストが高いだけでなく、専門技術者に操作してもらわなければならないため、定期検査には適用できない。高度な医用画像機器を利用する方法のほかに、水中体重秤量法(Underwater Weighing)、ADP(空気置換プレチスモグラフ)、皮脂厚測定(Skinfold Measurement)、胴回り(Circumference)測定法、同位体希釈(Isotope Dilution)、超音波(Ultrasound)測定法、カリウム40測定法(Potassium-40 Counting)および生体インピーダンス法(Bioelectrical Impedance Analysis-BIA)などを利用することができる。
【0003】
特に生体インピーダンス法は操作が迅速かつ簡単で安全性が高い非侵襲的測定法であるため、現今体組成評価に最も応用される。生体インピーダンス法を採用する場合、まず横になるか真っすぐ立った測定対象の手足を体組成計の電極に接触させたうえで微量の電流を通す。人体の異なる組織の含水量および細胞膜の性質が違うため、異なる周波数の電流に対して異なる抵抗とリアクタンスを表すことによって体内の水分量を計測することできる。従来のやり方は測定対象の年齢、性別、体重、身長などのデータを参考にし、体脂肪量、除脂肪量、総水分量、細胞内・細胞外液量などの各組成の成分を評価方程式に基づいて求め、続いて骨、筋肉、脂肪およびほかの組織の比率または含有量を推算することである。
【0004】
現今、体組成分析に関わる研究は3Dボディスキャナを応用することが一般的であるが、3Dイメージングにおいて体脂肪率を体積で正確に計算することができないという問題を抱える。それに対し、特許文献1は人体3Dモデルによって人体の体積および幾何学的形状、即ち円柱形また円錐形の多体節式生体インピーダンスモデルを形成する技術を掲示した。詳細な技術特徴は次のとおりである。肩、上腕、前腕、手、太もも、膝またはふくらはぎなどの多体節式モデルによって人体の体節を表現する。続いて二つ以上の電極で生体インピーダンスを測定することによって人体の体節の詳細なインピーダンスを求める。続いて各体節の部分的な体脂肪量を足し合わせて全身の体脂肪量を求める。
【0005】
しかし、特許文献1は立ったままの姿勢を維持する測定対象の両手を電極に接触させたうえで撮影すると同時に測定を行うことであるため、以下の欠点がある。
1、回転盤の上に立ったままの姿勢を維持する測定対象に回転スキャンを行う際、測定対象の体が揺れるか、姿勢が変わることを抑制することができないため、体組成計で検出した抵抗およびリアクタンスに影響を与えて測定結果の正確性を低下させる。
2、測定対象の両手が電極に接触する際、腕と胴体のなした夾角が小さ過ぎれば腕の皮膚が胴体の皮膚または服に接触するため、体組成計で測定した抵抗とリアクタンスに誤差が生じるだけでなく、測定結果の再現性および正確性を確保することができない。測定対象に腕と胴体との間の夾角を一定に維持させ、測定対象の体が揺れないようにし、姿勢を一定に維持させても、測定結果の信頼性は高くない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
米国特許出願公開第2019/0223788号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は測定対象の体が揺れたり姿勢が変わったりすることを抑制し、測定結果の正確性を高めることができる画像読み取り機能付き体組成分析システムを提供することを主な目的とする。
【0008】
本発明は測定対象の体形に合わせて測定対象の姿勢を最適な状態に維持し、測定対象を支えて体が揺れたり姿勢が変わったりすることを抑制することによって測定結果の再現性および正確性を高めることができる画像読み取り機能付き体組成分析システムを提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決するため、画像読み取り機能付き体組成分析システムは撮影装置、体組成分析器およびコントロールパネルを備える。体組成分析器は撮影装置に所定距離を保つように配置され、立つ台、二つのひじ掛けおよび計算ユニットを有する。立つ台は二つの第一電極セットを有する。二つのひじ掛けはそれぞれ伸縮ロッドおよびグリップを有する。それぞれの伸縮ロッドは一端が立つ台に連結される。それぞれのグリップは伸縮ロッドの別の一端に連結され、第二電極セットを有する。計算ユニットは撮影装置に電気的に接続され、体型モジュールデータベースおよび計算論理から構成される。計算ユニットは二つの第一電極セットおよび二つの第二電極セットで検知した抵抗およびリアクタンスと、撮影装置で撮った撮影データとを読み取り、撮影データを体型モジュールデータベースと対照し、計算論理に基づいて体組成データを算出する。コントロールパネルは体組成分析器、撮影装置および計算ユニットに電気的に接続されることで体組成データを表示する。
【0010】
本発明による画像読み取り機能付き体組成分析システムの技術特徴の一つは二つのひじ掛けを立つ台に装着することであるため、測定対象の体が揺れたり姿勢が変わったりすることを抑制し、測定結果の正確性を高めることができる。
【0011】
本発明による画像読み取り機能付き体組成分析システムの技術特徴の一つは二つのひじ掛けを立つ台に装着することであるため、補助器具またはひじ掛けに頼らなければならない測定対象に立ったままの姿勢を維持させて体組成データを読み取ることができる。
【0012】
本発明による画像読み取り機能付き体組成分析システムの技術特徴の一つは二つの伸縮ロッドを立つ台に回転可能に装着することであるため、測定対象の体形に合わせて二つのグリップの角度を調整し、測定対象の姿勢を最適な状態に維持し、測定対象を支えることによって体が揺れたり姿勢が変わったりすることを抑制し、測定結果の再現性および正確性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の第1実施形態による画像読み取り機能付き体組成分析システムの構造を示す斜視図である。
図2】本発明の第1実施形態による画像読み取り機能付き体組成分析システムを示す模式図である。
図3】本発明の第1実施形態による画像読み取り機能付き体組成分析システムによって体組成を分析する状態を示す斜視図である。
図4】本発明の第2実施形態による画像読み取り機能付き体組成分析システムの構造を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明による画像読み取り機能付き体組成分析システムを図面に基づいて説明する。
【0015】
(第1実施形態)
図1から図3に示すように、本発明の第1実施形態による画像読み取り機能付き体組成分析システム10は撮影装置20、体組成分析器30およびコントロールパネル40を備える。
【0016】
図1に示すように、体組成分析器30は撮影装置20に所定距離を保つように配置される。所定距離は撮影装置20の撮りたい撮影データの内容(例えば測定対象の局所または全身の撮影データ)によって決まる。
【0017】
図1および図2に示すように、体組成分析器30は立つ台31、二つのひじ掛け33および計算ユニット35を有する。立つ台31は二つの第一電極セット313を有する。二つのひじ掛け33はそれぞれ伸縮ロッド331およびグリップ333を有する。それぞれの伸縮ロッド331は一端が立つ台31に連結される。それぞれのグリップ333は伸縮ロッド331の別の一端に連結され、第二電極セット335を有する。計算ユニット35は撮影装置20、二つの第一電極セット313および二つの第二電極セット335に電気的に接続され、体型モジュールデータベース351および計算論理353から構成される。計算ユニット35は二つの第一電極セット313および二つの第二電極セット335で検知した抵抗およびリアクタンスと、撮影装置20で撮った画像データとを読み取り、撮影装置20で撮った画像データを体型モジュールデータベース351と対照し、計算論理353に基づいて体組成データを算出する。
【0018】
コントロールパネル40は体組成分析器30、撮影装置20および計算ユニット35に電気的に接続されることで体組成データを表示する。
【0019】
本発明による画像読み取り機能付き体組成分析システム10において、二つのひじ掛け33は立つ台31に装着されるため、測定対象の体が揺れたり姿勢が変わったりすることを抑制し、測定結果の正確性を高めることができる。
【0020】
本発明による画像読み取り機能付き体組成分析システム10において、二つのひじ掛け33は立つ台31に装着されるため、補助器具またはひじ掛けに頼らなければならない測定対象に立ったままの姿勢を維持させて体組成データを読み取ることができる。
【0021】
本発明による画像読み取り機能付き体組成分析システム10において、二つの伸縮ロッド331は立つ台31に回転可能に装着されるため、測定対象の体形に合わせて二つのひじ掛け33の角度を調整し、測定対象の姿勢を最適な状態に維持し、測定対象を支えることによって体が揺れたり姿勢が変わったりすることを抑制し、測定結果の再現性および正確性を高めることができる。
【0022】
第1実施形態において、二つの第一電極セット313および二つの第二電極セット335は8電極モードであり、それぞれ電流検知電極と電流放出電極を有する。
【0023】
第1実施形態において、撮影装置20はカメラレンズ21およびY軸ブラケット23を有する。カメラレンズ21はY軸ブラケット23に回転可能に配置されると同時にY軸方向に沿って移動できるため、撮影角度を増大させる。カメラレンズ21の撮影角度が実際の状況に対応できれば、撮影装置20は固定されてもよい。つまり、Y軸ブラケット23は本発明の要件ではない。
【0024】
第1実施形態において、立つ台31はさらに回転盤315を有する。回転盤315は立つ台31の上方に配置される。測定対象が回転盤315に立って正確に測定できる姿勢を維持すれば、撮影装置20は回転盤315によって測定対象を異なる角度から撮影することができる。回転盤315は本実施形態に限定されず、実際の状況に応じて立つ台31の下方に配置されてもよい。言い換えれば、回転盤315が立つ台31の下方に位置しても、測定対象に正確に測定できる姿勢を維持させたうえで撮影装置20は回転盤315によって測定対象を異なる角度から撮影することができる。
【0025】
第1実施形態において、撮影装置20は複数の異なる角度または距離で撮った全身画像または局所画像に基づいて測定対象の表面状態を3次元再構成法で表現する深度カメラであるが、これに限定されず、一つ以上の一般のカメラを採用してもよい。
【0026】
第1実施形態において、計算ユニット35はさらに判定論理355を含む。判定論理355は体型モジュールデータベース351のデータに基づいて撮影装置20で撮った撮影データが正確であるか否かを判定する。測定対象の姿勢が正確であるか否かを判定する必要がなければ、判定論理355を取り除いてもよい。つまり、判定論理355は本発明の要件ではない。
【0027】
第1実施形態において、グリップ333は伸縮ロッド331の一端に連結されるため、測定対象の体形に合わせてグリップ333を調整し、測定対象にグリップ333をしっかり握らせたうえで測定を行うことができる。立つ台31に回転可能に装着された二つの伸縮ロッド331を調整し、測定対象に正しい姿勢を維持させることさえできれば、伸縮ロッド331の一端からグリップ333を取り除いてもよい。つまりグリップ333は本発明の要件ではない。
【0028】
第1実施形態において、立つ台31はさらに重量センサー317を有する。重量センサー317は計算ユニット35に電気的に接続されるため、体組成分析器30は測定対象の体重を測定し、体重データを計算論理353に伝達することができる。上述した構造特徴により、本発明は体組成データの正確性を高めることができる。測定対象の体重を入力する方式を採用すれば、重量センサー317を取り除いてもよい。つまり重量センサー317は本発明の要件ではない。
【0029】
第1実施形態において、コントロールパネル40によって測定対象の年齢、性別、体重、身長および人種などを入力し、計算論理353に伝達することができるため、本発明は体組成データの正確性を高めることができる。測定対象の身長が入力されなかった場合、再構成した3Dモデルに基づいて測定対象の身長を計算することができる。
【0030】
第1実施形態において、二つの第一電極セット313および二つの第二電極セット335は測定対象の各体節の抵抗およびリアクタンスを異なる周波数のACによって測定する。撮影装置20で撮った撮影データは異なる体節の円周、断面積および長さを含む。
【0031】
(式1)
Z=(R+Xc1/2
【0032】
(式2)
ArcTan(Xc/R)=PhA
【0033】
インピーダンス、各体節に対応する抵抗(resistance, R)およびリアクタンス(reactance, Xc)、逆正接関数(ArcTan)、位相角(Phase Angle)との間の関係は式1および式2によって表示される。位相角が大きければ大きいほど測定対象の健康状態を向上させる。言い換えれば、異なる体節において、位相角が大きければ大きいほど体組成の質を向上させる。
【0034】
異なる周波数のACに対応する各体節の体節の円周、断面積および長さの抵抗およびリアクタンスに基づいて体組成を測定する際、インピーダンスは単一周波数のインピーダンスであるとは限らないため、異なる体組成をより正確に測定することができる。本実施形態において、異なる周波数 (1KHz-3000KHz) の微小電流の組み合わせによって測定対象の全身、左右の上肢および下肢の抵抗とリアクタンスを測定し、異なる周波数の抵抗およびリアクタンスを求めることができる。組み合わせの計算によってインピーダンスを求めることもできる。つまり、体組成の測定に対応する変数が多ければ多いほど、体組成をより正確に測定することができる。
【0035】
上述をまとめてみると、異なる周波数のACで検出した測定対象の全身、各体節の抵抗およびリアクタンスに対応する数値に基づいて、測定対象の全身、各体節の体液、細胞内液、細胞外液を測定し、体組成の測定結果を外部へ出力することができる。
【0036】
本実施形態において、異なる周波数のACで検出した測定対象の全身、各体節の抵抗およびリアクタンスに対応する数値と、撮影装置20で撮った撮影データに基づいて求めた測定対象の身長または各体節の長さとを参考にし、測定対象の全身または各体節に生体インピーダンスベクトル解析を行う時、測定対象の身長または各体節の長さに対応する抵抗およびリアクタンスに基づいてインピーダンスベクトル解析を行う時に、経験的方程式または回帰方程式を応用せず、R/HおよびXc/Hの関係式によって全身または各体節の体組成に水分補給状態と筋肉量を評価と分析することもできる。
【0037】
本実施形態は上述した生体インピーダンスベクトル解析のほかに、測定対象の全身または各体節に特異な生体インピーダンスベクトル解析を行うこともできる。詳しく言えば、測定対象の身長または各体節の長さに対応する抵抗およびリアクタンスに基づいて特異な生体インピーダンスベクトル解析を行う際、経験的方程式または回帰方程式を応用せず、RspおよびXcsp、即ち全身または各体節×対応する補正係数(断面/長さ)の関係式に基づいて全身または各体節の体組成に水分補給状態と筋肉量を評価と分析することもできる。
【0038】
以上は第1実施形態の構成について説明である。続いて、第1実施形態の作動状態について説明を進める。
【0039】
図2および図3に示すように、測定対象の年齢、性別、身長および人種などのデータをコントロールパネル40によって入力する。
【0040】
続いて、測定対象が立つ台31に体重をかけ、左足および右足を二つの第一電極セット313に接触させれば、重量センサー317は測定対象の体重データを計算ユニット35に伝達する。
【0041】
続いて、測定対象は二つのグリップ333を両手で握って両手を二つの第二電極セット335に接触させる。このとき二つの伸縮ロッド331は立つ台31に回転可能に装着され、二つグリップ333は二つの伸縮ロッド331の一端に回転可能に連結されるため、測定対象に姿勢を調整させ、最適な状態を維持させることができるだけでなく、測定対象を支えて体が揺れたり姿勢が変わったりすることを抑制することができる。
【0042】
続いて、回転盤315を回転させれば、カメラレンズ21は異なる角度から測定対象を撮影する。続いて、異なる角度から撮った測定対象の画像に基づいて人体3Dモデルを再構成し、計算ユニット35に伝送する。続いて、判定論理355は体型モジュールデータベース351のモデルデータに基づいてカメラレンズ21で撮った撮影データが正確であるか否かを判定する。カメラレンズ21で撮った撮影データが正確でないと判定される、即ち測定対象の姿勢が正確ではない場合、本発明は計算ユニット35によって計算し、測定を行うことがない。カメラレンズ21で撮った撮影データに誤差があると判定される場合、体型モジュールデータベース351中の最も近いモデルデータに基づいて計算ユニット35はカメラレンズ21で撮った撮影データを修正すると同時に体組成データを算出し、正確度を高める。カメラレンズ21で撮った撮影データが正確であると判定される場合、計算ユニット35は修正せず体組成データを算出する。
【0043】
判定論理355によって測定対象の姿勢が正確だと判定される場合、二つの第一電極セット313および二つの第二電極セット335のプレート切り替え、異なる組み合わせ、異なる周波数のACおよび電流放出、検知電極の作動によって計算ユニット35は異なる周波数に対応する異なる体節の抵抗およびリアクタンスを検知し、撮影データを体型モジュールデータベース351と対照し、続いて計算論理353に基づいて体組成データを算出する。
【0044】
本発明による画像読み取り機能付き体組成分析システム10の技術特徴の一つは二つのひじ掛け33を立つ台31に装着することであるため、補助器具またはひじ掛けに頼らなければならない測定対象に立ったままの姿勢を維持させて体組成データを読み取ることができる。
【0045】
本発明による画像読み取り機能付き体組成分析システム10の技術特徴の一つは二つの伸縮ロッド331を立つ台31に回転可能に装着することであるため、測定対象の体形に合わせて測定対象の姿勢を最適な状態に維持し、測定対象を支えることによって体が揺れたり姿勢が変わったりすることを抑制し、測定結果の再現性および正確性を高めることができる。
【0046】
(第2実施形態)
図4は第2実施形態による画像読み取り機能付き体組成分析システム10'を示す斜視図である。第1実施形態との違いは回転盤315が配置されなかったことである。
【0047】
第2実施形態において、円形の立つ台31'は外周辺縁部に環状レール319'を有する。Y軸ブラケット23'は環状レール319'に装着され、環状レール319'に沿って移動する。
【0048】
第2実施形態において、カメラレンズ21は立つ台31'の外周に沿って移動するため、回転に伴って体が揺れたり姿勢が変わったりすることがなく、体が弱って立っていられない測定対象に気を配ることができるだけでなく、測定結果の再現性および正確性を高めることができる。
【0049】
第2実施形態のほかの構造および達成した効果は第1実施形態と同じであるため、詳細な説明を省略する。
【0050】
以上、本発明は、上記実施形態になんら限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実施可能である。
【符号の説明】
【0051】
10:画像読み取り機能付き体組成分析システム
20:撮影装置
21:カメラレンズ
23:Y軸ブラケット
30:体組成計
31:立つ台
313:第一電極セット
315:回転盤
317:重量センサー
33:ひじ掛け
331:伸縮ロッド
333:グリップ
335:第二電極セット
35:計算ユニット
351:体型モジュールデータベース
353:計算論理
355:判定論理
40:コントロールパネル
10':画像読み取り機能付き体組成分析システム
21':カメラレンズ
23':Y軸ブラケット
319':環状レール
図1
図2
図3
図4