(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023064738
(43)【公開日】2023-05-11
(54)【発明の名称】基板処理装置および方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/027 20060101AFI20230501BHJP
H01L 21/304 20060101ALI20230501BHJP
【FI】
H01L21/30 569F
H01L21/304 651Z
H01L21/304 648G
H01L21/304 648K
H01L21/304 648L
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022170474
(22)【出願日】2022-10-25
(31)【優先権主張番号】10-2021-0143465
(32)【優先日】2021-10-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】390019839
【氏名又は名称】三星電子株式会社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung-ro,Yeongtong-gu,Suwon-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(71)【出願人】
【識別番号】518162784
【氏名又は名称】セメス カンパニー,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】崔 海圓
(72)【発明者】
【氏名】辛 承▲みん▼
(72)【発明者】
【氏名】朴 相眞
(72)【発明者】
【氏名】辛 在原
(72)【発明者】
【氏名】朴 智煥
(72)【発明者】
【氏名】李 根澤
(72)【発明者】
【氏名】アントン,コリアキン
(72)【発明者】
【氏名】元 俊皓
(72)【発明者】
【氏名】許 弼▲きゅん▼
【テーマコード(参考)】
5F146
5F157
【Fターム(参考)】
5F146LA12
5F146LA14
5F146LA19
5F157AA91
5F157AB02
5F157AB13
5F157AB33
5F157CB26
5F157CB27
5F157CE07
5F157CE10
5F157CE11
5F157CE52
5F157CE54
5F157CE57
5F157CF14
5F157CF16
5F157CF22
5F157CF34
5F157CF42
5F157CF44
5F157CF60
5F157CF74
5F157CF90
5F157CF92
5F157CF99
5F157DB32
5F157DB33
5F157DB37
(57)【要約】 (修正有)
【課題】マルチレベルの圧力制御により超臨界乾燥容器内に注入されるCO
2流量を制御する基板処理装置および方法を提供する。
【解決手段】処理方法は、工程チャンバ内に薬液が塗布された基板を配置させる段階と、超臨界流体を用いて基板を乾燥させる段階と、基板を工程チャンバ内から搬出する段階を含み、乾燥させる段階は超臨界流体貯蔵部と工程チャンバの前端を連結する第1配管上に設けられる複数個の圧力制御用弁および工程チャンバの後端と連結される第2配管上に設けられる第2排気制御用弁を制御して工程チャンバ内の超臨界流体の量を調節し、初期には複数個の圧力制御用弁のうちの一部の弁を開放して超臨界流体を工程チャンバ内に提供し、工程チャンバの内圧が最高圧に到達するまでは一定時間が経過するたびに開放される弁の個数を増加させるか直前よりも多くの流量を提供する圧力制御用弁を選択的に開放して超臨界流体を工程チャンバ内に提供する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
工程チャンバ内に流体を供給して、前記工程チャンバ内で前記流体が超臨界相になるようにする加圧段階と、
前記超臨界相の流体を用いて、前記工程チャンバ内の基板を処理する処理段階と、
前記工程チャンバ内の流体を排気して前記工程チャンバを減圧させる減圧段階を含み、
前記加圧段階は連続する第1区間と第2区間に前記工程チャンバ内に流体を供給し、
前記第1区間の間流体を供給する場合、前記加圧段階は少なくとも一つの弁を含む流体供給ユニットを介して第1初期供給量の流体を提供する段階と、前記工程チャンバ内に第1供給量の流体が供給されるように少なくとも一つの弁を含むベンティングユニットを介して第1排出量の流体を排出させる段階を含み、
前記第2区間の間流体を供給する場合、前記加圧段階は前記流体供給ユニットを介して前記第1初期供給量と異なる第2初期供給量の流体を提供する段階と、前記工程チャンバ内に前記第1供給量と異なる第2供給量の流体が供給されるように前記ベンティングユニットを介して前記第1排出量と異なる第2排出量の流体を排出させる段階を含む、基板処理方法。
【請求項2】
前記第2初期供給量は前記第1初期供給量より大きい、請求項1に記載の基板処理方法。
【請求項3】
前記第2排出量は前記第1排出量より小さい、請求項2に記載の基板処理方法。
【請求項4】
前記第2区間における前記工程チャンバ内の圧力上昇傾きは、前記第1区間における前記工程チャンバ内の圧力上昇傾きより大きい、請求項3に記載の基板処理方法。
【請求項5】
前記第1区間の間、前記流体供給ユニットは第1速度で流体を供給し、
前記第2区間の間、前記流体供給ユニットは前記第1速度より大きい第2速度で流体を供給する、請求項1に記載の基板処理方法。
【請求項6】
前記加圧段階は前記第2区間以後の第3区間に前記工程チャンバ内に流体を供給し、
前記第3区間の間流体を供給する場合、前記加圧段階は前記流体供給ユニットを介して前記第2初期供給量と異なる第3初期供給量の流体を提供する段階と、前記工程チャンバ内に前記第2供給量と異なる第3供給量の流体が供給されるように前記ベンティングユニットを介して前記第2排出量と異なる第3排出量の流体を排出させる段階を含む、請求項1に記載の基板処理方法。
【請求項7】
前記第3初期供給量は前記第2初期供給量より大きく、
前記第3排出量は前記第2排出量より小さい、請求項6に記載の基板処理方法。
【請求項8】
前記第3区間における前記工程チャンバ内の圧力上昇傾きは、前記第2区間における前記工程チャンバ内の圧力上昇傾きより大きい、請求項7に記載の基板処理方法。
【請求項9】
前記流体供給ユニットは、
流体を貯蔵する貯蔵タンクと、
前記工程チャンバと連結されたメイン供給ラインと、
前記貯蔵タンクと前記メイン供給ラインの間に並列に配置された第1供給ラインおよび第2供給ラインと、
前記第1供給ラインに設けられた第1弁と、前記第2供給ラインに設けられた第2弁を含み、
前記第1供給ラインは前記第1区間の間流体を供給するために使用され、前記第2供給ラインは前記第2区間の間流体を供給するために使用される、請求項1に記載の基板処理方法。
【請求項10】
前記ベンティングユニットは、
前記メイン供給ラインに並列に配置された第1ベンティングラインと第2ベンティングライン、前記第1ベンティングラインに設けられた第1ベンティング弁、および前記第2ベンティングラインに設けられた第2ベンティング弁を含む、請求項9に記載の基板処理方法。
【請求項11】
前記基板上には感光膜が形成され、
前記流体は二酸化炭素を含み、
前記基板処理方法は、
前記基板を現像液によってウエットされた状態で前記工程チャンバに引込する引込段階をさらに含む、請求項1に記載の基板処理方法。
【請求項12】
基板の超臨界乾燥が行われる工程チャンバと、
少なくとも一つの弁を含み、加圧段階の間前記超臨界乾燥に使用される流体を供給する流体供給ユニットと、
少なくとも一つの弁を含み、前記加圧段階の間供給される前記流体の供給量を調節するためのベンティングユニットと、
少なくとも一つのプロセッサと、
前記プロセッサによって行われる複数のインストラクションを含み、
前記加圧段階は連続する第1区間と第2区間に前記工程チャンバ内に流体を供給し、
前記第1区間の間、前記流体供給ユニットは前記プロセッサによって第1初期供給量の流体を提供し、前記ベンティングユニットは前記プロセッサによって前記工程チャンバ内に第1供給量の流体が供給されるように第1排出量の流体を排出させて、
前記第2区間の間、前記流体供給ユニットは前記プロセッサによって前記第1初期供給量と異なる第2初期供給量の流体を提供し、前記ベンティングユニットは前記プロセッサによって前記工程チャンバ内に前記第1供給量と異なる第2供給量の流体が供給されるように前記第1排出量と異なる第2排出量の流体を排出させる、基板処理装置。
【請求項13】
前記第2初期供給量は前記第1初期供給量より大きい、請求項12に記載の基板処理装置。
【請求項14】
前記第2排出量は前記第1排出量より小さい、請求項13に記載の基板処理装置。
【請求項15】
前記第2区間における前記工程チャンバ内の圧力上昇傾きは、前記第1区間における前記工程チャンバ内の圧力上昇傾きより大きい、請求項14に記載の基板処理装置。
【請求項16】
前記第1区間の間、前記流体供給ユニットは第1速度で流体を供給し、
前記第2区間の間、前記流体供給ユニットは前記第1速度より大きい第2速度で流体を供給する、請求項12に記載の基板処理装置。
【請求項17】
基板の超臨界乾燥が行われる工程チャンバと、
少なくとも一つの弁を含み、加圧段階の間前記超臨界乾燥に使用される流体を供給する流体供給ユニットと、
少なくとも一つの弁を含み、前記加圧段階の間供給される前記流体の供給量を調節するためのベンティングユニットと、
少なくとも一つのプロセッサと、
前記プロセッサによって行われる複数のインストラクションを含み、
前記加圧段階は連続する第1区間と第2区間に前記工程チャンバ内に流体を供給し、
前記第1区間の間、前記プロセッサによって前記工程チャンバ内には第1供給量の流体が供給され、前記第2区間の間、前記プロセッサによって前記工程チャンバ内には前記第1供給量より大きい第2供給量の流体が供給され、
前記第2区間における前記工程チャンバ内の圧力上昇傾きは、前記第1区間における前記工程チャンバ内の圧力上昇傾きより大きく、
前記流体供給ユニットは、
流体を貯蔵する貯蔵タンクと、
前記工程チャンバと連結されたメイン供給ラインと、
前記貯蔵タンクと前記メイン供給ラインの間に並列に配置され、第1供給ラインおよび第2供給ラインを含み、
前記ベンティングユニットは、前記メイン供給ラインと並列に配置された第1ベンティングラインと第2ベンティングラインを含む、基板処理装置。
【請求項18】
前記第1区間の間、前記第1供給ラインを介して前記メイン供給ラインに第1初期供給量の流体が供給され、前記第1ベンティングラインおよび第2ベンティングラインを介して第1排出量の流体が排出される、請求項17に記載の基板処理装置。
【請求項19】
前記第2区間の間、前記第2供給ラインを介して前記メイン供給ラインに前記第1初期供給量より大きい第2初期供給量の流体が供給され、前記第2ベンティングラインを介して前記第1排出量より小さい第2排出量の流体が排出される、請求項18に記載の基板処理装置。
【請求項20】
前記流体は二酸化炭素を含む、請求項18に記載の基板処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は基板を処理する装置および方法に関する。より詳細には、基板を乾燥処理する装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ウエハ(Wafer)上に塗布された現像液を乾燥する場合、ウエハをスピンヘッド(Spin Head)上に位置させ、スピンヘッドを回転させてウエハ上の現像液を乾燥することができる。しかし、この方法はPR(Photo resist)の倒壊(Collapse)、リーニング(Leaning)、ブリッジ(Bridge)、リフティング(Lifting)などの問題を誘発し得る。
【0003】
最近では、前記の問題を改善するために、超臨界CO2を用いてウエハ上の現像液を置換および乾燥させる方法が活用されている。この場合、高圧CO2供給装置システムが使用できるが、従来のCO2供給装置システムおよび制御方法としてはウエハ乾燥不良により発生する局部的な環状、凝集性クラスタ(Cluster)欠陥(Defect)などが発現している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする技術的課題は、マルチレベル(Multi Level)の圧力制御により超臨界乾燥容器(Vessel)内に注入されるCO2流量を制御する基板処理装置および方法を提供することにある。
【0005】
本発明の技術的課題は、以上で言及した技術的課題に制限されず、言及されていない、または他の技術的課題は以下の記載から当業者に明確に理解されるものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記技術的課題を達成するための本発明の基板処理方法の一面(Aspect)は、工程チャンバ内に流体を供給して、前記工程チャンバ内で前記流体が超臨界相になるようにする加圧段階と、前記超臨界相の流体を用いて、前記工程チャンバ内の基板を処理する処理段階と、前記工程チャンバ内の流体を排気して前記工程チャンバを減圧させる減圧段階を含み、前記加圧段階は連続する第1区間と第2区間に前記工程チャンバ内に流体を供給し、前記第1区間の間流体を供給する場合、前記加圧段階は少なくとも一つの弁を含む流体供給ユニットを介して第1初期供給量の流体を提供する段階と、前記工程チャンバ内に第1供給量の流体が供給されるように少なくとも一つの弁を含むベンティングユニットを介して第1排出量の流体を排出させる段階を含み、前記第2区間の間流体を供給する場合、前記加圧段階は前記流体供給ユニットを介して前記第1初期供給量と異なる第2初期供給量の流体を提供する段階と、前記工程チャンバ内に前記第1供給量と異なる第2供給量の流体が供給されるように前記ベンティングユニットを介して前記第1排出量と異なる第2排出量の流体を排出させる段階を含む。
【0007】
また、前記技術的課題を達成するための本発明の基板処理装置の一面は、基板の超臨界乾燥が行われる工程チャンバと、少なくとも一つの弁を含み、加圧段階の間前記超臨界乾燥に使用される流体を供給する流体供給ユニットと、少なくとも一つの弁を含み、前記加圧段階の間供給される前記流体の供給量を調節するためのベンティングユニットと、少なくとも一つのプロセッサと、前記プロセッサによって行われる複数のインストラクションを含み、前記加圧段階は連続する第1区間と第2区間に前記工程チャンバ内に流体を供給し、前記第1区間の間、前記流体供給ユニットは前記プロセッサによって第1初期供給量の流体を提供し、前記ベンティングユニットは前記プロセッサによって前記工程チャンバ内に第1供給量の流体が供給されるように第1排出量の流体を排出させて、前記第2区間の間、前記流体供給ユニットは前記プロセッサによって前記第1初期供給量と異なる第2初期供給量の流体を提供し、前記ベンティングユニットは前記プロセッサによって前記工程チャンバ内に前記第1供給量と異なる第2供給量の流体が供給されるように前記第1排出量と異なる第2排出量の流体を排出させる。
【0008】
また、前記技術的課題を達成するための本発明の基板処理装置の他の面は、基板の超臨界乾燥が行われる工程チャンバと、少なくとも一つの弁を含み、加圧段階の間前記超臨界乾燥に使用される流体を供給する流体供給ユニットと、少なくとも一つの弁を含み、前記加圧段階の間供給される前記流体の供給量を調節するためのベンティングユニットと、少なくとも一つのプロセッサと、前記プロセッサによって行われる複数のインストラクションを含み、前記加圧段階は連続する第1区間と第2区間に前記工程チャンバ内に流体を供給し、前記第1区間の間、前記プロセッサによって前記工程チャンバ内には第1供給量の流体が供給され、前記第2区間の間、前記プロセッサによって前記工程チャンバ内には前記第1供給量より大きい第2供給量の流体が供給され、前記第2区間における前記工程チャンバ内の圧力上昇傾きは、前記第1区間における前記工程チャンバ内の圧力上昇傾きより大きく、前記流体供給ユニットは、流体を貯蔵する貯蔵タンクと、前記工程チャンバと連結されたメイン供給ラインと、前記貯蔵タンクと前記メイン供給ラインの間に並列に配置され、第1供給ラインおよび第2供給ラインを含み、前記ベンティングユニットは、前記メイン供給ラインと並列に配置された第1ベンティングラインと第2ベンティングラインを含む。
【0009】
その他実施形態の具体的な内容は詳細な説明および図面に含まれている。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施形態による基板処理装置を構成する工程チャンバの内部構造を説明するための例示図である。
【
図2】本発明の一実施形態による基板処理装置の内部構造を概略的に示す第1例示図である。
【
図3】本発明の一実施形態による超臨界流体を用いた基板処理方法を順番に示すフロー図である。
【
図4】工程チャンバ内の時間別の圧力分布度と
図3の基板処理方法を関連付けて説明するためのグラフである。
【
図5】
図3に示す基板処理方法の各段階を説明するための第1例示図である。
【
図6】
図3に示す基板処理方法の各段階を説明するための第2例示図である。
【
図7】
図3に示す基板処理方法の各段階を説明するための第3例示図である。
【
図8】
図3に示す基板処理方法の各段階を説明するための第4例示図である。
【
図9】
図3に示す基板処理方法の各段階を説明するための第5例示図である。
【
図10】
図3に示す基板処理方法の各段階を説明するための第6例示図である。
【
図11】本発明の一実施形態による基板処理装置の内部構造を概略的に示す第2例示図である。
【
図12】本発明の一実施形態による基板処理装置の内部構造を概略的に示す第3例示図である。
【
図13】本発明の一実施形態による基板処理装置の内部構造を概略的に示す第4例示図である。
【
図14】超臨界流体を供給して超臨界乾燥を行う場合の従来のDefect Mapを示す図である。
【
図15】超臨界流体を供給して超臨界乾燥を行う場合の本発明のDefect Mapを示す図である。
【
図16A】薬液の厚さによる第1排気制御用弁の制御方法を説明するための第1例示図である。
【
図16B】薬液の厚さによる第1排気制御用弁の制御方法を説明するための第2例示図である。
【
図16C】薬液の厚さによる第1排気制御用弁の制御方法を説明するための第3例示図である。
【
図17】薬液の厚さによる第1排気制御用弁の制御方法を説明するための第4例示図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下では添付する図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。図面上の同じ構成要素に対しては同じ参照符号を使用し、これらに対する重複する説明は省略する。
【0012】
スピン(Spin)を用いてウエハ上に塗布された現像液を乾燥する場合、PR(Photo resist)の倒壊(Collapse)、リーニング(Leaning)、ブリッジ(Bridge)、リフティング(Lifting)などの問題が発生し得る。このような問題を解決するためにCO2を単純レベルで供給するシステムを用いることができるが、前記システムの場合、ウエハの乾燥不良により局部的な環状、凝集性クラスタ(Cluster)欠陥(Defect)などの問題が発現した。
【0013】
具体的に説明すると、前記システムはリザーバセット(Reservoir Set)入力値に基づいて配管内の圧力をシングルステップレベル(Single Step Level)方式で制御するが、初期昇圧速度を制御するのに困難性があり、ウエハ内で局部的に現像液が急激に乾く現象が発生して、これによって凝集性クラスタ(Cluster)が発生する問題を引き起こした。
【0014】
本発明はフォト工程でフォトレジスト(PR;Photo resist)パターンの倒れ防止のための超臨界現像装置の開発を基盤とする。本発明は前記問題を改善するために超臨界CO2を用いて置換/乾燥することを特徴とし、マルチステップレベル制御装置(Multi Step Level Control System)とサプライベント制御(Supply Vent Control)を適用して供給配管および工程チャンバ(Vessel)内の圧力を制御して該当問題を解決しようとする。
【0015】
先に基板処理装置を構成する工程チャンバ(すなわち、Vessel)について説明する。
図1は本発明の一実施形態による基板処理装置を構成する工程チャンバの内部構造を説明するための例示図である。
【0016】
図1によれば、工程チャンバ100はハウジング110、昇降ユニット120、支持ユニット130、加熱部材140、流体供給ユニット150、遮断部材160および排気部材170を含んで構成されることができる。
【0017】
工程チャンバ100は超臨界流体を用いて基板を処理することができる。工程チャンバ100は例えば、超臨界流体として二酸化炭素(CO2)を用いることができ、臨界温度(31℃)および臨界圧力(73.8bar)以上のCO2を用いて基板を超臨界乾燥させることができる。
【0018】
ハウジング110は内部に超臨界乾燥工程が行われる処理空間を提供する。ハウジング110は臨界圧力以上の高圧に耐える材質で提供されることができる。
【0019】
ハウジング110は上部モジュール111と下部モジュール112を含む。下部モジュール112は上部モジュール111の下で上部モジュール111と結合されて提供される。上部モジュール111と下部モジュール112の組み合わせにより生成された空間は基板処理工程を行う処理空間として提供される。
【0020】
上部モジュール111は外部構造物に固定されるように設けられる。下部モジュール112は上部モジュール111に対して昇降可能に提供される。下部モジュール112は下降して上部モジュール111から離隔すると、工程チャンバ100の内部に処理空間が開放される。基板Wが開放された処理空間の工程チャンバ100の内部空間に搬入されるか、内部空間から搬出されることができる。
【0021】
工程チャンバ100に搬入される基板Wは基板洗浄液(例えば、IPA:Iso-Propyl Alcohol)が残留する状態であり得る。下部モジュール112が上昇して上部モジュール111に密着すると工程チャンバ100の内部に処理空間が密閉される。密閉された処理空間では超臨界流体により基板が処理されることができる。上述した例とは異なり、ハウジング110で下部モジュール112が固定設置され、上部モジュール111が昇降する構造で提供されることもできる。
【0022】
昇降ユニット120は下部モジュール112を昇降させる。昇降ユニット120は昇降シリンダ121および昇降ロッド122を含む。昇降シリンダ121は下部モジュール112に結合されて上下方向の駆動力を発生させる。昇降シリンダ121は超臨界流体を用いた基板処理が行われる間、工程チャンバ100内部の臨界圧力以上の高圧に勝って、上部モジュール111と下部モジュール112を密着させて工程チャンバ100を密閉させ得る程度の駆動力を発生させる。昇降ロッド122はその一端が昇降シリンダ121に挿入されて垂直上方(第3方向30)に延びて他端が上部モジュール111に結合される。
【0023】
昇降シリンダ121で駆動力が発生するとき、昇降シリンダ121と昇降ロッド122が相対的に昇降して昇降シリンダ121に結合された下部モジュール112が昇降することができる。昇降シリンダ121により下部モジュール112が昇降する間、昇降ロッド122は上部モジュール111と下部モジュール112が水平方向(第1方向10または第2方向20)に動くことを防止して昇降方向を案内して、上部モジュール111と下部モジュール112が互いに定位置から離脱することを防止することができる。
【0024】
支持ユニット130はハウジング110の処理空間に位置して基板Wを支持する。支持ユニット130は上部モジュール111に結合される。支持ユニット130は垂直部131と水平部132を含む。
【0025】
垂直部131はハウジング110の上部壁から下へ延びて提供される。垂直部131は上部モジュール111の下面に設けられる。垂直部131は上部モジュール111の下方に延びて提供される。垂直部131の終端は水平部132と垂直に結合される。水平部132は垂直部131の終端でハウジング110の内側に延びて提供される。水平部132には基板Wが置かれる。水平部132は基板Wの縁領域の底面を支持する。
【0026】
支持ユニット130が基板Wの縁領域に接触して基板Wを支持して基板W上面の全体領域と下面の大部分の領域に対して超臨界流体による基板処理が行われることができる。ここで、基板Wはその上面がパターン面であり、下面が非パターン面であり得る。
【0027】
支持ユニット130は上部モジュール111に設けられる。支持ユニット130は下部モジュール112が昇降する間比較的安定して基板Wを支持することができる。
【0028】
支持ユニット130が設けられる上部モジュール111には水平調整部材113が設けられる。水平調整部材113は上部モジュール111の水平度を調整する。上部モジュール111の水平度が調整され、上部モジュール111に設けられた支持ユニット130に安着した基板Wの水平が調節される。上部モジュール111が昇降して下部モジュール112が固定されて設けられるか、支持ユニット130が下部モジュール112に設けられる場合には、水平調整部材113は下部モジュール112に設けられることもできる。
【0029】
加熱部材140は工程チャンバ100の内部を加熱する。加熱部材140は工程チャンバ100の内部に供給された超臨界流体を臨界温度以上に加熱して超臨界流体相を維持する。加熱部材140は超臨界流体が液化した場合には再び超臨界流体になるように超臨界流体を加熱することができる。加熱部材140は上部モジュール111および下部モジュール112の少なくとも一つの壁内に埋設されて設けられる。加熱部材140は外部から電源を受けて熱を発生させる。加熱部材140は例えば、ヒータとして提供されることができる。
【0030】
流体供給ユニット150は工程チャンバ100に流体を供給する。供給される流体は超臨界流体であり得る。一例として供給される超臨界流体は二酸化炭素(CO2)であり得る。
【0031】
流体供給ユニット150は上部流体供給部151、下部流体供給部152および供給配管153を含む。
【0032】
上部流体供給部151は基板Wの上面に直接超臨界流体を供給する。上部流体供給部151は上部モジュール111に連結されて提供される。上部流体供給部151は基板Wの中央上面に対向する上部モジュール111に連結されて提供される。
【0033】
下部流体供給部152は基板Wの下面に超臨界流体を供給する。下部流体供給部152は下部モジュール112に連結されて提供される。下部流体供給部152は基板Wの中央下面に対向する下部モジュール112に連結されて提供される。
【0034】
上部流体供給部151と下部流体供給部152で噴射される超臨界流体は基板Wの中央領域に到達して縁領域に広がって基板Wの全領域に均一に提供される。
【0035】
供給配管153は上部流体供給部151および下部流体供給部152と連結される。供給配管153は外部に別に設けられる超臨界流体貯蔵部(Reservoir;200)から超臨界流体の供給を受けて上部流体供給部151と下部流体供給部152に超臨界流体を供給する。
【0036】
流体供給ユニット150は先に下部流体供給部152で超臨界流体を供給することができる。その後、上部流体供給部151が超臨界流体を供給することができる。超臨界乾燥工程は初期に工程チャンバ100の内部が臨界圧力に達していない状態で行われることができる。工程チャンバ100の内部が臨界圧力に達していない場合、内部に供給される超臨界流体は液化し得る。超臨界流体が液化すると重力によって基板Wに落下して基板Wを損傷させ得る。
【0037】
したがって、下部流体供給部152で先に超臨界流体を供給する。工程チャンバ100に超臨界流体が供給された後、内部圧力は臨界圧力に到達する。工程チャンバ100の内部圧力が臨界圧力に到達した後、上部流体供給部151で超臨界流体を供給する。下部流体供給部152で上部流体供給部151より先に超臨界流体を供給して超臨界流体が液化して基板Wに落下することを防止することができる。
【0038】
遮断部材160は流体供給ユニット150から供給される超臨界流体が基板Wの下面に直接噴射されることを防止する。遮断部材160は遮断プレート161および支持台162を含む。
【0039】
遮断プレート161はハウジング110の内部すなわち、処理空間に位置する。遮断プレート161は支持ユニット130と下部流体供給部152の間に配置される。遮断プレート161は基板Wに対応する形状で提供される。一例として、遮断プレート161は円形の板形状で提供されることができる。遮断プレート161の半径は基板Wと類似するかより大きく提供されることができる。遮断プレート161は支持ユニット130に置かれる基板Wの下面に位置して下部流体供給部152を介して供給される超臨界流体が基板Wの下面に直接噴射されることを防止することができる。遮断プレート161の半径が基板Wと類似するかより大きく提供される場合は超臨界流体が基板Wに直接噴射されることを完全に遮断することができる。
【0040】
これとは異なり、遮断プレート161の直径は基板Wより小さく提供されることもできる。この場合、超臨界流体が基板Wに直接噴射されることを遮断する。また、超臨界流体の流速を最小限に低下させて基板Wに超臨界流体が比較的容易に到達できるようにする。遮断プレート161の半径が基板Wより小さく提供される場合、基板Wに対する超臨界乾燥工程が効果的に行われることができる。
【0041】
支持台162は遮断プレート161を支持する。支持台162は遮断プレート161の後面を支持する。支持台162はハウジング110の下部壁に設けられて垂直(第3方向30)に提供される。支持台162と遮断プレート161は別に結合せず遮断プレート161の重力によって支持台162に置かれられるように設けられることができる。
【0042】
これとは異なり、支持台162と遮断プレート161がナットやボルトなどの結合手段によって結合されることができる。または、支持台162と遮断プレート161は一体で提供されることもできる。
【0043】
排気部材170は工程チャンバ100から超臨界流体を排気する。排気部材170は超臨界流体を排気する排気ラインに連結されることができる。
図1には示していないが、前記の場合、排気部材170には排気ラインに排気する超臨界流体の流量を調節する弁が設けられることができる。
【0044】
排気ラインを介して排気する超臨界流体は大気中に放出されることができる。または、超臨界流体は超臨界流体再生システムに供給されることもできる。排気部材170は下部モジュール112に結合されることができる。
【0045】
超臨界流体による基板処理工程の後期には工程チャンバ100から超臨界流体が排気してその内部圧力が臨界圧力以下に減圧されて超臨界流体が液化し得る。液化した超臨界流体は重力によって下部モジュール112に形成された排気部材170を介して排出されることができる。
【0046】
先立って説明したが、比較対象設備は単一流量制御システムによる供給方式を用いており、リザーバ(Reservoir)のセット(Set)入力値が初期昇圧速度に多くの影響を与えるが、その後は流量制御システム1個で昇圧速度を制御している。装置がシンプルであるという長所があるが、初期昇圧速度を可変的に制御することができず、閉じられている配管により設備の駆動時間に応じた単一リザーバ(Reservoir)では開始圧力を一定に有することは難しい短所を示している。
【0047】
したがって、前記設備で工程を行う場合、単一流量制御システムの限界により乾燥不良を引き起こして持続してウエハの上にパーティクル(Particle)、乾燥残余物、凝集性クラスタなどの欠陥が誘発され、恒常性が落ちる問題があった。
【0048】
また、比較対象設備はリザーバのセット圧力により昇圧速度が決定されるので、工程チャンバ100内で一定の圧力に到達するまで調節が不可能である。流量制御システムにより工程チャンバ100内の到達圧力までの時間を増やして初期の昇圧速度を制御することも可能であるが、比較対象設備は対数関数的に昇圧が行われるので所望する圧力範囲まで下げるのに困難性がある。また、弁調節により到達時間を増やす方向は深刻な生産性の低下を引き起こすので、新しいデザインが適用された装置が必要である。
【0049】
本発明は工程チャンバ100内の基板(Wafer)の上面に超臨界流体を供給する場合、基板の表面に打力によるダメージ(Damage)が発生しないように初期には低圧/低流量(例えば、初期20秒以内5bar以下)で供給し、以後に段階別の圧力制御により定められた昇圧速度で持続して注入することを特徴とする。
【0050】
また、本発明は定められた増加量で注入されるCO2によって基板表面の現像液がセンターからエッジに(Center-to-Edge)一定に押されながら乾燥され、基板の表面に凝集性クラスタ不良が発生しないように制御することを特徴とする。
【0051】
以下では本発明による基板処理装置について詳細に説明する。
図2は本発明の一実施形態による基板処理装置の内部構造を概略的に示す第1例示図である。
【0052】
図2によれば、基板処理装置300は超臨界流体貯蔵部(Reservoir;200)、圧力制御用弁310、工程チャンバ100および第2排気制御用弁320を含んで構成されることができる。
【0053】
基板処理装置300は基板W上に塗布された薬液(例えば、現像液)を乾燥させるためのものである。基板処理装置300は超臨界流体(例えば、超臨界CO2)を用いて基板W上に塗布された薬液を乾燥させることができる。
【0054】
例えば、基板W上には感光膜が形成され、前記基板は現像液によってウエットされた状態で前記工程チャンバに引込することができる。
【0055】
超臨界流体を供給するための構造物(すなわち、超臨界流体貯蔵部200、圧力制御用弁310および供給配管153)と超臨界流体を排気するための構造物(すなわち、第2排気制御用弁320および排気部材170)は基板上の薬液乾燥のために工程チャンバ100と連結されることができる。具体的には、超臨界流体を供給するための構造物は工程チャンバ100の上部流体供給部151と連結され、超臨界流体を排気するための構造物は工程チャンバ100の下部流体供給部152に連結されることができる。
【0056】
超臨界流体貯蔵部200は超臨界流体を貯蔵するものである。超臨界流体貯蔵部200は超臨界流体として例えば、CO2を貯蔵することができる。
【0057】
圧力制御用弁310は工程チャンバ100内の圧力調節のために開閉可能に設けられるものである。このような圧力制御用弁310は超臨界流体貯蔵部(すなわち、貯蔵タンク,200)と工程チャンバ100を連結する供給配管(すなわち、メイン供給ライン,153)上に設けられることができる。
【0058】
超臨界流体貯蔵部200と供給配管153の間には複数の供給ラインが設けられる。圧力制御用弁310は複数個設けられることができる。この場合、複数個の圧力制御用弁310は並列に連結されることができる。すなわち、複数の供給ラインそれぞれに圧力制御用弁が設けられることができる。
図2では第1制御弁310a、第2制御弁310b、第3制御弁310c、第4制御弁310d、第5制御弁310eなど5個の圧力制御用弁310が設けられる場合を示すが、本実施形態における圧力制御用弁310は2個ないし4個設けられるか、6個以上設けられることも可能である。一方、圧力制御用弁310は単一個設けられることも可能である。
【0059】
圧力制御用弁310は供給配管153を開閉して初期に低流量/低圧で超臨界流体が工程チャンバ100に提供されるようにすることができ、その後に時間経過に伴い定められた増加量で超臨界流体が工程チャンバ100に提供されるようにすることができる。圧力制御用弁310が上記のように作動すると、基板Wの表面に打力によるダメージを与えない効果を得ることができる。
【0060】
圧力制御用弁310は複数個設けられる場合、初期低流量/低圧で超臨界流体を提供するために複数個の弁のうちの一部の弁のみ開放し、その後、時間経過に伴い開放される弁の個数を増加させることによって定められた増加量で超臨界流体を提供することができる。
【0061】
また、圧力制御用弁310は単一個設けられる場合、初期低流量/低圧で超臨界流体を提供するために弁の一部分のみ開放し、その後、時間経過に伴い開放される面を拡張させることによって定められた増加量で超臨界流体を提供することができる。圧力制御用弁310はこのような場合、弁の開放程度に対して微細制御が可能なMFC(Mass Flow Controller)として設けられることができる。
【0062】
以下では圧力制御用弁310が
図2に示すように第1制御弁310a、第2制御弁310b、第3制御弁310c、第4制御弁310d、第5制御弁310eなど5個310a,310b,310c,310d,310e設けられる場合を例にあげて説明する。
【0063】
5個の圧力制御用弁310a,310b,310c,310d,310eのうち第1制御弁310a、第2制御弁310bおよび第3制御弁310cは相対的に低圧を制御するために用いられ、第4制御弁310dおよび第5制御弁310eは相対的に高圧を制御するために用いられる。
【0064】
前記の例示では低圧を制御するためにより多くの個数の弁を使用したが、本実施形態はこれに限定されるものではなく、高圧を制御するためにより多くの個数の弁を使用するか、低圧を制御する場合と高圧を制御する場合にそれぞれ同一個数の弁を使用することも可能である。
【0065】
第1制御弁310a、第2制御弁310b、第3制御弁310c、第4制御弁310dおよび第5制御弁310eは調節可能な圧力の大きさが互いに異なってもよい。例えば、第2制御弁310bが第1制御弁310aよりも大きい圧力を制御することができ、第3制御弁310cが第2制御弁310bよりも大きい圧力を制御することができ、第4制御弁310dが第3制御弁310cよりも大きい圧力を制御することができ、第5制御弁310eが第4制御弁310dよりも大きい圧力を制御することができる。すなわち、第5制御弁310e、第4制御弁310d、第3制御弁310c、第2制御弁310bおよび第1制御弁310aの順に相対的により大きい圧力を制御することができる。
【0066】
しかし、本実施形態はこれに限定されるものではない。第1制御弁310a、第2制御弁310b、第3制御弁310c、第4制御弁310dおよび第5制御弁310eは調節可能な圧力の大きさが互いに同一であり得る。
【0067】
一方、前記の場合のように低圧制御用弁と高圧制御用弁がいずれも複数で設けられることができるが、低圧制御用弁のみ単数で設けられることも可能である。この場合、低圧制御用弁は先立って説明したMFCとして設けられることができる。
【0068】
工程チャンバ100については
図1を参照して既に説明した。そのため、ここではその詳しい説明を省略する。
【0069】
第2排気制御用弁320は工程チャンバ100内部の流体を外部に排出させるためのものである。このような第2排気制御用弁320は工程チャンバ100と連結される排気部材170上に設けられることができる。第2排気制御用弁320は排気部材170上に単一個設けられるが、複数個設けられることも可能である。
【0070】
図3は本発明の一実施形態による超臨界流体を用いた基板処理方法を順次に示す流れ図であり、
図4は工程チャンバ内の時間別の圧力分布度と
図3の基板処理方法を関連付けて説明するためのグラフである。
【0071】
前記で、
図3の基板処理方法は
図2の基板処理装置によって行われることができる。以下の説明は
図2ないし
図4を参照する。
【0072】
図4で、S410~S450は加圧段階であり、S451とS470の最初のステップが繰り返される区間は処理段階であり、S480は減圧段階である。
【0073】
先に、薬液が塗布された基板Wを工程チャンバ(Vessel;100)の内部で投入する。
【0074】
次に、加圧段階(S410~S450)を経て、工程チャンバ100の内部に超臨界流体(CO2)を供給する。加圧段階は連続する第1段階(S410)、第2段階(S420)、第3段階(S430)、第4段階(S440)および第5段階(S450)を含むことができる。
【0075】
具体的には、初期には、供給配管(すなわち、メイン供給ライン,153)を介して超臨界流体貯蔵部200から工程チャンバ100に第1流量で超臨界流体(CO2)を提供する(S410)。本実施形態では前記の場合、第1圧力または第1速度で超臨界流体を提供することも可能である。前記S410段階は3秒~20秒間行われることができる。
【0076】
前記の場合、複数個の圧力制御用弁310のうちの一部の圧力調節用弁のみ開放して低流量/低圧で超臨界流体(CO2)を供給することができる。また、単一個または少数個の圧力制御用弁310の開閉可能な面を一部開放して低流量/低圧で超臨界流体(CO2)を供給することも可能である。
【0077】
例えば、圧力制御用弁310が5個設けられる場合、第2制御弁310bないし第5制御弁310eを閉(Closed)に設定して第1制御弁310aのみ開(Opened)に設定して第1流量で超臨界流体を提供することができる。この場合、
図5に示すように、超臨界流体510は薬液520が塗布された基板W上に非常に遅い速度(第1速度)で移動して薬液520をセンターからエッジに(Center-to-Edge)押すことができる(CO
2 Very Slow Fill)。
図5は
図3に示す基板処理方法の各段階を説明するための第1例示図である。
【0078】
その後、時間経過に伴い第1流量を漸進的に増加させるか、第1圧力を漸進的に高めるか、または第1速度を漸進的に増加させて、超臨界流体貯蔵部200から工程チャンバ100に超臨界流体(CO2)を提供することができる(S420~S450)。
【0079】
本実施形態では時間経過に伴い開放される弁の個数を増加させるか、または弁内の開放される面積を拡張させることによって、第1流量を漸進的に増加させるか、第1圧力を漸進的に高めるか、または第1速度を漸進的に増加させることができる。例えば、流量/圧力/速度の増加は指数関数に従うことができる。
【0080】
前記の過程(S420~S450)を細分化して順次に説明すると、次のとおりである。
【0081】
先に、第1流量より多い第2流量で超臨界流体貯蔵部200から工程チャンバ100に超臨界流体を提供する(S420)。本実施形態では前記の場合、第1圧力より高い第2圧力で超臨界流体を提供することも可能であり、第1速度より速い第2速度で超臨界流体を提供することも可能である。前記S420段階は3秒~20秒間行われることができる。
【0082】
先立って説明したが、圧力制御用弁310が5個設けられる場合、第1制御弁310aないし第5制御弁310eは調節可能な圧力の大きさが互いに異なってもよく、これとは異なり、調節可能な圧力の大きさがすべて同一であってもよい。
【0083】
第1制御弁310aないし第5制御弁310eが互いに異なる圧力に調節される場合、例えば、第5制御弁310e、第4制御弁310d、第3制御弁310c、第2制御弁310bおよび第1制御弁310aの順に相対的により大きい圧力を制御する場合には、第1制御弁310a、第3制御弁310c、第4制御弁310dおよび第5制御弁310eを閉(Closed)に設定して第2制御弁310bのみ開(Opened)に設定して第2流量で超臨界流体を提供することができる。この場合、
図6に示すように、超臨界流体510は薬液520が塗布された基板W上に比較的遅い速度(第1速度より速い第2速度)で移動して薬液520をセンターからエッジに(Center-to-Edge)押すことができる(CO
2 Slow Fill)。
図6は
図3に示す基板処理方法の各段階を説明するための第2例示図である。
【0084】
一方、第1制御弁310aないし第5制御弁310eが同じ圧力に調節される場合は、第1制御弁310aに続けて第2制御弁310bを開に設定してその他残りの制御弁すなわち、第3制御弁310cないし第5制御弁310eを閉に設定して第2流量で超臨界流体を提供することができる。
【0085】
次に、第2流量より多い第3流量で超臨界流体貯蔵部200から工程チャンバ100に超臨界流体を提供する(S430)。本実施形態では前記の場合、第2圧力より高い第3圧力で超臨界流体を提供することも可能であり、第2速度より速い第3速度で超臨界流体を提供することも可能である。前記S430段階は3秒~20秒間行われることができる。
【0086】
前記で、第1制御弁310aないし第5制御弁310eが互いに異なる圧力に調節する場合、例えば、第5制御弁310e、第4制御弁310d、第3制御弁310c、第2制御弁310bおよび第1制御弁310aの順に相対的により大きい圧力を制御する場合には、第1制御弁310a、第2制御弁310b、第4制御弁310dおよび第5制御弁310eを閉(Closed)に設定して第3制御弁310cのみ開(Opened)に設定して第3流量で超臨界流体を提供することができる。この場合、
図7に示すように、超臨界流体510は薬液520が塗布された基板W上に普通速度(第2速度より速い第3速度)で移動して薬液520をセンターからエッジに(Center-to-Edge)押すことができる(CO
2 Normal Speed Fill)。
図7は
図3に示す基板処理方法の各段階を説明するための第3例示図である。
【0087】
一方、第1制御弁310aないし第5制御弁310eが同じ圧力に調節される場合は、第1制御弁310aおよび第2制御弁310bに続けて第3制御弁310cを開に設定してその他残りの制御弁すなわち、第4制御弁310dおよび第5制御弁310eを閉に設定して第3流量で超臨界流体を提供することができる。
【0088】
次に、第3流量より多い第4流量で超臨界流体貯蔵部200から工程チャンバ100に超臨界流体を提供する(S440)。本実施形態では前記の場合、第3圧力より高い第4圧力で超臨界流体を提供することも可能であり、第3速度より速い第4速度で超臨界流体を提供することも可能である。前記S440段階は3秒~20秒間行われることができる。
【0089】
前記で、第1制御弁310aないし第5制御弁310eが互いに異なる圧力に調節する場合、例えば、第5制御弁310e、第4制御弁310d、第3制御弁310c、第2制御弁310bおよび第1制御弁310aの順に相対的により大きい圧力を制御する場合には、第1制御弁310a、第2制御弁310b、第3制御弁310cおよび第5制御弁310eを閉(Closed)に設定して第4制御弁310dのみ開(Opened)に設定して第4流量で超臨界流体を提供することができる。この場合、
図8に示すように、超臨界流体510は薬液520が塗布された基板W上に比較的速い速度(第3速度より速い第4速度)で移動して薬液520をセンターからエッジに(Center-to-Edge)押すことができる(CO
2 Quick Fill)。
図8は
図3に示す基板処理方法の各段階を説明するための第4例示図である。
【0090】
一方、第1制御弁310aないし第5制御弁310eが同じ圧力に調節される場合は、第1制御弁310aないし第3制御弁310cに続けて第4制御弁310dを開に設定してその他残りの制御弁すなわち、第5制御弁310eを閉に設定して第4流量で超臨界流体を提供することができる。
【0091】
次に、第4流量より多い第5流量で超臨界流体貯蔵部200から工程チャンバ100に超臨界流体を提供する(S450)。本実施形態では前記の場合、第4圧力より高い第5圧力で超臨界流体を提供することも可能であり、第4速度より速い第5速度で超臨界流体を提供することも可能である。前記S450段階は3秒~20秒間行われることができる。
【0092】
前記で、第1制御弁310aないし第5制御弁310eが互いに異なる圧力に調節する場合、例えば、第5制御弁310e、第4制御弁310d、第3制御弁310c、第2制御弁310bおよび第1制御弁310aの順に相対的により大きい圧力を制御する場合には、第1制御弁310a、第2制御弁310b、第3制御弁310cおよび第4制御弁310dを閉(Closed)に設定して第5制御弁310eのみ開(Opened)に設定して第5流量で超臨界流体を提供することができる。この場合、
図9に示すように、超臨界流体510は薬液520が塗布された基板W上で非常に速い速度(第4速度より速い第5速度)で移動して薬液520をセンターからエッジに(Center-to-Edge)押すことができる(CO
2 Very Quick Fill)。
図9は
図3に示す基板処理方法の各段階を説明するための第5例示図である。
【0093】
一方、第1制御弁310aないし第5制御弁310eが同じ圧力に調節される場合には、第1制御弁310aないし第4制御弁310dに続けて第5制御弁310eも開に設定して第5流量で超臨界流体を提供することができる。
【0094】
前記S450段階では工程チャンバ100の内部が最高圧に到達することができる。したがって、本実施形態では排気部材170上に設けられている第2排気制御用弁320を開放させて、工程チャンバ100の内部にある超臨界流体の一部を外部に排出した後(S470)、S450段階を再び行い、このような過程をN回繰り返すことができる(S460)。前記N回は基板W上に残余する薬液520の量やヒューム(Fume)の残余量によって変わる。
【0095】
前記で、S450段階ないしS470段階は
図10に示すように薬液520が基板W上で除去されるまで繰り返されることができ、この場合、Nは1~32の自然数である。
図10は
図3に示す基板処理方法の各段階を説明するための第6例示図である。
【0096】
このようにS410段階ないしS470段階を経て超臨界流体を用いた基板Wの乾燥が終了すると、工程チャンバ100の内部が大気圧に到達するまで超臨界流体を外部に排出させる(S480)。
【0097】
その後、基板Wを乾燥させる工程(Process)を終了して、基板Wを工程チャンバ100内から搬出する(S490)。
【0098】
本発明は以上で説明した通り、超臨界乾燥のために工程チャンバ100内の基板(Wafer)上に超臨界流体を提供する場合、初期には低圧/低流量で提供し、後には段階別の圧力制御により定められた昇圧速度で提供することができる。すると、
図5ないし
図10を参照して説明したように一定増加量の超臨界流体によって基板W表面の現像液がセンターからエッジに(Center-to-Edge)一定に押されながら基板Wを乾燥させるので、
図15に示すように基板Wの表面で所定のパターン620が分散して凝集性クラスタ欠陥が発生しないように制御することができる。
図15は超臨界流体を供給して超臨界乾燥を行う場合の本発明の欠陥マップ(Defect Map)を示す図である。
【0099】
一方、本発明では配管内にシングルサプライベント(Single Supply Vent)またはマルチサプライベント(Multi Supply Vent)を追加して、一定の開始圧力を誘導し、初期5秒以内までは昇圧速度を最大に低くすることによって、乾燥工程が行われる工程チャンバ100内で現像液が急激に乾いたり、局部的に乾いて生じる欠陥発生を最小化することができる。以下ではそれについて説明する。
【0100】
図11は本発明の一実施形態による基板処理装置の内部構造を概略的に示す第2例示図である。
【0101】
図11によれば、基板処理装置300は超臨界流体貯蔵部200、圧力制御用弁310、工程チャンバ100、第2排気制御用弁320および第1排気制御用弁330を含んで構成されることができる。
【0102】
超臨界流体貯蔵部200、圧力制御用弁310、第2排気制御用弁320などについては
図2を参照して前述したため、ここではその詳しい説明は省略する。
【0103】
ここで、流体供給ユニットは、超臨界流体貯蔵部200、圧力制御用弁310などを含む。ベンティング(venting)ユニットは、第1排気制御用弁330などを含む。ベンティング(venting)ユニットは供給配管153と並列に連結された複数のベンティングラインを含む。複数のベンティングラインそれぞれに、圧力制御用弁330a,330b,330cが設けられることができる。
【0104】
第1排気制御用弁330は超臨界流体貯蔵部200から工程チャンバ100に移動する超臨界流体を外部に排出できるように提供されるものである。このような第1排気制御用弁330は超臨界流体貯蔵部200と工程チャンバ100を連結する供給配管153上に設けられることができる。具体的には、第1排気制御用弁330は圧力制御用弁310を通って工程チャンバ100に向かう供給配管153上に設けられることができる。
【0105】
第1排気制御用弁330は供給配管153上に単数個設けられることができる。しかし、本実施形態はこれに限定されるものではない。第1排気制御用弁330は供給配管153上に複数個設けられることも可能である。第1排気制御用弁330は例えば、
図12に示すように3個330a,330b,330c設けられることができる。第1排気制御用弁330が供給配管153上に複数個設けられる場合、複数個の第1排気制御用弁(例:330a,330b,330c)は並列連結されることができる。
図12は本発明の一実施形態による基板処理装置の内部構造を概略的に示す第3例示図である。
【0106】
第1排気制御用弁330は初期の開放された状態で提供されることができる。第1排気制御用弁330はその後超臨界流体の供給量に応じて少しずつ閉鎖された状態で提供されることができる。第1排気制御用弁330は複数個設けられる場合、時間経過に伴い順次に閉鎖された状態で提供されることもできる。
【0107】
第1排気制御用弁330が
図11に示すように供給配管153上に単数個設けられる場合、
図3の例示で第1流量で超臨界流体を提供する段階(S410)では開放された状態で提供されることができる(Supply Vent Opening)。第1排気制御用弁330は、その後第2流量で超臨界流体を提供する段階(S420)から閉鎖された状態で提供されることができる(Supply Vent Closed)。または、第1排気制御用弁330は第3流量で超臨界流体を提供する段階(S430)から閉鎖された状態で提供されることができる。または、第1排気制御用弁330は第4流量で超臨界流体を提供する段階(S440)から閉鎖された状態で提供されることができる。または、第1排気制御用弁330は第5流量で超臨界流体を提供する段階(S450)から閉鎖された状態で提供されることができる。
【0108】
第1排気制御用弁330が供給配管153上に複数個設けられる場合、例えば
図12に示すように3個330a,330b,330c設けられる場合、
図3の例示で第1流量で超臨界流体を提供する段階(S410)では3個の弁330a,330b,330cがすべて開放された状態で提供されることができる(Supply Vent All Opened)。その後、第2流量で超臨界流体を提供する段階(S420)では3個の弁330a,330b,330cのうち1個の弁330cが閉鎖されて2個の弁330a,330bが開放された状態を維持することができる(Supply Vent Partly Closed)。その後、第3流量で超臨界流体を提供する段階(S430)で3個の弁330a,330b,330cのうち2個の弁330b,330cが閉鎖されて1個の弁330aが開放された状態を維持することができ(Supply Vent Partly Closed)、その後、第4流量で超臨界流体を提供する段階(S440)では3個の弁330a,330b,330cがすべて閉鎖されることができる(Supply Vent All Closed)。
【0109】
または、第2流量で超臨界流体を提供する段階(S420)で3個の弁330a,330b,330cのうち1個の弁330cが閉鎖されて2個の弁330a,330bが開放された状態を維持して、第4流量で超臨界流体を提供する段階(S440)で3個の弁330a,330b,330cのうち2個の弁330b,330cが閉鎖されて1個の弁330aが開放された状態を維持し、その後、第5流量で超臨界流体を提供する段階(S450)で3個の弁330a,330b,330cがすべて閉鎖されることもできる。
【0110】
または、第3流量で超臨界流体を提供する段階(S430)で3個の弁330a,330b,330cのうち1個の弁330cが閉鎖されて2個の弁330a,330bが開放された状態を維持し、第4流量で超臨界流体を提供する段階(S440)で3個の弁330a,330b,330cのうち2個の弁330b,330cが閉鎖されて1個の弁330aが開放された状態を維持し、その後、第5流量で超臨界流体を提供する段階(S450)で3個の弁330a,330b,330cがすべて閉鎖されることもできる。
【0111】
一方、本実施形態では基板W上の薬液520の厚さに応じてマルチレベルサプライベント(Multi Level Supply Vent)を制御することもできる。以下では第1排気制御用弁330が3個330a,330b,330c設けられる場合を例にあげて説明する。
【0112】
【0113】
薬液520の厚さが厚い場合、短時間で基板Wの乾燥を完了ためには超臨界流体の供給量を増やさなければならない。反面、薬液520の厚さが薄い場合には、相対的に超臨界流体の供給量を減らしても短時間で基板Wの乾燥を完了することが可能になる。
【0114】
本実施形態ではこのような側面を参酌して、薬液520の厚さがt1の場合には、第2流量で超臨界流体を提供する段階(S420)で3個の弁330a,330b,330cをすべて閉鎖することができる(
図16Aおよび
図17の図面符号1を参照)。
【0115】
反面、薬液520の厚さがt2(<t1)の場合には、第2流量で超臨界流体を提供する段階(S420)で3個の弁330a,330b,330cのうち2個の弁330a,330bのみ閉鎖して1個の弁330cは開放された状態を維持することができる(
図16Bおよび
図17の図面符号2を参照)。
【0116】
一方、薬液520の厚さがt3(<t2<t1)の場合には、第2流量で超臨界流体を提供する段階(S420)で3個の弁330a,330b,330cのうち1個の弁330aのみ閉鎖して2個の弁330b,330cは開放された状態を維持することができる(
図16Cおよび
図17の図面符号3を参照)。
【0117】
前記では第2流量で超臨界流体を提供する段階(S420)での3個の弁330a,330b,330cを制御する方法について説明したが、前記のマルチ弁制御方法は第3流量で超臨界流体を提供する段階(S430)に適用することもでき、第4流量で超臨界流体を提供する段階(S440)に適用することも可能である。
【0118】
本実施形態で基板処理装置300は
図4に示すように初期サプライベントオープン(Supply Vent Open)状態で超臨界流体貯蔵部200がターンオン(Turn On)されると、既存の昇圧速度を最大に下げることができ(すなわち、昇圧速度が対数関数やリニア(Linear)関数でない、指数関数に従うことができ)、初期の低圧をMulti Level Fill(すなわち、複数個の圧力制御用弁310)により安定したCO
2の注入が可能である。
【0119】
一方、比較対象設備でCO
2流体が工程チャンバ100に流入するとき、初期の高い昇圧速度で
図14に示すように基板W上の一部領域で凝集性欠陥610が発生し、特に速度が速くて現像液を押し出す領域によって制限的に同心円形状の欠陥610が誘発されることが確認された。
図14は超臨界流体を供給して超臨界乾燥を行う場合の従来の欠陥マップ(Defect Map)を示す図である。
【0120】
Fill Timeを制御して凝集性欠陥を改善しようとする場合、現像液が乾燥される領域のみ変わり、依然として同心円形状の凝集性欠陥が残るが、本発明による基板処理装置300では初期昇圧速度を制御してこのような問題を解決することができる。
【0121】
すなわち、
図5ないし
図10に示すように初期低圧でCO
2が工程チャンバ100の内部に流入して現像液のぬれ(Wetting)は維持された状態で押されるが、段階的に昇圧区間を細分化しながら工程を行うと
図15に示すように既存の示されていた凝集性欠陥が改善されることを確認することができる。
【0122】
したがって、本発明ではサプライベントに配管内の最初のCO2の供給時、圧力オーバーシュート(Over Shooting)によるハンチング(Hunting)除去および安定した供給が可能になり、工程チャンバ100の内部に供給するCO2も低い昇圧速度で供給されるように誘導することができる。
【0123】
一方、基板処理装置300は超臨界流体貯蔵部200、圧力制御用弁310、工程チャンバ100、第2排気制御用弁320および第1排気制御用弁330の他に第1圧力測定モジュール340、温度測定モジュール350、ヒータ360、開閉制御用弁370および第2圧力測定モジュール380をさらに含んで構成されることができる。
【0124】
図13は本発明の一実施形態による基板処理装置の内部構造を概略的に示す第4例示図である。
【0125】
第1圧力測定モジュール340は供給配管153を通過する超臨界流体の圧力を測定するものである。このような第1圧力測定モジュール340は圧力制御用弁310を通過した超臨界流体の圧力を測定して超臨界流体が初期に工程チャンバ100に低流量/低圧で提供されているかどうかを確認するために活用することができる。
【0126】
第1圧力測定モジュール340は超臨界流体貯蔵部200と工程チャンバ100を連結する供給配管153上に設けられることができる。具体的には、第1圧力測定モジュール340は圧力制御用弁310と第1排気制御用弁330の間に設けられることができる。第1圧力測定モジュール340は圧力センサ(Pressure Sensor)を含んで構成されることができる。
【0127】
温度測定モジュール350は供給配管153を通過する超臨界流体の温度を測定するものである。このような温度測定モジュール350は超臨界流体貯蔵部200と工程チャンバ100を連結する供給配管153上に設けられ、具体的には圧力制御用弁310と第1排気制御用弁330の間に設けられることができる。温度測定モジュール350は温度センサ(Temperature Sensor)を含んで構成されることができる。
【0128】
ヒータ360は供給配管153を通過する超臨界流体を加熱するものである。このようなヒータ360は温度測定モジュール350の後に配置され、温度測定モジュール350の測定結果に応じて超臨界流体を加熱することができる。
【0129】
開閉制御用弁370は上部流体供給部151と下部流体供給部152に供給される超臨界流体の流量を調節するように提供されることができる。開閉制御用弁370はこのために超臨界流体貯蔵部200と工程チャンバ100を連結する供給配管153上に設けられ、具体的にはヒータ360の後に設けられることができる。
【0130】
第2圧力測定モジュール380は供給配管153を通過する超臨界流体の圧力を測定するものである。このような第2圧力測定モジュール380は第1排気制御用弁330を通過した超臨界流体の圧力を測定して超臨界流体が初期に工程チャンバ100に低流量/低圧で提供されているかどうかを確認するために活用することができる。第2圧力測定モジュール380は圧力センサを含んで構成されることができる。
【0131】
一方、開閉制御用弁370および第2圧力測定モジュール380は基板処理装置300内に備えられなくてもよい。
【0132】
本発明は、以上
図1ないし
図17を参照して説明した通り、超臨界流体(CO
2)の供給圧力制御を応用した超臨界現像装置装備に関するものである。本発明は半導体製造工程のうちフォト(Photo)工程、具体的には現像工程以後の洗浄工程として行われ得る超臨界乾燥工程に適用することができる。本発明によれば、超臨界高圧CO
2の流速および昇圧速度をサプライ(Supply)ステージのベンティングシステム(Venting System)構成により分散することによって、工程チャンバ100内の流入流速および圧力を制御してDefect制御に効果的に対応することができる。
【0133】
比較対象設備ではCO
2超臨界到達圧力までセットリザーバ(Set Reservoir)圧力とシングルレベル制御装置で調節する。したがって、所望する時間帯に所望する昇圧速度の実現が難しい。本発明では
図3および
図4を参照して説明した工程フローチャートを実現することができ、複数個の圧力制御用弁310によるMulti Level Fillおよび第1排気制御用弁330によるSupply Ventにより初期昇圧速度を多段に実現することができ、初期のCO
2 Slow FillはWetting現像液が急激に乾くことを防ぐことができるため欠陥改善に大きな助けとなる。前記で、第1排気制御用弁330によるSupply Ventは、単一個の第1排気制御用弁330によるSingle Supply Ventおよび複数個の第1排気制御用弁330によるMulti Supply Ventがすべて可能である。
【0134】
また、本発明は構造的には工程チャンバ100に行く前のサプライベント区間を作って工程チャンバ100の内部に入る直前に調節できるという長所を有しており、該当昇圧カーブを実現するための流量制御システムについては低圧から高圧(CO2超臨界の実現)まですべての領域を安定的に制御できる技術が現在はないので、提案する工程/設備方式で該当工程の欠陥問題を解決することができる。
【0135】
本発明の一つまたはそれ以上の実施形態によれば、基板処理装置300は少なくとも一つのプロセッサとメモリ保存コンピュータインストラクション(Memory storing computer instructions)を含むことができる。コンピュータインストラクションは前記プロセッサによって実行される場合、前記プロセッサがそれらの機能を遂行するように基板処理装置300の任意の数のコンポーネントを制御するように構成されることができる。例えば、コンピュータインストラクションは前記プロセッサが基板処理方法の一つまたはそれ以上の段階を行うように構成されることができる。または、コンピュータインストラクションは前記プロセッサが基板処理装置300に含まれる構成要素を制御するように構成されることができる。一方、前記プロセッサは制御の役割のために基板処理装置300に含まれるそれぞれの構成要素と有線または無線で連結されることができる。
【0136】
以上、添付する図面を参照して本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態で製造することができ、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者は本発明の技術的思想はや必須の特徴を変更せず、他の具体的な形態で実施できることを理解することができる。したがって、上記一実施形態はすべての面で例示的なものであり、限定的なものではないと理解しなければならない。
【符号の説明】
【0137】
100 工程チャンバ
110 ハウジング
120 昇降ユニット
130 支持ユニット
140 加熱部材
150 流体供給ユニット
151 上部流体供給部
152 下部流体供給部
153 供給配管
160 遮断部材
170 排気部材
200 超臨界流体貯蔵部
300 基板処理装置
310 圧力制御用弁
310a 第1制御弁
310b 第2制御弁
310c 第3制御弁
310d 第4制御弁
310e 第5制御弁
320 第2排気制御用弁
330 第1排気制御用弁
340 第1圧力測定モジュール
350 温度測定モジュール
360 ヒータ
370 開閉制御用弁
380 第2圧力測定モジュール
510 超臨界流体
520 薬液