(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023064779
(43)【公開日】2023-05-12
(54)【発明の名称】プラグ
(51)【国際特許分類】
H01R 13/04 20060101AFI20230502BHJP
H01R 24/28 20110101ALI20230502BHJP
【FI】
H01R13/04 A
H01R24/28
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021175107
(22)【出願日】2021-10-27
(71)【出願人】
【識別番号】509162850
【氏名又は名称】日幸カールコード株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】518372084
【氏名又は名称】木田 真澄
(74)【代理人】
【識別番号】110001461
【氏名又は名称】弁理士法人きさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】篠▲崎▼ 正勝
(72)【発明者】
【氏名】坂本 隆行
(72)【発明者】
【氏名】木田 真澄
【テーマコード(参考)】
5E223
【Fターム(参考)】
5E223AC35
5E223BA06
5E223BA15
5E223BB14
5E223CB21
5E223CB26
5E223CB45
5E223CC07
5E223CC09
5E223EA29
5E223GA06
5E223GA14
5E223GA18
5E223GA26
5E223GA34
(57)【要約】
【課題】太さの異なるケーブルを装着可能なプラグを得る。
【解決手段】芯線および芯線とは異なる導線を有するケーブルと接続されるプラグであって、芯線と電気的に接続されるピン状端子を有する第1の電極と、絶縁部材を介して第1の電極と絶縁された円筒状の第2の電極と、第2の電極と接続され、ケーブルが挿入されるハウジング部と、ケーブルが挿入され、ケーブルの直径に応じて脱着可能な円筒状のケーブル変換用パイプと、を有し、ケーブル変換用パイプは、取り付けられた状態において、ケーブルを介してピン状端子の側面を覆う構成である。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
芯線および前記芯線とは異なる導線を有するケーブルと接続されるプラグであって、
前記芯線と電気的に接続されるピン状端子を有する第1の電極と、
絶縁部材を介して前記第1の電極と絶縁された円筒状の第2の電極と、
前記第2の電極と接続され、前記ケーブルが挿入されるハウジング部と、
前記ケーブルが挿入され、前記ケーブルの直径に応じて脱着可能な円筒状のケーブル変換用パイプと、を有し、
前記ケーブル変換用パイプは、取り付けられた状態において、前記ケーブルを介して前記ピン状端子の側面を覆う構成である、
プラグ。
【請求項2】
前記ピン状端子は、前記第2の電極内に配置され、
前記ケーブル変換用パイプが前記取り付けられた状態は、前記ケーブル変換用パイプが前記第2の電極内に装着された状態であり、
前記第2の電極内に装着された前記ケーブル変換用パイプは、前記第2の電極に沿って延在する構成である、
請求項1に記載のプラグ。
【請求項3】
前記ハウジング部において、前記導線と前記ハウジング部とを電気的に接続するビスが挿入されるビス穴が設けられ、
前記第2の電極内に装着された前記ケーブル変換用パイプは、前記ケーブル変換用パイプの前記ハウジング部側である後端が前記ビス穴の端部に位置する構成である、
請求項2に記載のプラグ。
【請求項4】
前記絶縁部材の前記ハウジング部側である後端に、前記絶縁部材と前記第2の電極の内周面との間に隙間が設けられ、
前記第2の電極内に装着された前記ケーブル変換用パイプは、前記ケーブル変換用パイプの前記ハウジング部側とは反対方向の先端が前記隙間に挿入される構成である、
請求項2または3に記載のプラグ。
【請求項5】
前記ピン状端子は、前記ハウジング部内に配置され、
前記ケーブル変換用パイプが前記取り付けられた状態は、前記ケーブル変換用パイプが前記ハウジング部内に装着された状態であり、
前記ハウジング部内に装着された前記ケーブル変換用パイプは、前記ハウジング部に沿って延在する構成である、
請求項1に記載のプラグ。
【請求項6】
前記ハウジング部において、前記導線と前記ハウジング部とを電気的に接続するビスが挿入されるビス穴と、前記ケーブルが挿入される挿入口とが設けられ、
前記ケーブル変換用パイプは、円筒状部材の一部が欠けた形状であり、
前記ハウジング部内に装着された前記ケーブル変換用パイプは、
前記ハウジング部の内部において前記挿入口とは反対方向である先端から前記ビス穴の端部まで延在する円筒部と、
前記円筒部の端部から前記挿入口まで前記ケーブルを支持する受皿部と、
前記円筒状部材において前記ビス穴に対応する位置から前記挿入口まで欠落した部分であるビス留用開放部と、を有する、
請求項5に記載のプラグ。
【請求項7】
前記ハウジング部に前記ビス穴が2つ設けられ、
前記ハウジング部内に装着された前記ケーブル変換用パイプを前記挿入口側から見たとき、前記受皿部は前記円筒状部材の円周の半分が欠けた形状である、
請求項6に記載のプラグ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器にケーブルを接続するためのプラグに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のプラグとして、例えば、単一の導線およびグランド編線を有する同軸ケーブルが接続される電気コネクタが開示されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に開示された電気コネクタは、同軸ケーブルが装着されるベース部と、導線と接続されるプローブ部と、絶縁性リングを介してプローブ部を支持するハウジングとを有する。この電気コネクタのベース部の内部には、電気コネクタの長手方向に平行に開口が形成され、開口に同軸ケーブルが挿入される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された電気コネクタは、太さの異なるケーブルに対応してベース部の開口の直径が異なる電気コネクタを準備する必要があるという問題点があった。
【0005】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、太さの異なるケーブルを装着可能なプラグを得るものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るプラグは、芯線および前記芯線とは異なる導線を有するケーブルと接続されるプラグであって、前記芯線と電気的に接続されるピン状端子を有する第1の電極と、絶縁部材を介して前記第1の電極と絶縁された円筒状の第2の電極と、前記第2の電極と接続され、前記ケーブルが挿入されるハウジング部と、前記ケーブルが挿入され、前記ケーブルの直径に応じて脱着可能な円筒状のケーブル変換用パイプと、を有し、前記ケーブル変換用パイプは、取り付けられた状態において、前記ケーブルを介して前記ピン状端子の側面を覆う構成である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、脱着可能な円筒状のケーブル変換用パイプを有しているので、太さの異なるケーブルをプラグに装着することができる。そのため、ケーブルの太さに対応して異なるプラグを準備する必要がない。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施の形態1に係るプラグの一構成例を示す外観図である。
【
図2】
図1に示したプラグの一構成例を示す断面模式図である。
【
図3】
図2に示すケーブル変換用パイプ7の一構成例を示す図である。
【
図4】
図2に示したプラグからケーブル変換用パイプを取り外した状態を示す断面模式図である。
【
図5】
図2に示したプラグにおいて、破線の円で囲まれた部分の拡大図である。
【
図6】実施の形態1に係るプラグに取り付けるケーブルの一構成例を示す外観模式図である。
【
図7】
図2に示したプラグにケーブルを装着する手順の一例を示す模式図である。
【
図8】
図2に示したプラグにケーブルを装着する手順の一例を示す模式図である。
【
図9】
図2に示したプラグにケーブルを装着する手順の一例を示す模式図である。
【
図10】実施の形態1に係るプラグの別の構成例を示す断面模式図である。
【
図11】実施の形態2に係るプラグの一構成例を示す外観図である。
【
図12】
図11に示したプラグの一構成例を示す断面模式図である。
【
図14】
図12に示したプラグからケーブル変換用パイプを取り外した状態を示す断面模式図である。
【
図15】
図12に示したケーブル変換用パイプの一構成例を示す図である。
【
図16】
図12に示したケーブル変換用パイプの別の構成例を示す図である。
【
図17】
図12に示したケーブル変換用パイプの別の構成例を示す図である。
【
図18】実施の形態2に係るプラグの別の構成例を示す外観図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に説明する実施の形態においては、はんだ付けをせずに電極と配線とを電気的に接続することができるプラグの場合で説明する。実施の形態の説明の便宜上、図面の一部に、方向を定義する3つの軸(X軸、Y軸およびZ軸)の矢印を表示している。
【0010】
実施の形態1.
本実施の形態1のプラグの構成を説明する。
図1は、実施の形態1に係るプラグの一構成例を示す外観図である。
図2は、
図1に示したプラグの一構成例を示す断面模式図である。
【0011】
プラグ1は、ケーブル(図示せず)の芯線と電気的に接続される第1の電極2と、ケーブル(図示せず)の芯線とは異なる導線と電気的に接続される第2の電極3と、第2の電極3と接続されるハウジング部4と、ハウジング部4の一部を覆うキャップ5とを有する。第1の電極2と第2の電極3との間に絶縁部材6が設けられている。第1の電極2、第2の電極3、ハウジング部4およびキャップ5の材料は、導電性のある金属である。絶縁部材6の材料は、例えば、樹脂である。
図1に示すプラグ1は、例えば、第2の電極3の直径が6.3mmのプラグである。
図1に示すプラグ1において、X軸矢印の反対方向を先端側と称し、X軸矢印方向を後端側と称する。
【0012】
図2に示すように、第1の電極2は、先端側のチップ2aと、ケーブル(図示せず)の芯線と接続されるピン状端子2bと、チップ2aおよびピン状端子2bを電気的および構造的に接続するロッド部2cとを有する。ハウジング部4には、ビス8が挿入されるビス穴21が設けられている。ハウジング部4には、ケーブル(図示せず)が挿入される挿入口51が設けられている。
図2に示すプラグは、ケーブル(図示せず)がL字状に接続されるため、L字状タイプのプラグである。キャップ5には、ビス8が挿入されるビス穴22が設けられている。ビス8は、導電性材料で構成される。
【0013】
また、
図2に示すように、プラグ1はケーブル変換用パイプ7を有する。ケーブル変換用パイプ7は、第2の電極3に沿って延在している。
図3は、
図2に示すケーブル変換用パイプ7の一構成例を示す図である。
図3(a)はケーブル変換用パイプ7を側面から見た図である。
図3(b)はケーブル変換用パイプ7を後側から見た図である。
図3に示すように、ケーブル変換用パイプ7は円筒状である。
図2および
図3(b)に示すように、ケーブル変換用パイプ7の内径をd1とする。
図3(b)に示すように、ケーブル変換用パイプ7の外径をd2とする。ケーブル変換用パイプ7の材質は、導電体であっても、絶縁体であってもよい。
【0014】
図2に示すように、ケーブル変換用パイプ7は、後端がビス穴21の端部に位置している。そのため、
図2に示すように、ビス8が装着されると、ケーブル変換用パイプ7がビス8によって後方(X軸矢印方向)に移動することが防止される。
【0015】
図4は、
図2に示したプラグからケーブル変換用パイプを取り外した状態を示す断面模式図である。
図2および
図4に示すように、ケーブル変換用パイプ7は脱着可能な構成である。
図4に示すように、第2の電極3の内部の直径はケーブル変換用パイプ7の外径d2と同等である。
【0016】
図5は、
図2に示したプラグにおいて、破線の円で囲まれた部分の拡大図である。
図5に示すように、絶縁部材6の後端に、絶縁部材6と第2の電極3の内周面との間に隙間41が設けられている。
図2に示したように、ケーブル変換用パイプ7が第2の電極3内に装着された状態において、
図5に示すように、ケーブル変換用パイプ7の先端が隙間41に挿入される。そのため、ケーブル変換用パイプ7の先端側が絶縁部材6と第2の電極3の内周面とによって固定され、ケーブル変換用パイプ7がぐらつくことが防止される。
【0017】
次に、本実施の形態1のプラグ1に用いられるケーブルの一構成例を説明する。
図6は、実施の形態1に係るプラグに取り付けるケーブルの一構成例を示す外観模式図である。
【0018】
図6に示すように、ケーブル30は、芯線31と、芯線31とは異なる導線33とを有する。芯線31は、細い単線が複数撚り合わされた構成である。ケーブル30は、撚り線ケーブルと称される。芯線31は絶縁体32で覆われている。絶縁体32の外周には導線33が網状に設けられている。導線33は保護皮膜34で覆われている。芯線31および導線33の材料は、例えば、銅である。絶縁体32の材料は、例えば、ポリエチレンである。保護皮膜34の材料は、例えば、ビニールである。ケーブル30の直径をdkとする。
【0019】
ケーブル30の直径dkが、dk≒d2である場合、
図2示したプラグ1からケーブル変換用パイプ7を取り外して、
図4に示したプラグ1にケーブル30を挿入すればよい。一方、ケーブル30の直径dkが、dk≒d1である場合、
図4に示したプラグ1にケーブル変換用パイプ7を取り付けて、
図2に示したプラグ1にケーブル30を挿入すればよい。このようにして、直径の異なるケーブル30をプラグ1に挿入することができる。
【0020】
なお、
図6に示すケーブル30は、内部構造を説明するために、芯線31、絶縁体32、導線33および保護皮膜34の各断面の位置が一致していないが、プラグ1に装着される場合、各断面が同一平面にある構成である。
【0021】
次に、ケーブル30の直径dkがdk≒d1の場合について、
図2に示したプラグ1にケーブル30を装着する方法について説明する。
図7~
図9は、
図2に示したプラグにケーブルを装着する手順の一例を示す模式図である。
【0022】
ユーザは、はじめに、
図2に示したプラグ1において、
図7に示すように、ビス8およびキャップ5を外した状態にしておく。ユーザは、
図6に示したケーブル30を、ハウジング部4の後端からチップ2aの先端方向(X軸矢印の反対方向)に挿入する。
図8に示すように、ケーブル30の先端はケーブル変換用パイプ7の内部を通って絶縁部材6に接触して止まる。その際、芯線31がピン状端子2bにまとわりつくように接触する。これにより、芯線31がピン状端子2bと電気的に接続されることで、芯線31と第1の電極2とが電気的に接続される。
【0023】
続いて、ユーザは、ハウジング部4の後端側でケーブル30を直角に曲げて、ケーブル30のハウジング部4からはみ出した部分がZ軸矢印の反対方向に延びるようにする。さらに、ユーザは、ハウジング部4の後端側からハウジング部4にキャップ5を被せる。その後、ユーザは、ビス穴22にビス8を装着してビス8をドライバで回転させて、ビス8をビス穴21および22に留める。その際、ユーザは、ビス8がケーブル30の保護皮膜34を貫通して導線33に到達するまでビス8を押し込む。これにより、導線33とハウジング部4とがビス8を介して電気的に接続され、導線33と第2の電極3とが電気的に接続される。
【0024】
図9は、
図2に示したプラグに
図6に示したケーブルを装着した状態を示す断面模式図である。
図9においては、電極と端子との電気的接続構成をわかりやすくするために、ケーブル30の先端側を切り欠いて、ケーブル30の断面構造を模式的に示している。芯線31は複数の撚り線がからみつくようにピン状端子2bと接触している。ビス8は保護皮膜34を貫通して導線33と接触している。
【0025】
このようにして、プラグ1にケーブル30が装着されると、ピン状端子2bの側面がケーブル変換用パイプ7によってケーブル30を介して覆われる。そのため、ピン状端子2bの側面に外部から均等に支持する力がかかる。その結果、ピン状端子2bは、折り曲げられる力を受けることが抑制され、耐久性が向上する。
【0026】
例えば、ケーブル変換用パイプが第2の電極3の後側に取り付けられていても、ケーブル変換用パイプがピン状端子2bの側面に到達していない場合を考える。この場合、ピン状端子2bの側面に相当する位置において、第2の電極3とケーブル30の保護皮膜34との間に隙間が生じるため、ピン状端子2bの周囲においてケーブル30が不安定になる。そして、ユーザがプラグを電子機器のコネクタに抜き挿しする度に、ピン状端子2bの周囲でケーブル30がぐらつき、ピン状端子2bは折り曲げられる力を受ける。その結果、耐用年数を経過する前に、ピン状端子2bの強度が劣化し、ピン状端子2bが折れてしまうおそれがある。
【0027】
なお、本実施の形態1においては、プラグ1がL字状タイプの場合で説明したが、L字状タイプに限らない。
図10は、実施の形態1に係るプラグの別の構成例を示す断面模式図である。
図10に示すように、キャップ5aの後側に挿入口51が設けられている。
図10に示すプラグ1は直線状タイプのプラグとなる。キャップ5またはキャップ5aを選択することで、1つのプラグ1をL字状タイプまたは直線状タイプに切り替えることができる。
【0028】
本実施の形態1のプラグ1は、芯線31および導線33を有するケーブル30と接続されるプラグであって、第1の電極2と、第2の電極3と、ハウジング部4と、ケーブル変換用パイプ7とを有する。第1の電極2は、芯線31と電気的に接続されるピン状端子2bを有する。第2の電極3は、絶縁部材6を介して第1の電極2と絶縁された円筒状の構成を有する。ハウジング部4は、第2の電極3と接続され、ケーブル30が挿入される。ケーブル変換用パイプ7は、ケーブル30が挿入され、ケーブル30の直径に応じて脱着可能な円筒状の構成である。ケーブル変換用パイプ7は、第2の電極3に取り付けられた状態において、ケーブル30を介してピン状端子2bの側面を覆う構成である。
【0029】
本実施の形態1によれば、第2の電極3に脱着可能な円筒状のケーブル変換用パイプ7を有しているので、太さの異なるケーブル30をプラグ1に装着することができる。そのため、ケーブル30の太さに対応して異なるプラグを準備する必要がない。また、第2の電極3に装着されたケーブル変換用パイプ7がケーブル30を介してピン状端子2bの側面を覆う構成なので、ピン状端子2bの側面に外部から均等に支持する力がかかる。その結果、ピン状端子2bは、折り曲げられる力を受けることが抑制され、耐久性が向上する。
【0030】
実施の形態2.
本実施の形態2のプラグの構成を説明する。本実施の形態2においては、
図6を参照して説明したケーブル30を使用する場合で説明する。
図11は、実施の形態2に係るプラグの一構成例を示す外観図である。
図12は、
図11に示したプラグの一構成例を示す断面模式図である。
【0031】
プラグ1aは、
図6に示したケーブル30の芯線31と電気的に接続される第1の電極12と、ケーブル30の導線33と電気的に接続される第2の電極13と、第2の電極13と接続されるハウジング部14とを有する。第1の電極12と第2の電極13との間に絶縁部材16が設けられている。円筒状のハウジング部14には、ビス穴23aおよび23bがハウジング部14の円周方向に沿って設けられている。ビス穴23aにはビス18aが留められている。ビス穴23bにはビス18bが留められている。第1の電極12、第2の電極13およびハウジング部14は、導電性のある金属である。絶縁部材16の材料は、例えば、樹脂である。
図11に示すプラグ1は、例えば、第2の電極13の直径が6.3mmのプラグである。ビス18aおよび18bは、導電性材料で構成される。
【0032】
図12に示すように、第1の電極12は、先端側のチップ12aと、ケーブル30の芯線31と接続されるピン状端子12bと、チップ12aおよびピン状端子12bを電気的および構造的に接続するロッド部12cとを有する。ハウジング部14は、X軸矢印方向の延びた円筒状である。ハウジング部14には、ケーブル30が挿入される挿入口53が設けられている。
図11および
図12に示すプラグ1aは、ケーブル30が直線状に接続されるため、直線状タイプのプラグである。
【0033】
ハウジング部14は、
図11を参照して説明したように、円筒状である。ケーブル変換用パイプ17は、円筒状部材の一部が欠けた形状である。
図12に示すように、ケーブル変換用パイプ7の内径をd3とする。
図11および
図12に示すプラグ1aについて、X軸矢印の反対側を先端側と称し、X軸矢印側を後端側と称する。
図12に示すハウジング部14の内部において、挿入口53とは反対方向の端部を先端と称し、挿入口53を後端と称する。また、ケーブル変換用パイプ17について、X軸矢印の反対方向の端部を先端と称し、X軸矢印方向の端部を後端と称する。
【0034】
図13は、
図11に示したプラグを後側から見た図である。
図13に示すように、V字状にビス18aおよび18bがハウジング部14に留められている。
図11に示したプラグ1aの後方から見たケーブル変換用パイプ17は、ビス18aおよび18bに接触しないように、半分の円周の形状である。
【0035】
図14は、
図12に示したプラグからケーブル変換用パイプを取り外した状態を示す断面模式図である。
図12および
図14に示すように、ケーブル変換用パイプ17は脱着可能な構成である。
図14に示すように、ハウジング部14の内部の直径をd4とする。直径d4は
図12に示したケーブル変換用パイプ17の外径と同等の長さである。
【0036】
図15は、
図12に示したケーブル変換用パイプの一構成例を示す図である。
図15(a)はケーブル変換用パイプ17の外観斜視図であり、
図15(b)はケーブル変換用パイプ17を後側から見た図である。ケーブル変換用パイプ17は、円筒部60と、ビス留用開放部42と、受皿部62とを有する。
【0037】
図11、
図12および
図15を参照すると、円筒部60は、ハウジング部14の内部の先端からビス穴23aおよび23bの端部まで延在している。受皿部62は、円筒部60の端部から挿入口53まで、ケーブル変換用パイプ17に挿入されるケーブル(図示せず)を支持する構成である。ビス留用開放部42は、円筒状部材においてビス穴23aおよび23bに相当する位置から挿入口53まで欠落した形状である。
【0038】
図15(b)に示すように、ケーブル変換用パイプ17を
図12に示した挿入口53側から見たとき、受皿部62は円筒部60の円周の半分が欠けた形状である。
【0039】
図16は、
図12に示したケーブル変換用パイプの別の構成例を示す図である。
図16(a)はケーブル変換用パイプ17aの外観斜視図であり、
図16(b)はケーブル変換用パイプ17aを後側から見た図である。ケーブル変換用パイプ17aは、円筒部60と、補助部61と、ビス留用開放部43aおよび43bと、受皿部63とを有する。
【0040】
図11、
図12および
図16を参照して説明すると、円筒部60は、ハウジング部14の内部の先端からビス穴23aおよび23bの端部まで延在している。受皿部63は、円筒部60の端部から挿入口53まで、ケーブル変換用パイプ17aに挿入されるケーブル(図示せず)を支持する構成である。ビス留用開放部43aは、円筒状部材においてビス穴23aに対応する位置から挿入口53まで欠落した形状である。ビス留用開放部43bは、円筒状部材においてビス穴23bに対応する位置から挿入口53まで欠落した形状である。補助部61は、ビス留用開放部43aとビス留用開放部43bとに挟まれた位置に形成され、円筒部60の端部から挿入口53まで、ケーブル変換用パイプ17aに挿入されるケーブル(図示せず)を支持する。
図16に示す中心角θ1は、円筒状部材の円の中心と、ビス穴23aおよびビス穴23bを含む円周上の弧の両端とによって形成される角度である。中心角θ1は、
図11に示したビス穴23aおよび23bの位置および大きさによって決まるが、例えば、120°である。
【0041】
ここで、
図15と
図16とを比較すると、ケーブル変換用パイプ17および17aは、どちらもビスが2本の場合に使用されるものである。
図16に示すケーブル変換用パイプ17aの場合、ケーブル30がプラグ1に装着された後、補助部61によってケーブル30の支持力が増すという効果が得られる。一方、ユーザが受皿部63に沿ってケーブル30をケーブル変換用パイプ17aに挿入する際、ケーブル30の上端が補助部61に引っかかってしまうことがある。そのため、ユーザは、ケーブル30が補助部61に引っかからないように慎重に挿入する必要がある。
【0042】
これに対して、
図15に示すケーブル変換用パイプ17の場合、
図16に示した補助部61が設けられていないので、ユーザは、ケーブル30をケーブル変換用パイプ17に挿入する際、ケーブル30をスムーズに挿入することができる。このようにして、ケーブル変換用パイプ17および17aのそれぞれの利点を考慮して、ユーザは、ケーブル変換用パイプを選択することができる。
【0043】
また、本実施の形態2においては、ビスが2本の場合で説明したが、ビスは1本であってもよい。
図17は、
図12に示したケーブル変換用パイプの別の構成例を示す図である。
図17(a)はケーブル変換用パイプ17bの外観斜視図であり、
図17(b)はケーブル変換用パイプ17bを後側から見た図である。ケーブル変換用パイプ17bは、ビスが1本の場合に使用されるケーブル変換用パイプである。ケーブル変換用パイプ17bは、円筒部60と、ビス留用開放部44と、受皿部64とを有する。
【0044】
図11、
図12および
図17を参照して説明すると、円筒部60は、ハウジング部14の内部の先端からビス穴(図示せず)の端部まで延在する。受皿部64は、円筒部60の端部から挿入口53まで、ケーブル変換用パイプ17bに挿入されるケーブル(図示せず)を支持する構成である。ビス留用開放部44は、円筒状部材においてビス穴(図示せず)に対応する位置から挿入口53まで欠落した形状である。
図17に示す中心角θ2は、円筒状部材の円の中心と、図に示さないビス穴を含む円周上の弧の両端とによって形成される角度である。中心角θ2は、
図11に示したハウジング部14に設けられるビス穴(図示せず)の位置および大きさによって決まるが、例えば、60°である。
【0045】
ケーブル30の直径dkが、dk≒d4である場合、
図12示したプラグ1aからケーブル変換用パイプ77を取り外して、
図14に示したプラグ1aにケーブル30を挿入すればよい。一方、ケーブル30の直径dkが、dk≒d3である場合、
図14に示したプラグ1aにケーブル変換用パイプ17を取り付けて、
図12に示したプラグ1aにケーブル30を挿入すればよい。このようにして、直径の異なるケーブル30をプラグ1aに挿入することができる。
【0046】
なお、本実施の形態2においては、プラグ1aが直線状タイプの場合で説明したが、プラグ1aは直線状タイプに限らない。
図18は、実施の形態2に係るプラグの別の構成例を示す外観図である。
図19は、
図18に示すプラグの構成を示す断面模式図である。
【0047】
図18および
図19に示すプラグ1bは、L字状タイプのプラグである。
図19に示すように、プラグ1bがL字状タイプであっても、ハウジング部14の内部に装着されるケーブル変換用パイプ17は、ハウジング部14の長手方向に沿って配置される。プラグ1bはプラグ1aと同様な効果が得られる。
【0048】
本実施の形態2のプラグ1aおよび1bは、芯線31および導線33を有するケーブル30と接続されるプラグであって、第1の電極12と、第2の電極13と、ハウジング部14と、ケーブル変換用パイプ17とを有する。第1の電極12は、芯線31と電気的に接続されるピン状端子12bを有する。第2の電極13は、絶縁部材16を介して第1の電極12と絶縁された円筒状の構成を有する。ハウジング部14は、第2の電極13と接続され、ケーブル30が挿入される。ケーブル変換用パイプ17は、ケーブル30が挿入され、ケーブル30の直径に応じて脱着可能な円筒状の構成である。ケーブル変換用パイプ17は、ハウジング部14に取り付けられた状態において、ケーブル30を介してピン状端子12bの側面を覆う構成である。
【0049】
本実施の形態2によれば、ハウジング部14に脱着可能な円筒状のケーブル変換用パイプ17を有しているので、実施の形態1と同様に、太さの異なるケーブル30をプラグ1aおよび1bに装着することができる。そのため、ケーブル30の太さに対応して異なるプラグを準備する必要がない。また、本実施の形態2においても、実施の形態1と同様に、第2の電極13に装着されたケーブル変換用パイプ17がケーブル30を介してピン状端子12bの側面を覆う構成である。そのため、ピン状端子12bの側面に外部から均等に支持する力がかかる。その結果、ピン状端子12bは、折り曲げられる力を受けることが抑制され、耐久性が向上する。
【0050】
なお、上述の実施の形態1および2においては、ソルダーレスプラグの場合で説明したが、ソルダーレスプラグ以外のプラグに適用してもよい。
【符号の説明】
【0051】
1、1a、1b プラグ、2 第1の電極、2a チップ、2b ピン状端子、2c ロッド部、3 第2の電極、4 ハウジング部、5、5a キャップ、6 絶縁部材、7 ケーブル変換用パイプ、8 ビス、12 第1の電極、12a チップ、12b ピン状端子、12c ロッド部、13 第2の電極、14 ハウジング部、16 絶縁部材、17、17a、17b ケーブル変換用パイプ、18a、18b ビス、21、22、23a、23b ビス穴、30 ケーブル、31 芯線、32 絶縁体、33 導線、34 保護皮膜、41 隙間、42、43a、43b、44 ビス留用開放部、51、53 挿入口、60 円筒部、61 補助部、62~64 受皿部。