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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023064927
(43)【公開日】2023-05-12
(54)【発明の名称】サーフボード吊り具
(51)【国際特許分類】
   A47G 29/00 20060101AFI20230502BHJP
【FI】
A47G29/00 D
A47G29/00 B
A47G29/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021175386
(22)【出願日】2021-10-27
(71)【出願人】
【識別番号】521471084
【氏名又は名称】逆瀬川 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100137338
【弁理士】
【氏名又は名称】辻田 朋子
(72)【発明者】
【氏名】逆瀬川 篤
【テーマコード(参考)】
3K100
【Fターム(参考)】
3K100AA02
3K100AA06
3K100AD03
3K100AE01
3K100AF05
3K100AF07
3K100AG03
3K100AG08
3K100AH30
3K100AJ03
(57)【要約】
【課題】サーフボードの保管を省スペースで簡便に達成するための吊り具を提供することを目的とする。
【解決手段】上記課題を解決する本願発明は、サーフボード本体11と、フィン12と、を備えるサーフボード1の吊り具であって、フィン12を載置する載置部2と、サーフボード本体11を所定位置で保持する保持部3と、載置部2と保持部3とを接続する接続部4と、を有する吊り具である。好ましくは、接続部4の長さは、フィン12からサーフボード1の重心までの距離よりも長い。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーフボード本体と、フィンと、を備えるサーフボードの吊り具であって、
前記フィンを載せ置く載置部と、
前記サーフボード本体を所定位置で保持する保持部と、
前記載置部と前記保持部とを接続する接続部と、を有する吊り具。
【請求項2】
前記接続部は、少なくとも前記フィンから前記サーフボードの重心までの距離よりも長い請求項1に記載の吊り具。
【請求項3】
前記接続部は、前記保持部と接続する保持接続部と、前記載置部と接続する載置接続部と、を含み、
前記保持接続部と、前記載置接続部と、は連結部において取り外し可能に構成されている請求項1又は2に記載の吊り具。
【請求項4】
前記載置部は、内側に前記フィンを当接して載置可能な環状である請求項1~3の何れかに記載の吊り具。
【請求項5】
前記フィンは、前記サーフボードに複数設けられ、
前記載置部は、複数の前記フィンを同時に載置する棒状部材である請求項1~4の何れかに記載の吊り具。
【請求項6】
前記接続部は、前記接続部の長さの調整を行う調整部を含む請求項1~5の何れかに記載の吊り具。
【請求項7】
請求項1に記載の吊り具を利用して前記サーフボードを吊り下げる方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィンが付属しているサーフボードを吊り下げた状態で保管するための用具に関する。
【背景技術】
【0002】
サーフボードは、サーフィン等の遊戯において人を水面に浮かせるために用いる板状の用具であり、その浮力を確保するために長さ2mを超えるものも珍しくない。また、サーフボードの後方に、サーフィンの方向安定性を高めるためにフィンが突出して設けられているものが多い。
そのため、店頭でのサーフボードの展示をする場合にあたっては展示面積を大きくとり、また、自宅で保管するにあたっては置き場所を確保する必要があることが課題であった。
上記の課題を解決するために、特許文献1にはフィンを利用してサーフボードを壁面に展示しながら吊るすことができるラックが記載されている。また、特許文献2には、内部にボード等を収納して保管できるラックが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2017―511763号公報
【特許文献2】実公昭59―191950号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方、特許文献1に記載のラックは、壁面に取り付けるにあたって壁に穴を空ける必要があり、賃貸の店舗における陳列や自宅でサーフボードを保管するのには向かない。また、特許文献2に記載のラックはサーフボードの占める容積以上に置き場所をとるため、置き場所の確保という面に未だ課題がある。
これを解決するためには、サーフボードをフック等で吊り下げて保管する手段が考えられるが、一般的なサーフボードは一枚板で構成されているため吊り下げるための穴を形成することができず、また全体として流線形状の外形であるため引っ掛けられる部分がない。そのため簡単に吊り下げて保管することが難しかった。
【0005】
本発明は、上記の課題に鑑み、種々のサーフボードの保管を省スペースで簡便に達成するための吊り具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する本願発明は、サーフボード本体と、フィンと、を備えるサーフボードの吊り具であって、前記フィンを載せ置く載置部と、前記サーフボード本体を所定位置で保持する保持部と、前記載置部と前記保持部とを接続する接続部と、を有する吊り具。
このような構成によって、前記サーフボードを、前記載置部と前記保持部の少なくとも2か所で保持できるため、サーフボードを回転させずに簡便に吊り下げて保管することができるようになる。
【0007】
本発明の好ましい形態では、前記接続部は、少なくとも前記フィンから前記サーフボードの重心までの距離よりも長い。
このような構成によって、サーフボードの自重と、前記載置部がサーフボードに与える上向きの力と、前記取り囲み部がサーフボードに与える側面方向の力とがつり合い、サーフボードを立てた状態にして安定的に吊り下げて保管することができるようになる。
【0008】
本発明の好ましい形態では、前記接続部は、前記保持部と接続する保持接続部と、前記載置部と接続する載置接続部と、を含み、前記保持接続部と、前記載置接続部と、は連結部において取り外し可能に構成されている。
このような構成によって、サーフボードへの吊り具の取り付けを容易に行うことができる。
【0009】
本発明の好ましい形態では、前記載置部は、内側に前記フィンを当接して載置可能な環状である。
このような構成によって、簡単な構成で前記フィンを載置することができる。また、前記フィンの形状や位置による制約を受けにくいため、種々のサーフボードを立てて保管できる。
【0010】
本発明の好ましい形態では、前記フィンは、前記サーフボードに複数設けられ、前記載置部は、複数の前記フィンを同時に載置する棒状部材である。
このような構成によって、簡単な構成で前記フィンを載置することができる。また、取り付けを容易にすることができるようになる。
【0011】
本発明の好ましい形態では、前記接続部は、前記接続部の長さの調整を行う調整部を含む。
このような構成によって、種々のサーフボードに対応した吊り具の取り付けを容易にすることができる。
【0012】
また、本発明は、前記吊り具を利用してサーフボードを吊り下げる方法である。
これによって、種々のサーフボードの省スペースでの保管を簡便に達成することができる。
【発明の効果】
【0013】
上記課題を解決する本発明は、種々のサーフボードの保管を省スペースで簡便に達成するための吊り具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の第一の実施形態に係る、吊り具を取り付けたサーフボードの正面図及び側面図である。
図2】本発明の第一の実施形態に係る、固定部の斜視図である。
図3】本発明の第一の実施形態に係る、吊り具を取り付ける工程にあるサーフボードの斜視図である。
図4】本発明の第一の実施形態に係る、吊り具を取り付けたサーフボードの斜視図である。
図5】本発明の第二の実施形態に係る、吊り具を取り付けたサーフボードの正面図及び側面図である。
図6】本発明の第三の実施形態に係る、吊り具を取り付けたサーフボードの正面図及び側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を用いて、本発明の各実施形態に係る吊り具Xについて説明する。説明は、実施形態の構成、実施の方法、他の実施例の構成及び使用の方法の順に行う。
なお、以下に示す各実施形態は本発明の一例であり、本発明を以下の各実施形態に限定するものではない。
【0016】
≪第一の実施形態≫
以下、図1及び図2を用いて、本発明の第一の実施形態の構成について詳述する。ここにおいて、図1(a)は吊り具を取り付けたサーフボードの正面図を表し、図1(b)は側面図を表している。
吊り具Xは、サーフボード1を吊り下げて展示・保管を行う収納用品であり、後述するフィン12を載置する載置部2と、サーフボード1の所定位置を保持して転倒を防ぐ保持部3と、載置部2と保持部3とを接続可能な接続部4と、保持部3の上方に設けられるフック状のフック部5と、によって構成されており、フック部5は長棒6に吊り下げられるようにしてある。
【0017】
サーフボード1は水に対して浮力をもち、人を乗せる板材であるサーフボード本体11と、サーフボード1の方向転換性能を高めるための抵抗材であるフィン12とによって形成してある。
【0018】
サーフボード本体11は、正面視で流線形状を持つ板状部材であって、高さ150~250cm、幅40~60cm、厚み5~10cm程度のものが想定される。先端部分(ノーズ)は鋭くとがっており、後端部分(テール)は水平状、凹状等種々の形状に形成される。
【0019】
フィン12は、サーフボード本体11の面に対して垂直に設けられる弧状の板状部材である。また、フィン12は、サーフボード本体11の進行方向に長さ方向が向くように設けられており、フィンを弧とみなしたときに弦にあたる部分はテール側に向くように設けられる。なお、フィン12は、サーフボード本体11と一体に、あるいは取り外し可能に設けられる。
本実施形態においてフィン12は、サーフボード1のテールの付近において幅方向に並列して2つ設けられる。
【0020】
載置部2は、吊り具Xの一部で、フィン12を載せ置くための部材であり、本実施形態においては棒状である棒状載置部21として設けられる。
【0021】
棒状載置部21は、太さ5cm程度の長軸部材であり、形状を維持するための心棒211と、フィン12を傷つけないように設けられる緩衝部212と、によって形成されている。また、棒状載置部21は、2重筒構造となっており、内筒を引き伸ばすことでその軸方向の長さを調整できるようにしていてもよい。
【0022】
心棒211は、サーフボード1を支持しても曲がらない程度の剛性を有しており、木材あるいは金属性の棒で形成されることが想定される。本実施形態においては、並列して設けられるフィン12同士の間隔よりも長くなるように構成されている。
【0023】
緩衝部212は、心棒211の周方向に取り囲んで設けられる緩衝性を有する部材であって、発泡部材によって設けられることが好ましい。これによって、フィン12が心棒211との摩擦によって傷つくことを防ぐとともに、緩衝部212の中に沈みこませることによってフィン12を保持する。
【0024】
保持部3は、図2に示すように、所定位置においてサーフボード1を保持し、他の部材と協働することによってサーフボード1の転倒を防ぐ吊り具Xの部品であって、サーフボード1を所定位置に保持する保持部本体31と、フック部に接続されるフック取り付け部32と、接続部4を折り返して挿通させる折り返し部33と、によって構成されている。
【0025】
保持部本体31は、サーフボード本体11の幅方向を取り囲むことによって、高さ方向における所定位置に保持される。
本実施形態においては保持部本体31が合成樹脂によって取り囲むことが想定されているものの、例えば紐や帯などの布材によって取り囲んでもよく、ゴム等の弾性体によって取り囲むようにしてもよい。また、図2に示すように保持部本体31の内側に連続的な凹凸を設けることによって、サーフボード1との摩擦力を向上させ、保持の機能を高めている。
【0026】
なお、保持部本体31は、保持部3を高さ方向の所定位置に保持することができれば、どのような構成でもよい。例えば、サーフボード本体11に大気圧で吸い付く吸盤を用いて所定位置に保持する構成でもよく、またサーフボード本体11の厚み方向に引っ掛けるフックによって保持する構成にしてもよい。
【0027】
フック取り付け部32は、フック部5を取り付けるための半円輪状の部品であって、保持部本体31と一体になって構成されている。
【0028】
折り返し部33は、接続部4を通し、折り返して保持するため部品であり、接続部4を挿入可能な穴が設けられており、保持部本体31と一体になって構成されている。また、フック取り付け部32と折り返し部33とは近接位置において互いに直交するように設けられている。このように、互いに近接して設けられることで、吊り下げられた際につり合いを保ち、保持部3の傾きが抑制される。
【0029】
接続部4は、載置部2と保持部3とを接続する略帯状の部品である。
接続部4は、載置部2と接続する載置接続部41と、保持部3と接続する保持接続部42と、載置接続部41と保持接続部42とを取り外し可能に連結する連結部43と、によって構成されており、接続部4の長さを自在に変更して調整可能な調整部Aを有している。
本実施形態においては、接続部4は主に帯状の布材によって形成されているが、実際はこれに限られず、例えばロープを使用してもよく、特に弾性素材にすることによれば取り付けを容易にして強度を高められる。
【0030】
調整部Aは、載置接続部41の長さを調整可能な載置調整部A1と、保持接続部42の長さを調整可能な保持調整部A2と、連結部43に一体に設けられて接続部4の長さを調整可能な連結調整部A3とを有する。
なお、本実施形態の調整部Aは一般的なベルトアジャスターであり、図中では詳細な機構を省略している。
このように、各部で長さの変更が可能であることによって、多様な長さを持つサーフボードに吊り具Xを対応させることができ、また、実際に吊るす際に取り外ししやすい位置に調整することができる。
なお、接続部4の長さは、調整部Aを最も短くした場合でも、サーフボード本体11の重心からフィン12までの距離よりも長くなるように構成されている。
【0031】
載置接続部41は、帯状の部材であって、一端が連結部43に接続され、他端は棒状載置部21の軸方向の中央部に結び付けられて設けられている。さらに、他端に近接して設けられる載置調整部A1によって連結部43と棒状載置部21間の距離を自在に変更できるように設けられている。
【0032】
保持接続部42は、帯状の部材であって、一端が連結部43に接続され、他端は折り返し部33を通って折り返され、保持調整部A2によって所定位置に固定して設けられている。
【0033】
連結部43は、オス部431をメス部432に挿入することによって取り外し可能に接続するプラスチック製のバックルであり、オス部431は載置接続部41の端部に、メス部432は保持接続部42の端部に、それぞれ連結調整部A3を介して設けられる。
【0034】
フック部5は、保持部3の上部にフック取り付け部32を介して設けられ、物干し竿等の長棒6に吊り下げるフック部分51をもつ。また、フック部分51は、サーフボード1の高さ方向を軸に回転することができる回転補助部52を介して回転できるように設けられていることが好ましい。
なお、取り付けを容易にするために、フック部分51とフック取り付け部32の間の長さを調整可能なフック調整部A4が設けられていてもよい。
【0035】
以下に、図3及び図4を用いて、本実施形態に係る吊り具Xの使用方法について詳述する。なお、吊り具Xの使用方法については以下の方法に限られず、その順番は前後してもよい。本発明は、サーフボード1を吊り下げる目的を持つ使用者によって使用される。
【0036】
吊り具Xは、使用されていない状態において、載置部2及び載置接続部41と、保持部3、保持接続部42及びフック部5とが、分離している。
まず、使用者は、サーフボード1を適当な壁等に立てかける。その状態で保持部本体31をサーフボード1のノーズ方向から挿入して、所定の高さに保持させる。
【0037】
次に、使用者は、棒状載置部21をフィン12の付近に置く。このとき、フィン12が並ぶ方向と棒状載置部21の方向を略同一とし、図2に示すような状態にする。
【0038】
次に、使用者は、オス部431をメス部432に挿入することによって、連結部43を結合させ、載置部2と保持部3とを接続する。
【0039】
次に、使用者は、保持調整部A2を下方へ移動させることによって、保持接続部42の長さを、フィン12と棒状載置部21とが当接するまで短くする。これにより、サーフボード1と吊り具Xは、密着した状態で固定される。
【0040】
最後に、使用者は、長棒6にフック部5を吊り下げ、サーフボード1を、吊り下げた状態で保管する。
【0041】
なお、使用者は上記操作と逆に操作を行うことによって、サーフボード1を吊り具Xから取り外すことができる。
また、使用者は、適宜他の調整部Aを調整して長さを変更し、サーフボード1の形状や自身の好みに合わせて吊り下げの状態を変更することができる。
【0042】
≪第二の実施形態≫
以下に、図5を用いて、本発明の第二の実施形態に係る吊り具Xについて詳述する。なお、第一の実施形態と同様の構成については同じ符号を用いて説明を省略する。
【0043】
吊り具Xは、図5に示すように、フィン12を載置する載置部2と、サーフボード1の所定位置を保持して転倒を防ぐ保持部3と、載置部2と保持部3とを接続可能な接続部4と、保持部3の上方に設けられるフック状のフック部5と、によって構成されており、フック部5は長棒6に吊り下げられるようにしてある。
そして、本実施形態における載置部2は、輪状の帯状部材である環状載置部22によって構成され、接続部4はより簡単な構成となっている。
【0044】
環状載置部22は、接続部4の下端に設けられ、フィン12の周を取り囲むことでフィン12を下方から載せ置いて保持する。なお、環状載置部22の長さを調整する調整部分を別途有していてもよい。
【0045】
接続部4は、載置部2と、保持部3とを接続する1本の帯状部材であって、その途中に調整部Aが設けられる。調整部Aは、保持部3と調整部Aとの間で接続部4の輪を形成し、輪の大きさを調整することで接続部4の長さを調整できるようにしてある。
【0046】
以下に、本実施形態に係る吊り具Xの使用方法について第一の実施形態と異なる点について詳述する。
使用者は、まず、保持部3をサーフボードに取り付け、調整部Aを操作することで接続部4がフィン12よりも少し長くなるくらいにまで伸ばす。
【0047】
次に、使用者は、環状載置部22をフィン12に取り付ける。なお、環状載置部22が弾性体である場合は、伸ばしながら取り付けることが好ましい。
【0048】
最後に、使用者は、調整部Aを操作することによって、接続部4の長さを環状載置部22と接続部4の下端が当接するまで短くし、その状態で吊り具Xを長棒6に掛ける。
上記の構成によって、シングルフィンのサーフボード1であっても簡単に吊り下げて保管できるようになる。
【0049】
≪第三の実施形態≫
以下に、図6を用いて、本発明の第三の実施形態に係る吊り具Xについて詳述する。なお、前述の実施形態と同様の構成については同じ符号を用いて説明を省略する。
【0050】
吊り具Xは、図6に示すように、フィン12を載置する載置部2と、サーフボード1の所定位置を保持して転倒を防ぐ保持部3と、載置部2と保持部3とを接続可能な接続部4と、保持部3の上方に設けられるフック状のフック部5と、によって構成されており、フック部5は長棒6に吊り下げられるようにしてある。
また、本実施形態における載置部2は、棒状載置部21と環状載置部22との組み合わせによって構成されている。
【0051】
棒状載置部21は、フィン12の上方に、地面に対して略水平に設けられる棒状の部材であって、軸方向の中心部が載置接続部41に載置調整部A1を通って吊り下がるようにして取り付けられる。
また、棒状載置部21には、環状載置部22を挟み込んで保持するための隙間部分213を等間隔に複数設けてある。
【0052】
環状載置部22は、棒状載置部21に複数取り付けられる環状の部材であって、それぞれが棒状載置部21輪の長さを、棒状載置部21の上部の切り込みにストッパーA5によって変更できるようにしてあり、弾性の少ない部材で形成することが好ましい。
【0053】
連結部43は、いわゆるスライドストッパーであり、載置接続部41と保持接続部42とをそれぞれ挿入可能な穴を有し、それらを挿入した状態で挟み込んで保持する。さらに、挟み込んだ接続部4の端部を引張することによって、挟み込む接続部4の位置を変更できるようにしてある。
【0054】
本実施形態に係る吊り具Xの使用方法にあたっては、まず、使用者は、載置部2の位置を調整する。
すなわち、使用者は環状載置部22をそれぞれフィン12に取り付けた状態で棒状載置部21を上方向へ垂直に引き上げ、それぞれの環状載置部22がフィン12と当接するかを確認する。ここで当接しない場合は、ストッパーA5によって適宜環状載置部22の長さを調整する。
同時に、棒状載置部21における環状載置部22の取り付け位置を、環状載置部22の角度がフィン12に対して平行になるように、隙間部分213によって調整を行う。
【0055】
上記調整の後、使用者は、連結部43を連結することで吊り具Xを形成し、サーフボード1を吊り下げて保管する。
このような構成によって、サーフボード1におけるフィン12の配置、数に関わらず吊り下げが可能となる。また、吊り下げ時に、フィン12に側面方向からかかる力を減少させることができるため、サーフボード1の寿命を延ばすことができる。
【0056】
なお、それぞれの実施形態に記載した要素(特にフィン12、載置部2、接続部4、連結部43)はそれぞれ入れ替えて構成してもよい。
特に、第三の実施形態のスライドストッパーによる連結部43は、載置接続部41と保持接続部42とを複雑な操作なしに接続し、また位置の調整ができるため、いずれの実施形態における吊り具Xにも簡便に適用できる。ここにおいて、構成が異なる載置部2と接続した載置接続部41を複数用意することによれば、保持部3を入れ替えることなく、フィン12の様々な形状に対応した吊り具Xの取り付けが可能になる。
【符号の説明】
【0057】
X 吊り具
1 サーフボード
11 サーフボード本体
12 フィン
2 載置部
21 棒状載置部
211 心棒
212 緩衝部
22 環状載置部
3 保持部
31 保持部本体
32 フック取り付け部
33 折り返し部
4 接続部
41 載置接続部
42 保持接続部
43 連結部
431 オス部
432 メス部
5 フック部
51 フック部分
52 回転補助部
6 長棒
A 調整部
A1 載置調整部
A2 保持調整部
A3 連結調整部
A4 フック調整部
A5 ストッパー
図1
図2
図3
図4
図5
図6