(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023064979
(43)【公開日】2023-05-12
(54)【発明の名称】クレーン
(51)【国際特許分類】
B66C 23/26 20060101AFI20230502BHJP
B66C 23/36 20060101ALI20230502BHJP
【FI】
B66C23/26 F
B66C23/36 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021175488
(22)【出願日】2021-10-27
(71)【出願人】
【識別番号】000246273
【氏名又は名称】コベルコ建機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115381
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 昌崇
(74)【代理人】
【識別番号】100214961
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 洋三
(72)【発明者】
【氏名】百濟 和文
【テーマコード(参考)】
3F205
【Fターム(参考)】
3F205AA07
3F205CA01
3F205CA09
3F205DA01
3F205JA01
3F205JA10
(57)【要約】
【課題】ストラットガイライン接続作業及びストラットガイライン取り外し作業の作業性を向上させることが可能なクレーンを提供する。
【解決手段】クレーン100では、複数のコネクタ80は、倒伏時上側部位に対応する位置に配置された特定コネクタ80Aを含み、特定コネクタ80Aは、第1ブーム部材3Bの端部に接続される第1コネクタ部81と、第2ブーム部材3Cの端部に接続され、第1コネクタ部81に対して着脱可能に結合される第2コネクタ部82と、第1コネクタ部81及び第2コネクタ部82のうちの一方のコネクタ部に連続するとともにブーム3及びジブ4が倒伏姿勢で配置された状態で前記一方のコネクタ部から上方に突出するような形状を有し、ブーム側接続部70が着脱可能に取り付けられる第3コネクタ部83と、を備える。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機体と、
前記機体に起伏可能に支持されたブームであって前記ブームの長手方向に並ぶように配置された第1ブーム部材及び第2ブーム部材と前記第1ブーム部材及び前記第2ブーム部材を連結する複数のコネクタとを有するブームと、
前記ブームに支持されたジブであって前記ブームの先端部に取り付けられた基端部を有するジブと、
前記ブームの前記先端部又は前記ジブの前記基端部に支持されたストラットと、
前記ブーム及び前記ジブが倒伏姿勢で配置された状態で前記ブームの上部に位置する部位である倒伏時上側部位と前記ストラットとの間に張り渡されたガイラインであって前記ブームの前記倒伏時上側部位に接続される端部であるブーム側接続部を有するストラットガイラインと、を備え、
前記複数のコネクタは、前記倒伏時上側部位に対応する位置に配置されたコネクタである特定コネクタを含み、
前記特定コネクタは、
前記第1ブーム部材の端部に接続される第1コネクタ部と、
前記第2ブーム部材の端部に接続され、前記第1コネクタ部に対して着脱可能に結合される第2コネクタ部と、
前記第1コネクタ部及び前記第2コネクタ部のうちの一方のコネクタ部に連続するとともに前記ブーム及び前記ジブが倒伏姿勢で配置された状態で前記一方のコネクタ部から上方に突出するような形状を有し、前記ブーム側接続部が着脱可能に取り付けられる第3コネクタ部と、を備えるクレーン。
【請求項2】
請求項1に記載のクレーンであって、
前記第3コネクタ部は、
前記一方のコネクタ部に連続する部分である第3コネクタ部本体であって前記ブーム側接続部が着脱可能に取り付けられる部分を含む第3コネクタ部本体と、
前記一方のコネクタ部とは反対側において前記第3コネクタ部本体に連続するテーパー部であって前記ブーム及び前記ジブが倒伏姿勢で配置された状態で上に向かうにつれて左右方向の寸法が次第に小さくなるような形状を有するテーパー部と、を備えるクレーン。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のクレーンであって、
前記第3コネクタ部の左右方向の寸法は前記一方のコネクタ部の左右方向の寸法よりも小さい、クレーン。
【請求項4】
請求項1に記載のクレーンであって、
前記第3コネクタ部は、
前記一方のコネクタ部に連続する部分であるテーパー部であって前記ブーム及び前記ジブが倒伏姿勢で配置された状態で上に向かうにつれて左右方向の寸法が次第に小さくなるような形状を有するテーパー部と、
前記ブーム側接続部が着脱可能に取り付けられる部分を含み、前記一方のコネクタ部とは反対側において前記テーパー部に連続する第3コネクタ部本体であって、左右方向の寸法が前記一方のコネクタ部よりも小さい第3コネクタ部本体と、を備えるクレーン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、クレーンに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、下部走行体と、下部走行体に旋回可能に支持された上部旋回体と、上部旋回体に起伏可能に支持されたブームと、ブームの先端部に支持されたジブと、ストラットと、ストラットとブームとの間に張り渡されたストラットガイラインと、を備えるクレーンを開示している。ブームがラチス型のブームである場合、当該ブームは、4つの主パイプと、複数の傾斜パイプと、を備える。4つの主パイプのそれぞれは、ブームの長手方向に沿った方向に延びるような姿勢で配置されている。複数の傾斜パイプのそれぞれは、隣り合う2つの主パイプの間においてジグザグに連続するように配置されている。
【0003】
特許文献1のような従来のクレーンでは、ストラットガイラインの一端部であってブームに接続される接続リンクは、ブーム及びジブが倒伏姿勢で配置された状態でブームの上部に位置する部位(以下、この部位を倒伏時上側部位と称する。)に接続されている。
【0004】
クレーンは、当該クレーンを輸送する際には複数の部分に分解され、輸送先である目的地において組み立てられる。クレーンの組立作業には、ストラットガイラインをブームに接続する作業であるストラットガイライン接続作業が含まれる。クレーンの分解作業には、ストラットガイラインをブームから取り外す作業であるストラットガイライン取り外し作業が含まれる。ストラットガイライン接続作業及びストラットガイライン取り外し作業のそれぞれは、ブーム及びジブが倒伏姿勢で配置された状態で行われる。ストラットガイラインの接続リンクとしては、例えば、いわゆるバナナリンクが採用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記バナナリンクは、ブームの倒伏時上側部位に配置された主パイプとの干渉を回避するために、直線形状ではなく折れ曲がった形状を有する。このような形状を有するバナナリンクは重量物である。このため、ストラットガイライン接続作業では、バナナリンクをブームの倒伏時上側部位に対応する高い位置に補助クレーンを用いて移動させるために長い時間を要する。また、バナナリンクが重量物であるので、補助クレーンで高い位置に吊り上げられたバナナリンクを、ブームにおけるバナナリンクのための接続部位に正確に配置して当該接続部位にバナナリンクを取り付ける作業、及びバナナリンクをブームから取り外す作業にも長い時間を要する。
【0007】
本開示は、上記問題に鑑みてなされたものであり、ストラットガイライン接続作業及びストラットガイライン取り外し作業の作業性を向上させることが可能なクレーンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
提供されるクレーンは、機体と、前記機体に起伏可能に支持されたブームであって前記ブームの長手方向に並ぶように配置された第1ブーム部材及び第2ブーム部材と前記第1ブーム部材及び前記第2ブーム部材を連結する複数のコネクタとを有するブームと、前記ブームに支持されたジブであって前記ブームの先端部に取り付けられた基端部を有するジブと、前記ブームの前記先端部又は前記ジブの前記基端部に支持されたストラットと、前記ブーム及び前記ジブが倒伏姿勢で配置された状態で前記ブームの上部に位置する部位である倒伏時上側部位と前記ストラットとの間に張り渡されたガイラインであって前記ブームの前記倒伏時上側部位に接続される端部であるブーム側接続部を有するストラットガイラインと、を備え、前記複数のコネクタは、前記倒伏時上側部位に対応する位置に配置されたコネクタである特定コネクタを含み、前記特定コネクタは、前記第1ブーム部材の端部に接続される第1コネクタ部と、前記第2ブーム部材の端部に接続され、前記第1コネクタ部に対して着脱可能に結合される第2コネクタ部と、前記第1コネクタ部及び前記第2コネクタ部のうちの一方のコネクタ部に連続するとともに前記ブーム及び前記ジブが倒伏姿勢で配置された状態で前記一方のコネクタ部から上方に突出するような形状を有し、前記ブーム側接続部が着脱可能に取り付けられる第3コネクタ部と、を備える。
【0009】
このクレーンでは、特定コネクタの第3コネクタ部は、第1コネクタ部及び第2コネクタ部のうちの一方のコネクタ部に連続し、ブーム及びジブが倒伏姿勢で配置された状態で当該一方のコネクタ部から上方に突出するような形状を有する。このような第3コネクタ部は、当該第3コネクタ部に取り付けられるストラットガイラインのブーム側接続部とブームの倒伏時上側部位に配置された主パイプとの干渉を回避しつつ、ストラットガイラインをストラットとブームとの間に張り渡すことを可能にする。これにより、従来のストラットガイラインのバナナリンクに比べて、ストラットガイラインのブーム側接続部を軽量化することが可能になる。よって、このクレーンでは、ストラットガイライン接続作業及びストラットガイライン取り外し作業の作業性を向上させることができる。
【0010】
前記第3コネクタ部は、前記一方のコネクタ部に連続する部分である第3コネクタ部本体であって前記ブーム側接続部が着脱可能に取り付けられる部分を含む第3コネクタ部本体と、前記一方のコネクタ部とは反対側において前記第3コネクタ部本体に連続するテーパー部であって前記ブーム及び前記ジブが倒伏姿勢で配置された状態で上に向かうにつれて左右方向の寸法が次第に小さくなるような形状を有するテーパー部と、を備えることが好ましい。この構成では、第1ブーム部材と第2ブーム部材を結合する作業の作業性を向上させることができる。
【0011】
前記第3コネクタ部の左右方向の寸法は前記一方のコネクタ部の左右方向の寸法よりも小さいことが好ましい。この構成では、特定コネクタを軽量化することができる。
【0012】
前記第3コネクタ部は、前記一方のコネクタ部に連続する部分であるテーパー部であって前記ブーム及び前記ジブが倒伏姿勢で配置された状態で上に向かうにつれて左右方向の寸法が次第に小さくなるような形状を有するテーパー部と、前記ブーム側接続部が着脱可能に取り付けられる部分を含み、前記一方のコネクタ部とは反対側において前記テーパー部に連続する第3コネクタ部本体であって、左右方向の寸法が前記一方のコネクタ部よりも小さい第3コネクタ部本体と、を備えることが好ましい。この構成では、第1ブーム部材と第2ブーム部材を結合する作業の作業性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0013】
本開示によれば、ストラットガイライン接続作業及びストラットガイライン取り外し作業の作業性を向上させることが可能なクレーンが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本開示の実施形態に係るクレーンを示す側面図である。
【
図2】前記クレーンにおけるブーム、ジブ、ストラット及びストラットガイラインを示す斜視図である。
【
図3】前記ブームにおける特定コネクタ、これに接続される2つの主パイプ、及びストラットガイラインを上から見た図である。
【
図4】前記特定コネクタ、前記2つの主パイプ、及び前記ストラットガイラインの側面図であり、これらが結合される前の状態を示している。
【
図5】前記特定コネクタ、前記2つの主パイプ、及び前記ストラットガイラインの側面図であり、これらが互いに結合された状態を示している。
【
図7】実施形態の変形例1に係るクレーンの特定コネクタ及びストラットガイラインを示す断面図である。
【
図8】実施形態の変形例2に係るクレーンの特定コネクタ及びストラットガイラインを示す断面図である。
【
図9】実施形態の変形例3に係るクレーンの特定コネクタ及びストラットガイラインを示す断面図である。
【
図10】実施形態の変形例4に係るクレーンの特定コネクタ、2つの主パイプ、及びストラットガイラインの側面図であり、これらが結合される前の状態を示している。
【
図11】実施形態の変形例4に係るクレーンの前記特定コネクタ、前記2つの主パイプ、及び前記ストラットガイラインの側面図であり、これらが互いに結合された状態を示している。
【
図12】実施形態の変形例5に係るクレーンの特定コネクタ、2つの主パイプ、及びストラットガイラインの側面図であり、これらが互いに結合された状態を示している。
【
図13】
図12のVIII-VIII線における断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しつつ、本開示の実施形態に係るクレーンについて説明する。
【0016】
図1に示すように、クレーン100は、自走可能な下部走行体1と、この下部走行体1に対して上下方向の軸回りに旋回可能に下部走行体1に搭載された上部旋回体2と、上部旋回体2に対して起伏可能なように上部旋回体2に支持された起伏部材と、を備える。前記起伏部材は、ブーム3と、ジブ4と、を備える。下部走行体1は、一対のクローラ走行装置と、これらの走行装置に支持された下部フレームと、を備える。上部旋回体2は、前記下部フレームに回動可能に支持された上部フレームと、上部フレームの前部に支持されたキャビンと、上部フレームの後部に支持されたカウンタウエイトと、を備える。下部走行体1及び上部旋回体2は、機体の一例である。本実施形態に係るクレーン100は、いわゆる固定ジブ仕様のクレーンである。固定ジブ仕様では、ブーム3に対するジブ4の角度が固定された状態でジブ4がブーム3に取り付けられている。なお、図中の「前」、「後」、「右」、「左」は、上部旋回体2の向きを基準とするものである。
【0017】
ブーム3は、左右方向に延びる回転中心軸回りに回動可能なように上部旋回体2に支持される基端部であるブーム基端部(ブームフット)と、ブーム3の長手方向においてブーム基端部とは反対側に位置する先端部であるブーム先端部と、を備える。ブーム3は、複数のブーム部材を備える。ブーム3は、複数のブーム部材がブーム3の長手方向に並ぶように配置されて連結された構造を備える。
【0018】
具体的には、本実施形態では、複数のブーム部材は、前記ブーム基端部を含む下ブーム部材3Aと、複数の中間ブーム部材3B,3Cと、前記ブーム先端部を含む上ブーム部材3Dと、を備える。下ブーム部材3A、中間ブーム部材3B、中間ブーム部材3C、及び上ブーム部材3Dは、ブーム3の長手方向にこの順に並ぶように配置されている。中間ブーム部材3Cは、ブーム3のブーム先端部に向かうにつれて前記幅方向の寸法が小さくなるような先細りの形状を有する。上ブーム部材3Dには、ガイドシーブS1,S2と、ブームポイントシーブS3と、が回転可能にそれぞれ取り付けられている。複数のブーム部材は、必ずしも複数の中間ブーム部材を備えていなくてもよい。また、中間ブーム部材は、一つであってもよく、省略することも可能である。中間ブーム部材3Bは、第1ブーム部材の一例であり、中間ブーム部材3Cは、第2ブーム部材の一例である。
【0019】
ブーム3は、いわゆるラチス型のブームであり、複数のブーム部材の少なくとも一つは、いわゆるラチス型の構造物である。具体的には、
図2及び
図3に示すように、例えば中間ブーム部材3B,3Cのそれぞれは、4つの主パイプ31と、複数の傾斜パイプ32と、複数の横パイプ33と、を備える。
【0020】
中間ブーム部材3B,3Cのそれぞれにおいて、4つの主パイプ31は、その中間ブーム部材の長手方向に垂直な平面で当該中間ブーム部材を切断したときの断面において長方形の4つの頂点に対応するような位置にそれぞれ配置されている。4つの主パイプ31のそれぞれは、当該中間ブーム部材の長手方向に沿った方向に延びるような姿勢で配置されている。4つの主パイプ31のそれぞれは、その長手方向の基端部である主パイプ基端部311と、その長手方向の先端部である主パイプ先端部312と、を有する。各中間ブーム部材において、主パイプ基端部311は、主パイプ先端部312よりもブーム基端部に近い位置に配置される端部である。
【0021】
中間ブーム部材3B,3Cのそれぞれにおいて、複数の傾斜パイプ32のそれぞれは、4つの主パイプ31のうちの隣り合う2つの主パイプ31をつなぐように配置されている。複数の傾斜パイプ32は、2つの主パイプ31の間においてジグザグに連続するように配置されている。複数の傾斜パイプ32のそれぞれは、中間ブーム部材の長手方向に対して傾斜するような姿勢で配置されている。
【0022】
中間ブーム部材3Bにおいて、複数の横パイプ33のそれぞれは、4つの主パイプ31のうちの隣り合う2つの主パイプ31の主パイプ先端部312同士をつなぐように配置されている。中間ブーム部材3Bにおいて、複数の横パイプ33のそれぞれは、中間ブーム部材3Bの長手方向に対して直交するような姿勢で配置されている。
【0023】
中間ブーム部材3Cにおいて、複数の横パイプ33のそれぞれは、4つの主パイプ31のうちの隣り合う2つの主パイプ31の主パイプ基端部311同士をつなぐように配置されている。中間ブーム部材3Cにおいて、複数の横パイプ33のそれぞれは、中間ブーム部材3Cの長手方向に対して直交するような姿勢で配置されている。
【0024】
ブーム3は、複数のコネクタ及び複数のコネクタ連結ピンをさらに備える。複数のコネクタは、中間ブーム部材3Bと中間ブーム部材3Cとを連結するための4つのコネクタ80を含み、複数のコネクタ連結ピンは、中間ブーム部材3Bと中間ブーム部材3Cとを連結するための4つのコネクタ連結ピン50を含む。4つのコネクタ80及び4つのコネクタ連結ピン50は、中間ブーム部材3Bの4つの主パイプ31と、中間ブーム部材3Cの4つの主パイプ31と、を連結する。これにより、中間ブーム部材3Bと中間ブーム部材3Cとが互いに連結される。
【0025】
図1に示すように、ジブ4は、左右方向に延びる回転中心軸回りに回動可能なようにブーム3に支持される基端部であるジブ基端部(ジブフット)と、ジブ4の長手方向においてジブ基端部とは反対側に位置する先端部であるジブ先端部と、を有する。ジブ4は、いわゆるラチス型のジブであり、複数のジブ部材を備える。ジブ4は、複数のジブ部材がジブ4の長手方向に並ぶように配置されて連結された構造を備える。複数のジブ部材は、前記ジブ基端部を含む下ジブ部材4Aと、中間ジブ部材4Bと、前記ジブ先端部を含む上ジブ部材4Cと、を備える。ジブ先端部には、ジブポイントシーブS4が回転可能に取り付けられている。複数のジブ部材は、複数の中間ジブ部材を備えていてもよい。また、中間ジブ部材は、省略することも可能である。
【0026】
本実施形態では、クレーン100は、さらに、マスト5と、ストラット6と、左右一対のストラットガイライン7と、左右一対のブームガイライン8と、左右一対のジブガイライン17と、主巻ロープ9と、補巻ロープ10と、ブーム起伏ロープ18と、主巻フック11と、補巻フック12と、主巻ウインチ13と、補巻ウインチ14と、ブーム起伏ウインチ15と、を備える。
【0027】
マスト5は、ブーム3の後方において上部旋回体2に支持されている。マスト5の先端部にはシーブブロック19Aが接続されており、シーブブロック19Aの下方に間隔をおいてシーブブロック19Bが配置されている。シーブブロックには、複数のシーブが幅方向(左右方向)に配列されている。左右一対のブームガイライン8は、マスト5の先端部とブーム先端部とを接続している。
【0028】
ストラット6は、ジブ4の後方においてジブ4のジブ基端部又はブーム3のブーム先端部に支持されている。ストラット6は、ジブ4のジブ基端部又はブーム3のブーム先端部に接続される起伏部材接続部と、ストラットガイライン7が接続されるガイライン接続部と、を有する。ストラット6は、左右方向に延びる回転中心軸回りに回動可能なようにジブ基端部又はブーム先端部に支持されていてもよい。
【0029】
ストラット6は、左右方向に間隔をおいて配置された左右一対の支柱601,601と、これらの支柱を接続するように左右方向に延びる少なくとも一つの梁部材と、を有する。一対の支柱601,601のそれぞれは、ジブ4のジブ基端部(下ジブ部材4Aの基端部)に接続された基端部である支柱基端部(前記起伏部材接続部の一例)と、支柱基端部の反対側に位置する先端部である支柱先端部(前記ガイライン接続部の一例)と、を有する。具体的には、右側の支柱601の支柱基端部は、ジブ4のジブ基端部の右側の部分に接続され、左側の支柱601の支柱基端部は、ジブ4のジブ基端部の左側の部分に接続されている。一対の支柱601,601のそれぞれは、ジブ4のジブ基端部から遠ざかる方向に延びている。一対の支柱601,601のそれぞれは、ブーム3及びジブ4が倒伏姿勢で配置された状態で、ジブ4のジブ基端部から上方に起立するような姿勢で配置される。
【0030】
図1及び
図2に示すように、一対のストラットガイライン7は、ブーム3とストラット6との間に張り渡されている。具体的には、一対のストラットガイライン7のそれぞれは、ブーム3の中間部と、ストラット6のガイライン接続部と、の間に張り渡されている。ブーム3の中間部は、ブーム3における前記ブーム基端部と前記ブーム先端部との間に位置する何れかの部位である。本実施形態では、ブーム3の中間部は、中間ブーム部材3Bと中間ブーム部材3Cとが互いに接続される部分又はその近傍の部位である。
【0031】
一対のストラットガイライン7のそれぞれは、ブーム3の中間部に接続されるブーム側接続部70(接続端子)と、ストラット6のガイライン接続部に接続されるストラット側接続部74と、これらの接続部70,74の間のロープ部分であるガイライン本体と、を有する。ブーム側接続部70とブーム3の中間部との接続構造については後述する。
【0032】
一対のジブガイライン17は、ストラット6とジブ4との間に張り渡されている。具体的には、一対のジブガイライン17のそれぞれは、ストラット6とジブ4のジブ先端部との間に張り渡されている。
【0033】
図1に示すブーム起伏ロープ18は、ブーム起伏ウインチ15から引き出され、シーブブロック19Aとシーブブロック19Bとの間で複数回掛け回されている。
【0034】
ブーム起伏ウインチ15は、上部旋回体2に配置されている。ブーム起伏ウインチ15は、ブーム起伏ロープ18の巻き取り及び繰り出しを行うことでシーブブロック19Aとシーブブロック19Bとの間の距離を変化させる。これにより、ブーム3は、上部旋回体2に対して起伏する。
【0035】
主巻ウインチ13は、主巻ロープ9の巻き取り及び繰り出しを行うことで、主巻フック11の巻き上げ及び巻き下げを行う。主巻ウインチ13から引き出された主巻ロープ9は、ガイドシーブS1及びジブポイントシーブS4を介してジブ4のジブ先端部から下方に延び、主巻フック11を支持している。本実施形態では、主巻ウインチ13は、上部旋回体2に配置されているが、ブーム3に配置されていてもよい。
【0036】
補巻ウインチ14は、補巻ロープ10の巻き取り及び繰り出しを行うことで、補巻フック12の巻き上げ及び巻き下げを行う。補巻ウインチ14から引き出された補巻ロープ10は、ガイドシーブS2及びブームポイントシーブS3を介してブーム3のブーム先端部から下方に延び、補巻フック12を支持している。本実施形態では、補巻ウインチ14は、上部旋回体2に配置されているが、ブーム3に配置されていてもよい。
【0037】
クレーン100は、当該クレーン100を輸送する際には複数の部分に分解され、輸送先である目的地において組み立てられる。クレーン100の組立作業には、一対のストラットガイライン7のそれぞれをブーム3の前記中間部に接続する作業であるストラットガイライン接続作業が含まれる。クレーン100の分解作業には、一対のストラットガイライン7のそれぞれをブーム3の前記中間部から取り外す作業であるストラットガイライン取り外し作業が含まれる。以下では、ストラットガイライン接続作業及びストラットガイライン取り外し作業を接続作業及び取り外し作業と称することがある。接続作業及び取り外し作業のそれぞれは、ブーム3及びジブ4を倒伏させた状態で行われる。すなわち、接続作業及び取り外し作業のそれぞれでは、ブーム3及びジブ4の長手方向が地面に沿った方向に向くようにブーム3及びジブ4が倒伏姿勢で配置される。ブーム3及びジブ4の倒伏姿勢は、例えば
図2に示すブーム3及びジブ4の姿勢よりもさらに地面に近づくように倒伏した姿勢である。
【0038】
クレーン100では、左右一対のストラットガイライン7の一端部であるブーム側接続部70,70は、ブーム3及びジブ4が倒伏姿勢で配置された状態でブーム3の上部に位置する部位である倒伏時上側部位P1,P1(
図2参照)に接続される。
【0039】
前記4つのコネクタ80は、ブーム3及びジブ4が倒伏姿勢で配置された状態で、右上に配置される右上コネクタ80と、左上に配置される左上コネクタ80と、右下に配置される右下コネクタ80と、左下に配置される左下コネクタ80と、を含む。右上コネクタ80及び左上コネクタ80は、ブーム3の左右の倒伏時上側部位P1,P1に対応する位置にそれぞれ配置される。右下コネクタ80及び左下コネクタ80は、ブーム3及びジブ4が倒伏姿勢で配置された状態でブーム3の下部に位置する部位である倒伏時下側部位P2,P2に対応する位置にそれぞれ配置される。
【0040】
右上コネクタ80は、右側の倒伏時上側部位P1において、中間ブーム部材3Bの主パイプ31と中間ブーム部材3Cの主パイプ31とを連結するとともに右側のストラットガイライン7のブーム側接続部70を取り付けることが可能な構造を有するコネクタである。左上コネクタ80は、左側の倒伏時上側部位P1において、中間ブーム部材3Bの主パイプ31と中間ブーム部材3Cの主パイプ31とを連結するとともに左側のストラットガイライン7のブーム側接続部70を取り付けることが可能なコネクタである。右上コネクタ80と左上コネクタ80は、左右対称の形状を有する。右上コネクタ80及び左上コネクタ80のそれぞれは、特定コネクタの一例である。以下では、右上コネクタ80及び左上コネクタ80のそれぞれを特定コネクタ80Aと称することがある。
【0041】
右下コネクタ80及び左下コネクタ80のそれぞれは、倒伏時下側部位P2において、中間ブーム部材3Bの主パイプ31と中間ブーム部材3Cの主パイプ31とを連結する。右下コネクタ80及び左下コネクタ80のそれぞれは、ストラットガイライン7のブーム側接続部70を取り付けるための構造を有していない通常のコネクタである。以下では、右下コネクタ80及び左下コネクタ80のそれぞれを通常コネクタ80Bと称することがある。
【0042】
4つのコネクタ連結ピン50は、右上コネクタ80に用いられる右上連結ピン50と、左上コネクタ80に用いられる左上連結ピン50と、右下コネクタ80に用いられる右下連結ピン50と、左下コネクタ80に用いられる左下連結ピン50と、を含む。すなわち、右上連結ピン50及び左上連結ピン50は、ブーム3の倒伏時上側部位P1,P1に対応する位置に配置され、右下連結ピン50及び左下連結ピン50は、ブーム3の倒伏時下側部位P2,P2に対応する位置に配置される。
【0043】
ブーム3は、複数のガイライン連結ピン60をさらに備える。複数のガイライン連結ピン60は、右上コネクタ80に用いられる右ガイライン連結ピン60と、左上コネクタ80に用いられる左ガイライン連結ピン60と、を含む。右ガイライン連結ピン60及び左ガイライン連結ピン60は、ブーム3の倒伏時上側部位P1,P1に対応する位置に配置される。
【0044】
図3~
図6に示すように、特定コネクタ80Aは、第1コネクタ部81と、第2コネクタ部82と、第3コネクタ部83と、を備える。なお、
図3~
図6のそれぞれは、右側の倒伏時上側部位P1に対応する位置に配置された右上コネクタ80(特定コネクタ80A)及びその周辺の構造を示す図である。左側の倒伏時上側部位P1に対応する位置に配置された左上コネクタ80(特定コネクタ80A)及びその周辺の構造は、
図3~
図6に示される構造の左右対称な構造である。後述する
図7~
図13についても同様である。
【0045】
第1コネクタ部81は、倒伏時上側部位P1において、中間ブーム部材3Bの主パイプ31の主パイプ先端部312に取り付けられ、第2コネクタ部82は、倒伏時上側部位P1において、中間ブーム部材3Cの主パイプ31の主パイプ基端部311に取り付けられている。第1コネクタ部81及び第2コネクタ部82は、コネクタ連結ピン50によって互いに着脱可能に結合される。第3コネクタ部83は、ストラットガイライン7のブーム側接続部70を着脱可能に取り付けることが可能な構造を有する。本実施形態では、第3コネクタ部83は、第2コネクタ部82とともに単一の部材を構成する。第2コネクタ部82と第3コネクタ部83とは同時に一体的に成形されることにより作製されたものであってもよく、第2コネクタ部82と第3コネクタ部83とが個別に成形された後に第2コネクタ部82と第3コネクタ部83とが例えば溶接などの接合手段によって一体化されたものであってもよい。第1コネクタ部81は、第2コネクタ部82及び第3コネクタ部83とは別体として形成された部材である。
【0046】
なお、通常コネクタ80Bの図示は省略するが、通常コネクタ80Bは、特定コネクタ80Aと同様の第1コネクタ部81及び第2コネクタ部82を備える一方で、特定コネクタ80Aが備える第3コネクタ部83を備えていない。
【0047】
特定コネクタ80Aにおいて、第1コネクタ部81及び第2コネクタ部82の一方は、雄型の形状を有する雄型コネクタ部であり、第1コネクタ部81及び第2コネクタ部82の他方は、雌型の形状を有する雌型コネクタ部である。本実施形態では、
図3及び
図6に示すように、第1コネクタ部81が雌型コネクタ部であり、第2コネクタ部82が雄型コネクタ部であるが、これらは、逆の形状を有していてもよい。
【0048】
以下、特定コネクタ80Aの構造をさらに詳しく説明する。特定コネクタ80Aの第1コネクタ部81は、中間ブーム部材3Bの主パイプ31の主パイプ先端部312に取り付けられる部分である取付部81Aと、取付部81Aから当該主パイプ31の長手方向に突出する板状の一対の突出部81Bと、を有する。一対の突出部81Bは、互いに左右方向に間隔をおいて配置されている。
【0049】
特定コネクタ80Aの第2コネクタ部82は、中間ブーム部材3Cの主パイプ31の主パイプ基端部311に取り付けられる部分である取付部82Aと、取付部82Aから当該主パイプ31の長手方向に突出する板状の突出部82Bと、を有する。突出部82Bの厚みは、一対の突出部81Bの間隔よりもわずかに小さい。これにより、突出部82Bを一対の突出部81Bの間に配置することができる。
【0050】
第1コネクタ部81の一対の突出部81Bのそれぞれは、コネクタ連結ピン50が挿入される孔であるピン孔81Hを有し、第2コネクタ部82の突出部82Bは、コネクタ連結ピン50が挿入される孔であるピン孔82Hを有する。ピン孔81Hは、突出部81Bを左右方向に貫通する貫通孔であり、ピン孔82Hは、突出部82Bを左右方向に貫通する貫通孔である。突出部82Bが一対の突出部81Bの間に配置された状態で、一対の突出部81Bのピン孔81Hと突出部82Bのピン孔82Hとは、側面視で同じ位置に配置される。この状態で、コネクタ連結ピン50がこれらのピン孔81H,82Hに挿入されることにより、第1コネクタ部81と第2コネクタ部82が互いに結合される。
【0051】
図4及び
図5に示すように、第3コネクタ部83は、ブーム3及びジブ4が倒伏姿勢で配置された状態で、第2コネクタ部82から上方に突出するような形状を有する。
図5に示すように、第1コネクタ部81と第2コネクタ部82とがコネクタ連結ピン50によって結合され、かつ、ブーム3及びジブ4が倒伏姿勢で配置された状態において、第3コネクタ部83は、第1コネクタ部81及び第2コネクタ部82よりも上方に位置している。
図6に示す本実施形態では、第3コネクタ部83の左右方向の寸法(幅)は、第2コネクタ部82の左右方向の寸法(幅)とほぼ同じである。
【0052】
第3コネクタ部83は、ガイライン連結ピン60が挿入される孔であるピン孔83Hを有する。ピン孔83Hは、第3コネクタ部83を左右方向に貫通する貫通孔である。
【0053】
図3~
図6に示すように、ストラットガイライン7のブーム側接続部70は、前記ガイライン本体(ロープ部分)の一端部が固定される部分である固定部71と、固定部71から突出する一対の突出片73と、を有する。一対の突出片73のそれぞれには、ガイライン連結ピン60が挿入されるピン孔73Hが形成されている。ピン孔73Hは、突出片73を左右方向に貫通する貫通孔である。ブーム側接続部70の一対の突出片73のピン孔73Hが第3コネクタ部83のピン孔83Hに側面視で重なるように配置された状態で、ガイライン連結ピン60がこれらのピン孔73H,83Hに挿入されることにより、ストラットガイライン7のブーム側接続部70は、特定コネクタ80Aの第3コネクタ部83に固定される。
【0054】
図6に示すように、ブーム3は、抜け止め部材56,66をさらに備える。コネクタ連結ピン50は、
図6に示すようにコネクタ連結ピン50が第1コネクタ部81のピン孔81H及び第2コネクタ部82のピン孔82Hに挿入された状態で、これらのピン孔81H,82Hの外に配置される先端部を有し、この先端部には、抜け止め部材56が取り付けられる。これにより、コネクタ連結ピン50がピン孔81H,82Hから抜けることが防止される。同様に、ガイライン連結ピン60は、
図6に示すようにガイライン連結ピン60が一対の突出片73のピン孔73H及び第3コネクタ部83のピン孔83Hに挿入された状態で、これらのピン孔73H,83Hの外に配置される先端部を有し、この先端部には、抜け止め部材66が取り付けられる。これにより、ガイライン連結ピン60がピン孔73H,83Hから抜けることが防止される。
【0055】
図5及び
図6に示すように、本実施形態では、ブーム3及びジブ4が倒伏姿勢で配置された状態で、第3コネクタ部83に取り付けられたストラットガイライン7のブーム側接続部70は、特定コネクタ80Aの第1コネクタ部81及び第2コネクタ部82に対して上方に配置され、中間ブーム部材3Cの主パイプ31の主パイプ基端部311に対して上方に配置される。このことは、ブーム側接続部70と主パイプ31との干渉を回避し、ストラットガイライン7とブーム3の中間ブーム部材3Cとの干渉を回避しつつ、ストラットガイライン7がブーム3とストラット6との間に張り渡されることを可能にする。従って、このクレーン100は、2つの中間ブーム部材3B,3Cを連結する特定コネクタ80Aとは別に、ストラットガイライン7のブーム側接続部70をブーム3の中間部に接続するための専用の部材(例えばバナナリンクなどの接続リンク)を備える必要がない。
【0056】
第3コネクタ部83は、ブーム3及びジブ4が倒伏姿勢で配置された状態で第2コネクタ部82から上方に突出するような形状を有しているので、ストラットガイライン7のブーム側接続部70は、ブーム3の倒伏時上側部位に配置された主パイプ31との干渉を回避するための複雑な形状を有していなくてもよい。このことは、従来のストラットガイラインの端部を構成するバナナリンクに比べて、ストラットガイライン7のブーム側接続部70を軽量化することを可能にする。また、バナナリンクが不要になるので、ストラットガイライン7を構成する部品の点数を削減することができる場合もある。
【0057】
ブーム側接続部70が軽量化されることにより、ブーム側接続部70をブーム3の倒伏時上側部位P1に対応する高い位置に補助クレーンを用いて移動させる作業の時間を短縮することができる。また、ブーム側接続部70を特定コネクタ80Aの第3コネクタ部83に接続する作業、及び第3コネクタ部83からブーム側接続部70を取り外す作業に要する時間を短縮することができ、これらの作業を行う作業者の負担を軽減することができる。よって、本実施形態に係るクレーン100では、ストラットガイライン接続作業及びストラットガイライン取り外し作業の作業性を向上させることができる。
【0058】
さらに、ストラットガイライン7のブーム側接続部70の軽量化は、作業の安全性の向上及びクレーン100の吊り上げ能力の向上にも寄与する。
【0059】
図7は、実施形態の変形例1に係るクレーン100の特定コネクタ80A及びストラットガイライン7を示す断面図である。
図7は、ブーム3及びジブ4が倒伏姿勢で配置された状態における特定コネクタ80A及びストラットガイライン7の配置を示している。この変形例1では、特定コネクタ80Aの第3コネクタ部83の構成が
図1~
図6に示す実施形態と異なり、変形例1のその他の構成は、
図1~
図6に示す実施形態と同様である。
【0060】
図7に示す変形例1では、特定コネクタ80Aの第3コネクタ部83は、第3コネクタ部本体83Aと、テーパー部83Bと、を備える。第3コネクタ部本体83Aは、ブーム側接続部70が着脱可能に取り付けられる部分(具体的にはピン孔83Hが形成された部分)を含み、第2コネクタ部82に連続する部分である。
【0061】
テーパー部83Bは、第2コネクタ部82とは反対側(
図7では上側)において第3コネクタ部本体83Aに連続する部分である。テーパー部83Bは、第3コネクタ部本体83Aから遠ざかるにつれて左右方向の寸法(幅)が次第に小さくなるようなテーパー形状を有する部分である。言い換えると、テーパー部83Bは、ブーム3及びジブ4が倒伏姿勢で配置された状態で上に向かうにつれて左右方向の寸法(幅)が次第に小さくなるような形状を有する。テーパー部83Bは、ブーム3及びジブ4が倒伏姿勢で配置された状態で第3コネクタ部83の上部を占める部分である。
図7に示すようにブーム3及びジブ4が倒伏姿勢で配置された状態で、第2コネクタ部82、第3コネクタ部本体83A及びテーパー部83Bは、この順に上下に並ぶ。
【0062】
具体的には、第3コネクタ部83のテーパー部83Bは、左右一対の傾斜面831,831を有する。
図7に示すようにブーム3及びジブ4が倒伏姿勢で配置された状態で、右側の傾斜面831は、第3コネクタ部83の右上部分に形成され、左側の傾斜面831は、第3コネクタ部83の左上部分に形成されている。右側の傾斜面831は、ブーム3及びジブ4が倒伏姿勢で配置された状態で、右側の傾斜面831の下端が右側の傾斜面831の上端よりも右側に位置するように、左右方向に直交する鉛直面に対して傾斜している。左側の傾斜面831は、ブーム3及びジブ4が倒伏姿勢で配置された状態で、左側の傾斜面831の下端が左側の傾斜面831の上端よりも左側に位置するように、左右方向に直交する鉛直面に対して傾斜している。
【0063】
この変形例1においても、上述の実施形態と同様に、中間ブーム部材3Bの4つの主パイプ31のうち、中間ブーム部材3Bの上部に位置する2つの主パイプ31の主パイプ先端部312のそれぞれには、特定コネクタ80Aの第1コネクタ部81が取り付けられ、中間ブーム部材3Bの下部に位置する2つの主パイプ31の主パイプ先端部312のそれぞれには、通常コネクタ80Bの第1コネクタ部81が取り付けられている。中間ブーム部材3Cの4つの主パイプ31のうち、中間ブーム部材3Cの上部に位置する2つの主パイプ31の主パイプ基端部311のそれぞれには、特定コネクタ80Aの第2コネクタ部82及び第3コネクタ部83が取り付けられ、中間ブーム部材3Bの下部に位置する2つの主パイプ31の主パイプ基端部311のそれぞれには、通常コネクタ80Bの第2コネクタ部82が取り付けられている。
【0064】
中間ブーム部材3Bと中間ブーム部材3Cとを連結する作業は、例えば次のような手順で行われる。まず、中間ブーム部材3Cの長手方向が地面に沿うような姿勢である倒伏姿勢で中間ブーム部材3Cが地面に配置される。この倒伏姿勢では、中間ブーム部材3Cに取り付けられた特定コネクタ80Aの第2コネクタ部82及び第3コネクタ部83は、中間ブーム部材3Cの上部に位置し、中間ブーム部材3Cに取り付けられた通常コネクタ80Bの第1コネクタ部81は、中間ブーム部材3Cの下部に位置している。
【0065】
次に、中間ブーム部材3Bに取り付けられた特定コネクタ80Aの第1コネクタ部81が、中間ブーム部材3Cに取り付けられた特定コネクタ80Aの第2コネクタ部82及び第3コネクタ部83よりも上方の位置から第2コネクタ部82及び第3コネクタ部83に向かって下降するように中間ブーム部材3Bを変位させる。中間ブーム部材3Bの変位は、例えば図略の補助クレーンを用いて行われる。
【0066】
第1コネクタ部81が第2コネクタ部82及び第3コネクタ部83の近くに到達すると、作業者は、第1コネクタ部81の一対の突出部81Bの間のスペースが第3コネクタ部83の真上に位置するように、中間ブーム部材3Bの位置を微調整する作業(微調整作業)を行う。微調整された状態で中間ブーム部材3Bの第1コネクタ部81がさらに下降すると、当該第1コネクタ部81の一対の突出部81Bは、一対の突出部81Bの間に第3コネクタ部83が介在した状態で下降し、その後、一対の突出部81Bの間に第2コネクタ部82が介在する位置(
図7に示される位置)に到達する。一対の突出部81Bの間に第2コネクタ部82が介在した状態で第1コネクタ部81のピン孔81H及び第2コネクタ部82のピン孔82Hにコネクタ連結ピン50が挿入されることにより、第1コネクタ部81と第2コネクタ部82が互いに結合される。
【0067】
この変形例1では、第3コネクタ部83がテーパー部83Bを備えるので、作業者は、前記微調整作業において平面視で第3コネクタ部本体83Aの左右の両端に第1コネクタ部81の一対の突出部81Bの位置を正確に合わせる必要はなく、平面視でテーパー部83Bの上端(上面)が第1コネクタ部81の一対の突出部81Bの間に位置するように前記微調整作業を行えばよい。このような微調整作業の後、中間ブーム部材3Bの第1コネクタ部81をさらに下降させることで、第3コネクタ部83のテーパー部83Bを第1コネクタ部81の一対の突出部81Bの間に介在させることができる。そして、中間ブーム部材3Bの第1コネクタ部81をさらに下降させることで、第1コネクタ部81の一対の突出部81Bは、第3コネクタ部83のテーパー部83Bの左右の傾斜面831,831に案内されながら第2コネクタ部82の位置に到達することができる。従って、この変形例1では、中間ブーム部材3Bと中間ブーム部材3Cを結合する作業の作業性を向上させることができる。
【0068】
図8は、実施形態の変形例2に係るクレーン100の特定コネクタ80A及びストラットガイライン7を示す断面図である。
図8は、ブーム3及びジブ4が倒伏姿勢で配置された状態における特定コネクタ80A及びストラットガイライン7の配置を示している。この変形例2では、特定コネクタ80Aの第2コネクタ部82及び第3コネクタ部83の構成が
図1~
図6に示す実施形態と異なり、変形例2のその他の構成は、
図1~
図6に示す実施形態と同様である。
【0069】
図8に示す変形例2では、特定コネクタ80Aの第3コネクタ部83の左右方向の寸法(幅)は、第2コネクタ部82の左右方向の寸法(幅)よりも小さい。本実施形態では、第3コネクタ部83の左右方向の中央位置は、第2コネクタ部82の左右方向の中央位置と一致している。ただし、第3コネクタ部83の左右方向の中央位置は、第2コネクタ部82の左右方向の中央位置に対して右又は左にずれていてもよい。この変形例2では、第3コネクタ部83の幅が第2コネクタ部82の幅よりも小さいため、特定コネクタ80Aを軽量化することができる。
【0070】
変形例2では、第2コネクタ部82は、ストラットガイライン7のブーム側接続部70の左右一対の突出片73に対向する左右一対の対向面821を有する。一対の対向面821は、
図8に示すようにブーム3及びジブ4が倒伏姿勢で配置された状態でブーム側接続部70の一対の突出片73の真下にそれぞれ位置して一対の突出片73に対して上下に対向する面である。一対の突出片73のピン孔73Hが第3コネクタ部83のピン孔83Hに側面視で重なるように配置された状態で、一対の突出片73は、一対の対向面821に当接又は近接する。従って、作業者は、一対の突出片73のピン孔73Hと第3コネクタ部83のピン孔83Hの位置を合わせるための作業を、一対の対向面821を利用して容易に行うことができる。これにより、ストラットガイライン7のブーム側接続部70を第3コネクタ部83に取り付ける作業の作業性が向上する。
【0071】
図9は、実施形態の変形例3に係るクレーン100の特定コネクタ80A及びストラットガイライン7を示す断面図である。
図9は、ブーム3及びジブ4が倒伏姿勢で配置された状態における特定コネクタ80A及びストラットガイライン7の配置を示している。この変形例3では、特定コネクタ80Aの第3コネクタ部83の構成が
図1~
図6に示す実施形態と異なり、変形例3のその他の構成は、
図1~
図6に示す実施形態と同様である。
【0072】
図9に示す変形例3では、特定コネクタ80Aの第3コネクタ部83は、テーパー部83Cと、第3コネクタ部本体83Dと、を備える。テーパー部83Cは、第2コネクタ部82に連続する部分である。第3コネクタ部本体83Dは、第2コネクタ部82とは反対側(
図9では上側)においてテーパー部83Cに連続する部分である。
図9に示すようにブーム3及びジブ4が倒伏姿勢で配置された状態で、第2コネクタ部82、テーパー部83C及び第3コネクタ部本体83Dは、この順に上下に並ぶ。
【0073】
テーパー部83Cは、第2コネクタ部82から遠ざかるにつれて左右方向の寸法(幅)が次第に小さくなるようなテーパー形状を有する部分である。言い換えると、テーパー部83Cは、ブーム3及びジブ4が倒伏姿勢で配置された状態で上に向かうにつれて左右方向の寸法(幅)が次第に小さくなるような形状を有する。テーパー部83Cは、ブーム3及びジブ4が倒伏姿勢で配置された状態で第3コネクタ部83の下部を占める部分である。
【0074】
具体的には、第3コネクタ部83のテーパー部83Cは、左右一対の傾斜面833,833を有する。
図9に示すようにブーム3及びジブ4が倒伏姿勢で配置された状態で、右側の傾斜面833は、第3コネクタ部83の右下部分に形成され、左側の傾斜面833は、第3コネクタ部83の左下部分に形成されている。右側の傾斜面833は、ブーム3及びジブ4が倒伏姿勢で配置された状態で、右側の傾斜面833の下端が右側の傾斜面833の上端よりも右側に位置するように、左右方向に直交する鉛直面に対して傾斜している。左側の傾斜面833は、ブーム3及びジブ4が倒伏姿勢で配置された状態で、左側の傾斜面833の下端が左側の傾斜面833の上端よりも左側に位置するように、左右方向に直交する鉛直面に対して傾斜している。
【0075】
第3コネクタ部本体83Dの左右方向の寸法(幅)は、第2コネクタ部82の左右方向の寸法(幅)よりも小さい。
図9に示す具体例では、第3コネクタ部本体83Dの左右方向の中央位置は、第2コネクタ部82の左右方向の中央位置と一致している。ただし、第3コネクタ部本体83Dの左右方向の中央位置は、第2コネクタ部82の左右方向の中央位置に対して右又は左にずれていてもよい。
【0076】
この変形例3では、第3コネクタ部83がテーパー部83Cと幅の小さい第3コネクタ部本体83Dとを備えるので、作業者は、前記微調整作業において平面視で第2コネクタ部82の左右の両端に第1コネクタ部81の一対の突出部81Bの位置を正確に合わせる必要はなく、平面視で第3コネクタ部本体83Dの上端(上面)が第1コネクタ部81の一対の突出部81Bの間に位置するように前記微調整作業を行えばよい。従って、この変形例3では、中間ブーム部材3Bと中間ブーム部材3Cを結合する作業の作業性を向上させることができる。また、この変形例3では、変形例1に比べて特定コネクタ80Aを軽量化することができる。
【0077】
図10及び
図11のそれぞれは、実施形態の変形例4に係るクレーン100の特定コネクタ80A、2つの主パイプ31、及びストラットガイライン7の側面図であり、
図10は、これらが結合される前の状態を示し、
図11は、これらが互いに結合された状態を示している。
図11は、ブーム3及びジブ4が倒伏姿勢で配置された状態における特定コネクタ80A、2つの主パイプ31、及びストラットガイライン7の配置を示している。この変形例4では、特定コネクタ80Aの第3コネクタ部83の構成が
図1~
図6に示す実施形態と異なり、変形例4のその他の構成は、
図1~
図6に示す実施形態と同様である。
【0078】
図4及び
図5と
図10及び
図11とを比較することでわかるように、変形例4では、第3コネクタ部83のピン孔83Hの中心の位置は、第1コネクタ部81のピン孔81Hの中心の位置及び第2コネクタ部82のピン孔82Hの中心の位置に対して、第2コネクタ部82からブーム先端部に向かう方向であるブーム先端側方向にずれている。具体的には、
図11に示すようにブーム3及びジブ4が倒伏姿勢で配置された状態で、第3コネクタ部83のピン孔83Hの中心の位置は、第1コネクタ部81のピン孔81Hの中心の位置及び第2コネクタ部82のピン孔82Hの中心の位置に対して、ブーム先端側方向にずれ、かつ、上方にずれている。第3コネクタ部83のピン孔83Hの中心の位置は、第1コネクタ部81のピン孔81Hの中心の位置及び第2コネクタ部82のピン孔82Hの中心の位置に対して、ストラットガイライン7の延びる方向に沿った方向にずれている。
【0079】
この変形例4では、第3コネクタ部83のピン孔83Hの中心の位置が第1コネクタ部81のピン孔81Hの中心の位置及び第2コネクタ部82のピン孔82Hの中心の位置に対して上記のようにオフセットされている。これにより、ストラットガイライン7の張力に起因して特定コネクタ80Aに作用する力の向きを、ストラットガイライン7の延びる方向に近づけることができる。このことは、特定コネクタ80Aに発生する応力を低減させることができる。
【0080】
図12は、実施形態の変形例5に係るクレーン100の特定コネクタ80A、2つの主パイプ31、及びストラットガイライン7の側面図であり、これらが互いに結合された状態を示している。
図13は、
図12のVIII-VIII線における断面図である。
【0081】
図1~
図11に示す特定コネクタ80Aでは、第3コネクタ部83は、第2コネクタ部82に連続するように形成されているが、
図12及び
図13に示す変形例5では、第3コネクタ部83は、第1コネクタ部81に連続するように形成されている。変形例5に係る特定コネクタ80Aは、この点で
図1~
図11に示す特定コネクタ80Aと相違する。変形例5に係るクレーン100のその他の構成は、
図1~
図6に示す実施形態と同様である。
【0082】
変形例5では、第3コネクタ部83は、第1コネクタ部81とともに単一の部材を構成する。第1コネクタ部81と第3コネクタ部83とは同時に一体的に成形されることにより作製されたものであってもよく、第1コネクタ部81と第3コネクタ部83とが個別に成形された後に第1コネクタ部81と第3コネクタ部83とが例えば溶接などの接合手段によって一体化されたものであってもよい。第2コネクタ部82は、第1コネクタ部81及び第3コネクタ部83とは別体として形成された部材である。
【0083】
変形例5に係る第1コネクタ部81は、
図5及び
図6に示す実施形態に係る第1コネクタ部81と同様に、倒伏時上側部位P1において、中間ブーム部材3Bの主パイプ31の主パイプ先端部312に取り付けられる部分である取付部81Aと、取付部81Aから当該主パイプ31の長手方向に突出する左右一対の突出部81Bと、を有する。一対の突出部81Bは、互いに左右方向に間隔をおいて配置されている。
【0084】
第3コネクタ部83は、ストラットガイライン7のブーム側接続部70を取り付けることが可能な構造を有する。第3コネクタ部83は、ブーム3及びジブ4が倒伏姿勢で配置された状態で第1コネクタ部81の右側の突出部81Bから上方に突出するような形状を有する右側の突出部84と、ブーム3及びジブ4が倒伏姿勢で配置された状態で第1コネクタ部81の左側の突出部81Bから上方に突出するような形状を有する左側の突出部84と、を備える。
【0085】
第1コネクタ部81と第2コネクタ部82とがコネクタ連結ピン50によって結合され、かつ、ブーム3及びジブ4が倒伏姿勢で配置された状態において、第3コネクタ部83は、第1コネクタ部81及び第2コネクタ部82よりも上方に位置している。
【0086】
図13に示す変形例5では、第3コネクタ部83の左右の突出部84同士の間隔は、第1コネクタ部81の左右の突出部81B同士の間隔よりも小さい。
【0087】
第3コネクタ部83の一対の突出部84のそれぞれは、ガイライン連結ピン60が挿入される孔であるピン孔84Hを有する。ピン孔84Hは、突出部84を左右方向に貫通する貫通孔である。
【0088】
図12及び
図13に示すように、ストラットガイライン7のブーム側接続部70は、前記ガイライン本体の一端部が固定される部分である固定部71と、固定部71から突出する一つの突出片73と、を有する。突出片73には、ガイライン連結ピン60が挿入されるピン孔73Hが形成されている。ピン孔73Hは、突出片73を左右方向に貫通する貫通孔である。ブーム側接続部70の突出片73のピン孔73Hが第3コネクタ部83の一対の突出部84のピン孔84Hに側面視で重なるように配置された状態で、ガイライン連結ピン60がこれらのピン孔73H,84Hに挿入されることにより、ストラットガイライン7のブーム側接続部70は、特定コネクタ80Aの第3コネクタ部83に固定される。
【0089】
図13に示すように、第3コネクタ部83の右側の突出部84は、右側の傾斜部84Aと、右側の突出部本体84Bと、を備える。右側の傾斜部84Aは、第1コネクタ部81の右側の突出部81Bに連続する部分である。右側の傾斜部84Aは、右側の傾斜部84Aの下端が右側の傾斜部の上端よりも右側に位置するように左右方向に直交する鉛直面に対して傾斜している。右側の突出部本体84Bは、右側の突出部81Bとは反対側(
図13では上側)において右側の傾斜部84Aに連続する部分である。右側の突出部本体84Bは、ブーム側接続部70が着脱可能に取り付けられる部分、具体的にはピン孔84Hが形成された部分を含み、右側の傾斜部84Aに連続する部分である。ブーム3及びジブ4が倒伏姿勢で配置された状態で、第1コネクタ部81の右側の突出部81B、右側の傾斜部84A及び右側の突出部本体84Bは、この順に上下に並ぶ。
【0090】
同様に、第3コネクタ部83の左側の突出部84は、左側の傾斜部84Aと、左側の突出部本体84Bと、を備える。左側の傾斜部84Aは、第1コネクタ部81の左側の突出部81Bに連続する部分である。左側の傾斜部84Aは、左側の傾斜部84Aの下端が左側の傾斜部84Aの上端よりも左側に位置するように左右方向に直交する鉛直面に対して傾斜している。左側の突出部本体84Bは、左側の突出部81Bとは反対側(
図13では上側)において左側の傾斜部84Aに連続する部分である。左側の突出部本体84Bは、ブーム側接続部70が着脱可能に取り付けられる部分、具体的にはピン孔84Hが形成された部分を含み、左側の傾斜部84Aに連続する部分である。ブーム3及びジブ4が倒伏姿勢で配置された状態で、第1コネクタ部81の左側の突出部81B、左側の傾斜部84A及び左側の突出部本体84Bは、この順に上下に並ぶ。
【0091】
この変形例5では、第3コネクタ部83が上記のような構造を備えているので、第3コネクタ部83の左右の突出部本体84B,84Bの間に介在するストラットガイライン7のブーム側接続部70を軽量化することができる。
【0092】
本開示は、以上説明した実施形態に限定されない。本開示は、例えば次のような態様を包含する。
【0093】
(A)前記実施形態では、機体が下部走行体を含む自走可能なクレーンであるが、機体は、例えば地盤に固定されて自走不可能なものであってもよい。また、本実施形態に係るクレーン100は、いわゆる固定ジブ仕様のクレーンであるが、ブーム3に対するジブ4の角度を変えることが可能なクレーンであってもよい。
【0094】
(B)
図3~
図6に示す前記実施形態及び
図7~
図11に示す変形例1~4のそれぞれでは、第3コネクタ部83は、第2コネクタ部82に連続して当該第2コネクタ部82と一体の部材を構成し、第1コネクタ部81とは別体の部材であるが、これに限られない。第3コネクタ部83は、第1コネクタ部81に連続して当該第1コネクタ部81と一体の部材を構成し、第2コネクタ部82とは別体の部材であってもよい。
【0095】
(C)支持部材について
前記実施形態では、支持部材がマスト5により構成されるが、支持部材は、例えばガントリであってもよい。ガントリは、ブーム3の後方において上部旋回体2に支持され、例えばブームガイラインを介してブーム3の先端部に接続される。
【符号の説明】
【0096】
1 :下部走行体
2 :上部旋回体
3 :ブーム
3B :中間ブーム部材(第1ブーム部材の一例)
3C :中間ブーム部材(第2ブーム部材の一例)
4 :ジブ
6 :ストラット
7 :ストラットガイライン
50 :コネクタ連結ピン
60 :ガイライン連結ピン
70 :ブーム側接続部
80 :コネクタ
80A :特定コネクタ
81 :第1コネクタ部
82 :第2コネクタ部
83 :第3コネクタ部
100 :クレーン
P1 :倒伏時上側部位
P2 :倒伏時下側部位