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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023064985
(43)【公開日】2023-05-12
(54)【発明の名称】スイッチ装置
(51)【国際特許分類】
   H01H 25/06 20060101AFI20230502BHJP
   B60R 16/02 20060101ALI20230502BHJP
【FI】
H01H25/06 B
H01H25/06 G
B60R16/02 630B
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021175496
(22)【出願日】2021-10-27
(71)【出願人】
【識別番号】000222934
【氏名又は名称】東洋電装株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100124811
【弁理士】
【氏名又は名称】馬場 資博
(74)【代理人】
【識別番号】100187724
【弁理士】
【氏名又は名称】唐鎌 睦
(72)【発明者】
【氏名】富田 悟
【テーマコード(参考)】
5G031
【Fターム(参考)】
5G031AS32H
5G031AS32N
5G031GS22
5G031GS24
5G031HU24
(57)【要約】
【課題】複数方向に操作可能なスイッチ装置において誤入力をしてしまうおそれがある。
【解決手段】スイッチ装置100は、所定方向にスライド移動可能なよう支持されるとともに、前記所定方向に沿った中心軸線の周りに回転可能なように支持された操作ノブと、前記操作ノブがスライド移動した際に当該操作ノブの回転を規制する規制部と、前記中心軸線に沿って延在する回転軸部材と、を有し、前記操作ノブは、前記回転軸部材に支持されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定方向にスライド移動可能なよう支持されるとともに、前記所定方向に沿った中心軸線の周りに回転可能なように支持された操作ノブと、
前記操作ノブがスライド移動した際に当該操作ノブの回転を規制する規制部と、
前記中心軸線に沿って延在する回転軸部材と、を有し、
前記操作ノブは、前記回転軸部材に支持されている
スイッチ装置。
【請求項2】
請求項1に記載のスイッチ装置であって、
前記規制部は、前記操作ノブを回転させる際に当該操作ノブとともに回転する第1の部位と、前記操作ノブをスライド移動させたときに前記第1の部位の回転を規制する第2の部位と、を含んでいる
スイッチ装置。
【請求項3】
請求項2に記載のスイッチ装置であって、
前記規制部は、前記操作ノブをスライド移動させた際に前記第1の部位と前記第2の部位とが嵌合することで前記操作ノブの回転を規制する
スイッチ装置。
【請求項4】
請求項2に記載のスイッチ装置であって、
前記第1の部位は、前記操作ノブにおいて前記回転軸部材方向に沿って突出または陥没する部位である
スイッチ装置。
【請求項5】
請求項3に記載のスイッチ装置であって、
前記第1の部位は、前記操作ノブにおいて前記回転軸部材方向に沿って突出または陥没する部位である
スイッチ装置。
【請求項6】
請求項4または請求項5に記載のスイッチ装置であって、
前記第2の部位は、前記回転軸部材方向に沿って突出または陥没する凸部または凹部であり、
前記第1の部位は、前記第2の部位を形成する凸部または凹部に応じた凹部または凸部であり、
前記操作ノブをスライド移動させた際に、凹部または凸部である前記第1の部位と凸部または凹部である前記第2の部位とが嵌合することで、前記操作ノブの回転を規制する
スイッチ装置。
【請求項7】
請求項1に記載のスイッチ装置であって、
前記操作ノブは、所定方向に向かって前記操作ノブに漸近するテーパ部を有し、
前記テーパ部には、前記操作ノブがスライド移動した際にテーパ部からの押圧により電気的導通を生じるスイッチング部材が当接している
スイッチ装置。
【請求項8】
請求項7に記載のスイッチ装置であって、
前記テーパ部と前記スイッチング部材とは、前記操作ノブがスライド移動した際、摺動可能であり、
前記テーパ部における前記スイッチング部材との摺動面は、前記テーパ部および前記スイッチング部材の摺動方向に対して垂直な切断面が湾曲する曲面である
スイッチ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スイッチ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数方向に操作可能なスイッチ装置が知られている。
【0003】
上記のようなスイッチ装置について記載された文献の一例として、特許文献1がある。例えば、特許文献1には、親指によって操作される板状の操作片を有するステアリングスイッチが記載されている。特許文献1によると、操作片は、当該操作片を支持する支持部材に対して、スライド可能であり、かつ、揺動可能なよう支持されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009-214750号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の技術の場合、スライドと揺動の同時操作を行うことができてしまう。その結果、例えば、スイッチ装置を操作する際に意図した方向と意図していない方向との同時操作になってしまい、意図した入力ではない誤入力をしてしまうおそれがあった。このように、複数方向に操作可能なスイッチ装置において、誤入力をしてしまうおそれがある、という課題が生じていた。
【0006】
そこで、本発明の目的は、上述した課題である、複数方向に操作可能なスイッチ装置において、誤入力をしてしまうおそれがある、という課題を解決することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一形態であるスイッチ装置は、
所定方向にスライド移動可能なよう支持されるとともに、前記所定方向に沿った中心軸線の周りに回転可能なように支持された操作ノブと、
前記操作ノブがスライド移動した際に当該操作ノブの回転を規制する規制部と、
前記中心軸線に沿って延在する回転軸部材と、を有し、
前記操作ノブは、前記回転軸部材に支持されている
という構成をとる。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、以上のように構成されることにより、複数方向に操作可能なスイッチ装置において誤入力のおそれを抑制することが可能なスイッチ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の第1の実施形態におけるスイッチ装置の構成例を示す斜視図である。
図2】スイッチ装置の構成例を示す平面図である。
図3】スイッチ装置の構成例を示す正面図である。
図4図2で示すスイッチ装置をIVIV線で切断した際の一例を示す断面図である。
図5図2で示すスイッチ装置をV方向からみた際の操作ノブ120の面より下方の構成例を示す図である。
図6】規制部の他の構成例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<実施形態1>
本発明の第1の実施形態においては、3方向に操作入力可能なスイッチ装置100について説明する。例えば、スイッチ装置100は、自動車や二輪車などのセンターコンソールやハンドルなどに設置される。一例として、スイッチ装置100は、シフト操作、ウィンカー操作、そのほか任意の操作入力のために用いることが出来る。後述するように、本実施形態で説明するスイッチ装置100の場合、所定方向にスライド移動可能なように、かつ、所定方向に沿った中心軸線の周りに回転可能なように、操作入力用の操作ノブ120が支持されている。また、スイッチ装置100は、操作ノブ120がスライド移動した際に当該操作ノブ120の回転を規制する規制部を有する。上記構成により、スイッチ装置100は、操作ノブ120のスライド移動および回転による3方向の操作入力を行うことを可能としつつ、複数方向への同時操作を抑制することが出来る。規制部の詳細については後述する。
【0011】
なお、本実施形態においては、スイッチ装置100のうちカバー部110が存在する側を上側、操作ノブ120が存在する側を下側と定義して説明する。言い換えると、カバー部110は操作ノブ120の上側を覆っているものとして説明する。ただし、スイッチ装置100は、必ずしもカバー部110が上側に存在するように設置されなくてもよい。スイッチ装置100は任意の方向で自動車などに設置してよい。
【0012】
図1はスイッチ装置100の構成例を示す斜視図である。また、図2はスイッチ装置100の構成例を示す平面図であり、図3はスイッチ装置100の構成例を示す正面図である。また、図4はスイッチ装置100を図2のIVIV線で切断した際の一例を示す断面斜視図である。図1から図4までを参照すると、例えば、スイッチ装置100は、カバー部110と、操作ノブ120と、回転軸部材130と、回転軸部材140と、3つのスイッチング部材(スイッチング部材210、220、230)と、を含んでいる。
【0013】
図1から図3までに示すように、カバー部110は、平面視で略長方形の形状を有する部材である。また、図3で示すように、カバー部110の中央部分は、正面から見た際に、操作ノブ120と当接しないように操作ノブ120と同様の角度で、浅い略U字形状となるよう上方へ湾曲している(湾曲する角度は任意でよい)。
【0014】
なお、本実施形態で説明する場合、カバー部110は、任意の手段により操作ノブ120の上方を覆うように設置されている。例えば、カバー部110は、スイッチ装置100の下方を覆う図示しないハウジングなどに設置されてもよい。また、カバー部110は、樹脂など任意の素材により形成されてよい。
【0015】
カバー部110のうち平面視中央部分には、当該カバー部110の厚み方向に貫通する開口部111が形成されている。例えば、開口部111は、平面視で略長方形の形状を有している。開口部111の形状は例示する以外であってもよい。
【0016】
操作ノブ120は、所定方向にスライド移動可能なように、かつ、所定方向に沿った中心軸線の周りに回転可能なように、回転軸部材130と回転軸部材140に支持されている。また、操作ノブ120は、後述する規制部により、当該操作ノブ120をスライド移動させた際に回転できないよう規制される。操作ノブ120は、平面視でカバー部110と同様の形状を有している。また、操作ノブ120の中央部分は、正面から見た際に、カバー部110と同様の角度で、浅い略U字形状となるよう上方へ湾曲している。なお、操作ノブ120は、カバー部110と同様に、樹脂など任意の素材により形成されてよい。
【0017】
操作ノブ120のうち上方側の面所定箇所では、操作片121が例えば操作ノブ120と一体的に形成されている。つまり、操作ノブ120は操作片121を含んでいる。一例として、例えば、操作ノブ120をスライド移動させていない状態において、操作ノブ120上方側の面のうち、操作ノブ120の上方をカバー部110が覆った際に開口部111の中央付近に相当する位置に、操作片121が形成されている。操作片121は略矩形板状の部材であり、カバー部110に形成された開口部111を貫通している。スイッチ装置100を操作するユーザは、操作片121を用いて、操作ノブ120をスライド移動させたり回転させたりすることが出来る。なお、操作片121の形状は図1などで例示した以外であってもよい。
【0018】
また、操作ノブ120のうち下方側の面所定箇所では、保持片122と保持片123が例えば操作ノブ120と一体的に形成されている。つまり、操作ノブ120は保持片122と保持片123とを含んでいる。一例として、例えば、操作ノブ120をスライド移動させていない状態において、操作ノブ120下方側の面のうち、操作ノブ120の上方をカバー部110が覆った際に開口部111の長手方向一方の端部付近に相当する位置に保持片122が形成されており、開口部111の長手方向他方の端部付近に相当する位置に保持片123が形成されている。
【0019】
例えば、保持片122は、操作ノブ120のうち下方側の面から下方に向かって伸びる板状の部材である。保持片122のうち所定箇所では、スライド移動方向に後述する軸支片131が挿通している。後述するように、保持片122を後述する軸支片131が挿通することで、保持片122は、スライド移動可能なよう、かつ、スライド移動方向に沿った中心軸線の周りに回転可能なように、回転軸部材130に軸支される。
【0020】
また、保持片123は、操作ノブ120のうち下方側の面から伸びる板状の部材である。保持片122の場合と同様に、保持片123のうち所定箇所では、スライド移動方向に後述する軸支片141が挿通している。後述するように、保持片123を後述する軸支片141が挿通することで、保持片123は、スライド移動可能なよう、かつ、スライド移動方向に沿った中心軸線の周りに回転可能なように、回転軸部材140に軸支される。なお、保持片123の形状は、保持片122と同様であってもよいし異なっていてもよい。
【0021】
また、操作ノブ120のうち下方側の面所定箇所には、規制部の一部として機能する突出片124(第1の部位)が例えば操作ノブ120と一体的に形成されている。つまり、操作ノブ120は規制部のうち第1の部位として機能する操作片124を含んでいる。換言すると、操作ノブ120のうち下方側の面所定箇所には、操作ノブ120を回転させる際に操作ノブ120とともに回転するよう操作ノブ120と一体的に形成された突出片124が設けられている。例えば、図4で例示する場合、突出片124は、操作ノブ120のうち保持片123よりもスライド移動方向である長手方向端部側に形成されている。突出片124には、スライド移動方向に貫通する貫通孔1241が形成されており、操作ノブ120をスライド移動させることで、後述する回転軸部材140に形成される規制凸部142と突出片124とが嵌合する。その結果、操作ノブ120をスライド移動させた状態で操作ノブ120を回転させようとすると、嵌合している規制凸部142と突出片124とが回転方向に当接する。これにより、操作ノブ120をスライド移動させた状態で回転させることが出来なくなる。
【0022】
なお、図4では保持片123に対応する位置に突出片124を形成する場合について例示している。しかしながら、突出片124は、保持片123に対応する位置の代わりに、保持片122に対応する位置に形成されてもよい。または、突出片124は、保持片123に対応する位置とともに、保持片122に対応する位置に形成されてもよい。
【0023】
また、操作ノブ120のうち下方側の面所定箇所には、スライド移動方向に向かって操作ノブ120に漸近するテーパ部125が形成されている。つまり、操作ノブ120はテーパ部125を含んでいる。換言すると、テーパ部125は、操作ノブ120の長手方向端部側に近づくほど下方に伸びる部位である。例えば、図4で例示する場合、テーパ部125は、操作ノブ120のうち突出片124よりもスライド移動方向である長手方向端部側に形成されている。
【0024】
本実施形態の場合、テーパ部125は、操作ノブ120のスライド移動および回転の有無にかかわらず常にスイッチング部材210と当接するよう、斜面の角度や位置が調整されている。テーパ部125とスイッチング部材210とが常に当接することで、操作ノブ120などのガタつきを抑制することが出来る。また、テーパ部125とスイッチング部材210とは、操作ノブ120がスライド移動した際に摺動可能なよう設置される。つまり、操作ノブ120をスライド移動させると、テーパ部125はスイッチング部材210と当接状態を維持したまま滑ってスライド移動する。例えば、スイッチング部材210は、操作ノブ120をスライド移動させることで、操作ノブ120に漸近する形状を有するテーパ部125からの押圧により、回路基板(図示せず)などに搭載される電気的導通部において、導通が生じることになる。
【0025】
なお、テーパ部125の下方に形成される摺動面1251は、所定の角度で湾曲する曲面であってよい。換言すると、テーパ部125におけるスイッチング部材210との摺動面1251は、テーパ部125およびスイッチング部材210の摺動方向に対して垂直な切断面が湾曲する曲面であってよい。摺動面1251を上記曲面とすることで、操作ノブ120を回転させた際でもテーパ部125をスイッチング部材210に確実に当接させ続けることが出来る。換言すると、テーパ部125は、操作ノブ120が回転した際にスイッチング部材210との当接が維持可能なよう、操作ノブ120の回転に応じた角度で湾曲する曲面である摺動面1251を有する、ということも出来る。
【0026】
回転軸部材130は、スライド移動可能なよう、かつ、スライド移動方向に沿った中心軸線の周りに回転可能なよう保持片122を用いて操作ノブ120を軸支している。回転軸部材130は、図示しないハウジングに設置されるなど、任意の手段により操作ノブ120よりも下方に設置されてよい。
【0027】
例えば、図4を参照すると、回転軸部材130の所定位置には、中心軸線に沿って延在する部位である軸支片131が形成されており、軸支片131が保持片122を挿通することで、回転軸部材130は操作ノブ120を軸支している。上記構成によると、保持片122が軸支片131に対してスライド移動方向に摺動することで、操作ノブ120がスライド移動する。また、軸支片131を中心に保持片122が回転することで、操作ノブ120が回転する。このように、軸支片131は、回転軸として機能するとともにスライド軸として機能する。換言すると、回転軸部材130は、回転軸とスライド軸とを兼ねた軸支片131を有している、ということも出来る。
【0028】
回転軸部材140は、スライド移動可能なよう、かつ、スライド移動方向に沿った中心軸線の周りに回転可能なよう保持片123を用いて操作ノブ120を軸支している。回転軸部材140は、図示しないハウジングに設置されるなど、任意の手段により操作ノブ120よりも下方に設置されてよい。
【0029】
例えば、図4を参照すると、回転軸部材140のうち上述した軸支片131に応じた位置には、中心軸線に沿って延在する部位である軸支片141が形成されており、軸支片141が保持片123を挿通することで、回転軸部材140は操作ノブ120を軸支している。上記構成によると、保持片123が軸支片141に対してスライド移動方向に摺動することで、操作ノブ120がスライド移動する。また、軸支片141を中心に保持片123が回転することで、操作ノブ120が回転する。このように、軸支片141は、回転軸として機能するとともにスライド軸として機能する。換言すると、回転軸部材140は、回転軸とスライド軸とを兼ねた軸支片141を有している、ということも出来る。
【0030】
また、図1のV方向から操作ノブ120の面より下方の構成を図示した図5などで示すように、回転軸部材140のうち、スライド移動方向で軸支片141が形成されている側とは反対側には、規制部の一部として機能する凸部である規制凸部142(第2の部位)が形成されている。上述したように、規制凸部142は、操作ノブ120をスライド移動させた際に、突出片124と嵌合する。これにより、第2の部位である規制凸部142は、操作ノブ120をスライド移動させたときに第1の部位である突出片124の回転を規制する。
【0031】
なお、規制凸部142は回転軸部材140に形成されているため、操作ノブ120を回転させても操作ノブ120とともに回転しない。そのため、例えば、操作ノブ120を回転させた状態では、操作ノブ120とともに回転する突出片124と操作ノブ120とともに回転しない規制凸部142との位置関係がずれることとなる(つまり、嵌合不可となる)。その結果、操作ノブ120を回転させた状態では、操作ノブ120をスライド移動させることが出来ないことになる。従って、第1の部位と第2の部位とからなる規制部は、操作ノブ120が回転した際に操作ノブ120のスライド移動を規制している、ということも出来る。
【0032】
なお、上述したように、突出片124は保持片122に対応する位置に形成されてもよい。突出片124が保持片122に対応する位置に形成される場合、回転軸部材140の代わりに回転軸部材130に規制凸部が形成されてもよい。
【0033】
スイッチング部材210は、常にテーパ部125と当接しており、操作ノブ120をスライド移動させることで、テーパ部125に押圧され電気的導通を生じる。また、スイッチング部材220、230は、操作ノブ120を回転させた際に押圧され電気的導通を生じるよう設けられている。例えば、図3で示す場合、操作ノブ120を反時計周りに回転させた際にスイッチング部材220が押圧され、操作ノブ120を時計周りに回転させた際にスイッチング部材230が押圧される。なお、スイッチング部材210、220、230は、図示しないハウジングに設置されるなど、任意の手段により操作ノブ120よりも下方に設置されてよい。
【0034】
以上が、スイッチ装置100の構成例である。
【0035】
このように、スイッチ装置100が有する軸支片131や軸支片141は、回転軸として機能するとともにスライド軸として機能する。このように回転軸とスライド軸とを兼ねるよう構成することで、部材ごとに動きの規制部を設定する必要がなくなり、設計容易性などを向上させることが出来る。
【0036】
また、スイッチ装置100は、スライド移動と回転の同時操作を規制する規制部を有している。このような構成により、3方向の操作入力を可能としつつ、複数方向への同時操作入力による誤入力などを抑制することが出来る。
【0037】
なお、本実施形態の場合、突出片124に貫通孔1241が形成されているとした。しかしながら、突出片124の貫通孔1241は、陥没していれば必ずしも貫通までしていなくてもよい。また、本実施形態の場合、回転軸部材140が規制凸部142を有し突出片124が貫通孔1241を有するなど陥没している場合について例示した。しかしながら、操作ノブ120をスライド移動させた際に嵌合可能であれば、凹部と凸部は逆であってもよい。つまり、突出片124がスライド移動方向に突出する凸部を有し、回転軸部材140がスライド移動方向に陥没する凹部を有してもよい。
【0038】
また、本実施形態で説明した規制部とともに、または、規制部の代わりに、カバー部110が規制部としての機能を有するよう構成してもよい。例えば、図6は、カバー部110が規制部としての機能を有する場合について例示している。図6で示す場合、開口部111は、3方向に開口しており、操作ノブ120をスライド移動させた状態、つまり、操作片121がスライド移動した状態で、操作ノブ120を回転させようとすると、操作片121がカバー部110と当接する。このように、所定の状態で所定方向に操作しようとした際に操作片121とカバー部110とが当接するように開口部111を形成することで、カバー部110に規制部としての機能を持たせてもよい。
【0039】
また、本実施形態においては、3方向に操作入力可能なスイッチ装置100について説明した。しかしながら、スイッチ装置100は、4方向に操作入力可能なよう構成してもよい。例えば、スイッチ装置100は、操作ノブ120の長手方向他方の端部側に第2のテーパ部を有し、第2のテーパ部により押圧可能な位置に新たなスイッチング部材を設置することなどにより、4方向に操作入力可能なよう構成してもよい。
【0040】
<付記>
上記実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうる。以下、本発明におけるスイッチ装置の構成の概略を説明する。但し、本発明は、以下の構成に限定されない。
【0041】
(付記1)
所定方向にスライド移動可能なよう支持されるとともに、前記所定方向に沿った中心軸線の周りに回転可能なように支持された操作ノブと、
前記操作ノブがスライド移動した際に当該操作ノブの回転を規制する規制部と、
前記中心軸線に沿って延在する回転軸部材と、を有し、
前記操作ノブは、前記回転軸部材に支持されている
スイッチ装置。
(付記2)
付記1に記載のスイッチ装置であって、
前記規制部は、前記操作ノブを回転させる際に当該操作ノブとともに回転する第1の部位と、前記操作ノブをスライド移動させたときに前記第1の部位の回転を規制する第2の部位と、を含んでいる
スイッチ装置。
(付記3)
付記2に記載のスイッチ装置であって、
前記規制部は、前記操作ノブをスライド移動させた際に前記第1の部位と前記第2の部位とが嵌合することで前記操作ノブの回転を規制する
スイッチ装置。
(付記4)
付記2に記載のスイッチ装置であって、
前記第1の部位は、前記操作ノブにおいて前記回転軸部材方向に沿って突出または陥没する部位である
スイッチ装置。
(付記5)
付記3に記載のスイッチ装置であって、
前記第1の部位は、前記操作ノブにおいて前記回転軸部材方向に沿って突出または陥没する部位である
スイッチ装置。
(付記6)
付記4または付記5に記載のスイッチ装置であって、
前記第2の部位は、前記回転軸部材方向に沿って突出または陥没する凸部または凹部であり、
前記第1の部位は、前記第2の部位を形成する凸部または凹部に応じた凹部または凸部であり、
前記操作ノブをスライド移動させた際に、凹部または凸部である前記第1の部位と凸部または凹部である前記第2の部位とが嵌合することで、前記操作ノブの回転を規制する
スイッチ装置。
(付記7)
付記1に記載のスイッチ装置であって、
前記操作ノブは、所定方向に向かって前記操作ノブに漸近するテーパ部を有し、
前記テーパ部には、前記操作ノブがスライド移動した際にテーパ部からの押圧により電気的導通を生じるスイッチング部材が当接している
スイッチ装置。
(付記8)
付記7に記載のスイッチ装置であって、
前記テーパ部と前記スイッチング部材とは、前記操作ノブがスライド移動した際、摺動可能であり、
前記テーパ部における前記スイッチング部材との摺動面は、前記テーパ部および前記スイッチング部材の摺動方向に対して垂直な切断面が湾曲する曲面である
スイッチ装置。
【0042】
以上、上記実施形態等を参照して本願発明を説明したが、本願発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明の範囲内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。
【符号の説明】
【0043】
100 スイッチ装置
110 カバー部
111 開口部
120 操作ノブ
121 操作片
122 保持片
123 保持片
124 突出片
1241 貫通孔
125 テーパ部
1251 摺動面
130 回転軸部材
131 軸支片
140 回転軸部材
141 軸支片
142 規制凸部
210 スイッチング部材
220 スイッチング部材
230 スイッチング部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6