IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ サトーホールディングス株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-ラベル貼付装置 図1
  • 特開-ラベル貼付装置 図2
  • 特開-ラベル貼付装置 図3
  • 特開-ラベル貼付装置 図4
  • 特開-ラベル貼付装置 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023065020
(43)【公開日】2023-05-12
(54)【発明の名称】ラベル貼付装置
(51)【国際特許分類】
   B65C 9/08 20060101AFI20230502BHJP
【FI】
B65C9/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021175554
(22)【出願日】2021-10-27
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 販売日:令和2年11月18日 販売した場所:マガシーク株式会社物流センター「magaco」(神奈川県座間市広野台2-10-8 プロロジスパーク座間II3F)
(71)【出願人】
【識別番号】000130581
【氏名又は名称】サトーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】弁理士法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 陽一
【テーマコード(参考)】
3E095
【Fターム(参考)】
3E095BA03
3E095CA01
3E095DA22
3E095DA32
3E095DA43
3E095DA62
3E095DA90
3E095FA08
3E095FA25
(57)【要約】
【課題】ラベル貼付部によって保持される所定位置までラベルを送る際の静電気の影響を抑制する。
【解決手段】ラベル貼付装置は、ラベルを所定位置に向けて送るラベル供給部と、所定位置に向けて送られるラベルの非粘着面をラベル保持面に設けられた複数の通孔から吸引することでラベルをラベル保持面に沿って移動させるとともに所定位置でラベルを保持し、その後にラベルを被着体に向けてさらに移動させるラベル貼付部と、を備え、ラベル保持面に、所定位置に向けて送られるラベルがラベル送り方向においてラベル保持面と部分的に非接触となる凹部が設けられる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラベルを所定位置に向けて送るラベル供給部と、
前記所定位置に向けて送られる前記ラベルの非粘着面をラベル保持面に設けられた複数の通孔から吸引することで前記ラベルを前記ラベル保持面に沿って移動させるとともに前記所定位置で前記ラベルを保持し、その後に前記ラベルを被着体に向けてさらに移動させるラベル貼付部と、
を備え、
前記ラベル保持面に、前記所定位置に向けて送られる前記ラベルがラベル送り方向において前記ラベル保持面と部分的に非接触となる凹部が設けられる、
ラベル貼付装置。
【請求項2】
請求項1に記載のラベル貼付装置であって、
前記凹部は、有底の丸穴である、
ラベル貼付装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のラベル貼付装置であって、
前記ラベル送り方向に前記凹部が複数並んで設けられた凹部列を有する、
ラベル貼付装置。
【請求項4】
請求項3に記載のラベル貼付装置であって、
前記凹部列が、前記ラベル送り方向と直交する方向に複数設けられる、
ラベル貼付装置。
【請求項5】
請求項4に記載のラベル貼付装置であって、
隣り合う2つの前記凹部列は、前記ラベル送り方向に各々の前記凹部の位置がずれており、且つ、前記ラベル送り方向から見て互いの一部が重複する、
ラベル貼付装置。
【請求項6】
請求項1に記載のラベル貼付装置であって、
前記凹部は、前記ラベル送り方向と交差する方向に延びる溝である、
ラベル貼付装置。
【請求項7】
請求項6に記載のラベル貼付装置であって、
前記凹部が、前記ラベル送り方向に複数設けられる、
ラベル貼付装置。
【請求項8】
請求項1又は2に記載のラベル貼付装置であって、
前記凹部が複数設けられ、
前記ラベルの幅の範囲内で、前記ラベル保持面における前記ラベル送り方向に沿う線は、少なくとも1つの前記凹部と交差する、
ラベル貼付装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラベル貼付装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、印字済みのラベルを剥離部材により台紙から剥離するとともに剥離部材に近接するラベル貼付部のラベル保持面板にラベルを送り出し吸着させ、商品が搬送されて来るとラベルを商品に貼付するラベル印字貼付装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-262541号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のラベル印字貼付装置では、ラベル保持面板に設けられた通孔に、ラベルを保持するための吸着力(負圧)が作用している。よって、台紙から剥離されたラベルは、ラベル保持面板に吸着されながら、つまり、ラベル保持面板を滑りながら所定位置まで送られる。
【0005】
ここで、ラベルが静電気を帯びると、静電気力によりラベルがラベル保持面板に必要以上に強く吸着されてしまう場合がある。この場合は、ラベルがラベル保持面板を滑り難くなるので、ラベルに皺や折れ曲がりが発生することが考えられる。
【0006】
本発明は、このような技術的課題に鑑みてなされたもので、ラベル貼付部によって保持される所定位置までラベルを送る際の静電気の影響を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のある態様によれば、ラベルを所定位置に向けて送るラベル供給部と、前記所定位置に向けて送られる前記ラベルの非粘着面をラベル保持面に設けられた複数の通孔から吸引することで前記ラベルを前記ラベル保持面に沿って移動させるとともに前記所定位置で前記ラベルを保持し、その後に前記ラベルを被着体に向けてさらに移動させるラベル貼付部と、を備え、前記ラベル保持面に、前記所定位置に向けて送られる前記ラベルがラベル送り方向において前記ラベル保持面と部分的に非接触となる凹部が設けられるラベル貼付装置が提供される。
【発明の効果】
【0008】
上記の態様によれば、所定位置に向けて送られるラベルが凹部を通過すると、ラベル保持面からラベルが部分的に離間する。これにより、ラベル保持面から離間した部分に帯電していた静電気がラベルから除去される。よって、ラベル貼付部によって保持される所定位置までラベルを送る際の静電気の影響を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本発明の実施形態に係るラベル貼付装置の概略構成図である。
図2図2は、図1の矢印IIの方向からラベル保持板を見た図である。
図3図3は、図2のIII-III線に沿うラベル保持板の断面図である。
図4図4は、図2のIV-IV線に沿うラベル保持板の断面図である。
図5図5は、変形例に係るラベル保持板について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態に係るラベル貼付装置100について説明する。
【0011】
図1は、ラベル貼付装置100の概略構成図である。
【0012】
ラベル貼付装置100は、図1に示すように、ラベルLを所定位置に向けて送るラベル供給部10と、所定位置でラベルLを保持し、その後にラベルLを被着体200に貼付するラベル貼付部20と、を備える。
【0013】
ラベル供給部10は、剥離板11と、搬送ローラ機構12と、エア噴射部13と、を備える。
【0014】
搬送ローラ機構12は、複数のラベルLが仮着されたラベル連続体MLの台紙Sのみを2つのローラで挟持しながら台紙送り方向に搬送する。
【0015】
これにより、剥離板11の先端部において台紙Sのみが転向し、台紙SからラベルLが剥離する。ラベル送り方向におけるラベルLの上流側端部が台紙Sから完全に剥離するまで台紙Sが搬送されると、ラベルLが所定位置に到達する。
【0016】
また、台紙Sから剥離されたラベルLは、エア噴射部13から噴射されるエアによって、ラベル貼付部20のラベル保持面31に押し付けられるとともに所定位置に向けて移動するように付勢される。
【0017】
ラベル貼付部20は、シリンダ21と、ラベル保持部23と、を備える。
【0018】
ラベル保持部23は、シリンダ21のロッド22に連結されている。ラベル保持部23は、シリンダ21を作動させることで、所定位置でラベルLを保持するラベル保持位置(実線)と、被着体200にラベルLを貼付するラベル貼付位置(二点鎖線)と、の間で移動可能である。
【0019】
ラベル保持部23は、下部にラベル保持板30が取り付けられている。ラベル保持板30の下面が、所定位置でラベルLを保持するラベル保持面31である。
【0020】
ラベル保持板30の素材としては、例えば、ポリアミド樹脂等の合成樹脂を採用することができる。
【0021】
ラベル保持板30には、ラベル保持部23の内部空間と外部空間とを連通させる複数の通孔32が設けられる。また、ラベル保持部23の内部空間は、配管24によって圧力調整装置(図示せず)と接続されている。
【0022】
ラベル保持部23がラベル保持位置にある状態では、圧力調整装置は、負圧発生装置として作動して複数の通孔32からエアを吸引する。
【0023】
これにより、台紙Sから剥離されたラベルLは、非粘着面が複数の通孔32から吸引され、ラベル保持面31に吸着されながら所定位置まで送られる。そして、所定位置でラベル保持面31に吸着保持される。
【0024】
ラベル貼付部20は、所定位置でラベルLを保持すると、シリンダ21を作動させてラベル保持部23をラベル貼付位置まで移動させる。つまり、ラベル貼付部20は、所定位置でラベルLを保持し、その後にラベルLを被着体200に向けて移動させる。
【0025】
ラベル保持部23をラベル貼付位置に移動させると、ラベル保持部23に保持されたラベルLが被着体200に近接した状態となる。この状態で圧力調整装置を正圧発生装置として作動させると、配管24を介して複数の通孔32からエアが噴射されてラベルLの粘着面が被着体200に押し付けられる。つまり、ラベルLが被着体200に貼付される。
【0026】
なお、ラベル貼付部20は、ラベル保持部23を被着体200に直接押し付けることでラベルLを被着体200に貼付するように構成してもよい。この場合は、正圧発生装置は不要となる。
【0027】
ところで、ラベル貼付装置100では、上述したように、台紙Sから剥離されたラベルLは、ラベル保持面31に吸着されながら、つまり、ラベル保持面31を滑りながら所定位置まで送られる。
【0028】
ここで、ラベルLが静電気を帯びると、静電気力によりラベルLがラベル保持面31に必要以上に強く吸着されてしまうことが考えられる。この場合は、ラベルLがラベル保持面31を滑り難くなるので、ラベルLに皺や折れ曲がりが発生することが考えられる。
【0029】
そこで、本実施形態では、ラベル貼付部20がラベルLを保持する所定位置までラベルLを送る際の静電気の影響を抑制できるようにラベル保持板30を構成している。
【0030】
以下、図2図4を参照しながらラベル保持板30について詳しく説明する。
【0031】
図2は、図1の矢印IIの方向からラベル保持板30を見た図である。図3は、図2のIII-III線に沿うラベル保持板30の断面図である。図4は、図2のIV-IV線に沿うラベル保持板30の断面図である。
【0032】
図2図4に示すように、ラベル保持板30のラベル保持面31には、複数の通孔32と、複数の凹部33と、が設けられる。複数の通孔32及び複数の凹部33は、例えば、ドリル加工により形成される。
【0033】
ラベル保持板30は、複数のボルト34でラベル保持部23に取り付けられる。ボルト34が挿通される孔は、ボルト34の頭部にラベルLが引っ掛かることがないように、座ぐり加工されている。
【0034】
なお、図2では、一部の通孔32に符号を付しているが、同じ大きさで描かれている孔は全て通孔32である。凹部33、ボルト34についても同様である。
【0035】
通孔32は、図3に示すように、ラベル保持板30を貫通するように設けられる。
【0036】
複数の通孔32は、図2に示すように、ラベル保持面31の全体にバランスよく配置される。これにより、ラベルLを全体的にラベル保持面31に吸着保持することができる。また、様々な幅のラベルLを吸着保持することができる。
【0037】
凹部33は、図2図4に示すように、ラベル保持板30を貫通しないように設けられた有底の丸穴である。つまり、凹部33は、ラベル保持部23の内部空間には通じていない。凹部33の直径は、8mm~10mm程度とされる。
【0038】
本実施形態では、ラベル保持板30は、図2に示すように、ラベル送り方向に複数の凹部33が並んで構成された凹部列を複数有する(凹部列301~319)。
【0039】
凹部列301~319は、ラベル送り方向と直交する方向(以下、単に直交方向という。)に並んで設けられる。図2では、理解を容易にするために、一部の凹部列(301、302、303)について、それぞれ破線で囲って示している。
【0040】
直交方向における凹部列301~319全体の幅W2は、ラベル貼付装置100が対応可能なラベルLの最大幅W1よりも大きく設定されている。
【0041】
凹部列301~319のうち、隣り合う2つの凹部列は、ラベル送り方向に各々の凹部33の位置がずれており、且つ、ラベル送り方向から見て互いの一部が重複する。
【0042】
凹部列301、302を例として説明すると、凹部列301は、ラベル送り方向に並んで設けられた6個の凹部33で構成されており、凹部列302は、ラベル送り方向に並んで設けられた10個の凹部33で構成されている。
【0043】
そして、凹部列301を構成する6個の凹部33と、凹部列302を構成する10個の凹部33とは、ラベル送り方向における位置が互いにずれている。
【0044】
加えて、凹部列301、302をラベル送り方向から見ると、凹部列301を構成する6個の凹部33と、凹部列302を構成する10個の凹部33とは、部分的に重なる位置関係にある。
【0045】
このように、本実施形態では、ラベル保持板30のラベル保持面31に、所定位置に向けて送られるラベルLがラベル送り方向においてラベル保持面31と部分的に非接触となる凹部33が設けられる。
【0046】
そのため、所定位置に向けて送られるラベルLが凹部33を通過すると、ラベル保持面31からラベルLが部分的に離間する。これにより、ラベル保持面31から離間した部分に帯電していた静電気がラベルLから除去される。よって、ラベル貼付部20によって保持される所定位置までラベルLを送る際の静電気の影響を抑制することができる。
【0047】
静電気はラベルLがラベル保持面31を滑ることで発生する。そのため、ラベルLのある部分が1つの凹部33を通過して当該部分の静電気が除去されたとしても、その後にラベル保持面31を滑ると、当該部分が再度静電気を帯びることになる。
【0048】
これに対して、本実施形態では、ラベル送り方向に凹部33が複数並んで設けられるので、ラベルLは、所定位置まで送られる間に、ラベル保持面31と断続的に離間する。例えば、ラベルLにおける凹部列301を通過する部分は、最大で6回、ラベル保持面31から離間する。つまり、ラベルLが所定位置まで送られるにつれて、ラベルLの同じ部分の静電気が繰り返し除去されることになる。よって、効果的にラベルLから静電気を除去することができる。
【0049】
さらに、複数の凹部列301~319を直交方向に並んで設けることで、ラベルLの幅方向において広い範囲で静電気を除去することができる。
【0050】
また、本実施形態では、上述したように、凹部列301~319のうち、隣り合う2つの凹部列は、ラベル送り方向に各々の凹部33の位置がずれており、且つ、ラベル送り方向から見て互いの一部が重複する。
【0051】
詳しく説明すると、例えば、図3に示す断面は、直交方向において、凹部列310のうち隣り合う凹部列309、凹部列311のいずれとも重複しない位置の断面である。そのため、図3に示す断面には、凹部列310を構成する6個の凹部33が示されている。ラベルLにおける当該位置を通過する部分は、最大で6回、凹部33を通過してラベル保持面31から離間する。
【0052】
また、図4に示す断面は、直交方向において、ラベル送り方向から見た凹部列310と凹部列311とが重複する位置の断面である。そのため、図4に示す断面には、凹部列310を構成する6個の凹部33と、凹部列311を構成する10個の凹部33と、が示されている。ラベルLにおける当該位置を通過する部分は、最大で16回、凹部33を通過してラベル保持面31から離間する。
【0053】
これによれば、隣り合う2つの凹部列を、ラベル送り方向から見て互いの一部が重複しないように直交方向に並べて設ける場合と比べて、単位面積当たりの凹部33の数をより多くすることができる。よって、より効果的に静電気を除去することができる。
【0054】
また、本実施形態では、ラベル貼付装置100が対応可能なラベルLの最大幅W1の範囲内で、直交方向における全ての位置の断面は、図3に示す断面と同様に1つの凹部列を通るか、又は図4に示す断面と同様に2つの凹部列を通るようになっている。
【0055】
言い換えると、本実施形態では、所定位置に送られるラベルLの幅の範囲内で、直交方向における全ての位置において、ラベル保持面31におけるラベル送り方向に沿う線が複数の凹部33と交差するようになっている。
【0056】
つまり、ラベルLは、幅方向において、静電気を除去されないまま所定位置まで送られる部分が存在しないようになっている。
【0057】
なお、例えば、通孔32及びボルト34それぞれの数や配置によっては、ラベル送り方向に凹部33を複数設けることができない場合もある。つまり、部分的に凹部列を構成できない場合である。
【0058】
そのような場合であっても、所定位置に送られるラベルLの幅の範囲内で、直交方向における全ての位置において、ラベル保持面31におけるラベル送り方向に沿う線が少なくとも1つの凹部33と交差するように、複数の凹部33を配置することが好ましい。
【0059】
本実施形態では、上述したように、ラベルLの同じ部分に対しても繰り返し静電気を除去することができるようにしている。しかしながら、ラベルLを所定位置に送る途中でいずれかの部分について一度でも静電気を除去できれば、ラベル貼付部20がラベルLを保持する所定位置までラベルLを送る際の静電気の影響を抑制することができると言える。すなわち、ラベル保持面31に設ける凹部33の数が1つであったとしても、当該効果を得ることができる。
【0060】
続いて、図5を参照しながら、変形例に係るラベル保持板130について説明する。ラベル保持板130については、ラベル保持板30と相違する点について主に説明し、ラベル保持板30と同様の構成については同じ符号を付して説明を省略する。
【0061】
図5に示すように、ラベル保持板130では、ラベル保持面131に、凹部133が設けられる。具体的には、凹部133は、ラベル送り方向と交差する方向に延びる有底の溝である。凹部133は、例えば、フライス加工で形成される。
【0062】
また、凹部133は、ラベル送り方向に複数設けられる。
【0063】
直交方向における複数の凹部133全体の幅W3は、ラベル貼付装置100が対応可能なラベルLの最大幅W1よりも大きく設定されている。
【0064】
変形例に係るラベル保持板130によれば、所定位置に向けて送られるラベルLが凹部133を通過すると、ラベル保持面131からラベルLが部分的に離間する。これにより、ラベル保持面131から離間した部分に帯電していた静電気がラベルLから除去される。よって、ラベル保持部23によって保持される所定位置までラベルLを送る際の静電気の影響を抑制することができる。
【0065】
また、凹部133は、ラベル送り方向と交差する方向に延びる。よって、ラベルLの幅方向において広い範囲で静電気を除去することができる。
【0066】
また、凹部133は、ラベル送り方向に複数設けられる。よって、ラベルLが所定位置まで送られるにつれて、ラベルLの同じ部分の静電気が繰り返し除去されることになるので、効果的にラベルLから静電気を除去することができる。
【0067】
また、直交方向における複数の凹部133全体の幅W3は、ラベル貼付装置100が対応可能なラベルLの最大幅W1よりも大きい。
【0068】
よって、ラベルLは、幅方向において、静電気を除去されないまま所定位置まで送られる部分が存在しないようになっている。
【0069】
以上のように構成されたラベル貼付装置100の主な作用効果についてまとめて説明する。
【0070】
ラベル貼付装置100は、ラベルLを所定位置に向けて送るラベル供給部10と、所定位置に向けて送られるラベルLの非粘着面をラベル保持面31、131に設けられた複数の通孔32から吸引することでラベルLをラベル保持面31、131に沿って移動させるとともに所定位置でラベルLを保持し、その後にラベルLを被着体200に向けてさらに移動させるラベル貼付部20と、を備え、ラベル保持面31、131に、所定位置に向けて送られるラベルLがラベル送り方向においてラベル保持面31、131と部分的に非接触となる凹部33、133が設けられる。
【0071】
これよれば、所定位置に向けて送られるラベルLが凹部33、133を通過すると、ラベル保持面31、131からラベルLが部分的に離間する。これにより、ラベル保持面31、131から離間した部分に帯電していた静電気がラベルLから除去される。よって、ラベル貼付部20によって保持される所定位置までラベルLを送る際の静電気の影響を抑制することができる。
【0072】
凹部33は、有底の丸穴である。
【0073】
これによれば、凹部33をドリル加工で容易に形成できる。また、凹部33を丸穴とすることで、凹部33にラベルLの先端が引っ掛かることを抑制できる。
【0074】
ラベル貼付装置100は、ラベル送り方向に凹部33が複数並んで設けられた凹部列(301~319)を有する。
【0075】
これによれば、ラベルLが所定位置まで送られるにつれて、ラベルLの同じ部分の静電気が繰り返し除去されることになるので、効果的にラベルLから静電気を除去することができる。
【0076】
凹部列が、ラベル送り方向と直交する方向に複数設けられる。
【0077】
これによれば、ラベルLの幅方向において広い範囲で静電気を除去することができる。
【0078】
隣り合う2つの凹部列は、ラベル送り方向に各々の凹部33の位置がずれており、且つ、ラベル送り方向から見て互いの一部が重複する。
【0079】
これによれば、単位面積当たりの凹部33の数をより多くすることができる。よって、より効果的に静電気を除去することができる。
【0080】
凹部133は、ラベル送り方向と交差する方向に延びる溝である。
【0081】
これによれば、凹部133をフライス加工で容易に形成できる。また、ラベルLの幅方向において広い範囲で静電気を除去することができる。
【0082】
凹部133が、ラベル送り方向に複数設けられる。
【0083】
これによれば、ラベルLが所定位置まで送られるにつれて、ラベルLの同じ部分の静電気が繰り返し除去されることになるので、効果的にラベルLから静電気を除去することができる。
【0084】
凹部33が複数設けられ、ラベルLの幅の範囲内で、ラベル保持面31におけるラベル送り方向に沿う線は、少なくとも1つの凹部33と交差する。
【0085】
これによれば、ラベルLの幅方向において、静電気を除去されないまま所定位置まで送られる部分が存在しないようにできる。
【0086】
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は、本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
【0087】
例えば、上記実施形態では、ラベル保持面31、131に、凹部33、133を複数設けている。しかしながら、ラベルLを所定位置に送る途中で、ラベルLのいずれかの部分について一度でも静電気を除去できれば、ラベル貼付部20によって保持される所定位置までラベルLを送る際の静電気の影響を抑制することができると言える。すなわち、ラベル保持面31、131に設ける凹部33、133の数が1つであったとしても、当該効果を得ることができる。言い換えると、凹部33、133の形状、数、配置は、当該効果を得ることができるのであれば、適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0088】
10 ラベル供給部
11 剥離板
12 搬送ローラ機構
13 エア噴射部
20 ラベル貼付部
21 シリンダ
22 ロッド
23 ラベル保持部
24 配管
30 ラベル保持板
31 ラベル保持面
32 通孔
33 凹部(丸穴)
34 ボルト
100 ラベル貼付装置
130 ラベル保持板
131 ラベル保持面
133 凹部(溝)
200 被着体
301~319 凹部列
L ラベル
S 台紙
ML ラベル連続体
図1
図2
図3
図4
図5