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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023065036
(43)【公開日】2023-05-12
(54)【発明の名称】遊技場用システム
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20230502BHJP
【FI】
A63F7/02 328
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021175593
(22)【出願日】2021-10-27
(71)【出願人】
【識別番号】000108937
【氏名又は名称】ダイコク電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】弁理士法人サトー
(72)【発明者】
【氏名】衣斐 大祐
(72)【発明者】
【氏名】樋口 真介
(72)【発明者】
【氏名】小島 紹広
(72)【発明者】
【氏名】近藤 芳充
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088CA05
2C088CA06
(57)【要約】
【課題】天井特別状態を発生可能な遊技機に関する遊技情報を遊技者に提示する場合に、違和感を与える虞を低減可能な遊技場用システムを提供する。
【解決手段】情報表示装置において、遊技機側から出力されるスタート信号に基づき間接的に特定される天井遊技情報と遊技機側天井遊技実行数とが整合しない場合に、誤りを含むこととなる天井遊技情報を表示しないように表示手段を制御するので、天井特別状態を発生可能な遊技機に関する遊技情報を遊技者に提示する場合に、違和感を与える虞を低減可能となる。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技価値を消費する遊技に応じて大当りを発生させるための単位遊技を実行するとともに、その単位遊技の実行数が予め定められた所定回数に達しても大当りとならない場合に遊技者にとって有利な特別状態として天井特別状態を発生可能な遊技機であって当該天井特別状態を発生させるための前記所定回数までの遊技機側天井遊技実行数を所定操作に応じて初期化可能な遊技機の遊技情報を管理する遊技場用のシステムにおいて、
遊技機側から出力される単位遊技の実行を特定可能なスタート信号に基づき、前記遊技機側天井遊技実行数に対応した天井遊技情報を特定する特定手段と、
遊技機各々に対応して設けられ、前記天井遊技情報を表示可能な表示手段と、
前記天井遊技情報と前記遊技機側天井遊技実行数とが整合しない場合に、誤りを含むこととなる前記天井遊技情報を表示しないように前記表示手段を制御する表示制御手段と、を備えることを特徴とする遊技場用システム。
【請求項2】
前記天井遊技情報は、大当りの発生に応じて初期値に更新され、前記単位遊技の実行毎にカウントダウン又はカウントアップされるカウント値を示し、
前記表示制御手段は、営業開始後最初の大当りが発生していない場合に、前記カウントダウン又はカウントアップされる天井遊技情報を表示しないように前記表示手段を制御することで、誤りを含むこととなる前記天井遊技情報を表示しないようにすることを特徴とする請求項1に記載した遊技場用システム。
【請求項3】
前記特定手段は、遊技機側から出力される遊技信号に基づき、前記天井特別状態の発生を特定可能であり、
前記表示制御手段は、前記天井特別状態の発生後に前記天井遊技情報を表示しないように前記表示手段を制御することで、誤りを含むこととなる前記天井遊技情報を表示しないようにすることを特徴とする請求項1又は2に記載した遊技場用システム。
【請求項4】
前記天井特別状態と大当り抽選同様の特別抽選を行って当選した場合に発生する抽選特別状態とを発生可能な遊技機側から当該天井特別状態と抽選特別状態とを区別可能な特別状態信号が出力されること、前記抽選特別状態が発生しない遊技機側から大当りを介さずに特別状態信号が出力されること、及び、前記特別状態中における単位遊技の実行数を示す特別状態単位遊技情報とその基準情報とを比較すること、の少なくとも一つにより前記天井特別状態の発生を特定することを特徴とする請求項3に記載した遊技場用システム。
【請求項5】
前記表示制御手段は、前記天井遊技情報を前記表示手段において曖昧に表示させる示唆表示と、曖昧に表示させない非示唆表示とを選択的に表示制御可能であることを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載した遊技場用システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技場用システムに関する。
【背景技術】
【0002】
遊技場では例えば特許文献1に示されるように遊技者に対して遊技機のスペックを提示するようなサービスを行っているが、近年、パチンコ遊技機のような遊技機において大当りを介さずに通常状態よりも出率が向上する時短状態となる特別時短を発生可能な遊技機が登場しつつある。
この特別時短は例えば大当り抽選同様の時短抽選を行って当選した場合に発生する突然時短だけでなく、天井時短も想定されるが、この天井時短は一定数の図柄変動のようなゲームを行っても大当りとならない場合に発生するので、例えば「一定数-現在のゲーム数」により天井時短が発生するまでの残りゲーム数を演算してカウントダウン方式で表示することにより、遊技者が遊技性を理解でき、より遊技し易くなることが期待できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10-113459号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、天井時短は、前記一定数の図柄変動つまり残りゲーム数が0となれば発生するが、遊技機側と、遊技機から信号を受けて間接的に残りゲーム数を演算するシステム側とで、例えば開店前に遊技機側の残りゲーム数はクリアするが、システム側は維持するような運用ミスが生じた場合、残りゲーム数を間接的に特定することからマイナス表示となり遊技者に違和感を与える虞があった。このような問題は残りゲーム数をカウントダウンする場合だけでなくゲーム数をカウントアップして表示する場合にも問題になりうるし、パチンコ遊技機に限らずスロットマシンにおいて所謂天井ARTのような天井特別状態を発生可能な遊技機においても共通の問題になりうる。
【0005】
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたもので、その目的は、天井特別状態を発生可能な遊技機に関する遊技情報を遊技者に提示する場合に、違和感を与える虞を低減可能な遊技場用システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
遊技価値を消費する遊技に応じて大当りを発生させるための単位遊技を実行するとともに、その単位遊技の実行数が予め定められた所定回数(例えば800回)に達しても大当りとならない場合に遊技者にとって有利な特別状態として天井特別状態(例えば天時)を発生可能な遊技機であって当該天井特別状態を発生させるための前記所定回数までの遊技機側天井遊技実行数(例えば前記800回までの図柄変動数であって遊技機1側で天時を発生させるための対象となるスタート)を所定操作(例えば閉店時の処理における従業員の操作入力)に応じて初期化可能な遊技機の遊技情報を管理する遊技場用のシステムにおいて、
遊技機側から出力される単位遊技の実行を特定可能なスタート信号に基づき、前記遊技機側天井遊技実行数に対応した天井遊技情報(例えば残S)を特定する特定手段(例えば制御部36)と、遊技機各々に対応して設けられ、前記天井遊技情報を表示可能な表示手段(例えば情報表示装置3のメイン表示部35)と、前記天井遊技情報と前記遊技機側天井遊技実行数とが整合しない場合に、誤りを含むこととなる前記天井遊技情報を表示しないように前記表示手段を制御する表示制御手段(例えば制御部36)と、を備えることを特徴とする遊技場用システム。
【0007】
遊技機側から出力されるスタート信号に基づき間接的に特定される天井遊技情報と遊技機側天井遊技実行数とが整合しない場合に、誤りを含むこととなる天井遊技情報を表示しないように表示手段を制御するので、天井特別状態を発生可能な遊技機に関する遊技情報を遊技者に提示する場合に、違和感を与える虞を低減可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施形態における遊技場用システムの全体構成図
図2】情報表示装置の正面図
図3】情報表示装置の電気的構成を中心に示すブロック図
図4】メイン表示部での特別時短表示画面(例1)を示す図
図5】メイン表示部での特別時短表示画面(例2)を示す図
図6】残りスタート表示処理の流れを示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、遊技場用システムの全体構成を示す概略図である。遊技場内には多数の遊技機1が設置されており、各遊技機1に対応して遊技装置2及び情報表示装置3が設けられている。これら遊技機1、遊技装置2及び情報表示装置3は、中継装置4及びLAN5を介して遊技情報管理装置6(以下「管理装置6」と略す)と接続されている。また、遊技場にはPOSや残高精算機(何れも図示略)も設置されており、これらPOSや残高精算機も、LAN5を介して管理装置6と接続されている。なお、図1では図示を省略したが、実際には例えば数百台の遊技機1が管理装置6の管理対象となっている。
【0010】
管理装置6は、遊技場内の例えば事務室などに設置されており、遊技場の管理者が操作するキーボード7、モニタ8が接続されると共に、図示しないマウスやプリンタ等が接続されている。管理装置6は、遊技機1側から出力される遊技信号を入力することで、遊技機1毎の遊技情報を管理する。
【0011】
遊技機1はパチンコ遊技機であり、盤面1aに玉を発射する発射装置を構成する操作ハンドル10、上受皿11、下受皿12を有し、盤面1aに、液晶表示部13、普図入賞口14、第1始動口15、第2始動口16、大入賞口17を有する。また、遊技機1における上受皿11上面には残高表示部11a、貸出釦11b、返却釦11cを有する。
【0012】
遊技機1は以下に示すように動作する。
(1)第1始動口15は入賞率が変動しない入賞口(所謂ヘソ入賞口)であり、第2始動口16は入賞率が変動する入賞口(所謂電チュー)である。各始動口15,16への入賞(始動入賞)に応じて大当り抽選を行い、抽選結果を液晶表示部13にて行う図柄変動(単位遊技)にて報知し、その変動結果に応じて大当りとなる。
【0013】
(2)図柄変動中に始動入賞した場合には所定の保留上限値(例えば各4つ)まで図柄変動を累積的に保留し、図柄変動終了後に保留している図柄変動を開始する。なお、保留している図柄変動数(保留数)が上限値である状態で始動入賞した場合、図柄変動は保留されず、第2始動口16に保留がある場合は第1始動口15の保留に優先して保留している図柄変動を実行する。
【0014】
(3)大当り抽選の当選確率(大当り確率)は1/250で、大当りがその後確変状態(確変)となる大当り(確変大当り)となる割合である確変率は、ヘソ入賞では50%であるのに対して電チューでは70%である。大当りが発生すると振分けられたラウンド(R)分だけ大入賞口17を開放する。ここでラウンドは、ヘソ入賞では全てが4Rに振分けられる一方、電チューでは10Rに50%、4Rに50%振分けられる。なお、1Rの上限入賞数は10個、上限開放時間は30秒であり、上限入賞数または上限開放時間の何れかが満たされた場合に1Rを終了する。
【0015】
(4)確変中は大当り確率が1/50に向上すると共に第2始動口16への入賞率が高くなる時短状態(特別状態、時短)になる複合時短となり、大当り発生まで継続する。一方で、確変とならない通常大当りが発生した場合、100回の図柄変動が行われるまで継続する確変ではない時短(単独時短)となり、大当りが発生しなければ、その後、通常状態となる。
【0016】
(5)第2始動口16は普図入賞口14への入賞に応じて変動する普通図柄(普図)が当りとなった場合に入賞率の高い開放状態となる。この場合、普図1回の変動時間は通常状態では30秒であり時短状態では3秒となる。また、開放時間は通常状態では0.3秒であり時短状態では5秒となる。即ち、時短状態では通常状態と比較して普図変動時間が短くなる一方、開放時間は長くなることで第2始動口16の入賞率が高くなる。
【0017】
(6)初期化条件成立(例えば大当り発生や操作入力)後に所定回数(例えば800回)の図柄変動(遊技機側天井遊技実行数)を行うまで大当りとならなかった場合は所定回数(500回)の図柄変動を行うまで時短(天井時短、天時、特別状態、天井特別状態)となるが、確変にはならないので単独時短となる。ここで、天時を発生させるための図柄変動は複合時短も含め確変中は加算対象にならないが、単独時短は確変ではないので加算対象となる。また、大当りが発生しないまま天時が終了した場合、それ以降に再度所定回数(800回)の図柄変動を行っても天時は発生しない。また、大当り抽選同様に突然時短(突時、抽選特別状態)の抽選(特別抽選)も行っており、当選した場合(当選確率=1/200)、100回の図柄変動を行うまで単独時短となる突時となる。
【0018】
このような遊技機1以外に、確変中も加算対象となるような遊技機や、所謂ST機のような構成の単独時短が発生しない遊技機、或いは大当り確率が複数設けられ、設定により変更可能な遊技機といった例示した遊技機1以外の遊技機を管理対象としてもよい。なお、本実施形態では、遊技機1がパチンコ遊技機であることから遊技価値たる遊技媒体はパチンコ玉(単に「玉」とも称する)であるが、遊技機1がスロットマシンであれば遊技価値はメダルである。
【0019】
遊技機1側からは、遊技者による玉の打込みや各始動口15,16への始動入賞等の遊技の進行に伴って、以下の遊技信号を出力する。
・アウト信号=消費玉を回収するアウトBOXから出力される消費価値(アウト)を特定可能な信号(稼動信号)。消費(使用、打込、回収)玉10玉に対して1パルスが出力されるので、「アウト信号数×10」をアウトとして特定する。なお、遊技機1から出力される信号でもよい。
【0020】
・セーフ信号=遊技機1から出力される入賞付与価値(セーフ)を特定可能な信号。入賞に応じた払出10玉に対して1パルスが出力されるので、「セーフ信号数×10」をセーフとして特定する。なお、補給装置から出力される補給信号をセーフ信号としてもよい。また、玉を実際に払い出した際に出力される実セーフ信号と、入賞に応じて払い出しが予約された場合に出力される入賞セーフ信号とがあるが、入賞から出力までのタイムラグを極力省くため後者を採用することが望ましい。
【0021】
スタート信号=遊技機1から出力される始動入賞(S入賞)により変動(作動)する液晶表示部13(役物)におけるスタート処理(図柄変動、役物作動、単位遊技)及びスタート(スタート処理数)を特定可能な信号。図柄変動確定時に出力されるので、信号入力に応じてスタート処理を特定する。なお、始動口15,16へ入賞したことを示すS入賞信号により代用してもよい。
・大当り信号=遊技機1から出力される大当り期間を特定可能な信号。大当り中にレベル出力される状態信号なので大当り信号入力中を大当り中として特定する。
【0022】
・特別状態信号=遊技機1から出力される特別状態(甘中)を特定可能な信号。第2始動口16の入賞率が向上する特別状態中(時短中(複合時短を含む))にレベル出力される状態信号なので、特別状態信号入力中を特別状態中として特定する。なお、大当り確率が向上する確変中にレベル出力される状態信号(確変信号)であってもよい。また、大当り信号と特別状態信号の何れも入力していない期間を通常状態として特定する。
このように、本実施形態では「特別状態」というとき、遊技者にとって有利な状態として天時や突時だけでなく大当り後の複合時短といった全ての時短や確変を含みうるが、天時を「天井特別状態」、突時を「抽選特別状態」とも称して両者を区別する。
【0023】
図1に示す遊技装置2は、所謂各台計数機能付の貸出機であり、遊技機1の遊技状態や遊技装置2の状態を示す状態表示灯2a、貨幣が投入される貨幣投入口21、タッチパネル式の表示部22、持玉を払出すための払出釦23、払出された玉が通過する払出ノズル24、一般カード(持玉券)や会員カードといったICカード(図示しない記録媒体)が挿入されるカード挿入口25、遊技機1の下受皿12の下方に位置する計数受皿26等を有する。
【0024】
遊技装置2は、以下に示すように動作する。
(1)貨幣を受付けすると(貨幣受付処理)と、遊技機1と遊技装置2の双方に入金額を残高に加算して表示させる。残高がある状態で遊技機1の貸出釦11bが押下(貸出操作、付与操作)されると、貸出1単位分(例えば500円)の貸出玉(対価付与価値)を遊技機1から払い出させ(対価付与処理)、レートに応じた対価分を残高から引き落とす。貨幣は複数回分の対価付与処理の対応分を受付可能である(例えば1万円まで)。
【0025】
(2)計数玉を受付けした場合は計数玉を持玉として特定し、その持玉を払出釦23の押下に応じて払戻す払戻処理(持玉の再プレイ処理)を可能とし、払戻した場合にはその対価分(例えば払戻した玉数と同数)の持玉を減算する。残高や持玉が残存する状態で遊技機1の返却釦11cが押下される(発行操作を受付ける)と、遊技装置2にストックされていた残高や持玉を特定可能な持玉券を発行する。なお、持玉の一部や残高のみを発行対象とする分割発行は説明の簡略化のため不可とするが、可能としてもよい。
【0026】
(3)中継装置4とのシリアル通信(売上信号の受信)により管理装置6にて貨幣受付処理や対価付与処理、残高や持玉、貸出玉数、払戻玉数、入金額、計数玉数や貸出玉数や貸出玉の対価となる売上額、及び持玉券の受付や発行処理等の各種情報を特定可能とするが、これらをパルス信号(例えば入金1000円毎に1パルス、売上100円毎に1パルス等)にて特定可能としてもよい。
【0027】
図2は、情報表示装置3を拡大して示す正面図である。情報表示装置3は、対応する遊技機1の上側の位置に配置され、当該遊技機1の遊技情報を表示可能な遊技者向けの表示画面を有する表示手段である。
情報表示装置3には、遊技者が従業員を呼出すための呼出釦30、その呼出釦30での呼出表示時や特別状態中等にイルミネーション演出を行うLEDで構成されたイルミネーション部31、及び前記表示画面として各種遊技情報等を表示する表示領域32が設けられ、その表示領域32の外面にはタッチパネル33が設けられている。
【0028】
表示領域32は、図2に示すように正面から見て左方側のサブ表示部34と、右方側のメイン表示部35とに区分されている。
サブ表示部34は、例えばLEDにより「0」~「9」の数字を表示する7セグメントディスプレイにより、大当り回数やボーナス回数等を表示する複数の表示部34a,34bで構成されている。メイン表示部35は、例えばフルカラー表示可能なLCD(Liquid Cristal Display)たる液晶表示部からなり、後述するグラフやキャラクタ等、数字以外にも様々な表示が可能で、又、複数の表示部35a~35dに区分して表示する等、多様な表示態様での表示が可能である。
【0029】
情報表示装置3の制御部36は、図3の機能ブロック図で示すように、CPU36a、ROM36b、RAM36c、I/O36d等を有するマイクロコンピュータにより構成されており、ROM36b等に記憶されているコンピュータプログラムに基づいて当該装置3全体の動作を制御する。
制御部36は、信号を入出力するI/F(送受信部)37を介して中継装置4に接続されており、遊技機1側からの遊技信号や管理装置6からの設定情報を中継装置4を介して入力することで、対応する遊技機1の遊技情報の特定や当該情報表示装置3の各種設定を行うことができる。例えば制御部36は、対応する遊技機1からI/F37を介して入力される大当り信号に基づき当該遊技機1での大当り回数を特定し、スタート信号に基づき天時が発生するまでの残りスタート回数(残S、天井遊技情報、カウント情報)を特定する。
【0030】
また、図3に示すように、制御部36には、呼出釦30やタッチパネル33が接続されると共に、イルミネーション部31としてのLED、サブ表示部34としてのセグメント表示部、メイン表示部35としての液晶表示部等が接続されている。制御部36は、タッチパネル33等での操作や前記遊技情報等に基づいて、イルミネーション部31、サブ表示部34、メイン表示部35の表示制御を実行することで、図2に示す表示画面など様々な表示画面(図4図5参照)を表示させることができる。
【0031】
さて、情報表示装置3において、表示対象となる遊技機1の遊技情報には、上記した大当り回数や、天時が発生するまでの残りスタート回数(図2の第3メイン表示部35c参照)を含む。
しかしながら、残りスタート回数に関して、遊技機1側のRAMに保持されるデータと、情報表示装置3のRAM36c(システム側の記憶部)に保持されるデータとで整合しないケースが生じうる。即ち例えば、遊技機1側で天時を発生させるための対象となるスタート(前記所定回数までの遊技機側天井遊技実行数)は、閉店時の処理における従業員の所定操作(操作入力)に応じて初期化される場合がある。これにより、閉店中に前日の遊技機側天井遊技実行数を持越さないものの、情報表示装置3では残りスタート回数を初期化する操作を行うことなく持越してしまうといった運用ミスが生じた場合には、その情報表示装置3での残りスタート回数がマイナス表示になって、遊技者に違和感を与える虞がある。
【0032】
そこで、本実施形態の情報表示装置3は、自装置3側で表示対象とする残りスタート回数と、遊技機1側の天井遊技実行数とが整合しない場合に、誤りを含むこととなる残りスタート回数を表示しないように表示部35を制御する。以下では、先ず「1.情報表示装置における通常表示」について説明した後、メイン表示部35での「2.残りスタートの非表示条件と特別時短表示画面」「3.残りスタート表示処理の流れ」について順に説明する。なお、係る表示処理の制御主体(表示制御手段)たる制御部36を単に「情報表示装置3」と称し、残りスタート回数を「残S」或いは「天井遊技情報」とも称する。
【0033】
<1.情報表示装置における通常表示>
図2に示すように、情報表示装置3は通常状態時の表示(通常表示画面100)として、左側のサブ表示部34における複数の表示部34a,34bに大当り回数やスタート回数等を表示する一方、右側のメイン表示部35に、複数の表示部35a~35dを区分して表示する。
詳細には、サブ表示部34は、図2に例示するように、大当り回数やボーナス回数等を表示する第1サブ表示部34aと、初期化条件成立後(営業開始や特別状態の終了などにより成立)からのスタートを表示する第2サブ表示部34bとで構成される。また、第2サブ表示部34bの下方には、対応する遊技機1の台番を示す台番表示部34cがシールとして貼付されている。
【0034】
一方、メイン表示部35は、図2に例示するように上側から順に第1メイン表示部35a、第2メイン表示部35b、第3メイン表示部35c及び第4メイン表示部35dに区分されるものとする。
第1メイン表示部35aは、対応する機種に応じた画像や大当り確率のようなスペック、遊技場からの案内、機種名等を表示する。第2メイン表示部35bは、該当期間(営業日)単位にて発生した「大当り」回数や「初当り」回数(通常状態にて発生した大当り回数)、開店時からの累計の出玉(セーフ-アウト)の推移を示す所謂出玉グラフ等を表示する。
そして、第3メイン表示部35cは、例えば「天井時短まで○○○回!?」として前記残Sを表示し、第4メイン表示部35dは、大当り単位のスタートをグラフ化した所謂スタート履歴グラフを表示する。
【0035】
ここで、天時を発生させるための対象となるスタートを「天時S」としたとき、残Sは、予め定められた所定回数「800回」から天時Sを差し引く演算により求められ(残S=800-天時S)、前記単位遊技の実行毎にカウントダウンされるカウント値を示す。対象となる遊技機1は天時を発生させるために800回の図柄変動を要するからであり、残Sは、その遊技機1側から出力されるスタート信号に基づき、当該遊技機側天井遊技実行数に対応して更新されるからである。
【0036】
また、天時Sは、確変中の図柄変動をカウント対象としないので、大当り後のスタートのうち、確変中を除いた回数となる。つまり、第2サブ表示部34bの「スタート」は、確変中の図柄変動も加算対象とするので、必ずしも差し引きした値が一致するわけではないが、同図2では便宜上「544」として、800との差が残S「256」を表す例としている。
このように、残Sは、当該遊技機1における大当りの発生に応じて初期値に更新され(つまりは大当り終了後に天時を発生させるための図柄変動数(800回)が初期値として設定され)、情報表示装置3(特定手段)は、係る残Sをスタート信号に基づき天井遊技情報として特定し、通常表示画面100の第3メイン表示部35cにて、当該天井遊技情報をカウントダウンする形態でカウント値として表示可能である。
【0037】
残Sの表示は例えば、その単位にクエスチョンマークを付した「回!?」を含むことにより、当該天井遊技情報を第3メイン表示部35cにおいて曖昧に表示する示唆表示としているが、クエスチョンマークの無い「回」或いは「回!」を付することにより、曖昧に表示させない非示唆表示としてもよい。
これは、情報表示装置3において、確変か単独時短かを判定できない場合に示唆表示を行い、判定できる場合に非示唆表示(つまり天井遊技情報を明確に表示する明示表示)を行うというように、示唆表示と非示唆表示との選択的な表示制御が可能である。また、管理装置6からの設定情報に基づき示唆表示と非示唆表示との選択的な表示設定を行うようにしてもよい。
【0038】
また、情報表示装置3において残Sを表示する場合、通常表示画面100で必ずしも常時表示する必要はなく、例えば履歴画面(図示略)のような他の画面に切替えることで表示してもよいし、第3メイン表示部35cにて他の遊技情報と交互に表示するようにしてもよい。また、第3メイン表示部35c以外の表示部35a,35b,35dに表示してもよいことは勿論である。
これに対し、以下に説明する条件1~4により残Sを非表示とする場合には、第3メイン表示部35cにて残S以外の他の遊技情報(例えば遊技者の持玉数)を表示する。或いは、残Sを何も表示しないようにする。
【0039】
なお、通常表示画面100では、上記のようにメイン表示部35にて遊技情報を各表示部35a~35dで区分して表示するが、例えば特別状態発生演出を行う際等(図4図5の表示画面101,102参照)、メイン表示部35全体で情報表示を行う場合には、区分の一部或いは全部をなくした情報表示が可能である。
また、図2は、サブ表示部34とメイン表示部35を含む表示画面100全体(情報表示装置3全体)の例示であるが、メイン表示部35では、第1メイン表示部35aに残Sを表示する等、様々な表示を可能としており、図4図5の表示画面101,102では、メイン表示部35側の部分を特化して示すものとする。
【0040】
<2.残りスタートの非表示条件と特別時短表示画面>
情報表示装置3は、管理装置6とともに遊技機1の外部装置として遊技情報を管理する遊技場用のシステムを構築する。情報表示装置3(以下「システム側」とも略す)は、遊技機1側から送信される遊技信号により確変のような特別状態や大当り、或いはスタートを特定することで間接的に残Sを特定することから、遊技機1における残Sと一致しない場合もある。そこで、システム側では以下の条件1~4に基づき残Sの表示・非表示を制御している。
【0041】
・条件1:演算した残Sが負数となる場合
運用上のミスが生じるケースとして例えば上記した閉店時の操作入力による初期化を遊技機1側でのみ行った場合(システム側で初期化せずに残Sを持越した場合)、或いは、確変中はカウント対象から除外されるもののその確変を特定できない場合(例えば確変と単独時短とが区別されずに状態信号(混同状態信号)が出力される場合に残Sを更新する)がある。このような場合、情報表示装置3は、残Sの演算値がマイナスになるケースがあるので(このケースを条件1として)、負数となったら表示しないようにする(後述する図6のS4,S5参照)。
【0042】
・条件2:天時や確変状態のような特別状態中(突時を除く)の場合
天時や大当り後の複合時短といった特別状態中は次の天時に必要な天時Sが初期値、或いは略初期値であるため残Sで遊技者を煽る必要性は低い。また、前記混同状態信号しか出力されない場合、特別状態後に大当りが発生しなければ終了した特別状態を時短と判定でき、そこからのスタートを対象として(時短中の100回分を減算して)残Sを表示すればよい(図6のS18~S20参照)。即ち、それまでの特別状態中は確変の可能性があり、残Sの不確かな表示しかできず(このケースを条件2とする)、遊技者を混乱させることを考慮して残Sを表示しないようにする。なお、図5の表示画面102で示すように突時の場合は残Sを表示する。
【0043】
・条件3:営業開始後最初の大当りが発生していない場合
遊技機1側とシステム側とで不一致が生ずるのは閉店時の処理に起因する場合が多く、営業中に生ずる虞は低いため、閉店時の処理が影響する営業日当日の最初の大当りが発生するまでは(この発生までを条件3とする)、残Sを表示しないようにする。この場合、情報表示装置3において、管理装置6からの設定情報に基づき予め「朝一:無」とする設定をしておくことで、営業日当日の大当り回数が0回の場合に残Sを含まない表示とすることができる。これに関して、後述する図6のフローチャートでは営業開始後最初に大当りが発生し(S7:YES)、その大当りが終了した後に(S22:YES且つS24:NO、或いはその後に発生した特別状態が終了した後に、S18:YES)、残Sを含む表示を開始する(S20)流れとなっている。
【0044】
・条件4:天時後大当りが発生していない場合
これも閉店時の処理に応じて例えば残Sに係るデータについて遊技機1側で初期化せずシステム側で初期化し、天時が発生したものの大当りすることなく終了した場合に、残Sがマイナスにならなくとも天時の発生する可能性がないにもかかわらず、残Sを表示する事態が生じうる。このような事態に備えて、天時後大当りが発生するまでの期間を条件4として規定し、残Sを表示しないようにすることで、遊技者が混乱する虞を低減させる。
【0045】
具体的には例えば、或る遊技機1における残Sが100回で閉店を迎えた場合、係るデータについて遊技機1側では初期化せずに100回が維持される一方、システム側では初期化して翌日の営業開始を迎えたものと仮定する。この遊技機1において100回の図柄変動を経て天時が発生し、その後大当りが発生しないまま500回の図柄変動を経て天時が終了した場合、営業開始から600回の図柄変動を経たこととなるので残Sは200回となる。しかしながら、天時後は大当りが発生しなければ再度天時は発生しないので、残Sの表示による遊技者の混乱を避けるべく、これを非表示とする。
【0046】
ここで、突時が発生しない遊技機1であれば大当りを介さずに時短が発生した場合に当該遊技機1側から出力される特別状態信号により天時の発生を特定することが可能となるが、突時を発生可能な遊技機1であれば天時と突時の何れも大当りを介さずに発生可能であることから発生時点では何れであるかを特定できない。よって、図6のフローチャート上では突時が発生したとして、その後に残Sを表示する(同図のS12では、図5の表示画面102を表示する)ようにしている。もっとも、時短中に大当りが発生しないまま継続するスタート回数(特別状態単位遊技情報)は天時(500回、基準情報)と突時(100回)とで異なることから、当該時短中のスタートにより天時と突時とを区別して当該時短後の残Sを天時である場合は表示しない一方、突時である場合は表示してもよい。
なお、天時と突時とを発生可能な遊技機1側から天時と突時とを区別可能な特別状態信号が遊技機1側から出力される場合には、情報表示装置3側で天時の発生を突時と区別して特定することができ、その特別状態信号により特定される状態に応じて残Sの表示・非表示を含む表示制御を行うことができる。
【0047】
また、大当り中や時短のような特別状態中は通常表示画面100とは異なる対応した画面を表示可能であり、情報表示装置3は、遊技機1側から出力される遊技信号に基づき、図4及び図5に示す時短用の表示画面101,102や、図示しないチャンス表示画面(図6のS8参照)等を表示させることができる。
【0048】
具体的には、図4に例示する時短用の表示画面101は、天時が発生した場合に表示される特別時短表示画面101である。特別時短表示画面101は、「天井時短中」であることを特定する表示の他、現時点の「天井時短中スタート」や「時短中初当り平均獲得数」といった遊技情報を含む一方、残Sを含まない表示態様とされている(図6中、S13の「残Sを含まない特別時短表示」に対応する)。
図5に例示する時短用の表示画面102は、突時が発生した場合に表示される特別時短表示画面102である。特別時短表示画面102は、「突然時短中」であることを特定する表示の他、現時点の「突然時短中スタート」や「時短中初当り平均獲得数」といった遊技情報を含むとともに、「天井時短まで256回!?」との残Sを含む表示態様とされている(図6中、S12の「残Sを含む特別時短表示」に対応する)。
【0049】
前記チャンス表示画面は、大当り後の特別状態としての確変と単独時短との何れかにおける画面であり、特別時短表示画面101,102とは異なる画面で、確変或いは単独時短を特定する表示態様とされている。これは、遊技機1側では確変と単独時短との何れかが発生可能であり、これから出力される特別状態信号では判定できないことから、便宜上図6のS8では「チャンス表示中」として確変中或いは単独時短中の表示画面を表すものとする。
【0050】
なお、上記のようにチャンス表示画面の表示後は、そのチャンス中が単独時短であったとして時短分のスタートを減算した上で残Sを表示することを例示したが、時短分のスタートを減算対象とすることなく初期値(前記800回)から残Sを表示してもよい。
また、残Sは、初期値から天時Sを減算することで特定すればよいが、初期値から天時Sが生ずる毎にカウントダウンしても勿論よい。
【0051】
<3.残りスタート表示処理の流れ>
図6は、残Sの表示処理の流れを示すフローチャートであり、同図のS1,S2,…は、情報表示装置3が実行する各ステップを示している。また、情報表示装置3は、所定回数たる800回に対応して予め設定されるカウント情報の基準情報(例えば「1」、S4等参照)と、残Sとを比較することにより天時の発生を特定するように設定されているものとする。
【0052】
即ち先ず、情報表示装置3は、待機フローとして、遊技機1側から出力されるスタート信号を受信したか(S1:NO)、メイン表示部35で大当り表示画面(図示略)の表示中か(S6:NO)、大当り信号の受信を開始したか(S7:NO)、前記チャンス表示画面の表示中か(S8:NO)、特別時短表示中か(S9:NO)、特別状態信号の受信を開始したか(S10:NO)を判定する処理を実行する。
【0053】
情報表示装置3は、大当りが発生し大当り信号の受信を開始したと判定すると(S7:YES)、メイン表示部35で大当り表示画面の表示を開始する(S21)。この大当り表示画面の表示中に(S6:YES)、情報表示装置3は、大当り信号の受信終了を待ち(S22:NO)、大当り信号の受信が終了したと判定すると(S22:YES)、残Sを初期値(800回)に設定する(S23)。
【0054】
これにより、情報表示装置3は、その後の確変や時短等の発生に伴い特別状態信号の受信を開始したと判定した場合(S24:YES、特別状態信号が継続して出力されている場合も含む)、メイン表示部35でチャンス表示画面の表示を開始し(S25)、その特別状態信号の受信を開始していないと判定した場合(S24:NO)、メイン表示部35で残Sを含む通常表示画面100の表示を開始する(S20、図2の第3メイン表示部35c参照)。
【0055】
また、情報表示装置3は、チャンス表示画面の表示中に(S8:YES)、特別状態信号の受信終了を待ち(S18:NO)、特別状態信号の受信が終了したと判定すると(S18:YES)、当該チャンス表示画面に表示中の単独時短分のスタートを初期値から減算し(S19)、その減算後の残Sを含む通常表示画面100の表示を開始する(S20)。
【0056】
一方、情報表示装置3において、スタート信号を受信したと判定した場合に(S1:YES)、メイン表示部35での残Sの表示中であれば(S2:YES)、残Sを更新し(S3、減算によりカウントダウンを行い)、その更新後の残Sが1に達しなくなったかを判定する(S4、「残S<1」の判定をする)。この「1」はカウント情報の基準情報であり、情報表示装置3は、残Sが0やマイナスの場合に、基準情報「1」に達しなくなったと判定して(S4:YES)、メイン表示部35での残S表示を終了して他の情報を表示する(S5)。
【0057】
他方、情報表示装置3において、突時や天時の発生により大当りを介すことなく特別状態信号の受信を開始した場合(S10:YES)、残Sが基準情報「1」に達していなければ(S11:YES)、天時と判定して残Sを含まない特別時短表示画面101の表示を開始し(S13、図4参照)、基準情報「1」に達していれば(S11:NO)、突時と判定して残Sを含む特別時短表示画面102の表示を開始する(S12、図5参照)。なお、天井遊技情報やカウント情報としては残S以外に天時Sも採用可能で、その場合、基準情報は前記初期値として示した「800」とし、達した場合に天時と判定する、或いは上記の場合であれば天井遊技情報表示を終了する等といったように適宜対応すればよい。
【0058】
情報表示装置3は、こうした特別時短表示画面101,102の表示中に(S9:YES)、特別状態信号の受信終了を待ち(S14:NO)、特別状態信号の受信が終了したと判定すると(S14:YES)、残Sが基準情報「1」に達しているかを判定する(S15)。これにより、情報表示装置3は、残Sが基準情報「1」に達していないと判定した場合(S15:YES)、天時が終了したとして残Sを含まない通常表示画面100の表示を開始する(S16)一方、基準情報「1」に達していると判定した場合(S15:NO)、突時が終了したとして残Sを含む通常表示画面100の表示を開始する(S17)。
【0059】
なお、同フローチャートで示す通り、大当り表示画面の表示中以外では(S6:NO)、大当り信号の受信を開始した場合(S7:YES)、大当り表示画面の表示を開始するようになっている。また、S4,S11,S15では、「残S<1」として示すように基準情報を「1」に設定しているが、「0」に設定するなど適宜変更しうるものである。
また、説明の都合上、通常状態や突時が開始した時点で残Sを表示する構成(S20やS12)を例示したが、通常状態と突時の一部を残Sの表示対象期間とする構成としてもよく、この場合、何らかの不具合で状態の開始時点に残S表示の判定が適切に行われなくとも、その後の状態判定により適切に復旧可能となる。
【0060】
以上に説明した本実施形態によれば、次の効果を得ることができる。
情報表示装置3は、前記遊技機側天井遊技実行数と残Sとが整合しない場合に、誤りを含むこととなる残Sを表示しないようにメイン表示部35を制御する。これによれば、遊技機1側から出力されるスタート信号に基づき残Sが間接的に特定されるものとしても、天時を発生可能な遊技機に関する遊技情報を遊技者に提示する場合に、違和感を与える虞を低減可能となる。
【0061】
情報表示装置3は、営業開始後最初の大当りが発生していない場合に、カウントダウンされる残Sを表示しないようにメイン表示部35を制御することで、誤りを含むこととなる残Sを表示しないようにする。これによれば、情報表示装置3のようなシステム側と遊技機1側とで残Sの相違が発生し易い状態では残Sを表示せず、例えば残Sがマイナスとなっても天時が発生しない、或いは天時が発生するとは限らない残Sのカウントダウンによって遊技者に違和感を与える虞を低減できる。
【0062】
情報表示装置3は、遊技機1側から出力される遊技信号(例えば特別状態信号等)に基づき天時の発生を特定可能であり、天時の発生後に残Sを表示しないようにメイン表示部35を制御することで、誤りを含むこととなる残Sを表示しないようにする。これによれば、例えば残Sに係るデータについて遊技機1側で初期化せずシステム側では初期化し、天時が発生したものの大当りすることなく終了した場合に、残Sがマイナスにならなくとも天時が発生する可能性がないにもかかわらず残Sを表示することで遊技者が混乱する虞を低減可能となる。
【0063】
より具体的には、天時の発生は、当該天時と突時とを発生可能な遊技機1側から当該天時と突時とを区別可能な特別状態信号が出力されること、突時が発生しない遊技機1側から大当りを介さずに特別状態信号が出力されること、及び、前記特別状態中における単位遊技の実行数を示す特別状態単位遊技情報とその基準情報とを比較すること(例えば特別状態中のスタートと天時中のスタートの上限を示す500とを比較すること)、の少なくとも一つにより特定する。これによれば、天時の発生をシステム側で適切に特定した上で、その後に残Sを表示するか否かを適切に処理可能となる。
【0064】
情報表示装置3は、残Sをメイン表示部35において曖昧に表示させる示唆表示と、曖昧に表示させない非示唆表示とを選択的に表示制御可能である。これによれば例えば、図2図5に示した「回!?」といった示唆表示と、「回」といった非示唆表示とで、メイン表示部35に表示されている信頼度を遊技者に示唆することが可能となる。
【0065】
本発明は、上記した実施形態にのみ限定されるものではなく、以下のように変形または拡張することができる。
残Sは、遊技機1側から出力されるスタート信号に基づき遊技機側天井遊技実行数に対応した天井遊技情報として特定されるものであり、カウントダウンする構成に限らず、天時Sを対象としてカウントアップする構成としてもよい。この場合、天時が発生する所定回数のスタート(例えば800)を対比可能に報知することが望ましい。
【0066】
遊技機1上方における情報表示装置3のメイン表示部35を表示手段として例示したが、表示手段は、遊技機1各々に対応して設けられ、残Sを表示可能な表示部を有するものであればよく、例えば遊技装置2のような遊技機間に設けられる情報表示装置や島端に設けられる集合情報表示装置の表示部で構成してもよい。
また、表示手段は、メイン表示部35のような液晶表示に限らず、有機EL等の他の表示方法を採用しても良い。
関連する設定情報は予め設定されていれば遊技場管理者が任意に設定しても、管理装置6の製造メーカにて設定しても、外部(例えばチェーン店本部や遊技機メーカ等)の管理サーバからダウンロードして設定しても良い。
【0067】
例示した全ての遊技情報は入力した信号により直接的に特定しても演算式を利用して間接的に特定してもよい。また、機種としては、メーカ単位やスペック単位等、遊技機1の種類を示せばどの様な区分としてもよい。
数値、桁数、項目等は例示であり、上記した所定回数や基準情報等についてどのような数値を採用してもよい。また、演算式については単なる例示であり例示した演算式と同様の値を示す又は同様の意義を持つ演算値を演算するのであれば、どの様な演算式を採用してもよい。
【0068】
以下と未満についてはどちらを採用してもよく、「達していない」等の表現は以下或いは未満となった場合の何れにも対応する表現となる。以上と超過についても同様で、「達している」等の表現は双方に対応する表現となる。
対象となる遊技機1はパチンコ遊技機等が例示でき、単位遊技は所謂図柄変動とすればよいが、その他に遊技媒体を排出せずデータ上のポイントを遊技に応じて更新する所謂封入式の遊技機等も想定できるため、玉やメダル等の遊技媒体や上記ポイントを包含する遊技価値という表現を適宜使用している。また、確変となった場合に大当りが発生するまで確変が継続する遊技機を例示したが、時短回数のように所定数の図柄変動を行った場合に確変が終了する所謂ST機のような遊技機や、特別状態中に小当りの発生確率が高まる所謂小当りRUSH機能を備えた遊技機を対象としてもよい。
【0069】
情報表示装置3が行う処理の一部を管理装置6、遊技装置2、或いは中継装置4等にて行ってもよいし、情報表示装置3のみで全てを構成してもよい。
また、例示した構成を適宜設定に応じて採用するか否かを変更してもよいし、変形例を含む例示した構成をどのように組合せてもよいし、適宜構成を除外してもよい。
【符号の説明】
【0070】
図面中、1は遊技機、3は情報表示装置(表示手段)、35はメイン表示部(表示手段)、36は制御部(表示制御手段、特定手段)である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6