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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023065060
(43)【公開日】2023-05-12
(54)【発明の名称】車両のエネルギー補給部
(51)【国際特許分類】
   B60K 15/05 20060101AFI20230502BHJP
   B60L 53/16 20190101ALI20230502BHJP
   H01R 13/60 20060101ALI20230502BHJP
【FI】
B60K15/05 B
B60L53/16
H01R13/60
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021175631
(22)【出願日】2021-10-27
(71)【出願人】
【識別番号】000006286
【氏名又は名称】三菱自動車工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092978
【弁理士】
【氏名又は名称】真田 有
(74)【代理人】
【識別番号】100183689
【弁理士】
【氏名又は名称】諏訪 華子
(72)【発明者】
【氏名】沖野 真紘
【テーマコード(参考)】
3D038
5E021
5H125
【Fターム(参考)】
3D038CB01
3D038CC16
3D038CD03
5E021FB07
5E021FB20
5E021FC32
5H125AA01
5H125AC12
5H125AC24
5H125CD02
5H125DD02
5H125FF12
(57)【要約】
【課題】車両のエネルギー補給部に関し、簡素な構成で組み付け作業性を改善する。
【解決手段】車両のボデーに開口され、車両のエネルギーを補給するエネルギー補給口10が収容される補給室2と、開口から嵌入されて補給室2の内壁を構成するブラケット5と、補給室2を開閉可能に閉塞するリッド6と、ハーネス14及びコネクタ15を有してブラケット5に取り付けられる電装部品12と、を具備する車両のエネルギー補給部に関する。ブラケット5は、電装部品12が固定される電装部品取付部21と、ブラケット5の補給室2とは反対側の面に設けられ、ハーネス14及びコネクタ15を仮保持する保持部23と、を備える。保持部23は、ハーネス14を一方向から挿入されてハーネス14を仮保持するとともにコネクタ15によって一方向側が閉塞されるように形成される。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のボデーに開口され、前記車両のエネルギーを補給するエネルギー補給口が収容される補給室と、前記開口から嵌入されて前記補給室の内壁を構成するブラケットと、前記補給室を開閉可能に閉塞するリッドと、ハーネス及びコネクタを有して前記ブラケットに取り付けられる電装部品と、を具備する車両のエネルギー補給部であって、
前記ブラケットは、前記電装部品が固定される電装部品取付部と、前記ブラケットの前記補給室とは反対側の面に設けられ、前記ハーネス及び前記コネクタを仮保持する保持部と、を備え、
前記保持部が、前記ハーネスを一方向から挿入されて前記ハーネスを仮保持するとともに前記コネクタによって前記一方向側が閉塞されるように形成される
ことを特徴とする、車両のエネルギー補給部。
【請求項2】
前記保持部が、前記ブラケットに固定された板部材において前記一方向側が開放されたスリット状に形成されるとともに前記ハーネスを仮保持する第一保持部を有する
ことを特徴とする、請求項1記載の車両のエネルギー補給部。
【請求項3】
前記保持部が、前記第一保持部の近傍に前記コネクタを仮保持する第二保持部を有する
ことを特徴とする、請求項2記載の車両のエネルギー補給部。
【請求項4】
前記第二保持部が、前記板部材において前記第一保持部の前記一方向側に隣接して配置され、前記第一保持部よりも幅広のスリット状に形成される
ことを特徴とする、請求項3記載の車両のエネルギー補給部。
【請求項5】
前記ブラケットに設けられ、艤装部品が取り付けられる艤装部品取付部を備え、
前記保持部が、前記ハーネス及び前記コネクタを仮保持したときに、前記ハーネス及び前記コネクタの少なくとも一部分を前記艤装部品取付部とラップさせる
ことを特徴とする、請求項1~4のいずれか1項に記載の車両のエネルギー補給部。
【請求項6】
前記電装部品取付部と前記保持部との間に設けられ、前記ハーネスが仮保持されるときの配索方向を案内する誘導リブと、を備える
ことを特徴とする、請求項1~5のいずれか1項に記載の車両のエネルギー補給部。
【請求項7】
前記誘導リブが、前記ハーネスを前記電装部品取付部と前記保持部との間で仮保持する第三保持部を有する
ことを特徴とする、請求項6記載の車両のエネルギー補給部。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本件は、車両のエネルギー補給部に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両のエネルギー源や各種補給物質(例えば、燃料や電力や尿素水など)を補給するための補給口が配置される補給室内において、電装部品を設置したものが存在する。この種の電装部品としては、補給口まわりを明るく照らすための照明装置、補給に関する各種情報(例えば、補給量や補給時間など)を知らせるための表示装置、補給口の開閉状態を検出する検出装置などが知られている。これらの電装部品は、例えば補給室の内壁を構成するハウジングやブラケットに固定される(特許文献1,2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-178230号公報
【特許文献2】国際公開第2012/049733号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の電装部品は、サプライヤ側でブラケットにあらかじめ艤装しておけば、車両の製造工程で艤装する手間を省略でき、組み付け工数や作業時間を削減しうる。しかしながら、電装部品から引き出されるハーネス(電線)の長さによっては、艤装時にハーネスが車体とブラケットとの間に挟まれやすくなる。したがって、作業者はハーネスが挟まれないように注意しながらブラケットを車両に艤装することになり、良好な組み付け作業性が得られないという課題がある。また、ハーネスが長いほどその先端側に設けられるコネクタの位置が暴れやすくなる。そのため、作業者は電装部品のコネクタを車両側のワイヤーハーネスに接続する際に、コネクタを探さなければならないことがあり、作業時間がかえって増加しやすいという課題がある。
【0005】
本件の目的の一つは、上記のような課題に照らして創案されたものであり、簡素な構成で組み付け作業性を改善できるようにした車両のエネルギー補給部を提供することである。なお、この目的に限らず、後述する「発明を実施するための形態」に示す各構成から導き出される作用効果であって、従来の技術では得られない作用効果を奏することも、本件の他の目的として位置付けられる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
開示の車両のエネルギー補給部は、以下に開示する態様又は適用例として実現でき、上記の課題の少なくとも一部を解決する。
開示の車両のエネルギー補給部は、車両のボデーに開口され、前記車両のエネルギーを補給するエネルギー補給口が収容される補給室と、前記開口から嵌入されて前記補給室の内壁を構成するブラケットと、前記補給室を開閉可能に閉塞するリッドと、ハーネス及びコネクタを有して前記ブラケットに取り付けられる電装部品と、を具備する車両のエネルギー補給部である。
前記ブラケットは、前記電装部品が固定される電装部品取付部と、前記ブラケットの前記補給室とは反対側の面に設けられ、前記ハーネス及び前記コネクタを仮保持する保持部と、を備える。
また、前記保持部が、前記ハーネスを一方向から挿入されて前記ハーネスを仮保持するとともに前記コネクタによって前記一方向側が閉塞されるように形成される。
【発明の効果】
【0007】
開示の車両のエネルギー補給部によれば、簡素な構成で組み付け作業性を改善できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施例としてのエネルギー補給部が適用される車両の斜視図である。
図2図1の車両に設けられる補給室の構造を分解して示す斜視図である。
図3】(A)は図2のブラケットの斜視図、(B)はその変形例を説明するための斜視図である。
図4図2のブラケットの断面図である。
図5図3の保持部の正面図である。
図6図4の断面図に電装部品の取付状態を重ねて示す断面図である。
図7】変形例に係るブラケットの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[1.構成]
実施例としてのエネルギー補給部は、図1に示す車両1に適用される。車両1のアウタパネル3には、車両1のボデーに開口され、車両1のエネルギーを補給するエネルギー補給口10が配置される補給室2(補給口室)が設けられる。ここでいうエネルギー補給口10とは、駆動用の燃料や電力を車両1に補給するための入口(インレット,開口部)を意味する。一般に、燃料用のエネルギー補給口10は給油口とも呼ばれ、電力用のエネルギー補給口10は充電口や充電コネクタとも呼ばれる。また、燃料用の補給室2は給油口室とも呼ばれ、電力用の補給室2は充電口室とも呼ばれる。
【0010】
エネルギー補給口10は、例えば図1に示すように、車両1の側面部分の後方に配置され、あるいは、車両1の前方側面部分(フェンダー部分)や後面(リヤハッチ部分),前面(フード部分)などに配置される。エネルギー補給口10の車両外側は、樹脂成形部材であるリッド6(扉部材)によって開閉可能に閉塞される。リッド6は、エネルギー補給口10へアクセスする際にのみ開放され、その他の状況では閉じた状態が維持されるように施錠(ロック)される。なお、リッド6の外表面には、アウタパネル3と同一の美観が得られるように、金属製の化粧パネルが貼り付けられる。
【0011】
図2は、補給室2の構造を分解して示す斜視図である。補給室2は、アウタパネル3に形成された開口部4の内側に取り付けられるブラケット5を有する。ブラケット5は、例えば容器状に成形された樹脂成形部材であり、補給室2の内壁を構成する。このブラケット5は、開口部4に対して大きく開放される姿勢で車体に取り付けられる。また、ブラケット5のうち、開口部4に対向する面(容器状の部材における底面部分)には、エネルギー補給口10が設けられた補給管11を挿通固定するための補給管取付孔9が穿孔される。図2に示す補給管11は充電ケーブルであり、急速充電コネクタが設けられた急速充電ケーブルと普通充電コネクタが設けられた普通充電ケーブルとを含む。
【0012】
補給室2の内部には、ヒンジ7及びこれを中心として回動するようにリッド6を支持するアーム8が設けられる。アーム8は、リッド6を車体(あるいはブラケット5)に対しヒンジ7を介して回動可能に支持する樹脂成形部材であり、例えばリッド6と一体に形成される。アーム8の形状は、リッド6の回転軸に垂直な平面において渦巻き状に形成される。また、ヒンジ7は、例えば開口部4を正面から見たときに、開口部4の左右縁部よりも奥側(例えば、左縁よりも左奥側や右縁よりも右奥側)に配置される。図2に示すリッド6は横開き式リッドであるが、縦開き式リッドにしてもよい。
【0013】
補給室2の内部には、ハーネス14及びコネクタ15を有してブラケット5に取り付けられる電装部品12が設けられる。図2に示す電装部品12は、ハーネス14の一端にインジケータ13が設けられるとともに、他端にコネクタ15が設けられた表示装置である。インジケータ13は、例えば外部充電時における充電時間や充電量といった各種情報を表示する。本実施例のインジケータ13は、ブラケット5のうち補給管取付孔9の下方に穿孔された電装部品取付部21に取り付けられる。
【0014】
電装部品取付部21の近傍には、艤装部品が取り付けられる艤装部品取付部が設けられる。本実施例では、艤装部品取付部の一例として、ロック部品(図示せず)が取り付けられるロック部品取付部22を示す。ロック部品とは、閉鎖状態のリッド6を施錠して不用意に開かないようにする部材である。ロック部品取付部22の位置は、電装部品取付部21よりもヒンジ7とは反対側(図2中では電装部品取付部21の左側)に設定される。
【0015】
図3は、電装部品取付部21まわりをブラケット5の内側(補給室2とは反対側)から眺めた斜視図であり、図4は電装部品取付部21まわりの断面図である。本実施例のブラケット5には、ハーネス14及びコネクタ15を仮保持するための保持構造20が設けられる。本実施例の保持構造20は、上記の電装部品取付部21及びロック部品取付部22のほか、保持部23及び誘導リブ26を含む。
【0016】
保持部23は、ブラケット5の表面のうち補給室2とは反対側の面において、ハーネス14及びコネクタ15を仮保持するものである。保持部23は、少なくともハーネス14を一方向から挿入されてハーネス14を仮保持するとともに、コネクタ15によってその一方向側が閉塞されるように形成される。換言すれば、ハーネス14及びコネクタ15が仮保持された状態において、コネクタ15がハーネス14の脱落を阻止する位置に配置される。また、保持部23がハーネス14及びコネクタ15を仮保持したときに、ハーネス14及びコネクタ15の少なくとも一部分がロック部品取付部22とラップするようになっている。
【0017】
誘導リブ26は、電装部品取付部21と保持部23との間に設けられる部位であり、ハーネス14を保持部23に仮保持させるときの配索方向を案内する機能を持つ。例えば、電装部品12のサプライヤにあらかじめブラケット5を渡しておき、電装部品12をブラケット5に艤装することを依頼しておく場合、サプライヤの作業者は誘導リブ26を目印にしてハーネス14を容易に配索できるようになっている。
【0018】
図5に示すように、本実施例の保持部23には、第一保持部24と第二保持部25とが設けられる。第一保持部24は、ハーネス14を仮保持する部位であり、ブラケット5に固定された板部材において、一方向側が開放されたスリット状に形成される。ハーネス14は、第一保持部24の内側に安定的に支承される。第一保持部24を構成するスリットの開放方向は、ブラケット5から車両内側へ向かう方向(図5中の左方向)である。スリットの向きは、ブラケット5が車両1に取り付けられた状態において、ほぼ水平に形成される。また、第一保持部24の幅は、ハーネス14の太さに対応する寸法に設定される。
【0019】
第二保持部25は、コネクタ15を仮保持する部位であり、第一保持部24の近傍に設けられる。本実施例の第二保持部25は、第一保持部24が設けられる板部材に形成されるが、別個の部材に形成してもよい。図5に示す第二保持部25は、第一保持部24が設けられる板部材において、第一保持部24に対し、第一保持部24が開放されている一方向側(図5中の左方向)に隣接して配置される。また、第二保持部25は、第一保持部24よりも幅広のスリット状に形成される。第二保持部25の幅は、コネクタ15の太さ(またはコネクタ15に設けられるクリップの太さ)に対応する寸法に設定される。
【0020】
本実施例の誘導リブ26には、図3(A),図4に示すように、第三保持部27が設けられる。第三保持部27は、ハーネス14を電装部品取付部21と保持部23との間で仮保持する部位である。第三保持部27は、ブラケット5に固定された板部材の端辺をハーネス14の太さに応じて凹ませた形状や切り欠いた形状(例えばノッチ形状)に形成される。これにより、第三保持部27の内側にハーネス14が安定的に支承されるため、電装部品取付部21から保持部23に至るまでのハーネス14の長さを必要最短長さに規定し、弛みを防止することができる。なお、図3(B)に示すように、ノッチ形状の代わりに板部材の角部分を利用してハーネス14の配索方向を案内するような構造にしてもよい。
【0021】
[2.作用、効果]
図6は、電装部品12のハーネス14及びコネクタ15が保持構造20に仮保持された状態を示す断面図である。電装部品12は、例えばサプライヤ側でブラケット5にあらかじめ艤装されている。電装部品12のインジケータ13は、電装部品取付部21に取り付けられている。インジケータ13の裏面側から引き出されるハーネス14は、誘導リブ26の第三保持部27に仮保持されるとともに、保持部23の第一保持部24に仮保持される。
【0022】
保持部23を超えた部分のハーネス14は、ロック部品取付部22とラップする位置(ロック部品取付部22を正面から見て、ロック部品取付部22と重なる位置)を通過した後に、電装部品取付部21に向かって逆戻りするように取り回される。一方、ハーネス14の先端に設けられるコネクタ15は、第二保持部25に仮保持される。このときコネクタ15は、第一保持部24に仮保持されたハーネス14の一方向側(すなわち、スリットの開放側)を閉塞する位置に配置され、ハーネス14の脱落を阻止するように機能する。これにより、ハーネス14の仮保持状態が安定する。
【0023】
本実施例のエネルギー補給部は、以下の効果を奏する。
(1)本実施例のエネルギー補給部は、電装部品取付部21と保持部23とを備える。電装部品取付部21は、ブラケット5に設けられ、電装部品12が固定される部位である。保持部23は、ブラケット5の補給室2とは反対側の面においてハーネス14及びコネクタ15を仮保持する部位である。この保持部23は、ハーネス14を一方向から挿入されてハーネス14を仮保持するとともにコネクタ15によって一方向側が閉塞されるように形成される。
【0024】
このように、保持部23にハーネス14及びコネクタ15を仮保持させることで、ハーネス14の余長を制御できる。これにより、例えば車両1にブラケット5を取り付ける際のハーネス14の挟み込みを防止できる。したがって、簡素な構成で組み付け作業性を改善できる。また、ハーネス14の仮保持後にコネクタ15を仮保持させることで、ハーネス14の引張による損傷や断線を防止できる。さらに、保持部23に支承されたハーネス14の脱落をコネクタ15に防止させることで、ハーネス14の保持状態を安定させることができる。
【0025】
(2)本実施例の保持部23は、ブラケット5に固定された板部材において一方向側が開放されたスリット状に形成されるとともにハーネス14を仮保持する第一保持部24を有する。このような構成により、例えば図5に示す第一保持部24に対し、ハーネス14を図中左側から右側へとスライド移動させるだけで仮保持状態を実現できる。したがって例えば、テープ等によってハーネス14をブラケット5に仮保持させる場合と比較して、容易にハーネス14を仮保持させることができる。また、仮保持状態からのハーネス14の取り外しを容易化することができる。これにより、仮保持時および本艤装時の組み付け作業性を簡素な構成で改善できる。
【0026】
(3)本実施例の保持部23は、第一保持部24の近傍にコネクタ15を仮保持する第二保持部25を有する。第一保持部24の近傍に第二保持部25を設けることで、ハーネス14の一方向側をコネクタ15で確実に塞ぐことができ、ハーネス14の脱落を防止できる。したがって、簡素な構成でハーネス14の保持状態を安定させることができる。
【0027】
(4)本実施例の第二保持部25は、例えば図5に示すように、第一保持部24が設けられる板部材において第一保持部24の一方向側に隣接して配置され、第一保持部24よりも幅広のスリット状に形成される。このような構成により、第一保持部24及び第二保持部25を容易に形成することができ、簡素な構成でハーネス14及びコネクタ15の仮保持状態を改善できる。
【0028】
(5)本実施例のブラケット5には、リッド6を施錠するためのロック部品が取り付けられるロック部品取付部22が設けられる。また、保持部23がハーネス14及びコネクタ15を仮保持したときに、ハーネス14及びコネクタ15の少なくとも一部分がロック部品取付部22とラップするように配索される。このような構成により、ブラケット5の車両1への組み付け作業に際し、ロック部品の取り付け忘れやコネクタ15の接続忘れを防止でき、作業性を改善できる。
【0029】
(6)本実施例のエネルギー補給部には、誘導リブ26が設けられる。誘導リブ26は、電装部品取付部21と保持部23との間に設けられる部位であり、ハーネス14を保持部23に仮保持させるときの配索方向を案内する機能を持つ。このような構成により、誘導リブ26を目印にしてハーネス14を仮保持させるための配索作業を容易に行うことができ、ハーネス14及びコネクタ15を仮保持させる作業の作業性を改善できる。
【0030】
(7)本実施例の誘導リブ26は、ハーネス14を電装部品取付部21と保持部23との間で仮保持する第三保持部27を有する。このような構成により、ハーネス14が弛むことなく、第三保持部27の内側に安定的に支承されるようになり、簡素な構成でハーネス14の保持状態を安定させることができる。
【0031】
[3.その他]
上記の実施例はあくまでも例示に過ぎず、本実施例で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。本実施例の各構成は、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。また、本実施例の各構成は、必要に応じて取捨選択でき、あるいは適宜組み合わせることができる。
【0032】
上記の実施例では、第一保持部24及び第二保持部25を同一の板部材に形成した構造を例示したが、これらを別設してもよい。図7に示す保持構造20′は、第一保持部24と第二保持部25とが互いに独立した板部材に形成された例である。第二保持部25に仮保持されるコネクタ15は、第一保持部24に仮保持されるハーネス14の脱落を防止するように配置される。これにより、ハーネス14の保持状態を安定させることができ上述の実施形態と同様の効果を獲得できる。
【符号の説明】
【0033】
1 車両
2 補給室
3 アウタパネル
4 開口部
5 ブラケット
6 リッド
7 ヒンジ
8 アーム
9 補給管取付孔
10 エネルギー補給口
11 補給管
12 電装部品
13 インジケータ
14 ハーネス
15 コネクタ
20 保持構造
21 電装部品取付部
22 ロック部品取付部(艤装部品取付部)
23 保持部
24 第一保持部
25 第二保持部
26 誘導リブ
27 第三保持部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7