(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023006507
(43)【公開日】2023-01-18
(54)【発明の名称】車両用乗降人数カウントシステム、およびその制御方法
(51)【国際特許分類】
G08G 1/01 20060101AFI20230111BHJP
H04M 11/00 20060101ALI20230111BHJP
G08G 1/04 20060101ALI20230111BHJP
【FI】
G08G1/01 F
H04M11/00 301
G08G1/04 D
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021109136
(22)【出願日】2021-06-30
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.WINDOWS
(71)【出願人】
【識別番号】508136205
【氏名又は名称】浜井電球工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】521281357
【氏名又は名称】株式会社 札幌情報ソリューションズ
(72)【発明者】
【氏名】濱 井 重 吏
(72)【発明者】
【氏名】冨 沢 健 二
(72)【発明者】
【氏名】佐 々 木 結 樹
(72)【発明者】
【氏名】新 堀 定 義
【テーマコード(参考)】
5H181
5K201
【Fターム(参考)】
5H181AA24
5H181BB04
5H181CC04
5H181CC27
5K201BA02
5K201CC10
(57)【要約】 (修正有)
【課題】複数のカメラ付きLED照明装置が、一斉にデータ送信した場合にあっても、無線回線およびデータベースに過大な負荷を発生せず、より効率的なデータ収集を実現化する新たな人数カウントシステム技術を提供する。
【解決手段】画像演算処理AI(AI)を搭載したカメラモジュールCM、データ蓄積部、無線モジュールおよび制御部が搭載されたLED直管形AI搭載カメラ2の複数基が、対象車両BD内の各乗降扉に臨むよう配設されてなるLED直管形AI搭載カメラ群2Aが設けられる一方、ルーターモジュールRT、データ蓄積部および制御部が搭載され、当該LED直管形AI搭載カメラ群2Aが送信する各乗降数データを無線転送するLED直管形IoTゲートウェイ4が設置され、車両乗降数データを受信するサーバーSVが対象車両BD外に設置されてなる車両用乗降人数カウントシステム1である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
イメージセンサー、画像演算処理AIを搭載したカメラモジュール、データ蓄積部、無線モジュール、それらを制御する制御部、および、LEDモジュールが搭載されたLED直管形AI搭載カメラの複数基が、対象車両内の各乗降扉に対し、夫々少なくとも1基が臨むよう配設され、各乗降扉の扉乗降数データを送信するものとされたLED直管形AI搭載カメラ群が設けられる一方、ルーターモジュール、データ蓄積部、それらを制御する制御部、および、LEDモジュールが搭載され、当該LED直管形AI搭載カメラ群が送信する各扉乗降数データを車両乗降数データとし、対象車両外の移動体通信ネットワークを経由し、無線送信するLED直管形IoT(Internet of Things,以降省略する。)ゲートウェイが同対象車両に少なくとも1基設置され、該LED直管形IoTゲートウェイが送信した、車両乗降数データを受信するサーバーおよびデータベースが対象車両の外に設置されてなることを特徴とする車両用乗降人数カウントシステム。
【請求項2】
イメージセンサー、画像演算処理AIを搭載したカメラモジュール、データ蓄積部、無線モジュール、それらを制御する制御部、および、LEDモジュールが搭載されたLED直管形AI搭載カメラの複数基が、対象車両内の各乗降扉に対し、夫々少なくとも1基が臨むよう配設され、各乗降扉の扉乗降数データを送信するものとされたLED直管形AI搭載カメラ群が設けられる一方、ルーターモジュール、データ蓄積部、それらを制御する制御部、および、LEDモジュールが搭載され、当該LED直管形AI搭載カメラ群が送信する各扉乗降数データを車両乗降数データとし、対象車両外の移動体通信ネットワークを経由し、無線送信するLED直管形IoTゲートウェイが同対象車両に少なくとも1基設置され、該LED直管形IoTゲートウェイが送信した、車両乗降数データを受信するサーバーおよびデータベースが対象車両の外に設置され、同サーバーが該車両乗降数データに基づいたサービスデータを、移動体通信ネットワークを経由し、ユーザーの移動体通信端末に送信可能とされてなることを特徴とする車両用乗降人数カウントシステム。
【請求項3】
イメージセンサー、画像演算処理AIを搭載したカメラモジュール、乗降始・終検知部、データ蓄積部、無線モジュール、それらを制御する制御部、および照明用のLEDモジュールが搭載され、停車毎に乗降人数をカウントし、停車毎の扉乗降数データを蓄積し、同扉乗降数データを送信するLED直管形AI搭載カメラの複数基が、対象車両内の各乗降扉に対し、夫々少なくとも1基が臨むよう配設されてなるLED直管形AI搭載カメラ群が設けられる一方、ルーターモジュール、データ蓄積部、それらを制御する制御部、および照明用のLEDモジュールが搭載され、当該LED直管形AI搭載カメラ群が送信する各扉乗降数データを受信、蓄積し、対象車両外の移動体通信ネットワークを経由し、各扉乗降数データを車両乗降数データとし、無線送信するLED直管形IoTゲートウェイが同対象車両に少なくとも1基設置され、該LED直管形IoTゲートウェイが送信した、車両乗降数データを受信するサーバー、および、該サーバーが受信した停車毎の車両乗降数データを蓄積し、同車両乗降数データを演算処理してサービスデータを得るデータベースが対象車両外に設置されてなることを特徴とする車両用乗降人数カウントシステム。
【請求項4】
乗降始・終検知部、イメージセンサー、画像演算処理AIとしての人数カウントAIを搭載したカメラモジュール、データ蓄積部、無線モジュール、それらを制御する制御部、および、照明用のLEDモジュールが搭載され、カメラ識別データ、停車毎にカウントした降車人数データおよび乗車人数データを含む各乗降扉の扉乗降数データを無線出力するLED直管形AI搭載カメラの複数基が、対象車両内の各乗降扉に対し、夫々少なくとも1基のカメラモジュールが、1つ乗降扉に向けられるよう該対象車両内に設置され、停車駅毎に各乗降扉の扉乗降数データを無線出力するLED直管形AI搭載カメラ群が設けられる一方、停車位置検知部、乗降始・終検知部、ルーターモジュール、データ蓄積部、それらを制御する制御部、および、照明用のLEDモジュールが搭載され、当該LED直管形AI搭載カメラ群が送信する停車毎の扉乗降数データを受信、蓄積し、対象車両外の移動体通信ネットワークを経由し、各LED直管形AI搭載カメラの扉乗降数データに、停車位置データおよび時刻データを付加した該停車毎の車両乗降数データを無線送信するLED直管形IoTゲートウェイが同対象車両に設置され、該LED直管形IoTゲートウェイが送信した、車両乗降数データを、該移動体通信ネットワークを経由し、受信するサーバー、および、該サーバーが受信した該車両乗降数データを蓄積し、演算処理し、その演算処理済みデータを蓄積するデータベースが対象車両の外に設置され、該データベースに蓄積された演算処理済みデータに基づくサービスデータを、移動体通信ネットワークを経由し、複数のユーザーの移動体通信端末に送信可能とされてなることを特徴とする車両用乗降人数カウントシステム。
【請求項5】
LED直管形AI搭載カメラが、直管形蛍光灯用の照明灯装置のソケット部間に対し交換自在に装着可能な口金が両端に結合されたシャーシを有し、該シャーシの何れか一方端から中央を至らない一方端寄りの位置との間に、少なくとも何れか一方の口金に電気的に接続された乗降始・終検知部、画像演算処理AIとしての人数カウントAIを搭載したカメラモジュール、データ蓄積部、無線モジュール、それらを制御する制御部が搭載された電装ユニットが設けられ、当該シャーシの一方端とは反対がわとなる他方端から中央を越えた該電装ユニットの内端との間に、少なくとも何れか一方の口金に電気的に接続されたLEDモジュールおよび該LEDモジュールを覆う透光カバーを有する灯ユニットが設けられ、当該両端一対の口金が、シャーシの両端間を結ぶ軸心回りに角度調節自在且つ調節された角度姿勢に仮固定可能な角度調節機構が組み込まれてなるものとされた、前記請求項1ないし請求項4何れか一記載の車両用乗降人数カウントシステム。
【請求項6】
各LED直管形AI搭載カメラが、少なくとも顔認識ソフトウェア、画像フレーム間のトラッキング認識ソフトウェア、IN/OUTカウント境界通過認識ソフトウェア、IN/OUTカウント累計ソフトウェア、および、LED直管形IoTゲートウェイとの通信を行うWi-Fi通信ソフトウェアを搭載されてなる、前記請求項1ないし請求項5何れか一記載の車両用乗降人数カウントシステム。
【請求項7】
LED直管形IoTゲートウェイが、直管形蛍光灯用の照明灯装置のソケット部間に対し交換自在に装着可能な口金が両端に結合されたシャーシを有し、該シャーシの何れか一方端から中央を至らない一方端寄りの位置との間に、少なくとも何れか一方の口金に電気的に接続された停車位置検知部、乗降始・終検知部、ルーターモジュール、データ蓄積部、それらを制御する制御部が搭載された電装ユニットが設けられ、当該シャーシの一方端とは反対がわとなる他方端から中央を越えた該電装ユニットの内端との間に、少なくとも何れか一方の口金に電気的に接続されたLEDモジュールおよび該LEDモジュールを覆う透光カバーを有する灯ユニットが設けられ、当該両端一対の口金が、シャーシの両端間を結ぶ軸心回りに角度調節自在且つ調節された角度姿勢に仮固定可能な角度調節機構が組み込まれてなるものとされた、前記請求項1ないし請求項6何れか一記載の車両用乗降人数カウントシステム。
【請求項8】
LED直管形IoTゲートウェイが、少なくとも各LED直管形AI搭載カメラと通信を行うWi-Fi通信ソフトウェア、移動体通信ネットワークの基地局と通信を行うWi-Fi通信ソフトウェア、GPS(Global Positioning System)制御ソフトウェアを搭載されてなる、前記請求項1ないし請求項7何れか一記載の車両用乗降人数カウントシステム。
【請求項9】
サーバーまたはデータベースの少なくとも何れか一方が、対象車両の運行を管理する運行管理システムの運行ダイヤ情報にリアルタイムでアクセスするものとされ、同対象車両の各駅の停車時刻、および発車時刻を認識し、LED直管形IoTゲートウェイからのデータ受信を自動的に管理するものとされた、前記請求項1ないし請求項8何れか一記載の車両用乗降人数カウントシステム。
【請求項10】
対象車両の照明灯装置の夫々に装着されたLED直管形AI搭載カメラ群およびLED直管形IoTゲートウェイに電力を供給し、該LED直管形AI搭載カメラ群の各LED直管形AI搭載カメラおよびLED直管形IoTゲートウェイの夫々を起動し、各LED直管形AI搭載カメラおよびLED直管形IoTゲートウェイが、停車駅に当該対象車両が停車し、乗降扉が開いてから同乗降扉が閉じるまでの間、各LED直管形AI搭載カメラのカメラモジュールが、乗降者を撮影し、乗降扉毎の乗降者の録画データを記録し、各カメラモジュールの画像演算処理AIが乗降扉毎の乗降者の録画データを画像処理し、乗降扉毎の降車人数および乗車人数を集計し、各LED直管形AI搭載カメラが、停車駅から当該対象車両が発車したのを検知した場合に、各LED直管形AI搭載カメラの各制御部が各乗降扉の扉乗降数データを無線発信し、各LED直管形AI搭載カメラからの各乗降扉の扉乗降数データを受信した当該LED直管形IoTゲートウェイが、各LED直管形AI搭載カメラからの各乗降扉の扉乗降数データを当該対象車両の車両乗降数データとなし、移動体通信ネットワークを経由し、サーバーに送信し、同サーバーは、受信した車両乗降数データに付加データを加え駅車両扉乗降数データとしデータベースに蓄積し、同データベースは、蓄積した駅車両扉乗降数データを演算処理し、その演算処理済み乗降数データを蓄積し、サーバーが、そのデータベースに蓄積された演算処理済み乗降数データに基づくサービスデータを、該移動体通信ネットワークを経由し、複数の顧客の移動体通信端末に送信するようにしたことを特徴とする前記請求項1ないし請求項9何れか一記載の車両用乗降人数カウントシステムの制御方法。
【請求項11】
対象車両の各照明灯装置に装着された複数基のLED直管形AI搭載カメラの夫々に固有識別情報および扉位置情報を含むカメラ識別データが設定されたLED直管形AI搭載カメラ群、および、同対象車両の照明灯装置に装着され、固有識別情報および対象車両情報を含むゲートウェイ識別データが設定されたLED直管形IoTゲートウェイに電力を供給し、該LED直管形AI搭載カメラ群の各LED直管形AI搭載カメラおよびLED直管形IoTゲートウェイの夫々を起動し、各LED直管形AI搭載カメラおよびLED直管形IoTゲートウェイが、停車駅に当該対象車両が停車し、乗降扉が開いてから同乗降扉が閉じるまでの間、各LED直管形AI搭載カメラのカメラモジュールが、乗降者を撮影し、乗降扉毎の乗降者の録画データを記録し、各カメラモジュールの画像演算処理AIが乗降扉毎の乗降者の画像データを画像処理し、乗降扉毎の降車人数および乗車人数を集計し、各LED直管形AI搭載カメラが、停車駅から当該対象車両が発車したのを検知した場合に、各LED直管形AI搭載カメラの各制御部が各乗降扉のカメラ識別データおよび扉乗降数データを無線発信し、各LED直管形AI搭載カメラからの各乗降扉のカメラ識別データおよび扉乗降数データを受信した当該LED直管形IoTゲートウェイが、各LED直管形AI搭載カメラからの各乗降扉のカメラ識別データおよび扉乗降数データにゲートウェイ識別データを添付し、当該対象車両の車両扉乗降数データとなし、移動体通信ネットワークを経由し、サーバーに送信し、同サーバーは、受信した該車両扉乗降数データに、当該LED直管形IoTゲートウェイが通信した基地局IDデータ、および、列車編成データを付加した駅車両扉乗降数データをデータベースに蓄積し、同データベースは、蓄積した駅車両扉乗降数データを演算処理し、その演算処理済み乗降数データを蓄積し、サーバーが、そのデータベースに蓄積された演算処理済み乗降数データに基づくサービスデータを、該移動体通信ネットワークを経由し、複数の顧客の移動体通信端末に送信するようにしたことを特徴とする前記請求項1ないし請求項9何れか一記載の車両用乗降人数カウントシステムの制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、列車の駅毎の乗降客数を自動的にカウントする技術に関連するものであり、特に、カメラを搭載し、対象車両内に設置された直管形LEDランプによって駅毎の乗降客数を自動的にカウントし、取得した乗降データを、該対象車両外のデータベースに移動体通信ネットワークを介して遠隔的に送信可能とする車両用乗降人数カウントシステムを製造、提供する分野を初め、その分野には属していないが、そこでの技術的思想の創作内容を取り入れたと同定されるような類いのものを製造、提供する分野についてまでをも含むのは勿論のこと、それらの分野に係って行う輸送、保管、組み立ておよび設置に必要となる設備、器具類を提供、販売する分野から、それら資材や機械装置、部品類に必要となる素材、例えば、木材、石材、各種繊維類、プラスチック、各種金属材料等を提供する分野、それらに組み込まれる電子部品やそれらを集積した制御関連機器の分野、各種計測器の分野、当該設備、器具を動かす動力機械の分野、そのエネルギーとなる電力やエネルギー源である電気、オイルの分野といった一般的に産業機械と総称されている分野、更には、それら設備、器具類を試験、研究したり、それらの展示、販売、輸出入に係わる分野、将又、それらの使用の結果やそれを造るための設備、器具類の運転に伴って発生するゴミ屑の回収、運搬等に係わる分野、それらゴミ屑を効率的に再利用するリサイクル分野などの外、現時点で想定できない新たな分野までと、関連しない技術分野はない程である。
【背景技術】
【0002】
(着目点)
電車や地下鉄、新幹線などの走行中の客室内におけるトラブルの防止、および発生中のトラブルに対し、より迅速に対応可能とする技術として多くの防犯カメラが設置されており、特に、車両の客室内に既に設置されている照明装置に対し、交換自在に装着可能とされたカメラ搭載の直管型LED(Light Emitting Diode,以降省略。)ランプは、例えば、安定器が取り外された既存の蛍光灯用の照明装置か、または、直管型LEDランプ専用の照明装置かの何れか一方のソケット部間に対し、ランプを組み込むだけでLEDランプと共にカメラが設置されるから、従来型の照明装置とは全く別の配線を必要とし、専用の設置スペースを要する防犯カメラよりも遙かに簡単に設置し、より経済的に利用することができるという利点から、広く利用されるようになってきており、こうした車両内に設置されるカメラ搭載の直管型LEDランプには、さらに無線機を搭載し、カメラが撮影した画像データを、無線通信ネットワークを介して車両内・外の端末やデータベースなどに送信することができるものがあり、防犯カメラとして機能したり、ビッグデータを収集したりするのに有効であって様々な用途が模索されている。
【0003】
例えば、鉄道の車両に複数のカメラ搭載の直管型LEDランプが搭載され、各カメラ搭載の直管型LEDランプと無線接続可能なデータベースとが車両外に設置されたLED照明システムの場合には、複数のカメラ搭載の直管型LEDランプが、撮影した画像データを含む膨大なデジタル情報を、無線通信ネットワークを介して一斉に通信したり、該デジタル情報を受信したデータベースが、その膨大な量の画像データを速やかに解析処理したりするシステムの構築が不可欠となり、こうした優れた情報通信および解析処理能力を達成するために多大なコストを要するものとなってしまうから、実用化に際しては、より設備コストを抑制したLED照明システムの開発が必要となることが予測される。
【0004】
(従来の技術)
こうした状況を反映し、その打開策となるような提案もこれまでに散見されない訳ではない。
例えば、下記の特許文献1(1)に提案されているものに代表されるように、照明部、および、外部データをリアルタイムで取得する外部データ取得部と、外部データを記憶する記憶部と、記憶された外部データから所定の日付の所定の時間範囲を指定する旨のデータ抽出指定情報に基づいた外部データを抽出するデータ抽出部と無線通信部とを備えた機能部を有する複数のLED照明装置と、それら複数のLED照明装置に接続され、データ抽出指定情報を生成するデータ抽出指定情報生成部と、抽出データを表示部に表示させるための出力情報を生成する出力情報生成部とを有するクラウドサーバーと、該クラウドサーバーに接続され、抽出指定日時情報を入力する入力部と表示部とを有する情報端末とを有し、前記LED照明装置の前記外部データ取得部によってリアルタイムで取得され、前記記憶部に記憶された前記外部データの中から、前記クラウドサーバーの前記データ抽出指定情報生成部によって生成された前記データ抽出指定情報に基づいて、前記情報端末の前記入力部によって指定した所定の日付の所定の時間範囲で前記外部データを抽出し、前記クラウドサーバーの前記出力情報生成部により、前記情報端末の前記表示部に所定の日付の所定の時間範囲の前記外部データの情報としての出力情報を出力表示させることができるので、複数のLED照明装置が取得した外部データを、設備コストを抑えつつ、監視に必要な情報として利用することができるものとされたLED照明システムが既に開発済みとなっている。
【0005】
また、下記の特許文献1(2)に見られるような、LEDが組み込まれた照明部と、該照明部の周りの外部情報をリアルタイムで取得する外部情報取得部、および、該外部情報取得部によってリアルタイムで取得された前記外部情報と同一時間軸で報知したい情報の解析に必要な時間間隔をあけて間欠的に前記外部情報を装置識別情報とともに送信するように無線通信部を制御する間欠送信制御部を備えた機能部とを有し、蛍光灯の両ソケットに取り付け可能な複数のLED照明装置と、前記複数のLED照明装置と通信可能に接続され、前記無線通信部から間欠的に送信された前記外部情報を前記装置識別情報とともに受信し、該受信した前記外部情報の時間経過における変化を解析することによって前記複数のLED照明装置の各装置に対応した報知情報を生成する解析サーバーと、前記解析サーバーと通信可能に接続され、前記解析サーバーから送信された前記複数のLED照明装置の各装置に対応した前記報知情報を受信し、各装置に対応した前記報知情報を報知する報知部とを有し、前記間欠送信制御部は、前記解析サーバーによって前記報知情報を生成することができる範囲のできるだけ長い時間間隔をあけて間欠的に前記外部情報を送信するように前記無線通信部を制御するものとされ、前記複数のLED照明装置が取得した前記外部情報を前記複数のLED照明装置と通信可能に接続された前記解析サーバーによって集約して解析することができる。
【0006】
しかも、前記間欠送信制御部により、前記外部情報が、前記外部情報取得部によってリアルタイムで取得された前記外部情報と同一時間軸で報知したい情報の解析に必要な時間間隔で間欠的に前記複数のLED照明装置の各LED照明装置から前記装置識別情報とともに前記解析サーバーに送信される。このため、前記複数のLED照明装置の各LED照明装置から前記解析サーバーへの送信データ量を小さく抑えつつ、リアルタイムの時間軸で遅延することなく前記解析サーバーによる解析によって生成された前記複数のLED照明装置の各装置に対応した報知情報を前記報知部によって報知することができ、したがって、複数のLED照明装置が取得した外部情報を、設備コストを抑えつつ、適格、かつ、遅れることなく外部情報の解析結果を報知することができるものとされたLED照明システムなどが散見される。
【0007】
しかし、前者特許文献1(1)に示されているようなLED照明システムは、LED照明装置に記憶された外部データの中から、情報端末を通じて指定した所定の日付の所定の時間範囲で前記外部データを抽出するものとされ、データ通信量を抑制し、設備コストおよび通信コストを削減することができるものとなっているものの、情報端末を通じて指定された条件に基づき、抽出された外部データのみを送・受信するから、ビッグデータの収集には適さないものであり、また、特許文献1(2)の各LED照明装置の各間欠送信制御部が、装置識別情報と共に外部情報を解析に必要な時間間隔で間欠的に解析サーバーに送信されるものであるから、該解析サーバーに過大な負担を掛けずに円滑な解析処理を行えるシステムとなっているが、例えば、複数のLED照明装置から外部データとして画像データが送信される場合には、大量のデジタル信号を送・受信することとなってしまうことから、通信ネットワークおよび該解析サーバーの負担を抑制するのが難しいという欠点が残るものであった。
【特許文献1】(1)特開2020-182047号公報 (2)特許第6654767号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
(問題意識)
上述したとおり、従前までに提案のある各種LED照明システムなどは、何れも複数のLED照明装置が取得した外部データの中から、指定した時間範囲の外部データのみを抽出して収集したり、複数のLED照明装置からのデータ送信を間欠的に送信したりすることにより、通信網や解析サーバーなどへの負担を軽減するものとされているが、こうした従来技術を採用するLED照明システムであっても、例えば、鉄道路線を走行する列車の車両内に複数のLED照明装置が設置され、各駅の停車時刻毎の各車両の乗降人数をカウントし、乗降数のビッグデータを収集しようとした場合には、各カメラ搭載の直管型LEDランプが、各駅に停車する毎に録画した画像データを、無線通信ネットワークを通じ、車両外に設置されたデータベースに送信し、該画像データを受信・蓄積した該データベースは、該蓄積した画像データを解析し、駅毎の乗降人数を集計し、ビッグデータとして蓄積、利用可能とすることができるが、路線の各駅の列車(車両・乗降口)毎の画像データから夫々の乗降人数を円滑に解析および集計処理するには、大きな計算能力を要するものとなり、多大なコストの負担を要するものとなってしまうという欠点を解消することはできないものであった。
【0009】
(発明の目的)
そこで、この発明は、列車の車両内に複数設置されたカメラを備えたLED照明装置が、該車両外のデータベースに対し移動体通信ネットワークを介して一斉にデータ送信した場合にあっても、これら移動体通信ネットワークおよびデータベースに過大な負荷を発生することなく、より効率的且つ低コストに乗降人数のビッグデータの収集を実現化可能とする新たな人数カウントシステム技術の開発はできないものかとの判断から、逸速くその開発、研究に着手し、長期に亘、試行錯誤と幾多の試作、実験とを繰り返してきた結果、今回、遂に新規な構造の車両用乗降人数カウントシステム、およびその新規な制御方法を実現化することに成功したものであり、以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構成を詳述することとする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(発明の構成)
図面に示すこの発明を代表する実施例からも明確に理解されるように、この発明の車両用乗降人数カウントシステムは、基本的に次のような構成から成り立っている。
即ち、イメージセンサー、画像演算処理AIを搭載したカメラモジュール、データ蓄積部、無線モジュール、それらを制御する制御部、および、LEDモジュールが搭載されたLED直管形AI搭載カメラの複数基が、対象車両内の各乗降扉に対し、夫々少なくとも1基が臨むよう配設され、各乗降扉の扉乗降数データを送信するものとされたLED直管形AI搭載カメラ群が設けられる一方、ルーターモジュール、データ蓄積部、それらを制御する制御部、および、LEDモジュールが搭載され、当該LED直管形AI搭載カメラ群が送信する各扉乗降数データを車両乗降数データとし、対象車両外の移動体通信ネットワークを経由し、無線送信するLED直管形IoT(Internet of Things,以降省略する。)ゲートウェイが同対象車両に少なくとも1基設置され、該LED直管形IoTゲートウェイが送信した、車両乗降数データを受信するサーバーおよびデータベースが対象車両の外に設置されてなるものとした構成を要旨とする車両用乗降人数カウントシステムである。
【0011】
この基本的な構成からなる車両用乗降人数カウントシステムは、その表現を変えて示すならば、イメージセンサー、画像演算処理AIを搭載したカメラモジュール、データ蓄積部、無線モジュール、それらを制御する制御部、および、LEDモジュールが搭載されたLED直管形AI搭載カメラの複数基が、対象車両内の各乗降扉に対し、夫々少なくとも1基が臨むよう配設され、各乗降扉の扉乗降数データを送信するものとされたLED直管形AI搭載カメラ群が設けられる一方、ルーターモジュール、データ蓄積部、それらを制御する制御部、および、LEDモジュールが搭載され、当該LED直管形AI搭載カメラ群が送信する各扉乗降数データを車両乗降数データとし、対象車両外の移動体通信ネットワークを経由し、無線送信するLED直管形IoTゲートウェイが同対象車両に少なくとも1基設置され、該LED直管形IoTゲートウェイが送信した、車両乗降数データを受信するサーバーおよびデータベースが対象車両の外に設置され、同サーバーが該車両乗降数データに基づいたサービスデータを、移動体通信ネットワークを経由し、ユーザーの移動体通信端末に送信可能なものとされた構成からなる車両用乗降人数カウントシステムとなる。
【0012】
より具体的には、乗降始・終検知部、イメージセンサー、画像演算処理AIを搭載したカメラモジュール、データ蓄積部、無線モジュール、それらを制御する制御部、および、照明用のLEDモジュールが搭載され、停車毎に乗降人数をカウントし、停車毎の扉乗降数データを蓄積し、同扉乗降数データを送信するLED直管形AI搭載カメラの複数基が、対象車両内の各乗降扉に対し、夫々少なくとも1基が臨むよう配設されてなるLED直管形AI搭載カメラ群が設けられる一方、ルーターモジュール、データ蓄積部、それらを制御する制御部、および、照明用のLEDモジュールが搭載され、当該LED直管形AI搭載カメラ群が送信する各扉乗降数データを受信し、蓄積し、対象車両外の移動体通信ネットワークを経由し、各扉乗降数データを車両乗降数データとし、無線送信するLED直管形IoTゲートウェイが同対象車両に少なくとも1基設置され、該LED直管形IoTゲートウェイが送信した、車両乗降数データを受信するサーバー、および、該サーバーが受信した停車毎の車両乗降数データを蓄積し、同車両乗降数データを演算処理してサービスデータを得るデータベースが対象車両外に設置されてなるものとした構成からなる車両用乗降人数カウントシステムとなる。
【0013】
これを換言すると、乗降始・終検知部、イメージセンサー、画像演算処理AIとしての人数カウントAIを搭載したカメラモジュール、データ蓄積部、無線モジュール、それらを制御する制御部、および、照明用のLEDモジュールが搭載され、カメラ識別データ、停車毎にカウントした降車人数データおよび乗車人数データを含む各乗降扉の扉乗降数データを無線出力するLED直管形AI搭載カメラの複数基が、対象車両内の各乗降扉に対し、夫々少なくとも1基のカメラモジュールが、1つ乗降扉に向けられるよう該対象車両内に設置され、停車駅毎に各乗降扉の扉乗降数データを無線出力するLED直管形AI搭載カメラ群が設けられる一方、停車位置検知部、乗降始・終検知部、ルーターモジュール、データ蓄積部、それらを制御する制御部、および、照明用のLEDモジュールが搭載され、当該LED直管形AI搭載カメラ群が送信する停車毎の扉乗降数データを受信、蓄積し、対象車両外の移動体通信ネットワークを経由し、各LED直管形AI搭載カメラの扉乗降数データに、停車位置データおよび時刻データを付加した該停車毎の車両乗降数データを無線送信するLED直管形IoTゲートウェイが同対象車両に設置され、該LED直管形IoTゲートウェイが送信した、車両乗降数データを、該移動体通信ネットワークを経由し、受信するサーバー、および、該サーバーが受信した該車両乗降数データを蓄積し、演算処理し、その演算処理済みデータを蓄積するデータベースが対象車両の外に設置され、該データベースに蓄積された演算処理済みデータに基づくサービスデータを、移動体通信ネットワークを経由し、複数のユーザーの移動体通信端末に送信可能なものとしてなる車両用乗降人数カウントシステムと云うことができる。
【0014】
(関連する発明1)
上記した車両用乗降人数カウントシステムに関連し、この発明には、その制御方法も包含している。
即ち、対象車両の照明灯装置の夫々に装着されたLED直管形AI搭載カメラ群およびLED直管形IoTゲートウェイに電力を供給し、該LED直管形AI搭載カメラ群の各LED直管形AI搭載カメラおよびLED直管形IoTゲートウェイの夫々を起動し、各LED直管形AI搭載カメラおよびLED直管形IoTゲートウェイが、停車駅に当該対象車両が停車し、乗降扉が開いてから同乗降扉が閉じるまでの間、各LED直管形AI搭載カメラのカメラモジュールが、乗降者を撮影し、乗降扉毎の乗降者の録画データを記録し、各カメラモジュールの画像演算処理AIが乗降扉毎の乗降者の録画データを画像処理し、乗降扉毎の降車人数および乗車人数を集計し、各LED直管形AI搭載カメラが、停車駅から当該対象車両が発車したのを検知した場合に、各LED直管形AI搭載カメラの各制御部が各乗降扉の扉乗降数データを無線発信し、各LED直管形AI搭載カメラからの各乗降扉の扉乗降数データを受信した当該LED直管形IoTゲートウェイが、各LED直管形AI搭載カメラからの各乗降扉の扉乗降数データを当該対象車両の車両乗降数データとなし、移動体通信ネットワークを経由し、サーバーに送信し、同サーバーは、受信した車両乗降数データに付加データを加え駅車両扉乗降数データとしデータベースに蓄積し、同データベースは、蓄積した駅車両扉乗降数データを演算処理し、その演算処理済み乗降数データを蓄積し、サーバーが、そのデータベースに蓄積された演算処理済み乗降数データに基づくサービスデータを、該移動体通信ネットワークを経由し、複数の顧客の移動体通信端末に送信するようにした、この発明の基本をなす前記何れか一記載の車両用乗降人数カウントシステムの制御方法である。
【0015】
この車両用乗降人数カウントシステムの制御方法を、より具体的に示すと、対象車両の各照明灯装置に装着された複数基のLED直管形AI搭載カメラの夫々に固有識別情報および扉位置情報を含むカメラ識別データが設定されたLED直管形AI搭載カメラ群、および、同対象車両の照明灯装置に装着され、固有識別情報および対象車両情報を含むゲートウェイ識別データが設定されたLED直管形IoTゲートウェイに電力を供給し、該LED直管形AI搭載カメラ群の各LED直管形AI搭載カメラおよびLED直管形IoTゲートウェイの夫々を起動し、各LED直管形AI搭載カメラおよびLED直管形IoTゲートウェイが、停車駅に当該対象車両が停車し、乗降扉が開いてから同乗降扉が閉じるまでの間、各LED直管形AI搭載カメラのカメラモジュールが、乗降者を撮影し、乗降扉毎の乗降者の録画データを記録し、各カメラモジュールの画像演算処理AIとしての人数カウントAIが乗降扉毎の乗降者の画像データを画像処理し、乗降扉毎の降車人数および乗車人数を集計し、各LED直管形AI搭載カメラが、停車駅から当該対象車両が発車したのを検知した場合に、各LED直管形AI搭載カメラの各制御部が各乗降扉のカメラ識別データおよび扉乗降数データを無線発信し、各LED直管形AI搭載カメラからの各乗降扉のカメラ識別データおよび扉乗降数データを受信した当該LED直管形IoTゲートウェイが、各LED直管形AI搭載カメラからの各乗降扉のカメラ識別データおよび扉乗降数データにゲートウェイ識別データを添付し、当該対象車両の車両扉乗降数データとなし、移動体通信ネットワークを経由し、サーバーに送信し、同サーバーは、受信した該車両扉乗降数データに、当該LED直管形IoTゲートウェイが通信した基地局IDデータ、および、列車編成データを付加した駅車両扉乗降数データをデータベースに蓄積し、同データベースは、蓄積した駅車両扉乗降数データを演算処理し、その演算処理済み乗降数データを蓄積し、サーバーが、そのデータベースに蓄積された演算処理済み乗降数データに基づくサービスデータを、該移動体通信ネットワークを経由し、複数の顧客の移動体通信端末に送信するようにした、この発明の基本をなす前記何れか一記載の車両用乗降人数カウントシステムの制御方法ということができる。
【発明の効果】
【0016】
以上のとおり、この発明の車両用乗降人数カウントシステムによれば、従前までのものとは違い、上記したとおりの固有の特徴ある構成から、対象車両内に設置されたLED直管形AI搭載カメラ群が、対象車両外のデータベースに対し、移動体通信ネットワークを介して一斉にデータ送信した場合にあっても、LED直管形IoTゲートウェイが中継することにより、該移動体通信ネットワークおよびデータベースに過大な負荷を発生することなく、より効率的且つ低コストに乗・降人数のビッグデータの収集を実現化可能とする新たな人数カウントシステム技術を提供するものとなり、特に、各LED直管形AI搭載カメラの画像演算処理AIが、対象車両の運行中に、同対象車両内を撮影した映像データに基づき演算処理し、より簡素化、単純化されたデジタルデータを、移動体通信ネットワークを経由し、リアルタイムに無線送信し、データベースに蓄積するものとなるから、該データベースに加わる負荷を大幅に軽減し、同対象車両の管理者や乗客などに対し、より経済的且つ速やかにサービスデータを提供することができるものになるという秀でた特徴が得られるものである。
【0017】
加えて、この発明の車両用乗降人数カウントシステムは、対象車両に複数基のLED直管形AI搭載カメラが配されてなるLED直管形AI搭載カメラ群、および、同LED直管形AI搭載カメラ群が個別に無線発信する扉乗降数データを中継発信するLED直管形IoTゲートウェイが1基設けられたものとなっているから、移動体通信ネットワークに対し、1台の対象車両毎に1基のLED直管形IoTゲートウェイのみが接続するものとなり、LED直管形AI搭載カメラ群が一斉に移動体通信ネットワークに接続する場合に比較し、同移動体通信ネットワークの回線利用数を大幅に削減し、無線回線への付加を格段に軽減することができるものとなる上、回線契約数を格段に減少し、より効率的且つ経済的なデータ通信を実現可能とすることができる。
【0018】
さらに、各LED直管形AI搭載カメラの画像演算処理AIが人数カウントAIとされた、この発明の車両用乗降人数カウントシステムによれば、対象車両内を撮影した映像データをそのままか、または圧縮するかし、移動体通信ネットワークを経由して送信する場合に比較し、より簡素化、単純化された数列や、行と列からなる表情報などの数値データとして送信することが可能となり、より高速な通信を実現化し、サーバーおよびデータベースにおけるデータ処理をより迅速に行えるものとすることができる。
【0019】
各LED直管形AI搭載カメラまたはLED直管形IoTゲートウェイの少なくとも何れか一方に、角度調節機構を有した口金が組み込まれてなる、この発明の車両用乗降人数カウントシステムによれば、対象車両内の個々の設置位置における照明条件、無線通信条件、およびカメラ撮影条件などの様々な事情に応じ、夫々のシャーシの軸心回りに角度調節することができるものとなるから、より信頼性に優れた車両用乗降人数カウントシステムを構築することができるものとなる。
【0020】
各LED直管形AI搭載カメラが、少なくとも顔認識ソフトウェア、画像フレーム間のトラッキング認識ソフトウェア、IN/OUTカウント境界通過認識ソフトウェア、IN/OUTカウント累計ソフトウェア、およびLED直管形IoTゲートウェイとの通信を行うWi-Fi通信ソフトウェアを搭載されてなる、この発明の車両用乗降人数カウントシステムによれば、各LED直管形AI搭載カメラに搭載された画像演算処理AIを、より効率的に動作させ、各乗降扉の扉乗降数データを、LED直管形IoTゲートウェイを経由し、サーバーおよびデータベースに効率的に送信することができる上、それらサーバーおよびデータベースの情報処理に要する負荷を大幅に軽減し、当該車両用乗降人数カウントシステムをより円滑に運用することができるものとなる。
【0021】
LED直管形IoTゲートウェイが、少なくとも各LED直管形AI搭載カメラと通信を行うWi-Fi通信ソフトウェア、移動体通信ネットワークの基地局と通信を行うWi-Fi通信ソフトウェア、GPS(Global Positioning System,以降省略する。)制御ソフトウェアを搭載されてなる、この発明の車両用乗降人数カウントシステムによれば、複数基のLED直管形AI搭載カメラからなるLED直管形AI搭載カメラ群が発信する各乗降扉の扉乗降数データに、停車位置データを負荷して車両乗降数データとし、LED直管形IoTゲートウェイを経由し、サーバーおよびデータベースに送信する場合に、より効率的にかつ確実に通信することができるから、それらサーバーおよびデータベースの情報処理に要する負荷を大幅に軽減し、当該車両用乗降人数カウントシステムをより効率的に運用することができる。
【0022】
サーバーまたはデータベースの少なくとも何れか一方が、対象車両の運行を管理する運行管理システムの運行ダイヤ情報にリアルタイムでアクセスするものとされ、同対象車両の各駅の停車時刻、および発車時刻を認識し、LED直管形IoTゲートウェイからのデータ受信を自動的に管理するものとされた、この発明の車両用乗降人数カウントシステムによれば、サーバーが、LED直管形IoTゲートウェイから発信される情報をより効率的に受信することができ、データの照合をより効率化し、さらに迅速なデータサービスを実現できるものとなる。
【0023】
そして、この発明の車両用乗降人数カウントシステムの制御方法によれば、LED直管形AI搭載カメラ群の各LED直管形AI搭載カメラに搭載された画像演算処理AIが、各カメラモジュールで撮影した画像データを画像処理し、乗降扉毎の降車人数および乗車人数を集計し、その各乗降扉の扉乗降数データを無線発信するようにしたから、送信する同扉乗降数データの情報量を、画像データを送信する場合に比較して大幅に削減することができ、LED直管形IoTゲートウェイ以降、移動体通信ネットワークを経由し、サーバーに至る通信回線に過大な負荷を掛けることなく、有益なデータのみを効率的に送信することができ、より迅速且つ経済的に運用可能とするものとなる。
【0024】
加えて、この発明の車両用乗降人数カウントシステムの制御方法によれば、運用の開始前に、対象車両の各照明灯装置に夫々設置された各LED直管形AI搭載カメラに対し、固有識別情報および扉位置情報を含むカメラ識別データが設定されたものとされ、LED直管形IoTゲートウェイに対し、固有識別情報および対象車両情報を含むゲートウェイ識別データが設定されたものとするから、各LED直管形AI搭載カメラが取得した扉乗降数データに該カメラ識別データを紐付けして発信し、これを受信したLED直管形IoTゲートウェイが、該扉乗降数データおよびカメラ識別データにゲートウェイ識別データを添付し、当該対象車両の車両扉乗降数データとなし、移動体通信ネットワークを経由し、サーバーに送信するようにしたから、LED直管形AI搭載カメラ群からサーバーに至る情報の流れを安定化、円滑化すると共に、より正確な情報の集積を実現化することができるという大きな効果を奏することになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
上記したとおりの構成からなるこの発明の実施に際し、その最良もしくは望ましい形態について説明を加えることにする。
LED直管形AI搭載カメラ群は、対象車両内の複数箇所の夫々を照明し、且つ、撮影し、同対象車両内の少なくとも1基のLED直管形IoTゲートウェイを通じて撮影した画像データに基づくデジタル情報を送信可能とする機能を分担し、また、該LED直管形AI搭載カメラ群を構成する各LED直管形AI搭載カメラは、対象車両内の夫々が対応する照明範囲を照明、および個々に対応する乗降扉を撮影し、夫々が対応する乗降扉の扉乗降数データを、同対象車両内の少なくとも1基のLED直管形IoTゲートウェイに送信する機能を分担し、イメージセンサー、画像演算処理AIを搭載したカメラモジュール、データ蓄積部、無線モジュール、それらを制御する制御部、およびLEDモジュールが搭載されたものとしなければならず、後述する実施例にも示すように、少なくとも顔認識ソフトウェア、画像フレーム間のトラッキング認識ソフトウェア、IN/OUTカウント境界通過認識ソフトウェア、IN/OUTカウント累計ソフトウェア、およびLED直管形IoTゲートウェイとの通信を行うWi-Fi通信ソフトウェアを搭載されてなるものとすべきであり、シャーシの両端に角度調節機構を有する口金が組み込まれたものとするのが良い。
【0026】
LEDモジュールは、各LED直管形AI搭載カメラおよびLED直管形IoTゲートウェイの夫々の対象車両内を照明する機能を分担し、対象車両内の設置対象範囲を充分に照明できるものとしなければならず、後述する実施例にも示しているように、シャーシの表面がわの灯ユニット3となる範囲に配設され、透光カバーTCによって覆われたものとするのが良い。
【0027】
乗降始・終検知部は、対象車両の発進および停止の夫々の状態を検知し、それらの検知情報を関連する機器に報知する機能を分担し、移動体通信ネットワークの複数の基地局との通信を利用した位置情報の変化を検知するものとすることができる外、GPSセンサーを利用したものとすることができる外、構造の簡素化や軽量化を考慮すると、後述する実施例にも示しているように、加速度センサーとするのが良い。
【0028】
イメージセンサーは、対象車両の対象となる乗降扉を含む範囲を撮影し、そのデジタル画像データを出力する機能を分担し、直管形のLEDランプに搭載可能な小ささのものとしなければならず、より具体的には、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサーか、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサーとすべきであり、より高速に画像信号を出力し、ノイズの発生が少なく、消費電力が少なく、画像演算処理AIをオンチップ化することができるCMOSイメージセンサーとするのが良い。
【0029】
画像演算処理AIは、カメラモジュールで撮影された画像データを演算処理し、対象となる乗降扉の扉乗降数データを取得する機能を分担し、該画像データよりも情報量を大幅に削減した扉乗降数データ(デジタルデータ)とするものとしなければならず、より具体的には、後述する実施例にも示すように、人数カウントAIとするのが良く、顔認識ソフトウェア、画像フレーム間のトラッキング認識ソフトウェア、IN/OUTカウント境界通過認識ソフトウェア、IN/OUTカウント累計ソフトウェアなどのソフトウェアが搭載されたISP(Image Signal Processor,以降省略する。)とするのが良い。
【0030】
データ蓄積部は、各種ソフトウェアおよび各種データなどを記録する機能を分担し、例えばLED直管形AI搭載カメラに搭載されたものは、カメラ識別データおよび扉乗降数データを記録し、また、LED直管形IoTゲートウェイに搭載されたものは、ゲートウェイ識別データおよび車両乗降数データを記録するなど、様々な情報を記録するものとすべきであり、より具体的には、不揮発性メモリであるSPI(Serial Peripheral Interface,以降省略。)Flash,揮発性メモリであるDRAM(Dynamic Random Access Memory,以降省略する),リムーバブルメディア〔例えば、micro SD(登録商標)メモリーカード〕などが夫々必要に応じて設けられたものとするのが良い。
【0031】
LED直管形AI搭載カメラの無線モジュールは、同じ対象車両内に配されたLED直管形IoTゲートウェイとの無線通信を行う機能を担い、近距離通信を行うBluetooth(登録商標)規格の通信を行うものとすることができる外、後述する実施例にも示すように、より高速の通信が可能なWi-Fi規格の無線通信を行う無線LAN(Local Area Network,以降省略。)モジュールとするのが良く、何れの通信も暗号化されたものとすべきである。
【0032】
LED直管形AI搭載カメラの制御部は、カメラモジュール、データ蓄積部および無線モジュールを制御し、無線通信、録画データの暗号化、録画データファイルの管理などを行う機能を担い、より具体的には、乗降始・終検知部、イメージセンサー、画像演算処理AIとしての人数カウントAIを搭載したカメラモジュール、データ蓄積部、無線モジュールなどを制御するものとすべきであり、後述する実施例にも示しているように、電装ユニット内に設けられ、SPI Flash,揮発性メモリであるDRAM、リムーバブルメディア〔例えば、micro SD(登録商標)メモリーカード〕、および、無線モジュールなどが搭載され、カメラモジュールと通信可能に接続されたCPU(Central Processing Unit)とし、イメージセンサーが撮影したカメラ画像をメモリに記憶するカメラ画像入力ソフトウェア、人数カウントAIの顔認識ソフトウェア、画像フレーム間のトラッキング認識ソフトウェア、IN/OUTカウント境界通過認識ソフトウェア、IN/OUTカウント累計ソフトウェア、乗降始・終検知部用の走行/停止判断ソフトウェア、カメラ動画圧縮ソフトウェア、リムーバブルメディア用のSD動画ファイル保存ソフトウェア、無線モジュール用のWi-Fi通信を介しIN/OUTカウント送信・各種設定データ送受信・録画ファイルリスト送信・指定ファイル送信ソフトウェア、および、ファームウェアアップデートソフトウェアなどが搭載されているものとするのが良い。
【0033】
LED直管形IoTゲートウェイのルーターモジュールは、対象車両内に配されたLED直管形AI搭載カメラ群が出力した各乗降扉の扉乗降数データを車両扉乗降数データとし、移動体通信ネットワークを経由し、該対象車両の外に設置されたサーバーおよびデータベースに送信する機能を分担し、各LED直管形AI搭載カメラと無線通信可能であり、しかも移動体通信ネットワークを経由し、該対象車両の外に設置されたサーバーまたはデータベースと通信可能なものとしなければならず、各LED直管形AI搭載カメラとの間でBluetooth(登録商標)規格の無線通信を行うものとされ、移動体通信ネットワークとはWi-Fi規格に基づく無線LAN通信を行うものとすることができるが、通信速度の高速化を考慮すると、後述する実施例にも示しているように、何れの通信もWi-Fi規格に基づく無線LAN通信で行うものとするのが良く、何れの通信も暗号化されたものとすべきである。
【0034】
LED直管形IoTゲートウェイの制御部は、ルーターモジュールおよびデータ蓄積部を制御する機能を分担し、各LED直管形AI搭載カメラからの各乗降扉のカメラ識別データおよび扉乗降数データを受信し、各乗降扉のカメラ識別データおよび扉乗降数データにゲートウェイ識別データを添付し、当該対象車両の車両扉乗降数データとなし、移動体通信ネットワークを経由し、サーバーに送信するものとしなければならず、小型・軽量化を検討すれば、後述する実施例にも示しているように、電装ユニット内に設けられ、SPI Flash,揮発性メモリであるDRAM、リムーバブルメディア〔例えば、micro SD(登録商標)メモリーカード〕、および各LED直管形AI搭載カメラとの通信を行う無線モジュールなどが搭載されたSoC(System on a chip,以降省略。)に対し、同電装ユニット内に設けられ、Soft SIMおよびGPSセンサーが搭載されたMobairu Wireless Moduleが接続されたものとし、当該SoCに、LED直管形AI搭載カメラ群とのWi-Fi通信を行うIN/OUTカウント受信・各種設定データ送受信・録画ファイルリスト受信・指定ファイル受信・ファームウェア送信ソフトウェア、および移動体通信ネットワークを介してサーバーとWi-Fiによる通信を行う各LED直管形AI搭載カメラのIN/OUTカウント送信・各種設定データ送受信・録画ファイルリスト送信・指定ファイル送信・ファームウェア受信ソフトウェア、および該LED直管形IoTゲートウェイの各種設定データ送受信・GPSデータ送信・ファームウェア受信ソフトウェアが搭載されたものとするのが良い。
【0035】
移動体通信ネットワーク(mobile communication network,以降省略する。)は、LED直管形IoTゲートウェイと、サーバーおよびデータベースが接続された非移動(固定)通信回線網とを繋ぐ機能を分担し、基地局相互間や非移動通信先などには有線通信を行い、基地局と移動局間に無線通信を使用する電気通信網であり、より具体的には、対象車両が走行する路線に沿って、該路線や路線の駅(停車位置)などの近傍に設置され、LED直管形IoTゲートウェイと無線通信可能とされた複数の基地局を有し、それら複数の基地局とサーバーおよびデータベースが接続されたインターネットおよび光ファイバー通信回線などの固定通信回線網とを接続するものであるということができ、経済性を考慮すると、電気通信事業者が管理、運営する無線通信網を利用するのが良い。
【0036】
サーバーおよびデータベースは、LED直管形IoTゲートウェイから無線発信される車両扉乗降数データをサーバーが遠隔的に受信し、データベースに蓄積し、該データベースが蓄積または演算処理し蓄積したサービスデータを発信する機能を分担し、より具体的には、光ファイバー回線などの固定通信回線網、インターネット、および移動体通信ネットワークなどを通じ、LED直管形IoTゲートウェイと遠隔的に通信可能に接続されたものとすべきであり、幅広い業界のビッグデータに接続し、この発明の車両用乗降人数カウントシステムの乗客およびユーザーの移動体通信端末または非移動の固定端末などに対し、リアルタイムで各種のサービスデータや近隣の広告情報などを提供するよう動作するものとするのが望ましく、例えば、対象列車の到着が遅延し、ホームに人が密集することが予測された段階で、停車駅の乗客に対し、別の交通機関への誘導情報を提供したり、午前12時や午後5時以降などの食事の時間帯であれば近隣の食事処の広告を提供したり、午前10時や午後3時頃などであれば近隣のカフェの情報を提供したりすることができる外、後述する実施例にも示すように、走行路線の運行管理システムのダイヤグラムにリアルタイムでアクセスし、臨時列車や運休、ダイヤの乱れなどの情報もリアルタイムで取得でき、各LED直管形IoTゲートウェイからの車両扉乗降数データを、より迅速且つ正確に演算処理し、その演算処理済み乗降数データに基づくサービスデータを、この発明の車両用乗降人数カウントシステムの管理者および乗客やユーザーに対し、夫々のアクセスレベルに応じてより素早く提供可能なものとするのが良い。
【0037】
対象車両の照明装置は、この発明のLED直管形AI搭載カメラまたはLED直管形IoTゲートウェイの何れか一方が交換自在に機械的に組み込まれ、電気的に接続可能となり、LED直管形AI搭載カメラまたはLED直管形IoTゲートウェイの何れか一方に電力を供給可能とする機能を担い、直管形蛍光ランプ用のソケット部が設けられ、従来型の直管形蛍光ランプを交換自在に組み込み可能とされたものとすることが可能である外、LED直管形AI搭載カメラまたはLED直管形IoTゲートウェイの双方、または、少なくとも何れか一方の専用のものとすることが可能である。
【0038】
対象車両は、複数の乗客を乗せ、予め設定された路線上を走行し、路線上の複数の停車位置にて乗客の乗降を可能とする機能を担い、路線バスや観光バス、スクールバス、または、車両ではなく旅客船や旅客機などに置き換えられたものなど様々なものとすることが可能であり、後述する実施例にも示しているように、鉄道や地下鉄、モノレールなどの列車を編成する車両とすることができる。
そして、停車駅は、予め設定された路線上を走行する対象車両が、乗客の乗降の目的で停車する位置であり、鉄道路線、地下鉄路線、モノレールなどの駅とすることができる外、路線バスや高速バスなどの停留所やバスターミナル、スクールバスや観光バスなどの停留場など、様々な乗り合いの交通機関における停止位置とすることができる。
【0039】
この発明の車両用乗降人数カウントシステムの制御方法は、該車両用乗降人数カウントシステムの管理者が、対象車両の各照明灯装置の夫々にLED直管形AI搭載カメラを装着し、電源が供給された各LED直管形AI搭載カメラに対し、同管理者が、携帯型端末を介して固有識別情報および扉位置情報を含むカメラ識別データを個々に設定入力し、また、対象車両の各照明灯装置にLED直管形IoTゲートウェイを装着し、電源が供給されたLED直管形IoTゲートウェイに対し、同管理者が、携帯型端末を介して固有識別情報および対象車両情報を含むゲートウェイ識別データを設定入力するものとすることができるが、工場の製造から出荷までの段階か、または対象車両へ搬入する直前までの段階かの何れかに、各LED直管形AI搭載カメラに固有識別情報および扉位置情報を含むカメラ識別データを夫々設定入力済みとし、また、LED直管形IoTゲートウェイに固有識別情報および対象車両情報を含むゲートウェイ識別データを設定入力済みとするようにし、対象車両内に設置された後に、管理者が携帯型端末を介して各設定が正しく入力されているか確認するものとすることができる。
【0040】
データベースは、対象車両の走行路線の運行管理システムのダイヤグラムにリアルタイムでアクセスし、そのダイヤグラムに基づき、車両扉乗降数データを演算処理することができるが、該データベース内に、該対象車両の走行路線のダイヤグラムのミラーフォルダーを作成し、そのミラーフォルダーを常時最新の同期状態に維持し、元のダイヤグラムに変更があった場合には瞬時に最新の状態に更新するよう制御し、該ミラーフォルダーに保存されたダイヤグラムを参照するものとし、ダイヤグラムへのアクセス時間をより短縮できるものとすることができ、これと同様に、外のビッグデータのアクセスが頻発する一部のファイルのミラーフォルダーを作成し、同様に管理、利用するようにしたものとすることができる。
【0041】
サーバーおよびデータベースは、一つの基盤に纏められたものとすることができる外、後述する実施例にも示しているように、データ処理・蓄積基盤とサービス専用基盤との夫々に配されたものとすることができ、さらに、それらの機能を分割し、さらにまた複数の基盤が設置されたものとすることが可能であり、LED直管形AI搭載カメラ群とLED直管形IoTゲートウェイとの無線通信、および、LED直管形IoTゲートウェイと、移動体通信ネットワーク、インターネットおよび光ファイバーなどの固定回線通信網などを通じたサーバーおよびデータベースとの通信は、暗号化された通信とすべきであり、望ましくは、サーバーおよびデータベースと管理者の携帯型端末や非移動型端末、またはサーバーおよびデータベースと乗客やユーザーの移動体通信端末や非移動型端末との夫々の通信も、夫々暗号化されたものとするのが良い。
【0042】
各LED直管形AI搭載カメラが、そのリムーバブルメディアに記録した録画データや扉乗降数データなどのファイルは、この発明の車両用乗降人数カウントシステムの管理者が、直接LED直管形AI搭載カメラのスロットの開閉蓋を開け、リムーバブルメディアを取り出し、端末機器を用いて該リムーバブルメディアを読み取り、当該ファイルを取得することが可能である外、管理者やユーザーが、夫々の携帯型端末または非携帯型端末などを用い、夫々のアクセスレベルに応じてサーバーおよびデータベースにアクセスし、各LED直管形AI搭載カメラのリムーバブルメディアに保存されているファイルを、夫々のアクセスレベルに応じて取得することができ、さらに、リムーバブルメディアの保存ファイルを送信する場合にも暗号化するようにするのが良い。
【0043】
各LED直管形AI搭載カメラおよびLED直管形IoTゲートウェイは、電源の投入により夫々のLEDモジュールが点灯するものとされており、電源の投入が停止されると消灯するものとなるが、各電装ユニット内の機器は、二次電池を備えており、電源投入中に充電され、電源の投入が停止された後も、起動状態を維持するものとすることができ、夜間など、車両基地に停車し、電源がOFFされた場合にあっても各LED直管形AI搭載カメラの撮影映像は録画され、リムーバブルメディアに保存され、LED直管形IoTゲートウェイのルーターモジュールも起動を維持し、管理者からの遠隔操作によってライブ映像やリムーバブルメディアに保存された録画データなどを、無線回線を介して取得することが可能なものとすることができる。
以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構造について詳述することとする。
【図面の簡単な説明】
【0044】
図面は、この発明の車両用乗降人数カウントシステム、およびその制御方法の技術的思想を具現化した代表的な幾つかの実施例を示すものである。
【
図1】車両用乗降人数カウントシステムを示す概念図である。
【
図2】LED直管形AI搭載カメラを示す正面図である。
【
図3】LED直管形AI搭載カメラの側面を示す側面図である。
【
図4】電装ボックス部を断面化して示す側面図である。
【
図5】一部が分解されたLED直管形AI搭載カメラを示す正面図である。
【
図6】照明灯装置に装着されるLED直管形AI搭載カメラを示す斜視図である。
【
図7】LED直管形AI搭載カメラの構造を示すブロック図である。
【
図8】LED直管形IoTゲートウェイの構造を示すブロック図である。
【
図9】対象車両に設置された車両用乗降人数カウントシステムを示す概念図である。
【
図10】一部を断面化した車両に対するカメラモジュールの垂直画角を示す側面図である。
【
図11】断面化した車両に対する左右2つのカメラモジュールの垂直画角を示す側面図である。
【
図12】対象車両に設置された車両用乗降人数カウントシステムの他の例を示す概念図である。
【
図13】一部を断面化した車両に対するカメラモジュールの垂直画角を示す側面図である。
【
図14】断面化した車両に対する左右2つのカメラモジュールの垂直画角を示す側面図である。
【
図15】車両用乗降人数カウントシステムのさらに他の一例を示す概念図である。
【
図16】車両用乗降人数カウントシステムのさらに他の一例を示す概念図である。
【
図17】LED直管形AI搭載カメラの制御を示すフローチャートである。
【
図18】LED直管形IoTゲートウェイの制御を示すフローチャートである。
【
図19】人数カウントAIが人の頭部を認識した映像を示す画像である。
【
図20】乗車と降車との識別状態を示す概念図である。
【
図21】車両用乗降人数カウントシステムの情報の流れの一例を示す概念図である。
【実施例0045】
図1ないし
図11に示す事例は、画像演算処理AI(AI)を搭載したカメラモジュールCM、データ蓄積部SH,DR,MC、無線モジュールWL、それらを制御する制御部CU、およびLEDモジュールLMが搭載されたLED直管形AI搭載カメラ2の複数基2,2,……が、対象車両BD内の各乗降扉EX,EX,……に対し、夫々少なくとも1基が臨むよう配設されてなるLED直管形AI搭載カメラ群2Aが設けられる一方、ルーターモジュールRT、データ蓄積部SH,DR,MC、それらを制御する制御部SC、および、LEDモジュールLMが搭載され、当該LED直管形AI搭載カメラ群2Aが送信する停車毎の各乗降数データを、対象車両BD外の移動体通信ネットワークMNを経由し、無線送信するLED直管形IoTゲートウェイ4が同対象車両BDに少なくとも1基設置され、該LED直管形IoTゲートウェイ4が送信した、停車毎の車両乗降数データを受信するサーバーSVが対象車両BD外に設置されてなる、この発明の車両用乗降人数カウントシステムにおける代表的な一実施例を示すものである。
【0046】
それら各図からも明確に把握できるとおり、この発明の車両用乗降人数カウントシステム1のLED直管形AI搭載カメラ群2Aを構成するLED直管形AI搭載カメラ2は、従来型の直管形ランプの口金部分に相当する両端位置に、既に本願出願人において開発済みである特願2020-161493号「IoTゲートウェイト内臓直管型LEDランプ、それを利用した照明・防犯システム、および、IoTゲートウェイト内臓直管型LEDランプの制御方法IoTゲートウェイト内臓直管型LEDランプ、それを利用した照明・防犯システム、および、IoTゲートウェイト内臓直管型LEDランプの制御方法」明細書中の
図3ないし
図17に記載したものと同じ角度調節型の口金21,21が配され、該口金21,21間には、従来型の直管形ランプの口金部分を除く円柱状ランプ部分に相当する範囲に渡り、高熱伝導率素材製(例えばアルミニウム合金製の押し出し成形品)のヒートシンク20を兼ねた例えば概略矩形平板状のシャーシ20が、同シャーシ20の何れか一方端から中央に至らない一方端寄りの位置との間の電装ユニットEUが配される範囲の背面がわに不燃性を備えた金属製の筐体からなる電装背保護カバーRRが配され、同シャーシ20の電装背保護カバーRRの内端から他方端の口金21に至る範囲の背面がわに半円筒形の不透明難燃素材製(例えばポリカーボネート製)の灯部背面カバーBCを伴って一体に結合されている。
【0047】
図2,
図5および
図7に示すように、電装ユニットEUは、シャーシ20の何れか一方端から中央に至らない一方端寄りの位置との間の照明がわとなる表面に対し、互いに厚み方向の間隙を隔てて配された複数階層化基板(例えば三層に配された基板)を有し、複数階層化基板には、口金21に電気的に接続された電源保護回路PP、該電源保護回路PPに接続された定電流回路CC、5V定電圧回路DD、および該5V定電圧回路DDに接続された3.3V電源+電源断処理キャパシタCPが設けられ、同5V定電圧回路DDには、イメージセンサーIS,画像演算処理AIとしての人数カウントAIであるISP(AI),データ蓄積部としての不揮発性メモリであるSPI(Serial Peripheral Interface,以降省略する。)Flash(SH),および、データ蓄積部としての揮発性メモリであるDRAM(Dynamic Random Access Memory,以降省略する。)(DR)が搭載されたカメラモジュールCMが接続されており、該カメラモジュールCMには乗降始・終検知部ASとしての加速度センサーASがI2C(Inter-Integrated Circuit)を介して高速通信可能に接続されたものとなっている。
【0048】
当該3.3V電源+電源断処理キャパシタCPには、ボタン型電池や、電気二重層コンデンサなどのEnergy Device(ED),データ蓄積部としてのSPI Flash(SH),データ蓄積部としてのDRAM(DR),LEDインジケータランプIL,データ蓄積部としてのリムーバブルメディア〔例えば、micro SD(登録商標)メモリーカード〕MC,無線モジュールWLとしてのアンテナを備えたWLAN(Wireless LAN, WaveLAN,以降省略。)WLを搭載し、無線通信、録画ファイルの暗号化、および録画ファイル管理を可能とされた、制御部としてのCPU(Central Processing Unit,以降省略。)(CU)が接続され、該CPU(CU)は、USB(Universal Serial Bus,以降省略。)を介して当該カメラモジュールCMに接続され、該電装ユニットEUの照明方向がわには、該イメージセンサー(IS),LEDインジケータランプILおよびWLAN(WL)に対応する各部位に耐熱強化ガラス板が嵌め込まれた窓を有し、該リムーバブルメディア〔例えば、micro SD(登録商標)メモリーカード〕MC用のスロット、および該スロットを施蓋する耐熱性の開閉蓋が設けられてなる不燃性を備えた金属製の筐体からなる保護カバーPRが、背面がわの当該電装背保護カバーRRと筐体をなすよう被着されたものとなっており、さらに、シャーシ20の表面がわの電装ユニットEUの内端と他方端の口金21との間に渡って複数のLEDチップが搭載されたLEDモジュール(LED照明)LMが設けられ、該LEDモジュールLMが当該電源保護回路PPに接続され、同LEDモジュールLMの照明がわには、電装ユニットEUの内端と他方端の口金21との間に渡って透明難燃素材製(例えば、ポリカーボネート製)の半円筒形の透光カバーTCが、当該灯部背面カバーBCと円筒形をなすよう外装され、灯ユニット3とされている。
【0049】
LED直管形AI搭載カメラ2には、イメージセンサーISが撮影したカメラ画像をメモリに記憶するカメラ画像入力ソフトウェア、人数カウントAIとしてのISP(AI)の顔認識ソフトウェア、画像フレーム間のトラッキング認識ソフトウェア、IN/OUTカウント境界通過認識ソフトウェア、IN/OUTカウント累計ソフトウェア、乗降始・終検知部ASとしての加速度センサーAS用の走行/停止判断ソフトウェア、カメラ動画圧縮ソフトウェア、リムーバブルメディアMC用のSD動画ファイル保存ソフトウェア、無線モジュールとしてのWLAN(WL)用のWi-Fi通信を介しIN/OUTカウント送信・各種設定データ送受信・録画ファイルリスト送信・指定ファイル送信ソフトウェア、およびファームウェアアップデートソフトウェアなどが搭載されている。
【0050】
このように構成された、LED直管形AI搭載カメラ2は、そのカメラモジュールCMに接続された乗降始・終検知部ASとしての加速度センサーASが、対象車両BDの停止を検知してから発車を検知するまでの間に渡り、イメージセンサーISが撮影した画像データをSPI Flash(SH)に記憶し、該画像データを人数カウントAIとしてのISP(AI)が画像処理し、降車人数データと乗車人数データとを含む扉乗降数データを取得し、無線モジュールWLとしてのWLAN(WL)介して該扉乗降数データをLED直管形IoTゲートウェイ4に送信するものとなっている。
【0051】
LED直管形IoTゲートウェイ4は、その外観を、カメラ用の窓が設けられていない以外は、基本的に前記
図2ないし
図5に示したLED直管形AI搭載カメラ2と略同様のものとされているから、略同一の構造部分については、同一符号を付して図示を省略することとする。
図8に示すように、LED直管形IoTゲートウェイ4は、従来型の直管形ランプの口金部分に相当する両端位置に、前記LED直管形AI搭載カメラ2と同じ、角度調節型の口金21,21が配され、それら口金21,21間には、従来型の直管形ランプの口金部分を除く円柱状ランプ部分に相当する範囲に渡り、高熱伝導率素材製(例えば、アルミニウム合金製の押し出し成形品)の前記LED直管形AI搭載カメラ2と共通のヒートシンク20を兼ねた、例えば、概略矩形平板状のシャーシ20が、該シャーシ20の何れか一方端から中央に至らない一方端寄りの位置との間の電装ユニットEUが配される範囲の背面がわに不燃性を備えた金属製の筐体からなる電装背保護カバーRRが配され、同シャーシ20の電装背保護カバーRRの内端から他方端の口金21に至る範囲の背面がわに半円筒形の不透明難燃素材製(例えば、ポリカーボネート製)の灯部背面カバーBCを伴って一体に結合されている。
【0052】
電装ユニットEUは、シャーシ20の何れか一方端から中央に至らない一方端寄りの位置との間の照明がわとなる表面に対し、互いに厚み方向の間隙を隔てて配された複数階層化基板(例えば、三層に配された基板)を有し、該複数階層化基板には、口金21に電気的に接続されたACアダプタAD、CPU電源(DCDC電源断処理用スーパーキャパシタ)CPが設けられ、該CPU電源CPには、ボタン型電池や、電気二重層コンデンサなどのEnergy Device(ED),データ蓄積部としてのSPI Flash(SH),データ蓄積部としてのDRAM(DR),LEDインジケータランプIL,データ蓄積部としてのmicro SD(登録商標)メモリーカード(MC),アンテナを備えたWLAN(WL)を搭載したルーターモジュールRTの一部をなし、制御部の機能を果たすSoC(System-on-a-chip、以降省略。)(SC)が設けられ、該SoC(SC)には、乗降始・終検知部ASとしての加速度センサーASがI2C(Inter-Integrated Circuit)を介して高速通信可能に接続されたものとなっている。
【0053】
さらに、当該ルーターモジュールRTの一部をなすSoC(SC)には、アンテナを有するGPSセンサーGP、およびアンテナを有するSoft SIM(SS)を搭載したLTE通信規格カテゴリーM1(LTE Cat-M1)またはLPWA(Low Power Wide Area)の何れか一方の通信を可能とされたSoft SIM(SS)が搭載されたMobile Wireless ModuleであるLET通信モジュールWMが、USBおよびUART(Universal Asynchronous Receiver/Transmitter)を介して接続されたものとなっている。
【0054】
LED直管形IoTゲートウェイ4は、LED直管形AI搭載カメラ群2AとのWi-Fi通信を行う、IN/OUTカウント受信・各種設定データ送受信・録画ファイルリスト受信・指定ファイル受信・ファームウェア送信ソフトウェア、および、移動体通信ネットワークMNを介してサーバーSVとWi-Fiによる通信を行う、各LED直管形AI搭載カメラ2,2,……とのIN/OUTカウント送信・各種設定データ送受信・録画ファイルリスト送信・指定ファイル送信・ファームウェア受信ソフトウェア、および、該LED直管形IoTゲートウェイ4の各種設定データ送受信・GPSデータ送信・ファームウェア受信ソフトウェアが搭載されたものとなっている。
【0055】
LED直管形IoTゲートウェイ4は、LED直管形AI搭載カメラ群2Aが無線出力した各扉乗降数データを受信し、移動体通信ネットワークNWを通じてサーバーSVに対し、各扉乗降数データに、停車位置データおよび時刻データを添付した停車駅毎の車両乗降数データを送信可能なものとされており、電装ユニットEUの照明方向がわには、LEDインジケータランプIL,WLAN(WL)に対応する各部位に耐熱強化ガラス板が嵌め込まれた窓を有する不燃性を備えた金属製の筐体からなる保護カバーPRが、背面がわの当該電装背保護カバーRRと筐体をなすよう被着されたものとなっており、さらに、この電装ユニットEUの内端と他方端の口金21との間に渡って不透明な難燃素材製(例えば、ポリカーボネート製)の半円筒形の不透明カバーTCが当該灯部背面カバーBCと円筒形をなすよう外装され、照明灯としての機能を有さないものとすることができる外、当該シャーシ20の表面がわに電装ユニットEUの内端と他方端の口金21との間に渡って複数のLEDチップが搭載されたLEDモジュールLMが設けられ、該LEDモジュールLMが当該電源保護回路PPに接続され、同LEDモジュールLMの照明がわに、電装ユニットEUの内端と他方端の口金21との間に渡って透明難燃素材製(例えばポリカーボネート製)の半円筒形の透光カバーTCが当該灯部背面カバーBCと円筒形をなすよう外装され、灯ユニット3とされたものとすることができる。
【0056】
図9ないし
図11に示すように、設置の対象となる対象車両BDの前後端間の左右に配された合計8箇所の乗降扉EX,EX,……の上方に対応する天井に夫々照明装置LD,LD,……が一基ずつ設置され、左がわの各照明装置LD,LD,……には、右がわの乗降扉EX,EX,……を撮影範囲に納めるよう、各イメージセンサーISの向きが設定されたLED直管形AI搭載カメラ2,2,……が一基ずつ装着され、また、右がわの各照明装置LD,LD,……には、左がわの乗降扉EX,EX,……が撮影範囲に納まるよう、各イメージセンサーISの向きが設定されたLED直管形AI搭載カメラ2,2,……が一基ずつ装着され、さらに、一基のLED直管形IoTゲートウェイ4が、同対象車両BDの一箇所の照明装置LDに組み込まれたものとされている。
【0057】
そして、
図1および
図9に示すように、この発明の車両用乗降人数カウントシステム1は、当該対象車両BDの外であって、同対象車両BDが走行する路線沿いに、LED直管形IoTゲートウェイ4の通信を経由する移動体通信ネットワークMNの複数の基地局BSが設置され、さらに、該移動体通信ネットワークMNの先には、対象車両BDが走行する路線沿いか、同路線の駅構内か、または同路線から遠隔した位置かの何れかの場所に、当該移動体通信ネットワークMNに接続されたサーバーSVおよびそれに接続されたデータベースDBが設置されたものとなっており、該移動体通信ネットワークMNには、管理者の携帯型端末AMや、複数の顧客の移動体通信端末CTが接続可能であり、夫々のアクセスレベルに応じて当該サーバーSVおよびデータベースDBにアクセスすることが可能となっている。
【0058】
サーバーSV、およびそれに接続されたデータベースDBには、インターネット通信で、各LED直管形AI搭載カメラ2,2,……(LED直管形AI搭載カメラ群2A)の各扉乗降数データの受信・各種設定データ送受信・録画ファイルリスト受信・指定ファイル受信・ファームウェア送信ソフトウェア、LED直管形IoTゲートウェイ4の車両扉乗降数データの送受信・GPSデータ受信・ファームウェア送信ソフトウェア、IN/OUTカウントデータのデータベース作成ソフトウェア、輸送総合車両管理データとの連携、業務アプリ・旅客サービスに必要なAPI提供ソフトウェア、さらに、管理者のデスクトップ端末DT用の業務アプリに必要な情報取得表示・機器設定変更を行うアプリケーションソフトウェア、管理者の設定用WindowsタブレットPC(AM)用の設置時に、対象車両BDとLED直管形IoTゲートウェイ4との紐付けを行うためのアプリケーションソフトウェア、LED直管形IoTゲートウェイ4と各LED直管形AI搭載カメラ2,2,……(LED直管形AI搭載カメラ群2A)との紐付けを行うためのアプリケーションソフトウェアが搭載され、対象車両BDとLED直管形IoTゲートウェイ4との紐付け情報、および、LED直管形IoTゲートウェイ4と各LED直管形AI搭載カメラ2,2,……(LED直管形AI搭載カメラ群2A)との紐付け情報は、サーバーSVまたはそれに接続されたデータベースDBの何れか一方に設けられた輸送総合車両管理ソフトウェアによって蓄積、管理され、当該車両用乗降人数カウントシステム1の各種データと連携処理可能なものとなっており、さらに、ユーザーの移動体通信端末CT用の旅客サービスに必要な情報取得表示を行うWebアプリケーションソフトウェアが搭載されている。
【0059】
この発明の車両用乗降人数カウントシステム1は、複数両の対象車両BD,BD,……が、一列に編成された対象列車TRの各対象車両BD,BD,……の夫々に、各乗降扉EX,EX,……に対応する如く複数基のLED直管形AI搭載カメラ2,2,……が設置されたLED直管形AI搭載カメラ群2A,2A,……、および、各対象車両BD,BD,……の夫々に一基ずつ設置されたLED直管形IoTゲートウェイ4,4,……が設置されたものとされ、さらに、一つの路線上を走行する複数の対象列車TR,TR,……の夫々に同様にLED直管形AI搭載カメラ群2A,2A,……、および、LED直管形IoTゲートウェイ4,4,……が設置されたものとされる。
【0060】
また、
図1に示しているように、この発明の車両用乗降人数カウントシステム1の、サーバーSVおよびデータベースDBを、移動体通信ネットワークMNおよびインターネットINに接続されたデータ処理・蓄積基盤SFに設置されたものと、該データ処理・蓄積基盤SFとは別に設置され、同じくインターネットINに接続されたサービス専用基盤SYに設置されたものとを有するものとすることができる。
【0061】
(実施例1の作用・効果)
以上のとおりの構成からなるこの発明の車両用乗降人数カウントシステム1は、
図6および
図9ないし
図11に示すように、対象車両BDの各乗降扉EX,EX,……に対応する天井に設置された各照明装置LD,LD,……に対し、LED直管形IoTゲートウェイ4および各LED直管形AI搭載カメラ2,2,……が、夫々の角度調節型の口金21,21の角度を、LEDモジュールLMが車内を明るく照明できるよう、また、各アンテナが安定して通信できる向き、さらに、各LED直管形AI搭載カメラ2,2,……のイメージセンサーISの撮影範囲の中央に乗降扉EXが位置するよう、灯ユニット3および電装ユニットEUの向きを考慮しながら調節した上、装着し、対象車両BDから電源が供給された後、管理者が移動体通信端末AMを用いてLED直管形IoTゲートウェイ4と通信し、固有識別情報〔Mac Address:HEXコード12桁:(例)2C18AE670002など〕および設置位置情報(対象列車TR、対象車両BD)を含むゲートウェイ識別データを設定入力し、その設定情報を、移動体通信ネットワークMNを介した無線通信によってサーバーSVに送信し、この設定情報を受信したサーバーSVは、データベースDBに該LED直管形IoTゲートウェイ4と対象列車TRの対象車両BDとの紐付け情報(ゲートウェイ識別データ)を蓄積する。
【0062】
続いて、管理者は、移動体通信端末AMを用いて各LED直管形AI搭載カメラ2と通信し、カメラ識別データとしての各LED直管形AI搭載カメラ2の固有識別情報〔Mac Address:HEXコード12桁:(例)2C18AE670004など〕および設置位置情報(対象車両BDの撮影、カウント対象の乗降扉EX)を設定入力し、そのカメラ識別データを、当該LED直管形IoTゲートウェイ4および移動体通信ネットワークMNを介した無線通信によってサーバーSVに送信し、このカメラ識別データを受信したサーバーSVは、データベースDBに各LED直管形AI搭載カメラ2と対象車両BDの各乗降扉EXとの紐付け情報(カメラ識別データ)を蓄積する。
【0063】
図17に示すように、このようにして利用可能な状態に設定された車両用乗降人数カウントシステム1のLED直管形AI搭載カメラ2は、対象車両BDが起動され、照明電源が供給(a)されると、CPU(CU)が起動(b)され、LEDモジュール(LM)が点灯(C)し、カメラモジュールCMのイメージセンサーIS、および、人数カウントAIとしてのISP(AI)が起動(d)し、さらに、WLAN(WL)が起動(e)されると共に加速度センサーASが起動(f)し、LEDインジケータランプILが点灯し、イメージセンサーISが撮影した車内映像をSPI Flash(SH)、および、DRAM(DR)を経由し、micro SD(登録商標)メモリーカード(MC)に録画(g)し、micro SD(登録商標)メモリーカード(MC)が装着されていない場合(h)には、電源の操作を確認(y)し、電源がONの場合には、再度、micro SD(登録商標)メモリーカード(MC)の装着を確認(h)し、電源がOFFの場合(y)には、その全機能を停止(z)する。
【0064】
micro SD(登録商標)メモリーカード(MC)の装着を確認した場合(h)には、LED直管形AI搭載カメラ2の電源のON状態を維持し、全ての機能を正常動作させ、加速度センサーASが、対象車両BDの停車を検知した(j)場合は、撮影範囲内の乗降扉EXが開き、乗客PGが降車および乗車を終え、乗降扉EXが閉じるまで、カメラモジュールCMのイメージセンサーISが撮影した乗降中映像を、SPI Flash(SH)、および、DRAM(DR)を経由し、micro SD(登録商標)メモリーカード(MC)に録画(k)し、加速度センサーASが、対象車両BDの発車を検知した(m)後、ISP(AI)が、DRAM(DR)またはmicro SD(登録商標)メモリーカード(MC)に蓄積された乗降中録画データを解析(n)し、その解析は、
図19に示すように、顔認識ソフトウェアが、乗客PG,PG,……の一人々々を正確に認識した上、
図20に示すように、乗降扉EXの内外を仮想水平線で仕切る内外境界線BLまたは仮想垂直面(図示せず)の少なくとも何れか一方を、乗客PG,PG,……夫々の重心が車外がわに超えたときに降車と判断し降車人数にカウントし、乗客PG,PG,……夫々の重心が車内がわに超えたときに乗車と判断し乗車人数としてカウント(p)し、例えば、一度降車した乗客PGが、再度乗車した場合には、その乗客PGの乗・降客数をカウント数から削除するものとなっている。
【0065】
図9ないし
図11に示すように、各LED直管形AI搭載カメラ2,2,……の夫々のイメージセンサーIS,IS,……は、対象車両BDの左右端間の中心線CLを挟み、撮影の対象となる各乗降扉EX,EX,……とは左右方向LRの反対がわの天井に設置されており、特に乗車して来る乗車客の顔を寄り正確に撮影することが可能となり、より正確な乗降客数のカウントが行えるだけでなく、より正確な個人の特定を実現化できるものとなる。
【0066】
以上のようにしてカウントした乗降扉EXの扉乗降数データは、乗降中録画データに紐付けされ、LED直管形AI搭載カメラ2のカメラ識別データ、および、停車時刻および発車時刻の時刻データに紐付けされ、micro SD(登録商標)メモリーカード(MC)に記録(q)され、さらに、該乗降扉EXの扉乗降数データ(カメラ識別データ、停車・発車時刻データおよび乗・降客数データ)は、該LED直管形AI搭載カメラ2のWLAN(WL)から、LED直管形IoTゲートウェイ4に無線送信(r)され、通信中に渡ってLEDインジケータランプILが点滅する。
【0067】
LED直管形AI搭載カメラ2は、対象車両BD内のLED直管形IoTゲートウェイ4の無線受信を確認(s)し、同LED直管形IoTゲートウェイ4の暗号化キーが正しければ(t)、該LED直管形IoTゲートウェイ4からのデータ転送指示を確認(u)し、同LED直管形IoTゲートウェイ4からデータ転送指示を受けた場合に、乗降扉EXの扉乗降数データ(カメラ識別データ、停車・発車時刻データおよび乗・降客数データ)を送信(v)し、通信中に渡ってLEDインジケータランプILが点滅する。
【0068】
さらに、LED直管形IoTゲートウェイ4を経由し、管理者のデスクトップ端末DTや携帯型端末AMまたはその他のユーザーの移動体通信端末CTからライブ画像の送信要求が有った場合(w)には、管理者またはその他のユーザーの夫々の認証操作を経た上、アクセスレベルに応じた、乗降扉EXのライブ映像を転送(x)し、電源OFF操作を確認(y)し、電源がOFFされた場合には、LED直管形AI搭載カメラ2の全機能を停止(z)し、電源OFF操作されていない場合には(y),micro SD(登録商標)メモリーカード(MC)の装着を確認(h)した上、再度、加速度センサーASが停車を確認する(j)するよう制御されるものとなっている。
【0069】
また、
図18に示すように、LED直管形IoTゲートウェイ4は、電源がON(a)されると、SoC(SC)が起動(b1)され、LEDモジュールLMが点灯(c)し、ルーターモジュールRT(d1)、GPSセンサーGP(e1)および加速度センサーAS(f)が起動し、LEDインジケータランプILを点灯し、micro SD(登録商標)メモリーカードMCの装着を確認(h)し、同メモリーカードMCが装着されていない場合には、それ以降の動作を行わず、電源がOFF操作された場合(y)に、該LED直管形IoTゲートウェイ4の全機能を停止(z)する。
【0070】
、
メモリーカードMCが装着されているのを確認(h)した場合には、ルーターモジュールRT、GPSセンサーGPおよび加速度センサーASなど全ての機能の起動状態を維持し、加速度センサーASが、対象車両BDの停車を検知した(j)場合は、SoC(SC)が、GPSセンサーGPの位置情報に基づき停車位置GPSデータを検知(g1)し、SPI Flash(SH),DRAM(DR)を通じてmicro SD(登録商標)メモリーカードMCに、該GPSセンサーGPの停車位置GPSデータと、その停車位置GPSデータを取得した時刻の情報と関連付けた停車時刻GPSデータとして記録し、加速度センサーASが、対象車両BDの発車を検知した(m)場合には、当該LED直管形IoTゲートウェイ4のWLAN(WL)が、LED直管形AI搭載カメラ群2Aの各LED直管形AI搭載カメラ2,2,……から発信された、乗降扉EX,EX,……毎の、各扉乗降数データを受信(n1)し、micro SD(登録商標)メモリーカードMCに記録した当該停車時刻GPSデータと、ゲートウェイ識別データと紐付けされた車両扉乗降数データとして蓄積(p1)し、該対象車両BDの外であって、しかも最寄りに設置された移動体通信ネットワークMNの基地局BSとの応答確認を開始(q1)し、最寄りの基地局BSの無線LAN信号を受信しなかった場合(r1)には、再度、移動体通信ネットワークMNの基地局BSとの応答確認(q1)を繰り返し行い、最寄りの基地局BSと無線LAN信号による応答確認(r1)が取れた場合に、暗号化キーが合っているか確認(s1)し、暗号化キーが合っていなければ、再び、移動体通信ネットワークMNの基地局BSとの応答確認から開始(q1)し、暗号化キーが合っていることを確認(s1)した場合に、サーバーSVからの転送指示が有るか、否かを確認(t1)し、サーバーSVからの転送指示が確認できない場合には、ライブ画像の要求が有るか否かを確認(x1)する。
【0071】
サーバーSVからの転送指示を確認(t1)した場合には、LED直管形IoTゲートウェイ4のルーターモジュールRTが、最寄りの基地局BSおよびその移動体通信ネットワークMNを通じて当該車両扉乗降数データを転送(u1)し、さらに、サーバーSVからライブ画像の要求が有るか否か検知(x1)し、サーバーSVからライブ画像の要求が有る場合には、要求された乗降扉EXを撮影しているLED直管形AI搭載カメラ2に、そのカメラ識別データおよびライブ映像データの送信を請求(y1)し、要求された乗降扉EXを撮影しているLED直管形AI搭載カメラ2に、そのライブ映像データに対し、同LED直管形AI搭載カメラ2のカメラ識別データ、当該LED直管形IoTゲートウェイ4のゲートウェイ識別データ、および、同LED直管形IoTゲートウェイ4がAPI(Application Programming Interface)を用いて基地局BSから取得した最寄り基地局BSのID情報が、紐付けされたライブ映像データを、サーバーSVに対し、移動体通信ネットワークMNを経由して転送(x1)し、電源のOFF操作がされた場合(y)には、同LED直管形IoTゲートウェイ4の全機能を停止(z)し、電源がONのままの場合(y)には、再び、micro SD(登録商標)メモリーカードMCの装着を確認(h)するところから制御を再開するものとなる。
【0072】
図1および
図9に示すように、鉄道路線RW上を走行する対象列車TRの各対象車両BD,BD,……のLED直管形IoTゲートウェイ4,4,……から、各停車駅ST,ST,……に停車する毎に、移動体通信ネットワークMNを経由し、車両扉乗降数データを受信したサーバーSVは、そのデータベースDBに、当該車両扉乗降数データを蓄積し、該データベースDBは、蓄積した車両扉乗降数データに基づき、下記表1に示すような、当該鉄道路線RWの列車運行管理システムのダイヤグラムにリアルタイムでアクセスし、該車両扉乗降数データに含まれたゲートウェイ識別データ、カメラ識別データ、停車時刻GPSデータおよび移動体通信ネットワークMNの最寄り基地局BSのID情報に基づき照合を行い、乗降駅を特定した上、下記表2に示す列車別年間乗降表のように、対象鉄道路線RWの全停車駅ST,ST,……(表2中のA駅ないしH駅)における各対象列車TRの各対象車両BDの乗降扉EX毎の乗・降人数を駅車両扉乗降数データとして蓄積することとなる。
【0073】
さらに、データベースDBは、該駅車両扉乗降数データに様々な演算処理を行い、得られた演算処理済み乗降数データも蓄積し、その他の様々なリアルタイムの情報を含む列車運行に関するビッグデータを構築するものとし、該演算処理済み乗降数データには、当該車両用乗降人数カウントシステム1の管理者、および同車両用乗降人数カウントシステム1のユーザーが、夫々のアクセスレベルに応じてサーバーSVを介してアクセスし、夫々のアクセスレベルに応じた様々なサービスデータを取得することが可能となっている。
例えば、
図1,
図21、表1および表2に示すように、B駅(表1中に表示、以降省略する)のホームで対象列車TRを待つユーザー(旅客)PGが、移動体通信端末CTを通じてサーバーSVにアクセスし、データベースDBに蓄積された(表2)に基づき、移動体通信端末CTに提供されたサービスデータの、A駅(表2中に表示、以降省略する)の対象列車TRの各対象車両BD,BD,……の(現在走行中)の乗車人数、および、B駅での乗・降予想人数を参考に、ユーザー(旅客)PG自身が、B駅のホームの何れの位置に待機し、これからB駅のホームに入って来る対象列車TRの何れかの対象車両BDに何れかの乗降扉EXから乗車すれば、混雑を回避できるかをユーザー(旅客)PG自ら判断することが可能となり、混雑の防止は勿論のこと、新型コロナウイルスやインフルエンザウイルスなどの感染の予防にも大いに役立つものとなる。
【0074】
また、データベースDBは、演算処理済み乗降数データを、月日、曜日、日時、季節、天気、気温、湿度など条件毎、および対象鉄道路線RWの全停車駅ST,ST,……毎などの様々な条件毎に、各対象列車TRの各対象車両BDの乗降扉EX毎の乗・降人数を統計的に処理されたものとし、毎日変化する条件に応じた車両毎の乗車予想人数、および乗・降予測人数のサービスデータをリアルタイムに提供するようにしたものとすることが可能である。
【表1】
【表2】
【0075】
また、この発明の車両用乗降人数カウントシステム1のサーバーSVおよびデータベースDBは、
図1に示しているように、データ処理・蓄積基盤SFに設置されたものと、同データ処理・蓄積基盤SFに設置されたサーバーSVおよびデータベースDBと、インターネットINを介して、暗号化されたデータを通信可能とされた、サービス専用基盤SYに設置されたサーバーSVおよびデータベースDBとを有するものは、データ処理・蓄積基盤SFが、各LED直管形IoTゲートウェイ4,4,……とのデータ通信、着信データの蓄積、蓄積データの演算処理および該演算処理データの蓄積などを行い、サービス専用基盤SYが、データ処理・蓄積基盤SFから受信した演算処理データを蓄積し、管理者の携帯型端末AM、デスクトップ端末DTや、乗客(ユーザー)PGの移動体通信端末CTなどに対し、夫々のアクセスレベルに応じたサービスデータをインターネットINや移動体通信ネットワークMNなどを介して提供可能となり、データ処理・蓄積基盤SFとサービス専用基盤SYとにデータ処理やデータ蓄積、およびデータ通信などの負荷を分担し、より効率的且つ経済的な運用を実現化できるものとなる。