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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023065076
(43)【公開日】2023-05-12
(54)【発明の名称】製袋機
(51)【国際特許分類】
   B31B 70/16 20170101AFI20230502BHJP
   B26F 1/40 20060101ALI20230502BHJP
   B26D 7/18 20060101ALI20230502BHJP
   B31B 155/00 20170101ALN20230502BHJP
   B31B 160/20 20170101ALN20230502BHJP
【FI】
B31B70/16
B26F1/40 B
B26D7/18 C
B31B155:00
B31B160:20
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021175664
(22)【出願日】2021-10-27
(71)【出願人】
【識別番号】313005282
【氏名又は名称】東洋製罐株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100153497
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 信男
(72)【発明者】
【氏名】西松 雅彦
【テーマコード(参考)】
3C021
3C060
3E075
【Fターム(参考)】
3C021FB02
3C060AA04
3C060AB01
3C060BA03
3C060BB04
3C060BD01
3C060BG18
3E075AA05
3E075BA47
3E075CA02
3E075DA05
3E075DA14
3E075DA33
3E075DB07
3E075DB16
3E075DB32
3E075GA02
(57)【要約】
【課題】パウチ部分を不要部分から確実に分離可能であり、トムソン刃の寿命低下を抑制して生産性の向上及び製造コストの低減が図られ、開底性を低下させずにスタンディング形式のパウチ容器を製造可能な製袋機を提供すること。
【解決手段】フィルム材11に形成されたパウチ部分12の周縁の三方を微小連結部分13が形成されるようにトムソン刃31で打ち抜き、不要部分15をフィルム材搬送方向と交差する方向に引っ張るとともにパウチ部分12を分離機構50によってフィルム材搬送方向に引っ張ることで微小連結部分13を分断し、パウチ部分12を不要部分15から分離してパウチ容器Pを製造する製袋機において、分離機構50がニップロール機構で構成され、一方のローラー51のローラー面56を形成するローラー体53の外周面がフィルム材搬送方向に沿ってフィルム材11と線接触するような形状を有する構成とされる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
袋状に形成されたパウチ部分が所定の間隔を空けて連続するように形成された樹脂製のフィルム材を水平方向に間欠的に送る間欠送り機構と、
前記フィルム材の間欠送り毎に、フィルム材搬送方向における連続状態が維持されるよう不要部分が残存されるとともに前記不要部分と繋がった微小連結部分が形成されるように、前記パウチ部分の周縁の三方をトムソン刃で打ち抜く打抜き装置と、
前記パウチ部分が前記フィルム材から分離される分離位置において、前記フィルム材の不要部分がフィルム材搬送方向と交差する方向に引っ張られるよう該不要部分を巻き取る巻取機構と、
前記分離位置に対しフィルム材搬送方向下流側に配置され前記パウチ部分をフィルム材搬送方向に引っ張ることで前記微小連結部分を分断して前記不要部分から分離する分離機構と
を備えた製袋機であって、
前記分離機構は、前記フィルム材を一面側及び他面側から挟み込む一対のローラーを備え、
前記一対のローラーのうちの一方は、水平面内においてフィルム材搬送方向に直交する方向に延びる駆動軸と、前記駆動軸の軸線方向に所定間隔をあけて設けられた複数のローラー体とを備え、
前記ローラー体の外周面は、フィルム材搬送方向に沿って前記フィルム材と線接触するような形状を有することを特徴とする製袋機。
【請求項2】
前記ローラー体の外周面は、前記駆動軸の軸線に沿った断面において、前記駆動軸の軸線方向中央部で外径が最大となり両端部に向かう従って外径が次第に小さくなる曲面で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の製袋機。
【請求項3】
前記ローラー体は、前記パウチ部分に接するローラー面を形成する弾性体層を有し、前記弾性体層のショアA硬度が80以上であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の製袋機。
【請求項4】
前記パウチ部分がスタンディング可能な底シール部を有するスタンディング形式であって、
前記打抜き装置は、前記パウチ部分の周縁のうち底部側の端縁を除く三方を打ち抜くように構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の製袋機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂製のフィルム材の所定位置を熱シールすることで袋状に形成されたパウチ部分の周縁をトムソン刃で打ち抜き、該パウチ部分を引き千切るようにして不要部分から分離することでパウチ容器を製造する製袋機に関する。
【背景技術】
【0002】
樹脂製のフィルムを熱シールして袋状に形成されたパウチ容器は、日用品や食料品などの種々の流動性の内容物を包装する包装容器として広く用いられており、自立性を持たせたスタンディング形式のパウチ容器も広く知られている。
【0003】
このようなパウチ容器を製造する製袋機としては、種々の形式のものが提案されており、例えば特許文献1には、搬送されるフィルム材の所定領域をシールすることで袋状に形成されたパウチ部分を不要部分と繋がった微小連結部分が形成されるようにトムソン刃で打ち抜いた後、パウチ部分をニップロール機構で挟んで引っ張ることで微小連結部分を引き千切るようにしてパウチ部分を不要部分から分離し、パウチ容器を製造する製袋機が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004-160780号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
而して、スタンディング形式のパウチ部分における周縁の全周を打ち抜く場合には、パウチ部分の底部の端縁は、表裏2枚のフィルムとこれらのフィルム間に折り返された状態で介装された底フィルムの4枚のフィルムをトムソン刃で切断する必要がある。このとき、トムソン刃の切れ味が落ちると、パウチ部分の底部が溶着してスタンディング形式のパウチ容器に必要とされる開底性(自立性)が低下するおそれがあった。
また、4枚のフィルムを打ち抜く必要があるため、トムソン刃の切れ味が落ちるなど耐久性が低下しやすく、生産性が低下したり、トムソン刃の交換が頻繁に必要になってコストアップに繋がったりするといった問題がある。
【0006】
このような問題に対して、パウチ部分の周縁のうち底部側の端縁を除く三方を打ち抜くことが考えられる。この場合には、打ち抜き加工によって、フィルム材搬送方向に連続する帯状のベース部分と、パウチ部分の開口側に位置される一端がベース部分に接続されフィルム材の幅方向に延びる帯状の枝部分とを有する不要部分が生ずることとなる。
しかしながら、パウチ部分の底部側に位置される枝部分の他端は不連続とされることから、パウチ部分をニップロール機構で挟んで引っ張ることでパウチ部分を不要部分から分離する際には、枝部分の一端側と他端側とに作用する引張力の差に起因する剪断力によって、微小連結部分で切断されずに枝部分自体が切断され、枝部分の一部がパウチ部分に残留するという問題がある。
また、パウチ部分が不要部分から引き千切られるようにして分離されるため、枝部分が跳ね上がりニップロール機構に咬み込むことがある。このとき、不要部分が巻き取り機構によって巻き取られることで枝部分が引き千切れ、パウチ部分に付着またはパウチ部分と一緒に搬送されるといった問題もある。
【0007】
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであり、その目的は、パウチ部分を不要部分から確実に分離可能であり、トムソン刃の寿命低下を抑制して生産性の向上及び製造コストの低減を実現可能な製袋機を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、打ち抜き加工により開底性が低下することがなく、自立性という本来の機能が発揮されるスタンディング形式のパウチ容器を製造可能な製袋機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の製袋機は、袋状に形成されたパウチ部分が所定の間隔を空けて連続するように形成された樹脂製のフィルム材を水平方向に間欠的に送る間欠送り機構と、前記フィルム材の間欠送り毎に、フィルム材搬送方向における連続状態が維持されるよう不要部分が残存されるとともに前記不要部分と繋がった微小連結部分が形成されるように、前記パウチ部分の周縁の三方をトムソン刃で打ち抜く打抜き装置と、前記パウチ部分が前記フィルム材から分離される分離位置において、前記フィルム材の不要部分がフィルム材搬送方向と交差する方向に引っ張られるよう該不要部分を巻き取る巻取機構と、前記分離位置に対しフィルム材搬送方向下流側に配置され前記パウチ部分をフィルム材搬送方向に引っ張ることで前記微小連結部分を分断して前記不要部分から分離する分離機構とを備えた製袋機であって、前記分離機構は、前記フィルム材を一面側及び他面側から挟み込む一対のローラーを備え、前記一対のローラーのうちの一方は、水平面内においてフィルム材搬送方向に直交する方向に延びる駆動軸と、前記駆動軸の軸線方向に所定間隔をあけて設けられた複数のローラー体とを備え、前記ローラー体の外周面は、フィルム材搬送方向に沿って前記フィルム材と線接触するような形状を有する構成とすることにより、上記課題を解決するものである。
【発明の効果】
【0009】
本請求項1に係る発明によれば、打抜き装置によってパウチ部分の周縁の三方をトムソン刃で打ち抜くよう構成されることで、パウチ部分がスタンディング形式であっても、底部側端縁を切断する必要がなくなり、切断すべきフィルムの厚さは小さくてよいので、トムソン刃の耐久性の低下を抑制することが可能である。このため、生産性を向上させることが可能であるとともにトムソン刃の交換頻度を低くすることできて製造コストの低減を図ることが可能となる。
しかも、一対のローラーが互いに当接するニップ部を構成するローラー体がパウチ部分に対しフィルム材搬送方向に沿って線接触することで、パウチ部分に対するローラー体の動摩擦抵抗を小さくすることができるため、ニップ部にてローラー体がパウチ部分に対して摺動することなくローラー体を転動させることが可能となる。このため、不要部分の枝部分におけるフィルム材搬送方向に連続する帯状のベース部分に接続する一端側部分と、他の不要部分と不連続となる他端側部分とに作用する引張力の差に起因する剪断力によって、枝部分が切断されることが回避される。これにより、微小連結部分を切断してパウチ部分を不要部分から確実に分離させることが可能となる。また、枝部分が一対のローラーに挟まれた場合であっても、ニップ部は枝部分が巻取機構で巻き取られるベース部分に戻されるような摩擦状態とされているため、枝部分が引き千切られることがなく、不要部分がパウチ部分と一緒に搬送されることを防止することができる。
【0010】
本請求項2に係る発明によれば、ローラー体の外周面を、駆動軸の軸線に沿った断面において、駆動軸の軸線方向中央部で外径が最大となり両端部に向かう従って外径が次第に小さくなる曲面とすることで、ニップ部における所期の摩擦状態を容易に実現することが可能となる。
本請求項3に係る発明によれば、ローラー体の硬度を高くすることで、パウチ部分に対するローラー体の動摩擦抵抗を一層低減することが可能となり、パウチ部分の不要部分からの分離を一層確実に実施することが可能となる。
本請求項4に係る発明によれば、トムソン刃の切れ味が低下した場合であっても、パウチ部分の底部が溶着して開底性を損なうことがないので、得られるパウチ容器は、自立性というスタンディング形式としての本来の機能を確実に発揮することのできるものとなり、スタンディング形式のパウチ容器を製造する場合において極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の製袋機の一例における構成を概略的に示す側面模式図である。
図2】打抜き装置により打抜き線が形成された状態のフィルム材を概略的に示す平面図である。
図3】分離部の構成を概略的に示す斜視図である。
図4】分離機構の要部構成を示すフィルム材搬送方向から見た正面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
【0013】
図1に示すように、本実施形態の製袋機10は、帯状の樹脂製のフィルム材11を水平方向に間欠的に送る間欠送り機構20と、フィルム材11から袋状に形成されたパウチ部分12を間欠送り毎に打ち抜く打抜き装置30と、パウチ部分12を打ち抜くことで残存するフィルム材11の不要部分15を巻き取る巻取機構40と、パウチ部分12を不要部分15から分離してパウチ容器Pを得る分離機構50と、パウチ容器Pを搬送するパウチ容器搬送機構60とを備えている。
【0014】
フィルム材11には、図2に示すように、フィルム材11の所定領域を熱シールすることで袋状に形成されたパウチ部分12が、少なくともフィルム材搬送方向に所定間隔を空けて並ぶよう形成されている。
本実施形態では、パウチ部分12はスタンディング形式のものとされ、例えばフィルム材搬送方向に沿ってパウチ容器Pが同時に2つずつ製造(2丁取り)されるように構成とされている。フィルム材幅方向に並び2つのパウチ部分12は開口端が互いに対向して底部がフィルム材11の側縁側に位置するように形成され、は、一方のサイドシール部側がフィルム材搬送方向の先頭となるようフィルム材11が搬送される。
【0015】
打抜き装置30はトムソンカット装置であって、フィルム材11の間欠送り毎に、フィルム材搬送方向における連続状態が維持されるよう不要部分15が残存されるとともに不要部分15と繋がった微小連結部分13が形成されるように、パウチ部分12の周縁の三方をトムソン刃31で打ち抜くように構成されている。
【0016】
本実施形態では、図2に示すように、パウチ部分12の底部側の端縁を除く周縁の三方が、打抜き装置30によって打ち抜かれて打抜き線Lが形成され、これにより、フィルム材搬送方向に連続する帯状のベース部分16と、パウチ部分12の開口側に位置される一端がベース部分16に接続されフィルム材幅方向に延びる帯状の枝部分17とを有する不要部分15が連続状態に維持される。このため、スタンディング形式のパウチ部分12における底部側端縁を切断する必要がなくなり切断すべきフィルムの厚さは小さくてよいので、トムソン刃31の耐久性の低下を抑制することが可能となる。これにより、生産性を向上させることが可能であるとともにトムソン刃31の交換頻度を低くすることできて製造コストの低減を図ることが可能となる。また、トムソン刃31の切れ味が低下した場合であっても、パウチ部分12の底部が溶着して開底性を損なうことがないので、得られるパウチ容器Pは、自立性というスタンディング形式としての本来の機能を確実に発揮することのできるものとなる。
【0017】
微小連結部分13は、パウチ部分12のフィルム材搬送方向上流側の端縁に、例えば3箇所形成されるとともに、パウチ部分12の開口側端縁のフィルム材搬送方向上流側部分に、例えば1箇所形成される。ここに、微小連結部分13の幅は、例えば約0.2mm程度の大きさである。なお、微小連結部分13は、パウチ部分12が分断可能に構成されていればよく、形成位置や数は特に限定されるものではない。
【0018】
巻取機構40は、図3にも示すように、パウチ部分12が不要部分15から分離される分離位置Sにおいて、フィルム材11の不要部分15がフィルム材搬送方向と交差する方向に引っ張られるように構成されている。
【0019】
分離機構50は、図4に示すように、フィルム材11の一面側に当接する一方のローラー51と、フィルム材11の他面側に当接する他方のローラー58とを備えたニップロール機構で構成され、一方のローラー51が回転駆動されるよう構成されている。
分離機構50は、分離位置Sに対しフィルム材搬送方向下流側に配置されており、パウチ部分12のフィルム材搬送方向下流側端部を一方のローラー51及び他方のローラー58の一対のローラーで挟み込みフィルム材搬送方向に引っ張ることで微小連結部分13を引き千切るように切断し、これによりパウチ部分12を不要部分15から分離させるように構成されている。
【0020】
フィルム材11の一面側に当接する一方のローラー51は、水平面内においてフィルム材搬送方向に直交する方向に延びる駆動軸52と、駆動軸52の軸線方向に所定間隔をあけて設けられた複数のローラー体53とを備える。
フィルム材11の他面側に当接する他方のローラー58は、両端部の各々が回転自在に軸支された金属製の円筒状部材であって、一方のローラー51のローラー面56に当接されてニップ部を形成するように構成されている。
【0021】
一方のローラー51におけるローラー体53は、金属製の円筒状芯材54と、円筒状芯材54の一端部の外周に設けられフィルム材11に接するローラー面56を形成する弾性体層55とにより構成されている。
【0022】
ローラー体53の外周面、具体的にはローラー面56を形成する弾性体層55の外周面は、駆動軸52の軸線に沿った断面において、駆動軸52の軸線方向中央部で外径が最大となり両端部に向かう従って外径が次第に小さくなる曲面で構成され、フィルム材搬送方向に沿ってフィルム材11と線接触するような形状を有する。このため、パウチ部分12に対するローラー体53の動摩擦抵抗を小さくすることができ、ニップ部にてローラー体53がパウチ部分12に対して摺動することなくローラー体53を転動させることが可能となる。
【0023】
弾性体層55は、例えばショアA硬度が例えば80以上の熱可塑性エラストマーにより構成されている。これにより、パウチ部分12に対するローラー体53の動摩擦抵抗を一層低減することが可能となる。ショアA硬度が 80°未満である場合には、パウチ部分12に対するローラー体53の動摩擦抵抗が大きくなり、パウチ部分12の分離時に不要部分15における枝部分17が切断されやすくなる。
本実施形態における弾性体層55は、ショアA硬度が90°のウレタンゴムであるが、材質はウレタンゴムに限定されるものではない。
【0024】
以下、上記実施形態の製袋機10の動作について説明する。
間欠送り機構20によってフィルム材11が搬送と停止を交互に繰り返しながら打抜き装置30に間欠搬送され、間欠送りにおける停止時に、トムソン刃31がフィルム材11に押し付けられることで、フィルム材11のパウチ部分12が打ち抜かれる。このとき、パウチ部分12は完全には打ち抜かれず、パウチ部分12の周縁の一部分に、不要部分15と繋がった微小連結部分13が残されて不要部分15が連続状態に維持されまま、搬送される。
分離位置Sにおいては、フィルム材11の不要部分15が巻取機構40によって斜め下方に向けて引っ張られるように搬送される一方で、パウチ部分12は、そのフィルム材搬送方向下流側端部が一方のローラー51及び他方のローラー58で挟み込みまれフィルム材搬送方向に引っ張られることで、微小連結部分13が引き千切るように切断される。これにより、パウチ部分12が不要部分15と分離されてパウチ容器Pが得られるとともに不要部分15は巻取機構40によって巻き取られて回収される。パウチ容器Pは、パウチ容器搬送機構60によって搬送される。
【0025】
而して、上記の製袋機10においては、分離機構50を構成する一方のローラー51がパウチ部分12に対しフィルム材搬送方向に線接触するよう構成されるとともに、ニップ部を構成する一方のローラー51のローラー体53が80°以上の高いショア硬度を有することで、パウチ部分12に対するローラー体53の動摩擦抵抗が小さくなるように構成されている。このため、ニップ部にてローラー体53がパウチ部分12に対して摺動することなくローラー体53を転動させることが可能となり、不要部分15の枝部分17におけるフィルム材搬送方向に連続するベース部分16に接続する一端側部分と、他の不要部分と不連続となる他端側部分とに作用する引張力の差に起因する剪断力によって、枝部分17が切断されることが回避される。従って、微小連結部分13を切断してパウチ部分12を不要部分15と確実に分離させることができる。また、枝部分17が一対のローラーに挟まれた場合であっても、ニップ部は枝部分17が巻取機構40で巻き取られるベース部分16に戻されるような摩擦状態とされているため、枝部分17が引き千切られることがなく、不要部分17がパウチ容器Pと一緒に搬送されることを防止することができる。
【0026】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものでない。
例えば、上記実施形態においては、フィルム材11の一面側に当接する一方のローラー51がフィルム材11に対しフィルム材搬送方向に沿って線接触する構成とされているが、フィルム材11の他面側に当接する他方のローラーがフィルム材11に対しフィルム材搬送方向に沿って線接触するよう構成されてもよい。また、一方のローラー51におけるローラー体53の外周面は、フィルム材11に対しフィルム材搬送方向に線接触するように構成されていればよい。
また、上記実施形態においては、フィルム材11の不要部分15が分離位置Sにおいて斜め下方に向けて引っ張られるように、巻取機構40がフィルム材搬送路の下方に配置された構成とされているが、フィルム材11の不要部分15が分離位置Sにおいて斜め上方に向けて引っ張られるように、巻取機構40がフィルム材搬送路の上方に配置された構成とされてもよい。
さらにまた、上記実施形態においては、パウチ部分12は、スタンディング形式のものとされているが、パウチ部分の形態は、スタンディング形式のものに限定されず、四方がシールされたパウチ容器(平パウチ)、ガゼット付きパウチ容器、及び、折り返したフィルムの三方をシールしたパウチ容器等種々の形態のものであってよい。また、上記実施形態においては、フィルム材11からパウチ容器Pを2丁取りする構成とされるが、フィルム材幅方向に並ぶパウチ部分12の数(丁数)は特に限定されない。
【符号の説明】
【0027】
10 ・・・ 製袋機
11 ・・・ フィルム材
12 ・・・ パウチ部分
13 ・・・ 微小連結部分
15 ・・・ 不要部分
16 ・・・ ベース部分
17 ・・・ 枝部分
20 ・・・ 間欠送り機構
30 ・・・ 打抜き装置
31 ・・・ トムソン刃
40 ・・・ 巻取機構
50 ・・・ 分離機構
51 ・・・ 一方のローラー
52 ・・・ 駆動軸
53 ・・・ ローラー体
54 ・・・ 円筒状芯材
55 ・・・ 弾性体層
56 ・・・ ローラー面
58 ・・・ 他方のローラー
60 ・・・ パウチ容器搬送機構
L ・・・ 打抜き線
P ・・・ パウチ容器
S ・・・ 分離位置
図1
図2
図3
図4