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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023065114
(43)【公開日】2023-05-12
(54)【発明の名称】プラスティックボトル用照明器具
(51)【国際特許分類】
   F21L 4/00 20060101AFI20230502BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20230502BHJP
【FI】
F21L4/00 600
F21L4/00 500
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021175734
(22)【出願日】2021-10-27
(71)【出願人】
【識別番号】000105925
【氏名又は名称】サカエ理研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003214
【氏名又は名称】弁理士法人服部国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】南谷 真治
(72)【発明者】
【氏名】中島 彩花
(57)【要約】
【課題】夜間の歩行者に対する交通安全に寄与するプラスティックボトル用照明器具を提供する。
【解決手段】 スナップフィット雄部材11は、一端が透明のプラスティックボトル2の首部3に係止可能で、他端がスナップフィットの雄部である爪部13、14を有する。爪部13、14が嵌合可能な穴43、44をもつスナップフィット雌部材41は、可撓性を有する樹脂製の身回用具係止部材31の連結部33に連結される。身回用具係止部材31は、連結部33と反対側の端が身体の衣服のベルトループなどに通され、面ファスナーで係止される。スナップフィット雌部材41の中央部の一面に光源保護部25が形成され、その収容室24にLEDランプが固定される。LEDランプの光は、収容室24の前面を経由してプラスティックボトル2の外壁の透明な肩部4及びボトル内の液体に乱反射し、体積の大きな仮想の光源体を作りだす。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
身体に携帯する透明のプラスティックボトルに取付可能な照明器具であって、
一端にプラスティックボトル(2)の首部(3)に嵌合可能な嵌合部(17)、及び他端にスナップフィットの雄部(12)を有するスナップフィット雄部材(11)と、
一端が身の回り用具に係止可能な係止部(32)を有する身回用具係止部材(31)と、
一端が前記雄部に嵌合可能な雌部(42)を有し、他端が前記身回用具係止部材の他端に連結されるスナップフィット雌部材(41)と、
前記スナップフィット雌部材の中央部に固定され、前記プラスティックボトルの外壁を照射する光源(21)と、を備えたプラスティックボトル用照明器具。
【請求項2】
前記光源の点灯と消灯とを切り替える切替スイッチ(22)を前記光源の近傍に備えた請求項1記載のプラスティックボトル用照明器具。
【請求項3】
前記光源は、プラスティックボトルの外部においてプラスティックボトルの透明肩部に非接触に備え付け可能な請求項1記載のプラスティックボトル用照明器具。
【請求項4】
前記光源の発する光がプラスティックボトルを照射するとき、プラスティックボトルの透明肩部(4)及びボトル内の液体が入っているときは当該液体に乱反射し光が拡散し、看者にボトルの体積ほどの発光体の如く存在感を放ち、夜間の安全灯の役割を果たす請求項1記載のプラスティックボトル用照明器具。
【請求項5】
前記スナップフィット雄部材の前記雄部は、樹脂からなり、一対の爪部(13、14)と前記爪部を撓ませ可能なスリット(18)とを有する請求項1記載のプラスティックボトル用照明器具。
【請求項6】
前記スナップフィット雄部材は、前記嵌合部と前記雄部との間に、プラスティックボトルの前記透明肩部に対して離間する方向に延びる傾斜部(19)を有する請求項1記載のプラスティックボトル用照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラスティックボトル用照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
薄暮や夜間、暗い道を安全に歩くため、持ち歩く明かりには、懐中電灯、ランタン、キーライト、反射材用品等があげられる。懐中電灯やランタンは、手で持ち歩かないといけない。キーライトは、ライトの光が小さい。
【0003】
また従来、ペットボトルに相当するプラスティックボトルを用いたランタンが知られている。例えば、携帯型ライトと簡易ランタンとして、特許文献1に記載されたものが知られている。携帯型ライトは、ハウジングの内部に光源を備え、この光源を透明ボトルに装着する。簡易ランタンは、携帯型ライトを装着する透明ボトルを備える。ハウジングは、光源が配置される発光部材と、透明ボトルの口に装着するための装着部材を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002-083501号公報
【0005】
このものは、透明プラスティックボトルの出入口の中に光源を備えるか又は出入口から挿入してプラスティックボトル内部に光源を装着している。この照明器具は、プラスティックボトルを空き容器として使用し、容器内で飲料水等の水密性を有する構成になっている。
しかし、プラスティックボトルの外部に光源を備え、プラスティックボトルの外部から光を照射する照明器具は知られていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、プラスティックボトルを携帯するとき透明なプラスティックボトル本体及びボトル内に飲料(液体)が封入される場合は液体の流動性、光透過性等の特性を活かし、しかもプラスティックボトルへの取付取り外しの利便性、身の回り用具との取付取り外しの利便性を保有しながら、さらに、夜間走行する自動車運転手、バイク運転手に対し歩行者の存在を知らせ、交通安全の観点から歩行者の安全性を向上する簡易な照明器具を提供する。
【0007】
夜間歩く際に暗がりであるから、灯がないと、歩行者が視界に入らない車や自転車に轢かれそうになったり、歩行者が道にある段差や障害物につまずきそうになったり、灯があると犯罪発生率を低減することになる。
【0008】
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、夜間の歩行者に対する交通安全に寄与するプラスティックボトル用照明器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のプラスティックボトル用照明器具は、身体に携帯する透明のプラスティックボトルに取付可能な照明器具であって、一端にプラスティックボトル(2)の首部(3)に嵌合可能な嵌合部(17)、及び他端にスナップフィットの雄部(12)を有するスナップフィット雄部材(11)と、一端が身の回り用具に係止可能な係止部(32)を有する身回用具係止部材(31)と、一端が前記雄部に嵌合可能な雌部(42)を有し、他端が前記身回用具係止部材の他端に連結されるスナップフィット雌部材(41)と、前記スナップフィット雌部材の中央部に固定され、前記プラスティックボトルの外壁を照射する光源(21)と、を備えた構成を採用する。
【0010】
本発明のプラスティックボトル用照明器具によると、小型な道具で携帯性が高い。夜間などの暗がりでは照明器具の役割を果たす。
【0011】
プラスティックボトルを携帯しないとき、プラスティックボトルから分離して使用するときは、本発明のプラスティックボトル用照明器具を単体として、身の回りの肩掛け鞄、手提げ鞄、手提げ袋などに容易に用いられ、保管することができる。
【0012】
また本発明のプラスティックボトル用照明器具によると、プラスティックボトルを携帯するとき、身の回りの衣服の被係止部に身回用係止部材の係止部を係止すると、夜間の歩行時に、光源を点灯して安全安心の度合を高めつつ、空いた両手を自由に使えるという効果がある。
【0013】
夜間の歩行時に、光源が点灯していると、透明なプラスティックボトルの外壁を外部から光を照射することによって、乱反射し、光源の大きさよりも格段に大きな発光体の如く周囲の全方位からどの角度からも認識される。プラスティックボトル内に飲料が入っているときは飲料である液体にも乱反射し、プラスティックボトルの内部を明るく発光させることができる。したがって、安心安全に夜道を歩行することができる。
プラスティックボトルの場合、成形において表面が完璧な鏡面になることがなく凹凸形状を有する面になるため、どのような形状のプラスティックボトルであっても、照射された光の拡散効果は大きい。
【0014】
スナップフィット雄部材の雄部から雌部を押し込み手操作により簡易に分離することができ、プラスティックボトルを身体から簡単な操作により取り外して飲料を摂取しやすいという効果がある。
【0015】
本発明の照明器具は、プラスティックボトル内に飲料を貯蔵する機能を損なわない。したがって、使用時に携帯者は、必要に応じて、プラスティックボトル内の飲料を摂取することができる。
【0016】
また本発明のプラスティックボトル用照明器具によると、スナップフィット雄部材の雄部から雌部を分離することで、スナップフィット雌部材からプラスティックボトルを簡易に切り離すことができるから、本器具のスナップフィット雌部材側の単体で指向性のある光源として使用することができる。
【0017】
ベルト、かばん等の身の回り品から身回用具係止部材を簡単に切り離すことができる。身体から身回用具係止部材を分離した場合、ランタンと同等の吊り下げ型移動式照明器具として代用することができるという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の第一実施形態によるプラスティックボトル用照明器具の正面図。
図2図1に示すII方向矢視図。
図3図1に示すIII方向矢視図。
図4図1に示すIV-IV線断面図。
図5図4に示すV-V線断面図。
図6】本発明の第一実施形態によるプラスティックボトル用照明器具を示すもので、(A)は分解した雄側部分の側面図、(B)は分解した雌側部分の側面図。
図7】本発明の第一実施形態によるプラスティックボトル用照明器具のプラスティックボトル装着時の斜視図。
図8】本発明の第一実施形態によるプラスティックボトル用照明器具のプラスティックボトル装着時の平面図。
図9図8に示すIX方向矢視図。
図10図8に示すX方向矢視図。
図11】いかり型ボトル形状と照明部との関係を説明する模式図。
図12】なで型ボトル形状と光源との関係を説明する模式図。
図13】飲料有りのボトル着用時の作用を説明する模式図。
図14】飲料無しのボトル着用時の作用を説明する模式図。
図15】本発明の第二実施形態によるプラスティックボトル用照明器具の平面図。
図16図15に示すXVI方向矢視図。
図17図15に示すXVII方向矢視図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態によるプラスティックボトル用照明器具を図面に基づいて説明する。なお、複数の実施形態において実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0020】
(第一実施形態)
本発明の第一実施形態について図1から図14に基づいて説明する。
【0021】
図1及び図2に示すように、プラスティックボトル用照明器具は、スナップフィット雄部材11、身回用具係止部材31、スナップフィット雌部材41、光源としてのLEDランプ21、を備える。
【0022】
スナップフィット雄部材11は、樹脂からなり、基本形がU字状の形状を有する。スナップフィット雄部材11の嵌合部17は、円形の穴16を有し、スリット18を有する。嵌合部17の穴16は、透明なプラスティックボトル2の首部3に嵌合可能である。スナップフィット雄部材11の嵌合部17は曲折して延びる傾斜部19を有する。傾斜部19は中央にスリット18を有する。傾斜部19から延びる一対の爪部13、14は、図5に示す131、141方向に撓むようにスリット18の空間を撓み代とする可撓性を有する。スリット18を狭める方向に撓むことにより、後述するスナップフィット雌部材41の雌部本体42の一対の穴43、44に嵌合可能になっている。
【0023】
スナップフィット雌部材41は、樹脂からなり、スナップフィット雄部材11の爪部13、14を挿通する挿通孔46と嵌合可能な穴(雌部)43、44とを雌部本体42に形成している。穴43、44を有する雌部本体42の他端は、身回用具係止部材31の係止部32を挿通する長孔45を有する。
【0024】
スナップフィット雌部材41の一面には、LEDランプ21を収容する収容室24を形成する光源保護部25が形成されている。光源保護部25の内部にLEDランプ21を収容する。光源保護部25の内部は図示しないLEDランプ21の電源を備え、光源保護部25の下面に電源のオンオフを切替可能なスイッチ22を設けている。スイッチ22は、LED照明の点灯消灯の切り替えを行う。光源保護部25の前面251は、光を透過する樹脂からなる。
【0025】
本実施形態の照明器具1をプラスティックボトルの首部に嵌合した状態では、図7から図10に示すように、嵌合部17から曲折する傾斜部19によって肩部4から遠のく方向に爪部13、14が延びるから、光源保護部25の前面251は、プラスティックボトル2の錐面状の透明な肩部4に非接触の状態で対向する位置に対面する。これにより、LEDランプ21の発する光は、光源保護部25を透過し、プラスティックボトルの透明肩部4とボトル本体5の外壁を照射する。このとき、光は、プラスティックボトル内の液体と透明肩部4とボトル本体5に乱反射し、プラスティックボトル自体が大きな容積をもつ仮想の光源体の如く周囲に光を放つ。
【0026】
身回用具係止部材31は、可撓性を有する樹脂製ベルト36からなり、ベルト36がスナップフィット雌部材41の長孔45に挿通される。ベルト36の挿通された箇所でベルト36をU字状に折り曲げ、この折曲部となる一端がスナップフィット雌部材41との連結部33になる。ベルト36の他端は、例えば身体に携帯するパンツのベルトループ、手提げ鞄や肩掛け鞄のベルトループなどの被係止部に係止可能な係止部32を構成する。係止部32は、ベルト36に貼られる面ファスナ34、35によってベルトループを解除可能な係止部を構成する。これにより、ベルト36を腰ベルト、鞄などの身周品に着用すると、本実施形態のプラスティックボトル用照明器具1を経由してプラスティックボトル2を携帯することができる。身回用具係止部材31は、持ち手にもなる。
【0027】
本実施形態のプラスティックボトル用照明器具1によると、単体では小型軽量で持ち運びが容易であるから、鞄、ポケットなどに容れられるから、懐中電灯やランタンに比べ、携帯性に優れている。
【0028】
必要時には、鞄、ポケットなどから取り出し、暗い道を歩行するとき、灯を必要とするときの照明用具として使用することができる。
【0029】
プラスティックボトル2を携帯するときは、プラスティックボトル2の首部3にスナップフィット雄部材11の嵌合部17を嵌合し、ボトル本体5の外部のLEDランプ21からプラスティックボトル2を照射し、明るく光を拡散して放ち、仮想の大きな照明器具として機能するから、自動車、自転車の運転者に歩行者の存在を知らしめ、交通安全に寄与する。
【0030】
プラスティックボトル2に着用するときは、プラスティックボトル2の首部3にスナップフィット雄部材11の嵌合部を嵌合し、身回用具係止部材31を身周品に係止すれば、プラしティックボトル2を手で持たなくてよくなり、両手が空いても、安心して歩くことができる。プラスティックボトル用照明器具1に対し、プラスティックボトル2の首部3に回動自在に連係される。
【0031】
また、身回用具係止部材31は、長さを調整することができる。歩行時にいつでもスナップフィット雄部材11の爪部13、14をスナップフィット雌部材41の穴43、44から解除することで、プラスティックボトル2を切り離し、飲料を摂取することができる。
【0032】
次に、プラスティックボトルの肩部の異なる形状と上記実施形態との関係について説明する。
【0033】
図11は、所謂いかり肩形状の肩部51を有するプラスティックボトルに本実施形態を使用した比較例1を示し、図12は、所謂なで肩形状の肩部52を有するプラスティックボトルに本実施形態を使用した比較例2を示す。
図11に示す比較例1は、中心軸線28を法線とする面(基準線)に対し傾き度αを有するいかり肩形状の肩部51を有している。これに対し図12に示す比較例2は、中心軸線28を法線とする面(基準線)に対し傾き角βを有するなで肩形状の肩部52を有している。
比較例1および比較例2のいずれの場合にも本実施形態のプラスティックボトル用照明器具を使用することができる。
【0034】
次にプラスティックボトルに入っている液体の有無について図13図14を参照して説明する。使用したプラスティックボトル2のボトル本体5の胴部には周囲に2本の凹凸56が環状に形成されている。
【0035】
図13は液体の飲料100を含むプラスティックボトル2に本実施形態を使用した比較例3を示し、飲料100の液面が高い位置にあるようにボトル内部に飲料100が充満しており、液体中に気泡101を含んでいる。
比較例3は、気泡101、凹凸56の形状により光源21から照射される光が拡散され、歩行携帯時に移動時の振動により飲料100が動いて光が拡散して明るくなる。飲料が入っている場合、ボトル本体5、凹凸56、肩部5に当たって光が拡散されて明るく照らすことができる。
【0036】
本件照明器具をプラスティックボトル2に取り付けた時、ボトル本体5内の飲料に、LEDランプからの光が照射されたとき透明ボトル容器と中身の液体に当たった光が乱反射又は拡散されて周囲を明るく照らすという効果がある。
【0037】
LEDランプの発する光がプラスティックボトル2を照射するとき、ボトルの透明肩部またはボトル内の液体に乱反射し光が拡散し、看者にボトルの体積ほどの発光体の如く存在感を放ち、夜間の安全灯の役割を果たす。
【0038】
図14は液体の飲料の無い空のプラスティックボトル2に本実施形態を使用した比較例4を示す。
【0039】
比較例4は、飲料が空になっており、飲料が入っている場合と同程度にボトル本体5、凹凸56、肩部5に当たって光が拡散されて明るく照らすことができる。
【0040】
本実施形態によると、プラスティックボトル内の飲料の有無を問わず、暗い道を歩行するとき、切替スイッチ22をオンにすると、LEDランプ21の光は、収容室24の前面を経由してプラスティックボトル2の外壁の透明な肩部4、及びボトル内の液体が入っている場合は液体にも反射し、プラスティックボトル自体が大きな容積をもつ仮想の光源体の如く周囲に光を放ち、周囲を明るく照射する。これにより、路上の自動車、バイク、自転車の運転者に注意を促し、歩行者の身の安全を高めることができる。ウォーキングやランニングやキャンプや災害時にも使用することができる。
【0041】
プラスティックボトル用照明器具1は、嵌合部17を備える。これにより、嵌合部17をプラスティックボトル2の首部3に引っ掛け固定することができる。
【0042】
プラスティックボトル用照明器具1は、LEDランプ21及び切替スイッチ22を備える。切替スイッチ22により、オンとオフを切り替えることができる。切替スイッチ22をオンにすると、LEDランプ21が点灯する。
【0043】
本実施形態の照明器具によると、プラスティックボトル2に着用していないときは、体格が小型だからカバンに入れやすく持ち運びやすいし携帯性に優れている。また身周り係止部材の一端にキーホルダー、携帯用取付具を取り付けることができるので身体への着用利便性が向上する。
【0044】
夜道や暗い中での散歩などの活動をする際に使用すると、常時飲料を必要とする人にとっては、ボトル容器内の水分をいつでも摂取できるという利便性を保有しながら明かりを必要とする時に有用である。
【0045】
昼間と異なり、暗い所では自動車や自転車の運転者から歩行者が気づかれにくいが、しかし本件照明器具を装着したプラスティックボトル2を携帯していることにより、直接光だけでなく乱反射した明かりを身の回りに拡散して照射することができる。したがって路面の段差や路面に落ちている障害物に気づきやすいから安全性を高めるという効果がある。また本件照明器具を携帯していることで不審者から受ける被害を最小限に防げるという効果がある。
【0046】
スナップフィット雄部材11は、スナップフィット雄部材の一端とスナップフィット雄部材の他端との間に、ボトル本体5の肩部4から離間する方向に延びる傾斜部19を有する。
【0047】
プラスティックボトル用照明器具のスナップフィット雄部材11とスナップフィット雌部材41は簡易な手操作により分離することができる(図6参照)。例えば、次の手順により使用することができる。
【0048】
(A) プラスティックボトルを携帯するとき:
(1)スナップフィット雄部材11とスナップフィット雌部材41と分離する。(2)飲料の入ったプラスティックボトル2の首部3に嵌合部17の穴16を通す。(3)プラスティックボトル2の首部3にキャップ7をねじ結合する。(4)身回用具係止部材31の係止部32を身体の衣服の被係止部、鞄の被係止部に係止する。係止するとき、例えば面ファスナ34、35の貼付により結合する。(5)スナップフィット雌部材41の雌部本体42にスナップフィット雄部材11の爪部13、14を嵌合する。
【0049】
(B) 携帯時、飲料を摂取するとき:
(1)爪部13、14を手操作により撓ませ、スナップフィット雌部材41の雌部本体42からスナップフィット雄部材11の爪部13、14を分離する。(2)プラスティックボトル2のキャップ7をねじ回しして分離し、飲料を摂取する。(3)飲料摂取後、キャップ7をねじ回しし、スナップフィット雄部材11の爪部13、14をスナップフィット雌部材41の雌部本体42の穴43、44に嵌合する。
【0050】
(C) プラスティックボトルを携帯しないとき:
スナップフィット雌部材41の雌部本体42にスナップフィット雄部材11の爪部13、14を嵌合した状態で、衣服のポケットや鞄に携帯する。いつでも必要になったとき、夜間の歩行時など、単体で照明器具の携帯になる。プラスティックボトル2及びベルト、かばん等の身の回り品から本照明器具を切り離した状態では、小型なので、バッグ等に入れて持ち歩きすることができる。
【0051】
従来品としてプラスティックボトルに相当するプラスティックボトルのキャップにLED照明具を付加した比較例が知られているが、この比較例はほぼ水分(液体)による濡れを回避する必要がある。これに対し本発明においては、ボトルキャップを閉じている状態ではボトル容器内に水分を閉塞状態におくから照明器具の作動に影響を及ぼさないという利点がある。
【0052】
本発明のプラスティックボトル用照明器具において、次の解決手段を採用することができる。
雌部本体42の一方の面側にLEDランプ21の点灯と消灯とを切り替える切替スイッチ22を備える手段を採用する。これにより、手操作によりLEDランプの点灯と消灯を容易に切替えることができる。
【0053】
切替スイッチ22をボトル本体5から離間した外部でLEDランプ21の近傍に備える手段を採用する。これにより、プラスティックボトル2の飲料を摂取するとき、LEDランプのオンオフ操作に影響を与えない構成になっている。
【0054】
LEDランプ21は、ボトル本体5の外部においてプラスティックボトル2の肩部4に非接触に備え付け可能になる手段を採用する。これにより、LEDランプ21の発する光がプラスティックボトル2を照射するとき、プラスティックボトル2の透明な肩部4及びボトル内に液体が入っているときは当該液体に乱反射し光が拡散し、看者にボトル本体5の体積ほどの発光体の如く存在感を放ち、夜間の安全灯の役割を果たす。
【0055】
また、スナップフィット雄部材11の雄部12は、樹脂からなり、一対の爪部13、14と爪部13、14を撓ませ可能なスリット18とを有する手段を採用する。これにより、一対の爪部13、14を手操作により押圧すると、樹脂の弾力によりスナップフィット雄部材11をスナップフィット雌部材41の穴43、44から快適な節度感をもって容易に脱着することができる。
【0056】
さらに、スナップフィット雄部材11は、嵌合部17と雄部12との間に、プラスティックボトル2の透明な肩部4に対して離間する方向に延びる傾斜部19を有する手段を採用する。
これにより、光源21の位置は、プラスティックボトル2の肩部形状がどのような形状であっても肩部5に干渉することなしに、首部3より重力方向下方に光源中心が位置する。光源21の位置が多少変位しても、肩部5に対向するように非接触を保ち、光の拡散効果に悪い影響を与えない。
【0057】
したがって、LEDランプ21からの光が、プラスティックボトル2内に液体が入っている場合は液体と透明肩部4とボトル本体5に乱反射し、プラスティックボトル2自体が大きな容積をもつ仮想の光源体の如く周囲に光を放ち、周囲を明るく照射する。これにより、路上の自動車、バイク、自転車の運転者に注意を促し、歩行者の身の安全を高めることができる。ウォーキングやランニングやキャンプや災害時にも使用することができる。
【0058】
(第二実施形態)
本発明の第二実施形態について図15から図17に基づいて説明する。
【0059】
第二実施形態は、第一実施形態のスナップフィット雄部材11の嵌合部17において、穴16に代えて第2の一対の爪部53、54を有するものである。第2の爪部53、54は可撓性を有し、図示しないプラスティックボトルの首部に嵌合する図示しない第2のスナップフィット雌部材の雌部に嵌合可能な構成になっている。
本発明を適用するプラスティックボトルの形状はどのような形状であってもよい。プラスティックボトルのデザインは、図示した形状のものに限られないし、凹凸形状、スリット、模様などがあってもよい。
【0060】
以上、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実施可能である。
【符号の説明】
【0061】
1 プラスティックボトル用照明器具、
2 プラスティックボトル、
3 首部、
4 肩部、
5 ボトル本体、
11 スナップフィット雄部材、
12 雄部、
13、14 爪部、
17 嵌合部、
18 スリット、
19 傾斜部、
21 LEDランプ(光源)、
22 切替スイッチ、
24 収容室、
25 光源保護部、
31 身回用具係止部材、
32 係止部、
33 連結部、
34、35 面ファスナ、
36 ベルト、
41 スナップフィット雌部材、
42 雌部本体、
43、44 穴
53、54 爪部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17