(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023065204
(43)【公開日】2023-05-12
(54)【発明の名称】遮断装置
(51)【国際特許分類】
H01H 37/76 20060101AFI20230502BHJP
H01H 85/43 20060101ALI20230502BHJP
H01H 85/10 20060101ALI20230502BHJP
【FI】
H01H37/76 A
H01H85/43
H01H85/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021175869
(22)【出願日】2021-10-27
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】中村 真人
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 瞬
【テーマコード(参考)】
5G502
【Fターム(参考)】
5G502AA01
5G502AA09
5G502BB07
5G502BB19
5G502BE02
5G502BE03
5G502FF00
5G502FF08
(57)【要約】
【課題】導電体の切断時におけるアークの広がりを抑制可能な遮断装置を提供する。
【解決手段】遮断装置1は、導電体30と、導電体30を保持し、当該導電体30で隔てられた第一空間11及び第二空間12を有するホルダ10と、第一空間11に配置されたプッシャ20と、プッシャ20を第一空間11から第二空間12へと移動させるための駆動源40と、を備えている。導電体30は、第一空間11及び第二空間12を隔てる区画部33と、区画部33を挟んで当該区画部33に連続する一対の埋設部32と、を有している。一対の埋設部32の少なくとも一方は、区画部33に連続する薄肉部321と、薄肉部321に対し区画部33と反対側で連続し、当該薄肉部321よりも厚みの厚い厚肉部322とを有する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電体と、
前記導電体を保持し、当該導電体で隔てられた第一空間及び第二空間を有するホルダと、
前記第一空間に配置されたプッシャと、
前記プッシャを前記第一空間から前記第二空間へと移動させるための駆動源と、
を備え、
前記導電体は、
前記第一空間及び前記第二空間を隔てる区画部と、
前記区画部を挟んで当該区画部に連続する一対の埋設部と、を有し、
前記一対の埋設部の少なくとも一方は、
前記区画部に連続する薄肉部と、
前記薄肉部に対し前記区画部と反対側で連続し、当該薄肉部よりも厚みの厚い厚肉部とを有する
遮断装置。
【請求項2】
前記薄肉部において前記第二空間側の主面は、前記厚肉部において前記第二空間側の主面よりも、前記第一空間側に配置されている
請求項1に記載の遮断装置。
【請求項3】
前記薄肉部は、当該薄肉部が前記厚肉部から延びる延設方向に交差する方向である幅方向での長さが、前記厚肉部の前記幅方向の長さよりも小さい
請求項2に記載の遮断装置。
【請求項4】
前記薄肉部と前記厚肉部との間の境界部は傾斜面を有する
請求項1~3のいずれか一項に記載の遮断装置。
【請求項5】
前記駆動源により、前記プッシャが前記導電体の前記区画部を切断して前記第一空間から前記第二空間へ移動した後の状態において、
前記プッシャは、
前記一対の埋設部のうち、一方に対向する第一対向部と、
前記一対の埋設部のうち、他方に対向する第二対向部とを有し、
前記プッシャの移動方向視において、前記第一対向部と前記第二対向部とを結ぶ前記プッシャの外表面上で最短の第一長さは、前記プッシャの移動方向に直交する方向視において、前記第一対向部、前記プッシャの底部及び前記第二対向部を結ぶ前記プッシャの外表面上で最短の第二長さよりも長い
請求項1~4のいずれか一項に記載の遮断装置。
【請求項6】
前記駆動源により前記プッシャが前記導電体の前記区画部を切断して前記第一空間から前記第二空間へ移動した後の状態において、
前記プッシャは、
前記一対の埋設部のうち、一方に対向する第一対向部と、
前記一対の埋設部のうち、他方に対向する第二対向部とを有し、
前記プッシャの移動方向視において、前記第一対向部と前記第二対向部とを結ぶ前記プッシャの外表面上で最短の第一長さは、前記プッシャの移動方向に直交する方向視において、前記第一対向部と、前記プッシャの底部に重なる前記区画部の底部と、前記第二対向部とを結ぶ、前記プッシャ及び前記区画部の外表面上で最短の第三長さよりも長い
請求項1~4のいずれか一項に記載の遮断装置。
【請求項7】
前記区画部には、前記プッシャの移動方向視において、当該プッシャの外表面の外側に位置する溝が形成されている
請求項1~6のいずれか一項に記載の遮断装置。
【請求項8】
前記薄肉部には、前記プッシャの外表面に沿う溝が形成されている
請求項1~6のいずれか一項に記載の遮断装置。
【請求項9】
前記プッシャにおける底部には、前記溝に対応する箇所に、側方に向けて突出した突起が形成されている
請求項8に記載の遮断装置。
【請求項10】
前記突起における前記プッシャの移動方向の長さは、前記薄肉部の厚みよりも小さい
請求項9に記載の遮断装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、遮断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車等に搭載される電気回路に短絡電流等の過電流が流れる場合に、電気回路の一部を構成する導電体を切断することで大きな被害を未然に防止する遮断装置が検討されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、電気自動車や工作機械などの進歩により、遮断装置に求められる通電容量が増えてきている。通電容量を確保するためには、遮断装置の導電体の断面積を大きく必要がある。ここで、断面積の大きい導電体は、破断されるとアークを発生しやすくなる。また、アークは、導電体を切断した破断面を起点として広がりやすい。特に、広がるアークは、遮断装置の遮断不良や遮断装置そのものの破損を引き起こすおそれがある。
【0005】
そこで、本開示の目的は、導電体の切断時におけるアークの広がりを抑制できる遮断装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る遮断装置は、導電体と、前記導電体を保持し、当該導電体で隔てられた第一空間及び第二空間を有するホルダと、前記第一空間に配置されたプッシャと、前記プッシャを前記第一空間から前記第二空間へと移動させるための駆動源と、を備え、前記導電体は、前記第一空間及び前記第二空間を隔てる区画部と、前記区画部を挟んで当該区画部に連続する一対の埋設部と、を有し、前記一対の埋設部の少なくとも一方は、前記区画部に連続する薄肉部と、前記薄肉部に対し前記区画部と反対側で連続し、当該薄肉部よりも厚みの厚い厚肉部とを有する。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、導電体の切断時におけるアークの広がりを抑制可能な遮断装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施の形態に係る遮断装置の構成を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、実施の形態に係る遮断装置の構成を示す断面図である。
【
図3】
図3は、実施の形態に係る一対の埋設部及び区画部を示す平面図である。
【
図4】
図4は、
図2における破線で囲まれた領域を拡大して示す断面図である。
【
図5】
図5は、実施の形態における導電体が切断された後の状態を示す遮断装置の断面図である。
【
図6】
図6は、変形例1に係る導電体が切断された後の状態を示す遮断装置の断面図である。
【
図7】
図7は、変形例2に係るの底部形状を示す断面図である。
【
図8】
図8は、変形例3に係る導電体を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示の一態様に係る遮断装置は、導電体と、前記導電体を保持し、当該導電体で隔てられた第一空間及び第二空間を有するホルダと、前記第一空間に配置されたプッシャと、前記プッシャを前記第一空間から前記第二空間へと移動させるための駆動源と、を備え、前記導電体は、前記第一空間及び前記第二空間を隔てる区画部と、前記区画部を挟んで当該区画部に連続する一対の埋設部と、を有し、前記一対の埋設部の少なくとも一方は、前記区画部に連続する薄肉部と、前記薄肉部に対し前記区画部と反対側で連続し、当該薄肉部よりも厚みの厚い厚肉部とを有する。
【0010】
これによれば、導電体において一対の埋設部の少なくとも一方には、薄肉部と、薄肉部よりも厚みの厚い厚肉部とが設けられている。導電体が切断される際には、薄肉部に連続する区画部が切断されることになる。つまり、厚肉部よりも断面積が小さい箇所で切断されるので、アークの発生面積を小さくすることができる。したがって、アークの広がりを抑制することが可能である。
【0011】
また、前記薄肉部において前記第二空間側の主面は、前記厚肉部において前記第二空間側の主面よりも、前記第一空間側に配置されていてもよい。
【0012】
これによれば、導電体の薄肉部において第二空間側の主面が、厚肉部において第二空間側の主面よりも第一空間側に配置されている。つまり、導電体には、薄肉部の第二空間側に凹部が形成されることになる。この凹部にはホルダの一部が埋まっている。このため、プッシャが第一空間から第二空間へと移動して、区画部を第二空間に向けて押し込む際には、当該ホルダの一部をクサビのように作用させることができ、導電体の切断をスムーズに行うことが可能である。
【0013】
また、前記薄肉部は、当該薄肉部が前記厚肉部から延びる延設方向に交差する方向である幅方向での長さが、前記厚肉部の前記幅方向の長さよりも小さくてもよい。
【0014】
これによれば、薄肉部の幅方向の長さが、厚肉部の幅方向の長さよりの小さいので、プッシャにより切断される箇所の断面積をより小さくすることができる。つまり、アークの発生面積をより小さくできるので、アークの広がりをより抑制することが可能である。
【0015】
また、前記薄肉部と前記厚肉部との間の境界部は傾斜面を有してもよい。
【0016】
アークが発生したときや、第一空間から第二空間へとプッシャを移動させるために駆動源が動作したときには、ガスが発生する。これらのガスは、薄肉部とホルダとの隙間に侵入する。ここで、薄肉部と厚肉部との境界が段差状に形成されていると、その角部にガスが留まってしまい、ホルダを損傷させるおそれがある。本態様では、薄肉部と厚肉部との間の境界部に傾斜面を形成しているので、傾斜面に沿ってガスがスムーズに流れることとなり、ガスがホルダ内部で留まることを抑制できる。したがって、ガスを起因としたホルダの損傷を抑制できる。
【0017】
また、前記駆動源により、前記プッシャが前記導電体の前記区画部を切断して前記第一空間から前記第二空間へ移動した後の状態において、前記プッシャは、前記一対の埋設部のうち、一方に対向する第一対向部と、前記一対の埋設部のうち、他方に対向する第二対向部とを有し、前記プッシャの移動方向視において、前記第一対向部と前記第二対向部とを結ぶ前記プッシャの外表面上で最短の第一長さは、前記プッシャの移動方向に直交する方向視において、前記第一対向部、前記プッシャの底部及び前記第二対向部を結ぶ前記プッシャの外表面上で最短の第二長さよりも長くてもよい。
【0018】
これによれば、プッシャが第二空間に移動した状態では、第一長さが第二長さよりも長いので、アークは、第二長さをなす第一対向部、プッシャの底部及び第二対向部を結ぶ経路を通ろうとする。プッシャの底部の近傍にアークを抑制するための部材を配置しておけば、当該部材によりアークを抑制できる。したがって、アークの広がりをより抑制することができる。
【0019】
また、前記駆動源により前記プッシャが前記導電体の前記区画部を切断して前記第一空間から前記第二空間へ移動した後の状態において、前記プッシャは、前記一対の埋設部のうち、一方に対向する第一対向部と、前記一対の埋設部のうち、他方に対向する第二対向部とを有し、前記プッシャの移動方向視において、前記第一対向部と前記第二対向部とを結ぶ前記プッシャの外表面上で最短の第一長さは、前記プッシャの移動方向に直交する方向視において、前記第一対向部と、前記プッシャの底部に重なる前記区画部の底部と、前記第二対向部とを結ぶ、前記プッシャ及び前記区画部の外表面上で最短の第三長さよりも長くてもよい。
【0020】
これによれば、プッシャが第二空間に移動した状態では、第三長さが第二長さよりも長いので、アークは、第三長さをなす第一対向部とプッシャの底部に重なる区画部の底部と、第二対向部とを結ぶ経路を通ろうとする。切断後の区画部の近傍にアークを抑制するための部材を配置しておけば、当該部材によりアークを抑制できる。したがって、アークの広がりをより抑制することができる。
【0021】
また、前記区画部には、前記プッシャの移動方向視において、当該プッシャの外表面の外側に位置する溝が形成されていてもよい。
【0022】
これによれば、プッシャの移動方向視において、区画部にはプッシャの外表面の外側に位置する溝が形成されているので、プッシャが区画部を第二空間へと押し込む際には、溝を起点として区画部が切断されることになる。したがって、導電体の切断をスムーズに行うことが可能である。
【0023】
また、前記薄肉部には、前記プッシャの外表面に沿う溝が形成されていてもよい。
【0024】
これによれば、プッシャの外表面に沿う溝が薄肉部に形成されているので、溝がホルダに埋設されることになる。このため、導電体の切断箇所の断面積も溝によって小さくすることができ、アークの広がりをより抑制することも可能である。
【0025】
また、前記プッシャにおける底部には、前記溝に対応する箇所に、側方に向けて突出した突起が形成されていてもよい。
【0026】
これによれば、プッシャの底部において溝に対応する箇所には、側方に向けて突出した突起が形成されているので、突起を溝の近傍まで配置することができる。したがって、突起及び溝により、導電体をよりスムーズに切断することが可能である。
【0027】
また、前記突起における前記プッシャの移動方向の長さは、前記薄肉部の厚みよりも小さくてもよい。
【0028】
突起がプッシャの全長にわたって設けられていると、ホルダとプッシャ(突起)との間の間隙がプッシャに突起が形成されていない場合に比べて狭くなる。アークが発生するとき、遮断装置(ホルダ)内には大きな圧力が発生する。そのため、プッシャの全長にわたって突起が設けられていると、ホルダやプッシャは、発生した圧力により破損するおそれがある。そこで、本態様では、突起は、プッシャの移動方向の長さが、薄肉部の厚みよりも小さくなるように形成している。これにより、ホルダやプッシャの破断を抑制しつつも、プッシャの位置ずれを抑制しつつ、導電体を破断できる。。
【0029】
(実施の形態)
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態(その変形例も含む)に係る遮断装置について説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、製造工程、製造工程の順序等は、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。各図において、寸法等は厳密に図示したものではない。各図において、同一または同様な構成要素については同じ符号を付している。
【0030】
以下の説明及び図面中において、導電体の長手方向をX軸方向、導電体の幅方向をY軸方向、導電体の厚み方向をZ軸方向と定義する。これらX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向は、互いに交差(本実施の形態では直交)する方向である。なお、使用態様によってはZ軸方向が上下方向にならない場合も考えられるが、以下では説明の便宜のため、Z軸方向を上下方向として説明する。
【0031】
以下の説明において、X軸プラス方向とは、X軸の矢印方向を示し、X軸マイナス方向とは、X軸プラス方向とは反対方向を示す。単にX軸方向という場合は、X軸プラス方向及びX軸マイナス方向の双方向またはいずれか一方の方向を示す。Y軸方向及びZ軸方向についても同様である。平行及び直交などの、相対的な方向または姿勢を示す表現は、厳密には、その方向または姿勢ではない場合も含む。例えば、2つの方向が平行であるとは、当該2つの方向が完全に平行であることを意味するだけでなく、実質的に平行であること、すなわち、例えば数%程度の差異を含むことも意味する。
【0032】
[遮断装置の構成]
以下、実施の形態に係る遮断装置について説明する。まずは、実施の形態に係る遮断装置の構成について
図1及び
図2を参照しながら説明する。
図1は、実施の形態に係る遮断装置1の構成を示す斜視図である。
図2は、実施の形態に係る遮断装置1の構成を示す断面図である。
【0033】
遮断装置1は、ホルダ10と、導電体30と、プッシャ20と、駆動源40とを有している。ここで、遮断装置1は、例えば、自動車等の車両、家電等の電気製品等に搭載され、過電流が発生した場合に電気回路を遮断する電気回路遮断装置である。車両には、例えば、BEV(Battery Electric Vehicle)車両、PHEV(Plug-in Hybrid Vehicle)車両等の電池パックを備える車両が含まれる。なお、遮断装置1は、自動車、電気製品以外の電気回路を有する物体に搭載されてもよい。また、過電流とは、導電体30に通常では流れない高電流であり、例えば、他の機器に異常が発生したときに流れる異常電流である。
【0034】
ホルダ10は、プッシャ20、導電体30及び駆動源40を保持する部位である。ホルダ10は、導電体30及び駆動源40の一部を露出させた状態で、プッシャ20、導電体30及び駆動源40を収容している。ホルダ10の内部には、導電体30で隔てられた第一空間11及び第二空間12が形成されている。第二空間12内には、アークを冷却するための冷却部(図示省略)が配置されている。冷却部としては、例えば砂、アルミナ、水素ガス、オイル、スチールウール、ガラスウールなどが用いられる。
【0035】
具体的には、ホルダ10は、プッシャ20及び導電体30を保持する第一ホルダ110と、駆動源40を保持する第二ホルダ120と、移動したプッシャ20を受けるための第三ホルダ130と、第一ホルダ110、第二ホルダ120及び第三ホルダ130を覆うカバー部140とを有している。
【0036】
第一ホルダ110は、上ホルダ111と、下ホルダ112とを有しており、これらがZ軸方向に並んで配置されている。上ホルダ111は、導電体30の上方に配置され、Z軸方向(上下方向)に貫通した第一開口113を有する筒状の絶縁部材である。上ホルダ111の下端部には、全周にわたって外方に張り出した第一鍔部114が形成されている。
【0037】
下ホルダ112は、導電体30の下方に配置され、Z軸方向(上下方向)に貫通した第二開口115を有する筒状の絶縁部材である。下ホルダ112と上ホルダ111とによって導電体30は挟持されることで保持されている。第二開口115は、第一開口113と同軸上に配置されている。第二開口115の上部は下部よりも幅(内寸)が狭く形成されている。この第二開口115の上部をなす内周面と、第一開口113をなす内周面とは、Z軸方向視で概ね重なる形状となっている。下ホルダ112の上端部には、全周にわたって外方に張り出した第二鍔部116が形成されている。
【0038】
第二ホルダ120は、上ホルダ111の上方に重ねて配置された筒状の絶縁部材である。Z軸方向視において第二ホルダ120の中央部には、駆動源40がZ軸方向に貫通して嵌合している。また、第二ホルダ120の下面には、プッシャ20の上部が収容される凹部121が形成されている。
【0039】
第三ホルダ130は、下ホルダ112の下方に重ねて配置された筒状の絶縁部材である。Z軸方向において第三ホルダ130の中央部は閉塞されており、当該部位で、移動したプッシャ20を受け止める。
【0040】
カバー部140は、第一カバー141と第二カバー142とを有している。第一カバー141は、上ホルダ111及び第二ホルダ120を上方から覆っている。第一カバー141からは駆動源40が突出している。第一カバー141の周縁の上面には、板状の第一保護体161が取り付けられている。これにより、上ホルダ111の第一鍔部114の上面が、第一カバー141と第一保護体161により覆われている。
【0041】
第二カバー142は、下ホルダ112と第三ホルダ130とを下方から覆っている。第二カバー142の周縁の下面には、板状の第二保護体162が取り付けられている。これにより、下ホルダ112の第二鍔部116の下面が、第二カバー142と第二保護体162により覆われている。
【0042】
図1に示すように、第一保護体161、第一カバー141、上ホルダ111、下ホルダ112、第二カバー142及び第二保護体162には、各角部に固定孔163が形成されている。各固定孔163には図示しない締結具が取り付けられ、これにより第一保護体161、第一カバー141、上ホルダ111、下ホルダ112、第二カバー142及び第二保護体162が一体的に固定される。
【0043】
図2に示すように、プッシャ20は、円柱状の絶縁部材である。プッシャ20は、導電体30によって下方から支持されている。プッシャ20の上面には、駆動源40の下部が収容される収容凹部23が形成されている。
【0044】
駆動源40は、第一空間11にガスを発生させることで、プッシャ20を第二空間12に向けて駆動させるガス発生器である。駆動源40は、一対の電極ピンと、当該一対の電極ピンに接続された発熱素子と、発熱素子の近傍に配置された燃料(火薬)を有している。燃料は、プッシャ20の収容凹部23で駆動源40の下端部から露出している。一対の電極ピンが外部の制御機器の制御に基づいて通電されると、発熱素子が発熱し燃料を高温化させる。これにより燃料が燃焼して、収容凹部23内でガスが発生する。この発生したガスにより、プッシャ20が第一空間11から第二空間12に向けて移動する。つまり、プッシャ20は、導電体30の上方(Z軸プラス方向)から下方(Z軸マイナス方向)へと移動する。
【0045】
導電体30は、X軸方向に長尺な板状の導電部材であり、上面が全体として平坦状に形成されている。導電体30は、一対の先端部31と、一対の埋設部32と、区画部33とを有している。
【0046】
一対の先端部31は、第一ホルダ110から外方に突出した部位である。具体的には、一対の先端部31のうち、一方の先端部31がX軸マイナス方向の端部であり、他方の先端部31がX軸プラス方向の端部である。一対の埋設部32は、一対の先端部31よりもX軸方向の内方に位置する部位であり、それぞれ一対の先端部31に連続している。一対の埋設部32は、第一ホルダ110内に埋設されている。
【0047】
区画部33は、一対の埋設部32の間の部位であり、一対の埋設部32に連続している。区画部33は、第一空間11及び第二空間12を隔てるように、第一ホルダ110の内部空間に架け渡されている。
【0048】
図3は、実施の形態に係る一対の埋設部32及び区画部33を示す平面図である。
図3では、第一ホルダ110において第一空間11及び第二空間12の寸胴部分の内形を一点鎖線で図示し、プッシャ20の外形を破線で示している。ここで、第一ホルダ110の内部空間の外形と、プッシャ20の外形との隙間Sは、0.2mm以上、1.2mm以下である。
【0049】
図2及び
図3に示すように、各埋設部32は、区画部33に連続する薄肉部321と、薄肉部321に対して区画部33とは反対側で連続する厚肉部322とを有している。
【0050】
図2に示すように、薄肉部321の厚みt1(Z軸方向の長さ)は、厚肉部322の厚みt2よりも薄い。また、薄肉部321において第二空間12側の主面321a(下面)は、厚肉部322において第二空間12側の主面322a(下面)よりも、第一空間11側に配置されている。さらに、薄肉部321の主面321aと、厚肉部322の主面322aとの境界部には、傾斜面323が形成されている。傾斜面323は、薄肉部321から離れるにつれて下方へと向かう傾きで傾斜している。
【0051】
図3に示すように、薄肉部321は、当該薄肉部321が厚肉部322から延びる延設方向(X軸方向)に交差する方向である幅方向(Y軸方向)での長さW1が、厚肉部322の幅方向の長さW2よりも小さい。区画部33は、幅方向の長さが薄肉部321と同じ幅方向の長さW1で一様にX軸方向に延設されている。区画部33において薄肉部33との境界部分においては、断面形状が薄肉部33と概ね同等である。
【0052】
図4は、
図2における破線L1で囲まれた領域を拡大して示す断面図である。
図4に示すように、区画部33において第一空間11側の主面33a(上面)と、第二空間12側の主面33b(下面)とには、それぞれ第一溝331(溝)が形成されている。
図3に示すように、第一溝331は、区画部33のX軸方向の両端部に設けられている。第一溝331は、Z軸方向視(プッシャ20の移動方向視)においてプッシャ20の外表面の外側に配置されている。第一溝331は、プッシャ20の外表面に対応するように、X軸方向で外方に突出した曲線状に形成されている。プッシャ20が第一空間11から第二空間12へと移動する際には、各第一溝331が区画部33に形成されているために、これらの第一溝331を起点として区画部33が切断されることになる。
【0053】
[遮断装置の動作]
次に遮断装置1の動作について説明する。過電流の発生前、つまり正常時においては、遮断装置1は
図2に示す状態である。遮断装置1が搭載された車両または電気製品の電気回路に過電流が発生すると、遮断装置1の外部の制御機器の制御に基づいて、駆動源40の一対の電極ピンが通電される。これにより、駆動源40の発熱素子が発熱し燃料を高温化させる。燃料が燃焼して、収容凹部23内にガスが発生すると、プッシャ20が第一空間11から第二空間12に向けて移動する。この移動により、導電体30の区画部33が切断される。切断された区画部33は、プッシャ20とともに下降する移動する。
【0054】
区画部33の切断時にはアークが発生する。区画部33においてプッシャ20で切断される箇所は、その断面形状が概ね薄肉部321と同等である。上述したように薄肉部321は、厚肉部322よりも厚みが薄く、幅方向での長さも小さいために、切断箇所の断面積が厚肉部322よりも小さい。この切断箇所はアークの発生する箇所でもある。この切断箇所の断面積を小さくできれば、アークの発生面積を小さくすることができ、アークの広がりを抑制することが可能である。
【0055】
図5は、実施の形態における導電体30が切断された後の状態を示す遮断装置1の断面図である。
図5は
図2に対応する図である。より具体的には、
図5は、駆動源40によりプッシャ20が導電体30の区画部33を切断して第一空間11から第二空間12へ移動した後の状態を示している。この状態において、プッシャ20は、一対の埋設部32のうち、X軸マイナス方向の一方の埋設部32に対向する第一対向部21と、X軸プラス方向の他方の埋設部32に対向する第二対向部22とを有している。第一対向部21及び第二対向部22は、互いにX軸方向で反対側を向くプッシャ20の外表面の一部である。
図3に示すように、Z軸方向視(プッシャ20の移動方向視)において、第一対向部21と第二対向部22とを結ぶプッシャ20の外表面上で最短の長さを第一長さD1とする。この第一長さD1は、
図5に示すようにY軸方向視(プッシャ20の移動方向視に直交する方向視)においては、XY平面に沿った直線状となる。Y軸方向視において、第一対向部21、プッシャ20の底部及び第二対向部22を結ぶプッシャ20の外表面上で最短の長さを第二長さD2とする。第一長さD1は第二長さD2よりも長く設定されているとよい。アークは、短い経路を通過する特性があるため、切断により発生したアークは第二長さD2を通過することになる。第二長さD2を通過するアークは、冷却部の近傍を通ることで冷却され、よりアークの広がりが抑制されることになる。
【0056】
[効果等]
以上のように、上記実施の形態に係る遮断装置1によれば、導電体30と、導電体30を保持し、当該導電体30で隔てられた第一空間11及び第二空間12を有するホルダ10と、第一空間11に配置されたプッシャ20と、プッシャ20を第一空間11から第二空間12へと移動させるための駆動源40と、を備えている。導電体30は、第一空間11及び第二空間12を隔てる区画部33と、区画部33を挟んで当該区画部33に連続する一対の埋設部32と、を有している。一対の埋設部32の少なくとも一方は、区画部33に連続する薄肉部321と、薄肉部321に対し区画部33と反対側で連続し、当該薄肉部321よりも厚みの厚い厚肉部322とを有する。
【0057】
これによれば、導電体30において一対の埋設部32の少なくとも一方には、薄肉部321と、薄肉部321よりも厚みの厚い厚肉部322とが設けられている。導電体30が切断される際には、薄肉部321に連続する区画部33が切断されることになる。つまり、厚肉部322よりも断面積が小さい箇所で切断されるので、アークの発生面積を小さくすることができる。したがって、アークの広がりを抑制することが可能である。
【0058】
また、薄肉部321において第二空間12側の主面321aは、厚肉部322において第二空間12側の主面322aよりも、第一空間11側に配置されている。
【0059】
これによれば、導電体30の薄肉部321において第二空間12側の主面321aが、厚肉部322において第二空間12側の主面322aよりも第一空間11側に配置されているので、導電体30には、薄肉部321の第二空間12側に凹部が形成されることになる。この凹部には下ホルダ112の一部が埋まっている。このため、プッシャ20が第一空間11から第二空間12へと移動して、区画部33を第二空間12に向けて押し込む際には、当該下ホルダ112の一部をクサビのように作用させることができ、導電体30の切断をスムーズに行うことが可能である。
【0060】
また、薄肉部321は、当該薄肉部321が厚肉部322から延びる延設方向(X軸方向)に交差する方向である幅方向(Y軸方向)での長さW1が、厚肉部322の幅方向の長さW2よりも小さい。
【0061】
これによれば、薄肉部321の幅方向の長さW1が、厚肉部322の幅方向の長さW2よりの小さいので、プッシャ20により切断される箇所の断面積をより小さくすることができる。つまり、アークの発生面積をより小さくできるので、アークの広がりをより抑制することが可能である。
【0062】
また、薄肉部321と厚肉部322との間の境界部は傾斜面323を有する。
【0063】
アークが発生したときや、駆動源40が動作した際にはガスが発生する。これらのガスは、薄肉部321と下ホルダ112との隙間から下ホルダ112内に侵入する。ここで、薄肉部321と厚肉部322との境界が段差状に形成されていると、その角部にガスが留まってしまい、下ホルダ112を損傷させるおそれがある。本態様では、薄肉部321と厚肉部322との間の境界部に傾斜面323を形成しているので、傾斜面323に沿ってガスがスムーズに流れることとなり、ガスが下ホルダ112内部で留まることを抑制できる。したがって、ガスを起因とした下ホルダ112の損傷を抑制できる。
【0064】
また、駆動源40により、プッシャ20が導電体30の区画部33を切断して第一空間11から第二空間12へ移動した後の状態において、プッシャ20は、一対の埋設部32のうち、一方に対向する第一対向部21と、一対の埋設部32のうち、他方に対向する第二対向部22とを有している。プッシャ20の移動方向視(Z軸方向視)において、第一対向部21と第二対向部22とを結ぶプッシャ20の外表面上で最短の第一長さD1は、プッシャ20の移動方向に直交する方向視(Y軸方向視)において、第一対向部21、プッシャ20の底部及び第二対向部22を結ぶプッシャ20の外表面上で最短の第二長さD2よりも長い。
【0065】
これによれば、プッシャ20が第二空間12に移動した状態では、第一長さD1が第二長さD2よりも長いので、アークは、第二長さD2をなす第一対向部21、プッシャ20の底部及び第二対向部22を結ぶ経路を通ろうとする。プッシャ20の底部の近傍にアークを抑制するための部材(冷却部)を配置しておけば、当該部材によりアークを抑制できる。したがって、アークの広がりをより抑制することができる。
【0066】
また、第二空間12には、区画部33の切断を起因として発生したアークを冷却するための冷却部が設けられている。
【0067】
これによれば、区画部33の切断を起因として発生したアークを冷却するための冷却部が第二空間12に設けられているので、冷却部50によりアークを冷却でき、アークの広がりをより確実に抑制することができる。
【0068】
また、区画部33には、プッシャ20の移動方向視(Z軸方向視)において、当該プッシャ20の外表面の外側に位置する第一溝331が形成されている。
【0069】
これによれば、プッシャ20の移動方向視において、区画部33にはプッシャ20の外表面の外側に位置する第一溝331が形成されているので、プッシャ20が区画部33を第二空間12へと押し込む際には、第一溝331を起点として区画部33が切断されることになる。したがって、導電体30の切断をスムーズに行うことが可能である。
【0070】
また、第一ホルダ110の内部空間の外形と、プッシャ20の外形との隙間Sは、0.2mm以上、1.2mm以下であるので、アークがプッシャ20の外表面に対して周方向に回りにくくすることができる。したがって、遮断性能を高めることができる。
【0071】
(その他の実施の形態)
以上、上記実施の形態に係る遮断装置について説明したが、本開示は、この各実施の形態に限定されるものではない。本開示の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本開示に含まれてもよい。なお、以降の説明において上記実施の形態と同一の部分については同一の符号を付してその説明を省略する場合がある。
【0072】
例えば、上記実施の形態では、第一長さD1が第二長さD2よりも長い場合を例示した。しかしながら、第一長さD1は、他の基準長さよりも長くしてもよい。
図6は、変形例1に係る導電体30が切断された後の状態を示す遮断装置1の断面図である。
図6は
図5に対応する図である。この
図6においては、他の基準長さの一例である第三長さD3を示している。第三長さD3は、Y軸方向視で、第一対向部21と、プッシャ20の底部に重なる区画部33の底部と、第二対向部22とを結ぶ、プッシャ20及び区画部33の外表面上で最短の長さである。つまり、第一長さD1は、第三長さD3よりも長く設定されればよい。この場合、アークは、第三長さD3をなす第一対向部21と区画部33の底部(下面)と、第二対向部22とを結ぶ経路を通ろうとする。区画部33の底部は冷却部の直上に配置されているので、アークを冷却部により近づけることができる。したがって、アークの広がりをより抑制することができる。
【0073】
図7は、変形例2に係るプッシャ20Aの底部形状を示す断面図である。具体的には
図7は、
図4に対応する図である。
図7に示すように、プッシャ20Aの底部には、第一溝331に対応する箇所に、側方に向けて突出した突起25が形成されている。突起25は、Z軸方向視において第一溝331の全長にわたって連続的に設けられていてもよいし、断続的に設けられていてもよい。また突起25は、Z軸方向視において第一溝331の一部分に対向する位置にのみ設けられていてもよい。突起25においてZ軸方向の長さは、薄肉部321の厚みよりも小さい。
【0074】
このように、プッシャ20Aの底部において第一溝331に対応する箇所には、側方に向けて突出した突起25が形成されているので、当該突起25を第一溝331の近傍まで配置することができる。したがって、突起25及び第一溝331により、導電体30をよりスムーズに切断することが可能である。
【0075】
ここで、突起25がプッシャ20Aの全長にわたって設けられていると、第一ホルダ110とプッシャ20A(突起25)との間の間隙が、プッシャに突起が形成されていない場合に比べて狭くなる。アークが発生するとき、遮断装置1(ホルダ10)内には大きな圧力が発生する。そのため、プッシャ20Aの全長にわたって突起が設けられていると、第一ホルダ110やプッシャ20Aは、発生した圧力により破損するおそれがある。そこで本態様では、突起25は、プッシャ20Aの移動方向(Z軸方向)の長さが、薄肉部321の厚みよりも小さくなるように形成している。これにより、第一ホルダ110やプッシャ20Aの破断を抑制しつつも、プッシャ20Aの位置ずれを抑制しつつ、導電体30を破断できる。
【0076】
図8は、変形例3に係る導電体30bを示す断面図である。具体的には
図8は、
図7に対応する図である。
図8に示すように、変形例3では、導電体30bの区画部33には第一溝331が形成されておらず、薄肉部321bに第二溝331bが形成されている。具体的には、薄肉部321bの各主面には、プッシャ20Aの外表面に沿う第二溝331b(溝)が形成されている。このため各第二溝331bは、第一ホルダ110に埋設されている。このため、導電体30bの切断箇所の断面積も第二溝331bによって小さくすることができ、アークの広がりをより抑制することも可能である。
【0077】
また、上記実施の形態では、薄肉部321の幅方向の長さW1が、厚肉部322の幅方向の長さW2よりの小さい場合を例示したが、薄肉部の幅方向の長さと、厚肉部の幅方向の長さとが同等であってもよい。
【0078】
また、上記実施の形態では、上面が全体として平坦状であり、下面が凹凸構造を有する導電体30を例示した。しかしながら、下面が全体として平坦状であり、上面が凹凸構造を有する導電体であってもよい。つまり、この場合においては、薄肉部において第一空間11側の主面(上面)が、厚肉部において第一空間側の主面(上面)よりも、第二空間側に配置されることになる。
【0079】
また、上記実施の形態では、区画部33において第一空間11側の主面33a(上面)と、第二空間12側の主面33b(下面)とのそれぞれに第一溝331が設けられている場合を例示したが、第一溝は区画部における少なくとも一方の主面のみに形成されていてもよい。同様に、第二溝は薄肉部における少なくとも一方の主面のみに形成されていてもよい。また、区画部33に溝が形成されていなくてもよい。
【0080】
また、上記実施の形態では、一対の埋設部32のそれぞれが薄肉部321及び厚肉部322を有する場合を例示したが、一方の埋設部のみが薄肉部及び厚肉部を有していてもよい。
【0081】
上記実施の形態及びその変形例に含まれる構成要素を任意に組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0082】
本開示は、過電流発生時に電路を遮断する遮断装置に有用である。
【符号の説明】
【0083】
1 遮断装置
10 ホルダ
11 第一空間
12 第二空間
20、20A プッシャ
21 第一対向部
22 第二対向部
23 収容凹部
25 突起
30 導電体
31 先端部
32 埋設部
33 区画部
33a、33b、321a、322a 主面
40 駆動源
110 第一ホルダ
111 上ホルダ
112 下ホルダ
113 第一開口
114 第一鍔部
115 第二開口
116 第二鍔部
120 第二ホルダ
121 凹部
130 第三ホルダ
140 カバー部
141 第一カバー
142 第二カバー
161 第一保護体
162 第二保護体
163 固定孔
321 薄肉部
322 厚肉部
323 傾斜面
331 第一溝(溝)
331b 第二溝(溝)
D1 第一長さ
D2 第二長さ
D3 第三長さ
L1 破線
S 隙間
W1、W2 長さ