IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 沖電気工業株式会社の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023065232
(43)【公開日】2023-05-12
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 11/70 20060101AFI20230502BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20230502BHJP
   B26D 1/38 20060101ALI20230502BHJP
   B26D 5/00 20060101ALI20230502BHJP
【FI】
B41J11/70
G03G15/00 413
B26D1/38 G
B26D1/38 T
B26D5/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021175908
(22)【出願日】2021-10-27
(71)【出願人】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100096426
【弁理士】
【氏名又は名称】川合 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100116207
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 俊明
(72)【発明者】
【氏名】高橋 勉
【テーマコード(参考)】
2C058
2H072
【Fターム(参考)】
2C058AB03
2C058AB08
2C058AB16
2C058AC08
2C058AE04
2C058AE14
2C058AF06
2C058AF20
2C058AF51
2C058LA03
2C058LA24
2C058LB07
2C058LB19
2C058LB22
2C058LB24
2C058LC04
2C058LC12
2C058LC16
2C058LC24
2H072AA02
2H072AA07
2H072AA16
2H072AA22
2H072AB09
2H072CA01
2H072CB05
2H072DA05
2H072EA11
2H072HA04
2H072JA02
(57)【要約】
【課題】印刷媒体にジャムが発生したときに、印刷媒体が無用に消費されることがなく、画像形成装置の復旧時間を短くすることができるようにする。
【解決手段】複数のラベルが貼付された印刷媒体のラベルに画像を形成する印刷ユニットと、印刷ユニットに印刷媒体を供給するための媒体搬送路と、ロータリカッタから成るカッタユニットと、カッタユニットと印刷ユニットとの間に設定された弛み形成部と、ジャムが発生して印刷媒体の搬送が停止させられたときに、弛み形成部において弛みを形成しながら印刷ユニットへの印刷媒体の供給を継続するフィーダ搬送処理部Pr3と、印刷媒体の供給が継続されている間に、印刷媒体をカットするカット処理部Pr6とを有する。印刷媒体が搬送方向に対して斜めにカットされることがなく、印刷媒体が無用に消費されることがない。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)台紙上にギャップを挟んで複数のラベルが貼付された印刷媒体を搬送し、各ラベルに画像を形成する印刷ユニットと、
(b)該印刷ユニットに前記印刷媒体を供給するための媒体搬送路と、
(c)該媒体搬送路に配設されるロータリカッタから成り、前記印刷媒体をカットするカッタユニットと、
(d)該カッタユニットと前記印刷ユニットとの間に配設され、前記印刷媒体に弛みを形成する弛み形成部と、
(e)ジャムが発生して前記印刷ユニット内において前記印刷媒体の搬送が停止させられたときに、前記弛み形成部において弛みを形成しながら前記印刷ユニットへの前記印刷媒体の供給を継続するフィーダ搬送処理部と、
(f)前記印刷ユニットへの前記印刷媒体の供給が継続されている間に、前記カッタユニットによって印刷媒体をカットするカット処理部とを有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記カッタユニットは、前記印刷媒体の搬送方向に対して傾斜させて形成された刃先部を備えた回転刃、及び前記印刷媒体の搬送方向に対して傾斜させて配設された固定刃から成り、前記印刷媒体の搬送方向に対して直交する方向に印刷媒体をカットする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記カット処理部は、前記印刷媒体に設定されたカット禁止領域を回避して前記印刷媒体をカットする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記カット禁止領域は、ラベルの前縁及び後縁の近傍に形成される請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
(a)前記フィーダ搬送処理は、前記カット禁止領域の距離に基づいて、前記印刷媒体のカットが開始される位置がカット禁止領域から抜け出すのに必要な必要搬送量を算出し、
(b)前記カット処理部は、印刷媒体が必要搬送量搬送されると印刷媒体をカットする請求項3又は4に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、プリンタ、複写機、ファクシミリ装置、複合機等の画像形成装置、例えば、電子写真式のカラーのプリンタには画像形成ユニットが配設され、該画像形成ユニットにおいて、帯電ローラによって一様に帯電させられた感光体ドラムの表面がLEDヘッドによって露光されて静電潜像が形成され、該静電潜像が、トナーカートリッジから供給されたトナーによって現像されてトナー像が形成されるようになっている。そして、該トナー像が、転写ローラによって媒体としての印刷媒体に転写され、定着器において定着させられることによって印刷媒体に画像が形成され、印刷が行われる。
【0003】
ところで、複数のラベルが台紙に貼付されたダイカットラベル紙等のラベル紙を印刷媒体として使用して印刷を行うプリンタにおいては、ラベル紙が搬送される用紙搬送路にカッタユニットが配設され、該カッタユニットによってラベル紙が所望の長さにカットされるようになっている。
【0004】
カッタユニットには、ギロチン方式、サークルカッタ方式、ロータリ方式等の各種の切断方式のものがあるが、高速で印刷を行うプリンタにおいては、ラベル紙を搬送しながら、搬送方向に対して直交する方向にカットするために、一般にロータリ方式のカッタユニットが使用される。
【0005】
このような、ロータリ方式のカッタユニットを備えるプリンタにおいては、ラベル紙のジャムが発生すると、ラベル紙の搬送が停止させられ、ラベル紙が所定の箇所でカットされ、操作者によって取り出されるようになっている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2018-51995号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前記従来のプリンタにおいては、ラベル紙の搬送が停止させられた状態でラベル紙がカットされるので、ラベル紙が搬送方向に対して斜めにカットされ、ラベル紙が無用に消費されてしまう。
【0008】
また、ラベル紙がカットされるときに、台紙に貼付されたラベルが細切りされ、短い切片が台紙から剥がれ、プリンタの本体内に残留した場合、切片を取り出すのに時間がかかり、プリンタを復旧させるための時間、すなわち、復旧時間が長くなってしまう。
【0009】
本発明は、前記従来のプリンタの問題点を解決して、印刷媒体のジャムが発生しても印刷媒体が無用に消費されることがなく、画像形成装置の復旧時間を短くすることができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
そのために、本発明の画像形成装置においては、台紙上にギャップを挟んで複数のラベルが貼付された印刷媒体を搬送し、各ラベルに画像を形成する印刷ユニットと、該印刷ユニットに前記印刷媒体を供給するための媒体搬送路と、該媒体搬送路に配設されるロータリカッタから成り、前記印刷媒体をカットするカッタユニットと、該カッタユニットと前記印刷ユニットとの間に設定され、前記印刷媒体に弛みを形成する弛み形成部と、ジャムが発生して前記印刷ユニット内において前記印刷媒体の搬送が停止させられたときに、前記弛み形成部において弛みを形成しながら前記印刷ユニットへの前記印刷媒体の供給を継続するフィーダ搬送処理部と、前記印刷ユニットへの前記印刷媒体の供給が継続されている間に、前記カッタユニットによって印刷媒体をカットするカット処理部とを有する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、画像形成装置においては、台紙上にギャップを挟んで複数のラベルが貼付された印刷媒体を搬送し、各ラベルに画像を形成する印刷ユニットと、該印刷ユニットに前記印刷媒体を供給するための媒体搬送路と、該媒体搬送路に配設されるロータリカッタから成り、前記印刷媒体をカットするカッタユニットと、該カッタユニットと前記印刷ユニットとの間に設定され、前記印刷媒体に弛みを形成する弛み形成部と、ジャムが発生して前記印刷ユニット内において前記印刷媒体の搬送が停止させられたときに、前記弛み形成部において弛みを形成しながら前記印刷ユニットへの前記印刷媒体の供給を継続するフィーダ搬送処理部と、前記印刷ユニットへの前記印刷媒体の供給が継続されている間に、前記カッタユニットによって印刷媒体をカットするカット処理部とを有する。
【0012】
この場合、ジャムが発生して印刷ユニット内において印刷媒体の搬送が停止させられても、弛み形成部によって弛みを形成しながらフィーダ搬送処理部によって印刷ユニットへの印刷媒体の供給が継続されるので、印刷媒体が搬送方向に対して斜めにカットされることがなく、印刷媒体が無用に消費されることがない。
【0013】
また、ラベルの短い切片が台紙から剥がれ、画像形成装置の本体内に残留することがないので、切片を取り出す必要がなく、画像形成装置の復旧時間を短くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施の形態におけるフィーダユニットの制御ブロック図である。
図2】本発明の実施の形態におけるプリンタの概念図である。
図3】本発明の実施の形態における弛みセンサの動作を説明するための第1の図である。
図4】本発明の実施の形態における弛みセンサの動作を説明するための第2の図である。
図5】本発明の実施の形態における弛みセンサの動作を説明するための第3の図である。
図6】本発明の実施の形態におけるカッタ機構の概念図である。
図7】本発明の実施の形態におけるカッタ機構の要部斜視図である。
図8】本発明の実施の形態における回転刃を原点位置に置いたときのカッタ機構の状態及び刃先部と固定刃との関係を示す図である。
図9】本発明の実施の形態における回転刃を切断開始位置に置いたときのカッタ機構の状態及び刃先部と固定刃との関係を示す図である。
図10】本発明の実施の形態における回転刃を切断終了位置に置いたときのカッタ機構の状態及び刃先部と固定刃との関係を示す図である。
図11】本発明の実施の形態における回転刃を原点位置に復帰させたときのカッタ機構の状態及び刃先部と固定刃との関係を示す図である。
図12】本発明の実施の形態における印刷ユニットの制御ブロック図である。
図13】本発明の実施の形態における透過型センサのセンサ出力を使用してラベル紙情報を取得する方法を説明するための図である。
図14】本発明の実施の形態における反射型センサのセンサ出力を使用してラベル紙情報を取得する方法を説明するための図である。
図15】本発明の実施の形態におけるラベル紙情報に基づいてラベル紙に設定されたカット禁止領域の例を示す図である。
図16】本発明の実施の形態におけるラベル紙のジャムが発生したときのフィーダ制御部の動作を示すフローチャートである。
図17】本発明の実施の形態におけるラベル管理部の動作を示すフローチャートである。
図18】本発明の実施の形態におけるラベル先端位置管理初期化処理のサブルーチンを示す図である。
図19】本発明の実施の形態におけるラベル先端位置初期化処理のサブルーチンを示す図である。
図20】本発明の実施の形態における搬送中ラベル枚数更新処理のサブルーチンを示す図である。
図21】本発明の実施の形態におけるラベル先端位置記憶オフセット更新処理のサブルーチンを示す図である。
図22】本発明の実施の形態におけるラベル先端位置更新処理のサブルーチンを示す図である。
図23】本発明の実施の形態における必要搬送量算出処理のサブルーチンを示す図である。
図24】本発明の実施の形態におけるラベル紙の搬送状態を説明するための第1の図である。
図25】本発明の実施の形態におけるラベル紙の搬送状態を説明するための第2の図である。
図26】本発明の実施の形態におけるラベル紙の搬送状態を説明するための第3の図である。
図27】本発明の実施の形態におけるラベル紙の搬送状態を説明するための第4の図である。
図28】本発明の実施の形態におけるラベル紙の搬送状態を説明するための第5の図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。この場合、画像形成装置としてのプリンタについて説明する。
【0016】
図2は本発明の実施の形態におけるプリンタの概念図である。
【0017】
図において、10は、印刷媒体としての長尺状の用紙、本実施の形態においては、ラベル媒体としてのラベル紙Pに対して印刷を行うプリンタである。
【0018】
本実施の形態において、前記ラベル紙Pは、後述される基材層としての台紙PP(図13)上にギャップを挟んで、すなわち、所定の距離を置いて複数のラベルLPが貼付されたダイカットラベル紙から成る。なお、ダイカットラベル紙は、カス取りがされ、台紙PPを露出させることによって形成される。
【0019】
前記プリンタ10は、ラベル紙Pを搬送し、各ラベルLPに画像を形成する印刷ユニット20、ラベル紙Pを印刷ユニット20に供給する給紙部としてのフィーダユニットFd、及びラベル紙PをフィーダユニットFdに供給するロール紙ホルダRhを備える。
【0020】
そして、Csは印刷ユニット20の筐体、Bdは、印刷ユニット20の本体、すなわち、装置本体、Q1は、装置本体Bdの上部に配設され、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック及び特色としてのホワイトの画像形成ユニット12Y、12M、12C、12Bk、12W、並びに露光装置としてのLEDヘッドHdから成る画像形成部、uは該画像形成部Q1の下方に配設された転写ユニット、31は定着装置としての定着器、M1は、各画像形成ユニット12Y、12M、12C、12Bk、12Wに配設された像担持体としての感光体ドラム13を回転させる画像形成用の駆動部としてのドラムモータである。
【0021】
前記転写ユニットuは、第1のローラとしての駆動ローラr1、第2のローラとしての従動ローラr2、第3のローラとしてのバックアップローラr3、前記駆動ローラr1、従動ローラr2及びバックアップローラr3によって画像形成ユニット12Y、12M、12C、12Bk、12Wに沿って走行自在に張設された中間転写媒体としての転写ベルト21、該転写ベルト21を介して前記感光体ドラム13と対向させて配設された第1の転写部材としての、かつ、第1の転写ローラとしての一次転写ローラ22、転写ベルト21を介して前記バックアップローラr3と対向させて配設された第2の転写部材としての、かつ、第2の転写ローラとしての二次転写ローラ23等を備える。前記感光体ドラム13と一次転写ローラ22との間に一次転写部が構成され、バックアップローラr3と二次転写ローラ23との間に二次転写部が構成される。また、M2は転写ベルト21を走行させるための転写用の駆動部としての転写モータである。
【0022】
前記定着器31は、第1の定着部材としての加熱ベルト32、第2の定着部材としての加圧ベルト33等を備え、前記加熱ベルト32内に加熱源としてのヒータ34が配設される。また、M3は、加圧ベルト33及び加熱ベルト32を走行させるための定着用の駆動部としての定着モータである。
【0023】
そして、HzはフィーダユニットFdのハウジング、Tnは、該ハウジングHzからロール紙ホルダRh側に向けて突出させて揺動自在に配設され、揺動に伴ってラベル紙Pに所定のテンションを付与するテンションバー、CuはハウジングHzに対して着脱自在に配設されたカッタユニット、M4は、ロール紙ホルダRhからラベル紙Pを繰り出し、印刷ユニット20に供給する繰出用の駆動部としての、かつ、給紙モータとしてのフィーダモータ、M5は、ラベル紙Pをロール紙ホルダRhに巻き取るための巻取用の駆動部としての巻取モータである。
【0024】
前記カッタユニットCuは、ロータリカッタから成り、第1のカット部材としての回転刃41、第2のカット部材としての固定刃42等から成るカッタ機構Cm、回転刃41を回転させるカット用の駆動部としてのカットモータM6等を備える。
【0025】
前記ロール紙ホルダRhは、回転自在に配設された繰出機Spを備え、該繰出機Spに、前記ラベル紙Pをロール状に巻くことによって形成されたロール媒体としてのロール紙14が装填される。前記フィーダモータM4が駆動されると、ラベル紙Pが、ロール紙ホルダRhから繰り出され、前記テンションバーTnによって所定のテンションが付与された後、前記ハウジングHzに形成された給紙口hinからフィーダユニットFd内に送られ、第1、第2の搬送部材としての搬送ローラ対m1、m2によって媒体搬送路としての用紙搬送路Rt1を搬送される。
【0026】
該用紙搬送路Rt1は、ラベル紙Pの搬送方向における最も上流側においてハウジングHzに形成された給紙口hinと、最も下流側において筐体Csに形成された排出口houとの間に延在させて形成される。そして、用紙搬送路Rt1における前記給紙口hinより下流側に、ロール紙ホルダRhから繰り出されたラベル紙Pの有無を検出する給紙判断用の媒体検出部としての、かつ、給紙センサとしてのペーパエンドセンサs1が配設され、該ペーパエンドセンサs1より下流側に前記搬送ローラ対m1が配設され、該搬送ローラ対m1より下流側に、カッタユニットCuに供給されるラベル紙PのラベルLPの前縁(ラベルエッジ)を検出する透過型の媒体検出部としての第1のカッタインセンサs2、及びラベル紙Pの裏面に形成された識別指標としての後述されるブラックマークBm(図14)を検出することによってラベルLPの前縁(ラベルエッジ)を検出する反射型の媒体検出部としての第2のカッタインセンサs3が、ラベル紙Pの幅方向において互いに隣接させて配設される。
【0027】
前記カッタユニットCu内には、スリットを検出することによって回転刃41の回転位置を検出するカッタスリットセンサs4が回転刃41と対向させて配設され、前記カッタ機構Cmより下流側には前記搬送ローラ対m2が配設される。
【0028】
また、前記フィーダユニットFd内におけるカッタユニットCuより下流側に、ラベル紙Pにおいて弛みが形成される弛み形成部Ar1が設定され、該弛み形成部Ar1に、ラベル紙Pに形成された弛みを検出する弛み検出用の媒体検出部としての弛みセンサs5が配設され、該弛みセンサs5より下流側に、カッタユニットCuから排出されたラベル紙Pの後端を検出する媒体検出部としてのカッタアウトセンサs6が配設される。
【0029】
また、前記装置本体Bd内には、切断されたラベル紙Pを搬送する第3の搬送部材としての搬送ローラ対m3が配設され、該搬送ローラ対m3より下流側に、ラベル紙Pの有無を検出する媒体検出部としてのラベル紙有無センサs7が配設され、該ラベル紙有無センサs7より下流側に第4の搬送部材としての搬送ローラ対m4が配設され、該搬送ローラ対m4より下流側に、用紙搬送路Rt1におけるラベル紙Pの前縁を検出する媒体選出部としてのラベル紙位置センサs8が配設され、該ラベル紙位置センサs8より下流側に第5の搬送部材としての搬送ローラ対m5が配設され、該搬送ローラ対m5より下流側に、前記二次転写部に供給されるラベル紙Pの書出位置を検出する位置検出用の媒体検出部としての書出センサs9が配設され、該書出センサs9より下流側に前記二次転写部が形成され、該二次転写部より下流側に、定着器31に供給されるラベル紙Pの弛みを検出する弛み検出用の媒体検出部としての弛みセンサs10が配設され、該弛みセンサs10より下流側に前記定着器31が配設され、該定着器31より下流側に、定着器31から排出されたラベル紙Pを検出する定着器出口センサs11が配設され、該定着器出口センサs11より下流側に、ラベル紙Pを排出口houを介して装置本体Bd外に排出する第6の搬送部材としての排出ローラ対m6が配設され、該排出ローラ対m6より下流側に、装置本体Bd外に排出されるラベル紙Pを検出する排出用の媒体検出部としての排出センサs12が配設される。
【0030】
さらに、装置本体Bdには、フィーダモータM4とは独立に駆動され、搬送ローラ対m1~m5及び排出ローラ対m6を回転させ、印刷ユニット20内においてラベル紙Pを搬送する第2の搬送用の駆動部としての搬送モータM7が配設される。
【0031】
該搬送モータM7が駆動されると、フィーダユニットFdから印刷ユニット20に供給されたラベル紙Pが搬送ローラ対m3~m5によって用紙搬送路Rt1を搬送される。
【0032】
一方、各画像形成ユニット12Y、12M、12C、12Bk、12Wにおいて、ドラムモータM1が駆動され、感光体ドラム13が回転させられ、感光体ドラム13の表面が、帯電装置としての図示されない帯電ローラによって一様に帯電させられ、前記LEDヘッドHdによって感光体ドラム13が露光され、感光体ドラム13の表面に潜像としての静電潜像が形成される。そして、現像剤収容部としての図示されないトナーカートリッジ内の現像剤としてのトナーが、現像剤担持体としての図示されない現像ローラに供給され、前記静電潜像に付着させられ、感光体ドラム13の表面に各色のトナー像が形成される。
【0033】
続いて、転写モータM2が駆動されると、転写ベルト21が走行させられ、前記一次転写部において、各感光体ドラム13上の各色のトナー像が一次転写ローラ22によって転写ベルト21に順次重ねて転写され、転写ベルト21上にカラーのトナー像が形成される。
【0034】
そして、印刷ユニット20に送られたラベル紙Pは、搬送ローラ対m3~m5によって搬送されて二次転写部に送られ、該二次転写部において、転写ベルト21上のカラーのトナー像がラベル紙Pの各ラベルLPに転写される。
【0035】
なお、搬送ローラ対m3によって搬送されたラベル紙Pの前縁がラベル紙有無センサs7に到達したときの、転写ベルト21上のカラーのトナー像の前縁から二次転写部までの距離が、用紙搬送路Rt1上のラベル紙有無センサs7と二次転写部との間の距離より長くなるように転写ユニットuの仕様が設定される。続いて、搬送モータM7によってラベル紙Pの搬送速度が調整され、ラベル紙Pの前縁が二次転写部に到達するタイミングでカラーのトナー像の前縁が二次転写部に到達する。
【0036】
そして、ラベル紙Pが定着器31に送られ、該定着器31において、各ラベルLP上のカラーのトナー像が、加熱ベルト32によって加熱され、加圧ベルト33によって加圧されてラベルLPに定着させられる。このようにして、ラベルLPにカラーの画像が形成される。
【0037】
ラベルLPにカラーの画像が形成されたラベル紙Pは、用紙搬送路Rt1に沿って搬送され、排出ローラ対m6によって排出口houから装置本体Bd外に排出される。
【0038】
次に、前記弛みセンサs5、s10について説明する。なお、弛みセンサs5、s10の構造は同じであるので、弛みセンサs5についてだけ説明する。
【0039】
図3は本発明の実施の形態における弛みセンサの動作を説明するための第1の図、図4は本発明の実施の形態における弛みセンサの動作を説明するための第2の図、図5は本発明の実施の形態における弛みセンサの動作を説明するための第3の図である。
【0040】
図において、Rt1は用紙搬送路、Ar1は弛み形成部、m2、m3は搬送ローラ対、Pはラベル紙、s5は弛みセンサである。
【0041】
該弛みセンサs5は、用紙搬送路Rt1より下方に、シャフトsh1を揺動中心として揺動自在に配設されたセンサバー35、シャフトsh1に外嵌させて配設され、センサバー35を時計周り方向に付勢し、センサバー35におけるシャフトsh1より下流側に形成された第1の腕部35aの突起部36をラベル紙Pに押し付ける付勢部材としての図示されないトーションばね、及びセンサバー35におけるシャフトsh1より上流側に形成された第2の腕部35bと対向させて配設され、ラベル紙Pの弛みを表す弛み信号を生成する信号出力部37を備える。
【0042】
フィーダモータM4(図2)を駆動することによってフィーダユニットFd内でラベル紙Pを搬送する搬送速度をvfとし、搬送モータM7を駆動することによって印刷ユニット20内でラベル紙Pを搬送する搬送速度をvpとしたとき、搬送速度vfが搬送速度vp以下である場合、図3に示されるように、ラベル紙Pに弛みが形成されず、ラベル紙Pが引っ張られた状態になり、搬送速度vfが搬送速度vpより適正な値だけ高い場合、図4に示されるように、ラベル紙Pに適正な弛みが形成され、搬送速度vfが搬送速度vpより過剰に高い場合、図5に示されるように、ラベル紙Pに過剰な弛みが形成される。
【0043】
前記弛みセンサs5によって、ラベル紙Pに形成された弛みが検出され、弛みの大きさに応じたセンサ出力が発生させられると、センサ出力に基づいてフィーダモータM4の駆動速度が変更され、搬送速度vfが変更され、適正な弛みが形成される。
【0044】
次に、前記カッタ機構Cmについて説明する。
【0045】
図6は本発明の実施の形態におけるカッタ機構の概念図、図7は本発明の実施の形態におけるカッタ機構の要部斜視図である。
【0046】
カッタ機構Cmは、前記フィーダユニットFd(図2)のハウジングHzに対して矢印A方向に回転自在に配設された前記回転刃41、ハウジングHzに対して固定された前記固定刃42、カッタ機構Cmを用紙搬送路Rt1の上流側から見たときの回転刃41の左端側に配設され、回転刃41の回転位置を検出するための回転位置検出部61、該回転位置検出部61の更に左端側に配設され、前記回転刃41にカットモータM6の回転を伝達する回転伝達部65、該回転伝達部65の更に左端側に配設され、回転刃41を回転方向における原点に復帰させる原点復帰機構部71等を備える。なお、前記回転刃41及び固定刃42は寿命になると交換することができるように着脱自在に配設される。
【0047】
回転刃41は、ラベル紙Pの搬送方向に対して直交する方向、すなわち、幅方向に延在させて回転自在に配設されたシャフトsh2、円柱形の形状を有し、シャフトsh2を包囲して形成された基部44、及び該基部44の周方向における所定の箇所において外周面Saから立ち上げて、かつ、基部44の両端間に延在させて螺旋状に、すなわち、ラベル紙Pの搬送方向に対して傾斜させて形成された刃先部45等を備える。
【0048】
また、固定刃42は、刃先部45と同様にラベル紙Pの搬送方向に対して傾斜させて配設される。したがって、回転刃41をシャフトsh2を回転中心にして矢印A方向に回転させると、刃先部45が固定刃42に沿って周期的に摺動させられ、刃先部45と固定刃42とによってラベル紙Pが挟持され、剪断応力が加えられ、ラベル紙Pが搬送方向に対して直交する方向にカットされる。
【0049】
このとき、カットされたラベル紙Pの切断縁の幅方向に対する角度は、ラベル紙Pの搬送速度と回転刃41の回転速度との比率により変動する。
【0050】
前記回転位置検出部61は、円盤状の形状を有し、前記シャフトsh2を回転中心として回転刃41と一体に回転させられる回転部材としてのスリットディスク62、及び該スリットディスク62の外周縁の所定の箇所と対向させて配設され、回転刃41の回転位置を検出する回転位置検出部としての、光センサから成るスリットセンサ63を備える。そして、前記スリットディスク62の外周縁における所定の角度の領域にわたり、扇状の形状を有する切欠溝としてのスリット64が形成される。該スリット64は、回転刃41の回転方向における下流側において径方向に延びる始端縁64s、及び回転刃41の回転方向における上流側において径方向に延びる終端縁64eを備える。
【0051】
本実施の形態においては、回転刃41の回転に伴って、スリットセンサ63が始端縁64sを検出すると、ラベル紙Pのカットの開始位置が検出され、スリットセンサ63が終端縁64eを検出すると、ラベル紙Pのカットの終了位置が検出されるようになっている。
【0052】
前記回転伝達部65は、入力ギヤgri、出力ギヤgro及び図示されない係脱部から成る断続装置としての電磁クラッチ66、該電磁クラッチ66の出力ギヤgroと噛合させられる駆動ギヤgr1、並びに前記シャフトsh2を回転中心として前記回転刃41と一体に回転させられ、駆動ギヤgr1と噛合させられる回転刃ギヤgr2を備え、カッタモータM6の出力軸sh3と前記入力ギヤgriとが噛合させられる。
【0053】
前記原点復帰機構部71は、Dカットローラ72、該Dカットローラ72の上方において、Dカットローラ72と当接させて進退自在に配設された当接部材73、該当接部材73と対向させてフィーダユニットFdのハウジングHzに固定して配設された基部材74、前記当接部材73と基部材74との間に配設され、当接部材73をDカットローラ72に向けて付勢する付勢部材としての圧縮スプリングSpr等を有する。
【0054】
前記Dカットローラ72は、円盤状の平板部材から成り、外周面の所定の箇所におけるシャフトsh2から所定の距離離れた箇所が切り欠かれることによって「D」字形状にされるとともに、シャフトsh2に対して直交する方向に延びる平坦面72Sが形成され、前記シャフトsh2を回転中心として前記回転刃41と一体に回転させられる。
【0055】
前記当接部材73が平坦面72Sと当接させられると、回転刃41が原点位置に復帰させられ、このとき、回転刃41の刃先部45も同様に、固定刃42に対する初期位置、すなわち原点位置に置かれる。なお、原点復帰機構部71は、回転刃41が停止させられると、回転刃41を、原点位置に復帰させ、原点位置に保持するようになっている。
【0056】
次に、回転刃41を回転させたときのカッタ機構Cmの状態及び刃先部45と固定刃42との関係について説明する。
【0057】
図8は本発明の実施の形態における回転刃を原点位置に置いたときのカッタ機構の状態及び刃先部と固定刃との関係を示す図、図9は本発明の実施の形態における回転刃を切断開始位置に置いたときのカッタ機構の状態及び刃先部と固定刃との関係を示す図、図10は本発明の実施の形態における回転刃を切断終了位置に置いたときのカッタ機構の状態及び刃先部と固定刃との関係を示す図、図11は本発明の実施の形態における回転刃を原点位置に復帰させたときのカッタ機構の状態及び刃先部と固定刃との関係を示す図である。なお、図8(a)~11(a)はカッタ機構Cmの要部を示す図、図8(b)~11(b)は刃先部45と固定刃42との関係を示す図である。
【0058】
図において、41は回転刃、42は固定刃、45は刃先部、61は回転位置検出部、62はスリットディスク、63はスリットセンサ、64はスリット、71は原点復帰機構部、72はDカットローラ、73は当接部材、74は基部材、Sprは圧縮スプリングである。
【0059】
カッタモータM6(図6)が駆動されると、回転刃41、スリットディスク62及びDカットローラ72は矢印A方向に回転させられる。前記刃先部45は、回転刃41の円周方向におけるほぼ90〔°〕の領域にわたって螺旋状に形成され、回転刃41が回転させられると、刃先前縁45sから刃先後縁45eまで接触位置を変えながら固定刃42と摺動させられる。
【0060】
図8に示されるように、回転刃41が原点位置に置かれると、刃先部45は固定刃42から回転方向においてほぼ180〔°〕離れた位置に置かれ、スリットディスク62のスリット64は、スリットセンサ63から回転方向においてほぼ180〔°〕離れた位置に置かれる。また、圧縮スプリングSprの付勢力で当接部材73がDカットローラ72の平坦面72Sに当接させられる。
【0061】
回転刃41が矢印A方向に回転させられ、図9に示されるように切断開始位置に置かれると、刃先部45の刃先前縁45sが固定刃42に当接し、刃先部45と固定刃42との摺動が開始される。このとき、スリットセンサ63はスリット64の始端縁64sを検出する。また、圧縮スプリングSprの付勢力に抗して当接部材73が基部材74側に押され、Dカットローラ72の平坦面72Sから離れ、外周面に当接させられる。
【0062】
回転刃41が更に矢印A方向に回転させられ、図10に示されるように切断終了位置に置かれると、刃先部45の刃先後縁45eが固定刃42に当接し、刃先部45と固定刃42との摺動が終了される。このとき、スリットセンサ63はスリット64の終了縁64eを検出する。
【0063】
回転刃41が切断開始位置から切断終了位置まで回転させられる間、刃先部45と固定刃42との当接によって形成される切断点が刃先前縁45sから刃先後縁45eまで移動し、ラベル紙Pをカットする。
【0064】
回転刃41が更に矢印A方向に回転させられ、図11に示されるように原点位置に復帰させられると、刃先部45が固定刃42から回転方向においてほぼ180〔°〕離れた位置に置かれ、スリットディスク62のスリット64はスリットセンサ63から回転方向においてほぼ180〔°〕離れた位置に置かれる。また、圧縮スプリングSprの付勢力で当接部材73がDカットローラ72の平坦面72Sに当接させられる。
【0065】
ところで、印刷ユニット20(図2)内において印刷が行われているときにラベル紙Pのジャムが発生した場合、ラベル紙Pの搬送を停止させた状態でラベル紙Pをカットすると、ラベル紙Pが搬送方向に対して斜めにカットされ、ラベル紙Pが無用に消費されてしまう。
【0066】
また、後述される台紙PP(図13)に貼付されたラベルLPの短い切片が台紙PPから剥がれ、装置本体Bd内に残留すると、切片を取り出すのが困難になり、プリンタ10の復旧時間が長くなってしまう。
【0067】
そこで、本実施の形態においては、印刷ユニット20内においてラベル紙Pのジャムが発生し、搬送モータM7によるラベル紙Pの搬送が停止させられたときに、前記弛み形成部Ar1において弛みを形成しながら印刷ユニット20へのラベル紙Pの供給が継続されるようになっている。
【0068】
また、ラベルLPにカット禁止領域が設定され、該カット禁止領域ではラベル紙Pがカットされないようにされる。
【0069】
次に、プリンタ10の制御装置について説明する。
【0070】
まず、フィーダユニットFdの制御装置について説明する。
【0071】
図1は本発明の実施の形態におけるフィーダユニットの制御ブロック図である。
【0072】
図において、Fdはフィーダユニット、50は該フィーダユニットFdの全体の制御を行うフィーダ制御部、51は、該フィーダ制御部50と後述される主制御部80(図12)及びフィーダ部Fdの各部位との間でデータの送受信を行ったりするための通信部としてのUART-I/F部、53は第1の記憶部としてのROM(Read Only Memory)、54は第2の記憶部としてのRAM(Ramdom Access Memory)である。なお、本実施の形態においては、前記ROM53として、書換え可能なフラッシュROM等が使用される。
【0073】
また、s1はペーパエンドセンサ、s2は第1のカッタインセンサ、s3は第2のカッタインセンサ、s4はカッタスリットセンサ、s5は弛みセンサ、s6はカッタアウトセンサである。
【0074】
前記フィーダ制御部50は、図示されない演算装置としてのCPU、入出力ポート、タイマ等を備え、フィーダユニットFdの全体の制御を行うとともに、ROM53に記録されたプログラム(ソフトウェア)、制御データ等に基づいて各種の処理を行う。
【0075】
前記ROM53には、前記プログラムのほかに、フィーダ制御部50が前記各種の処理を行うために必要な設定値、閾値等が記録される。
【0076】
前記RAM54には、ラベル紙P上の第1、第2のカッタインセンサs2、s3の位置、すなわち、後述されるカッタインセンサ位置ST1(図24)から、電磁クラッチ66がオンにされ、カッタユニットCuによるカット動作が起動される位置、すなわち、カット動作起動位置ST2までのラベル紙Pの搬送距離LA内にLN〔枚〕のラベルLPが入る場合、ラベルLPの枚数LN、及び各ラベルLPのラベル先端位置TOP(N)が記録される。なお、RAM54は、前記CPUが演算を行う際にワークエリアとして機能する。
【0077】
また、前記フィーダ制御部50は、ラベル紙情報管理部Pr1、イニシャル処理部Pr2、フィーダ搬送処理部Pr3、センサ読取制御部Pr4、弛み制御部Pr5、カット処理部Pr6、ラベル管理部Pr7等を備える。
【0078】
前記ラベル紙情報管理部Pr1は、ラベル紙情報管理処理を行い、第1、第2のカッタインセンサs2、s3のセンサ出力に基づいて、ラベルLPの後述される前縁feg(図13)、後縁reg、ブラックマークBm(図14)等を検出して、ラベル紙Pの搬送方向におけるラベルLPの長さを表すラベル長LL(図15)、各ラベルLP間の距離を表すギャップ長LE等のラベル紙情報を計測し、RAM54に記録する。また、ラベル紙情報管理部Pr1は、後述される前縁カット禁止領域Lmfの距離D1、後縁カット禁止領域Lmrの距離D2及びギャップカット禁止領域Lmqの距離D3等を設定し、RAM54に記録する。
【0079】
前記イニシャル処理部Pr2は、イニシャル処理を行い、フィーダユニットFdに配設されたフィーダモータM4、巻取モータM5及びカットモータM6を初期化したり、ペーパエンドセンサs1、第1、第2のカッタインセンサs2、s3、カッタスリットセンサs4、弛みセンサs5及びカッタアウトセンサs6のセンサ出力を読み込み、フィーダ制御部50に送ったりする。
【0080】
前記フィーダ搬送処理部Pr3は、フィーダ搬送処理を行い、フィーダモータM4を駆動し、フィーダユニットFdにおいてラベル紙Pを搬送する。
【0081】
前記センサ読取制御部Pr4は、センサ読取制御処理を行い、ペーパエンドセンサs1、第1、第2のカッタインセンサs2、s3、カッタスリットセンサs4、弛みセンサs5、カッタアウトセンサs6等のセンサ出力を読み込む。
【0082】
前記弛み制御部Pr5は、弛み制御処理を行い、弛み形成部Ar1内のラベル紙Pに適正な弛みが形成されるように、フィーダモータM4を駆動し、ラベル紙Pの搬送速度vfを設定する。なお、印刷ユニット20においてラベル紙Pのジャムが発生した場合、弛み制御部Pr5は、弛み制御処理を行わず、フィーダモータM4の駆動を停止させることなく継続し、ラベル紙Pに所定の弛みを形成する。
【0083】
前記カット処理部Pr6は、カット処理を行い、図示されない上位装置としてのホストコンピュータからの指示に基づいて、カットモータM6を駆動し、ラベル紙Pを、所定の長さになるように所定の位置でカットし、印刷ユニット20に送る。また、カット処理部Pr6は、ラベル紙Pに設定されたカット禁止領域Lmf、Lmr、Lmqを回避してラベル紙Pをカットする。
【0084】
前記ラベル管理部Pr7は、ラベル管理処理を行い、各ラベルLPの前縁fegが検出された後のラベル先端位置TOP(N)をフィーダモータM4の駆動パルスによって管理する。ラベル先端位置TOP(N)は、第1、第2のカッタインセンサs2、s3が前縁fegを検出してからのフィーダモータM4の駆動パルス数に、駆動パルスごとのラベル紙Pの単位搬送距離を乗算することによって算出される。
【0085】
次に、プリンタ10の制御装置について説明する。
【0086】
図12は本発明の実施の形態における印刷ユニットの制御ブロック図である。
【0087】
図において、20は印刷ユニット、80はプリンタ10の全体の制御を行う主制御部、81は、プリンタ10をホストコンピュータに接続し、該ホストコンピュータから、印刷データ、コマンド等を受信したり、プリンタ10のステータス情報をホストコンピュータに送信したりするとともに、主制御部80と前記フィーダ制御部50(図1)及び印刷ユニット20(図2)の各部位との間でデータの送受信を行ったりするための通信部としてのUART-I/F部、83は第3の記憶部としてのROM(Read Only Memory)、84は第4の記憶部としてのRAM(Ramdom Access Memory)、56は操作・表示部としての操作パネルである。なお、本実施の形態においては、前記ROM83として、書換え可能なフラッシュROM等が使用される。
【0088】
そして、60は、前記印刷ユニット20においてラベル紙Pを搬送し、ラベル紙Pの各ラベルLP(図13)に画像を形成して印刷を行う印刷部としてのプリンタエンジン部、HdはLEDヘッド、M1はドラムモータ、M2は転写モータ、M3は定着モータ、M7は搬送モータである。
【0089】
前記主制御部80は、図示されない演算装置としてのCPU、入出力ポート、タイマ等を備え、プリンタ10の全体の制御を行うとともに、ROM83に記録されたプログラム(ソフトウェア)、制御データ等に基づいて各種の処理を行う。
【0090】
前記ROM83には、前記プログラムのほかに、主制御部80が前記各種の処理を行うために必要な設定値、閾値等が記録される。
【0091】
前記RAM84には、前記印刷データを編集し、展開することによって生成されたビットマップデータが記録されるほかに、プログラムの実行に伴って生成される各種情報が一時的に記録される。なお、RAM84は、前記CPUが演算を行う際にワークエリアとして機能する。
【0092】
前記操作パネル56は、操作者がプリンタ10への指示を入力するためのスイッチ、キー等から成る操作部58、及びプリンタ10の状態を表示するためのLED(Light Emitting Diode)、LCD(Liquid Crystal Display)等から成る表示部59を備える。プリンタ10の操作者は、操作部58を操作することによって、表示部59に各種の画面を形成したり、表示部59に表示された設定項目を選択したり、変更したりすることができる。そのために、表示部59においては、プリンタ10の状態に応じてLEDが点灯されたり、LCDに各種の情報、メッセージ等が表示されたりする。なお、操作パネル56がタッチパネルによって形成されている場合、表示部59は操作部としても機能する。
【0093】
また、前記主制御部80は、印刷処理部Pr11、搬送処理部Pr12等を備える。
【0094】
前記印刷処理部Pr11は、印刷処理を行い、ホストコンピュータから印刷ジョブを受信すると、印刷ジョブごとに印刷データを編集し、展開し、ビットマップデータを生成し、RAM84に展開データとして記録するとともに、プリンタエンジン部60において、ドラムモータM1、転写モータM2、定着モータM3等を駆動し、前記展開データをLEDヘッドHdに送り、LEDヘッドHdを駆動してラベル紙Pの各ラベルLPに画像を形成する。
【0095】
前記搬送処理部Pr12は、搬送処理を行い、プリンタエンジン部60において搬送モータM7を駆動し、印刷ユニット20においてラベル紙Pを搬送する。
【0096】
次に、前記ラベル紙情報管理部Pr1がラベル紙情報を取得する方法について説明する。
【0097】
図13は本発明の実施の形態における透過型センサのセンサ出力を使用してラベル紙情報を取得する方法を説明するための図、図14は本発明の実施の形態における反射型センサのセンサ出力を使用してラベル紙情報を取得する方法を説明するための図、図15は本発明の実施の形態におけるラベル紙情報に基づいてラベル紙に設定されたカット禁止領域の例を示す図である。なお、図13(a)はラベル紙Pの表側を示す図、図13(b)はセンサ出力のタイムチャート、図14(a)はラベル紙Pの裏側を示す図、図14(b)はセンサ出力のタイムチャート、図15(a)はラベル紙Pの表側を示す図、図15(b)はラベル紙Pの裏側を示す図である。
【0098】
図において、Pは矢印B方向に搬送されるラベル紙、PPは台紙、LPはラベル、Bmはブラックマークである。
【0099】
ラベル紙Pが、図13(a)及び15(a)に示されるようなカス取りがされたダイカットラベル紙である場合は、ラベルLPの周囲に台紙PPが露出しているので、透過型の第1のカッタインセンサs2によってラベルLPの前縁feg及び後縁regを検出することができる。
【0100】
そして、図13(b)に示されるように、第1のカッタインセンサs2が、ラベル紙Pを検出しなかったときのセンサ出力をV1とし、台紙PPを検出したときのセンサ出力をV2とし、ラベルLPを検出したときのセンサ出力をV3とし、センサ出力がV1からV2に変化したタイミングをt1とし、センサ出力がV2からV3に変化したタイミングをt2とし、センサ出力がV3からV2に変化したタイミングをt3とし、センサ出力がV2からV3に変化したときのタイミングをt4としたときの、タイミングt2でラベルLPの前縁fegを、タイミングt3でラベルLPの後縁ferを検出することができる。
【0101】
前記ラベル紙情報管理部Pr1は、タイミングt2、t3間の経過時間τ1、及びタイミングt3、t4間の経過時間τ2にラベル紙Pの搬送速度vpを乗算することによって前記ラベル長LL及びギャップ長LEを算出し、ラベル紙情報としてROM53に記録する。
【0102】
また、ラベル紙が、図14(b)及び15(b)に示されるようなカス取りがされていないブラックマークラベル紙である場合は、ラベルLPの周囲に台紙PPが露出していないので、反射型の第2のカッタインセンサs3によってラベル紙Pの裏面において、各ラベルLPの前縁fegの位置に併せて形成されたブラックマークBmを検出することができる。
【0103】
さらに、図14(b)に示されるように、第2のカッタインセンサs3が、ラベル紙Pを検出しなかったときのセンサ出力をV11とし、台紙PPを検出したときのセンサ出力をV12とし、ブラックマークBmを検出したときのセンサ出力をV13とし、センサ出力がV11からV12に変化したタイミングをt11とし、センサ出力がV12からV13に変化したタイミングをt12とし、センサ出力がV13からV12に変化したタイミングをt13とし、センサ出力がV12からV13に変化したタイミングをt14としたときのタイミングt12、t14でラベルLPの前縁fegを検出することができる。
【0104】
また、前記ラベル紙情報管理部Pr1は、タイミングt12、t14間の経過時間τ11にラベル紙Pの搬送速度vpを乗算することによって、各ブラックマークBmの前縁間の距離を表すブラックマークピッチLCを算出し、ラベル紙情報としてROM53に記録する。
【0105】
続いて、ラベル紙情報管理部Pr1は、第1、第2のカッタインセンサs2、s3の置かれた位置である前記カッタインセンサ位置ST1(図24)から前記カット動作起動位置ST2までのラベル紙Pの搬送距離LAを算出し、ラベル紙情報としてROM53に記録するとともに、各ラベルLPの前縁fegから後方にかけて設定された前縁カット禁止領域Lmfの距離D1、各ラベルLPの後縁regから前方にかけて設定された後縁カット禁止領域Lmrの距離D2、並びに前記前縁カット禁止領域Lmfの前縁より前方にかけて設定されたギャップカット禁止領域Lmq、及び前記後縁カット禁止領域Lmrから後方にかけて設定されたギャップカット禁止領域Lmqの距離D3をラベル紙情報としてROM53に記録する。
【0106】
前記搬送距離LAは、前記カッタインセンサ位置ST1から前記カット動作起動位置ST2までラベル紙Pが搬送される際の、フィーダモータM4の駆動パルスに単位搬送距離を乗算することによって算出される。
【0107】
なお、ラベルLPの前縁feg及び後縁regから10〔mm〕の範囲内でラベル紙Pをカットしてしまうと、細切りされた部分が台紙PPから剥がれる可能性が高いので、本実施の形態においては、距離D1に距離D3を加算した値及び距離D2に距離D3を加算した値が15〔mm〕になるように設定される。
【0108】
次に、フィーダユニットFdにおいてラベル紙Pを搬送する際のフィーダ制御部50の動作について説明する。
【0109】
まず、プリンタ10の電源が投入されると、主制御部80は、ホストコンピュータから印刷データが送信され、印刷開始要求が送られるのに備える。
【0110】
また、フィーダ制御部50において、イニシャル処理部Pr2は、フィーダユニットFdに配設されたフィーダモータM4、巻取モータM5及びカットモータM6を初期化し、駆動することができるようにし、センサ読取制御部Pr4は、フィーダユニットFdに配設されたペーパエンドセンサs1、第1、第2のカッタインセンサs2、s3、カッタスリットセンサs4、弛みセンサs5及びカッタアウトセンサs6のセンサ出力を読み込み、フィーダユニットFd内におけるラベル紙Pの有無をUART-I/F部51、81を介して主制御部80に送るとともに、ROM53から、前記カッタインセンサ位置ST1からカット動作起動位置ST2までの搬送距離LA、並びに前縁カット禁止領域Lmfの距離D1、後縁カット禁止領域Lmrの距離D2及びギャップカット禁止領域Lmqの距離D3を読み出す。
【0111】
主制御部80は、フィーダ制御部50から送られた前記各センサのセンサ出力により、フィーダユニットFd内にラベル紙Pが残留しているかどうかを判断し、ラベル紙Pが残留している場合、その旨を表示部59に表示することによって、操作者に残留したラベル紙Pを除去するよう促す。
【0112】
また、主制御部80は、フィーダユニットFdにラベル紙Pが残留していない場合、カッタ原点位置移動コマンドをUART-I/F部81、51を介してフィーダ制御部50に送り、カッタユニットCuの回転刃41を原点位置に置くように指示する。
【0113】
フィーダ制御部50が、カッタ原点位置移動コマンドをコマンドデコード制御で解釈して、カッタ原点位置移動指示をカット処理部Pr6に送ると、イニシャル処理部Pr2はカット処理部Pr6に指示を送り、回転刃41を原点位置に復帰させる。
【0114】
カット処理部Pr6は、カットモータM6を駆動し、カットモータM6が定速状態になったら電磁クラッチ66をオンにする。これにより、回転刃41は、1回転させられ、切断開始位置及び切断終了位置を経て原点位置に復帰させられる。なお、カッタ原点位置移動コマンドがフィーダ制御部50に送られたときに回転刃41が原点位置に置かれていない場合でも、回転刃41は回転させられ、原点位置に復帰させられる。
【0115】
このようにして、イニシャル処理部Pr2は、イニシャル処理を終了すると、イニシャル処理を終了した旨をフィーダ制御部50に通知し、該フィーダ制御部50は、フィーダユニットFdにおいて、操作者によってロール紙14がロール紙ホルダRhにセットされるのを待機する。
【0116】
操作者が、ロール紙14をロール紙ホルダRhにセットし、ロール紙14からラベル紙Pを引き出し、テンションバーThを介して搬送ローラ対m1の各ローラ間に通すと、センサ読取制御部Pr4は、ペーパエンドセンサs1のセンサ出力を読み込み、フィーダユニットFdにラベル紙Pが有るかどうかを判断し、判断結果をフィーダ搬送処理部Pr3に送る。
【0117】
該フィーダ搬送処理部Pr3は、判断結果に基づいて、フィーダユニットFdにラベル紙Pが有る場合に、フィーダモータM4を駆動し、搬送ローラ対m1を回転させてラベル紙Pを搬送し、ラベル紙Pの前縁が第1のカッタインセンサs2によって検出されると、フィーダモータM4を逆方向に駆動し、ラベル紙Pを逆方向に搬送し、ラベル紙Pの前縁を、搬送ローラ対m1と第1のカッタインセンサs2との間のあらかじめ設定された待機位置に置く。
【0118】
続いて、主制御部80は、ホストコンピュータのプリンタドライバから搬送開始コマンド及び媒体種別コマンドとしてのラベル紙種別コマンドを受けると、デコードされた情報に基づいて、搬送開始指示、及びラベル紙Pがダイカットラベル紙であるか、ブラックマークラベル紙であるかを表す情報である媒体種別情報をフィーダ制御部50に送る。
【0119】
フィーダ制御部50が搬送開始指示をフィーダ搬送処理部Pr3に送ると、フィーダ搬送処理部Pr3はフィーダモータM4の駆動を開始する。
【0120】
また、フィーダ制御部50が媒体種別情報をセンサ読取制御部Pr4に送ると、センサ読取制御部Pr4は、ラベル紙Pがダイカットラベル紙である場合、第1のカッタインセンサs2のセンサ出力がV2からV3に変化した前記タイミングt2で、ラベルLPの前縁fegを検出するとともに、第1のカッタインセンサs2上をラベル紙Pが搬送されていることを認識する。
【0121】
一方、センサ読取制御部Pr4は、ラベル紙Pがブラックマークラベル紙である場合、第2のカッタインセンサs3のセンサ出力がV12からV13に変化した前記タイミングt12で、ブラックマークBmの前縁であるラベルLPの前縁fegを検出するとともに、第2のカッタインセンサs3上をラベル紙Pが搬送されていることを認識する。
【0122】
ラベル紙PがカッタユニットCuを通過して弛み形成部Ar1に供給されると、弛み制御部Pr4は、図4に示されるように弛み形成部Ar1内においてラベル紙Pに適正な弛みを形成し、弛みセンサs5から適正なセンサ出力が発生させられるように、フィーダモータM4による搬送速度vfを搬送モータM7による搬送速度vpより適正な値だけ高くする。
【0123】
これにより、フィーダユニットFd側でラベル紙Pを搬送する際に発生する負荷を無くし、印刷ユニット20内におけるラベル紙Pの搬送を安定化させることができる。
【0124】
次に、ラベル紙Pに対して印刷が行われているときに、印刷ユニット20でラベル紙Pのジャムが発生したときのフィーダ制御部50の動作について説明する。
【0125】
なお、印刷ユニット20において、主制御部80は、ラベル紙有無センサs7、ラベル紙位置センサs8、書出センサs9、定着器出口センサs11、排出センサs12等のセンサ出力を読み取り、ラベル紙Pの前縁を検出したかどうかによって、ジャムが発生したかどうかを判断し、ジャムが発生したと判断した場合に、緊急停止指示を出し、印刷処理部Pr11による印刷処理、搬送処理部Pr12による搬送処理を停止させるとともに、緊急停止指示をフィーダ制御部50に送る。
【0126】
図16は本発明の実施の形態におけるラベル紙のジャムが発生したときのフィーダ制御部の動作を示すフローチャートである。
【0127】
まず、フィーダ搬送処理部Pr3(図1)はラベル紙Pの搬送を開始する(ステップS1)。
【0128】
次に、フィーダ搬送処理部Pr3は、主制御部80(図12)から緊急停止指示が送られたかどうかを判断する(ステップS2)。
【0129】
主制御部80から緊急停止指示が送られた場合、搬送されているラベル紙Pをカットするために、フィーダ搬送処理部Pr3の必要搬送量算出処理部は、必要搬送量算出処理を行い(ステップS3)、ラベル紙P(図2)上に設定された、カッタユニットCuによるカットが開始される位置、すなわち、後述されるカット開始位置ST3(図24)が、前記前縁カット禁止領域Lmf(図15)、後縁カット禁止領域Lmr及びギャップカット禁止領域Lmqの各カット禁止領域から抜け出すのに必要な搬送量である必要搬送量DFを算出する。
【0130】
そして、カット処理部Pr6は、必要搬送量DFが0になり、カット開始位置ST3がラベルLPの各カット禁止領域から抜け出すのを待機し(ステップS4)、ラベルLPのカット開始位置ST3が各カット禁止領域から抜け出すとラベル紙Pをカットする(ステップS5)。
【0131】
続いて、フィーダ搬送処理部Pr3はラベル紙Pの搬送を停止させる(ステップS6)。
【0132】
一方、主制御部80から緊急停止指示が送られなかった場合、カット処理部Pr6は、フィーダ制御部50において所定のタイミングごとに生成されるカット要求がフィーダ制御部50から送られたかどうかを判断し(ステップS7)、フィーダ制御部50からカット要求が送られた場合に、ギャップ長LEの中央でラベル紙Pをカットする(ステップS8)。
【0133】
このようにして、ジャムが発生したときに、ラベルLPを細切りすることなくラベル紙Pをカットすることができる。
【0134】
続いて、フィーダ搬送処理部Pr3は、ラベル紙Pの搬送を一時停止し(ステップS9)、フィーダ制御部50から待機位置への搬送要求が送られるのを待機し(ステップS10)、待機位置への搬送要求が送られると、ラベル紙Pを待機位置に搬送する(ステップS11)。
【0135】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS1 フィーダ搬送処理部Pr3はラベル紙Pの搬送を開始する。
ステップS2 フィーダ搬送処理部Pr3は主制御部80から緊急停止指示が送られたかどうかを判断する。主制御部80から緊急停止指示が送られた場合はステップS3に進み、主制御部80から緊急停止の指示が送られなかった場合はステップS7に進む。
ステップS3 必要搬送量算出処理部は必要搬送量算出処理を行う。
ステップS4 カット処理部Pr6はカット開始位置ST3がラベルLPの各カット禁止領域から抜け出すのを待機する。カット開始位置ST3がラベルLPの各カット禁止領域から抜け出した場合はステップS5に進む。
ステップS5 カット処理部Pr6はラベル紙Pをカットする。
ステップS6 フィーダ搬送処理部Pr3はラベル紙Pの搬送を停止させ、処理を終了する。
ステップS7 カット処理部Pr6はフィーダ制御部50からカット要求が送られたかどうかを判断する。フィーダ制御部50からカット要求が送られた場合はステップS8に進み、フィーダ制御部50からカット要求が送られなかった場合はステップS2に戻る。
ステップS8 カット処理部Pr6はギャップ長LEの中央でラベル紙Pをカットする。
ステップS9 フィーダ搬送処理部Pr3はラベル紙Pの搬送を一時停止する。
ステップS10 フィーダ搬送処理部Pr3は制御部50から待機位置への搬送要求が送られるのを待機する。制御部50から待機位置への搬送要求が送られた場合はステップS11に進む。
ステップS11 フィーダ搬送処理部Pr3はラベル紙Pを待機位置に搬送し、処理を終了する。
【0136】
次に、前記ラベル管理部Pr7によるラベル管理処理について説明した後、前記フィーダ搬送処理部Pr3の必要搬送量算出処理部による必要搬送量算出処理について説明する。
【0137】
図17は本発明の実施の形態におけるラベル管理部の動作を示すフローチャート、図18は本発明の実施の形態におけるラベル先端位置管理初期化処理のサブルーチンを示す図、図19は本発明の実施の形態におけるラベル先端位置初期化処理のサブルーチンを示す図、図20は本発明の実施の形態における搬送中ラベル枚数更新処理のサブルーチンを示す図、図21は本発明の実施の形態におけるラベル先端位置記憶オフセット更新処理のサブルーチンを示す図、図22は本発明の実施の形態におけるラベル先端位置更新処理のサブルーチンを示す図、図23は本発明の実施の形態における必要搬送量算出処理のサブルーチンを示す図である。
【0138】
まず、ラベル管理部Pr7のラベル先端位置管理初期化処理部はラベル先端位置管理初期化処理を行う(ステップT1)。
【0139】
そのために、ラベル先端位置管理初期化処理部は、前記カッタインセンサ位置ST1(図24)からカット動作起動位置ST2までのラベル紙Pの搬送距離LA内における搬送中のラベル枚数NLに初期値0をセットし(ステップT1-1)、搬送中の各ラベルLPのラベル先端位置TOP(N)の記憶位置を表すラベル先端位置記憶オフセットMに初期値0をセットする(ステップT1-2)。また、ラベル先端位置管理初期化処理部のラベル先端位置初期化処理部はラベル先端位置初期化処理を行う(ステップT1-3)。
【0140】
そして、ラベル先端位置初期化処理部は、ラベル先端位置初期化処理において、ラベル先端位置記憶オフセットMに初期値0をセットし(ステップT1-3-1)、ラベル先端位置記憶オフセットMが搬送中の最大のラベル枚数NL、すなわち、最大ラベル枚数NLmax未満であるかどうかを判断し(ステップT1-3-2)、ラベル先端位置記憶オフセットMが最大ラベル枚数NLmax未満である場合、ラベル先端位置TOP(N)に初期値0をセットし(ステップT1-3-3)、ラベル先端位置記憶オフセットMをインクリメント(更新)する(ステップT1-3-4)。
【0141】
なお、本実施の形態においては、前記ラベル長LLが前記搬送距離LAより大きくなるように設定されているので、最大ラベル枚数NLmaxは2〔枚〕である。
【0142】
このようにして、ラベル先端位置管理初期化処理が行われると、ラベル管理部Pr7は、ラベル紙Pがダイカットラベル紙であるかどうかを判断し(ステップT2)、ラベル紙Pがダイカットラベル紙である場合、センサ読取制御部Pr4は、第1のカッタインセンサs2のセンサ出力が、台紙PPを検出したときのV2からラベルLPを検出したときのV3に変化したかどうかを判断し(ステップT3)、センサ出力がV2からV3に変化した場合、搬送中ラベル枚数更新処理部は、搬送中ラベル枚数更新処理を行う(ステップT4)。
【0143】
搬送中ラベル枚数更新処理部は、搬送中ラベル枚数更新処理において、搬送中のラベル枚数NLをインクリメントする(ステップT4-1)。
【0144】
また、搬送中ラベル枚数更新処理部のラベル先端位置記憶オフセット更新処理部はラベル先端位置記憶オフセット更新処理を行う(ステップT4-2)。
【0145】
そして、ラベル先端位置記憶オフセット更新処理部は、ラベル先端位置記憶オフセット更新処理において、ラベル先端位置記憶オフセットMが1以上であるかどうかを判断し(ステップT4-2-1)、ラベル先端位置記憶オフセットMが1以上である場合、ラベル先端位置記憶オフセットMに初期値0をセットし(ステップT4-2-2)、ラベル先端位置記憶オフセットMが1未満である場合、ラベル先端位置記憶オフセットMをインクリメントする(ステップT4-2-3)。
【0146】
また、ラベル紙Pがダイカットラベル紙でない場合、ラベル管理部Pr7は、ブラックマークBmを検出したかどうかによって、ラベル紙Pが、カス取りがされておらず、裏面にブラックマークが形成されたブラックマークラベル紙であるかどうかを判断する(ステップT5)。ラベル紙Pがブラックマークラベル紙である場合、前記搬送中ラベル枚数更新処理部は搬送中ラベル枚数更新処理を行う(ステップT4)。
【0147】
搬送中ラベル枚数更新処理が終了すると、ラベル管理部Pr7は搬送中のラベルLPがあるかどうかを判断し(ステップT6)、搬送中のラベルLPがある場合、ラベル管理部Pr7のラベル先端位置更新処理部はラベル先端位置更新処理を行う(ステップT7)。
【0148】
そして、前記ラベル先端位置更新処理部は、ラベル先端位置更新処理において、ラベル先端位置記憶オフセットMに初期値0をセットし、ラベル枚数記憶オフセットNに初期値としてラベル枚数NLをセットする(ステップT7-1)。
【0149】
続いて、ラベル先端位置更新処理部は、ラベル先端位置記憶オフセットMがラベル先端位置記憶オフセットN以上であるかどうかによって、ラベル先端位置TOP(M)の更新が完了したかどうかを判断する(ステップT7-2)。ラベル先端位置更新処理部は、ラベル先端位置記憶オフセットMがラベル先端位置記憶オフセットN以上であり、ラベル先端位置TOP(M)の更新が完了した場合、処理を終了し、ラベル先端位置記憶オフセットMがラベル先端位置記憶オフセットN未満であり、ラベル先端位置TOP(M)の更新が完了しなかった場合、ラベル先端位置TOP(M)が管理範囲外であるかどうかを、ラベル先端位置TOP(M)にラベル長LLを加算した値が前記搬送距離LA(図24)より大きいかどうかによって判断し(ステップT7-3)、ラベル先端位置TOP(M)が管理範囲外である場合、ラベル先端位置TOP(M)をクリアして0にし(ステップT7-4)、搬送中のラベル枚数NLをデクリメントした(ステップT7-5)後、ラベル先端位置記憶オフセットMをインクリメントする(ステップT7-6)。
【0150】
また、ラベル先端位置TOP(M)が管理範囲内である場合、ラベル先端位置更新処理部は、ラベル先端位置TOP(M)をインクリメントした後(ステップT7-7)、ラベル先端位置記憶オフセットMをインクリメントする(ステップT7-6)。
【0151】
このようにして、ラベル先端位置更新処理が終了すると、ラベル管理部Pr7は、ラベル紙Pの搬送が終了したかどうかを判断し(ステップT8)、ラベル紙Pの搬送が終了しなかった場合、再びラベル紙Pがダイカットラベル紙であるかどうかを判断し(ステップT2)、ラベル紙Pの搬送が終了した場合、処理を終了する。
【0152】
次に、図17のフローチャートについて説明する。
ステップT1 ラベル先端位置管理初期化処理部はラベル先端位置管理初期化処理を行う。
ステップT2 ラベル管理部Pr7はラベル紙Pがダイカットラベル紙であるかどうかを判断する。ラベル紙Pがダイカットラベル紙である場合はステップT3に進み、ラベル紙Pがダイカットラベル紙でない場合はステップT5に進む。
ステップT3 センサ読取制御部Pr4は第1のカッタインセンサ2のセンサ出力がV2からV3に変化したかどうかを判断する。第1のカッタインセンサ2のセンサ出力がV2からV3に変化した場合はステップT4に進み、第1のカッタインセンサ2のセンサ出力がV2からV3に変化しなかった場合はステップT6に進む。
ステップT4 搬送中ラベル枚数更新処理部は搬送中ラベル枚数更新処理を行う。
ステップT5 ラベル管理部Pr7はラベル紙Pがブラックマークラベル紙であるかどうかを判断する。ラベル紙Pがブラックマークラベル紙である場合はステップT4に進み、ラベル紙Pがブラックマークラベル紙でない場合はステップT6に進む。
ステップT6 ラベル管理部Pr7は搬送中のラベルLPがあるかどうかを判断する。搬送中のラベルLPがある場合はステップT7に進み、搬送中のラベルLPがない場合はステップT8に進む。
ステップT7 ラベル先端位置更新処理部はラベル先端位置更新処理を行う。
ステップT8 ラベル管理部Pr7はラベル紙Pの搬送が終了したかどうかを判断する。ラベル紙Pの搬送が終了した場合は処理を終了し、ラベル紙Pの搬送が終了しなかった場合はステップT2に戻る。
【0153】
次に、図18のサブルーチンについて説明する。
ステップT1-1 ラベル先端位置管理初期化処理部は搬送中のラベル枚数NLに初期値0をセットする。
ステップT1-2 ラベル先端位置管理初期化処理部はラベル先端位置記憶オフセットMに初期値0をセットする。
ステップT1-3 ラベル先端位置初期化処理部はラベル先端位置初期化処理を行い、リターンする。
【0154】
次に、図19のサブルーチンについて説明する。
ステップT1-3-1 ラベル先端位置初期化処理部はラベル先端位置記憶オフセットMに初期値0をセットする。
ステップT1-3-2 ラベル先端位置初期化処理部はラベル先端位置記憶オフセットMが搬送中の最大ラベル枚数NLmax未満であるかどうかを判断する。ラベル先端位置記憶オフセットMが搬送中の最大ラベル枚数NLmax未満である場合はステップT1-3-3に進み、ラベル先端位置記憶オフセットMが搬送中の最大ラベル枚数NLmax以上である場合はリターンする。
ステップT1-3-3 ラベル先端位置初期化処理部はラベル先端位置TOP(N)に初期値0をセットする。
ステップT1-3-4 ラベル先端位置初期化処理部はラベル先端位置記憶オフセットMをインクリメント(更新)し、ステップT1-3-2に戻る。
【0155】
次に、図20のサブルーチンについて説明する。
ステップT4-1 搬送中ラベル枚数更新処理部は搬送中のラベル枚数NLをインクリメントする。
ステップT4-2 ラベル先端位置記憶オフセット更新処理部はラベル先端位置記憶オフセット更新処理を行い、リターンする。
【0156】
次に、図21のサブルーチンについて説明する。
ステップT4-2-1 ラベル先端位置記憶オフセット更新処理部はラベル先端位置記憶オフセットMが1以上であるかどうかを判断する。ラベル先端位置記憶オフセットMが1以上である場合はステップT4-2-2に進み、ラベル先端位置記憶オフセットMが1未満である場合はステップT4-2-3に進む。
ステップT4-2-2 ラベル先端位置記憶オフセット更新処理部はラベル先端位置記憶オフセットMに初期値0をセットし、リターンする。
ステップT4-2-3 ラベル先端位置記憶オフセット更新処理部はラベル先端位置記憶オフセットMをインクリメントし、リターンする。
【0157】
次に、図22のサブルーチンについて説明する。
ステップT7-1 ラベル先端位置更新処理部はラベル先端位置記憶オフセットMに初期値0をセットし、ラベル枚数記憶オフセットNにラベル枚数NLをセットする。
ステップT7-2 ラベル先端位置更新処理部はラベル先端位置TOP(M)の更新が完了したかどうかを判断する。ラベル先端位置TOP(M)の更新が完了した場合はリターンし、ラベル先端位置TOP(M)の更新が完了しなかった場合はステップT7-3に進む。
ステップT7-3 ラベル先端位置更新処理部はラベル先端位置TOP(M)が管理範囲外であるかどうかを判断する。ラベル先端位置TOP(M)が管理範囲外である場合はステップT7-4に進み、ラベル先端位置TOP(M)が管理範囲内である場合はステップT7-7に進む。
ステップT7-4 ラベル先端位置更新処理部はラベル先端位置TOP(N)をクリアして0にする。
ステップT7-5 ラベル先端位置更新処理部は搬送中のラベル枚数NLをデクリメントする。
ステップT7-6 ラベル先端位置更新処理部はラベル先端位置記憶オフセットMをインクリメントし、ステップT7-2に戻る。
ステップT7-7 ラベル先端位置更新処理部はラベル先端位置TOP(M)をインクリメントし、ステップT7-6に進む。
【0158】
次に、前記必要搬送量算出処理について説明する。
【0159】
まず、フィーダ搬送処理部Pr3は、必要搬送量DFに初期値0をセットし(ステップS3-1)、ラベル先端位置記憶オフセットMに初期値0をセットする(ステップS3-2)。
【0160】
そして、フィーダ搬送処理部Pr3は、ラベル先端位置記憶オフセットMが搬送中のラベル数LN未満であるかどうかによって、必要搬送量算出処理の終了条件が成立しないかどうかを判断する(ステップS3-3)。ラベル先端位置記憶オフセットMが搬送中のラベル数LN以上であり、必要搬送量算出処理の終了条件が成立する場合は、処理を終了する。
【0161】
ラベル先端位置記憶オフセットMが搬送中のラベル数LN未満であり、必要搬送量算出処理の終了条件が成立しない場合、フィーダ搬送処理部Pr3は、搬送距離LAが
TOP(M)+D3>LA>TOP(M)-D1
であるかどうかによって、カッタユニットCuによるラベル紙Pのカット位置が、前縁カット禁止領域Lmf及びギャップカット禁止領域Lmq内にあるかどうか、すなわち、ラベル紙LPの前側カット禁止領域内にあるかどうかを判断する(ステップS3-4)。
【0162】
カット位置が前側カット禁止領域内にある場合、フィーダ搬送処理部Pr3は、カット位置を前側カット禁止領域外に退避させるための必要搬送量DF
DF=LA-(TOP(M)-D1)
を算出する(ステップS3-5)。
【0163】
また、カット位置がラベル紙LPの前側カット禁止領域内にない場合、フィーダ搬送処理部Pr3は、搬送距離LAが
TOP(M)-LL-D2>LA>TOP(M)-LL-D3
であるかどうかによって、カット位置が、後縁カット禁止領域Lmr及びギャップカット禁止領域Lmq内にあるかどうか、すなわち、ラベル紙LPの後側カット禁止領域内にあるかどうかを判断する(ステップS3-6)。
【0164】
カット位置が後側カット禁止領域内にある場合、フィーダ搬送処理部Pr3は、カット位置を後側カット禁止領域外に退避させるための必要搬送量DF
DF=LA-(TOP(M)-D2)
を算出する(ステップS3-7)。
【0165】
このように、本実施の形態においては、搬送中のラベル枚数分だけ、カット位置がラベル紙LPの前側カット禁止領域内及び後側カット禁止領域内に入っているかどうかが判断され、カット位置が前側カット禁止領域内及び後側カット禁止領域内に入っている場合に、カット位置を前側カット禁止領域外及び後側カット禁止領域外に退避させるための必要搬送量DFが算出されるようになっている。
【0166】
続いて、フィーダ搬送処理部Pr3は、ラベル先端位置記憶オフセットMがラベル数LNである場合に成立する、必要搬送量算出処理の終了条件をセットする(ステップS3-8)。
【0167】
そして、カット位置が後側カット禁止領域内にある場合に、フィーダ搬送処理部Pr3は、ラベル先端位置記憶オフセットMをインクリメントすることによって、ループ回数をインクリメントする(ステップS3-9)。
【0168】
次に、図23のサブルーチンについて説明する。
ステップS3-1 フィーダ搬送処理部Pr3は必要搬送量DFに初期値0をセットする。
ステップS3-2 フィーダ搬送処理部Pr3はラベル先端位置記憶オフセットMに初期値0をセットする。
ステップS3-3 フィーダ搬送処理部Pr3はラベル先端位置記憶オフセットMが搬送中のラベル数LN未満であるかどうかを判断する。ラベル先端位置記憶オフセットMが搬送中のラベル数LN未満である場合はステップS3-4に進み、ラベル先端位置記憶オフセットMが搬送中のラベル数LN以上である場合はリターンする。
ステップS3-4 フィーダ搬送処理部Pr3はラベル紙Pのカット位置が前側カット禁止領域内にあるかどうかを判断する。ラベル紙Pのカット位置が前側カット禁止領域内にある場合はステップS3-5に進み、ラベル紙Pのカット位置が前側カット禁止領域外にある場合はステップS3-6に進む。
ステップS3-5 フィーダ搬送処理部Pr3はカット位置を前側カット禁止領域外に退避させるための必要搬送量DFを算出する。
ステップS3-6 フィーダ搬送処理部Pr3はカット位置がラベル紙LPの後側カット禁止領域内にあるかどうかを判断する。カット位置がラベル紙LPの後側カット禁止領域内にある場合はステップS3-7に進み、カット位置がラベル紙LPの後側カット禁止領域外にある場合はステップS3-9に進む。
ステップS3-7 フィーダ搬送処理部Pr3はカット位置を後側カット禁止領域外に退避させるための必要搬送量DFを算出する。
ステップS3-8 フィーダ搬送処理部Pr3は必要搬送量算出処理の終了条件をセットし、ステップS3-3に戻る。
ステップS3-9 フィーダ搬送処理部Pr3はループ回数をインクリメントし、ステップS3-3に戻る。
【0169】
次に、ラベル紙Pの搬送とカッタユニットCuとの関係について説明する。
【0170】
図24は本発明の実施の形態におけるラベル紙の搬送状態を説明するための第1の図、図25は本発明の実施の形態におけるラベル紙の搬送状態を説明するための第2の図、図26は本発明の実施の形態におけるラベル紙の搬送状態を説明するための第3の図、図27は本発明の実施の形態におけるラベル紙の搬送状態を説明するための第4の図、図28は本発明の実施の形態におけるラベル紙の搬送状態を説明するための第5の図である。なお、図24(a)~28(a)はラベル紙Pの位置を説明するための図、図24(b)~図28(b)は回転刃41と固定刃2との関係を説明するための図である。
【0171】
図において、Pはラベル紙、PPは台紙、LPはラベル、fegはラベルLPの前縁、regはラベルLPの後縁、Lmfは前縁カット禁止領域、Lmrは後縁カット禁止領域、Lmqはギャップカット禁止領域、41は回転刃、42は固定刃、45は回転刃41の刃先部、45sは刃先前縁、45eは刃先後縁、PSは刃先部45上においてラベル紙Pの切断が開始される切断開始点、PEは刃先部45上においてラベル紙Pの切断が終了する切断終了点である。
【0172】
また、ST1はカッタインセンサ位置、ST2はカット動作起動位置、ST3はカット開始位置、ST4はラベル紙P上のカットが終了されるカット終了位置である。
【0173】
そして、D1は前縁カット禁止領域Lmfの距離、D3はギャップカット禁止領域Lmqの距離、LLはラベル長、LAはカッタインセンサ位置ST1からカット動作起動位置ST2までのラベル紙Pの搬送距離、TOP(0)はカッタインセンサ位置ST1から一つ目のラベルLPの前縁fegまでの距離を表すラベル先端位置、LCは回転刃41が図8に示される原点位置から図9に示される切断開始位置まで回転させられる間にラベル紙Pが搬送される距離、LGは回転刃41が刃先部45の切断開始点PSから切断終了点PEまで回転させられる間にラベル紙Pが搬送される距離である。
【0174】
ラベル紙Pが矢印B方向に搬送され、ラベルLPの前縁fegがカッタインセンサ位置ST1を通過し、カット動作起動位置ST2に到達すると、電磁クラッチ66(図6)がオンにされ、カットモータM6(図2)の回転が回転刃41に伝達され、原点位置に置かれた回転刃41が矢印A方向に回転し始める。この時点で、回転刃41は、刃先部45が固定刃42から離れた位置に置かれていて、ラベル紙Pがカットされることはない。
【0175】
そして、図25に示されるように、ラベルLPの前縁fegがカット開始位置ST3に近づくと、ギャップカット禁止領域Lmqの前縁もカット開始位置ST3に近づくが、この時点で、刃先部45の刃先前縁45sは固定刃42に到達しておらず、ラベル紙Pはカットされない。そして、前縁カット禁止領域Lmqの後縁がカット開始位置ST3に到達するまでの間、刃先部45の刃先前縁45sは固定刃42に到達せず、ラベル紙Pはカットされない。
【0176】
続いて、図26に示されるように、前縁カット禁止領域Lmfの後縁がカット開始位置ST3に到達すると、回転刃41の刃先部45の刃先前縁45sが固定刃42に到達し、回転刃41がカット開始位置ST3に置かれ、ラベル紙Pのカットが開始される。
【0177】
また、図27に示されるように、ラベル紙Pが距離LG搬送されると、回転刃41の刃先部45の刃先後縁45eが固定刃42から離れ、回転刃41がカット終了位置ST4に置かれ、ラベル紙Pのカットが終了する。
【0178】
そして、図28に示されるように、回転刃41が回転させられて原点位置に復帰させられると、電磁クラッチ66がオフにされる。
【0179】
このように、本実施の形態においては、ラベル紙Pのジャムが発生して印刷ユニット20内においてラベル紙Pの搬送が停止させられたときに、弛み形成部Ar1において弛みを形成しながら印刷ユニット20へのラベル紙Pの供給が継続されるので、ラベル紙Pが搬送方向に対して斜めにカットされることがなく、ラベル紙Pが無用に消費されることがない。
【0180】
また、台紙PPに貼付されたラベルLPの短い切片が台紙PPから剥がれ、プリンタ10の装置本体Bd内に残留することがないので、切片を取り出す必要がなく、プリンタ10の復旧時間を短くすることができる。
【0181】
さらに、ラベル紙LPに設定されたカット禁止領域ではラベル紙Pがカットされないので、ラベルLPが細切りされ、切片が台紙PPから剥がれることがないので、プリンタ10の復旧時間を一層短くすることができる。
【0182】
本実施の形態においては、プリンタ10について説明しているが、本発明を複写機、ファクシミリ装置、複合機等の画像形成装置に適用することができる。
【0183】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【符号の説明】
【0184】
10 プリンタ
20 印刷ユニット
Ar1 弛み形成部
Cu カッタユニット
LP ラベル
P ラベル紙
PP 台紙
Pr3 フィーダ搬送処理部
Pr6 カット処理部
Rt1 用紙搬送路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28