(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023065243
(43)【公開日】2023-05-12
(54)【発明の名称】焚火台、及び、焚火台用品セット
(51)【国際特許分類】
F24B 1/20 20060101AFI20230502BHJP
A47J 37/07 20060101ALI20230502BHJP
F23B 99/00 20060101ALI20230502BHJP
F23B 20/00 20060101ALN20230502BHJP
【FI】
F24B1/20
A47J37/07
F23B99/00
F23B20/00
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021175934
(22)【出願日】2021-10-27
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 初回公開日 令和2年10月28日
(71)【出願人】
【識別番号】521471899
【氏名又は名称】合同会社TACK.WOODWORKS
(72)【発明者】
【氏名】小野寺 拓
【テーマコード(参考)】
3K046
4B040
【Fターム(参考)】
3K046AA06
3K046AB06
3K046AC01
3K046AD02
3K046BA02
3K046FA01
4B040AA03
4B040AB04
4B040AD04
4B040AE14
4B040CA03
4B040EA16
4B040EA20
4B040GD01
4B040GD30
(57)【要約】
【課題】焚火台を十分に小型化でき、持ち運びに便利なものとする。
【解決手段】焚火台100は、略正六角形となる略すり鉢状の1つの凹型火床14の構築時において、略正六角形の周方向に沿って第1~第6プレート10a~10fの順で配列される6つの火床プレート10と、第1、第3、第5プレート10a,10c,10eを載置して支持可能な3つの支持部材20と、第2、第4、第6プレート10b,10d,10fに対応して配置され、支持部材20の間で設置面に接地する3つの接地脚部材30と、を有する。6つの火床プレート10、3つの支持部材20、3つの接地脚部材30は、それらを組み合わせて凹型火床14及び支持構造33を構築可能に、かつ、それぞれの部材に分解可能に構成されている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに略等しい2つの斜辺部、底辺部、及び、前記2つの斜辺部が交わる頂点部を備えた略二等辺三角形状の形状をそれぞれ備えた6つの火床プレートであって、互いに隣接する2つの火床プレートの前記斜辺部同士が部分的に重なり合うとともに当該6つの火床プレートそれぞれの前記頂点部が上下方向に重なり合うように配置されることで、平面視において1辺の長さが前記底辺部の長さに略等しい略正六角形となる略すり鉢状の1つの凹型火床を構築可能であり、かつその凹型火床の構築時においては前記略正六角形の周方向に沿って第1プレート、第2プレート、第3プレート、第4プレート、第5プレート、第6プレートの順で配列されるそれら第1~第6プレートを含む、6つの火床プレートと、
略水平方向に延びる水平ビーム部をそれぞれ備え、前記凹型火床の構築時において前記水平ビーム部上に前記第1プレート、前記第3プレート、前記第5プレートの前記底辺部をそれぞれ載置して支持可能な3つの支持部材と、
前記凹型火床の構築時において前記第2プレート、前記第4プレート、前記第6プレートの前記底辺部に対応してそれぞれ配置される3つの接地脚部材であって、前記周方向に隣接配置される2つの前記支持部材を接続する方向に延びる接続ビーム部とそれら接続される2つの支持部材の間で設置面に接地する接地部とをそれぞれ有する3つの接地脚部材と、
を有し、
前記第1~第6プレートにより前記凹型火床を構築し、かつ、前記3つの支持部材及び前記3つの接地脚部材により、当該凹型火床を構築した前記第1~第6プレートを前記設置面に対して支持する支持構造を構築し、
かつ、
前記6つの火床プレート、前記3つの支持部材、前記3つの接地脚部材は、それらを組み合わせて前記凹型火床及び前記支持構造を構築可能に構成されるとともに、当該凹型火床及び当該支持構造の構築状態から各火床プレート、各支持部材、各接地脚部材へと分解可能に構成されている
ことを特徴とする焚火台。
【請求項2】
請求項1記載の焚火台において、
前記凹型火床の構築時に、
前記第1プレートと前記第4プレート、若しくは、
前記第2プレートと前記第5プレート、若しくは、
前記第3プレートと前記第6プレート、
からなる2つの前記火床プレートそれぞれの前記底辺部に対応した位置に配置されるとともに、対応する前記支持部材又は前記接地脚部材の上部に着脱可能に構成され、略水平方向に延びてロストルを載置するロストルビーム部をそれぞれ備えた、2つのロストル支持部材と、
前記2つのロストル支持部材それぞれの前記ロストルビーム部を略水平方向に架け渡すように当該ロストルビーム部上に載置可能に構成された、1つのロストル部材と、
をさらに有することを特徴とする焚火台。
【請求項3】
請求項1記載の焚火台において、
前記凹型火床の構築時に、
前記第1プレートと前記第3プレート、若しくは、
前記第2プレートと前記第4プレート、若しくは、
前記第3プレートと前記第5プレート、若しくは、
前記第4プレートと前記第6プレート、若しくは、
前記第5プレートと前記第1プレート、若しくは、
前記第6プレートと前記第2プレート、
からなる2つの前記火床プレートそれぞれの前記底辺部に対応した位置に配置されるとともに、対応する前記支持部材又は前記接地脚部材の上部に着脱可能に構成され、略水平方向に延びてロストルを載置するロストルビーム部をそれぞれ備えた、2つのロストル支持部材と、
前記2つのロストル支持部材それぞれの前記ロストルビーム部を略水平方向に架け渡すように当該ロストルビーム部上に載置可能に構成された、1つのロストル部材と、
をさらに有することを特徴とする焚火台。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の焚火台において、
前記凹型火床の構築時に、
前記第1プレート~前記第6プレートのうち少なくとも1つの前記底辺部に対応した位置において、対応する前記支持部材又は前記接地脚部材の上部に着脱可能でかつ当該底辺部よりも上方へ突出して立設されるように構成された、少なくとも1つの曲面プレートをさらに有する
ことを特徴とする焚火台。
【請求項5】
互いに略等しい2つの斜辺部、底辺部、及び、前記2つの斜辺部が交わる頂点部を備えた略二等辺三角形状の形状をそれぞれ備えた6つの火床プレートであって、互いに隣接する2つの火床プレートの前記斜辺部同士が接する又は部分的に重なり合うとともに当該6つの火床プレートそれぞれの前記頂点部が上下方向に重なり合うように配置されることで、平面視において1辺の長さが前記底辺部の長さに略等しい略正六角形となる略すり鉢状の1つの凹型火床を構築可能であり、かつその凹型火床の構築時においては前記略正六角形の周方向に沿って第1プレート、第2プレート、第3プレート、第4プレート、第5プレート、第6プレートの順で配列されるそれら第1~第6プレートを含む、6つの火床プレートと、
略水平方向に延びる水平ビーム部をそれぞれ備え、前記凹型火床の構築時において前記水平ビーム部上に前記第1プレート、前記第3プレート、前記第5プレートの前記底辺部をそれぞれ載置して支持可能な3つの支持部材と、
前記凹型火床の構築時において前記第2プレート、前記第4プレート、前記第6プレートの前記底辺部に対応してそれぞれ配置される3つの接地脚部材であって、前記周方向に隣接配置される2つの前記支持部材を接続する方向に延びる接続ビーム部とそれら接続される2つの支持部材の間で設置面に接地する接地部とをそれぞれ有する3つの接地脚部材と、
を有する、焚火台用品セット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各部材の組合せにより、火床及び支持構造を構築可能な焚火台に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、持ち運ぶことを目的とした、折り畳み型の焚火台が知られている(例えば、特許文献1参照)。この従来技術の焚火台は、4枚の三角形の支持承部を備えている。焚火台として使用する際、4枚の支持承部における各頂点が、下方向へそれぞれ集まるように、支持承部が組合せて配置される。その内部は、略逆四角錐状の支承凹部となり、支承凹部にて、焚き木が収納されるようになっている。このように、各部材の組合せにより、火床及び支持構造が構築可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9-112812号公報(
図1等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来技術の焚火台では、持ち運ぶ際に、支持承部を折り畳み、使用時に比して全体体格を小さくすることができる。しかしながら、折り畳むだけでは十分な小型化を図れず、持ち運びに不便である。
【0005】
本発明の目的は、十分に小型化でき、持ち運びに便利な焚火台を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本願発明の焚火台は、互いに略等しい2つの斜辺部、底辺部、及び、前記2つの斜辺部が交わる頂点部を備えた略二等辺三角形状の形状をそれぞれ備えた6つの火床プレートであって、互いに隣接する2つの火床プレートの前記斜辺部同士が部分的に重なり合うとともに当該6つの火床プレートそれぞれの前記頂点部が上下方向に重なり合うように配置されることで、平面視において1辺の長さが前記底辺部の長さに略等しい略正六角形となる略すり鉢状の1つの凹型火床を構築可能であり、かつその凹型火床の構築時においては前記略正六角形の周方向に沿って第1プレート、第2プレート、第3プレート、第4プレート、第5プレート、第6プレートの順で配列されるそれら第1~第6プレートを含む、6つの火床プレートと、略水平方向に延びる水平ビーム部をそれぞれ備え、前記凹型火床の構築時において前記水平ビーム部上に前記第1プレート、前記第3プレート、前記第5プレートの前記底辺部をそれぞれ載置して支持可能な3つの支持部材と、前記凹型火床の構築時において前記第2プレート、前記第4プレート、前記第6プレートの前記底辺部に対応してそれぞれ配置される3つの接地脚部材であって、前記周方向に隣接配置される2つの前記支持部材を接続する方向に延びる接続ビーム部とそれら接続される2つの支持部材の間で設置面に接地する接地部とをそれぞれ有する3つの接地脚部材と、を有し、前記第1~第6プレートにより前記凹型火床を構築し、かつ、前記3つの支持部材及び前記3つの接地脚部材により、当該凹型火床を構築した前記第1~第6プレートを前記設置面に対して支持する支持構造を構築し、かつ、前記6つの火床プレート、前記3つの支持部材、前記3つの接地脚部材は、それらを組み合わせて前記凹型火床及び前記支持構造を構築可能に構成されるとともに、当該凹型火床及び当該支持構造の構築状態から各火床プレート、各支持部材、各接地脚部材へと分解可能に構成されていることを特徴とする。
【0007】
本願発明の焚火台においては、略二等辺三角形の分割ピースである6つの火床プレート(第1~第6プレート)を、周方向に沿って並べて平面視略正六角形形状の凹型火床を構築し、その正六角形の各辺に対応する位置(各二等辺三角形の底辺部の位置)に、支持部材及び接地脚部材を配置して、下部の支持構造を構築する。このとき、各火床プレート、各支持部材、各設置部材は、分解可能に構成されている。これにより、使用時以外には分解してコンパクトに持ち運ぶことができる。
【0008】
また、本願発明の焚火台用品セットは、互いに略等しい2つの斜辺部、底辺部、及び、前記2つの斜辺部が交わる頂点部を備えた略二等辺三角形状の形状をそれぞれ備えた6つの火床プレートであって、互いに隣接する2つの火床プレートの前記斜辺部同士が接する又は部分的に重なり合うとともに当該6つの火床プレートそれぞれの前記頂点部が上下方向に重なり合うように配置されることで、平面視において1辺の長さが前記底辺部の長さに略等しい略正六角形となる略すり鉢状の1つの凹型火床を構築可能であり、かつその凹型火床の構築時においては前記略正六角形の周方向に沿って第1プレート、第2プレート、第3プレート、第4プレート、第5プレート、第6プレートの順で配列されるそれら第1~第6プレートを含む、6つの火床プレートと、略水平方向に延びる水平ビーム部をそれぞれ備え、前記凹型火床の構築時において前記水平ビーム部上に前記第1プレート、前記第3プレート、前記第5プレートの前記底辺部をそれぞれ載置して支持可能な3つの支持部材と、前記凹型火床の構築時において前記第2プレート、前記第4プレート、前記第6プレートの前記底辺部に対応してそれぞれ配置される3つの接地脚部材であって、前記周方向に隣接配置される2つの前記支持部材を接続する方向に延びる接続ビーム部とそれら接続される2つの支持部材の間で設置面に接地する接地部とをそれぞれ有する3つの接地脚部材と、を有する。
【0009】
本願発明の焚火台用品セットにおいても、上述と同様、凹型火床及び支持構造を構築し、このとき、各火床プレート、各支持部材、各設置部材が、分解可能に構成されている。これにより、使用時以外には分解してコンパクトに持ち運ぶことができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、焚火台を、十分に小型化でき、持ち運びに便利なものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る焚火台において、凹型火床及び支持構造を構築している状態の斜視図である。
【
図2】本発明の第1実施形態に係る焚火台の構築後における斜視図である。図である。
【
図5】本発明の第1実施形態に係る焚火台において、接地脚部材を付け替えた状態の斜視図である。
【
図6】本発明の第2実施形態に係る焚火台において、ロストル支持部材及びロストル部材を取り付けている状態の斜視図である。
【
図7】本発明の第2実施形態に係る焚火台の構築後であって、ロストル部材をロストル支持部材の下側に載置した状態の斜視図である。
【
図8】本発明の第2実施形態に係る焚火台の構築後であって、ロストル部材をロストル支持部材の上側に載置した状態の斜視図である。
【
図9】本発明の第2実施形態に係る焚火台において、ロストル支持部材を上方向へ2段に重ねている状態の斜視図である。
【
図10】本発明の第3実施形態に係る焚火台において、ロストル支持部材及びロストル部材を取り付けている状態の斜視図である。
【
図11】本発明の第3実施形態に係る焚火台の構築後であって、ロストル部材をロストル支持部材の下側に載置した状態の斜視図である。
【
図12】本発明の第3実施形態に係る焚火台の構築後であって、ロストル部材をロストル支持部材の上側に載置した状態の斜視図である。
【
図13】本発明の第3実施形態に係る焚火台において、ロストル支持部材を上方向へ2段に重ねている状態の斜視図である。
【
図14】本発明の第4実施形態に係る焚火台において、曲面プレートを凹型火床の略全周に取り付けている状態の斜視図である。
【
図15】本発明の第4実施形態に係る焚火台の構築後であって、曲面プレートを凹型火床の略全周に配置した状態の斜視図である。
【
図16】本発明の第4実施形態に係る焚火台において、曲面プレートを凹型火床の略半周に取り付けている状態の斜視図である。
【
図17】本発明の第4実施形態に係る焚火台の構築後であって、曲面プレートを凹型火床の略半周に配置した状態の斜視図である。
【
図18】
図15に示す第1、第2曲面プレートにおける取付部位近傍の上面視拡大図である。
【
図19】本発明の実施形態の変形例としての焚火台用品セットにおける平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の各実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、各図面においては、ユーザから見た上・下方向、左・右方向、手前・奥手方向は、各図面において適宜示す矢印の上・下方向、左・右方向、前・後方向に、それぞれ対応している。
【0013】
[第1実施形態]
<焚火台の構成>
先ず、本発明の第1実施形態について説明する。
図1、
図2、
図3、及び、
図4に示すように、本発明の第1実施形態に係る焚火台100は、6つの火床プレート10、3つの支持部材20、及び、3つの接地脚部材30を備えている。
【0014】
各火床プレート10は、それぞれ略二等辺三角形状の形状であって、互いに略等しい2つの斜辺部11、底辺部12、及び、前記2つの斜辺部が交わる頂点部13を備えている。火床プレート10における3つの角は、それぞれ丸面取りされている。その3つの角に対応するように、各火床プレート10には、貫通孔12a,12a,13aが、それぞれ設けられている。貫通孔12a,12aは、底辺部12の両端部において、上下方向に貫通している。貫通孔13aは、頂点部13において、上下方向に貫通している。各火床プレート10は、弾性変形可能な材料で構成されており、例えば、耐火性の金属で構成されてもよい。
【0015】
6つの火床プレート10は、それぞれの組合せにより1つの凹型火床14を構築可能となっている。1つの凹型火床14が構築される場合、6つの火床プレート10は、下記のように配置される。互いに隣接する2つの火床プレート10においては、斜辺部11同士が部分的に上下方向に重なり合う。これとともに、当該6つの火床プレート10それぞれの頂点部13が、上下方向に重なり合う。このとき、互いに隣接する2つの火床プレート10における、それぞれの貫通孔12aも重なり合う。6つの火床プレート10における、全ての貫通孔13aも重なり合う。
【0016】
これにより、1つの凹型火床14は、平面視において、1辺の長さが底辺部12の長さに略等しい略正六角形状となる。凹型火床14は、各底辺部12を縁として、径方向中心部(即ち、重なり合う貫通孔13aが位置する部位)に向かって下向きに凹む、略すり鉢状を呈している。この中心部には、薪、炭等の可燃物を載置することができる。
【0017】
各火床プレート10は、第1~第6プレート10a~10fを含む。上記凹型火床14の構築時においては、これらのプレートは、略正六角形の周方向に沿って、第1プレート10a、第2プレート10b、第3プレート10c、第4プレート10d、第5プレート10e、第6プレート10fの順で配列される。
【0018】
より具体的には、第1プレート10aの頂点部13の上側に、第2プレート10bの頂点部13が重なる。第2プレート10bの頂点部13の上側に、第3プレート10cの頂点部13が重なる。第3プレート10bの頂点部13の上側に、第4プレート10dの頂点部13が重なる。第4プレート10dの頂点部13の上側に、第5プレート10eの頂点部13が重なる。第5プレート10eの頂点部13の上側に、第6プレート10fの頂点部13が重なる。
【0019】
これにより、第1~第6プレート10a~10fにおける、全ての貫通孔13aも重なり合う。重なり合った状態の貫通孔13aには、上側からボルト15が下側へ突出するよう嵌入される。下側から、各プレートの頂点部13を挟むように、ボルト15の下側突出部にナット16が螺合される。
【0020】
また、第1プレート10aの一方の斜辺部11の上側に、第2プレート10bの一方の斜辺部11が重なる。第2プレート10bの他方の斜辺部11の上側に、第3プレート10cの一方の斜辺部11が重なる。第3プレート10cの他方の斜辺部11の上側に、第4プレート10dの一方の斜辺部11が重なる。第4プレート10dの他方の斜辺部11の上側に、第5プレート10eの一方の斜辺部11が重なる。第5プレート10eの他方の斜辺部11の上側に、第6プレート10fの一方の斜辺部11が重なる。第1プレート10aの他方の斜辺部11の上側に、第6プレート10fの他方の斜辺部11が重なる。
【0021】
これにより、互いに隣接する第1,第2プレート10a,10b、第2,第3プレート10b,10c、第3,第4プレート10c,10d、第4,第5プレート10d,10e、第5,第6プレート10e,10f、第6,第1プレート10f,10aにおける、それぞれの貫通孔12aも重なり合う。重なり合った状態の貫通孔12aは、上記略正六角形状の頂点に対応するよう位置する。当該貫通孔12aには、3つの支持部材20がそれぞれ篏合する。
【0022】
3つの支持部材20は、それぞれパイプにて略「H」字形状に形成され、水平ビーム部21、上側突出部22、及び、下側突出部23を備えている。各支持部材20は、例えば、耐火性の金属で構成されてもよい。各支持部材20において、1つの水平ビーム部21が、「H」字の上下方向略中央部にて略水平方向に延びている。各支持部材20において、2つの上側突出部22が、水平ビーム部21の左右両端からそれぞれ上方向へ突出しており、「H」字の上側両隅部を構成している。
【0023】
上記凹型火床14の構築時において、3つの支持部材20は、水平ビーム部21上に第1プレート10aの底辺部12、第3プレート10cの底辺部12、第5プレート10eの底辺部12を、それぞれ載置して支持可能となっている。合計6つの上側突出部22は、上述のように重なり合った状態の貫通孔12aに下側からそれぞれ嵌入され、第1~第6プレート10a~10fよりも上側にそれぞれ突出する。
【0024】
より具体的には、第1プレート10aを支持する支持部材20においては、2つの上側突出部22は、重なり合った第1プレート10aの一方の貫通孔12a及び第6プレート10fの一方の貫通孔12aと、重なり合った第1プレート10aの他方の貫通孔12a及び第2プレート10bの一方の貫通孔12aと、の両方にそれぞれ篏合する。第3プレート10cを支持する支持部材20においては、2つの上側突出部22は、重なり合った第2プレート10bの他方の貫通孔12a及び第3プレート10cの一方の貫通孔12aと、重なり合った第3プレート10cの他方の貫通孔12a及び第4プレート10dの一方の貫通孔12aと、の両方にそれぞれ篏合する。第5プレート10eを支持する支持部材20においては、2つの上側突出部22は、重なり合った第4プレート10dの他方の貫通孔12a及び第5プレート10eの一方の貫通孔12aと、重なり合った第5プレート10eの他方の貫通孔12a及び第6プレート10fの他方の貫通孔12aと、の両方にそれぞれ篏合する。
【0025】
各支持部材20において、2つの下側突出部23が、水平ビーム部21の左右両端からそれぞれ下方向へ突出しており、「H」字の下側両隅部を構成している。合計6つの下側突出部23は、合計6つの接続ビーム部32とそれぞれ篏合するようになっている。
【0026】
3つの接地脚部材30は、それぞれパイプにて略「逆M」字形状に形成され、接地部31、及び、接続ビーム部32を備えている。各接地脚部材30は、例えば、耐火性の金属で構成されてもよい。各接地脚部材30において、2つの接地部31が、「逆M」字の下側両隅部(両肩部)を構成しており、設置面に接地するようになっている。各接地脚部材30において、2つの接続ビーム部32が、各接地部31から上方向へそれぞれ延びており、「逆M」字の上側両隅部を構成している。2つの接続ビーム部32における上部は、それぞれ上端開口を有するスリーブが形成されている。このスリーブは、例えば、パイプに溶接して取り付けられてもよい。接続ビーム部32のスリーブに、支持部材20の下側突出部23が上側から嵌入されて、接続ビーム部32と支持部材20との接続が達成される。
【0027】
上記凹型火床14の構築時において、3つの接地脚部材30は、第2プレート10bの底辺部12、第4プレート10dの底辺部12、及び、第6プレート10fの底辺部12に対応してそれぞれ配置される。接続ビーム部32は、凹型火床14の周方向に隣接配置される2つの支持部材20を接続する方向(上方向)に延びる。接地部31は、それら接続される2つの支持部材20の間で、設置面に接地する。
【0028】
より具体的には、第2プレート10bに対応して配置される接地脚部材30において、一方の接続ビーム部32は、第1プレート10aを支持する支持部材20における一方の下側突出部23と接続される。他方の接続ビーム部32は、第3プレート10cを支持する支持部材20における一方の下側突出部23と接続される。接地部31は、第1プレート10a及び第3プレート10cにそれぞれ対応する2つの支持部材20の間で、設置面に接地する。
【0029】
また、第4プレート10dに対応して配置される接地脚部材30において、一方の接続ビーム部32は、第3プレート10cを支持する支持部材20における他方の下側突出部23と接続される。他方の接続ビーム部32は、第5プレート10eを支持する支持部材20における一方の下側突出部23と接続される。接地部31は、第3プレート10c及び第5プレート10eにそれぞれ対応する2つの支持部材20の間で、設置面に接地する。
【0030】
また、第6プレート10fに対応して配置される接地脚部材30において、一方の接続ビーム部32は、第5プレート10eを支持する支持部材20における他方の下側突出部23と接続される。他方の接続ビーム部32は、第1プレート10aを支持する支持部材20における他方の下側突出部23と接続される。接地部31は、第5プレート10e及び第1プレート10aにそれぞれ対応する2つの支持部材20の間で、設置面に接地する。
【0031】
上述のように、第1~第6プレート10a~10fにより、凹型火床14が構築される。3つの支持部材20及び3つの接地脚部材30により、当該凹型火床14を構築した第1~第6プレート10a~10fを、設置面に対して支持する支持構造33が構築される。
【0032】
6つの火床プレート10、3つの支持部材20、及び、3つの接地脚部材30は、それらを組み合わせて凹型火床14及び支持構造33を構築可能に構成されるとともに、当該凹型火床14及び当該支持構造33の構築状態から、各火床プレート10、各支持部材20、各接地脚部材30へと分解可能に構成されている。
【0033】
また、
図5に示すように、上述した支持構造33のうち、接地脚部材30を異なる態様としてもよい。例えば、3つの接地脚部材30に代えて、3つの接地脚部材30aを取り付けるようにしてもよい。各接地脚部材30aは、2つの接続ビーム部32aを備えており、接続ビーム部32aの上下方向の寸法が、
図1~
図4にて示す接続ビーム32のものより長い点で、上述した接地脚部材30と異なる。
【0034】
<実施形態の効果>
以上説明したように、本発明の第1実施形態においては、略二等辺三角形の分割ピースである6つの火床プレート10(第1~第6プレート10a~10f)を、周方向に沿って並べて平面視略正六角形形状の凹型火床14を構築し、その正六角形の各辺に対応する位置(各二等辺三角形の底辺部12の位置)に、支持部材20及び接地脚部材30を配置して、下部の支持構造33を構築する。
【0035】
このとき、各火床プレート10、各支持部材20、各接地脚部材30は分解可能に構成されている。これにより、使用時以外には分解してコンパクトに持ち運ぶことができる(
図19を参照)。従って、本発明の実施形態によれば、焚火台100を、十分に小型化でき、持ち運びに便利なものとすることができる。
【0036】
また、上記6つの火床プレート10は、各二等辺三角形の頂点部13が上・下に重畳するようにしつつ、隣接する2つの火床プレート10の前記斜辺部11同士が部分的に重なり合うように、配置される。これにより、隣接する2つの火床プレート10の間には、空気が流通可能な隙間が多少なりとも存在することとなる(特に、使用開始後には、経年により火床プレート10が熱変形することで、確実に隙間が生じる)。この結果、別途火床においてスリット等を設けなくても、燃焼のために必要な空気を流通させる空気通路を確保でき、高い燃焼効率を確保することができる。また、仮にスリットを設ける場合に生じる事象として、例えば、スリットから高熱が直接設置面に伝わることによる設置面の損傷や、スリットを介して燃え残りの炭やその他の燃えかすが落下することによる設置面の汚損等を、回避することができる。
【0037】
また、例えば、接地脚部材30を、上下方向寸法(高さ)が互いに異なる2種類を用意して、交換して使用可能な構成とすることもできる(
図2、及び、
図5を参照)。この場合、高さの低い接地脚部材30を用いる場合は、地べたに座って焚火をするスタイルのユーザに好適である。高さの高い接地脚部材30aを用いる場合は、ローチェアに座って焚火をするスタイルのユーザに好適である。すなわち、ユーザのキャンプスタイルによって焚火台の高さを変更することができる。
【0038】
[第2実施形態]
<焚火台の構成>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。本発明の第2実施形態に係る焚火台100は、
図6、
図7、
図8、及び、
図9に示すように、上記第1実施形態の構成に加え、少なくとも2つのロストル支持部材40、及び、1つのロストル部材50を備えている。以下、第2実施形態の第1実施形態と異なる点のみ説明する。なお、第2実施形態の説明において、第1実施形態の構成要素と同一・等価なものに対しては、同じ符号を付すことで説明を省略する。
【0039】
2つのロストル支持部材40は、それぞれパイプにて略梯形状に形成され、ロストルビーム部41、上側突出部42、及び、接続ビーム部43を備えている。各ロストル支持部材40は、例えば、耐火性の金属で構成されてもよい。各ロストル支持部材40においては、2つのロストルビーム部41が設けられている。各ロストルビーム部41は、下側ロストルビーム部41a、及び、上側ロストルビーム部41bをそれぞれ有する。各ロストル支持部材40において、下側ロストルビーム部41aは、梯形状の上下方向略中央部にて略水平方向にそれぞれ延びている。上側ロストルビーム部41bは、下側ロストルビーム部41aと平行かつ下側ロストルビーム部41aよりも上側に配置され、略水平方向にそれぞれ延びている。下側、上側ロストルビーム部41a,41bは、ロストル部材50を選択的に載置できるようになっている。
【0040】
各ロストル支持部材40において、2つの上側突出部42が、上側ロストルビーム部41bの左右両端からそれぞれ上方向へ突出しており、梯形状の上側両隅部を構成している。2つの接続ビーム部43は、下側ロストルビーム部41aの左右両端からそれぞれ下方向へそれぞれ延びており、梯形状の下側両隅部を構成している。2つの接続ビーム部43における下部は、それぞれ下端開口を有するスリーブが形成されている。このスリーブは、例えば、パイプに溶接して取り付けられてもよい。接続ビーム部43のスリーブに、貫通孔12aから上方向に露出した上側突出部22が下側から嵌入されて、接続ビーム部43と支持部材20との接続が達成される。また、接続ビーム部43のスリーブに、もう一つのロストル支持部材40の上側突出部42が下側から嵌入されて、ロストル支持部材40同士の接続も達成されるようになっている(
図9を参照)。
【0041】
上記凹型火床14の構築時において、2つのロストル支持部材40は、第1プレート10aと第4プレート10d、若しくは、第2プレート10bと第5プレート10e、若しくは、第3プレート10cと第6プレート10fからなる2つの火床プレート10それぞれの底辺部12に対応した位置に配置される。2つのロストル支持部材40は、対応する支持部材20又は接地脚部材30の上部に、それぞれ着脱可能となっている。本実施形態においては、2つのロストル支持部材40が、第3プレート10c及び第6プレート10fに対応するよう配置され、第3プレート10cを支持する支持部材20の上部、及び、第6プレート10fに配置される接地脚部材30の上部に、それぞれ着脱可能となっている。
【0042】
より具体的には、第3プレート10cにおいては、第3プレート10cを支持する支持部材20における2つの上側突出部22に、2つの接続ビーム部43がそれぞれ接続される。第6プレート10fにおいては、第5プレート10eを支持する支持部材20における一方の上側突出部22と、第1プレート10aを支持する支持部材20における一方の上側突出部22とに、2つの接続ビーム部43がそれぞれ接続される。
【0043】
1つのロストル部材50は、パイプにて略矩形状に形成され、中央部51、及び、2つの両端部52を備えている。ロストル部材50は、例えば、耐火性の金属で構成されてもよい。中央部51は、略梯状を呈している。中央部51における平面視左右端部には、それぞれ右端開口および左端開口を有するスリーブが、2つずつ形成されている。このスリーブは、例えば、パイプに溶接して取り付けられてもよい。各両端部52は、略「コ」の字形状を呈している。各両端部52において、左右方向に突出する2つの先端部は、中央部51の左右両端の2つのスリーブに嵌入される。これにより、中央部51と、2つの両端部52とが接続されて、1つのロストル部材50が構成される。なお、中央部51、及び、両端部52は、互いに着脱可能となっている。
【0044】
ロストル部材50は、2つのロストル支持部材40それぞれのロストルビーム部41を、略水平方向に架け渡すように当該ロストルビーム部41上に載置可能に構成されている。より具体的には、例えば、
図7に示すように、ロストル部材50が、下側ロストルビーム部41a上に載置されてもよい。また、例えば、
図8に示すように、ロストル部材50が、上側ロストルビーム部41b上に載置されてもよい。
【0045】
また、例えば、
図9に示すように、ロストル支持部材40を更に2つ追加して、合計4つ用いてもよい。この場合、第3プレート10c及び第6プレート10fに対応するよう配置されている2つのロストル支持部材40に対し、更に1つずつロストル支持部材40を接続してもよい。即ち、第3プレート10c及び第6プレート10fにおいて、ロストル支持部材40が上下方向に2段重ねとなるよう構成されてもよい。これにより、下段のロストル支持部材40における下側、上側ロストルビーム部41a,41b、及び、上段のロストル支持部材40における下側、上側ロストルビーム部41a,41bの、合計4つの位置のうち何れか1つに、ロストル部材50を選択的に載置できる。
【0046】
<実施形態の効果>
以上説明したように、本発明の第2実施形態においては、凹型火床14の正六角形における略中央上方に、ロストル部材50を配置することにより、凹型火床14の全方向から満遍なく火力を受け、均等かつ効率的に対象物を焼き上げることができる。
【0047】
また、その際、例えばロストル部材50において、ロストルビーム部41を複数段設けることで、それらのうちのどの段にロストル部材50を載置するかによって、焼き上げ時の火力を所望に調整する(例えば、意図的に火から遠ざける等)ことができる。さらに、ロストル支持部材40を、上下方向に多重に装着可能に構成することで、その多重に構成されたうちのどのロストル支持部材40のロストルビーム部41に、ロストル部材50を載置するかによって、さらに火力調整の幅を広げることができる。例えば、火からさらに遠ざけることで、炙り料理等、じっくり火を通したい調理に好適とすることができる。
【0048】
また、前述のように、本実施形態においては、凹型火床14が、正六角形状を構築する6つの火床プレート10で構成されている。これにより、互いに平行にかつ対向するように配置された2つの火床プレート10(第1プレート10aと第4プレート10d、若しくは、第2プレート10bと第5プレート10e、若しくは、第3プレート10cと第6プレート10f)の上にロストル部材50を配置する構成とするか、後述のように、互いに平面視で略ハの字状になる2つの火床プレート10(第1プレート10aと第3プレート10c、若しくは、第2プレート10bと第4プレート10d、若しくは、第3プレート10cと第5プレート10e、若しくは、第4プレート10dと第6プレート10f、若しくは、第5プレート10eと第1プレート10a、若しくは、第6プレート10fと第2プレート10b)の上にロストル部材50を配置する構成とするか、等を自在に選択し、所望の態様でロストル部材50を用いた焼き上げを行うことができる。
【0049】
[第3実施形態]
<焚火台の構成>
次に、本発明の第3実施形態について説明する。本発明の第3実施形態に係る焚火台100は、
図10、
図11、
図12、及び、
図13に示すように、上記第2実施形態から、ロストル支持部材40の配置を異ならせた構成となっている。以下、第3実施形態の第1、第2実施形態と異なる点のみ説明する。なお、第3実施形態の説明において、第1、第2実施形態の構成要素と同一・等価なものに対しては、同じ符号を付すことで説明を省略する。
【0050】
上記凹型火床14の構築時において、2つのロストル支持部材40は、第1プレート10aと第3プレート10c、若しくは、第2プレート10bと第4プレート10d、若しくは、第3プレート10cと第5プレート10e、若しくは、第4プレート10dと第6プレート10f、若しくは、第5プレート10eと第1プレート10a、若しくは、第6プレート10fと第2プレート10bからなる2つの火床プレート10それぞれの底辺部12に対応した位置に配置される。2つのロストル支持部材40は、対応する支持部材20又は接地脚部材30の上部に、それぞれ着脱可能となっている。本実施形態においては、2つのロストル支持部材40が、第4プレート10d及び第6プレート10fに対応するよう配置され、第4プレート10dに配置される接地脚部材30の上部、及び、第6プレート10fに配置される接地脚部材30の上部に、それぞれ着脱可能となっている。
【0051】
より具体的には、第4プレート10dにおいては、第3プレート10cを支持する支持部材20における一方の上側突出部22と、第5プレート10eを支持する支持部材20における一方の上側突出部22とに、2つの接続ビーム部43がそれぞれ接続される。第6プレート10fにおいては、第5プレート10eを支持する支持部材20における一方の上側突出部22と、第1プレート10aを支持する支持部材20における一方の上側突出部22とに、2つの接続ビーム部43がそれぞれ接続される。
【0052】
ロストル部材50は、2つのロストル支持部材40それぞれのロストルビーム部41を、略水平方向に架け渡すように当該ロストルビーム部41上に載置可能に構成されている。より具体的には、例えば、
図11に示すように、ロストル部材50が、下側ロストルビーム部41a上に載置されてもよい。また、例えば、
図12に示すように、ロストル部材50が、上側ロストルビーム部41b上に載置されてもよい。
【0053】
また、例えば、
図13に示すように、ロストル支持部材40を更に2つ追加して、合計4つ用いてもよい。この場合、第4プレート10d及び第6プレート10fに対応するよう配置されている2つのロストル支持部材40に対し、更に1つずつロストル支持部材40を接続してもよい。即ち、第4プレート10d及び第6プレート10fにおいて、ロストル支持部材40が上下方向に2段重ねとなるよう構成されてもよい。これにより、下段のロストル支持部材40における下側、上側ロストルビーム部41a,41b、及び、上段のロストル支持部材40における下側、上側ロストルビーム部41a,41bの、合計4つの位置のうち何れか1つに、ロストル部材50を選択的に載置できる。
【0054】
<実施形態の効果>
以上説明したように、本発明の第3実施形態においては、凹型火床14における正六角形の一方側(例えば、ユーザから見て奥手側(後側))に寄せて、略ハの字に2つのロストル支持部材40を配置して、その上にロストル部材50を配置する。これにより、凹型火床14における正六角形の他方側(例えば、ユーザから見て手前側(前側))で広く焚火をしつつ、上記一方側(例えば、ユーザから見て奥手側(後側))で調理を行うことができる。
【0055】
また、その際、例えばロストル部材50において、ロストルビーム部41を複数段設けることで、それらのうちのどの段にロストル部材50を載置するかによって、焼き上げ時の火力を所望に調整する(例えば、意図的に火から遠ざける等)ことができる。さらに、ロストル支持部材40を上下方向に多重に装着可能に構成することで、その多重に構成されたうちのどのロストル支持部材40のロストルビーム部41に、ロストル部材50を載置するかによって、さらに火力調整の幅を広げることができる。例えば、火からさらに遠ざけることで、炙り料理等、じっくり火を通したい調理に好適とすることができる。
【0056】
また、前述のように、本実施形態においては、凹型火床14が、正六角形状を構築する6つの火床プレート10で構成されている。これにより、互いに平面視で略ハの字状になる2つの火床プレート10(第1プレート10aと第3プレート10c、若しくは、第2プレート10bと第4プレート10d、若しくは、第3プレート10cと第5プレート10e、若しくは、第4プレート10dと第6プレート10f、若しくは、第5プレート10eと第1プレート10a、若しくは、第6プレート10fと第2プレート10b)の上にロストル部材50を配置する構成とするか、前述のように、互いに平行にかつ対向するように配置された2つの火床プレート10(第1プレート10aと第4プレート10d、若しくは、第2プレート10bと第5プレート10e、若しくは、第3プレート10cと第6プレート10f)の上にロストル部材50を配置する構成とするか、等を自在に選択し、所望の態様でロストル部材50を用いた焼き上げを行うことができる。
【0057】
[第4実施形態]
<焚火台の構成>
次に、本発明の第4実施形態について説明する。本発明の第4実施形態に係る焚火台100は、
図14、
図15、
図16、及び、
図17に示すように、上記第1実施形態の構成に加え、少なくとも1つのロストル支持部材40、及び、少なくとも1つの曲面プレート60を備えている。以下、第4実施形態の第1~第3実施形態と異なる点のみ説明する。なお、第4実施形態の説明において、第1~第3実施形態の構成要素と同一・等価なものに対しては、同じ符号を付すことで説明を省略する。
【0058】
上記凹型火床14の構築時において、少なくとも1つのロストル支持部材40は、第1プレート10a~第6プレート10fのうち、少なくとも1つの底辺部12に対応した位置において、対応する支持部材20又は接地脚部材30の上部に配置される。例えば、配置されるロストル支持部材40の個数が、3つである場合、
図14及び
図15に示すように、上述した第3実施形態における2つのロストル支持部材40の配置に加え、更にもう1つロストル支持部材40が追加されてもよい。
【0059】
上記追加されるロストル支持部材40は、第2プレート10bの底辺部12に対応した位置に配置され、対応する接地脚部材30の上部に着脱可能となっている。より具体的には、第2プレート10bにおいては、第1プレート10aを支持する支持部材20における一方の上側突出部22と、第3プレート10cを支持する支持部材20における一方の上側突出部22とに、2つの接続ビーム部43がそれぞれ接続される。
【0060】
上記凹型火床14の構築時において、少なくとも1つの曲面プレート60は、第1プレート10a~第6プレート10fのうち、少なくとも1つの底辺部12に対応した位置において、対応する支持部材20又は接地脚部材30の上部に着脱可能で、かつ、当該底辺部12よりも上方へ突出して立設されるように構成されている。例えば、上述のように、配置されるロストル支持部材40の個数が3つである場合、曲面プレート60が、合計6つ用いられてもよい。
【0061】
この場合、6つの曲面プレート60は、3つの第1曲面プレート61、及び、3つの第2曲面プレート62を有する。各第1、第2曲面プレート61,62は、平面視にて略長方形状を呈しており、弾性変形可能な材料で構成されており、例えば、耐火性の金属で構成されてもよい。各第2曲面プレート62における、それぞれの長辺の長さ(即ち、左右方向の長さ)は、各第1曲面プレート61のものよりも長い。各第1、第2曲面プレート61,62における、それぞれの短辺の長さ(即ち、上下方向の長さ)は略同一である。各第1、第2曲面プレート61,62の左右両短辺においては、上下方向略中央部に、矩形状の切欠き部61a,62aが、それぞれ設けられている。切欠き部61a,62aは、下側ロストルビーム部41aと、係合可能に構成されている。
【0062】
3つの第1曲面プレート61は、3つのロストル支持部材40に、それぞれ取り付けられるようになっている。即ち、3つの第1曲面プレート61は、第2プレート10b、第4プレート10d、及び、第6プレート10fに対応する接地脚部材30の上部に、それぞれ配置される。3つの第2曲面プレート62は、3つのロストル支持部材40の周方向間隙に、それぞれ取り付けられるようになっている。即ち、3つの第2曲面プレート62は、第1プレート10a、第3プレート10c、及び、第5プレート10eに対応する支持部材20の上部に、それぞれ配置される。このように、凹型火床14の略全周において、第1、第2曲面プレート61,62が、交互に配置される。配置された各第1、第2曲面プレート61,62においては、それらの長辺が周方向に沿うとともに、短辺が上下方向に位置する。
【0063】
第1、第2曲面プレート61,62を取り付ける場合、
図18に示すように、先ず、第1曲面プレート61を、その長辺を撓ませつつ、凹型火床14の円周外側からロストル支持部材40に近づけて、2つの切欠き部61aを、1つの下側ロストルビーム部41aに係合させる。このとき、上側ロストルビーム部41bは、第1曲面プレート61の上端よりも、上側に位置する。なお、説明の便宜上、本図では上側ロストルビーム部41bを一点鎖線で示している。係合した第1曲面プレート61は、復元力の作用により、ロストル支持部材40に固定される。次に、第2曲面プレート62を、その長辺を撓ませつつ、第1曲面プレート61及びロストル支持部材40の間隙に挟み込み、2つの切欠き部62aを、1つの下側ロストルビーム部41aに係合させる。このとき、上側ロストルビーム部41bは、第2曲面プレート62の上端よりも、上側に位置する。係合した第2曲面プレート62は、復元力にて第1曲面プレート61と互いに抗しながら、第1曲面プレート61に係止される。このようにして、第1、第2曲面プレート61,62が、ロストル支持部材40を介して取り付けられる。
【0064】
また、例えば、配置されるロストル支持部材40の個数が、2つである場合、
図16及び
図17に示すように、2つのロストル支持部材40の配置は、上述した第3実施形態におけるロストル支持部材40の配置と同じであってもよい。この場合、曲面プレート60が、合計3つ用いられてもよい。3つの曲面プレート60は、2つの第1曲面プレート61、及び、1つの第2曲面プレート62を有する。
【0065】
2つの第1曲面プレート61は、2つのロストル支持部材40に、それぞれ取り付けられるようになっている。即ち、2つの第1曲面プレート61は、第4プレート10d、及び、第6プレート10fに対応する接地脚部材30の上部に、それぞれ配置される。1つの第2曲面プレート62は、2つのロストル支持部材40の周方向間隙に、取り付けられるようになっている。即ち、1つの第2曲面プレート62は、第5プレート10eに対応する支持部材20の上部に配置される。このように、凹型火床14の略半周において、第1、第2曲面プレート61,62が、交互に配置される。
<実施形態の効果>
以上説明したように、本発明の第4実施形態においては、正六角形形状をなす凹型火床14の外周部のうち、少なくとも一部(例えば、周方向に隣接する3つの火床プレート10に設ければ半周180°分、6つの火床プレート10全部に設ければ全周360°分)を、曲面プレート60によって覆うことができる。これにより、それらの内側での焚火の炎に対する風避け機能を得られるとともに、焚火の熱を反射させて、暖を取るためのリフレクター効果を得ることもできる。
【0066】
<変形例>
上述した第1~第4実施形態の焚火台100の構成部品を、凹型火床14及び支持構造33の構築前の状態(ばらし状態)とし、焚火台用品セット100aとしてもよい。焚火台用品セット100aは、例えば、6つの火床プレート10、3つの支持部材20、3つの接地脚部材30、3つの接地脚部材30a、4つのロストル支持部材40、1つのロストル部材50(1つの中央部51及び2つの両端部52)、及び、6つの曲面プレート(3つの第1曲面プレート61及び3つの第2曲面プレート62)を有してもよい。
【0067】
また、焚火台100において、少なくとも2つのロストル支持部材40、1つのロストル部材50、及び、少なくとも1つの曲面プレート60を備え、凹型火床14の外周部に曲面プレート60を配置しつつ、ロストル支持部材40のロストルビーム部41、又は、曲面プレート60の上端部に、ロストル部材50を載置するようにしてもよい。
【0068】
なお、以上の説明において、外観上の寸法や大きさが「同一」「等しい」「異なる」等の記載がある場合は、当該記載は厳密な意味ではない。すなわち、それら「同一」「等しい」「異なる」とは、設計上、製造上の公差、誤差が許容され、「実質的に同一」「実質的に等しい」「実質的に異なる」という意味である。
【0069】
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
【0070】
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【符号の説明】
【0071】
10 火床プレート
10a 第1プレート
10b 第2プレート
10c 第3プレート
10d 第4プレート
10e 第5プレート
10f 第6プレート
11 斜辺部
12 底辺部
13 頂点部
14 凹型火床
20 支持部材
21 水平ビーム部
30 接地脚部材
30a 接地脚部材
31 接地部
32 接続ビーム部
33 支持構造
40 ロストル支持部材
41 ロストルビーム部
41a 下側ロストルビーム部
41b 上側ロストルビーム部
50 ロストル部材
60 曲面プレート
61 第1曲面プレート
62 第2曲面プレート
100 焚火台
100a 焚火台用品セット