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特開2023-65290埋め込みパッケージ構造及びその作製方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023065290
(43)【公開日】2023-05-12
(54)【発明の名称】埋め込みパッケージ構造及びその作製方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 25/07 20060101AFI20230502BHJP
   H01L 23/12 20060101ALI20230502BHJP
【FI】
H01L25/08 J
H01L23/12 501P
H01L25/08 H
H01L25/08 Z
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022098878
(22)【出願日】2022-06-20
(31)【優先権主張番号】202111258705.X
(32)【優先日】2021-10-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】520350546
【氏名又は名称】珠海越亜半導体股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZHUHAI ACCESS SEMICONDUCTOR CO., LTD
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】陳 先 明
(72)【発明者】
【氏名】洪 業 傑
(72)【発明者】
【氏名】黄 本 霞
(72)【発明者】
【氏名】黄 高
(57)【要約】      (修正有)
【課題】パッケージ体を小型化及び高密度集積化する埋め込みパッケージ構造の作製方法を提供する。
【解決手段】埋め込みパッケージ構造の作製方法は、第1の金属シード層が設けられた支持プレートを提供するステップと、第1の金属シード層上に基板を得るステップと、支持プレートを除去して基板を得て、基板上に基板を貫通する第1のキャビティと第2のキャビティを得るステップと、第1のキャビティ内に第1の部品を装着し、第2のキャビティ内に接続軟板を装着し、基板の第2の側に感光型絶縁材料で第2の絶縁層を得るステップと、基板の第1の側に第2の配線層を得て第2の部品を装着するステップと、接続軟板により基板を折り曲げ、基板の第1の側に180度より小さい角度を形成させ、基板の第1の側に対してパッケージ材によりパッケージ層を得るステップと、を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の金属シード層が設けられた支持プレートを提供するステップと、
前記第1の金属シード層上に加工して、基板を得るステップであって、前記基板は、第1の配線層と第1の金属ポストと第1の絶縁層とを含み、前記第1の配線層と前記第1の金属ポストはいずれも前記第1の絶縁層内に位置し、前記第1の金属ポストは、前記第1の配線層上にも位置するステップと、
前記支持プレートを除去して前記基板を得て、前記基板上に加工して前記基板を貫通する第1のキャビティと第2のキャビティを得るステップと、
前記第1のキャビティ内に第1の部品を装着し、前記第2のキャビティ内に接続軟板を装着し、前記第1の部品と前記接続軟板とを固定するように、前記基板の第2の側に感光型絶縁材料で加工して第2の絶縁層を得るステップと、
前記基板の第1の側に加工して第2の配線層を得て、前記第2の配線層上に第2の部品を装着し、それにより前記第1の金属ポストと前記第1の部品とが前記第2の配線層を介してそれぞれ前記第2の部品と電気的な接続関係を確立するステップと、
前記接続軟板により前記基板を折り曲げ、前記基板の第1の側に180度より小さい角度を形成させ、前記基板の第1の側に対してパッケージ材によりパッケージ処理してパッケージ層を得るステップと、を含む、埋め込みパッケージ構造の作製方法。
【請求項2】
前記第1の金属シード層上に加工して、基板を得る前記ステップは、
前記第1の金属シード層上に加工して、第1の導通配線と第1の犠牲配線と第2の犠牲配線とを含む第1の配線層を得るステップと、
前記第1の配線層上に加工して、前記第1の導通配線上に位置する第1の導通金属ポストと前記第1の犠牲配線上に位置する第1の犠牲金属ポストと前記第2の犠牲配線上に位置する第2の犠牲金属ポストとを含む第1の金属ポストを得るステップと、
前記第1の配線層の間隙と前記第1の金属ポストの間隙との間を絶縁材料で加工して第1の絶縁層を得て、前記基板を得るステップと、を含む、請求項1に記載の埋め込みパッケージ構造の作製方法。
【請求項3】
前記第1の配線層の間隙と前記第1の金属ポストの間隙との間を絶縁材料で加工して第1の絶縁層を得て、前記基板を得る前記ステップは、
前記第1の金属シード層上に絶縁材料を塗布し、前記絶縁材料が前記第1の金属ポストと前記第1の配線層を覆うようにして、絶縁ベース層を得るステップと、
前記絶縁ベース層を加工して、前記絶縁ベース層から前記第1の金属ポストの端部を露出させて、前記第1の絶縁層を得て、前記基板を得るステップと、を含む、請求項2に記載の埋め込みパッケージ構造の作製方法。
【請求項4】
前記基板上に加工して前記基板を貫通する第1のキャビティと第2のキャビティを得る前記ステップは、
前記第1の犠牲配線と前記第1の犠牲金属ポストを除去して、前記基板を貫通する前記第1のキャビティを形成するステップと、
前記第2の犠牲配線と前記第2の犠牲金属ポストを除去して、前記基板を貫通する前記第2のキャビティを形成するステップと、を含む、請求項2に記載の埋め込みパッケージ構造の作製方法。
【請求項5】
前記支持プレート上に第1の金属層と、第2の金属層と、エッチングストップ層とが順に設けられ、前記第1の金属シード層は前記エッチングストップ層上に位置し、前記支持プレートを除去して前記基板を得る前記ステップは、
前記第1の金属層を前記第2の金属層から分離し、前記第2の金属層と、前記エッチングストップ層と、前記第1の金属シード層とをエッチングにより順に除去し、前記支持プレートを除去して前記基板を得るステップを含む、請求項1に記載の埋め込みパッケージ構造の作製方法。
【請求項6】
前記第1のキャビティ内に第1の部品を装着し、前記第2のキャビティ内に接続軟板を装着する前記ステップは、
前記基板の第1の側に仮支持層を取り付け、前記基板の第1の側は前記基板の第2の側に対向し、且つ前記第1の配線層は、前記基板の第2の側に位置するステップと、
前記仮支持層上に、前記第1のキャビティの中に位置する第1の部品と、第2のキャビティの中に位置する接続軟板とを予め装着するステップと、を含む、請求項1に記載の埋め込みパッケージ構造の作製方法。
【請求項7】
前記基板の第2の側に感光型絶縁材料で加工して第2の絶縁層を得る前記ステップの後に、
前記仮支持層を除去するステップをさらに含む、請求項6に記載の埋め込みパッケージ構造の作製方法。
【請求項8】
前記基板の第1の側に加工して第2の配線層を得る前記ステップは、
前記基板の第1の側に加工して第2の金属シード層を得るステップと、
前記第2の金属シード層上に加工して前記第2の配線層を得るステップと、を含む、請求項1に記載の埋め込みパッケージ構造の作製方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は半導体パッケージ技術分野に関し、特に埋め込みパッケージ構造及びその作製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
科学技術の発展に伴い、現在の電子機器は小型化、軽量化、多機能化の方向に向かって進展しており、これにより集積回路がますます複雑になり、半導体パッケージの部品がますます増え、これ自体がパッケージの小型化・軽量化の進展を制約している。現在、主に応用されているパッケージ方式はWire Bonding(リード接続またはワイヤボンディング、WBと略称する)パッケージ、Flip chip(オーバーモールド方式、FCと略称する)パッケージがある。しかしながら、この2種のパッケージ方式のいずれも、基板表面に部品をタイリング方式で貼り付ける必要がある。部品の増加に伴い、従来のパッケージ方式では、パッケージ体をX方向及びY方向に効果的に小型化することが困難であり、高密度集積化、小型化の進展ニーズにパッケージが応えることが困難となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、従来技術に存在する技術的課題の少なくとも1つを解決することを目的とする。そこで、本発明は、パッケージ体をX方向及びY方向に効果的に小型化することができる埋め込みパッケージ構造の作製方法を提案する。
【0004】
本発明はさらに前記作製方法により製造された埋め込みパッケージ構造を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の局面の実施例に係る埋め込みパッケージ構造の作製方法は、
第1の金属シード層が設けられた支持プレートを提供するステップと、
前記第1の金属シード層上に加工して、基板を得るステップであって、前記基板は、第1の配線層と第1の金属ポストと第1の絶縁層とを含み、前記第1の配線層と前記第1の金属ポストはいずれも前記第1の絶縁層内に位置し、前記第1の金属ポストは、前記第1の配線層上にも位置するステップと、
前記支持プレートを除去して前記基板を得て、前記基板上に加工して前記基板を貫通する第1のキャビティと第2のキャビティを得るステップと、
前記第1のキャビティ内に第1の部品を装着し、前記第2のキャビティ内に接続軟板を装着し、前記第1の部品と前記接続軟板とを固定するように、前記基板の第2の側に感光型絶縁材料で加工して第2の絶縁層を得るステップと、
前記基板の第1の側に加工して第2の配線層を得て、前記第2の配線層上に第2の部品を装着し、それにより前記第1の金属ポストと前記第1の部品とが前記第2の配線層を介してそれぞれ前記第2の部品と電気的な接続関係を確立するステップと、
前記接続軟板により前記基板を折り曲げ、前記基板の第1の側に180度より小さい角度を形成させ、前記基板の第1の側に対してパッケージ材によりパッケージ処理してパッケージ層を得るステップと、を含む。
【0006】
本発明の実施例に係る埋め込みパッケージ構造の作製方法によれば、少なくとも以下のような有利な効果がある:埋め込みパッケージ構造の製造過程において、基板を折り曲げることにより、X方向及びY方向における寸法が小さい基板が得られ、さらに、X方向及びY方向における寸法が小さいパッケージ構造が得られ、パッケージの小型化及び高密度集積化に有利である。
【0007】
本発明のいくつかの実施例によれば、前記第1の金属シード層上に加工して、基板を得る前記ステップは、
前記第1の金属シード層上に加工して、第1の導通配線と第1の犠牲配線と第2の犠牲配線とを含む第1の配線層を得るステップと、
前記第1の配線層上に加工して、前記第1の導通配線上に位置する第1の導通金属ポストと前記第1の犠牲配線上に位置する第1の犠牲金属ポストと前記第2の犠牲配線上に位置する第2の犠牲金属ポストとを含む第1の金属ポストを得るステップと、
前記第1の配線層の間隙と前記第1の金属ポストの間隙との間を絶縁材料で加工して第1の絶縁層を得て、前記基板を得るステップと、を含む。
【0008】
本発明のいくつかの実施例によれば、前記第1の配線層の間隙と前記第1の金属ポストの間隙との間を絶縁材料で加工して第1の絶縁層を得て、前記基板を得る前記ステップは、
前記第1の金属シード層上に絶縁材料を塗布し、前記絶縁材料が前記第1の金属ポストと前記第1の配線層を覆うようにして、絶縁ベース層を得るステップと、
前記絶縁ベース層を加工して、前記絶縁ベース層から前記第1の金属ポストの端部を露出させて、前記第1の絶縁層を得て、前記基板を得るステップと、を含む。
【0009】
本発明のいくつかの実施例によれば、前記基板上に加工して前記基板を貫通する第1のキャビティと第2のキャビティを得る前記ステップは、
前記第1の犠牲配線と前記第1の犠牲金属ポストを除去して、前記基板を貫通する前記第1のキャビティを形成するステップと、
前記第2の犠牲配線と前記第2の犠牲金属ポストを除去して、前記基板を貫通する前記第2のキャビティを形成するステップと、を含む。
【0010】
本発明のいくつかの実施例によれば、前記支持プレート上に第1の金属層と、第2の金属層と、エッチングストップ層とが順に設けられ、前記第1の金属シード層は前記エッチングストップ層上に位置し、前記支持プレートを除去して前記基板を得る前記ステップは、前記第1の金属層を前記第2の金属層から分離し、前記第2の金属層と、前記エッチングストップ層と、前記第1の金属シード層とをエッチングにより順に除去し、前記支持プレートを除去して前記基板を得るステップを含む。
【0011】
本発明のいくつかの実施例によれば、前記第1のキャビティ内に第1の部品を装着し、前記第2のキャビティ内に接続軟板を装着する前記ステップは、
前記基板の第1の側に仮支持層を取り付け、前記基板の第1の側は前記基板の第2の側に対向し、且つ前記第1の配線層は、前記基板の第2の側に位置するステップと、
前記仮支持層上に、前記第1のキャビティの中に位置する第1の部品と、第2のキャビティの中に位置する接続軟板とを予め装着するステップと、を含む。
【0012】
本発明のいくつかの実施例によれば、前記基板の第2の側に感光型絶縁材料で加工して第2の絶縁層を得る前記ステップの後に、前記仮支持層を除去するステップをさらに含む。
【0013】
本発明のいくつかの実施例によれば、前記基板の第1の側に加工して第2の配線層を得る前記ステップは、
前記基板の第1の側に加工して第2の金属シード層を得るステップと、
前記第2の金属シード層上に加工して前記第2の配線層を得るステップと、を含む。
【0014】
本発明の第2の局面に係る埋め込みパッケージ構造は、第1の局面に記載の埋め込みパッケージ構造の作製方法により製造される。
【0015】
本発明の実施例に係る埋め込みパッケージ構造によれば、少なくとも以下のような有利な効果がある:上記作製方法により製造された埋め込みパッケージ構造は、基板が接続軟板により折り曲げられ、X方向とY方向に基板の寸法を縮小させ、埋め込みパッケージ構造のX方向とY方向における寸法の縮小に有利であり、よって、パッケージ体の小型化及び高密度集積化に有利である。
【0016】
本発明の追加の局面と利点は、以下の説明において部分的に示され、その一部は、以下の説明から明らかになるか、または本発明の実施から明らかになるであろう。
【0017】
本発明の上記及び/または追加の局面と利点は、以下の図面を結合して実施例に対する説明から明らかになり、容易に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施例に係る埋め込みパッケージ構造の作製方法のフローチャートである。
図2】本発明の実施例に係る埋め込みパッケージ構造の作製方法の途中過程における埋め込みパッケージ構造の断面模式図である。
図3】本発明の実施例に係る埋め込みパッケージ構造の作製方法の途中過程における埋め込みパッケージ構造の断面模式図である。
図4】本発明の実施例に係る埋め込みパッケージ構造の作製方法の途中過程における埋め込みパッケージ構造の断面模式図である。
図5】本発明の実施例に係る埋め込みパッケージ構造の作製方法の途中過程における埋め込みパッケージ構造の断面模式図である。
図6】本発明の実施例に係る埋め込みパッケージ構造の作製方法の途中過程における埋め込みパッケージ構造の断面模式図である。
図7】本発明の実施例に係る埋め込みパッケージ構造の作製方法の途中過程における埋め込みパッケージ構造の断面模式図である。
図8】本発明の実施例に係る埋め込みパッケージ構造の作製方法の途中過程における埋め込みパッケージ構造の断面模式図である。
図9】本発明の実施例に係る埋め込みパッケージ構造の作製方法の途中過程における埋め込みパッケージ構造の断面模式図である。
図10】本発明の実施例に係る埋め込みパッケージ構造の作製方法の途中過程における埋め込みパッケージ構造の断面模式図である。
図11】本発明の実施例に係る埋め込みパッケージ構造の作製方法の途中過程における埋め込みパッケージ構造の断面模式図である。
図12】本発明の実施例に係る埋め込みパッケージ構造の作製方法の途中過程における埋め込みパッケージ構造の断面模式図である。
図13】本発明の実施例に係る埋め込みパッケージ構造の作製方法の途中過程における埋め込みパッケージ構造の断面模式図である。
図14】本発明の実施例に係る埋め込みパッケージ構造の作製方法の途中過程における埋め込みパッケージ構造の断面模式図である。
図15】本発明の実施例に係る埋め込みパッケージ構造の作製方法の途中過程における埋め込みパッケージ構造の断面模式図である。
図16】本発明の実施例に係る埋め込みパッケージ構造の作製方法の途中過程における埋め込みパッケージ構造の断面模式図である。
図17】本発明の実施例に係る埋め込みパッケージ構造の作製方法の途中過程における埋め込みパッケージ構造の断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施例について、詳細に説明する。前記実施例の例示は、図面に示されており、同一または類似の符号は、同一または類似の要素、あるいは同一または類似の機能を有する要素を表す。以下、図面を参照して説明する実施例は、本発明を説明するための例示的なものであり、本発明を限定するものではない。
【0020】
本発明の説明において、上、下、前、後、左、右等の方位記述に関連して示される方位又は位置関係は、図面に示される方位又は位置関係に基づくものであり、本発明の説明を容易にし、説明を簡単にするためにのみ意図されたものであり、指された装置または要素が特定の向きを有し、特定の向きで構成され、操作されなければならないことを示したり暗示したりするものではなく、本発明を限定するものと解釈されるべきではない。
【0021】
本発明の説明において、若干の意味は1つまたは複数であり、複数の意味は2つ以上であり、より大きい、より小さい、超えるなどは、本数を含まないものと理解され、以上、以下、以内などは、本数を含むものと理解される。第1、第2、第3、第4、第5、第6は、技術的特徴を区別することのみを目的として記載されており、相対的重要性を示す、または暗示する、または明示された技術的特徴の数を暗示する、または明示された技術的特徴の前後関係を暗示すると理解されるべきではない。
【0022】
本発明の説明において、特に断りのない限り、設置、取付、接続等の用語は広義に理解されるべきであり、当業者は、本発明における上記用語の具体的な意味を、技術案の具体的な内容を結合して合理的に特定することができる。
【0023】
図1を参照し、埋め込みパッケージ構造の作製方法は、ステップS1000と、ステップS2000と、ステップS3000と、ステップS4000と、ステップS5000と、ステップS6000とを含む。
【0024】
ステップS1000:第1の金属シード層110が設けられた支持プレート100を提供する。
【0025】
具体的には、図2を参照し、支持プレート100は、基板200を支持するためのものであり、第1のシード層110は、後の加工で基板200を得るための電気めっきの基礎となるものである。
【0026】
いくつかの実施例において、支持プレート100上には、第1の金属層120と、第2の金属層130と、エッチングストップ層140とが順に設けられ、第1の金属シード層110はエッチングストップ層140上に位置する。第1の金属層120と第2の金属層130は、後の支持プレート100の除去を容易にするために、スナップ接続、接着、差込み等のような接続方式で着脱可能に接続される。第1の金属層120と第2の金属層130は、後の支持プレート100からの基板200の分離に用いられ、エッチングストップ層140は、第2の金属層130を除去する際のオーバーエッチングの防止を容易にするために、第2の金属層130を第1の金属シード層110から隔離するために用いられる。
【0027】
ステップS2000:第1の金属シード層110上に加工して、基板200を得て、基板200は、第1の配線層220と、第1の金属ポスト240と、第1の絶縁層250とを含み、第1の配線層220と第1の金属ポスト240はいずれも第1の絶縁層250内に位置し、第1の金属ポスト240は、第1の配線層220上にも位置する。
【0028】
ここで、図2図7を参照して、後の基板200に基づく加工を容易にするために、第1の金属シード層110に基づいて、第1の配線層220と第1の金属ポスト240とを電気めっきにより順に得、最後に絶縁材料を充填して第1の絶縁層250を得ることによって、基板200を得る。
【0029】
具体的には、ステップS2000は、ステップS2100と、ステップS2200と、ステップS2300とを含む。
【0030】
ステップS2100:第1の金属シード層110上に加工して、第1の導通配線221と第1の犠牲配線222と第2の犠牲配線223とを含む第1の配線層220を得る。
【0031】
図3を参照し、第1の金属シード層110上にレジスト材料をフィルム貼り付けやコーティング等の方式により塗布し、第1の金属シード層110上に塗布されたレジスト材料を生産データに基づいて露光及び現像し、第1のパターン211を有する第1のフォトレジスト層210を得る。図4を参照し、第1のフォトレジスト層210の第1のパターン211に基づいて、メッキ加工により、第1の金属シード層110上に加工して第1の配線層220を得た後、第1のフォトレジスト層210を除去する。第1の配線層220は、第1の導通配線221と、第1の犠牲配線222と、第2の犠牲配線223とを含む。第1の導通配線221は、後続の回路の導通ベースのために用いられ、第1の犠牲配線222と第2の犠牲配線223は、後の加工で第1のキャビティ271と第2のキャビティ272を得ることを容易にするために、対応する金属ポストを後から形成するために用いられる。
【0032】
ステップS2200:第1の配線層220上に加工して、第1の導通配線221上に位置する第1の導通金属ポスト241と第1の犠牲配線222上に位置する第1の犠牲金属ポスト242と第2の犠牲配線223上に位置する第2の犠牲金属ポスト243とを含む第1の金属ポスト240を得る。
【0033】
図5を参照し、第1の金属シード層110と第1の配線層220上にレジスト材料をフィルム貼り付けやコーティング等の方式により塗布し、第1の金属シード層110と第1の配線層220上に塗布されたレジスト材料を生産データに基づいて露光及び現像し、第2のパターン231を有する第2のフォトレジスト層230を得る。図6を参照し、第2のフォトレジスト層230の第2のパターン231に基づいて、メッキ加工により、第1の配線層220上に加工して第1の金属ポスト240を得た後、第2のフォトレジスト層230を除去する。第1の金属ポスト240は、第1の導通配線221上に位置する第1の導通金属ポスト241と第1の犠牲配線222上に位置する第1の犠牲金属ポスト242と第2の犠牲配線223上に位置する第2の犠牲金属ポスト243とを含む。第1の導通金属ポスト241は、第1の導通配線221と後の加工で得られた第2の配線層283とを電気的に接続するとともに、後の加工で得られた基板200の支持基盤として、及び、放熱のために用いられる。第1の犠牲金属ポスト242と第2の犠牲金属ポスト243は、後の加工で得られるキャビティの大きさ及び位置を規定するために用いられるとともに、基板200を得るための加工中に支持する役割を果たす。
【0034】
ステップS2300:第1の配線層220の間隙と第1の金属ポスト240の間隙との間を絶縁材料で加工して第1の絶縁層250を得て、基板200を得る。
【0035】
図7を参照し、第1の配線層220の間隙と第1の金属ポスト240の間隙との間に、第1の配線層220の間隙と第1の金属ポスト240の間隙とを埋めるように絶縁材料をコーティングまたは圧着等により塗布し、第1の絶縁層250を得て、基板200を形成する。
【0036】
ステップS2300は、ステップS2310と、ステップS2320とを含んでもよい。
【0037】
ステップS2310:第1の金属シード層110上に絶縁材料を塗布し、絶縁材料が第1の金属ポスト240と第1の配線層220を覆うようにして、絶縁ベース層を得る。
【0038】
ステップS2320:絶縁ベース層を加工して、絶縁ベース層から第1の金属ポスト240の端部を露出させて、第1の絶縁層250を得て、基板200を得る。
【0039】
図7を参照し、第1の金属シード層110上に絶縁材料をコーティングまたは圧着等により塗布し、第1の配線層220と第1の金属ポスト240を覆うようにして、絶縁ベース層(図示せず)を得、この際に第1の金属ポスト240は絶縁ベース層内に位置し、かつ絶縁ベース層が厚く、さらに、イオンエッチングや研削板などの加工方式により、絶縁ベース層を薄くし、第1の金属ポスト240の端部を絶縁ベース層から露出させ、第1の絶縁層250を得る。ステップS2310とステップS2320により第1の絶縁層250を得ることは、加工難度の低減に有利である。
【0040】
なお、第1の金属ポスト240の端部とは、第1の金属ポスト240における第1の配線層220から遠い側の端部であり、すなわち、第1の金属ポスト240の第1の端部が第1の配線層220に接続され、第1の金属ポスト240の第2の端部は、第1の金属ポスト240の第1の端部と対向し、第1の金属ポスト240の第1の端部よりも第1の配線層220から離れており、第1の金属ポスト240の第2の端部は、第1の金属ポスト240の端部である。
【0041】
ステップS3000:支持プレート1000を除去して、基板200を得て、基板200上に加工して基板200を貫通する第1のキャビティ271と第2のキャビティ272を得る。
【0042】
図8図10を参照し、第1の絶縁層250を形成した後、基板200を得るが、この際、後の基板200に対する加工を容易にするために、支持プレート100を除去して基板200を取得する。支持プレート100を除去した後、後の第1の部品300と接続軟板400の装着を容易にするために、基板200をエッチング等の方式により加工して第1のキャビティ271と第2のキャビティ272を形成することができる。
【0043】
いくつかの実施例において、支持プレート100上には、第1の金属層120と、第2の金属層130と、エッチングストップ層140とが順に設けられ、第1の金属シード層110はエッチングストップ層140上に位置するようにすれば、ステップS3000において、「支持プレート100を除去し、基板200を得る」ことは、ステップS3100を含む。
【0044】
ステップS3100:第1の金属層120を第2の金属層130から分離し、エッチングにより第2の金属層130と、エッチングストップ層140と、第1の金属シード層110とを順に除去し、支持プレート100を除去して基板200を得る。
【0045】
ここで、第1の金属層120と第2の金属層130は、スナップ接続や接着等の接続方式で着脱可能に接続すれば、支持プレート100を除去する際に、第1の金属層120を第2の金属層130から直接に分離することができる。その後、第2の金属層130の材質、エッチングストップ層140の材質及び第1の金属シード層110の材質に応じて、対応するエッチング薬液を選択して順にエッチングすることにより、支持プレート100を除去する。例えば、エッチングストップ層140を除去する際には、ニッケルエッチング薬液を用いてエッチングストップ層140をエッチングすることができる。第2の金属層130と、エッチングストップ層140と、第1の金属シード層110とは、オーバーエッチングを避けるために順にエッチングにより除去される。
【0046】
ステップS3000において、「基板200上に加工して基板200を貫通する第1のキャビティ271と第2のキャビティ272を得る」ことは、ステップS3200とステップS3300を含む。
【0047】
ステップS3200:第1の犠牲配線222と第1の犠牲金属ポスト242を除去して、基板200を貫通する第1のキャビティ271を形成する。
【0048】
ステップS3300:第2の犠牲配線223と第2の犠牲金属ポスト243を除去して、基板200を貫通する第2のキャビティ272を形成する。
【0049】
図9図10を参照し、基板200の第1の側と基板200の第2の側には、フィルム貼り付けやコーティング等の方式によりレジスト材料を塗布することにより、基板200の第1の側に第3のレジスト層261が形成され、基板200の第2の側に第4のレジスト層262が形成される。第3のフォトレジスト層261と第4のフォトレジスト層262とは、互いに協働しており、第1の導通配線221と第1の導通金属ポスト241とを第3のフォトレジスト層261と第4のフォトレジスト層262との間に隠し、エッチングにより第1の犠牲配線222と、第2の犠牲配線223と、第1の犠牲金属ポスト242と、第2の犠牲金属ポスト243とを除去することを容易にするために、第1の犠牲配線222と、第2の犠牲配線223と、第1の犠牲金属ポスト242と、第2の犠牲金属ポスト243とを第3のフォトレジスト層261の開口及び第4のフォトレジスト層262の開口に露出させることによって、基板200を貫通する第1のキャビティ271と第2のキャビティ272をそれぞれ形成し、その後、第3のフォトレジスト層261と第4のフォトレジスト層262を除去する。
【0050】
ステップS4000:第1のキャビティ271内に第1の部品300を装着し、第2のキャビティ272内に接続軟板400を装着し、第1の部品300と接続軟板400とを固定するように、基板200の第2の側に感光型絶縁材料で加工して第2の絶縁層281を得る。
【0051】
図11図12を参照し、第1の部品300を第1のキャビティ271内に装着し、接続軟板400を第2のキャビティ272に装着した後、基板200の第2の側に感光性絶縁材料をコーティングや圧着等の方式により塗布し、そして、露光及び現像により、基板200の第2の側に塗布された感光型絶縁材料から、第1の配線層220と接続軟板400の一部の領域を露出させることによって、第2の絶縁層281を形成する。ここで、第1の配線層220は、第1の配線層220を回路インタフェースとして用いることを容易にするために露出しており、接続軟板400の一部の領域は、接続軟板400を折り曲げて後の加工を容易にするために露出している。第2の絶縁層281は、第1の部品300と接続軟板400が基板200から脱落しないように、第1の部品300と接続軟板400を固定するとともに、基板200を保護するためのものであり、基板200の構造強度の向上に寄与する。
【0052】
ステップS4000において、「第1のキャビティ271内に第1の部品300を装着し、第2のキャビティ272内に接続軟板400を装着する」ことはステップS4100とステップ4200を含むことができる。
【0053】
ステップS4100:基板200の第1の側に仮支持層500を取り付け、基板200の第1の側は基板200の第2の側に対向し、且つ第1の配線層220は、基板200の第2の側に位置する。
【0054】
ステップS4200:仮支持層500上に、第1のキャビティ271の中に位置する第1の部品300と、第2のキャビティ272の中に位置する接続軟板400とを予め装着する。
【0055】
図11を参照し、仮支持層500を取り付けることにより、第1の部品300と接続軟板400を支持し、第1の部品300と接続軟板400の位置を規定するための一定の固定作用を提供し、これにより、後に第2の絶縁層281を感光型絶縁材料で加工して得る際に、第1の部品300と接続軟板400とを適切な位置に正確に固定することができる。ここで、仮支持層500は、テープや金属板等を用いることができ、貼着や係着等の方式により取り付けることができる。
【0056】
また、ステップS4000の後、ステップS4300も含む。
ステップS4300:仮支持層500を除去する。
【0057】
ここで、加工して第2の絶縁層281を得た後、第2の絶縁層281は、第1の部品300と接続軟板400を基板200上に固定し、この際、その後の基板200の第1の側での加工を容易にするために、仮支持層500を除去してもよい。
【0058】
ステップS5000:基板200の第1の側に加工して第2の配線層283を得て、第1の金属ポスト240と第1の部品300とが第2の配線層283を介してそれぞれ第2の部品600と電気的な接続関係を確立するように、第2の配線層283上に第2の部品600を装着する。
【0059】
図13図16を参照し、第1の配線層220と、第1の金属ポスト240と、第1部品300と、第2の部品600とを完全な回路構造に形成することを容易にするために、メッキ加工により、生産データに基づいて、基板200の第1の側に加工して対応する第2の配線層283を得た後、第2の配線層283上に第2の部品600を装着する。
【0060】
ステップS5000において、「基板200の第1の側に加工して対応する第2の配線層283を得る」ことは、ステップS5100とステップS5200をさらに含むことができる。
【0061】
ステップS5100:基板200の第1の側に加工して第2の金属シード層282を得る。
【0062】
ステップS5200:第2の金属シード層282上に加工して第2の配線層283を得る。
【0063】
図13を参照し、基板200の第1の側に例えばチタンや銅等の金属を金属スパッタリング等の方式によりスパッタリングして第2の金属シード層282を得る。図14を参照し、基板200の第2の側と基板200の第1の側の第2の金属シード層282上にレジスト材料をフィルム貼り付けやコーティング等の方式により塗布することによって、第5のレジスト層263を基板200の第2の側に形成し、その後、第2の金属シード層282上に位置するレジスト材料を生産データに基づいて露光及び現像し、ひいては第2の金属シード層282上に第3のパターン291を有する第6のフォトレジスト層290を形成する。図15を参照し、第6のフォトレジスト層290の第3のパターン291に基づいて、メッキ加工により、第2の金属シード層282上に加工して第2の配線層283を得る。ステップS5100とステップS5200により、加工難度を低減し、より歩留まりの良い第2の配線層283を得ることに有利である。
【0064】
ステップS6000:接続軟板400により基板200を折り曲げ、基板200の第1の側に180度より小さい角度を形成させ、基板200の第1の側に対してパッケージ材によりパッケージ処理してパッケージ層700を得る。
【0065】
図17を参照し、接続軟板400の折り曲げ性に基づいて、基板200の第1の側に180度より小さい角度を形成するように、基板200を下方に折り曲げ、本実施例において、基板200のX方向及びY方向における寸法をより効果的に縮小するために、この角度を90度としている。基板200に対する折り曲げが完了した後、パッケージ材により基板200の第1の側に対してパッケージ処理し、パッケージ層700を得る。パッケージ層700は、基板200の第1の側の第2の部品600と、第2の配線層283とを保護するとともに、基板200が接続軟板400を介して動くことがないように、折り曲げられた基板200を固定するためのものである。
【0066】
ステップS6000により、最終的に、X方向及びY方向に効果的に寸法を縮小した埋め込みパッケージ構造が得られ、すなわち、上述した埋め込みパッケージ構造の作製方法により製造された埋め込みパッケージ構造は、パッケージの小型化及び高密度集積化に有利である。
【0067】
なお、図17を参照し、X方向は左右方向に位置し、Y方向はX方向及び上下両方向に垂直となる。
【0068】
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、当業者が有する知識の範囲内で、本発明の要旨を逸脱しない前提で各種の変更が可能である。
【符号の説明】
【0069】
100 支持プレート
110 第1の金属シード層
120 第1の金属層
130 第2の金属層
140 エッチングストップ層
200 基板
210 第1のフォトレジスト層
211 第1のパターン
220 第1の配線層
221 第1の導通配線
222 第1の犠牲配線
223 第2の犠牲配線
230 第2のフォトレジスト層
231 第2のパターン
240 第1の金属ポスト
241 第1の導通金属ポスト
242 第1の犠牲金属ポスト
243 第2の犠牲金属ポスト
250 第1の絶縁層
261 第3のフォトレジスト層
262 第4のフォトレジスト層
263 第5のフォトレジスト層
271 第1のキャビティ
272 第2のキャビティ
281 第2の絶縁層
282 第2の金属シード層
283 第2の配線層
290 第6のフォトレジスト層
291 第3のパターン
300 第1の部品
400 接続軟板
500 仮支持層
600 第2の部品
700 パッケージ層
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17