(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023065399
(43)【公開日】2023-05-12
(54)【発明の名称】第1の部分および第2の部分を有する不織布キャリヤ材料
(51)【国際特許分類】
D06H 5/00 20060101AFI20230502BHJP
D04H 1/4374 20120101ALI20230502BHJP
B32B 5/26 20060101ALI20230502BHJP
E04D 5/02 20060101ALI20230502BHJP
D06H 7/02 20060101ALI20230502BHJP
B32B 3/06 20060101ALI20230502BHJP
【FI】
D06H5/00
D04H1/4374
B32B5/26
E04D5/02 E
D06H7/02
B32B3/06
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023016179
(22)【出願日】2023-02-06
(62)【分割の表示】P 2019560758の分割
【原出願日】2018-05-08
(31)【優先権主張番号】17170052.9
(32)【優先日】2017-05-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】501080701
【氏名又は名称】フロイデンベルク パフォーマンス マテリアルズ ベー.フェー.
【氏名又は名称原語表記】Freudenberg Performance Materials B.V.
【住所又は居所原語表記】Westervoortsedijk 73, 6827 AV Arnhem, The Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(72)【発明者】
【氏名】ヘイスベルテュス ヘルマンス
(72)【発明者】
【氏名】ヨハネス デ ヨンヘ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】接続領域における厚さおよび特性の変化が生じない、不織布キャリヤ材料を接続する方法、および不織布キャリヤ材料を提供する。
【解決手段】本発明は、少なくとも第1の部分Aおよび第2の部分Bを有し、第1および第2の部分は、熱可塑性繊維の少なくとも2つの層を有する、不織布キャリヤ材料に関する。第1の部分および第2の部分は、接続領域における厚さおよび重量の変化なしに不織布キャリヤ材料を形成するように接続領域において互いに接続されている。本発明は、接続されたキャリヤ材料を形成するために不織布キャリヤ材料の第1および第2の部分を接続する方法にも関する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
厚さを有する第1の部分(A)と、厚さを有する第2の部分(B)とを含む不織布キャリヤ材料(1)を接続する方法であって、前記第1の部分(A)および前記第2の部分(B)は、少なくとも第1および第2の熱可塑性繊維層(A1,A2;B1,B2)を有しており、前記第1の部分(A)の厚さの一部と、前記第2の部分(B)の厚さの一部とは、前記第1の部分(A)および前記第2の部分(B)が一緒に接続領域において形状嵌め合い接続を形成するように前記第1の熱可塑性繊維層(A1,B1)および前記第2の熱可塑性繊維層(A2,B2)を形成するために除去される、方法。
【請求項2】
前記第1の部分(A)の前記第1の熱可塑性繊維層(A1)の長さは、前記第1の部分(A)の前記第2の熱可塑性繊維層(A2)の長さと少なくとも0.5cm、好ましくは少なくとも1cm、より好ましくは少なくとも2cmだけ異なり、前記第2の部分(B)の前記第1の熱可塑性繊維層(B1)の長さは、前記第2の部分(B)の前記第2の熱可塑性繊維層(B2)の長さと少なくとも0.5cm、好ましくは少なくとも1cm、より好ましくは少なくとも2cmだけ異なり、前記第1の部分(A)の前記第1の熱可塑性繊維層(A1)の長さと、前記第2の部分(B)の前記第1の熱可塑性繊維層(B1)の長さとの合計は、前記第1の部分(A1)の前記第2の熱可塑性繊維層(A2)の長さと、前記第2の部分(B)の前記第2の熱可塑性繊維層(B2)の長さとの合計と等しく、前記第1の部分(A)および前記第2の部分(B)は、その後、接続された不織布キャリヤ材料を形成するように接続領域(3)において接続される、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記接続領域(3)における前記第1の部分(A)と前記第2の部分(B)との永久接続は、好ましくは、カレンダリング、機械的なニードリング、ハイドロエンタングルメント、超音波接合、好ましくは高温空気による熱接合またはそれらのあらゆる組合せから成るグループから選択された、固定技術によって形成される、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
前記接続領域(3)は、前記不織布キャリヤ材料(3)の主延び方向(X)に対して垂直または所定の角度(α)、好ましくは20°の角度で延びている、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
前記第1および第2の部分(A,B)において前記第2の熱可塑性繊維層(A2,B2)から前記第1の熱可塑性繊維層(A1,B1)を分離するためにスプリッティング装置が使用される、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
請求項1から5までのいずれか1項記載の方法によって得られる不織布キャリヤ材料(1)であって、少なくとも、厚さを有する第1の部分(A)と、厚さを有する第2の部分(B)とを備え、前記第1の部分(A)および前記第2の部分(B)は、少なくとも第1および第2の熱可塑性繊維層(A1,A2,B1,B2)を有し、前記第1の部分(A)および前記第2の部分(B)は、前記不織布キャリヤ材料(1)を形成するように接続領域(3)を介して互いに接続されている、不織布キャリヤ材料(1)において、前記第1の部分(A)および前記第2の部分(B)は、一緒に、前記接続領域(3)において形状嵌め合い接続を形成していることを特徴とする、不織布キャリヤ材料(1)。
【請求項7】
前記第1の部分(A)の前記第1の熱可塑性繊維層(A1)の長さは、前記第1の部分(A)の前記第2の熱可塑性繊維層(A2)の長さと少なくとも0.5cm、好ましくは少なくとも1cm、より好ましくは少なくとも2cmだけ異なり、前記第2の部分(B)の前記第1の熱可塑性繊維層(B1)の長さは、前記第2の部分(B)の前記第2の熱可塑性繊維層(B2)の長さと少なくとも0.5cm、好ましくは少なくとも1cm、より好ましくは少なくとも2cmだけ異なり、前記第1の部分(A)の前記第1の熱可塑性繊維層(A1)の長さと、前記第2の部分(B)の前記第1の熱可塑性繊維層(B1)の長さとの合計は、前記第1の部分(A1)の前記第2の熱可塑性繊維層(A2)の長さと、前記第2の部分(B)の前記第2の熱可塑性繊維層(B2)の長さとの合計と等しいことを特徴とする、請求項6記載の不織布キャリヤ材料。
【請求項8】
前記不織布キャリヤ材料(1)の主延び領域(矢印X)に対して垂直(矢印Y)に測定された前記不織布キャリヤ材料(1)の厚さの変化は、約0.15mm未満である、請求項6または7記載の不織布キャリヤ材料(1)。
【請求項9】
前記接続領域(3)の平均重量は、該接続領域(3)を除外した前記不織布キャリヤ材料(1)の平均重量と最大で20質量%だけ異なる、請求項6から8までのいずれか1項記載の不織布キャリヤ材料(1)。
【請求項10】
前記第1の部分(A)および前記第2の部分(B)の少なくとも第1および第2の熱可塑性繊維層(A1,A2,B1,B2)の間にスクリム(4)が配置されている、請求項6から9までのいずれか1項記載の不織布キャリヤ材料(1)。
【請求項11】
前記スクリム(4)は、少なくとも5GPa、より好ましくは少なくとも10GPa、より好ましくは少なくとも15GPa、より好ましくは少なくとも20GPa、より好ましくは少なくとも25GPa、より好ましくは少なくとも40GPa、より好ましくは少なくとも50GPa、最も好ましくは少なくとも75GPaのガラス繊維または高弾性率繊維から形成されている、請求項9記載の不織布キャリヤ材料(1)。
【請求項12】
前記第1の部分(A)および前記第2の部分(B)の少なくとも第1および第2の熱可塑性繊維層(A1,A2,B1,B2)は、2つのタイプの一成分繊維を含むまたは二成分繊維を含む、請求項6から11までのいずれか1項記載の不織布キャリヤ材料(1)。
【請求項13】
前記2つのタイプの一成分繊維は、異なる融点を有する異なる化学構造のポリマーから成る、請求項12記載の不織布キャリヤ材料(1)。
【請求項14】
前記二成分繊維は、異なる融点を有する異なる化学構造の2つのポリマーから成る、請求項12記載の不織布キャリヤ材料(1)。
【請求項15】
前記接続領域(3)は、前記不織布キャリヤ材料(1)の主延び方向(矢印X)に対して垂直にまたは所定の角度(α)で延びている、請求項6から14までのいずれか1項記載の不織布キャリヤ材料(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱可塑性繊維の少なくとも2つの層を有する不織布キャリヤ材料であって、不織布キャリヤ材料は、少なくとも第1の部分および第2の部分を有し、第1および第2の部分は、不織布キャリヤ材料を形成するように接続領域を介して互いに接続されている、不織布キャリヤ材料に関する。本発明は、不織布キャリヤ材料の第1および第2の部分を接続する方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
熱可塑性繊維層を含む不織布キャリヤ材料は、従来技術において公知である。このような材料は、例えば、ビチューメン屋根メンブレン、屋根下敷きシート、フィルタ媒体のためのキャリヤ、タフテッドカーペットおよび(クッション)ビニル床カバーのための主な裏当てなどの多くの用途で使用されている。
【0003】
不織布キャリヤ材料の製造プロセスの間、ウェブ形成プロセスおよび/または接合プロセスにおいて妨害が生じる可能性があり、その結果、不織布キャリヤ材料から排斥する必要がある不織布キャリヤ材料の品質が生じ、これは切り取りを意味する。
【0004】
不織布キャリヤ材料は、通常、ロール状の商品として販売され、不織布タイプごとおよび/または用途ごとに、全てのローラの長さが好ましくは同じであるべきである。不織布キャリヤ材料のある製造プロセスでは、熱可塑性繊維が複数のボビンから繰り出される。繰り出し段階の間に幾つかの繊維が断裂すると、得られた不織布キャリヤ材料は、穴または繊維の束などの欠陥を有することになる。
【0005】
これらの欠陥領域は、不織布キャリヤ材料から切り出されまたは切り取られ、正しい材料特性を有する不織布キャリヤと取り替えられる。したがって、材料の複数の異なる部分が、突き合せ式にまたは互いに上下に配置され、連続的な材料を形成するように互いに接続される。材料の2つの部分の間のこのような接続は、結果として、より大きな材料厚さを有する接続領域、または、局所的に他の特性を生じる2つの部分の間の織物継目を有する領域を生じる。接続領域におけるこの厚さおよび特性の変化は、多くの用途にとって望ましくない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、少なくとも第1の部分および第2の部分を有し、第1の部分および第2の部分が、従来技術の欠点なしに接続領域を介して互いに接続されている、改良された不織布キャリヤ材料を提供することである。本発明の目的は、従来技術の欠点なしに不織布キャリヤ材料の第1の部分および第2の部分を互いに接続するための改良された方法でもある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の目的は、請求項1による不織布キャリヤ材料の少なくとも第1の部分と第2の部分とを接続する方法、および、請求項6による不織布キャリヤ材料によって達成される。
【0008】
以下では、「第1の熱可塑性繊維層」および「第1の繊維層」という用語は同義で使用される。また、「第2の熱可塑性繊維層」および「第2の繊維層」という用語は同義で使用される。
【0009】
理解の欠如を回避するために、請求項に記載された不織布キャリヤ材料は、(特に接続領域における)不織布材料の厚さを増大することなく、または少なくとも不織布キャリヤ材料の残りと比較して接続領域における厚さの差を減らす、新規で独創的な方法で互いに組み合わされる第1の不織布キャリヤ材料(すなわち第1の部分)と第2の不織布キャリヤ材料(すなわち第2の部分)との組合せである。
【0010】
不織布キャリヤ材料の第1の部分は、第1および第2の熱可塑性繊維層を有している。しかしながら、第1の実施形態では、第1の部分の第1および第2の熱可塑性繊維層は、1つの(開始)熱可塑性繊維層から形成されている。1つの開始熱可塑性繊維層から第1および第2の熱可塑性繊維層を形成するために、2つの方法が可能である。第1の方法は、スカイビングなどのフライス削りまたは研削盤のような技術を使用する研磨などの方法によって、開始熱可塑性繊維層の厚さの一部を除去することである。第2の方法は、平面内で開始熱可塑性繊維層内を切断し、第1および第2の熱可塑性繊維層を形成し、次いで、第1または第2の熱可塑性繊維層の一部を除去することによる分離ステップを含む。第1および第2の熱可塑性繊維層を形成するこれらの方法によって、不織布キャリヤ材料の厚さは、好ましくは元の厚さの約半分まで減らされる。この実施形態では、除去および/または分離ステップは、2つの独立した熱可塑性繊維層(第1および第2の繊維層)を形成する。この実施形態は、第2の部分にも適用可能である。これは、第2の部分も、1つの開始熱可塑性繊維層を有していてもよく、分離ステップにおいて、第2の部分の第1および第2の熱可塑性繊維層が形成されることを意味する。
【0011】
第2の実施形態では、第1の部分(および第2の部分)は、独立した第1および第2の熱可塑性繊維層を有している。これは、第1の熱可塑性繊維層および第2の熱可塑性繊維層が、不織布キャリヤ材料の第1(および第2)の部分を形成するために重ね合わされていることを意味する。この実施形態でも、(第1の部分および第2の部分において)第1および第2の熱可塑性繊維層を互いに分離するために分離ステップが使用される。この分離ステップの間、2つの独立した第1および第2の熱可塑性繊維層が(少なくとも接続領域において)再び得られる。加えて、第1(および第2)の部分の第1および第2の熱可塑性繊維層を再び得るために、不織布キャリヤ材料の第1の部分(および第2の部分)の厚さの一部を除去するために、研磨方法を使用することができる。
【0012】
好ましくは、研磨方法によって第1および/または第2の部分の厚さの一部を除去するために、スカイビング装置が使用される。
【0013】
好ましくは、第2の部分の第1の熱可塑性繊維層は、不織布キャリヤ材料の第1の部分の第1の熱可塑性繊維層と同じタイプの繊維から成る。
【0014】
好ましくは、第2の部分の第2の熱可塑性繊維層は、不織布キャリヤ材料の第1の部分の第2の熱可塑性繊維層と同じタイプの繊維から成る。
【0015】
好ましい実施形態では、第1の部分の第2の熱可塑性繊維層、第2の部分の第1の熱可塑性繊維層および第2の部分の第2の熱可塑性繊維層は全て、不織布キャリヤ材料の第2の部分の第1の熱可塑性繊維層と同じタイプの繊維から成る。
【0016】
好ましい実施形態では、第1の部分の第1の繊維層は、第2の部分の第1の繊維層と同じタイプの繊維から成り、第1の部分の第2の繊維層は、第2の部分の第2の繊維層と同じタイプの繊維から成る。
【0017】
第1の部分の第1の繊維層、第2の部分の第1の繊維層、第1の部分の第2の繊維層および第2の部分の第2の繊維層が同じタイプの繊維から成ることも好ましい。
【0018】
本発明の範囲では、繊維という用語は、ステープルファイバおよびフィラメントの両方を意味することが理解される。ステープルファイバは、2~200mmの範囲の指定の比較的短い長さを有する繊維である。フィラメントは、200mmより大きい、好ましくは500mmより大きい、より好ましくは1000mmより大きい長さを有する繊維である。フィラメントは、例えば、紡糸口金における紡糸穴を通るフィラメントの連続的な押出しおよび紡糸によって形成される場合、実質的に無端であってもよい。
【0019】
繊維は、円形、トリローバル、マルチローバルまたは矩形を含むあらゆる横断面形状を有していてもよく、矩形は、幅および高さを有し、幅は高さよりもかなり大きくてもよく、この実施形態における繊維は1つのテープである。さらに、この繊維は、一成分、二成分または複数成分の繊維であってもよい。
【0020】
不織布キャリヤ材料は、カーディングプロセス、ウェットレイドプロセスまたはエアレイドプロセスまたはそれらのあらゆる組合せなどの公知のプロセスによって製造された例えばステープルファイバ不織布などのあらゆるタイプの不織布であってもよい。不織布キャリヤ材料は、公知のスパンボンディングプロセスまたは2ステッププロセスによって製造されたフィラメントから成る不織布であってもよい。スパンボンディングプロセスでは、フィラメントは、紡糸口金から押し出され、その後、フィラメントのウェブとしてコンベヤベルト上に配置され、その後、繊維の不織布層を形成するためにウェブを接続する。2ステッププロセスでは、フィラメントは、好ましくはマルチフィラメント糸の形態で防止されかつボビンに巻き取られた後、マルチフィラメント糸を繰り出し、フィラメントをフィラメントのウェブとしてコンベヤベルト上に配置し、繊維の不織布キャリヤ材料を形成するためにウェブを接続するステップが続く。
【0021】
好ましくは、第1の部分および/または第2の部分の少なくとも2つの熱可塑性繊維層における繊維は、例えば、ビチューメン屋根メンブレン、屋根下敷きシート、フィルタ媒体のためのキャリヤ、タフテッドカーペットまたは(クッション)ビニル床カバーなどの、不織布キャリヤ材料および/または最終的な(含浸された)製品に対してより高い引張強さおよび/またはより高い引裂強さを提供するためにフィラメントである。
【0022】
第1の部分および/または第2の部分の少なくとも2つの熱可塑性繊維層は、少なくとも2つの繊維層内の繊維の総重量の少なくとも50質量%、好ましくは少なくとも75質量%、より好ましくは少なくとも90質量%、さらに好ましくは少なくとも95質量%が熱可塑性繊維から成っていてもよい。少なくとも2つの繊維層内の熱可塑性繊維の量を増大することにより、引張強さおよび/または引裂抵抗が高まり、不織布キャリヤ材料および/または最終的な(含浸された)製品の可撓性が高まる。一実施形態では、第1の部分および/または第2の部分の第1および第2の繊維層は、繊維層内の繊維の総重量の熱可塑性繊維の100質量%から成る。
【0023】
第1および/または第2の繊維層内の熱可塑性繊維は熱可塑性ポリマーから成り、熱可塑性ポリマーは、例えば、ビチューメン屋根メンブレン、屋根下敷きシート、フィルタ媒体のためのキャリヤ、タフテッドカーペットおよび(クッション)ビニル床カバーのための製造プロセスにおいて曝されるような高温に耐えることができるあらゆるタイプの熱可塑性ポリマーであってよい。熱可塑性繊維は、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)(DMTまたはPTAをベースとする)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)および/またはポリ乳酸(PLA)などのポリエステル、例えば、ポリアミド-6(PA6)、ポリアミド-6,6(PA6,6)および/またはポリアミド-6,10(PA6,10)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリエチレンイミド(PEI)および/またはポリオキシメチレン(POM)などのポリアミドおよび/またはそれらのあらゆるコポリマーまたはあらゆるブレンドを含んでもよい。
【0024】
一実施形態では、接続領域を含む不織布キャリヤ材料の厚さ変化は、不織布キャリヤ材料の主延び方向に対して垂直に測定された、0.20mm未満、好ましくは0.15mm未満、より好ましくは0.10mm未満、最も好ましくは0.05mm未満であり(
図5参照)、すなわち、接続領域の平均厚さは、好ましくは、不織布キャリヤ材料の残りの平均厚さを超えることはない。「0.15mm未満」という用語は、±0.1mmの公差を有している。厚さは、DIN ISO 9073-2(1996年10月)に従って求められる。
【0025】
一実施形態では、接続領域の平均重量、すなわち接続領域における第1の部分Aと第2の部分Bとの組み合わされた重量は、接続領域を除外した不織布キャリヤ材料の平均重量とは最大で20質量%、より好ましくは最大で10質量%、最も好ましくは最大で5質量%だけ異なる。「少なくとも」という用語は、この文脈では、0.5~1.5質量%の公差を意味する。
【0026】
不織布キャリヤ材料の第1の部分および第2の部分は、一緒に、接続領域において形状嵌め合い接続を形成している。第1の部分および第2の部分は、一緒に、パズル部品のように接続領域においてはまり合っている。この形状嵌め合い接続により、(接続領域における二重の第1および/または第2の繊維層を回避することにより)厚さ変化を低減することができ、一種の圧力嵌めが形成される。この種の圧力嵌めにより、(例えば)カレンダリング、機械的なニードリング、ハイドロエンタングルメント、超音波接合、好ましくは高温空気による熱接合のような固定技術またはそれらのあらゆる組合せを介した第1の部分および第2の部分の永久接続が、より容易になる(固定の間に複数の異なる層のスリップが生じない)かつ/またはより強い接続が得られる。
【0027】
好ましくは、接続領域の機械的なニードリングと、それに続く接続領域の熱接合との組合せを、接続領域における第1の部分と第2の部分との間の繊維の絡み合いによる接続領域の改善された強度を得るために、適用することができる。
【0028】
別の実施形態では、第1の部分と第2の部分との間の接合を改善するために、適切なバインダが使用される。バインダは、化学的バインダ、熱硬化性ポリマーのような熱的バインダ、感圧接着剤、圧力および熱により活性化可能な接着剤またはUV照射などの照射によって活性化される接着剤であることができる。
【0029】
一実施形態では、少なくとも2つの繊維層の間にスクリムが配置されている。スクリムは、好ましくは、第1の部分の第1および第2の繊維層の間ならびに第2の部分の第1および第2の繊維層の間に配置されている。スクリムは、好ましくは、織られたスクリムまたはレイドスクリムである。スクリムは、不織布キャリヤ材料の第1および第2の繊維層における繊維の間の距離を固定し、改良された引張強さ、改良された寸法安定性、すなわち不織布キャリヤ材料に加えられた特定の荷重における伸びの減少、および/または不織布キャリヤ材料に対する改良された引裂強さを提供してもよい。スクリムを使用する利点に関して、出願人は、さらに、国際公開第2015/055619号を参照する。
【0030】
一実施形態では、スクリムは、少なくとも5GPa、好ましくは少なくとも10GPa、より好ましくは少なくとも15GPa、より好ましくは少なくとも20GPa、より好ましくは少なくとも25GPa、より好ましくは少なくとも40GPa、より好ましくは少なくとも50GPa、より好ましくは少なくとも75GPaのガラス繊維またはその他の高弾性率繊維から形成されている。
【0031】
一実施形態では、キャリヤ材料の長手方向に延びるスクリムの糸は、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)糸などのポリエステル糸、ポリアミド-6(PA6)糸などのポリアミド糸、ガラス糸、アラミド糸または炭素糸などの高弾性率糸および/またはその他の高弾性率糸またはそれらのあらゆる組合せを含む。好ましい実施形態では、以下の仕様を有するガラススクリムが使用される:
・25cm当たり33本の経糸および25cm当たり21本の緯糸
縦方向において:
・タイター:34tex
・110~130N/5cmの強度
・2.8~3.7%の破断点伸び
幅方向において:
・タイター:34tex
・68~80N/5cmの強度
・2.5~3.0%の破断点伸び
【0032】
一実施形態では、スクリムは、第1の部分の第1の熱可塑性繊維層に配置されてもよく、スクリムは、不織布キャリヤ材料の第2の部分の第2の熱可塑性繊維層に配置されてもよい。この実施形態では、接続領域は、不織布キャリヤ材料において寸法安定性を改善するために、第1の部分の第1の熱可塑性繊維層に配置されたスクリムと、第2の部分の第2の熱可塑性繊維層に配置されたスクリムとの両方を含む。
【0033】
好ましくは、組み合わされた不織布キャリヤ材料の接続領域におけるスクリムの間の荷重伝達の向上を可能にするために、第1の部分の第1の熱可塑性繊維層に配置されたスクリムは、第1の部分の第1の熱可塑性繊維層と第2の熱可塑性繊維層との間の境界面の近くに配置されており、好ましくは、第2の部分の第2の熱可塑性繊維層に配置されたスクリムは、第2の部分の第2の熱可塑性繊維層と第1の熱可塑性繊維層との間の境界面の近くに配置されている。スクリムが、接続領域における形状嵌め合い接続の固化の間に接続領域内でより近づけられたとき、スクリムの間の改善された接続が得られる。
【0034】
好ましくは、第1の部分の第1の熱可塑性繊維層に配置されたスクリムは、第1の部分の第1の熱可塑性繊維層と第2の熱可塑性繊維層との間の境界面から所定の距離に配置されており、この距離は、第1の部分の第1の熱可塑性繊維層の厚さの50%未満、より好ましくは40%未満、さらにより好ましくは30%未満、最も好ましくは20%未満である。
【0035】
第1の部分の第1の熱可塑性繊維層に配置されたスクリムは、1つの開始熱可塑性繊維層の厚さの中心線に配置されていてもよく、その厚さは、第1の部分の第1および第2の熱可塑性繊維層を形成するために、接続領域において50%未満、ただし好ましくは少なくとも15%、好ましくは少なくとも25%、より好ましくは少なくとも30%、最も好ましくは少なくとも40%だけ減らされている。1つの開始熱可塑性繊維層の厚さを50%未満だけ減らすことによって、スクリムを損傷するリスクが低下し、不織布キャリヤ材料の寸法安定性が改善される。
【0036】
好ましくは、第2の部分の第2の熱可塑性繊維層に配置されたスクリムは、第2の部分の第2の熱可塑性繊維層と第1の熱可塑性繊維層との間の境界面から所定の距離に配置されており、この距離は、第2の部分の第2の熱可塑性繊維層の厚さの50%未満、より好ましくは40%未満、さらにより好ましくは30%未満、最も好ましくは20%未満である。
【0037】
第2の部分の第2の熱可塑性繊維層に配置されたスクリムは、1つの開始熱可塑性繊維層の厚さの中心線に配置されていてもよく、その厚さは、第2の部分の第1および第2の熱可塑性繊維層を形成するために、接続領域において50%未満、ただし好ましくは少なくとも15%、好ましくは少なくとも25%、より好ましくは少なくとも30%、最も好ましくは少なくとも45%だけ減らされている。1つの開始熱可塑性繊維層の厚さを50%未満だけ減らすことによって、スクリムを損傷するリスクが低下し、不織布キャリヤ材料の寸法安定性が改善される。
【0038】
従来技術の不織布キャリヤ材料は、好ましくはキャリヤ材料の厚さの中心線に配置されたスクリムを有していてもよい。不織布キャリヤ材料の第1の部分および第2の部分の間の接続が、第1の部分を第2の部分の上側に配置することによって形成されている場合、第1の部分に含まれたスクリムと第2の部分に含まれたスクリムとの間の距離は、不織布キャリヤ材料の第1の部分または第2の部分の全厚さと等しい。このような従来の不織布キャリヤ材料の第1の部分および第2の部分は、第1の部分と第2の部分との間の境界面に接着剤テープを提供し、接着剤を不織布の繊維とスクリムとの間の隙間に流れ込ませるために接続領域において熱および/または圧力を加えることによって互いに接続されてもよい。しかしながら、このような従来の不織布キャリヤ材料において十分な寸法安定性を得るために、両スクリムの間に十分に強い接続を形成するように比較的大量の接着剤が提供されなければならず、この接着剤は、熱および/または圧力を加えた後、接続領域の全厚さにわたって分配される。その結果、接続部分は、例えばビチューメンまたはPVCプラスチゾルによって含浸されることができず、これは、例えばビチューメンメンブレンまたはビニル床の製造中に排斥される材料になる。なぜならば、接続領域が、ビチューメンメンブレンまたはビニル床において見えてしまうからである。
【0039】
第1の部分の第1の熱可塑性繊維層に配置されたスクリムが、第1の部分の第1の熱可塑性繊維層の厚さの50%未満の、第1の部分の第1の熱可塑性繊維層と第2の熱可塑性繊維層との間の境界面からの距離に配置されている場合、かつ/または、第2の部分の第2の熱可塑性繊維層に配置されたスクリムが、第2の部分の第2の熱可塑性繊維層の厚さの50%未満の、第2の部分の第2の熱可塑性繊維層と第1の熱可塑性繊維層との間の境界面からの距離に配置されている場合、接続領域において、例えば接着剤テープによって提供される接着剤の量を、接続領域における両スクリムの間の接続を形成するときに減らすことができ、かつ/または、提供される温度および/または圧力を減らすことができる。その結果、接着剤は、熱および/または圧力を加えた後、接続領域の全厚さにわたって分配されず、不織布キャリヤ材料の外面から完全に出ない、または少なくとも実質的に接着剤が存在せず、すなわち、不織布キャリヤ材料の表面の10%未満が接着剤によってカバーされ、これは、接続領域がビチューメンメンブレンまたはビニル床において見えることなしに、不織布キャリヤ材料を、例えばビチューメンまたはPVCプラスチゾルによって(少なくとも部分的に)含浸させることを可能にする。
【0040】
不織布キャリヤ材料が、タフテッドカーペットのための主裏当てとして使用される場合、タフティングニードルはより撓まなくなる。なぜならば、接続領域は厚さの増加が減少しており、かつ/またはより少ない接着剤を有するからである。
【0041】
さらに、不織布キャリヤ材料が、ビチューメンによって含浸されるように使用される場合、従来技術によって示されているように、継目における不織布キャリヤの二重厚さの形態の不均一性は生じない。したがって、ビチューメンの屋根メンブレンを製造するプロセスは、少なくともビチューメンによる不織布キャリヤの含浸についてはより阻害されない。
【0042】
一実施形態では、第1の部分および/または第2の部分の少なくとも2つの繊維層は、少なくとも2つの異なる種類の一成分繊維を含む。一実施形態では、異なるタイプの一成分繊維が使用され、少なくとも2つの異なる種類の一成分繊維は、好ましくは、異なる融点を有する異なる化学構造のポリマーから成る。少なくとも2つの異なるポリマーの融点は、少なくとも10℃、好ましくは少なくとも20℃だけ異なることが好ましい。より好ましくは、融点は少なくとも50℃だけ異なる。このような製品は、接続領域における繊維層を、より低い融点を有するポリマーの融点の範囲における温度に曝すことによって、好ましくは高温空気によって、熱的に接合することができる。
【0043】
一実施形態では、少なくとも2つの繊維層は、異なる融点を有する異なる化学構造の2つのポリマーから成る二成分繊維を含む。
【0044】
二成分繊維は、好ましくは、異なる化学構造の2つのポリマーから成る。基本的な区別は、3つのタイプの二成分繊維の間に引かれる:並列タイプ、コアシースタイプおよび海島タイプの二成分繊維。一実施形態では、二成分繊維を構成する2つのポリマーの融点は、少なくとも10℃、好ましくは少なくとも20℃だけ異なる。より好ましくは、融点は少なくとも50℃だけ異なる。特に並列タイプおよび/またはコアシースタイプの二成分繊維から成るときの、二成分繊維を含むこのような不織布キャリヤ材料は、接続領域における繊維層を、より低い融点を有するポリマーの融点の範囲内の温度に曝すことによって、好ましくは高温空気によって、熱的に接合することができる。好ましい実施形態では、不織布キャリヤ材料は、主に、第1および第2の繊維層におけるコアシースタイプの二成分繊維、好ましくはフィラメントから形成されている。主にとは、繊維層に含まれた繊維の少なくとも50%、好ましくは少なくとも75%、より好ましくは少なくとも90%、さらにより好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは100%がコアシースタイプの二成分繊維であることを意味する。好ましくは、コア/シース二成分繊維におけるコア/シース比は、95/5体積%~5/95体積%である。より好ましくは、コア/シース比は、50/50体積%~95/5体積%である。
【0045】
一実施形態では、二成分繊維のシースは、ポリアミド、ポリオレフィン、ハロゲン化ポリオレフィンおよびそれらのコポリマーまたは混合物を含むポリマーのグループのポリマーを含む。
【0046】
別の実施形態では、二成分繊維のコアは、ポリオレフィン、ハロゲン化ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステルおよびそれらのコポリマーまたは混合物を含むポリマーのグループのポリマーを含む。
【0047】
別の実施形態では、例えばビチューメンメンブレン、タフテッドカーペットまたはビニル床のために、コア/シース二成分繊維のシースは、主に、ポリアミド、好ましくはポリアミド-6(PA6)から成り、コアは、主に、ポリエステル、好ましくはポリエチレンテレフタレート(PET)から成る。
【0048】
別の実施形態では、例えばタフテッドカーペットまたはフィルタ媒体のために、コア/シース二成分繊維のシースは、主に、ポリオレフィン、好ましくはポリプロピレンから成り、コアは、主に、ポリエステル、好ましくはポリエチレンテレフタレート(PET)から成る。
【0049】
別の実施形態では、例えばビチューメンメンブレン、タフテッドカーペット、ビニル床またはフィルタ媒体のために、コア/シース二成分繊維のシースは、主に、ポリエステル、好ましくはコポリエステル(co-PET)から成り、コアは、主に、ポリエステル、好ましくはポリエチレンテレフタレート(PET)から成る。
【0050】
一実施形態では、接続領域は、不織布キャリヤ材料の主方向に対して垂直または所定の角度で延びている。好ましくは、接続領域は、不織布キャリヤ材料の主延び方向に対して、1°~30°、好ましくは3°~15°、より好ましくは5°~10°の角度で延びている(
図3参照)。好ましくは、接続領域は、幅方向全体にわたって延びている。好ましくは、接続領域は直線であるが、例えば、ジグザグ状の接続領域も含まれる。
【0051】
別の実施形態では、第1の部分と第2の部分との間の接触面が、接続領域における継目強度を改善するために拡大されている。第1の部分と第2の部分との接触面の拡大は、第1の部分の第1の繊維層と第1の部分の第2の繊維層との長さの差を増大し、さらに第2の部分においても同様にすることによって得ることができる。好ましくは、第1の部分と第2の部分との間の接触面は、交互に異なる長さを有する付加的な繊維層を有することによって拡大される(例えば、
図12および
図13参照)。接続領域がジグザグ状接続領域または波形接続領域などの非線形形状を有することも可能である。
【0052】
不織布キャリヤ材料は、第1の部分および第2の部分が一緒に接続領域において形状嵌め合い接続を形成するように、角度βを有する傾斜した層境界を有する第1の部分と、角度βに対して相補的な傾斜した層境界を有する第2の部分とを含んでもよい。
【0053】
不織布キャリヤ材料の第1の部分および第2の部分の形状嵌め合い接続は、不織布キャリヤ材料の第1の部分および第2の部分の主面に関して角度βを有する傾斜した層境界を有していてもよく、第1の部分および第2の部分は、傾斜した層境界を介して接続されており、その結果、第1の部分および第2の部分の主面は、例えば
図10に示すように、1つの平面に配置されている。
【0054】
不織布キャリヤ材料の第1の部分および第2の部分の形状嵌め合い接続は、代替的に、不織布キャリヤ材料の第1の部分および第2の部分の主面に関して角度βを有する傾斜した層境界を有する第1の部分および第2の部分を示してもよく、第1の部分および第2の部分は、例えば
図11に示すように、第1の部分の主面と、第2の部分の主面とを介して接続されている。この配置は、厚さを減らすために材料を除去するように処理されていない第1の部分および第2の部分の主面を介して第1の部分を第2の部分に接続することを可能にし、接続を改善することができる。組み合わされた不織布キャリヤ材料の主面は接続領域においてシフトしてもよいが、接続領域の厚さは、不織布キャリヤ材料の残りと比較して依然として等しい厚さを呈することができる。
【0055】
厚さを有する第1の部分(A)と、厚さを有する第2の部分(B)とを含み、第1の部分(A)および第2の部分(B)は、少なくとも第1および第2の熱可塑性繊維層(A1,A2;B1,B2)を有する不織布キャリヤ材料を接続する方法であって、第1の部分(A)の厚さの一部と、第2の部分(B)の厚さの一部とが、第1の部分(A)および第2の部分(B)が一緒に接続領域において形状嵌め合い接続を形成するように第1の熱可塑性繊維層(A1,B1)および第2の熱可塑性繊維層(A2,B2)を形成するために除去される、方法が提供される。
【0056】
好ましくは、第1の部分(A)および第2の部分(B)の厚さの一部の除去は、当業者にとって公知のスカイビングによって行われる。
【0057】
一実施形態では、方法は、第1の熱可塑性繊維層(A1,B1)および第2の熱可塑性繊維層(A2,B2)の一部を除去する前に行われる分離方法を含み、この分離方法では、分離ステップにおいて、第1の部分Aは、第1の熱可塑性繊維層(A1)および第2の熱可塑性繊維層(A2)に部分的に分離され、分離ステップにおいて、第2の部分Bは、第1の熱可塑性繊維層(B1)および第2の熱可塑性繊維層(B2)に部分的に分離され、第1の部分(A)の第1および第2の熱可塑性繊維層(A1,A2)と、第2の部分(B)の第1および第2の熱可塑性繊維層(B1,B2)とは、分離ステップにおいて互いに分離される。
【0058】
一実施形態では、第1の部分(A)および第2の部分(B)を含む不織布キャリヤ材料を接続する方法では、第1の部分(A)および第2の部分(B)の両方は、少なくとも第1の熱可塑性繊維層(A1,B1)および第2の熱可塑性繊維層(A2,B2)を含み、分離ステップにおいて、第1の部分(A)は、第1の部分(A)の第1の熱可塑性繊維層(A1)および第2の熱可塑性繊維層(A2)に部分的に分離され、分離ステップにおいて、第2の部分(B)は、第1の熱可塑性繊維層(B1)および第2の熱可塑性繊維層(B2)に部分的に分離され、第1の部分(A)における第1の熱可塑性繊維層(A1)および第2の熱可塑性繊維層(A2)と、第2の部分(B)の第1の熱可塑性繊維層(B1)および第2の熱可塑性繊維層(B2)とは、分離ステップにおいて互いに分離され、第1の部分(A)の厚さの一部および第2の部分(B)の厚さの一部は、第1の部分(A)の第1の熱可塑性繊維層(A1)の長さが第1の部分(A)の第2の熱可塑性繊維層(A2)の長さと異なりかつ第2の部分(B)の第1の熱可塑性繊維層(B1)の長さが第2の部分(B)の第2の熱可塑性繊維層(B2)の長さと異なるように、第1の熱可塑性繊維層(A1,B1)および/または第2の熱可塑性繊維層(A2、B2)を形成するために除去され、第1の部分の第1の熱可塑性繊維層(A1)の長さと、第2の部分の第1の熱可塑性繊維層(B1)の長さとの合計が、第1の部分の第2の熱可塑性繊維層(A2)の長さと、第2の部分の第2の熱可塑性繊維層(B2)の長さとの合計と等しく、第1の部分および第2の部分は、接続された不織布キャリヤ材料を形成するように接続領域において接続される。
【0059】
本開示による方法は、不織布キャリヤ材料の第1の部分および第2の部分の2つの異なる実施形態に適用可能である。第1の実施形態では、不織布キャリヤ材料の第1の部分および第2の部分は、2つの独立した熱可塑性繊維層を有し、第2の実施形態では、既に上述したように2つの熱可塑性繊維層に分離された(部分的に、これは少なくとも将来の接続領域のゾーン内であることを意味する)1つの開始熱可塑性繊維層が使用される。
【0060】
第1の実施形態のための分離ステップでは、2つの独立した熱可塑性繊維層が、(繊維層が、固定ありまたは固定なしで互いの上に配置される前に)互いに分離される。第2の実施形態のための分離ステップでは、1つの開始熱可塑性繊維層が、少なくとも将来の接続領域の長さにわたって2つの異なる層(第1および第2の熱可塑性繊維層)に分離される。好ましくは、第1の熱可塑性繊維層の厚さおよび/または重量は、(第1の部分および/または第2の部分において)1つの開始熱可塑性繊維層から形成された、第2の熱可塑性繊維層の厚さおよび/または重量と等しい。
【0061】
好ましくは、第1の部分の第1の熱可塑性繊維層の長さは、少なくとも0.5cm、好ましくは少なくとも1cm、より好ましくは少なくとも2cmだけ第1の部分の第2の熱可塑性繊維層の長さと異なる。好ましくは、第2の部分の第1の熱可塑性繊維層の長さは、少なくとも0.5cm、好ましくは少なくとも1cm、より好ましくは少なくとも2cmだけ第2の部分の第2の熱可塑性繊維層の長さと異なる。
【0062】
一実施形態では、接続領域における不織布キャリヤ材料の第1の部分および第2の部分の(後続の)永久接続は、固定技術によって形成される。したがって、好ましい技術は、カレンダリング、機械的なニードリング、ハイドロエンタングルメント、超音波接合、好ましくは高温空気による熱接合またはそれらのあらゆる組合せを含む。
【0063】
好ましくは、接続領域の機械的なニードリングと、それに続く接続領域の熱接合との組合せを、第1の部分と第2の部分との間の繊維の絡み合いによる接続領域の改善された強度を得るために、適用することができる。
【0064】
別の実施形態では、不織布キャリヤ材料の第1の部分と第2の部分との間の接合を改善するために、適切なバインダが使用される。バインダは、化学的バインダ、熱硬化性ポリマーのような熱的バインダ、圧力および熱により活性化可能な接着剤またはUV照射などの照射によって活性化される接着剤であってもよい。
【0065】
一実施形態では、接続領域は、不織布キャリヤ材料の主延び方向に対して垂直または所定の角度、好ましくは20°の角度で延びている。
【0066】
好ましくは、第1の部分の第1の熱可塑性繊維層と第2の熱可塑性繊維層とを互いに分離させかつ第2の部分の第1の熱可塑性繊維層と第2の熱可塑性繊維層とを互いに分離させるためのスプリッティング装置が使用される。
【0067】
本発明は図面を介してさらに説明される。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【
図1】従来技術の不織布キャリヤ材料の2つの部分の組合せを概略的に示している。
【
図2】
図2Aおよび
図2Bは、従来技術の不織布キャリヤ材料の2つの部分の組合せを概略的に示している。
【
図3】接続領域と共に平面図において不織布キャリヤ材料を概略的に示している。
【
図4】不織布キャリヤ材料の第1の部分および第2の部分を概略的に示している。
【
図5】
図4による不織布キャリヤ材料の第1および第2の部分の接続を概略的に示している。
【
図6】不織布キャリヤ材料の第1および第2の部分の異なる実施形態を概略的に示している。
【
図7】不織布キャリヤ材料の第1および第2の部分の異なる実施形態を概略的に示している。
【
図8】第1の熱可塑性繊維層および第2の熱可塑性繊維層のスプリッティングステップを概略的に示している。
【
図9】傾斜した層境界を有する不織布キャリヤ材料の第1の部分および第2の部分を概略的に示している。
【
図10】傾斜した層境界を有する不織布キャリヤ材料の第1の部分および第2の部分の接続を概略的に示している。
【
図11】傾斜した層境界を有する不織布キャリヤ材料の第1の部分および第2の部分の接続を概略的に示している。
【
図12】交互に異なる延びを有する4つの繊維の層を有する不織布キャリヤ材料の第1の部分および第2の部分を概略的に示している。
【
図13】交互に異なる延びを有する3つの繊維の層を有する不織布キャリヤ材料の第1の部分および第2の部分を概略的に示している。
【
図14】
図14Aおよび
図14Bは、不織布キャリヤ材料の第1の部分および第2の部分を概略的に示しており、スクリムは、第1の部分の第1の熱可塑性繊維層に配置されておりかつスクリムは、不織布キャリヤ材料の第2の部分の第2の熱可塑性繊維層に配置されている。
【発明を実施するための形態】
【0069】
図1には、不織布キャリヤ材料1の第1の部分Aと不織布キャリヤ材料1の第2の部分Bとの接続が概略的に示されている(従来技術)。第1の部分Aは、第1の熱可塑性繊維層A1および第2の熱可塑性繊維層A2を有している。第2の部分Bも、第1の熱可塑性繊維層B1および第2の熱可塑性繊維層B2を有している。接続領域3において第1の部分Aと第2の部分Bとを接続するために、第1の部分Aは第2の部分Bの上側に配置される。接続領域3において、4つの繊維層が配置されている。これにより、不織布キャリヤ材料1の厚さおよび重量は接続領域3において増大する。
【0070】
図2Aおよび
図2Bには、従来技術の代替的な実施形態が示されている。不織布キャリヤ材料1は、1つの繊維層を有する第1の部分Aと、同じく1つの繊維層を有する第2の部分Bとを含む。部分Aは部分Bの上側に配置され、次いで、両部分A,Bは、部分Aおよび部分Bを同時に切断しかつ固定するために、例えばホットワイヤまたは超音波接合/切断ステップを使用することによって永久に固定される。その後、部分Aおよび部分Bは開かれ、これにより、それらは接続領域3において接続される。この実施形態では、不織布キャリヤ材料1の厚さ(および重量)は接続領域3において増大している。さらに、接続領域における不織布キャリヤ材料の強度は、不織布キャリヤ材料の残りの部分における強度よりも低い。
【0071】
図3には、本開示による不織布キャリヤ材料1の平面図が示されている。不織布キャリヤ材料1は、第1の部分Aおよび第2の部分Bを有している。第1の部分Aおよび第2の部分Bは、接続領域3において互いに接続されている。接続領域3は、不織布キャリヤ材料1の主延び方向(
図5中の矢印Xを参照)に対して垂直にまたは不織布キャリヤ材料1の主延び方向(矢印X)に対して所定の角度で延びている。
【0072】
図4は、第1の繊維層A1および第2の繊維層A2を有する第1の部分Aと、第1の繊維層B1および第2の繊維層B2を有する第2の部分Bとを含む不織布キャリヤ材料1の側面図を示している。第1の部分Aの第1の繊維層A1は、第1の部分Aの第2の繊維層A2とは異なる長さを有している。第2の部分Bの第1の繊維層B1も、第2の部分Bの第2の繊維層B2とは異なる長さを有している。しかしながら、第1の部分Aの第1の繊維層A1の長さと、第2の部分Bの第1の繊維層B1の長さとの合計は、第1の部分Aの第2の繊維層A2の長さと、第2の部分Bの第2の繊維層B2の長さとの合計と等しい。これにより、第1の部分Aと第2の部分Bとは、パズル部品のようにはまり合う。
【0073】
図5は、不織布キャリヤ材料1を形成するための
図4の第1の部分Aと第2の部分Bとの接続を示している。第1の部分Aおよび第2の部分Bは形状嵌め合い接続を有しており、これにより、不織布キャリヤ材料1の主延び方向(矢印X)に対して垂直(矢印Y)における厚さの変化が生じない。この形状嵌め合い接続により、一種の圧力嵌め接続も形成され、第1の部分Aおよび第2の部分Bを、プロセスの間に1つまたは複数の繊維層のスリップなしに容易に(永久に)固定することができる。得られた材料は、接続された不織布キャリヤ材料1である。
【0074】
図6は、
図4および
図5の実施形態を示しており、熱可塑性繊維層A1,A2とB1,B2との間にスクリム4が配置されている。スクリムは、第1の部分および第2の部分A,Bの第1および第2の繊維層A1,A2,B1,B2の間に配置されているか、または第1の部分Aまたは第2の部分Bのみが(繊維層の間に)スクリム4を有している。第2の実施形態では、除去ステップは、第1の部分または第2の部分A,Bからスクリムも除去する。
【0075】
図7は、全ての部分のために3つ以上の熱可塑性繊維層を備える本開示の実施形態を示している。第1の部分Aは、第1の熱可塑性繊維層A1と、第2の熱可塑性繊維層A2と、第3の熱可塑性繊維層A3とを有している。第1の熱可塑性繊維層A1の長さは、第2および第3の熱可塑性繊維層A2,A3の長さと異なる。この例においても、第1の部分Aの第1の繊維層A1の長さと、第2の部分Bの第1の繊維層B1の長さとの合計は、第1の部分Aの第2の繊維層A2(A3)の長さと、第2の部分Bの第2の繊維層B2(B3)の長さとの合計と等しい。これにより、本発明は、1つの部分において3つ以上の繊維層を有する不織布キャリヤ材料のためにも機能する。層A1,A2,A3,B1,B2およびB3のうちの1つまたは複数を繊維以外の材料(例えば箔)から形成することができることが理解されるべきである。
【0076】
図8は、スプリッティングプロセスを概略的に示している。第1の部分Aは、第1の熱可塑性繊維層A1および第2の熱可塑性繊維層A2を有している。スプリッティング装置5は、第1の熱可塑性繊維層A1と第2の熱可塑性繊維層A2とを部分的に互いに分離させ、第1の熱可塑性繊維層A1および/または第2の熱可塑性繊維層A2の一部が、好ましくは切断によって除去される。同じ作業が、不織布キャリヤ材料1の第2の部分B(
図8には示されていない)に対して行われる。第1の部分Aおよび第2の部分Bの第1の繊維層A1(B1は
図8には示されていない)および第2の繊維層A2(B2は
図8には示されていない)は、開示されたように、(
図4、
図6および
図7のように)形状嵌め合い接続を生じるように形成される。その後、第1の部分Aおよび第2の部分Bは、互いに接続される(
図3、
図5参照)。第1の部分Aと第2の部分Bとが互いに接続される領域は、接続領域3(
図8には示されていない)と呼ばれる。スプリッティング装置5は、スプリッティング機械の一部である。例えば、Fortuna GmbH社は、このようなスプリッティング機械を販売している。(パズル部品のような)上記の形状嵌め合い接続を実現するために、スプリッティングおよび切断以外の方法が含まれる。
【0077】
図9は、角度βを有する傾斜した層境界を有する不織布キャリヤ材料の第1の部分Aおよび第2の部分Bの側面図を示している。
【0078】
図10は、不織布キャリヤ材料の第1の部分Aおよび第2の部分Bの接続の一実施形態の側面図を示しており、接続領域3は、不織布キャリヤ材料の第1の部分Aおよび第2の部分Bの主面に関して角度βを有する傾斜した接続領域である。
【0079】
図11は、不織布キャリヤ材料の第1の部分Aおよび第2の部分Bの接続の側面図を示しており、第1の部分Aおよび第2の部分Bは、角度βを有する層境界を有し、第1の部分Aおよび第2の部分Bの主面における接続領域3において接続されている。第1の部分Aおよび第2の部分Bは、接続領域における接続された層の厚さが不織布キャリヤ材料全体の厚さと等しくなるように接続されている。
【0080】
図12は、第1の部分Aおよび第2の部分Bの側面図を示しており、第1の部分Aおよび第2の部分Bは、それぞれ4つの繊維層(A1~A4およびB1~B4)を有している。第1の繊維層A1(B1)は、第2の繊維層A2(B2)とは異なる長さを有している。その後、第2の繊維層A2(B2)は、第3の層A3(B3)とは異なる長さを有し、第3の層A3(B3)も第4の繊維層A4(B4)とは異なる長さを有している。層の長さの違いは交互になっており、その結果ジッパーのような形状が得られている。これにより、偶数の層A2(B2)およびA4(B4)および/または奇数の層A1(B1)およびA3(B3)は、必ずしも同じ長さを必要としない。全ての繊維層の繊維層の長さの合計は等しい。
【0081】
図13は、第1の部分Aおよび第2の部分Bの側面図を示しており、第1の部分Aおよび第2の部分Bは、それぞれ3つの繊維層(A1~A3およびB1~B3)を有している。第1の繊維層A1(B1)は、第2の繊維層A2(B2)とは異なる長さを有している。その後、第2の繊維層A2(B2)は、第3の層A3(B3)とは異なる長さを有している。層の長さの違いは交互になっており、その結果、ジッパーのような形状が得られている。これにより、偶数の層A2(B2)は、必ずしも同じ長さを必要としない。全ての繊維層の繊維層の長さの合計は等しい。
【0082】
図14は、不織布キャリヤ材料の第1の部分および第2の部分を概略的に示しており、スクリムは、第1の部分の第1の熱可塑性繊維層に配置されており、かつスクリムは、不織布キャリヤ材料の第2の部分の第2の熱可塑性繊維層に配置されている。
図14Aでは、スクリム(破線)は、第1の部分の第1の熱可塑性繊維層A1と第2の熱可塑性繊維層A2との間の境界面の近くで第1の部分の第1の熱可塑性繊維層A1に配置されている。スクリム(破線)は、第2の部分の第2の熱可塑性繊維層B2と第1の熱可塑性繊維層B1との間の境界面の近くで第2の部分の第2の熱可塑性繊維層B2にも配置されている。
図14Bでは、接続境界面に形状嵌め合い接続が形成されている場合、スクリムは互いに近くに配置され、これは、不織布キャリヤ材料における両スクリムの間の荷重伝達を改善する。
【手続補正書】
【提出日】2023-03-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
厚さを有する第1の部分(A)と、厚さを有する第2の部分(B)とを含む不織布キャリヤ材料(1)を接続する方法であって、前記第1の部分(A)および前記第2の部分(B)は、少なくとも第1および第2の熱可塑性繊維層(A1,A2;B1,B2)を有しており、前記第1の部分(A)の厚さの一部と、前記第2の部分(B)の厚さの一部とは、前記第1の部分(A)および前記第2の部分(B)が一緒に接続領域(3)において形状嵌め合い接続を形成するように前記第1の熱可塑性繊維層(A1,B1)および前記第2の熱可塑性繊維層(A2,B2)を形成するために除去され、前記接続領域(3)は、前記不織布キャリヤ材料(1)の主延び方向(X)に対して所定の角度(α)で延びている、方法。
【請求項2】
前記第1の部分(A)の前記第1の熱可塑性繊維層(A1)の長さは、前記第1の部分(A)の前記第2の熱可塑性繊維層(A2)の長さと少なくとも0.5cmだけ異なり、前記第2の部分(B)の前記第1の熱可塑性繊維層(B1)の長さは、前記第2の部分(B)の前記第2の熱可塑性繊維層(B2)の長さと少なくとも0.5cmだけ異なり、前記第1の部分(A)の前記第1の熱可塑性繊維層(A1)の長さと、前記第2の部分(B)の前記第1の熱可塑性繊維層(B1)の長さとの合計は、前記第1の部分(A)の前記第2の熱可塑性繊維層(A2)の長さと、前記第2の部分(B)の前記第2の熱可塑性繊維層(B2)の長さとの合計と等しく、前記第1の部分(A)および前記第2の部分(B)は、その後、接続された不織布キャリヤ材料(1)を形成するように接続領域(3)において接続される、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記接続領域(3)における前記第1の部分(A)と前記第2の部分(B)との永久接続は、固定技術によって形成される、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
前記接続領域(3)における前記第1の部分(A)と前記第2の部分(B)との永久接続は、カレンダリング、機械的なニードリング、ハイドロエンタングルメント、超音波接合、熱接合またはそれらのあらゆる組合せから成るグループから選択された、固定技術によって形成される、請求項3記載の方法。
【請求項5】
前記接続領域(3)は、前記不織布キャリヤ材料(1)の前記主延び方向(X)に対して1°~30°の角度で延びている、請求項1から4までのいずれか1記載の方法。
【請求項6】
前記接続領域(3)は、前記不織布キャリヤ材料(1)の前記主延び方向(X)に対して20°の角度で延びている、請求項5記載の方法。
【請求項7】
前記第1および第2の部分(A,B)において前記第2の熱可塑性繊維層(A2,B2)から前記第1の熱可塑性繊維層(A1,B1)を分離するためにスプリッティング装置が使用される、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
【請求項8】
前記第1の部分(A)の厚さの一部および前記第2の部分(B)の厚さの一部は、研磨技術を用いて除去される、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
【請求項9】
前記研磨技術は、スカイビングまたはフライス削りである、請求項8記載の方法。
【請求項10】
請求項1から9までのいずれか1項記載の方法によって得られる不織布キャリヤ材料(1)であって、少なくとも、厚さを有する第1の部分(A)と、厚さを有する第2の部分(B)とを備え、前記第1の部分(A)および前記第2の部分(B)は、少なくとも第1および第2の熱可塑性繊維層(A1,A2,B1,B2)を有し、前記第1の部分(A)および前記第2の部分(B)は、前記不織布キャリヤ材料(1)を形成するように接続領域(3)を介して互いに接続されている、不織布キャリヤ材料(1)において、前記第1の部分(A)および前記第2の部分(B)は、一緒に、前記接続領域(3)において形状嵌め合い接続を形成しており、前記接続領域(3)は、前記不織布キャリヤ材料(1)の主延び方向(X)に対して所定の角度(α)で延びていることを特徴とする、不織布キャリヤ材料(1)。
【請求項11】
前記接続領域(3)は、前記不織布キャリヤ材料(1)の主延び方向(X)に対して1°~30°の角度で延びている、請求項10記載の不織布キャリヤ材料(1)。
【請求項12】
前記接続領域(3)は、前記不織布キャリヤ材料(1)の主延び方向(X)に対して20°の角度で延びている、請求項10記載の不織布キャリヤ材料(1)。
【請求項13】
前記第1の部分(A)の前記第1の熱可塑性繊維層(A1)の長さは、前記第1の部分(A)の前記第2の熱可塑性繊維層(A2)の長さと少なくとも0.5cmだけ異なり、前記第2の部分(B)の前記第1の熱可塑性繊維層(B1)の長さは、前記第2の部分(B)の前記第2の熱可塑性繊維層(B2)の長さと少なくとも0.5cmだけ異なり、前記第1の部分(A)の前記第1の熱可塑性繊維層(A1)の長さと、前記第2の部分(B)の前記第1の熱可塑性繊維層(B1)の長さとの合計は、前記第1の部分(A)の前記第2の熱可塑性繊維層(A2)の長さと、前記第2の部分(B)の前記第2の熱可塑性繊維層(B2)の長さとの合計と等しいことを特徴とする、請求項10から12までのいずれか1項記載の不織布キャリヤ材料(1)。
【請求項14】
前記不織布キャリヤ材料(1)の主延び領域(矢印X)に対して垂直(矢印Y)に測定された前記不織布キャリヤ材料(1)の厚さの変化は、0.15mm未満である、請求項10から13までのいずれか1項記載の不織布キャリヤ材料(1)。
【請求項15】
前記接続領域(3)の平均重量は、該接続領域(3)を除外した前記不織布キャリヤ材料(1)の平均重量と最大で20質量%だけ異なる、請求項10から14までのいずれか1項記載の不織布キャリヤ材料(1)。
【請求項16】
前記第1の部分(A)および前記第2の部分(B)の少なくとも前記第1および第2の熱可塑性繊維層(A1,A2,B1,B2)の間にスクリム(4)が配置されている、請求項10から15までのいずれか1項記載の不織布キャリヤ材料(1)。
【請求項17】
前記スクリム(4)は、少なくとも5GPaのガラス繊維または高弾性率繊維から形成されている、請求項16記載の不織布キャリヤ材料(1)。
【請求項18】
前記第1の部分(A)および前記第2の部分(B)の少なくとも前記第1および第2の熱可塑性繊維層(A1,A2,B1,B2)は、2つのタイプの一成分繊維を含むまたは二成分繊維を含む、請求項10から17までのいずれか1項記載の不織布キャリヤ材料(1)。
【請求項19】
前記2つのタイプの一成分繊維は、異なる融点を有する異なる化学構造のポリマーから成る、請求項18記載の不織布キャリヤ材料(1)。
【請求項20】
前記二成分繊維は、異なる融点を有する異なる化学構造の2つのポリマーから成る、請求項18記載の不織布キャリヤ材料(1)。
【外国語明細書】