IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社コーセーの特許一覧

<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023006540
(43)【公開日】2023-01-18
(54)【発明の名称】メイクアップ保護化粧料
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/34 20060101AFI20230111BHJP
   A61K 8/81 20060101ALI20230111BHJP
   A61Q 1/00 20060101ALI20230111BHJP
【FI】
A61K8/34
A61K8/81
A61Q1/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021109188
(22)【出願日】2021-06-30
(71)【出願人】
【識別番号】000145862
【氏名又は名称】株式会社コーセー
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】八田国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】笹木 亮
(72)【発明者】
【氏名】増渕 祐二
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA112
4C083AA122
4C083AB051
4C083AB332
4C083AC012
4C083AC022
4C083AC111
4C083AC122
4C083AC172
4C083AC342
4C083AC352
4C083AC422
4C083AC432
4C083AC482
4C083AC582
4C083AD042
4C083AD091
4C083AD092
4C083AD112
4C083AD152
4C083AD172
4C083AD202
4C083AD332
4C083AD432
4C083AD662
4C083CC11
4C083DD05
4C083DD08
4C083EE05
4C083EE07
(57)【要約】      (修正有)
【課題】メイクアップ化粧料を施した後に使用されるメイクアップ保護化粧料としての基本的性能である、耐水性、化粧膜の維持(化粧膜の崩れのなさ)、二次付着防止といった性能に優れるとともに、透明性が高い、水系のメイクアップ保護化粧料を提供する。
【解決手段】成分(A)~(C)を含有する、メイクアップ保護化粧料。成分(A):2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン構成単位を含む共重合体;(B):炭素数が1~3の一価のアルコール;成分(C):水。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
成分(A)~(C)を含有する、メイクアップ保護化粧料。
成分(A):下記式(1)で表される構成単位を共重合体中20質量%を超え、50質量%未満、下記式(2)で表される構成単位を共重合体中0質量%を超え、40質量%未満、および下記式(3)で表される構成単位を含む、共重合体;
【化1】

(式中、R~Rは、それぞれ独立して、置換されてもよい直鎖または分岐鎖の炭素数1~30のアルキル基を表す)
【化2】

(式中、Rは、置換されてもよい炭素数2~10のアルキレン基を表し、mは、1~30の整数を表す)
【化3】

(式中、Rは、置換されてもよい直鎖または分岐鎖の炭素数1~30のアルキル基を表す)
成分(B):炭素数1~3の一価のアルコール;
成分(C):水。
【請求項2】
成分(A)における前記式(3)で表される構成単位が、共重合体中20~70質量%含まれる、請求項1に記載のメイクアップ保護化粧料。
【請求項3】
成分(A)の共重合体の重量平均分子量(Mw)が、20,000~100,000である、請求項1または2に記載のメイクアップ保護化粧料。
【請求項4】
前記mが、8~16の整数である、請求項1~3のいずれか1項に記載のメイクアップ保護化粧料。
【請求項5】
前記R~Rが、それぞれ独立して、置換されてもよい直鎖または分岐鎖の炭素数1~3のアルキル基である、請求項1~4のいずれか1項に記載のメイクアップ保護化粧料。
【請求項6】
前記式(1)~(3)で表される構成単位以外の構成単位の含有量が共重合体中1質量%未満である、請求項1~5のいずれか1項に記載のメイクアップ保護化粧料。
【請求項7】
前記Rが、置換されてもよい直鎖または分岐鎖の炭素数1~8のアルキル基である、請求項1~6のいずれか1項に記載のメイクアップ保護化粧料。
【請求項8】
さらに、成分(D)炭素数3~9の多価アルコールを含有する、請求項1~7のいずれか1項に記載のメイクアップ保護化粧料。
【請求項9】
容器に充填して噴霧して使用される、請求項1~8のいずれか1項に記載のメイクアップ保護化粧料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メイクアップ保護化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
メイクアップ化粧料においては、形成された化粧膜が、時間がたってもその状態が維持されること(化粧持ち)が非常に重要な品質となる。化粧持ちの低下、いわゆる化粧崩れは、汗、皮脂、あるいは外部からの水や刺激(例えば、摩擦)などの外的因子により、付着した化粧料が肌への親和性を失い、または付着した化粧料の肌への親和性が弱まり、化粧料が肌から浮いたり、流れ落ちたりすることに起因する。特に、近年では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)などの感染症の感染予防や拡散防止のため、日常的にマスクを着用する人が増加しており、マスクへの化粧移りを気にする消費者も多い。このような消費者においては、メイクアップ化粧料を用いて化粧をした後に使用することで、化粧崩れやマスク等への二次付着を抑制することが可能なメイクアップ保護化粧料が求められている。
【0003】
メイクアップ化粧料で化粧を施した後に用いられるメイクアップ保護化粧料はこれまでにも検討されてきている。例えば、特許文献1では、トリオルガノシリル基を有する非イオン性多糖類及びその誘導体の1種又は2種以上と、揮発性油剤を含有する化粧崩れ防止用オーバーコート剤が開示されている。
【0004】
一方で、水を配合したメイクアップ保護化粧料も開示されている。特許文献2では、微細セルロースと、ウレタン系皮膜形成性高分子、アクリル系及びビニル系皮膜形成性高分子などの高分子と、水性媒体と、を含有する、仕上げ用化粧料が開示されている。このような構成とすることで、マスクを装着した場合であってもメーキャップがマスクに付着しないという効果が得られるとある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007-320905号公報
【特許文献2】特開2018-203646号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
水を配合したメイクアップ保護化粧料は、化粧塗膜の形成が早く、また肌への刺激が少ないなど非常に有用である。しかしながら、水を配合したメイクアップ保護化粧料に機能性材料を配合する際には、化粧料の透明性がしばしば問題となる。メイクアップ保護化粧料は、メイクアップ化粧料の後に使用されるため、審美的な観点から、顔に塗布した際に付着した化粧料が透明であることが望まれるからである。
【0007】
また、上記のとおり、メイクアップ化粧料の化粧持ちや二次付着防止は、重要な品質であり、メイクアップ保護化粧料を用いた場合にも、メイクアップ化粧料の化粧膜を維持し、マスク等への色移りを低減する必要がある。このような品質は、水を配合したメイクアップ保護化粧料であっても同様である。
【0008】
本発明は、メイクアップ化粧料を施した後に使用されるメイクアップ保護化粧料としての基本的性能である、耐水性、化粧膜の維持(化粧膜の崩れのなさ)、二次付着防止といった性能に優れるとともに、透明性が高い、水系のメイクアップ保護化粧料を提供することを目的とする。
【0009】
さらに本発明の他の目的は、使用した際のべたつきが少なく、時間経過後であっても負担感の少ない、メイクアップ保護化粧料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、成分(A)~(C)を含有する、メイクアップ保護化粧料である。
成分(A):下記式(1)で表される構成単位を共重合体中20質量%を超え、50質量%未満、下記式(2)で表される構成単位を共重合体中0質量%を超え、40質量%未満、および下記式(3)で表される構成単位を含む、共重合体;
【0011】
【化1】
【0012】
(式中、R~Rは、それぞれ独立して、置換されてもよい直鎖または分岐鎖の炭素数1~30のアルキル基を表す)
【0013】
【化2】
【0014】
(式中、Rは、置換されてもよい炭素数2~10のアルキレン基を表し、mは、1~30の整数を表す)
【0015】
【化3】
【0016】
(式中、Rは、置換されてもよい直鎖または分岐鎖の炭素数1~30のアルキル基を表す)
成分(B):炭素数1~3の一価のアルコール;
成分(C):水。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、メイクアップ化粧料を施した後に使用されるメイクアップ保護化粧料としての基本的性能である、耐水性、化粧膜の維持(化粧膜の崩れのなさ)、二次付着防止といった性能に優れるとともに、透明性が高い、水系のメイクアップ保護化粧料となる。また、本発明のメイクアップ保護化粧料によれば、使用した際のべたつきが少なく、時間経過後であっても負担感が少ない。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態のみには限定されない。本明細書において、範囲を示す「X~Y」は、XおよびYを含み、「X以上Y以下」を意味する。また、特記しない限り、操作および物性等の測定は室温(20~25℃)/相対湿度45~55%RHの条件で行う。
【0019】
本発明は、成分(A)~(C)を含有する、メイクアップ保護化粧料である。
【0020】
成分(A):下記式(1)で表される構成単位を共重合体中20質量%を超え、50質量%未満、下記式(2)で表される構成単位を共重合体中0質量%を超え、40質量%未満、および下記式(3)で表される構成単位を含む、共重合体;
【0021】
【化4】
【0022】
(式中、R~Rは、それぞれ独立して、置換されてもよい直鎖または分岐鎖の炭素数1~30のアルキル基を表す)
【0023】
【化5】
【0024】
(式中、Rは、置換されてもよい炭素数2~10のアルキレン基を表し、mは、1~30の整数を表す)
【0025】
【化6】
【0026】
(式中、Rは、置換されてもよい直鎖または分岐鎖の炭素数1~30のアルキル基を表す)
成分(B):炭素数1~3の一価のアルコール;
成分(C):水。
【0027】
本明細書において、メイクアップ保護化粧料とは、ファンデーション等のベースメイクや、アイシャドウ、チーク等のメイクアップ化粧料を施した顔面に使用するものを指す。メイクアップ保護化粧料は、仕上げ(用)化粧料、オーバーコートなどと称される化粧料を包含する。メイクアップ保護化粧料を使用する前に用いられるメイクアップ化粧料は、特に限定されるものではないが、例えば、ファンデーション、フェイスパウダー、おしろい(白粉)、コンシーラー、アイカラー(アイシャドウ)、アイライナー、アイブロウ、マスカラ、チーク、口紅などが挙げられる。
【0028】
以下、メイクアップ保護化粧料を単に化粧料とも称する。以下、成分(A)~(C)について説明する。
【0029】
<成分(A):共重合体>
成分(A)の共重合体は、形成される被膜の撥水性が高く、また水への分散性が高い。撥水性の高さと、良好な水への分散性との両立は、式(1)で表される構成単位および式(2)で表される構成単位の比率を本発明の特定の範囲とすることで達成される。撥水性の高さは、本発明の構成とすることで、被膜にした際に親油成分である式(2)で表される構成単位が外に向けて配向しやすくなるためであると考えられる。また、良好な水への分散性は、式(1)で表される構成単位が水中では外に配向し、ミセル状となり、水に分散するためであると考えられる。式(3)で表される構成単位がない、式(1)で表される構成単位と、式(2)で表される構成単位との二元系重合体であると、被膜の撥水性の高さ、または、水への分散性の高さが達成されないことを考慮すると(例えば、後述の合成比較例1~5参照)、上記のような配向性の制御は、式(3)で表される構成単位が重要な役割を果たしていると考えられる。さらに、成分(A)の共重合体を含むことで、化粧効果の持続性が高い(化粧持ちがよい)。これは、撥水性の高い共重合体を含むことで、上記のとおり化粧膜が高い耐水性を有することに加えて、式(1)で表される構成単位が細胞間脂質であるリン脂質と類似構造であり、また結合水を保持する特異的な特性を有すること、さらには式(1)~(3)の構成単位を特定量の配合比で含むことから、ポリマーコンフォメーションが良好となり、式(1)で表される構成単位が肌側へ配向しやすくなるため、化粧料の肌親和性が向上するためであると考えられる。また、成分(A)の共重合体を含むことで、マスク等への化粧料の二次付着を抑制することができる。これは、本発明の共重合体では、式(1)で表される構成単位が結合水を保持する特異的な特性を有すること、また、式(1)~(3)の構成単位を特定量の配合比で含むことで、ポリマーコンフォメーションが良好となり、被膜の最表面に、摩擦が低く、タック性(べたつき)の低い、式(2)の構造単位が配列しやすいためであると考えられる。なお、上記効果を奏する推定メカニズムは本発明の技術的範囲を何ら制限するものではない。
【0030】
成分(A)の化粧料中の含有量の下限は、本発明の効果が奏される限り特に限定されるものではないが、0.1質量%以上であることが好ましく、耐水性、二次付着防止効果、化粧崩れのなさの観点からは、0.5質量%を超えることがより好ましく、1質量%以上であることがさらに好ましい。また、成分(A)の化粧料中の含有量の上限は、本発明の効果が奏される限り特に限定されるものではないが、20質量%以下であることが好ましく、透明性、容器に充填して噴霧して使用される形態におけるノズルの詰まりにくさの観点からは、10質量%未満であることがより好ましく、べたつき、および経時での負担感を考慮すると、8質量%未満であることがさらにより好ましく、5質量%以下であることが特に好ましい。
【0031】
[式(1)で表される構成単位]
【0032】
【化7】
【0033】
式中、R、RおよびRは、それぞれ独立して、置換若しくは非置換の直鎖又は分枝鎖の炭素数1~30のアルキル基を表す。
【0034】
炭素数1~30のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、2-メチルプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、iso-アミル基、tert-ペンチル基、ネオペンチル基、n-へキシル基、3-メチルペンタン-2-イル基、3-メチルペンタン-3-イル基、4-メチルペンチル基、4-メチルペンタン-2-イル基、1,3-ジメチルブチル基、3,3-ジメチルブチル基、3,3-ジメチルブタン-2-イル基、n-ヘプチル基、1-メチルヘキシル基、3-メチルヘキシル基、4-メチルヘキシル基、5-メチルヘキシル基、1-エチルペンチル基、1-(n-プロピル)ブチル基、1,1-ジメチルペンチル基、1,4-ジメチルペンチル基、1,1-ジエチルプロピル基、1,3,3-トリメチルブチル基、1-エチル-2,2-ジメチルプロピル基、n-オクチル基、2-エチルヘキシル基、2-メチルヘキサン-2-イル基、2,4-ジメチルペンタン-3-イル基、1,1-ジメチルペンタン-1-イル基、2,2-ジメチルヘキサン-3-イル基、2,3-ジメチルヘキサン-2-イル基、2,5-ジメチルヘキサン-2-イル基、2,5-ジメチルヘキサン-3-イル基、3,4-ジメチルヘキサン-3-イル基、3,5-ジメチルヘキサン-3-イル基、1-メチルヘプチル基、2-メチルヘプチル基、5-メチルヘプチル基、2-メチルヘプタン-2-イル基、3-メチルヘプタン-3-イル基、4-メチルヘプタン-3-イル基、4-メチルヘプタン-4-イル基、1-エチルヘキシル基、2-エチルヘキシル基、1-プロピルペンチル基、2-プロピルペンチル基、1,1-ジメチルヘキシル基、1,4-ジメチルヘキシル基、1,5-ジメチルヘキシル基、1-エチル-1-メチルペンチル基、1-エチル-4-メチルペンチル基、1,1,4-トリメチルペンチル基、2,4,4-トリメチルペンチル基、1-イソプロピル-1,2-ジメチルプロピル基、1,1,3,3-テトラメチルブチル基、n-ノニル基、1-メチルオクチル基、6-メチルオクチル基、1-エチルヘプチル基、1-(n-ブチル)ペンチル基、4-メチル-1-(n-プロピル)ペンチル基、1,5,5-トリメチルヘキシル基、1,1,5-トリメチルヘキシル基、2-メチルオクタン-3-イル基、n-デシル基、1-メチルノニル基、1-エチルオクチル基、1-(n-ブチル)ヘキシル基、1,1-ジメチルオクチル基、3,7-ジメチルオクチル基、n-ウンデシル基、1-メチルデシル基、1-エチルノニル基、n-ドデシル基、1-メチルウンデシル基、n-トリデシル基、n-テトラデシル基、1-メチルトリデシル基、n-ペンタデシル基、n-ヘキサデシル基、n-ヘプタデシル基、n-オクタデシル基、n-ノナデシル基、n-エイコシル基などが挙げられる。
【0035】
中でも、水系での安定性を考慮すると、アルキル基は、炭素数1~8のアルキル基であることが好ましく、炭素数1~3のアルキル基であることがより好ましく、メチル基であることが特に好ましい。すなわち、好適な実施形態は、R~Rが、それぞれ独立して、置換されてもよい直鎖または分岐鎖の炭素数1~3のアルキル基であり、より好ましくは、置換されてもよいメチル基であり、特に好ましくは(非置換の)メチル基である。
【0036】
置換の直鎖または分枝鎖の炭素数1~30のアルキル基における置換基としては、ハロゲン原子(F、Cl、Br、I)、非置換の直鎖又は分枝鎖の炭素数1~4のアルコキシ基、非置換の直鎖又は分枝鎖の炭素数2~4のアルケニル基、非置換の炭素数3~6のシクロアルキル基、ヒドロキシル基、アミノ基等が挙げられる。炭素数1~30のアルキル基は、水系での安定性を考慮すると、非置換であることが好ましい。なお、当該置換基にはアルキル基は含まれない。
【0037】
~Rがメチル基である場合、式(1)で表される構成単位は、下記式で表される2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(MPC)由来の構成単位となる。
【0038】
【化8】
【0039】
式(1)で表される構成単位の含有量は、共重合体中、20質量%を超え、50質量%未満である。式(1)で表される構成単位の含有量が20質量%以下であると、水への分散性が著しく低下する。また、式(1)で表される構成単位の含有量が50質量%以上であると、被膜の撥水性が著しく低下する。式(1)で表される構成単位の共重合体中の含有量は、好ましくは25~45質量%であり、より好ましくは25~40質量%であり、さらにより好ましくは25質量%を超え40質量%未満である。
【0040】
[式(2)で表される構成単位]
【0041】
【化9】
【0042】
式(2)中、Rは、置換されてもよい炭素数2~10のアルキレン基を表す。Rは、好ましくは、直鎖または分岐鎖の、炭素数2~8、より好ましくは炭素数2~6のアルキレン基であり、さらにより好ましくは炭素数2~4のアルキレン基であり、特に好ましくは炭素数2~3のアルキレン基であり、最も好ましくはトリメチレン基(-CHCHCH-)である。炭素数2~10のアルキレン基としては、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、プロピレン基、ブチレン基、エチルエチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基等が挙げられる。
【0043】
炭素数2~10のアルキレン基に場合によって存在する置換基としては、ハロゲン原子(F、Cl、Br、I)、非置換の直鎖又は分枝鎖の炭素数1~4のアルコキシ基、非置換の直鎖又は分枝鎖の炭素数2~4のアルケニル基、非置換の炭素数3~6のシクロアルキル基、ヒドロキシル基、アミノ基等が挙げられる。炭素数2~10のアルキレン基は、被膜の撥水性を考慮すると、非置換であることが好ましい。なお、当該置換基にはアルキル基は含まれない。
【0044】
式(2)中、mは、1~30の整数を表す。mが31以上の整数であると、水への分散性が低下する。mは、好ましくは、1~24の整数であり、1~20の整数、1~18の整数、1~16の整数、1~12の整数、6~24の整数,6~20の整数、6~18の整数、6~16の整数、6~12の整数、8~24の整数、8~20の整数、8~16の整数、8~12の整数、8、9、10、11、および12が例示される。好適な一実施形態は、m=11である。
【0045】
式(2)で表される構成単位の含有量は、共重合体中、0質量%を超え、40質量%未満である。式(1)で表される構成単位の含有量が40質量%以上であると、水への分散性が著しく低下する。式(2)で表される構成単位が0質量%であると、被膜の撥水性が著しく低下する。式(2)で表される構成単位の共重合体中の含有量は、好ましくは5~35質量%であり、より好ましくは、10~30質量%であり、特に好ましくは、10質量%を超え30質量%未満である。
【0046】
[式(3)で表される構成単位]
【0047】
【化10】
【0048】
式中、Rは、置換されてもよい直鎖または分岐鎖の炭素数1~30のアルキル基を表す。Rの炭素数が31以上であると、水への分散性が低下する。
【0049】
炭素数1~30のアルキル基としては、上記式(1)の欄に記載したものと同様である。中でも、水への溶解性を考慮すると、アルキル基は炭素数1~8のアルキル基であることが好ましい。すなわち、好適な実施形態は、Rが、置換されてもよい直鎖または分岐鎖の炭素数1~8のアルキル基であり、より好ましくは、置換されてもよい直鎖または分岐鎖の炭素数1~6のアルキル基であり、さらにより好ましくは置換されてもよい直鎖または分岐鎖の炭素数1~4のアルキル基であり、特に好ましくは置換されてもよいn-ブチル基であり、最も好ましくは(非置換の)n-ブチル基である。
【0050】
置換の直鎖または分枝鎖の炭素数1~30のアルキル基における置換基としては、ハロゲン原子(F、Cl、Br、I)、非置換の直鎖又は分枝鎖の炭素数1~4のアルコキシ基、非置換の直鎖又は分枝鎖の炭素数2~4のアルケニル基、非置換の炭素数3~6のシクロアルキル基、ヒドロキシル基、アミノ基等が挙げられる。炭素数1~30のアルキル基は、水系での安定性および化粧持ちの両立を考慮すると、非置換であることが好ましい。なお、当該置換基にはアルキル基は含まれない。
【0051】
式(3)で表される構成単位の含有量は、共重合体中、20~70質量%であることが好ましく、30質量%以上70質量%未満であることがより好ましく、35~65質量%であることがさらにより好ましく、40~60質量%であることが特に好ましい。式(3)で表される構成単位の含有量が当該範囲にあることで、形成される被膜の耐水性と水への分散性との両立が一層図りやすい。
【0052】
[その他の構成単位]
成分(A)の共重合体は、式(1)~(3)で表される構成単位以外の構成単位(以下、単にその他の構成単位とも称する)を含んでいてもよい。しかしながら、本発明においては、形成される被膜の耐水性と水への分散性との両立の観点からは、その他の構成単位の含有量が共重合体中1質量%未満であることが好ましく、0.5質量%未満であることがより好ましく、実質的に含まないことが好ましい。ここで、実質的に含まないとは、その他の構成単位の含有量が、好ましくは0.01質量%以下(下限0質量%)、より好ましくは0.001質量%以下(下限0質量%)であり、特に好ましくは0質量%である。本発明の好適な一実施形態は、式(1)~(3)で表される構成単位からなる共重合体である。
【0053】
[重量平均分子量]
成分(A)の共重合体の重量平均分子量(Mw)は、本発明の目的を達成することができるのであれば特に制限されないが、20,000以上であることが好ましく、30,000以上であることがより好ましい。重量平均分子量が上記下限以上であることで、被膜の撥水性が一層向上する。また、成分(A)の共重合体の重量平均分子量(Mw)は、本発明の目的を達成することができるのであれば特に制限されないが、100,000以下であることが好ましく、80,000以下であることがより好ましく、70,000以下であることがさらにより好ましく、60,000以下であることが特に好ましい。重量平均分子量が上記上限以下であることで、水系への溶解性が一層向上し、安定性が一層向上する。成分(A)の共重合体の重量平均分子量(Mw)は、例えば、20,000~100,000であり、さらには、20,000~80,000、20,000~70,000、30,000~70,000、30,000~60,000が例示される。成分(A)の共重合体の重量平均分子量は、多角度光散乱検出器を用いた多角度光散乱法(MALS法)により算出される。
【0054】
[製造方法]
式(1)~(3)で表される構成単位を繰り返し単位として含む成分(A)の共重合体は、溶媒の存在下、公知の重合方法による重合により得ることができる。特に限定はされないが、各構成単位を形成するための単量体を含む単量体組成物について、ラジカル重合開始剤の存在下で重合を行えばよい。ラジカル重合開始剤としては、例えば、t-ブチルペルオキシネオデカノエート、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド等の有機過酸化物、α,α’-アゾビスイソブチロニトリル、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2’-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)等のアゾ系化合物、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸系重合開始剤等が挙げられる。これらの重合開始剤は、単独で用いることができ、また、2種以上を混合して用いることもできる。重合開始剤の使用量は、全単量体100質量部に対して通常0.01~10質量部、好ましくは0.1~5質量部である。
【0055】
式(1)の構成単位を形成するための単量体としては、例えば、下記式で表される単量体が挙げられる。
【0056】
【化11】
【0057】
上記式中、R~Rは、式(1)におけるR~Rと同義である。
【0058】
式(1)の構成単位を形成するための単量体としては、具体的には、下記式で表される2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(MPC)が挙げられる。
【0059】
【化12】
【0060】
式(2)の構成単位を形成するための単量体としては、例えば、下記式で表される単量体が挙げられる。
【0061】
【化13】
【0062】
上記式中、Rは、式(2)におけるRと同義である。また、上記式中、mは、式(2)におけるmと同義である。なお、上記式で表される単量体を「SiMA」と略すことがある。
【0063】
式(3)の構成単位を形成するための単量体としては、メタクリル酸アルキルが挙げられる。具体的には、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2-エチルヘキシルなどが挙げられる。
【0064】
なお、各構成単位の含有量は、製造段階の各単量体の添加量と一致する。また、NMRによる測定や分子量測定などにより、各構成単位の含有量を把握することができる。
【0065】
重合は窒素等の不活性ガス雰囲気下で行ってもよい。また、重合は、溶液重合法、懸濁重合法、塊状重合法、沈殿重合法等を用いることができる。これらのうち、特に溶液重合法は、得られる共重合体の分子量を最適範囲に調整することが容易であるため好ましい。また、成分(A)の共重合体の精製は、再沈殿法、透析法等の公知の精製方法により行うことが出来る。成分(A)の共重合体は、ランダム共重合体、ブロック共重合体のいずれであってもよいが、例えば、成分(A)の共重合体は、ランダム共重合体である。
【0066】
成分(A)の共重合体の重合時に用いる溶媒としては、例えばベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、イソプロパノール、エタノール、メタノール等のアルコール類、水を挙げることができ、これらの1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。また、軽質イソパラフィン、イソドデカン、イソヘキサデカン等のパラフィン系溶剤中で重合することもできる。
【0067】
成分(A)の共重合体の重合反応温度は、通常のラジカル重合開始剤の使用可能な温度範囲であれば特に制限はされないが、通常40~120℃の範囲で実施される。反応温度は使用するラジカル重合開始剤、モノマーの種類、反応温度により異なるが、通常2~24時間実施される。重合時間が短すぎると残存モノマー量が多く収率が低くなり好ましくない。
【0068】
<成分(B):炭素数1~3の一価のアルコール>
炭素数1~3の一価のアルコールを配合することで、化粧料の透明性が向上する。これは、溶媒の極性が低下するためであると考えられる。成分(B)は、通常、化粧料に用いられるものであれば特に限定されるものではない。具体的には、エタノールやイソプロパノールが挙げられ、特にエタノールが好適である。
【0069】
成分(B)の化粧料中の含有量は、本発明の効果が奏される限り特に限定されるものではないが、二次付着防止効果、化粧崩れのなさの観点からは、化粧料中、80質量%以下、70質量%未満、60質量%以下の順に好ましく、耐水性、ミスト化粧料に使用した場合のノズルのつまりにくさの観点からは、50質量%未満であることがより好ましく、40質量%以下であることが特に好ましい。成分(B)の化粧料中の含有量は、本発明の効果を考慮すると、0.5質量%以上であることが好ましく、耐水性、透明性の観点から、1質量%を超えることがより好ましく、5質量%以上であることがさらにより好ましく、7質量%を超えることが特に好ましい。
【0070】
<成分(C):水>
水は、成分(A)の溶剤として機能する。また、水を配合することで、揮発速度を向上させ、化粧膜の形成を早めるとともに、肌刺激の低減が可能となる。成分(C)は、通常、化粧料に配合される水であれば、特に限定されるものではなく、常水、精製水、イオン交換水、温泉水、深層水、ラベンダー水、ローズ水、オレンジフラワー水などの植物由来の水蒸気蒸留水などが挙げられる。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
【0071】
化粧料中の水の含有量は特に限定されるものではないが、10質量%以上であることが好ましく、二次付着防止効果、化粧崩れのなさの観点からは、20質量%以上であることがより好ましく、耐水性、容器に充填して噴霧して使用される形態におけるノズルの詰まりにくさの観点からは、40質量%以上であることがさらにより好ましく、50質量%以上であることが特に好ましい。また、化粧料中の水の含有量は特に限定されるものではないが、90質量%以下であることが好ましく、耐水性、透明性、容器に充填して噴霧して使用される形態におけるノズルの詰まりにくさの観点からは、85質量%以下であることがより好ましい。
【0072】
<成分(D):炭素数3~9の多価アルコール>
さらに、化粧料は、炭素数3~9の多価アルコールを含むことが好ましい。化粧料が炭素数3~9の多価アルコールを含むことで、経時での負担感のなさが一層向上し、また容器に充填して噴霧して使用される形態において、ノズルが一層詰まりにくくなる。多価アルコールの炭素数は、3~6であることがより好ましい。
【0073】
多価アルコールは、骨格にヒドロキシル基を2つ以上有する構造のアルコールである。また、成分(D)としては、骨格内にアルキル基またはアルキレングリコール部分を1~3つ有する構造であることが好ましく、さらに当該アルキル基またはアルキレン部分の炭素数は3~6であることがより好ましい。また、成分(D)は、骨格内にヒドロキシ基を2つまたは3つ以上有する構造が好ましく、ヒドロキシ基を2~4有する構造がより好ましい。
【0074】
多価アルコールとしては、特に限定されるものではないが、1,3-ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、プロピレングリコール、1,2-ペンタンジオール、1,2-ヘキシレングリコール、カプリリルグリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールおよびポリグリセリン等が挙げられる。多価アルコールは1種単独で用いても2種以上併用してもよい。
【0075】
多価アルコールは、2種以上併用して用いることが好ましく、具体的には、1,3-ブチレングリコールと、1,3-ブチレングリコール以外のその他の多価アルコールと、を組み合わせることが好ましく、ジプロピレングリコールおよび/またはグリセリンと、1,3-ブチレングリコールと、を組み合わせて用いることがより好ましい。1,3-ブチレングリコールと、1,3-ブチレングリコール以外のその他の多価アルコールと、を組み合わせて用いる場合、両者の含有質量割合(1,3-ブチレングリコール以外のその他の多価アルコール/1,3-ブチレングリコール)は、0.05~30であることが好ましく、0.1~20であることがより好ましい。
【0076】
多価アルコールの含有量は、特に限定されるものではないが、化粧料中0.1~25質量%であることが好ましく、0.5~15質量%であることがより好ましい。多価アルコールの含有量がこの範囲にあることで、経時での負担感のなさが一層向上し、また容器に充填して噴霧して使用される形態において、ノズルが一層詰まりにくくなる。
【0077】
<成分(E):非イオン性界面活性剤>
さらに、化粧料は、例えば、香料や油剤を配合する場合には、非イオン性界面活性剤を含んでいてもよい。
【0078】
非イオン性界面活性剤としてはソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンプロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンフィトスタノールエーテル、ポリオキシエチレンフィトステロールエーテル、ポリオキシエチレンコレスタノールエーテル、ポリオキシエチレンコレステリルエーテル、ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン、ポリオキシアルキレン・アルキル共変性オルガノポリシロキサン、アルカノールアミド、糖エーテル、糖アミド等が挙げられる。これらの非イオン性界面活性剤は1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
【0079】
非イオン性界面活性剤としては、香料や油剤の分散安定性と透明分散性の点でHLBが10以上の非イオン性界面活性剤を用いることが好ましく、HLBが10~19の非イオン性界面活性剤を用いることがより好ましい。HLBは、非イオン性界面活性剤の全分子量に占める親水基部分の分子量を示すものであり、グリフィンの式により求められる。
【0080】
非イオン性界面活性剤の含有量は、特に限定されるものではないが、化粧料中0.01~1質量%であることが好ましく、0.05~0.5質量%であることがより好ましい。多価アルコールの含有量がこの範囲にあることで、配合したい香料や油剤を安定かつ透明に配合することができる。
【0081】
<性状等>
メイクアップ保護化粧料の性状としては、液状、ゲル状、乳液状、クリーム状、半固形状、固形状のものが挙げられる。化粧料は、容器に充填して噴霧して使用されることが好ましいことから、液状化粧料であることが好ましく、化粧料の粘度は25℃において、B型粘度計、ローター2号、6rpm、1分間平均値測定で1500mPa・s以下であることが好ましく、さらには1000mPa・s以下であると霧の細かさに優れるためより好ましい。
【0082】
さらに、メイクアップ保護化粧料の剤型としては、水を配合した剤型である、水系(可溶化型、粉体含有二層型(静置時には粉体と水層とが分離し、使用時に粉体と水層とを混合(例えば、シェーキング)して使用する)、油系含有二層型(静置時には油層と水層に分離し、使用時に油層と水層とを混合(例えば、シェーキング)して使用する)、または水層を含む多層型を含む)であることが好ましい。なお、二層以上の多層型の場合、実質的に界面活性剤を含有しないものであると、界面が明瞭となり、また、透明性も担保される点において、好ましい。ここで実質的に界面活性剤を含有しないとは、界面活性剤の含有量が、化粧料中、0.25質量%未満、好ましくは0.1質量%未満、より好ましくは0.05質量%未満であり、最も好ましくは含有しないものである。
【0083】
また、使用性の観点からは、化粧料は、容器に充填して噴霧して使用されることが好ましい。当該形態であることで、肌に直接触れることなく霧状に吐出・塗布することが可能であるため、化粧膜に影響を与えることなく塗布できる点でメイクアップ保護化粧料として有効な形態である。容器に充填して噴霧して使用される形態としては、スプレー、エアゾール、またはミスト化粧料などが挙げられる。このような形態は、例えば成分(A)~(C)及びその他の成分を、容器(例えば、ディスペンサー付き容器、泡ポンプ容器、スプレーノズル付き容器、スプレー用容器、フィンガースプレー用容器、蓄圧式噴霧用容器、ミスト噴霧用容器など)に充填し、得ることができる。また、本技術に用いる成分を、例えば成分(A)~(C)及びその他の成分を含む水層用容器、油層用容器や粉体用容器など複数の容器に充填し、二液型や三液型など多液型製品(キット)としてもよい。多液型製品の場合、使用時にユーザが水層成分や油層成分、粉体成分などを所望の割合で混合した後に、噴霧することもできる。
【0084】
本発明のメイクアップ保護化粧料は、ファンデーション等のベースメイクや、アイシャドウ、チーク等のメイクアップを施した顔面に噴霧して使用するものが好適であり、スプレーノズル付き容器などを用いたり、エアゾール形態にして用いることができる。スプレーノズルの噴霧する口径(直径)が概ねφ0.1~0.6mm(好適にはφ0.2~0.5mm)の噴霧用容器を使用してもよく、噴霧評価の際にφ0.3mmの口径を用いることができる。
【0085】
さらに、化粧料は透明であることが好ましい。化粧料が透明であることで、肌に付与した際に保護化粧料が塗布されることでの消費者の負担感が少なくなる。化粧料は、実施例に記載の方法で測定される波長700nmにおける透過率(二層以上の多層型の場合、静置状態での水層の透過率)が、30%以上であることが好ましく、60%以上であることがより好ましい。なお、油系含有二層型においては、透明性の観点から、実施例に記載の方法で測定される波長700nmにおける油層の透過率が、30%以上であることが好ましく、60%以上であることがより好ましい。
【0086】
メイクアップ保護化粧料には、通常化粧料に用いられる各種成分を配合することができる。通常化粧料に配合される成分としては、油剤、成分(B)、(D)以外の水性成分、界面活性剤(アニオン界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤)、増粘剤(ゲル化剤、高分子)、紫外線吸収剤、pH調整剤、酸化防止剤、金属キレート剤、防腐剤、粉体、色素、香料、各種薬剤、皮膜形成剤等を任意に配合することができる。
【0087】
油剤としては、イソドデカン、イソヘキサデカン、軽質イソパラフィン、流動パラフィン、スクワラン、スクワレン、α-オレフィンオリゴマー、ポリブテン、流動イソパラフィン、重質流動イソパラフィン、ポリイソブチレン、水添ポリイソブテン等の炭化水素類、アブラナ種子油、アボカド油、アルモンド油、アンズ核油、エゴマ油、オレンジ油、オリーブ油、キウイ種子油、ゴマ油、小麦胚芽油、米胚芽油、コメヌカ油、サフラワー油、セージ油、大豆油、チャ種子油、トウモロコシ油、ナタネ油、月見草油、ツバキ油、パーシック油、ハトムギ油、ピーナッツ油、ひまわり油、ブドウ種子油、メドウフォーム油、ローズマリー油、ホホバ油、マカデミアナッツ油、ラベンダー油、ローズヒップ油、ミンク油等の動植物油;トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル(トリエチルヘキサノイン)、イソノナン酸イソトリデシル、イソノナン酸イソノニル、2-エチルヘキサン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸-2-エチルヘキシル、ミリスチン酸オクチルドデシル、トリオクタン酸グリセリル、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル、ステアリン酸グリセリル、ジイソステアリン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、デカイソステアリン酸デカグリセリル(デカイソステアリン酸ポリグリセリル-10)、ジカプリン酸プロピレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、トリイソステアリン酸ポリグリセリル、リンゴ酸ジイソステアリル、ジエチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール、デカイソステアリン酸ポリグリセリル-10、テトライソステアリン酸ペンタエリトリット、テトラ2-エチルヘキサン酸ペンタエリトリット、ペンタイソステアリン酸ジペンタエリトリット、炭酸ジアルキル、トリメリト酸トリトリデシル、シクロヘキサン-1,4-ジカルボン酸ビスエトキシジグリコール、ダイマージリノレイル水添ロジン縮合物等のエステル類;オレイン酸、イソステアリン酸、ステアリン酸等の脂肪酸類;オレイルアルコール、2-オクチルドデカノール、2-デシルテトラデカノール、イソステアリルアルコール、2-ヘキシルデカノール、セタノール等の高級アルコール類;ジメチルポリシロキサン(ジメチコン)、メチルトリメチコン、メチルフェニルポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、テトラメチルテトラハイドロジェンシクロテトラシロキサン、テトラメチルテトラフェニルシクロテトラシロキサン、テトラメチルテトラトリフロロプロピルシクロテトラシロキサン、ペンタメチルペンタトリフロロプロピルシクロペンタシロキサン、ポリエーテル変性メチルポリシロキサン、オレイル変性メチルポリシロキサン、ポリビニルピロリドン変性メチルポリシロキサン等のシリコーン油類;パーフルオロポリエーテル、パーフルオロデカン、パーフルオロオクタン等のフッ素系油剤類;酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリンアルコール等のラノリン誘導体類;パラメトキシケイ皮酸2-エチルヘキシル、サリチル酸エチルヘキシル等の液状の紫外線吸収剤等の液状油;カカオ脂、シアバター、ヒマシ油、硬化ヒマシ油、硬化ヤシ油、ワセリン、モノステアリン酸硬化ヒマシ油、モノヒドロキシステアリン酸硬化ヒマシ油、ヒドロキシステアリル酸コレステリル、ジペンタエリトリット脂肪酸エステル、N-ラウロイル-L-グルタミン酸-ジ(オクチルドデシル/コレステリル/ベヘニル)、N-ラウロイル-L-グルタミン酸-ジ(オクチルドデシル/フィトステリル/ベヘニル)、マカデミアナッツ油脂肪酸フィトステリル、ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル)等のペースト状の油剤;パラフィンワックス、セレシンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス、フィッシャートロプシュワックス、ステアリン酸、ベヘン酸、パルミチン酸セチル、ジステアリン酸ポリエチレングリコール、トリベヘン酸グリセリル、コレステロール、フィトステロール、ステアリル変性ポリシロキサン、硬化油、ワセリン、パーム油等の固形状の油剤が挙げられる。これらの油剤は1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
【0088】
水性成分としては、水に可溶な成分であれば何れでもよく、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のグリコール類、ポリグリセリン等のグリセロール類、各種植物抽出液等が挙げられる。
【0089】
皮膜形成剤としては、ポリウレタン-14・AMP-アクリレーツコポリマー、トリメチルシロキシケイ酸などが挙げられる。
【0090】
粉体としては、無機粉体類、光輝性粉体類、有機粉体類、有色顔料類、複合粉体類、ポリエチレンテレフタレート・アルミニウム・エポキシ積層末、ポリエチレンテレフタレート・ポリメチルメタクリレート積層末などが挙げられる。なお、透明性の観点からは、粉体の含有量は、化粧料全体に対して5質量%以下(下限0質量%)であることが好ましく、3質量%以下であることがより好ましく、1質量%以下であることがさらにより好ましい。
【実施例0091】
本発明の効果を、以下の実施例および比較例を用いて説明する。実施例において「部」あるいは「%」の表示を用いる場合があるが、特に断りがない限り、「質量部」あるいは「質量%」を表す。また、特記しない限り、各操作は、室温(25℃)で行われる。
【0092】
[合成例1]
2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(MPC、日油(株)製)30.0g、シリコーンメタクリレート(SiMA、信越化学工業(株)製、式(2)におけるRがトリメチレン基、mが11)10.0g、およびブチルメタクリレート(ブレンマーBMA、日油(株)製)60.0gを、4つ口フラスコへ入れ、エタノール233.3gで溶解させ、30分間窒素ガスの吹き込みを行った。この後、重合開始剤としてt-ブチルペルオキシネオデカノエート(パーブチル(日本登録商標)ND(PB-ND)、日油(株)製)2.0gを加えて70℃で6時間重合反応を行った。重合反応後、減圧下で揮発性成分を留去し、ポリマー粉末を得た。MALS法により、重合物の分子量分析を行った。装置は多角度光散乱検出器(DAWN HELEOS II 8+)を用い、媒体にはイソプロパノールを用いた。その重量平均分子量は34,000であった。
【0093】
[合成例2~合成例4]
下記表1に示す単量体種類及び量を使用した以外は、合成例1と同様の手順に従って重合体を製造した。
【0094】
[合成比較例1~合成比較例12]
下記表1に示す単量体種類及び量を使用した以外は、合成例1と同様の手順に従って重合体を製造した。
【0095】
(評価方法1:水への分散性)
水90gに対し、合成例または合成比較例で製造した共重合体10gを混合し、70℃2時間加温後、常温冷却し安定分散の可否を目視で確認した。結果を下記表1に併せて示す。
○:透明に溶解
×:白濁、乃至下層にポリマーが沈殿。
【0096】
(評価方法2:被膜の接触角)
合成例または合成比較例で製造した共重合体の10質量%水溶液を調製し、25μmドクターブレードにて製膜した。水の静的接触角を液適法にて測定した。評価が2以上であれば良好な撥水性を有すると言える。結果を下記表1に併せて示す。
5:100°以上
4:80°以上100°未満
3:60°以上80°未満
2:50°以上60°未満
1:50°未満
【0097】
【表1】
【0098】
なお、合成例1の分子量(Mw)は、34000、合成例2の分子量(Mw)は、52000、合成例3の分子量(Mw)は、52000、合成例4の分子量(Mw)は、55000であった。
【0099】
上記結果から、合成例の共重合体は水への分散性が良好であり、被膜の撥水性も高いものであった。
【0100】
[実施例1~10、比較例1~5:メイクアップ保護化粧料(単相ミスト)]
表2に示す組成(化粧料全体100質量%に対する質量%、以下同様)のメイクアップ保護化粧料を下記製造方法により調製し、(イ)化粧膜の耐水性、(ロ)化粧膜の二次付着防止効果、(ハ)経時での化粧崩れのなさ、(ニ)塗布時のべたつきのなさ、(ホ)経時での負担感のなさ、(ヘ)透明性、(ト)ノズルのつまりにくさの各項目について、以下に示す評価方法および判定基準により評価判定し、結果を併せて表3に示した。
【0101】
[製造方法]
A.(2)~(5)、(16)を均一に加温混合した。
B.(1)、(14)、(15)を均一に混合した。
C.A、B、(6)~(13)を均一混合した。
D.スプレーノズル付き容器にCを充填し、水系単相メイクアップ保護化粧料を得た。
【0102】
[評価方法]
(イ)化粧膜の耐水性
PMMAプレート(5×5cm)にOW乳化タイプのファンデーションを10mg塗布する。その後、室温で30分間乾燥し、20cm離れた距離から40mgの各試料を4回噴霧する。その後、室温で1時間乾燥し、プラスチック容器中に張り付け、水100gを入れた後一定条件で1分間振盪後、化粧膜の崩れ、薄れの具合を観察して耐水性を評価した。
(判定基準)
化粧膜が全く落ちていない:◎
化粧膜が殆ど落ちていない:〇
化粧膜が落ちている:△
化粧膜がかなり落ちている:×
(ロ)化粧膜の二次付着防止効果
黒色人工皮革(5×5cm)にOW乳化タイプのファンデーションを10mg塗布する。その後、室温で30分間乾燥し、20cm離れた距離から40mgの各試料を4回噴霧する。その後、室温で1時間乾燥し、上に不織布(5×5cm)、更に金属板(5×5cm)を載せ、油圧プレス機で50MPaの圧力で加圧後不織布への色移りの程度から二次付着防止効果を評価した。
(判定基準)
不織布に全く付いていない:◎
不織布に殆ど付いていない:〇
不織布に付いている:△
不織布にかなり付いている:×
(ハ)経時での化粧崩れのなさ
被験者(化粧品評価専門パネル20名)の顔にOW乳化タイプのファンデーションを塗布した後、その上から40mgの各試料を20cmの距離から4回噴霧する。6時間後の経時変化を目視で観察し、化粧膜の崩れなさを評価した。被験者に評価してもらった評点を平均し、下記判定基準に従って各試料の平均点から判定した。
(評価結果):(評点)
非常に良好:5点
良好:4点
普通:3点
やや不良:2点
不良:1点
(判定基準):判定
4.0以上:◎
3.0を超え4.0未満:〇
2.0以上3.0以下:△
2.0未満:×
(ニ)塗布時のべたつきのなさ
被験者(化粧品評価専門パネル20名)の肌に40mgの各試料を20cmの距離から4回噴霧し、5分後の肌のべたつき具合を評価した。被験者に評価してもらった評点を平均し、下記判定基準に従って各試料の平均点から判定した。
(評価結果):(評点)
全くべたつきがない:4点
殆どべたつきがない:3点
べたつきがある:2点
かなりべたつきがある:1点
(判定基準):判定
3.5以上:◎
3.0以上3.5未満:〇
2.0以上3.0未満:△
2.0未満:×
(ホ)経時での負担感のなさ
被験者(化粧品評価専門パネル20名)の肌に40mgの各試料を20cmの距離から4回噴霧し、30分後の肌の負担感(肌のつっぱり感)の程度を評価した。被験者に評価してもらった評点を平均し、下記判定基準に従って各試料の平均点から判定した。
(評価結果):(評点)
全く負担感がない:4点
殆ど負担感がない:3点
負担感がある:2点
かなり負担感がある:1点
(判定基準):判定
3.5以上:◎
3.0以上3.5未満:〇
2.0以上3.0未満:△
2.0未満:×
(ヘ)透明性
各試料を1cm角ガラスセルに入れ、波長700nmにおける透過率を測定し溶液の透明性を評価した。
(判定基準)
透過率70%以上:◎
透過率60%以上:〇
透過率30%以上:△
透過率30%未満:×
(ト)ノズルのつまりにくさ
各試料をミスト容器(ノズル径:0.3mm)に入れ、12回(評価項目(イ)4回、(ロ)4回、(ハ)~(ホ)同時試験のため4回の試験回数合計)使用した後、室温で1週間静置した後の吐出性を評価した。
正常に吐出可能:◎
吐出量が低下:〇
吐出不可(ノズルつまり発生):×
【0103】
【表2-1】
【0104】
【表2-2】
【0105】
【表3】
【0106】
上記表から理解されるように、実施例1~13のメイクアップ保護化粧料(単相ミスト)は、(イ)化粧膜の耐水性、(ロ)化粧膜の二次付着防止効果、(ハ)経時での化粧崩れのなさ、(ニ)塗布時のべたつきのなさ、(ホ)経時での負担感のなさ、(ヘ)透明性、(ト)ノズルのつまりにくさのすべてにおいて優れているものであった。一方、成分(A)の共重合体の代わりに水溶性の高分子を配合した比較例2、4、5においては、いずれも耐水性、二次付着防止効果、化粧崩れのなさの各項目で劣る結果となった。また、比較例4、5では透明性も低下した。さらに、成分(A)の共重合体の代わりに(アクリレーツ/VA)コポリマーを配合した比較例3においては、耐水性は良好であるものの、二次付着防止効果、化粧崩れのなさ、べたつきのなさ、負担感のなさの各項目で劣る結果となった。また、透明性も著しく低下した。
【0107】
[実施例14:メイクアップ保護化粧料(二層ミスト)]
(成分) (質量%)
1.シクロメチコン 10.0
2.イソドデカン 5.0
3.ジメチコン(2CS) 3.0
4.ジメチコン(6CS) 5.0
5.精製水 残量
6.1,3-ブチレングリコール 3.0
7.ジプロピレングリコール 1.5
8.エタノール 8.0
9.フェノキシエタノール 0.3
10.メチルパラベン 0.1
11.香料 0.05
12.合成例(2)に記載の共重合体 3.0
[製造方法]
A.(1)~(4)、(11)を均一に混合した。
B.(5)~(10)、(12)を均一に加温混合した。
C.A、Bをそれぞれスプレーノズル付き容器に充填し、油水二層メイクアップ保護化粧料を得た。
【0108】
実施例14のメイクアップ保護化粧料は、(イ)化粧膜の耐水性、(ロ)化粧膜の二次付着防止効果、(ハ)経時での化粧崩れのなさ、(ニ)塗布時のべたつきのなさ、(ホ)経時での負担感のなさ、(ヘ)(水層および油層の)透明性、(ト)ノズルのつまりにくさのすべてにおいて優れているものであった。
【0109】
[実施例15:メイクアップ保護化粧料(単相ミスト)]
(成分) (質量%)
1.エタノール 18.7
2.合成例(2)に記載の共重合体 3.0
3.ウレタン・アクリル混合ポリマー*5 1.5
4.イソステアリン酸ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油*4 0.3
5.香料 0.1
6.マカデミアナッツ油 0.05
7.オリーブ油 0.05
8.スクワラン 0.1
9.セリン 0.35
10.ハマメリスエキス 0.1
11.フムスエキス 0.1
12.1,3-ブチレングリコール 3.0
13.トリプロピレングリコール 3.0
14.ポリエチレングリコール(分子量400、炭素数8) 2.0
15.グリセリン 1.0
16.塩化ナトリウム 0.5
17.精製水 残量
*5:DynamX(ヌーリオンジャパン社製、ポリウレタン-14:アクリレーツコポリマーの質量比=70:30の混合エタノール水溶液、固形分28%)
[製造方法]
A.(2)、(17)を均一に加温混合した。
B.(1)、(4)~(8)を均一に混合した。
C.A、B、(3)、(9)~(16)を均一混合した。
D.スプレーノズル付き容器にCを充填し、水系単相メイクアップ保護化粧料を得た。
【0110】
実施例15のメイクアップ保護化粧料は、(イ)化粧膜の耐水性、(ロ)化粧膜の二次付着防止効果、(ハ)経時での化粧崩れのなさ、(ニ)塗布時のべたつきのなさ、(ホ)経時での負担感のなさ、(ヘ)透明性、(ト)ノズルのつまりにくさのすべてにおいて優れているものであった。
【0111】
[実施例16:メイクアップ保護化粧料(二層スプレー)]
(成分) (質量%)
1.ジメチコン*6 10.0
2.シクロメチコン 5.0
3.トリエチルヘキサノイン 1.5
4.メトキシケイ皮酸エチルへキシル 1.5
5.トコフェロール 0.006
6.香料 0.15
7.2-エチルヘキサン酸セチル 5.0
8.ポリメチルシルセスキオキサン*7 1.0
9.トリメチルシロキシケイ酸*8 1.0
10.エタノール 8.0
11.1,3-ブチレングリコール 3.0
12.トリプロピレングリコール 2.0
13.ポリエチレングリコール(分子量400、炭素数8) 2.0
14.グリセリン 1.0
15.合成例(2)に記載の共重合体 3.0
16.ヒアルロン酸ナトリウム*9 0.1
17.コラーゲン*10 0.1
18.フェノキシエタノール 0.1
19.塩化ナトリウム 0.5
20.精製水 残量
*6:BELSIL DM 1 PLUS (旭化成ワッカーシリコーン社製)
*7:トスパール2000B*(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)
*8:KF-9021(50%シクロメチコン溶液、信越化学工業社製)
*9:ヒアルロン酸 FCH201(キッコーマンバイオケミファ社製)
*10:PANCOGEN MARINE(GATTEFOSSE社製)
[製造方法]
A.(1)~(9)を均一に混合した。
B.(15)、(20)を均一に加温混合した。
C.B、(10)~(14)、(16)~(19)を均一に混合した。
D.A、Cを混合し原液を得た。
E.Dの原液99部に対し、噴射剤(窒素)1部を加え、エアゾール容器に充填し、油水二層メイクアップ保護化粧料を得た。
【0112】
実施例16のメイクアップ保護化粧料は、(イ)化粧膜の耐水性、(ロ)化粧膜の二次付着防止効果、(ハ)経時での化粧崩れのなさ、(ニ)塗布時のべたつきのなさ、(ホ)経時での負担感のなさ、(ヘ)(水層および油層の)透明性、(ト)ノズルのつまりにくさのすべてにおいて優れているものであった。