(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023006543
(43)【公開日】2023-01-18
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
F21S 2/00 20160101AFI20230111BHJP
F21V 3/02 20060101ALI20230111BHJP
F21V 7/05 20060101ALI20230111BHJP
F21V 29/503 20150101ALI20230111BHJP
F21V 29/70 20150101ALI20230111BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20230111BHJP
F21Y 103/10 20160101ALN20230111BHJP
F21Y 107/50 20160101ALN20230111BHJP
【FI】
F21S2/00 630
F21V3/02 400
F21V7/05
F21V29/503
F21V29/70
F21Y115:10
F21Y103:10
F21Y107:50
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021109195
(22)【出願日】2021-06-30
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-12-22
(71)【出願人】
【識別番号】593027716
【氏名又は名称】株式会社エステック
(71)【出願人】
【識別番号】506171945
【氏名又は名称】株式会社鈴木セード製造所
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 博之
(72)【発明者】
【氏名】新倉 章裕
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 剛
(72)【発明者】
【氏名】松尾 竜
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 総太郎
(72)【発明者】
【氏名】野田 英之
(57)【要約】
【課題】洞道軸方向において広範囲にわたって照度を上げることができる照明装置を提供する。
【解決手段】照明装置は、暗渠の設置面に設置され、設置面とは反対側に光を照射する照明装置であって、筒状の保護体と、保護体の内部に配置される光源ユニットと、保護体に対して光源ユニットを支持する支持体と、を備える。光源ユニットは、保護体の軸方向に沿ってLED素子が配列されたLED実装基板部を有する2つのLED基板と、2つのLED基板のそれぞれに実装されたLED素子からの出射光を反射する2つの反射板と、を有し、2つのLED実装基板部は、それぞれ、支持体側とは反対側の開放端部が互いに近接する方向に傾斜している。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
暗渠の設置面に設置され、前記設置面とは反対側に光を照射する直管形の照明装置であって、
筒状の保護体と、
前記保護体の内部に配置される光源ユニットと、
前記保護体に対して前記光源ユニットを支持する支持体と、を備え、
前記光源ユニットは、
管軸方向に沿ってLED素子が配列されたLED実装基板部を有する2つのLED基板と、
2つの前記LED基板のそれぞれに実装された前記LED素子からの出射光を反射する2つの反射板と、を有し、
2つの前記LED実装基板部は、それぞれ、前記支持体側とは反対側の開放端部が互いに近接する方向に傾斜している、
照明装置。
【請求項2】
2つの前記LED実装基板部は、前記管軸方向に沿う縦断面に関して対称である、
請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記LED基板は、前記LED実装基板部と一体的に形成され、前記支持体に固定される固定基板部を有し、
前記固定基板部は、前記反射板として機能する、
請求項1又は2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記反射板は、前記LED基板とは別体で構成される、
請求項1から3のいずれか一項に記載の照明装置。
【請求項5】
前記反射板は、前記管軸方向に沿う縦断面において、照射側に凸のV字形状を有する、
請求項4に記載の照明装置。
【請求項6】
前記LED実装基板部の前記設置面に対する傾斜角度は、可変である、
請求項1から5のいずれか一項に記載の照明装置。
【請求項7】
前記支持体は、放熱板である、
請求項1から6のいずれか一項に記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明装置に関し、特に、光源にLED(Light Emitting Diode)を用いた照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、都市部や市街地地中の洞道内という劣悪温度環境下に設置される照明装置において、省エネルギー化及び長寿命化を実現すべく、光源のLED化が図られている(例えば、特許文献1、2参照)。一般に、洞道内に照明装置を設置する場合、照明装置の光学特性を参考にして、設置間隔等が設定される。
【0003】
管軸(ランプ軸)を有する直管型の照明装置の光学特性は、管軸に直交するA-A面内の配光特性(以下、「A-A配光特性」と称する)、管軸を含むB-B面内の配光特性(以下、「B-B配光特性」と称する)、並びにA-A面及びB-B面に対して45°傾斜したC-C面における配光特性(以下、「C-C配光特性」と称する)によって表される。LED光源を備える照明装置においては、LED素子の配列方向が管軸となる。
【0004】
図1は、直管型の照明装置の配光特性の一例を示す図である。照明装置を天井に設置した場合、光軸が鉛直下方を向く。
図1に示すように、一般には、照射方向が鉛直方向(0°)からずれるに従い、光度が減少する。また、A-A配光特性は、B-B配光特性及びC-C配光特性に比較して、照射方向による光度の減少が小さく、所定の光度(例えば、光軸方向の光度の50%)が得られる角度範囲(配光角)が大きい。そのため、
図1に示す配光特性を有する照明装置を、洞道の延在方向(以下、「洞道軸方向」と称する)に沿って複数設置する場合、管軸が洞道軸方向と直交するように照明装置が設置され、配光角の大きいA-A配光特性が洞道軸方向に対して適用される(
図2参照)。
【0005】
特許文献1、2に開示の照明装置では、LED素子が実装されたた2つのLED基板が、それぞれの光軸が互いに交差するように配置されているので、光軸が鉛直下方を向く場合に比較してA-A配光特性における配光角が大きくなる。したがって、洞道軸方向に沿って所定の明るさを効率よく確保したい場合に有用である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2013-51193号公報
【特許文献2】特開2012-43558号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1、2に開示の照明装置では、前述した通り、光軸からずれた方向における光度が著しく低下するため、洞道軸方向において明暗差が大きくなり、所定の明るさを確保できなくなる虞がある。例えば、照明装置を洞道の天井に設置した場合に、照明装置の直下が暗くなる。
【0008】
本発明の目的は、洞道軸方向において広範囲にわたって照度を上げることができる照明装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る照明装置は、
暗渠の設置面に設置され、前記設置面とは反対側に光を照射する直管形の照明装置であって、
筒状の保護体と、
前記保護体の内部に配置される光源ユニットと、
前記保護体に対して前記光源ユニットを支持する支持体と、を備え、
前記光源ユニットは、
管軸方向に沿ってLED素子が配列されたLED実装基板部を有する2つのLED基板と、
2つの前記LED基板のそれぞれに実装された前記LED素子からの出射光を反射する2つの反射板と、を有し、
2つの前記LED実装基板部は、それぞれ、前記支持体側とは反対側の開放端部が互いに近接する方向に傾斜している。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、洞道軸方向において広範囲にわたって照度を上げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、直管型の照明装置の配光特性の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、洞道内における照明装置の設置態様の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、第1の実施の形態に係る照明装置の内部構造を示す断面図である。
【
図5】
図5は、第1の実施の形態に係る照明装置の内部構造を示す断面図である。
【
図7】
図7は、照明装置の配光特性を示す図である。
【
図8】
図8は、第2の実施の形態に係る照明装置の内部構造を示す断面図である。
【
図9】
図9は、第3の実施の形態に係る照明装置の内部構造を示す断面図である。
【
図10】
図10は、第3の実施の形態に係る照明装置の内部構造を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0013】
[第1の実施の形態]
図3A、
図3Bは、第1の実施の形態に係る照明装置1の外観を示す図である。
図3Aは照明装置1の正面図であり、設置面Cに取り付けた状態を示している。
図3Bは照明装置1を設置面C側から見た平面図である。
図4、
図5は、照明装置1の内部構造を示す断面図である。
図4は、照明装置1の管軸に直交する横断面を模式的に示し、
図5は、照明装置1の管軸に平行な縦断面を模式的に示しいている。
【0014】
照明装置1は、例えば、洞道やトンネル等の暗渠の設置面Cに設置され、設置面Cとは反対側に光を照射する。照射装置1は、例えば、水平方向に延在する洞道の天井に設置され、設置面Cとは反対側の下方に向けて光を照射する。照明装置1は、例えば、防浸形の照明装置であり、JIS C 0920 IPX7に準拠する。
【0015】
照明装置1は、光源ユニットLU、電源ユニットPU、及び保護体30等を備える。光源ユニットLU及び電源ユニットPUは、保護体30の内部に収容される。光源ユニットLUのLED基板10A、10B及び電源ユニットPUの電源回路基板21は、電気的に接続されており、電源ユニットPUから光源ユニットLUに電力が供給される。また、電源ユニットPUは、保護体30の内部において電力ケーブル41に接続され、電力ケーブル41を介して外部電源から電力が供給される。
【0016】
保護体30は、保護管31と、保護管31の両端に配置される保持ケース32、33及び密閉キャップ34、35と、を有する。
【0017】
保護管31は、例えば、半透明の筒形状の部材であり、ガラス材や樹脂等の透光性を有する材料で形成される。保護管31の成形材料には、例えば、ポリカーボネート樹脂を適用できる。保護管31の両端は、保持ケース32、33及び密閉キャップ34、35により閉塞される。半透明の保護管31は、LED素子13A、13Bの出射光の一部を透過し、残りを反射する。
【0018】
保持ケース32、33は、筒形状を有し、ABS樹脂等の樹脂材料で形成される。同様に、密閉キャップ34、35は、椀形状を有し、ABS樹脂等の樹脂材料で形成される。保持ケース32、33及び密閉キャップ34、35は、熱伝導性を有する材料で形成されることが好ましい。
【0019】
保持ケース32、33は、例えば、保護管31の両端部に嵌着され、軸方向中央側から締付リング36、37を締め付けることにより、保護管31に固定される。保持ケース32、33と締付リング36、37の間にはOリング等のシール部材(図示略)が配置され、水密性が確保される。
【0020】
保持ケース32、33の外周の一部には、外側に突出するように吊下げアーム32a、33aが設けられている。吊下げアーム32a、33aは、平板状のシャーシ51の固定片51aに、例えば、ビス等の止着部材(符号略)により締結される。照明装置1は、洞道の天井の設置面Cにシャーシ51を固定した際に、吊下げアーム32a、33aを介して天井から吊り下げられた状態で保持される。
【0021】
密閉キャップ34、35は、例えば、保持ケース32、33に締結される。密閉キャップ34、35と保持ケース32、33の間にはOリング等のシール部材(図示略)が配置され、水密性が確保される。一方の密閉キャップ34には、電力ケーブル41を引き込むケーブル挿通部42が設けられている。ケーブル挿通部42を介して、電力ケーブル41が保護管31の内部に引き込まれ、電源ユニットPUと接続される。
【0022】
また、保持ケース32、33には、放熱プレート38、39が内嵌されている。具体的には、放熱プレート38、39は、保持ケース32、33に一体的に設けられている取付片32c、33cにねじ止めにより締結され、電源回路基板21から放熱プレート38、39及び保持ケース32、33を介して放熱されるようになっている。放熱プレート38、39は、円盤形状を有し、例えば、アルマイト処理されたアルミニウム等の熱伝導性を有する材料で形成される。なお、放熱プレート38、39は円盤形状に限らず、取付片32c、33cに締結できるものであれば、矩形状、楕円状等どのような形状であってもよい。
【0023】
電源ユニットPUは、電源回路基板21及び電源回路基板21に実装される電源モジュール22を有する。電源回路基板21は、電力ケーブル41及びLED基板10A、10Bと電気的に接続される。電源モジュール22は、LED基板10A、10Bに実装されたLED素子13A、13Bに電力を供給できるものであればよく、例えば、直流電源回路で構成される。
【0024】
電源ユニットPUは、電源回路基板21が放熱プレート38、39に接合されることにより、所定の姿勢で保持される。電源ユニットPUは、例えば、電源回路基板21とシャーシ51とが平行となる姿勢で保持される。つまり、照明装置1が設置面Cに設置された際に、電源回路基板21は、設置面Cと平行となる。電源回路基板21と放熱プレート38、39は、例えば、溶接、ビス等による締結など、熱伝導可能な接合手段或いは接合部材を介して接合される。
【0025】
光源ユニットLUは、2つのLED基板10A、10Bを有する。LED基板10A、10Bは、LED素子13A、13Bへの電源ライン等が形成されたプリント配線基板である。LED基板10A、10Bは、略L字形状の断面を有する長尺基板であり、屈曲部分を境に、LED実装基板部11A、11Bと固定基板部12A、12Bに区画される。LED実装基板部11A、11Bと固定基板部12A、12Bのなす角を、「基板取付角θs」と称する(
図6B参照)。基板取付角θsは、鈍角である。LED基板10A、10Bは、照明装置1の軸方向に沿って延在するように配置される。LED素子13A、13Bの光軸14A、14Bと鉛直方向のなす角をθとしたとき、基板取付角θsは、(180°-θ)で表される。
【0026】
固定基板部12A、12Bは、スペーサー23を介して、電源回路基板21に固定される。LED基板10A、10Bは、固定基板部12A、12Bが電源回路基板21と平行となる姿勢で保持される。つまり、本実施の形態では、電源回路基板21が、保護体30に対して光源ユニットLUを支持する支持体として機能している。
【0027】
光源ユニットLUは、電源回路基板21に吊下げた状態で保持される。電源回路基板21とLED基板10A、10B(固定基板部12A、12B)との間にはスペースが形成される。これにより、LED素子13A、13Bを駆動させたときに生じる熱は、効率よく放熱される。
【0028】
また、固定基板部12A、12Bは、LED素子13A、13Bからの出射光を反射する反射板として機能する。例えば、固定基板部12A、12Bをアルミニウム等の金属材料で形成することにより、反射板として機能させることができる。また例えば、樹脂製の固定基板部12A、12Bの表面に、アルミニウム等の金属材料からなる反射層を形成するようにしてもよい。
【0029】
LED実装基板部11A、11Bには、それぞれ、複数のLED素子13A、13Bが直線状に配列される。LED素子13A、13Bの配列方向は、照明装置1の管軸と一致する。LED素子13A、13Bは、一列に配列されてもよいし、複数列で二次元的に配列されてもよい。
【0030】
LED実装基板部11A、11Bのそれぞれにおいて、実装されている複数のLED素子13A、13Bの光軸方向は同じであり、典型的には、LED実装面に垂直である。LED実装基板部11A、11Bは、それぞれのLED実装面が、照明装置1の管軸に沿う縦断面に関して反対側を向くように、すなわち、LED実装基板部11A、11Bに実装されているLED素子13A、13Bが異なる領域を照射するように、配置される。LED実装基板部11A、11Bは、LED素子13A、13Bの非実装面が対向するように配置されているともいえる。
【0031】
また、LED実装基板部11A、11Bは、固定基板部12A、12Bに対して、傾斜して配置されている。具体的には、LED実装基板部11A、11Bは、それぞれ、電源回路基板21側(固定基板部12A、12B側)とは反対側の開放端部が互いに近接する方向に傾斜している。固定基板部12A、12Bは、電源回路基板21、ひいてはシャーシ51と平行に固定されているので、LED実装基板部11A、11Bは、設置面Cに対して傾斜するように配置されているといえる。また、照明装置1の管軸に直交する横断面において、LED素子13A、13Bの光軸は、互いに交差するともいえる。LED基板10A、10Bは、例えば、照明装置1の管軸に沿う縦断面に関して、左右対称的に設けられる。
【0032】
LED素子13A、13Bの光軸方向は、鉛直方向及び水平方向に対して傾斜しているので、照明装置1のA-A配光特性においては、広範囲にわたって所定の光度が得られる(
図7参照)。したがって、管軸が洞道軸方向と直交するように、すなわち、洞道軸方向に対してA-A配光が適用されるように、照明装置1を洞道の天井に設置することで、洞道軸方向において広範囲の領域を照射することができる。そして、洞道軸方向において所定の間隔で複数の照明装置1を設置する場合に、照明装置1の台数を低減し、設備構築費を低減することができる。また、照明装置1から離れた地点(例えば、中間地点P1)においても、十分な明るさを確保することができる。
【0033】
特に、隣接する2つの照明装置1を、それぞれの光軸方向が中間地点P1付近で交差するように設置した場合、照明装置1の間隔Lを最大限に延伸することができる。例えば、LED基板10A、10Bの基板取付角θsが105°、すなわち光軸方向と鉛直方向のなす角θが75°で、照明装置1の設置高さHが2.1[m]である場合、照明装置1からの水平距離が約8[m](=2.1×tan75°)の地点を中間地点P1として照明装置1を設置すればよいことになる。
【0034】
また、LED素子13A、13Bからの出射光は、固定基板部12A、12Bで反射して散乱するので、A-A配光特性が改善され(
図7参照)、光軸方向からずれた地点(例えば、照明装置1の直下地点P0)においても、十分な明るさを確保することができる。
【0035】
このように、第1の実施の形態に係る照明装置1は、以下の特徴事項を有している。すなわち、照明装置1は、洞道等の暗渠の設置面Cに設置され、設置面Cとは反対側に光を照射する照明装置であって、筒状の保護体30と、保護体30の内部に配置される光源ユニットLUと、保護体30に対して光源ユニットLUを支持する電源回路基板21(支持体)と、を備える。光源ユニットLUは、管軸方向に沿ってLED素子13A、13Bが配列されたLED実装基板部11A、11Bを有する2つのLED基板10A、10Bと、2つのLED基板10A、10Bのそれぞれに実装されたLED素子13A、13Bからの出射光を反射する2つの固定基板部12A、12B(反射板)と、を有し、2つのLED実装基板部11A、11Bは、それぞれ、電源回路基板21側とは反対側の開放端部が互いに近接する方向に傾斜している。
【0036】
照明装置1によれば、光軸からのずれに伴う光度の低下が抑制され、A-A配光特性が格段に向上する。したがって、管軸が洞道軸方向と直交するように照明装置1を設置することにより、洞道軸方向における明暗差を小さくでき、洞道軸方向において広範囲にわたって照度を上げることができる。
【0037】
また、照明装置1において、2つのLED実装基板部11A、11Bは、管軸方向に沿う縦断面に関して対称である。
これにより、LED基板10A、10Bを共通の設計で製造することができ、照明装置1の生産性が向上するとともに、複数の照明装置1を設置する際の据え付け間隔を容易に算出することもできる。
【0038】
また、照明装置1において、LED基板10A、10Bは、LED実装基板部11A,11Bと一体的に形成され、電源回路基板21(支持体)に固定される固定基板部12A、12Bを有し、固定基板部12A、12Bは、反射板として機能する。
これにより、A-A配光特性を向上するための構造、すなわち、設置面Cに対して傾斜しているLED実装基板部11A、11Bと反射板として機能する固定基板部12A、12Bとを、一部材で実現することができるので、照明装置1の生産性が向上する。
【0039】
[第2の実施の形態]
図8は、第2の実施の形態に係る照明装置2の内部構造を示す断面図である。
本実施の形態に係る照明装置2は、第1の実施の形態に係る照明装置1の特徴事項に加えて、以下の特徴事項を有している。
【0040】
すなわち、照明装置2では、LED基板10A、10Bの固定基板部12A、12Bに、LED基板10A、10Bとは別体の反射板61が取り付けられている。これにより、反射板61の形状を比較的自由に設計することができるので、照明装置2のA-A配光特性を向上しやすくなる。
【0041】
また、本実施の形態では、反射板61は、軸方向に沿う縦断面において、照射側に凸のV字形状を有している。これにより、LED素子13A、13Bからの出射光は、照明装置2の管軸方向にも拡がるように散乱されるので、B-B配光特性が改善され、洞道軸方向だけでなく、洞道軸方向に直交する洞道幅方向においても十分な明るさを確保することができる。
【0042】
なお、本実施の形態のように、LED基板10A、10Bとは別体で構成される反射板61を設ける場合、LED基板10A、10Bの固定基板部12A、12Bは、必ずしも反射板として機能する必要はない。
【0043】
[第3の実施の形態]
図9は、第3の実施の形態に係る照明装置3の内部構造を示す横断面図である。
図10は、照明装置3の内部構造を示す断面図である。
本実施の形態に係る照明装置3は、第1の実施の形態に係る照明装置1の特徴事項に加えて、以下の特徴事項を有している。
【0044】
すなわち、照明装置3では、電源回路基板21にスペーサー23を介して放熱板24が取り付けられ、この放熱板24に、LED基板10A、10Bの固定基板部12A、12Bが固定されている。そして、電源回路基板21ではなく、放熱板24が放熱プレート38、39に接合され、光源ユニットLUを支持する支持体として機能している。
放熱板24は、熱伝導性を有するアルミニウム等の金属材料で形成される。
【0045】
この場合、LED素子13A、13Bを駆動させたときに生じる熱は、熱流として放熱板24を伝達し、放熱プレート38、39及び保持ケース32、33を介して外部に効率よく放熱される。したがって、駆動時におけるLED素子13A、13Bの発熱による制限が緩和されるので、実装するLED素子を増やしたり、駆動電力を増大させることができ、照明装置3の高輝度設計に対応しやすくなる。
【0046】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づいて具体的に説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
【0047】
例えば、実施の形態では、照明装置1~3を、洞道の天井に設置する場合について説明したが、照明装置1~3は、洞道の側壁に設置されてもよい。また、鉛直方向に延在する洞道において、鉛直方向に所定の間隔で設置されてもよい。
【0048】
また例えば、2つのLED基板10A、10Bにおける基板取付角θsは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。さらには、LED実装基板部11A、11Bと固定基板部12A、12Bをヒンジ構造を介して接続するなどして、基板取付角θsが可変となっていてもよい。この場合、洞道軸方向における照明装置の照射範囲が可変となるので、設置可能な照明装置の台数等に応じて基板取付角θsを調整するなどして、容易に必要な明るさを確保することができる。また、照明装置を設置した後に、照射範囲を変更することもできる。
【0049】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0050】
1~3 照明装置
10A、10B LED基板
11A、11B LED実装基板部
12A、12B 固定基板部(反射板)
13A、13B LED素子
21 電源回路基板(支持体)
22 電源モジュール
LU 光源ユニット
PU 電源ユニット