(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023065514
(43)【公開日】2023-05-12
(54)【発明の名称】内視鏡プローブの手動又はロボット制御の操作を選択的に制御するためのコントローラ
(51)【国際特許分類】
A61B 1/00 20060101AFI20230502BHJP
A61B 1/005 20060101ALI20230502BHJP
A61B 34/20 20160101ALI20230502BHJP
【FI】
A61B1/00 650
A61B1/00 655
A61B1/005 523
A61B1/00 711
A61B34/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】22
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023026822
(22)【出願日】2023-02-24
(62)【分割の表示】P 2021025169の分割
【原出願日】2021-02-19
(31)【優先権主張番号】62/979,748
(32)【優先日】2020-02-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/165,645
(32)【優先日】2021-02-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】596130705
【氏名又は名称】キヤノン ユーエスエイ,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CANON U.S.A.,INC
(74)【代理人】
【識別番号】100090273
【弁理士】
【氏名又は名称】國分 孝悦
(72)【発明者】
【氏名】ワン チャールズ ジョージ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】手動モード又はロボットモードのいずれかで内視鏡プローブを制御するように構成されたシステムを提供する。
【解決手段】ハンドヘルドコントローラ330は、手動モード用とロボットモード用に別々の制御部を含む。手動モードでは、ハンドル200及びプローブ100と組み合せられたハンドヘルドコントローラを用いて、管腔の第1の位置までプローブの挿入及び作動を手動で制御する。ロボットモードでは、ハンドヘルドコントローラがハンドルから外され、ロボットコントローラ302が、管腔内の第2の位置までプローブをロボット制御でナビゲートするようにハンドルを制御する。ハンドルに対するハンドヘルドコントローラの取付け及び取外しは、ワークフローの特定の部分に適した特定の制御部のみがユーザからアクセス可能になるようになされる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
手動モード又はロボットモードのいずれかで選択的に動作するように内視鏡プローブを制御するように構成されたシステムであって、前記コントローラシステムは、
前記プローブの近位部分に配置され、アクチュエータからの作動力を前記プローブの遠位部分に伝達するように構成されたハンドルと、
前記ハンドルに取付け可能なハンドヘルドコントローラと、
前記ハンドル及び/又は前記ハンドヘルドコントローラと通信するロボットコントローラと、
を備え、
前記手動モードでは、前記ハンドヘルドコントローラは前記ハンドルと組み合され、前記組み合されたハンドヘルドコントローラ及びハンドルは、前記プローブの前記遠位部分を対象の管腔に手動で挿入し作動させるように、ユーザによって操作されるように構成され、
前記ロボットモードでは、前記ロボットコントローラは、前記ハンドルに接続され、前記管腔内での前記プローブのナビゲーション及び作動をロボット制御するように構成される、システム。
【請求項2】
前記ロボットモードでは、前記ハンドヘルドコントローラは前記ハンドルから取り外され、
ハンドヘルドコントローラは、有線又は無線の接続を介して前記ロボットコントローラと通信したままである、
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記ハンドヘルドコントローラは、前記手動モードで動作するように構成された第1の制御部と、前記ロボットモードで動作するように構成された第2の制御部とを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記システムは、前記手動モードが前記ロボットモードに移行するか又はその逆である移行モードにおいて、前記内視鏡プローブを制御するように更に構成され、
前記移行モードでは、前記ハンドヘルドコントローラの前記第1の制御部と前記第2の制御部の両方が、ユーザによって操作することができない、
請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
ハンドヘルドコントローラの前記第1の制御部は、前記プローブの角運動を制御するように構成されたジョイスティックを含み、前記第2の制御部は、前記プローブを介したインターベンション処置中に実行される灌注及び/又は吸引のための制御部を含み、
前記手動モードでは、前記ジョイスティックは、前記プローブの前記遠位部分の手動角形成運動のみを制御するように構成され、前記灌注及び/又は吸引のための制御部は、非アクティブ化され、かつ/又は前記ハンドル内に隠される、
請求項3に記載のシステム。
【請求項6】
前記ハンドヘルドコントローラの前記第1の制御部は、前記プローブの角運動のための制御部を有する方向キーパッドを含み、前記第2の制御部は、前記プローブを介したインターベンション処置中に実行される灌注及び/又は吸引のための押しボタン又はスイッチを含み、
前記手動モードでは、前記方向キーパッドは、前記プローブの前記遠位部分の手動角運動のみを制御するように構成され、前記灌注及び/又は吸引のための押しボタン又はスイッチは、非アクティブ化され、かつ/又は前記ハンドル内に隠される、
請求項3に記載のシステム。
【請求項7】
前記ハンドヘルドコントローラは、前記ハンドルと接続するように構成された接続部分と、前記ユーザの手に保持されるように構成された把持部分とを含む、請求項3に記載のシステム。
【請求項8】
前記ハンドヘルドコントローラは、前記ハンドルに着脱されるように構成され、
前記ハンドヘルドコントローラは、前記ハンドヘルドコントローラの前記接続部分を、前記ハンドルの一部に形成された収納インタフェースに滑り込ませることによって、前記ハンドルに取付け可能であり、前記ハンドヘルドコントローラは、前記収納インタフェースから前記接続部分を滑り出させることにより、前記ハンドルから取外し可能である、
請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記収納インタフェースは、前記ハンドルの外表面上に縦方向に形成された線形スロットであり、
前記ハンドヘルドコントローラの前記接続部分は、前記ハンドルの前記外表面上に形成された前記線形スロットに対して係合及び離脱するように構成される、
請求項7に記載のシステム。
【請求項10】
前記ハンドルの前記外表面上に形成された前記線形スロットは、開放端の線形スロットであり、
前記ハンドヘルドコントローラの前記接続部分は、前記ハンドルの前記外表面上に形成された前記線形スロットの前記開放端を通してスライドすることにより、係合及び離脱するように構成される、
請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記ハンドルの前記外表面上に形成された前記線形スロットに前記ハンドヘルドコントローラが取り付けられているとき、前記ハンドヘルドコントローラは前記手動モードで動作し、
前記手動モードでは、ハンドヘルドコントローラの前記第2の制御部は非アクティブ化され、前記ハンドヘルドコントローラの前記第1の制御部のみが、前記管腔内への前記プローブの手動の挿入及び作動を制御するために、前記ユーザから利用可能であり、
前記ハンドルの前記外表面上に形成された前記線形スロットから前記ハンドヘルドコントローラが取り外されたとき、前記ハンドヘルドコントローラは前記ロボットモードで動作し、
前記ロボットモードでは、前記ハンドヘルドコントローラの前記第2の制御部が、前記管腔内で前記プローブを介して実行されるインターベンション処置の機能を制御するために、前記ユーザから利用可能である、
請求項9に記載のシステム。
【請求項12】
前記収納インタフェースは、前記ハンドルの近位端に形成された管状開口であり、
前記ハンドヘルドコントローラの前記接続部分は、前記ハンドルの前記近位端に形成された前記管状開口に対してドッキング又はドッキング解除するように構成された管状シャフトである、
請求項7に記載のシステム。
【請求項13】
前記ハンドヘルドコントローラが前記ハンドルの前記近位端に形成された前記管状開口にドッキングされているとき、前記ハンドヘルドコントローラは前記手動モードで動作し、前記ハンドヘルドコントローラの前記第1の制御部のみが、前記管腔内への前記プローブの手動挿入に必要な運動又は作動の機能を制御するために、前記ユーザからアクセス可能であり、
前記ハンドヘルドコントローラが前記ハンドルの前記近位端に形成された前記管状開口からドッキング解除されたとき、前記ハンドヘルドコントローラは前記ロボットモードで動作し、前記ハンドヘルドコントローラの前記第2の制御部のみが、前記管腔内の前記プローブを介して実行されるインターベンション処置の機能を制御するために、前記ユーザから利用可能である、
請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記収納インタフェースは、前記ハンドルの近位端に形成された円筒シャフトであり、
前記ハンドヘルドコントローラの前記接続部分は、前記ハンドルの前記近位端に形成された前記円筒シャフトに対してドッキング又はドッキング解除するように構成された円筒開口を含む、
請求項7に記載のシステム。
【請求項15】
前記ハンドヘルドコントローラが前記ハンドルの前記近位端に形成された前記円筒シャフトにドッキングされているとき、前記ハンドヘルドコントローラは前記手動モードで動作し、前記ハンドヘルドコントローラの前記第1の制御部のみが、前記管腔内への前記プローブの手動挿入時の前記プローブの変位及び作動を制御するために、前記ユーザからアクセス可能であり、
前記ハンドヘルドコントローラが前記ハンドルの前記近位端に形成された前記円筒シャフトからドッキング解除されたとき、前記ハンドヘルドコントローラは前記ロボットモードで動作し、前記ハンドヘルドコントローラの前記第2の制御部のみが、前記管腔内の前記プローブを介して実行されるインターベンション処置の機能を制御するために、前記ユーザからアクセス可能である、
請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記ハンドヘルドコントローラの前記第1の制御部は、前記プローブの角運動用の制御部を有する回転可能な制御ノブを含み、
前記制御ノブは、前記ハンドルの近位端に固定して取り付けられ、
前記手動モードでは、前記制御ノブは、前記ハンドルに対して時計回り又は反時計回りのいずれかの方向に前記制御ノブを回転させることにより、前記プローブの前記遠位部分の角形成運動のみを制御するように構成される、
請求項3に記載のシステム。
【請求項17】
前記ハンドルは、実質的に円筒形状を有し、
前記制御ノブは、前記ハンドルの前記円筒形状と実質的に同様の形状を有し、
前記制御ノブは、前記ハンドルの長手方向軸に関して対称であり、前記ハンドルと実質的に同じ直径を有する、
請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
対象の前記管腔でのインターベンション処置のための位置関係で互いに組み合せられた前記ハンドヘルドコントローラ、前記ハンドル及び前記プローブのうち1つ以上をその中で支持するように構成されたロボットプラットフォーム、
を更に備え、
前記ロボットコントローラは、前記システムのメモリに、互いに組み合せられた前記ハンドヘルドコントローラ、前記ハンドル及び前記プローブの前記位置関係を記憶する、
請求項1に記載のシステム。
【請求項19】
前記手動モードでは、前記ユーザは、前記ロボットプラットフォームから、前記プローブと組み立てられた前記組み合せられたハンドヘルドコントローラ及びハンドルを取り外し、前記プローブの前記遠位部分を、前記対象の前記管腔内の第1の位置まで手動挿入し、
前記管腔内の前記第1の位置への到達後、前記ロボットコントローラは、前記ユーザに、前記プローブを前記管腔の前記第1の位置から除去することなく、前記プローブと組み立てられた前記組み合せられたハンドヘルドコントローラ及びハンドルを前記ロボットプラットフォームに取り付け直すように促す、
請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記プローブと組み立てられた前記組み合せられたハンドヘルドコントローラ及びハンドルが前記ロボットプラットフォームに取り付け直されると、前記ロボットコントローラは、前記ハンドルから前記ハンドヘルドコントローラを接続解除するか、又は、前記ハンドルから前記ハンドヘルドコントローラを接続解除するように前記ユーザに通知する、請求項18に記載のシステム。
【請求項21】
前記プローブと組み立てられた前記組み合せられたハンドヘルドコントローラ及びハンドルが前記ロボットプラットフォームに取り付け直されると、前記ハンドヘルドコントローラは前記ロボットモードで動作し、前記ロボットコントローラは、前記第1の位置とは異なる前記管腔内の第2の位置への前記プローブの前記遠位部分のロボットナビゲーションを制御し、前記ユーザは、前記ハンドヘルドコントローラの前記第2の制御部にアクセスすることにより、前記管腔の前記第2の位置で前記インターベンション処置を実行する
、請求項18に記載のシステム。
【請求項22】
手動モード又はロボットモードのいずれかで動作するように内視鏡プローブを制御する方法であって、
前記プローブの近位端にハンドルを取り付けるステップであって、前記プローブは、アクチュエータからの作動力を前記プローブの遠位端に伝達するように構成される、ステップと、
前記プローブの前記ハンドルにハンドヘルドコントローラを取外し可能に取り付けるステップであって、前記ハンドヘルドコントローラは、前記手動モードで動作するように構成された第1の制御部と、前記ロボットモードで動作するように構成された第2の制御部とを含む、ステップと、
前記ハンドル及び前記プローブと組み合せられた前記ハンドヘルドコントローラをロボットプラットフォームに装着するステップと、
前記手動モード又は前記ロボットモードのいずれかで前記プローブを動作させるステップと、
を含み、
前記手動モードで動作させるステップは、前記プローブに接続された前記組み合せられたハンドヘルドコントローラ及びハンドルを前記ロボットプラットフォームから外すステップと、前記管腔内で前記プローブの前記遠位部分の角運動を作動させるように、前記ハンドヘルドコントローラの前記第1の制御部のみを動作させながら、管腔を通して前記プローブを前記管腔の第1の位置まで手動挿入するステップとを含み、
前記ロボットモードで動作させるステップは、前記プローブを管腔から除去することなく、前記プローブに接続された前記組み合せられたハンドヘルドコントローラ及びハンドルを前記ロボットプラットフォームに取り付け直すステップと、前記ハンドヘルドコントローラを前記ハンドルから取り外すステップと、前記管腔内の第2の位置まで前記プローブをロボット制御でナビゲートするステップと、を含む、
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本願は、2020年2月21日に提出された米国仮出願第62/979748号に対する優先権を主張し、その開示は、その全体があらゆる目的で参照により本明細書に組み込まれる。優先権の利益は、米国特許法第119条(e)の下で主張される。
【0002】
本開示は、概して、医用デバイスに関する。より詳細には、本開示は、管腔内の曲がりくねった経路を通して内視鏡やカテーテル等のインターベンション用のツール及び器具を誘導するための、手動挿入モードとロボット制御ナビゲーションモードを備えた多関節操縦可能医用デバイスの、交換可能な手動制御及びロボット制御に適用することのできる、コントローラインタフェースの様々な実施形態を例示する。
【背景技術】
【0003】
内視鏡検査は、自然開口から挿入された軟性デバイスを用いて、内臓の遠隔検査、処置及び/又は治療を可能にする医療処置である。そのような処置は、患者の生体経路の複雑さや、既存の器具の柔軟性が限られていること、複数の器具を使用する必要があることによって、制限される。内視鏡は、概して、受動的な近位部と能動的な遠位部から成る。近位の受動部は、硬性、半硬性又は軟性とすることができる。能動的な遠位部は、デバイスのハンドルに配置された作動ホイールに接続された制御ワイヤによって遠隔で作動する操縦可能な先端を含む。内視鏡は、典型的には、イメージングデバイス(カメラ)と、光源と、灌注及び/又は吸引用のチャネルと、インターベンションツールを通すための少なくとも1つの器具チャネルとを備える。典型的な内視鏡器具には、挿入、回転及び把持の動作を可能にする少なくとも3つの自由度(3DOF)がある。しかしながら、作業スペースが限られており、標的臓器の可視性が制限されていることにより、このようなシステムの使いやすさが更に制限され、器用なタスクを実行するためには1人以上の熟練した内視鏡医が必要となる。例えば、簡単な処置中に内視鏡とその器具を手動で制御するには、4本の手が必要となる。そのため、内視鏡医は、内視鏡医助手とコミュニケーションをとって器具を作動させ、内視鏡シャフトを正しい位置に保持しながら、正確な先端角度、シャフト管理及び器具挿入の手順の組合せを習得する必要がある。そのような処置の複雑さを軽減するために、いくつかの革新的な技術が提案されてきた。特に、ロボット内視鏡システムが開発された。
【0004】
以下の特許文献及び非特許文献のリストは、手動及びロボット制御の内視鏡システムの一部の例を提供している。米国特許第2975785号、米国特許第3253524号、米国特許第3610231号、米国特許第3788303号、米国特許第4207873号、米国特許第5355871号、米国特許第9737373号、米国特許第10470831号、米国特許公開第20100041949号、米国特許公開第20120078053号、米国特許公開第20190261830号、Pierre Berthet-Rayne他、“The i2Snake Robotic Platform for Endoscopic Surgery”,Ann Biomed Eng.2018 Oct;46(10):1663-1675,2018年;及びEsther D. Rozeboom他、“Feasibility of joystick guided colonoscopy”,J Robotic Surg.9:173-178,2015年。前述の特許文献及び非特許文献の全ては、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0005】
しかしながら、ロボット内視鏡システムでさえ、手動制御挿入とロボット制御ナビゲーションの組合せから恩恵を受けることができる。この要件を達成するには、内視鏡医(ユーザ)が正しいタイミングで正しい制御メカニズムとインタラクトする必要がある。一般に、事前定義されたワークフローにより、通常、手動挿入とロボット制御ナビゲーションに用いる正しい制御が定義される。しかしながら、最近では、ロボット支援技術への関心と器具のサイズを縮小する必要性が高まっているので、処置時間を最小限に抑えるとともに患者の安全を最適化しながら、技術の進歩を最大化する技術の組合せの概観を描くことが重要である。
【0006】
例えば、ロボット支援気管支鏡検査では、システムは、カテーテルを所定の位置(患者の肺の最初の気管分岐部)まで手動挿入する必要があり、その後にロボット支援ナビゲーションが続く。手動動作はほぼ直線的な挿入であるが、患者の不快感を回避するか又は少なくとも最小限に抑えるために、手動挿入中に内視鏡の先端を操縦する必要が依然としてある。したがって、手動挿入でも何らかの制御機構が必要である。一方、内視鏡の先端が最初の気管分岐部に到達すると、ユーザは、手動制御を解除してロボット支援ナビゲーションに変更することができる。そのため、内視鏡やカテーテル等のインターベンションツールの挿入が手動挿入とロボット支援ナビゲーションの間でシームレスに移行することのできるハンドオフ手順をユーザが実行できることが望ましい。しかしながら、既知の最先端技術はこのようなニーズを満たしていない。
【0007】
手動制御からロボット制御へのシームレスな移行を達成することにおける課題のひとつは、ユーザが手動挿入とロボット動作モードで同じコントローラインタフェースを操作する場合に、各モードについて機能へのアクセスが適切でなければならないということである。より具体的には、事故を回避し患者の安全性を高めるには、手動挿入中にユーザからアクセスできないロボット制御部と、ロボット支援モード中にアクセスできない手動制御部とが必要である。
【発明の概要】
【0008】
本開示の少なくとも1つの実施形態によれば、内視鏡システムは、手動制御内視鏡及びロボット制御内視鏡器具のための特徴と、2つの機能を選択的に制御する制御デバイスとを備える。一実施形態では、ハンドルと、ハンドルからその遠位端まで延びる管状シャフトとを有する内視鏡プローブ;ハンドルから着脱可能なハンドヘルドコントローラ;及び、ハンドヘルドコントローラ及び/又はハンドルと通信するロボットコントローラ、を備える内視鏡制御システムが提供される。内視鏡制御システムは、手動モード及びロボットモードで動作するように構成される。手動モードでは、ハンドヘルドコントローラが、内視鏡のハンドルに取り付けられ、管状シャフトの遠位部分の動きを手動制御するために用いられ、ロボットモードでは、ロボットコントローラが内視鏡全体の動きを制御する。内視鏡システムは、管腔内の曲がりくねった経路を通して内視鏡やカテーテル等のインターベンション用のツール及び器具を誘導するための、手動挿入モードとロボット制御ナビゲーションモードを備えた多関節操縦可能医用デバイスの、交換可能な手動制御及びロボット制御に適用することができる。
【0009】
有利には、本開示の様々な実施形態によれば、ハンドヘルドコントローラが内視鏡のハンドルに取り付けられたときは、最小限の制御部がユーザからアクセス可能である。この構成のひとつの目的は、管腔内への内視鏡の手動挿入である。そのため、単純なジョイスティック又は方向キーパッドにより、内視鏡の先端の動き(主に方向性)の制御に利用可能な機能が提供される。灌注又は吸引用のボタン等の他の制御部は、非アクティブ化されるか又は内視鏡のハンドル内に隠されるので、ユーザによる不用意なアクティブ化及び/又は混乱の可能性が排除される。内視鏡先端を管腔内の所定の位置に手動で位置決めしたあと、内視鏡のハンドルは、ロボットシステムの支持プラットフォーム又はアームにドッキングされる。ハンドルが支持プラットフォーム又はアームにドッキングされると、システムは自動的に、内視鏡を所望の関心領域に誘導するロボットモードに入る。
【0010】
一実施形態によれば、ハンドヘルドコントローラは、ハンドルから取外し可能である。ハンドルからのハンドヘルドコントローラの取外しを容易にするために、ハンドヘルドコントローラは、取外し可能なときにハンドルからわずかに跳び出すように構成される。ハンドヘルドコントローラがハンドルから取り外されると、ユーザは、ハンドヘルドコントローラに設けられる機能部(ボタン)の完全な一式にアクセスすることができる。処置が完了すると、ハンドヘルドコントローラは、保管及び/又はバッテリの再充電のために、ハンドルに再挿入することができる。
【0011】
別の実施形態によれば、ハンドヘルドコントローラは、ハンドルの近位端(上部)に取り付けられたノブから成る。ノブは、ユーザの親指又は2本の指の操作でノブを回転させる(ひねる)ことにより、時計回りと反時計回りの両方に方向転換するように構成される。このノブのひねりは、カテーテル又は内視鏡の先端の動きに対応する。つまり、ノブを左にひねると、内視鏡の先端が左に曲がり、ノブを右にひねると、先端が右に曲がる。ノブは、正確な制御のための簡単なグリップを提供するために、刻み目、グリップテクスチャ、又はその他の特徴を有してよい。一実施形態によれば、ノブは、円筒形状であるとともに、内視鏡ハンドルの長さ軸に関して対称であることが好ましく、ノブの直径は、ハンドルの直径に等しい(又は小さい)。
【0012】
別の実施形態によれば、ハンドヘルドコントローラは、ユーザの手がハンドヘルドコントローラを把持できるようにする開口を備えて構成され、グリップ性能が向上し、快適性が改善される。更なる実施形態によれば、ハンドヘルドコントローラは、内視鏡のハンドルの外周に合うように構成された中空の接続部品を含む。この場合、ハンドヘルドコントローラがハンドルから取り外されたとき、ハンドヘルドコントローラは、ロボット制御モード用のフィンガーヘルド(finger-held)ミニジョイスティックとして用いることができる。
【0013】
別の実施形態によれば、コントローラシステム(300)は、手動モード及び/又はロボットモードで選択的に動作するように内視鏡プローブ(100)を制御するように構成される。コントローラシステムは、プローブの近位端にあるハンドル(200)と、ハンドル(200)に取付け可能なハンドヘルドコントローラ(330)と、ハンドル及び/又はハンドヘルドコントローラと通信するロボットコントローラ(302)と、を備える。ハンドヘルドコントローラは、手動モード下で操作される第1の制御部と、ロボットモード下で操作される第2の制御部とを有する。手動モードでは、ハンドヘルドコントローラはハンドルと組み合され、組み合されたハンドヘルドコントローラ及びハンドルは、ユーザがプローブの遠位部分の挿入及び動きを手動制御するために第1の制御部を動作させることを可能にする。ロボットモードでは、ロボットコントローラは、ハンドヘルドコントローラと連携して第1の制御部へのユーザアクセスを防止し、また、ユーザがプローブ全体のナビゲーション及び動きをロボット制御するために第2の制御部を動作させることを可能にする。
【0014】
本開示のこれら及び他の目的、特徴及び利点は、本開示の例示の実施形態の以下の詳細な説明を添付の図面及び提供された特許請求の範囲と併せて読むと、明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
以下、開示された態様を説明するために提供されるが限定しない添付の図面と併せて、更なる態様を説明する。同様の呼称は、本開示の同様の要素を示す。
【0016】
【
図1】
図1Aは、その遠位端に複数の湾曲部を有するロボット制御内視鏡プローブ100の例示の実施形態を示す図である。
図1Bは、内視鏡プローブ100の例示の実装の写真である。
【
図2】
図2Aは、2つの湾曲部をもつ例示のプローブ100の斜視図である。
図2Bは、制御ワイヤを誘導するためのスルーホール(ガイド穴)を備えた湾曲部の代表的なガイド部材の斜視図である。
図2Cは、プローブ100の湾曲部の曲げ又は操縦の例を示す図である。
【
図3】
図3Aは、本開示に係る、内視鏡プローブ100に対する制御信号を生成するように構成された内視鏡ハンドル200と組み合されたハンドヘルドコントローラ330の実施形態を示す図である。
図3Bは、プローブ100のハンドル200に取り付けられた(挿入された)ハンドヘルドコントローラ330の斜視図である。
図3Cは、ハンドル200が支持プラットフォーム350に取り付けられ、ハンドヘルドコントローラ330がハンドル200から取り外された構成を示す図である。
【
図4】
図4A、
図4B及び
図4Cは、ハンドヘルドコントローラ330の別の実施形態と、ハンドヘルドコントローラ330が内視鏡ハンドル200とインタラクトする方式を示す図である。
【
図5】
図5A及び
図5Bは、内視鏡ハンドル200に取外し可能に取付け可能であるハンドヘルドコントローラインタフェース330の別の埋込みを示す図である。
【
図6】
図6は、プローブ100の内視鏡ハンドル200に取付け可能なハンドヘルドコントローラ330の更なる埋込みを示す図である。
【
図7A】
図7Aは、内視鏡ハンドル200と組み合されたハンドヘルドコントローラ330の更なる実施形態を示す図である。
【
図7B】
図7Bは、内視鏡ハンドル200と組み合されたハンドヘルドコントローラ330の更なる実施形態を示す図である。
【
図7C】
図7Cは、内視鏡ハンドル200と組み合されたハンドヘルドコントローラ330の更なる実施形態を示す図である。
【
図8】
図8A、
図8B及び
図8Cは、2つのモード間のハンドオフ移行により、ハンドヘルドコントローラ330を手動モード及びロボットモードで用いる方法を示す図である。
【
図9】
図9は、内視鏡ハンドル200と組み合せてハンドヘルドコントローラ330を用いる手動挿入及びロボット制御ナビゲーションのプロセス(方法)を定める例示のワークフローを示す図である。
【
図10】
図10は、内視鏡ハンドル200に結合されたか又は切り離された状態のハンドヘルドコントローラにより、手動モード又はロボットモードのいずれかで選択的に動作するように操縦可能プローブ100を制御するためのワークフロープロセスを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本明細書に開示される例示の実施形態は、管腔内の曲がりくねった経路を通して内視鏡やカテーテル等のインターベンション用のツール及び器具を誘導するための、手動挿入モードとロボット制御ナビゲーションモードを備えた多関節操縦可能医用デバイスの、交換可能な手動制御及びロボット制御に適用することのできる、コントローラインタフェースを提供する目的に基づく。
【0018】
図全体を通して、別段の記載がない限り、同じ参照番号及び文字は、例示される実施形態の同様の特徴、要素、コンポーネント又は部分を示すために用いられる。更に、同封の図を参照して本開示を詳細に説明するが、それは、例示の実施形態に関連してなされる。添付の特許請求の範囲によって定義される本開示の真の範囲及び主旨から逸脱することなく、説明される例示の実施形態に対して変更及び修正を行うことができることが意図される。図面はいくつかの可能な構成及びアプローチを表すが、図面は必ずしも縮尺どおりではなく、本開示の特定の態様をより分かりやすく図示及び説明するために、特定の特徴が誇張、削除又は部分的に切断される場合がある。本明細書に記載の説明は、網羅的であること、そうでなければ、図面に示され以下の詳細な説明に開示される正確な形態及び構成に特許請求の範囲を限定又は制限することを意図するものではない。
【0019】
本明細書において、特徴又は要素が別の特徴又は要素の「上」にあるとして言及されるとき、それは、当該他の特徴又は要素の直上に存在してよく、又は、介在する特徴及び/又は要素も存在してよい。対照的に、特徴又は要素が別の特徴又は要素の「直上」にあるとして言及されるとき、介在する特徴又は要素は存在しない。また、当然のことながら、特徴又は要素が別の特徴又は要素に「接続される」、「取り付けられる」、「結合される」等として言及されるとき、それは、当該他の特徴に直接的に接続されてよく、取り付けられてよく、又は結合されてよく、又は、介在する特徴又は要素が存在してもよい。対照的に、特徴又は要素が別の特徴又は要素に「直接的に接続される」、「直接的に取り付けられる」又は「直接的に結合される」として言及されるとき、介在する特徴又は要素は存在しない。一実施形態に関して説明又は図示したが、一実施形態においてそのように説明又は図示された特徴及び要素は、他の実施形態に適用することができる。また、当業者であれば理解できるように、別の特徴に「隣接」して配置されている構造又は特徴への言及は、当該隣接する特徴にオーバーラップするかその下にある部分をもつ場合がある。
【0020】
本明細書では、様々な要素、コンポーネント、領域、部品及び/又は部分を説明するために、第1、第2、第3等の用語が使用される場合がある。当然のことながら、これらの要素、コンポーネント、領域、部品及び/又は部分はこれらの指定の用語によって限定されない。これらの指定の用語は、ある要素、コンポーネント、領域、部品又は部分を別の領域、部品又は部分から区別するためにのみ使用されている。よって、後述する第1の要素、コンポーネント、領域、部品又は部分は、単に区別を目的として、しかし限定をすることなく、また、構造的又は機能的な意味から逸脱することなく、第2の要素、コンポーネント、領域、部品又は部分と呼ぶことができる。
【0021】
本明細書において用いられる場合、単数形は、文脈上明確に別段の指示がない限り、複数形も含むことを意図している。更に、当然のことながら、「含む」、「備える」、「成る」という用語は、本明細書及び特許請求の範囲において用いられる場合、記載の特徴、整数、ステップ、動作、要素及び/又はコンポーネントの存在を指定するが、明示的に記載されていない1つ以上の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、コンポーネント及び/又はそれらのグループの存在又は追加を排除するものではない。更に、本開示では、「~から成る」という移行句は、クレームで指定されていないいかなる要素、ステップ又はコンポーネントも除外する。更に、留意すべきこととして、一部のクレーム又はクレームの一部の特徴は、任意の要素を除外するように起草される場合があり、このようなクレームは、クレーム要素の記載に関連して「単独で」、「~のみ」等の排他的な用語を使用する場合があり、又は、「否定的な」限定を使用する場合がある。
【0022】
本明細書で使用される「約」又は「およそ」という用語は、例えば10%以内、5%以内又はそれ未満を意味する。一部の実施形態では、「約」という用語は、測定誤差内を意味することがある。これに関して、説明され又はクレームされる際に、用語が明示的に表示されていなくても、全ての数値は「約」又は「およそ」という語が前置されているかのように読まれてよい。「約」又は「およそ」という語句は、大きさ及び/又は位置を記述するとき、記載の値及び/又は位置が値及び/又は位置の妥当な予想範囲内にあることを示すために使用されることがある。例えば、数値は、記述された値(又は値の範囲)の±0.1%、記述された値(又は値の範囲)の±1%、記述された値(又は値の範囲)の±2%、記述された値(又は値の範囲)の±5%、記述された値(又は値の範囲)の±10%等である値を含み得る。いかなる数値範囲も、本明細書に記載される場合、そこに包含される全ての部分範囲を含むことが意図される。本明細書で用いられる場合、「実質的に」という用語は、意図された目的に悪影響を及ぼさない記述子からの逸脱を許容することを意味する。例えば、測定値の限定に由来する逸脱、製造公差内の差異、又は5%未満の変動は、実質的に同じ範囲内にあると見なすことができる。指定された記述子は、絶対値(例えば、実質的に球形、実質的に垂直、実質的に同心等)又は相対語(例えば、実質的に類似、実質的に同じ等)であり得る。
【0023】
本開示は、概して医療機器に関し、分光装置(例えば内視鏡)、光干渉断層法(OCT)装置、又はそのような装置の組合せ(例えばマルチモダリティ光プローブ)に適用可能である光プローブの実施形態を例示する。光学プローブ及びその部分の実施形態を、三次元空間におけるそれらの位置/向きに関して説明する。本明細書で用いられる場合、「位置」という用語は、3次元空間における物体又は物体の一部の位置(例えばデカルトX、Y、Z座標に沿った3自由度の並進自由度)を指し、「向き」という用語は、物体又は物体の一部の回転配置(回転の3自由度―例えばロール、ピッチ、ヨー)を指し、「姿勢」という用語は、少なくとも1つの並進自由度にある物体又は物体の一部の位置と、少なくとも1つの回転自由度にある物体又は一部の物体の向きとを指し(合計で最大6つの自由度)、「形状」という用語は、物体の長尺体に沿って測定された一連の姿勢、位置及び/又は方向を指す。医療機器の分野において既知であるように、「近位」及び「遠位」という用語は、ユーザから手術部位又は診断部位まで延びる器具の端部の操作に関して用いられる。これに関して、「近位」という用語は、器具のユーザに近い部分を指し、「遠位」という用語は、ユーザから離れており外科部位又は診断部位に近い器具の部分を指す。
【0024】
本明細書で用いられる場合、「カテーテル」との用語は、概して、広範囲の医療機能を実行するために、狭い開口を通して体腔(例えば血管)の中に挿入されるように設計された、医療グレードの材料から作られる軟性の薄い管状器具を指す。より具体的な「光学カテーテル」との用語は、医療グレード材料から作られた保護シース内に配置され光学イメージング機能をもつ1つ以上の軟性の光伝導ファイバの細長い束を含む医用器具を指す。光学カテーテルの特定の例は、シース、コイル、プロテクタ及び光学プローブを備える光ファイバカテーテルである。一部の用途では、カテーテルは、シースと同様に機能する「ガイドカテーテル」を含み得る。
【0025】
本明細書で用いられる場合、「内視鏡」との用語は、光学プローブによって導かれる光を用いて体腔又は臓器の内部を観察する、硬性又は軟性の医用器具を指す。内視鏡が自然開口を通して挿入される医療処置は、内視鏡検査と呼ばれる。専用の内視鏡は、気管支鏡(口)、S状結腸鏡(直腸)、膀胱鏡(膀胱)、腎臓鏡(腎臓)、気管支鏡(気管支)、咽頭鏡(咽頭)、耳鏡(耳)、関節鏡(関節)、腹腔鏡(腹部)及び消化管内視鏡等、一般に、内視鏡の使用方法や使用場所にちなんで名付けられる。
【0026】
本開示では、「光ファイバ」又は単に「ファイバ」等の用語は、全反射として知られる効果によって一端から他端に光を伝導することができる、細長い軟性の光伝導管を指す。「導光コンポーネント」又は「導波管」との用語も、光ファイバを指す場合があり、又は光ファイバの機能をもつ場合がある。「ファイバ」との用語は、1つ以上の光伝導ファイバを指す場合がある。光ファイバは、一般に透明で均質なコアをもち、それを通して光が誘導され、また、コアは均質なクラッディングによって囲まれている。コアの屈折率は、クラッディングの屈折率よりも大きい。設計上の選択に応じて、一部のファイバは、コアを囲む複数のクラッディングをもつことができる。
【0027】
本開示の具体的な実施形態は、低侵襲外科(MIS)処置に適用可能であるロボット制御可能な内視鏡又はカテーテルを改善することを対象としている。MIS処置は、小さな切開部又は自然開口から患者の体内に挿入される、長くて硬性又は軟性の手術器具の使用を伴う。周知の内視鏡処置には様々なものがある。MIS内視鏡検査の重要な側面は、関心エリアにイメージングデバイスを直接挿入することにより、患者の体内を「見る」という能力である。イメージングデバイスとして、ほとんどの内視鏡は、内視鏡の先端に高解像度カメラと光源を用いている。内視鏡の先端は、親指操作の2つのダイヤルによって手動で、又は近位端のロボットアクチュエータにより、能動的に操縦することができる。患者の体内への内視鏡の挿入及び引戻しも、手動又はロボット制御のいずれかで実行することができる。本開示を通して、ロボット制御内視鏡デバイスの動作原理及び新規の改良が詳細に説明される。このような内視鏡デバイスの適用には、診断と治療の両方の目的のための処置が含まれる。
【0028】
<
図1>
図1A及び
図1Bを参照しながら、手動モード又はロボットモードのいずれかでロボット操縦可能内視鏡プローブ100を制御するように構成されたシステム1000を説明する。
図1Aは、本開示の一実施形態に係る、連続体ロボットシステム300及び/又はハンドヘルドコントローラ330によって制御される操縦可能内視鏡プローブ100の一般構造を示す。プローブ100は、カテーテル支援又は内視鏡支援の低侵襲医療処置に適用可能な1つ以上の湾曲可能部又は操縦可能部を有する。具体的には、
図1Aは、長手方向軸(Ax)に沿って配置された操縦可能遠位部101及び非操縦可能近位部102を有するロボット制御医用プローブ100を示す。非操縦可能近位部102は、押出成形又は3Dプリントされたポリマー材料で作られた管状体(押出成形体)である。操縦可能遠位部101は、複数の作動可能なセグメント又はディスクから作られる。プローブ100は、ハンドル200を介してプローブ100に接続されたロボット制御システム300によって制御される。制御システム300は、概してコントローラ302を含み、例えば、当業者に既知である適切なソフトウェア、ファームウェア及び周辺ハードウェアとともに、比例・積分・微分(PID)コントローラ又は他のデジタルシグナルプロセッサ(DSP)を含む。DSPは、概して専用の集積回路であるが、DSP機能は、フィールドプログラマブルゲートアレイチップ(FPGA)を用いることによって作り出すこともできる。制御システム300は、プロセッサ又は中央処理装置(CPU)410によって動作させられるコンピュータシステム400(例えばシステムコンソール)の一部であってよく、又はコンピュータシステム400に接続される。コンピュータシステム400、ロボット制御システム300、ハンドヘルドコントローラ330及びハンドル200は、ネットワーク及び/又はケーブル束425によって、互いに動作可能に接続される。他の機能の中でも、コンピュータシステム400は、外科医又は他のユーザに、プローブ100とインタラクトし遠隔操作するために、画像表示デバイス420及びグラフィカルユーザインタフェース(GUI)422を提供することができる。本明細書に開示される様々な実施形態では、ハンドヘルドコントローラ330は、有線接続320等の物理的接続を介して、かつ/又は、ロボット制御システム300を介した無線接続325を介して、ハンドル200に接続されるように構成される。
【0029】
ロボット制御システム300は、複数の作動モータ(又はアクチュエータ)モータ1~Mを含んでよく、Mは、0よりも大きく、プローブ100の操縦に必要な制御ワイヤ110の数に等しい整数である。また、ロボット制御システム300は、1つ以上のセンサ304を含んでもよい。センサ304は、ひずみセンサ及び/又は位置センサを含むことができる。ひずみセンサは、例えば、ひずみゲージ又はピエゾ抵抗器によって実装することができる。ひずみセンサは、駆動される制御ワイヤ110に及ぼされる圧縮力又は張力(F)を検出及び/又は測定するのに役立つ。この場合、ひずみセンサは、操縦可能プローブ100の作動中に各制御ワイヤ110に加えられる圧縮力又は張力の量(ひずみの量)に対応する信号305を出力する。また、センサ304は、処置中に作動された各制御ワイヤ110の変位の動きの量(距離)に対応する信号305を出力することもできる。制御ワイヤの変位の量を測定するセンサは、ホール効果センサによって実装することができる。また、センサ304は、操縦可能プローブ100の位置及び向きを測定及び/又は検出するように構成された電磁(EM)センサによって実装することもできる。各制御ワイヤ110のセンサ304(ひずみセンサ、変位センサ及び/又は位置センサ)からの信号305は、各モータ又はアクチュエータを個別に制御するために、コントローラ302に供給される。このように、各制御ワイヤ110を能動的に制御して、患者の生体構造の管腔内空洞を通してプローブ100をナビゲートするために、適切なシャフト誘導を実施することができる。対応するモータ又はアクチュエータとの制御ワイヤ110の電気機械接続の各々は、(信号305に基づいて)コントローラ302についてフィードバックループ325を作り出すように、1つ以上のセンサ304と動作可能に接続されている。コントローラ302は、各制御ワイヤ110に加えられた張力、圧縮力及び/又はねじり力のうち1つ以上に基づいて、各制御ワイヤ110の動作(動き)を電子的に制御するために用いられる。
【0030】
ハンドル200は、プローブ100と制御システム300の間の電気機械インタフェースを提供する。例えば、ハンドル200は、機械接続、電気接続、磁気接続及び/又は光学接続と、プローブ100を制御システム300とインタフェース接続するための他のデータ/デジタル接続とを提供することができる。また、ハンドル200は、外科医又は操作者が器具又はエンドエフェクタを挿入するのに用いることのできる入力ポート250を提供することができる。例えば、入力ポート250を用いて、小さな鉗子、針又は電気焼灼器具等の小さな器具を挿入することができる。更に、ハンドル200は、プローブ100の遠位部101の曲げ(操縦)を制御するための1つ以上のダイヤル又は制御ホイール252を含んでよい。
【0031】
図1Bは、例示のプローブ100の写真をより詳細に示す。一実施形態によれば、プローブ100は約0.14インチの外径を有してよく、遠位部101は長さがおよそ2.0インチであり、プローブ100の全長は約24インチである。アンカー部材は、典型的には、ポリエーテルブロックアミド(例えばアルケマ社製のPebax(登録商標))から構成される。プローブ100の大部分を覆うアウターシースも、Pebaxから作ることができる。ただし、ポリウレタン等の他のプラスチックでも実現可能である。
【0032】
プローブ100は円筒形の管状シャフトを含み、管状シャフトは、1つ以上のツールチャネルと、プローブの近位端から遠位端まで延びる複数のワイヤコンジットとを有する。ツールチャネルのうち、プローブ100は、管状シャフトに沿って(典型的には、中に)延びる少なくとも1つの(一部の実施形態では、2つ以上の)ツールチャネルを含んでよい。ワイヤコンジットのうち、プローブは、管状シャフト(シース)の壁に沿って(典型的には、中に)延びる複数のワイヤコンジットを含んでよい。1つ以上の器具チャネルにより、プローブ100の遠位端に位置するエンドエフェクタへのアクセスが可能になる。また、1つ以上の器具チャネルは、液体又は気体の物質(例えば空気、水)を標的エリアに送り、又は回収するために用いることができる。また、器具チャネルは、光ファイバ,小型カメラ、及び/又は電線によって電力供給されるセンサ等のイメージングコンポーネントを通すために用いることができる。シースの壁内に形成されたワイヤコンジットにより、シースの遠位部101の操縦(又は曲げ)に用いられる制御ワイヤ及び/又は支持ワイヤの係留及び/又は通過が可能となる。プローブ100の近位端では、アクセスポート250及び1つ以上の制御ホイール252を備えたハンドル200が、遠位(操縦可能)部101を1つ以上の方向に手動で曲げるために用いられる。
【0033】
プローブ100は、ねじり剛性及び長手方向の剛性を維持しながら、プローブの遠位端近くの目的の標的エリアに到達するために、1つ又は複数の湾曲カーブを伴う腔内標的エリアへの柔軟なアクセスを提供するように構成されるので、医師は、ハンドル200を操縦することにより、又は制御システム300の運動学的動作により、シースの遠位端に位置するエンドエフェクタを制御することができる。このような操縦可能機能を提供するために、プローブ100は、1つ又は複数の支持ワイヤ(背骨又は腱)と、プローブ100の長さに沿ってシースの壁に沿って(典型的には、中に)ワイヤコンジット内に配置された複数の制御ワイヤ110とを備える。
【0034】
<
図2>
図2A~
図2Cを参照して、例示の操縦可能内視鏡プローブ100の作動の構造及び原理を説明する。
図2Aは、例示のプローブ100の斜視図である。一実施形態によれば、プローブ100はワイヤ駆動連続体ロボットであってよく、これは、硬いシースで作られた近位部102と、少なくとも1つの変曲点107を伴う湾曲部106a及び106bにグループ化される複数のディスク又はガイド部材で作られた遠位部101とを含む。
図2Aに示されるプローブ100では、プローブの近位端から遠位端まで複数の制御ワイヤ110が延び、シースの壁に沿ってコンジット104を通過し、複数のガイド部材108a,108b及びアンカー部材103a,103bを通る。近位部102のシースと遠位部101のワイヤ誘導ディスクは、プローブ軸Axに沿って配置されて、少なくとも1つの器具チャネル105を形成する。
【0035】
制御ワイヤ110は、Z軸に平行な縦方向に配置される。一部の制御ワイヤ110は、変曲点107で第1のアンカー部材103aに結合され、制御ワイヤ110の一部は、遠位端で第2のアンカー部材103bに結合される。全ての制御ワイヤ110は、プローブ100の近位端において、ハンドル200を介して個々のモータ又はアクチュエータ(
図1Aに示される制御システム300の)に結合される。制御ワイヤ110は、金属ワイヤ、例えば、ピアノタイプワイヤ、ステンレス鋼ワイヤ又はニッケル-チタン合金ワイヤであってよい。アンカー部材103a及び103bは、その中心軸がZ軸方向に沿って延びる円環形状を有する。複数の制御ワイヤ110は、例えば接着、ピン止め、溶接、圧入又はねじ止めにより、アンカー部材103a,103bに固定して結合される。
【0036】
プローブ100の近位部102は、その中心軸がZ軸方向に沿って延びる管状形状を有し、シースの壁内に延びる複数のコンジット104(スルーホール)を有する。近位部102は支持部(軟性(しかし非湾曲可能)であってよい)として機能するので、シースのスルーホールに沿って延びる制御ワイヤがZ軸方向に駆動されたときに、制御ワイヤの座屈やたるみを生じることなく、アクチュエータ又はモータからの力を1つ以上の湾曲部に伝達する機能がある。
【0037】
図2Bは、代表的なガイド部材108bと代表的なガイド部材108aの斜視図を示す。各ガイド部材は、Z軸方向に沿って延びるプローブ軸Axと同心の開口をもつ円環形状を有する。これらのガイド部材が
図1Aに示されるように縦方向に組み合されると、ガイド部材の中央の開口によって器具チャネル105が形成される。ガイド部材108bは、ガイド部材の円環形状の壁に沿って延びるコンジット又はガイド穴104a,104b,104cを有する。ガイド穴104a,104b,104cは、プローブ100のナビゲーション(操縦)操作中にそれぞれの制御ワイヤ110がそこを通ってスライドすることを可能にするように構成される。制御ワイヤ110のうち、1つのワイヤをガイド穴で、例えば接着によってガイド部材に固定することができ、他の2つの制御ワイヤは、ガイド穴に対してスライド可能である。各ガイド部材108bはガイド穴を通して制御ワイヤ110に接するので、ガイド部材は、摩擦係数の低い樹脂等の材料を含むことができる。ガイド部材108aは、制御ワイヤ110が湾曲部106a及び湾曲部106bを通過することを可能にするガイド穴104a,104b,104c,104d,104e,104fを有する。湾曲部106bの設計と類似して、湾曲部106aは複数のガイド部材108aを有し、各ガイド部材はガイド穴104a~104fを有する。ガイド穴は、アンカー部材103bに結合された制御ワイヤ110とアンカー部材103aに結合された制御ワイヤがガイド穴を通過できるようにするように配置される。アンカー部材103aに結合された3つの制御ワイヤのうち1つは、各ガイド部材のガイド穴に固定され、残りの2つの制御ワイヤは、ガイド穴に対してスライド可能である。
【0038】
次に、制御ワイヤ110が能動的に駆動されるときのプローブ100の曲げ運動(操縦)について説明する。分かりやすくするために、単一の湾曲部の曲げについて説明する。
図2Cに示されるように、プローブ100の単一の湾曲部106は、その遠位端から、アンカー部材103と、複数のガイド部材108と、支持部102(シース)とを含み、複数のガイド穴104a,104b,104c(
図2Bに示される)を備える。制御ワイヤ110a,110b,110cは、それぞれガイド穴104a,104b,104cに沿って、近位端から遠位端まで延びる。制御ワイヤ110は、その遠位端でアンカー部材103に固定して結合される。その遠位でアンカー部材103に結合された制御ワイヤ110は、各制御ワイヤの近位端に接続されたアクチュエータ又はモータ(
図1Aを参照)の動作により、ガイド部材108に対してスライド可能である。3つの制御ワイヤ110のうち1つ(例えば
図2Cの制御ワイヤ110b)は、ガイド部材108に対して固定され(又は機械的に接地され)、残りの2つの制御ワイヤ110(例えば
図2Cの制御ワイヤ110a及び110c)は、ガイド部材108のガイド穴に対してスライド可能である。
【0039】
プローブ100の遠位部を曲げる際、各制御ワイヤ110は、それぞれのアクチュエータ又はモータによって個々に制御される。例えば、
図2Cでは、制御ワイヤ110bはアンカー部材103に固定又は係留される一方、制御ワイヤ110aは制御力F1で引っ張られ、制御ワイヤ110cは制御力F2で引っ張られる(この例では、制御力F2は制御力F1よりも低い)。このように、制御ワイヤ110a及び110cの線形変位の駆動量の組合せに従って、湾曲部106を所望の方向に曲げることができる。プローブ100の遠位端の姿勢を制御するには、3つの制御ワイヤのうち2つを駆動すれば十分である。ただし、プローブ100の2つ以上の部分を曲げるには、1つ以上の制御ワイヤ110を作動させることによって、各湾曲可能部を制御する必要がある。
【0040】
図2Cを参照して、単一の湾曲部の遠位端に係留された制御ワイヤを駆動する場合を説明したが、
図2Aの全ての湾曲部の制御ワイヤが駆動される場合、各湾曲部の姿勢は、個々の制御ワイヤの駆動量に従って独立して制御することができる。更に、ワイヤ駆動プローブ100をZ軸の周りで回転させる機構が、追加で設けられてよい。プローブに回転を提供する場合、1つの制御ワイヤのみを駆動して、シースとそれに含まれる制御ワイヤの全体を回転させることにより、湾曲部を所望の方向に曲げることができる。
【0041】
一般に、プローブ100の挿入中又は引戻し中のいずれかにおいて,管腔の中心線は、湾曲部の能動制御中に従うべき所望の軌道である。そのため、誘導型のカテーテル又は内視鏡等の最近提案された操縦可能器具は、軟性シャフトを強制的に所望の軌道に保つことを目的として、シャフト誘導システムの様々な概念を実現しようと試みてきた。一例では(例えば米国2007/0135803を参照)、シャフト誘導システムを用いるとき、操縦可能器具は管腔を通って前進し、センサ304は、シャフトガイドの挿入深さと、ユーザ制御の操縦可能先端部の角形成とを測定して、軌道情報を取得する。軌道情報は、システムのメモリに記憶される。挿入深さを少し前進させた後、新しい形状が所望の軌道に厳密に一致するように器具の部分を調整する(回転させる、又は曲げる)ことにより、操縦可能シャフトガイドの形状が修正される。このプロセスは、標的エリアに到達するまで繰り返される。したがって、処置には長い時間がかかる場合があり、これは、患者にとって不都合であり、不快である。
【0042】
したがって、ロボット制御ナビゲーションを実行する前に、プローブ100を所定の位置まで手動挿入することが望ましい。例えば、ロボット支援気管支鏡検査では、システムは、患者の肺の最初の気管分岐部までカテーテルを手動挿入することを必要とし、その後にロボット支援ナビゲーションが続く。しかしながら、プローブが患者の生体構造に接触するおそれがあり、これにより、患者に対して不快感及び/又は痛みを生じるおそれがある。したがって、手動挿入でも何らかの制御機構が必要である。
【0043】
<
図3>
図3A~
図3Cを参照して、内視鏡ハンドル200に取外し可能に取り付けられたハンドヘルドコントローラ330の第1の実施形態を説明する。
図3Aは、本開示に係る、手動操作のためのコントローラインタフェースの実施形態を示す。コントローラインタフェースは、第1の制御部331(第1の制御インタフェース)及び第2の制御部332(第2の制御インタフェース)を有するハンドヘルドコントローラ330を含む。第1の制御部331は、例えばジョイスティック又は方向キーパッドインタフェースを含み、第2の制御部332は、複数の制御ボタン又はスイッチを含む。ジョイスティックの例は、NintendoSwitch(登録商標)ハンドヘルドコントローラ等の、ゲームパッドコントローラに用いられる多軸(例えば6軸)のジョイスティックである。方向キーパッドの例としては、PlayStation(登録商標)やXbox(登録商標)のようなゲーム機に用いられるコンソールDパッド等の、十字型の方向キーパッドが挙げられる。第1の制御部331は、プローブ100の操縦可能部分の方向性(角運動)の作動を主に制御するように構成される。一方、第2の制御部332は、灌注又は吸引のアクティブ化や、インターベンション処置を実行するためのエンドエフェクタ(プローブを通して挿入されるツール)の操作(例えば生検又はアブレーションのツールを作動させること)等、インターベンション処置に関する動作を主に制御するように構成される。当然のことながら、第1の制御部331と第2の制御部332の機能は、互いに交換可能であってよく、かつ/又は組み合せることができる。しかしながら、本開示の目的では、内視鏡システムの動作モード(手動モード又はロボットモードのいずれか)に従って、ハンドヘルドコントローラの各制御部の機能を限定することが有利である。更に、ハンドヘルドコントローラの任意の機能の手動操作によって危険が生じるおそれがある場合は、コントローラの全ての機能を一時的に無効化又は停止することのできる移行モードが提供される。
【0044】
図3Aに示されるように、一実施形態において、ハンドヘルドコントローラ330は、操縦可能プローブ100のハンドル200に取り付けられる(挿入される)。そのため、ハンドル200は、管状の開口又は収納インタフェース202を含む。この構成では、最小限の制御部がユーザからアクセス可能である。例えば、単純なジョイスティックや方向キーパッド等の第1の制御部331のみが、ユーザからアクセス可能である。この構成は手動挿入用であるので、単純なジョイスティック又は方向キーパッドは、プローブ(カテーテル又は内視鏡)の先端を制御するために必要な機能を提供することができる。灌注又は吸引をアクティブ化するためのボタンやスイッチ等の他の制御部(制御部332)は、非アクティブ化され、かつ/又は内視鏡200のハンドル内に隠されるので、ユーザによる不用意なアクティブ化及び/又は混乱の可能性が排除される。ハンドヘルドコントローラ330とハンドル200の間の電気的接続は、ハンドル200内に含まれる接点コネクタ204を介して実装することができる。制御部332のボタン又はスイッチがハンドル332内に隠されない場合、接点コネクタ204は、ハンドヘルドコントローラ330の圧力を検出することによって制御部332を非アクティブ化することのできるセンサ(例えば圧力センサや磁気接点)を含んでよい。接点コネクタ204が磁気接点である1つ以上の実施形態では、磁力を用いて、ハンドヘルドコントローラ330と内視鏡ハンドル200の取付けを確保することができる。
【0045】
図3Bは、手動制御モードのためにハンドヘルドコントローラ330がプローブ100のハンドル200に取り付けられた(挿入された)構成の別の図を示す。この構成では、ユーザの手“H”がハンドル200を握っている。この構成では、ユーザの手Hが内視鏡ハンドル200を掴んでいる間、ハンドヘルドコントローラ330が収納インタフェース202内に挿入されているので、ユーザは、例えば親指を使ってジョイスティック制御にアクセスすることができる。ただし、他の制御ボタン(制御部332)は、ユーザの手に対して露出されていない。したがって、ユーザは、制御部332のボタンに不意に触ってしまうことを心配することなく、プローブ100の管腔内への手動挿入を自由に制御することができる。ここで、手動操作中、患者の体腔を出入りするプローブの動きは、後でより詳細に説明されるように、表示デバイス420に表示される術中画像を観察しながら、患者に向かってハンドル200を手動で押したり、ハンドル200を患者から離すように引いたりすることによって、ユーザ制御される。
【0046】
図3Cは、プローブ100のハンドル200がロボット支持プラットフォーム350に取り付けられ、ハンドヘルドコントローラ330がハンドル200から外されてロボット制御モード(ロボットモード)となる構成を示す図である。内視鏡ハンドル200が支持プラットフォーム350にドッキングされると、ハンドヘルドコントローラ330が取り外され、制御システム300はロボットモードに入る。具体的には、
図3Cに示されるように、ハンドヘルドコントローラ330は内視鏡ハンドル200から取外し可能であり、内視鏡ハンドル200は、コンソールビデオケーブル220を介してロボット制御システム300に接続することができる。内視鏡ハンドル200からの取外しを容易にするために、ハンドヘルドコントローラ330は、手動操作が完了したとき、かつ/又は、ハンドル200が支持プラットフォーム350に置かれたときに、ハンドル200からわずかに「跳び出す」ように構成することができる。例えば、ハンドヘルドコントローラがハンドル200に磁気的に取り付けられる場合、ハンドル200がロボットプラットフォーム350にドッキングされたとき、磁界を遮ることができ、ハンドヘルドコントローラ330は、ハンドル200からわずかに「跳び出す」ように構成することができる。このように、ユーザは、ハンドヘルドコントローラ330を取り外して利用可能であることに気付くことができる。他の実施形態では、ハンドヘルドコントローラ330をハンドル200から取り外すことができることがユーザに通知されるように、ハンドヘルドコントローラ330は、聴覚的又は視覚的(例えば音や光)或いは触覚(振動)の警告を発するように構成することができる。少なくとも一部の実施形態では、ハンドル200から取り外された後であっても、ハンドヘルドコントローラ330は、無線で(例えばBluetoothプロトコル等の短距離通信プロトコルによって)ハンドル200と接続するように構成される。
【0047】
1つ以上の実施形態では、ハンドヘルドコントローラ330は、手動モードとロボットモードの間の移行モードに入る。移行モードは、システムがハンドル200に対するハンドヘルドコントローラ300のアセンブリ状態を感知するハンドオフモードである。例えば、手動操作が完了したとき、かつ/又は、ハンドル200が支持プラットフォーム350に置かれたとき、ハンドヘルドコントローラの動作モードは、手動モードから移行モードに移行する。移行モードでは、ハンドヘルドコントローラの全ての機能が非アクティブ化される。手動モードでは、ハンドヘルドコントローラ330のアクセス可能部分のみがアクティブ化されるが、移行モードでは、ジョイスティック及び制御ボタンの全てが無効化される。移行モードでは、ユーザは、ハンドヘルドコントローラ330をハンドル200から取り外すことができる。全ての機能が停止される場合、ユーザは、取外し操作中に制御ボタンを不意に押してしまったり、ジョイスティックを誤って作動させてしまったりすることなく、ハンドヘルドコントローラ330を安全に取り外して保持することができる。ハンドル200を取り外し、ユーザの手でハンドヘルドコントローラ330をしっかりと保持した後、システムは、コントローラの状態を移行モードからロボットモードに移行させ、これにより、ハンドヘルドコントローラ330の機能が回復される。
【0048】
<
図4>
図4A、
図4B及び
図4Cは、ハンドコントローラ330の別の実施形態を示す。この実施形態では、内視鏡ハンドル200には、ハンドル200の近位端に収納インタフェース202を形成する中空空間(管状開口の円筒)が設けられて、その中にハンドヘルドコントローラ330の少なくとも一部が収納される。ハンドヘルドコントローラ330は、ユーザの手H用の把持部336(グリップハンドル)を提供するように構成された開口335を備えるハンドルの形状に作られる。ロボットモードに入るために、ユーザは、ハンドヘルドコントローラ330を縦方向に上にスライドさせてハンドル200から外すことにより、ハンドヘルドコントローラ330を取り外すことができる。ハンドヘルドコントローラ330がハンドル200から解放されると、コントローラ330上のより多くの制御部が、ユーザからアクセス可能になる。
【0049】
より具体的には、
図4Aは、
図3Aに示されるハンドヘルドコントローラの制御部に類似する、第1の制御部331(例えばジョイスティック又は方向キーパッド)及び第2の制御部332(例えば制御ボタン又はスイッチ)を有するハンドヘルドコントローラ330の側面図を示す。
図4Aのハンドヘルドコントローラ330は、ハンドル200の近位端で近位開口(円筒状開口)202(収納インタフェース)と係合するように構成された細長部分333を備えたコントローラ本体を有する。
【0050】
図4Bは、その近位端で内視鏡ハンドル200に取り付けられたハンドヘルドコントローラ300を示す。
図4Bには、ユーザの手がハンドヘルドコントローラ330をしっかりと掴むことを可能にするように構成された開口335の形態で把持部分336を備えたハンドヘルドコントローラ330が示されている。把持部分の開口335により、ユーザは、他の制御部に触れることなく(すなわち、制御部332のボタンに触れることなく)、ハンドヘルドコントローラ330を内視鏡ハンドル200から引き離すことができるので、
図4Cは、把持部分336を備えたハンドヘルドコントローラ330を提供することの利益を示す。
【0051】
<
図5>
図5A及び
図5Bは、ハンドル200に取外し可能に取り付けられるように構成されたハンドヘルドコントローラ330の更なる補正を示す。この実施形態では、ハンドヘルドコントローラ330は、内視鏡ハンドル200の近位端に設けられた近位の収納インタフェース203(円筒シャフト)と係合するように構成された開口337を有する。このように、ハンドヘルドコントローラ330は、第1の制御部331(ジョイスティック又はキーパッド)がユーザから容易にアクセス可能であり、第2の制御部332(他の制御部)がユーザから視認可能であるがアクセス不可である状態で、内視鏡ハンドル200の上部に取り付けられる。
図5Aは、手動操作(手動モード)の構成を示し、この場合、ユーザは第1の制御部331(ジョイスティック又はキーパッド)にアクセスすることができ、第2の制御部332は非アクティブ化される。この実施形態では、ハンドヘルドコントローラ300とハンドル200の間の電気的接続は、
図3Aのコネクタに類似するが異なる方法で実装されるコネクタ204によって確立される。例えば、近位の収納インタフェース203の円筒シャフトは、シャフトの外表面上に電気接点及び/又は磁気接点を含んでよく、また、開口337は、コントローラ330がハンドル200の近位端と係合したときに電気的接続及び/又は磁気接続を形成するように、対応する電気接点及び/又は磁気接点を有することができる。
【0052】
図5Bはロボット動作(ロボットモード)の構成を示し、この場合、ハンドヘルドコントローラ330がハンドル200から外され、ハンドヘルド又はフィンガーヘルドのジョイスティックとして用いられる。
図5Bの構成では、内視鏡ハンドル200が支持プラットフォーム(図示なし)に取り付けられる前に、ユーザが、ハンドル200の上部の収納インタフェース203からコントローラ330を外し、指を開口337に挿入して、ハンドヘルドコントローラ330をしっかりと握る。次に、ユーザは、無線ミニリングジョイスティックやハンドヘルド方向キーボードのようなコントローラ330を使用する。フィンガーミニジョイスティックの一例は、“ACGAM R1 Bluetooth 4.0 VR Wireless Gamepad Joystick Gaming Controller”として市販されている。
【0053】
この実施形態は、他の実施形態のように、第2の制御部332に対するユーザの物理的なアクセス可能性を完全に限定するわけではないが、第2の制御部332の機能は、コントローラ330とハンドル200の接続時に非アクティブ化することができる。一実施形態では、第2の制御部332の非アクティブ化は、例えば、収納インタフェース203と係合する開口337に磁気コネクタを設けることによって、達成することができる。この構成により、有利には、手動制御部とロボット制御部が1つの単一のコントローラデバイスに組み合せられる。更に、第2の制御部332は視認可能であり、ユーザによって(不意に)触られる可能性があるが、コントローラ330は、手動モード時に第2の制御部332が非アクティブ化されるように、構成することができる。例えば、異なる実施形態では、開口337の内側に押しボタン又はスイッチ(図示なし)を設けることができ、これにより、コントローラ330が収納インタフェース203に装着されたときに、そのようなスイッチ又は押しボタンが、第2の制御部332の機能を非アクティブ化する。
【0054】
<
図6>
図6は、ハンドル200に取外し可能に取り付けられるように構成されたハンドヘルドコントローラ330の別の実施形態を示す。前の実施形態のように、ハンドヘルドコントローラ330は、第1の制御部331及び第2の制御部332を含む。
図6に示される実施形態によれば、内視鏡ハンドル200の外表面上に形成されたチャネル又はスロット205にコントローラ330をスライドさせて出し入れすることにより、内視鏡ハンドル200に対してハンドヘルドコントローラ330をドッキング又はドッキング解除することができる。言い換えれば、
図6によれば、コントローラ330をハンドル200に取り付けるための収納インタフェースは、線形の溝又はレールインタフェースの形態のスロット205によって提供される。
【0055】
より具体的には、この実施形態では、ハンドヘルドコントローラ330は、チャネル又はインタフェーススロット205に滑り込ませることによって、内視鏡ハンドル200に取外し可能に取り付けられる。このチャネル又はスロット205は、ハンドル200の側面上に縦方向にレール又は溝の形状に作られた開放端スロットであってよい。また、ハンドヘルドコントローラ330には、逆T字型フランジ、又はスロット205と係合するように構成された他の同様の構造の形態で、係合部分339が設けられてよい。スロット205と係合部分339の一方又は両方は、2つの部材が互いに対してスライドして2つのコンポーネントを接続及び接続解除するときに、2つの部材間の摩擦係数が低くなるように、ポリエチレン、Teflon(登録商標)又はポリプロピレン等の頑丈で低摩擦性のプラスチック材料から作ることができる。或いは、前の実施形態のように、ハンドヘルドコントローラ330は、ハンドル200に磁気的に接続されてよい。この場合も、ハンドヘルドコントローラ330とハンドル200の間の電気的接続は、
図3Aに示されるものに類似するコネクタ204によって達成することができる。
【0056】
コントローラ330がハンドル200に取り付けられているとき、システムは手動モードである。前の実施形態のように、手動モードでは、手動挿入に必要な機能を手動制御するために、コントローラ330の制御部331のみがユーザから利用可能になる。手動モードでは、第2の制御部332は、ハンドヘルドコントローラ330とハンドル200の間の接続により、ユーザから隠されるか、又は非アクティブ化されるかのいずれかである。ユーザが患者内にプローブ100(カテーテル)を手動挿入し、ハンドヘルドコントローラ330を取り外した後、システムはロボットモードに入る。ユーザは、ハンドヘルドコントローラをインタフェーススロット205から滑り出させることによって、ハンドヘルドコントローラを外す。ハンドヘルドコントローラ330がハンドル200から接続解除されると、コントローラ内の追加の制御部が、ユーザからアクセス可能になる。例えば、手動挿入中は、プローブ100の先端の操縦を制御するために、第1の制御部331(例えばジョイスティック又は方向パッド)のみがユーザからアクセス可能である。次いで、ハンドヘルドコントローラが内視鏡ハンドル200から外された後、第1の制御部331に加えて、第2の制御部332(例えば灌注又は吸引用の制御ボタン)が操作可能になる。そのため、ハンドヘルドコントローラ330には、コントローラがスロット又はチャネル205に挿入されたときに第2の制御部332を非アクティブ化するスイッチ(例えば図示されていないばね又は押しスイッチ)が設けられてよい。
【0057】
前述の実施形態により、統合されたコントローラを備えたロボット内視鏡システムの手動挿入とロボット制御の間のシームレスな移行のニーズが解決される。この新規の解決策により、2つの別々のコントローラ(一方は手動挿入用、もう一方はロボットナビゲーション用)を使用する不便さが克服される。この新規の解決策により、一方又は両方のコントローラの誤配置を防ぐことができ、また、ワークフローの特定の時点でどちらのコントローラを使用するかについての混乱の可能性を防ぐことができる。更に、本明細書に開示されるハンドヘルドコントローラ330と内視鏡ハンドル220の組合せにより、処置中の任意の時点でどの制御部/機能がアクティブであるかについて混乱する可能性のない、複合手動/ロボットコントローラが提供される。
【0058】
組み合せられたハンドヘルドコントローラ330と内視鏡ハンドル200の設計により、手動挿入又はロボットナビゲーションに従って機能を制御することのアクセス性が選択的に限定される。機能は、処置ワークフローの適切な時点でのみ、選択的にユーザからアクセス可能となる。
【0059】
<
図7>
図7A、
図7B及び
図7Cは、ハンドヘルドコントローラ330の更なる実施形態を示す。
図7Aに示される実施形態によれば、ハンドヘルドコントローラ330は、内視鏡ハンドル200の上部(近位端)に設けられた制御ノブ730から成る。この実施形態では、制御ノブ730は、ユーザが手動でノブをひねることにより、時計回り(CW)又は反時計回り(CCW)の方向のいずれかに曲がる(回転する)ように構成される。このノブ730のひねりは、ノブを左にひねると先端が左に曲がり、ノブを右にひねると先端が右に曲がるように、カテーテル先端の動きに対応するようにプログラムされる。
【0060】
制御ノブ730は、操作者の指先で掴まれ、時計回り又は反時計回りのいずれかに回転されたときに、制御信号を提供する。そのため、回転の程度は、所望の制御量に概ね対応する。したがって、コントローラ330の制御ノブ730は、連続的に回転することもできるし、又は、離散的な回転量を生成するために戻り止めを有してもよい。制御ノブ730の典型的な電子部品としては、ポテンショメータ、可変コンデンサ、ロータリスイッチ及びそれらの組合せが挙げられる。望ましくは、制御ノブ730は、制御信号が提供されない固定の「オフ」位置を有する。更に、追加の機能(例えば灌注、吸引又はエンドエフェクタ動作の制御)を提供するために、コントローラ330は、複数の押しボタン又はスイッチ732を有してよい。前の実施形態のように、コントローラ330は、ハンドル200から取外し可能であって良い。代替の実施形態では、
図7Aに示されるコントローラ330は、ハンドル200と物理的に一体化されてよく、取外し不可であってよい。
【0061】
図7B及び
図7Cは、ハンドル200から取り外されずにロボット支持プラットフォーム350と併用されるハンドヘルドコントローラ330を示す。この実施形態では、支持プラットフォーム350はコントローラレセプタクル352を含む。
図7Bは、手動操作モードのハンドヘルドコントローラ330を示す。手動モードでは、ハンドヘルドコントローラ330がロボットプラットフォーム350から外され、コントローラレセプタクル352から外されるので、ノブ730はユーザからアクセス可能である。ロボットモードでは、組み合せられたハンドヘルドコントローラ330及び内視鏡ハンドル200は、ロボットプラットフォーム350に置かれる。
図7Cに示されるように、ロボットモードでは、制御ノブ730は、コントローラレセプタクル352の中に隠される。したがって、本実施形態によれば、ハンドル200が支持プラットフォーム350に取り付けられているとき、ハンドヘルドコントローラ330の機能は、ユーザからアクセスすることができない。
【0062】
手動操作中、患者の生体構造を出入りするプローブの動きは、手動でハンドル200を患者に向かって押したり、患者から離すように引いたりすることによって、ユーザ制御される。このプローブの動きは、プローブ100の先端を操縦するための制御ノブ730の手動操作と同時に実行することができる。
【0063】
ハンドヘルドコントローラ330は、様々な構成で実装することができる。例えば、制御ノブ730は、コントローラの正確な回転(ひねり)を容易にするために、刻み目、グリップテクスチャ、又はその他の特徴を有してよい。好ましくは、制御ノブ730は、長さ軸に関して対称であり、直径がハンドル200と実質的に等しい(わずかに大きい又は小さい)。
【0064】
コントローラレセプタクル352は、手動制御ノブ730用の開口である。これは、支持プラットフォーム350と内視鏡ハンドル200の間のインタフェースを提供する。ユーザが制御ノブ730をレセプタクル352に挿入すると、システムはロボット制御モード(ロボットモード)に入り、ユーザは、制御ノブ730に物理的にアクセスできなくなる。このロボットモード構成により、システムが完全にロボットモードであるときに、ユーザが混乱して手動制御部を用いてプローブを操作する可能性がなくなる。
【0065】
前の実施形態とは異なり、
図7A~
図7Cの本実施形態に係るハンドヘルドコントローラ330は、ハンドルの表面から突出する制御インタフェースを必要としない。したがって、内視鏡ハンドル200の全体形状への制御ノブ730の統合が単純化され、支持プラットフォーム350への装着がより簡単になる。
【0066】
制御ノブ730の別の利点は、回転制御を内視鏡先端の動きに直接マッピングできることである。すなわち、ノブを左に回すと内視鏡先端が左に動き、ノブを右に回すと先端が右に動く。この態様により、手動制御がユーザにとってより自然かつ直感的になるので、制御機構の使いやすさが改善される。これは、既知のコントローラ(制御機能が、典型的には、コントローラの上下の動きか、又は内視鏡先端を左右に動かすための個々の回転ダイヤルを実現する)の顕著な改善である。更に、コントローラ330と支持プラットフォーム350の(コントローラレセプタクル352を介する)インタフェースにより、システムがロボットモードである間に、ユーザが手動挿入制御部に不意にアクセスすることができないことが保証される。ただし、この場合、インターベンション処理を完了するために、追加のコントローラが必要となる場合がある。
【0067】
<
図8>
図8A~
図8Cは、コントローラ330の第1の制御部331と第2の制御部332が2つの別個のコントローラとして実装される実施形態を開示する。
図7A~
図7Cを参照して図示及び前述されたコントローラ330は、手動モード下で内視鏡プローブ100の手動挿入を主に制御するように構成される第1の制御部とみなされる。第2のハンドヘルドコントローラ340は、ロボットモード下でインターベンション処置を完了するのに必要な機能を制御するように構成される第2の制御部とみなされる。
【0068】
図8A、
図8B及び
図8Cは、手動モード又はロボットモードのいずれかで動作するように構成されるとともに、2つのモード間のハンドオフ移行モードを備えたロボットシステム300の、コントローラ330及びハンドヘルドコントローラ340と組み合せて操縦可能プローブ100を用いる方法を示す。この実施形態では、システムは、ロボットアーム800、支持プラットフォーム350及び内視鏡プローブ100を含む。内視鏡プローブ100は内視鏡ハンドル200に接続され、コントローラ330はハンドル200に取り付けられる。ハンドヘルドコントローラ340は、コントローラ330から独立して、支持プラットフォーム350に取り付けられる。
図8Aに示されるように、手動モードでは、内視鏡ハンドル200は支持プラットフォーム350から取り外され、コントローラ330はハンドル200に取り付けられ、コントローラ340は支持プラットフォーム350に取り付けられたままである。手動モードでは、ユーザは、内視鏡プローブ100を手動挿入し、内視鏡ハンドル200の近位端に設けられた(コントローラ330の)露出したノブ730を用いてプローブの先端を操縦する。手動挿入中、プローブ100は、ビデオケーブル220を介して、コンピュータシステム400に内視鏡画像を送信する。したがって、ユーザは、カート、ブーム、壁、又はシステムのプラットフォーム350に取り付けられた表示デバイス420(モニタ)を用いて、画像と手動操作を観察することができる。手動挿入の後、ユーザは、
図8Bに示されるように、コントローラ330とともに内視鏡ハンドル200を支持プラットフォーム350に戻す。
【0069】
図8Bは移行又はハンドオフモードを示し、ここでは、内視鏡ハンドル200がコントローラ330と一緒に、支持プラットフォーム350に戻されて取り付けられる。移行モードでは、プローブの手動挿入が完了するとすぐ、かつ/又は、ユーザがハンドル200を支持プラットフォーム350に戻して置いたときに、システムはハンドオフモードに移行する。例えば、このハンドオフ又は移行モードでは、コントローラ330がアクセス不可になり、第2のコントローラ340がアクティブになる。
【0070】
図8Cはロボットモードを示し、ここでは、ハンドル200は支持プラットフォーム350に取り付けられたままであり、コントローラ330はユーザから隠されるか、又は非アクティブ化される。コントローラ330が
図7Aに示される制御ノブ730によって実現される場合、コントローラ330は、コントローラレセプタクル352内に隠されるので、ユーザからアクセスすることはできない。プローブ100は、ビデオケーブル220を介して、システムに内視鏡画像を送信する。ロボットモードでは、ハンドル200が支持プラットフォームに置かれると、ハンドヘルドコントローラ340は、アクティブになり、ロボットナビゲーション中に使用できる状態になる。ハンドヘルドコントローラ340は、有線又は無線であってよく、プラットフォーム350から取外し可能であってよい。言い換えれば、手動プローブ挿入のためにハンドヘルドコントローラ330及びハンドル200を用いることから、内視鏡プローブ100のロボットナビゲーションのためにロボット支持プラットフォーム350及び第2のハンドヘルドコントローラ340を用いることへ、シームレスに移行することができる。
【0071】
<
図9>
図9は、前述の様々な実施形態のうちの1つ以上に係る、ハンドヘルドコントローラを用いた手動挿入及びロボット制御ナビゲーションのプロセス(方法)を定義する例示のワークフローを示す。
図9のワークフローによれば、ステップS902では、患者準備ステップが生じる。例えば、ユーザ(内視鏡医)が、気管内チューブを患者に手動挿入する。ステップS904では、ユーザが、新しい(滅菌済み)カテーテル又はプローブ100を、既に支持プラットフォーム350に取り付けられているハンドル200に取り付ける。新しいカテーテル又はプローブ100は、一般に、ストレート包装スリーブで提供される。更に、ステップS904では、ハンドヘルドコントローラ330がハンドル200に取り付けられる。次に、ステップS906では、自動較正プロセスが生じる。ステップS906では、カテーテル又はプローブ100がストレート包装スリーブに入っているので、システムは、プローブ内の制御ワイヤの位置を平均ストレートカテーテル位置に較正することができ、これは本質的に、秤の「風袋」に類似する動作であるので、プローブナビゲーションは、既知の基準(初期の位置及び/又は向き)から開始することができる。
【0072】
ステップS908では、ユーザが、滅菌カテーテル又はプローブ100からストレート包装スリーブを除去する。ステップS910では、ユーザが、ハンドル200及びコントローラ330を支持プラットフォーム350から外し、組み立てられたプローブ100を患者まで運ぶ。ステップS912では、ユーザが、コントローラ330を介して利用可能な手動操縦制御部を用いて、カテーテルを所定の位置まで手動挿入する。例えば、気管支鏡検査では、ユーザは、ハンドヘルドコントローラ330のジョイスティック又は制御ノブを用いてプローブの先端を操縦しながら、カテーテル又はプローブ100を第1の気管分岐部まで手動挿入する。このステップでは、ユーザは、システムによって表示された画像を用いて、プローブの先端が所望の所定の位置にあるかどうかを確認することができる。例えば、手動動作とロボット動作の間中ずっと、ユーザに対して、S920のものと同様の画像が表示デバイス420上に提供される。所定の位置に到達した後、ステップS914では、ユーザが、ハンドル200を支持アーム350に戻して取り付ける。ステップS916では、ユーザは、ロボットモードに入るために、ハンドル200からハンドヘルドコントローラ330を取り外すことができる。或いは、ステップS916では、前述したように、システムが、自動的にロボットモードに移行し、ハンドヘルドコントローラ330が利用可能であることをユーザに通知する。ステップS918では、ロボットモード下で、ユーザは、ハンドヘルドコントローラ330のジョイスティック又はノブコントローラを使って、画面上の内視鏡画像と必要なソフトウェアナビゲーションを用いて、プローブ100の先端を所望の目的地までナビゲートすることができる。そのため、ステップS920では、ユーザはまず、所望の標的に対するプローブ100の先端の位置を確認することを望む場合がある。例えば、ユーザは、プローブの先端が所望の所定の位置(例えば第1の気管分岐部)にあるかどうかを確認する。次に、ステップS922では、ユーザは、ロボットモードでハンドヘルドコントローラ330を用いて、プローブ100を標的位置までナビゲートする。
【0073】
次に、操縦可能プローブ100のロボットナビゲーションの例を説明する。一般に、患者の生体構造を通した操縦可能プローブ100の挿入又は引戻しのいずれかの間、管腔の中心線(例えば気道の中心線)が、操縦可能部101の湾曲部の能動的制御中に従うべき所望の軌道である(
図1A~
図1Bを参照)。そのため、ロボット誘導型のカテーテル又は内視鏡等、操縦可能器具の既知の誘導技術を用いることができる。一般に、シャフト誘導の様々な既知の概念では、軟性シャフトを強制的に所望の軌道に維持することを目的として、操縦可能器具がロボット制御で操作される。一例では、ロボットナビゲーションを用いるとき、操縦可能器具は管腔を通って前進し、センサは、シャフトガイドの挿入深さと、ユーザ制御の操縦可能先端部の角形成とを測定して、軌道情報を取得する。軌道情報は、システムのメモリに記憶され、連続的に更新される。挿入深さを少し前進させた後、新しい形状が所望の軌道に厳密に一致するように、器具の部分を調整する(回転させる、ひねる、又は曲げる)ことにより、操縦可能シャフトガイドの形状が修正される。このプロセスは、標的エリアに到達するまで繰り返される。患者の管腔から操縦可能器具が引き抜かれるときも、同じプロセスが適用される。例えば、米国2007/0135803(あらゆる目的で参照により本明細書に組み込まれる)を参照。
【0074】
<
図10>
図10は、手動モード又はロボットモードのいずれかで選択的に動作するように操縦可能プローブ100を制御するためのワークフロープロセス(アルゴリズム)を示す。始めに、ステップS1002では、ワークフローは、支持プラットフォーム350(ロボットプラットフォーム)上で操縦可能プローブ100をハンドル200及びハンドヘルドコントローラ330と組み立てるために、組立てプロセスを必要とする。
図9のS904~908を参照して説明したように、このステップでは、ハンドヘルドコントローラ330がハンドル200に取り付けられ、自動較正プロセスが実行されるので、プローブナビゲーションは、既知の基準(初期の位置及び/又は向き)から開始することができる。患者に対するプローブアセンブリのこの初期の位置及び/又は向きは、システムのメモリに記憶され、処置中ずっと(例えばEMトラッキングにより)連続的にモニタリング及び更新される。
【0075】
ステップS1004では、プローブ100に取り付けられたハンドル200とハンドヘルドコントローラ(330)の組合せアセンブリが、支持プラットフォーム350から外される。ここで、ハンドヘルドコントローラ330がハンドル200と組み合せられたとき、ハンドヘルドコントローラの特定の機能が制限され、コントローラ330では手動操作に必要な機能のみがアクティブである。手動操作に用いられるもの以外の機能は、ハンドル200内に隠されるか、又はシステムコントローラによって非アクティブ化されることによって、全て制限される。したがって、アセンブリがロボットプラットフォームから外されると、システムは手動制御モード(手動モード)に入る。
【0076】
手動モードでは、ステップS1006において、操作者は、患者の管腔内にプローブ100を安全に挿入することができる。ステップS1008では、プローブが患者の管腔を通して手動で前進させられるとき、ユーザは、プローブ先端の手動操縦以外の機能を不意に操作してしまう心配なく、手動制御部(第1の制御部331)を用いてプローブ先端の方向を作動させる。ステップS1010では、手動挿入とプローブ先端の作動の間、システムは、プローブ前進画像を連続的に表示する。プローブ挿入中に表示される画像は、プローブに配置されたイメージングデバイス(例えば内視鏡カメラ)によってリアルタイムで取得されるライブビュー画像であってよい。代替又は追加として、プローブ挿入中に表示される画像は、患者の生体構造の術前画像(例えばMRI又はCT画像)と組み合せた、電磁場(EM)トラッキング及び/又はX線透視イメージングによって提供される術中画像であってよい。ステップS1012では、表示された画像及び/又は他の位置情報(例えばEMトラッキング情報)に基づいて、ソフトウェアシステム又はユーザが、プローブの先端が管腔内の所定の位置(第1の位置)に到達したかどうかを決定することができる。気管支鏡検査処置では、第1の位置は、患者(対象)の気道の第1の気管分岐部であってよい。ステップS1006~S1012のプロセスは、プローブ先端が所望の所定又は第1の位置まで手動でナビゲートされるまで、繰り返される。
【0077】
ステップS1012では、プローブが所定又は第1の位置に到達したことをユーザが確認すると(S1012のYES)、ユーザは手動挿入を停止する。ここで、システムは、例えば
図9のS920に示されるような確認画像を表示することにより、ユーザに確認を提供するように構成されてよい。ステップS1014では、
図9のS914と同様に、ユーザが、プローブ100とハンドル200及びハンドヘルドコントローラ330とのアセンブリを、ロボット支持プラットフォーム350に戻す(取付け直す)。ユーザがアセンブリを支持プラットフォーム350に戻すとき、プローブ先端が第1の位置に留まっていることを確認するように、注意が必要である。結果として、システムは移行モードに入る。移行モードでは、ハンドヘルドコントローラを介したプローブの意図しない又は不意の手動作動を回避するために、ハンドヘルドコントローラ330の機能を全て非アクティブ化することが有利であり得る。
【0078】
手動モードとロボットモードとの間に、ユーザは、ハンドルを支持プラットフォームに取り付け直し、次いでハンドヘルドコントローラをハンドルから取り外し、ハンドヘルドコントローラのみを保持する必要がある。ハンドルをプラットフォームに取り付け直すとき、又は、ハンドヘルドコントローラをハンドルから取り外すときのいずれかで、ユーザが誤って指をジョイスティックに当ててしまい、誤ってカテーテルを曲げてしまうという状況があり得る。したがって、ハンドヘルドコントローラの入力機能が全て非アクティブ化される移行モードがあることが有利である。このように、ユーザは、ハンドルからハンドヘルドコントローラを安全に取り外すことができる。
【0079】
ステップS1016では、ハンドヘルドコントローラ330の機能が無効化された後、ユーザが、支持プラットフォーム350からハンドヘルドコントローラ330を外す。ユーザが支持プラットフォーム350からハンドヘルドコントローラ330を外した後、システムはロボット制御モード(ロボットモード)に入る。前述したように、ロボットモードは、プログラムされたソフトウェアアプリケーションに基づく(例えば運動学モデルに基づく)プローブナビゲーションのプロセスを含む。ワークフローのこの段階では、ナビゲーションは、ロボットコントローラ302及び関連ソフトウェアによって制御される。ただし、ハンドヘルドコントローラの少なくとも特定のロボット機能(第2の制御部332)も、ユーザから利用可能になる。したがって、ステップS1018では、ユーザは、ロボットナビゲーションに従い、ハンドヘルドコントローラ330及び/又はロボットコントローラ302を介して利用可能な全ての機能を用いて、患者の管腔を通してプローブ100の先端を前進させる。ステップS1020では、システムが再びプローブ前進画像を表示し、プローブ前進画像は、位置情報と組み合せられたライブビュー画像及び/又は術前画像、或いはそれらの組合せであってよい。ステップS1022では、ユーザ又はシステム自体が、プローブ100の先端がその最終位置又は標的位置(第2の位置)に到達したかどうかを決定する。標的又は第2の位置は、例えば、プローブを介して誘導された1つ以上のツールによってインターベンション処置を実行する必要のある、患者の腫瘍又は生体構造であってよい。より具体的には、標的位置は、プローブに取り付けられた(又はプローブを通して挿入された)1つ以上のエンドエフェクタをインターベンション処置を実行するように操作することのできる、管腔の中又は周囲にある標的であってよい。ステップS1018~S1022のプロセスは、プローブ先端が標的位置に到達したと確認されるまで、繰り返すことができる。ステップS1024では、プローブ100が標的位置に正確に位置付けられたことをシステムが確認した後、ユーザに、必要なインターベンション処置を完了するように促すことができる。
【0080】
インターベンション処置が完了した後、当然のことながら、管腔を通した患者の生体構造からのプローブ100の引抜きにも、ロボットモードが適用される。この点について、患者の生体構造からのプローブの引抜き(引戻し)中に、システムがロボットモードから手動モードに移行することも可能である。例えば、処置が完了した後、ロボットモードを用いて、管腔の第2の位置から第1の位置までプローブを安全に引き抜くことができ、その後、システムは手動モードに移行することができ、ここで、プローブは、ハンドヘルドコントローラ330の手動機能のみを用いて手動で除去することができる。
【0081】
前述の開示は、手動挿入とロボットモード制御の組合せのためのハンドヘルドコントローラを説明している。このデバイスは、カテーテルを所定の位置(例えば肺の第1の気管分岐部)まで手動挿入する際に握るためのハンドルを有する。手動挿入の後、ハンドルが支持プラットフォームに取り付けられる。これによってロボットモードが開始され、ロボットシステムの支持プラットフォームによって、挿入/引戻しが制御され、動かされる。システムがロボットモードであるとき、ハンドヘルドコントローラは、ハンドルから取り外され、システムの制御に用いられる。ハンドルへのハンドヘルドコントローラの取付けは、システムワークフローの特定の部分に適した制御部のみが、ユーザに対して一時的に露出されるようになされる。この新規のハンドヘルドコントローラ及び使用モードにより、処置中の所与の時点でどの制御部/機能がアクティブであるかについて混乱する可能性が低減される。これは、2つの別々のコントローラよりもコストを削減できる可能性がある。更に、このコントローラの新規の機能により、ほとんどの実施形態において、制御機能のアクセス性も選択的に管理される。機能は、処置ワークフローの適切な時点でのみ、ユーザからアクセス可能となる。
【0082】
ソフトウェア関連の開示
本開示の実施形態は、記憶媒体(より完全には「非一時的コンピュータ可読記憶媒体」と呼ぶこともできる)に記録されたコンピュータ実行可能命令(例えば1つ以上のプログラム)を読み出し実行して、前述の実施形態のうち1つ以上の機能を実行し、かつ/又は、前述の実施形態のうち1つ以上の機能を実行するための1つ以上の回路(例えば特定用途向け集積回路(ASIC))を含むシステム又は装置のコンピュータによって実現することもできるし、また、システム又は装置のコンピュータが、記憶媒体からコンピュータ実行可能命令を読み出し実行して、前述の実施形態のうち1つ以上の機能を実行すること、及び/又は1つ以上の回路を制御して、前述の実施形態のうち1つ以上の機能を実行することによって実行される方法によって実現することもできる。コンピュータは、1つ以上のプロセッサ(例えば中央処理装置(CPU)、マイクロ処理ユニット(MPU))を含んでよく、コンピュータ実行可能命令を読み出して実行するための別個のコンピュータ又は別個のプロセッサのネットワークを含んでよい。コンピュータ実行可能命令は、例えばネットワークク又は記憶媒体から、コンピュータに提供することができる。記憶媒体は、例えば、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、分散コンピューティングシステムのストレージ、光ディスク(コンパクトディスク(CD)、デジタル多用途ディスク(DVD)又はBlu-rayDisc(BD)(商標)等)、フラッシュメモリデバイス、メモリカード等のうち1つ以上を含んでよい。入出力デバイスに通信インタフェースを提供するためにI/Oインタフェースを用いることができ、キーボード、ディスプレイ、マウス、タッチスクリーン、タッチレスインタフェース(例えばジェスチャー認識デバイス)、印刷デバイス、ライトペン、光学式ストレージデバイス、スキャナ、マイクロフォン、カメラ、ドライブ、通信ケーブル及びネットワーク(有線又は無線)を含んでよい。
【0083】
他の実施形態、変更、組合せ及び/又は代替
説明に言及する際、開示する例を完全に理解できるようするために、具体的な詳細が記載される。他の例では、本開示を不必要に長くしないように、周知の方法、手順、コンポーネント及び回路は、詳細には説明されない。本明細書において別段の定義がされない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。本発明の範囲は、本明細書及び図面によって限定されるのではなく、むしろ、採用される特許請求の範囲の用語の平易な意味によってのみ限定される。
【0084】
図面に示された例示の実施形態を説明する際、分かりやすくするために、具体的な専門用語が使用される。しかしながら、本特許明細書の開示はそのように選択された具体的な専門用語に限定されることを意図するものではなく、当然のことながら、具体的な要素の各々は、同様に動作する技術的な均等物を全て含む。
【0085】
本開示は、例示の実施形態を参照して説明されたが、当然のことながら、本開示は、開示された例示の実施形態に限定されない。以下の特許請求の範囲は、そのような変更並びに均等の構造及び機能を全て包含するように、最も広い解釈が与えられるべきである。