(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023065525
(43)【公開日】2023-05-12
(54)【発明の名称】弧機構を有する頭部安定化システム及び方法
(51)【国際特許分類】
A61G 15/12 20060101AFI20230502BHJP
A61G 13/12 20060101ALI20230502BHJP
【FI】
A61G15/12 510
A61G13/12 B
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023027844
(22)【出願日】2023-02-25
(62)【分割の表示】P 2021149014の分割
【原出願日】2018-08-14
(31)【優先権主張番号】62/545,785
(32)【優先日】2017-08-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/662,874
(32)【優先日】2018-04-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】520051861
【氏名又は名称】プロ メッド インストゥルメンツ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100104411
【弁理士】
【氏名又は名称】矢口 太郎
(72)【発明者】
【氏名】ムースマン、セベリン
(72)【発明者】
【氏名】シューエル、マティアス、イー.
(57)【要約】 (修正有)
【課題】特定の位置にある患者の頭部を安全に支持する頭部固定機器を提供する。
【解決手段】例示的な頭部安定化機器または頭部固定機器(HFD)は、患者の頭部に水平支持をもたらす中央頭部支持部、及び患者の頭部に横方向の支持をもたらす複数の横方向頭部支持部を含む。中央頭部支持部は、材料により充填可能な1つ以上のチャンバを有するクッションを含む。同様に、横方向頭部支持部は、材料により充填可能なチャンバを有するそれぞれのパッドを含む。いくつかの例では、HFDにより使用されるクッション及びパッドは、クッション及び/またはパッドの特定のチャンバ内の流体容積を制御することによって、圧力制御を可能にするポートを含むことができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療手順の間に患者の頭部を支持及び安定化する医療機器であって、当該医療機器は、患者の頭部を支持及び安定化する際にズレを防止するように構成されているものであり、
(a)1若しくはそれ以上の中間構造を介して直接または間接的に手術台と接続されるように構成された中央頭部支持部であって、前記患者の頭部に水平支持をもたらすように更に構成されているものである、前記中央頭部支持部と、
(b)前記中央頭部支持部に接続された弧部材と、
(c)前記弧部材に対して調整自在に接続されるように構成された頭蓋クランプであって、それにより当該頭蓋クランプは前記弧部材に沿って移動自在となり、前記中央頭部支持部に対する当該頭蓋クランプの位置を変更することが可能となるものである、前記頭蓋クランプと
を有する、医療機器。
【請求項2】
請求項1記載の医療機器において、前記頭蓋クランプは、
(a)係止部材と、
(b)前記係止部材によって受け入れられる一対の伸長バーであって、
各伸長バーは、患者の頭部に接触して当該患者の頭部に対して横方向の支持及び安定性をもたらすように構成された安定化アセンブリを受け入れるように構成された上端部を有し、
各伸長バーは、前記係止部材に対して移動自在であり、かつ各伸長バーを前記係止部材に対して選択的に固定するために、前記係止部材と係止可能である、
前記一対の伸長バーと
を有するものである、医療機器。
【請求項3】
請求項2記載の医療機器において、前記各伸長バーの前記上端部は、前記安定化アセンブリを受け入れるように構成されたボアを有し、当該各ボアは、前記係止部材が前記一対の伸長アームの各伸長アームを受け入れる際に互いに位置合わせされるようになっているものである、医療機器。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1つに記載の医療機器において、更に、
前記頭蓋クランプを前記弧部材に接続するように構成された位置合わせ用アダプタを有し、
前記位置合わせ用アダプタは、前記中央頭部支持部に対する前記頭蓋クランプの位置を変更するように前記弧部材に沿って移動自在なものである、
医療機器。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1つに記載の医療機器において、前記頭蓋クランプが前記弧部材に沿って移動することにより、前記頭蓋クランプの位置は前記患者の頭部を中心として同心円状に変更されるものである、医療機器。
【請求項6】
請求項1~4のいずれか1つに記載の医療機器において、前記頭蓋クランプが前記弧部材に沿って移動することにより、前記頭蓋クランプの位置は前記患者の頭部から足に延在する、前記患者の長手方向軸を中心に変更されるものである、医療機器。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1つに記載の医療機器において、前記弧部材は、更に、
前記中央頭部支持部と接続するように構成されたコネクタを有し、
前記コネクタは、前記中央頭部支持部に対する前記弧部材の位置を変更させるために調整自在である、医療機器。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1つに記載の医療機器において、前記弧部材は、前記中央頭部支持部の下方から弓型経路に沿って互いに反対方向外側に向かって延長するものであり、それにより前記弧部材に沿って前記頭蓋クランプを調整することで、前記中央頭部支持部によって支持される前記患者の頭部のいずれかの側面において、前記頭蓋クランプを斜め横向きに位置付けることが可能となるものである、医療機器。
【請求項9】
請求項1~7のいずれか1つに記載の医療機器において、前記弧部材は、前記中央頭部支持部の下方から弓型経路に沿って一方の方向に外側に向かって延長するものである、医療機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権
本出願は、その開示が本明細書で参照によって組み込まれる、2018年4月26日に出願された「Head Stabilization System and Method with Arc Features」と題する米国仮特許出願第62/662,874号、及び2017年8月15日に出願された「Non-Invasive Head Fixation Device with Conforming Pads」と題する米国仮特許出願第62/545,785号に対する優先権を主張する。
【背景技術】
【0002】
開示されるシステム及び方法は、患者安定化の分野に関し、特に、頭部固定機器(以下、「HFDs」または単数形で「HFD」と称される)とも称される頭部安定化機器として既知の安定化機器を使用した頭部及び首安定化に関する。HFDは、様々な外科及び他の医療手順の間、例えば、特定の位置にある患者の頭部を安全に支持することが望ましい、頭部もしくは首の外科手術または検査の間に使用されることがある。患者が手順または好みの理由により特定の方式において位置付けられる必要がある場合があることを理由に、全てのHFDが必要な患者安定化をもたらすよう最適に適合されないことがある。様々な安定化機器が作成及び使用されてきたが、発明者(複数可)が本明細書で説明されるような発明を作成及び使用するよりも前には存在しないと信じられている。
【発明の概要】
【0003】
明細書は、特に、発明を指摘し、明確に特許請求する特許請求の範囲により結論付けるが、本発明は、同一の参照符号が同一の要素を識別する添付図面を併用して特定の実施例の以下の説明からより良好に理解されると信じられている。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【
図1】弧機構を有する例示的なHFDの斜視図を表す。
【
図5】除去された安定化アセンブリと共に示される、
図1のHFDの斜視図を表す。
【
図6】
図3の線6-6に沿った
図1のHFDの部分断面図を表す。
【
図7】中央頭部支持部の一部をより良好に例示するよう示される特定の構成要素が除去された、
図1のHFDの部分斜視図を表す。
【
図8】
図7の線8-8に沿った
図1のHFDの部分断面図を表す。
【
図9】単方向弧機構を有する別の例示的なHFDの背面図を表す。
【
図10】
図9のHFDの弧部材、ポジションアダプタ、及び係止部材の部分斜視図を表す。
【
図11】弧部材に沿って調節された頭蓋クランプにより安定化された患者の頭部を示す、
図9のHFDの斜視図を表す。
【
図12】マルチチャンバ旋回クッションを有する別の例示的なHFDの斜視図を表す。
【
図13】中央頭部支持部をより詳細に示す、
図12のHFDの部分斜視図を表す。
【
図14】
図12のHFDの中央頭部支持部の基部及びクッションの斜視図を表す。
【
図15】仰臥位において安定化された患者の頭部と共に示される、
図12のHFDの別の斜視図を表す。
【
図16】非侵入的HFDとして構成された別の例示的なHFDの斜視図を表す。
【
図17】
図16のHFDの安定化アセンブリの部分斜視図を表す。
【
図18】
図16のHFDと共に使用されるクッション及びパッドの背面斜視図を表す。
【
図20】流体制御システムを有する
図16のHFDの例示的な概略図を表す。
【
図21】
図16のHFD及び本明細書で説明される他のHFDと共に使用可能な流体制御システムの例示的な概略図を表す。
【
図22】弧部材の回転式調節を含む別の例示的なHFDの斜視図を表す。
【
図23】頭蓋クランプ、係止部材、及びアクチュエータが示されない、
図22のHFDの部分斜視図を表す。
【
図24】
図23に示されたが、クッション及び基部が除去されたHFDの別の部分斜視図を表す。
【
図25】流体制御システムを有する
図16のHFDの例示的な概略図を表す。
【
図26】スライド可能非侵入的HFDとして構成された別の例示的なHFDの斜視図を表す。
【
図28】ポンプと共に組み立てられて示される、
図26のHFDの正面図を表す。
【
図30】基部アセンブリが示されない、
図26のHFDの部分斜視図を表す。
【
図31】トルクネジを有する
図26のHFDの伸長バーの部分斜視図を表す。
【
図32】係止ボルトを有する
図26のHFDの別の伸長バーの部分斜視図を表す。
【
図35】ポンプと共に組み立てられて示される、
図26のHFDの断面図を表す。
【
図36】各々の伸長バー上でトルクネジを有するスライド可能非侵入的HFDとして構成された別の例示的なHFDの正面図を表す。
【
図37】各々の伸長バー上で係止ボルトを有するスライド可能非侵入的HFDとして構成された別の例示的なHFDの正面図を表す。
【
図38】マルチチャンバ型パッドを有する非侵入的HFDとして構成された別の例示的なHFDの斜視図を表す。
【
図39】
図38のHFDと共に使用されるクッション及びパッドの背面斜視図を表す。
【発明を実施するための形態】
【0005】
図面は、決して限定することを意図しておらず、発明の様々な実施形態は、図面において必ずしも表されない方式を含む様々な他の方式において実施されてもよいことが予期される。明細書に組み込まれ、明細書の一部を形成する添付図面は、本発明のいくつかの態様を例示し、説明と共に本発明の原理を説明する役目を果たすが、本発明は、示される厳密な配置に限定されないことが理解される。
【0006】
本発明の特定の実施例の以下の説明は、本発明の範囲を限定するために使用されるべきではない。発明の他の実施例、特徴、態様、実施形態、及び利点が、以下の説明から当業者にとって明らかになる。認識されるように、本発明は、全て本発明から逸脱することなく、他の異なる態様及び明白な態様が可能である。したがって、図面及び説明は、本質的に例示的であると見なされるべきであり、限定的と見なされるべきではない。
【0007】
I.弧機構を有する例示的な頭部固定機器
【0008】
特定の医療手順の間、HFDを使用して患者の頭部を安定化することが必要であり、または望ましいことがある。医療チーム及びその器具への最良のアクセスをもたらす方式において患者を位置付けることが望ましいことがある。これは、患者が腹臥位、仰臥位、または中間位置にあることが伴うことがあり、中間位置では、患者の頭部は、患者の左半身及び右半身を定義する矢状面から左または右に回転する。それらに適応し、患者の頭部を安定化するための他の位置に適応するとき、HFD自体の調節機能は、患者の頭部の移動またはズレが回避されるように患者を安全に安定化する際の因子である。ここで、図面を参照すると、
図1~5は、医療手順の間に患者の頭部を支持及び安定化する際の使用のために構成された例示的なHFD(100)を例示する。HFD(100)は、中央頭部支持部(110)、弧部材(140)、頭蓋クランプ(170)、及びアクチュエータ(190)を備える。
【0009】
中央頭部支持部(110)は、本体(112)及び本体(112)上の取付機構(114)を備え、取付機構(114)は、1つ以上の中間構造を介して直接または間接的に手術台または他の構造と接続するように構成されたスターバーストの形式にある。例えば、いくつかの例では、pro med instruments GmbHから入手可能な基部ユニットなどの基部ユニットは、手術台に取り付けられ、取付機構(114)は、基部ユニットと接続する。いくつかの例では、スイベルアダプタまたはpro med instruments GmbHから入手可能な他のアダプタなどのアダプタは、基部ユニットと接続してもよく、中央頭部支持部(110)の取付機構(114)は、アダプタと接続する。本明細書における教示を考慮して、中央頭部支持部(110)を手術台などの安定した構造と接続する様々な方式が当業者にとって明らかである。
【0010】
中央頭部支持部(110)また、本体(112)と接続し、クッション(118)を保持または維持する基部(116)を備える。クッション(118)は、接着剤、ネジもしくはフック及びループなどの機械的留め具、または当業者にとって明らかな他の方式によって基部(116)と接続してもよい。いくつかのバージョンでは、クッション(118)が使用後に洗浄及び殺菌のために廃棄可能であり、または除去されることができるように、クッション(118)は、基部(116)と選択的に接続される。クッション(118)は、HFD(100)が患者を支持及び安定化するために使用されるときに患者の頭部と接触するように構成される。
図7の本実施例では、基部(116)は、ネジまたはボルトなどの留め具を使用して基部(116)と接続された、ディスク(120)によって本体(112)と接続する。ディスク(120)は、本体(112)において定義されたスロット(122)内で受けられる。いくつかのバージョンでは、ディスク(120)は、取り付けられた基部(116)及びクッション(118)が回転可能に調節されるように、スロット(122)内で回転可能であるように構成される。
【0011】
使用中、中央頭部支持部(110)は、患者の頭部に水平支持をもたらすように構成される。このように、中央頭部支持部(110)は、患者の頭部が中央頭部支持部によって支持されるとき、患者の頭部の下方に延在する平面を定義する。本実施例では、中央頭部支持部(110)は、中央頭部支持部(110)によって定義された平面が床に平行し、または中央頭部支持部(110)上で重力の方向に直交するように位置付けられる。更に、中央頭部支持部(110)は、クッション(118)の中心を通じて延在し、中央頭部支持部(110)の重力の方向と平行する中心軸(A1)を定義する。
【0012】
HFD(100)の弧部材(140)は、中央頭部支持部(110)と接続する。本実施例では、弧部材(140)は、湾曲細長部材(142)及び湾曲細長部材(142)と一元的に形成されたコネクタ(144)を備える。いくつかの他のバージョンでは、コネクタ(144)は、ネジ、ボルトなどの着脱可能留め具によって細長部材(142)と接続する。本明細書における教示を考慮して、弧部材(140)を中央頭部支持部(110)と接続する他の方式が当業者にとって明らかである。コネクタ(144)は、以下で更に詳細に説明されるように、弧部材(140)を中央頭部支持部(110)の本体(112)と接続する。
【0013】
弧部材(140)の細長部材(142)は、弧の長さを有する湾曲形状を定義する。この構成により、弧部材(140)は更に、クッション(118)上に位置付けられるときの患者の頭部の中心ポイントから細長部材(142)の断面の中間におけるポイントまでの中心軸(A1)に沿った距離を表す湾曲の半径を定義する。本実施例では、弧の長さは、中央頭部支持部(110)によって定義された中心軸(A1)から約45度のオフセットまで弧部材(140)に沿ったいずれかに方向に頭蓋クランプ(170)を位置付けることを可能にするのに十分である。頭蓋クランプ(170)のこの位置付けは、以下で更に詳細に説明される。実施例としてのみであり、限定することなく、いくつかの実施例では、弧部材(140)は、約200~約350ミリメートルの弧の長さを有することができ、約120~約200ミリメートルの湾曲の半径を定義することができる。例えば、一実施例では、弧部材(140)は、約293ミリメートルの弧の長さを有する約152ミリメートルの湾曲の半径を定義する。もちろん、それらの特定の寸法は、全てのバージョンにおいて必要とされず、他の適切な寸法が、本明細書における教示を考慮して当業者にとって明らかである。
【0014】
弧部材(140)の湾曲細長部材(142)は、本実施例では、台形形状プロファイルにより構成される。弧部材(140)の形状は、弧部材(140)が、弧部材(140)を受けるように構成された相補形状スロット(152)を有するポジションアダプタ(150)と係合することを可能にする。本実施例では、ポジションアダプタ(150)のスロット(152)及び弧部材(140)の細長部材(142)のプロファイルは、湾曲蟻継ぎ形状境界面を形成する。本明細書における教示を考慮して、使用されることができるスロット(152)及び弧部材(140)についての他の相補形状が当業者にとって明らかである。
【0015】
頭蓋クランプ(170)は、弧部材(140)沿って選択的に移動可能または調節可能であるように弧部材(140)と接続される。本実施例では、頭蓋クランプ(170)は、ポジションアダプタ(150)を介して弧部材(140)と間接的に接続するが、他のバージョンでは、HFD(100)は、頭蓋クランプ(170)が弧部材(140)と直接接続するように修正されてもよい。弧部材(140)に沿って頭蓋クランプ(170)を移動させまたは調節することによって、頭蓋クランプ(170)の位置は、中央頭部支持部(110)に対して調節可能である。更に、患者の頭部が中央頭部支持部(110)によって支持されるとき、少なくともいくつかの実施例では、弧部材(140)に沿った頭蓋クランプ(170)の移動は、患者の頭部の周りで同軸または実質的に同軸に頭蓋クランプ(170)の位置を変える。同様の観点では、患者は、患者を左半身及び右半身に分割する矢状面を定義し、矢状面に沿って長手方向に延在する軸は、患者によって定義された長手方向軸と見なされる。概して、この長手方向軸は、患者の頭部から患者の足に延在する。少なくともいくつかの実施例では、弧部材(140)に沿った頭蓋クランプ(170)の移動は、患者によって定義されたこの長手方向軸の周りで頭蓋クランプ(170)の位置を変える。上述したように、いくつかの例では、頭蓋クランプ(170)は、中央頭部支持部(110)によって定義された中心軸(A1)から約45度まで、中央頭部支持部(110)及び患者の長手方向軸に対していずれかの方向で調節可能である。このように、HFD(100)は、約45度まで中央頭部支持部(110)によって支持された患者の頭部のいずれかの側面上での頭蓋クランプ(170)を斜め横向きに位置付けることを可能にする。本明細書における教示を考慮して、当業者は、約45度よりも大きい頭蓋クランプ(170)の位置調節が達成できるように、弧部材(140)の弧の長さが延ばされてもよいことを認識する。
【0016】
頭蓋クランプ(170)は、係止部材(172)、及び伸長バー(174)のペアを備える。係止部材(172)は、伸長バー(174)を受けるように構成された開口部(176)のペアを備える。伸長バー(174)は、係止部材(172)に対し及び相互に独立して移動可能である。更に、係止部材(172)は、伸長バー(174)を適格な位置に確保し、または伸長バー(174)の調節を可能にするかのいずれかのために、それぞれの伸長バー(174)を係合させるように構成された係止部(178)を備える。このように、各々の伸長バー(174)は、歯型ラック(180)を備え、各々の係止部(178)は、係止部材(172)内に存在する相補形状歯型部分を備え、係止部材(172)は、それと関連付けられた歯型ラック(180)を係合させ、または遊離するように移動可能である。例えば、係止部(178)は、歯型部分が歯型ラック(180)と係合し、よって、係止部材(172)に対して伸長バー(174)の位置を係止または確保するように、バネまたは他の構造によって最初に付勢される。各々の係止部(178)は、係止部(178)の歯型部分を歯型ラック(180)から遊離し、それによって、係止部材(172)及び他の伸長バー(174)に対する伸長バー(174)の横方向の移動を可能にするように、係止部材(172)から下方向にまたは係止部材(172)から離れて引き出されてもよい。
【0017】
本実施例では、伸長バー(174)は、1つが係止部材(172)内でその位置の観点でその他を交換することができるように相互に交換可能である。各々の伸長バー(174)は更に、安定化アセンブリ(186)を受けるように構成されたボア(184)を有する上端部分(182)を備える。安定化アセンブリ(186)は、患者の頭部と接触し、患者の頭部に横方向の支持及び安定化をもたらすように構成される。本実施例では、安定化アセンブリ(186)は、単一のピンまたは二重ピンアセンブリの形式をとってもよい。更に、安定化アセンブリ(186)は、安定化アセンブリ(186)によって患者の頭部に印加された圧力を調節するためのトルクネジ(141)を含んでもよい。他のバージョンでは、安定化アセンブリ(186)は、単一チャンバまたはマルチチャンバパッドの形式をとってもよい。本実施例に戻ると、各々の伸長バー(174)は、直立部分(188)及び長手方向軸を定義する直立部分(188)を有する基部(189)を備える。本実施例では、各々のそれぞれのボア(184)は、各々のそれぞれの伸長バー(174)の直立部分(188)によって定義された長手方向軸からオフセットされる。更に、伸長バー(174)が係止部材(172)内に位置付けられるとき、ボア(184)は、各々のボア(184)を通じて延在する共通軸(A2)と位置合わせし、及び共通軸(A2)を共有するように反対方向にオフセットされる。加えて、伸長バー(174)の各々は、伸長バー(174)の少なくとも一部に沿って位置付け可能な1つ以上のアクセサリを受けるように構成されたレールを定義する。
【0018】
上述したように、頭蓋クランプ(170)は、弧部材(140)と接続する。本実施例では、頭蓋クランプ(170)の係止部材(172)は、ポジションアダプタ(150)と接続し、ポジションアダプタ(150)は次いで、上記説明されたような弧部材(140)と接続する。ポジションアダプタ(150)と係止部材(172)との間の接続は、本実施例における蟻継ぎを使用する。このように、ポジションアダプタ(150)は、係止部材(172)の突起部(175)を受けるように構成されたスロット(154)を備える。本実施例では、突起部は、台形形状プロファイルを有し、スロット(154)は、突起部(175)がスロット(154)内で受けることが可能であるような相補プロファイル形状を有する。
【0019】
ポジションアダプタ(150)と係止部材(172)との間の接続は、選択的に調節可能である。より詳細には、係止部材(172)は、ポジションアダプタ(150)に対して垂直にまたは長手方向に調節されることができる。この調節は、頭蓋クランプ(170)の安定化アセンブリ(186)と中央頭部支持部(110)との間の距離が調節されることを可能にする。例えば、患者の方位、患者の頭部サイズ、または他のパラメータに応じて、頭蓋クランプ(170)及びその関連する安定化アセンブリ(186)は、中央頭部支持部(110)からより近くまたは遠くに移動される必要があることがある。
【0020】
ポジションアダプタ(150)と係止部材(172)との間の調節を説明する更なる観点では、ポジションアダプタ(150)の側壁(158)は、平面を定義し、係止部材(172)は、この平面に沿った並進移動方式において調節可能である。ポジションアダプタ(150)に対する係止部材(172)のこの移動または調節は、上述したような中央頭部支持部(110)に対する係止部材(172)及びその接続された構成要素の間隔を変更する。
【0021】
HFD(100)のアクチュエータ(190)は、弧部材(140)に沿って頭蓋クランプ(170)の位置を選択的に確保するように構成される。アクチュエータ(190)はまた、ポジションアダプタ(150)に対して頭蓋クランプ(170)の位置を選択的に確保することによって、中央頭部支持部(110)に対して頭蓋クランプ(170)の位置を選択的に確保するように構成される。本実施例では、HFD(100)のこの二重確保機構は、弧部材(140)に沿った頭蓋クランプ(170)の位置及び中央頭部支持部(110)に対する頭蓋クランプ(170)の位置の両方を実質的に同時に選択的に確保することをもたらす。
【0022】
図6を参照して、アクチュエータ(190)は、ノブ(194)と接続されたネジ式ロッド(192)を備える。係止部材(172)は、アクチュエータ(190)のネジ式ロッド(192)を受けるように構成されたネジ式ボア(173)を備える。ネジ式ボア(173)は、係止部材(172)を通じて1つの側面から他の側面に幅広く延在する。本実施例では、ネジ式ボア(173)は、突起部(175)を通じて延在する。アクチュエータ(190)は更に、ポジションアダプタ(150)の側壁(158)の切り出し部(156)内で位置付け可能な圧縮プレート(196)を備える。1つの側面上では、切り出し部(156)を包含する側壁(158)は、係止部材(172)の突起部(175)を受けるスロット(154)の一部を定義する。反対の側面上では、切り出し部(156)を包含する側壁(158)は、弧部材(140)を受けるスロット(152)の一部を定義する。このように、切り出し部(156)は、ポジションアダプタ(150)のスロット(152、154)を接続する。
【0023】
使用中、アクチュエータ(190)のノブ(194)を回転させることによって、ネジ式ロッド(192)とネジ式ボア(173)との間のネジ式係合に基づいてノブ(194)が回転する方向に応じて、ポジションアダプタ(150)に向かってまたはポジションアダプタ(150)から離れて係止部材(172)を並進移動する。ポジションアダプタ(150)から離れて係止部材(172)を並進移動することによって、ネジ式ロッド(192)の端は、切り出し部(156)内に存在する圧縮プレート(196)と接触し、ポジションアダプタ(150)のスロット(152)内に存在する弧部材(140)に向かって圧縮プレート(196)を駆動する。アクチュエータ(190)の十分な回転により、圧縮プレート(196)が弧部材(140)に反して結び付けられて弧部材(140)に対してポジションアダプタ(150)を確保するように、圧縮プレート(196)は、切り出し部(156)に対して適合され、または切り出し部(156)と合致するように寸法付けられる。
【0024】
この同一の方式では、ポジションアダプタ(150)から離れた係止部材(172)の突起部(175)の移動により、突起部(175)は、ポジションアダプタ(150)に対して係止部材(172)を確保するようスロット(154)の側壁に反して結び付けられる。この係止及び解除配置により、頭蓋クランプ(170)は、アクチュエータ(190)のノブ(194)の最小回転により、弧部材(140)に対し、及び中央頭部支持部(110)に対して調節されることができる。例えば、実施例としてのみであり、限定することなく、1つのバージョンでは、HFD(100)は、アクチュエータ(190)のノブ(194)のわずかに4分の1の回転により調節可能状態から固定状態に移動することができる。もちろん他のバージョンでは、HFD(100)は、アクチュエータ(190)のより大きなまたはより小さな回転が調節可能状態から固定状態にHFD(100)を移動させるために使用されることができるように構成されてもよい。
【0025】
図7及び8を参照して、中央頭部支持部(110)は、中央頭部支持部(110)と弧部材(140)との間の間隔を調節するように構成される。上述したように、弧部材(140)は、コネクタ(144)を備える。コネクタ(144)は、中央頭部支持部(110)の本体(112)と調節可能に接続する。例示されるように、本体(112)内にはスロット(124)がある。本実施例では、スロット(124)は、ディスク(120)を受けるスロット(122)の真下に位置付けられる。スロット(124)は、コネクタ(144)の一部を受ける。示されるように、コネクタ(144)は、スロット(124)内で受けられるように構成された上位ビーム部分(146)を備える。ビーム部分(146)のプロファイルは、スロット(124)への相補形状を有する。本実施例では、ビーム部分(146)及びスロット(124)は、蟻継ぎ境界面を共に形成する。このように、コネクタ(144)は、スロット(124)に沿って並進移動可能であり、スロット(124)は、弧部材(140)と中央頭部支持部(110)との間の間隔を調節する。
【0026】
スロット(124)内でコネクタ(144)の調節機能を制御するために、中央頭部支持部(110)は、係止機構(149)を含むアクチュエータ(148)を備え、係止機構(149)は、コネクタ(144)の並進移動を可能にするよう少なくとも十分に係止機構(149)がビーム部分(146)と接触することを遊離することによって、圧縮係合を介して本体(112)に対してその位置を確保し、または本体(112)に対するコネクタ(144)のスライド可能調節を可能にするかのいずれかのために、ビーム部分(146)と接触する。ビーム部分(146)との係止機構(149)の接触を制御するために、アクチュエータ(148)は、回転するレバー(147)を含む。レバー(147)の回転は、レバー(147)が回転する方向に応じてビーム部分(146)に向かってまたはビーム部分(146)から離れて係止機構(149)を移動させる。アクチュエータ(148)は、中央頭部支持部(110)の本体(112)においてネジ式ボア(126)を通じて延在するネジ式ロッド(145)を含む。レバー(147)は、ボア(143)を含み、ボア(143)は、レバー(147)及びネジ式ロッド(145)が合致して回転するような固定方式においてネジ式ロッド(145)に接続される。レバー(147)を回転させることは、ネジ式ロッド(145)を回転させ、それは、回転の方向に基づいて、ビーム部分(146)に向かってまたはビーム部分(146)から離れてネジ式ロッド(145)を並進移動させる。ビーム部分(146)に向かうネジ式ロッド(145)の並進移動は、係止機構(149)をコネクタ(144)のビーム部分(146)と接触して中に駆動し、それによって、中央頭部支持部(110)に対するコネクタ(144)の位置、よって、弧部材(140)の位置を確保する。同様に、ビーム部分(146)から離れたネジ式ロッド(145)の並進移動は、コネクタ(144)のビーム部分(146)と係止機構(149)を遊離させ、それによって、中央頭部支持部(110)に対するコネクタ(144)の位置、よって、弧部材(140)の位置を確保する。上記説明された構成では、コネクタ(144)は、中央頭部支持部(110)に対する弧部材(140)の位置を変更するよう、中央頭部支持部(110)によって定義された平面に沿ってまたは平面に平行して調節可能である。
【0027】
II.単方向弧を有する例示的な頭部固定機器
【0028】
患者の頭部の安定化を伴う特定の医療手順、特に、撮像が手順を通じて使用されるそれらの手順により、空間省略設計によりHFDを使用することが望ましいことがある。これは、いくつかの撮像器具内で利用可能な小空間に基づくことができ、及び/またはこれは、撮像出力におけるアーチファクトに貢献することがある材料の量を削減することに基づくことができる。
図9及び10を参照して、HFD(100)と多くの点で類似するが、より短い弧部材を使用し、それによって、HFD(200)の全体的なサイズ及び質量を削減する別の例示的なHFD(200)が示される。HFD(200)の機構は、以下で説明されるものを除き、HFD(100)に関して上記説明された機構と同一である。したがって、簡潔にするために、上記説明されたHFD(100)の機構は、以下で説明される差異を除き、HFD(200)に等しく適用される。
【0029】
HFD(200)は、上記説明されたような中央頭部支持部(110)、頭蓋クランプ(170)、及びアクチュエータ(190)を備える。しかしながら、HFD(200)により、弧部材(240)は、上記説明された弧部材(140)を置き換える。弧部材(240)は、単方向弧部材として構成される。言い換えると、HFD(200)により、弧部材(240)は、中央頭部支持部(110)の真下から弓型経路に沿った1つの方向に外側に向かって延在する。このように、中央頭部支持部(110)と弧部材(240)との間の接続によって、中央頭部支持部(110)が弧部材(240)の1つの端と接続し、単一の方向に中央頭部支持部(110)から離れて弧部材(240)を延在したままにするようになる。
【0030】
更なる特定の観点では、弧部材(240)は、湾曲細長部材(242)及びコネクタ(244)を備える。本実施例では、湾曲細長部材(242)は、第1の端(241A)及び第2の端(241B)を備える。第1の端(214A)及び第2の端(241B)の各々に近接するのは、取付区域(230)の各々におけるネジ式ボア(233)のペアとの取付区域(230)のペアである。コネクタ(244)は、ネジ式ボア(234)のペアをも備え、湾曲細長部材(242)においてネジ式ボア(234)のペアを通じて延在し、ネジ式ボア(233)のペアの1つによって受けられるように構成された留め具(236)のペアを備える。このように、コネクタ(244)は、取付区域(230)のいずれか1つにおいて細長部材(242)と取り付けられるように構成される。上記説明されたように、コネクタ(144)に関して、コネクタ(244)は、コネクタ(144)が行うのと同一の方式において中央頭部支持部(110)と接続する。
【0031】
いくつかの例では、弧部材(240)は、単方向弧の代わりにまたは単方向弧に加えて半弧として説明されることができる。この構成により、弧部材(240)の湾曲細長部材(242)は、弧の長さ及び湾曲の半径を定義する。上述したように、湾曲の半径は、クッション(118)上に位置付けられるときの患者の頭部の中心ポイントから細長部材(242)の断面の中間におけるポイントまでの中心軸(A1)に沿った距離を表す。本実施例では、弧の長さは、中央頭部支持部(110)によって定義された中心軸(A1)からの約45度のオフセットまで弧部材(240)に沿った1つの方向に頭蓋クランプ(170)を位置付けることを可能にするのに十分である。実施例としてのみであり、限定することなく、いくつかの実施例では、弧部材(240)は、約120~約200ミリメートルの弧の長さを有することができ、約120~約200ミリメートルの湾曲の半径を定義することができる。例えば、一実施例では、弧部材(240)は、約170ミリメートルの弧の長さを有する約152ミリメートルの湾曲の半径を定義する。もちろん、それらの特定の寸法は、全てのバージョンにおいて必要とされず、他の適切な寸法が、本明細書における教示を考慮して当業者にとって明らかである。
【0032】
弧部材(240)の湾曲細長部材(242)は、本実施例では、台形形状プロファイルにより構成される。弧部材(240)のこの形状は、弧部材(240)がポジションアダプタ(150)と係合することを可能にし、ポジションアダプタ(150)は、弧部材(240)を受けるように構成された相補形状スロット(152)を有する。本実施例では、ポジションアダプタ(150)のスロット(152)及び弧部材(240)の細長部材(242)のプロファイルは、湾曲蟻継ぎ形状境界面を形成する。本明細書における教示を考慮して、使用されることができるスロット(152)及び弧部材(240)プロファイルについての他の相補形状が当業者にとって明らかである。
【0033】
HFD(200)を使用するとき、弧部材(240)の単方向の性質を理由に、患者の方位が最初に判定される。例えば、患者の頭部は、患者の矢状面に対して1つの側面または他の側面に回転する。中央頭部支持部(110)によって支持されるときの患者の頭部回転の方向に基づいて、弧部材(240)のコネクタ(244)は、第1の端(241A)の近くの取付区域(230)または第2の端(241B)の近くの取付区域(230)のいずれかにおいて湾曲細長部材(242)と取り付けられる。一実施例では、患者の頭部が患者の矢状面に対して第1の方向に回転するとき、弧部材(240)についての所望の仕組みによって、湾曲細長部材(242)が第1の方向とは反対に延在するようになる。このように、湾曲細長部材(242)が患者の頭部の背後に延在するように、湾曲細長部材(242)は、患者の矢状面から離れて延在する。例示的な実施例としてのみであり、限定することなく、
図11は、頭部が患者の矢状面に対して第1の方向に回転する患者を安定化するために使用されるHFD(200)を示す。弧部材(240)は、コネクタ(244)が湾曲細長部材(242)の第2の端(241B)において取付区域(230)と取り付けられるように構成される。このように、湾曲細長部材(242)が患者の頭部の背後に延在するように、湾曲細長部材(242)は、第1の方向とは反対に、及び患者の矢状面から離れて延在する。
【0034】
上記説明されたように、頭蓋クランプ(170)は、頭蓋クランプ(170)が弧部材(140)と接続するのと同一の方式において弧部材(240)と接続する。HFD(200)により、頭蓋クランプ(170)は、中央頭部支持部(110)によって定義された中心軸(A1)から約45度まで、中央頭部支持部(110)及び患者の長手方向軸に対して1つの方向に調節可能である。このように、HFD(200)は、約45度まで中央頭部支持部(110)によって支持された患者の頭部の1つの側面上での頭蓋クランプ(170)を斜め横向きに位置付けることを可能にする。
【0035】
加えて、コネクタ(244)が弧部材(240)の湾曲細長部材(242)のいずれかの端に接続することができることを理由に、HFD(200)は、弧部材(240)が湾曲細長部材(242)とのコネクタ(244)の選択された取付位置に応じていずれかの方向に中央頭部支持部(110)から離れて延在するように構成されることができる。結果として、半弧または単方向弧部材(240)を有するHFD(200)は、中央頭部支持部(110)によって支持され、患者の矢状面に対していずれかの方向に回転する頭部と共に位置付けられてもよい患者による使用のために構成されることができる。別の言い方をすれば、HFD(200)により、弧部材(240)は、第1の方位及び第2の方位のうちの選択された1つにおいて中央頭部支持部(110)と接続可能として見なされることができる。第2の方位では、弧部材(240)は、第1の方向に中央頭部支持部(110)の真下から外側に向かって延在し、第1の方向は、弧部材(240)が第1の方位にあるときに中央頭部支持部(110)の真下から外側に向かって延在する第2の方向とは反対である。
【0036】
単方向弧または半弧を有するHFD(200)のいくつかの他のバージョンでは、HFD(200)は、頭蓋クランプと弧部材との間の接続が、頭蓋クランプが頭蓋クランプのいずれかの側面からも弧部材と取り付けられることを可能にするように構成されるように修正されてもよい。このように、弧部材及び頭蓋クランプの取付は、対称的であると見なされる。本明細書における教示を考慮して、頭蓋クランプ及び単方向弧部材を接続する他の方式が当業者にとって明らかである。
【0037】
III.圧力制御旋回クッションを有する例示的な頭部固定機器
【0038】
様々な患者の位置付けに適応する十分な調整機能をHFDにもたらすために、別の望ましい機構は、HFDのクッションに選択的旋回調節を組み込むことであることができる。クッションに組み込まれることができる他の機構は、クッションと患者との間の接触圧力の管理または制御に関する。
図12は、HFD(100)に多くの点で類似するが、旋回クッションに方向付けられた機構を組み込み、また、接触圧力を制御することを支援する機構を組み込む、別のHFD(300)を表す。HFD(300)の機構は、以下で説明されるものを除き、HFD(100)に関して上記説明された機構と同一である。したがって、簡潔にするために、上記説明されたHFD(100)の機構は、以下で説明される差異を除き、HFD(300)に等しく適用される。
【0039】
HFD(300)は、上記説明されたような弧部材(140)、頭蓋クランプ(170)、及びアクチュエータ(190)を備える。しかしながら、HFD(300)により、中央頭部支持部(310)は、上記説明された中央頭部支持部(110)を置き換える。
図12及び13を参照して、中央頭部支持部(310)は、本体(312)及び本体(312)上の取付機構(314)を備え、取付機構(314)は、1つ以上の中間構造を介して直接または間接的に手術台または他の構造と接続するように構成されたスターバーストの形式にある。例えば、いくつかの例では、pro med instruments GmbHから入手可能な基部ユニットなどの基部ユニットは、手術台に取り付けられ、取付機構(314)は、基部ユニットと接続する。いくつかの例では、スイベルアダプタまたはpro med instruments GmbHから入手可能な他のアダプタなどのアダプタは、基部ユニットと接続してもよく、中央頭部支持部(310)の取付機構(314)は、アダプタと接続する。本明細書における教示を考慮して、中央頭部支持部(310)を手術台などの安定した構造と接続する様々な方式が当業者にとって明らかである。
【0040】
中央頭部支持部(310)また、本体(312)と接続し、クッション(318)を保持または維持する基部(316)を備える。クッション(318)は、接着剤、ネジもしくはフック及びループなどの機械的留め具、または当業者にとって明らかな他の方式によって基部(316)と接続してもよい。いくつかのバージョンでは、クッション(318)が使用後に洗浄及び殺菌のために廃棄可能であり、または除去されることができるように、クッション(318)は、基部(316)と選択的に接続される。クッション(318)は、HFD(300)が患者を支持及び安定化するために使用されるときに患者の頭部と接触するように構成される。本実施例では、基部(316)は、外側に向かって及び上方向に本体(312)から延在するアーム(320)のペアによって本体(312)と接続する。基部(316)は、基部(316)にわたって横断して延在する軸を定義する接続部材(322)を備える。接続部材(322)は、ボアの(323)のペアを備え、ペアの各々のボア(323)は、アーム(320)の各々においてそれぞれのボア(321)と位置合わせする。接続部材(322)によって定義された軸は、軸が旋回軸を定義するように接続部材(322)のボア(323)に沿って延在し、旋回軸の周りで、基部(316)及び接続されたクッション(318)が旋回可能である。留め具(325)のペアは、基部(316)を中央頭部支持部(310)の本体(312)と旋回可能に接続するよう、アーム(320)のボア(321)を通じて延在し、接続部材(322)のボア(323)を係合させる。留め具(325)は、基部(316)及び接続されたクッション(318)の位置を確保するよう締め付けられてもよく、逆に、留め具(325)は、基部(316)及び接続されたクッション(318)の旋回可能な調節を可能にするよう緩められてもよい。
【0041】
使用中、中央頭部支持部(310)は、患者の頭部に水平支持をもたらすように構成される。このように、中央頭部支持部(310)は、患者の頭部が中央頭部支持部によって支持されるときに患者の頭部に対して下方に延在する平面を定義する。本実施例では、中央頭部支持部(310)は、中央頭部支持部(310)によって定義された平面が基部(316)及び接続されたクッション(318)の旋回動作に基づいて調節されることができるように位置付けられる。したがって、中央頭部支持部(310)によって定義された平面は、床に平行し、または中央頭部支持部(310)上で重力の方向に直交することに限定されない。
図12及び15を参照して、患者の頭部の異なる位置、すなわち、
図12に示されるようなコンコルド位置及び
図15に示されるような仰臥位に適応するよう、2つの異なる方位に旋回する基部(316)を有するHFD(300)が示される。
【0042】
図13を参照して、中央頭部支持部(310)は、中央頭部支持部(310)と弧部材(140)との間の間隔を調節するように構成される。上述したように、弧部材(140)は、コネクタ(144)を備える。コネクタ(144)は、中央頭部支持部(310)の本体(312)と調節可能に接続する。例示されるように、本体(312)内にはスロット(324)がある。スロット(324)は、コネクタ(144)の一部を受ける。示されるように、コネクタ(144)は、スロット(324)内で受けられるように構成された上位ビーム部分(146)を備える。ビーム部分(146)のプロファイルは、スロット(324)への相補形状を有する。本実施例では、ビーム部分(146)及びスロット(324)は、蟻継ぎ境界面を共に形成する。このように、コネクタ(144)は、スロット(324)に沿って並進移動可能であり、スロット(324)は、弧部材(140)と中央頭部支持部(310)との間の間隔を調節する。スロット(324)内でコネクタ(144)の調節機能を制御するために、中央頭部支持部(310)は、HFD(100)に関して上記説明されたようなアクチュエータ(148)及び係止機構(149)を備える。HFD(300)により、アクチュエータ(148)及び係止機構(149)は、HFD(100)に関して上記説明されたのと同一の方式において構成され、及び動作可能である。この構成では、コネクタ(144)は、中央頭部支持部(310)に対して弧部材(140)の位置を変更するよう、中央頭部支持部(310)によって定義された平面に沿ってまたは平面に平行して調節可能である。
【0043】
図14を参照して、HFD(300)のクッション(318)は、流体により充填されるように構成された内部空間(317)を有する第1のチャンバ(319)を備える。流体は、気体または液体であってもよい。第1のチャンバ(319)は、内部空間(317)へのアクセスをもたらすように構成されたポート(301)を含む。流体は、第1のチャンバ(319)内で内部空間(317)に方向付けられてもよく、または第1のチャンバ(319)の内部空間(317)から抜き出されてもよくもしくは排出されてもよい。第1のチャンバ(319)から流体を排出するとき、流体の全てまたは一部は、内部空間(317)から解放または排出されてもよい。
【0044】
クッション(318)は更に、第2のチャンバ(1319)を備え、第2のチャンバ(1319)は、形状適合材料により充填されるように構成される。本実施例では、第1のチャンバ(319)は、第2のチャンバ(1319)に対して下方に位置付けられる。更に、第2のチャンバ(1319)は、頭部の患者と接触するように構成される。本明細書における教示を考慮して、第1のチャンバ及び第2のチャンバ(319、1319)の相対位置は、他のバージョンでは切り替えられてもよいことが当業者にとって明らかである。1つのバージョンでは、形状適合材料は、ゲル、発泡体、または微粒材料のいずれか1つである。本明細書における教示を考慮して、クッション(318)と共に使用可能な他の形状適合材料が当業者にとって明らかである。
【0045】
上記説明されたクッション(318)の構成により、クッション(318)は、頭部が中央頭部支持部(310)によって支持されるとき、患者の頭部との接触圧力の均一な分散をもたらすように構成される。その上、接触圧力は、ポート(301)を介して流体により第1のチャンバ(319)を充填することによって増大することができる。逆に、接触圧力は、上述したような第1のチャンバ(319)から流体を排出することによって減少することができる。接触圧力を低下させることによって、血流は、クッション(318)と接触している患者の頭部の領域に復元されることができる。いくつかの例では、全てのバージョンにおいて必要とされないが、第1のチャンバ(319)からの流体の相当な排出は、クッション(318)が患者の頭部と接触しないような高さにおいてクッション(318)を収縮または縮小させる。上記と同様に、クッション(318)と患者との間の接触が十分でない程度まで接触圧力を低下させることによって、血流は、クッション(318)と接触していた患者の頭部の領域に復元されることができる。接触圧力を低下させ、血流の復元をもたらすことによって、組織外傷または損傷が回避されることができ、リスクが低下する。加えて、組織の領域に血流を復元するときに患者の安定化を犠牲にしないように、クッション(318)と患者の頭部との間の接触圧力を低下させるときに安定化アセンブリ(186)によって安定化が維持されることができる。いくつかの例では、クッション(318)と接触している組織領域に血流を復元する十分な時間が経過すると、接触圧力は、拡張されまたはより高い程度の安定化をもたらし、または復元するよう、流体により第1のチャンバ(319)を充填することによって再度増大することができる。
【0046】
IV.マルチチャンバクッションを有する例示的な非侵入的頭部固定機器
【0047】
いくつかの例では、非侵入的HFD構成は、安定化アセンブリがピンの代わりにパッドの形式を有する場合に望ましいことがあり、パッドは、横方向の安定化をもたらす。加えて、パッドは、特定の組織領域への血流を促進することを支援して、組織損傷または外傷のリスクを回避または低下させるよう、特定の接触圧力制御機構により構成されてもよい。
図16を参照して、HFD(100)に多くの点で類似するが、非侵入的安定化をもたらすよう安定化アセンブリ(186)に対してパッド(430)を組み込む例示的なHFD(400)が示される。HFD(400)はまた、HFD(300)に関して説明されたようなクッション(318)にいくつかの点で類似する旋回クッション(418)を含む。HFD(400)は更に、パッド(430)が患者の頭部と接触する横方向安定化接触領域において、及びクッション(418)が患者の頭部と接触する下方安定化接触領域において圧力を制御することを支援する機構を含む。HFD(400)の機構は、以下で説明されるものを除き、HFD(100)に関して上記説明された機構と同一である。したがって、簡潔にするために、上記説明されたHFD(100)の機構は、以下で説明される差異を除き、HFD(400)に等しく適用される。
【0048】
HFD(400)は、上記説明されたような弧部材(140)、頭蓋クランプ(170)、及びアクチュエータ(190)を備える。HFD(400)はまた、HFD(300)に関して上記説明されたような中央頭部支持部(310)と類似する中央頭部支持部(410)を備えるが、中央頭部支持部(410)は、上記説明されたクッション(318)の代わりにクッション(418)を含む。
図16を参照して、中央頭部支持部(410)は、本体(412)及び本体(412)上の取付機構(414)を備え、取付機構(414)は、1つ以上の中間構造を介して直接または間接的に手術台または他の構造と接続するように構成されたスターバーストの形式にある。例えば、いくつかの例では、pro med instruments GmbHから入手可能な基部ユニットなどの基部ユニットは、手術台に取り付けられ、取付機構(414)は、基部ユニットと接続する。いくつかの例では、スイベルアダプタまたはpro med instruments GmbHから入手可能な他のアダプタなどのアダプタは、基部ユニットと接続してもよく、中央頭部支持部(410)の取付機構(414)は、アダプタと接続する。本明細書における教示を考慮して、中央頭部支持部(410)を手術台などの安定した構造と接続する様々な方式が当業者にとって明らかである。
【0049】
中央頭部支持部(410)また、本体(412)と接続し、クッション(418)を保持または維持する基部(416)を備える。クッション(318)は、接着剤、ネジもしくはフック及びループなどの機械的留め具、または当業者にとって明らかな他の方式によって基部(416)と接続してもよい。いくつかのバージョンでは、クッション(418)が使用後に洗浄及び殺菌のために廃棄可能であり、または除去されることができるように、クッション(418)は、基部(416)と選択的に接続される。クッション(418)は、HFD(400)が患者を支持及び安定化するために使用されるときに患者の頭部と接触するように構成される。本実施例では、基部(416)は、外側に向かって及び上方向に本体(412)から延在するアーム(420)のペアによって本体(412)と接続する。基部(416)は、基部(416)にわたって横断して延在する軸を定義する接続部材(422)を備える。接続部材(422)は、各々の側面上でボア(423)のペアを備え、ペアの各々のボア(423)は、アームの(420)各々においてそれぞれのボア(321)と位置合わせする。接続部材(422)によって定義された軸は、軸が旋回軸を定義するように接続部材(422)のボア(423)に沿って延在し、旋回軸の周りで、基部(416)及び接続されたクッション(418)が旋回可能である。留め具(425)のペアは、基部(416)を中央頭部支持部(410)の本体(412)と旋回可能に接続するよう、アーム(420)のボア(421)を通じて延在し、接続部材(422)のボア(423)を係合させる。留め具(425)は、基部(416)及び接続されたクッション(418)の位置を確保するよう締め付けられてもよく、逆に、留め具(425)は、基部(416)及び接続されたクッション(418)の旋回可能な調節を可能にするよう緩められてもよい。
【0050】
使用中、中央頭部支持部(410)は、患者の頭部に水平支持をもたらすように構成される。このように、中央頭部支持部(410)は、患者の頭部が中央頭部支持部によって支持されるときに患者の頭部に対して下方に延在する平面を定義する。本実施例では、本実施例では、中央頭部支持部(410)は、中央頭部支持部(410)によって定義された平面が基部(416)及び接続されたクッション(418)の旋回動作に基づいて調節されることができるように位置付けられる。したがって、中央頭部支持部(410)によって定義された平面は、床に平行し、または中央頭部支持部(410)上で重力の方向に直交することに限定されない。
【0051】
図16を参照して、中央頭部支持部(410)は、中央頭部支持部(410)と弧部材(140)との間の間隔を調節するように構成される。上述したように、弧部材(140)は、コネクタ(144)を備える。コネクタ(144)は、中央頭部支持部(410)の本体(412)と調節可能に接続する。例示されるように、本体(412)内にはスロット(424)がある。スロット(424)は、コネクタ(144)の一部を受ける。示されるように、コネクタ(144)は、スロット(424)内で受けられるように構成された上位ビーム部分(146)を備える。ビーム部分(146)のプロファイルは、スロット(424)への相補形状を有する。本実施例では、ビーム部分(146)及びスロット(424)は、蟻継ぎ境界面を共に形成する。このように、コネクタ(144)は、スロット(424)に沿って並進移動可能であり、スロット(424)は、弧部材(140)と中央頭部支持部(410)との間の間隔を調節する。スロット(424)内でコネクタ(144)の調節機能を制御するために、中央頭部支持部(410)は、HFD(100)に関して上記説明されたようなアクチュエータ(148)及び係止機構(149)を備える。HFD(400)により、アクチュエータ(148)及び係止機構(149)は、HFD(100)に関して上記説明されたのと同一の方式において構成され、及び動作可能である。この構成では、コネクタ(144)は、中央頭部支持部(410)に対して弧部材(140)の位置を変更するように、中央頭部支持部(410)によって定義された平面に沿ってまたは平面に平行して調節可能である。
【0052】
図16~19を参照して、HFD(400)は、上述したようなパッド(430)を備える。パッド(430)は、筐体(431)、第1のチャンバ(432)、及び第2のチャンバ(433)を備える。ボアまたは切り出し部(434)は、筐体(431)、第1のチャンバ(432)、及び第2のチャンバ(433)を通じて延在する。ボア(434)は、過度な圧縮及び圧力から患者の耳を保護し、代わりに患者の頭蓋に対してそのような圧力及び圧縮力を方向付けるように、安定化の間に患者の耳を受けるように構成されるように位置する。筐体(431)上に位置するのはまた、安定化アセンブリ(186)の残りと接続するように構成されたスロット(436)を定義する環状フランジ(435)である。本実施例では、安定化アセンブリは、スロット(436)内で適合するフランジ(438)を有するカラー(437)を含む。この構成により、パッド(430)は、
図5において上記示されたようなボア(184)によって定義され、ボア(184)を通じて延在する軸の周りで調節されることができる。
【0053】
パッド(430)の第1のチャンバ(432)は、流体により充填されるように構成された内部空間(317)を定義し、流体は、気体もしくは液体、またはそれらの組み合わせであってもよい。また、第1のチャンバ(432)と接続し、第1のチャンバ(432)の内部空間(439)へのアクセスをもたらす開放及び閉鎖されることができるポート(440)が存在する。このように、流体は、ポート(440)によって、第1のチャンバ(432)の内部空間(439)に配送されることができ、または第1のチャンバ(432)の内部空間(439)から排出されることができもしくは抜き出されることができる。
【0054】
図18及び20を参照して、パッド(430)が各々の安定化アセンブリ(186)と共に使用されるとき、いくつかのバージョンでは、ポート(440)は、チューブ、ホース、または導管(441)によって接続される。チューブ(441)は、弁(457)に接続されてもよく、更に、以下で更に説明されるような流体リザーバ(459)に接続されてもよい。この構成では、複数のパッド(430)の第1のチャンバ(432)を接続することによって、第1のチャンバ(432)内の圧力は同一であり、圧力は、第1のチャンバ(432)がより多くの流体により充填されて圧力を増大させることができ、または第1のチャンバ(432)から流体が排出されて圧力を減少させることができるのとも同一の方式において変化する。
【0055】
例示されるバージョンに示されるように、第1のチャンバ(432)は、筐体(431)と第2のチャンバ(433)との間に位置する。もちろん他のバージョンでは、本明細書における教示を考慮して、第1のチャンバ(432)及び第2のチャンバ(433)の位置が切り替えられてもよいことが当業者にとって明らかである。パッド(430)の第2のチャンバ(433)は、クッション(318)に関して上記説明されたような形状適合材料により充填されるように構成される。本実施例では、第2のチャンバ(433)は、患者の頭部と隣接し、患者の頭部と接触するよう位置付けられる。1つのバージョンでは、第2のチャンバ(433)内の形状適合材料は、ゲル、発泡体、微粒材料、またはそのような材料の組み合わせのいずれか1つである。本明細書における教示を考慮して、パッド(430)の第2のチャンバ(433)と共に使用可能な他の形状適合材料が当業者にとって明らかである。
【0056】
上記説明されたパッド(430)の構成により、パッド(430)は、パッド(430)を有する安定化アセンブリ(186)によって頭部が支持されるとき、患者の頭部との接触圧力の均一な分散をもたらすように構成される。その上、接触圧力は、
図20に示されるようなポート(440)を介して、またはポート(440)と接続されたチューブ(441)を介して流体により第1のチャンバ(432)を充填することによって増大することができ、
図20は、流体制御システム(444)を表す。逆に、接触圧力は、上述したような第1のチャンバ(432)から流体を排出することによって減少することができる。接触圧力を低下させることによって、血流は、パッド(430)と接触している患者の頭部の領域に復元されることができる。いくつかの例では、全てのバージョンにおいて必要とされないが、第1のチャンバ(432)からの流体の相当な排出は、パッド(430)が安定化のために患者の頭部に十分な接触圧力を印加しないようなサイズにおいてパッド(430)を収縮または縮小させてもよい。少なくともいくつかの例では、安定化をもたらすのに十分な接触圧力は、安定化圧力と称されることができる。パッド(430)と患者との間の安定化圧力が十分でない程度まで接触圧力を低下させることによって、血流は、パッド(430)に前と接触していた患者の頭部のこの領域に、及び安定化圧力の下で復元されることができる。接触圧力を低下させ、血流の復元をもたらすことによって、組織外傷または損傷が回避されることができ、リスクが低下する。加えて、組織の領域に血流を復元するときに患者の支持を犠牲にしないように、パッド(430)と患者の頭部との間の接触圧力を低下させるときに中央頭部支持部(410)のクッション(418)によって患者の頭部の支持が維持されることができる。いくつかの例では、パッド(430)と接触している組織領域への血流を復元する十分な時間が経過すると、接触圧力は、拡張されまたはより高い程度の安定化をもたらし、または復元するよう流体により第1のチャンバ(432)を充填することによって再度増大することができる。
【0057】
HFD(400)のいくつかのバージョンでは、横方向に位置付けられたパッド(430)の両方は、チューブ(441)を介して接続され、パッド(430)は、パッド(430)の各々内で常に同一の圧力において維持される。いくつかの他のバージョンでは、横方向に位置付けられたパッド(430)の両方をチューブ(441)と接続することが必要されず、よって、パッド(430)の各々は、その圧力の観点でその他から独立して制御されることができる。更にまた、パッド(430)が、チューブ(441)を介して接続される場合でさえ、独立して制御されるように構成されることができるように、様々な弁の配置がチューブ(441)と共に組み込まれてもよい。本明細書における教示を考慮して、パッド(430)を構成し、中の圧力を制御する他の方式が当業者にとって明らかである。実施例としてのみであり、限定することなく、パッド(430)内の圧力要求は、上記説明されたような弧部材(140)に沿って頭蓋クランプ(170)をスライドすることによって、頭蓋クランプ(170)が患者の頭部の周りで回転する患者位置とは異なってもよい。
【0058】
図16及び17を参照して、HFD(400)のいくつかのバージョンでは、パッド(430)が患者の頭部に印加する圧力は、トルクネジ(443)を使用して調節可能である。トルクネジ(443)は、安定化アセンブリ(186)の1つの構成要素である。トルクネジ(443)を締め付けることは、パッド(430)によって患者の頭部に印加された圧力を増大させる。例示されるバージョンでは、トルクネジ(443)の作動化が両方のパッド(430)における圧力を変化させるように、単一のトルクネジ(443)は、HFD(400)の1つの側面上にあり、2つのパッド(430)は、チューブ(441)によって接続される。いくつかの他のバージョンでは、複数のトルクネジ(443)が使用されてもよく、1つは、パッド(430)がチューブ(441)によって接続されなくてもよいようにパッド(430)の各々と関連付けられる。HFD(400)を使用するいくつかのバージョンでは、初期安定化は、トルクネジ(443)を使用して達成できる。トルクネジ(443)を最初に設定した後、パッド(430)の第1のチャンバ(432)内の流体の量を調節することによって、例えば、圧力を増大させるよう第1のチャンバ(432)により多くの流体を方向付けることによって、または圧力を減少させるよう第1のチャンバ(432)から流体を排出することによって、後続の圧力調節が行われてもよい。言い換えると、いくつかのバージョンでは、トルクネジ(443)が含まれるか否かに関わらず、パッド(430)の各々によってもたらされる接触圧力は、トルクネジ(443)とは別個に及び独立して制御または調節されることができる。いくつかのバージョンでは、トルクネジ(443)は、完全に省略されることができ、従来の頭蓋ピンアセンブリと置き換えられることができる。本明細書における教示を考慮して、
図20に示されるようなトルクネジ(443)、流体制御システム(444)、または両方の組み合わせのいずれかを使用する他の方式が当業者にとって明らかである。
【0059】
図18及び19を参照して、HFD(400)は、上述したような中央頭部支持部(410)の基部(416)と接続するクッション(418)を備える。HFD(400)のクッション(418)は、流体により充填されるように構成された内部空間(446)を有する第1のチャンバ(445)を有するマルチチャンバ構造を備える。流体は、気体または液体であってもよい。第1のチャンバ(445)は、内部空間(446)へのアクセスをもたらすように構成されたポート(447)を含む。流体は、第1のチャンバ(445)内で内部空間(446)に方向付けられてもよく、または第1のチャンバ(445)の内部空間(446)から抜き出されてもよくもしくは排出されてもよい。第1のチャンバ(445)から流体を排出するとき、流体の全てまたは一部は、内部空間(446)から解放または排出されてもよい。クッション(418)は更に、流体により充填されるように構成された内部空間(449)を有する第2のチャンバ(448)を備え、または流体は、第2のチャンバ(448)の内部空間(449)から抜き出されてもよくもしくは排出されてもよい。第2のチャンバ(448)から流体を排出するとき、流体の全てまたは一部は、内部空間(449)から解放または排出されてもよい。本実施例では、第1のチャンバ(445)の内部空間(446)及び第2のチャンバ(448)の内部空間(449)は、第1のチャンバ及び第2のチャンバ(445、448)の内部空間(446、449)の間で延在する接続チューブ(450)によって流体連結する。
【0060】
クッション(418)は更に、第1のチャンバ及び第2のチャンバ(445、448)の間に位置付けられた第3のチャンバ(451)を備える。この構成では、第1のチャンバ及び第2のチャンバ(445、448)は集合的に、外部チャンバのペアを定義し、第3のチャンバ(451)は、中間チャンバを定義する。第3のチャンバ(451)はまた、内部空間(452)を備え、接続チューブ(450)は、第3のチャンバ(451)の内部空間(452)を通じて延在する。第3のチャンバの内部空間(452)は、第1のチャンバ及び第2のチャンバ(445、448)と同様に流体により充填されるように構成される。流体は、内部空間(452)に追加されてもよく、または内部空間(452)から除去されてもよく、それは、クッション(418)のこの領域内で圧力を変化させることができる。第3のチャンバ(451)は、第1のチャンバ(445)と類似するポート(453)を備える。ポート(453)は、内部空間(452)へのアクセスをもたらし、内部空間(452)に流体を方向付け、または内部空間(452)から流体を排出するために使用される。
【0061】
クッション(418)は更に、各々が形状適合材料により充填されるように構成された、第4のチャンバ(454)、第5のチャンバ(455)、及び第6のチャンバ(456)を備える。第1のチャンバ(445)は、第4のチャンバ(454)に対して下方に位置付けられ、第4のチャンバ(454)は、患者の頭部と接触するように構成される。第2のチャンバ(448)は、第5のチャンバ(455)に対して下方に位置付けられ、第5のチャンバ(455)は、患者の頭部と接触するように構成される。第3のチャンバ(451)は、第6のチャンバ(456)に対して下方に位置付けられ、第6のチャンバ(456)は、患者の頭部と接触するように構成される。本明細書における教示を考慮して、第1のチャンバ及び第4のチャンバ(445、454)、第2のチャンバ及び第5のチャンバ(448、455)、並びに第3のチャンバ及び第6のチャンバ(451、456)の相対位置は、他のバージョンでは切り替えられてもよいことが当業者にとって明らかである。1つのバージョンでは、第4のチャンバ、第5のチャンバ、及び第6のチャンバ(454、455、456)内の形状適合材料は、ゲル、発泡体、微粒材料、またはそれらの組み合わせのいずれか1つである。本明細書における教示を考慮して、クッション(418)と共に使用可能な他の形状適合材料が当業者にとって明らかである。
【0062】
上記説明されたクッション(418)の構成により、クッション(418)は、流体及びそれぞれの内部空間(446、449、452)の各々による調節の方式に応じて様々な圧力プロファイルをもたらすように構成される。例えば、いくつかのバージョンでは、第3のチャンバ(451)が第1のチャンバ及び第2のチャンバ(445、448)の内部空間(446、449)にあるのと同一の内部空間(452)内の容積の単位ごとの量の流体を保持するように構成された、接触圧力の均一な分散が達成できる。更なる他のバージョンでは、外部チャンバは、合致する圧力を有してもよく、中間チャンバは、外部チャンバ内の圧力よりも高くてもよくまたは低くてもよい圧力を有する。更に、外部チャンバと中間チャンバとの間の異なる圧力によるこの構成では、流体は、クッション(418)の一部と接触している患者の組織の領域への血流を促進し、患者の頭部の安定化を確保することを維持する方式をもたらす制御された方式において排出及び/または追加されてもよい。
【0063】
実施例としてのみであり、限定することなく、1つのバージョンでは、患者は、患者の頭部の側面部分に同一の接触圧力を印加するパッド(430)を有するHFD(400)を使用して最初に安定化される。初期の安定化では、クッション(418)は、外部チャンバ及び中間チャンバも患者の頭部の背面部分に同一の接触圧力を印加するように構成される。この実施例では、HFD(400)は、仰臥位にある患者により使用されるが、これは、HFD(400)が他の位置にある患者により使用されることができるような全ての実施例において必要ではない。いくらかの時間が過ぎた後、パッド(430)及び/またはクッション(418)内の圧力は、患者の頭部の組織がHFD(400)の一部と接触している領域への血流が復元または増大することができるように操作されることができる。その上、圧力のこの操作は、組織への増大した血流を促進する圧力の短期間の軽減または低下と、拡張した安定化をもたらすよう或る期間が過ぎた後の圧力における増大が続くことを備える。更に、圧力のこの操作は、クッション(418)のパッド(430)及び/またはチャンバの間での交互方式において実行されることができる。この交互方式を使用することによって、HFD(400)と接触している組織領域は、復元または増大した血流により扱われ、許容可能な程度の安定化を維持する。
【0064】
交互圧力軽減及び復元の連続の実施例は、第1のステップとして、初期の安定化が構成された後、パッド(430)における圧力を低下させて、患者の頭部の側面部分に血流を復元する時間量を与えることを含むことができる。いくつかのそのような実施例では、パッド(430)における圧力は、全く低下されなくてもよく、圧力軽減の連続は、マルチチャンバクッション(418)に制限されることがあることに留意されたい。また、他の実施例では、第1のステップは、マルチチャンバクッション(418)に対する圧力軽減ステップまたは工程を実行することと、その後、パッド(430)の1つもしくは両方に対して圧力軽減ステップを実行することであってもよい。しかしながら、本実施例では、パッド(430)における圧力が低下し、パッド(430)と接触している患者の組織領域への血流が増大したいくらかの時間が過ぎた後、パッド(430)における圧力は次いで、その初期のレベルまで復元される。
【0065】
その後、第3のチャンバ(451)によって定義された中間チャンバは、その圧力を低下させるよう排出される。この動作は、中間チャンバにおいて患者の頭部に印加された力または圧力を低下させ、よって、中間チャンバと接触している患者の頭部の背面領域への血流が増大することを可能にする。このケースでは、第1のチャンバ及び第2のチャンバ(445、448)によって集合的に定義された外部チャンバは、それらの元の圧力もしくは初期の圧力に留まり、または排出された中間チャンバにより患者の頭部からのそれらの領域内の力における増大に基づいてより高い圧力を経験する。よって、外部チャンバ及びパッド(430)は、患者の頭部に安定化をもたらし、中間チャンバと接触している組織領域は、この領域における組織外傷のリスクを防止または低下させるよう、血流が増大または復元する期間を受けている。
【0066】
更に簡潔にするために、クッション(418)の中間チャンバは、流体を包含するように構成された第3のチャンバ(451)と共に、形状適合材料により構成された第6のチャンバ(456)の両方を備える。同様に、外部チャンバのペアにより、外部チャンバの1つは、流体を包含するように構成された第1のチャンバ(445)と共に、形状適合材料により構成された第4のチャンバ(454)を備える。また、外部チャンバのその他は、流体を包含するように構成された第2のチャンバ(448)と共に、形状適合材料により構成された第5のチャンバ(455)を備える。本明細書における教示を考慮して理解されるように、外部チャンバ及び中間チャンバ内の上記議論された圧力軽減は、第1のチャンバ、第2のチャンバ、及び第3のチャンバ(445、448、451)のそれぞれの内部空間(446、449、452)内で流体容積を変化させることによって発生し、圧力軽減に基づく血流における増大は、形状適合材料を有するそれぞれの第4のチャンバ、第5のチャンバ、及び第6のチャンバ(454、455、456)と接触している組織領域において発生する。HFD(400)及び他のHFDについての他の構成では、流体充填チャンバは、患者の頭部と接触しているチャンバであってもよく、形状一致包含チャンバは、それぞれの流体充填チャンバの真下または下方に位置してもよい。本明細書における教示を考慮して、HFD(400)及び他のHFDのチャンバについての他の構成が当業者にとって明らかである。
【0067】
圧力軽減の連続の上記実施例に再度戻ると、クッション(418)の中間チャンバにおける圧力が低下し、中間チャンバ、特に、第6のチャンバ(456)と接触している患者の組織領域への血流が増大したいくらかの時間が過ぎた後、クッション(418)の中間チャンバにおける圧力は次いで、その初期のレベルに復元される。その後、外部チャンバのペアは、それぞれの第1のチャンバ及び第2のチャンバ(445、448)から流体を排出しまたは抜き出すことによって、それらの圧力を低下させるよう排出される。この動作は、外部チャンバにおいて患者の頭部に印加された力または圧力を低下させ、よって、外部チャンバと接触している患者の頭部のそれらの領域に、より詳細には、それぞれの第4のチャンバ及び第5のチャンバ(454、455)と接触している領域への血流が増大することを可能にする。このケースでは、中間チャンバは、パッド(430)と共にその元の圧力または初期の圧力に留まる。よって、中間チャンバ及びパッド(430)は、患者の頭部に安定化をもたらし、外部チャンバと接触している組織領域は、この領域における組織外傷のリスクを防止または低下させるよう血流が増大または復元する期間を受けている。
【0068】
クッション(418)の外部チャンバにおける圧力が低下し、外部チャンバ、特に、第4のチャンバ及び第5のチャンバ(454、455)と接触している患者の組織領域への血流が増大したいくらかの時間が過ぎた後、クッション(418)の外部チャンバにおける圧力は次いで、その初期のレベルに復元される。上記説明された圧力軽減工程は、組織損傷または外傷のリスクを低下させることを支援するために、必要に応じてまたは要望に応じて複数回実施されることができる。その上、それらの圧力軽減動作は、上記説明された実施例の順序が必要とされる順序、または唯一の順序もしくは連続と見なされるべきではないように、この環境を必要とし、または指示するようないずれかの順序において完了されることができる。
【0069】
HFD(400)により、上記説明されたように、チューブ(441)を介したパッド(430)の第1のチャンバ(432)の間の流体接続は、パッド(430)における圧力が変化する間、それが同一の方式において、及び同一の程度に行うように、パッド(430)の各々における圧力が同一であり、同時に調節されることを可能にする。患者の頭部の反対側面上に全体的に位置するパッド(430)により、パッド(430)の第1のチャンバ(432)の間の流体接続は、それぞれのパッド(430)によって患者の頭部の反対側面に印加された力における差を変えることなく、パッド(430)内の圧力変化が、パッド(430)によって接触された組織領域への血流を促進することを可能にする。この構成は、患者の頭部を移動させること、または位置を変更させることなく、パッド(430)内の圧力変化を可能にする。
【0070】
例えば、一実施例では、パッド(430)の各々によって患者の頭部の各々の側面に印加された初期の力は、約20ニュートンであってもよく、よって、パッド(430)の各々によって印加された力が同一であることを理由に、力における差はゼロである。実施例の圧力軽減工程が実行されたとき、パッド(430)の各々によって患者の頭部の各々の側面に印加された力はここで、約50ニュートンであってもよく、よって、パッド(430)の各々によって印加された力が同一に留まることを理由に、力における差はゼロに維持される。HFD(400)の例示された実施例では、パッド(430)はチューブ(441)によって流体的に接続されるが、これは、全てのバージョンにおいて必要とされない。例えば、いくつかの他のバージョンでは、パッド(430)は、第1のチャンバ(432)内の流体容積に基づいて、それらの圧力に関して独立して調節可能または制御可能であってもよい。
【0071】
パッド(430)と同様に、上記説明されたようなHFD(400)により、接続チューブ(450)を介したクッション(418)の第1のチャンバ(445)と第2のチャンバ(448)との間の流体接続は、クッション(418)の外部チャンバにおける圧力が変化する間、それが同一の方式において、及び同一の程度に行うように、クッション(418)の外部チャンバの各々における圧力が同一であり、同時に調節されることを可能にする。示され、及び説明されるように、クッション(418)の外部チャンバが、患者の頭部を左半身及び右半身に分割する矢状面の周りに実質的に対称的に位置するように、クッション(418)の外部チャンバは、仰臥位にあるときに患者の頭部の矢状面の反対側面上に全体的に位置する。クッション(418)の外部チャンバの間の流体接続は、クッション(418)のそれぞれの外部チャンバによって患者の頭部に印加された力における差を変えることなく、クッション(418)の外部チャンバ内の圧力変化が、クッション(418)の外部チャンバによって接触された組織領域への血流を促進することを可能にする。この構成は、患者の頭部を移動させること、または位置を変更させることなく、すなわち、クッション(418)の他の外部チャンバと比較してクッション(418)の外部チャンバの1つによって印加された不均一な力を理由に患者の長手方向軸の周りで回転することなく、クッション(418)の外部チャンバ内の圧力変化を可能にする。
【0072】
V.例示的な流体制御システム及び方法
【0073】
ここで、
図20を参照すると、HFD(400)を有する流体制御システム(444)が概略的に示される。上記詳細に説明されたように、HFD(400)は、患者の頭部に横方向の安定化をもたらすパッド(430)、並びに水平支持及び安定化をもたらすクッション(418)を含む。
図20に示されるように、トルクネジ(443)は、パッド(430)が患者の頭部に印加する圧力を増大または減少させることを可能にするよう、パッド(430)の1つと接続する。接続チューブ(441)は、流体連結するようにパッド(430)を共に接続する。上記説明されたように、接続チューブ(441)は、それぞれのパッド(430)の第1のチャンバ(432)を接続する。この構成では、パッド(430)の各々における圧力は同一であり、パッド(430)の各々は、患者の頭部上で同一の力を分け与える。
【0074】
また、接続チューブ(441)と接続されるのは弁(457)である。弁(457)は、パッド(430)内の圧力を低下させ、または追加の流体がパッド(430)に流れてパッド(430)内の圧力を増大させることを可能にするよう、パッド(430)から流体を選択的に排出するように構成される。弁(457)はポンプ(458)と接続し、ポンプ(458)は、要求されるときにパッド(430)に追加の流体を供給するように構成される。いくつかのバージョンでは、ポンプ(458)はまた、排出または抜き出された流体をパッド(430)から離れて方向付けるように構成されることができる。ポンプ(458)との流体連結内には、流体リザーバ(459)がある。流体リザーバ(459)は、ポンプ(458)を介して配送されることになる追加の流体をパッド(430)に提供するように構成される。いくつかの例では、パッド(430)から流体を排出することは、パッド(430)から流体リザーバ(459)に流体を移動させるよう弁(457)を開放すること及びポンプ(458)を動作させることを伴う。ポンプ(458)はまた、流体リザーバ(459)がいくつかのバージョンでは省略されてもよいように、流体リザーバ(459)なしに使用されることができる。そのようなバージョンでは、ポンプ(458)は、周囲環境からパッド(430)に空気を配送するように構成されてもよい。同様に、そのようなバージョンにおけるパッド(430)から流体を排出することは、流体リザーバ(459)に排出する代わりに、パッド(430)から周囲環境に空気を再度排出することを伴ってもよい。いくつかの実施例では、流体リザーバ(459)自体が周囲環境と見なされることができる。
【0075】
流体制御システム(444)についての簡略化された構成を有する1つのバージョンでは、流体リザーバ(459)が省略され、ポンプ(458)は、圧力計を有し、手動で動作するように構成されたハンドポンプまたはフットポンプを備える。この実施例では、ポンプ(458)は、パッド(430)及びクッション(418)内の流体容積及び圧力を調節するよう、様々な弁(457、460、461)と選択的に接続可能である。いくつかのバージョンでは、
図25に示されるものなど、流体制御システム(480)は、複数の弁(457、460、461)の代わりに使用されることができる切り替え可能な単一の弁(463)を有することができる。そのような例では、弁(463)は、ポンプ(458)と共にクッション(418)のそれぞれのポート(447、453)と接続する。また示されるように、弁(463)は、接続チューブ(441)を介してパッド(430)と接続されることもできるが、この追加の流体接続は、全てのバージョンにおいて必要とされず、別個の流体制御システムによって制御されてもよい。流体制御システム(480)内で流体を制御するとき、弁(463)は、流体が、クッション(418)及び/またはパッド(430)の流体保持チャンバのいずれかに方向付けられることができるように構成される。その上、弁(463)は、クッション(418)及び/またはパッド(430)のチャンバのうちの2つ以上に流体を同時に方向付けるように構成されることができる。ポンプ(458)は、圧力計(462)により構成され、圧力計(462)は、弁(463)が能動的に流体連結するチャンバ内の圧力を示すように構成される。本明細書における教示を考慮して、様々な流体制御システムについての他の構成が当業者にとって明らかである。例えば、流体を方向付けるために、単一または複数のポンプが使用されてもよく、単一または複数の弁が使用されてもよく、様々なポート及び接続チューブが使用されてもよいことが認識される。
【0076】
本実施例では、ポンプ(458)はまた、クッション(418)のそれぞれのポート(447、453)と接続する2つの他の弁(460、461)を接続する。弁(460、461)は、弁(457)と同様に構成され、よって、ポンプ(458)も、流体リザーバ(459)からクッション(418)の外部チャンバ及び中間チャンバのいずれかまたは両方に追加の流体を提供するように動作することができる。HFD(400)に関して上記説明されたように、流体は、クッション(418)の第1のチャンバ及び第3のチャンバ(445、451)に提供される。更に、この構成では、流体は、一実施例では、弁(460、461)を介して大気に流体を排出すること、または流体リザーバ(459)に流体を移すよう弁(460、461)を開放し、ポンプ(458)を動作させることのいずれかによって、クッション(418)から排出または抜き出されることができる。本明細書における教示を考慮して、パッド(430)及びクッション(418)内の圧力を操作するよう流体制御システム(444)を構成及び動作させる他の方式が当業者にとって明らかである。
【0077】
図21は、HFD(400)のマルチチャンバクッション(418)と共に使用可能な別の例示的な流体制御システム(470)を示す。流体制御システム(470)は、外部チャンバ及び中間チャンバが上記説明されたような交互方式において排出または再充填されることができる流体制御をもたらすように構成される。再度、上記議論されたように、この交互排出または圧力軽減は、患者の頭部の特定の領域への血流を増大させ、また、患者の頭部の適切な安定化を維持する能力をもたらす。
【0078】
図21の例示されるバージョンに示されるように、流体制御システム(470)は、流体を包含する流体リザーバ(472)に接続されたポンプ(471)を備える。流体制御システム(470)により、ポンプ(471)は更に、2つの弁(473、474)と接続する。弁(473)の1つは、クッション(418)の第1のチャンバ(445)のポート(447)と接続し、他の弁(474)は、クッション(418)の第3のチャンバ(448)のポート(453)と接続する。ポンプ(471)、流体リザーバ(472)、弁(473、474)、及びポート(447、453)の間の接続によって、それらの構成要素が流体連結し、その結果、流体がそれらの構成要素の間で運搬されることができるようになる。したがって、流体制御システム(470)は、クッション(418)に流体を方向付け、またはクッション(418)から流体を抜き出しもしくは排出するかのいずれかのように構成される。上記説明されたように、流体変化が同一の方式において、及び同一の程度に両方のチャンバ(445、448)に影響を与え、その結果、外部チャンバのペアが同一の圧力を有するように、クッション(418)の第1のチャンバ(445)は、チューブ(450)によって第2のチャンバ(448)と接続する。
【0079】
第1のチャンバ(445)の内部空間(446)内で、流体制御システム(470)は、圧力センサ(475)を含む。いくつかの他のバージョンでは、圧力センサ(475)は代わりに、第2のチャンバ(448)の内部空間(449)内に位置することができる。流体制御システム(470)は更に、第3のチャンバ(451)の内部空間(452)内に位置する圧力センサ(476)を含む。本実施例では、圧力センサ(475、476)は、制御ユニット(477)と接続する。例示される実施例では、制御ユニット(477)も、第3のチャンバ(451)の内部空間(452)内に位置する。いくつかの他のバージョンでは、制御ユニット(477)は、クッション(418)内またはクッション(418)の外側の他の位置に位置することができる。また、制御ユニット(477)と接続されるのは、弁(473、474)及びポンプ(471)である。制御ユニット(477)、ポンプ(471)、弁(473、474)、及びセンサ(475、476)の間の接続によって、それらの構成要素が電気通信し、その結果、電気信号がそれらの構成要素の間で送信及び/または受信されることができるようになる。本明細書で説明される信号を送信及び/または受信する構成要素は、それらの構成要素内に包含されるバッテリによって電力供給される。もちろん他のバージョンでは、構成要素内のバッテリの代わりにまたは構成要素内のバッテリに加えて、別個の電源が使用されてもよい。本明細書における教示を考慮して、本明細書で説明される構成要素に電力を提供する他の方式が当業者にとって明らかである。
【0080】
図21について上記説明された構成により、動作中、流体制御システム(470)は、制御ユニット(477)が、圧力センサ(475、476)からの信号を使用して、第1のチャンバ、第2のチャンバ、及び第3のチャンバ(445、448、451)内の流体容積を変化させるよう動作可能であるように構成されることができる。例えば、患者の頭部がHFD(400)により安定化されたいくらかの時間が過ぎた後、HFD(400)によって接触された特定の組織領域に血流を復元して、上記説明されたような組織外傷または損傷のリスクを低下させるよう、患者の頭部に対する圧力を選択的に軽減することが望ましいことがある。流体制御システム(470)により、制御ユニット(477)は、命令セットを実行し、それによって、流体が前に排出されまたは抜き出されたそれぞれのチャンバに流体を再度配送することによって、圧力を増大させる前の組織への血流が増大する期間を可能にするよう流体を排出しまたは抜き出すことによって、圧力を軽減する交互方式においてクッション(418)の外部チャンバのペア及び中間チャンバが操作されるようにプログラムされることができる。
【0081】
実施例としてのみであり、限定することなく、流体制御システム(470)を使用した圧力軽減の1つの交互の連続は、圧力センサ(475)が予め定められた値に到達するまで、流体が第1のチャンバ及び第2のチャンバ(445、448)から排出されまたは抜き出される第1の圧力軽減動作または工程を制御ユニット(477)において開始することによって実施されてもよい。予め定められた値は、圧力センサ(475)の読み取り値における割合の減少であってもよく、またはそれは、患者の安定性に影響を与えることなく組織領域への血流を増大させると判定されることができる選択された圧力値であってもよい。圧力センサ(475)が予め定められた値に到達すると、予め定められた待機時間が続いて起こり、待機時間では、外部チャンバと接触している組織の領域への血流の復元または増大のための時間が設けられる。予め定められた待機時間が経過した後、制御ユニット(477)は、センサ(475)が圧力についての予め定められた値に到達するまで、第1のチャンバ及び第2のチャンバ(445、448)に流体を方向付けて、流体を追加する信号をポンプ(471)及び弁(473)に送信する。この予め定められた値は、圧力軽減サイクルが始まる前のクッション(418)の外部チャンバにおける圧力と同一であってもよく、または異なる圧力値であってもよい。
【0082】
再充填され、患者の頭部に十分な安定化力をもたらす十分な圧力を有する外部チャンバにより、次に、制御ユニット(477)は、圧力センサ(476)が予め定められた値に到達するまで、流体が第3のチャンバ(451)から排出されまたは抜き出される第2の圧力軽減動作または工程を開始する。予め定められた値は、圧力センサ(476)の読み取り値における割合の減少であってもよく、またはそれは、患者の安定性に影響を与えることなく組織領域への血流を増大させると判定されることができる選択された圧力値であってもよい。圧力センサ(476)が予め定められた値に到達すると、予め定められた待機時間が続いて起こり、待機時間では、中間チャンバと接触している組織の領域への血流の復元または増大のための時間が設けられる。予め定められた待機時間が経過した後、制御ユニット(477)は、センサ(476)が圧力についての予め定められた値に到達するまで、第3のチャンバ(451)に流体を方向付けて、流体を追加する信号をポンプ(471)及び弁(474)に送信する。この予め定められた値は、圧力軽減サイクルが始まる前のクッション(418)の中間チャンバにおける圧力と同一であってもよく、または異なる圧力値であってもよい。このポイントから、交互サイクルが完了すると、後続の交互サイクルがその直後、またはいくらかの時間が過ぎた後に続く。
【0083】
本明細書における教示を考慮して、流体制御システム(470)を構成及び動作させる他の方式が当業者にとって明らかである。例えば、いくつかのバージョンでは、センサ(475、476)、弁(473、474)、ポンプ(471)、及び/または制御ユニット(477)は、クッション(418)内の圧力及び流体データが視覚的に表示されることができる出力ディスプレイと接続されてもよい。他の例では、このデータは、ディスプレイを有する機器に無線で送信されてもよく、例えば、流体制御システム(470)は、コンピュータまたはタブレットにインストールされたアプリケーションを介して動作可能であってもよい。また更に、他のバージョンでは、制御ユニット(477)は、クッション(418)の外側に位置してもよく、更に、制御ユニット(477)が、クッション(418)の両方のチャンバと共にパッド(430)のうちの1つ以上からの流体配送及び抜き出しを制御することが可能であるように、同様のセンサ及び弁を使用してパッド(430)と接続されてもよい。また更に、いくつかのバージョンでは、センサ(475、476)の1つまたは両方がポンプ(471)の効果的な部分またはポンプ(471)内の効果的な部分であることができるように、ポンプ(471)は、圧力の統合された測定部を含む。
【0084】
VI.弧部材及び湾曲部材を有する例示的な頭部固定機器
【0085】
いくつかの例示的なHFDに関して上記説明されたように、特定の実施例では、接続される弧部材及び頭蓋クランプは、患者の頭部を支持するHFDのクッションに向かってまたはクッションから離れて或る程度まで調節可能である。
図22は、このタイプの調節機能を含むが、以下で更に説明されるような異なる弧部材(540)及び湾曲部材(502)を組み込む別の例示的なHFD(500)を表す。
【0086】
図22~24を参照して、HFD(500)は、上記説明されたHFD(300)に関して類似するが、HFD(500)は、上記説明された弧部材(140)の代わりに弧部材(540)を組み込み、HFD(500)は、湾曲部材(502)を含む。HFD(500)は、上記説明されたような頭蓋クランプ(170)及びアクチュエータ(190)を備える。HFD(500)はまた、HFD(300)に関して上記説明されたような中央頭部支持部(310)及び旋回クッション(318)を備える。クッション(318)は、クッション(418、118)などの他のクッションと置き換えられてもよいことに留意されるべきである。本明細書における教示を考慮して、クッション(318)の代わりにクッション(118、418)を組み込む方式が当業者にとって明らかである。HFD(500)は更に、ピンが患者の頭部を安定化するために使用されるHFD(300)と類似する安定化アセンブリ(186)を含む。HFD(500)は、HFD(400)に関して上記説明されたパッド(430)が他のバージョンでは例示されたピンを置き換えることができるように修正されてもよいことに留意されるべきである。本明細書における教示を考慮して、ピンの代わりに安定化アセンブリ(186)に対してパッド(430)を組み込む方式が当業者にとって明らかである。言及されたように、以下で説明されるものを除き、HFD(500)の機構は、HFD(300)に関して上記説明された機構と同一である。したがって、簡潔にするために、上記説明されたHFD(300)の機構は、上記及び以下で説明される差異を除き、HFD(500)に等しく適用される。
【0087】
HFD(500)により、中央頭部支持部(310)及び弧部材(540)は、中央頭部支持部(310)と弧部材(540)との間の間隔を調節するように構成される。上記説明されたような弧部材(140)が行うのと同一の方式において弧部材(540)が頭蓋クランプ(170)と接続することを理由に、中央頭部支持部(310)と弧部材(540)との間の間隔調節も、中央頭部支持部(310)と頭蓋クランプ(170)との間の間隔を調節する。弧部材(540)は、コネクタ(544)を備える。コネクタ(544)は、
図22~24の例示されるバージョンに示されるような湾曲部材(502)と調節可能に接続する。湾曲部材(502)は、細長部分(503)及びビーム部分(504)を備える。例示されるように、コネクタ(544)内にはスロット(545)がある。スロット(545)は、湾曲部材(502)の細長部分(503)を受ける。また示されるように、湾曲部材(502)は更に、中央頭部支持部(310)の本体(312)と接続する。例示されるように、本体(312)内にはスロット(324)がある。スロット(324)は、湾曲部材(502)のビーム部分(504)を受ける。この構成により、湾曲部材(502)の細長部分(503)は、弧の長さ及び湾曲の半径を定義する。湾曲の半径は、クッション(318)上に位置付けられるときの患者の頭部の中心ポイントから細長部分(503)の断面の中間におけるポイントまでの距離を表す。実施例としてのみであり、限定することなく、いくつかの実施例では、湾曲部材(502)は、約80~約180ミリメートルの弧の長さを有することができ、約120~約200ミリメートルの湾曲の半径を定義することができる。例えば、一実施例では、湾曲部材(502)は、約123ミリメートルの弧の長さを有する約162ミリメートルの湾曲の半径を定義する。もちろん、それらの特定の寸法は、全てのバージョンにおいて必要とされず、他の適切な寸法が、本明細書における教示を考慮して当業者にとって明らかである。
【0088】
本実施例では、湾曲部材(502)の細長部分(503)のプロファイルは、スロット(545)への相補形状を有する。加えて、ビーム部分(504)のプロファイルは、スロット(324)への相補形状を有する。本実施例では、細長部分(503)及びスロット(545)は、断面において蟻継ぎ境界面を共に形成し、ビーム部分(504)及びスロット(324)は、断面において蟻継ぎ境界面を共に形成する。このように、弧部材(540)は、湾曲部材(502)の細長部分(503)に沿ってそのスロット(545)と共にコネクタ(544)を移動させることによって、中央頭部支持部(310)に対して調節可能である。また、弧部材(540)は、中央頭部支持部(310)のスロット(324)に沿って湾曲部材(502)のビーム部分(504)を移動させることによって、中央頭部支持部(310)に対して調節可能である。よって、この構成は、複数の方式、この実施例では、弧部材(540)、その接続された頭蓋クランプ(170)、及び中央頭部支持部(310)の間の間隔を調節する2つの方式をもたらす。
【0089】
本実施例では、湾曲部材(502)の細長部分(503)に沿って弧部材(540)のコネクタ(544)のスロット(545)を移動させることは、弧または湾曲経路に沿って発生する。このように、弧部材(540)は、湾曲部材(502)に対して回転可能であり、回転は、コネクタ(544)のスロット(545)及び湾曲部材(502)の細長部分(503)の境界面に沿って発生する。この実施例では、スロット(545)は、湾曲の半径を備え、湾曲部材(502)の細長部分(503)は、湾曲の合致した半径を定義する。
【0090】
湾曲部材(502)は、本実施例では、弧部材(540)の湾曲細長部材(542)に垂直に方位付けられる。言い換えると、弧部材(540)の湾曲細長部材(542)によって定義された平面は、湾曲部材(502)の細長部分(503)の長手方向弧によって定義された平面に垂直である。この構成では、患者の頭部がHFD(500)のクッション(318)によって支持されることにより、弧部材(540)は、患者の長手方向軸の方向に沿って患者の頭部の周りで回転可能である。この調節は、弧部材(540)の湾曲細長部材(542)に沿って頭蓋クランプ(170)を調節することが可能なことに関して、上記説明された調節に加え、患者を安全に安定化するための別の調節を補完及び提供する。よって、この構成により、頭蓋クランプ(170)が弧部材(540)と接続されることにより、頭蓋クランプ(170)は、患者の頭部を通じて延在する患者の長手方向軸の周りで、また患者の頭部を通じて延在する患者の長手方向軸に沿っての両方で、患者の頭部の周りで回転可能に調節されることができる。この範囲の調節は、患者の頭部上での安定化アセンブリ(186)の適切な配置及び設置を促進することを支援する。
【0091】
上記説明されたように、弧部材(540)はまた、HFD(500)の中央頭部支持部(310)に対して並進移動することができる。この並進移動は、ビーム部分(504)及びスロット(324)の境界面に沿って発生する。このように、弧部材(540)が中央頭部支持部(310)に対して調節されるとき、湾曲部材(502)のビーム部分(504)は、スロット(324)内で線形方式において並進移動する。上記説明された他の調節と組み合わせたこの調節は、患者の頭部上で安定化アセンブリ(186)及び頭蓋クランプ(170)を配置または設置することに関する更なる程度の自由度をもたらす。本明細書における教示を考慮して、HFD(500)と共に、安全な患者の安定化のための安定化アセンブリ(186)の適切な配置をもたらすための弧部材(540)及び湾曲部材(502)を構成する他の方式が当業者にとって明らかである。
【0092】
上記説明されたような湾曲部材(502)の細長部分(503)に沿った弧部材(540)の回転式調節機能を制御するために、弧部材(540)のコネクタ(544)は、湾曲部材(502)の細長部分(503)に沿ったコネクタ(544)の相対位置を選択的に確保するコネクタ(544)内で係止機構を制御するアクチュエータ(548)を備える。アクチュエータ(548)及び係止機構は、HFD(100)に関して上記説明されたようなアクチュエータ(148)及び係止機構(149)と類似する。同様に、中央頭部支持部(310)のスロット(324)に沿った湾曲部材(502)のビーム部分(504)の並進移動式調節機能を制御するために、中央頭部支持部(310)は、HFD(100)に関して上記説明されたようなアクチュエータ(148)及び係止機構(149)を備える。HFD(500)により、アクチュエータ(148)及び係止機構(149)は、HFD(100)に関して上記説明されたのと同一の方式において構成され、及び動作可能である。本明細書における教示を考慮して、湾曲部材(502)に対して弧部材(540)の調節機能を制御し、中央頭部支持部(310)に対して湾曲部材(502)の調節機能を制御するようHFD(500)が修正されることができる他の方式が当業者にとって明らかである。
【0093】
VII.スライド可能パッドを有する例示的な非侵入的頭部固定機器
【0094】
図26を参照して、HFD(400)と類似するが、支持アセンブリ(612)に対してスライド可能なパッド(614)を組み込む非侵入的頭部安定化のために構成された例示的なHFD(600)が示される。支持アセンブリ(612)は、交換可能及び調節可能な頭部クッション(618)を有する基部アセンブリ(616)を備える。基部アセンブリ(616)におけるギアリングまたはスターバーストコネクタ(620)は、スイベルアダプタ(図示せず)を介して支持アセンブリ(612)を基部ユニット(図示せず)と接続する。いくつかの例では、支持アセンブリ(612)は、スイベルアダプタ及び基部ユニットと共に放射線透過性である。実施例としてのみであり、限定することなく、支持アセンブリ(612)と共に使用するために適切ないくつかの例示的なスイベルアダプタ及び基部ユニットは、pro med instruments GmbH of Freiburg,Germanyから入手可能である。
【0095】
支持アセンブリ(612)は、独立して位置付けられることができる2つの伸長バー(622)を備える。基部アセンブリ(616)の底部側面において、各々が1つの伸長バー(622)に対するものである2つの解放ノブ(624)が位置する。ノブ(624)を引き出すことは、基部アセンブリ(616)内部のラチェット機構を解放し、伸長バー(622)は、除去されることができ、またはそうではなく調節されることができる。伸長バー(622)の調節は、伸長バー(622)が、基部アセンブリ(616)及び頭部クッション(618)によって支持された患者の頭部に向かってまたは頭部から離れて移動するように、基部アセンブリ(616)に対して横方向に移動することを可能にする。本実施例では、両方の伸長バー(622)は、別個のラチェット式機構を有し、ラチェット式機構は、別個にまたは同時に片手で解放されることができる。このように、1つの側面の伸長バー(622)は、他の側面の伸長バー(622)とは独立して横方向に調節されることができる。また更に、解放ノブ(624)を同時に作動することは、各々の伸長バー(622)の調節を同時に制御することを可能にする。
【0096】
2つの伸長バー(622)の各々は、横方向伸長部分(625)及び直立伸長部分(623)を有するL字形状を備える。歯形領域(626)は、側面部分に沿って延在する。歯形領域(626)は、ラチェット機構の一部であり、解放ノブ(624)の相補歯形機構(628)と係合することによって、基部アセンブリ(616)に対して伸長バー(622)を連動させる。共に、伸長バー(622)の歯形領域(626)及び解放ノブ(624)の歯形機構(628)は、ラチェット機構を構成する。
【0097】
各々の伸長バー(622)の直立伸長部分に沿って、スライド部(630)は、直立伸長部分(623)に沿って据え付けられ、及び調節可能である。スライド部(630)は、ボルト、トルクネジ、または他の同様の機構などの係止機構との接続によって、及び係止機構と締め付けることによって固定される。伸長バー(622)の直立伸長部分に対してスライド部(630)を固定することは、それぞれの伸長バー(622)に反してスライド部(630)を引き出すようスライド部(630)を締め付けることによって達成される。伸長バー(622)の直立伸長部分に沿ったスライド部(630)のこの調節機能は、以下で更に議論されるようなスライド部(630)と接続されたパッド(614)の高さ調節を可能にする。本実施例では、伸長バー(622)の直立伸長部分の断面形状は、台形である。したがって、伸長バー(622)の直立伸長部分は、伸長バー(622)の外面(634)が内面(636)よりも広い幅を有するように、内側に傾く側面(632)を備える。本実施例では、伸長バー(622)の直立伸長部分のこの形状は、そのようなアクセサリを伸長バー(622)の直立伸長部分に留めることによって、例えば、リトラクタなどのようなアクセサリの取付を可能にする。
【0098】
HFD(600)の本バージョンでは、トルクネジ(638)は、1つの側面上でスライド部(630)と接続する。トルクネジ(638)の内側面において、交換可能なシェル(640)は、パッド(614)に対するレセプタクルとして据え付けられる。このシェル(640)は、パッド(614)が調節されることができるように回転可能である。例えば、パッド(614)は、本実施例では、耳部(642)を備え、パッド(614)を回転させることは、耳部(642)が患者の耳に適応するように位置付けられることを可能にする。いくつかの例では、耳部(642)は、耳凹部、湾入、または切り出し部と称されてもよい。
【0099】
トルクネジ(638)はまた、外側回転可能ハンドル(644)を備える。トルクネジ(638)のハンドル(644)を調整することは、患者の頭部に向かってシェル(640)及び接続されたパッド(614)を移動させる。パッド(614)の空気チャンバ内部の圧力に応じて、以下で説明されるように、トルクネジ(638)内部のバネが変形し、印加された力を表示する外側面におけるスケール(648)が覆われる。
【0100】
HFD(600)の本バージョンでは、係止ボルト(650)は、トルクネジ(638)を有する側面とは反対の支持アセンブリ(612)の他の側面上でスライド部(630)と接続する。ボルト(650)の内側面において、交換可能なシェル(640)は、パッド(614)に対するレセプタクルとして据え付けられる。このシェル(640)は、パッド(614)が調節されることができるように回転可能である。例えば、パッド(614)は、本実施例では、耳部(642)を備え、パッド(614)を回転させることは、耳部(642)が患者の耳に適応するように位置付けられることを可能にする。いくつかの例では、耳部(642)は、耳凹部、湾入、または切り出し部と称されてもよい。係止ボルト(650)はまた、外側回転可能ハンドル(652)を備える。回転の方向に応じて、係止ボルト(650)のハンドル(652)を調整することは、調節のために、所望の位置において直立伸長部分(623)に対してスライド部(630)を固定し、または直立伸長部分(623)に対してスライド部(630)を解放する。
【0101】
各々のそれぞれのバー(622)上でトルクネジ(638)及び係止ボルト(650)を有する2つの伸長バー(622)の構成、並びに患者の頭部に対して(及び、基部アセンブリ(616)を通じて長手方向に延在する支持アセンブリ(612)の中心軸(A3)にも対して)パッド(614)の位置を調節する能力により、パッド(614)は、頭部クッション(618)上に載せられた頭部への等距離により位置付けられることができる。これは、頭部を主要な頭部クッション(618)上の中心位置に残す。以下で更に詳細に説明されるように、各々の側面上のパッド(614)は、導管またはホース(656)を介して相互接続された流体チャンバ(654)を備え、よって、両方の側面から頭部に印加された圧力は等しい。この構成は更に、主要な頭部クッション(618)上の中心位置において頭部を維持することを促進する。
【0102】
上記説明されたこの中心へ促進することは、力が1つの側面のみから、または実質的に1つの側面から頭部に印加される特定の他の支持及び固定構造において十分でない。例えば、いくつかの支持及び固定構造は、1つの側面において固定され、次いで、調節可能な締め付け及び/または力の印加を使用して、他の側面からパッドまたはピンを適用する。そのような例では、患者の頭部は、支持及び固定構造の固定側面に向かって効果的に引き出される。頭部クッション(618)のような頭部支持部またはクッションが使用される場合、患者の頭部は、頭部支持クッションの湾入のフリンジまたは縁に反して引き出され、頭部支持クッションの湾入では、頭部が典型的には、固定位置にないときに受けられる。1つの側面からのこの不均一なまたは高度に指向性のある力の印加は、頭部クッションの近くのこの領域における甚大に高い接触圧力につながり、圧力の弊害を生じさせる。
【0103】
上述したように、2つの伸長バー(622)の構成を有する上記説明されたHFD(600)により、パッド(614)は、頭部クッション(618)上に載せられた頭部への等距離により位置付けられることができる。パッド(614)の流体チャンバ(654)は、ホース(656)を介して相互接続され、よって、両方の側面からの頭部に対する圧力は等しい。この組み合わせは、頭部を主要な頭部クッション(618)上の中心位置に残し、主要な頭部クッション(618)は、時として頭部支持クッションとも称されてもよい。
【0104】
本実施例では、全ての実施例において必要とされないが、トルクネジ(638)及び係止ボルト(650)を含む支持アセンブリ(612)の全体は、放射線透過性である。このように、支持アセンブリ(612)の全体は、放射線透過性を達成するよう合成材料から生成される。
【0105】
A.例示的なパッド
【0106】
本バージョンでは、各々のパッド(614)は、いくつかの例ではホイルと称されてもよい、合成材料から構成される。
図33及び34において最良に分かるように、パッド(614)は、支持アセンブリ(612)と患者の頭部との間で2つの層を設ける2つの別個のチャンバにより構成される。第1のチャンバ(654)は、流体チャンバである。流体チャンバ(654)は、本実施例では空気により充填可能であるが、他のバージョンでは、液体を含む他の流体が使用されてもよい。流体チャンバ(654)は、支持アセンブリ(612)と微粒材料(660)により充填された第2のチャンバ(658)との間に位置する。微粒材料チャンバ(658)は、使用中に患者と接触するように位置付けられる。使用中、流体チャンバ(654)は、患者の頭部に反して微粒材料チャンバ(658)を引き出すよう充填されるように構成される。
【0107】
本実施例では、微粒材料チャンバ(658)内の微粒材料(660)は、時にEPS微粒と称される、発泡スチロールの微粒を備える。微粒材料チャンバ(658)は、チャンバ(658)を定義する表地において小型孔または出口(662)を備える。それらの小型孔(662)は、チャンバ(658)と患者の頭部との間の接触によって遮断または閉鎖されないように、縫い目の近くにあってもよく、または縁に沿ってもよい。流体チャンバ(654)が空であるとき、第2のチャンバ(658)内のEPS微粒の間に空気が存在する。患者の頭部を安定化するとき、パッド(614)は、患者の頭部と支持アセンブリ(612)との間に位置付けられる。流体チャンバ(654)を充填することによって、圧力が流体チャンバ(654)によって微粒材料チャンバ(658)に印加され、それによって、孔または出口(662)を通じて漏れ出す、EPS微粒の間の空気を押し出す。それによって、EPS微粒は、共に押し込まれ、患者の頭部形状に位置合わせまたは一致する。このように、患者の頭部に印加された圧力は、均質に分散され、流体チャンバ(654)内部の圧力と相関する。上述したように、支持アセンブリ(612)の各々の側面上の各々のパッド(614)の流体チャンバ(654)は、ホース(656)によって接続され、両方のパッド(614)における等しい圧力レベルにつながる。本実施例では、各々のパッド(614)の流体チャンバ(654)に圧力を印加するために、ハンドポンプ(664)は、ホース(656)に接続可能である。ポンプ(664)はまた、流体チャンバ(654)からの圧力を解放する解放弁(666)を供給する。
【0108】
上記説明された構成により、患者の頭部との接触圧力の均一または均質な分散をもたらすことに加え、HFD(600)は、高レベルの安定性をもたらす。例えば、HFD(600)は、例えば、トルクネジ(638)上のスケールを介して、またはハンドポンプ(664)上の計器(668)を介して、圧力指示内で約12時間までの非侵入的安定化をもたらすことができる。この開発の前に、圧力指示手段による患者の頭部の長期間の安定化は、侵入的ピンニング技術を使用している。
【0109】
パッド(614)は、1つのバージョンでは、流体チャンバ(654)及び微粒材料チャンバ(658)が別個のチャンバであるが、単一のパッドとして共に密閉されるように構築される。このバージョンでは、パッド(614)は、チャンバ(654、658)の間に位置付けられた膜を含んでもよいが、膜は、全てのバージョンにおいて必要とされない。
【0110】
別のバージョンでは、パッド(614)は、各々のチャンバ(654、658)がその他から分離可能であるように構築される。このように、パッド(614)は、各々のチャンバ(654、658)に対応し、或る種類のパッドアセンブリとして共に使用される2つの別個のパッドから構築される。パッド(614)についてのこの構成により、患者と接触する微粒材料チャンバ(658)は、使い捨て可能な製品または構成要素とすることができるが、流体チャンバ(654)は、再加工及び再使用されることができる。パッド(614)の流体チャンバ(654)の再加工は、例えば、自動洗浄または手動洗浄により達成できる。同様に、非侵入的放射線透過性HFD(600)の支持アセンブリ(612)は、自動洗浄及び消毒と共に、蒸気滅菌に適している。
【0111】
B.例示的な圧力印加及び指示
【0112】
パッド(614)が単一のチャンバパッド構成において統合されもしくは組み合わされたチャンバ(654、658)を使用するかに関わらず、またはパッド(614)がマルチチャンバパッド構成において別個のチャンバ(654、658)を使用するかに関わらず、HFD(600)による圧力印加及び力指示は、トルクネジ(638)を使用して、及び/または圧力計(668)を有するハンドポンプ(664)を使用して達成できる。
【0113】
トルクネジ(638)を使用するとき、それぞれの伸長バー(622)と接続された各々のパッド(614)の流体チャンバ(654)は、
図35に示されるように、ホース(656)によって接続され、使用前に空気または他の流体により事前に充填される。トルクネジ(638)は、患者の頭部に向かってパッド(614)を引き出し、それによって、流体チャンバ(654)内部の圧力を増大させるよう、支持アセンブリ(612)において据え付けられる。印加された圧力は、トルクネジ(638)においてスケール(648)によってユーザに表示される。
【0114】
流体チャンバ(654)を事前に充填するとき、事前充填は、様々な方式において達成できる。一実施例では、パッド(614)が事前に充填された流体チャンバ(654)により配送されるように、流体チャンバ(654)は、製造の間に事前に充填される。この実施例では、2つのパッド(614)の流体チャンバ(614)は、それらを接続するホース(656)を有するが、流体チャンバ(654)及びホース(656)は、追加の流体が追加または除去されないように密閉される。この実施例では、圧力は、患者の頭部に対するトルクネジ(638)の締め付け及びパッド(614)の圧縮に基づいて増大または減少する。
【0115】
流体チャンバ(654)を事前に充填する別の実施例では、2つの流体チャンバ(654)を接続するホース(656)は、ハンドポンプ(664)との接続を可能にするポートを有することができる。この実施例におけるハンドポンプ(664)は、計器(668)を有してもよく、または有しなくてもよい。更なる別の実施例では、ホース(656)は、空気または流体により事前に充填するための大型シリンジと接続することができるポートを有することができる。事前に充填するためのいくつかの実施例では、空気または流体を受けるためのアクセスをもたらすポートは、上記説明されたようなホース(656)に含まれてもよく、またはポートは、パッド(614)の流体チャンバ(654)のうちの1つ以上に含まれてもよい。いくつかの実施例では、ポートは、流体チャンバ(654)を選択的に密閉する弁を備える。いくつかの例では、弁は、空気または流体が流体チャンバ(654)に追加されるが、除去されないことを可能にする一方向弁であってもよい。
【0116】
圧力印加及び力指示のためのトルクネジ(638)の使用の代わりにまたは加えて、そのような圧力印加及び力指示は、ホース(656)を介して直接または間接的のいずれかで、圧力計(668)を有するハンドポンプ(664)を流体チャンバ(654)と接続することによって達成できる。この実施例では、事前充填が行われることができるが、使用の間に流体チャンバ(654)が充填されることができるので必須ではない。この構成では、ホース(656)によって接続され、及び圧力計(668)を有するハンドポンプ(664)と接続されたパッド(614)の2つの流体チャンバ(654)は、印加された接触圧力に関するフィードバックをユーザに与える。この点において接触圧力は、患者の頭部上でパッド(614)によって印加された表面圧力を表し、この接触圧力は、流体チャンバ(654)内の圧力と相関する。いくつかのバージョンでは、ハンドポンプ(664)の圧力計(668)は、流体チャンバ(654)自体の圧力を示すのと反対に、患者の頭部とパッド(614)との間の境界面における接触圧力を示すよう校正される。他のバージョンでは、圧力計(668)は、手動または自動相関によってその後行われる接触圧力へのその指示の相関により流体チャンバ(654)自体の圧力を示すように構成されることができる。同様に、トルクネジ(638)を使用するバージョンでは、スケール(648)は、接触圧力と相関するように構成されてもよい。
【0117】
ハンドポンプ(664)を使用する一実施例では、計器(668)は、ユーザに許容可能な圧力範囲の全体指示を提供するように構成される。それらは、有限数または圧力読み取り値とは反対に、圧力計(668)上の色帯によって示されてもよい。例えば、圧力計(668)は、隣接する赤帯または区域がそれに続く、緑帯または区域を備えることができる。圧力計(668)の針が緑帯内のいずれかを指し示すとき、次いで、適切な量の圧力が使用されている。この意味で、適切な量の圧力は、所望の安定化の利点をもたらし、患者を傷つけまたは損傷を与えるほど大きくない圧力である。この実施例では、圧力計(668)の針が赤帯内に収まる場合、次いで、圧力が大きすぎて、損傷についての許容可能でないレベルのリスクに患者を置くことがある。また、この実施例では、所望の安定化が達成されることができないように圧力が低すぎる状態を表す別の色帯、例えば、白または黄が提示されてもよい。ハンドポンプ(664)は、特定の患者及び/もしくは手順に基づいて異なる計器(668)により構成されてもよく、または異なるハンドポンプ(664)が全て使用されてもよい。例えば、ハンドポンプ(664)は、小児患者により使用されるときに1つの計器(668)により構成されてもよいが、成人患者により使用されるときは別の計器により構成されてもよい。計器は、患者のタイプ及び/または手順の要件に基づいて異なって校正された色帯を有してもよい。
【0118】
いくつかのバージョンでは、HFD(600)は、HFD(600)が使用中のときに圧力が調節されることができるように構成される。例えば、ホース(656)を介して直接または間接的に流体チャンバ(654)と接続可能なハンドポンプ(664)を含むバージョンでは、ハンドポンプ(664)は、手順の間に流体チャンバ(654)に流体を追加し、または流体チャンバ(654)から流体を除去するようにアクセス可能であってもよい。いくつかのケースでは、ハンドポンプ(664)は、ホース(656)を介して直接または間接的にハンドポンプ(664)を流体チャンバ(654)と接続し、HFD(600)から離れてハンドポンプ(664)がいくらかの距離に位置することを可能にする伸長導管を含んでもよい。これは、手術ドレープの真下からハンドポンプ(664)を再配置することができ、よって、それは、HFD(600)により使用されることができるそのような手術ドレープ、または他の器具もしくはアクセサリを乱すことなく、手順の間に容易にアクセスされることができる。
【0119】
圧力印加及び指示のためにトルクネジ(638)を使用するバージョンでは、圧力はまた、トルクネジ(638)のハンドル(644)にアクセスし、ハンドル(644)を回転させることによりトルクネジ(638)を調節することによって、HFD(600)が使用中のときに調節されてもよい。いくつかの例では、トルクネジ(638)は、手術ドレープの真下にあってもよく、トルクネジ(638)にアクセスすることは、手術ドレープの一時的な除去または再配置を必要とすることがある。
【0120】
上記実施例のいくつかは、ハンドポンプ(664)の使用を説明したが、本明細書における教示を考慮して、いくつかの他のバージョンでは、ハンドポンプ(664)は、自動ポンプ、更には所望の圧力を設定、監視、及び維持するための制御機構を有するポンプシステムと置き換えられてもよいことが当業者にとって明らかである。
【0121】
上記説明されたようなHFD(600)により、支持アセンブリ(612)及びパッド(614)は、頭部位置の移行を最小化する。例えば、上記説明されたパッド(614)の特性に加え、伸長バー(622)及びクランプ構造の剛性は、頭部位置の移行のこの最小化を促進する。これは次いで、HFD(600)が、手術中のナビゲーション技術により使用されることができる非侵入的頭部安定化構造をもたらすことを可能にする。例としてであり、限定することなく、HFD(600)は、例えば、Brainlab Kick EMのような電磁ナビゲーションに適している。加えて、長期間の非侵入的頭部安定化及び放射線透過性の組み合わせは、手術中の撮像(CT、MRI、超音波検査)を可能にする。
【0122】
使用中、HFD(600)を使用して患者の頭部を安定化するとき、頭部が最初に頭部クッション(618)及び基部アセンブリ(616)によって真下から支持される。次に、伸長バー(622)は、HFD(600)の中心軸(A3)に向かって伸長バー(622)を前進させることによって、基部アセンブリ(616)の周囲で調節される。次いで、スライド部(630)及びパッド(614)は、所望の方式において患者の頭部と接触するよう調節され、例えば、患者の耳に対して相殺または位置合わせする。締め付けられたスライド部(630)及び固定されたパッド(614)により、圧力印加及び指示のために1つ以上のトルクネジ(638)のみが使用されるHFDのバージョンでは、パッド(614)が患者の頭部に一致することを促進するよう微粒材料チャンバ(658)に向かって流体チャンバ(654)が前進するように、1つ以上のトルクネジ(638)が下に締め付けられる。圧力印加及び指示のためにポンプ(664)が使用されるHFDのバージョンでは、ポンプ(664)は、流体チャンバ(654)に空気または流体を追加するように作動され、次いで、上記説明されたように、パッド(614)が患者の頭部に一致することを促進するよう、流体チャンバ(654)を微粒材料チャンバ(658)に向かって前進させる。パッド(614)が患者の頭部に位置付けられ、一致していると、場合によっては、頭部の安定化のために患者により所望のレベルの接触圧力を達成するようHFD構成またはバージョンに応じて、トルクネジ(638)に対し、及び/またはハンドポンプ(664)を介して調節が行われることができる。
【0123】
例示的な安定化方法における上記ステップの全ては、全ての安定化手順において必要とされない。いくつかのケースでは、1つ以上の調節が省略されてもよく、及び/または他のステップが含まれてもよい。同様に、上記実施例の手順において説明された以外の調節が順に行われてもよい。本明細書における教示を考慮して、本明細書で説明されたHFDのいずれかを使用して患者の頭部を支持及び安定化する他の手順が当業者にとって明らかである。
【0124】
他のHFDまたは修正されたバージョンのHFD(600)がHFD(700)及びHFD(800)として
図36及び37に示される。HFD(700)は、HFD(700)がパッド(614)ごとに1つの2つのトルクネジ(738)を備えることを除き、上記説明されたHFD(600)と同一または類似するように構成される。この構成により、HFD(700)は、パッド(614)の2つの流体チャンバ(654)の間のホース(656)を省略する。上記説明されたように、HFD(700)についてのこの構成により、パッド(614)は、製造の間に流体により事前に充填され、密閉される。
【0125】
HFD(800)は、HFD(800)がトルクネジを完全に省略し、代わりに、パッド(614)ごとに1つの2つの係止ボルト(850)を含むことを除き、上記説明されたようなHFD(600)と同一または類似するように構成される。この構成により、圧力印加及び指示は、それぞれのパッド(614)の流体チャンバ(654)及びポンプ(664)の計器(668)に空気または流体を供給するポンプ(664)により達成される。HFD(600)に関して上記説明されたのと同一の方式において、HFD(800)により、ポンプ(664)は、ホース(856)を介して直接または間接的に流体チャンバ(654)と接続可能である。更に、ポンプ(664)及び計器(668)の操作性は、HFD(600)がポンプ(664)及び計器(668)を使用するそれらの例に関して上記説明された通りにHFD(800)と同一である。
【0126】
本明細書における教示を考慮して、HFD(600、700、800)またはそれらの構成要素のいずれかを修正する他の様々な方式が、本明細書における教示を考慮して当業者にとって明らかである。例えば、いくつかのバージョンでは、HFD(600、700、800)は、上記説明された中央頭部支持部(110、310、410)及び/または弧部材(140、240、540)のいずれかを組み込んでもよい。
【0127】
VIII.マルチチャンバ型パッドを有する例示的な非侵入的頭部固定機器
【0128】
図38を参照して、HFD(400)と多くの点で類似するが、非侵入的安定化をもたらすようマルチチャンバ型パッド(930)を組み込む例示的なHFD(900)が示される。HFD(900)の機構は、以下で説明されるものを除き、HFD(400)に関して上記説明された機構と同一である。したがって、簡潔にするために、上記説明されたHFD(900)の機構は、以下で説明される差異を除き、HFD(400)に等しく適用される。
【0129】
図38~40を参照して、HFD(900)は、上記説明されたような頭蓋クランプ(170)と接続するマルチチャンバ型パッド(930)を備える。HFD(900)の各々のパッド(930)は、流体により充填されるように構成された内部空間(939)を有する第1のチャンバ(944)を有するマルチチャンバ構造を備える。流体は、気体または液体であってもよい。第1のチャンバ(944)は、内部空間(939)へのアクセスをもたらすように構成されたポート(945)を含む。流体は、第1のチャンバ(944)内の内部空間(939)に方向付けられてもよく、または第1のチャンバ(944)の内部空間(939)から抜き出されてもよくもしくは排出されてもよい。第1のチャンバ(944)から流体を排出するとき、流体の全てまたは一部は、内部空間(939)から解放または排出されてもよい。各々のパッド(930)は更に、流体により充填されるように構成された内部空間(931)を有する第2のチャンバ(932)を備え、または流体は、第2のチャンバ(932)の内部空間(931)から抜き出されてもよくもしくは排出されてもよい。第2のチャンバ(932)から流体を排出するとき、流体の全てまたは一部は、内部空間(931)から解放または排出されてもよい。本実施例では、第1のチャンバ(944)の内部空間(939)及び第2のチャンバ(932)の内部空間(931)は、第1のチャンバ及び第2のチャンバ(944、932)の内部空間(931、939)の間で延在する接続チューブ(946)によって流体連結する。
【0130】
各々のパッド(930)は更に、第1のチャンバ及び第2のチャンバ(944、932)の間に位置付けられた第3のチャンバ(942)を備える。この構成では、第1のチャンバ及び第2のチャンバ(944、932)は集合的に、外部チャンバのペアを定義し、第3のチャンバ(942)は、中間チャンバを定義する。第3のチャンバ(942)はまた、内部空間(947)を備え、接続チューブ(946)は、第3のチャンバ(942)の内部空間(947)を通じて延在する。第3のチャンバ(942)の内部空間(947)は、第1のチャンバ及び第2のチャンバ(944、932)と同様に、流体により充填されるように構成される。流体は、内部空間(947)に追加されてもよく、または内部空間(947)から除去されてもよく、それは、パッド(930)のこの領域内の圧力を変化させることができる。第3のチャンバ(942)は、第1のチャンバ(944)と類似するポート(940)を備える。ポート(940)は、内部空間(947)へのアクセスをもたらし、内部空間(947)に流体を方向付け、または内部空間(947)から流体を排出するために使用される。
【0131】
各々のパッド(930)は更に、各々が形状適合材料により充填されるように構成された、第4のチャンバ(941)、第5のチャンバ(933)、及び第6のチャンバ(943)を備える。第1のチャンバ(944)は、第4のチャンバ(941)に隣接して位置付けられ、第4のチャンバ(941)は、患者の頭部と接触するように構成される。第2のチャンバ(932)は、第5のチャンバ(933)に隣接して位置付けられ、第5のチャンバ(933)は、患者の頭部と接触するように構成される。第3のチャンバ(942)は、第6のチャンバ(943)に隣接して位置付けられ、第6のチャンバ(943)は、患者の頭部と接触するように構成される。本明細書における教示を考慮して、第1のチャンバ及び第4のチャンバ(944、941)、第2のチャンバ及び第5のチャンバ(932、933)、並びに第3のチャンバ及び第6のチャンバ(942、943)の相対位置は、他のバージョンでは切り替えられてもよいことが当業者にとって明らかである。1つのバージョンでは、第4のチャンバ、第5のチャンバ、及び第6のチャンバ(941、933、943)内の形状適合材料は、ゲル、発泡体、微粒材料、またはそれらの組み合わせのいずれか1つである。本明細書における教示を考慮して、パッド(930)と共に使用可能な他の形状適合材料が当業者にとって明らかである。
【0132】
上記説明されたパッド(930)の構成により、パッド(930)は、流体及びそれぞれの内部空間(939、931、947)による調節の方式に応じて様々な圧力プロファイルを設けるように構成される。例えば、いくつかのバージョンでは、第3のチャンバ(942)が第1のチャンバ及び第2のチャンバ(944、932)の内部空間(939、931)にあるのと同一の内部空間(947)内の容積の単位ごとの量の流体を保持するように構成された、接触圧力の均一な分散が達成できる。更なる他のバージョンでは、外部チャンバは、合致する圧力を有してもよく、中間チャンバは、外部チャンバ内の圧力よりも高くてもよくまたは低くてもよい圧力を有する。更に、外部チャンバと中間チャンバとの間の異なる圧力によるこの構成では、流体は、パッド(930)の一部と接触している患者の組織の領域への血流を促進し、患者の頭部の安定化を確保することを維持する方式をもたらす制御された方式において排出及び/または追加されてもよい。マルチチャンバ型パッド(930)についての更なる他の適切な構成が、本明細書における教示を考慮して当業者にとって明らかである。
【0133】
IX.例示的な組み合わせ
以下の実施例は、本明細書における教示が組み合わされてもよく、または適用されてもよい、様々な非排他的な方式に関する。以下の実施例は、本出願または本出願の後続の出願のいずれかの時点において提示されることがあるいずれかの請求項の対象範囲を制限することを意図していないことが理解されるべきである。放棄を意図していない。以下の実施例は、例示を目的に提供されているにすぎない。本明細書における様々な教示が用意されてもよく、多数の他の方式に適用されてもよいことが予期される。また、いくつかの変形は、以下の実施例において言及される特定の特徴を省略してもよいことが予期される。したがって、発明者または発明者に関与した継承者によって後に別段に明確に示されない限り、以下で言及される態様または特徴のいずれもが重要であると考えられるべきではない。いずれかの請求項が、本出願、または以下で言及される特徴を超える追加の特徴を含む本出願に関連する後続の出願において提示される場合、それら追加の特徴は、特許性に関連するいずれかの理由により追加されたと推定されるべきではない。
【0134】
実施例1
医療手順の間に患者の頭部を支持及び安定化する医療機器であって、医療機器は、患者の頭部を支持及び安定化する間のズレを防止するように構成され、医療機器は、(a)1つ以上の中間構造を介して直接または間接的に手術台と接続するように構成された中央頭部支持部であって、中央頭部支持部は更に、患者の頭部に水平支持をもたらすように構成され、中央頭部支持部は、患者の頭部と接触するように構成されたクッションを含む、中央頭部支持部と、(b)中央頭部支持部と接続された弧部材と、(c)頭蓋クランプが、中央頭部支持部に対する頭蓋クランプの位置を変更するよう弧部材に沿って移動可能であるように、弧部材と調節可能に接続するように構成された頭蓋クランプと、(d)弧部材に沿って頭蓋クランプの位置を選択的に確保するように構成されたアクチュエータと、を備えた医療機器。
【0135】
実施例2
頭蓋クランプは、(a)係止部材と、(b)係止部材によって受けられる伸長バーのペアと、を含み、各々の伸長バーは、係止部材に対し、及び相互に独立して移動可能であり、各々の伸長バーを係止部材と選択的に確保するよう係止部材と独立して係止可能であり、各々の伸長バーは、患者の頭部と接触し、患者の頭部に横方向の支持及び安定化をもたらすように構成された安定化アセンブリを受けるように構成された上端部分を含む、実施例1に記載の医療機器。
【0136】
実施例3
頭蓋クランプは更に、係止部材及び弧部材と接続するように構成されたポジションアダプタを含み、ポジションアダプタは、中央頭部支持部に対する頭蓋クランプの位置を変更するよう弧部材に沿って移動可能である、実施例2に記載の医療機器。
【0137】
実施例4
中央頭部支持部は更に、クッションが接続する基部を含む、実施例1~3のうちのいずれか1つ以上に記載の医療機器。
【0138】
実施例5
各々の伸長バーの上端部分は、安定化アセンブリを受けるように構成されたボアを含み、各々の伸長バーの各々の上端部分のボアは、係止部材が伸長アームのペアの伸長アームの各々を受けるときに相互に位置合わせする、実施例2~4のうちのいずれか1つ以上に記載の医療機器。
【0139】
実施例6
各々の伸長バーは、伸長バーの基部から伸長バーの直立部分に沿って延在する長手方向軸を定義し、各々の伸長バーのボアは、各々のそれぞれの伸長バーによって定義された長手方向軸からオフセットされる、実施例2~5のうちのいずれか1つ以上に記載の医療機器。
【0140】
実施例7
各々の伸長バーの上端部分は、安定化アセンブリを受けるように構成されたボア含み、各々の伸長バーの各々の上端部分のボアは、ボアの中心を通じて延在する共通軸を定義する、実施例2~6のうちのいずれか1つ以上に記載の医療機器。
【0141】
実施例8
ポジションアダプタは、係止部材と調節可能に接続する、実施例3~7のうちのいずれか1つ以上に記載の医療機器。
【0142】
実施例9
ポジションアダプタは、中央頭部支持部によって定義された第1の平面に垂直に延在する第2の平面を定義し、第1の平面は、患者の頭部が中央頭部支持部によって支持されるときに患者の頭部に対して下方に延在し、係止部材は、第2の平面に沿って調節可能であり、第2の平面に沿った係止部材の調節は、係止部材と中央頭部支持部との間の間隔を変更する、実施例3~8のうちのいずれか1つ以上に記載の医療機器。
【0143】
実施例10
各々の伸長バーは、係止部と係合するように構成された歯型ラックを含む、実施例2~9のうちのいずれか1つ以上に記載の医療機器。
【0144】
実施例11
伸長バーのペアは、左右に相互に交換可能である、実施例2~10のうちのいずれか1つ以上に記載の医療機器。
【0145】
実施例12
弧部材に沿った頭蓋クランプの移動は、患者の頭部の周りで同心円状に頭蓋クランプの位置を変える、実施例1~11のうちのいずれか1つ以上に記載の医療機器。
【0146】
実施例13
弧部材に沿った頭蓋クランプの移動は、患者の頭部から患者の足に延在する、患者の長手方向軸の周りで頭蓋クランプの位置を変える、実施例1~12のうちのいずれか1つ以上に記載の医療機器。
【0147】
実施例14
アクチュエータは、弧部材に沿った頭蓋クランプの位置を選択的に確保すると共に、ポジションアダプタに対する係止部材の位置を選択的に確保するように構成される、実施例3~13のうちのいずれか1つ以上に記載の医療機器。
【0148】
実施例15
アクチュエータは、弧部材に沿った頭蓋クランプの位置、及びポジションアダプタに対する係止部材の位置を同時に選択的に確保するように構成される、実施例3~14のうちのいずれか1つ以上に記載の医療機器。
【0149】
実施例16
伸長バーのペアの各々の伸長バーは、伸長バーの少なくとも一部に沿って位置付け可能な1つ以上のアクセサリを受けるように構成されたレールを定義する、実施例2~15のうちのいずれか1つ以上に記載の医療機器。
【0150】
実施例17
弧部材は更に、中央頭部支持部と接続するように構成されたコネクタを含み、コネクタは、中央頭部支持部に対する弧部材の位置を変更するよう中央頭部支持部によって定義された第1の平面に沿ってまたは第1の平面に平行して調節可能である、実施例1~16のうちのいずれか1つ以上に記載の医療機器。
【0151】
実施例18
弧部材に沿った頭蓋クランプの調節が、中央頭部支持部によって支持された患者の頭部のいずれかの側面上での約45度までの頭蓋クランプを斜め横向きに位置付けること可能にするように、弧部材は、中央頭部支持部の真下から弓型経路に沿って反対方向に外側に向かって延在する、実施例1~17のうちのいずれか1つ以上に記載の医療機器。
【0152】
実施例19
弧部材は、中央頭部支持部の真下から弓型経路に沿って1つの方向に外側に向かって延在する、実施例1~17のうちのいずれか1つ以上に記載の医療機器。
【0153】
実施例20
弧部材は、第1の方位及び第2の方位の選択された1つにおいて中央頭部支持部と接続可能であり、第2の方位では、弧部材は第1の方位において中央頭部支持部の真下から外側に向かって延在する第2の方向とは反対の第1の方向に中央頭部支持部の真下から外側に向かって延在する、実施例1~17及び19のうちのいずれか1つ以上に記載の医療機器。
【0154】
実施例21
中央頭部支持部のクッションは、第1のチャンバを含み、第1のチャンバは、流体により充填されるように構成された内部空間を含み、第1のチャンバは、内部空間へのアクセスをもたらすように構成されたポートを含み、第1のチャンバは更に、内部空間から流体の全てまたは一部を解放するよう排出されるように構成される、実施例1~20のうちのいずれか1つ以上に記載の医療機器。
【0155】
実施例22
中央頭部支持部のクッションは更に、形状適合材料により充填されるように構成された第2のチャンバを含み、第1のチャンバは、第2のチャンバに対して下方に位置付けられ、第2のチャンバは、患者の頭部と接触するように構成される、実施例1~21のうちのいずれか1つ以上に記載の医療機器。
【0156】
実施例23
形状適合材料は、微粒材料、ゲル、発泡体、及びそれらの組み合わせの選択された1つから構成される、実施例22に記載の医療機器。
【0157】
実施例24
クッションは、患者の頭部が中央頭部支持部によって支持されるときに患者の頭部との接触圧力の均一な分散をもたらす、実施例1~23のうちのいずれか1つ以上に記載の医療機器。
【0158】
実施例25
接触圧力は、ポートを介して流体により第1のチャンバを充填することによって増大することができ、接触圧力は、第1のチャンバから流体を排出することによって減少することができる、実施例24に記載の医療機器。
【0159】
実施例26
第1のチャンバから流体を排出することは、クッション内の圧力を減少させて、それによって、患者の頭部との接触圧力を減少させ、それによって、クッションが患者の頭部と前に接触していた領域における患者の頭部への血流を増大させる、実施例21~25のうちのいずれか1つ以上に記載の医療機器。
【0160】
実施例27
中央頭部支持部は更に、クッションと接続された基部を含み、基部は、基部にわたって横断して延在する軸を定義する接続部材を含み、基部は、クッションの方位を旋回可能に調節するよう接続部材によって定義された軸の周りで旋回可能である、実施例1~26のうちのいずれか1つ以上に記載の医療機器。
【0161】
実施例28
中央頭部支持部のクッションは、(a)第1の内部空間を含む、第1のチャンバと、(b)第2のチャンバであって、第2のチャンバは、第2の内部空間を含み、第1の内部空間及び第2の内部空間は、第1のチャンバ及び第2のチャンバ内の圧力が同一であるように、その間で延在する第1の接続チューブにより流体連結し、第1のチャンバは、第1の内部空間及び第2の内部空間へのアクセスをもたらすように構成された第1のポートを含み、第1のチャンバ及び第2のチャンバは、第1のポートを介して流体により充填され、または流体の全てもしくは一部を解放するよう排出されるように構成される、第2のチャンバと、(c)第1のチャンバ及び第2のチャンバが集合的に外部チャンバのペアを定義するように、第1のチャンバと第2のチャンバとの間に位置付けられた第3のチャンバであって、中間チャンバを定義し、第3の内部空間を含み、第1の接続チューブは、第3の内部空間を通じて延在し、第3のチャンバは、第3の内部空間へのアクセスをもたらすように構成された第2のポートを含み、第3のチャンバは、第2のポートを介して流体により充填され、または流体の全てもしくは一部を解放するよう排出されるように構成される、第3のチャンバと、を含む実施例1に記載の医療機器。
【0162】
実施例29
(a)形状適合材料により充填されるように構成された第4のチャンバであって、第1のチャンバは、第4のチャンバに対して下方に位置付けられ、第4のチャンバは、患者の頭部と接触するように構成される、第4のチャンバと、(b)形状適合材料により充填されるように構成された第5のチャンバであって、第2のチャンバは、第5のチャンバに対して下方に位置付けられ、第5のチャンバは、患者の頭部と接触するように構成される、第5のチャンバと、(c)形状適合材料により充填されるように構成された第6のチャンバであって、第3のチャンバは、第6のチャンバに対して下方に位置付けられ、第6のチャンバは、患者の頭部と接触するように構成される、第6のチャンバと、を更に備えた、実施例28に記載の医療機器。
【0163】
実施例30
外部チャンバ及び中間チャンバは、外部チャンバと中間チャンバとの間で充填及び排出サイクルを交互に繰り返すことによって、交互方式において加圧及び減圧されるように構成される、実施例28~29のうちのいずれか1つ以上に記載の医療機器。
【0164】
実施例31
(a)頭蓋クランプは、伸長バーのペアを含み、各々の伸長バーは、患者の頭部と接触し、患者の頭部に横方向の支持及び安定化をもたらすように構成された安定化アセンブリを受けるように構成された上端部分を含み、(b)各々の伸長バーによって受けられる安定化アセンブリは、第7のチャンバを有するパッドを含み、第7のチャンバは、流体により充填されるように構成された第4の内部空間を含み、第7のチャンバは、第4の内部空間へのアクセスをもたらすように構成された第3のポートを含み、第7のチャンバは更に、第4の内部空間から流体の全てまたは一部を解放するよう排出されるように構成される、実施例28~30のうちのいずれか1つ以上に記載の医療機器。
【0165】
実施例32
各々の伸長バーのパッドの第4の内部空間は、各々の伸長バーのパッドの第7のチャンバ内の等圧力を維持するよう、各々の伸長バーのパッドの第3のポートを接続する第2の接続チューブを介して他のパッドと流体連結する、実施例31に記載の医療機器。
【0166】
実施例33
各々の伸長バーのパッドは更に、形状適合材料により充填されるように構成された第8のチャンバを含み、第8のチャンバは、第7のチャンバに隣接して位置付けられ、第8のチャンバは、患者の頭部と接触するように構成される、実施例31~32のうちのいずれか1つ以上に記載の医療機器。
【0167】
実施例34
パッドは、患者の頭部がパッドによって横方向に安定化されるときに患者の頭部との接触圧力の均一な分散をもたらすように構成される、実施例31~33のうちのいずれか1つ以上に記載の医療機器。
【0168】
実施例35
接触圧力は、第3のポートを介して流体により第7のチャンバを充填することによって増大することができ、接触圧力は、第7のチャンバから流体を排出することによって減少することができ、接触圧力を減少させることは、パッドが患者の頭部と接触している領域において患者の頭部への血流が増大することを可能にする、実施例34に記載の医療機器。
【0169】
実施例36
伸長バーの1つのパッドと動作可能に接続されたトルクネジを更に備え、各々の伸長バーのパッドの接触圧力は、トルクネジを作動することによって増大または減少することができる、実施例31~35のうちのいずれか1つ以上に記載の医療機器。
【0170】
実施例37
形状適合材料は、微粒材料、ゲル、発泡体、及びそれらの組み合わせの選択された1つから構成される、実施例29~36のうちのいずれか1つ以上に記載の医療機器。
【0171】
実施例38
1つよりも多いタイプの形状適合材料は、医療機器により使用される、実施例29~37のうちのいずれか1つ以上に記載の医療機器。
【0172】
実施例39
1つよりも多いタイプの流体は、医療機器により使用される、実施例28~38のうちのいずれか1つ以上に記載の医療機器。
【0173】
実施例40
中央頭部支持部は更に、クッションと接続された基部を含み、基部は、基部にわたって横断して延在する軸を定義する接続部材を含み、基部は、クッションの方位を旋回可能に調節するよう接続部材によって定義された軸の周りで旋回可能である、実施例28~39のうちのいずれか1つ以上に記載の医療機器。
【0174】
実施例41
医療手順の間に患者の頭部を支持及び安定化する医療機器であって、医療機器は、患者の頭部を支持及び安定化する間のズレを防止するように構成され、医療機器は、(a)1つ以上の中間構造を介して直接または間接的に手術台と接続するように構成された中央頭部支持部であって、中央頭部支持部は更に、患者の頭部に水平支持をもたらすように構成される、中央頭部支持部と、(b)中央頭部支持部と接続され、患者の頭部と接触するように構成されたクッションと、を備え、クッションは、(i)第1の内部空間を含む、第1のチャンバと、(ii)第2のチャンバであって、第2のチャンバは、第2の内部空間を含み、第1のチャンバ及び第2のチャンバは、流体により充填されるように構成され、第1のチャンバ及び第2のチャンバは更に、流体の全てまたは一部を解放するよう排出されるように構成される、第2のチャンバと、(iii)第1のチャンバ及び第2のチャンバが集合的に外部チャンバのペアを定義するように第1のチャンバと第2のチャンバとの間に位置付けられた第3のチャンバであって、中間チャンバを定義し、第3の内部空間を含み、流体により充填されるように構成され、更に、流体の全てまたは一部を解放するよう排出されるように構成される、第3のチャンバと、を含む医療機器。
【0175】
実施例42
第1のチャンバ及び第2のチャンバは、中で同一の圧力を有するように構成される、実施例41に記載の医療機器。
【0176】
実施例43
第1の内部空間及び第2の内部空間は、第1のチャンバ及び第2のチャンバ内の圧力が同一であるように、その間で延在する第1の接続チューブにより流体連結する、実施例41~42のうちのいずれか1つ以上に記載の医療機器。
【0177】
実施例44
第1の接続チューブは、第3の内部空間を通じて延在する、実施例43に記載の医療機器。
【0178】
実施例45
第1のチャンバは、第1の内部空間へのアクセスをもたらすように構成された第1のポートを含み、第3のチャンバは、第3の内部空間へのアクセスをもたらすように構成された第2のポートを含む、実施例41~44のうちのいずれか1つ以上に記載の医療機器。
【0179】
実施例46
患者の頭部と接触し、患者の頭部に横方向の安定化をもたらすように構成された1つ以上のパッドを更に備え、1つ以上のパッドの各々は、第4のチャンバを含み、第4のチャンバは、流体により充填されるように構成された第4の内部空間を含み、第4のチャンバは更に、第4の内部空間から流体の全てまたは一部を解放するよう排出されるように構成される、実施例41~45のうちのいずれか1つ以上に記載の医療機器。
【0180】
実施例47
1つ以上のパッドは、2つのパッドを含み、各々のパッドの第4の内部空間は、各々のパッドの第4のチャンバ内の等圧力を維持するよう、各々のパッドの第4の内部空間を接続する接続チューブを介して他のパッドと流体連結する、実施例46に記載の医療機器。
【0181】
実施例48
安定化機器によって接触された組織の領域への長期の血流低下に起因して患者組織の外傷を低下させるシステムであって、システムは、(a)安定化機器の1つ以上のチャンバであって、1つ以上のチャンバの各々は、流体により充填され、または流体の全てもしくは一部を解放するよう排出されるように構成された内部空間を含む、1つ以上のチャンバと、(b)1つ以上のチャンバに流体を供給するように構成される、ポンプと、(c)それぞれの1つ以上のチャンバと通信する1つ以上の圧力センサと、(d)ポンプ及びそれぞれの1つ以上のチャンバと流体連結する1つ以上の弁であって、流体がポンプからそれぞれの1つ以上のチャンバに流れることを可能にするように動作可能である、1つ以上の弁と、(e)ポンプ、1つ以上の圧力センサ、及び1つ以上の弁と接続された制御ユニットであって、1つ以上のチャンバに流体を供給するようポンプを動作させるように構成される、制御ユニットと、を備えたシステム。
【0182】
実施例49
1つ以上の弁は更に、それぞれの1つ以上のチャンバから流体を排出するように動作可能であり、制御ユニットは更に、それぞれの1つ以上のチャンバから流体を排出するよう1つ以上の弁を動作させるように構成される、実施例48に記載の医療機器。
【0183】
実施例50
1つ以上のチャンバは、2つ以上のチャンバを含み、制御ユニットは、交互排出及び充填サイクルを実行し、2つ以上のチャンバは、交互方式において排出及び充填され、それによって、2つ以上のチャンバのうちの少なくとも1つは、その初期の圧力に留まり、2つ以上のチャンバのうちの少なくとも1つは、排出され、その圧力が減少する、実施例48~49のうちのいずれか1つ以上に記載の医療機器。
【0184】
実施例51
頭部支持及び安定化機器によって接触された組織の領域への長期の血流低下に起因して患者組織の外傷を低下させるシステムであって、システムは、(a)頭部支持及び安定化機器のクッションであって、クッションは、(i)第1の内部空間を含む、第1のチャンバと、(ii)第2のチャンバであって、第2のチャンバは、第2の内部空間を含み、第1のチャンバ及び第2のチャンバは、流体により充填され、または流体の全てもしくは一部を解放するよう排出されるように構成される、第2のチャンバと、(iii)第1のチャンバ及び第2のチャンバが集合的に外部チャンバのペアを定義するように第1のチャンバと第2のチャンバとの間に位置付けられた第3のチャンバであって、中間チャンバを定義し、第3の内部空間を含み、流体により充填され、または流体の全てもしくは一部を解放するよう排出されるように構成される、第3のチャンバと、含む、クッションと、(b)クッションの第1のチャンバ、第2のチャンバ、及び第3のチャンバのうちの1つ以上に流体を供給するように構成される、ポンプと、(c)第1のチャンバと通信する第1の圧力センサと、(d)第3のチャンバと通信する第2の圧力センサと、(e)ポンプ及び第1のチャンバと流体連結する第1の弁であって、流体がポンプから第1のチャンバに流れることを可能にするように動作可能である、第1の弁と、(f)ポンプ及び第3のチャンバと流体連結する第2の弁であって、流体がポンプから第3のチャンバに流れることを可能にするように動作可能である、第2の弁と、(g)ポンプ、第1の圧力センサ、第2の圧力センサ、第1の弁、及び第2の弁と接続された制御ユニットであって、クッションの第1のチャンバ、第2のチャンバ、及び第3のチャンバのうちの1つ以上に流体を供給するようポンプを動作させるように構成される、制御ユニットと、を備えたシステム。
【0185】
実施例52
第1の内部空間及び第2の内部空間は、第1のチャンバ及び第2のチャンバ内の圧力が同一であるように、その間で延在する第1の接続チューブにより流体連結し、第1のチャンバは、第1の内部空間及び第2の内部空間へのアクセスをもたらすように構成された第1のポートを含み、第1のチャンバ及び第2のチャンバは、第1のポートを介して流体により充填されるように構成される、実施例51に記載の医療機器。
【0186】
実施例53
第1の接続チューブは、第3の内部空間を通じて延在し、第3のチャンバは、第3の内部空間へのアクセスをもたらすように構成された第2のポートを含み、第3のチャンバは、第2のポートを介して流体により充填されるように構成される、実施例52に記載の医療機器。
【0187】
実施例54
第1の圧力センサは、第1のチャンバ内に位置し、第2の圧力センサは、第3のチャンバ内に位置する、実施例51~53のうちのいずれか1つ以上に記載の医療機器。
【0188】
実施例55
第1の弁は更に、第1のチャンバから流体を排出するように動作可能であり、第2の弁は更に、第3のチャンバから流体を排出するように動作可能である、実施例51~54のうちのいずれか1つ以上に記載の医療機器。
【0189】
実施例56
制御ユニットは更に、クッションの第1のチャンバ、第2のチャンバ、及び第3のチャンバのうちの1つ以上から流体を排出するよう第1の弁及び第2の弁を動作させるように構成される、実施例51~55のうちのいずれか1つ以上に記載の医療機器。
【0190】
実施例57
制御ユニットは、交互排出及び充填サイクルを実行し、外部チャンバのペア及び中間チャンバは、交互方式において排出及び充填される、実施例51~56のうちのいずれか1つ以上に記載の医療機器。
【0191】
実施例58
制御ユニットは、患者の頭部が交互排出及び充填サイクルの間に位置を維持するように、交互排出及び充填サイクルの繰り返しを始める前に、外部チャンバのペア内の第1の圧力及び中間チャンバ内の第2の圧力の選択された1つまたは両方が予め定められた設定ポイントにあることを保証するよう第1の圧力センサ及び第2の圧力センサを監視する、実施例57に記載の医療機器。
【0192】
実施例59
弧部材を中央頭部支持部と調節可能に接続するように構成された湾曲部材を更に備えた、実施例1に記載の医療機器。
【0193】
実施例60
弧部材は、湾曲部材と調節可能に接続するように構成された接続部材を含む、実施例59に記載の医療機器。
【0194】
実施例61
中央頭部支持部は、湾曲部材と調節可能に接続するように構成された本体を含む、実施例59~60のうちのいずれか1つ以上に記載の医療機器。
【0195】
実施例62
湾曲部材は、中央頭部支持部の本体に対して並進移動可能である、実施例59~61のうちのいずれか1つ以上に記載の医療機器。
【0196】
実施例63
弧部材は、湾曲部材に対して回転可能である、実施例59~62のうちのいずれか1つ以上に記載の医療機器。
【0197】
実施例64
接続部材は、スロットを含み、接続部材のスロットは、湾曲部材の細長湾曲部分を受けるように構成され、接続部材は、スロットに対して湾曲部材の細長湾曲部分を移動させることによって湾曲部材に対して回転可能である、実施例59~63のうちのいずれか1つ以上に記載の医療機器。
【0198】
実施例65
中央頭部支持部の本体は、スロットを含み、本体のスロットは、湾曲部材のビーム部分を受けるように構成され、湾曲部材は、スロットに対して湾曲部材のビーム部分を移動させることによって本体に対して並進移動可能である、実施例59~64のうちのいずれか1つ以上に記載の医療機器。
【0199】
実施例66
湾曲部材は、弧部材に垂直に延在する、実施例59~65のうちのいずれか1つ以上に記載の医療機器。
【0200】
実施例67
中央頭部支持部は、本体を含み、湾曲部材は、中央頭部支持部の本体に対して並進移動可能であり、弧部材は、接続部材を含み、接続部材は、湾曲部材に対して回転可能である、実施例59に記載の医療機器。
【0201】
実施例68
接続部材は、第1のスロットを含み、接続部材の第1のスロットは、湾曲部材の細長湾曲部分を受けるように構成され、接続部材は、第1のスロットに対して湾曲部材の細長湾曲部分を移動させることによって湾曲部材に対して回転可能であり、中央頭部支持部の本体は、第2のスロットを含み、本体の第2のスロットは、湾曲部材のビーム部分を受けるように構成され、湾曲部材は、第2のスロットに対して湾曲部材のビーム部分を移動させることによって本体に対して並進移動可能である、実施例67に記載の医療機器。
【0202】
実施例69
接続部材及び本体の各々は、湾曲部材とそれぞれの第1のスロット及び第2のスロットとの間の移動を選択的に可能にするように構成される、実施例68に記載の医療機器。
【0203】
実施例70
中央頭部支持部は更に、クッションと接続された基部を含み、基部は、基部にわたって横断して延在する軸を定義し、基部は、クッションの方位を旋回可能に調節するよう軸の周りで旋回可能である、実施例59~69のうちのいずれか1つ以上に記載の医療機器。
【0204】
実施例71
中央頭部支持部に取付可能な伸長バーのペアを更に備えた、実施例41~47のうちのいずれか1つ以上に記載の医療機器。伸長バーのペアは、伸長バーの各々の間の距離における変化を可能にするよう中央頭部支持部に対して、及び相互に調節可能である。伸長バーのペアの各々は、基部及び直立部分を含む。患者の頭部と接触し、患者の頭部に横方向の安定化をもたらすように構成された1つ以上のパッドは、伸長バーの直立部分の選択された1つと接続可能である。
【0205】
実施例72
クッション及び1つ以上のパッドのうちの少なくとも1つ以上は、流体充填チャンバ及び形状適合材料チャンバを含む、実施例41~47及び71のうちのいずれか1つ以上に記載の医療機器。
【0206】
実施例73
患者の頭部を安定化する頭部安定化機器であって、(a)上に載せられた患者の頭部を支持するように構成された基部アセンブリと、(b)基部アセンブリに取付可能な伸長バーのペアであって、伸長バーのペアは、伸長バーの各々の間の距離における変化を可能にするよう基部アセンブリに対し、及び相互に調節可能であり、伸長バーのペアの各々は、横方向伸長部分及び直立伸長部分を含む、伸長バーのペアと、(c)各伸長バーの直立伸長部分の1つとそれぞれ接続可能なパッドのペアであって、パッドのペアは、患者の頭部と接触するように構成され、パッドのペアの各々のパッドは、流体充填チャンバ及び微粒材料充填チャンバを含む、パッドのペアと、を備えた機器。
【0207】
実施例74
伸長バーのペアと接続可能なスライド部のペアを更に備え、スライド部は、パッドのペアを位置付けるよう伸長バーの直立伸長部分に沿って長手方向に調節するように構成される、実施例73に記載の機器。
【0208】
実施例75
伸長バーの横方向伸長部分の各々は、歯形領域を含み、基部アセンブリは、解放ノブのペアを含み、解放ノブのペアの各々の1つは、伸長バーのペアのそれぞれの1つと機械連結し、解放ノブの各々は、伸長バーのそれぞれの横方向伸長部分の歯形領域と選択的に係合するように構成された歯形機構を含む、実施例73~74のうちのいずれか1つ以上に記載の機器。
【0209】
実施例76
伸長バーの直立伸長部分は、1つ以上のアクセサリを受けるように構成された台形形状断面を含む、実施例73~75のうちのいずれか1つ以上に記載の機器。
【0210】
実施例77
流体充填チャンバに印加された力を表示する、力依存変形可能本体を含む指示機器を更に備えた、実施例73~76のうちのいずれか1つ以上に記載の機器。
【0211】
実施例78
流体充填チャンバに印加された圧力を示す計器を含む指示機器を更に備えた、実施例73~77のうちのいずれか1つ以上に記載の機器。
【0212】
実施例79
基部アセンブリと接続可能な頭部支持クッションを更に備え、基部アセンブリは、基部アセンブリに対する頭部支持クッションの調節を可能にする、実施例73~78のうちのいずれか1つ以上に記載の機器。
【0213】
実施例80
患者の頭部を安定化する頭部安定化機器であって、(a)基部アセンブリから延在する伸長バーのペアと、(b)ラチェット機構のペアであって、ラチェット機構のペアの各々の1つは、伸長バーのペアの1つと機械連結し、ラチェット機構は、機器の中心軸に対して横方向に伸長バーのペアを選択的に調節するように構成される、ラチェット機構のペアと、(c)パッドのペアであって、パッドのペアの各々の1つは、伸長バーのペアの1つと接続可能であり、パッドのペアの各々の1つは、流体により充填された第1のチャンバ及び微粒材料により充填された第2のチャンバを含み、第1のチャンバは、第2のチャンバ内の微粒材料が患者の頭部に一致するように、第2のチャンバに突き当たるように構成される、パッドのペアと、(d)パッドと患者の頭部との間の接触圧力の精巧な調節をもたらすように構成された圧力印加及び指示機構と、を備えた機器。
【0214】
実施例81
圧力印加及び指示機構は、トルクネジを含む、実施例80に記載の機器。
【0215】
実施例82
圧力印加及び指示機構は、圧力計を有するポンプを含む、実施例80~81のうちのいずれか1つ以上に記載の機器。
【0216】
実施例83
医療手順の間に患者の頭部を支持及び安定化する医療機器は、1つ以上の中間構造を介して直接または間接的に手術台と接続するように構成される。医療機器は、(a)患者の頭部に水平支持をもたらすように構成された中央頭部支持部と、(b)中央頭部支持部と接続可能なクッションと、を備える。クッションは、患者の頭部と接触するように構成され、(i)第1の流体及び第1の形状適合材料の選択された1つを受けるように構成された第1のチャンバを含む。機器はまた、(c)2つ以上の横方向頭部支持部を備え、2つ以上の横方向頭部支持部の各々は、患者の頭部に横方向の支持をもたらすように構成される。機器はまた、(d)患者の頭部と接触するように構成された2つ以上のパッドを備え、2つ以上のパッドの各々は、2つ以上の横方向頭部支持部のそれぞれの1つと接続可能である。2つ以上のパッドの各々は、(i)第2の流体を受けるように構成された第2のチャンバと、(ii)第2の形状適合材料を受けるように構成された第3のチャンバと、を含む。
【0217】
実施例84
第1の流体及び第2の流体は、同一である、実施例83に記載の機器。
【0218】
実施例85
第1の形状適合材料及び第2の形状適合材料は、同一である、実施例83~84のうちのいずれか1つ以上に記載の機器。
【0219】
実施例86
第1の流体は、空気である、実施例83~85のうちのいずれか1つ以上に記載の機器。
【0220】
実施例87
第1の形状適合材料及び第2の形状適合材料は、微粒材料、ゲル、発泡体、及びそれらの組み合わせから構成されたグループから選択される、実施例83~86のうちのいずれか1つ以上に記載の機器。
【0221】
実施例88
中央頭部支持部は更に、クッションが取り付けられる基部を含む、実施例83~87のうちのいずれか1つ以上に記載の機器。
【0222】
実施例89
第1のチャンバは、第1の流体により充填されるように構成された内部空間を含み、第1のチャンバは、内部空間へのアクセスをもたらすように構成された第1のポートを含み、第1のチャンバは更に、内部空間から第1の流体の全てまたは一部を解放するよう排出されるように構成される、実施例83~88のうちのいずれか1つ以上に記載の機器。
【0223】
実施例90
2つ以上のパッドの各々の第2のチャンバは、第3のチャンバに隣接し、第2の形状適合材料を受けるように構成された第3のチャンバは、患者の頭部と接触するように構成される、実施例83~89のうちのいずれか1つ以上に記載の機器。
【0224】
実施例91
クッションの第1のチャンバは、第1の流体を受けるように構成され、クッションは更に、第1の流体が第1のチャンバに及び第1のチャンバから流れることを選択的に可能にするポートを含む、実施例83~90のうちのいずれか1つ以上に記載の機器。
【0225】
実施例92
クッションに流体を選択的に移すようクッションの第1のチャンバと接続可能なポンプを更に備えた、実施例83~91のうちのいずれか1つ以上に記載の機器。
【0226】
実施例93
医療手順の間に患者の頭部を支持及び安定化する医療機器は、1つ以上の中間構造を介して直接または間接的に手術台と接続するように構成される。医療機器は、(a)患者の頭部に水平支持をもたらすように構成された中央頭部支持部と、(b)中央頭部支持部と接続可能なクッションであって、患者の頭部と接触するように構成され、マルチチャンバ構成を含む、クッションと、(c)2つ以上の横方向頭部支持部の各々が、患者の頭部に横方向の支持をもたらすように構成される、2つ以上の横方向頭部支持部と、(d)患者の頭部と接触するように構成された2つ以上のパッドであって、2つ以上のパッドの各々は、2つ以上の横方向頭部支持部のそれぞれの1つと接続可能である、2つ以上のパッドと、を備える。2つ以上のパッドの各々は、(i)第1の流体を受けるように構成された第1のチャンバと、(ii)第1の形状適合材料を受けるように構成された第2のチャンバと、を含む。
【0227】
実施例94
クッションのマルチチャンバ構成は、(a)第3のチャンバと、(b)第4のチャンバと、(c)第3のチャンバと第4のチャンバとの間に位置する第5のチャンバと、を含む、実施例93に記載の危機。
【0228】
実施例95
第3のチャンバ及び第4のチャンバを流体的に接続する接続部材を更に備えた、実施例93~94のうちのいずれか1つ以上に記載の機器。
【0229】
実施例96
(d)第3のチャンバ上に位置付けられた第6のチャンバと、(e)第4のチャンバ上に位置付けられた第7のチャンバと、(f)第5のチャンバ上に位置付けられた第8のチャンバと、を更に備え、第6のチャンバ、第7のチャンバ、及び第8のチャンバは、患者の頭部と接触するように構成される、実施例93~95のうちのいずれか1つ以上に記載の機器。
【0230】
実施例97
第3のチャンバ、第4のチャンバ、及び第5のチャンバは、第2の流体を受けるように構成され、第6のチャンバ、第7のチャンバ、及び第8のチャンバは、第2の形状適合材料を受けるように構成される、実施例96に記載の機器。
【0231】
実施例98
2つ以上のパッドの各々の第1のチャンバを流体的に接続する接続部材を更に備えた、実施例93~97のうちのいずれか1つ以上に記載の機器。
【0232】
実施例99
医療手順の間に患者の頭部を支持及び安定化する医療機器は、(a)患者の頭部に水平支持をもたらすように構成された中央頭部支持部と、(b)中央頭部支持部と接続可能なクッションであって、患者の頭部と接触するように構成される、クッションと、を備える。クッションは、(i)第1のチャンバと、(ii)第2のチャンバであって、第1のチャンバ及び第2のチャンバは、流体により充填されるように構成され、第1のチャンバ及び第2のチャンバは更に、流体の全てまたは一部を解放するよう排出されるように構成される、第2のチャンバと、(iii)第1のチャンバ及び第2のチャンバが集合的に外部チャンバの第1のペアを定義するように第1のチャンバと第2のチャンバとの間に位置付けられた第3のチャンバであって、第1の中間チャンバを定義し、流体により充填されるように構成され、更に、流体の全てまたは一部を解放するよう排出されるように構成される、第3のチャンバと、を含む。医療機器は更に、(d)2つ以上の横方向頭部支持部であって、2つ以上の横方向頭部支持部の各々は、患者の頭部に横方向の支持をもたらすように構成される、2つ以上の横方向頭部支持部と、(e)患者の頭部と接触するように構成された2つ以上のパッドであって、2つ以上のパッドの各々は、2つ以上の横方向頭部支持部のそれぞれの1つと接続可能である、2つ以上のパッドと、を備える。2つ以上のパッドの各々は、マルチチャンバ構成を含む。
【0233】
実施例100
2つ以上のパッドのマルチチャンバ構成は、(a)第4のチャンバと、(b)第5のチャンバであって、第4のチャンバ及び第5のチャンバは、流体により充填されるように構成され、第4のチャンバ及び第5のチャンバは更に、流体の全てまたは一部を解放するよう排出されるように構成される、第5のチャンバと、(c)第4のチャンバ及び第5のチャンバが集合的に外部チャンバの第2のペアを定義するように第4のチャンバと第5のチャンバとの間に位置付けられた第6のチャンバであって、第2の中間チャンバを定義し、流体により充填されるように構成され、更に、流体の全てまたは一部を解放するよう排出されるように構成される、第6のチャンバと、を含む、実施例99に記載の機器。
【0234】
実施例101
外部チャンバの第1のペアにおける第1の圧力は、等しいように構成され、外部チャンバの第2のペアにおける第2の圧力は、等しいように構成される、実施例99~100のうちのいずれか1つ以上に記載の機器。
【0235】
X.その他
本明細書で説明された教示、説明、実施形態、実施例などのいずれか1つ以上は、本明細書で説明された他の教示、説明、実施形態、実施例などのいずれか1つ以上と組み合わされてもよいことが理解されるべきである。したがって、以下の説明される教示、説明、実施形態、実施例などは、相互に分離していると見なされるべきではない。本明細書における教示が組み合わされてもよい様々な適切な方式が、本明細書における教示を考慮して当業者にとって明らかである。そのような修正及び変形は、請求項の範囲内に含まれることが意図される。
【0236】
また、本明細書における教示は、その開示が本明細書で参照によって組み込まれる、2018年4月26日に出願された「Head Stabilization System and Method with Cassette Features」と題する米国特許出願第62/662,855号における様々な教示と容易に組み合わされることができることが理解されるべきである。本明細書における教示が米国特許出願第62/662,855号の教示と組み合わされてもよい様々な適切な方式が当業者にとって明らかである。
【0237】
本発明の様々な実施形態が示され、及び説明されてきたが、本発明の範囲から逸脱することなく、本明細書で説明された方法及びシステムの更なる適応が当業者による適切な修正によって達成できる。そのような潜在的な修正のいくつかが言及されてきたが、その他が当業者にとって明らかである。例えば、上記議論された実施例、実施形態、幾何学形状、材料、寸法、比率、及びステップなどは、例示的であり、必須ではない。したがって、本発明の範囲は、以下の請求項の観点で考慮されるべきであり、明細書及び図面において示され、及び説明された構造及び動作の詳細に限定されないものと理解される。
【外国語明細書】