(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023065534
(43)【公開日】2023-05-12
(54)【発明の名称】玩具セット、容器および装飾玩具
(51)【国際特許分類】
A63H 33/00 20060101AFI20230502BHJP
A45D 8/14 20060101ALI20230502BHJP
A45C 11/16 20060101ALI20230502BHJP
【FI】
A63H33/00 301Z
A45D8/14 A
A45C11/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023029000
(22)【出願日】2023-02-27
(62)【分割の表示】P 2021109749の分割
【原出願日】2021-06-30
(71)【出願人】
【識別番号】000135748
【氏名又は名称】株式会社バンダイ
(72)【発明者】
【氏名】荒川 賢一
(72)【発明者】
【氏名】佐伯 麻有
(57)【要約】
【課題】玩具セットの興趣性を向上させる。
【解決手段】玩具セットは、物品を収納可能な容器100と、容器100に着脱可能に構成された少なくとも1つの装飾玩具(指輪200、ヘアアクセサリ300)を含む。ここで、容器100は、第1の凹部11を有する収納部10と、収納部10に取り付けられた被覆部20を備える。そして、被覆部20は、第2の凹部21を有し、装飾玩具は、第2の凹部21に挿入可能な身体装着部(210、310)と、身体装着部(210、310)に接続された装飾部(220、320)を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を収納可能な容器と、
前記容器に着脱可能に構成された少なくとも1つの装飾玩具と、
を含む、玩具セットであって、
前記容器は、
第1の凹部を有する収納部と、
前記収納部に取り付けられた被覆部と、
を備え、
前記被覆部は、第2の凹部を有し、
前記装飾玩具は、
前記第2の凹部に挿入可能な身体装着部と、
前記身体装着部に接続された装飾部と、
を備える、玩具セット。
【請求項2】
請求項1に記載の玩具セットにおいて、
前記装飾玩具は、前記身体装着部を前記第2の凹部に挿入する一方、前記装飾部を前記第2の凹部の外側に配置した状態で前記被覆部に装着可能に構成されている、玩具セット。
【請求項3】
請求項1に記載の玩具セットにおいて、
前記被覆部は、前記収納部に対して開閉可能なように取り付けられている、玩具セット。
【請求項4】
請求項3に記載の玩具セットにおいて、
前記容器には、前記収納部に対する前記被覆部の開角度を所定値以下に制限するための開角度制限部が設けられている、玩具セット。
【請求項5】
請求項1に記載の玩具セットにおいて、
前記装飾玩具は、前記第2の凹部の側部に接触させて前記第2の凹部に嵌め込み可能な筒状部位をさらに備える、玩具セット。
【請求項6】
請求項5に記載の玩具セットにおいて、
前記装飾玩具は、前記身体装着部と前記装飾部とを接続する接続部をさらに備え、
前記筒状部位は、前記接続部を内包する、玩具セット。
【請求項7】
請求項5に記載の玩具セットにおいて、
前記被覆部の表面には、前記第2の凹部を囲むように第1パターンが形成され、
前記装飾部の裏面には、前記第1パターンに嵌め込み可能な第2パターンが形成され、
前記筒状部位を前記第2の凹部に嵌め込むことによって前記容器に装着された前記装飾玩具は、さらに、前記第2パターンの前記第1パターンへの嵌め込みによって、前記装飾玩具の前記被覆部に対する所定方向の変位が抑制されるように構成される、玩具セット。
【請求項8】
請求項5に記載の玩具セットにおいて、
前記筒状部位の前記装飾部側の根元には、前記被覆部との当接によって前記第2の凹部への前記筒状部位の嵌め込みを規制する突起部が形成され、
前記突起部は、前記被覆部に対して前記装飾部を支持する、玩具セット。
【請求項9】
請求項3に記載の玩具セットにおいて、
前記被覆部は、前記収納部に対して開いた状態において前記第2の凹部が見えないように覆う機能を有する遮蔽部を備える、玩具セット。
【請求項10】
請求項9に記載の玩具セットにおいて、
前記遮蔽部には、鏡が設けられている、玩具セット。
【請求項11】
請求項1に記載の玩具セットにおいて、
前記収納部には、前記第1の凹部を覆う被覆板が設けられている、玩具セット。
【請求項12】
請求項1に記載の玩具セットにおいて、
前記容器は、前記身体装着部の構成および前記装飾部の構成の少なくともいずれかが異なる複数種類の前記装飾玩具のうちから選択された1つの装飾玩具を装着可能に構成されている、玩具セット。
【請求項13】
第1の凹部を有する収納部と、
前記収納部に取り付けられ、かつ、第2の凹部を有する被覆部と、
を備える、容器であって、
前記容器は、前記第2の凹部に挿入可能な身体装着部および前記身体装着部に接続された装飾部を有する装飾玩具を装着可能に構成されている、容器。
【請求項14】
第1の凹部を有する収納部および前記収納部に取り付けられ、かつ、第2の凹部を有する被覆部を備える容器に装着可能な装飾玩具であって、
前記装飾玩具は、
前記第2の凹部に挿入可能な身体装着部と、
前記身体装着部に接続された装飾部と、
を有する、装飾玩具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、玩具セット、容器および装飾玩具に関し、例えば、興趣性を有する玩具セット、容器および装飾玩具に関する。
【背景技術】
【0002】
実開昭59-55022号公報(特許文献1)には、容器本体の収納部に設けられた凹部内にイヤリングを収納することが可能な携帯用容器に関する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した特許文献1に記載されている携帯用容器は、容器本体に取り付けられる開閉蓋に装飾的要素が施されてない簡素な構造をしている。このため、購買意欲を喚起する観点からの興趣性に乏しく、需要を喚起するために興趣性を取り入れた工夫が望まれている。特に、興趣性を取り入れるためには、構造上の工夫が必要とされることから、興趣性を向上するための技術的工夫が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施の形態における玩具セットは、物品を収納可能な容器と、容器に着脱可能に構成された少なくとも1つの装飾玩具を含む。ここで、容器は、第1の凹部を有する収納部と、収納部に取り付けられた被覆部を備える。そして、被覆部は、第2の凹部を有し、装飾玩具は、第2の凹部に挿入可能な身体装着部と、身体装着部に接続された装飾部を備える。
【0006】
一実施の形態における容器は、第1の凹部を有する収納部と、収納部に取り付けられ、かつ、第2の凹部を有する被覆部を備える。ここで、容器は、第2の凹部に挿入可能な身体装着部および身体装着部に接続された装飾部を有する装飾玩具を装着可能である。
【0007】
一実施の形態における装飾玩具は、第1の凹部を有する収納部および収納部に取り付けられ、かつ、第2の凹部を有する被覆部を備える容器に装着可能である。ここで、装飾玩具は、第2の凹部に挿入可能な身体装着部と、身体装着部に接続された装飾部を有する。
【発明の効果】
【0008】
一実施の形態によれば、興趣性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図2】容器に指輪を装着した玩具セットを示す図である。
【
図3】容器にヘアアクセサリを装着した玩具セットを示す図である。
【
図4】様々な種類のヘアクリップ付きヘアエクステンションを示す図である。
【
図7】
図5に示す容器から被覆部を非表示とした図である。
【
図13】ヘアアクセサリを裏面側から見た図である。
【
図14】ヘアアクセサリを一側方から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。なお、図面をわかりやすくするために平面図であってもハッチングを付す場合がある。
【0011】
<玩具セットの概要>
まず、本実施の形態における玩具セットの概要について説明する。
図1は、玩具セットの構成例を示す図である。
玩具セットは、例えば、コンパクトと呼ばれる容器100と、容器100に装着可能な装飾玩具を有しており、装飾玩具としては、例えば、
図1に示される指輪200やヘアアクセサリ300を挙げることができる。特に、本実施の形態における玩具セットでは、容器100に指輪200を装着することもできるし、指輪200に替えてヘアアクセサリ300を容器100に装着することができる。つまり、本実施の形態における玩具セットは、異なる種類の装飾玩具を取り替えて容器100に装着することが可能なよう構成されている点に特徴点があり、この特徴点によって、容器100の外観デザインを変化させることができる結果、容器100と装飾玩具からなる玩具セットの興趣性を向上できる。
【0012】
図1において、容器100は、物品を収納可能に構成されており、第1の凹部11を有する収納部10と、収納部10に取り付けられた被覆部20を備えている。そして、被覆部20は、第2の凹部21を有しているとともに、収納部10に対して開閉可能なように取り付けられている。このとき、被覆部20は、収納部10に対して開いた状態において、収納部10側から第2の凹部21が見えないように覆う機能を有する遮蔽部22を有しており、この遮蔽部22には、鏡23が取り付けられている。
【0013】
一方、
図1において、装飾玩具の1つである指輪200は、人体の指に嵌め込む身体装着部210と、身体装着部210に接続された装飾部220を有している。身体装着部210は、容器100の被覆部20に設けられた第2の凹部21に挿入可能に構成されている一方、装飾部220には、興趣性に寄与するデザインが施されている。このように構成されている装飾玩具の1つである指輪200は、身体装着部210を第2の凹部21に挿入する一方、装飾部220を第2の凹部21の外側に配置した状態で被覆部20に装着可能に構成されている。例えば、
図2は、容器100に指輪200を装着した玩具セット500を示す図である。
図2に示すように、指輪200は、身体装着部210を第2の凹部21に挿入する一方、装飾部220を第2の凹部21の外側に配置した状態で、容器100の被覆部20に装着されることがわかる。
【0014】
同様に、
図1において、装飾玩具の1つであるヘアアクセサリ300は、髪に縛り付ける身体装着部310と、身体装着部310に接続された装飾部320を有している。身体装着部310は、容器100の被覆部20に設けられた第2の凹部21に挿入可能に構成されている一方、装飾部320には、興趣性に寄与するデザインが施されている。このように構成されている装飾玩具の1つであるヘアアクセサリ300は、身体装着部310を第2の凹部21に挿入する一方、装飾部320を第2の凹部21の外側に配置した状態で被覆部20に装着可能に構成されている。例えば、
図3は、容器100にヘアアクセサリ300を装着した玩具セット500を示す図である。
図3に示すように、ヘアアクセサリ300は、身体装着部310を第2の凹部21に挿入する一方、装飾部320を第2の凹部21の外側に配置した状態で、容器100の被覆部20に装着されることがわかる。ここでは、身体装着部310に接続された装飾部320を有する装飾玩具をヘアアクセサリとしたが、身体装着部310は髪に縛り付ける用途に限定されるものではなく、腕など、他の身体部位に装着することもできる。
【0015】
以上のように、容器100は、装飾玩具である指輪200やヘアアクセサリ300を装着可能に構成されており、例えば、
図2と
図3を比較するとわかるように、容器100に指輪200を装着した玩具セットの外観デザインと、容器100にヘアアクセサリ300を装着した玩具セットの外観デザインとが異なる。このことから、本実施の形態における玩具セットによれば、容器100に装着する装飾玩具の種類を変えることによって、異なる外観デザインを手に入れることができる結果、興趣性に優れた玩具セットを実現することができる。つまり、本実施の形態における玩具セットは、興趣性に優れた玩具セットを提供する観点から、容器100が身体装着部の構成および装飾部の構成の少なくともいずれかが異なる複数種類の装飾玩具のうちから選択された1つの装飾玩具を装着可能に構成されていることが望ましい。これにより、本実施の形態の玩具セットによれば、容器100に装着する装飾玩具の種類を変えることによって、玩具セットの外観デザインを様々に変化させることができる結果、興趣性に優れた玩具セットを提供することができる。
【0016】
このように、玩具セットは、容器100と異なる2種類以上の装飾玩具とを備えることが興趣性を向上する観点から望ましい。ただし、本実施の形態における玩具セットは、容器100と1種類の装飾玩具を備える構成であってもよい。なぜなら、容器100に対しして装飾玩具が着脱可能に構成されていれば、たとえ、1種類の装飾玩具しか提供されていない場合であっても、装飾玩具を装着していない容器100の外観デザインと、装飾玩具を装着した容器100の外観デザインとを変化させることができる結果、興趣性を向上することができるからである。このように考えると、本実施の形態における玩具セットの本質は、容器100に対して装飾玩具が着脱可能に構成されている点にあるといえる。
【0017】
なお、例えば、容器100の収納部10に収納される物品としては、
図4に示すような様々な種類のヘアクリップ付きヘアエクステンションなどを挙げることができる。ただし、収納部10に収納される物品は、これに限定されるものではなく、第1の凹部11に収納可能な物品であれば、その物品の種類は問わない。
【0018】
以上のことをまとめると、本実施の形態における玩具セットは、以下の構成を有する。すなわち、
図2または
図3に示すように、玩具セット500は、物品を収納可能な容器100と、容器100に着脱可能に構成された少なくとも1つの装飾玩具(指輪200、ヘアアクセサリ300)を含む。ここで、容器100は、第1の凹部11を有する収納部10と、収納部10に取り付けられた被覆部20を備え、被覆部20は、第2の凹部21を有する。一方、装飾玩具(指輪200、ヘアアクセサリ300)は、第2の凹部21に挿入可能な身体装着部(210、310)と、身体装着部(210、310)に接続された装飾部(220、320)を備える。
【0019】
特に、容器100に着目すると、容器100は、第1の凹部11を有する収納部10と、収納部10に取り付けられ、かつ、第2の凹部21を有する被覆部20を備え、第2の凹部21に挿入可能な身体装着部(210、310)および身体装着部(210、310)に接続された装飾部(220、320)を有する装飾玩具(指輪200、ヘアアクセサリ300)を装着可能に構成される。
【0020】
また、装飾玩具(指輪200、ヘアアクセサリ300)に着目すると、装飾玩具(指輪200、ヘアアクセサリ300)は、第1の凹部11を有する収納部10および収納部10に取り付けられ、かつ、第2の凹部21を有する被覆部20を備える容器100に装着可能であり、第2の凹部21に挿入可能な身体装着部(210、310)と、身体装着部(210、310)に接続された装飾部(220、320)を有する。
【0021】
<具体的構成例>
<<容器の構成例>>
次に、玩具セットの具体的構成例について説明する。
図5は、容器100の構成例を示す図である。
図5において、容器100は、収納部10と被覆部20を有し、被覆部20の表面には、装飾デザインが施されている。そして、被覆部20の中央部には、第2の凹部21が設けられており、この第2の凹部21を囲む領域には、第1パターン24が形成されている。
【0022】
図6は、容器100を一側方から見た図である。
図6において、被覆部20は、収納部10に取り付けられており、収納部10に対して開閉可能なように構成されている。特に、本実施の形態では、容器100に収納部10に対する被覆部20の開角度を所定値以下に制限するための開角度制限部30が設けられている。これにより、被覆部20が所定の角度以上に開くことが抑制されて、容器100を取り扱いやすくなる。
【0023】
図7は、
図5に示す容器100から被覆部20を非表示とした図である。
図7に示すように、遮蔽部22には、鏡を取り付けるための取付部22aが設けられており、この取付部22aと接するように第2の凹部21が配置されていることがわかる。ここで、非表示の被覆部20が収納部10に対して開いたとき、被覆部20に取り付けられている遮蔽部22も被覆部20と一体化して移動するように構成されている。この結果、非表示の被覆部20が収納部10に対して開いた場合であっても、遮蔽部22によって第2の凹部21が見えないように覆われる。すなわち、被覆部20に取り付けられた遮蔽部22は、被覆部20を開けたとき、第2の凹部21が使用者から見えないようにする機能を有している。そして、この遮蔽部22に鏡を取り付けるための取付部22aが設けられていることにより、例えば、
図8に示すように、被覆部20を開けたとき、鏡23が使用者に対向する位置に配置されることになり、使用者は、鏡23によって自分の顔を確認することができる。
【0024】
また、
図8に示すように、収納部10には、遮蔽板12が設けられている。そして、
図9は、この遮蔽板12も非表示とした図である。
図9に示すように、収納部10には、第1の凹部11が形成されている。この第1の凹部11には、物品を収納可能であり、例えば、
図4に示すヘアクリップ付きヘアエクステンション400などを収納できる。
以上のようにして、容器100が構成されている。
【0025】
<<指輪の構成例>>
続いて、指輪200の構成例について説明する。
図10は、指輪200の構成例を示す図である。
図10において、指輪200は、使用者の指に装着可能な身体装着部210と、この身体装着部210と接続された装飾部220とを有している。身体装着部210は、指に装着可能なようにリング状になっている。一方、装飾部220には、装飾デザインが施されている。
【0026】
図11は、指輪200を裏面側から見た図である。
図11に示すように、指輪200は、身体装着部210と装飾部220とを接続する接続部230を備える。つまり、指輪200は、接続部230によって、身体装着部210と装飾部220とを接続している。そして、指輪200は、さらに、筒状部位240を備えている。この筒状部位240は、
図5に示す第2の凹部21の側部に接触させて、第2の凹部21に嵌め込み可能に構成されている。このようにして、筒状部位240を第2の凹部21に嵌め込むことにより、指輪200は、容器100に装着される。このとき、指輪200の身体装着部210は、第2の凹部21の内部に挿入される。
【0027】
また、指輪200の装飾部220の裏面(被覆部20への装着時に被覆部と対向する面)には、第2パターン250が形成されている。この第2パターン250は、
図5に示す第2の凹部21より浅い凹部により構成される第1パターン24に嵌め込み可能に構成されている。これにより、筒状部位240を第2の凹部21に嵌め込むことによって容器100に装着された指輪200は、さらに、第2パターン250の第1パターン24への嵌め込みによって、指輪200の被覆部20に対する所定方向の変位が抑制される。具体的には、
図5および
図11に示すように、第1パターン24の凹部の平面形状と第2パターン250の平面形状とを互いに対応する形状にし、第2パターン250の第1パターン24への嵌め込みを可能にすることによって、指輪200の第2の凹部21の周りでの回転を抑制することができる。
【0028】
なお、
図11に示すように、筒状部位240は、接続部230を3次元的に内包するように配置されている。言い換えれば、筒状部位240は、接続部230を囲むように形成されている。これにより、指輪200では、筒状部位240によって接続部230を見えないように隠すことができる。つまり、筒状部位240は、第2の凹部21に嵌め込み可能に構成されていることにより、指輪200を容器100に装着するための機能を有しているとともに、接続部230の少なくとも一部を周囲から視認不可能に隠す機能も有しており、この接続部230を隠す機能によって、接続部230が露出することによる指輪200の美観低下を抑制している。
以上のようにして、指輪200が構成されている。
【0029】
<<ヘアアクセサリの構成例>>
次に、ヘアアクセサリ300の構成例について説明する。
図12は、ヘアアクセサリ300の構成例を示す図である。
図12において、ヘアアクセサリ300は、「蝶々」を模したデザイン形状から構成される装飾部320を有している。
【0030】
図13は、ヘアアクセサリ300を裏面側から見た図である。
図13に示すように、ヘアアクセサリ300は、身体装着部310と装飾部320とを接続する接続部330を備える。つまり、ヘアアクセサリ300は、接続部330によって、身体装着部310と装飾部320とを接続している。そして、ヘアアクセサリ300は、さらに、筒状部位340を備えている。ここで、本明細書では、
図13に示すような「切込み構造」を有する嵌め込み部も「筒状部位340」という概念に含まれるものとする。この「筒状部位340」は、
図5に示す第2の凹部21に嵌め込み可能に構成されており、「筒状部位340」とは、第2の凹部21に嵌め込む「嵌め込み部位」と表現することもできる。
【0031】
このように構成されている筒状部位240を第2の凹部21に嵌め込むことにより、ヘアアクセサリ300は、容器100に装着される。このとき、ヘアアクセサリ300の身体装着部310(例えば、ゴム紐)は、第2の凹部21の内部に挿入される。
【0032】
また、筒状部位340の装飾部320側の根元には、被覆部20との当接によって第2の凹部21への筒状部位340の嵌め込みを規制する突起部350が形成されている。この突起部350は、被覆部20に対するヘアアクセサリ300の向きを固定する。言い換えれば、突起部350は、被覆部20に対するヘアアクセサリ300の「がたつき」を抑制するために設けられている。さらに言い換えれば、起部350は、被覆部20に対するヘアアクセサリ300の装着状態を安定させるために設けられている。
【0033】
例えば、
図14は、ヘアアクセサリ300を一側方から見た図である。
図14に示すように、ヘアアクセサリ300の装飾部320は、側方から見るとV字形状をしていることがわかる。この場合、筒状部位340を第2の凹部に根元まで嵌め込むと、装飾部320がV字形状をしていることに起因して、第2の凹部と接触する装飾部320が「がたつく」ことなる。そこで、本実施の形態では、
図14に示すように、筒状部位340が第2の凹部に根元まで嵌め込まれることを規制し、突起部350と被覆部20との当接によって被覆部20に対して装飾部320を支持する突起部350を設けている。この場合、突起部350によって、筒状部位340が第2の凹部に根元まで嵌め込まれないことから、V字形状をした装飾部320と第2の凹部との不安定な接触状態が回避される結果、第2の凹部と接触する装飾部320が「がたつく」ことを抑制することができる。
【0034】
なお、
図13に示すように、筒状部位340は、接続部230を囲むように形成されている。これにより、ヘアアクセサリ300では、筒状部位340によって接続部330を見えにくくすることができる。これにより、接続部230が露出することによるヘアアクセサリ300の美観低下を抑制することができる。
以上のようにして、ヘアアクセサリ300が構成されている。
【0035】
<実施の形態における特徴>
続いて、本実施の形態における特徴点について説明する。
本実施の形態における第1特徴点は、例えば、
図2および
図3に示すように、容器100に指輪200やヘアアクセサリ300に代表される装飾玩具を取り替えて装着可能なように構成されている玩具セットを実現している点にある。すなわち、より抽象的に言えば、容器100に身体装着部の構成および装飾部の構成の少なくともいずれかが異なる複数種類の装飾玩具のうちから選択された1つの装飾玩具を装着可能なように構成されている玩具セットが実現している点に本実施の形態における第1特徴点がある。これにより、本実施の形態の玩具セットによれば、容器100に装着する装飾玩具の種類を変えることによって、玩具セットの外観デザインを様々に変化させることができる結果、興趣性に優れた玩具セットを提供することができる。
【0036】
次に、本実施の形態における第2特徴点は、例えば、
図6に示すように、被覆部20が収納部10に対して開閉可能に構成されていることを前提として、容器100に収納部10に対する被覆部20の開角度を所定値以下に制限するための開角度制限部30が設けられている点にある。これにより、被覆部20を収納部10に対して開いたときに、被覆部20が所定の角度以上に開くことを抑制できる。この結果、収納部10に対して開いた被覆部20の角度を適度な角度に固定することができることから、玩具セットの使い勝手を向上させることができる。
【0037】
さらに、本実施の形態における第3特徴点は、例えば、
図7に示すような第2の凹部21を容器100の被覆部20に設けるとともに、装飾玩具に筒状部位を設けて、この筒状部位を第2の凹部21に嵌め込むように構成している点にある。具体的には、装飾玩具の1つである指輪200では、筒状部位240を設けて、この筒状部位240を第2の凹部21に嵌め込むことによって、指輪200を容器100に装着している。同様に、装飾玩具の1つであるヘアアクセサリ300では、筒状部位340を設けて、この筒状部位340を第2の凹部21に嵌め込むことによって、ヘアアクセサリ300を容器100に装着している。すなわち、本実施の形態における第3特徴点は、容器100に第2の凹部21を設ける一方、様々な種類の装飾玩具に筒状部位を設ける構成を採用することによって、様々な種類の装飾玩具を容器100に装着可能な汎用構成を実現している点にあるといえる。これにより、上述した第1特徴点を実現できる。
【0038】
さらに、複数種類の装飾玩具のそれぞれにおいて、装飾部と身体装着部とを接続する接続部を囲むように筒状部位を設けることによって、接続部が見えなくなることで装飾玩具の外観デザインが接続部の影響を受けにくくなる結果、興趣性を向上できる。すなわち、筒状部位は、第2の凹部に嵌め込んで装飾玩具を容器に装着させるという本来の機能だけでなく、興趣性の向上に寄与する機能を有しているということができる。このことから、本実施の形態における第3特徴点は、様々な種類の装飾玩具を容器100に装着可能な汎用構成を提供する観点から有用であるだけでなく、興趣性を向上する観点からも有用であるということができる。
【0039】
ただし、容器100に第2の凹部21を設ける一方、様々な種類の装飾玩具に筒状部位を設ける構成を採用して、第2の凹部21に筒状部位を嵌め込むことにより、容器100に装飾玩具を装着する構成では、容器100に装着玩具を嵌め込んだ状態での装着玩具の回転を抑制することが困難である。そこで、容器100に装着玩具を嵌め込んだ状態での装着玩具の回転を抑制する工夫が第4特徴点である。
【0040】
すなわち、本実施の形態における第4特徴点は、例えば、
図5に示すように、容器100の被覆部20の表面に第1パターン24を形成し、かつ、
図11に示すように、指輪(装飾玩具)200の装飾部220の裏面に第2パターン250を設けることにより、筒状部位を第2の凹部21に嵌め込むことによって容器100に装着された装飾玩具(指輪200)において、さらに、第2パターン250が第1パターン24に嵌め込まれる点にある。これにより、第4特徴点によれば、第2パターン250の第1パターン24への嵌め込みによって、装飾玩具(指輪200)の回転を抑制することができる。
【0041】
続いて、本実施の形態における第5特徴点は、例えば、
図14に示すように、筒状部位340の装飾部320側の根元に、被覆部との当接によって第2の凹部への筒状部位340の嵌め込みを規制する突起部350が設けられている点にある。これにより、突起部350によって、筒状部位340が第2の凹部に根元まで嵌め込まれないことから、V字形状をした装飾部320と第2の凹部との不安定な接触状態が回避される結果、第2の凹部と接触する装飾部320が「がたつく」ことを抑制することができる。
【0042】
すなわち、突起部350によって、装飾部320を被覆部に対して支持するため、所定の装着状態が保たれる。
【0043】
この第5特徴点の技術的思想は、上述した
図14のように、装飾部320のV字形状に起因する「がたつき」だけでなく、装飾部320の裏面が平坦ではなくデザイン的に凹凸形状が形成される結果、装飾部320の裏面と第2の凹部との不安定な接触状態に起因する「がたつき」を抑制する観点からも有効な思想である。
【0044】
以上、本発明者によってなされた発明をその実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0045】
10 収納部
11 第1の凹部
12 遮蔽板
20 被覆部
21 第2の凹部
22 遮蔽部
23 鏡
24 第1パターン
30 開角度制限部
100 容器
200 指輪
210 身体装着部
220 装飾部
230 接続部
240 筒状部位
250 第2パターン
310 身体装着部
320 装飾部
330 接続部
340 筒状部位
350 突起部
400 ヘアクリップ付きヘアエクステンション
500 玩具セット