(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023065645
(43)【公開日】2023-05-12
(54)【発明の名称】電池パックにスリープモードを提供する集積回路を有する電池パック及び関連する外科用器具
(51)【国際特許分類】
A61B 17/072 20060101AFI20230502BHJP
【FI】
A61B17/072
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023034373
(22)【出願日】2023-03-07
(62)【分割の表示】P 2019571727の分割
【原出願日】2018-05-23
(31)【優先権主張番号】15/634,436
(32)【優先日】2017-06-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】517076008
【氏名又は名称】エシコン エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Ethicon LLC
【住所又は居所原語表記】#475 Street C, Suite 401, Los Frailes Industrial Park, Guaynabo, Puerto Rico 00969, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】シェルトン・ザ・フォース・フレデリック・イー
(72)【発明者】
【氏名】ベンデリー・マイケル・ジェイ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】電池パックにスリープモードを提供する集積回路を有する電池パック及び関連する外科用器具を提供する。
【解決手段】提供される装置は、ハンドルアセンブリ11及び電池パック110を含む。ハンドルアセンブリは、筐体12、及び筐体内に位置する第1の制御回路を含む。電池パックアセンブリは、電源及び第2の制御回路を含む。電源は、第1の状態から第2の状態に選択的に遷移するように構成されている。電源は、第1の状態でハンドルアセンブリの第1の制御回路に通電するように構成されている。電源は、第2の状態でハンドルアセンブリの第1の制御回路に通電しないように構成されている。第2の制御回路は、第1の状態と第2の状態との間で電源を遷移するように構成されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)ハンドルアセンブリであって、
(i)筐体、及び
(ii)前記筐体内に位置する第1の制御回路と、を備えるハンドルアセンブリと、
(b)電池パックアセンブリであって、
(i)第1の状態から第2の状態に選択的に遷移するように構成されている電源であって、前記第1の状態で前記ハンドルアセンブリの前記第1の制御回路に通電し、前記第2の状態では前記ハンドルアセンブリの前記第1の制御回路に通電しないように構成されている電源、及び
(ii)前記電源と通信状態にある第2の制御回路であって、前記第1の状態と前記第2の状態との間で前記電源を遷移させるように構成されている第2の制御回路、を備える電池パックアセンブリと、を備え、
前記ハンドルアセンブリと前記電池パックアセンブリは、分離可能に構成されており、
前記電池パックアセンブリの前記第2の制御回路が前記ハンドルアセンブリの前記第1の制御回路に選択的に電力を供給するように構成されている、装置。
【請求項2】
前記ハンドルアセンブリが、前記第1の制御回路と通信状態にある第1の連結アセンブリを更に備え、
前記電池パックアセンブリは、前記電源が前記第1の制御回路に選択的に通電し得るように、前記ハンドルアセンブリの前記第1の連結アセンブリと通信するように構成されている第2の連結アセンブリを更に備え、
前記第2の制御回路が、前記第2の連結アセンブリと通信状態にある、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第1の連結アセンブリが、第1の組の電気接点を備え、
前記第2の連結アセンブリが、第2の組の電気接点を備える、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記第1の連結アセンブリが、前記第2の連結アセンブリに選択的に取り付けられるように構成されている、請求項2に記載の装置。
【請求項5】
前記電池パックアセンブリが、前記第2の制御回路と通信状態にある電源ボタンを更に備え、
前記電源ボタンが、前記第2の制御回路に指示して、前記電源を、前記電源ボタンの起動に応答して前記第2の状態から前記第1の状態に遷移させるように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記電池パックアセンブリが、前記第2の制御回路と通信状態にある加速度計を更に備え、
前記加速度計は、前記電池パックアセンブリの動きを検出するように構成され、
前記加速度計は、前記第2の制御回路に指示して、前記電源を、前記加速度計が前記電池パックアセンブリの動きを検出するのに応答して、前記第2の状態から前記第1の状態に遷移させるように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記第2の制御回路は、前記電源が前記第2の状態にあるときに、前記電源から電力を引き出すように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記第2の制御回路は、前記電源が前記第2の状態にある間に、前記電源の推定電池寿命を計算するように構成されている、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記第2の制御回路が、前記第2の状態の前記電源に関連付けられた時間値を追跡するように構成されている、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記第2の制御回路が、前記第2の状態の前記電源に関連付けられた温度値を追跡するように構成されている、請求項8に記載の装置。
【請求項11】
前記第1の制御回路と前記第2の制御回路とは、前記電源が前記第1の状態にある間に通信状態にある、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記第1の制御回路が、前記第2の制御回路に指示して、前記電源を前記第1の状態から前記第2の状態に遷移させるように構成されている、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記第1の制御回路は、前記第2の制御回路に指示して、前記電源を前記第2の状態から前記第1の状態に遷移させるのを禁止されている、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
モジュラーシャフトを更に備え、
前記ハンドルアセンブリが、前記モジュラーシャフトと選択的に連結するように構成されているシャフト連結アセンブリを更に備える、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記第1の制御回路は、前記ハンドルアセンブリが前記モジュラーシャフトと連結されるときに、前記モジュラーシャフトと通信するように構成されている、請求項14に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
切開創をより小さくすることで、術後の回復時間及び合併症を低減させ得ることから、一部の状況では、従来の開腹外科用デバイスよりも内視鏡外科用器具が好ましい場合がある。このため、内視鏡外科用器具の中には、トロカールのカニューレを通して所望の手術部位に遠位エンドエフェクタを配置するのに適したものがある。これらの遠位エンドエフェクタは、様々な形で組織と係合して診断又は治療効果を得ることができる(例えば、エンドカッター、把持具、カッター、ステープラ、クリップアプライヤ、アクセスデバイス、薬物/遺伝子治療送達デバイス、及び、超音波振動、RF、レーザなどを使用するエネルギー送達デバイスなど)。内視鏡外科用器具は、エンドエフェクタとハンドル部分との間に、臨床医によって操作されるシャフトを含み得る。このようなシャフトは、所望の深さへの挿入及びシャフトの長手方向軸を中心とした回転を可能にし、それにより患者の体内でエンドエフェクタの位置付けを行うことを容易にする。エンドエフェクタの位置付けは、エンドエフェクタをシャフトの長手方向軸に対して選択的に関節動作させるか又は別様に偏向させることを可能にする、1つ以上の関節ジョイント又は機構を含めることによって更に容易にすることができる。
【0002】
内視鏡外科用器具の例として、外科用ステープラが挙げられる。このようなステープラのいくつかは、組織層をクランプし、クランプされた組織層を切断し、組織層を通してステープルを打ち込むことによって、組織層の切断された端部の近くで、切断された組織層同士を互いに実質的にシールするように動作可能である。単なる例示的な外科用ステープラは、2006年2月21日に発行された、米国特許第7,000,818号、名称「Surgical Stapling Instrument Having Separate Distinct Closing and Firing Systems」、2008年6月3日に発行された、米国特許第7,380,696号、名称「Articulating Surgical Stapling Instrument Incorporating a Two-Piece E-Beam Firing Mechanism」、2008年7月29日に発行された、米国特許第7,404,508号、名称「Surgical Stapling and Cutting Device」、2008年10月14日に発行された、米国特許第7,434,715号、名称「Surgical Stapling Instrument Having Multistroke Firing with Opening Lockout」、2010年5月25日に発行された、米国特許第7,721,930号、名称「Disposable Cartridge with Adhesive for Use with a Stapling Device」、2013年4月2日に発行された、米国特許第8,408,439号、名称「Surgical Stapling Instrument with An Articulatable End Effector」、及び2013年6月4日に発行された、米国特許第8,453,914号、名称「Motor-Driven Surgical Cutting Instrument with Electric Actuator Directional Control Assembly」、に開示されている。上に引用した米国特許の各々の開示内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0003】
上述した外科用ステープラは、内視鏡手術において使用されるものとして記載されているが、このような外科用ステープラは、開口手術及び/又は他の非内視鏡手術でも使用することができることを理解されたい。単なる例として、トロカールをステープラの導管として使用しない胸部外科手術では、外科用ステープラを開胸術によって患者の肋骨の間に挿入し、1つ以上の臓器に到達させることができる。このような手術では、肺につながる血管を切断及び閉鎖するためにステープラが使用される場合もある。例えば、臓器につながる血管を、胸腔から臓器を切除する前にステープラによって切断して閉鎖することができる。当然のことながら、外科用ステープラは、様々な他の状況及び手術において使用され得る。
【0004】
開胸術に特に好適であり得る又は使用され得る外科用ステープラの例は、2014年8月28日に公開された米国特許出願公開第2014/0243801号、名称「Surgical Instrument End Effector Articulation Drive with Pinion and Opposing Racks」、2014年8月28日に公開された米国特許出願公開第2014/0239041号、名称「Lockout Feature for Movable Cutting Member of Surgical Instrument」、2014年8月28日に公開された米国特許出願公開第2014/0239038号、名称「Surgical Instrument with Multi-Diameter Shaft」、及び2014年8月28日に公開された米国特許出願公開第2014/0239044号、名称「Installation Features for Surgical Instrument End Effector Cartridge」に開示されている。上に引用した米国特許出願公開の各々の開示内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0005】
いくつかの外科用器具及びシステムが作製され使用されてきたが、本発明者らよりも以前に、添付の特許請求の範囲に記載する本発明を作製又は使用した者は存在しない、と考えられている。
【図面の簡単な説明】
【0006】
本明細書は、本技術を具体的に指摘し、かつ明確にこの技術を特許請求する、特許請求の範囲により完結するが、本技術は、以下のある特定の実施例の説明を添付図面と併せ読むことでよりよく理解されるものと考えられ、図面において同様の参照符号は同じ要素を特定する。
【
図1】交換式シャフトアセンブリ及びハンドルアセンブリを含む例示的な外科用器具の斜視図である。
【
図2】器具のハンドルアセンブリから分解されたシャフトアセンブリを示す、
図1の器具の斜視図である。
【
図3】器具のハンドルアセンブリから分解されたシャフトアセンブリを示す、
図1の器具の部分斜視図である。
【
図4A】閉鎖トリガが第1の枢動位置にあり、かつ発射トリガが第1の枢動位置にある、
図1の器具の近位部分の側面図である。
【
図4B】閉鎖トリガが第2の枢動位置にあり、かつ発射トリガが第2の枢動位置にある、
図1の器具の近位部分の側面図である。
【
図4C】閉鎖トリガが第2の枢動位置にあり、かつ発射トリガが第3の枢動位置にある、
図1の器具の近位部分の側面図である。
【
図5】ハンドルアセンブリから電池を取り外した、
図1の器具の近位部分の斜視図である。
【
図6】
図1の器具と共に使用することができる代替的な数々のシャフトアセンブリの側面図である。
【
図7A】
図1の外科用器具に容易に組み込まれ得る例示的な代替的ハンドルアセンブリと例示的な代替的電池パックを、両者が互いから分離された状態で示す概略図である。
【
図7B】
図7Aのハンドルアセンブリ及び電池パックを、両者が互いに連結されている状態で示す概略図である。
【
図8】内部構成要素を露呈させるために一部分が切り取られた、
図7Aのハンドルアセンブリ及び電池パックの部分斜視図である。
【
図9】
図7Aのハンドルアセンブリ又は
図1の外科用器具に容易に組み込まれ得る、別の例示的な代替的電池パックの模式図である。
【
図10】例示的な事前殺菌用流体分配アセンブリの斜視図である。
【0007】
図面は、いかなる方式でも限定することを意図しておらず、本技術の様々な実施形態は、図面に必ずしも描写されていないものを含め、その他の様々な方式で実施し得ることが企図される。本明細書に組み込まれ、本明細書の一部をなす添付図面は、本技術のいくつかの態様を例示しており、その説明と共に本技術の原理を説明するものであるが、本技術は、示される厳密な構成に限定されないことが理解されよう。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本技術の特定の実施例の以下の説明文は、その範囲を限定する目的で用いられるべきではない。本技術の他の実施例、特徴、態様、実施形態、及び利点は、実例として、本技術を実施する上で想到される最良の態様の1つである以下の説明により、当業者には明らかとなるであろう。理解されるように、本明細書に記載される技術は、いずれもその技術から逸脱することなく、その他の異なる、かつ明らかな態様が可能である。したがって、図面及び説明は、限定的な性質のものではなく、例示的な性質のものと見なされるべきである。
【0009】
本明細書に記載される教示、表現、実施形態、実施例などの任意の1つ以上のものを、本明細書に記載される他の教示、表現、実施形態、実施例などの任意の1つ以上のものと組み合わせることができる点も、更に理解されよう。したがって、以下に記載される教示、表現、実施形態、実施例などは、互いに対して切り離して考慮されるべきではない。本明細書の教示を考慮することで、本明細書の教示を組み合わせることができる様々な好適な方法が、当業者には容易に明らかとなろう。このような改変及び変形形態は、「特許請求の範囲」の範囲内に含まれるものとする。
【0010】
本開示の明瞭さのために、「近位」及び「遠位」という用語は、遠位外科用エンドエフェクタを有する外科用器具を把持する操作者又は他の操作者に対して本明細書で定義される。用語「近位」とは、操作者又はその他の操作者により近い要素の位置を意味し、用語「遠位」とは、外科用器具の外科用エンドエフェクタにより近く、かつ操作者又はその他の操作者からより離れた要素の位置を意味する。本明細書に記載される外科用器具は、切断及びステープル留めのためのモータ付き用具を含むが、本明細書に記載される構成は、例えば、カッター、把持具、ステープラ、RFカッター/凝固器、超音波カッター/凝固器、及びレーザーカッター/凝固器などの、任意の好適な種類の電気外科用器具と共に使用され得ることが理解される。
【0011】
I.例示的な外科用器具の概要
図1は、ハンドルアセンブリ(11)及び取り外し可能なシャフトアセンブリ(16)を含む、モータ駆動外科用切断及び締結器具(10)を示す。いくつかの変形例では、ハンドルアセンブリ(11)及びシャフトアセンブリ(16)は、それぞれ、単回使用の使い捨て構成要素が提供される。いくつかの他の変形例では、ハンドルアセンブリ(11)及びシャフトアセンブリ(16)は、それぞれ、再使用可能な構成要素として提供される。別の単なる例示的な実施例として、シャフトアセンブリ(16)は、単回使用の使い捨て構成要素として提供することができ、一方で、ハンドルアセンブリは、再使用可能な構成要素として提供される。本明細書の教示を考慮することで、再使用のために好適に再処理することができるハンドルアセンブリ(11)及びシャフトアセンブリ(16)の再使用可能な変形例が当業者に明らかになるであろう。
【0012】
本実施例のハンドルアセンブリ(11)は、筐体(12)と、閉鎖トリガ(32)と、発射トリガ(33)と、を含む。筐体(12)の少なくとも一部分は、臨床医が把持し、操作し、作動させるように構成されたハンドル(14)を形成する。筐体(12)は、シャフトアセンブリ(16)に動作可能に取り付けるように構成され、このシャフトアセンブリには、外科用エンドエフェクタ(18)が動作可能に連結される。下で説明するように、エンドエフェクタ(18)は、1つ以上の外科用タスク又は手術を実行するように構成される。具体的には、
図1に示される例のエンドエフェクタ(18)は、従来のエンドカッターのエンドエフェクタに類似する様態で、外科用切断及びステープル留め手術を行うように動作可能であるが、これは、単なる1つの例示的な実施例にすぎないことを理解されたい。
【0013】
図1は、交換式シャフトアセンブリ(16)がハンドルアセンブリ(11)に動作可能に連結された、外科用器具(10)を示す。
図2、
図3は、ハンドル(14)の筐体(12)への交換式シャフトアセンブリ(16)の取り付けを示す。ハンドル(14)は、ねじ、スナップ機構、接着剤などで相互接続することができる一対の相互接続可能なハンドル筐体セグメント(22、24)を含む。例示される構成では、ハンドル筐体セグメント(22、24)は、臨床医が把持及び操作することができるピストルグリップ部分(26)を形成するように協働する。以下で更に詳細に考察されるように、ハンドル(14)は、その中に複数の駆動システムを動作可能に支持し、それら駆動システムは、それに動作可能に取り付けられた交換式シャフトアセンブリ(16)の対応する部分に対して、様々な制御運動を生成及び適用するように構成されている。下で更に詳細に論じるように、トリガ(32、33)は、ハンドル(14)の駆動システムの少なくともいくつかを起動させるように、ピストルグリップ部分(26)に向かって枢動可能である。
【0014】
ハンドルアセンブリ(11)内の駆動システムの少なくともいくつかは、最終的に、概略的に
図5に示されるモータ(118)によって駆動される。本実施例では、モータ(118)は、ピストルグリップ部分(26)において位置付けられるが、モータ(118)は、任意の他の好適な位置に位置付けられ得ることを理解されたい。モータ(118)は、ハンドル(14)に固定された電池パック(110)から電力を受信する。本実施例では、
図5に示されるように、電池パック(110)は、ハンドル(14)から取り外し可能である。いくつかの他の変形例において、電池パック(110)は、ハンドル(14)から取り外し可能でない。いくつかのこのような変形例において、電池パック(110)(又はその変形形態)は、ハンドル筐体セグメント(22、24)内に完全に収容される。モータ(118)及び電池パック(110)がとり得る様々な好適な形態は、本明細書の教示を考慮することで当業者に明らかになるであろう。
【0015】
図5にも概略的に示されるように、制御回路(117)は、ハンドル(14)内に収容される。単なる例として、制御回路(117)は、本明細書の教示を考慮することで当業者に明らかになるであろうように、マイクロコントローラ及び/又は様々な他の構成要素を備えることができる。制御回路(117)は、制御アルゴリズムを駆動モータ(118)に記憶し、実行するように構成される。制御回路(117)はまた、ハンドルアセンブリ(11)の近位端部に位置付けられたグラフィカルユーザインターフェース(116)を駆動するようにも構成される。いくつかの変形例において、制御回路(117)は、シャフトアセンブリ(16)から1つ以上の信号を受信し、処理するように構成される。単なる例として、制御回路(117)は、その開示内容が参照により本明細書に組み込まれる、2015年10月1日に公開された、米国特許出願公開第2015/0272575号、名称「Surgical Instrument Comprising a Sensor System」の教示の少なくとも一部に従って、構成され、動作可能であり得る。制御回路(117)が構成され、動作可能であり得る他の好適な方法は、本明細書の教示を考慮することで当業者に明らかになるであろう。
【0016】
図3で最もよく分かるように、ハンドル(14)のフレーム(28)は、複数の駆動システムを動作可能に支持する。この特定の例では、フレーム(28)は、全体として、(30)に指定される「第1の」又は閉鎖駆動システムを動作可能に支持し、この閉鎖駆動システムは、そこに動作可能に取り付けられた、又は連結された交換式シャフトアセンブリ(16)に閉鎖運動及び開放運動を適用するために用いることができる。また、この特定の例では、閉鎖駆動システム(30)は、フレーム(28)によって枢動可能に支持された閉鎖トリガ(32)の形態のアクチュエータを含む。より具体的には、閉鎖トリガ(32)は、ピン(図示せず)によって筐体(14)に枢動可能に連結される。このような構成は、閉鎖トリガ(32)が臨床医によって操作されることを可能にし、よって、臨床医がハンドル(14)のピストルグリップ部分(26)を把持したとき、閉鎖トリガ(32)を、開始位置又は「非作動」位置(
図4A)からピストルグリップ部分(26)に向かって「作動」位置へと、より具体的には完全圧縮位置又は完全作動位置(
図4B)へと容易に枢動させることができる。閉鎖トリガ(32)は、ばね又は他の付勢構成(図示せず)によって非作動位置へと付勢されてもよい。
【0017】
本実施例では、閉鎖駆動システム(30)は、閉鎖トリガ(32)に枢動可能に連結された閉鎖リンク機構アセンブリ(36)を更に含む。閉鎖リンク機構アセンブリ(36)の一部分を
図3に示す。閉鎖リンク機構アセンブリ(36)は、ともにピン(図示せず)によって閉鎖トリガ(32)に枢動可能に連結された第1の閉鎖リンク(図示せず)と、第2の閉鎖リンク(38)と、を含むことができる。第2の閉鎖リンク(38)はまた、本明細書において、「取り付け部材」とも称され得るが、横方向取り付けピン(42)を含む。
図3に示されるように、取り付けピン(42)は、シャフトアセンブリ(16)がハンドルアセンブリ(11)から取り外されたときに露出する。したがって、下で更に詳細に説明するように、取り付けピン(42)は、シャフトアセンブリ(16)がハンドルアセンブリ(11)に連結されたときに、シャフトアセンブリ(16)の相補的な機構と連結することができる。
【0018】
更に
図1~
図3を参照すると、第1の閉鎖リンク(図示せず)は、フレーム(28)に枢動可能に連結された閉鎖解放アセンブリ(44)と協働するように構成されている。少なくとも1つの例において、閉鎖解放アセンブリ(44)は、解放ボタンアセンブリ(46)を有し、遠位に突出するロッキングポール(図示せず)がその上に形成される。解放ボタンアセンブリ(46)は、解放ばね(図示せず)によって反時計回りの方向に枢動し得る。臨床医が閉鎖トリガ(32)をその非作動位置からハンドル(14)のピストルグリップ部分(26)に向かって押下すると、第1の閉鎖リンク(図示せず)は、ロッキングポール(図示せず)が第1の閉鎖リンク(図示せず)と保持係合する点に向かって上向きに枢動し、それにより、閉鎖トリガ(32)が非作動位置に戻ることを防ぐ。したがって、閉鎖解放アセンブリ(44)は、閉鎖トリガ(32)を完全作動位置でロックする働きをする。
【0019】
臨床医が閉鎖トリガ(32)を作動位置からロック解除して非作動位置に戻したいとき、臨床医は、単純に、閉鎖解放ボタンアセンブリ(46)を遠位に付勢することによって、閉鎖解放ボタンアセンブリ(46)を枢動させ、よって、ロッキングポール(図示せず)が第1の閉鎖リンク(図示せず)との係合から外れるように移動する。ロッキングポール(図示せず)が第1の閉鎖リンク(図示せず)との係合から外れるように移動するときに、弾性付勢が閉鎖トリガ(32)を非作動位置に戻すように付勢することに応答して、閉鎖トリガ(32)を非作動位置に戻すことができる。他の閉鎖トリガロック及び解放構成が用いられてもよい。
【0020】
交換式シャフトアセンブリ(16)は、シャフトアセンブリ(16)の長手方向軸に対して所望の位置にエンドエフェクタ(18)を解放可能に保持するように構成され得る、関節ジョイント(52)と関節ロック(図示せず)とを更に含む。本実施例では、関節ジョイント(52)は、当該技術分野で既知であるように、エンドエフェクタ(18)をシャフトアセンブリ(16)の長手方向軸から離れて横方向に偏向させることを可能にするように構成される。単なる例として、エンドエフェクタ(18)、関節ジョイント(52)、及び関節ロック(図示せず)は、2014年9月18日に公開された、米国特許出願公開第2014/0263541号、名称「Articulatable Surgical Instrument Comprising an Articulation Lock」の教示の少なくとも一部に従って、構成され、動作可能であり得る。
【0021】
本実施例では、関節ジョイント(52)の関節は、ハンドルアセンブリ(11)上の関節コントロールロッカー(112)を介した操作者からの制御入力に基づいて、モータ(118)を介してモータ駆動される。単なる例として、操作者が関節制御ロッカー(112)の上部分を押下したとき、エンドエフェクタ(18)は、関節ジョイント(52)において(器具(10)を上から見て)右へと横方向に枢動することができ、操作者が関節制御ロッカー(112)の下部分を押下したとき、エンドエフェクタ(18)は、関節ジョイント(52)において(器具(10)を上から見て)左へと横方向に枢動することができる。いくつかの変形例において、ハンドルアセンブリ(11)の他方の側部は、別の関節制御ロッカー(112)を含む。このような変形例において、ハンドルアセンブリ(11)の他方の側部上の関節制御ロッカー(112)は、関節制御ロッカー(112)の上への作動及び関節制御ロッカー(112)の下への作動に応答して、エンドエフェクタ(18)の上記の方向とは反対方向への枢動を提供するように構成することができる。単なる例として、関節ジョイント(52)においてエンドエフェクタ(18)の関節のモータ駆動を提供する関節制御ロッカー(112)及び残りの機構は、その開示内容が参照により本明細書に組み込まれる、2015年10月1日に公開された、米国特許出願公開第2015/0280384号、名称「Surgical Instrument Comprising a Rotatable Shaft」の教示の少なくとも一部に従って、構成され、動作可能であり得る。関節ジョイント(52)においてエンドエフェクタ(18)の関節のモータ駆動を提供する関節制御ロッカー(112)及び残りの機構が構成され、動作可能であり得る他の適切な方法は、本明細書の教示を考慮することで当業者に明らかになるであろう。
【0022】
本実施例のエンドエフェクタ(18)は、ステープルカートリッジ(20)をその中で動作可能に支持するように構成された、細長いチャネル(48)の形態の下側ジョーを備える。本実施例のエンドエフェクタ(18)は、細長いチャネル(48)に対して枢動可能に支持された、アンビル(50)の形態の上側ジョーを更に含む。交換式シャフトアセンブリ(16)は、ノズル部分(56、58)から成る近位筐体又はノズル(54)と、エンドエフェクタ(18)の閉鎖及び/又は開放アンビル(50)に利用することができる閉鎖管(60)と、を更に含む。シャフトアセンブリ(16)はまた、閉鎖シャトル(62)をシャーシ(64)に対して軸方向に移動させることができるように、シャフトアセンブリ(16)のシャーシ(64)内で摺動可能に支持された閉鎖シャトル(62)も含む。閉鎖シャトル(62)は、第2の閉鎖リンク(38)に取り付けられた取り付けピン(42)への取り付けのために構成されている、近位に突出する一対のフック(66)を含む。閉鎖管(60)の近位端部(図示せず)は、それに対する相対的回転のために閉鎖シャトル(62)に連結されるが、閉鎖管(60)と閉鎖シャトル(62)との組み合わせは、閉鎖管(60)及び閉鎖シャトル(62)の互いの長手方向への移動を提供する。閉鎖ばね(図示せず)が閉鎖管(60)上に軸支され、閉鎖管(60)を近位方向(PD)に付勢する働きをし、それによって、シャフトアセンブリ(16)がハンドル(14)に動作可能に連結されたとき、閉鎖トリガ(32)を非作動位置へと枢動させる働きをし得る。
【0023】
本実施例では、関節ジョイント(52)は、二重枢軸閉鎖スリーブアセンブリ(70)を含む。二重枢軸閉鎖スリーブアセンブリ(70)は、その開示内容が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2014/0263541に開示される様々な様態で開口タブをアンビル(50)に係合するための、エンドエフェクタ閉鎖スリーブアセンブリ(72)を含む。関節ジョイント(52)が関節動作状態であるとき(すなわち、エンドエフェクタ(18)が、関節ジョイント(52)においてシャフトアセンブリ(16)の長手方向軸から横方向に離れて枢動可能に偏向するとき)であっても、閉鎖トリガ(32)の枢動に応答して、二重枢軸閉鎖スリーブアセンブリ(70)が閉鎖管(60)と共に移動するように、二重枢軸閉鎖スリーブアセンブリ(70)が、閉鎖管(60)と連結されることを理解されたい。更に、エンドエフェクタ閉鎖スリーブアセンブリ(72)とアンビル(50)との係合は、二重枢軸閉鎖スリーブアセンブリ(70)及び閉鎖管(60)の遠位移動に応答した、アンビル(50)のステープルカートリッジ(20)に向かう枢動、及び二重枢軸閉鎖スリーブアセンブリ(70)及び閉鎖管(60)の近位移動に応答した、ステープルカートリッジ(20)から離れるアンビル(50)の枢動を提供する。本例のシャフトアセンブリ(16)は関節ジョイント(52)を含むが、他の交換式シャフトアセンブリは、関節動作能力を欠いていてもよい。
【0024】
図3に示されるように、シャーシ(64)は、フレーム(28)の遠位取り付けフランジ部分(78)内に形成された、対応するダブテールスロット(76)内に受容されるように適合された、シャーシ上に形成された一対の先細取り付け部分(74)を含む。各ダブテールスロット(76)は、取り付け部分(74)を中に着座的に受容するように、先細であってもよく、又は略V字形であってもよい。シャフト取り付けラグ(80)が、中間発射シャフト(82)の近位端上に形成される。したがって、交換式シャフトアセンブリ(16)がハンドル(14)に連結されたとき、シャフト取り付けラグ(80)は、長手方向駆動部材(86)の遠位端部に形成された発射シャフト取り付けクレードル(84)内に受容される。シャフト取り付けラグ(80)が発射シャフト取り付けクレードル(84)内に受容されたとき、中間発射シャフト(82)は、長手方向駆動部材(86)と共に長手方向に移動する。当該技術分野で知られているように、中間発射シャフト(82)が遠位に移動するとき、中間発射シャフト(82)がエンドエフェクタ(18)を作動させて、ステープルを組織に打ち込み、組織を切断する。単なる例として、エンドエフェクタ(18)のこの作動は、その開示内容が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2015/0280384号に従って、及び/又は本明細書に引用される様々な他の参考文献の少なくとも一部の教示に従って実行することができる。
【0025】
図4A~
図4Cは、エンドエフェクタ(18)の異なる作動状態の間のハンドルアセンブリ(11)の異なる状態を示す。
図4Aでは、ハンドルアセンブリ(11)は、閉鎖トリガ(32)が非作動枢動位置にあり、かつ発射トリガ(33)が非作動枢動位置にある状態である。この段階で、エンドエフェクタ(18)は、アンビル(50)がステープルカートリッジ(20)から離れて枢動される、開放状態にある。
【0026】
図4Bでは、ハンドルアセンブリ(11)は、閉鎖トリガ(32)が作動枢動位置にある状態である。上で述べたように、閉鎖トリガ(32)は、操作者が解放ボタンアセンブリ(46)を作動させるまでこの位置にロックされる。この段階で、エンドエフェクタは、アンビル(50)がステープルカートリッジ(20)に向かって枢動される、閉鎖状態にあるが未発射状態であり、よって、組織は、アンビル(50)とカートリッジ(20)との間で圧縮されている。しかしながら、発射シャフト(82)は、まだステープルカートリッジ(20)からステープルを作動させるために遠位に駆動されておらず、発射シャフト(82)の遠位端部のナイフは、アンビル(20)とステープルカートリッジ(20)との間で組織をまだ切断していない。発射トリガ(33)は、非作動枢動位置から作動枢動位置への閉鎖トリガ(32)の移動のため、
図4Bの部分的に作動した枢動位置にあることに留意されたい。しかしながら、発射トリガ(33)のこの移動は、操作者の発射トリガ(33)へのアクセスを向上させるためにのみ提供される。換言すれば、
図4Aに示される位置から
図4Bに示される位置への発射トリガ(33)のこの移動は、発射シーケンスをまだ起動させない。
【0027】
図4Cでは、ハンドルアセンブリは、閉鎖トリガ(32)が作動枢動位置のままであり、かつ発射トリガ(33)が作動枢動位置に枢動された状態にある。発射トリガ(33)のこの作動は、モータ(118)を起動させて、長手方向駆動部材(86)を長手方向に駆動し、次に、発射シャフト(82)を長手方向に駆動する。発射シャフト(82)の長手方向の移動は、アンビル(50)とステープルカートリッジ(20)との間で圧縮された組織の中への、ステープルカートリッジ(20)からのステープルの作動をもたらし、更に、アンビル(50)とステープルカートリッジ(20)の間で圧縮された組織の切断をもたらす。いくつかの変形例では、追加の安全トリガが提供される。例えば、追加の安全トリガは、安全トリガが作動するまで、発射トリガ(33)の作動を防ぐことができる。換言すれば、
図4Bに示される状態に到達した後に、操作者が発射トリガ(33)を作動させる準備をしたとき、操作者は、最初に安全トリガを作動させ、次いで、発射トリガ(33)を作動させなければならない。安全トリガの存在が、発射トリガ(33)の不用意な作動を防ぎ得ることを理解されたい。
【0028】
また、本実施例では、ステープルカートリッジ(20)に向かうアンビル(50)の作動は、単に機械的連結を通して閉鎖トリガ(32)とアンビル(50)との間に提供され、よって、アンビル(50)を作動させるためにモータ(118)を使用しないことも理解されたい。また、本実施例では、発射シャフト(82)の作動(したがって、ステープルカートリッジ(20)の作動)が、モータ(118)の起動を通して提供されることも理解されたい。加えて、関節ジョイント(52)の作動は、本実施例のモータ(118)の起動を通して提供される。関節ジョイント(52)のこのモータ駆動の作動は、駆動部材(86)の長手方向の移動を介して提供される。シャフトアセンブリ(16)内のクラッチアセンブリ(図示せず)は、駆動部材(86)の長手方向の移動と、関節ジョイント(52)を駆動するか又はステープルカートリッジ(20)を作動させるための機構とを選択的に連結するように動作可能である。このようなクラッチアセンブリを介した選択的な連結は、閉鎖トリガ(32)の枢動位置に基づく。具体的には、閉鎖トリガ(32)が
図4Aに示される非作動位置にあるとき、(関節制御ロッカー(112)の起動に応答した)モータ(118)の起動が関節ジョイント(52)を駆動する。閉鎖トリガ(32)が
図4Bに示される作動位置にあるとき、(発射トリガ(33)の作動に応答した)モータ(118)の起動がステープルカートリッジ(20)を作動させる。単なる例として、クラッチアセンブリは、その開示内容が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2015/0280384号の教示の少なくともいくつかに従って、構成され、動作可能であり得る。
【0029】
本実施例では、ハンドルアセンブリ(11)はまた、「ホーム」ボタン(114)も含む。単なる例として、アンビル(50)が閉鎖位置にあるとき、「ホーム」ボタン(114)は、モータ(118)を起動させて、駆動部材(86)を最近位の「ホーム」位置へと近位に後退させるように動作可能であり得る。加えて、又は代替的に、アンビル(50)が開放位置にあるときに、「ホーム」ボタン(114)は、モータ(118)を起動させて、関節ジョイント(52)を駆動して、非関節動作状態を達成し、よって、エンドエフェクタ(18)がシャフトアセンブリ(16)と同軸状に整列するように動作可能であり得る。加えて又は代替的に、「ホーム」ボタン(114)は、「ホーム」画面に戻るために、グラフィカルユーザインターフェース(116)を起動させ得る。本明細書の教示を考慮することで、「ホーム」ボタン(114)の起動に応答して提供され得る他の好適な動作が当業者に明らかになるであろう。
【0030】
本実施例のシャフトアセンブリ(16)は、連結シャフトアセンブリ(16)をハンドルアセンブリ(11)に、より具体的にはフレーム(28)に、取り外し可能に連結するためのラッチシステムを更に含む。単なる例として、このラッチシステムは、シャーシ(64)に移動可能に連結されたロックヨーク又は他の種類のロック部材を含むことができる。
図3に示されるように、このようなロックヨークは、フレーム(28)内の対応するロックデテント又は溝(98)と解放可能に係合するように構成された2つの近位突出ロックラグ(96)を含むことができる。いくつかの変形例では、ロックヨークは、弾性部材(例えば、ばねなど)によって近位方向に付勢される。ロックヨークの作動は、シャーシ(64)に装着されたラッチアクチュエータアセンブリ(102)上に摺動可能に装着されたラッチボタン(100)によって達成することができる。ラッチボタン(100)は、ロックヨークに対して近位方向に付勢することができる。ロックヨークは、ラッチボタン(100)を遠位方向に付勢することによってアンロック位置へと移動させることができ、これはまた、ロックヨークを枢動させて、フレーム(28)との係合保持を解除する。ロックヨークがフレーム(28)との「係合保持」状態であるとき、ロックラグ(96)は、対応するロックデテント又は溝(98)内に係合して着座される。更なる単なる例として、シャフトアセンブリ(16)は、その開示内容が参照により本明細書に組み込まれる、2017年3月30日に公開された、米国特許出願公開第2017/0086823号、名称「Surgical Stapling Instrument with Shaft Release,Powered Firing,and Powered Articulation」の教示の少なくとも一部に従って、その開示内容が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2015/0280384号の教示の少なくともいくつかに従って、及び/又は任意の他の好適な適切な様式で、ハンドルアセンブリ(11)と取り外し可能に連結され得る。
【0031】
シャフトアセンブリ(16)とハンドルアセンブリ(11)との間の連結プロセスを開始するために、臨床医は、シャーシ(64)上に形成された先細取り付け部分(74)がフレーム(28)内のダブテールスロット(76)と整合されるように、フレーム(28)の上方に、又はそれに隣接して、交換式シャフトアセンブリ(16)のシャーシ(64)を位置付けることができる。次いで、臨床医は、シャフトアセンブリ(16)を、シャフトアセンブリ(16)の長手方向軸に垂直な取り付け軸(IA)に沿って移動させて、取り付け部分(74)を対応するダブテール受容スロット(76)と「動作可能な係合」で着座させることができる。その際、中間発射シャフト(82)上のシャフト取り付けラグ(80)も、長手方向に移動可能な駆動部材(86)のクレードル(84)内に着座され、第2の閉鎖リンク(38)上にあるピン(42)の部分が、閉鎖シャトル(62)内の対応するフック(66)内に着座される。本明細書で使用するとき、2つの構成要素の文脈における「動作可能な係合」という用語は、それら2つの構成要素が互いに十分に係合され、そのため、作動運動をそれらに適用すると、構成要素が、意図される行為、機能、及び/又は手順を実行し得ることを意味する。
【0032】
上で論じたように、交換式シャフトアセンブリ(16)の少なくとも5つのシステムが、ハンドル(14)の少なくとも5つの対応するシステムと動作可能に連結され得る。第1のシステムは、シャフトアセンブリ(16)のフレーム又はスパインをハンドル(14)のフレーム(28)と連結する、及び/又は整列させる、フレームシステムを備える。第2のシステムは、シャフトアセンブリ(16)をハンドル(14)に解放可能にロックする、ラッチシステムである。
【0033】
第3のシステムは、ハンドル(14)の閉鎖トリガ(32)、及び閉鎖管(60)、及びシャフトアセンブリ(16)のアンビル(50)を動作可能に接続することができる、閉鎖駆動システム(30)である。上で概説したように、シャフトアセンブリ(16)の閉鎖シャトル(62)は、第2の閉鎖リンク(38)上にあるピン(42)と係合する。閉鎖駆動システム(30)を通して、アンビル(50)は、閉鎖トリガ(32)のピストルグリップ(26)に向かう、及びそこから離れる枢動に基づいて、ステープルカートリッジ(20)に向かって、及びそこから離れて枢動する。
【0034】
第4のシステムは、ハンドル(14)の発射トリガ(33)とシャフトアセンブリ(16)の中間発射シャフト(82)とを動作可能に接続する、関節及び発射駆動システムである。上で概説したように、シャフト取り付けラグ(80)は、長手方向駆動部材(86)のクレードル(84)と動作可能に接続する。この第4のシステムは、閉鎖トリガ(32)の枢動位置に応じて、関節ジョイント(52)又はステープルカートリッジ(20)のモータ駆動の作動を提供する。閉鎖トリガ(32)が非作動枢動位置にあるとき、第4のシステムは、関節制御ロッカー(112)を関節ジョイント(52)と動作可能に接続し、それにより、関節ジョイント(52)におけるシャフトアセンブリ(11)の長手方向軸に向かう、及びそこから離れるエンドエフェクタ(18)のモータ駆動の枢動偏向を与える。閉鎖トリガ(32)が作動枢動位置にあるとき、第4のシステムは、発射トリガ(33)をステープルカートリッジ(20)と動作可能に接続し、発射トリガ(33)の作動に応答して、アンビル(50)とステープルカートリッジ(20)との間に捕捉された組織のステープル留め及び切断をもたらす。
【0035】
第5のシステムは、シャフトアセンブリ(16)がハンドル(14)と動作可能に係合されたことをハンドル(14)の制御回路(117)に信号で伝えて、シャフトアセンブリ(16)とハンドル(14)との間で通電する、及び/又は信号を通信する、電気システムである。本実施例では、
図3に示されるように、シャフトアセンブリ(16)は、シャフト回路基板(図示せず)に動作可能に装着された電気コネクタ(106)を含む。電気コネクタ(106)は、ハンドル制御基板(図示せず)上の対応する電気コネクタ(108)と嵌合係合するように構成される。回路及び制御システムに関する更なる詳細は、その開示内容が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2014/0263541号、及び/又はその開示内容が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2015/0272575号に見出すことができる。
【0036】
ハンドル(14)の対応するシステムと動作可能に連結することができる交換式シャフトアセンブリ(16)の他の種類のシステムは、本明細書の教示を考慮することで当業者に明らかになるであろう。
【0037】
上で述べたように、本実施例のハンドルアセンブリ(11)は、グラフィカルユーザインターフェース(116)を含む。単なる例として、グラフィカルユーザインターフェース(116)を使用して、電池(110)の動作状態、エンドエフェクタ(18)の動作状態、関節ジョイント(52)の動作状態、トリガ(32、33)の動作状態に関する様々な情報、及び/又は任意の他の種類の情報を表示することができる。グラフィカルユーザインターフェースを介して表示することができる他の適切な種類の情報は、本明細書の教示を考慮することで当業者に明らかになるであろう。
【0038】
ハンドルアセンブリ(11)は、異なるサイズ及び種類のステープルカートリッジを支持するように適合されたエンドエフェクタを含み、異なるシャフト長、サイズ、及び種類等を有する交換式シャフトアセンブリと接続して使用するように構成することができる。単なる例として、
図6は、ハンドルアセンブリ(11)と共に使用することができる様々な異なる種類のシャフトアセンブリ(16、120、130、140)を示す。具体的には、
図6は、円形ステープル留め動作(例えば、端々吻合)を実行するように動作可能であるエンドエフェクタ(122)を有する円形ステープラシャフトアセンブリ(120)、線形ステープル留め動作を実行するように動作可能であるエンドエフェクタ(132)を有するライナステープラシャフトアセンブリ(130)、及びエンドエフェクタ(18)と同じ種類のステープル留め及び切断動作を行うように動作可能であるエンドエフェクタ(142)を有する第2のエンドカッターシャフトアセンブリ(140)を示す。しかしながら、この実施例では、シャフトアセンブリ(140)は、シャフトアセンブリ(16)よりも短く、シャフトアセンブリ(140)は、シャフトアセンブリ(16)よりも直径が小さく、エンドエフェクタ(142)は、エンドエフェクタ(18)よりも小さい。これらの様々な外科用ステープル留めシャフトアセンブリ(16、120、130、140)は、単なる例示的な実施例にすぎないことを理解されたい。
【0039】
また、制御回路(117)は、ハンドルアセンブリ(11)と連結されているシャフトアセンブリ(16、120、130、140)の種類を検出し、その特定の種類のシャフトアセンブリ(16、120、130、140)に好適な制御アルゴリズムを選択するように構成され得ることも理解されたい。別の単なる例示的な実施例として、各シャフトアセンブリ(16、120、130、140)は、その特定の種類のシャフトアセンブリ(16、120、130、140)に好適な制御アルゴリズムを記憶するチップ又は他のメモリデバイスを有することができ、制御回路(117)は、シャフトアセンブリ(16、120、130、140)がハンドルアセンブリ(11)と連結された後に、その制御アルゴリズムを受信及び実行することができる。
【0040】
加えて、ハンドルアセンブリ(11)はまた、例えば、高周波(RF)エネルギー、超音波エネルギー及び/又は運動などの他の運動及び種類のエネルギーを、様々な外科用途及び手術に関連して使用するように適合されたエンドエフェクタ構成に印加するように構成されたアセンブリを含む、様々な他の交換式シャフトアセンブリと共に効果的に用いることもできる。更に、エンドエフェクタ、シャフトアセンブリ、ハンドル、外科用器具及び/又は外科用器具システムは、任意の好適な締結具(複数可)を利用して組織を締結することができる。例えば、中に着脱可能に格納された複数の締結具を備える締結具カートリッジが、シャフトアセンブリのエンドエフェクタに着脱可能に挿入及び/又は装着され得る。そのようなカートリッジの様々な例は、本明細書に列挙される様々な参考文献に開示されている。
【0041】
本明細書に開示される様々なシャフトアセンブリ(16)は、ハンドル付きのアセンブリ(11)内の制御回路(117)との電気通信を必要とするセンサ及び他の様々な構成要素を用いることができる。電気通信は、電気コネクタ(106、108)を嵌合させることを介して提供することができる。単なる例として、このようなセンサ及び他の構成要素は、その開示内容が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2015/0272575号の教示の少なくともいくつかに従って構築され、動作可能であり得る。加えて又は代替的に、器具(10)は、本明細書に列挙される他の様々な参考文献のうちのいずれかの教示の少なくとも一部に従って構築され、かつ動作可能であってもよい。
【0042】
本明細書に開示される様々な教示が、ロボット制御式外科用システムと接続して、効果的に利用することができることを理解するであろう。したがって、「筐体」又は「本体」という用語はまた、本明細書に開示される交換式シャフトアセンブリ及びそれらのそれぞれの同等物を作動させるために使用することができる、少なくとも1つの制御運動を生成及び適用するように構成された少なくとも1つの駆動システムを収容するか又は別様に動作可能に支持する、ロボットシステムの筐体又は同様の部分も包含することができる。「フレーム」という用語は、手持ち式外科用器具の一部分を指してもよい。「フレーム」という用語はまた、ロボット制御式の外科用器具の一部分、及び/又は外科用器具を動作可能に制御するために使用され得るロボットシステムの一部分も表すことができる。単なる例として、本明細書に開示される交換式シャフトアセンブリは、その開示内容が参照により本明細書に組み込まれる、2015年7月7日に発行された、米国特許第9,072,535号、名称「Surgical Stapling Instruments with Rotatable Staple Deployment Arrangements」に開示される、様々なロボットシステム、器具、構成要素、及び方法のいずれかと共に用いることができる。
【0043】
II.独立した集積回路を有する電池パックを備える外科用器具
上述したように、ハンドルアセンブリ(11)は、電池パック(110)と、制御回路(117)と、閉鎖トリガー(32)を含む第1の駆動システム(30)と、中間発射シャフト(82)を長手方向に駆動するように構成されたモータ(118)と、を含む。電池パック(110)は、モータ(118)に電力を供給するように構成され、一方、制御回路(117)は、モータ(118)を駆動するために制御アルゴリズムを記憶及び実行するように構成されている。第1の駆動システム(30)の閉鎖トリガー(32)の枢動位置に応じて、モータ(118)は、制御ロッカー(112)(
図4Aに示される位置)、又は発射トリガ(33)(
図4B及び
図4Cに示される位置)によって駆動されてもよい。したがって、制御回路(117)が制御ロッカー(112)又は発射トリガ(33)のいずれかにモータ(118)を作動させることを可能にするように、第1の駆動システム(30)が制御回路(117)と通信状態にあってもよい。
【0044】
制御回路(117)は、制御回路(117)が上記の機能を実行し得るように、電池パック(110)から電力を引き出すように構成されてもよい。更に、制御回路(117)は、モータ(118)を駆動するための制御アルゴリズムを記憶及び実行するように構成されているため、制御回路(117)は、モータ(118)にいつ電力を供給するかを電池パック(110)に指示し得る。したがって、制御回路(117)は、電池パック(110)から電力を引き出して、制御回路(117)自身と、モータ(118)と、例えばグラフィカルユーザインターフェース(116)のような、ハンドルアセンブリ(11)の他の好適な構成要素とに電力を供給することができる。
【0045】
制御回路(117)はまた、ハンドルアセンブリ(11)を「スリープモード」に入らせたり、その「スリープモード」を制御するように構成されてもよい。スリープモードでは、制御回路(117)は、グラフィックユーザインターフェース(116)及びモータ(118)への電力供給などのいくつかの機能を実行することを停止することができ、それによって、非スリープモードでの動作と比較して、電池パック(110)のエネルギー消耗を低下させる。しかしながら、制御回路(117)は、制御回路(117)がそれ自体のスリープモードを制御しているとき、電池パック(110)のエネルギーを依然として幾分か消耗させ得る。単なる一例として、制御回路(117)はそれ自体のスリープモードを制御することができるため、制御回路(117)は電池パック(110)のエネルギーを依然として幾分か使って、ホームボタン(114)又は制御ロッカー(112)を押すなどの一般的又は特定のユーザ入力に応答して、制御回路(117)が完全に再起動される可能性に対して制御回路(117)がいつも備えておくことができる。
【0046】
本明細書における教示を鑑みると、当業者に明白であろうと思われる任意の好適な理由により、制御回路(117)は自身のスリープモードに入り得る。例えば、制御回路(117)が、所定の期間内に様々なソースからいかなるユーザ入力/命令をも受信しない場合には、制御回路(117)はスリープモードになってよい。別の例として、制御回路(117)は、ホームボタン(114)を所定の時間押し続けるなどの特定のユーザ入力に応答してスリープモードになってもよい。更に別の例として、制御回路(117)は、モーションセンサ(例えば、加速度計など)からの入力がない状態で所定の時間経過後に、スリープモードに入ってもよい。
【0047】
制御回路(117)は、制御回路(117)がそれ自体のスリープモードに入り、それを制御するときに、電池パック(110)内に蓄積されたエネルギーを不必要に消耗し得るため、ハンドルアセンブリ(11)の制御回路(117)に対して自律的に機能し得る、自前の独立した回路機構を有する代替的な電池パックを提供することが有益であり得る。そのような代替的な電池パックの独立した回路機構は、上述の電池パック(110)のように、制御回路(117)が、電池パックがハンドルアセンブリ(11)に電力をいつ供給するかを指示することを可能にするのではなくむしろ、ある電池パックがそれ自体の回路機構及び制御回路(117)に電力をいつ供給するかを、その電池パック自身が制御することを可能にし得る。同様に、独立した回路を有する代替的な電池パックは、その電池パックがモータ(118)、グラフィカルユーザインターフェース(116)、又はハンドルアセンブリ(11)の他の好適な構成要素に電力をいつ供給するかを制御してもよい。換言すれば、代替的な電池パックは、ハンドルアセンブリ(11)に対して独立してシャットダウンされてもよく、あるいは独立して、それ自体の「スリープモード」に入ったり、それ自体の「スリープモード」を制御したりすることができる。したがって、代替的な電池パックは、制御回路(117)が、代替的な電池パックの電源を不必要に消耗させることを防止することができる。更に、代替的な電池パックの独立した回路機構は、制御回路(117)と通信して、情報を更に交換することができる。代替的な電池パックの例については以下に詳述するが、本明細書の教示を考慮することで更なる例が当業者には明らかとなるであろう。
【0048】
A.例示的な代替的ハンドルアセンブリ及び電池パックアセンブリ
図7A~
図8は、上述のハンドルアセンブリ(11)の代わりに、外科用器具(10)に容易に組み込まれ得る、例示的なハンドルアセンブリ(200)及び相補的な電池パックアセンブリ(300)を示す。ハンドルアセンブリ(200)は、後述する違いを除いて、上述したハンドルアセンブリ(11)と実質的に同様である。同様に、電池パックアセンブリ(300)は、後述する違いを除いて、上述した電池パック(110)と実質的に同様である。以下により詳細に記載されるように、電池パックアセンブリ(300)は、電池パックアセンブリ(300)がハンドルアセンブリ(200)に電力をいつ供給するか、それ自体のスリープモードにいつ入るか、及び/又はハンドルアセンブリ(200)といつ通信するかを制御する、それ自体の独立した制御回路(317)を含む。
【0049】
ハンドルアセンブリ(200)は、電池連結アセンブリ(210)を含み、電池パックアセンブリ(300)はハンドル連結アセンブリ(310)を含む。電池連結アセンブリ(210)及びハンドル連結アセンブリ(310)は、電池パックアセンブリ(300)及びハンドルアセンブリ(200)が互いに動作可能に係合して、電池パックアセンブリ(300)がハンドルアセンブリ(200)の好適な構成要素に電力を供給し得るようにすることを可能にするように構成されている。したがって、電池パックアセンブリ(300)及びハンドルアセンブリ(200)が連結アセンブリ(210、310)を介して動作可能な係合を解除されると、電池パックアセンブリ(300)は、ハンドルアセンブリ(200)の好適な構成要素に電力を供給することを防止され得る。連結アセンブリ(210、310)は、動作可能な係合のために用いられる、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなる任意の好適な機能部を含み得る。例えば、連結アセンブリ(210、310)は、ハンドルアセンブリ(11)とシャフトアセンブリ(16)との間の電気通信を確立するために使用される、上述の電気コネクタ(106、108)と同様の電気コネクタを含んでもよい。
【0050】
本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるように、ハンドルアセンブリ(200)及び電池パックアセンブリ(300)はまた、互いに機械的に取り付けられるための任意の好適な機構(例えば、ラッチなど)を含んでもよい。
図7A及び
図7Bに示されるように、本実施例では、電池パックアセンブリ(300)は、ハンドルアセンブリ(200)に対して、それぞれの連結アセンブリ(310、210)を介して、機械的に着脱され得る。しかしながらいくつかの他の変形例においては、電池パックアセンブリ(300)はハンドルアセンブリ(200)から取り外し可能ではない。いくつかのそのような変形例では、電池パックアセンブリ(300)(又はその変形形態)は、ハンドルアセンブリ(200)の筐体(212)に固着されるか、又は筐体(212)に永久的に固定されるか若しくは筐体(212)内に完全に収容されるように構成されている。同様に、本明細書の教示を考慮すれば、電池パックアセンブリ(300)をハンドルアセンブリ(200)と連結し得る様々な適切な方法が、当業者に明らかであろう。
【0051】
電池連結アセンブリ(210)に加えて、ハンドルアセンブリ(200)は、筐体(212)と、制御回路(217)と、第1の駆動システム(230)と、第2の駆動システム(250)と、シャフト連結アセンブリ(220)と、を更に含む。筐体(212)は、上述した筐体(12)と実質的に類似のものである。制御回路(217)は、後述する違いを除いて、上述した制御回路(117)と実質的に同様である。したがって、制御回路(217)は、制御アルゴリズムを記憶及び実行したり、グラフィカルユーザインターフェースを駆動したり、接続されたシャフトアセンブリ(16)と通信したり、あるいは制御回路(117)に関する上記の任意の他の好適な機能を発揮してもよい。制御回路(217)は、電池パックアセンブリ(300)から電力を受け取り、かつ/又は電池パックアセンブリ(300)と通信することができるように、電気接続部(204)を介して電池連結アセンブリ(210)と通信状態にあるが、これについては後程、詳しく説明する。
【0052】
第1の駆動システム(230)は、上述の閉鎖(第1の)駆動システム(30)と実質的に同様である。第1の駆動システム(230)は、上述のように、閉鎖(第1)駆動システム(30)の機能と実質的に同じ機能を実行してもよい。したがって、第1の駆動システム(230)は、上述の閉鎖トリガー(32)と実質的に同様の閉鎖トリガと、閉鎖(第1の)駆動システム(30)に関連する任意の他の構成要素を含んでもよい。第1の駆動システム(230)は、電気的接続部(204)を介して制御回路(217)と通信状態にあってもよい。
【0053】
第2の駆動システム(250)は、モータ(118)を含むハンドルアセンブリ(11)の駆動システムと実質的に同様である。したがって、第2の駆動システム(250)は、制御回路(217)によって制御されるモータを含んでもよい。更に、第2の駆動システム(250)は、上述のように、モータ(118)と共に使用されるハンドルアセンブリ(11)の他の全ての好適な構成要素を含んでもよい。第2の駆動システム(250)は、電気的接続部(204)を介して制御回路(217)と通信状態にあってもよい。本実施例では、第2の駆動システム(250)は、制御回路(217)を介して電池パックアセンブリ(300)から電力を受け取ることができるが、これは単に任意選択のことである。代替的に、好適な電力要件を満たすために、第2の駆動システム(250)は電池連結アセンブリ(210)に直接接続されてもよい。本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるように、第2の駆動システム(250)と電池パックアセンブリ(300)との間の他の任意の好適な電力接続法が用いられ得る。
【0054】
シャフト連結アセンブリ(220)は、上述のシャフトアセンブリ(16)とハンドルアセンブリ(11)との間の動作可能な係合と同様に、ハンドルアセンブリ(200)をシャフトアセンブリ(16)と選択的に連結して動作可能に係合させるように構成されている。シャフト連結アセンブリ(220)は、シャフトアセンブリ(16)と連結して動作可能に係合するために使用されるハンドルアセンブリ(11)と同様の任意の好適な構成要素を含んでもよい。シャフト連結アセンブリ(220)は、第1の駆動システム(230)及び第2の駆動システム(250)がシャフトアセンブリ(16)の対応する構成要素と動作可能に係合されるように、シャフトアセンブリ(16)とインターフェース接続することができる。したがって、第1の駆動システム(230)及び第2の駆動システム(250)は、上述のハンドルアセンブリ(11)と同様に、動作可能に取り付けられたときに、シャフトアセンブリ(16)の対応する部分に対して様々な制御運動を生成及び適用することができる。シャフト連結アセンブリ(220)は、制御回路(217)が、例えば回路基板(図示せず)などの、シャフトアセンブリ(16)の対応する電気的構成要素と電気コネクタ(106)を介して通信し得るように、電気接続部(204)を介して制御回路(217)と通信状態にあってもよい。
【0055】
電池パックアセンブリ(300)は、ケーシング(302)と、ハンドル連結アセンブリ(310)と、制御回路(317)と、加速度計(315)と、電源ボタン(320)と、電源(330)と、を含む。上述したように、かつ以下でより詳細に記載されるように、制御回路(317)は、電池パックアセンブリ(300)がハンドルアセンブリ(200)に電力をいつ供給するか、それ自体のスリープモードにいつ入るか、及び/又はハンドルアセンブリ(200)といつ通信するかを制御するように構成されている。以下で更に詳細に説明するように、電源ボタン(320)及び加速度計(315)は、制御回路(317)に対して指示して、スリープモードを終了させ、ハンドルアセンブリ(200)に完全な電力を提供させるように構成されてもよい。
【0056】
電源(330)は、電気ワイヤ(304)を介してハンドル連結アセンブリ(310)及び制御回路(317)と通信状態にある。制御回路(317)はまた、電気ワイヤ(304)を介してハンドル連結アセンブリ(310)と通信状態にある。制御回路(317)は、電源(330)に対して制御回路(317)に電力を提供させるように動作可能である。したがって、制御回路(317)は、制御回路(317)が本明細書に記載されるようなその意図された機能を実行し得るように、電源(330)から電力を引き出すことができる。制御回路(317)はまた、電池パックアセンブリ(300)の選択された部分に、ハンドルアセンブリ(200)の選択された部分に動作可能に係合させるか、又は動作可能な係合を解除させることもできる。ハンドルアセンブリ(200)及び電池パックアセンブリ(300)が連結アセンブリ(210、310)を介して動作可能に係合されると、電源(330)は、ハンドル連結アセンブリ(310)に電力を供給して、電源(330)が制御回路(217)などのハンドルアセンブリ(200)の様々な構成要素に電力を供給し得るようにしてもよい。また、ハンドルアセンブリ(200)及び電池パックアセンブリ(300)が連結アセンブリ(210、310)を介して動作可能に係合されると、制御回路(317)は、ハンドルアセンブリ(200)の対応する制御回路(217)と通信してもよい。したがって、ハンドルアセンブリ(200)及び電池パックアセンブリ(300)が動作可能な係合を解除されると、電源(330)は、ハンドルアセンブリ(200)の構成要素に電力を供給することができなくなる。
【0057】
制御回路(317)は、ハンドルアセンブリ(200)の制御回路(217)に対して自律的に機能する、独立した回路である。制御回路(317)は、制御回路(117)のスリープモードについて上述したものと同様に、自身のスリープモードに入ることができる。電池パックアセンブリ(300)の制御回路(317)は、スリープモードにある間に、電池パックアセンブリ(300)の制御回路(317)が、電源(330)から自身及びハンドルアセンブリ(200)に提供される電力を、完全に又は部分的に制限するのを可能にする、独立したスリープアルゴリズム、独立したスイッチング回路、及び独立した制御回路を有してもよい。したがって、制御回路(317)は、電池パックアセンブリ(300)がハンドルアセンブリ(200)と動作可能に係合されるか、あるいは動作可能な係合を解除されるかどうかを制御することができる。換言すれば、制御回路(317)は、電源(330)がハンドルアセンブリ(200)又は制御回路(317)に電力をいつ供給し得るかを制御するように構成されている。制御回路(317)が電源(330)からハンドルアセンブリ(200)に供給される電力を完全に制限すると、ハンドルアセンブリ(200)は本質的にシャットダウンされ得る。したがって、制御回路(317)がスリープモードを出てハンドルアセンブリ(200)に電力を供給すると、ハンドルアセンブリ(200)があたかも新しい電池パックアセンブリ(300)を受容しているかのように、ハンドルアセンブリ(200)は再起動してもよい。制御回路(317)はまた、制御回路(317)が電力を使用しないように、電源(330)によって制御回路(317)に提供される電力を完全に制限してもよい。
【0058】
場合によっては、スリープモードにある間、制御回路(317)は、電源(330)によってそれ自体に提供される電力を完全には制限しない。制御回路(317)が電力を完全には制限されていない場合、制御回路(317)は、電池パックアセンブリ(300)がスリープモードにある持続時間、スリープモードにある間の電池パックアセンブリ(300)の温度、及び他の好適な要因を追跡して、電池パックアセンブリ(300)がスリープモードにある時間及び電池パックアセンブリ(300)の環境によって影響される電源(330)の推定残り電池寿命を、制御回路(317)が計算し得るようにしてもよい。制御回路(317)がスリープモードを出て、電池パックアセンブリ(300)がハンドルアセンブリ(200)との動作可能な係合に復帰すると、制御回路(317)は、推定残り寿命をハンドルアセンブリ(200)の制御回路(217)に伝達してもよい。次いで、ハンドルアセンブリ(200)は、上述のグラフィカルユーザインターフェース(116)と同様のグラフィカルユーザインターフェースを介して、そのような情報を操作者に表示してもよい。この機能は、制御回路(317)がハンドルアセンブリ(200)及び電池パックアセンブリ(300)を、長期間にわたってスリープモードにする場合に有利であり得る。当然のことながら、制御回路(317)はまた、電池パックアセンブリ(300)がスリープモードにない間に経過した時間、スリープモードではない間の電池パックアセンブリ(330)の温度を追跡して、電池パックアセンブリ(330)がスリープモードにない時間、電池パックアセンブリ(300)の環境、及び使用方法によって影響される、電源(330)の推定残り電池寿命を制御回路(317)が計算し得るようにしてもよい。
【0059】
上述したように、連結アセンブリ(210、310)は、電気コネクタなどの、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなる、動作可能な係合のための任意の好適な機能部を含んでもよい。いくつかの例では、電池パックアセンブリ(300)及びハンドルアセンブリ(200)が互いに動作可能な係合を解除されているとき、連結アセンブリ(210、310)の電気コネクタは、互いに物理的な接続を解除され得る。したがって、電池パックアセンブリ(300)及びハンドルアセンブリ(200)が互いに動作可能に係合されるときには、連結アセンブリ(210、310)の電気コネクタは、物理的に互いに再接続され得る。このことは、本明細書の教示に鑑みれば当業者には既知である任意の好適な手段を通じて実現され得る。例えば、連結アセンブリ(310)の電気コネクタは、連結アセンブリ(210)の電気コネクタから自然に切断され、それによって、電池パックアセンブリ(300)及びハンドルアセンブリ(200)を動作可能な係合から解除させるように、電池パックアセンブリ(300)が、ばね仕掛けあるいは別の方法で付勢されてもよい。操作者が電池パックアセンブリ(300)とハンドルアセンブリ(200)とを動作可能に係合することを望むとき、操作者は、上記の付勢力を克服するように、ハンドルアセンブリ(200)に向かって電池パックアセンブリ(300)を押すとよい。次いで、電池パックアセンブリ(300)をハンドルアセンブリ(200)に向かって押す操作者の更なる支援なしに、物理的ラッチ又は電磁力が上記の付勢力を更に克服して、電池パックアセンブリ(300)及びハンドルアセンブリ(200)を動作可能に係合させるようになっていてもよい。制御回路(317)がスリープモードになる場合には、ラッチ部材又は電磁石力が解放されて、付勢力が電池パックアセンブリ(300)を、動作可能な係合が解除される位置に戻すことができる。
【0060】
本実施例では、電源(330)はハンドル連結アセンブリ(310)と直接通信し、電源(330)が電力をハンドル連結アセンブリ(310)に直接伝達し得るようになっている。しかしながら、これは単に任意のものであることが理解されるべきである。いくつかの例では、電源(330)は、制御回路(317)を介してハンドル連結アセンブリ(310)と通信状態にあってもよい。換言すれば、電源(330)が電力を制御回路(317)に伝達し、次に制御回路(317)がハンドル連結アセンブリ(310)に電力を伝達し、次にハンドル連結アセンブリ(310)がハンドルアセンブリ(200)の好適な構成要素に動作可能に係合されたときに、ハンドル連結アセンブリ(310)がそれらの構成要素に電力を伝達するようになっていてよい。
【0061】
上述したように、制御回路(317)は、電池パックアセンブリ(300)とハンドルアセンブリ(200)とが互いに動作可能に係合されたときに、ハンドルアセンブリ(200)の制御回路(217)と情報を交換するように構成されてもよい。いくつかの例では、ハンドルアセンブリ(200)の制御回路(217)は、操作者が制御回路(317)にスリープモードに入るように要求したということを、電池パックアセンブリ(300)の制御回路(317)に通信してもよい。操作者は、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかであろう任意の好適なユーザ入力を通じて、制御回路(317)をスリープモードにするように要求することができる。追加的又は代替的に、制御回路(217)は、ハンドルアセンブリ(200)が非活動状態であることを追跡してもよい。ハンドルアセンブリ(200)が所定の時間にわたって非活動状態であると制御回路(217)が判定した場合、制御回路(217)は、この非活動状態を示す信号を制御回路(317)に伝達して、制御回路(317)にスリープモードを開始させることができる。
【0062】
いくつかの例では、ハンドルアセンブリ(200)は、制御回路(317)に通信してスリープモードに入らせてもよく、ハンドルアセンブリ(200)はまた、スリープモードにある間、制御回路(317)への通信を制限されてもよく、それにより、電池パックアセンブリ(300)のみが制御回路(317)にスリープモードを終了するように指示することができるようにしてもよい。上述したように、電源ボタン(320)及び加速度計(315)は、制御回路(317)に対して指示して、スリープモードを終了させ、ハンドルアセンブリ(200)に完全な電力を提供させるように構成されてもよい。
図7A及び
図7Bに見られるように、電源ボタン(320)は、電線(304)を介して制御回路(317)と通信状態にある。電源ボタン(320)はケーシング(302)の外部部分からアクセス可能であり、操作者が電源ボタン(320)に容易にアクセスできるようになっている。操作者が電池パックアセンブリ(300)をスリープモードから再起動することを望んだ場合、操作者は電源ボタン(320)を押してもよく、それによって、制御回路(317)がスリープモードを終了するように指示することができる。
【0063】
加速度計(315)は、制御回路(317)に接続され、それにより、加速度計(315)は、電池パックアセンブリ(300)の動きを検出し、制御回路(317)に伝達することができるようになっている。加速度計(315)は、加速度計(315)が所定の閾値を上回る動きを検出した場合に、制御回路(317)にスリープモードを終了させるよう指示するように構成されてもよい。電池パックアセンブリ(300)がスリープモードから出て、自身に電力を再度供給するときに、制御回路は、ハンドルアセンブリ(200)に通電が行われる前に、所定の時間内の運動回数などの他の制御パラメーター、又は電源ボタン(320)が押圧された後に、加速度計によって検出された別の変化をチェックすることができるようになっていてよい。
【0064】
B.例示的な代替電池パックアセンブリ
図9は、上述の電池パックアセンブリ(300)の代わりにハンドルアセンブリ(200)に容易に組み込まれ得る、別の代替的な電池パックアセンブリ(350)を示す。電池パックアセンブリ(350)は、後述する違いを除いて、上述した電池パックアセンブリ(300)と実質的に同様である。電池パックアセンブリ(350)は、ケーシング(352)、ハンドル連結アセンブリ(360)、電源(380)、制御回路(367)、加速度計(365)、及び電源ボタン(370)を含み、これらは、上述のケーシング(302)、ハンドル連結アセンブリ(310)、電源(330)、制御回路(317)、加速度計(315)、及び電源ボタン(320)と実質的に類似しており、これらの違いは以下で詳述される。制御回路(367)は、電源ボタン(370)、ハンドル連結アセンブリ(360)、及び電源(380)と電気的接続部(354)を介して通信状態にあり、電源(380)は、電気的接続部(354)を介してハンドル連結アセンブリ(360)と通信状態にある。加速度計(365)は、制御回路(367)と通信状態にある。
【0065】
電池パックアセンブリ(350)はまた、電気的接続部(354)を介して電源(380)及び制御回路(367)の両方と通信状態にある二次制御回路(390)を含む。二次制御回路(390)は、それ自体の独立した電源(392)を含み、二次制御回路(390)は電源(380)からいかなる電力も引き出さない。二次制御回路(390)は、低電力マイクロコントローラを含んでもよい。独立電源(392)は、低電力モード時(すなわち制御回路(317)がスリープモードであるとき)には二次制御回路(390)が電源(380)からいかなる電力も引き出さないように、二次制御回路(390)を低電力モードに維持することができるコイン電池を含んでもよい。制御回路(317)が上述の電源(330)の残りの電池寿命を計算し得るのと同様の方法で、二次制御回路(390)は、電源(380)の残りの電池寿命を計算及び/又は保管するように構成されてもよい。加えて、二次制御回路(390)は、ハンドルアセンブリ(200)の制御回路(217)から情報を受信してもよい。例えば、ハンドルアセンブリ(200)が複数回使用されるように設計されている場合、ハンドルアセンブリ(200)の制御回路(217)は、二次制御回路(390)の不揮発性部材に滅菌手順の残り回数を伝達してもよい。加えて、二次制御回路(390)は、制御回路(367、217)のいずれかから受信した信号によって、低電力モードを出るように構成されてもよい。
【0066】
加えて、二次制御回路(390)は、非常に低い電流消耗範囲のスリープモードを監視する回路を含んでもよい。電流範囲が低電流消耗回路の範囲能力を超えるものとして測定されるとき、二次制御回路(390)は、高範囲の電力引き出しを含む制御回路(367、217)にポーリングを行い、それを受けて制御回路(367、217)は、その時点以降の、電源(380)の電池寿命を測定することができる。電池パックアセンブリ(300)のハンドルアセンブリ(200)からの高範囲電流測定を可能にする通信リンク機構は、ハンドルアセンブリ(200)から使用を伝達するため及び表示のためにハンドルアセンブリ(200)に、(滅菌後)残っている使用回数を伝達するために使用されるのと同じリンク機構であってよい。
【0067】
III.例示的な滅菌前流体分配アセンブリ
場合によっては、外科手術後に、電池パック(116、300、350)が取り付けられているか又は取り付けられていないいずれかの状態で、ハンドルアセンブリ(11、200)に対して滅菌前洗浄処置を実行することが望ましいということがあり得る。滅菌前洗浄処置は、ハンドルアセンブリ(11、200)上又はその内部の余分な破片を洗い流すか又は除去し、それによって後続の滅菌処置を容易にし得るものである。
図10は、外科的処置後であって完全滅菌プロセスの前に、ハンドルアセンブリ(11、200)に対して滅菌前洗浄処置を実行するために使用され得る例示的な滅菌前流体分配アセンブリ(400)を示す。
【0068】
滅菌前流体分配アセンブリ(400)は、マニホールドアセンブリ(410)と、支持ラックアセンブリ(430)と、複数の代替的ハンドルアセンブリ(450)と、を含む。ハンドルアセンブリ(450)は、後述する違いを除いて、上述したハンドルアセンブリ(11、200)と実質的に同様である。各ハンドルアセンブリ(450)は、遠位部分(454)から近位部分(456)まで延在する筐体(452)と、ピストルグリップ(458)と、筐体(452)全体に延在する内部流体通路(460)と、迅速接続型流体ポート(464)と、を含む。以下でより詳細に説明するように、迅速接続型流体ポート(464)は、マニホールドアセンブリ(410)が内部流体通路(460)と流体連通するように、マニホールドアセンブリ(410)の一部と連結するように構成される。ハンドルアセンブリ(450)はまた、ハンドルアセンブリ(450)の近位部分(456)に位置し、かつまた内部流体通路(460)と流体連通している排出ポート(462)を画定する。排出ポート(462)は、内部流体通路(460)内の流体を逃がすことを可能にする。内部流体通路(460)は、外科手術において使用中に破片及び/又は流体を潜在的に蓄積し得る部分など、滅菌前洗浄処置で洗浄する必要があるハンドルアセンブリ(450)の任意の好適な部分と流体連通してもよい。
【0069】
ハンドルアセンブリ(450)は、外科手術での使用中に、ハンドルアセンブリ(450)が破片及び/又は流体を蓄積しないように設計されてもよい。例えば、ハンドルアセンブリ(450)は、手術での使用結果生み出される産物である汚染物を捉えてしまうようなポケット、隙間などを回避するように設計されてもよい。例えば、ハンドルアセンブリ(450)は、狭い隅部の代わりに大きな半径を有するように設計されてもよい。加えて、ハンドルアセンブリ(450)は、洗浄を簡略化するために複数の部品に分解されるように設計されてもよい。内部流体通路(460)は、異なる構成要素又は異なる汚れのレベルのために、異なる経路をとり得る。したがって、内部流体通路(460)は、滅菌前洗浄プロセス中により多くの洗浄を必要とする場所により多くの流体が入ることを可能にするように寸法決めされ得る。ハンドルアセンブリ(450)がディスプレイを含む場合、ディスプレイは、滅菌前の洗浄処置の前に、ハンドルアセンブリ(450)から容易に飛び出すようにしてもよい。加えて、ディスプレイは、いかなる汚染物質とも直接接触しないように、ハンドルアセンブリ(450)内のウィンドウの後ろにあってもよい。ハンドルアセンブリ(450)はまた、ハンドルアセンブリ(450)が滅菌プロセスの準備ができているときを感知する手段を含んでもよい。換言すれば、後述するように、ハンドルアセンブリ(450)は、ハンドルアセンブリ(450)が滅菌前洗浄プロセスを完了したときを感知する手段を有してもよい。例えば、ハンドルアセンブリは、水を保持するためにカップ状の形をした三軸水センサ、超疎水性コーティング、水が落ち着く下方点であり得る各表面上の最低点にある複数の水センサ、又は水及び汚染物質を探すためにハンドルアセンブリ(450)内を覗き込める窓を備え得る。ハンドルアセンブリ(450)は、センサがそれ以上水を検出しないとき、そのことをディスプレイを介して示すことができる。
【0070】
支持ラックアセンブリ(430)は、排出ポート(462)が内部流体通路(460)の各部から余分な流体を受容し得るように、各ハンドルアセンブリ(450)を支持するように構成されている。支持ラックアセンブリ(430)は、基部構造(432)と、第1の複数の垂直カラム(434)と、第2の複数の垂直カラム(438)と、第1の上部レール(436)と、第2の上部レール(440)と、を含む。第1の複数の垂直カラム(434)は、基部構造(432)から第1の上部レール(436)まで延在するが、その一方で、第2の複数の垂直カラム(438)は、基部構造(432)の反対側の端部から第2の上部レール(440)まで延在する。第2の上部レール(440)は、第1の上部レール(436)よりも高い高さである。上部レール(436、440)は、ハンドルアセンブリ(450)の近位部分(456)及び遠位部分(454)をそれぞれ支持するために、ある距離だけ離間されている。具体的には、上部レール(436、440)は、ハンドルアセンブリ(450)がある角度で傾斜されるように、ハンドルアセンブリ(450)を支持するが、その角度により、過剰な流体が、内部流体通路(460)の各部内を排出ポート(462)に向かって重力供給されるようになっている。
【0071】
マニホールドアセンブリ(410)及び支持ラックアセンブリ(430)は協働して動作するように構成され、それによって、支持ラックアセンブリ(430)がハンドルアセンブリ(450)を保持しつつ、マニホールドアセンブリ(410)がハンドルアセンブリ(450)に流体連通を提供することができるようになっている。マニホールドアセンブリ(410)は、Y字継手(414)内に延在する一次流体供給管(412)を含み、そのY字継手(414)は流体供給管(412)から、第1の二次流体供給管(416)及び第2の二次流体供給管(420)へ向けて流体を流すようになっている。第1の二次流体供給管(416)は、複数の外部流体分配ポート(418)を有するが、その一方で、第2の二次流体供給管(420)は、迅速接続型流体ポート(424)内で終端する複数の内部流体分配ポート(422)を含む。
【0072】
外部流体分配ポート(418)は、外部流体分配ポート(418)がそれぞれのハンドルアセンブリ(450)と整列するように、第1の二次流体供給管(416)に沿って配置される。外部流体分配ポート(418)は、ハンドルアセンブリ(420)の外部に流体をスプレーするように構成されている。具体的には、外部流体分配ポート(418)は、任意の好適な洗浄媒体をハンドルアセンブリ(420)上にスプレーして、余分な破片を洗い流すことができる。次いで、外部流体分配ポート(418)は、任意の好適な気体をスプレーして、ハンドルアセンブリ(420)の外部に蓄積された余分な洗浄媒体を乾かして除去することができる。
【0073】
内部流体分配ポート(4212)は、迅速接続型流体ポート(424)がハンドルアセンブリ(450)の迅速接続型流体ポート(464)と連結することができるように、第2の二次流体供給管(420)に沿って配置される。流体ポート(424、464)を迅速に接続することにより、第2の二次流体供給管(420)と内部流体通路(460)との間に流体連通を提供し、これにより、一体型流体分配ポート(422)が、滅菌前処理用の流体を内部流体通路(460)に供給し得るようになっている。具体的には、内部流体分配ポート(422)は、ハンドルアセンブリ(450)の内部流体通路(460)内に任意の好適な洗浄媒体をスプレーして、ハンドルアセンブリ(450)の好適な位置内に位置する余分な破片を洗い流すことができる。次いで、外部流体分配ポート(418)は、任意の好適な気体を噴霧して、ハンドルアセンブリ(420)の内部流体通路(460)内に蓄積された余分な洗浄媒体を乾かして除去することができる。迅速接続型流体ポート(424、464)は、流体が内部流体通路(460)内に入ることを可能にするが、流体が内部流体通路(460)から第2の二次流体供給管(420)に戻るのを防止する一方向弁を含んでもよい。
【0074】
IV.例示的な組み合わせ
以下の実施例は、本明細書の教示を組み合わせるか又は適用することができる、様々な非網羅的な方法に関する。以下の実施例は、本出願における又は本出願の後の出願におけるどの時点でも提示され得る、いずれの請求項の適用範囲をも限定することを目的としたものではないと理解されよう。一切の権利放棄を意図するものではない。以下の実施例は、単なる例示の目的で与えられるものにすぎない。本明細書の様々な教示は、他の多くの方法で配置及び適用が可能であると考えられる。また、いくつかの変形形態では、以下の実施例において言及される特定の特徴を省略し得るということも考えられる。したがって、本発明者ら又は本発明者らの利益の継承者により、後日、そうである旨が明示的に示されない限り、以下に言及される態様又は特徴のいずれも決定的に重要なものとして見なされるべきではない。以下に言及される特徴以外の更なる特徴を含む特許請求の範囲が本出願において、又は本出願に関連する後の出願において示される場合、それらの更なる特徴は、特許性に関連するいかなる理由によっても追加されたものとして仮定されるべきではない。
【実施例0075】
(a)ハンドルアセンブリであって、(i)筐体、及び(ii)筐体内に位置する第1の制御回路と、を備えるハンドルアセンブリと、(b)電池パックアセンブリであって、(i)第1の状態から第2の状態に選択的に遷移するように構成されている電源であって、第1の状態でハンドルアセンブリの第1の制御回路に通電し、第2の状態ではハンドルアセンブリの第1の制御回路に通電しないように構成されている電源、及び(ii)電源と通信状態にある第2の制御回路であって、第1の状態と第2の状態との間で電源を遷移させるように構成されている第2の制御回路、を備える電池パックアセンブリと、を備える装置。
ハンドルアセンブリが、第1の制御回路と通信状態にある第1の連結アセンブリを更に備え、電池パックアセンブリは、電源が第1の制御回路に選択的に通電し得るように、ハンドルアセンブリの第1の連結アセンブリと通信するように構成されている第2の連結アセンブリを更に備える、実施例1に記載の装置。