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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023065769
(43)【公開日】2023-05-15
(54)【発明の名称】アクチュエータ
(51)【国際特許分類】
   B06B 1/12 20060101AFI20230508BHJP
   B06B 1/04 20060101ALI20230508BHJP
【FI】
B06B1/12 Z
B06B1/04 S
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021176108
(22)【出願日】2021-10-28
(71)【出願人】
【識別番号】000002233
【氏名又は名称】ニデックインスツルメンツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100142619
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100125690
【弁理士】
【氏名又は名称】小平 晋
(74)【代理人】
【識別番号】100153316
【弁理士】
【氏名又は名称】河口 伸子
(72)【発明者】
【氏名】土橋 将生
【テーマコード(参考)】
5D107
【Fターム(参考)】
5D107BB08
5D107DD03
5D107DD12
5D107FF10
(57)【要約】
【課題】可動体を振動させるアクチュエータにおいて、可動体の重量増加を図り、且つ、振動特性への影響および可動体の大型化を抑制する。
【解決手段】アクチュエータ1の可動体5は、コイル10にZ1方向から対向する第1磁石71が固定される第1ヨーク81と、コイル10にZ2方向から対向する第2磁石72が固定される第2ヨーク82を備える。第1ヨーク81は、第1磁石71が固定される部分が第1内側部材83と第1外側部材84の2部材で構成され、第2ヨーク82は、第2磁石72が固定される部分が第2内側部材85と第2外側部材86の2部材で構成される。コイル10のX方向の両側を囲む部分は、第1外側部材84の第1連結板部842と第2外側部材86第2連結板部862を接合して構成される。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可動体と、
前記可動体を収容するケースを備える支持体と、
前記可動体および前記支持体に接続される接続体と、
コイルおよび前記コイルに第1方向で対向する磁石を備え、前記可動体を前記支持体に対して前記第1方向に交差する第2方向に振動させる磁気駆動回路と、を有し、
前記可動体は、
前記コイルに前記第1方向の一方側から重なる第1内側部材、および、前記第1内側部材に前記第1方向の一方側から重なる第1外側部材を備える第1ヨークと、
前記コイルに前記第1方向の他方側から重なる第2内側部材、および、前記第2内側部材に前記第1方向の他方側から重なる第2外側部材を備える第2ヨークと、を有し、
前記磁石は、前記第1内側部材と前記第2内側部材の少なくとも一方に固定され、
前記第1外側部材は、前記第1内側部材が固定される第1平板部と、前記第1平板部の両端から前記第1方向の他方側へ延びる一対の第1連結板部を備え、
前記第2外側部材は、前記第2内側部材が固定される第2平板部と、前記第2平板部の両端から前記第1方向の一方側へ延びる一対の第2連結板部を備え、
前記一対の第1連結板部は、前記一対の第2連結板部に接合されることを特徴とするアクチュエータ。
【請求項2】
前記第1方向と交差し且つ前記第2方向と交差する方向を第3方向とするとき、
前記一対の第1連結板部は、前記第1平板部の前記第2方向の両端に配置され、
前記一対の第2連結板部は、前記第2平板部の前記第2方向の両端に配置され、
前記第1内側部材と前記第2内側部材の少なくとも一方は、前記磁石が固定される平板状の磁石固定部を備え、
前記第1平板部と前記第2平板部のうち少なくとも一方は、前記コイルに対向する面に前記磁石固定部が固定されるとともに、前記磁石固定部の前記第3方向の両側へ延びる一対の接続体固定部を備え、
前記接続体は、前記一対の接続体固定部のそれぞれに接合されることを特徴とする請求項1に記載のアクチュエータ。
【請求項3】
前記第1内側部材および前記第2内側部材の少なくとも一方は、前記磁石固定部の前記第3方向の両端を切り欠いた一対の切欠き部を備え、
前記接続体は、前記一対の切欠き部に配置されることを特徴とする請求項2に記載のアクチュエータ。
【請求項4】
前記第1内側部材と前記第2内側部材のそれぞれは、前記磁石固定部を備え、
前記磁石は、前記第1内側部材の前記磁石固定部に固定される第1磁石と、前記第2内側部材の前記磁石固定部に固定される第2磁石を備え、
前記接続体は、
前記第1磁石の前記第3方向の両側において前記第1平板部に設けられた前記一対の接続体固定部に接合される一対の第1接続体と、
前記第2磁石の前記第3方向の両側において前記第2平板部に設けられた前記一対の接続体固定部に接合される一対の第2接続体と、を備えることを特徴とする請求項2または3に記載のアクチュエータ。
【請求項5】
前記支持体は、前記コイルに前記第1方向の一方側から重なる金属製の第1プレートと、前記コイルに前記第1方向の他方側から重なる金属製の第2プレートを備え、
前記コイルは、前記第1プレートおよび前記第2プレートを介して前記ケースに固定され、
前記第1接続体は、前記第1平板部に設けられた前記接続体固定部と前記第1プレートとを接続し、
前記第2接続体は、前記第2平板部に設けられた前記接続体固定部と前記第2プレートとを接続することを特徴とする請求項4に記載のアクチュエータ。
【請求項6】
前記第1内側部材と前記第2内側部材の少なくとも一方は、前記磁石固定部の前記第2方向の両側の縁から前記コイルが位置する側へ延びる一対の立ち上がり部を備えることを特徴とする請求項2から5の何れか一項に記載のアクチュエータ。
【請求項7】
前記一対の第1連結板部と前記一対の第2連結板部の一方は、前記一対の第1連結板部と前記一対の第2連結板部の他方の内側に圧入されることを特徴とする請求項1から6の何れか一項に記載のアクチュエータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可動体を振動させるアクチュエータに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、磁石を備えた可動体と、コイルを備えた支持体とを備え、コイルに駆動電流を流すことにより、可動体を支持体に対して振動させるアクチュエータが開示される。この種のアクチュエータは、支持体と可動体とを接続する接続体として弾性体や粘弾性体を用いる。可動体を振動させると、接続体を介して可動体の振動に対応する反力が支持体に加わる。その結果、支持体に触れたユーザは振動を体感することができる。
【0003】
特許文献1のアクチュエータでは、支持体がコイルホルダを備える。コイルは空芯コイルであり、コイルホルダに設けられたコイル配置穴に配置される。可動体は、コイルに一方側から対向する第1ヨークと、コイルに他方側から対向する第2ヨークを備えており、第1ヨークおよび第2ヨークにそれぞれ磁石が固定される。第1ヨークは、その両端から第2ヨーク側に屈曲して延びる一対の連結部を備えており、第2ヨークの両端に第1ヨークの連結部が溶接等により接合される。このような構造により、コイルに両側から対向する2個の磁石の磁束が通る磁気回路が構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-102901号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
支持体に触れたユーザに振動を体感させる触覚デバイスとしてアクチュエータを使用する場合に、ユーザに強い振動を体感させるためには、可動体の振動の加速度を大きくすればよい。例えば、可動体の重量を大きくすることで可動体の振動の加速度を大きくすることが提案されている。特許文献1の構成では、第1ヨークと第2ヨークの板厚を厚くすることにより、可動体の重量を簡単に増やすことができる。
【0006】
しかしながら、ヨークの板厚を厚くするためには、汎用品の磁性板とは異なる板厚の磁性板を使用する必要があり、コストアップになってしまう。また、単に板厚を厚くすると、可動体が大型化し、アクチュエータの小型化に不利である。すなわち、特許文献1のヨークでは、磁石が固定される平板部の板厚の増大によって可動体の高さ(磁石とコイルが対向する方向の寸法)が大きくなるだけでなく、平板部の縁に設けられた連結部の板厚の増大によって可動体の幅(可動体の振動方向の寸法)が大きくなってしまう。
【0007】
平板部の板厚の増大による可動体の高さの増大を抑えるため、第1ヨークの平板部と第2ヨークの平板部との隙間を小さくすると、第1ヨークの平板部と第2ヨークの平板部に接合される接続体の配置スペースが狭くなってしまう。そのため、接続体の厚さを薄くしなければならず、振動特性に影響が出るという問題がある。また、連結部の板厚の増大による可動体の幅の増大を抑えるため、連結部の間隔を狭くすると、可動体が振動するスペースを確保できないという問題がある。
【0008】
本発明の課題は、以上の問題点に鑑みて、可動体の重量増加を図り、且つ、振動特性への影響および可動体の大型化を抑制することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、本発明のアクチュエータは、可動体と、前記可動体を収容するケースを備える支持体と、前記可動体および前記支持体に接続される接続体と、コイルおよび前記コイルに第1方向で対向する磁石を備え、前記可動体を前記支持体に対して前記第1方向に交差する第2方向に振動させる磁気駆動回路と、を有し、前記可動体は、前記コイルに前記第1方向の一方側から重なる第1内側部材、および、前記第1内側部材に前記第1方向の一方側から重なる第1外側部材を備える第1ヨークと、前記コイルに前記第1方向の他方側から重なる第2内側部材、および、前記第2内側部材に前記第1方向の他方側から重なる第2外側部材を備える第2ヨークと、を有し、前記磁石は、前記第1内側部材と前記第2内側部材の少なくとも一方に固定され、前記第1外側部材は、前記第1内側部材が固定される第1平板部と、前記第1平板部の両端から前記第1方向の他方側へ延びる一対の第1連結板部を備え、前記第2外側部材は、前記第2内側部材が固定される第2平板部と、前記第2平板部の両端から前記第1方向の一方側へ延びる一対の第2連結板部を備え、前記一対の第1連結板部は、前記一対の第2連結板部に接合されることを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、第1ヨークと第2ヨークのそれぞれが、第1方向に重なり合う2つの部材(内側部材と外側部材)を備える。また、第1ヨークと第2ヨークの外側部材(第1外側部材、第2外側部材)は、それぞれ、第1方向に延びる連結板部(第1連結板部、第2連結板部)を備えており、第1ヨークと第2ヨークを組み立てる際、連結板部同士を接合して組み立てる。このように構成すると、コイルに対して第1方向で対向する部分は2つの部材を重ねたことにより厚さが増大するので、ヨークの重量を増加させることができる。一方で、コイルに対して第1方向と交差する方向の両側に配置される連結板部は、各ヨークを1部材で構成した場合と同じ板厚である。従って、可動体の幅が大きくなることを避けることができる。また、連結板部の間隔が狭くなることを避けることができるので、可動体が振動するスペースが狭くなることを避けることができる。よって、可動体の重量増加を図り、且つ、振動特性への影響および可動体の大型化を抑制することができる。また、汎用品の板厚の部材を用いてヨークの重量を増加させることができるので、コストアップを避けることができる。
【0011】
本発明において、前記第1方向と交差し且つ前記第2方向と交差する方向を第3方向とするとき、前記一対の第1連結板部は、前記第1平板部の前記第2方向の両端に配置され、前記一対の第2連結板部は、前記第2平板部の前記第2方向の両端に配置され、前記第1内側部材と前記第2内側部材の少なくとも一方は、前記磁石が固定される平板状の磁石固定部を備え、前記第1平板部と前記第2平板部のうち少なくとも一方は、前記コイルに対向する面に前記磁石固定部が固定されるとともに、前記磁石固定部の前記第3方向の両側へ延びる一対の接続体固定部を備え、前記接続体は、前記一対の接続体固定部のそれぞれに接合されることが好ましい。このようにすると、第1ヨークと第2ヨークの少なくとも一方において、接続体が接合される部分(接続体固定部)を外側部材のみによって構成できるので厚さが増大しない。従って、可動体の重量を増大させたことにより接続体の配置スペースが狭くなることを避けることができる。よって、振動特性への影響を抑制できる。
【0012】
本発明において、前記第1内側部材および前記第2内側部材の少なくとも一方は、前記磁石固定部の前記第3方向の両端を切り欠いた一対切欠き部を備え、前記接続体は、前記一対の切欠き部に配置されることが好ましい。このように、接続体が配置される範囲だけを切り欠くことにより、接続体の配置スペースを狭くすることなく、可動体の大型化を抑制し、且つ、可動体の重量を大きくすることができる。また、切欠き部の縁は、接続体を位置決めするためのガイドになる。従って、接続体の位置精度を高めることができる。
【0013】
本発明において、前記第1内側部材と前記第2内側部材のそれぞれは、前記磁石固定部を備え、前記磁石は、前記第1内側部材の前記磁石固定部に固定される第1磁石と、前記第2内側部材の前記磁石固定部に固定される第2磁石を備え、前記接続体は、前記第1磁石の前記第3方向の両側において前記第1平板部に設けられた前記一対の接続体固定部に接合される一対の第1接続体と、前記第2磁石の前記第3方向の両側において前記第2平板部に設けられた前記一対の接続体固定部に接合される一対の第2接続体と、を備えることが好ましい。このように、コイルの第1方向の両側に磁石を配置することにより、可動体の重量を大きくするとともに、磁気駆動機構の駆動力を大きくすることができる。また、第1ヨークと第2ヨークがそれぞれ接続体を介して支持体に接続されるので、振動方向と異なる方向に可動体が動くことを抑制できる。さらに、第1ヨークと第2ヨークは、いずれも、接続体が接合される部分(接続体固定部)を外側部材のみによって構成しており厚さが増大しない。従って、可動体の重量を増大させたことにより接続体の配置スペースが狭くなることを避けることができ、振動特性への影響を抑制できる。
【0014】
本発明において、前記支持体は、前記コイルに前記第1方向の一方側から重なる金属製の第1プレートと、前記コイルに前記第1方向の他方側から重なる金属製の第2プレートを備え、前記コイルは、前記第1プレートおよび前記第2プレートを介して前記ケースに固定され、前記第1接続体は、前記第1平板部に設けられた前記接続体固定部と前記第1プレートとを接続し、前記第2接続体は、前記第2平板部に設けられた前記接続体固定部と前記第2プレートとを接続することが好ましい。このようにすると、コイルの第1方向の両側が金属プレートで覆われ、ヨークの内側で金属プレートとヨークを接続体により接続する構成となる。従って、ケースとヨークとの隙間に接続体を配置するスペースを確保する必要がないので、アクチュエータの第1方向の寸法を小さくすることができる。
【0015】
本発明において、前記第1内側部材と前記第2内側部材の少なくとも一方は、前記磁石固定部の前記第2方向の両側の縁から前記コイルが位置する側へ延びる一対の立ち上がり部を備えることが好ましい。このようにすると、立ち上がり部を設けたことにより可動体の重量が増大する。従って、可動体の重量増加を図ることができる。
【0016】
本発明において、前記一対の第1連結板部と前記一対の第2連結板部の一方は、前記一対の第1連結板部と前記一対の第2連結板部の他方の内側に圧入されることが好ましい。このようにすると、第1連結板部と第2連結板部の第1方向の長さを長くすることができるので、可動体の重量を大きくすることができる。また、第1ヨークと第2ヨークを容易に組み立てることができるとともに、第1連結板部と第2連結板部の間に隙間ができることを回避できるため、振動時にビビリ音が発生することを防止あるいは抑制できる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、可動体を構成するヨークは、コイルに対して第1方向で対向する部分が2つの部材を重ねたことにより厚さが増大するので、ヨークの重量を増加させることができる。一方で、コイルに対して第1方向と交差する方向の両側に配置される連結板部は、各ヨークを1部材で構成した場合と同じ板厚である。従って、可動体の幅が大きくなることを避けることができる。また、連結板部の間隔が狭くなることを避けることができるので、可動体が振動するスペースが狭くなることを避けることができる。よって、可動体の重量増加を図り、且つ、振動特性への影響および可動体の大型化を抑制することができる。また、汎用品の板厚の部材を用いてヨークの重量を増加させることができるので、コストアップを避けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明を適用したアクチュエータをZ2方向およびZ1方向から見た斜視図である。
図2】アクチュエータを長手方向に切断した場合の断面図(図1のA-A位置で切断した断面図)である。
図3】アクチュエータを長手方向と直交する方向に切断した場合の断面図(図1のB-B位置で切断した断面図)である。
図4】Z2方向から見た可動体の分解斜視図である。
図5】Z1方向から見た可動体の分解斜視図である。
図6】第1ヨークと第2ヨークとを分解した状態を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、図面を参照して、本発明を適用したアクチュエータの実施形態を説明する。
【0020】
(全体構成)
図1(a)は、本発明を適用したアクチュエータ1をZ2方向から見た斜視図である。図1(b)は、本発明を適用したアクチュエータ1をZ1方向から見た斜視図である。図2は、アクチュエータ1を長手方向に切断した場合の断面図であり、図1のA-A位置で切断した断面図である。図3は、アクチュエータ1を長手方向と直交する方向に切断した場合の断面図であり、図1のB-B位置で切断した断面図である。
【0021】
アクチュエータ1は、振動によって情報を伝達する触覚デバイスとして用いられる。図1(a)、図1(b)に示すように、アクチュエータ1の外形は直方体形状である。アクチュエータ1は、その外形の短手方向に振動を発生させる。以下の説明では、振動が発生する短手方向をX方向(第2方向)、アクチュエータ1の長手方向であってX方向と直交する方向をY方向(第3方向)とし、アクチュエータ1の厚み方向(高さ方向)であって、X方向およびY方向と直交する方向をZ方向(第1方向)とする。また、X方向の一方をX1方向、他方をX2方向とする。Y方向の一方をY1方向、他方をY2方向とする。Z方向の一方をZ1方向、他方をZ2方向とする。
【0022】
図1図2図3に示すように、アクチュエータ1は、外形を規定するケース2を備える支持体3と、ケース2の内部に収容される可動体5を有する。また、アクチュエータ1は、支持体3と可動体5とを接続する接続体4と、可動体5を支持体3に対してX方向に相対移動させる磁気駆動回路6(図2図3参照)を備える。
【0023】
(支持体)
図2図3に示すように、支持体3は、コイル10と、コイル10のZ1方向に重ねられた第1プレート11と、コイル10のZ2方向に重ねられた第2プレート12を備える。コイル10は、ケース2のZ方向の中央に位置する。コイル10は扁平な空芯コイルであり、その厚み方向をZ方向に向けている。コイル10は、Y方向に長い長円状であり、Y方向に平行に延びる一対の長辺部10a、10b(図3参照)を備える。一対の長辺部の間には、Y方向に延びる中心穴10cが設けられている。
【0024】
図2に示すように、支持体3は、コイル10のY1側に配置される第1ホルダ部材15と、コイル10のY12側に配置される第2ホルダ部材16を備える。第1ホルダ部材15および第2ホルダ部材16は、樹脂からなる。第1ホルダ部材15は、第1プレート11と第2プレート12の間に配置される第1コイル保持部151と、第1コイル保持部151のY1側の端からZ1方向およびZ2方向へ延びる第1側板部152を備える。第2ホルダ部材16は、第1プレート11と第2プレート12の間に配置される第2コイル保持部161と、第2コイル保持部161のY1側の端からZ1方向およびZ2方向へ延びる第2側板部162を備える。コイル10は、第1コイル保持部151と第2コイル保持部161の間に配置される。
【0025】
第1プレート11および第2プレート12は、非磁性の金属からなる。図3に示すように、第1プレート11および第2プレート12のX方向の両端は略直角に折り曲げられており、コイル10のX方向の外周面を覆う。第1プレート11は、第1コイル保持部151および第2コイル保持部161のZ1側に重ねられ、第1コイル保持部151および第2コイル保持部161に固定される。第2プレート12は、第1コイル保持部151および第2コイル保持部161のZ2側に重ねられ、第1コイル保持部151および第2コイル保持部161に固定される。
【0026】
第1ホルダ部材15のY1方向の端部には、給電基板14が固定される。本形態では、給電基板14はフレキシブルプリント基板である。なお、給電基板14は、リジッド基板であってもよい。コイル10は、Y1方向に引き出される2本のコイル線を備えており、コイル線は、給電基板14の表面に設けられた配線パターンに接続される。コイル10には、給電基板14を介して、電力が供給される。
【0027】
支持体3を組み立てる際には、第1ホルダ部材15および第2ホルダ部材16にZ1側から第2プレート12を固定し、第1コイル保持部151と第2コイル保持部161の間にコイルを配置するとともに、第1ホルダ部材15に給電基板14を固定する。しかる後に、コイル10の中心穴10cに接着剤を充填し、Z2側から第1プレート11を組み付ける。これにより、コイル10、第1プレート11および第2プレート12、給電基板14、ならびに第1ホルダ部材15および第2ホルダ部材16を組み立てた組立体が完成する。図2図3に示すように、コイル10の中心穴10cには、接着剤が硬化した接着剤層13が形成される。
【0028】
図1図2図3に示すように、ケース2は、Z方向に重ねられた第1ケース部材31および第2ケース部材32を備える。第1ケース部材31は、Z1方向から第1ホルダ部材15および第2ホルダ部材16に組み付けられている。第2ケース部材32は、Z2方向から第1ホルダ部材15および第2ホルダ部材16に組み付けられている。図1(a)に示すように、給電基板14は、第1ホルダ部材15のX方向の中央を切り欠いた切欠き部からケース2のY1方向の側面へ引き出され、Z1方向に折り曲げられている。
【0029】
(可動体)
可動体5は、磁石7およびヨーク8を備える。図2図3に示すように、磁石7は、コイル10とZ方向で対向する。コイル10と磁石7とは、磁気駆動回路6を構成する。可動体5は、磁石7として、第1磁石71および第2磁石72を備える。第1磁石71は、コイル10のZ1方向に位置する。第2磁石72は、コイル10のZ2方向に位置する。第1磁石71および第2磁石72は、X方向で2つに分極されている。図3に示すように、可動体5と支持体3とを組み立てると、コイル10の長辺部10a、10bには、Z1方向で第1磁石71が対向し、Z2方向で第2磁石72が対向する。
【0030】
図4は、Z2方向から見た可動体5の分解斜視図である。図5は、Z1方向から見た可動体5の分解斜視図である。図6は、第1ヨーク81と第2ヨーク82とを分解した状態を示す側面図である。本形態では、ヨーク8は磁性材料からなる。図2図6に示すように、ヨーク8は、第1ヨーク81および第2ヨーク82を備える。第1ヨーク81は、コイル10にZ1方向から重なる第1内側部材83と、第1内側部材83にZ1方向から重なる第1外側部材84を備える。第2ヨーク82は、コイル10にZ1方向から重なる第2内側部材85と、第2内側部材85にZ1方向から重なる第2外側部材86を備える。
【0031】
図4図5に示すように、第1外側部材84は、Y方向に長い第1平板部841と、第1平板部841のX方向の両端のY方向の中央部分からZ2方向に延びる一対の第1連結板部842を備える。第1平板部841のY方向の両端には、第1連結板部842のY方
向の両側に配置される一対の接続体固定部843が設けられている。各接続体固定部843のX方向の両側の端には、Z2方向に屈曲した立ち上がり部844が設けられている。図2に示すように、一対の接続体固定部843のそれぞれは、第1接続体9Aを介して第1プレート11に接続される。
【0032】
第1内側部材83は、Y方向に長い磁石固定部831と、磁石固定部831のX方向の両端からZ2方向に屈曲した一対の立ち上がり部832を備える。磁石固定部831は、第1平板部841のZ1側の面に固定される。図3に示すように、一対の立ち上がり部832は、一対の第1連結板部842の内側に配置され、磁石固定部831に固定される第1磁石71のX方向の両側を囲う。
【0033】
図4図5に示すように、第1内側部材83は、磁石固定部831のY方向の両端をY方向の中央へ向かって切り欠いた一対の切欠き部833を備える。各切欠き部833はX方向に長い矩形状であり、磁石固定部831のY方向の中央に設けられている。図2に示すように、第1磁石71のY1側に配置される第1接続体9A、および、第1磁石71のY2側に配置される第1接続体9Aは、それぞれ、切欠き部833に配置される。
【0034】
図4図5に示すように、第2外側部材86は、Y方向に長い第2平板部861と、第2平板部861のX方向の両端のY方向の中央部分からZ1方向に延びる一対の第2連結板部862を備える。第2平板部861のY方向の両端には、第2連結板部862の両側に配置される一対の接続体固定部863が設けられている。各接続体固定部863のX方向の両側の端には、Z1方向に屈曲した立ち上がり部864が設けられている。図2に示すように、一対の接続体固定部863のそれぞれは、第2接続体9Bを介して第2プレート12に接続される。
【0035】
第2内側部材85は、Y方向に長い磁石固定部851と、磁石固定部851のX方向の両端からZ2方向に屈曲した一対の立ち上がり部852を備える。磁石固定部851は、第2平板部861のZ2側の面に固定される。図3に示すように、一対の立ち上がり部852は、一対の第2連結板部862の内側に配置され、磁石固定部851に固定される第2磁石71のX方向の両側を囲う。
【0036】
図4図5に示すように、第2内側部材85は、磁石固定部851のY方向の両端をY方向の中央へ向かって切り欠いた一対の切欠き部853を備える。各切欠き部853はX方向に長い矩形状であり、磁石固定部851のY方向の中央に設けられている。図2に示すように、第2磁石71のY1側に配置される第2接続体9B、および、第2磁石71のY2側に配置される第2接続体9Bは、それぞれ、切欠き部853に配置される。
【0037】
第1ヨーク81は、第1内側部材83と第1外側部材84とを溶接により接合して組み立てられている。また、第2ヨーク82は、第2内側部材85と第2外側部材86とを溶接により接合して組み立てられている。ヨーク8は、第1ヨーク81の一対の第1連結板部842の内側に、第2ヨーク82の一対の第2連結板部862を圧入して固定することにより、コイル10、第1プレート11、および第2プレート12の外周側を囲む形状に組み立てられている。
【0038】
(接続体)
図2に示すように、接続体4は、第1接続体9Aおよび第2接続体9Bを備える。第1接続体9Aおよび第2接続体9Bは、X方向に長い直方体形状である。第1接続体9Aは、コイル10のZ1側に位置する。第2接続体9Bは、コイル10のZ2側に位置する。第1接続体9Aは、第1磁石71のY1側およびY2側の2箇所に配置されており、同一形状の2部材からなる。第2接続体9Bは、第2磁石72のY1側およびY2側の2箇所
に配置されており、同一形状の2部材からなる。第1接続体9Aおよび第2接続体9Bは、それぞれ、弾性および粘弾性の少なくとも一方を備える。
【0039】
第1接続体9Aは、第1ヨーク81と第1プレート11との間に配置される。第1接続体9Aは、第1ヨーク81のY1方向の端部分、および第1ヨーク81のY2方向の端部分に設けられた2箇所の切欠き部833に配置される。Y1側の第1接続体9Aは、第1外側部材84のY1方向の端に設けられた接続体固定部843と第1プレート11のY1方向の端部分との間に挟まれている。Y2側の第1接続体9Aは、第1外側部材84のY2方向の端に設けられた接続体固定部843と第1プレート11のY2方向の端部分との間の2か所に挟まれている。第1接続体9Aは、接続体固定部843と第1プレート11との間でZ方向に圧縮されている。
【0040】
第2接続体9Bは、第2ヨーク82と第2プレート12との間に配置される。第2接続体9Bは、第2ヨーク82のY1方向の端部分、および第2ヨーク82のY2方向の端部分に設けられた2箇所の切欠き部853に配置される。Y1側の第2接続体9Bは、第2外側部材86のY1方向の端に設けられた接続体固定部863と第2プレート12のY1方向の端部分との間に挟まれている。Y2側の第2接続体9Bは、第2外側部材86のY2方向の端に設けられた接続体固定部863と第2プレート12のY2方向の端部分との間の2か所に挟まれている。第2接続体9Bは、接続体固定部863と第2プレート12との間でZ方向に圧縮されている。
【0041】
本形態では、第1接続体9Aおよび第2接続体9Bは、シリコーンゲルからなるゲル状部材である。シリコーンゲルは、伸縮方向に変形する際のばね定数が、せん断方向に変形する際のばね定数の3倍程度になる粘弾性体である。粘弾性体は、厚さ方向と交差する方向(せん断方向)に変形する場合、引っ張られて伸びる方向の変形であるため、非線形の成分よりも線形の成分が大きい変形特性を備える。また、厚さ方向に押圧されて圧縮変形する際は、線形の成分よりも非線形の成分が大きい伸縮特性を備える一方、厚さ方向に引っ張られて伸びる場合は、非線形の成分よりも線形の成分が大きい伸縮特性を備える。
【0042】
あるいは、第1接続体9Aおよび第2接続体9Bとして、天然ゴム、ジエン系ゴム(例えば、スチレン・ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、アクリロニトリル・ブタジエンゴム等)、非ジエン系ゴム(例えば、ブチルゴム、エチレン・プロピレンゴム、エチレン・プロピレン・ジエンゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム等)、熱可塑性エラストマー等の各種ゴム材料及びそれらの変性材料を用いてもよい。
【0043】
(アクチュエータの動作)
給電基板14を介してコイル10に所定方向の電流が供給されると、支持体3に支持された可動体5は、磁気駆動回路6の駆動力により、支持体3に対してX方向の一方に相対移動する。その後、電流の向きが反転すると、可動体5は、支持体3に対してX方向の他方に相対移動する。コイル10に供給される電流の向きの反転が繰り返されることにより、可動体5は振動する。可動体5がX方向に振動するとき、第1接続体9Aおよび第2接続体9Bはせん断方向に変形する。
【0044】
(本形態の主な作用効果)
以上のように、本形態のアクチュエータ1は、可動体5と、可動体5を収容するケース2を備える支持体3と、可動体5および支持体3に接続される接続体4と、コイル10およびコイル10にZ方向で対向する磁石7(第1磁石71、第2磁石72)を備え、可動体5を支持体3に対してZ方向に交差するX方向に振動させる磁気駆動回路6と、を有する。可動体5は、コイル10にZ1方向から重なる第1内側部材83、および、第1内側
部材83にZ1方向から重なる第1外側部材84を備える第1ヨーク81と、コイル10にZ2方向から重なる第2内側部材85、および、第2内側部材85にZ2方向から重なる第2外側部材86を備える第2ヨーク82と、を有する。磁石7は、第1内側部材83の磁石固定部831に固定される第1磁石71と、第2内側部材85の磁石固定部851に固定される第2磁石72を備える。第1外側部材84は、第1内側部材83が固定される第1平板部841と、第1平板部841の両端からZ2方向へ延びる一対の第1連結板部842を備える。第2外側部材86は、第2内側部材85が固定される第2平板部861と、第2平板部861の両端からZ1方向へ延びる一対の第2連結板部862を備え、一対の第1連結板部862は、一対の第1連結板部842に接合される。
【0045】
本形態によれば、第1ヨーク81と第2ヨーク82のそれぞれが、Z方向に重なり合う2つの部材(内側部材と外側部材)を備える。また、第1ヨーク81と第2ヨーク82の外側部材(第1外側部材84、第2外側部材86)は、それぞれ、Z方向に延びる連結板部(第1連結板部842、第2連結板部862)を備えており、第1ヨーク81と第2ヨーク82を組み立てる際、連結板部同士を接合して組み立てる。従って、ヨーク8は、コイル10に対してZ方向で対向する部分は2つの部材を重ねたことにより厚さが増大しているので、可動体5の重量が増大する。一方で、コイル10に対してZ方向と交差する方向の両側に配置される部分は、外側部材のみで構成されており、第1ヨーク81と第2ヨーク82をそれぞれ1部材で構成した場合と同じ板厚である。従って、可動体5のX方向の幅が大きくなることを避けることができる。また、連結板部の板厚が増大しないことにより、連結板部の間隔が狭くなることを避けることができるので、可動体5が振動するスペースが狭くなることを避けることができる。よって、可動体5の重量増加を図り、且つ、振動特性への影響および可動体5の大型化を抑制することができる。また、2部材を重ねて重量を増加させることにより、汎用品の板厚の部材を用いてヨークの重量を増加させることができる。従って、コストアップを避けることができる。
【0046】
本形態では、一対の第1連結板部842は、第1平板部841のX方向の両端に配置され、一対の第2連結板部862は、第2平板部861のX方向の両端に配置される。第1内側部材83は、第1磁石71が固定される平板状の磁石固定部831を備え、第2内側部材85は、第2磁石72が固定される平板状の磁石固定部851を備える。第1平板部841は、Z2側の面(コイル10に対向する面)に磁石固定部831が固定されるとともに、磁石固定部831のY方向の両側へ延びる一対の接続体固定部843を備える。第2平板部861は、Z1側の面(コイル10に対向する面)に磁石固定部851が固定されるとともに、磁石固定部851のY方向の両側へ延びる一対の接続体固定部863を備える。接続体4は、一対の接続体固定部843のそれぞれに接続される第1接続体9Aと、一対の接続体固定部863のそれぞれに接合される第2接続体9Bを備える。このように、本形態では、第1ヨーク81と第2ヨーク82のそれぞれにおいて、接続体4が接合される部分(接続体固定部843、863)は外側部材のみによって構成され、厚さが増大していない。よって、可動体5の重量を増大させたことによって接続体4の配置スペースが狭くなっておらず、接続体4のZ方向の厚さを薄くする必要がない。よって、振動特性への影響を抑制できる。
【0047】
本形態では、第1内側部材83は、磁石固定部831のY方向の両端を切り欠いた一対の切欠き部833を備え、第1接続体9Aは、一対の切欠き部833のそれぞれに配置される。また、第2内側部材85は、磁石固定部851のY方向の両端を切り欠いた一対の切欠き部853を備え、第2接続体9Bは、一対の切欠き部853のそれぞれに配置される。このような構成では、第1ヨーク81と第2ヨーク82は、いずれも、接続体4(第1接続体9A、第2接続体9B)が配置される部分の厚さを厚くすることなく、重量が増大している。よって、可動体5の大型化を抑制し、且つ、可動体5の重量を大きくすることができる。
【0048】
なお、本形態では、磁石7として第1磁石71と第2磁石72を備えているが、第1磁石71と第2磁石72の一方のみを備えている構成であってもよい。この場合には、第1内側部材83と第2内側部材85の一方のみが磁石固定部を備えている構成にすることができる。さらに、接続体4として、第1接続体9Aと第2接続体9Bの一方のみが設けられている構成を採用することができる。この場合には、第1内側部材83と第2内側部材85のうちで、コイル10に対して接続体4と同じ側に配置される部材のみが、Y方向の両端に切欠き部が設けられている構成にすることができる。また、第1内側部材83と第2内側部材85において、切欠き部は、Y1側とY2側のいずれか一方の端部にのみ設けられている構成であってもよい。
【0049】
本形態では、支持体3は、コイル10にZ1方向から重なる金属製の第1プレート11と、コイル10にZ2方向から重なる金属製の第2プレート12を備える。コイル10は、第1プレート11および第2プレート12を介してケース2に固定され、第1接続体9Aは、第1平板部841に設けられた接続体固定部843と第1プレート11とを接続し、第2接続体9Bは、第2平板部861に設けられた接続体固定部863と第2プレート12とを接続する。このようにすると、コイル10のZ方向の両側が金属プレートで覆われ、その周りを囲むヨーク8の内側でヨーク8とプレートを接続体4により接続する構成となる。従って、ケース2とヨーク8との隙間に接続体4を配置するスペースを確保する必要がないので、アクチュエータのZ方向の寸法を小さくすることができる。
【0050】
本形態では、第1内側部材83は、磁石固定部831のX方向の両側の縁からコイル10が位置する側(Z2側)へ延びる一対の立ち上がり部832を備える。また、第2内側部材85は、磁石固定部851のX方向の両側の縁からコイル10が位置する側(Z1側)へ延びる一対の立ち上がり部852を備える。従って、立ち上がり部832、852を設けた分だけヨーク8の重量が増加するので、可動体5の重量増加を図ることができる。
【0051】
なお、第1内側部材83と第2内側部材85のいずれにも立ち上がり部が設けられていなくてもよい。また、第1内側部材83と第2内側部材85の一方にのみ立ち上がり部が設けられていてもよい。
【0052】
本形態では、一対の第2連結板部862は、一対の第1連結板部842の内側に配置されており、第1連結板部842と第2連結板部862が重ねられて接合されている。従って、第1連結板部842と第2連結板部862のZ方向の長さを長くすることができるので、可動体5の重量を大きくすることができる。また、このような構成により、第1ヨーク81と第2ヨーク82を容易に組み立てることができる。なお、一対の第2連結板部862を外側に配置し、一対の第2連結板部862の間に一対の第1連結板部842が配置される構成を採用してもよい。
【0053】
本形態では、一対の第1連結板部842の間に一対の第2連結板部862を圧入して固定することにより、第1ヨーク81と第2ヨーク82とが一体に組み立てられている。例えば、一対の第2連結板部862の形状を、Z1側に向かうにしたがってX方向の間隔が拡がる方向にわずかに傾斜する形状にする。あるいは、一対の第2連結板部862がそれぞれ、X方向の外側を向く表面から突出する凸部を備える形状にしてもよいし、一対の第1連結板部842がそれぞれ、X方向の内側を向く表面から突出する凸部を備える形状にしてもよい。このような形状を採用することにより、一対の第2連結板部862が一対の第1連結板部842の間に挿入されるときに圧入状態となる。圧入状態にすることで、第1連結板部842と第2連結板部862の間に隙間ができることを回避できる。従って、可動体5の振動時にビビリ音が発生することを防止あるいは抑制できる。
【0054】
なお、一対の第1連結板部842の間に一対の第2連結板部862を挿入して、圧入ではなく溶接あるいは接着剤により固定する構成を採用してもよい。
【0055】
本形態では、ヨーク8を構成する部材は全て磁性体であるが、磁石7に接する部材のみを磁性体とする構成を採用してもよい。例えば、第1内側部材83および第2内側部材85を磁性体とし、第1外側部材84および第2外側部材86は、第1内側部材83および第2内側部材85とは材質が異なる部材としてもよい。例えば、第1外側部材84および第2外側部材86として、第1内側部材83および第2内側部材85よりも高比重の磁性体もしくは非磁性体を用いることにより、錘としての機能を持たせることができる。これにより、可動体5の重量を増加させることができる。
【符号の説明】
【0056】
1…アクチュエータ、2…ケース、3…支持体、4…接続体、5…可動体、6…磁気駆動回路、7…磁石、8…ヨーク、9A…第1接続体、9B…第2接続体、10…コイル、10a、10b…長辺部、10c…中心穴、11…第1プレート、12…第2プレート、13…接着剤層、14…給電基板、15…第1ホルダ部材、16…第2ホルダ部材、31…第1ケース部材、32…第2ケース部材、71…第1磁石、72…第2磁石、81…第1ヨーク、82…第2ヨーク、83…第1内側部材、84…第1外側部材、85…第2内側部材、86…第2外側部材、151…第1コイル保持部、152…第1側板部、161…第2コイル保持部、162…第2側板部、831…磁石固定部、832…立ち上がり部、833…切欠き部、841…第1平板部、842…第1連結板部、843…接続体固定部、844…立ち上がり部、851…磁石固定部、852…立ち上がり部、853…切欠き部、861…第2平板部、862…第2連結板部、863…接続体固定部、864…立ち上がり部
図1
図2
図3
図4
図5
図6