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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023065814
(43)【公開日】2023-05-15
(54)【発明の名称】物品処理装置
(51)【国際特許分類】
   G01G 19/387 20060101AFI20230508BHJP
【FI】
G01G19/387 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021176170
(22)【出願日】2021-10-28
(71)【出願人】
【識別番号】000147833
【氏名又は名称】株式会社イシダ
(74)【代理人】
【識別番号】110001564
【氏名又は名称】フェリシテ弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】秋口 祥吾
(72)【発明者】
【氏名】岸川 樹
(72)【発明者】
【氏名】谷 和樹
(57)【要約】
【課題】高速な計量を行うことができ、且つ、高さを低く抑えることこと。
【解決手段】一実施形態に係る物品処理装置1は、複数のホッパ12が円形に配置され、ホッパ12の各々が上流から受け取った物品100を一時的に滞留させた後に下流側の排出開口20に向けて排出する。ホッパ12の各々は、本体部12Aと、本体部12Aの下流側に設けられ本体部12Aから連続して延びる滑落面120を有する滑落部12Bと、本体部12Aに設けられ本体部12Aに物品100を滞留させる第1状態と物品100の滞留を解除して本体部12Aから物品100を滑落させる第2状態とを切り替えるゲート12Cとを備える。滑落部12Bは、第2状態において物品100が滑落面120を滑落した後に下流側の端部120Eから離陸し、滑落面120の存在しない空間Sを自由落下して排出開口20に達する長さL又は水平方向Hに対する角度Aを有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のホッパが円形に配置され、前記複数のホッパの各々が上流から受け取った物品を一時的に滞留させた後に下流側の排出開口に向けて排出する物品処理装置であって、
前記ホッパの各々は、
本体部と、
前記本体部の下流側に設けられ、前記本体部から連続して延びる滑落面を有する滑落部と、
前記本体部に設けられ、前記本体部に前記物品を滞留させる第1状態と、前記物品の滞留を解除して前記本体部から前記物品を滑落させる第2状態とを切り替えるゲートと、を備え、
前記滑落部は、前記第2状態において、前記物品が前記滑落面を滑落した後に下流側の端部から離陸し、前記滑落面の存在しない空間を自由落下して前記排出開口に達する長さ又は水平方向に対する角度を有する、物品処理装置。
【請求項2】
鉛直方向に対して前記ホッパと前記滑落面の存在しない空間を隔てた状態で、前記排出開口の周囲に配置されるシュートを有し、
前記物品処理装置における側面視において、前記シュートの左右測端部は、前記本体部と前記滑落部との境界と前記滑落部の下流側の端部との間に位置する、請求項1に記載の物品処理装置。
【請求項3】
前記複数のホッパが取り付けられる本体と、
前記本体に取り付けられている複数の脚部と、を有し、
前記複数の脚部の各々は、
前記本体から外側に延びる第1部と、
前記第1部から下側に延びる第2部と、を有する、請求項1又は2に記載の物品処理装置。
【請求項4】
前記滑落部の下流側の端部は、前記脚部の第1部の下面よりも下側に位置する、請求項3に記載の物品処理装置。
【請求項5】
前記滑落面は、幅方向の外側から中央部分に向かうにつれて下側に向かう形状を有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の物品処理装置。
【請求項6】
前記滑落部は、前記滑落面の両側縁の少なくとも一部から起立するサイドカバーを有している、請求項1~4のいずれか一項に記載の物品処理装置。
【請求項7】
前記本体部の側面には、エンボス加工が施されており、
前記本体部の側面は、前記ゲートと前記本体部との境界の近傍に、前記エンボス加工が施されていない領域を有する、請求項1~6のいずれか一項に記載の物品処理装置。
【請求項8】
前記サイドカバーには、エンボス加工が施されており、
前記サイドカバーは、前記ゲートと前記滑落部との境界の近傍に、前記エンボス加工が施されていない領域を有する、請求項6に記載の物品処理装置。
【請求項9】
前記ゲートと前記滑落部との境界の近傍における前記物品の搬送面の幅方向の長さは、前記境界よりも上流部分における物品の搬送面の幅方向の長さよりも長い、請求項1~8のいずれか一項に記載の物品処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ホッパから排出された物品がシュートを滑り落ちての排出開口へ流れていく構造の物品処理装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-21609号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ベビーキャロットやグミやウィンナー等のラグビーボールのような偏長楕円体の物品は、シュート内でランダムに跳ねてしまうため、高速な計量を行う際のネックになってしまうという問題点があった。
【0005】
そこで、本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、高速な計量を行うことができ、且つ、高さを低く抑えることができる物品処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態に係る物品処理装置は、複数のホッパが円形に配置され、前記複数のホッパの各々が上流から受け取った物品を一時的に滞留させた後に下流側の排出開口に向けて排出する物品処理装置であって、前記ホッパの各々は、本体部と、前記本体部の下流側に設けられ、前記本体部から連続して延びる滑落面を有する滑落部と、前記本体部に設けられ、前記本体部に前記物品を滞留させる第1状態と、前記物品の滞留を解除して前記本体部から前記物品を滑落させる第2状態とを切り替えるゲートと、を備え、前記滑落部は、前記第2状態において、前記物品が前記滑落面を滑落した後に下流側の端部から離陸し、前記滑落面の存在しない空間を自由落下して前記排出開口に達する長さ又は水平方向に対する角度を有することを要旨とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、高速な計量を行うことができ、且つ、高さを低く抑えることができる物品処理装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、一実施形態に係る物品処理装置1の全体構成の一例を説明する図である。
図2図2は、一実施形態に係る物品処理装置1のホッパ12の一例を説明するための図である。
図3図3は、一実施形態に係る物品処理装置1の脚部60の一例を説明するための図である。
図4図4は、一実施形態に係る物品処理装置1のホッパ12と脚部60との位置関係の一例を説明するための図である。
図5図5は、一実施形態に係る物品処理装置1のホッパ12の滑落部12Bにける滑落面120の一例を説明するための図である。
図6図6は、一実施形態に係る物品処理装置1のホッパ12のサイドカバー13の一例を説明するための図である。
図7図7は、一実施形態に係る物品処理装置1のホッパ12の本体部12Aの内部の一例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な寸法等は、以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれ得る。本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0010】
(第1実施形態)
以下、図1図7を参照して、本発明の第1実施形態に係る物品処理装置1について説明する。
【0011】
本実施形態では、物品処理装置1がロバーバル機構を用いて物品の質量値を計量するように構成されている計量装置であるケースを例に挙げて説明するが、本発明は、かかるケースに限定されるものではない。
【0012】
図1に示すように、本実施形態に係る搬送装置1は、複数のプールホッパ11と、複数の計量ホッパ12と、排出シュート30とを具備している。
【0013】
プールホッパ11は、トラフ(図示せず)から供給される物品を一時的に滞留させる。プールホッパ11の下部は、ゲート(図示せず)がそれぞれ設けられており、ゲートの開閉動作により、プールホッパ11に滞留されている物品(計量物)は、ゲートの下方に設けられた計量ホッパ12に排出される。
【0014】
例えば、かかる物品は、ベビーキャロットやグミやウィンナー等のラグビーボールのような偏長楕円体の物品食品である。しかしながら、物品は、これらに限定されるものではない。
【0015】
計量ホッパ12は、プールホッパ11が排出する物品を一時的に滞留させる。計量ホッパ12の下部には、ゲート12C(後述)がそれぞれ設けられて、かかるゲート12Cの開閉動作により、計量ホッパ12に滞留されている物品は、計量ホッパ12の下流側の排出開口20に排出される。
【0016】
ここで、複数のプールホッパ11及び複数の計量ホッパ12は、円形に配置されているものとする。
【0017】
図2に示すように、複数の計量ホッパ12の各々は、本体部12Aと、滑落部12Bと、ゲート12Cとを備えている。
【0018】
滑落部12Bは、本体部12Aの下流側に設けられ、本体部12Aから連続して延びる滑落面120を有する。
【0019】
ゲート12Cは、本体部12Aに設けられ、本体部12Aに物品100を滞留させる第1状態と、物品100の滞留を解除して本体部12Aから物品100を滑落させる第2状態とを切り替える。ゲート12Cは、物品処理装置1に対して内向きに開閉するゲートである。
【0020】
ここで、図1に示すように、滑落部12Bは、上述の第2状態において、物品100が滑落面120を滑落した後に下流側の端部120Eから離陸し、滑落面120の存在しない空間Sを自由落下して排出開口20に達する長さL又は水平方向Hに対する角度Aを有する。
【0021】
すなわち、本実施形態に係る物品処理装置1では、物品100が可能な限りシュート30に接触しないように落下させるために、従来の物品処理装置と比べて、滑落面120の長さLを長くしている。
【0022】
また、本実施形態に係る物品処理装置1では、高さを低く抑えるために、従来の物品処理装置と比べて、水平方向Hに対する角度Aを小さくしている。
【0023】
なお、空間Sは、滑落部12Bの下流側の端部120Eと排出開口20とを結ぶ経路を示し、かかる経路(空間S)では、物品100の自由落下を妨げるものが存在しない。
【0024】
かかる構成によれば、物品100が滑落面120から空間Sを自由落下して排出開口20に達することができるため、シュート30内での跳ねを抑制することができ、高速な計量を実現することができる。
【0025】
また、かかる構成によれば、水平方向Hに対する角度Aが小さくなることにより、物品処理装置1の高さを低く抑えることができる。
【0026】
また、図1に示すように、シュート30は、鉛直方向Vに対してホッパ12と滑落面120の存在しない空間Sを隔てた状態で、排出開口20の周囲に配置されてもよい。
【0027】
ここで、図1に示すように、物品処理装置1における側面視において、シュート30の左右測端部30Eは、本体部12Aと滑落部12Bとの境界Bと滑落部12Bの下流側の端部120Eとの間に位置してもよい。
【0028】
かかる構成によれば、シュート30の左右測端部30Eが、滑落部12Bの下流側の端部120Eよりも外側に配置されるため、物品100が、シュート30の外側にこぼれてしまうという事態を可及的に回避することができる。
【0029】
また、かかる構成によれば、シュート30の左右測端部30Eが、本体部12Aと滑落部12Bとの境界Bよりも内側に配置されるため、上述の空間Sを確保することができ、清掃性や作業性を向上させることができる。
【0030】
また、かかる構成によれば、従来のサイズのシュートは不要になり、必要最小限のサイズのシュート30を準備するだけでよくなり、コストを削減することができる。
【0031】
また、図1に示すように、本実施形態に係る物品処理装置1は、複数のプールホッパ11及び複数の計量ホッパ12が取り付けられる本体50と、本体50に取り付けられている複数の脚部60とを有してもよい。
【0032】
ここで、図3に示すように、複数の脚部60の各々は、本体50から外側に延びる第1部60Aと、第1部60Aから下側に延びる第2部60Bとを有してもよい。
【0033】
なお、第1部60Aは、外側に向かうにつれて上方に上がるように構成されていてもよい。
【0034】
かかる構成によれば、第2部60Bの長さを短くすることができるため、物品処理装置1の高さを抑制することができる。
【0035】
また、かかる構成によれば、脚部60の剛性を担保した状態で物品処理装置1の高さを低く抑制することができる。
【0036】
図4に示すように、滑落部12Bの下流側の端部120Eは、脚部60の第1部の下面60A1よりも下側に位置してもよい。
【0037】
ここで、図4に示すように、第1部60Aは、滑落部12Bの下流側の端部120Eよりも外側まで延びており、第2部60Bは、滑落部12Bの下流側の端部120Eよりも外側において下側に延びていてもよい。
【0038】
かかる構成によれば、滑落部12Bの下流側の端部120Eから落下する物品100が、脚部60の第1部の下面60A1に衝突してしまうという事態を回避することができる。
【0039】
図5に示すように、滑落面120は、幅方向Wの外側Oから中央部分Cに向かうにつれて下側に向かう形状を有してもよい。例えば、滑落面120は、図5に示すようなV字形状を有してもよい。
【0040】
本実施形態に係る物品処理装置1では、上述の滑落面120の水平方向Hに対する角度Aを小さくしているため、物品100と後述の側面121B及びサイドカバー13との摩擦により物品100の滑りが悪くなる。したがって、かかる構成を用いることにより、物品100と後述の側面121B及びサイドカバー13との摩擦を減らすことができ、物品100の滑りを向上することができる。
【0041】
図6に示すように、滑落部12Bは、滑落面120の両側縁120Sの少なくとも一部から起立するサイドカバー13を有してもよい。
【0042】
ここで、滑落部12Bは、滑落面120の両側縁120Sの全長に渡ってサイドカバー13を有してもよいし、ゲート12Cと滑落部12Bとの境界B2の近傍における滑落面120の両側縁120Sにおいてサイドカバー13を有してもよい。
【0043】
サイドカバー13の高さは、一定であってもよい。或いは、図6に示すように、ゲート12Cと滑落部12Bとの境界B1の近傍におけるサイドカバー13の高さが、その他の部分におけるサイドカバー13の高さよりも高くなっていてもよい。
【0044】
また、サイドカバー13は、本体部12Aの側面121B(図7参照)が延びることによって構成されていてもよいし、本体部12Aの側面121Bとは別体として設けられていてもよい。
【0045】
かかる構成によれば、滑落面120の両側縁120Sから外側に物品100が落下することを抑制することができる。
【0046】
図7に示すように、本体部12Aの側面121Bには、エンボス加工が施されていてもよい。ここで、本体部12Aの側面121Bは、ゲート12Cと滑落部12Bとの境界B1の近傍に、エンボス加工が施されていない領域Xを有してもよい。
【0047】
ここで、本体部12Aの側面121Bに施されたエンボスの一部を潰す又はフラット板を溶接してフラット化することによって、領域Xを生成してもよい。
【0048】
本実施形態に係る物品処理装置1では、上述の滑落面120の水平方向Hに対する角度Aを小さくしているため、本体部12Aの側面121Bに設けられたエンボスに物品100が引っ掛かりブリッジ状態と呼ばれる状態になる可能性が高まる。
【0049】
かかる構成によれば、かかるブリッジ状態が最も発生しやすいゲート12Cと滑落部12Bとの境界B1の近傍に領域Xを設けることで、かかるブリッジ状態の発生を抑制することができる。
【0050】
なお、図6に示すように、サイドカバー13には、エンボス加工が施されていてもよい。ここで、サイドカバー13は、ゲート12Cと滑落部12Bとの境界B1の近傍に、エンボス加工が施されていない領域を有してもよい。
【0051】
かかる構成によれば、本体部12Aの側面121Bと同様に、上述のブリッジ状態の発生を抑制することができる。
【0052】
図7に示すように、ゲート12Cと滑落部12Bとの境界B1の近傍における物品100の搬送面121Aの幅方向Wの長さL1は、かかる境界B1よりも上流部分における物品100の搬送面121Aの幅方向Wの長さL2よりも長くなるように形成されていてもよい。
【0053】
すなわち、物品100の搬送面121Aは、本体部12A内において、上流から下流に向かうに連れて幅方向Wの長さが長くなる逆テーパ形状(先太りの形状)を有してもよい。
【0054】
かかる構成によれば、たとえ物品100の搬送面121Aのどこかで物品100が本体部12Aの側面121Bに引っ掛かったとしても、下流に向かうに連れて物品100の搬送面121Aの幅方向Wの長さが長くなっているため、物品が本体部12Aの側面121Bから抜けやすくなるので、上述のブリッジ状態の発生を抑制することができる。
【0055】
ここで、物品100の搬送面121Aは、滑落面120と同様に、幅方向Wの外側Oから中央部分Cに向かうにつれて下側に向かう形状を有してもよい。
【0056】
本実施形態に係る物品処理装置1によれば、高速な計量を行うことができ、且つ、高さを低く抑えることができる。
【0057】
上述の実施形態を用いて本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【符号の説明】
【0058】
1…物品処理装置
12…ホッパ
12A…本体部
12B…滑落部
12C…ゲート
13…サイドカバー
20…排出開口
30…シュート
50…本体
60…脚部
60A…第1部
60B…第2部
100…物品
120…滑落面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7