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  • 特開-建築用構造材 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023065857
(43)【公開日】2023-05-15
(54)【発明の名称】建築用構造材
(51)【国際特許分類】
   E04C 3/292 20060101AFI20230508BHJP
   E04C 3/36 20060101ALI20230508BHJP
【FI】
E04C3/292
E04C3/36
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021176238
(22)【出願日】2021-10-28
(71)【出願人】
【識別番号】000001317
【氏名又は名称】株式会社熊谷組
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100070024
【弁理士】
【氏名又は名称】松永 宣行
(72)【発明者】
【氏名】増子 寛
【テーマコード(参考)】
2E163
【Fターム(参考)】
2E163FA02
2E163FA12
2E163FF04
(57)【要約】
【課題】製造に要する労力及び時間の節減並びに製造コストの低減に寄与する、木材と鋼材とを組み合わせてなる建築用構造材を提供すること。
【解決手段】建築用構造材10は、一方向へ伸びる複数段の角材24からなる互いに平行な2組の木材12と、ウエブ部14aが2組の木材間に位置しまたフランジ部14bが2組の木材間外にあって2組の木材に接する2つのT形鋼14と、2組の木材間内に配置され両T形鋼のウエブ間に位置する鋼板16と、複数段の角材相互間、各T形鋼のウエブ部及び角材相互間、並びに鋼板及び角材相互間にそれぞれ配置された、弾性を有する複数の弾性シート18とを備える。2組の木材及び各T形鋼のウエブ部、2組の木材及び鋼板、並びに、各組の木材及び各T形鋼のフランジ部は複数の締結具20、21、22を介して解除可能に締結されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下方向に互いに重ね合わされ前記上下方向に直交しかつ互いに直交する一方向及び他方向のうちの前記一方向へ伸びる複数段の角材を1組の木材とする互いに平行な2組の木材であって前記2組の木材の複数段の角材が各段において前記他方向に関して互いに対向する2組の木材と、
ウエブ部及びこれに直交するフランジ部をそれぞれ有し前記一方向へ伸びる2つのT形鋼であって両T形鋼のウエブ部が前記2組の木材間にあって前記複数段の角材に対向し、また両T形鋼のフランジ部が前記2組の木材間外にあって前記2組の木材の最上段の角材の上面及び最下段の角材の下面にそれぞれ接している2つのT形鋼と、
各組の木材の角材相互間、並びに各T形鋼のウエブ部及び該ウエブ部に対向する角材相互間にそれぞれ配置された、弾性を有する複数の弾性シートとを備え、
前記2組の木材及び各T形鋼のウエブ部、並びに、各組の木材及び各T形鋼のフランジ部が、それぞれ、複数の締結具を介して解除可能に締結されている、建築用構造材。
【請求項2】
上下方向に互いに重ね合わされ前記上下方向に直交しかつ互いに直交する一方向及び他方向のうちの前記一方向へ伸びる複数段の角材を1組の木材とする互いに平行な2組の木材であって前記2組の木材の複数段の角材が各段において前記他方向に関して互いに対向する2組の木材と、
ウエブ部及びこれに直交するフランジ部をそれぞれ有し前記一方向へ伸びる2つのT形鋼であって両T形鋼のウエブ部が前記2組の木材間にあって前記2組の木材の複数段の角材のうちの一部の段の角材に対向し、また両T形鋼のフランジ部が前記2組の木材間外にあって前記2組の木材に接している2つのT形鋼と、
両T形鋼のウエブ間に配置され前記2組の木材の複数段の角材のうちの残りの一部の段の角材に対向している鋼板と、
各組の木材の角材相互間、各T形鋼のウエブ部及び該ウエブ部に対向する角材相互間、並びに鋼板及び該鋼板に対向する角材相互間にそれぞれ配置された、弾性を有する複数の弾性シートとを備え、
前記2組の木材及び各T形鋼のウエブ部、前記2組の木材及び前記鋼板、並びに、各組の木材及び各T形鋼のフランジ部が、それぞれ、複数の締結具を介して解除可能に締結されている、建築用構造材。
【請求項3】
各段の角材は、互いに突き合わされ前記一方向へ伸びる複数の角材片からなる、請求項1又は2に記載の建築用構造材。
【請求項4】
前記角材片相互の全ての突き合わせ面が、前記一方向に関して、互いに異なる位置にある、請求項3に記載の建築用構造材。
【請求項5】
各段の角材は同一の断面形状を有する、請求項1~4のいずれか1項に記載の建築用構造材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築物の梁や柱のような構造部材としての用に供される建築用構造材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、木材と鋼材とを組み合わせてなる建築用構造材が提案されている。この建築用構造材は、板状の1つの木材と、互いに重ね合わされ一方向へ伸びる複数の角材からなる2組の木材と、ウエブ部及びフランジ部を有する2つのT形鋼とからなり、2組の木材における複数の角材が互いに接着(一次接着)されている。また、各T形鋼は1つの木材と各組の木材との間に配置され、そのウエブ部において、1つの木材と各組の木材とに接着(二次接着)されている。
【0003】
ところで、木材と鋼材とを組み合わせてなる建築用構造材については、集成材におけると同様に、加工度(接着の次数)が増すに従って製造に要する労力及び時間が飛躍的に増大し、大幅な製造コストの上昇を伴う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004-230621号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、製造に要する労力及び時間の節減並びに製造コストの低減に寄与する、木材と鋼材とを組み合わせてなる建築用構造材を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、木材と鋼材とを組み合わせてなる建築用構造材に係る。前記建築用構造材は、一の実施の形態として、 上下方向に互いに重ね合わされ前記上下方向に直交しかつ互いに直交する一方向及び他方向のうちの前記一方向へ伸びる複数段の角材を1組の木材とする互いに平行な2組の木材であって前記2組の木材の複数段の角材が各段において前記他方向に関して互いに対向する2組の木材と、ウエブ部及びこれに直交するフランジ部をそれぞれ有し前記一方向へ伸びる2つのT形鋼であって両T形鋼のウエブ部が前記2組の木材間にあって前記複数段の角材に対向し、また両T形鋼のフランジ部が前記2組の木材間外にあって前記2組の木材の最上段の角材の上面及び最下段の角材の下面にそれぞれ接している2つのT形鋼と、各組の木材の角材相互間、並びに各T形鋼のウエブ部及び該ウエブ部に対向する角材相互間にそれぞれ配置された、弾性を有する複数の弾性シートとを備え、前記2組の木材及び各T形鋼のウエブ部、並びに、各組の木材及び各T形鋼のフランジ部が、それぞれ、複数の締結具を介して解除可能に締結されている。
【0007】
また、本発明は、他の実施の形態として、さらに、鋼板を含む。すなわち、前記他の実施の形態に係る建築用構造材は、上下方向に互いに重ね合わされ前記上下方向に直交しかつ互いに直交する一方向及び他方向のうちの前記一方向へ伸びる複数段の角材を1組の木材とする互いに平行な2組の木材であって前記2組の木材の複数段の角材が各段において前記他方向に関して互いに対向する2組の木材と、ウエブ部及びこれに直交するフランジ部をそれぞれ有し前記一方向へ伸びる2つのT形鋼であって両T形鋼のウエブ部が前記2組の木材間にあって前記2組の木材の複数段の角材のうちの一部の段の角材に対向し、また両T形鋼のフランジ部が前記2組の木材間外にあって前記2組の木材に接している2つのT形鋼と、両T形鋼のウエブ間に配置され前記2組の木材の複数段の角材のうちの残りの一部の段の角材に対向している鋼板と、各組の木材の角材相互間、各T形鋼のウエブ部及び該ウエブ部に対向する角材相互間、並びに鋼板及び該鋼板に対向する角材相互間にそれぞれ配置された、弾性を有する複数の弾性シートとを備え、前記2組の木材及び各T形鋼のウエブ部、前記2組の木材及び前記鋼板、並びに、各組の木材及び各T形鋼のフランジ部が、それぞれ、複数の締結具を介して解除可能に締結されている。
【0008】
本発明の前記一の実施の形態にあっては、前記2組の木材及び各T形鋼のウエブ部並びに各組の木材及び各T形鋼のフランジ部が、それぞれ、接着剤によらないで、複数の締結具を介して解除可能に締結され、また、前記他の実施の形態にあっては、前記2組の木材及び両T形鋼相互、前記2組の木材及び前記鋼板相互、並びに、前記2組の木材及び両T形鋼相互が、それぞれ、接着材によらないで、複数の締結具を介して解除可能に締結されている。このことから、本発明に係る建築用構造材は、その製造に要する労力及び時間の節減が可能であり、また、製造コストの低減が可能である。
【0009】
また、本発明によれば、各弾性シートは、複数の締結具の締結作用を受けて圧縮された状態におかれ、前記角材の経年変化の一つであるいわゆる「痩せ」に伴う弾性復帰が可能であり、これにより前記角材の「痩せ」に伴って生じる前記角材相互間の隙間、各T形鋼のウエブ部及び各段の角材相互間の隙間、及び、前記鋼板及び前記角材相互間の隙間をそれぞれ埋める働きをなす。
【0010】
各段の角材については、互いに突き合わされ前記一方向へ伸びる複数の角材片からなるものとすることができる。ここにおいて、好ましくは、角材片相互の全ての突き合わせ面が、前記一方向に関して、互いに異なる位置にある。前記複数段の角材は同一の断面形状を有するものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】建築用構造材の斜視図である。
図2図1に示す建築用構造材の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1及び図2を参照すると、建築物の梁や柱のような構造部材としての用に供される建築用構造材が全体に符号10で示されている。
【0013】
図示の建築用構造材10は、互いに平行な2組の木材12と、ウエブ部14a及びこれに直交するフランジ部14bをそれぞれ有する2つのT形鋼14と、鋼板16と、複数の弾性シート18とを備える。ここにおいて、2組の木材12と各T形鋼14のウエブ部14aとが複数の締結具20を介して、2組の木材12と鋼板16とが複数の締結具21を介して、また、各組の木材12と各T形鋼14のフランジ部14bとが複数の締結具22を介して、それぞれ、解除可能に締結されている。
【0014】
各組の木材12は、上下方向aに互いに重ね合わされ上下方向aに直交しかつ互いに直交する2つの方向である一方向b及び他方向cのうちの一方向bへ伸びる複数段(図示の例においては上段(最上段)、中段及び下段(最下段)の3段)の角材24からなる。角材24の段数は任意に設定することができる。また、各段の角材24は、好ましくは、同一の断面形状を有し、1組の木材12を構成する各段の角材24が、他方向cに関して、他の1組の木材12を構成する各段の角材24に対向している。
【0015】
各段の角材24は単一の一般流通材からなるものとし、あるいは、図1に示すように、互いに突き合わされ一方向bへ伸びる比較的短尺の一般流通材である複数の角材片24aからなるものとすることができる。ここで、好ましくは、角材片24a相互の全ての突き合わせ面26、28が、一方向bに関して、互いに異なる位置にある。より詳細には、一方の組の木材12において、3つの段の角材24における角材片24aの相互の突き合わせ面26の全てが、一方向bに関して、互いに異なる位置にある。また、他方の組の木材12において、3つの段の角材24における角材片24aの相互の突き合わせ面28の全てが、一方向bに関して、互いに異なる位置にある。さらに、他方向cに関して互いに対向する2組の木材12の一方の組の木材12における前記突き合わせ面26の全てと、他方の組の木材12における前記突き合わせ面28の全てとが、一方向bに関して、互いに異なる位置にある。角材片24aは、一例として、一辺の長さが7.5cm以上の正角からなり、3~6mの範囲の長さ寸法を有する。前記一般流通材は比較的廉価であることから、角材24として前記一般流通材を採用することは建築用構造材10の製造コストの低減に寄与する。
【0016】
2つのT形鋼14は、それぞれ、各段の角材24の伸長方向である一方向bへ伸びている。図示の例において、2つのT形鋼14は一方向bに関して同じ長さ寸法を有し、また、各段の角材24と同じ長さ寸法を有する。2つのT形鋼14は、図上、上下方向aに互いに間隔をおいて配置され、一方のT形鋼14が上方位置にあり、他方のT形鋼14が下方位置にある。上方位置にあるT形鋼14のウエブ部14aと、下方位置にあるT形鋼14のウエブ部14aとは2組の木材12間に位置し、上下方向aに関して互いに対向している。また、両ウエブ部14aは2組の木材12の複数段の角材24のうちの一部の段の角材(図示の例においては上段の角材及び下段の角材)24にそれぞれ面し、これらに対向している。図示の例では、各T形鋼14のウエブ部14aの上下方向長さが上下各段の角材24の上下方向長さよりわずかに大きいものに設定されている。
【0017】
他方、2つのT形鋼14のフランジ部14bは2組の木材12間外にあって2組の木材12に面しこれらに接している。より詳細には、上方位置にあるT形鋼14のフランジ部14bは2組の木材12を構成する上段の両角材24の上面に接し、下方位置にあるT形鋼14のフランジ部14bは2組の木材12を構成する下段の両角材24の下面に接している。
【0018】
図示の例においては、建築用構造材10の製造コストを低減し、また、建築用構造材10の強度を確保するとの観点から、比較的低廉である木材12の使用体積を比較的大きいものとすべく、各角材24が、T形鋼14のフランジ部14bの各側縁14b1からフランジ部14bの幅方向(他方向c)へ突出する大きさとされている。
【0019】
鋼板16は、2組の木材12間に配置され2つのT形鋼14のウエブ部14a間に位置する。鋼板16は、一方向bに関して、T形鋼14と同じ長さ寸法を有し、また、T形鋼14のウエブ部14aと同じ厚さ寸法を有する。鋼板16は、図示の例では、その上下両端においてそれぞれT形鋼14の両ウエブ部14aに接する状態におかれている。但し、図示の例に代えて、鋼板16はその上下両端とT形鋼14の両ウエブ14aとの間にそれぞれわずかな隙間が存するように配置することができる。また、鋼板16は2組の木材12の複数段の角材24のうちの残りの一部の段の角材(図示の例においては中段の角材)24に面し、これに対向している。また、図示の例では、鋼板16の上下方向長さが中段の角材24の上下方向長さよりわずかに小さいものに設定されている。
【0020】
複数の弾性シート18は、それぞれ、各組の木材12の角材24相互間と、各T形鋼14のウエブ部14a及び該ウエブに対向する角材(図示の例において上段の角材及び下段の角材)24相互間と、鋼板16及び該鋼板16に対向する角材(図示の例において中段の角材)24相互間とに、それぞれ、配置され、一方向bへ伸びている。弾性シート18は、例えば比較的厚さの薄いゴム板からなる。弾性シート18は、それぞれ、複数の締結具20、複数の締結具21及び複数の締結具22による締結作用を受けて圧縮された状態におかれ、2組の木材12の角材24の経年変化の一つであるいわゆる「痩せ」に伴って弾性復帰し、角材24の「痩せ」に伴って生じる各T形鋼14のウエブ部14a及び角材24相互間の隙間、鋼板16及び角材24相互間の隙間、及び、角材24相互間の隙間を埋める働きをなす。
【0021】
図示の各締結具20、21、22は、それぞれ、ボルト及びナットの組立体からなる。ここに、締結具20の前記ボルトは、2組の木材12の上段及び下段の角材24を構成する、互いに部分的に相対する2つの角材片24aと、両角材片24a間の各T形鋼14のウエブ部14a及び該ウエブ部に対向する弾性シート18bとに形成されこれらを貫通する孔(図示せず)に通され、他方向cへ伸びている。締結具20の前記ナットは、前記孔から突出する前記ボルトの軸端部に螺合されている。また、締結具21の前記ボルトは、2組の木材12の中段の角材24を構成する、互いに部分的に相対する2つの角材片24aと、両角材片24a間の鋼板16及びこれに対向する弾性シート18bとに形成されこれらを貫通する孔(図示せず)に通され、他方向cへ伸びている。締結具21の前記ナットは、前記孔から突出する前記ボルトの軸端部に螺合されている。他方、締結具22の前記ボルトは、各組の木材12の上中下の各段の角材24を構成する、互いに部分的に相対する2つの角材片24aと、これらの段の角材片24a相互間の弾性シート18aと、上下の両T形鋼14のフランジ部14bとに形成されこれらを貫通する孔(図示せず)に通され、上下方向aへ伸びている。締結具22の前記ナットは、上方のT形鋼14のフランジ部14bを経て前記孔から突出する前記ボルトの軸端部に螺合されている。締結具20、21、22は、図示の例に代えて、前記複数の孔に圧入され引抜き可能であるピン(図示せず)からなるものとすることができる。
【0022】
建築用構造材10は、前記した図示の例に代えて、鋼板16を省略してなる他の例(図示せず)とすることができる。この他の例においては、上下の両T形鋼14のいずれか一方、例えば上方のT形鋼14のウエブ部14aが、下方のT形鋼14のウエブ部14aよりも大きい上下方向長さを有するものに設定される。より詳細には、鋼板16の上下方向長さに相当する長さ寸法の延長部を有するものに設定される。この他の例においては、締結具21の前記ボルトは、鋼板16及びこれに対向する弾性シート18に代わり、前記延長部とこれに対向する弾性シート18bを貫通する。
【0023】
また、各組の木材12の複数段の角材24について、これを、上中下の3段の角材24とする図示の例に代えて、上下2段の角材24とすることができる。この場合には、鋼板16及び該鋼板に対向する2組の木材12における中段の角材24及び弾性シート18の設置が省略され、また、両T形鋼14のウエブ部14aがそれぞれ上段及び下段の両角材24の上下方向長さに相当する長さを有するものに設定される。
【0024】
角材24を上下2段に配置する前記した例に代えて、角材24の配置段数が3を超える、例えば4とすることができる。この場合には、例えば、両T形鋼14のウエブ部14aがそれぞれ最上段及び最下段の両角材(前記一部の段の角材)24の上下方向長さにそれぞれ相当する長さを有し、また、両T形鋼14のウエブ部14a間の鋼板16が最上段及び最下段の角材24間に積み重ねられた2段の角材(前記残りの一部の段の角材)24の上下方向長さに相当する長さを有するものとすることができる。
【0025】
本発明によれば、建築用構造材10を構成する要素である2組の木材12及び2つのT形鋼14が、接着剤によらないで、複数の締結具20、22を介して互いに解除可能に締結され、また、2組の木材12及び鋼板16が、接着剤によらないで、複数の締結具21を介して解除可能に締結されている。このことから、建築用構造材10は、その製造に要する労力及び時間の節減が可能であり、また、製造コストの低減が可能である。さらに、建築用構造材10の分解が可能であり、これにより木材12(角材24、角材片24a)を再利用に供することができる。さらに、また、建築用構造材10は、その使用後の廃棄に際して、これをその構成要素毎に分別することができる。このことから、分別回収後における木材12(角材24、角材片24a)の再利用が容易である。
【符号の説明】
【0026】
10 建築用構造材
12 木材
14 T形鋼
14a、14b T形鋼のウエブ部及びフランジ部
16 鋼板
18、18a、18b 弾性シート
20、21、22 締結具
24 角材
24a 角材片
a、b、c 上下方向、一方向及び他方向
図1
図2