(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023065870
(43)【公開日】2023-05-15
(54)【発明の名称】画像出力システム、及び、画像出力方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/16 20120101AFI20230508BHJP
H04W 4/33 20180101ALI20230508BHJP
G09B 29/00 20060101ALI20230508BHJP
G16Y 40/60 20200101ALI20230508BHJP
【FI】
G06Q50/16
H04W4/33
G09B29/00 F
G16Y40/60
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021176258
(22)【出願日】2021-10-28
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】松田 浩
(72)【発明者】
【氏名】十河 知也
(72)【発明者】
【氏名】玉木 雄二
(72)【発明者】
【氏名】竹本 勇一郎
【テーマコード(参考)】
2C032
5K067
5L049
【Fターム(参考)】
2C032HB05
2C032HC23
2C032HC27
5K067BB27
5K067BB45
5L049CC29
(57)【要約】
【課題】オブジェクトの記憶容量を低減しつつ、多様なフロアマップ画像を提供することができる画像出力システムを提供する。
【解決手段】画像出力システム10は、施設20内のフロアのマップを含むベース画像に、フロアに含まれるエリアの状態に関連するオブジェクトが配置されたフロアマップ画像を表示するための表示情報を出力する出力部46を備える。オブジェクトは、上記フロアマップ画像と、出力部46によって出力される他の表示情報に基づいて表示される他の施設20のフロアマップ画像とにおいて共通化されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
施設内のフロアのマップを含むベース画像に、前記フロアに含まれるエリアの状態に関連するオブジェクトが配置されたフロアマップ画像を表示するための表示情報を出力する出力部を備え、
前記オブジェクトは、前記フロアマップ画像と、前記出力部によって出力される他の表示情報に基づいて表示される他の施設のフロアマップ画像とにおいて共通化されている
画像出力システム。
【請求項2】
前記ベース画像上の前記オブジェクトの位置を示す位置情報、及び、前記オブジェクトの種別情報の少なくとも一方を取得する第一取得部をさらに備える
請求項1に記載の画像出力システム。
【請求項3】
前記オブジェクトは、前記エリアにおける人の混雑度を示す第一オブジェクト、前記エリアにおける感染症対策の状態を示す第二オブジェクト、及び、前記エリアの快適性に関する指標を示す第三オブジェクトのいずれかである
請求項1または2に記載の画像出力システム。
【請求項4】
前記ベース画像には、さらに、前記施設内から見た前記施設の画像が配置される
請求項1~3のいずれか1項に記載の画像出力システム。
【請求項5】
前記オブジェクトは、複数のサブオブジェクトを含み、
前記複数のサブオブジェクトのそれぞれは、前記エリアにおける人の混雑度を示す第一オブジェクト、前記エリアにおける感染症対策の状態を示す第二オブジェクト、及び、前記エリアの快適性に関する指標を示す第三オブジェクトのいずれかである
請求項1~4のいずれか1項に記載の画像出力システム。
【請求項6】
前記施設内に設置されたセンサのセンシング情報を取得する第二取得部をさらに備え、
前記出力部は、取得された前記センシング情報に基づいて前記オブジェクトの表示態様を変更する
請求項1~5のいずれか1項に記載の画像出力システム。
【請求項7】
前記出力部は、前記オブジェクトの表示態様を変更し、
前記オブジェクトの表示態様を変更する基準は、前記オブジェクトが関連する前記エリアの状態に応じて異なる
請求項6に記載の画像出力システム。
【請求項8】
前記施設内に設置されたセンサのセンシング情報を取得する第二取得部をさらに備え、
前記オブジェクトは、前記エリアの快適性に関する指標を示し、
前記オブジェクト内には、取得された前記センシング情報に基づく数値が表示される
請求項1~7のいずれか1項に記載の画像出力システム。
【請求項9】
前記第二取得部は、前記センシング情報に加えて前記センサの識別情報を取得し、
前記出力部は、取得された前記センシング情報に基づいて、取得された前記センサの識別情報に紐づく前記オブジェクトを更新する
請求項6~8のいずれか1項に記載の画像出力システム。
【請求項10】
前記第一取得部は、前記位置情報に加えて、前記施設の識別情報を取得し、
前記出力部は、取得された前記施設の識別情報に紐づく情報端末へ前記表示情報を出力する
請求項2に記載の画像出力システム。
【請求項11】
前記ベース画像には、前記エリアの状態の概略を示す前記オブジェクトと、当該状態の詳細を示すオブジェクトとが配置される
請求項1に記載の画像出力システム。
【請求項12】
前記出力部は、前記ベース画像に、前記施設内に位置し、前記フロアマップ画像を表示する情報端末へ前記表示情報を出力し
前記フロアマップ画像には、前記情報端末の位置を示すオブジェクトが配置される
請求項1~11のいずれか1項に記載の画像出力システム。
【請求項13】
施設内のフロアのマップを含むベース画像に、前記フロアに含まれるエリアの状態に関連するオブジェクトが配置されたフロアマップ画像を表示するための表示情報を出力する出力ステップを含み、
前記オブジェクトは、前記フロアマップ画像と、前記出力ステップにおいて出力される他の表示情報に基づいて表示される他の施設のフロアマップ画像とにおいて共通化されている
画像出力方法。
【請求項14】
請求項13に記載の画像出力方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像出力システム等に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、建物に設けられた各エリアに関する状況を管理する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、オブジェクトの記憶容量を低減しつつ、多様なフロアマップ画像を提供することができる画像出力システム等を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様に係る画像出力システムは、施設内のフロアのマップを含むベース画像に、前記フロアに含まれるエリアの状態に関連するオブジェクトが配置されたフロアマップ画像を表示するための表示情報を出力する出力部を備え、前記オブジェクトは、前記フロアマップ画像と、前記出力部によって出力される他の表示情報に基づいて表示される他の施設のフロアマップ画像とにおいて共通化されている。
【0006】
本発明の一態様に係る画像出力方法は、施設内のフロアのマップを含むベース画像に、前記フロアに含まれるエリアの状態に関連するオブジェクトが配置されたフロアマップ画像を表示するための表示情報を出力する出力ステップを含み、前記オブジェクトは、前記フロアマップ画像と、前記出力ステップにおいて出力される他の表示情報に基づいて表示される他の施設のフロアマップ画像とにおいて共通化されている。
【0007】
本発明の一態様に係るプログラムは、前記画像出力方法をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0008】
本発明の画像出力システム等は、オブジェクトの記憶容量を低減しつつ、多様なフロアマップ画像を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施の形態に係る画像出力システムの機能構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、フロアマップ画像の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、画像出力システムのフロアマップ画像の表示動作例のシーケンス図である。
【
図5】
図5は、アセンブリ情報の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、オブジェクト配置情報の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、フロアマップ画像の別の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、複数のサブオブジェクトによって構成されるオブジェクトの一例を示す図である。
【
図9】
図9は、第一オブジェクトの表示態様を変更する基準の一例を示す図である。
【
図10】
図10は、同一の指標を示すオブジェクトが2種類表示される例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0011】
なお、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付し、重複する説明は省略または簡略化される場合がある。
【0012】
(実施の形態)
[構成]
まず、実施の形態に係る画像出力システムの構成について説明する。
図1は、実施の形態に係る画像出力システムの機能構成を示すブロック図である。
【0013】
図1に示される画像出力システム10は、複数の施設20それぞれに設けられた情報端末30(デジタルサイネージ装置など)に当該施設20内の環境状態などを示すフロアマップ画像を表示することができるシステムである。
図2は、このようなフロアマップ画像の一例を示す図である。施設20は、例えば、オフィスビル、商業施設、社会教育施設(図書館、博物館、または、美術館など)、医療施設(病院など)、工場、研究施設、宿泊施設または、公共施設などである。
【0014】
1つの施設100には、二酸化炭素濃度センサ21、温湿度センサ22、着座センサ23、人数センサ24、無線通信装置25、制御装置26、換気装置27、空気浄化装置28、及び、情報端末30が設けられる。画像出力システム10は、これらの施設20内に設けられた装置を備える。なお、1つの施設20には、二酸化炭素濃度センサ21、温湿度センサ22、着座センサ23、人数センサ24、無線通信装置25、制御装置26、換気装置27、空気浄化装置28、及び、情報端末30のそれぞれが複数設けられていてもよい。また、施設20の外には、サーバ装置40が設けられており、画像出力システム10は、サーバ装置40を備える。
【0015】
以下、画像出力システム10が備える各構成要素(センサ及び装置)について説明する。二酸化炭素濃度センサ21は、施設20内の二酸化炭素濃度をセンシングし、センシングした二酸化炭素濃度を示す情報(センシング情報の一例)を無線通信装置25へ無線送信する。この情報には、二酸化炭素濃度センサ21のID(センサの識別情報の一例)が付与される。二酸化炭素濃度センサ21は、二酸化炭素の赤外線の吸収特性を利用した光学式のセンサであるが、電気化学反応を利用した電気化学式のセンサであってもよいし、半導体を用いたセンサであってもよい。
【0016】
温湿度センサ22は、施設20内の温度及び湿度をセンシングし、センシングした温度及び湿度を示す情報(センシング情報の一例)を無線通信装置25へ無線送信する。この情報には、温湿度センサ22のID(センサの識別情報の一例)が付与される。温度計測素子、及び、湿度計測素子によって実現される。温度計測素子は、例えば、サーミスタ、熱電対、または、赤外線検出素子などであり、湿度計測素子は、例えば、静電容量型の感湿素子または抵抗変化型の感湿素子などである。
【0017】
着座センサ23は、施設20内の個人ブースなどの座席等に人が座っているかどうかをセンシングし、当該座席における人の存否を示す情報(センシング情報の一例)を無線通信装置へ無線送信する。この情報には、着座センサ23のID(センサの識別情報の一例)が付与される。着座センサ23は、人の体から発せられる赤外線をセンシングする赤外線検出素子などによって実現される。
【0018】
人数センサ24は、施設20内の天井等に設置され、施設20内に位置する人の数をセンシングし、センシングした人の数を示す情報(センシング情報の一例)を無線通信装置へ無線送信する。この情報には、人数センサ24のID(センサの識別情報の一例)が付与される。人数センサ24は、具体的には、カメラ及び画像処理装置によって実現される。カメラは、人数センサ24が設置されたフロアの画像(動画像または静止画像)を撮影し、画像処理装置は、画像処理によって撮影した画像に映る人の数を特定する。
【0019】
画像処理装置は、例えば、機械学習モデルによって実現される。この機械学習モデルは、カメラによって撮影された画像を入力情報とし、出力情報として画像に映る人の数を出力することができる学習済みモデルである。画像処理装置は、テンプレートマッチングなどの手法により画像から人の数を特定してもよいし、既存の他の方法を用いて人の数を特定してもよい。
【0020】
無線通信装置25は、二酸化炭素濃度センサ21、温湿度センサ22、及び、着座センサ23のそれぞれからセンシング情報を無線通信によって受信し、受信したセンシング情報を制御装置26へ送信する。上記無線通信の通信規格は、例えば、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)であるが、その他の通信規格であってもよい。また、無線通信装置25と制御装置26との通信は、例えば、有線通信であるが、無線通信であてもよい。
【0021】
制御装置26は、無線通信装置25から受信したセンシング情報を、インターネットなどの広域通信ネットワーク50を介してサーバ装置40へ送信する。また、制御装置26は、換気装置27、及び、空気浄化装置28を制御し、換気装置27、及び、空気浄化装置28の動作状態を示す情報を、広域通信ネットワーク50を介してサーバ装置40へ送信する。制御装置26は、例えば、EMS(Energy Management System)コントローラなどの汎用の制御装置であるが、画像出力システム10の専用の制御装置であってもよい。
【0022】
換気装置27は、施設20内の換気を行う。また、換気装置27は、換気装置27の動作状態(例えば、動作中か否か)を示す情報を、制御装置26へ送信する。この情報には、換気装置27のID(装置の識別情報の一例)が付与される。換気装置27は、例えば、ERV(Energy Recovery Ventilator)などの全熱交換器を含む換気装置であるが、換気扇などの熱交換をともなわない換気装置であってもよい。
【0023】
空気浄化装置28は、施設20内の空間の空気を吸引し、吸引した空気を浄化して当該空間に放出する装置である。また、空気浄化装置28は、空気浄化装置28の動作状態(例えば、動作中か否か)を示す情報を、制御装置26へ送信する。この情報には、空気浄化装置28のID(装置の識別情報の一例)が付与される。空気浄化装置28は、例えば、HEPA(High Efficiency Particulate Air)フィルタなどのエアフィルタを備え、吸引した空気をエアフィルタによって浄化(濾過)して空間に放出する空気清浄機である。
【0024】
なお、空気浄化装置28は、吸引した空気を紫外光によって浄化(除菌)して空間に放出する装置であってもよい。また、空気浄化装置28は、吸引した空気を次亜塩素酸水によって浄化(除菌)して空間に放出する装置であってもよい。空気浄化装置28は、次亜塩素酸水のミストを空間に放出する装置であってもよい。
【0025】
情報端末30は、サーバ装置40から提供される表示情報に基づいて、施設20内の環境状態などを示すフロアマップ画像を表示する。情報端末30は、例えば、施設20内に固定設置されたデジタルサイネージ装置であるが、施設20内に位置する情報端末であればよく、スマートフォンまたはタブレット端末などの携帯型の情報端末であってもよい。また、情報端末30は、パーソナルコンピュータなどであってもよい。情報端末30は、専用のアプリケーションプログラムを実行することにより、表示情報に基づくフロアマップ画像の表示処理を行ってもよいし、ウェブブラウザを実行することにより、表示情報に基づくフロアマップ画像の表示処理を行ってもよい。情報端末30は、通信部31と、情報処理部32と、記憶部33と、表示部34とを備える。
【0026】
通信部31は、情報端末30が広域通信ネットワーク50を介してサーバ装置40などと通信を行うための通信モジュール(通信回路)である。通信部31によって行われる通信は、例えば、有線通信であるが、無線通信であってもよい。通信に用いられる通信規格についても特に限定されない。
【0027】
情報処理部32は、サーバ装置40から提供される表示情報に基づいて、フロアマップ画像を表示するための表示処理を行う。情報処理部32は、例えば、マイクロコンピュータによって実現されるが、プロセッサによって実現されてもよい。情報処理部32の機能は、例えば、情報処理部32を構成するマイクロコンピュータまたはプロセッサ等が記憶部33に記憶されたコンピュータプログラムを実行することによって実現される。
【0028】
記憶部33は、上記表示処理に必要な情報(サーバ装置40から提供される表示情報など)、及び、情報処理部32が実行するコンピュータプログラムなどが記憶される記憶装置である。記憶部33は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)によって実現されるが、半導体メモリなどによって実現されてもよい。
【0029】
表示部34は、サーバ装置40から提供される表示情報に基づいてフロアマップ画像を表示する。表示部34は、例えば、液晶パネルまたは有機EL(Electro Luminescence)パネルなどの表示パネルによって実現される。
【0030】
サーバ装置40は、制御装置26から取得したセンシング情報等に基づいて、フロアマップ画像を表示するための表示情報を生成し、生成した表示情報を出力する処理(以下、画像出力処理とも記載される)を行う。サーバ装置40は、複数の施設20外に設けられたクラウドサーバである。サーバ装置40は、具体的には、通信部41と、情報処理部42と、記憶部43とを備える。
【0031】
通信部41は、サーバ装置40が広域通信ネットワーク50を介して制御装置26、及び、情報端末30などと通信を行うための通信モジュール(通信回路)である。通信部41によって行われる通信は、例えば、有線通信であるが、無線通信であってもよい。通信に用いられる通信規格についても特に限定されない。
【0032】
情報処理部42は、上述の画像出力処理を行う。情報処理部42は、例えば、マイクロコンピュータによって実現されるが、プロセッサによって実現されてもよい。情報処理部42は、機能的な構成要素として、第一取得部44、第二取得部45、及び、出力部46を有する。第一取得部44、第二取得部45、及び、出力部46の機能は、例えば、情報処理部42を構成するマイクロコンピュータまたはプロセッサ等が記憶部43に記憶されたコンピュータプログラムを実行することによって実現される。第一取得部44、第二取得部45、及び、出力部46のそれぞれの詳細な機能については後述する。
【0033】
記憶部43は、上記画像出力処理に必要な情報、及び、情報処理部42が実行するコンピュータプログラムなどが記憶される記憶装置である。記憶部43は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)によって実現されるが、半導体メモリなどによって実現されてもよい。
【0034】
[フロアマップ画像の概要]
上述のように、画像出力システム10は、複数の施設20それぞれの内部のフロアマップ画像を表示することができる。フロアマップ画像は、上記
図2に示されるように、複数の施設20のそれぞれに対応するベース画像に、オブジェクトを配置することによって実現される。
図3は、ベース画像の一例を示す図である。
【0035】
図2及び
図3に示されるように、ベース画像は、施設20内のフロアのマップを含む画像である。サーバ装置40の記憶部43には、複数の施設20それぞれのベース画像があらかじめ記憶されている。ベース画像は、施設20に固有の画像であり、施設20が異なればベース画像も異なる。
【0036】
また、ベース画像には、あらかじめ記憶部43に記憶された複数種類のオブジェクトのうち少なくとも一部のオブジェクトが配置(重畳)される。複数種類のオブジェクトの中には、施設20に固有のオブジェクトだけでなく、複数の施設20に共通のオブジェクトが含まれる。このようなオブジェクトは、具体的には、
図2に示される、第一オブジェクト61、第二オブジェクト62、及び、第三オブジェクト63である。これらのオブジェクトは、施設20のフロアマップ画像にも、当該施設20と異なる他の施設のフロアマップ画像にも使用される。つまり、これらのオブジェクトは、あるフロアマップ画像と、他のフロアマップ画像とにおいて共通化されている。ここで、オブジェクトが共通化されるとは、少なくともオブジェクトの主たる形状等が共通化されることを意味し、オブジェクトの表示態様(色、オブジェクト中のテキスト、及び、オブジェクト中の数値等)は必ずしも同じでなくてもよい。
【0037】
共通化されているオブジェクトの1つである第一オブジェクト61は、施設20内のエリアにおける人の混雑度を示す。第一オブジェクト61は、具体的には、略円形の吹き出しの中の人の形をしたアイコンのうち黒くなった人の形をしたアイコンの数により、施設29内のエリアにおける混雑度を示す。
【0038】
また、
図2の例では、第一オブジェクト61の吹き出しの中の人の形をしたアイコンの総数は、混雑度によらず常に5つであるが、第一オブジェクト61は、吹き出しの中の人の形をしたアイコンの総数そのものによって混雑度を示してもよい。つまり、第一オブジェクト61は、吹き出しの中の人の形をしたアイコンの数が混雑度に応じて1つになったり3つになったり、というような仕様であってもよい。
【0039】
また、第一オブジェクト61は、人の形をしたアイコンに代えて、第一オブジェクト61内に表示される、人数を示す数値(文字)によって混雑度を示してもよい。また、第一オブジェクト61は、人の形をしたアイコン、及び、人数を示す数値の両方によって混雑度を示してもよい。なお、施設20内のエリアとは、施設20内のフロア(階)の全部または一部に相当する単位である。
【0040】
第一オブジェクト61の表示態様(黒くなった人の形をしたアイコンの数)は、施設20内に設置された人数センサ24から得られるセンシング情報に基づいて決定される。また、着座センサ23が設けられているエリア(複数の個人ブースが並ぶエリア)の混雑度を示す第一オブジェクト61の表示態様は、着座センサ23から得られるセンシング情報に基づいて決定されてもよい。なお、混雑度のレベルに応じて、吹き出しの中の色(背景色)が緑色(混雑度が低い)、黄色(混雑度が中程度)、及び、赤色(混雑度が高い)といったように変更されてもよい。
【0041】
このような第一オブジェクト61の表示態様は、実質的にリアルタイムに更新される。実質的にリアルタイムに更新、とは、10分間隔など少し時間を空けて更新が行われることを含む意味である。
【0042】
共通化されているオブジェクトの1つである第二オブジェクト62は、施設20内のエリアにおける感染症対策の状態を示す。第二オブジェクト62は、具体的には、文字により感染症対策の状態を示す。
図2の例では、1つの施設20に対して1つの第二オブジェクト62が配置されているが、第二オブジェクト62は、エリアごとに配置されてもよい。第二オブジェクト62は、換気装置27、及び、空気浄化装置28の動作状態を示す情報に基づいて表示(配置)がオン及びオフされる。例えば、換気装置27、及び、空気浄化装置28の少なくとも一方が動作中であるときに表示され、換気装置27、及び、空気浄化装置28の両方が停止中に非表示とされる。このような第二オブジェクト62の表示態様は、実質的にリアルタイムに更新される。
【0043】
共通化されているオブジェクトの1つである第三オブジェクト63は、施設20内のエリアの快適性に関する指標を示す。第三オブジェクト63は、具体的には、施設20内の快適性に関する指標として、施設20内の温度、湿度、及び、二酸化炭素濃度などを示す。
【0044】
図2の例では、第三オブジェクト63には、フロアマップ画像の左上部に位置する、二酸化炭素濃度を数値及びグラフによって示すオブジェクトと、フロアマップ画像の左上部に位置する、温度を数値及びグラフによって示すオブジェクトと、フロアマップ画像の下部の温度及び湿度を数値によって示すオブジェクトとの三種類が含まれる。第三オブジェクト63は、温度、湿度、及び、二酸化炭素濃度の少なくとも1つを数値及びグラフの少なくとも一方によって示せばよい。第三オブジェクト63内に表示される数値及びグラフの態様は、温湿度センサ22から得られるセンシング情報、または、二酸化炭素濃度センサ21から得られるセンシング情報に基づいて決定される。このような第三オブジェクト63の表示態様は、実質的にリアルタイムに更新される。
【0045】
また、
図3に示されるように、ベース画像には、施設20内における人の混雑度、及び、施設20内における快適性に関する指標(温度及び湿度)を示すオブジェクト66が配置されてもよい。また、ベース画像には、施設20内から見た施設20の画像(写真またはCG)を示す第四オブジェクト64が配置されてもよい。第4オブジェクトは、言い換えれば、施設20の内部のイメージを示すオブジェクトであり、施設20に固有のオブジェクトである。第四オブジェクト64は、例えば、あらかじめ施設20内で撮影された画像またはあらかじめ生成されたCGを示すが、定期的に新しい画像またはCGに更新されてもよい。また、第四オブジェクト64は、施設20に設置されたカメラによって撮影中の静止画像または動画像を実質的にリアルタイムに示してもよい。
【0046】
また、ベース画像には、1日における時間帯毎の人の混雑度を示す第五オブジェクト65が配置されてもよい。また、ベース画像には、フロアマップ画像を表示する情報端末30の設置位置(言い換えれば、現在位置)を示すオブジェクト67が配置されてもよい。オブジェクト67は、言い換えれば、表示部34に表示されているフロアマップ画像を視認しているユーザの位置を示すオブジェクトである。
【0047】
なお、ベース画像には、上記のオブジェクトの全てが配置される必要はなく、上記のオブジェクトの少なくとも1つが配置されればよい。また、ベース画像には、上記のオブジェクト以外のオブジェクトが配置されてもよい。
【0048】
[表示動作例]
以上説明したようなフロアマップ画像を表示するための表示動作例について説明する。
図4は、画像出力システム10のフロアマップ画像の表示動作例のシーケンス図である。
【0049】
サーバ装置40の記憶部43には、複数の施設20のそれぞれのフロアマップ画像を生成するためのアセンブリ情報があらかじめ記憶されている。
図5は、アセンブリ情報の一例を示す図であり、アセンブリ情報においては、施設のID(識別情報)、フロアマップ画像が表示される情報端末のID(識別情報)、ベース画像のID(識別情報)、当該ベース画像に配置されるオブジェクトの配置を示すオブジェクトの配置情報のID(識別情報)が紐付けられている。
【0050】
例えば、複数の施設20の1つである施設Aのフロアマップ画像を生成する場合、サーバ装置40の第一取得部44は、施設AのIDを取得する(S10)。第一取得部44は、外部装置から通信部41が受信したフロアマップ画像の表示要求に含まれる施設AのIDを取得する。
【0051】
次に、第一取得部44は、ベース画像及びオブジェクト配置情報を取得する(S11)。第一取得部44は、具体的には、記憶部43に記憶されたアセンブリ情報を参照することにより、ステップS10において取得した施設AのIDに紐付けられた、ベース画像のID、及び、オブジェクト配置情報のIDを特定し、特定したIDを有するベース画像及びオブジェクト配置情報を記憶部43から取得する。
【0052】
上述のように、記憶部43には、複数の施設20それぞれのベース画像があらかじめ記憶されており、ステップS11においては、このうちの施設AのIDに紐付けられた識別情報を有するベース画像が取得される。また、
図6に示されるように、ステップS11において取得されるオブジェクト配置情報は、ベース画像に配置される全てのオブジェクトをリストアップした情報である。
図6は、オブジェクト配置情報の一例を示す図である。
図6に示されるように、オブジェクト配置情報は、具体的には、オブジェクトのID(識別情報)、オブジェクトの種別、オブジェクトの位置情報、及び、対応するセンサまたは装置のID(識別情報)が紐付けられた情報である。つまり、ステップS11において、第一取得部44は、ベース画像上のオブジェクトの位置を示す位置情報、及び、オブジェクトの種別情報の少なくとも一方を取得しているといえる。
【0053】
オブジェクト配置情報は、例えば、フロアマップ画像のデザイナー等によって図示されないユーザインターフェースを介してサーバ装置40に入力され、あらかじめ記憶部43に記憶される。オブジェクト配置情報は、他のサーバ装置からサーバ装置40へ提供されて記憶部43にあらかじめ記憶されてもよい。
【0054】
次に、第二取得部45は、ステップS11において取得されたオブジェクト配置情報にリストアップされているセンサのID(具体的には、二酸化炭素濃度センサ21、温湿度センサ22、着座センサ23、または、人数センサ24などのID)を取得し、取得したIDを有するセンサの直近のセンシング情報を取得する(S12)。第二取得部45は、例えば、通信部41を介して各センサへセンシング情報を要求することにより、応答として直近のセンシング情報を取得する。各センサのセンシング情報が定期的に記憶部43に記憶されているような場合には、第二取得部45は、記憶部43から直近のセンシング情報を取得してもよい。
【0055】
次に、第二取得部45は、ステップS11において取得されたオブジェクト配置情報にIDがリストアップされている装置(具体的には、換気装置27または空気浄化装置28の直近の動作状態を示す情報を取得する(S13)。第二取得部45は、例えば、通信部41を介して各装置へ動作状態を示す情報を要求することにより、応答として直近の動作状態を示す情報を取得する。各装置の動作状態を示す情報が定期的に記憶部43に記憶されているような場合には、第二取得部45は、記憶部43から直近の動作状態を示す情報を取得してもよい。
【0056】
次に、出力部46は、ステップS11において取得されたオブジェクト配置情報に含まれる複数のオブジェクトのそれぞれの表示態様を決定する(S14)。
【0057】
例えば、出力部46は、ステップS12において取得された着座センサ23または人数センサ24のセンシング情報に基づいて、人の混雑度を示す第一オブジェクト61の表示態様(例えば、人の形をした黒色のアイコンの数)を決定することができる。なお、出力部46は、人の混雑度を決定するにあたっては、人数センサ24によってセンシングされた人数を当該人数センサ24が設置されたエリアの広さで除算するなどの計算を行う。この場合、エリアの広さは、例えば、あらかじめ記憶部43に記憶されている。
【0058】
また、出力部46は、人の混雑度を決定するにあたって、人数センサ24によってセンシングされた人数を所定の定数で除算することにより、人の混雑度を決定してもよい。この場合の所定の定数は、例えば、あらかじめ記憶部に記憶されている。このように、ステップS14においては、人の混雑度を決定するための計算が適宜行われればよい。
【0059】
また、出力部46は、ステップS13において取得された換気装置27または空気浄化装置28の動作状態を示す情報に基づいて、施設20内の快適性に関する指標を示す第二オブジェクト62の表示態様(例えば、表示の有無)を決定することができる。
【0060】
なお、出力部46は、シンプルに動作のオンまたはオフで第二オブジェクト62の表示態様を決定するのではなく、換気装置27の換気量が所定値以上であるか否かなど、より詳細な動作状態に関する要件を用いて第二オブジェクト62の表示態様を決定してもよい。また、出力部46は、動作状態を示す情報に代えて、または、動作状態を示す情報に加えて、施設20内の清掃作業(除菌作業)の有無を示す情報を考慮して、第二オブジェクト62の表示態様を決定してもよい。この場合、清掃作業の有無を示す情報は、例えば、図示されないユーザインターフェース装置を介してサーバ装置40へ入力される。
【0061】
また、出力部46は、ステップS12において取得された二酸化炭素濃度センサ21または温湿度センサ22のセンシング結果に基づいて、施設20内の快適性に関する指標を示す第三オブジェクト63の表示態様(例えば、数値またはグラフ)を決定することができる。
【0062】
次に、出力部46は、フロアマップ画像を表示するための表示情報を生成し、生成した表示情報を出力する(S15)。表示情報には、ベース画像の実情報、オブジェクト(表示態様が変更されるオブジェクトは表示態様決定後のオブジェクト)の実情報、及び、オブジェクトの位置情報(オブジェクト配置情報に基づく、少なくともオブジェクトIDと座標とが紐づけられた情報)が含まれる。また、出力部46は、ステップS11において取得されたアセンブリ情報に基づいて、表示情報の出力先の情報端末30(情報端末30のID)を指定する。通信部41は、出力部46によって出力された表示情報を、指定された情報端末30へ送信する(S16)。なお、ステップS16の処理は、アセンブリ情報において施設AのID(より詳細には、ステップS10において取得された施設Aの識別情報)に紐づいている情報端末30へ表示情報を出力する処理であるといえる。
【0063】
情報端末30の通信部31は、表示情報を受信する。情報処理部32は、受信された表示情報に基づいてフロアマップ画像を生成し、生成したフロアマップ画像を表示部34に表示する(S17)。上述のように、表示情報には、ベース画像の実情報、オブジェクトの実情報、及び、当該オブジェクトの位置情報が含まれる。情報端末30は、ベース画像に、位置情報に基づいてオブジェクトを配置することにより、フロアマップ画像を生成することができる。
【0064】
なお、他の施設Bのフロアマップ画像が生成及び表示される場合も、同様の処理が行われる。例えば、施設Bの固有のベース画像に、施設Aと共通のオブジェクトを配置することで、
図7のようなフロアマップ画像が表示される。
図7は、フロアマップ画像の別の一例を示す図である。
【0065】
以上説明したように、画像出力システム10において、一部のオブジェクトは、施設Aのフロアマップ画像と、他の施設Bのフロアマップ画像とにおいて共通化されている。このような画像出力システム10は、記憶部43に記憶するオブジェクトの総数(つまり、オブジェクトの記憶容量)を低減しつつ、多様なフロアマップ画像を提供することができる。
【0066】
なお、オブジェクトの表示態様は、適宜更新される。例えば、画像出力システム10は、所定の時間間隔で、ステップS12~ステップS17の処理を行うことで、センサのセンシング情報または装置の動作状態を示す情報に基づいて、オブジェクトの表示態様を更新することができる。なお、この処理は、オブジェクト配置情報において、センサのID(より詳細には、ステップS12で取得されたセンサの識別情報)に紐づいているオブジェクトの表示態様を更新する処理であるといえる。
【0067】
また、上記表示動作例においては、フロアマップ画像は、情報端末30が位置情報に基づいてベース画像にオブジェクトを配置することにより生成されたが、サーバ装置40の出力部46によってフロアマップ画像が生成され、生成されたフロアマップ画像の実情報(画像情報)が表示情報として情報端末30へ出力されてもよい。このような構成によれば、情報端末30における情報処理量を低減しつつ、オブジェクトの位置ずれの発生を抑制することができる。
【0068】
[変形例1]
第一オブジェクト61、第二オブジェクト62、及び、第三オブジェクト63は、基本的には、それぞれ別のオブジェクトとして取り扱われる。しかしながら、第一オブジェクト61、第二オブジェクト62、及び、第三オブジェクト63のうち2つ以上がサブオブジェクトとしてまとめられ、1つのオブジェクトとして取り扱われてもよい。
図8は、このように複数のサブオブジェクトを含むオブジェクトの一例を示す図である。
【0069】
図8に示されるオブジェクト70は、人の混雑度を示す第一オブジェクト71と、二酸化炭素濃度を示す第三オブジェクト73aと、温度を示す第三オブジェクト73bと、湿度を示す第三オブジェクト73cとをサブオブジェクトとして含む。
【0070】
このような複数のサブオブジェクトを含むオブジェクト70によれば、オブジェクト70をベース画像に配置するときにオブジェクト70にのみ座標を設定すればよい(複数のサブオブジェクトのそれぞれに対して座標を設定する必要が無い)ため、ベース画像へのオブジェクト70の配置を効率的に行うことができる。
【0071】
なお、
図8に示されるオブジェクト70は、複数のサブオブジェクトを含むオブジェクトの一例である。オブジェクトに、複数のサブオブジェクトが含まれる場合、当該オブジェクトに含まれる複数のサブオブジェクトのそれぞれは、第一オブジェクト61、第二オブジェクト62、及び、第三オブジェクト63のいずれかであればよい。
【0072】
[変形例2]
上記実施の形態において、第一オブジェクト61の表示態様は、人の混雑度(例えば、単位面積当たりの人数)に応じて変更された。ここで、出力部46は、施設20内の一つのエリアにおける人の混雑度を示す第一オブジェクト61の表示態様を、当該エリアの状態に応じた基準で変更してもよい。言い換えれば、第一オブジェクト61の表示態様を変更する基準は、対象のエリアの状態に応じて異なってもよい。例えば、第一オブジェクト61の表示態様を変更する基準は、対象のエリアにおける感染症対策の有無に応じて異なってもよい。
図9は、第一オブジェクト61の表示態様を変更する基準の一例を示す図である。
【0073】
図9に示される基準は、対象のエリアにおいて感染症対策が行われているときには、対象のエリアにおいて感染症対策が行われていないときよりも、低い混雑度の表示態様が選択されやすいように規定されている。別の見方をすると、
図9に示される基準は、感染症対策が行われている第一エリアにおいて、感染症対策が行われていない第二エリアよりも、低い混雑度の表示態様が選択されやすいように規定されている。なお、感染症対策が行われているとは、例えば、対象のエリアにおいて、換気装置27、及び、空気浄化装置28の少なくとも一方が動作していること、及び、直近の所定期間に施設20内の清掃作業(除菌作業)が行われたことを意味する。
【0074】
このような表示態様を変更するための基準によれば、出力部46は、対象のエリアの状態(例えば、感染症対策の状態)を考慮して第一オブジェクト61の表示態様を変更することができる。
【0075】
[変形例3]
上記実施の形態において、フロアマップ画像には、対象のエリアにおける同一の指標を示すオブジェクトが2種類表示されてもよい。
図10は、同一の指標を示すオブジェクトが2種類表示される例を説明するための図である。
【0076】
図10の例では、例えば、対象のエリアにおける人の混雑度の状態の概要を示すオブジェクト80と、対象のエリアにおける人の混雑度の詳細(具体的な数値)を示すオブジェクト81とが表示されている。つまり、ベース画像に、エリアの状態の概略を示すオブジェクト80と、当該状態の詳細を示すオブジェクト81とが配置されている。概要を示すオブジェクト80及び詳細を示すオブジェクト81のそれぞれは、複数のフロアマップ画像において共通化されるが、概要を示すオブジェクト80及び詳細を示すオブジェクト81の少なくとも一方が複数のフロアマップ画像において共通化されればよい。
【0077】
このように、画像出力システム10は、対象のエリアにおける人の混雑度の状態の概要を示すオブジェクト80と、対象のエリアにおける人の混雑度の詳細を示すオブジェクト81とを両方表示することで、混雑度の表示に対する様々なニーズを満たすことができる。
【0078】
[変形例4]
上記実施の形態では、画像出力システム10は、複数の装置によって実現された。画像出力システム10が複数の装置によって実現される場合、画像出力システム10が備える構成要素(特に、機能的な構成要素)は、複数の装置にどのように振り分けられてもよい。
【0079】
また、画像出力システム10は、単一の装置として実現されてもよい。例えば、画像出力システム10は、サーバ装置40に相当する単一の装置として実現されてもよい。言い換えれば、画像出力システム10は、第一取得部44、第二取得部45、及び、出力部46を備えるサーバ装置40に相当するシステムと考えることができる。
【0080】
また、画像出力システム10は、情報端末30に相当するシステムと考えることもできる。以下、この点について補足する。
【0081】
上記実施の形態の表示動作例のステップS17において、情報端末30の情報処理部32は、フロアマップ画像を表示するために、通信部31によって受信された表示情報を取得している。表示情報には、ベース画像の実情報、オブジェクトの実情報、及び、オブジェクトの位置情報が含まれる。したがって、情報処理部32は、ベース画像上のオブジェクトの位置を示す位置情報を取得する第一取得部としての機能を有しているといえる。
【0082】
また、ステップS17において、情報処理部32は、フロアマップ画像を表示するための情報を表示部34へ出力している。したがって、情報処理部32は、施設20内のフロアのマップを含むベース画像に、フロアに含まれるエリアの状態に関連するオブジェクトが配置されたフロアマップ画像を表示するための表示情報を出力する出力部としての機能を有しているといえる。
【0083】
また、上記実施の形態では、センシング情報または装置の動作情報に基づくオブジェクトの表示態様の変更は、サーバ装置40によって行われた。しかしながら、オブジェクトの表示態様の変更は、センシング情報または装置の動作情報がサーバ装置40から情報端末30へ提供されれば、情報端末30の情報処理部32によって行うこともできる。この場合、情報処理部32は、センシング情報または装置の動作情報を取得する第二取得部としての機能を有しているといえる。
【0084】
このように、画像出力システム10は、第一取得部、第二取得部、及び、出力部を備える情報端末30に相当するシステムと考えることもできる。
【0085】
[効果等]
以上説明したように、画像出力システム10は、施設20内のフロアのマップを含むベース画像に、フロアに含まれるエリアの状態に関連するオブジェクトが配置されたフロアマップ画像を表示するための表示情報を出力する出力部46を備える。オブジェクトは、上記フロアマップ画像と、出力部46によって出力される他の表示情報に基づいて表示される他の施設20のフロアマップ画像とにおいて共通化されている。
【0086】
このような画像出力システム10は、オブジェクトの記憶容量を低減しつつ、多様なフロアマップ画像を提供することができる。
【0087】
また、例えば、画像出力システム10は、ベース画像上のオブジェクトの位置を示す位置情報、及び、オブジェクトの種別情報の少なくとも一方を取得する第一取得部44をさらに備える。
【0088】
このような画像出力システム10は、ベース画像上のオブジェクトの位置を示す位置情報、及び、オブジェクトの種別情報の少なくとも一方を取得することができる。
【0089】
また、例えば、オブジェクトは、エリアにおける人の混雑度を示す第一オブジェクト61、エリアにおける感染症対策の状態を示す第二オブジェクト62、及び、エリアの快適性に関する指標を示す第三オブジェクト63のいずれかである。
【0090】
このような画像出力システム10は、対象のエリアにおける人の混雑度、当該エリアにおける感染症対策の状態、及び、当該エリアの快適性の少なくとも1つを示すフロアマップ画像を提供することができる。
【0091】
また、例えば、ベース画像には、さらに、施設20内から見た施設20の画像(第四オブジェクト64)が配置される。
【0092】
このような画像出力システム10は、施設20内部のイメージ画像を含むフロアマップ画像を提供することができる。
【0093】
また、例えば、オブジェクト70は、複数のサブオブジェクトを含み、複数のサブオブジェクトのそれぞれは、エリアにおける人の混雑度を示す第一オブジェクト61、エリアにおける感染症対策の状態を示す第二オブジェクト62、及び、エリアの快適性に関する指標を示す第三オブジェクト63のいずれかである。
【0094】
このような画像出力システム10は、複数のサブオブジェクトを1つのオブジェクト70として取り扱うことで、ベース画像へのオブジェクト70の配置を効率的に行うことができる。
【0095】
また、例えば、画像出力システム10は、施設20内に設置されたセンサのセンシング情報を取得する第二取得部45をさらに備える。出力部46は、取得されたセンシング情報に基づいてオブジェクトの表示態様を変更する。
【0096】
このような画像出力システム10は、センシング情報に基づいて、オブジェクトの表示態様を変更することができる。
【0097】
また、例えば、出力部46は、オブジェクトの表示態様を変更し、オブジェクトの表示態様を変更する基準は、オブジェクトが関連するエリアの状態に応じて異なる。
【0098】
このような画像出力システム10は、対象のエリアの状態を考慮してオブジェクトの表示態様を変更することができる。
【0099】
また、例えば、画像出力システム10は、施設20内に設置されたセンサのセンシング情報を取得する第二取得部45をさらに備える。オブジェクトは、エリアの快適性に関する指標を示し、オブジェクト内には、取得されたセンシング情報に基づく数値が表示される。
【0100】
このような画像出力システム10は、対象のエリアの快適性を数値で示すフロアマップ画像を提供することができる。
【0101】
また、例えば、第二取得部45は、センシング情報に加えてセンサの識別情報を取得し、出力部46は、取得されたセンシング情報に基づいて、取得されたセンサの識別情報に紐づくオブジェクトを更新する。
【0102】
このような画像出力システム10は、センサの識別情報に紐づくオブジェクトを更新することができる。
【0103】
また、例えば、第一取得部44は、位置情報に加えて、施設20の識別情報を取得し、出力部46は、取得された施設20の識別情報に紐づく情報端末30へ表示情報を出力する。
【0104】
このような画像出力システム10は、施設20の識別情報に紐づく情報端末30がフロアマップ画像を表示することを支援することができる。
【0105】
また、例えば、ベース画像には、エリアの状態の概略を示すオブジェクト80と、当該状態の詳細を示すオブジェクト81とが配置される。
【0106】
このような画像出力システム10は、対象のエリアの状態の概略及び詳細の両方を示すフロアマップ画像を提供することができる。
【0107】
また、例えば、出力部46は、ベース画像に、施設20内に位置し、フロアマップ画像を表示する情報端末30へ表示情報を出力する。フロアマップ画像には、情報端末30の位置を示すオブジェクト67が配置される。
【0108】
このような画像出力システム10は、情報端末30の位置を示すフロアマップ画像を提供することができる。
【0109】
また、画像出力システム10などのコンピュータによって実行される画像出力方法は、施設20内のフロアのマップを含むベース画像に、フロアに含まれるエリアの状態に関連するオブジェクトが配置されたフロアマップ画像を表示するための表示情報を出力する出力ステップを含む。オブジェクトは、上記フロアマップ画像と、出力ステップにおいて出力される他の表示情報に基づいて表示される他の施設20のフロアマップ画像とにおいて共通化されている。
【0110】
このような画像出力方法は、オブジェクトの記憶容量を低減しつつ、多様なフロアマップ画像を提供することができる。
【0111】
(その他の実施の形態)
以上、実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
【0112】
例えば、上記実施の形態では、人数センサとして、画像処理機能を有するカメラが用いられたが、人数センサとしてLPS(Local Positioning System)が使用されてもよい。LPSは、施設内に分散して配置された複数の無線通信装置を有し、これら複数の無線通信装置と施設内に位置する人が所持する発信機との近距離無線通信における受信信号強度に基づいて、発信機の現在位置(つまり、人の現在位置)を計測するシステムである。ここでの近距離無線通信は、例えば、BLEなどの通信規格に基づくものである。発信機は、例えば、人が所持する携帯端末であるが、LPSの専用デバイス(無線タグなど)であってもよい。
【0113】
また、上記実施の形態においてフロアマップ画像には、情報端末の現在位置を示すオブジェクトが表示されたが、情報端末が携帯端末であり現在位置が固定されていない場合、LPSにより情報端末の位置を特定し、情報端末の現在位置をフロアマップ画像に表示することが可能である。
【0114】
また、例えば、上記実施の形態における装置間の通信方法については特に限定されるものではない。また、装置間の通信においては、図示されない中継装置(ブロードバンドルータなど)が介在してもよい。
【0115】
また、上記実施の形態において、特定の処理部が実行する処理を別の処理部が実行してもよい。また、複数の処理の順序が変更されてもよいし、複数の処理が並行して実行されてもよい。
【0116】
また、上記実施の形態において、各構成要素は、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0117】
また、各構成要素は、ハードウェアによって実現されてもよい。例えば、各構成要素は、回路(または集積回路)でもよい。これらの回路は、全体として1つの回路を構成してもよいし、それぞれ別々の回路でもよい。また、これらの回路は、それぞれ、汎用的な回路でもよいし、専用の回路でもよい。
【0118】
また、本発明の全般的または具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体で実現されてもよい。また、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【0119】
例えば、本発明は、上記実施の形態の画像出力システムなどのコンピュータが実行する画像出力方法として実現されてもよいし、画像出力方法をコンピュータに実行させるためのプログラム(言い換えれば、コンピュータプログラムプロダクト)として実現されてもよい。また、本発明は、このようなプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体として実現されてもよい。
【0120】
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、または、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0121】
10 画像出力システム
20 施設
21 二酸化炭素濃度センサ(センサ)
22 温湿度センサ(センサ)
23 着座センサ(センサ)
24 人数センサ(センサ)
30 情報端末
44 第一取得部
45 第二取得部
46 出力部
61、71 第一オブジェクト
62 第二オブジェクト
63、73a、73b、73c 第三オブジェクト