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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023065871
(43)【公開日】2023-05-15
(54)【発明の名称】ゲートバルブ
(51)【国際特許分類】
   F16K 3/18 20060101AFI20230508BHJP
【FI】
F16K3/18 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021176259
(22)【出願日】2021-10-28
(71)【出願人】
【識別番号】000102511
【氏名又は名称】SMC株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100119404
【弁理士】
【氏名又は名称】林 直生樹
(74)【代理人】
【識別番号】100177769
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100188743
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 誠
(72)【発明者】
【氏名】西川 武志
【テーマコード(参考)】
3H053
【Fターム(参考)】
3H053AA25
3H053BD03
3H053DA12
(57)【要約】
【課題】互いに隣接するチャンバへと通じる各開口部を相互に連通させたり個別に開閉したりするためのゲートバルブにおいて、ゲートバルブ全体の高さ寸法の小型化を図ることが可能なものを提供する。
【解決手段】第1カム溝41及び第1カムローラ42を含んで、弁組立体10を中間位置と第1閉塞位置との間で往復動させる第1開閉機構40と、第2カム溝46及び第2カムローラ47を含んで、該弁組立体10を前記中間位置と第2閉塞位置との間で往復動させる第2開閉機構45とを、それぞれ個別に動作可能に設け、これら第1及び第2開閉機構を、ゲートバルブ1の厚さ方向Dにおいて互いに隣接させて配置した。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに隣接する第1チャンバと第2チャンバとの間に配設され、前記第1チャンバへと通じる第1開口部と、前記第2チャンバへと通じる第2開口部とを相互に連通させたり、個別に開閉したりするためのゲートバルブであって、
該ゲートバルブは、上方側と下方側とに区画するボンネットと、上下に延びる軸方向に前記ボンネットを貫通し、該ボンネットの上方側及び下方側に先端部及び基端部が配された1本の弁シャフトと、第1弁板及び第2弁板を互いに背向させて前記弁シャフトの先端部に取り付けることにより形成された弁組立体と、前記弁シャフトの基端部に連結され、該弁シャフトを動作させることにより前記弁組立体を移動させる弁駆動機構とを有しており、
前記弁駆動機構は、個別に駆動させることが可能な第1駆動ロッド及び第2駆動ロッドを備え、前記ボンネットに対して固定的に設けられたエアシリンダ部と、前記第1駆動ロッド及び第2駆動ロッドと前記弁シャフトとの間を連結し、前記エアシリンダ部の駆動力を前記弁シャフトに伝達する動力伝達機構とを有し、それにより、前記弁組立体を、前記軸方向及び該軸と直交する厚さ方向へと移動させることで、前記第1弁板で前記第1開口部を閉塞するための第1閉塞位置と、前記第2弁板で前記第2開口部を閉塞するための第2閉塞位置と、これら開口部を相互に連通させるための退避位置とに移動させることができるようになっており、
前記動力伝達機構は、前記第1駆動ロッドに連結されて該第1駆動ロッドと共に動作する第1カムフレームと、前記第2駆動ロッドと連結されて該第2駆動ロッドと共に動作する第2カムフレームと、前記弁シャフトの基端部に取り付けられたレバー部材と、前記厚さ方向に対して前記弁組立体を個別に往復動させる第1開閉機構及び第2開閉機構とを有しており、
前記第1開閉機構は、前記第1カムフレーム及び前記レバー部材のうちの何れか一方に設けられた第1カム溝と、何れか他方に設けられ、前記第1カム溝に摺動自在に嵌合された第1カムローラとを有し、前記第2開閉機構は、前記第2カムフレーム及び前記レバー部材のうちの何れか一方に設けられた第2カム溝と、何れか他方に設けられ、前記第2カム溝に摺動自在に嵌合された第2カムローラとを有しており、
前記第1駆動ロッドの往復動に伴って前記第1カムローラが前記第1カム溝に倣って往復動し、それにより、前記弁組立体が、前記厚さ方向において前記退避位置が占める位置と前記第1閉塞位置が占める位置との間で往復動し、また、前記第2駆動ロッドの往復動に伴って前記第2カムローラが前記第2カム溝に倣って往復動し、それにより、前記弁組立体が、前記厚さ方向において前記退避位置が占める位置と前記第2閉塞位置が占める位置との間で往復動するようになっている、
ことを特徴とするゲートバルブ。
【請求項2】
前記ゲートバルブは、前記軸方向及び前記厚さ方向の双方と直交する幅方向を有しており、
第1開閉機構及び第2開閉機構において、前記第1及び第2カムフレームが前記幅方向における前記レバー部材の両側に配設され、さらに、前記レバー部材の両側において、前記第1及び第2カムフレームが前記厚さ方向に並設されている、
ことを特徴とする請求項1に記載のゲートバルブ。
【請求項3】
前記第1カム溝には、前記弁組立体を前記第2閉塞位置に移動させた際に、前記第1カムローラを逃がすための第1逃げ部が形成されており、前記第2カム溝には、前記弁組立体を前記第1閉塞位置に移動させた際に、前記第2カムローラを逃がすための第2逃げ部が形成されている、
ことを特徴とする請求項2に記載のゲートバルブ。
【請求項4】
前記弁組立体は、前記軸方向において、前記退避位置が占める位置と前記第1及び第2閉塞位置が占める位置との間に設けられた中間位置へと更に移動可能になっており、
前記動力伝達機構は、前記第1駆動ロッド及び第2駆動ロッドと前記レバー部材との間に介設された第1バネ部材及び第2バネ部材とを有していて、前記第1駆動ロッドの駆動力が前記第1バネ部材を通じて前記レバー部材に伝達され、前記第2駆動ロッドの駆動力が前記第2バネ部材を通じて前記レバー部材に伝達されるようになっており、
さらに、前記動力伝達機構は、前記エアシリンダ部の駆動により前記弁組立体が前記退避位置から中間位置に至った時に、前記レバー部材の前記軸方向への動作を停止させると共に、前記開閉機構による該レバー部材の厚さ方向への動作を許容するストッパ部を有していて、
前記レバー部材が前記ストッパ部により軸方向への動作を停止した状態において、前記第1及び第2駆動ロッドを個別に駆動することにより、前記開閉機構が前記弁組立体を前記中間位置と前記第1及び第2閉塞位置との間で個別に往復動させるように構成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載のゲートバルブ。
【請求項5】
前記中間位置が、前記軸方向において、前記第1及び第2閉塞位置が占める位置に設けられている、
ことを特徴とする請求項4に記載のゲートバルブ。
【請求項6】
前記ゲートバルブは、前記軸方向及び前記厚さ方向の双方と直交する幅方向を有しており、
第1開閉機構及び第2開閉機構においては、前記第1及び第2カムフレームが前記幅方向における前記レバー部材の両側にそれぞれ配設されると共に、前記レバー部材の両側においてそれぞれ、前記第1及び第2カムフレームが前記厚さ方向に並設され、さらに、前記第1駆動ロッド及び第2駆動ロッドには、前記レバー部材に相対動可能に連結された第1支持フレーム及び第2支持フレームが取り付けられており、
前記一対の第1カムフレームが前記第1支持フレームから前記軸方向に立設されると共に、前記幅方向における前記一対の第1カムフレーム間において、該第1支持フレームと前記レバー部材とが前記第1バネ部材で接続され、また、前記一対の第2カムフレームが前記第2支持フレームから前記軸方向に立設されると共に、前記幅方向における前記一対の第2カムフレーム間において、該第2支持フレームと前記レバー部材とが前記第2バネ部材で接続されている、
ことを特徴とする請求項4又は5に記載のゲートバルブ。
【請求項7】
前記第1カム溝には、前記弁組立体を前記中間位置から前記第2閉塞位置に移動させた際に、前記第1カムローラを逃がすための第1逃げ部が形成されており、前記第2カム溝には、前記弁組立体を前記中間位置から前記第1閉塞位置に移動させた際に、前記第2カムローラを逃がすための第2逃げ部が形成されている、
ことを特徴とする請求項6に記載のゲートバルブ。
【請求項8】
前記動力伝達機構は、前記ボンネットに対して固定的に設けられたガイドフレームと、該ガイドフレームと前記第1及び第2カムフレームとの間に設けられ、これらカムフレームの前記軸方向への移動をガイドする第1及び第2ガイド機構を更に有しており、
前記第1ガイド機構は、前記ガイドフレーム及び前記第1カムフレームの何れか一方に前記軸に沿って設けられた第1ガイド溝と、何れか他方に設けられ前記第1ガイド溝に摺動自在に嵌合された第1ガイドローラとを有し、前記第2ガイド機構は、前記ガイドフレーム及び前記第2カムフレームの何れか一方に前記軸に沿って設けられた第2ガイド溝と、何れか他方に設けられ前記第2ガイド溝に摺動自在に嵌合された第2ガイドローラとを有している、
ことを特徴とする請求項1~7の何れかに記載のゲートバルブ。
【請求項9】
前記ガイドフレームが、前記レバー部材の前記幅方向両側において、前記厚さ方向に並設された前記第1及び第2カムフレームの前記幅方向外側にそれぞれ配設されている、
ことを特徴とする請求項6を引用する請求項8に記載のゲートバルブ。
【請求項10】
前記レバー部材の前記幅方向両側において、前記エアシリンダ部が前記ボンネットから前記軸に沿ってそれぞれ垂下されると共に、それらエアシリンダ部の前記幅方向内側に前記ガイドフレームがそれぞれ配され、
前記一対のエアシリンダ部のそれぞれにおいて、前記第1駆動ロッド及び第2駆動ロッドが、前記厚さ方向に並設されており、
前記第1支持フレームの両端部に前記一対のエアシリンダ部の第1駆動ロッドがそれぞれ取り付けられ、前記第2支持フレームの両端部に前記一対のエアシリンダ部の第2駆動ロッドがそれぞれ取り付けられている、
ことを特徴とする請求項9に記載のゲートバルブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体製造装置等において一対のチャンバ間に配置するためのゲートバルブに関するものであり、更に詳しくは、互いに隣接するプロセスチャンバ等の第1チャンバとトランスファチャンバ等の第2チャンバとの間に配設され、前記第1チャンバへと通じる第1開口部と、前記第2チャンバへと通じる第2開口部とを相互に連通させたり、個別に開閉したりするためのゲートバルブに関するものである。
【背景技術】
【0002】
前記ゲートバルブとしては、例えば特許文献1や特許文献2に開示されたものが知られている。この従来のゲートバルブは、一対の弁板を備えた弁組立体と、前記弁組立体が先端部に取り付けられた弁シャフトと、該弁シャフトに連結された駆動機構とを有している。そして、前記駆動機構で弁シャフトを動作させることによって、前記弁組立体を、前記第1開口部と第2開口部とを相互に連通させる退避位置と、前記一対の弁板を前記第1開口部及び第2開口部に個別に当接させて該開口部を気密に閉塞する第1閉塞位置及び第2閉塞位置とに順次移動させることができるようになっている。
【0003】
ところで、このような従来のゲートバルブの駆動機構では、前記弁組立体を前記各位置に移動させる前記弁シャフトの動作を、その左右両側からガイドするため、該弁シャフトの左右両側の各々において1本のカム溝が上下方向、すなわち、前記弁シャフトの軸に沿った高さ方向に延設されている。
【0004】
しかしながら、このように、前記各位置に対する前記弁組立体の一連の移動を上下方向に延びる1本のカム溝で実現しようとすると、前記駆動機構の高さ寸法、ひいてはゲートバルブ全体の高さ寸法が大きくなってしまう。
【0005】
このように、ゲートバルブ全体の高さ寸法が大型化すると、一対のチャンバ間におけるゲートバルブの設置用スペースとの関係で、該ゲートバルブを設置できない場合があることから、また、設備全体の小型化の観点からも、ゲートバルブ全体の高さ寸法をできるだけ小型化することが望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004-197769号公報
【特許文献2】特開2015-017655号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明の技術的課題は、互いに隣接するチャンバ間に配置し、駆動機構で弁シャフトを動作させて該弁シャフトに取り付けられた一対の弁板を移動させることにより、これらチャンバへと通じる各開口部を相互に連通させたり個別に開閉したりするためのゲートバルブにおいて、ゲートバルブ全体の高さ寸法の小型化を図ることが可能なものを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するため、本発明に係るゲートバルブは、互いに隣接する第1チャンバと第2チャンバとの間に配設され、前記第1チャンバへと通じる第1開口部と、前記第2チャンバへと通じる第2開口部とを相互に連通させたり、個別に開閉したりするためのゲートバルブであって、該ゲートバルブは、上方側と下方側とに区画するボンネットと、上下に延びる軸方向に前記ボンネットを貫通し、該ボンネットの上方側及び下方側に先端部及び基端部が配された1本の弁シャフトと、第1弁板及び第2弁板を互いに背向させて前記弁シャフトの先端部に取り付けることにより形成された弁組立体と、前記弁シャフトの基端部に連結され、該弁シャフトを動作させることにより前記弁組立体を移動させる弁駆動機構とを有しており、前記弁駆動機構は、個別に駆動させることが可能な第1駆動ロッド及び第2駆動ロッドを備え、前記ボンネットに対して固定的に設けられたエアシリンダ部と、前記第1駆動ロッド及び第2駆動ロッドと前記弁シャフトとの間を連結し、前記エアシリンダ部の駆動力を前記弁シャフトに伝達する動力伝達機構とを有し、それにより、前記弁組立体を、前記軸方向及び該軸と直交する厚さ方向へと移動させることで、前記第1弁板で前記第1開口部を閉塞するための第1閉塞位置と、前記第2弁板で前記第2開口部を閉塞するための第2閉塞位置と、これら開口部を相互に連通させるための退避位置とに移動させることができるようになっており、前記動力伝達機構は、前記第1駆動ロッドに連結されて該第1駆動ロッドと共に動作する第1カムフレームと、前記第2駆動ロッドと連結されて該第2駆動ロッドと共に動作する第2カムフレームと、前記弁シャフトの基端部に取り付けられたレバー部材と、前記厚さ方向に対して前記弁組立体を個別に往復動させる第1開閉機構及び第2開閉機構とを有しており、前記第1開閉機構は、前記第1カムフレーム及び前記レバー部材のうちの何れか一方に設けられた第1カム溝と、何れか他方に設けられ、前記第1カム溝に摺動自在に嵌合された第1カムローラとを有し、前記第2開閉機構は、前記第2カムフレーム及び前記レバー部材のうちの何れか一方に設けられた第2カム溝と、何れか他方に設けられ、前記第2カム溝に摺動自在に嵌合された第2カムローラとを有しており、前記第1駆動ロッドの往復動に伴って前記第1カムローラが前記第1カム溝に倣って往復動し、それにより、前記弁組立体が、前記厚さ方向において前記退避位置が占める位置と前記第1閉塞位置が占める位置との間で往復動し、また、前記第2駆動ロッドの往復動に伴って前記第2カムローラが前記第2カム溝に倣って往復動し、それにより、前記弁組立体が、前記厚さ方向において前記退避位置が占める位置と前記第2閉塞位置が占める位置との間で往復動するようになっている、ことを特徴とするものである。
【0009】
本発明において、好ましくは、前記ゲートバルブは、前記軸方向及び前記厚さ方向の双方と直交する幅方向を有しており、第1開閉機構及び第2開閉機構において、前記第1及び第2カムフレームが前記幅方向における前記レバー部材の両側に配設され、さらに、前記レバー部材の両側において、前記第1及び第2カムフレームが前記厚さ方向に並設されている。より好ましくは、前記第1カム溝には、前記弁組立体を前記第2閉塞位置に移動させた際に、前記第1カムローラを逃がすための第1逃げ部が形成されており、前記第2カム溝には、前記弁組立体を前記第1閉塞位置に移動させた際に、前記第2カムローラを逃がすための第2逃げ部が形成されている。
【0010】
また本発明においては、例えば、前記弁組立体は、前記軸方向において、前記退避位置が占める位置と前記第1及び第2閉塞位置が占める位置との間に設けられた中間位置へと更に移動可能になっており、前記動力伝達機構は、前記第1駆動ロッド及び第2駆動ロッドと前記レバー部材との間に介設された第1バネ部材及び第2バネ部材とを有していて、前記第1駆動ロッドの駆動力が前記第1バネ部材を通じて前記レバー部材に伝達され、前記第2駆動ロッドの駆動力が前記第2バネ部材を通じて前記レバー部材に伝達されるようになっており、さらに、前記動力伝達機構は、前記エアシリンダ部の駆動により前記弁組立体が前記退避位置から中間位置に至った時に、前記レバー部材の前記軸方向への動作を停止させると共に、前記開閉機構による該レバー部材の厚さ方向への動作を許容するストッパ部を有していて、前記レバー部材が前記ストッパ部により軸方向への動作を停止した状態において、前記第1及び第2駆動ロッドを個別に駆動することにより、前記開閉機構が前記弁組立体を前記中間位置と前記第1及び第2閉塞位置との間で個別に往復動させるように構成されていても良い。
【0011】
このとき、好ましくは、前記中間位置が、前記軸方向において、前記第1及び第2閉塞位置が占める位置に設けられている。また、好ましくは、前記ゲートバルブは、前記軸方向及び前記厚さ方向の双方と直交する幅方向を有しており、第1開閉機構及び第2開閉機構においては、前記第1及び第2カムフレームが前記幅方向における前記レバー部材の両側にそれぞれ配設されると共に、前記レバー部材の両側においてそれぞれ、前記第1及び第2カムフレームが前記厚さ方向に並設され、さらに、前記第1駆動ロッド及び第2駆動ロッドには、前記レバー部材に相対動可能に連結された第1支持フレーム及び第2支持フレームが取り付けられており、前記一対の第1カムフレームが前記第1支持フレームから前記軸方向に立設されると共に、前記幅方向における前記一対の第1カムフレーム間において、該第1支持フレームと前記レバー部材とが前記第1バネ部材で接続され、また、前記一対の第2カムフレームが前記第2支持フレームから前記軸方向に立設されると共に、前記幅方向における前記一対の第2カムフレーム間において、該第2支持フレームと前記レバー部材とが前記第2バネ部材で接続されている。
【0012】
そして、より好ましくは、前記第1カム溝には、前記弁組立体を前記中間位置から前記第2閉塞位置に移動させた際に、前記第1カムローラを逃がすための第1逃げ部が形成されており、前記第2カム溝には、前記弁組立体を前記中間位置から前記第1閉塞位置に移動させた際に、前記第2カムローラを逃がすための第2逃げ部が形成されている。
【0013】
さらに、本発明においては、前記動力伝達機構は、前記ボンネットに対して固定的に設けられたガイドフレームと、該ガイドフレームと前記第1及び第2カムフレームとの間に設けられ、これらカムフレームの前記軸方向への移動をガイドする第1及び第2ガイド機構を更に有しており、前記第1ガイド機構は、前記ガイドフレーム及び前記第1カムフレームの何れか一方に前記軸に沿って設けられた第1ガイド溝と、何れか他方に設けられ前記第1ガイド溝に摺動自在に嵌合された第1ガイドローラとを有し、前記第2ガイド機構は、前記ガイドフレーム及び前記第2カムフレームの何れか一方に前記軸に沿って設けられた第2ガイド溝と、何れか他方に設けられ前記第2ガイド溝に摺動自在に嵌合された第2ガイドローラとを有していても良い。
【0014】
このとき、好ましくは、前記ガイドフレームが、前記レバー部材の前記幅方向両側において、前記厚さ方向に並設された前記第1及び第2カムフレームの前記幅方向外側にそれぞれ配設されている。また、より好ましくは、前記レバー部材の前記幅方向両側において、前記エアシリンダ部が前記ボンネットから前記軸に沿ってそれぞれ垂下されると共に、それらエアシリンダ部の前記幅方向内側に前記ガイドフレームがそれぞれ配され、前記一対のエアシリンダ部のそれぞれにおいて、前記第1駆動ロッド及び第2駆動ロッドが、前記厚さ方向に並設されており、前記第1支持フレームの両端部に前記一対のエアシリンダ部の第1駆動ロッドがそれぞれ取り付けられ、前記第2支持フレームの両端部に前記一対のエアシリンダ部の第2駆動ロッドがそれぞれ取り付けられている。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係るゲートバルブは、厚さ方向において、弁組立体を、退避位置が占める位置と第1閉塞位置が占める位置との間、及び、前記退避位置が占める位置と第2閉塞位置が占める位置との間で、個別に往復動させるために、それぞれ個別のカム溝を備えた第1開閉機構及び第2開閉機構を有している。そのため、本発明によれば、前記各カム溝を備えた第1及び第2カムフレームの高さ寸法を抑制することができ、その結果、ゲートバルブ全体の高さ寸法の小型化を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明に係るゲートバルブの一実施形態を示す外観図である。
図2】弁駆動機構をエアシリンダ部と動力伝達機構とに分けた分解斜視図である。
図3図2のエアシリンダ部の要部断面図である。
図4図2の動力伝達機構の分解斜視図である。
図5】弁組立体が退避位置にあるときのガイドローラとガイド溝の関係を示す概略図である。
図6】弁組立体が退避位置にあるときのカムローラとカム溝との位置関係を示す概略図である。
図7】弁組立体が中間位置にあるときのガイドローラとガイド溝の関係を示す概略図である。
図8】弁組立体が中間位置にあるときのカムローラとカム溝との位置関係を示す概略図である。
図9】弁組立体が第1閉塞位置にあるときのガイドローラとガイド溝の関係を示す概略図である。
図10】弁組立体が第1閉塞位置にあるときのカムローラとカム溝との位置関係を示す概略図である。
図11】弁組立体が第2閉塞位置にあるときのガイドローラとガイド溝の関係を示す概略図である。
図12】弁組立体が第2閉塞位置にあるときのカムローラとカム溝との位置関係を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の一実施形態であるところの図1に示すゲートバルブ1は、図5図12に示すように、例えば半導体製造装置において、互いに隣接するプロセスチャンバ(第1チャンバ)2とトランスファチャンバ(第2チャンバ)3との間に配置することにより、前記第1チャンバ2へと通じる第1開口部4a及び前記第2チャンバ3へと通じる第2開口部4bを、相互に連通させたり、個別に開閉したりするためのものである。
【0018】
前記ゲートバルブ1は、上方側領域Uと下方側領域Bとの境界を成して両領域U,Bを区画するボンネット5と、上下に延びる軸L方向に前記ボンネット5を貫通し、該ボンネット5の上方側領域Uに先端部6aが配され、下方側領域Bに基端部6bが配された1本の弁シャフト6と、第1弁板11及び第2弁板12を前記弁シャフト6の先端部6aに互いに背向させて並設することにより形成された弁組立体10と、前記弁シャフト6の基端部6bに連結され、該弁シャフト6を動作させることにより前記弁組立体10を移動させる弁駆動機構20とを有している。
【0019】
前記ボンネット5は、前記軸Lと直交する幅方向Wに長い略矩形の金属製プレートで形成されていて、上方側領域Uを臨む第1面(上面)5aと下方側領域を臨む第2面(下面)5bと、前記弁シャフト6を挿通させる貫通孔5cを有している。このボンネット5は、図5図12に示すように、下方が開口した中空状の弁箱7の底壁を形成するものである。該弁箱7は軸L周りの四方を取り囲む側壁8を有しており、前記ボンネット5を該側壁8の軸L方向下端部に着脱可能に取り付けることで、該側壁8の下端側開口部を気密に閉塞することができるようになっている。
【0020】
このように、このボンネット5を前記弁箱7に取り付けることにより、前記弁シャフト6の先端部6aに取り付けられた弁組立体10が、該弁箱7内に収容されるようになっている。また、前記貫通孔5cは、前記弁組立体10の軸L方向に対する移動、及び、該軸L方向及び前記幅方向Wと直交する厚さ方向D(すなわち、該弁組立体10における第1及び第2弁板11,12の並設方向)に対する移動を許容するため、前記弁シャフト6の外径よりも若干大きな内径を有しており、前記前記ボンネット5の中央に貫設されている。
【0021】
前記弁組立体10は、前記幅方向Wに長い略矩形に形成された前記第1及び第2弁板11,12と、これら弁板11,12を前記弁シャフト6の先端部6aに着脱可能に固定するための第1及び第2クランプ部材13,14とを有している。前記第1及び第2弁板11,12は、厚さ方向Dにおいて互いに背向し、且つ、互いに平行を成した第1シール面11a及び第2シール面12aを有しており、これらシール面11a,12aの外周部分には、Oリング等の環状の弁シール部材11b,12bが取り付けられている。なお、前記一対の弁シール面11a,12aは、必ずしも平行を成していなくてもよい。
【0022】
前記第1クランプ部材13は、前記弁組立体10における幅方向Wの中央部の2箇所において、上方から、前記第1弁板11と弁シャフト6の先端、及び、前記第2弁板12と弁シャフト6の先端とに跨がって凹凸係合されている。また、前記第2クランプ部材14は、前記弁組立体10における幅方向Wの両端部において、上方から、前記第1弁板11と前記第2弁板12とに跨がって凹凸係合されている。このとき、前記第2クランプ部材14の下方における前記第1及び第2弁板11,12の間には、スペーサ部材15が前記一対の弁板11,12の内面によって挟持されている(図5図12)。
【0023】
そして、前記第1及び第2弁板11,12を前記先端部6aの基端側端部に上方から凹凸係合させた状態で、上方から締結ボルト13aにより前記第1クランプ部材13を前記弁シャフト6の先端に固定すると、前記各凹凸係合部分において、傾きの異なる傾斜面同士が圧接される。その結果、前記弁組立体10の幅方向Wの中央部においては、前記第1及び第2弁板11,12の内面で前記弁シャフト6の先端部6aが挟持された状態で、これら弁板11,12と弁シャフト6とが、前記厚さ方向Dにおいて相互に締結されている。
【0024】
その一方で、前記弁組立体10の幅方向Wの両端部においては、前記第1及び第2弁板11,12を前記第2クランプ部材14の基端側端部に上方から凹凸係合させた状態で、上方から締結ボルト14aにより前記第2クランプ部材14を前記スペーサ部材15の先端に固定すると、前記各凹凸係合部分において、傾きの異なる傾斜面同士が圧接される。その結果、前記弁組立体10の幅方向Wの両端部においては、前記第1及び第2弁板11,12の内面で前記スペーサ部材15が挟持された状態で、これら弁板11,12と前記スペーサ部材15とが、前記厚さ方向Dにおいて相互に締結されている。
【0025】
なお、このような弁シャフト6に対する第1及び第2弁板11,12の具体的な取付け構造については、本件出願人が先に出願した日本出願(特願2021-168188号)に記載されており、しかも、本願において、前記弁組立体10の構造や弁シャフト6に対する弁板11,12の取付け構造は、前記構造に限定されるものではなく、周知の各種構造を採用することができる。そのため、ここでは、それに関するより具体的な説明は省略することとする。
【0026】
ところで、上記弁箱7は、図5図12に示すように、前記第1チャンバ2と第2チャンバ3との間に取り付けられるもので、軸L方向における該側壁8の上端側開口部には、該開口部を気密に塞ぐ天壁9が着脱可能に取り付けられることにより形成されている。このように天壁9を前記側壁8に対して着脱自在に取り付けることで、各弁板11,12の弁シール部材11b,12bの交換など、弁組立体10のメンテナンスを実施するにあたっては、各弁板11,12の取り外し等の各種作業を、前記側壁8の上端側開口を通じて行なうことが可能となる。
【0027】
また、前記弁箱の側壁8は、前記厚さ方向Dにおいて、軸Lを挟んで互いに平行を成して対向する第1内側面8a及び第2内側面8bを有している。前記第1内側面8aには、前記第1チャンバ2へと連通された前記第1開口部4aが開設され、前記第2内側面8bには、前記第2開口部3へと連通された前記第2開口部4bが開設されており、これら第1開口部4a及び第2開口部4bは、前記厚さ方向Dにおいて互いに対向するように配置されている。また、該第1及び第2内側面8a,8bにおける前記第1及び第2開口部4a,4bの周囲には、前記弁組立体10における第1及び第2シール面11aの各弁シール部材11bを接離させるための弁シート部4cが、これら開口部4a,4bを取り囲むように形成されている。
【0028】
そして、このような弁箱7に装着された前記ゲートバルブ1は、前記弁駆動機構20で弁シャフト6を動作させることにより、弁箱7内において前記弁組立体10を、前記軸L上に配され、前記第1開口部4aと第2開口部4bとを相互に連通させるための退避位置(図5図6)と、前記第1開口部4aを前記第1弁板11で気密に閉塞するための第1閉塞位置(図9図10)と、前記第2開口部4bを前記第2弁板12で気密に閉塞するための第2閉塞位置(図11図12)と、前記軸L上において前記第1及び第2閉塞位置が占める高さ位置と同じ高さ位置に設定された中間位置(図7図8)とに移動させることができるようになっている。なお、この中間位置において、前記弁駆動体10は、前記第1及び第2開口部4a,4bの双方から離間している。
【0029】
前記弁組立体10をこのように動作させる前記弁駆動機構20は、図1図3に示すように、個別に駆動させることが可能な第1駆動ロッド22a及び第2駆動ロッド23aを備えたエアシリンダ部21と、前記第1駆動ロッド22a及び第2駆動ロッド23aと前記弁シャフト6の基端部との間を連結し、前記エアシリンダ部21の駆動力を前記弁シャフト6に伝達する動力伝達機構30とを有している。
【0030】
前記エアシリンダ部21は、図3に示すように、1つのシリンダボディ24と、該シリンダボディ24内で前記軸Lに沿って延設された第1及び第2シリンダ孔22b,23bと、これら一対のシリンダ孔22b、23b内にそれぞれ摺動自在に設けられた一対のピストン22c,23cとを有しており、前記一対のピストン22c,23cに、前記第1及び第2駆動ロッド22a,23aの基端部が固定されている。そして、前記エアシリンダ部21は、前記シリンダボディ24のヘッド側端部を前記ボンネット5における下方を向く第2面5bに固定的に取り付けることにより、該ボンネット5から前記軸Lに沿って垂下されている。
【0031】
それにより、前記第1及び第2駆動ロッド22a,23aの先端側が、シリンダボディ24のロッド側端部から下方に向けて進退可能に延出されている。また、前記第1及び第2シリンダ孔22b,23bに対しては、エアを個別に給排することができるようになっており、そのため、前記第1駆動ロッド22a及び第2駆動ロッド23aを個別に駆動することができるようになっている。
【0032】
図2及び図4に示すように、前記動力伝達機構30は、前記第1駆動ロッド22a及び第2駆動ロッド23aに取り付けられた第1支持フレーム31及び第2支持フレーム32と、これら第1及び第2支持フレーム31,32に固定的に取り付けられて前記軸Lに沿って延びる第1カムフレーム33及び第2カムフレーム34と、前記弁シャフト6の基端部に固定的に取り付けられて該弁シャフト6と一体に動作するレバー部材35と、前記第1及び第2支持フレーム31,32と前記レバー部材35とを相対的に変位可能なるように接続する第1バネ部材36及び第2バネ部材37とを有している。そして、以下に述べるように、特に、この動力伝達機構30は、軸Lを含んで幅方向Wに延びる中心面に関して厚さ方向Dに対称に形成されおり、さらに、軸Lを含んで厚さ方向Dに延びる中心面に関しても幅方向Wに対称に形成されている。また、本実施形態においては、ゲートバルブ1全体についても、同様にして実質的に幅方向W及び厚さ方向Dに対称に形成されている。
【0033】
このように、前記第1及び第2支持フレーム31,32と前記レバー部材35との間にそれぞれ前記第1及び第2バネ部材36,37を介設(具体的には縮設)することより、前記第1及び第2駆動ロッド22a,23aの駆動力が前記第1及び第2バネ部材36,37を通じて前記レバー部材35に個別に伝達され、その結果、前記第1及び第2駆動ロッド22a,23aの各々と前記レバー部材35とを相対的に動作させることができるようになっている。
【0034】
さらに具体的に説明すると、本実施形態において、前記エアシリンダ部21は、前記第1シリンダ孔22b及びそのピストン22cと前記第1駆動ロッド22aとを前記第1閉塞位置側に配すると共に、前記第2シリンダ孔23b及びそのピストン23cと前記第2駆動ロッド23aとを前記第2閉塞位置側に配した状態で、前記ボンネット5に固定的に取り付けられている。すなわち、前記第1及び第2駆動ロッド22a,23aは、厚さ方向Dにおいて、第1駆動ロッド22aを第1閉塞位置側に配し、第2駆動ロッド23aを第2閉塞位置側に配して、互いに隣接している。そして、このようなエアシリンダ部21の一対が、前記幅方向Wにおける前記弁シャフト6を挟んだ(すなわち、軸Lを挟んだ)両側に配されている。ただし、前記エアシリンダ部21の数や配置は本実施形態に限定されるものではない。
【0035】
前記第1及び第2支持フレーム31,32は、前記幅方向Wに長い金属製プレートで形成されており、前記幅方向Wにおいて、前記第1支持フレーム31の前記軸Lを挟んだ両端部には、前記一対のエアシリンダ部21の第1駆動ロッド22aの各先端部が取り付けられ、前記第2支持フレーム32の前記軸Lを挟んだ両端部には、前記一対のエアシリンダ部21の第2駆動ロッド23aの各先端部が取り付けられている。
【0036】
そのため、厚さ方向Dにおいて、前記第1及び第2支持フレーム31,32は、前記第1支持フレーム31を前記第1閉塞位置側に配すると共に、前記第2支持フレーム32を前記第2閉塞位置側に配して、互いに並設されている。また、これら支持フレーム31,32の前記幅方向Wの各中央部にはバネ座31a,32aが凹設されており、これらバネ座31a,32aが、前記第1バネ部材36及び第2バネ部材37の軸L方向の下端部を受けている。
【0037】
前記第1及び第2カムフレーム33,34は、共に金属製プレートで形成されていて、軸L方向及び厚さ方向Dに延びて互いに背向する内面33a,34a及び外面33b,34bを有している。そして、前記第1カムフレーム33の一対が、前記一対のエアシリンダ部21間において、前記第1支持フレーム31の前記軸Lを挟んだ両側部分から、上方に向けて固定的に立設され、同様に、前記第2カムフレーム34の一対が、前記一対のエアシリンダ部21間において、前記第2支持フレーム32の前記軸Lを挟んだ両側部分から、上方に向けて固定的に立設されている。
【0038】
そのため、厚さ方向Dにおいて、前記第1及び第2カムフレーム33,34は、前記第1カムフレーム33を前記第1閉塞位置側に配すると共に、前記第2カムフレーム34を前記第2閉塞位置側に配して、互いに並設されている。そして、これら互いに隣接するカムフレーム33,34は、前記軸Lを含んで幅方向Wに延びる中心面に関して厚さ方向Dに対称に形成されている。一方、前記第1及び第2カムフレーム33,34の各対においては、前記内面33a,34a同士が互いに対向すると共に、前記外面33b,34b同士が互いに背向している。そして、これら一対の第1カムフレーム33及び一対の第2カムフレーム34は、前記軸Lを含んで厚さ方向Dに延びる中止面に関して幅方向Wに対称に配置されている。
【0039】
前記レバー部材35は、正面視においてH形状を成した金属製ブロックにより形成されたもので、その軸L方向の上端側には、前記幅方向Wの中央部に形成された上側凹部35aと、その両側部に凸設された一対の上側凸部35bとを有しており、その軸L方向の下端側には、前記幅方向Wの中央部に形成された下側凹部35cと、その両側部に凸設された一対の下側凸部35dを有している。また、前記幅方向Wの両端には互いに背向する一対の側面35eを有している。
【0040】
そして、前記上側凹部35aには前記弁シャフト6の基端部6bが固定的に取り付けられており、このレバー部材35の上側凹部35aと、前記ボンネット5の貫通孔5cとの間において、前記弁シャフト6の周囲が円筒状のべローズ6cにより気密に取り囲まれている。また、前記下側凹部35cには、前記第1及び第2バネ部材36,37の軸L方向の上端部が取り付けられている。
【0041】
前記第1及び第2バネ部材36,37は、金属製のコイルバネによって形成されており、前記弁組立体10及びレバー部材35の重量を支え得るばねバネ力(バネ剛性)を有している。そのため、前記組立体10を、前記退避位置(図5図6)から前記中間位置(図7図8)へと軸Lに沿って移動させる行程においては、前記バネ部材36,37のバネ力で、前記エアシリンダ部21の駆動ロッド22a,23aと前記弁組立体10とを一体的に動作させることができるようになっている。
【0042】
そして、後述の開閉機構40,45により、前記組立体10を、前記中間位置から前記第1及び第2閉塞位置へと前記厚さ方向Dに移動させる行程においては、前記駆動ロッド22a,23aの駆動力で前記バネ部材36,37が圧縮されて変形する。その結果、前記弁組立体10を、前記駆動ロッド22a,23aと相対的に移動させて、前記駆動ロッド22a,23aの動作方向(軸L方向)と直交する前記厚さ方向Dに移動させることができる。
【0043】
さらに、前記動力伝達機構30は、前記弁シャフト6及び弁組立体10の前記厚さ方向Dに対する動作に供され、前記厚さ方向Dにおいて、前記弁組立体10を、前記退避位置が占める位置と前記第1閉塞位置が占める位置との間、及び、前記退避位置が占める位置と前記第2閉塞位置が占める位置との間で、個別に往復動させる第1開閉機構40及び第2開閉機構45と、前記軸L方向に対する前記第1及び第2カムフレーム33,34の往復動のガイドに供され、前記軸L方向において、前記退避位置が占める位置と前記中間位置が占める位置との間で、これらカムフレーム33,34の往復動をガイドする第1ガイド機構50及び第2ガイド機構55と、前記レバー部材35を前記中間位置で前記ボンネット5の第2面5bに当接させて、該レバー部材35と共に前記弁シャフト6及び前記弁組立体10の前記軸L方向への移動を阻止すると同時に、前記厚さ方向Dへの移動を許容するストッパ部60とを有している。
【0044】
前記第1及び第2開閉機構40,45は、前記第1及び第2カムフレーム33,34と、該カムフレーム33,34間に配された前記レバー部材35とに跨がって形成されており、具体的には、前記第1及び第2カムフレーム33,34の各内面33a,34aと、該内面33a,34aに対向する前記レバー部材35の側面35eとの間に設けられている。また、これら開閉機構40,45は、前記厚さ方向Dにおいて、前記第1開閉機構40を前記第1閉塞位置側に配すると共に、前記第2開閉機構45を前記第2閉塞位置側に配して、互いに並設されている。
【0045】
前記第1開閉機構40は、前記第1カムフレーム33の内面33aに凹設された第1カム溝41と、それに対向する前記レバー部材35の側面35eに設けられた第1カムローラ42とを有しており、該第1カムローラ42が前記第1カム溝41内に摺動自在に嵌合されている。その一方で、前記第2開閉機構45は、前記第2カムフレーム34の内面34aに凹設された第2カム溝46と、それに対向する前記レバー部材35の側面35eに設けられた第2カムローラ47とを有しており、該第2カムローラ47が前記第2カム溝46内に摺動自在に嵌合されている。本実施形態においては、このような第1及び第2開閉機構40,45が、レバー部材35の両側面35e側にそれぞれ対を成して設けられている。
【0046】
前記第1カム溝41は、軸L方向上端側の始端位置S1と軸L方向下端側の終端位置E1とを有しており、厚さ方向Dにおいて、前記終端位置E1は、始端位置S1よりも前記第1閉塞位置側に配されている。すなわち、この第1カム溝41は、上端側の始端位置S1から下端側の終端位置E1に向かって、前記第1閉塞位置側に傾斜するプロフィールを有している。そして、前記第1カムローラ42が前記始端位置S1に在る時には前記弁組立体10が軸L上に配置され、前記終端位置E1に在る時には該弁組立体10が前記第1閉塞位置に配置されるようになっている。本実施形態においては、同じ形状を有する2つの前記第1カム溝41が前記第1カムフレーム33の上端部と下端部とに形成されていて、これらのうち、上端側に配された第1カム溝41は、前記始端位置S1において、前記第1カムフレーム33の上端面に開口している。
【0047】
一方、前記第2カム溝46は、軸L方向上端側の始端位置S2と軸L方向下端側の終端位置E2とを有しており、厚さ方向Dにおいて、前記終端位置E2は、始端位置S2よりも前記第2閉塞位置側に配されている。すなわち、この第2カム溝46は、上端側の始端位置S2から下端側の終端位置E2に向かって、前記第2閉塞位置側に傾斜するプロフィールを有している。そして、前記第2カムローラ47が前記始端位置S2に在る時には前記弁組立体10が軸L上に配置され、前記終端位置E2に在る時には該弁組立体10が前記第2閉塞位置に配置されるようになっている。本実施形態においては、同じ形状を有する2つの前記第1カム溝41が前記第1カムフレーム33の上端部と下端部とに形成されていて、これらのうち、上端側に配された第2カム溝46は、前記始端位置S2において、前記第2カムフレーム34の上端面に開口している。
【0048】
このように、前記第1及び第2カムフレーム33,34の何れか一方を、前記レバー部材35に対して軸L方向上方に相対的に移動させると、その移動させたカムフレームのカム溝に嵌合されたカムローラが、そのカム溝に倣って前記始端位置Sから前記終端位置Eへと移動する。すると、前記レバー部材35が、厚さ方向Dにおいて、前記第1閉塞位置側及び第2閉塞位置側の何れか一方に変位するが、それと同時に、残った他方のカムフレームに嵌合されたカムローラも、厚さ方向Dに対して同じ長さ変位させる必要性がある。
【0049】
そこで、このゲートバルブ1においては、前記第1カムフレーム33に形成された全て(上下2つ)のカム溝41が、厚さ方向Dにおいて、前記始端位置S1から前記第2閉塞位置側に向けて凹設された第1逃げ部41aを有しており、前記第2カムフレーム34に形成された全て(上下2つ)のカム溝46が、厚さ方向Dにおいて、前記始端位置S2から前記第1閉塞位置側に向けて凹設された第2逃げ部46aを有している。
【0050】
また、これら第1及び第2カムフレーム33,34の内面33a,34aには、樹脂材料で形成されて前記レバー部材35の両側面35eと摺動させるための摺動部材33c,34cが、上下にそれぞれ設けられている。一方、これら第1及び第2カムフレーム33,34の外面33b,34bにも、同じく樹脂材料で形成されて後述するガイドフレーム25のガイド面25aと摺動させるための摺動部材33c,34cが、上下にそれぞれ設けられている。ただし、これら摺動部材33c,34cの数や位置はこれに限定されるものではない。
【0051】
さらに、前記動力伝達機構30は、前記エアシリンダ部21と前記カムフレーム33,34との間において、前記ボンネット5に固定的に取り付けられ、その第2面5bから垂下されたガイドフレーム25を有しており、該ガイドフレーム25は、前記カムフレーム33,34の外面33b,34bと対向するガイド面25aを有している。本実施形態では、このようなガイドフレーム25の対が、幅方向Wにおける前記軸Lを挟んだ両側に配されており、幅方向Wにおいて、該ガイドフレーム25が、それと隣接する前記エアシリンダ部21のシリンダボディ24と一体に形成されている。
【0052】
そして、前記第1及び第2ガイド機構50,55は、前記ガイドフレーム25と、それに隣接する第1及び第2カムフレーム33,34とに跨がって形成されており、具体的には、前記ガイドフレーム25のガイド面25aと、該ガイド面25aと対向する第1及び第2カムフレーム33,34の各外面33b,34bとの間に設けられている。すなわち、これらガイド機構50,55は、前記厚さ方向Dにおいて、前記第1ガイド機構50を前記第1閉塞位置側に配すると共に、前記第2ガイド機構55を前記第2閉塞位置側に配して、互いに並設されている。
【0053】
前記第1ガイド機構50は、前記第1カムフレーム33の外面33bに凹設された第1ガイド溝51と、それに対向する前記ガイドフレーム25のガイド面25aに設けられた第1ガイドローラ52とを有しており、該第1ガイドローラ52が前記第1ガイド溝51内に摺動自在に嵌合されている。その一方で、前記第2ガイド機構55は、前記第2カムフレーム34の外面34bに凹設された第2ガイド溝56と、それに対向する前記ガイドフレーム25のガイド面25aに設けられた第2ガイドローラ57とを有しており、該第2ガイドローラ57が前記第2ガイド溝56内に摺動自在に嵌合されている。本実施形態においては、前記第1ガイド機構50が、前記一対の第1カムフレーム33の両外面33b側にそれぞれ設けられ、前記第2ガイド機構55が、前記一対の第2カムフレーム34の両外面34b側にそれぞれ設けられている。
【0054】
前記第1ガイド溝51は、軸Lに沿って前記第1カムフレーム33の上端部から下端部まで直線状に延設されていて、本実施形態では、該ガイド溝51の上端が前記第1カムフレーム33の上端面に開口している。また、前記第2ガイド溝56も同様に、軸Lに沿って前記第2カムフレーム34の上端部から下端部まで直線状に延設されていて、本実施形態では、該ガイド溝56の上端が前記第2カムフレーム34の上端面に開口している。そして、これらガイド溝51,56は、軸L方向において同じ長さを有している。さらに、前記カムフレーム33,34にそれぞれ形成された前記カム溝41,46及びガイド溝51,56の深さの和を、前記カムフレーム33,34における前記内面33a,34aと外面33b,34bと間の長さよりも小さくして、前記厚さ方向Dにおいて前記カム溝41,46及びガイド溝51,56を一部重ねて配置している。そのため、前記厚さ方向Dにおける前記弁駆動機構20や動力伝達機構30の寸法の増大が抑制されている。
【0055】
前記第1ガイドローラ52は、前記ガイドフレーム25における前記ガイド面25aの前記第1閉塞位置側に、軸Lに沿って上下2つ設けられており、前記第2ガイドローラ57は、該ガイド面25aの前記第2閉塞位置側に、同じく軸Lに沿って上下2つ設けられている。そして、上下一対の第1ガイドローラ52の軸L方向距離は、前記第1ガイド溝51の軸L方向長さよりも小さくなっており、同じく上下一対の第2ガイドローラ57の軸L方向距離は、前記第2ガイド溝56の軸L方向長さよりも小さくなっている。また、これら第1及び第2ガイド溝51,56の軸L方向長さは、前記退避位置及び前記中間位置の間の軸L方向距離と、前記カム溝41,46における前記始端位置S1,S2及び前記終端位置E1,E2の間の軸L方向距離との和よりも大きくなっている。
【0056】
前記ストッパ部60は、前記レバー部材35の前記一対の上側凸部35bの上端面35f上にそれぞれ設けられ、前記厚さ方向D対して転動可能な停止ローラ61と、ボンネット5の第2面(下面)における前記各停止ローラ61と相対する部分に設けられたクッション62(図5図6)とを有している。すなわち、幅方向Wにおいて、該停止ローラ61とクッション62との対が、前記弁シャフト6を挟んだ左右両側に設けられている。そうすることで、前記停止ローラ61が前記ボンネットに当接した際に、その衝撃を前記クッション62で緩衝することができるようになっている。
【0057】
そして、図5図12に示すように、前記第1又は第2駆動ロッド22a,23aの上方への後退動作により、前記弁組立体10が、前記退避位置から中間位置に至るまで、前記軸Lに沿って上方に移動すると、前記レバー部材の上端に設けられた停止ローラ61が、前記ボンネット5の第2面5bに設けられたクッション62に当接することで、前記弁組立体10の軸Lに沿った上方への移動が停止させられる。続いて、前記第1開閉機構40又は第2開閉機構50により、前記弁組立体10が前記中間位置から前記第1閉塞位置又は第2閉塞位置に至るまで、前記厚さ方向Dに移動する際には、その移動に伴って、前記クッション62に当接した停止ローラ61が、該クッション62上を前記厚さ方向Dに転動する。
【0058】
このように、前記ゲートバルブ1においては、前記第1カム溝41及び第1カムローラ42を含んで、前記弁組立体10を前記中間位置と第1閉塞位置との間で往復動させる第1開閉機構40と、前記第2カム溝46及び第2カムローラ47を含んで、該弁組立体10を前記中間位置と第2閉塞位置との間で往復動させる第2開閉機構45とが、厚さ方向Dにおいて互いに隣接して配置されている。このように二組のカム溝41,46とカムローラ42,47を用いて弁組立体10を第1閉塞位置と第2閉塞位置とに個別に移動可能とした本実施形態に係るゲートバルブ1によれば、弁組立体を一組のカム溝とカムローラを用いて第1閉塞位置と第2閉塞位置とに順次移動させる従来のものと比較して、カムフレーム33,34の高さを抑制することが可能となり、その結果、前記弁駆動機構20の高さ寸法を抑制し、ひいては、前記ゲートバルブ1全体の高さ寸法を抑制することが可能となる。
【0059】
このような構成を有するゲートバルブ1の動作について説明する。図5及び図6に示すように、弁組立体10が前記退避位置に在るときには、前記エアシリンダ部21の第1及び第2駆動ロッド22a,23aが共に下方のストローク端まで進出している。この状態においては、前記第1及び第2バネ部材36,37のバネ力(バネ剛性)で、前記レバー部35材が前記第1及び第2支持フレーム31,32上に一体的に支持されると共に、それらバネ部材36,37の弾発力で、前記第1及び第2カムローラ42,47が、前記第1及び第2カム溝41,46の始端位置S1,S2に配されている。それにより、前記駆動ロッド22a,23aと弁組立体10とが、前記支持フレーム31,32とカムフレーム33,34とレバー部材13とを介して一体的に連結されている。また、上下一対の前記第1ガイドローラ52及び上下一対の第2ガイドローラ57のうち下方に配設されたガイドローラ52,57のみが、前記第1及び第2ガイド溝51,56内にそれぞれ嵌合している。
【0060】
次に、この状態から、前記エアシリンダ部21の第1シリンダ孔22bに対してエアを供給し、前記第1駆動ロッド22aを軸L方向上方に向けて後退駆動させると、前記第1及び第2駆動ロッド22a,23a、第1及び第2支持フレーム31,32及び第1及び第2カムフレーム33,34とから成る「ロッド側アセンブリ」と、前記レバー部材35、弁シャフト6及び弁組立体10から成る「シャフト側アセンブリ」とが一体的に軸L方向上方に向けて移動する。すると、前記弁組立体10が前記退避位置から軸L上を上方に向けて移動し、図7及び図8に示す前記中間位置(弁箱7の第1及び第2開口4a,4bに第1及び第2弁板11,12がそれぞれ対向するが、これら弁板の弁シール部材11b,12bが前記開口部4a,4bの各弁シート面4cから離間している位置)に到達する。
【0061】
その間、図5に示すように、前記第1及び第2ガイド溝51,56に嵌合している下方の第1及び第2ガイドローラ52,57で、第1及び第2カムフレーム33,34の双方が軸Lに沿ってガイドされる。そのため、前記弁シャフト6を軸Lに対して傾斜させることなく、該軸Lに沿って上昇させることができる。そして、前記弁組立体10が前記中間位置に到達すると、図7に示すように、上方に配された第1及び第2ガイドローラ52,57も、前記第1及び第2ガイド溝51,56に、その上端の開口から嵌合する。また同時に、前記レバー部材35の停止ローラ61が前記ボンネット5のクッション62に当接することにより、前記「シャフト側アセンブリ」の軸L方向上方に対する移動がその位置で停止し、前記弁組立体10の前記退避位置から軸L方向上方への移動が前記中間位置で停止する。
【0062】
そこで、このように前記弁組立体10が前記中間位置に在る状態において、前記第1シリンダ孔22bに対するエアの供給を継続すると、前記「ロッド側アセンブリ」のうち、第1駆動ロッド22a、第1支持フレーム31及び第1カムフレーム33から成る「第1アセンブリ」が、前記第1バネ部材36を圧縮しながら更に上昇を続け、それに対して、第2駆動ロッド23a、第2支持フレーム32及び第2カムフレーム34から成る「第2アセンブリ」は、その位置で停止する。
【0063】
すると、前記第1カムフレーム33に形成された上下一対の第1カム溝41が、それらに対して嵌合された上下一対の前記第1カムローラ42に対してそれぞれ上昇していき、第1駆動ロッド22aが上方のストローク端に至るまで該カム溝41は上昇する。このとき、図10に示すように、前記上下一対の第1カム溝41内において、前記始端位置S1に在った上下一対の第1カムローラ42は前記終端位置E1へとそれぞれ移動するが、その際、これら第1カムローラ42は、前記各カム溝41に倣い、軸L方向と直交する厚さ方向Dにおいて前記第1閉塞位置側に向けて移動する。
【0064】
その結果、図9及び図10に示すように、前記弁組立体10を含む「シャフト側アセンブリ」全体が、前記中間位置から前記第1弁板11で前記弁箱7の第1開口部4aを閉塞する第1閉塞位置へと、軸Lと直交する厚さ方向Dに変位する。また、その際、前記レバー部材35に設けられた上下一対の第2カムローラ47も、前記「シャフト側アセンブリ」の移動に伴って前記第1閉塞位置側に向けて移動し、上述のように、前記第2カム溝46内において、前記始端位置S2から、該始端位置S2の第1閉塞位置側に凹設された第2逃げ部46aへと移動する。
【0065】
逆に、図5及び図6に示す弁組立体10の退避位置から、前記第2シリンダ孔23bに対してエアを供給することにより、前記第2駆動ロッド23aを軸L方向上方に向けて後退駆動させると、前記第1駆動ロッド22aを後退駆動させた場合と同様に、弁組立体10が図7及び図8に示す中間位置に移動する。そして、弁組立体10が前記中間位置に在る状態において、前記第2シリンダ孔23bに対するエアの供給を継続すると、前記「ロッド側アセンブリ」のうち、前記「第2アセンブリ」が、前記第2バネ部材37を圧縮しながら更に上昇を続け、その一方で、前記「第1アセンブリ」は、その位置で停止する。
【0066】
すると、前記第2カムフレーム34に形成された上下一対の第2カム溝46が、それらに対して嵌合された上下一対の前記第2カムローラ47に対してそれぞれ上昇していき、第2駆動ロッド23aが上方のストローク端に至るまで該カム溝46は上昇する。このとき、図12に示すように、前記上下一対の第2カム溝41内において、前記始端位置S2に在った上下一対の第2カムローラ47は前記終端位置E2へとそれぞれ移動するが、その際、これら第2カムローラ47は、前記各カム溝46に倣い、軸L方向と直交する厚さ方向Dにおいて前記第2閉塞位置側に向けて移動する。
【0067】
その結果、図11及び図12に示すように、前記弁組立体10を含む「シャフト側アセンブリ」全体が、前記中間位置から前記第2弁板12で前記弁箱7の第2開口部4bを閉塞する第2閉塞位置へと、軸Lと直交する厚さ方向Dに変位する。また、その際、前記レバー部材35に設けられた上下一対の第1カムローラ42も、前記「シャフト側アセンブリ」の移動に伴って前記第2閉塞位置側に向けて移動し、上述のように、前記第1カム溝41内において、前記始端位置S1から、該始端位置S1の第2閉塞位置側に凹設された第1逃げ部41aへと移動する。
【0068】
なお、前記弁組立体10を、前記第1又は第2閉塞位置(図9図12)から、前記中間位置(図7図8)を経て前記退避位置(図5図6)に戻す場合には、上述した行程とは逆の動作を行なわせれば良い。
【0069】
このように、前記ゲートバルブ1においては、特に、前記弁組立体10を前記前記中間位置から前記第2閉塞位置へと変位させるにあたり、従来のように第1閉塞位置を経由させることなく、直接的に該第2閉塞位置へと変位させることができるため、弁組立体10の操作性にも極めて優れている。また、前記弁組立体10を前記中間位置から第1及び第2閉塞位置へと変位させる際に、前記「シャフト側アセンブリ」全体を前記軸Lと直交する厚さ方向Dに移動させるようにしたため、前記第1及び第2弁板11,12を前記弁箱7の第1及び第2開口部4a,4bに接離させるときに、前記弁シール部材11b,12bの捻れや摩耗粉の発生等を抑制することができる。
【0070】
以上において、本発明の実施形態について詳細に説明してきたが、本発明はそれらに限定されるものではなく、本発明の要旨から逸脱しない範囲において、様々な設計変更ができることは言うまでもない。
例えば、本実施形態においては、前記第1駆動ロッド22a、第1支持フレーム31及び第1カムフレーム33から成る「第1アセンブリ」と、前記第2駆動ロッド23a、第2支持フレーム32及び第2カムフレーム34から成る「第2アセンブリ」とを、厚さ方向Dにおいて、「第1アセンブリ」を前記第1閉塞位置側に配し、「第2アセンブリ」を前記第2閉塞位置側に配して並設しているが、逆に、「第1アセンブリ」を第2閉塞位置側に配し、「第2アセンブリ」を第1閉塞位置側に配しても良い。
【0071】
また、本実施形態においては、第1及び第2カム溝41,46を第1及び第2カムフレーム33,34に設け、第1及び第2カムローラ42,47をレバー部材35に設けているが、逆に、これらカム溝41,46を前記レバー部材35に設け、前記カムローラ42,47を前記カムフレーム33,34に設けても良い。そして、本実施形態においては、第1及び第2ガイド溝51,56をカムフレーム33,34に設け、第1及び第2ガイドローラ52,57を前記シリンダボディ24と一体に形成されたガイドフレーム25に設けているが、逆に、これらガイド溝51,56を前記ガイドフレーム25に設け、前記ガイドローラ52,57を前記カムフレーム33,34に設けても良い。なお、ガイドフレーム25を前記シリンダボディ24と別体に形成することも可能である。
【0072】
さらに、本実施形態においては、前記カムフレーム33,34に形成された上下一対のカム溝41,46を互いに同じプロフィールとすることで、前記弁組立体10を前記中間位置から第1及び第2閉塞位置へと変位させる際に、前記「シャフト側アセンブリ」全体を前記軸Lと直交する厚さ方向Dに移動させるようにしているが、前記上下一対のカム溝41,46を上下で互いにプロフィールを異ならせることにより、前記弁組立体10を前記中間位置から第1及び第2閉塞位置へと変位させる際に、前記「シャフト側アセンブリ」を前記軸Lに対して傾斜させても良い。
【0073】
なお、本実施形態に係るゲートバルブ1の各部材を形成する材料は、必ずしも上述のものに限定されるものではなく、必要に応じて適宜の材料を採用することができる。
また、本実施形態においては、動力伝達機構30並びに第1及び第2カムフレーム33,34等の各構成が、厚さ方向D及び幅方向Wに対称に形成され、その結果、ゲートバルブ1全体についても、実質的に幅方向W及び厚さ方向Dに対称に形成されているが、必ずしもそれに限定されるものではなく、各々が非対称であってもよい。
【符号の説明】
【0074】
1 ゲートバルブ
5 ボンネット
6 弁シャフト
6a 先端部
6b 基端部
10 弁組立体
11 第1弁板
12 第2弁板
20 弁駆動機構
21 エアシリンダ部
22a 第1駆動ロッド
23a 第2駆動ロッド
25 ガイドフレーム
30 動力伝達機構
31 第1支持フレーム
32 第2支持フレーム
33 第1カムフレーム
34 第2カムフレーム
35 レバー部材
36 第1バネ部材
37 第2バネ部材
40 第1開閉機構
41 第1カム溝
41a 第1逃げ部
42 第1カムローラ
45 第2開閉機構
46 第2カム溝
46a 第2逃げ部
47 第2カムローラ
50 第1ガイド機構
51 第1ガイド溝
52 第1ガイドローラ
55 第2ガイド機構
56 第2ガイド溝
57 第2ガイドローラ
60 ストッパ部
S1,S2 始端位置
E1,E2 終端位置
L 軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12