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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023065873
(43)【公開日】2023-05-15
(54)【発明の名称】半導体装置およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/60 20060101AFI20230508BHJP
   H01L 21/56 20060101ALI20230508BHJP
【FI】
H01L21/60 321E
H01L21/56 T
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021176262
(22)【出願日】2021-10-28
(71)【出願人】
【識別番号】302062931
【氏名又は名称】ルネサスエレクトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】弁理士法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】関川 宏昭
(72)【発明者】
【氏名】中柴 康隆
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 英樹
(72)【発明者】
【氏名】林本 肇
【テーマコード(参考)】
5F061
【Fターム(参考)】
5F061AA01
5F061BA01
5F061CA21
5F061CB12
5F061DA06
(57)【要約】
【課題】半導体装置の信頼性を向上する。
【解決手段】半導体装置は、銀ペースト50Bを介してメイントランジスタ用ソースパッドSPLと電気的に接続され、かつ、銀ペースト50Cを介してリード60Aと接続されているクリップCLLを備える。このクリップCLLは、銀ペースト50Bが接触する「第1部分P1」と、銀ペースト50Cが接触する「第2部分P2」と、「第1部分P1」と「第2部分P2」との間に位置する「第3部分P3」と、を有する。そして、メイントランジスタ用ソースパッドSPLの表面には、突出部材100が形成されており、「第1部分P1」は、突出部材100と接触している。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダイパッドと、
第1電極、および前記第1電極の周縁部を覆う保護膜を有し、前記ダイパッド上に搭載された半導体チップと、
前記半導体チップの隣に配置され、かつ、前記ダイパッドから離間したリードと、
前記第1電極と前記リードとを互いに、かつ、電気的に接続する板状部材と、
第1面、および前記第1面とは反対側の第2面を有し、前記ダイパッドの一部が前記第1面から露出するように、かつ、前記リードの一部が露出するように、前記半導体チップおよび前記板状部材を封止する封止体と、
を含み、
前記板状部材は、第1導電性部材を介して前記第1電極と電気的に接続されており、かつ、第2導電性部材を介して前記リードと接続されており、
前記板状部材は、
前記第1導電性部材が接触する第1部分と、
前記第2導電性部材が接触する第2部分と、
前記第1部分と前記第2部分との間に位置する第3部分と、
を有し、
前記保護膜から露出する前記第1電極の表面には、前記保護膜よりも前記第2面に向かって突出する突出部材が形成されており、
前記第1部分は、前記突出部材と接触している、半導体装置。
【請求項2】
請求項1に記載の半導体装置において、
前記第1電極の平面形状は、
平面視において前記第3部分と交わる第1辺と、
前記第1辺とは反対側の第2辺と、
を備える多角形であり、
前記突出部材は、平面視において、前記第2辺よりも前記第1辺に近い位置に配置されている、半導体装置。
【請求項3】
請求項2に記載の半導体装置において、
前記第1電極の表面は、
前記第1辺および前記第2辺のうちの一方から他方に向かう第1方向において、
前記第1電極の中心線よりも前記第1辺側に位置する第1領域と、
前記第1電極の中心線よりも前記第2辺側に位置する第2領域と、
を有し、
前記突出部材は、前記第1領域内に設けられ、かつ、前記中心線である前記第1領域と前記第2領域の境界から離間している、半導体装置。
【請求項4】
請求項1に記載の半導体装置において、
前記第1部分は、前記第3部分に近づくにつれて前記上面との距離が短くなるように傾斜している、半導体装置。
【請求項5】
請求項1に記載の半導体装置において、
前記突出部材は、絶縁性部材である、半導体装置。
【請求項6】
請求項5に記載の半導体装置において、
前記保護膜は、第1ポリイミド樹脂膜を含み、
前記突出部材は、
前記第1ポリイミド樹脂膜と、
前記第1ポリイミド樹脂膜上に形成された第2ポリイミド樹脂膜と、
を含む、半導体装置。
【請求項7】
請求項5に記載の半導体装置において、
前記突出部材は、永久レジストから構成されている、半導体装置。
【請求項8】
請求項1に記載の半導体装置において、
前記突出部材は、複数存在する、半導体装置。
【請求項9】
請求項1に記載の半導体装置において、
前記板状部材は、銅からなるクリップである、半導体装置。
【請求項10】
ダイパッドと、
第1電極、および前記第1電極の周縁部を覆う保護膜を有し、前記ダイパッド上に搭載された半導体チップと、
前記半導体チップの隣に配置され、かつ、前記ダイパッドから離間したリードと、
前記第1電極と前記リードとを互いに、かつ、電気的に接続する板状部材と、
第1面、および前記第1面とは反対側の第2面を有し、前記ダイパッドの一部が前記第1面から露出するように、かつ、前記リードの一部が露出するように、前記半導体チップおよび前記板状部材を封止する封止体と、
を含み、
前記板状部材は、第1導電性部材を介して前記第1電極と電気的に接続されており、かつ、第2導電性部材を介して前記リードと接続されており、
前記板状部材は、
前記第1導電性部材が接触する第1部分と、
前記第2導電性部材が接触する第2部分と、
前記第1部分と前記第2部分との間に位置する第3部分と、
を有し、
前記保護膜上には、前記第3部分と接触する突出部材が形成されている、半導体装置。
【請求項11】
以下の工程を備える、半導体装置の製造方法:
(a)ダイパッドと、前記ダイパッドから離間したリードとを有するリードフレームを準備する工程;
(b)第1電極、前記第1電極の周縁部を覆う保護膜、および前記保護膜から露出する前記第1電極の表面に形成された突出部材を有する半導体チップを準備する工程;
(c)前記ダイパッド上に前記半導体チップを搭載する工程;
(d)前記第1電極上に第1導電性部材を形成し、かつ、前記リード上に第2導電性部材を形成する工程;
(e)前記第1導電性部材を介して前記第1電極上に板状部材の第1部分を配置し、かつ、前記第2導電性部材を介して前記リード上に前記板状部材の第2部分を配置することによって、前記板状部材を介して前記第1電極と前記リードとを互いに、かつ、電気的に接続する工程;および
(f)前記半導体チップおよび前記板状部材を封止する工程、
ここで、
前記板状部材は、
前記第1導電性部材が接触する前記第1部分と、
前記第2導電性部材が接触する前記第2部分と、
前記第1部分と前記第2部分との間に位置する第3部分と、
を有し、
前記(e)工程では、前記第1部分または前記第3部分を前記突出部材に接触させることにより、断面視において前記第1部分に含まれる前記板状部材の先端部と前記第1電極の表面との間の高さが前記突出部材の高さよりも低くなるように前記第1部分を正傾斜させた状態で、前記板状部材を配置し、
前記(f)工程は、
(f1)キャビティ空間が形成されるように、前記(e)工程後の前記リードフレームを第1金型と前記第1金型と対向する第2金型で挟み込む工程、
(f2)前記キャビティ空間に樹脂を流し込むことにより封止体を形成する工程、
を有し、
前記(f1)工程は、前記第1金型によって前記ダイパッドを前記キャビティ空間の内部側に押し込む力を加えながら行われる、半導体装置の製造方法。
【請求項12】
請求項11に記載の半導体装置の製造方法において、
前記(f1)工程では、前記第1金型と前記ダイパッドとの間への前記樹脂の入り込みが抑制される、半導体装置の製造方法。
【請求項13】
請求項11に記載の半導体装置の製造方法において、
前記(e)工程において、前記第1部分を正傾斜させることによって、前記(f)工程において、前記ダイパッドを前記キャビティ空間の内部側に押し込む力が加えられる場合であっても、前記第1部分の逆傾斜が抑制される、半導体装置の製造方法。
【請求項14】
請求項11に記載の半導体装置の製造方法において、
前記(b)工程において準備する前記半導体チップは、以下の工程(b1)乃至工程(b4)により取得される:
(b1)半導体ウェハの複数のチップ領域のそれぞれに前記第1電極を形成する工程;
(b2)前記(b1)工程の後、前記第1電極の表面領域のうちの前記周縁部および第1領域に、前記保護膜を構成する第1絶縁膜を形成する工程;
(b3)前記(b2)工程の後、前記第1領域に形成された前記第1絶縁膜上に、第2絶縁膜を形成する工程;
(b4)前記(b3)工程の後、前記複数のチップ領域を個片化して複数の半導体チップを取得する工程。
【請求項15】
請求項11に記載の半導体装置の製造方法において、
前記(b)工程において準備する前記半導体チップは、以下の工程(b1)乃至工程(b4)により取得される:
(b1)半導体ウェハの複数のチップ領域のそれぞれに前記第1電極を形成する工程;
(b2)前記(b1)工程の後、前記第1電極の前記周縁部に保護膜を形成する工程;
(b3)前記(b2)工程の後、前記保護膜から露出する前記第1電極の表面領域のうちの第1領域上に、前記保護膜よりも膜厚の厚い絶縁膜を形成する工程;および
(b4)前記(b3)工程の後、前記複数のチップ領域を個片化して複数の半導体チップを取得する工程。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置およびその製造技術に関し、例えば、インバータの構成要素となる半導体装置およびその製造技術に適用して有効な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特開2018-121035号公報(特許文献1)には、インバータの構成要素となる半導体装置のパッケージ構造体に関する技術が記載されている。
【0003】
特開2009-200338号公報(特許文献2)には、パワーMOSET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)が形成された半導体チップと、外部端子となるリードとを「Cuクリップ」と呼ばれる板状部材で互いに、かつ、電気的に接続する半導体装置において、半田材や銀ペーストに代表される導電性部材を介して、板状部材を半導体チップのソースパッドと電気的に接続する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2018-121035号公報
【特許文献2】特開2009-200338号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば、パワートランジスタが形成された半導体チップを封止する半導体装置として、リードと半導体チップの表面に形成されているパッドと呼ばれる電極を「クリップ」と呼ばれる板状部材で接続する半導体装置が存在する。この半導体装置においては、パッドと板状部材との接続信頼性を向上することが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施の形態における半導体装置は、第1導電性部材を介して第1電極と電気的に接続され、かつ、第2導電性部材を介してリードと接続されている板状部材を備える。この板状部材は、第1導電性部材が接触する第1部分と、第2導電性部材が接触する第2部分と、第1部分と第2部分との間に位置する第3部分と、を有する。そして、第1電極の表面には、突出部材が形成されており、第1部分は、突出部材と接触している。
【0007】
一実施の形態における半導体装置は、第1導電性部材を介して第1電極と電気的に接続され、かつ、第2導電性部材を介してリードと接続されている板状部材を備える。この板状部材は、第1導電性部材が接触する第1部分と、第2導電性部材が接触する第2部分と、第1部分と第2部分との間に位置する第3部分と、を有する。そして、第1電極の周縁部を覆う保護膜上には、第3部分と接触する突出部材が形成されている。
【0008】
一実施の形態における半導体装置の製造方法は、第1導電性部材を介して第1電極上に板状部材の第1部分を配置し、かつ、第2導電性部材を介してリード上に板状部材の第2部分を配置することによって、板状部材を介して第1電極とリードとを互いに、かつ、電気的に接続する工程を備える。
【0009】
そして、この工程では、板状部材の第1部分または第3部分を突出部材に接触させることにより、第1部分に含まれる板状部材の先端部と第1電極の表面との間の高さよりも突出部材の高さが大きくなるように、第1部分を正傾斜させた状態で、板状部材を第1電極上およびリード上に配置する。
【発明の効果】
【0010】
一実施の形態によれば、半導体装置の信頼性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】12相ブラシレスDCモータ制御システムの構成を模式的に示す図である。
図2】インバータ回路の回路構成を示す図である。
図3】インバータ回路を実現する半導体装置の実装構成を示す図である。
図4】本発明者が新規に見出した改善の余地を説明する図であって、封止体を形成するモールド工程を示す断面図である。
図5】クリップが「逆傾斜」した状態を示す図である。
図6】関連技術を示す模式図である。
図7】具体的態様を示す模式図である。
図8】寸法関係の一例を説明する図である。
図9】寸法関係の一例を説明する図である。
図10】寸法関係の一例を説明する図である。
図11】半導体チップの製造工程を示す断面図である。
図12図11に続く半導体チップの製造工程を示す断面図である。
図13図12に続く半導体チップの製造工程を示す断面図である。
図14図13に続く半導体チップの製造工程を示す断面図である。
図15】半導体装置の組立工程を説明するフローチャートである。
図16図15のクリップの接続工程を説明する図である。
図17図15樹脂封止工程を説明する図である。
図18】(a)~(g)は、突出部材の平面バリエーションを示す図である。
図19】変形例3における突出部材の構成例を示す図である。
図20】変形例3における突出部材の他の構成例を示す図である。
図21】変形例4を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。なお、図面をわかりやすくするために平面図であってもハッチングを付す場合がある。
【0013】
<12相ブラシレスDCモータ制御システム>
12相のブラシレスDCモータを制御する12相ブラシレスDCモータ制御システムでは、従来の3相(U相、V相、W相)を4組使用している。
【0014】
各相を制御する回路としては、インバータ回路が使用され、このインバータ回路から供給される交流電力が、ブラシレスDCモータの各相のコイルに供給される。このため、6相ブラシレスDCモータまたは12相ブラシレスDCモータを制御するブラシレスDCモータ制御システムでは、6個または12個のインバータ回路が使用される。
【0015】
図1は、12相ブラシレスDCモータ制御システムの構成を模式的に示す図である。
【0016】
図1に示すモータMOTは、12相ブラシレスDCモータであり、12個のコイルCLを有している。各コイルCLは、それぞれインバータ回路INVに接続されている。すなわち、モータMOTが有する12個のコイルのそれぞれに対して、インバータ回路INVが設けられている。このことから、図1に示す12相ブラシレスDCモータ制御システムは、合計で12個のインバータ回路INVを有している。各インバータ回路INVは、MCU(Micro Controller Unit)に備わる制御回路CTに接続されており、各インバータ回路は、この制御回路CTによって制御される。そして、制御回路CTによって制御される各インバータ回路INVからは、それぞれのインバータ回路INVに接続されたコイルCLに交流電力が供給される結果、モータMOTが駆動される。
【0017】
<インバータ回路の構成>
次に、上述した12相ブラシレスDCモータ制御システムの構成要素であるインバータ回路INVの回路構成について説明する。
【0018】
図2は、インバータ回路INVの回路構成を示す図である。
【0019】
図2において、インバータ回路INVは、ハイサイドスイッチング回路10と、ローサイドスイッチング回路20と、制御回路30とを有している。
【0020】
ハイサイドスイッチング回路10は、パワートランジスタからなるメイントランジスタ11と、センストランジスタ12とを含んでいる。
【0021】
一方、ローサイドスイッチング回路20は、パワートランジスタからなるメイントランジスタ21と、センストランジスタ22とを含んでいる。
【0022】
このように構成されているハイサイドスイッチング回路10とローサイドスイッチング回路20において、ハイサイドスイッチング回路10に含まれているメイントランジスタ11とローサイドスイッチング回路20に含まれているメイントランジスタ21とは、電源電位VINとグランド電位GNDとの間に直列接続されている。
【0023】
そして、図2において、メイントランジスタ11とメイントランジスタ21との間の接続ノードが「OUT」であり、この接続ノードは、図1に示すコイルCLと接続される。
【0024】
続いて、制御回路30は、例えば、メイントランジスタ11のゲート電極やセンストランジスタ12のゲート電極にゲート電圧を印加するプリドライバと、メイントランジスタ21のゲート電極やセンストランジスタ22のゲート電極にゲート電極を印加するプリドライバを含んでいる。このようにして、インバータ回路INVが構成されている。
【0025】
制御回路30は、図1に示す制御回路CTからの制御信号に基づいて、ハイサイドスイッチング回路10に含まれるメイントランジスタ11のオン/オフを制御するとともに、ローサイドスイッチング回路20に含まれるメイントランジスタ21のオン/オフを制御するように構成されている。すなわち、制御回路30は、メイントランジスタ11のゲート電極に印加されるゲート電圧を切り替えることにより、メイントランジスタ11のオン/オフを制御するとともに、メイントランジスタ21のゲート電極に印加されるゲート電圧を切り替えることにより、メイントランジスタ21のオン/オフを制御する。
【0026】
このようにして、メイントランジスタ11のオン/オフ制御とメイントランジスタ21のオン/オフ制御によって、メイントランジスタ11とメイントランジスタ21との間の接続ノード(「OUT」)から図1に示すコイルCLに交流電力が供給される。
【0027】
以上のようにして、インバータ回路INVが構成されている。
【0028】
<パッケージ構造>
続いて、インバータ回路INVの実装構成について説明する。
【0029】
図3は、インバータ回路を実現する半導体装置PKGの実装構成を示す図である。
【0030】
図3において、半導体装置PKGは、平面形状が長方形形状の封止体MRを有している。この封止体MRは、長辺である辺S1と、辺S1と対向する辺S2と、辺S1および辺S2と交差する短辺である辺S3と、辺S3と対向する辺S4を有している。そして、長辺である辺S1および辺S2からは、リードLDが突出している。
【0031】
図3では、封止体MRの外形線が破線で示されており、この封止体MRの内部に封止されている構成要素が図示されている。以下では、封止体MRの内部の構成を説明する。
【0032】
半導体装置PKGは、チップ搭載部であるダイパッドDPCと、チップ搭載部であるダイパッドDPLと、チップ搭載部であるダイパッドDPHを有している。具体的に、ダイパッドDPLとダイパッドDPCとダイパッドDPHは、この順でx方向に並ぶように配置されている。言い換えれば、左側にダイパッドDPLが配置され、かつ、中央部にダイパッドDPCが配置され、かつ、右側にダイパッドDPHが配置されている。
【0033】
ダイパッドDPC上には、半導体チップCPCが搭載されている。この半導体チップCPCには、図2に示す制御回路30が形成されている。そして、半導体チップCPCの表面には、例えば、複数のパッドPDC1および複数のパッドPDC2を含む複数のパッドが形成されている。このように、半導体装置PKGの中央部には、ダイパッドDPC上に搭載された半導体チップCPCが配置されている。
【0034】
次に、ダイパッドDPL上には、半導体チップCPLが搭載されている。この半導体チップCPLには、図2に示すローサイドスイッチング回路20が形成されている。つまり、半導体チップCPLには、ローサイドスイッチング回路20を構成するメイントランジスタ21およびセンストランジスタ22が形成されている。これらのメイントランジスタ21およびセンストランジスタ22は、半導体チップCPLの厚さ方向に電流を流す縦型トレンチパワートランジスタから構成されている。そして、半導体チップCPLの表面には、メイントランジスタ用ソースパッドSPLとともに、複数のパッドPDLが形成されている。複数のパッドPDLには、センストランジスタ用ソースパッドや、メイントランジスタ21およびセンストランジスタ22に共通のゲートパッドなどが含まれている。
【0035】
また、図3に示すように、メイントランジスタ用ソースパッドSPL上には、銅からなる板状部材であるクリップCLLが配置されている。また、図3に示すように、このクリップCLLは、リードLDLと電気的に接続されている。一方、複数のパッドPDLのそれぞれは、半導体チップCPCの表面に形成されている複数のパッドPDC2のそれぞれとボンディングワイヤWで電気的に接続されている。
【0036】
続いて、ダイパッドDPH上には、半導体チップCPHが搭載されている。この半導体チップCPHには、図2に示すハイサイドスイッチング回路10が形成されている。ここで、本実施の形態では、ローサイドスイッチング回路20が形成された半導体チップCPLとハイサイドスイッチング回路10が形成された半導体チップCPHは、互いに同種類の半導体チップである。このため、半導体チップCPHの説明は省略する。
【0037】
なお、本実施の形態では、半導体装置PKGの平面形状は、図3に示すように、略長方形(具体的には、各角部が面取りされた長方形)である。また、本実施の形態では、各半導体チップの平面形状についても、図3に示すように、長方形である。そして、本実施の形態では、図3に示すように、各半導体チップの短辺が半導体装置PKGの長辺に沿うように、半導体チップCPC、半導体チップCPLおよび半導体チップCPHを配置している。これにより、各半導体チップのサイズと半導体装置PKGのサイズを小さくしている。
【0038】
以上のようにして、インバータ回路INVを構成する回路が形成された半導体チップCPCと半導体チップCPLと半導体チップCPHを1つのパッケージ構造体に実装したSiP(System in Package)からなる半導体装置PKGが実装構成されている。
【0039】
<改善の検討>
以下では、板状部材として、クリップCLLを取り挙げて、半導体装置PKGに存在する改善の余地について説明する。ただし、図3に示すように、半導体装置PKGは、クリップCLLだけでなく、クリップCLHも有している。このクリップCLHについても、クリップCLLと同様の改善の余地が存在するが、以下の明細書の記載では、クリップCLLに着目して、半導体装置PKGに存在する改善の余地を説明することにする。
【0040】
上述した半導体装置PKGでは、放熱効率を向上させる観点から、封止体MRの下面からダイパッドDPL(ダイパッドDPC、ダイパッドDPH)の裏面を露出する構成が採用されることがある。このような構成を有する半導体装置PKGにおいて、本発明者は、以下に示す改善の余地が存在することを新規に見出した。
【0041】
図4は、本発明者が新規に見出した改善の余地を説明する図であって、封止体MRを形成するモールド工程を示す断面図である。図4においては、リードフレームに存在するリード60Aおよびリード60Bが下金型70Aと上金型70Bによって挟み込まれている。そして、キャビティCAV内にダイパッドDPLと、ダイパッドDPL上に銀ペースト50Aを介して搭載された半導体チップCPLと、半導体チップCPLに形成されているメイントランジスタ用ソースパッドSPL上に銀ペースト50Bを介して搭載されたクリップCLLが配置されている。また、このクリップCLLは、銀ペースト50Cを介してリード60Aと接続されている。すなわち、クリップCLLは、メイントランジスタ用ソースパッドSPLとリード60Aとを電気的に接続する機能を有している。
【0042】
ここで、図4に示すモールド工程では、キャビティCAV内に樹脂を注入することにより、封止体を形成する。このとき、図4において、下金型70AとダイパッドDPLとの間に隙間が存在すると、この隙間にも樹脂が流れ込む。このことから、下金型70AとダイパッドDPLとの間に樹脂が流れ込む隙間が形成されないように、例えば、図4に示すように、ダイパッドDPLに対して、下金型70AからキャビティCAV側に押し込む力を加えながら、モールド工程を実施することが行われる。
【0043】
この場合、リード60Aおよびリード60Bは、下金型70Aと上金型70Bで挟まれて固定されている。これに対し、ダイパッドDPLは、上述した押し込み力によって、キャビティCAV側に押し込まれる。この結果、図4に示すリード60A(60B)とダイパッドDPLとの間の高低差を示す「オフセットX」は、小さくなる方向に変化する。すると、リード60Aと半導体チップCPLの両方と接続しているクリップCLLには、図4の矢印で示す方向に力が加わる。
【0044】
これにより、例えば、図5に示すように、クリップCLLに変形が生じる。具体的に、半導体チップCPLに形成されているメイントランジスタ用ソースパッドSPLとリード60Aの両方に接続するクリップCLLは、一般的に、半導体チップCPLに対して平行して配置されるが、上述したダイパッドDPLに加わる押し込み力によって、クリップCLLの先端部分がクリップCLLの根元部分よりも高くなる変形が生じてしまう。
【0045】
本明細書では、図5に示すようなクリップCLLの先端部分がクリップCLLの根元部分よりも高くなる形状を「逆傾斜」と呼ぶことにする。
【0046】
このように、封止体MRの下面からダイパッドDPLの裏面を露出する半導体装置PKGを製造するモールド工程においては、下金型70AとダイパッドDPLとの間に樹脂が流れ込む隙間が形成されないように、ダイパッドDPLに対して、下金型70AからキャビティCAV側に押し込み力を加えることが行われる。この結果、例えば、図5に示すように、クリップCLLの形状が「逆傾斜」となってしまう。
【0047】
そして、クリップCLLの形状が「逆傾斜」となると、クリップCLLの根元部分80と接触する銀ペースト50Bの部分が、銀ペースト50Bのその他の部分よりも薄くなる。これにより、半導体装置に加わる構造的なストレスが原因となって、例えば、図5に示す銀ペースト50Bの部分90に剥離が発生する。
【0048】
この点に関し、銀ペースト50Bは、半導体チップCPLに形成されているメイントランジスタ用ソースパッドSPLとクリップCLLとを電気的に接続する機能を有し、電流が流れる電流経路となる。このことから、電流経路となる銀ペースト50Bで剥離が発生すると、この剥離領域が高インピーダンス領域となる結果、半導体装置のオン抵抗が高くなってしまう。さらには、センストランジスタを搭載する半導体装置の場合には、センス比の変動が生じる原因となる。つまり、銀ペースト50Bでの剥離の発生は、半導体装置の性能に悪影響を及ぼすことになる。したがって、銀ペースト50Bの剥離の原因となるクリップCLLの「逆傾斜」を抑制することが望まれている。
【0049】
<関連技術の説明>
そこで、クリップCLLの「逆傾斜」を抑制するために、以下に示す関連技術がある。
【0050】
本明細書でいう「関連技術」とは、公知技術ではないが、本発明者が見出した課題を有する技術であって、本願発明の前提となる技術である。
【0051】
図6は、関連技術を示す模式図である。
【0052】
図6に示すように、関連技術では、予め、クリップCLLの先端部分がクリップCLLの根元部分よりも低くなる形状としている。ここで、本明細書では、図6に示すようなクリップCLLの先端部分がクリップCLLの根元部分よりも低くなる形状を「正傾斜」と呼ぶことにする。このように、関連技術では、予めクリップCLLに加工を施して、クリップCLLの形状を「正傾斜」としている。
【0053】
これにより、関連技術によれば、下金型70AとダイパッドDPLとの間に樹脂が流れ込む隙間が形成されないように、ダイパッドDPLに対して、下金型70AからキャビティCAV側に押し込み力を加えたとしても、予めクリップCLLの形状が水平形状ではなく「正傾斜」となっていることから、押し込み力に起因して、クリップCLLの形状が「逆傾斜」となることを抑制することができる。したがって、関連技術は、銀ペースト50Bの剥離の原因となるクリップCLLの「逆傾斜」を抑制する観点から有効である。
【0054】
ここで、例えば、クリップCLLを「正傾斜」させる方法としては、クリップCLLを変形加工することが考えられる。ただし、本発明者の検討によると、クリップCLLの加工精度は、±20μmが限界であり、クリップCLLを安定的に「正傾斜」させることは困難であることを新規に見出した。すなわち、予めクリップCLLを「正傾斜」させるという関連技術のコンセプトは、銀ペースト50Bの剥離の原因となるクリップCLLの「逆傾斜」を抑制する観点から優れているが、関連技術には、クリップCLLを安定的に加工する観点に着目すると、難点があるといえる。
【0055】
このように、関連技術には、改善の余地が存在する。そこで、本実施の形態では、上述した関連技術に存在する改善の余地を克服するための工夫を施している。以下では、この工夫を施した本実施の形態における技術的思想について説明する。
【0056】
<実施の形態における基本思想>
本実施の形態における基本思想は、予めクリップCLLを「正傾斜」させることを前提として、「正傾斜」したクリップCLLをメイントランジスタ用ソースパッドSPLと銀ペースト50Bで接続する場合、メイントランジスタ用ソースパッドSPLの表面の一部領域に突出部材を設け、この突出部材を「正傾斜」したクリップCLLに接触させる思想である。この基本思想によれば、「正傾斜」したクリップCLLを突出部材で支持することが可能となる結果、安定してクリップCLLの「正傾斜」状態を維持できる。したがって、たとえ、クリップCLLの加工精度によって、「正傾斜」にばらつきが生じる場合であっても、突出部材の接触による矯正効果によって、安定した「正傾斜」を実現できる。
【0057】
以下では、この基本思想を具現化した具体的態様について説明する。
【0058】
<具体的態様>
図7は、具体的態様を示す模式図である。
【0059】
特に、図7の上図は、平面図であり、図7の下図は、断面図である。
【0060】
図7に示すように、ダイパッドDPL上には、銀ペースト50Aを介して、半導体チップCPLが搭載されている。半導体チップCPLの表面には、メイントランジスタ用ソースパッドSPL(第1電極)が形成されており、このメイントランジスタ用ソースパッドSPLの周縁部は、保護膜PASで覆われている。言い換えれば、保護膜PASで覆われていないメイントランジスタ用ソースパッドSPLの表面は、露出している。
【0061】
また、半導体チップCPLの隣に配置され、かつ、ダイパッドDPLから離間するようにリード60Aが配置されている。ここで、「離間」とは、距離的に離れていることを意味し、例えば、図7に示すように、ダイパッドDPLとリード60Aとが距離的に離れていることを意味している。そして、メイントランジスタ用ソースパッドSPLとリード60Aとは、銅からなる板状部材であるクリップCLLによって電気的に接続されている。具体的に、クリップCLLは、銀ペースト50Bを介してメイントランジスタ用ソースパッドSPLと電気的に接続されており、かつ、銀ペースト50Cを介してリード60Aと接続されている。そして、このクリップCLLは、銀ペースト50Bが接触する「第1部分P1」と、銀ペースト50Cが接触する「第2部分P2」と、「第1部分P1」と「第2部分P2」との間に位置する「第3部分P3」とから構成されている。
【0062】
このとき、クリップCLLの「第1部分P1」は、クリップCLLの「第3部分P3」に近づくにつれて封止体の上面との距離が短くなるように傾斜している。すなわち、クリップCLLの「第1部分P1」は、クリップCLLの先端部分がクリップCLLの根元部分よりも低くなる「正傾斜」をしている。
【0063】
ここで、図7では示されていないが、図7に示す構造体は、封止体で封止されている。例えば、封止体は、上面、および上面とは反対側の下面を有し、ダイパッドDPLの裏面の一部が下面から露出するように、かつ、リード60Aの一部が露出するように、半導体チップCPLおよびクリップCLLを封止している。
【0064】
そして、図7に示す構造体において、保護膜PASから露出するメイントランジスタ用ソースパッドSPLの表面には、保護膜PASよりも封止体の上面側に向かって突出する突出部材100が形成されている。すなわち、半導体チップCPLの厚さ方向において、メイントランジスタ用ソースパッドSPLの表面からその上面までの突出部材100の高さは、メイントランジスタ用ソースパッドSPLの表面からその上面までの保護膜PASの高さよりも大きい。このとき、図7に示すように、クリップCLLの「第1部分P1」は、突出部材100と接触している。この突出部材100を構成する材料は、特に限定されるものではないが、例えば、絶縁性部材から構成されている。
【0065】
なお、図7において、メイントランジスタ用ソースパッドSPLの平面形状は、平面視においてクリップCLLの「第3部分P3」と交わる「第1辺SD1」と、「第1辺SD1」とは反対側の「第2辺SD2」とを備える四角形(多角形)であり、突出部材100は、平面視において、「第2辺SD2」よりも「第1辺SD1」に近い位置に配置される。
【0066】
<<寸法関係>>
続いて、寸法関係の一例について説明する。
【0067】
図8は、寸法関係の一例を説明する図である。
【0068】
図8に示すように、メイントランジスタ用ソースパッドSPLの表面は、「第1辺SD1」および「第2辺SD2」のうちの一方から他方に向かう第1方向において、メイントランジスタ用ソースパッドSPLは、中心線CLよりも「第1辺SD1」側に位置する「第1領域R1」と、中心線CLよりも「第2辺SD2」側に位置する「第2領域R2」を有する。ここで、図8に示すように、突出部材100は、「第1領域R1」内に設けられ、かつ、中心線CLである「第1領域R1」と「第2領域R2」の境界から離間している。
【0069】
次に、図8において、突出部材100の平面形状は、正方形形状をしており、領域RAで囲まれた突出部材100の拡大図に示すように、突出部材100は、例えば、酸窒化シリコン膜110(厚さ:0.9μm程度)と、酸窒化シリコン膜110上に形成された第1ポリイミド膜120(厚さ:8μm程度)と、第1ポリイミド膜120上に形成された第2ポリイミド膜130(厚さ:8μm程度)から構成される。なお、酸窒化シリコン膜110は、窒化シリコン膜(SiN)や炭窒化シリコン膜(SiCN)などであってもよく、さらには、酸化シリコン膜を含む複数種類の積層膜であってもよい。
【0070】
ここで、図7および図8に示す寸法は、以下の通りである。
(1)「A0」=3mm
(2)「A1」=1mm
(3)「A2」=2mm
(4)「L」=70μm
(5)「L1」=20μm
(6)「L2」=10μm
(7)「L3」=15μm
【0071】
また、以下の膜の厚さを考慮すると、
酸窒化シリコン膜110:0.9μm
第1ポリイミド膜120:8μm
第2ポリイミド膜130:8μm
図9および図10に示す寸法は、以下の通りである。
(8)「A」=10μm程度
(9)「B」=10.35μm
(10)「C」=6.9μm
【0072】
<<具体的態様の構造上の特徴点>>
次に、具体的態様の特徴点について説明する。
【0073】
本実施の形態における特徴点は、メイントランジスタ用ソースパッドSPLの表面の一部領域に突出部材を設け、この突出部材を「正傾斜」したクリップCLLに接触させるという基本思想を、例えば、図7図10に示すレイアウト配置および寸法を有する突出部材100で具現化している点にある。これにより、「正傾斜」したクリップCLLを突出部材100で支持することができる結果、安定してクリップCLLの「正傾斜」状態を維持できる。したがって、たとえ、クリップCLLの加工精度によって、「正傾斜」にばらつきが生じる場合であっても、「正傾斜」のばらつきが、突出部材100の接触による矯正効果によって補正されることから、安定した「正傾斜」を実現できる。これにより、本実施の形態によれば、押し込み力によってクリップCLLの形状が「逆傾斜」となることを抑制できる結果、銀ペースト50Bの剥離を防止することができる。つまり、本実施の形態によれば、銀ペースト50Bの剥離を防止することができることを通じて、半導体装置の信頼性を向上できるという優れた効果が得られる。
【0074】
また、本実施の形態では、例えば、図8に示すように、突出部材100を第1ポリイミド膜120と第2ポリイミド膜130を含む積層膜から構成している点にも特徴点がある。なぜなら、クリップCLLと接触させる突出部材100がクッション性を有するポリイミド膜を含むように構成される結果、モールド工程において、ダイパッドDPLに加わる押し込み力に起因するストレスが発生する場合でも、このストレスに対する緩衝材として、突出部材100を機能させることができるからである。
【0075】
以上のことから、突出部材100は、安定したクリップCLLの「正傾斜」を実現させる機能と、ストレスを吸収する緩衝材としての機能を有し、これらの機能の相乗効果によって、モールド工程で発生するストレス(応力)に起因する銀ペースト50Bの剥離を効果的に抑制できる点で、本実施の形態は、大きな技術的意義を有しているといえる。
【0076】
さらに、本実施の形態において、突出部材100は、例えば、図7に示すように、「A2:A1=2:1」となる位置に配置されている。ここで、本発明者の見出した新規な知見によると、「A2:A1=2:1」となる位置は、銀ペースト50Bの剥離が最も生じやすい位置であることが判明している。したがって、本実施の形態では、上述した新規な知見を考慮して、突出部材100を銀ペースト50Bの剥離が発生しやすい位置に設けている。これにより、本実施の形態によれば、剥離の最も発生しやすい位置に銀ペースト50Bが存在しないことから、銀ペースト50Bの剥離が発生するポテンシャルを低減することができ、これによって、半導体装置の信頼性を向上することができる。
【0077】
<<半導体装置の製造方法>>
続いて、本実施の形態における半導体装置の製造方法について説明する。
【0078】
<<<半導体チップの製造工程>>>
まず、複数のチップ領域を有する半導体ウェハWFを用意する。そして、通常の半導体製造技術を使用することにより、各チップ領域にメイントランジスタおよびセンストランジスタを含むパワートランジスタを形成し、その後、図11に示すように、半導体ウェハWFの各チップ領域の表面に、メイントランジスタ用ソースパッドSPLを形成する。このメイントランジスタ用ソースパッドSPLは、例えば、アルミニウムから構成される。
【0079】
なお、以下に示す図11図14においては、半導体ウェハWFに含まれる複数のチップ領域のうちの1つのチップ領域が図示されている。
【0080】
次に、図12に示すように、例えば、CVD法(Chemical Vapor Deposition)を使用することにより、メイントランジスタ用ソースパッドSPLを覆う酸窒化シリコン膜110を形成する。そして、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を使用することにより、酸窒化シリコン膜110をパターニングする。酸窒化シリコン膜110のパターニングは、図12に示すように、メイントランジスタ用ソースパッドSPLの周縁部を覆い、かつ、メイントランジスタ用ソースパッドSPLの突出部材形成領域に酸窒化シリコン膜110が残存するように行われる。また、このパターニングでは、メイントランジスタ用ソースパッドSPLのその他の領域が露出されるように行われる。
【0081】
続いて、半導体ウェハWFの片面全面に第1ポリイミド膜120を塗布した後、フォトリソグラフィ技術を使用することにより、第1ポリイミド膜120をパターニングする。第1ポリイミド膜120のパターニングは、例えば、図13に示すように、メイントランジスタ用ソースパッドSPLの周縁部に形成された酸窒化シリコン膜110上に第1ポリイミド膜120が残存するとともに、突出部材形成領域に形成された酸窒化シリコン膜110を覆うように行われる。これにより、メイントランジスタ用ソースパッドSPLの周縁部には、酸窒化シリコン膜110と第1ポリイミド膜120の積層膜からなる保護膜PASが形成される。そして、例えば、パターニングされた第1ポリイミド膜120に対して、キュア処理が実施される。
【0082】
その後、図14に示すように、半導体ウェハWFの片面全面に第2ポリイミド膜130を塗布した後、フォトリソグラフィ技術を使用することにより、第2ポリイミド膜130をパターニングする。第2ポリイミド膜130のパターニングは、例えば、図14に示すように、メイントランジスタ用ソースパッドSPLの突出部材形成領域に形成された第1ポリイミド膜120を覆うように行われ、その他の領域の第2ポリイミド膜130を除去するように行われる。これにより、メイントランジスタ用ソースパッドSPLの突出部材形成領域には、酸窒化シリコン膜110と第1ポリイミド膜120と第2ポリイミド膜130の積層膜からなる突出部材100が形成される。そして、例えば、パターニングされた第2ポリイミド膜130に対して、キュア処理が実施される。
【0083】
なお、本実施の形態において、第2ポリイミド膜130のパターニングは、図14に示すように、メイントランジスタ用ソースパッドSPLの突出部材形成領域に形成された第1ポリイミド膜120を覆うように行われ、その他の領域の第2ポリイミド膜130を除去するように行っている。ただし、これに限らず、第2ポリイミド膜130のパターニングは、例えば、周縁部に形成されている第1ポリイミド膜120上にも残存するように行ってもよい。この場合、保護膜PASも、酸窒化シリコン膜110と、第1ポリイミド膜120と、第2ポリイミド膜130の積層膜から構成されることになる。
【0084】
次に、必要に応じて、無電解めっき法などを使用することにより、メイントランジスタ用ソースパッドSPLの露出面に、ニッケル膜、パラジウム膜、金膜などのめっき膜を形成する。そして、半導体ウェハWFに対して、裏面研削工程を実施した後、半導体ウェハWFをダイシングする。これにより、半導体ウェハWFの複数のチップ領域は、個片化されて、複数の半導体チップに分割される。このようにして、本実施の形態における半導体チップを製造することができる。
【0085】
<<<半導体装置の組立工程>>>
続いて、半導体装置の組立工程について説明する。
【0086】
図15は、半導体装置の組立工程を説明するフローチャートである。
【0087】
まず、ダイパッドと、ダイパッドから離間したリードとを有するリードフレームを用意する。そして、上述した半導体チップの製造工程で製造された半導体チップをダイパッド上に搭載する。具体的には、ダイパッド上に銀ペーストを塗布した後、この銀ペーストを介して、ダイパッド上に半導体チップを搭載する(S101)。
【0088】
次に、半導体チップの表面に形成されているメイントランジスタ用ソースパッド上、および、リード上に銀ペーストを塗布する(S102)。その後、メイントランジスタ用ソースパッドとリードとを接続するようにクリップを配置する。このとき、クリップは、銀ペーストを介してメイントランジスタ用ソースパッドと接続されるとともに、銀ペーストを介してリードと接続される。これにより、メイントランジスタ用ソースパッドとリードは、クリップによって電気的に接続される(S103)。そして、銀ペーストを硬化させるためのキュア処理(150℃~300℃程度の熱処理)を実施する(S104)。
【0089】
続いて、例えば、リードと、半導体チップの表面に形成されているその他のパッドとを金銭や導線で接続する。すなわち、リードと、半導体チップの表面に形成されているその他のパッドに対して、金線や銅線によるワイヤボンディングが行われる(S105)。
【0090】
その後、樹脂封止(モールド)を行うことにより封止体を形成する(S106)。そして、封止体から露出しているリードのアウタリード部に必要に応じてめっき層を形成する。次に、封止体の外部において、リードを所定の位置で切断することにより、封止体をリードフレームのフレーム枠から分離する。続いて、封止体から突出するリードのアウタリード部を折り曲げ加工する。以上のようにして、半導体装置を製造することができる。
【0091】
<<製法上の特徴>>
本実施の形態では、図15のS103によって、図16に示す構造体が実現される。すなわち、図16において、クリップCLLは、銀ペースト50Bが接触する「第1部分P1」と、銀ペースト50Cが接触する「第2部分P2」と、「第1部分P1」と「第2部分P2」との間に位置する「第3部分P3」から構成されている。そして、図15のS103では、「第1部分P1」を突出部材100に接触させることにより、「第1部分P1」に含まれるクリップCLLの先端部とメイントランジスタ用ソースパッドSPLの表面との間の高さよりも突出部材100の高さが大きくなるように、「第1部分P1」を正傾斜させた状態で、クリップCLLがメイントランジスタ用ソースパッドSPL上およびリード60A上に配置される。これにより、「正傾斜」したクリップCLLを突出部材100で支持することができる結果、安定してクリップCLLの「正傾斜」状態を維持できる。したがって、たとえ、クリップCLLの加工精度によって、「正傾斜」にばらつきが生じる場合であっても、「正傾斜」のばらつきが、突出部材100の接触による矯正効果によって補正されることから、安定した「正傾斜」を実現できる。
【0092】
ここで、本実施の形態における製法上の特徴点は、例えば、図11図14に示すように、保護膜PASを形成する工程を利用して、突出部材100を形成している点にある。この場合、第2ポリイミド膜130を形成する工程および第2ポリイミド膜130をパターニングする工程を追加するだけでよく、突出部材100を形成する工程を新たに追加する負担を軽減できることから、突出部材100を容易に形成できる利点が得られる。特に、この製法の場合、第2ポリイミド膜130の膜厚を調整することにより、突出部材100の高さを容易に調整することができる。
【0093】
次に、本実施の形態において、図15のS106は、例えば、図17に示すようにして実施される。図17は、本実施の形態における樹脂封止工程(モールド工程)を示す模式図である。図17に示すように、本実施の形態における樹脂封止工程(S106)は、キャビティ空間CAVが形成されるように、クリップ接続工程(S103)後のリードフレームを下金型70Aと上金型70Bで挟み込む工程と、キャビティ空間CAVに樹脂を流し込むことにより封止体を形成する工程を有している。このとき、リードフレームを下金型70Aと上金型70Bで挟み込む工程は、下金型70AによってダイパッドDPLをキャビティ空間CAVの内部側に押し込む力を加えながら行われる。
【0094】
このように構成されている樹脂封止工程では、上述した押し込み力を加えていることから、下金型70AとダイパッドDPLとの間への樹脂の入り込みが抑制される。
【0095】
ところが、下金型70AとダイパッドDPLとの間に樹脂が流れ込む隙間が形成されないように、ダイパッドDPLに対して、下金型70AからキャビティCAV側に押し込み力を加える場合、何らの対策も施さないと、図5に示すように、クリップCLLの形状が「逆傾斜」となってしまう結果、銀ペースト50Bに剥離が発生するおそれがある。
【0096】
この点に関し、本実施の形態では、クリップ接続工程(S103)において、予め「正傾斜」したクリップCLLを使用するとともに、突出部材100でクリップCLLの「正傾斜」を安定して保持している。この結果、本実施の形態によれば、樹脂封止工程において、ダイパッドDPLをキャビティ空間CAVの内部側に押し込む力が加えられる場合であっても、クリップCLLの「逆傾斜」が抑制される。
【0097】
したがって、本実施の形態によれば、クリップCLLの「逆傾斜」を抑制できるため、クリップCLLの「逆傾斜」に起因する銀ペースト50Bの剥離を抑制できる。このことから、本実施の形態によれば、半導体装置の信頼性を向上することができる。
【0098】
<変形例1>
図18は、突出部材100の平面形状のバリエーションを示す図である。
【0099】
前記実施の形態では、突出部材100の平面形状が「正方形」である例について説明したが(図7参照)、突出部材100の平面形状は、これに限らず、例えば、図18(a)~図18(g)に示すように、「長方形」、「円形」、「三角形」あるいは「多角形」などの形状を有するように構成されていてもよい。
【0100】
<変形例2>
前記実施の形態では、突出部材100は、酸窒化シリコン膜110と、第1ポリイミド膜120と、第2ポリイミド膜130の積層膜から構成する例について説明したが、これに限らず、突出部材100は、いわゆる「永久レジスト(Permanent Resist)」から構成することもできる。
【0101】
「永久レジスト」とは、加工処理(現像処理)後に取り除かずに残存させておく用途のレジストであり、例えば、MEMS(Mechanical Electrical Machine Systems)の作製などに使用される。一般的なレジストは、フォトリソグラフィ技術における露光現像処理によってパターニングされた後、被加工膜のエッチング処理に使用された後に除去される(アッシング)。これに対し、「永久レジスト」は、アッシングせずに残存させておく用途に使用されるレジストである。
【0102】
このように、突出部材100を「永久レジスト」から構成する利点としては、10μm以上の任意の高さを有する突出部材100を容易に形成できる点を挙げることができる。なぜなら、「永久レジスト」は、そのレジストの粘度と塗布回転数を調整することにより、数μm~百μmの範囲の任意の膜厚を実現できるからである。
【0103】
突出部材100を「永久レジスト」から構成する製造方法としては、例えば、メイントランジスタ用ソースパッドSPLの周縁部を覆う保護膜PASを形成した後、保護膜PASよりも厚い「永久レジスト」を塗布する。そして、フォトリソグラフィ技術によって、メイントランジスタ用ソースパッドSPLの露出面のうち突出部材形成領域にだけ「永久レジスト」が残存するように「永久レジスト」をパターニングすることで実現できる。
【0104】
なお、例えば、突出部材100は、「永久レジスト」と、クッション性に優れたポリイミド膜との積層膜から構成することもできる。
【0105】
<変形例3>
図19は、変形例3における突出部材の構成例を示す図である。
【0106】
図19に示すように、本変形例3では、突出部材が複数個存在する例が示されている。具体的に、図19では、y方向に並ぶ突出部材100Aと突出部材100Bが設けられている。この場合、クリップCLLの配置安定性を向上することができる。
【0107】
図20は、変形例3における突出部材の他の構成例を示す図である。
【0108】
図20に示すように、他の構成例では、突出部材100の平面形状がx方向を短辺とし、y方向を長辺とする長方形から構成する例が示されている。この場合、クリップCLLの配置安定性を向上することができる。
【0109】
<変形例4>
前記実施の形態における基本思想では、突出部材の構成材料は、導電材料でも絶縁材料でもよく、特に、限定されてはいない。ただし、基本思想を具現化した具体的態様では、突出部材100の構成材料は、絶縁材料としている。これは、突出部材100を導電材料から構成する場合、突出部材100を所望の形状(寸法)に形成することが難しい点と、従来の製造工程をうまく利用して、突出部材100を形成することが困難である点を考慮したものである。一方、突出部材100を絶縁材料から構成する場合は、例えば、図11図14に示すように、保護膜PASを形成する工程を利用して、容易に突出部材100を形成することができる。このことから、突出部材100の材料としては、導電部材や絶縁部材のいずれも採用することができるが、現実的な製造容易性を考慮すると、突出部材100は、絶縁材料から構成することが望ましいのである。
【0110】
ただし、突出部材100を絶縁材料から構成する場合、電流経路となる銀ペースト50Bに絶縁材料からなる突出部材100が設けられることになる。このことは、電流経路を狭めることを意味するから、オン抵抗の増加に代表される半導体装置の性能低下を招くおそれがある。特に、図7に示すように、「A1:A2=1:2」という位置に突出部材100を配置する場合、剥離が生じやすい位置に突出部材100を配置している点で、剥離の防止効果は大きいと考えられる。その一方で、突出部材100が電流経路の大きな阻害要素となる。そこで、本変形例4では、特に、電流経路の阻害をなるべく必要最小限にすることに着目して、突出部材100の配置に関する工夫を施している。
【0111】
以下では、この工夫を施した本変形例4について説明する。
【0112】
図21は、本変形例4を示す模式図である。
【0113】
図21において、クリップCLLは、銀ペースト50Bが接触する「第1部分P1」と、銀ペースト50Cが接触する「第2部分P2」と、「第1部分P1」と「第2部分P2」との間に位置する「第3部分P3」とを有している。そして、クリップCLLの根元部分に形成されている保護膜PAS上には、「第3部分P3」と接触する突出部材100が形成されている。このように、本変形例4では、図7に示すように突出部材100が「第1部分P1」と接触する位置に配置されているのではなく、図21に示すように、突出部材100が「第3部分P3」と接触する位置に配置されている。ここで、突出部材100は、保護膜PAS上に形成されており、保護膜PASは、酸窒化シリコン膜110と第1ポリイミド膜120の積層膜から構成され、突出部材100は、第2ポリイミド膜130と第3ポリイミド膜140の積層膜から構成されている。
【0114】
このとき、膜厚は、以下の通りである。
(1)酸窒化シリコン膜110:膜厚0.9μm
(2)第1ポリイミド膜120:膜厚8μm
(3)第2ポリイミド膜130:膜厚8μm
(4)第3ポリイミド膜140:膜厚8μm
【0115】
これにより、保護膜PASと突出部材100とを合わせた高さは、24.9μmであり、充分な高さを確保することができる。これにより、本変形例4によれば、銀ペースト50Bと接触する「第1部分P1」に突出部材100が接触せずに、「第3部分P3」と突出部材100が接触するように構成しながら、「正傾斜」したクリップCLLを突出部材100で支持することができる結果、安定してクリップCLLの「正傾斜」状態を維持できる。特に、本変形例4では、銀ペースト50Bの形成領域を回避して突出部材100が設けられていることから、突出部材100が銀ペースト50Bの電流経路を阻害することを抑制できる。この結果、本変形例4によれば、オン抵抗の増加を抑制しながら、「正傾斜」したクリップCLLを突出部材100で支持することができる。
【0116】
<変形例5>
前記実施の形態では、、封止体MRの下面からダイパッドDPL(ダイパッドDPC、ダイパッドDPH)の面を露出する構成を例に挙げて説明したが、前記実施の形態における基本思想は、これに限らず、例えば、封止体MRの上面からダイパッドDPL(ダイパッドDPC、ダイパッドDPH)の面を露出する構成にも適用することができる。
【0117】
本変形例5の構成の場合、樹脂封止工程(モールド工程)では、ダイパッドDPLの露出する面を下金型に接触させる構成で実施することもできるし、ダイパッドDPLの露出する面を下金型に接触させる構成で実施することもできる。
【0118】
なお、前記実施の形態では、ダイパッドDPLは、封止体の下面から露出し、突出部材100は、封止体の上面に向かって突出する構成になる。これに対し、本変形例5では、ダイパッドDPLは、封止体の上面から露出し、突出部材100は、封止体の下面に向かって突出する構成になる。
【0119】
請求項では、上述した前記実施の形態の構成および本変形例5の構成を包含する記載となるように、「第1面」と「第2面」という用語を使用している。前記実施の形態の構成の場合、「第1面」は下面に対応し、「第2面」は上面に対応する。一方、本変形例5の構成の場合、「第1面」は上面に対応し、「第2面」は下面に対応する。
【0120】
以上、本発明者によってなされた発明をその実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
【0121】
前記実施の形態では、半導体チップに形成されるパワートランジスタとして、パワーMOSFETを想定して説明を行ったが、前記実施の形態における技術的思想は、これに限らず、例えば、パワートランジスタとして、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)を使用する半導体装置にも幅広く適用することができる。
【0122】
この場合、「メイントランジスタ用ソースパッド」は、「メイントランジスタ用エミッタパッド」と読み替えることになる。そして、請求項では、「メイントランジスタ用ソースパッド」と「メイントランジスタ用エミッタパッド」とを包含する語句として、「第1電極」を使用している。すなわち、請求項に記載されている「第1電極」は、「メイントランジスタ用ソースパッド」と「メイントランジスタ用エミッタパッド」とを包含する意図で使用している。
【0123】
また、前記実施の形態では、銀ペーストを例に挙げて説明したが、前記実施の形態における技術的思想は、これに限らず、例えば、半田を使用した半導体装置にも幅広く適用することができる。そして、請求項では、「銀ペースト」と「半田」を包含する語句として、「第1導電性部材」や「第2導電性部材」といった語句を使用している。つまり、請求項に記載されている「第1導電性部材」や「第2導電性部材」は、「銀ペースト」と「半田」とを包含する意図で使用している。
【符号の説明】
【0124】
10 ハイサイドスイッチング回路
11 メイントランジスタ
12 センストランジスタ
20 ローサイドスイッチング回路
21 メイントランジスタ
22 センストランジスタ
30 制御回路
31 センス回路
50A 銀ペースト
50B 銀ペースト
50C 銀ペースト
60A リード
60B リード
70A 下金型
70B 上金型
80 根元部分
90 部分
100 突出部材
100A 突出部材
100B 突出部材
110 酸窒化シリコン膜
120 第1ポリイミド膜
130 第2ポリイミド膜
140 第3ポリイミド膜
CAV キャビティ空間
CL コイル
CLH クリップ
CLL クリップ
CPC 半導体チップ
CPH 半導体チップ
CPL 半導体チップ
CT 制御回路
DPC ダイパッド
DPL ダイパッド
DPH ダイパッド
GND グランド電位
INV インバータ回路
MR 封止体
MOT モータ
LD リード
LDL リード
LDH リード
P1 第1部分
P2 第2部分
P3 第3部分
PAS 保護膜
PDC1 パッド
PDC2 パッド
PDH パッド
PDL パッド
PKG 半導体装置
R1 第1領域
R2 第2領域
S1 辺
S2 辺
S3 辺
S4 辺
SD1 第1辺
SD2 第2辺
SPH メイントランジスタ用ソースパッド
SPL メイントランジスタ用ソースパッド
VIN 電源電位
W ボンディングワイヤ
WF 半導体ウェハ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21