(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023065910
(43)【公開日】2023-05-15
(54)【発明の名称】気泡生成ユニット
(51)【国際特許分類】
B01F 23/23 20220101AFI20230508BHJP
B01F 25/40 20220101ALI20230508BHJP
【FI】
B01F3/04 A
B01F5/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021176331
(22)【出願日】2021-10-28
(71)【出願人】
【識別番号】000144810
【氏名又は名称】株式会社山田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 宏之
(72)【発明者】
【氏名】加瀬 嘉幸
【テーマコード(参考)】
4G035
【Fターム(参考)】
4G035AB06
4G035AB07
4G035AC26
4G035AE11
4G035AE13
4G035AE17
(57)【要約】
【課題】所望の性能を発揮できる製品を低コスト、短納期で提供できる気泡生成ユニットを提供する。
【解決手段】本発明の態様に係る気泡生成ユニットは、気体が透過可能な多孔質部材によって少なくとも一部が構成された外周壁を有し、軸方向に延びる筒状のコアモジュールと、コアモジュールにおける軸方向の第1側に位置する第1開口部を閉塞する第1キャップと、コアモジュールの内外を連通させる連通口を有し、コアモジュールにおける軸方向の第2側に位置する第2開口部を閉塞する第2キャップと、を備えている。第1キャップ及び第2キャップは、コアモジュールに着脱可能に構成されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
気体が透過可能な多孔質部材によって少なくとも一部が構成された外周壁を有し、第1方向に延びる筒状のコアモジュールと、
前記コアモジュールにおける前記第1方向の第1側に位置する第1開口部を閉塞する第1閉塞部と、
前記コアモジュールの内外を連通させる連通口を有し、前記コアモジュールにおける前記第1方向の第2側に位置する第2開口部を閉塞する第2閉塞部と、を備え、
前記第1閉塞部及び前記第2閉塞部の少なくとも一方の閉塞部は、前記コアモジュールに着脱可能に構成されている気泡生成ユニット。
【請求項2】
前記コアモジュールは、
前記第1方向の第1側に開口する前記第1開口部を有し、前記第1方向に延びる筒状の第1コアと、
前記第1方向の第2側に開口する前記第2開口部を有し、前記第1コアと同軸に延びるとともに、前記第1コアにおける前記第1方向の第2側端部に着脱可能に取り付けられる筒状の第2コアと、を備え、
前記第1コアには、前記第1閉塞部が設けられ、
前記第2コアには、前記第2閉塞部が設けられている請求項1に記載の気泡生成ユニット。
【請求項3】
前記多孔質部材は、
前記第1コアの外周壁の少なくとも一部を構成する第1多孔質部と、
前記第2コアの外周壁の少なくとも一部を構成する第2多孔質部と、を備え、
前記第1多孔質部に形成された孔の直径と、前記第2多孔質部に形成された孔の直径と、が異なっている請求項2に記載の気泡生成ユニット。
【請求項4】
前記第1閉塞部及び前記第2閉塞部の双方が、前記コアモジュールに着脱可能に設けられている請求項1から請求項3の何れか1項に記載の気泡生成ユニット。
【請求項5】
前記第1閉塞部は、前記コアモジュールに着脱可能に設けられ、
前記第2閉塞部は、前記コアモジュールに一体に形成されている請求項1から請求項3の何れか1項に記載の気泡生成ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気泡生成ユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
環境や医療、食品、工業等の分野において、ファインバブルを利用した技術が種々検討されている。ファインバブルとは、直径が100μm以下の気泡を指す。また、ファインバブルのうち、直径数十nm~1μmのものをウルトラファインバブルといい、直径1μm~100μmのものをマイクロバブルという。
【0003】
下記特許文献1には、いわゆる浸漬タイプの気泡生成装置が開示されている。具体的に、下記特許文献1に記載の気泡生成装置は、液体が収容された容器と、液体中に浸漬された気泡発生部材と、を備えている。この種の気泡生成装置では、ボンベから供給される気体が気泡発生部材の多孔質膜を透過することで、液体中に微細な気泡が発生するとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、従来の気泡発生部材では、所望の仕様(設置される容器や発生させる気泡のサイズ等)に応じて気泡発生部材をそれぞれ製造する必要があった。従来の気泡発生部材では、所望の仕様に応じた気泡発生部材を低コスト、かつ短納期で提供する点で未だ改善の余地があった。
【0006】
本発明は、所望の性能を発揮できる製品を低コスト、短納期で提供できる気泡生成ユニットを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本開示は以下の態様を採用した。
本開示の一態様に係る気泡生成ユニットは、気体が透過可能な多孔質部材によって少なくとも一部が構成された外周壁を有し、第1方向に延びる筒状のコアモジュールと、前記コアモジュールにおける前記第1方向の第1側に位置する第1開口部を閉塞する第1閉塞部と、前記コアモジュールの内外を連通させる連通口を有し、前記コアモジュールにおける前記第1方向の第2側に位置する第2開口部を閉塞する第2閉塞部と、を備え、前記第1閉塞部及び前記第2閉塞部の少なくとも一方の閉塞部は、前記コアモジュールに着脱可能に構成されている。
【0008】
本態様によれば、容器のサイズや所望の気泡サイズ等に仕様に応じた気泡生成ユニットを製造するにあたり、例えば複数種類のコアモジュールや一方の閉塞部の中から、所望の仕様に応じたコアモジュールや一方の閉塞部を組み合わせる。これにより、仕様に応じた気泡生成ユニットを提供できる。その結果、仕様に応じて気泡生成ユニット全体を設計する場合に比べ、気泡生成ユニットを低コスト、かつ短納期で提供できる。
【0009】
上記態様の気泡生成ユニットにおいて、前記コアモジュールは、前記第1方向の第1側に開口する前記第1開口部を有し、前記第1方向に延びる筒状の第1コアと、前記第1方向の第2側に開口する前記第2開口部を有し、前記第1コアと同軸に延びるとともに、前記第1コアにおける前記第1方向の第2側端部に着脱可能に取り付けられる筒状の第2コアと、を備え、前記第1コアには、前記第1閉塞部が設けられ、前記第2コアには、前記第2閉塞部が設けられていることが好ましい。
本態様によれば、第1コア及び第2コアを連結するだけで、長尺のコアモジュールを製造することができる。そのため、コアの連結個数を調整することで、仕様に応じたサイズのコアモジュールを簡単に製造することができる。
【0010】
上記態様の気泡生成ユニットにおいて、前記多孔質部材は、前記第1コアの外周壁の少なくとも一部を構成する第1多孔質部と、前記第2コアの外周壁の少なくとも一部を構成する第2多孔質部と、を備え、前記第1多孔質部に形成された孔の直径と、前記第2多孔質部に形成された孔の直径と、が異なっていることが好ましい。
本態様によれば、例えば直径の小さい気泡によって捕捉力を確保しつつ、直径の大きい気泡によって浮力を確保すること等が可能になる。特に、第1コア及び第2コアの組み合わせによりコアモジュールを作成することで、孔等のピッチが軸方向で異なるコアモジュールを簡単に提供できる。
【0011】
上記態様の気泡生成ユニットにおいて、前記第1閉塞部及び前記第2閉塞部の双方が、前記コアモジュールに着脱可能に設けられていることが好ましい。
本態様によれば、例えば複数種類のコアモジュールや閉塞部の中から、所望の仕様に応じたコアモジュールや閉塞部を組み合わせることで、気泡生成ユニットのバリエーションを増加することができる。その結果、仕様に応じて気泡生成ユニット全体を設計する場合に比べ、仕様に応じた気泡生成ユニットを低コスト、かつ短納期で提供できる。
【0012】
上記態様の気泡生成ユニットにおいて、前記第1閉塞部は、前記コアモジュールに着脱可能に設けられ、前記第2閉塞部は、前記コアモジュールに一体に形成されていることが好ましい。
本態様によれば、一定の仕様の気泡生成ユニットを製造するにあたっては、部品点数を削減できるので、気泡生成ユニットの組付工数を削減できる。
【発明の効果】
【0013】
上記各態様によれば、所望の性能を発揮できる製品を低コスト、短納期で提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】第1実施形態に係る気泡生成装置の概略構成図である。
【
図2】第1実施形態に係る気泡生成ユニットの斜視図である。
【
図3】第1実施形態に係る気泡生成ユニットの分解斜視図である。
【
図4】第2実施形態に係る気泡生成ユニットの斜視図である。
【
図5】第3実施形態に係る気泡生成ユニットの斜視図である。
【
図6】第4実施形態に係る気泡生成ユニットの斜視図である。
【
図7】変形例に係る気泡生成ユニットの断面図である。
【
図8】変形例に係る気泡生成ユニットの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。以下の説明において、例えば「平行」や「直交」、「中心」、「同軸」等の相対的又は絶対的な配置を示す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差や同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
【0016】
(第1実施形態)
[気泡生成装置1]
図1は、気泡生成装置1の概略構成図である。
図1に示す気泡生成装置1は、貯留槽10内に気泡生成ユニット11が浸漬された、いわゆる浸漬タイプの気泡生成装置1である。
貯留槽10には、液体が貯留されている。貯留槽10に貯留される液体は、水やアルコール等の比較的低粘度のものから、油やエマルジョン等の比較的高粘度のものまで用途に応じて適宜選択可能である。貯留槽10には、吐出部12が設けられている。吐出部12は、貯留槽10内で発生する気泡を液体とともに被供給部に供給する部分である。吐出部12としては、ノズルや蛇口等を含んでいてもよい。
【0017】
図2は、気泡生成ユニット11の斜視図である。
図3は、気泡生成ユニット11の分解斜視図である。
図2、
図3に示すように、気泡生成ユニット11は、軸線Oに沿って延びる円筒状に形成されている。気泡生成ユニット11は、例えば軸線Oに沿う方向(軸方向)を水平方向に沿わせた状態で、貯留槽10内に浸漬されている。気泡生成ユニット11は、気泡生成ユニット11の内部に供給される気体を外部に向けて微小量ずつ透過させることで、貯留槽10内の液体中に気泡を生成する。以下の説明において、気泡生成ユニット11の軸方向を単に軸方向といい、軸方向から見て軸方向に交差する方向を径方向といい、軸線O回りに周回する方向を周方向という場合がある。
【0018】
気泡生成ユニット11は、コアモジュール21と、第1キャップ(第1閉塞部)22と、第2キャップ(第2閉塞部)23と、を備えている。
コアモジュール21は、第1コア31と、第2コア32と、が軸方向に組み合わされた構成である。
【0019】
第1コア31は、コア本体31aと、フィルム材(多孔質部材、第1多孔質部)31bと、を備えている。コア本体31aは、軸線Oと同軸に配置されている。コア本体31aは、軸方向の両端部の外径が軸方向の中央部の外径に対して拡大された多段の円筒状に形成されている。具体的に、コア本体31aは、軸方向の中央部に位置する筒部35と、筒部35に対して軸方向の第1側に連なる第1取付部36と、筒部35に対して軸方向の第2側に連なる第2取付部37と、を備えている。コア本体31aは、樹脂材料や耐食性に優れた金属材料(アルミニウムやチタン、ステンレス等)により形成されている。
【0020】
筒部35には、筒部35を径方向に貫通する複数の貫通孔35aが形成されている。貫通孔35aは、筒部35の全周に対して軸方向及び周方向に間隔をあけて形成されている。筒部35のうち、隣り合う貫通孔35a同士の間に位置する部分は、梁部35bを構成している。本実施形態において、梁部35bは、格子状に形成されている。
第1取付部36は、筒部35に対して外径が拡大されている。第1取付部36の内周面には、雌ねじ部が形成されている。
第2取付部37は、筒部35に対して外径が拡大されている。第2取付部37の内周面には、雌ねじ部が形成されている。
【0021】
フィルム材31bは、貫通孔35aを覆うように筒部35の周囲を取り囲んでいる。本実施形態において、フィルム材31bは、例えば樹脂材料等(ポリプロピレンやポリエチレン等)により形成されている。フィルム材31bは、例えばコア本体31aに対してインサート成形されることで、筒部35に接合されている。なお、フィルム材31bは、貫通孔35aを覆っていれば、筒部35に接合されていなくてもよい。フィルム材31bは、接着や溶着等により筒部35に接合されていてもよく、ビス等により筒部35に固定されていてもよい。
【0022】
フィルム材31bには、多数の孔が形成されている。孔は、気体が通過可能で、かつ液体が通過不能な直径(平均孔径)であって、例えば数nm~数μm程度の微細孔である。孔は、筒部35の貫通孔35aを通じて第1コア31内に露呈している。なお、孔は、フィルム材31bを厚さ方向に貫通していればよい。
【0023】
第2コア32は、コア本体32aと、フィルム材(多孔質部材、第2多孔質部)32bと、を備えている。コア本体32aは、軸線Oと同軸に配置されている。第2コア32は、軸方向の第1側から第2側に向かうに従い漸次外径が拡大する多段の円筒状に形成されている。コア本体32aは、軸方向の中央部に位置する筒部41と、筒部41に対して軸方向の第1側に連なる第3取付部43と、筒部41に対して軸方向の第2側に連なる第4取付部44と、を備えている。コア本体32aは、第1コア31(コア本体31a)と同様に、樹脂材料や耐食性に優れた金属材料(アルミニウムやチタン、ステンレス等)により形成されている。
【0024】
筒部41には、筒部41を径方向に貫通する複数の貫通孔41aが形成されている。貫通孔41aは、筒部41の全周に対して軸方向及び周方向に間隔をあけて形成されている。筒部41のうち、隣り合う貫通孔41a同士の間に位置する部分は、梁部41bを構成している。本実施形態において、梁部41bは、格子状に形成されている。
第3取付部43は、筒部41に対して外径が縮小している。第3取付部43の外周面には、雄ねじ部が形成されている。
第4取付部44は、筒部41に対して外径が拡大されている。第4取付部44の内周面には、雌ねじ部が形成されている。
【0025】
フィルム材32bは、第1コア31のフィルム材31bと同様に、樹脂フィルムに対して複数の孔等が形成されたものである。フィルム材32bは、筒部41の周囲を取り囲むように筒部41に接合されることで、貫通孔41aを覆っている。本実施形態では、第1コア31のフィルム材31bを透過する気体により生成される気泡と、第2コア32のフィルム材32bを透過する気体により生成される気泡と、が同等のサイズになるように各フィルム材31b,32bに形成される孔等のピッチが調整されている。本実施形態において、各フィルム材31b,32bを透過する気体により生成される気泡は、ファインバブル又はウルトラファインバブルを用途に応じて設定可能である。
【0026】
第2コア32は、第3取付部43が第1コア31の第2取付部37に、シール材等を介して螺着されることで、第1コア31に対して着脱可能に取り付けられている。なお、本実施形態において、第1コア31の筒部35と、第2コア32の筒部41と、の軸方向の寸法は、同等になっている。但し、第1コア31の筒部35と、第2コア32の筒部41と、の軸方向の寸法は適宜異ならせていてもよい。
【0027】
第1キャップ22は、軸方向の第2側に向けて開口する有底筒状に形成されている。第1キャップ22の周壁部22aには、雄ねじ部が形成されている。第1キャップ22は、周壁部22aが第1コア31の第1取付部36に、シール材等を介して螺着されることで、第1コア31に対して着脱可能に取り付けられている。この状態において、第1キャップ22の底部22bは、第1コア31における軸方向の第1側を向く開口部を閉塞している。
【0028】
第2キャップ23は、軸方向の第1側に向けて開口する有底筒状に形成されている。第2キャップ23の周壁部23aには、雄ねじ部が形成されている。第2キャップ23の底部23bは、第2キャップ23の周壁部23aが第2コア32の第4取付部44に、シール材等を介して螺着されることで、第2コア32に対して着脱可能に取り付けられている。この状態において、第2キャップ23の底部23bは、第2コア32における軸方向の第2側を向く開口部を閉塞している。
【0029】
コアモジュール21は、第1コア31の筒部35及びフィルム材31bと、第2コア32の筒部35及びフィルム材32bと、によって外周壁が形成されるとともに、第1コア31の内部及び第2コア32の内部が軸方向に連なる筒状に形成される。そして、気泡生成ユニット11は、コアモジュール21の両端開口部のうち、軸方向の第1側を向く開口部(第1開口部)が第1キャップ22により閉塞され、軸方向の第2側を向く開口部(第2開口部)が第2キャップ23により閉塞されている。これにより、気泡生成ユニット11の内部に、コアモジュール21、第1キャップ22及び第2キャップ23で区画された空間S1(
図2参照)が形成される。
【0030】
第2キャップ23の底部23bには、底部23bを軸方向に貫通する連通口48が形成されている。連通口48は、気泡生成ユニット11の内外を連通させている。連通口48には、気体の供給源から延びる供給配管49(
図1参照)が接続されている。供給配管49から供給される気体は、連通口48を通じて気泡生成ユニット11の内部に供給される。気体供給源から供給される気体は、空気や酸素、二酸化炭素、オゾン、窒素、フッ素等、用途に応じて適宜選択可能である。
【0031】
次に、上述した気泡生成装置1の作用について説明する。
気体の供給源から送り出される気体は、供給配管49及び連通口48を通じて気泡生成ユニット11の内部に供給される。気泡生成ユニット11の内部に供給された気体は、フィルム材31b,32bの孔を通じてフィルム材31b,32bを透過する。フィルム材31b,32bを透過した気体は、貯留槽10内で液体に混入されることで、気泡になる。貯留槽10内で気泡となった液体は、液体中に浮遊する。
【0032】
一方、貯留槽10内の液体は、吐出部12を通じて被供給部に供給される。この際、液体中に浮遊する気泡が、吐出部12を通じて液体とともに供給される。
【0033】
このように、本実施形態では、筒状のコアモジュール21と、コアモジュール21の開口部を閉塞する第1キャップ22及び第2キャップ23と、を備え、第1キャップ22及び第2キャップ23の少なくとも一方のキャップがコアモジュール21に着脱可能な構成とした。
この構成によれば、容器のサイズや所望の気泡サイズ等、仕様に応じた気泡生成ユニット11を製造するにあたり、例えば複数種類のコアモジュール21やキャップの中から、所望の仕様に応じたコアモジュール21やキャップを組み合わせる。これにより、仕様に応じた気泡生成ユニット11を提供できる。その結果、仕様に応じて気泡生成ユニット11全体を設計する場合に比べ、気泡生成ユニット11を低コスト、かつ短納期で提供できる。
【0034】
本実施形態では、コアモジュール21が第1コア31及び第2コア32を備えている構成とした。
この構成によれば、第1コア31及び第2コア32を連結するだけで、長尺のコアモジュール21を製造することができる。そのため、コア31,32の連結個数を調整することで、仕様に応じたサイズのコアモジュール21を簡単に製造することができる。
【0035】
本実施形態では、第1キャップ22及び第2キャップ23の双方がコアモジュール21に着脱可能に構成されている。
この構成によれば、例えば複数種類のコアモジュール21やキャップ22,23の中から、所望の仕様に応じたコアモジュール21やキャップ22,23を組み合わせることで、気泡生成ユニット11のバリエーションを増加することができる。その結果、仕様に応じて気泡生成ユニット11全体を設計する場合に比べ、仕様に応じた気泡生成ユニット11を低コスト、かつ短納期で提供できる。
【0036】
(第2実施形態)
上述した実施形態では、2つのコア31,32を連結してコアモジュール21を構成した場合について説明したが、この構成に限られない。コアモジュール21は、3つ以上のコア31,32を連結して構成されていてもよい。例えば、
図4に示すコアモジュール21は、1つの第1コア31と、2つの第2コア32と、を備えている。2つの第2コア32のうち、一方の第2コア32は、第1コア31に対して着脱可能に連結されている。2つの第2コア32のうち、他方の第2コア32は、一方の第2コア32に着脱可能に連結されている。
このように、第2コア32の数を変更するだけで、コアモジュール21の長さを変更することができるので、所望の性能を発揮できる製品を低コストかつ短納期で提供できる。
【0037】
(第3実施形態)
上述した実施形態では、第1キャップ22及び第2キャップ23の双方がコアモジュール21に着脱可能に構成された場合について説明したが、この構成に限られない。例えば
図5に示すように、第1キャップ22及び第2キャップ23の何れか一方のキャップ(図示の例では第1キャップ22)が、コアモジュール21に一体に形成されていてもよい。また、
図5に示すように、コアモジュール21は、少なくとも第1コア31を備えていればよい。この場合、第2キャップ23は、第1コア31に着脱可能に取り付けられる。
この構成によれば、一定の仕様の気泡生成ユニット11を製造するにあたっては、部品点数を削減できるので、気泡生成ユニット11の組付工数を削減できる。
【0038】
(第4実施形態)
上述した実施形態では、気泡生成ユニット11を貯留槽10に浸漬させる、いわゆる浸漬タイプの気泡生成装置1において、気泡生成ユニット11の内部に気体が供給される構成について説明したが、この構成に限られない。気泡生成装置1は、気泡生成ユニット11の内部に液体を供給する構成であってもよい。
図6に示す気泡生成装置1は、チャンバ100と、気泡生成ユニット11と、を備えている。
チャンバ100は、気泡生成ユニット11において、コアモジュール21の周囲を取り囲んでいる。チャンバ100とコアモジュール21の外周面との間には、空間S2が形成されている。空間S2には、不図示の気体供給源から供給される気体が充填される。
【0039】
気泡生成ユニット11は、チャンバ100を貫通した状態で設置されている。気泡生成ユニット11には、液体が通過可能に構成されている。具体的に、気泡生成ユニット11において、第1キャップ22及び第2キャップ23がコアモジュール21に着脱可能に取り付けられている。第1キャップ22(底部22b)には、導入ポート110が設けられている。液体の供給源から送り出される液体は、導入ポート110を通じて気泡生成ユニット11内に流入する。
第2キャップ23(底部23b)には、導出ポート111が設けられている。気泡生成ユニット11内を流れる液体は、導出ポート111を通じて吐出部(不図示)に向けて流れる。本実施形態において、導入ポート110及び導出ポート111は、径方向で互いに反対側を向いて開口している。但し、導入ポート110及び導出ポート111は、導入ポート110及び導出ポート111間で液体がコアモジュール21を通過する構成であればよい。例えば、導入ポート110及び導出ポート111は、気泡生成ユニット11において、軸方向に向かい合って設けられていてもよい。
【0040】
本実施形態の気泡生成装置1において、液体供給源から送り出される液体は、導入ポート110を通じて気泡生成ユニット11内に流入する。気泡生成ユニット11内に流入した液体は、コアモジュール21を通過した後、導入ポート110を通じて気泡生成ユニット11内から流出する。
一方、気体供給源から送り出される気体は、チャンバ100内(空間S2内)に供給される。チャンバ100内に供給された気体は、フィルム材31b,32bの孔を通じてフィルム材31b,32bを透過することで、気泡生成ユニット11内に進入する。気泡生成ユニット11内に進入した気体は、気泡生成ユニット11内を流れる液体に気泡となって混入する。これにより、気泡は、液体とともに気泡生成ユニット11内から流出した後、吐出部を通じて吐出される。
【0041】
このように、本実施形態では、導入ポート110を有する第1キャップ22や導出ポート111を有する第2キャップ23をコアモジュール21に取り付けるだけで、気泡生成ユニット11内に液体を通過させることができる。これにより、第1実施形態のような気泡生成ユニット11内に気体を供給する構成(外部通液タイプ)と、本実施形態のような気泡生成ユニット11内に液体を供給する構成(内部通液タイプ)と、をキャップ22,23の変更によって実現できる。したがって、外部通液タイプと内部通液タイプとで気泡生成ユニット11自体を別々に製造する場合に比べ、所望の仕様の気泡生成ユニット11を低コスト、かつ短納期で提供できる。なお、内部通液タイプにおいても、コアモジュール21を構成するコア31,32の個数等は適宜変更が可能である。
【0042】
(その他の変形例)
以上、本発明の好ましい実施例を説明したが、本発明はこれら実施例に限定されることはない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能である。本発明は上述した説明によって限定されることはなく、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
例えば、上述した実施形態では、コアやキャップがそれぞれ螺着によって着脱可能な構成について説明したが、この構成に限られない。コアやキャップは、嵌め込み等によって着脱可能に構成されていてもよい。
上述した実施形態では、第1コア31のフィルム材31bを透過する気体により生成される気泡と、第2コア32のフィルム材32bを透過する気体により生成される気泡と、が同等のサイズになるように各フィルム材31b,32bに形成される孔等のピッチが調整されている構成について説明したが、この構成に限られない。第1コア31のフィルム材31bを透過する気体により生成される気泡と、第2コア32のフィルム材32bを透過する気体により生成される気泡と、が異なるように各フィルム材31b,32bを調整してもよい。この場合、直径の小さい気泡によって捕捉力を確保しつつ、直径の大きい気泡によって浮力を確保すること等が可能になる。特に、本実施形態のように、第1コア31及び第2コア32の組み合わせによりコアモジュール21を作成することで、孔等のピッチが軸方向で異なるコアモジュール21を簡単に提供できる。
【0043】
上述した実施形態では、気泡生成ユニット11が円筒状に形成された構成について説明したが、この構成に限られない。気泡生成ユニット11は、気体又は液体が通過可能な空間を備える筒状であればよく、角筒状等であってもよい。
上述した実施形態では、多孔質部材としてフィルム材31b,32bを用いた場合を例にして説明したが、この構成に限られない。多孔質部材は、気体を透過可能な構成であればよく、例えばエアストーン等の多孔質材等を用いることが可能である。
【0044】
上述した実施形態では、気泡生成ユニット11が直線状に延びる構成について説明したが、気泡生成ユニット11は適宜湾曲や屈曲等されていてもよい。
また、気泡生成ユニット11は、複数のコアモジュール21が接続管を介して並列に接続されていてもよい。例えば、
図7に示す気泡生成ユニットでは、2つのコアモジュール21が並列に接続されることで、気泡生成ユニット200を構成している。気泡生成ユニット200において、各コアモジュール21の第2コア32には、L字接続管(第2閉塞部)201が接続されている。L字接続管201の一端部は、各コアモジュール21の第2コア32それぞれに着脱可能に連結されている。各L字接続管201の他端部同士は、T字接続管(第2閉塞部)202によって接続されている。T字接続管202の3つの端部のうち、2つの端部には、各L字接続管201の一端部がそれぞれ着脱可能に連結されている。T字接続管202のうち、残りの端部には気体の供給源から延びる供給配管49(
図1参照)が接続される。
【0045】
また、
図8に示す気泡生成ユニット200のように、3つのコアモジュール21を並列に配列してもよい。この場合、各コアモジュール21A~21Cのうち、第1コアモジュール21Aの第2コア32には、L字接続管210が連結されている。第2コアモジュール21Bの第2コア32には、T字接続管211が連結されている。第3コアモジュール21Cの第2コア32には、T字接続管212が連結されている。
図8に示す構成において、第1コアモジュール21Aは、L字接続管210を介して第2コアモジュール21BのT字接続管211に連結されている。また、第2コアモジュール21Bは、T字接続管211を介して第3コアモジュール21CのT字接続管212に接続されている。第3コアモジュール21Cにおいて、T字接続管212の何れかの端部には、気体の供給源から延びる供給配管49(
図1参照)が接続される。
【0046】
上記の通り、接続管を介して複数のコアモジュール21を並列に配列することで、軸方向に交差する方向での気泡生成ユニット200のサイズのバリエーションを増加することができる。なお、本変形例のように、接続管をコア(第2コア32)に対して着脱する構成であれば、第1キャップ22はコア(第1コア31)に一体形成されていてもよい。また、上記変形例では、複数のコアモジュール21が接続管を介して並列に接続される構成について説明したが、複数のコアモジュール21が接続管を介して直列に接続されていてもよい。また、複数のコアモジュール21を直列又は並列で接続する構成において、各コアモジュール21を構成するコアは、少なくとも第1コア31を備えていればよい。
【0047】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上述した変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0048】
11,200:気泡生成ユニット
21:コアモジュール
21A~21C:コアモジュール
22:第1キャップ(第1閉塞部)
23:第2キャップ(第2閉塞部、一方の閉塞部)
31:第1コア
31b:フィルム材(多孔質部材、第1多孔質部)
32:第2コア
32b:フィルム材(多孔質部材、第2多孔質部)
48:連通口
201,210:L字接続管(第2閉塞部)
202,211,212:T字接続管(第2閉塞部)