(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023065946
(43)【公開日】2023-05-15
(54)【発明の名称】布団・衣類の圧縮収納袋とそれに使用する吸引ノズル
(51)【国際特許分類】
B65D 85/07 20170101AFI20230508BHJP
B65B 31/06 20060101ALI20230508BHJP
B65B 31/04 20060101ALI20230508BHJP
B65D 30/10 20060101ALI20230508BHJP
B31B 70/88 20170101ALI20230508BHJP
B31B 160/10 20170101ALN20230508BHJP
【FI】
B65D85/07
B65B31/06
B65B31/04 A
B65D30/10 Z
B31B70/88
B31B160:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021176378
(22)【出願日】2021-10-28
(71)【出願人】
【識別番号】594146180
【氏名又は名称】中本パックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002354
【氏名又は名称】弁理士法人平和国際特許事務所
(74)【代理人】
【氏名又は名称】田中 政浩
(72)【発明者】
【氏名】小西 礼一
(72)【発明者】
【氏名】小田 雅一
【テーマコード(参考)】
3E053
3E064
3E068
3E075
【Fターム(参考)】
3E053AA06
3E053BA09
3E053CA04
3E053JA06
3E053JA09
3E064AA05
3E064BA27
3E064BA30
3E064BA36
3E064BA54
3E064BB03
3E064BC18
3E064EA30
3E064FA01
3E064HD04
3E064HE03
3E064HM01
3E064HN12
3E068AA14
3E068AA40
3E068AB02
3E068AB03
3E068BB01
3E068CC22
3E068CD10
3E068CE03
3E068DD27
3E068DD34
3E068DE11
3E068DE18
3E068EE40
3E075AA07
3E075BA42
3E075DE23
3E075GA05
(57)【要約】
【課題】布団や衣類の圧縮収納袋に吸引バルブを取り付けることなく、袋内を簡単に吸引して布団や衣類を圧縮できる安価な手段を提供する。
【解決手段】上記課題は、プラスチックフィルムで形成され、布団又は衣類を収納して袋内を吸引することにより布団又は衣類を圧縮して収納する袋において、吸引部と収納部の間のフィルム面にエンボス加工が施されていることを特徴とする布団・衣類の圧縮収納袋とエンボス加工が袋を作る工程で行われる請求項1記載の圧縮収納袋の製造方法によって解決される。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラスチックフィルムで形成され、布団又は衣類を収納して袋内を吸引することにより布団又は衣類を圧縮して収納する袋において、吸引部と収納部の間のフィルム面にエンボス加工が施されていることを特徴とする布団・衣類の圧縮収納袋
【請求項2】
エンボス加工が袋を作る工程で行われる請求項1記載の圧縮収納袋の製造方法
【請求項3】
布団・衣類の圧縮収納袋に挿入して内部の空気を吸引するノズルであって、基端部から先端部に延びる複数の突条と先端部に多数の吸引孔が設けられていることを特徴とする吸引ノズル
【請求項4】
吸引ノズルが、電気掃除機の先端吸引部を外した吸引口に取り付けられ、該ノズルの基部が該吸引口の複数の口径に対応できるテーパー構造になっている請求項3記載の吸引ノズル
【請求項5】
長網袋が被装された請求項3又は4記載の吸引ノズル
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、布団や衣類を収納して吸引することにより圧縮してコンパクトな状態にできる、布団・衣類の圧縮収納袋とそれに使用する吸引ノズルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、布団等を収納保管する際に、袋に収納して袋内を電気掃除機で吸引することにより、袋内の空気に加えて布団等内の空気も吸引して、全体の嵩を減少させてコンパクトな状態で収納保管できる袋が開発されている。しかし、電気掃除機で吸引する場合には、布団等の収納物に掃除機のノズルを当てて行わないと袋体のフィルムが張り付いてうまく吸引できないことがあり、そのため、袋に吸引バルブを設けて、この吸引バルブに電気掃除機の吸引ノズルの先端を気密に被せて行っていた。
【0003】
例えば、特許文献1には、布団を収容して内部のエアーを抜くことで圧縮することが出来る布団圧縮袋の吸気弁において、該吸気弁は上シートに固定される弁本体と該弁本体を被覆する弁蓋、及び弁本体の中央凹部にセットされてエアー吸い込み穴を開閉することが出来る弁から成り、上記弁蓋には掃除機のホース先端部が挿入されるシール袋を取付けたことを特徴とする布団圧縮袋のシール袋付き吸気弁が開示されている。この特許文献1の吸気弁は、電気掃除機のホースの先端口が平坦でなく、従来の吸気弁では隙間なくホース先端を当てがうことができないことがあるという問題を解決したものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、吸引バルブはいずれも製作に費用がかかり、圧縮袋全体のコストを押し上げていた。また、特許文献1の吸気弁は、シール袋を吸気弁の周囲に巻き付ける手間もかかっていた。
【0006】
本発明の目的は、布団や衣類の圧縮収納袋に吸引バルブを取り付けることなく、袋内を簡単に吸引して布団や衣類を圧縮できる安価な手段を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、上記課題を解決するべく鋭意検討を進め、圧縮収納袋の布団や衣類の出入口にノズルを挿入して袋内の空気を吸引することを考えた。布団や衣類の出入口にはチャックが付いていてノズルの挿入部以外の処はチャックで閉止できるからである。しかしながら、そうすると、ノズルの吸引口と収納されている布団や衣類との間で袋体の対面するフィルム同士が張り付いて空気が流れなくなり、吸引ができなくなった。そこで、フィルム面にエンボス加工を施したところ、フィルム同士が張り付いても空気が流れるようになり、この問題を解決できた。
【0008】
そこで、本発明は、プラスチックフィルムで形成され、布団又は衣類を収納して袋内を吸引することにより布団又は衣類を圧縮して収納する袋において、吸引部と収納部の間のフィルム面にエンボス加工が施されていることを特徴とする布団・衣類の圧縮収納袋を提供するものである。
【0009】
本発明者は、エンボス加工は袋に用いるフィルムを予め加工することも可能であるが、製袋工程において行えば、その熱を利用して安価に加工できることを見出した。
【0010】
そこで、本発明は、エンボス加工が袋を作る工程で行われる上記の圧縮収納袋の製造方法を提供するものでもある。
【0011】
本発明者は、さらに、吸引時にフィルムが吸引ノズルに張り付いてしまうという問題にも遭遇した。そこで、吸引ノズルの構造についても種々検討し、ノズルの基端部から先端部に延びる複数の突条と先端部に多数の吸引孔を設ければ、突条がフィルムの吸引口への密着を阻止する機能を発揮して吸引を続行させることができることを見出した。
【0012】
そこで、本発明は、また、布団・衣類の圧縮収納袋に挿入して内部の空気を吸引するノズルであって、基端部から先端部に延びる複数の突条と先端部に多数の吸引孔が設けられていることを特徴とする吸引ノズルを提供するものでもある。
【0013】
本発明者は、また、吸引ノズルを装着する電気掃除機の吸引口部の口径には種々のものがあることを考慮し、いずれの電気掃除機でも使用できるよう、吸引ノズルの基部をテーパー構造にした。
【0014】
そこで、本発明は、吸引ノズルが、電気掃除機の先端吸引部を外した吸引口に取り付けられ、該ノズルの基部が該吸引口の複数の口径に対応できるテーパー構造になっている上記の吸引ノズルを提供するものでもある。
【0015】
本発明者は、また、上記の吸引ノズルの吸引能力をさらに向上させるための付属部品として、吸引ノズルの先端側から被装する長網袋も開発した。
【0016】
そこで、本発明は、長網袋が被装された上記の吸引ノズルを提供するものでもある。
【発明の効果】
【0017】
本発明により、吸引バルブを取り付けなくても簡単に袋内を吸引して収納物である布団や衣類の圧縮状態を維持できる安価な圧縮収納袋を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の一実施例である圧縮収納袋の平面図である。
【
図2】そのエンボス加工の模様の一例の部分平面図である。
【
図4】本発明の一実施例である吸引ノズルの平面図である。
【
図6】この吸引ノズルに電気掃除機のフレキシブルホースの先端を接続した状態を示す図である。
【
図7】この吸引ノズルを圧縮収納袋に挿入した状態を示す図である。
【
図8】吸引ノズルに被装する長網袋の一例の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の圧縮収納袋は、布団や背広、ジャンパー、トレーナー等の衣類や下着類などの収納物を圧縮して気密状態で収納する袋である。
【0020】
袋体は、収納物を収納する本体でプラスチックフィルムで形成され、通常は四角形である。大きさは収納物によって異なり、衣類であれば30~50cm×40~70cm程度、布団であれば70~90cm×100~130cm程度である。
【0021】
材質は、気密性、柔軟性、ヒートシール性およびコストなどから選択され、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン等の単層フィルムや、ポリアミドとLDPE、ポリエステルとLDPE等の積層フィルムなどが使用される。厚みは、柔軟性や通常の使用で破損しない強度などの観点から定められ、20~100μm程度、好ましくは42~65μm程度である。ポリアミドまたはポリエステルとLDPEとの積層フィルムの場合は、ポリアミドまたはポリエステル層の厚みが12μm~15μm程度で、LDPE層の厚みが30μm~50μm程度のものが強度・圧縮保持性能として好ましい。
【0022】
そして、袋体の一辺には布団や衣類等の収納物を出し入れする出入口が設けられ、出入口には収納物を収納後に閉止するチャックが設けられる。チャックは袋内の気密性を維持できるものであり、通常、雄条と雌条を嵌合させる構造の物が用いられ、それを開閉するスライダーが取り付けられている。スライダーは1個でもよいが、2つ設けて1つを左側から、もう1つを右側から閉められるようにしてもよい。
【0023】
圧縮収納袋は、基本的に布団や衣類を収納する収納部よりなっているが、本発明でチャックが装着されている出入口から袋に挿入して内部の空気を吸引するノズルを布団や衣類の奥深くまで挿入すると、これらを痛める恐れがあるので、ノズルの先端はこれらの収納部の端部と多少間隔を設けた方がよい。本発明では、この部位が吸引部に該当し、通常チャックの袋内側の端縁から0~100μm程度の範囲を指す。
【0024】
本発明では、収納物の出入口からノズルを挿入して袋内の空気を吸引すると、袋体の対面するフィルム同士が張り付いて空気が流れなくなってしまうので、この吸引部のフィルムにエンボス加工を施したところに特徴がある。
【0025】
エンボスは、凹凸があってフィルム同士が張り付いても空気が流れればよく、その模様は問わない。例を挙げれば、円形、三角形、四角形、台形などの散点状などである。円形を例にとると、各円形の直径が1~5mm程度、高さが0.01~0.5mm程度、各円形の最短距離が0.5~1mm程度である。
【0026】
このエンボス加工は、少なくともノズルの吸引口と収納物の間に設けられる。そして、吸引の際に、空気はノズルの吸引口と収納物の最短距離のみを流れるのではなく横に広がりがあり、また、ノズルは、収納物の出入口の付処から挿入してもよいように、エンボス加工は袋体の横方向では全長に亘って設けるのがよい。一方、チャックとノズルの吸引口の手前の間のフィルムは、空気の吸引時に張り付いて空気の流れを阻止できるほうが好ましいので、エンボス加工を設けないで平らなままにしておくほうが望ましい。この平面のままにしておく部位は、チャックの袋内側端縁から3~5cm程度の幅が適当である。しかしながら、製袋する工場の都合などでエンボス加工を一部に設けるよりフィルム全面に設けたほうがコストが安ければそのようにしてもよい。これは、収納部も平らなフィルムよりエンボス加工がされているほうが空気の流通性がよく、また、出入口もノズルの挿入部以外は基本的にチャックで閉止されているのであまり問題がないからである。但し、特別な場合を除いて、一般的に、エンボス加工は必要部位にのみ設けるのがよく、これは、製袋時に行うのが、そこで発生する熱を利用できるので好ましい。本発明では、エンボス加工は空気の流通を確保するものであるから、対向する2枚のフィルムの一方に設ければよいが、両方に設けてもよい。
【0027】
本製袋方法についてはポリアミドとLDPEもしくはポリエステルとLDPEをラミネートにより積層したフィルムに妥当なエンボス目を入れる為に処理を行い、エンボスの加工済みのフィルムを用い通常の圧縮袋と同様の製袋方法にて加工を行い圧縮袋を製造する。
【0028】
一方、袋内の空気を吸引するノズルは、単に先端に吸引口があるだけのものは、そこにフィルムが張り付いて空気の吸引ができなくなりやすい。そこで、本発明においては、吸引時にフィルムが張り付いても吸引を続行できる吸引ノズルを提供するものでもある。
【0029】
この吸引ノズルは、基端部から先端部に延びる複数の突条と先端部に多数の吸引孔を設けたことを特徴としている。
【0030】
吸引ノズルの形状は、通常は棒状であり、袋への挿入を容易にするために先端側を先細にし、その先端は収納物を傷付けないよう丸くするのがよい。
【0031】
突条と吸引孔は、突条間に設けられた吸引孔に空気を送って吸引させるように構成され、そのため、突条上部に配置された吸引孔の吸引でフィルムを突条部に固定して突条間の凹所に張り付かないようにして、突条間の凹所に配置された吸引孔で続けられるようにしている。
【0032】
突条と吸引孔はこのような働きをするように定められ、突条は基端部から先端部に延ばして配置され、本数は2~10本程度、通常は3~6本程度である。断面形状は円弧状、三角形、四角形、角を落した四角形、これらの突条の頂部に長手方向に溝を設けた形状などであり、角形の場合は角部は丸めておくのがよい。突条の高さは1~3mm程度で、幅は1~2mm程度である。吸引口と基端部との間も突条にする理由としては、吸引時にフィルムがノズルに貼り付き、吸引不良が起こらないようにする為である。
【0033】
吸引孔は、吸引ノズルの先端から基端の鍔部までの間の1/2~1/10程度の範囲、通常1/3~1/5程度の範囲に設けられ、突条の上部や突条間の凹所に配置される。突条の上部は全ての突条に配置しなくとも、例えば1本置きであってもよい。配置は、それぞれの位置で略均等に設ければよく、例えば、略網目状とする。吸引孔の数は、10~1000個程度、通常100~500個程度でよい。吸引孔の形状は特に限定されず、例えば、円形、楕円形、四角形、長方形など任意の形状にすることができる。大きさは、最大径で2~5mm程度でよい。
【0034】
吸引ノズルには、着脱を容易にするため、必要により基端側に鍔部を設けることができる。
【0035】
また、なるべく多くの電気掃除機を使用できるよう、基部は先細のテーパー構造にするのがよい。それによって、電気掃除機の吸引口の口径によらず対応することができる。
【0036】
吸引ノズルの大きさは、通常、棒状部の径が10~50mm程度で、長さが100~300mm程度である。
【0037】
吸引ノズルの材質は、加工の容易さやコストの観点からプラスチックが好ましく、例えばポリプロピレンやポリエチレンなどを用いればよい。
【0038】
本発明の吸引ノズルは、従来の吸引バルブと異なり、各袋毎に取り付けるのではなく、多くの袋に繰返し使用できる利点がある。
【0039】
ノズルの製造方法は、主に射出成型にて生産する。
【0040】
本発明の圧縮収納袋は、袋を構成するフィルムにエンボス加工を施すことと特定形状の吸引ノズルを用いることによって、各袋内を吸引して圧縮できるが、吸引ノズルに長網袋を被せることによって吸引効率をさらに高めることができる。この長網袋は、糸が太めで網目の粗いものが好ましく、糸の太さは50μm~1cm程度、網目の大きさは1~5mm程度である。長網袋の大きさは、幅が吸引ノズルが挿入できる程度、円形にしたときに吸引ノズルの棒状部の径の1.1~2倍程度で、長さが突条が形成されている部径の1~5倍程度でよい。
【0041】
圧縮収納袋の使用方法としては、まず、袋のチャックを開けて、布団や衣類の収納物を袋に入れる。一方、電気掃除機の先端吸引部を外した吸引口に本発明の吸引ノズルを取り付け、この吸引ノズルを袋のチャック部から収納物の近傍まで挿入してチャックを閉める。その際、チャックのある袋の開口部はその後の空気の吸引で閉じられるので、チャックは吸引ノズルの近傍まで閉止しておけばよい。次いで、電気掃除機を作動させて袋内の空気を吸引し、収納物の圧縮が終了したらノズルを引き抜いてチャックを閉める。圧縮作業終了の目途については、吸引開始後に空気が抜けだす事により圧縮袋自体が収縮を開始するが、収縮が止まった段階で圧縮作業の終了の目安とする。
【実施例0042】
本発明の一実施例である、圧縮収納袋を
図1~3に、そして吸引ノズルを
図4~7に、長網袋を
図8にそれぞれ示す。
【0043】
図1は袋全体の平面図であり、
図2はエンボス加工が施された部分の一部平面図、
図3はその部分断面図である。
【0044】
この圧縮収納袋1は、縦110cm、横90cmの長方形をし、三方がシール辺2となった三方シール袋であり、上辺には、収納物を出し入れする出入口3が全長に亘って形成され、そこには出入口3を開閉するチャックが上辺から0cmの間に取り付けられている。このチャック4は、
図1に示すように、2条の嵌合する雄条と雌条が互いに対向して平行に形成されており、それを開閉するスライダー5が1個取り付けられている。スライダー5の図面左方にあるものは白色で、図面の右方に移動するとチャック4を閉じ、図面の右方にあるものは青色で、図面の左方に移動するとチャック4を閉じ、それぞれ逆方向に移動するとチャックを開く作用をするものである。
【0045】
袋は、厚さ15μmのポリアミドと40μmのポリエチレンの層による厚さ55μmの積層フィルムで形成されている。
【0046】
この袋における吸引部6と収納部7は、収納物によって変わるが、設定されている吸引部は上辺から70cmまでであり、図示されていないが、上辺から5cmのところから70cmのところまで全長に亘って横に帯状にエンボス加工8が施されている。このエンボス加工8は、
図2、3に示すように短管状の突起9が千鳥状に配置されており、各突起9は高さ100μm、幅2mmであり、突起9の密度は1250個/dm
2である。
【0047】
吸引ノズル10は、
図4、5に示され、
図4はその平面図、
図5は側面図である。
【0048】
この吸引ノズルは、ポリエチレンもしくはポリプロピレン製で、全長10~15cm、太さ2~4cmの丸棒の側面を両側から平行に削ぎ落した断面略小判状をしており、先端部11を徐々に先細にして先端は丸めている。この先端部11の長さは3~5cmである。基端部12は先細が始まる処までであり、長さは11cmで、その先には鍔13が形成されている。この鍔13は、吸引ノズル10の電気掃除機の吸引口への着脱を容易にするとともにストッパーの機能も有しており、一部に電気掃除機の先端吸引部の着脱ボタンを配置させる切欠が設けられている。鍔13より基端側の部分は、各種電気掃除機の吸引口径のバラツキに対応させるため、先細のテーパー構造14になっている。このテーパー構造14の部分の太さは、鍔部13側で0.5~1cm、反対側の端部で0.5~1cmである。
【0049】
基端部12の削ぎ落した両面のいずれも中央には、基端部12から先端部11の約1/3まで延びる断面カマボコ形の突条15が設けられている。この突条15は高さ3mm、幅3mmで先端は丸められている。
【0050】
先端部11には、突条15の先端部分からその延長方向に向って凹弧状の凹所16が先細に形成され、凹所16には、多数の長楕円形の吸引孔17が突条15の先端部分とその延長線の両側に外側を後方に斜めに列設されている。また、凹所16の外周の凹んでいない面にも略長方形の多数の吸引孔18が穿設されている。一方、丸棒の削ぎ落されていない面の先端部分11には、背骨部と助骨部が形成され、その助骨部が吸引孔19になっている。
【0051】
吸引ノズル10の内部は空洞になっており、基端20は円形の開口になっている。
【0052】
吸引ノズル10に被装される長網袋は、
図8に示すように、長尺の長方形をしており、幅3~5cm、長さ30~50cmである。網袋を構成している糸の太さは0.5~1mmで、網目の大きさは0.5~5mmである。そして入口には紐を通してあり、それを引張ることにより入口を締められるようになっている。
【0053】
この圧縮収納袋1に布団を入れて、出入口3から、
図6に示すように電気掃除機のフレキシブルホースに接続した吸引ノズル10を差込み、チャック4の両側からスライダー5を移動させてその両側を吸引ノズル10にかなり近い処まで閉じる。そこで、電気掃除機を作動させると、袋の出入口近傍のフィルム同士が密着して外部からの空気の侵入を阻止し、袋内の空気を吸引して内部を圧縮する。
圧縮は通常の圧縮袋と同様に吸引が出来、圧縮に伴う袋の収縮が止まるまでの間を圧縮作業とする。また、その時間はおよそ2~3分程度である。但し、長網袋の一部を内容物に重ねるようセットしないと、吸引の時間が大幅に遅れたり、圧縮自体しない事もある。
本発明は、布団や衣類の圧縮収納袋に吸引バルブを取り付けなくても袋内を簡単に圧縮でき、それに用いる吸引ノズルは繰返し利用できるので、布団や衣類の圧縮袋に幅広く利用できる。