(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023065969
(43)【公開日】2023-05-15
(54)【発明の名称】電磁駆動ポンプ
(51)【国際特許分類】
F04B 17/04 20060101AFI20230508BHJP
【FI】
F04B17/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021176411
(22)【出願日】2021-10-28
(71)【出願人】
【識別番号】000005197
【氏名又は名称】株式会社不二越
(74)【代理人】
【識別番号】100120400
【弁理士】
【氏名又は名称】飛田 高介
(74)【代理人】
【識別番号】100124110
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 大介
(72)【発明者】
【氏名】吉田 雅雄
(72)【発明者】
【氏名】荒井 一剛
(72)【発明者】
【氏名】田中 文也
【テーマコード(参考)】
3H069
【Fターム(参考)】
3H069AA02
3H069BB02
3H069CC04
3H069DD42
3H069DD48
3H069EE05
3H069EE22
3H069EE42
3H069EE47
(57)【要約】
【課題】簡素な構造で吐出流量を容易に調整可能であり、吐出流量を高精度に保つことができる電磁駆動ポンプを提供する。
【解決手段】本発明にかかる電磁駆動ポンプ100は、電磁コイル102と、電磁コイルの内側に配置された固定鉄心106と、電磁コイルの内側を移動するプランジャ110と、電磁コイルの内側でプランジャの移動を案内する円筒状のガイド108と、を備え、プランジャの端面126およびガイドの端面128は、固定鉄心の端面130と対向して配置されていて、電磁駆動ポンプはさらに、固定鉄心の端面に当接して配置され、プランジャのストロークを調整する金属スペーサ132と、金属スペーサとガイドの端面との間をシールするとともに、金属スペーサを固定鉄心の端面に向かって付勢する弾性リング134と、を備えることを特徴とする。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電磁コイルを有する電磁駆動ポンプであって、
前記電磁コイルの内側に配置された固定鉄心と、
前記電磁コイルの内側を移動するプランジャと、
前記電磁コイルの内側で前記プランジャの移動を案内する円筒状のガイドと、を備え、
前記プランジャの端面および前記ガイドの端面は、前記固定鉄心の端面と対向して配置されていて、
当該電磁駆動ポンプはさらに、
前記固定鉄心の端面に当接して配置され、前記プランジャのストロークを調整する金属スペーサと、
前記金属スペーサと前記ガイドの端面との間をシールするとともに、前記金属スペーサを前記固定鉄心の端面に向かって付勢する弾性リングと、を備えることを特徴とする電磁駆動ポンプ。
【請求項2】
前記金属スペーサは、非磁性材料からなることを特徴とする請求項1に記載の電磁駆動ポンプ。
【請求項3】
前記プランジャの内部には、所定の流体が通過する流体通路が形成されていて、
前記プランジャの端面には、前記流体通路から該プランジャと前記ガイドとの間の隙間に通じる溝が形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の電磁駆動ポンプ。
【請求項4】
前記プランジャの内部には、所定の流体が通過する流体通路が形成されていて、
前記プランジャには、前記流体通路から該プランジャと前記ガイドとの間の隙間に通じる穴が形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の電磁駆動ポンプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電磁コイルを動力として用いる電磁駆動ポンプに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、流体を移送するポンプとして、電磁コイルを動力に用いる電磁駆動ポンプが知られている。電磁駆動ポンプは、ハウジングの内部をプランジャ(可動鉄心)が往復することにより、流体を移送する。
【0003】
特許文献1には、電磁ポンプが記載されている。この電磁ポンプは、円筒形状のボディと、ボディに嵌挿された円筒形状のコイルと、コイルの内側を摺動する可動鉄心と、可動鉄心に対向してコイルの内側に設けられた固定鉄心と、ポンプ本体と、調整機構とを備える。
【0004】
ポンプ本体は、ボディに取り付けられていて吸入口および吐出口を有する。またポンプ本体には、吸入口および吐出口に連通する貫通孔がそれぞれ形成されていて、これらの貫通孔に入口逆止弁および出口逆止弁がそれぞれ設けられている。
【0005】
調整機構は、ボディに取り付けられていて、可動鉄心を押圧して可動鉄心のストロークを規制する機構であり、可動鉄心のストロークを調整可能な調整ねじと、調整ねじに螺合するナット部材とを有する。
【0006】
さらに、この電磁ポンプでは、ポンプ本体の吸入口および吐出口の位置を可動鉄心の一方側に配置し、吸入口および吐出口の位置に対向した反対側に調整機構を配置している。特許文献1では、吸入口と吐出口を可動鉄心の同一側に配置して、可動鉄心のストロークを調整機構によって調整することにより吐出量を機械的に容易に行うことができる、としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし特許文献1の技術では、電磁ポンプの組立後に吐出流量を高精度に測定しながら、吐出流量を調整機構によって時間をかけて調整する必要がある。また調整機構は、可動鉄心のストロークを調整するために、調整ねじとナット部材が必要であり、部品点数も多くなる。
【0009】
また一例として、可動鉄心の端面すなわち固定鉄心に対向する端面にゴムを取り付けることで、可動鉄心のストロークを規制することが考えられる。しかしこの場合、ゴムが経年劣化すると可動鉄心のストロークが長くなり、吐出流量が増加してしまう。
【0010】
さらに電磁ポンプでは、ポンプ室に空気溜まりが生じて、圧縮と膨張を繰り返すと、可動鉄心のストロークに応じた適切な吐出流量を得ることができず吐出流量が低下してしまい、吐出流量を保つことが困難となる。
【0011】
本発明は、このような課題に鑑み、簡素な構造で吐出流量を容易に調整可能であり、吐出流量を高精度に保つことができる電磁駆動ポンプを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために、本発明にかかる電磁駆動ポンプの代表的な構成は、電磁コイルを有する電磁駆動ポンプであって、電磁コイルの内側に配置された固定鉄心と、電磁コイルの内側を移動するプランジャと、電磁コイルの内側でプランジャの移動を案内する円筒状のガイドと、を備え、プランジャの端面およびガイドの端面は、固定鉄心の端面と対向して配置されていて、上記の電磁駆動ポンプはさらに、固定鉄心の端面に当接して配置され、プランジャのストロークを調整する金属スペーサと、金属スペーサとガイドの端面との間をシールするとともに、金属スペーサを固定鉄心の端面に向かって付勢する弾性リングと、を備えることを特徴とする。
【0013】
上記構成では、プランジャのストロークを調整する金属スペーサを固定鉄心の端面に当接して配置し、弾性リングによって金属スペーサを固定鉄心の端面に向かって付勢し、さらに金属スペーサとガイドの端面との間をシールしている。
【0014】
このため、電磁コイルが励磁されると、電磁コイルとプランジャの間の吸引力によって、プランジャは、固定鉄心の端面に当接して配置された金属スペーサに向かって移動し、プランジャの端面が金属スペーサに当接することで移動が停止する。つまり、プランジャのストローク寸法は、金属スペーサの厚さ寸法によって設定することができる。これにより、電磁駆動ポンプの組立時に、適切な厚さ寸法を有する金属スペーサを現合選択して組み付けるだけで、プランジャのストローク寸法を例えば規定値になるように高精度に設定することができる。
【0015】
したがって上記構成によれば、簡素な構造で吐出流量を容易に調整可能であり、吐出流量の精度を向上させることができる。また金属スペーサは、弾性リングによって固定鉄心の端面に向かって付勢されているため、固定鉄心の端面に対して動かないように固定することができ、組立性を向上させることができる。
【0016】
さらに金属スペーサとガイドの端面との間が弾性リングによってシールされているため、金属スペーサ、ガイドおよびボビンとの間もシールすることができる。なおボビンは、ガイドの外側に配置されていて、巻線が巻回されることで電磁コイルを形成している。このため、流体がボビン側に漏れることを防止することができる。また金属スペーサ、ガイドおよびボビンとの間がシールされることで、例えばガイド周辺に残留している空気とポンプ室とを遮断することができる。これにより、ポンプ室に空気溜まりが生じることを防止し、プランジャのストロークに応じた適切な吐出流量を高精度に保つことができる。
【0017】
上記の金属スペーサは、非磁性材料からなるとよい。
【0018】
これにより、電磁コイルが励磁されてプランジャの端面が金属スペーサに当接しているとき、固定鉄心の端面とプランジャの端面の間には、非磁性材料からなる金属スペーサの厚みの分だけ磁場としての隙間(ギャップ)が生じることになる。このためプランジャの端面が金属スペーサに当接した状態で、電磁コイルへの電流をOFFにしたとき、磁気的な隙間があることにより、プランジャの端面が金属スペーサから離れ易くなり、プランジャを例えばバネによって初期位置に戻し易くなる。つまり上記構成によれば、通電状態で励磁された電磁コイルへの電流をOFFにして非励磁としたときの、プランジャの応答性を向上させることができる。
【0019】
上記のプランジャの内部には、所定の流体が通過する流体通路が形成されていて、プランジャの端面には、流体通路からプランジャとガイドとの間の隙間に通じる溝が形成されているとよい。
【0020】
このように、プランジャの端面に形成された溝が、流体通路からプランジャとガイドとの間の隙間に通じている。このため、空気は、この隙間に留まることなく、溝を通って流体通路まで分散されることになる。したがって空気がこの隙間に留まることを回避することができる。
【0021】
上記のプランジャの内部には、所定の流体が通過する流体通路が形成されていて、プランジャには、流体通路からプランジャとガイドとの間の隙間に通じる穴が形成されているとよい。
【0022】
このように、プランジャに形成された穴が、流体通路からプランジャとガイドとの間の隙間に通じている。このため、空気は、この隙間に留まることなく、穴を通って流体通路まで分散されることになる。したがって空気がこの隙間に留まることを回避することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、簡素な構造で吐出流量を容易に調整可能であり、吐出流量を高精度に保つことができる電磁駆動ポンプを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明の実施形態における電磁駆動ポンプを示す図である。
【
図2】
図1の電磁駆動ポンプの要部を示す図である。
【
図3】
図1の電磁駆動ポンプの動作を説明する図である。
【
図4】
図1の電磁駆動ポンプの変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値などは、発明の理解を容易とするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0026】
図1は、本発明の実施形態における電磁駆動ポンプ100を示す図である。
図2は、
図1の電磁駆動ポンプ100の要部を示す図である。電磁駆動ポンプ100は、
図1に示す電磁コイル102を有し、電磁コイル102を動力として用いて流体(例えば水)を移送するポンプである。電磁コイル102は、ハウジング104内に配置されている。
【0027】
電磁コイル102の内側には、固定鉄心106、円筒状のガイド108、およびガイド108に案内されるプランジャ110が配置されている。固定鉄心106は、ハウジング104と一体に成型されている。
【0028】
プランジャ110は、固定鉄心106に対向して配置されていて、ガイド108に案内されて電磁コイル102の内側を移動可能である。またガイド108の外側には、例えば樹脂製のボビン112が配置されている。電磁コイル102は、ボビン112に巻線が巻回されて形成されている。
【0029】
図2に示すように、固定鉄心106の内部には吸込弁114が配置されている。吸込弁114は、電磁駆動ポンプ100の外部からプランジャ110内に流体を吸い込む。またプランジャ110の内部には吐出弁116が配置されている。吐出弁116は、プランジャ110内の流体を吐出する。吐出弁116は、
図1に示す吐出口本体118の吐出口120と連通していて、円筒状のガイド108の一端(吐出弁116側の一端)を封止している。
【0030】
また
図2に示すように、プランジャ110には、流体が通過する流体通路122が形成されている。この流体通路122には、スプリング124や上記の吐出弁116などの部品が収容されている。またスプリング124は、
図1の矢印Aに示すようにプランジャ110を固定鉄心106から遠ざかる方向に付勢している。
【0031】
さらに
図2に示すプランジャ110の端面126およびガイド108の端面128は、固定鉄心106の端面130と対向して配置されている。電磁駆動ポンプ100はさらに、金属スペーサ132と弾性リング134とを備える。
【0032】
金属スペーサ132は、非磁性材料からなる部材であって、
図2に示すように固定鉄心106の端面130に当接して配置され、プランジャ110のストロークを調整する。弾性リング134は、金属スペーサ132とガイド108の端面128との間をシールするとともに、金属スペーサ132を固定鉄心106の端面130に向かって付勢する。
【0033】
図3は、
図1の電磁駆動ポンプ100の動作を説明する図である。
図3(a)は、電磁駆動ポンプ100において電磁コイル102が励磁された状態を示す図である。
図3(b)は、
図3(a)の通電状態で励磁された電磁コイル102への電流をOFFにして非励磁としたときの状態を示す図である。
【0034】
電磁駆動ポンプ100では、電磁コイル102が励磁されると、電磁コイル102とプランジャ110の間に吸引力が発生する。プランジャ110は、吸引力によって
図3(a)の矢印Bに示すように、固定鉄心106の端面130(
図2参照)に当接して配置された金属スペーサ132に向かって、スプリング124の付勢力に抗して移動する。さらにプランジャ110は、
図3(a)に示すように、プランジャ110の端面126(
図2参照)が金属スペーサ132に当接することで移動を停止する。
【0035】
つまり電動駆動ポンプ100では、プランジャ110のストローク寸法を、金属スペーサ132の厚さ寸法によって設定することができる。これにより、電磁駆動ポンプ100の組立時に、適切な厚さ寸法を有する金属スペーサ132を現合選択して組み付けるだけで、プランジャ110のストローク寸法を例えば規定値になるように高精度に設定することができる。
【0036】
また電動駆動ポンプ100では、
図3(a)に示すようにプランジャ110の端面126が金属スペーサ132に当接すると、ポンプ室136(
図1参照)の体積が小さくなり、ポンプ室136内の圧力が高まる。これにより電動駆動ポンプ100では、吐出弁116が開いて、ポンプ室136内の流体が
図3(a)の矢印Cに示すように吐出弁116から吐出される。
【0037】
したがって電動駆動ポンプ100によれば、簡素な構造でプランジャ110のストローク寸法を高精度に設定できるため、吐出流量を容易に調整可能であり、吐出流量の精度を向上させることができる。
【0038】
また、金属スペーサ132は、弾性リング134によって固定鉄心106の端面130に向かって付勢されている。このため、電動駆動ポンプ100では、金属スペーサ132を固定鉄心106の端面130に対して動かないように固定することができるため、組立性を向上させることができる。
【0039】
ここで
図3(a)に示すように、電磁コイル102が励磁されてプランジャ110の端面126が金属スペーサ132に当接しているとき、固定鉄心106の端面130とプランジャ110の端面126の間には、非磁性材料からなる金属スペーサ132の厚みの分だけ磁場としての隙間(ギャップ)が生じることになる。
【0040】
続いて、プランジャ110の端面126が金属スペーサ132に当接した状態で、電磁コイル102への電流をOFFにすると、プランジャ110は、
図3(b)の矢印Dに示すようにスプリング124の付勢力によって固定鉄心106から遠ざかるように移動する。
【0041】
このとき電動駆動ポンプ100では、固定鉄心106の端面130とプランジャ110の端面126の間に磁気的な隙間が存在することにより、プランジャ110の端面126が金属スペーサ132から離れ易くなり、プランジャ110をスプリング124の付勢力によって例えば初期位置に戻し易くなる。したがって電動駆動ポンプ100によれば、通電状態で励磁された電磁コイル102への電流をOFFにして非励磁としたときの、プランジャ110の応答性を向上させることができる。
【0042】
また電磁駆動ポンプ100では、
図3(b)に示すようにプランジャ110がスプリング124の付勢力によって固定鉄心106から遠ざかると、ポンプ室136(
図1参照)の体積が大きくなり、ポンプ室136内の圧力が低くなる。これにより電動駆動ポンプ100では、吸込弁114が開いて、
図3(b)の矢印E、Fに示すように外部からポンプ室136内に流体が吸い込まれる。
【0043】
そして
図3(a)の矢印Cに示した吐出弁116から吐出された流体は、プランジャ110の移動に伴って
図3(b)の矢印Gに示すように吐出口120を通じて電磁駆動ポンプ100の外部に移送される。このように電磁駆動ポンプ100は、電磁コイル102への電流のON/OFFを交互運転することにより、プランジャ110が電磁コイル102の内側を往復駆動し、これにより流体を移送することができる。
【0044】
さらに電磁駆動ポンプ100では、金属スペーサ132とガイド108の端面128との間が弾性リング134によってシールされているため、金属スペーサ132、ガイド108およびボビン112との間もシールすることができる。このため、流体がボビン112側に漏れることを防止することができる。
【0045】
また金属スペーサ132、ガイド108およびボビン112との間が弾性リング134によってシールされることで、例えばガイド108周辺に残留している空気とポンプ室136とを遮断することができる。これにより電磁駆動ポンプ100によれば、ポンプ室136に空気溜まりが生じることを防止し、プランジャ110のストロークに応じた適切な吐出流量を高精度に保つことができる。
【0046】
図4は、
図1の電磁駆動ポンプ100の変形例を示す図である。なお図中では、変形例である電磁駆動ポンプ100A、100Bの要部を
図2の一部に対応させて示している。
【0047】
電磁駆動ポンプ100Aは、
図4(a)に示すように上記のプランジャ110に代えてプランジャ110Aを備える点で、上記の電磁駆動ポンプ100と異なる。プランジャ110Aは、溝138を有する。溝138は、プランジャ110Aの端面126Aに形成されていて、プランジャ110Aの径方向に延びている。また溝138は、プランジャ110Aの流体通路122から、プランジャ110Aとガイド108との間の隙間140に通じている。
【0048】
このため、空気は、この隙間140に留まることなく、溝138を通って流体通路122まで分散されることになる。したがって電磁駆動ポンプ100Aでは、空気が隙間140に留まることを回避することができる。
【0049】
電磁駆動ポンプ100Bは、
図4(b)に示すように上記のプランジャ110に代えてプランジャ110Bを備える点で、上記の電磁駆動ポンプ100と異なる。プランジャ110Bは、穴142を有する。穴142は、プランジャ110Bに形成されていて、プランジャ110Bの径方向に延びている。また穴142は、プランジャ110Bの流体通路122から、プランジャ110Bとガイド108との間の隙間144に通じている。
【0050】
このため、空気は、この隙間144に留まることなく、穴142を通って流体通路122まで分散されることになる。したがって電磁駆動ポンプ100Bでは、空気が隙間144に留まることを回避することができる。
【0051】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明は、電磁コイルを動力として用いる電磁駆動ポンプとして利用することができる。
【符号の説明】
【0053】
100、100A、100B…電磁駆動ポンプ、102…電磁コイル、104…ハウジング、106…固定鉄心、108…ガイド、110、110A、110B…プランジャ、112…ボビン、114…吸込弁、116…吐出弁、118…吐出口本体、120…吐出口、122…流体通路、124…スプリング、126、126A…プランジャの端面、128…ガイドの端面、130…固定鉄心の端面、132…金属スペーサ、134…弾性リング、136…ポンプ室、138…プランジャの溝、140、144…隙間、142…プランジャの穴