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特開2023-66030文書審査支援装置、文書審査支援方法及びコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023066030
(43)【公開日】2023-05-15
(54)【発明の名称】文書審査支援装置、文書審査支援方法及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/10 20230101AFI20230508BHJP
   G06Q 50/18 20120101ALI20230508BHJP
【FI】
G06Q10/10
G06Q50/18
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021176514
(22)【出願日】2021-10-28
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVA
(71)【出願人】
【識別番号】000102739
【氏名又は名称】エヌ・ティ・ティ・アドバンステクノロジ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】弁理士法人志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】本木 悦広
(72)【発明者】
【氏名】堀野 美奈子
(72)【発明者】
【氏名】宮川 俊和
(72)【発明者】
【氏名】茂木 美穂
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA11
5L049CC32
(57)【要約】
【課題】文書の審査の確認に要する時間を削減すること。
【解決手段】審査の対象である文書に含まれる項目または階層化された項目と、階層化された項目に対して記述されたコメントとを同一画面上に表示させるための表示情報を、文書を登録した登録ユーザと、登録ユーザがコメントの記述を許可した許可ユーザに対して提供する提供部、を備える文書審査支援装置。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
審査の対象である文書に含まれる項目または階層化された項目と、前記項目または前記階層化された項目に対して記述されたコメントとを同一画面上に表示させるための表示情報を、前記文書を登録した登録ユーザと、前記登録ユーザがコメントの記述を許可した許可ユーザに対して提供する提供部、
を備える文書審査支援装置。
【請求項2】
前記文書は、契約書であり、
前記提供部は、
前記契約書における前記項目または前記階層化された項目である条項又は条項タイプが選択されると、選択された条項又は条項タイプに対する条文と、選択された条項又は条項タイプに対して記述されたコメントとを同一画面上に表示させるための表示情報を前記登録ユーザと前記許可ユーザに対して提供する、
請求項1に記載の文書審査支援装置。
【請求項3】
前記提供部は、
前記許可ユーザを選択する指示がなされたことに応じて、前記許可ユーザを選択させるための情報を含む表示情報をさらに提供する、
請求項1又は2に記載の文書審査支援装置。
【請求項4】
前記提供部は、
前記登録ユーザ又は前記許可ユーザにより記述されたコメントが新たに追加された場合、前記登録ユーザ又は前記許可ユーザにより記述されたコメントが追加されたことを示す新着コメント情報を、前記登録ユーザ又は前記許可ユーザにより記述されたコメントが追加された文書に対応付けて表示させるための表示情報を前記登録ユーザと前記許可ユーザに対して提供する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の文書審査支援装置。
【請求項5】
前記提供部は、
前記登録ユーザと、前記許可ユーザに対して提供する前記表示情報に、コメントを入力させるための情報をさらに含めて提供する、
請求項1から4のいずれか一項に記載の文書審査支援装置。
【請求項6】
前記登録ユーザ又は前記許可ユーザにより記述されたコメントが入力されたことを通知するための通知条件が満たされた場合に、前記登録ユーザと前記許可ユーザに対して、前記登録ユーザ又は前記許可ユーザにより記述されたコメントが入力されたことを通知する通知部をさらに備える、
請求項1から5のいずれか一項に記載の文書審査支援装置。
【請求項7】
前記提供部は、
前記登録ユーザ又は前記許可ユーザにより記述されたコメントを時系列順に表示させるように前記表示情報を提供する、
請求項1から6のいずれか一項に記載の文書審査支援装置。
【請求項8】
審査の対象である文書に含まれる項目または階層化された項目と、前記項目または前記階層化された項目に対して記述されたコメントとを同一画面上に表示させるための表示情報を、前記文書を登録した登録ユーザと、前記登録ユーザがコメントの記述を許可した許可ユーザに対して提供する、
文書審査支援方法。
【請求項9】
審査の対象である文書に含まれる項目または階層化された項目と、前記項目または前記階層化された項目に対して記述されたコメントとを同一画面上に表示させるための表示情報を、前記文書を登録した登録ユーザと、前記登録ユーザがコメントの記述を許可した許可ユーザに対して提供させる、
コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、文書審査支援装置、文書審査支援方法及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、企業等の活動においては、合意内容や取引条件を記載した契約書等の文書を取り交わして当事者の地位や権利義務を明らかにすることで、企業等の様々な営みが遂行されている。文書に明記された権利と義務の内容が各当事者の目的に合致しているか否か、各当事者が負う可能性のある義務が許容されうるものであるか否か、法令に合致しているか否か等は、文書取り交わし後の活動や利益や不利益に大きな影響を持つ。そのため、文書締結時には慎重な検討や審査が必要となる。このような審査は契約書に限らず、例えば、融資等の申し込み書類や公募案件への応募書類、社内の稟議書等の何らかの文書の策定や承認の意思決定において都度必要となる。
【0003】
ここで審査とは、例えば社内のルールや契約ポリシー等の何らかの規定と、対象となる文書の内容を照合して、その適否を判断するプロセスと考えることができる。審査における照合には十分なスキルが必要のために一定のコストと時間を要するという課題があった。そこで、従来、経験や知識が乏しい契約担当者でも容易に契約書の審査を行うことができる支援装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の技術では、契約書の作成段階において、契約内容の審査に関係する契約書の記載を提示することによって、経験や知識が乏しい契約担当者でも容易に契約書の審査を行うことができるように支援している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010-231743号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来では、契約書の審査を行う契約担当者は、契約書の修正内容や審査結果を、自社の法務担当者に電話やメール等の手段を用いて問い合わせを行っている。しかしながら、このような作業では、契約担当者が、契約書内の問い合わせを行いたい箇所に関する内容を含む作文を行ったり、問い合わせを行いたい箇所を口頭で明確に伝える必要がある。契約担当者からの問い合わせがうまく伝わらない場合には、法務担当者においても問い合わせの意図が分からず正しい回答ができない。そのため、契約書の審査結果の確認に時間を要してしまうという問題があった。なお、このような問題は契約書に限らず、融資等の申し込み書類や公募案件への応募書類、社内の稟議書等の何らかの文書の策定や承認の意思決定を示す文書に関連する問題である。
【0006】
上記事情に鑑み、本発明は、文書の審査の確認に要する時間を削減することができる技術の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、審査の対象である文書に含まれる項目または階層化された項目と、前記項目または前記階層化された項目に対して記述されたコメントとを同一画面上に表示させるための表示情報を、前記文書を登録した登録ユーザと、前記登録ユーザがコメントの記述を許可した許可ユーザに対して提供する提供部、を備える文書審査支援装置である。
【0008】
本発明の一態様は、上記の文書審査支援装置であって、前記文書は、契約書であり、前記提供部は、前記契約書における前記項目または前記階層化された項目である条項又は条項タイプが選択されると、選択された条項又は条項タイプに対する条文と、選択された条項又は条項タイプに対して記述されたコメントとを同一画面上に表示させるための表示情報を前記登録ユーザと前記許可ユーザに対して提供する。
【0009】
本発明の一態様は、上記の文書審査支援装置であって、前記提供部は、前記許可ユーザを選択する指示がなされたことに応じて、前記許可ユーザを選択させるための情報を含む表示情報をさらに提供する。
【0010】
本発明の一態様は、上記の文書審査支援装置であって、前記提供部は、前記登録ユーザ又は前記許可ユーザにより記述されたコメントが新たに追加された場合、前記登録ユーザ又は前記許可ユーザにより記述されたコメントが追加されたことを示す新着コメント情報を、前記登録ユーザ又は前記許可ユーザにより記述されたコメントが追加された文書に対応付けて表示させるための表示情報を前記登録ユーザと前記許可ユーザに対して提供する。
【0011】
本発明の一態様は、上記の文書審査支援装置であって、前記提供部は、前記登録ユーザと、前記許可ユーザに対して提供する前記表示情報に、コメントを入力させるための情報をさらに含めて提供する。
【0012】
本発明の一態様は、上記の文書審査支援装置であって、前記登録ユーザ又は前記許可ユーザにより記述されたコメントが入力されたことを通知するための通知条件が満たされた場合に、前記登録ユーザと前記許可ユーザに対して、前記登録ユーザ又は前記許可ユーザにより記述されたコメントが入力されたことを通知する通知部をさらに備える。
【0013】
本発明の一態様は、上記の文書審査支援装置であって、前記提供部は、前記登録ユーザ又は前記許可ユーザにより記述されたコメントを時系列順に表示させるように前記表示情報を提供する。
【0014】
本発明の一態様は、審査の対象である文書に含まれる項目または階層化された項目と、前記項目または前記階層化された項目に対して記述されたコメントとを同一画面上に表示させるための表示情報を、前記文書を登録した登録ユーザと、前記登録ユーザがコメントの記述を許可した許可ユーザに対して提供する、文書審査支援方法である。
【0015】
本発明の一態様は、審査の対象である文書に含まれる項目または階層化された項目と、前記項目または前記階層化された項目に対して記述されたコメントとを同一画面上に表示させるための表示情報を、前記文書を登録した登録ユーザと、前記登録ユーザがコメントの記述を許可した許可ユーザに対して提供させる、コンピュータプログラムである。
【発明の効果】
【0016】
本発明により、文書の審査の確認に要する時間を削減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】文書審査支援システムの構成の一例を示す図である。
図2】実施形態における文書審査支援装置の構成の一例を示す図である。
図3】文書審査支援装置が提供するサービスへのログイン処理が完了した後に表示される表示画像の一例を示す図である。
図4】契約書の確認を行うための表示画像の一例を示す図である。
図5】契約書の確認を行うための表示画像の一例を示す図である。
図6】登録者の権限の付与設定を行うための表示画像の一例を示す図である。
図7】コメントの入力を行うための表示画像の一例を示す図である。
図8】契約書の確認を行うための表示画像の一例を示す図である。
図9】条項毎のコメントの入力を行うための表示画像の一例を示す図である。
図10】契約書の確認を行うための表示画像の一例を示す図である。
図11】条項毎のコメントの入力を行うための表示画像の一例を示す図である。
図12】コメントが追加された後の契約書の確認を行うための表示画像の一例を示す図である。
図13】コメントが追加された後の契約書の確認を行うための表示画像の一例を示す図である。
図14】文書審査支援装置から顧客端末装置に対して通知されるメールの一例を示す図である。
図15】実施形態における文書審査支援システムにおける権限付与設定及びコメントの投稿の処理の流れを示すシーケンス図である。
図16】実施形態における文書審査支援システムにおける権限付与設定及びコメントの投稿の処理の流れを示すシーケンス図である。
図17】実施形態における文書審査支援システムにおける権限付与後のコメントの投稿の処理の流れを示すシーケンス図である。
図18】実施形態における文書審査支援システムにおける権限付与後のコメントの投稿の処理の流れを示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照しながら説明する。
(概要)
本実施形態における文書審査支援システムでは、文書審査支援装置が提供するサービスを利用して、文書審査支援装置に登録された文書の審査の確認を支援する。より具体的には、文書審査支援システムでは、少なくとも文書審査支援装置に登録された文書の審査結果を複数のユーザで共有し、文書の審査結果のうち質問したい箇所又は回答する箇所(例えば、項目または階層化された項目)に対応付けて特定のユーザにコメントの書き込みを許可することで、文書の審査の確認を支援する。文書は、例えば契約書、融資等の申し込み書類や公募案件への応募書類、社内の稟議書等の何らかの文書の策定や承認の意思決定を示す文書である。
【0019】
文書審査支援装置が提供するサービスとは、文書審査支援装置に登録された文書の審査結果を複数のユーザで共有させる機能や、文書の審査結果に対して特定のユーザにコメントの書き込みを許可する機能である。特定のユーザとは、文書に含まれる項目または階層化された項目にコメント入力することが可能なユーザであり、例えば文書登録者、文書登録者が許可したユーザである。ここで、文書に含まれる項目とは、文書に記載の内容を特定の条件で区分けした一つ一つの項目であって、区分けした一つの項目の下位に一つ以上の項目が設定されていない項目を表す。文書に含まれる階層化された項目とは、文書に含まれる一つの項目において階層分けされた一つ以上の項目が設定されている項目を表す。例えば、文書が契約書である場合、文書に含まれる階層化された項目は、一つの条項(例えば、第〇条)において、階層分けされた一つ以上の項目(例えば、第〇項や第〇号)が設定されている項目を表す。このような文書審査支援装置が提供するサービスを利用することで、例えば契約書の審査担当者と、法務担当者とは、契約書の審査結果を共有することができる。さらに、契約書の審査担当者からの質問を、質問したい条項に対応付けて表示することができるため、法務担当者は質問されている条項を把握することができ、的確な回答を返しやすくなる。その結果、文書の審査の確認に要する時間を削減することが可能になる。以下の説明では、文書が契約書であるものとして説明する。
【0020】
図1は、文書審査支援システム100の構成の一例を示す図である。文書審査支援システム100は、複数の顧客端末装置10-1~10-n(nは2以上の整数)と、文書審査支援装置30とを備える。各顧客端末装置10と、文書審査支援装置30は、ネットワーク40を介して通信する。ネットワーク40は、どのように構成されたネットワークであってもよい。例えば、ネットワーク40は、インターネット、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)、移動体通信網等のいずれかを含む。
【0021】
顧客端末装置10は、文書審査支援装置30が提供するサービスを利用するユーザが利用する装置である。本実施形態では、文書審査支援装置30が提供するサービスを利用するユーザとして、文書審査担当者と、法務担当者とを例に説明する。文書審査担当者は、顧客端末装置10(例えば、顧客端末装置10-1)を操作して、審査対象となる契約書の登録、コメントの記述及びコメントの記述を許可する他のユーザの設定等を行う。法務担当者は、顧客端末装置10(例えば、顧客端末装置10-2)を操作して、コメントが記述された契約書に対する回答の入力等を行う。顧客端末装置10は、例えばVM(Virtual Machine)やコンテナ技術で構築されるOS(Operating System)、パーソナルコンピュータ、ノートパソコン、スマートフォン、携帯電話、タブレット端末等の情報処理装置を用いて構成される。文書審査支援装置30において、サービスを利用するユーザが文書審査担当者であるか法務担当者であるかは、ログインに利用するID及びパスワードで識別することができる。
【0022】
文書審査支援装置30は、契約書等の文書の審査支援のサービスを提供する。文書審査支援装置30は、顧客端末装置10によって登録された審査対象となる契約書を特定のユーザ間で共有し、契約の審査結果のうち質問したい箇所又は回答する箇所に対応付けて特定のユーザにコメントの書き込みを許可する。文書審査支援装置30は、例えばVMやコンテナ技術で構築されるOS、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置を用いて構成される。
【0023】
図2は、実施形態における文書審査支援装置30の構成の一例を示す図である。文書審査支援装置30は、通信部31と、記憶部32と、制御部33とを備える。
【0024】
通信部31は、例えば顧客端末装置10との間で通信を行う。
【0025】
記憶部32には、ユーザ情報321、契約書ファイル322及び契約書ファイル関連情報323等が記憶される。記憶部32は、磁気記憶装置や半導体記憶装置などの記憶装置を用いて構成される。
【0026】
ユーザ情報321は、文書審査支援装置30が提供するサービスを利用するユーザに関する情報である。例えば、ユーザ情報321には、ログインID、ログインパスワード、企業名、属性情報等が含まれる。ログインIDは、文書審査支援装置30が提供するサービスを利用するためのIDである。ログインパスワードは、文書審査支援装置30が提供するサービスを利用するためのパスワードである。企業名は、文書審査支援装置30が提供するサービスを利用するユーザが属する企業の名称を表す。属性情報は、例えばユーザの属性を示す情報であり、ユーザの氏名と、所属組織(部署)と、職位と、社員番号と、アドレス情報と、メール通知のオン/オフの情報とを含む。メール通知のオンであるユーザに対しては、コメントが新たに追加された場合に通知が行われる。メール通知のオフであるユーザに対しては、コメントが新たに追加された場合においても通知が行われない。
【0027】
契約書ファイル322は、審査対象の文書として登録された契約書である。なお、契約書ファイル322には、契約書に対応付けて契約書を登録したユーザの情報が含まれる。
【0028】
契約書ファイル関連情報323は、契約書ファイル322に関連する情報である。例えば、契約書ファイル関連情報323は、契約書毎に、コメントの履歴情報(例えば、コメントを記述したユーザの情報と、コメントが記述された時刻の情報)と、コメントの記述が許可されているユーザ(例えば、許可ユーザ)の情報とが対応付けられた情報である。なお、コメントの履歴情報としては、コメントを記述したユーザの情報と、コメントの内容と、コメントが記述された契約書の条項の情報とが対応付けられている。例えば、コメントの全条項に対するコメントの履歴情報であれば、コメントの内容と、契約書の全条項の情報とが対応付けられることになる。
【0029】
制御部33は、文書審査支援装置30全体を制御する。制御部33は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサやメモリを用いて構成される。制御部33は、プログラムを実行することによって、取得部331、登録部332、提供部333及び通知部334の機能を実現する。
【0030】
取得部331、登録部332、提供部333及び通知部334のうち一部または全部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やPLD(Programmable Logic Device)、FPGAなどのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアとの協働によって実現されてもよい。プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置などの非一時的な記憶媒体である。プログラムは、電気通信回線を介して送信されてもよい。
【0031】
取得部331、登録部332、提供部333及び通知部334の機能の一部は、予め文書審査支援装置30に搭載されている必要はなく、追加のアプリケーションプログラムが文書審査支援装置30にインストールされることで実現されてもよい。
【0032】
取得部331は、例えば顧客端末装置10から送信された契約書ファイルを取得する。
【0033】
登録部332は、各種情報を登録する。例えば、登録部332は、ユーザ情報、契約書ファイル及び契約書ファイル関連情報を記憶部32に登録する。
【0034】
提供部333は、顧客端末装置10に対して、契約書の審査を支援するための表示情報を提供する。例えば、提供部333は、審査の対象である契約書に含まれる項目または階層化された項目と、項目または階層化された項目に対して記述されたコメントとを同一画面上に表示させるための表示情報を、契約書を登録したユーザ(例えば、登録ユーザ)と、契約書を登録したユーザがコメントの記述を許可したユーザ(例えば、許可ユーザ)に対して提供する。ここで、階層化された項目とは、上述したように文書が契約書である場合には、階層分けされた1以上の項目が下位に配置されている条項や条項タイプである。一方で、階層分けされた1以上の項目が下位に配置されていない条項や条項タイプは、階層化された項目に含まれず、階層化されていない項目(契約書に含まれる項目)となる。
【0035】
通知部334は、コメントが入力されたことを通知するための通知条件が満たされた場合に、ユーザ情報321と契約書ファイル関連情報323とを参照して、登録ユーザと許可ユーザに対して、コメントが入力されたことを通知する。通知条件は、契約書に対してコメントが入力されたことを通知するための条件であり、例えば予め定められた時間になったこと、かつ、契約書に対してコメントがあることである。契約書に対してコメントがあるか否かは、コメントの記述時間に基づいて判定可能である。例えば、前回の通知条件が満たされた時刻から今回の通知条件が満たされるまでの時間内に記述されたコメントがあれば、そのコメントが、新たに追加されたコメントということになる。通知条件は、上記の条件に限られない。例えば、通知条件は、契約書に対してコメントが追加されたことであってもよい。さらに、通知条件は、全てのユーザで同じ条件であってもよいし、一部のユーザが異なる条件であってもよい。以下、通知条件をメール通知条件とも記載する。なお、通知部334は、通知条件が満たされた場合であっても、メール通知オフの設定がなされているユーザに対しては、コメントが入力されたことを通知しない。
【0036】
次に、ユーザが、顧客端末装置10を操作したことに応じて、顧客端末装置10の表示部に表示される情報について説明する。図3は、文書審査支援装置30が提供するサービスへのログイン処理が完了した後に表示される表示画像IM1の一例を示す図である。表示画像IM1は、例えばGUI(Graphical User Interface)である。図3に示す表示画像IM1には、例えば、担当者の氏名、お知らせ及びボタンB1が表示される。ボタンB1は、例えば契約書の確認を行う画面に切り替えるためのボタンである。以下の説明では、ボタンB1を契約書確認用ボタンともいう。
【0037】
図3に示す表示画像IM1において、ボタンB1が操作されると、顧客端末装置10の表示部には、図4の表示画像IM2が表示される。図4は、契約書の確認を行うための表示画像IM2の一例を示す図である。表示画像IM2は、例えばGUIである。図4に示す表示画像IM2には、例えば、契約書を新規で登録するための領域と、登録済みの契約書を選択するための領域とが表示される。契約書を新規で登録する場合、ユーザは、顧客端末装置10を操作して、新規登録に対応付けられている「契約書の種類を選択してください」の項目と、「契約書ファイルを選択してください」の項目とで、新たに登録する契約書の種類と、新たに登録する契約書を選択する。ここで登録された情報は、文書審査支援装置30の契約書ファイル322として登録される。文書審査支援装置30において、新規の契約書が登録されると、表示画像IM2の登録済みの契約書の領域に表示されている項目として追加される。なお、表示画像IM2の登録済みの契約書の領域におけるボタン51は、登録済みの契約書を削除するためのボタンである。
【0038】
例えば、契約書の種類「◇◇契約」、ファイル名「◇◇契約書」が新たに登録されたとすると、表示画像IM2の登録済みの契約書の領域に、新たに登録された契約書に関する項目が追加される。契約書に関する項目として、表示画像IM2には、チェックボックスCB、状態、契約書の種類、ファイル名、登録日時及びボタン52が対応付けて表示される。チェックボックスCBは、契約書を選択するためのGUIである。
【0039】
状態は、契約書の審査状態を示す。契約書の審査とは、例えば契約書の内容に関する不備の有無(記載ミスや、企業のポリシーに沿っているか否か)などを確認する作業である。状態を表す情報として、例えば、「チェック済み」、「未チェック」及び「チェックエラー」等が挙げられる。「チェック済み」は、契約書の確認において不備が発見されていないことが確認された状態を表す。「未チェック」は、契約書の確認が一度も行なわれていない状態を表す。「チェックエラー」は、契約書の確認において不備が発見されたことが確認された状態を表す。
【0040】
契約書の種類は、登録されている契約書の種類を表す。ファイル名は、登録されている契約書のファイル名を表す。登録日時は、契約書が文書審査支援装置30に登録された日時を表す。文書審査支援装置30に登録された日時は、例えば契約書が記憶部32に契約書ファイル322として登録された日時であってもよいし、文書審査支援装置30において新規に登録する契約書が受信された日時であってもよい。ボタン52は、契約書の確認を行うためのボタンを表す。
【0041】
図4に示す表示画像IM2に表示されている登録済みの契約書の領域には、少なくともログインを行ったユーザが登録した契約書が表示される。なお、本発明においては、他のユーザ(例えば、図4に示す“契約太郎”と異なるユーザ)が、あるユーザ(例えば、“契約太郎”)に対してコメントの記述を許可する設定を行った場合には、あるユーザ(例えば、“契約太郎”)がログインした後の表示画像IM2の登録済みの契約書の領域には、コメントの記述が許可された契約書の情報が追加される。これにより、あるユーザ(例えば、“契約太郎”)は、他のユーザ(例えば、図4に示す“契約太郎”と異なるユーザ)が登録した契約書にコメントを記述することが可能になる。
【0042】
図4に示す表示画像IM2において、チェックボックスCBが選択され、ボタン51が選択されると、文書審査支援装置30はチェックボックスCBで選択された契約書に関するレコードを削除する。この場合、文書審査支援装置30は、記憶部32に記憶されている契約書ファイル322から、チェックボックスCBで選択された契約書を削除する。
【0043】
図4に示す表示画像IM2において、チェックボックスCBが選択され、ボタン52が選択されると、文書審査支援装置30はチェックボックスCBで選択された契約書に関する情報を表示させるための表示情報を顧客端末装置10に提供する。これにより、顧客端末装置10の表示部には、図5の表示画像IM3が表示される。図5は、契約書の確認を行うための表示画像IM3の一例を示す図である。表示画像IM3は、例えばGUIである。図5に示す表示画像IM3には、例えば、領域R1~R3それぞれに異なる情報が表示される。
【0044】
領域R1には、ボタン53~55が表示されている。ボタン53は、契約書の一覧を表示させるためのボタンである。ユーザによりボタン53が選択されると、顧客端末装置10の表示部には図4に示す表示画像IM2が表示される。ボタン54は、契約書に記載されている項目を表示させるためのボタンである。ボタン55は、契約書に記載されている全ての条項を表示させるためのボタンである。図5に示す例では、ボタン55が選択されており、領域R1には契約書に記載されている全ての条項(例えば、第1条、第2条、第3条、…)が表示されている場合を示している。
【0045】
領域R2には、領域R1で選択された条項に関する条文の内容が表示される。例えば、図5に示す例では、領域R2には、契約書に記載されている全ての条項に関する条文の内容が表示される。領域R3には、ボタン561~562が表示されている。ボタン561は、契約書の詳細な情報を表示させるためのボタンである。ここで、契約書の詳細な情報として、図5に示すように、少なくとも登録者権限付与設定に関する項目が表示される。なお、契約書の詳細な情報として、契約書に関する情報(例えば、契約書番号、契約先の企業名等)、契約書の更新履歴を表す情報等が表示されてもよい。登録者権限付与設定の項目には、登録者の契約書に対するコメントを記述する権限を付与する設定を行うためのボタン57と、その契約書に対して権限が付与されたユーザのアカウント数とが表示される。
【0046】
ボタン562は、契約書に対してコメントを入力するための画面に遷移させるためのボタンである。
【0047】
ユーザが、表示画像IM3に表示されているボタン57(付与設定ボタン)を選択すると、顧客端末装置10の表示部には、図6の表示画像IM4が表示される。図6は、登録者の権限の付与設定を行うための表示画像IM4の一例を示す図である。表示画像IM4は、例えばGUIである。図6に示す表示画像IM4には、例えば、表示画像inf1が重畳して表示されている。表示画像inf1には、文書審査支援装置30に登録されているユーザのアカウントが一覧で表示され、ユーザのアカウントに対応付けて、登録者の権限を付与する対象となるユーザを選択するためのスライドスイッチSSが表示される。図6では、ユーザのアカウントの例として、姓名のみを示しているが、姓名に対応付けて、他の情報(例えば、所属や担当等の情報)が含まれてもよい。ユーザは、表示画像inf1に表示されているスクロールバーSBを操作することで、表示画像inf1に表示される情報を上下に移動させることができる。なお、表示画像inf1は、表示画像IM4に重畳されておらず、表示画像inf1のみが表示部に表示されてもよい。
【0048】
ユーザは、スライドスイッチSSの切り替えを行うことで、登録者の権限を付与する対象となるユーザを選択することができる。なお、登録者の権限を付与する対象となるユーザを選択する方法は、スライドスイッチSSを用いた方法に限られず、権限の付与又は解除を一意に選択できる方法であればよい。例えば、登録者の権限を付与する対象となるユーザを選択する方法として、チェックボックスを用いて選択させるようにしてもよいし、付与又は解除をドロップダウンリストで選択させるようにしてもよいし、その他の方法であってもよい。
【0049】
なお、図6に示す表示画像inf1には、ユーザの検索を行うための入力欄が設けられてもよい。ユーザが、入力欄に対して、姓名の情報を入力することで、入力された情報に一致するユーザのみを検索することができる。なお、ユーザのアカウントの例として姓名の情報以外に他の情報が含まれている場合、ユーザは、姓名の情報と、他の情報との組み合わせを入力することで、入力された情報に一致するユーザのみを検索することができる。さらに、表示画像inf1には、ユーザが、姓名の情報、他の情報のいずれかを選択することで、ソートさせるための機能が設けられてもよい。
【0050】
図6に示す例では、“契約花子”及び“審査太郎”に対して登録者の権限が付与され、“審査花子”に対して登録者の権限が付与されていないことが示されている。そのため、“契約花子”及び“審査太郎”は、“契約太郎”が登録した契約書のうち、権限が付与された契約書に対してコメントの入力が可能になる。
【0051】
図3に示す表示画像IM3において、領域R3に表示されているボタン562(コメントボタン)が選択されると、顧客端末装置10の表示部には、図7の表示画像IM5が表示される。図7は、コメントの入力を行うための表示画像IM5の一例を示す図である。表示画像IM5は、例えばGUIである。図7に示す表示画像IM5の領域R3には、領域R31及び領域R32が含まれる。領域R31には、領域R1で選択された条項に対して投稿されたコメントが時系列で表示される。なお、図7では、説明の理解のため、領域R31には複数のコメントが表示されている例を示しているが、条項に対するコメントがない場合には、領域R31にはコメントが表示されない。領域R32には、コメントを入力するための入力欄59と、入力欄59に入力されたコメントを投稿するためのボタン60と、入力欄59の表示領域を拡張するための拡張ボタン61とが表示される。
【0052】
図7に示す例では、領域R1には全条項が表示されている。そのため、図7に示す領域R31には、契約書の全条項に対して投稿されたコメントが時系列で表示される。
【0053】
図5に示す表示画像IM3において、領域R1に表示されている第1条の項目が選択されると、顧客端末装置10の表示部には、図8の表示画像IM6が表示される。図8は、契約書の確認を行うための表示画像IM6の一例を示す図である。表示画像IM6は、例えばGUIである。図8に示す表示画像IM6の領域R1には、選択された条項(例えば、第1条)に関する項目がプルダウン表示される。なお、図8に示す例では、選択された条項(例えば、第1条)に関する項目として、1つの項目(例えば、その他)が示されているが、条項によっては複数の項目が表示される場合もある。ここで、条項(例えば、第1条)が、階層化された項目に該当する。さらに、図8に示す表示画像IM6の領域R2には、選択された条項(例えば、第1条)が記載された契約文書の該当ページが表示される。さらに、図8に示す表示画像IM6の領域R3の上部には、選択された条項の条番号(例えば、第1条)と条項タイプとが表示され、その下部にはボタン562及び62が表示される。ボタン62(サポート情報ボタン)は、選択された条項(例えば、第1条)に関する項目のサポートとなる情報を表示させるためのボタンである。
【0054】
図8では、ボタン62(サポート情報ボタン)が選択されている例を示している。この場合、表示画像IM6の領域R3には、サポート情報として、図8に示すように、項目の紹介に関する項目が表示される。ユーザが、条項(例えば、第1条)に対してコメントを記述したい場合には、表示画像IM6の領域R3に表示されているボタン562を選択する。ユーザが、表示画像IM6に表示されているボタン562(コメントボタン)を選択すると、顧客端末装置10の表示部には、図9の表示画像IM7が表示される。
【0055】
図9は、条項毎のコメントの入力を行うための表示画像IM7の一例を示す図である。表示画像IM7は、例えばGUIである。図9に示す表示画像IM7と、図7に示す表示画像IM5との違いは、図7に示す表示画像IM5では領域R31に全条項に対するコメントが表示されていたのに対し、図9に示す表示画像IM7では領域R31に、選択された条項(例えば、第1条)に対するコメントが表示されている点である。このように、文書審査支援装置30では、全ての条項に対するコメントを記述できるとともに、条項毎にもコメントを記述することができる。これにより、ユーザは、問い合わせしたい条項に対するコメントを明確に示すことが可能になる。
【0056】
図5に示す表示画像IM3において、ボタン54(確認項目ボタン)が選択されると、顧客端末装置10、又は、顧客端末装置10の表示部には、図10の表示画像IM8が表示される。図10は、契約書の確認を行うための表示画像IM8の一例を示す図である。表示画像IM8は、例えばGUIである。図10では、領域R1に表示されている契約書の条項に関する内容として、「〇〇責任」、「△△責任」及び「□□利息」の情報が表示されているが、契約書の条項に関する内容はその他にも表示される。「〇〇責任」、「△△責任」及び「□□利息」には、それぞれ判定ラベルM1~M3が付与されている。判定ラベルは、少なくとも該当する条項が契約書に記載されているか否かを判別するためのラベルである。該当する条項が契約書に記載されていることを示す判定ラベルは、さらに区別して用いられる。例えば、条項に関する各項目全てが契約書に記載されていることを示す判定ラベルと、条項に関する各項目のいずれかが契約書に記載されていないことを示す判定ラベルとに区別される。なお、判定ラベルによるこの区別に限定される必要はない。
【0057】
条項に関する各項目のいずれが契約書に記載されているかは、既存の技術により判定可能である。ここで、条項に関する各項目のいずれが契約書に記載されているかを判定するための既存の技術として、例えば参考文献1が用いられてもよい。
(参考文献1:特開2021-056614号公報)
【0058】
上述した参考文献1では、契約書における内容(例えば、条文の内容)、記載すべき事項の有無、記載の誤り等の顧客が文書の確認を行う際の審査支援を行う構成が記載されている。参考文献1では、例えば、契約書を特定の条件に従って複数の記述単位(例えば、条項単位)に分解し、条項単位毎に、条項単位で規定されている種別(規定種別)や各規定種別について契約書が規定している項目(規定項目)を判定する。例えば、例えば規定種別“△△責任”について規定された規定項目であれば、通常損害に対する免責規定が記載されているか否かといった項目などが該当する。本発明では、このような処理を行う参考文献1の技術を用いることで、条項に関する各項目のいずれが契約書に記載されているか否かの判定がなされているものとする。なお、判定結果は、契約書に対応付けられて記憶部32に記憶されている。
【0059】
図10に示す表示画像IM8において、例えば、判定ラベルM1及びM3は、契約書に該当する条項が記載されていることを示し、判定ラベルM2は、契約書に該当する条項が記載されていないを示す。さらに、判定ラベルM1は、条項に関する各項目全てが契約書に記載されていることを示す判定ラベルであり、判定ラベルM3は、条項に関する各項目のいずれかが契約書に記載されていないことを示す判定ラベルである。このような判定ラベルが付与されることで、文書審査担当者は一目でどの条項の内容が契約書に記載されていて、どの条項の内容が契約書に記載されていないのかを把握することができる。
【0060】
図10に示す表示画像IM8において、ボタン54(確認項目ボタン)に列挙されるいずれかの条項(例えば、〇〇責任)が選択され、かつ、ボタン562が選択されると、顧客端末装置10の表示部には、図11の表示画像IM9が表示される。図11は、条項毎のコメントの入力を行うための表示画像IM9の一例を示す図である。表示画像IM9は、例えばGUIである。図11に示す表示画像IM9のボタン54には、選択された条項(例えば、〇〇責任)に関する項目がプルダウン表示される。さらに、図11に示す表示画像IM9の領域R2には、選択された条項(例えば、〇〇責任)が記載された契約文書の該当ページが表示される。さらに、図11に示す表示画像IM9の領域R3には、図11に示す表示画像IM9の領域R3の上部には、選択された条項(例えば、〇〇責任)と、条項に対応する条番号(例えば、第A条)とが表示され、その下部には選択された条項(例えば、〇〇責任)に対するコメントが表示される。
【0061】
領域R1における第A条に対応付けられている記号Sは、契約書の評価結果を示す情報である。記号Sの「〇」は、契約書に、該当する内容が記載されている、又は、該当する内容が所定の審査ルールに記載されている条件を満たしていることを示す。記号Sの「×」は、契約書に、該当する内容が記載されていない、又は、該当する内容が所定の審査ルールに記載されている条件を満たしていないことを示す。
【0062】
ここで契約書の評価結果とは、契約書に記載の内容が、所定の審査ルールを満たすか否かに基づいてなされる評価である。契約書の評価結果は、上記の参考文献1に記載の技術が用いられる。上述した参考文献1では、例えば、規定種別と、規定項目と、審査ルールとに基づいて契約書を評価する。審査ルールは、契約書内の規定項目及び規定種別を審査するためのルールである。上述した参考文献1では、各記述単位における規定種別の適否(記述単位における規定種別が、審査ルールを満たすか否か)及び規定項目の適否(規定項目が、審査ルールを満たすか否か)で契約書の評価を行っている。本発明では、このような処理を行う参考文献1の技術を用いることで、契約書の評価がなされているものとする。なお、評価結果は、契約書に対応付けられて記憶部32に記憶されている。
【0063】
次に、上述した表示画像IM5、IM7、IM9のいずれかにおいて、コメントが入力された場合の顧客端末装置10の表示について説明する。あるユーザが登録した契約書に対して新たにコメントが記述された後に、ユーザが図3に示す表示画像IM1においてボタンB1を選択すると、顧客端末装置10の表示部には、図12の表示画像IM10が表示される。図12は、コメントが追加された後の契約書の確認を行うための表示画像IM10の一例を示す図である。表示画像IM10は、例えばGUIである。図12に示す表示画像IM10には、図4に示す表示画像IM2と比較して、新着コメントがあることを示す新着コメント情報63が表示されている。新着コメント情報63は、新たにコメントが追加された契約書に対応付けて表示される。ユーザが、新着コメントを確認するために、新着コメント情報63が付与されている契約書に対応するボタン52を選択すると、顧客端末装置10の表示部には、図13の表示画像IM11が表示される。図13は、コメントが追加された後の契約書の確認を行うための表示画像IM11の一例を示す図である。表示画像IM11は、例えばGUIである。
【0064】
図13に示す表示画像IM11の領域R1の第1条の項目と、領域R3のボタン562には、新着コメントがあることを示す新着コメント情報64及び65が表示されている。なお、第1条の下位に配置された項目(例えば、その他)に対する新着コメントがある場合には、ユーザが第1条の項目を選択することで、プルダウン表示されるその他の項目にも新着コメント情報が表示されることになる。すなわち、階層化された項目においては、子の項目に新着コメントがある場合には、子の項目だけでなく、親の項目にも新着コメント情報が表示される。このように、新たにコメントが追加された場合には、コメントが追加された条項の項目に対応付けて新着コメント情報64が表示され、さらにボタン562にも新着コメント情報65が表示される。これにより、ユーザは、どの箇所にコメントが追加されたのかを容易に確認することができる。
【0065】
図14は、文書審査支援装置30から顧客端末装置10に対して通知されるメールの一例を示す図である。図14に示すように、顧客端末装置10に通知されるメールには、例えば新着コメントがあったことを示す内容、新着コメントの件数を示す情報及び新着コメントを確認するためのURL(Uniform Resource Locator)等の情報が含まれる。新着コメントを確認するためのURLとしては、例えば文書審査支援装置が提供するサービスを利用するためのログイン画面のアドレス情報であってもよい。なお、メールに含まれる内容は一例である。
【0066】
図15及び図16は、実施形態における文書審査支援システム100における権限付与設定及びコメントの投稿の処理の流れを示すシーケンス図である。なお、図15及び図16の説明では、顧客端末装置10を契約審査担当者が操作して、他のユーザ(例えば、法務担当者)に対して権限を付与する場合について説明する。
【0067】
契約審査担当者は、顧客端末装置10-1を操作して、文書審査支援装置30が提供するサービスを利用するために文書審査支援装置30にアクセスする(ステップS101)。文書審査支援装置30の提供部333は、アクセスに応じて、ユーザにログインを行わせるための表示情報をアクセス元である顧客端末装置10-1に提供する(ステップS102)。文書審査支援装置30から送信される表示情報は、例えばHTML(Hypertext Markup Language)で記述された情報である。
【0068】
顧客端末装置10-1は、文書審査支援装置30から送信された表示情報を受信する。顧客端末装置10-1は、受信した表示情報を解釈し、ログイン処理を行うための情報(例えば、ログイン用の表示画像)を表示部に表示する。契約審査担当者は、顧客端末装置10-1を操作して、ID及びパスワードを入力することでログイン処理を行う(ステップS103)。顧客端末装置10-1は、入力されたID及びパスワードを含む認証情報を、ネットワーク40を介して文書審査支援装置30に送信する(ステップS104)。
【0069】
文書審査支援装置30の通信部31は、顧客端末装置10-1から送信された認証情報を受信する。文書審査支援装置30は、受信した認証情報と、記憶部32に記憶されているユーザ情報321とに基づいて認証を行う(ステップS105)。ここで、受信した認証情報に含まれるID及びパスワードの組み合わせと、記憶部32に記憶されているユーザ情報321として登録されているログインID及びログインパスワードの組み合わせとが一致する場合、文書審査支援装置30は認証がなされたと判定する。受信した認証情報に含まれるID及びパスワードの組み合わせと、記憶部32に記憶されているユーザ情報321として登録されているログインID及びログインパスワードの組み合わせとが一致しない場合、文書審査支援装置30は認証がなされなかったと判定し、エラーを示す通知を顧客端末装置10-1に送信する。
【0070】
ここでは、受信した認証情報に含まれるID及びパスワードの組み合わせと、記憶部32に記憶されているユーザ情報321として登録されているログインID及びログインパスワードの組み合わせとが一致したとする。この場合、文書審査支援装置30の提供部333は、図3に示す表示画像IM1を表示させるための表示情報を顧客端末装置10-1に提供する(ステップS106)。
【0071】
顧客端末装置10-1は、文書審査支援装置30から送信された表示情報を受信する。顧客端末装置10-1は、受信した表示情報を解釈することで、表示画像IM1を表示部に表示する(ステップS107)。契約審査担当者は、契約書の確認を行うために、顧客端末装置10-1を操作して、表示画像IM1に表示されたボタンB1を選択(押下)する(ステップS108)。文書審査担当者により、表示画像IM1に表示されたボタンB1が選択されると、顧客端末装置10-1は契約書確認用ボタンが押下されたことを文書審査支援装置30に通知する(ステップS109)。
【0072】
文書審査支援装置30の提供部333は、契約書確認用ボタン押下の通知に応じて、例えば図4に示す表示画像IM2を表示させるための表示情報を顧客端末装置10-1に提供する(ステップS110)。具体的には、提供部333は、契約書ファイル322及び契約書ファイル関連情報323を参照し、ログインID及びログインパスワードの組み合わせで特定されるユーザが登録した契約書と、契約書に関連する情報を取得する。提供部333は、取得した各情報を用いて、図4に示す表示画像IM2を表示させるための表示情報を顧客端末装置10-1に提供する。なお、図4に示されている登録済みの契約書の情報は一例であり、例えば表示画像IM2には、少なくともログインID及びログインパスワードの組み合わせで特定されるユーザが登録した契約書の一覧が表示される。
【0073】
顧客端末装置10-1は、文書審査支援装置30から送信された表示情報を受信する。顧客端末装置10-1は、受信した表示情報を解釈することで、表示画像IM2を表示部に表示する(ステップS111)。これにより、顧客端末装置10-1の表示部には、ログインID及びログインパスワードの組み合わせで特定されるユーザが登録した契約書の情報が、登録済みの契約書の領域に表示される。文書審査担当者は、契約書の確認を行うために、顧客端末装置10-1を操作して、表示画像IM2に表示される登録済みの契約書のうち、審査対象となる契約書を選択(押下)する(ステップS112)。図4に示す表示画像IM2の例では、文書審査担当者は、審査対象となる契約書に対応するボタン52(確認ボタン)を選択する。
【0074】
文書審査担当者により、表示画像IM2に表示されているボタン52(確認ボタン)が選択されると、顧客端末装置10-1は確認ボタンが押下されたこと及び選択された契約書の情報を文書審査支援装置30に通知する(ステップS113)。文書審査支援装置30の提供部333は、確認ボタン押下の通知に応じて、例えば図5に示す表示画像IM3を表示させるための表示情報を顧客端末装置10-1に提供する(ステップS114)。顧客端末装置10-1は、文書審査支援装置30から送信された表示情報を受信する。顧客端末装置10-1は、受信した表示情報を解釈することで、表示画像IM3を表示部に表示する(ステップS115)。
【0075】
文書審査担当者は、他のユーザに対して、選択した契約書(例えば、“◇◇契約書”)へのコメントの記述を可能にするための権限設定を行うために、表示画像IM3に表示されているボタン57(付与設定ボタン)を選択(押下)する(ステップS116)。文書審査担当者により、表示画像IM3に表示されたボタン57(付与設定ボタン)が選択されると、顧客端末装置10-1は付与設定ボタンが押下されたことを文書審査支援装置30に通知する(ステップS117)。
【0076】
文書審査支援装置30の提供部333は、付与設定ボタン押下の通知に応じて、図6に示す表示画像IM4を表示させるための表示情報を顧客端末装置10-1に提供する(ステップS118)。顧客端末装置10-1は、文書審査支援装置30から送信された表示情報を受信する。顧客端末装置10-1は、受信した表示情報を解釈することで、表示画像IM4を表示部に表示する(ステップS119)。文書審査担当者は、登録者の権限を付与するために、顧客端末装置10-1を操作して、表示画像IM4に重畳されている表示画像inf1のスライドスイッチSSを切り替える(ステップS120)。例えば、文書審査担当者は、登録者の権限を付与するユーザに対応付けられているスライドスイッチSSを“付与”の方向に切り替える。なお、文書審査担当者は、登録者の権限を付与していたユーザに対して権限付与を解除する場合には、登録者の権限を付与していたユーザに対応付けられているスライドスイッチSSを“解除”の方向に切り替える。
【0077】
文書審査担当者により、登録者の権限の付与設定が完了すると、顧客端末装置10-1は登録者権限に関する情報を文書審査支援装置30に通知する(ステップS121)。登録者権限に関する情報には、登録者の権限が付与されたユーザの情報(例えば、ユーザID)と、登録者の権限が付与されていないユーザの情報(例えば、ユーザID)とが含まれる。文書審査支援装置30の登録部332は、顧客端末装置10-1から通知された登録者権限に関する情報に基づいて登録者権限の情報を更新する(ステップS122)。
【0078】
顧客端末装置10-1は、登録者権限に関する情報の通知後、表示画像IM3を表示部に表示する。文書審査担当者は、コメントを投稿するために、表示画像IM3に表示されているボタン562(コメントボタン)を選択(押下)する(ステップS123)。文書審査担当者により、ボタン562(コメントボタン)が選択されると、顧客端末装置10-1はコメントボタンが選択されたことを文書審査支援装置30に通知する(ステップS124)。文書審査支援装置30の提供部333は、コメントボタン押下の通知に応じて、図7に示す表示画像IM5を表示させるための表示情報を顧客端末装置10-1に提供する(ステップS125)。顧客端末装置10-1は、文書審査支援装置30から送信された表示情報を受信する。顧客端末装置10-1は、受信した表示情報を解釈することで、表示画像IM5を表示部に表示する(ステップS126)。なお、この時点では、表示画像IM5の領域R31にはコメントが表示されていないものとする。
【0079】
文書審査担当者は、コメントを投稿するために、顧客端末装置10-1を操作して、表示画像IM5に表示されている入力欄59にコメントを入力し、ボタン60(投稿ボタン)を選択(押下)する(ステップS127)。文書審査担当者により、ボタン60(投稿ボタン)が選択されると、顧客端末装置10-1は投稿ボタンが選択されたことと、入力欄59に入力された情報とを文書審査支援装置30に通知する(ステップS128)。文書審査支援装置30の登録部332は、入力欄59に入力された情報を、契約書の該当箇所に対応付けて契約書ファイル関連情報323として記憶部32に登録する(ステップS129)。
【0080】
文書審査支援装置30の提供部333は、入力欄59に入力された情報を登録したことを契機に、登録した情報を加えた更新後の図7に示す表示画像IM5を表示させるための表示情報を顧客端末装置10-1に提供する(ステップS130)。顧客端末装置10-1は、文書審査支援装置30から送信された表示情報を受信する。顧客端末装置10-1は、受信した表示情報を解釈することで、更新後の図7に示す表示画像IM5を表示部に表示する(ステップS131)。この際、顧客端末装置10-1の表示部に表示される表示画像IM5には、契約審査担当者が入力欄59に入力したコメント(例えば、図7における“契約太郎”のコメント)が領域R31に追加で表示される。
【0081】
図17及び図18は、実施形態における文書審査支援システム100における権限付与後のコメントの投稿の処理の流れを示すシーケンス図である。図17及び図18の処理では、法務担当者が契約審査担当者から権限を付与されており、顧客端末装置10を法務担当者が操作するものとして説明する。
【0082】
文書審査支援装置30の通知部334は、メール通知条件が満たされた場合に、新着コメントがあることを、該当するユーザのメールアドレス宛にメールで通知する(ステップS201)。具体的には、まず通知部334は、契約書ファイル関連情報323を参照し、メール通知条件を満たした契約書を特定する。次に、通知部334は、特定した契約書の登録ユーザと、許可ユーザとを特定する。そして通知部334は、特定したユーザ(登録ユーザと、許可ユーザ)のうち、メール通知設定がオンとなっている契約書の登録ユーザのメールアドレスと、許可ユーザのメールアドレス宛に図14に示すメールを通知する。
【0083】
顧客端末装置10-2は、文書審査支援装置30から送信されたメールを受信する(ステップS202)。法務担当者は、顧客端末装置10-2を操作して、文書審査支援装置30から送信されたメールを確認し、新着コメントがあることを把握する。その後、法務担当者は、新着コメントを確認するために、顧客端末装置10-2を操作して、文書審査支援装置30が提供するサービスを利用するために文書審査支援装置30にアクセスする(ステップS204)。文書審査支援装置30の提供部333は、アクセスに応じて、ユーザにログインを行わせるための表示情報をアクセス元である顧客端末装置10-2に提供する(ステップS205)。
【0084】
顧客端末装置10-2は、文書審査支援装置30から送信された表示情報を受信する。顧客端末装置10-2は、受信した表示情報を解釈し、ログイン処理を行うための情報(例えば、ログイン用の表示画像)を表示部に表示する。法務担当者は、顧客端末装置10-2を操作して、ID及びパスワードを入力することでログイン処理を行う(ステップS206)。顧客端末装置10-2は、入力されたID及びパスワードを含む認証情報を、ネットワーク40を介して文書審査支援装置30に送信する(ステップS207)。
【0085】
文書審査支援装置30の通信部31は、顧客端末装置10-2から送信された認証情報を受信する。文書審査支援装置30は、受信した認証情報と、記憶部32に記憶されているユーザ情報321とに基づいて認証を行う(ステップS208)。ここでは、受信した認証情報に含まれるID及びパスワードの組み合わせと、記憶部32に記憶されているユーザ情報321として登録されているログインID及びログインパスワードの組み合わせとが一致したとする。この場合、文書審査支援装置30の提供部333は、図3に示す表示画像IM1を表示させるための表示情報を顧客端末装置10-2に提供する(ステップS209)。
【0086】
顧客端末装置10-2は、文書審査支援装置30から送信された表示情報を受信する。顧客端末装置10-2は、受信した表示情報を解釈することで、表示画像IM1を表示部に表示する(ステップS210)。法務担当者は、契約書に対する新着コメントの確認を行うために、顧客端末装置10-2を操作して、表示画像IM1に表示されたボタンB1を選択(押下)する(ステップS211)。法務担当者により、表示画像IM1に表示されたボタンB1が選択されると、顧客端末装置10-2は契約書確認用ボタンが押下されたことを文書審査支援装置30に通知する(ステップS212)。
【0087】
文書審査支援装置30の提供部333は、契約書確認用ボタン押下の通知に応じて、例えば図10に示す表示画像IM10を表示させるための表示情報を顧客端末装置10-2に提供する(ステップS213)。具体的には、提供部333は、契約書ファイル322及び契約書ファイル関連情報323を参照し、ログインID及びログインパスワードの組み合わせで特定されるユーザが登録した契約書と、ログインID及びログインパスワードの組み合わせで特定されるユーザに対してコメントの記述が許可されている契約書と、契約書に関連する情報(例えば、コメントの履歴情報)とを取得する。提供部333は、取得した各情報を用いて、図12に示す表示画像IM10を表示させるための表示情報を顧客端末装置10-2に提供する。なお、図12に示されている登録済みの契約書の情報は一例であり、ここでは説明の簡単化のために、ログインID及びログインパスワードの組み合わせで特定されるユーザに対してコメントの記述が許可されている契約書(新着コメントありの契約書)のみを示している。図12に示すように、提供部333は、取得した各情報に基づいて、契約書に対する新着のコメントがある場合には、契約書に対応付けて、新着コメント情報を表示させるための表示情報を提供することになる。
【0088】
顧客端末装置10-2は、文書審査支援装置30から送信された表示情報を受信する。顧客端末装置10-2は、受信した表示情報を解釈することで、表示画像IM10を表示部に表示する(ステップS214)。これにより、顧客端末装置10-2の表示部には、ログインID及びログインパスワードの組み合わせで特定されるユーザに対してコメントの記述が許可されている契約書の情報が、登録済みの契約書の領域に表示される。法務担当者は、契約書に対する新着コメントの確認を行うために、顧客端末装置10-2を操作して、表示画像IM10に表示される登録済みの契約書のうち、新着コメント情報63が示されている契約書を選択(押下)する(ステップS215)。図12に示す表示画像IM10の例では、法務担当者は、新着コメント情報63が示されている契約書に対応するボタン52(確認ボタン)を選択する。
【0089】
法務担当者により、表示画像IM10に表示されているボタン52(確認ボタン)が選択されると、顧客端末装置10-2は確認ボタンが押下されたこと及び選択された契約書の情報を文書審査支援装置30に通知する(ステップS216)。文書審査支援装置30の提供部333は、確認ボタン押下の通知に応じて、例えば図13に示す表示画像IM11を表示させるための表示情報を顧客端末装置10-2に提供する(ステップS217)。図13に示すように、提供部333は、ステップS213の処理取得した各情報に基づいて、新着コメントがある契約書の情報を表示させる場合には、新着コメントがある条項又は条項タイプ、及び、ボタン562(コメントボタン)に対応付けて、新着コメント情報を表示させるための表示情報を提供することになる。顧客端末装置10-2は、文書審査支援装置30から送信された表示情報を受信する。顧客端末装置10-2は、受信した表示情報を解釈することで、表示画像IM11を表示部に表示する(ステップS218)。
【0090】
法務担当者は、コメントを投稿するために、表示画像IM11に表示されているボタン562(コメントボタン)を選択(押下)する(ステップS219)。法務担当者により、ボタン562(コメントボタン)が選択されると、顧客端末装置10-2はコメントボタンが選択されたことを文書審査支援装置30に通知する(ステップS220)。文書審査支援装置30の提供部333は、コメントボタン押下の通知に応じて、図7に示す表示画像IM5を表示させるための表示情報を顧客端末装置10-2に提供する(ステップS221)。
【0091】
顧客端末装置10-2は、文書審査支援装置30から送信された表示情報を受信する。顧客端末装置10-2は、受信した表示情報を解釈することで、表示画像IM5を表示部に表示する(ステップS222)。ここで、顧客端末装置10-2に表示される情報は、ステップS131の処理で顧客端末装置10-2に表示された情報と同様である。すなわち、文書審査担当者と、法務担当者は、同じ契約書の同じ画面を共有して確認することができる。これにより、法務担当者は、文書審査担当者が入力したコメントを確認することができる。
【0092】
法務審査担当者は、文書審査担当者が入力したコメントに対するコメントを投稿するために、顧客端末装置10-2を操作して、表示画像IM5に表示されている入力欄59にコメントを入力し、ボタン60(投稿ボタン)を選択(押下)する(ステップS223)。法務担当者により、ボタン60(投稿ボタン)が選択されると、顧客端末装置10-2は投稿ボタンが選択されたことと、入力欄59に入力された情報とを文書審査支援装置30に通知する(ステップS224)。文書審査支援装置30の登録部332は、入力欄59に入力された情報を、契約書の該当箇所に対応付けて契約書ファイル関連情報323として記憶部32に登録する(ステップS225)。
【0093】
文書審査支援装置30の提供部333は、入力欄59に入力された情報を登録したことを契機に、登録した情報を加えた更新後の図7に示す表示画像IM5を表示させるための表示情報を顧客端末装置10-2に提供する(ステップS226)。顧客端末装置10-2は、文書審査支援装置30から送信された表示情報を受信する。顧客端末装置10-2は、受信した表示情報を解釈することで、更新後の図7に示す表示画像IM5を表示部に表示する(ステップS227)。この際、顧客端末装置10-2の表示部に表示される表示画像IM5には、契約審査担当者が入力欄59に入力したコメント(例えば、図7における“審査太郎”のコメント)が領域R31に追加で表示される。
【0094】
なお、図17及び図18では、法務担当者が、契約審査担当者が入力したコメントに対するコメントを入力する構成について説明したが、契約審査担当者が、法務担当者が入力したコメントに対するコメントを入力する場合にも図17及び図18と同様の処理を行えばよい。
【0095】
以上のように構成された文書審査支援システム100によれば、審査の対象である契約書に含まれる項目または階層化された項目(例えば、条項や条項タイプ)と、項目または階層化された項目に対して記述されたコメントとを同一画面上に表示させるための表示情報を、契約書を登録した登録ユーザと、登録ユーザがコメントの記述を許可した許可ユーザに対して提供する。これにより、複数人で同一契約書に対する審査結果や、問い合わせや回答などのコメントを共有することができる。このように、質問したい箇所に付随する形でコメントを行うことができるため、問い合わせを行いたいユーザ(例えば、契約審査担当者)のメールなどの作成に要する時間を削減することができる。問い合わせをされたユーザ(例えば、法務担当者)は、コメントが付与された箇所を確認するだけで、どの条項に対するコメントであるのか容易に把握することができ、スムーズな回答が可能になる。従って、文書審査や文書修正の相談時に、相談箇所及び相談内容を手間をかけずに的確に伝えることができる。そのため、文書の審査の確認に要する時間を削減することが可能になる。
【0096】
さらに、文書審査支援システム100では、文書審査支援装置30が、契約書における項目または階層化された項目である条項又は条項タイプが選択されると、選択された条項又は条項タイプに対する条文と、選択された条項又は条項タイプに対して記述されたコメントとを同一画面上に表示させるための表示情報を登録ユーザと許可ユーザに対して提供する。これにより、コメントがある条項が選択されると、該当する条項と、その条項に対して記述されたコメントとが同一画面上に表示される。そのため、文書の審査の確認に要する時間を削減することが可能になる。
【0097】
さらに、文書審査支援システム100では、文書審査支援装置30が、許可ユーザを選択する指示がなされたことに応じて、許可ユーザを選択させるための情報を含む表示情報(例えば、図6に示す表示画像IM4)をさらに提供する。これにより、ユーザは、契約書に記述されたコメントを共有するためのユーザを自由に選択することができる。さらに、コメントの記述を許可するユーザを特定のユーザのみに制限することができる。そのため、様々なユーザがコメントを記述してしまうことを抑制することができ、文書の審査の確認に要する時間を削減することが可能になる。
【0098】
さらに、文書審査支援システム100では、文書審査支援装置30が、コメントが新たに追加された場合、コメントが追加されたことを示す新着コメント情報(例えば、新着コメント情報63~65)を、コメントが追加された文書に対応付けて表示させるための表示情報(例えば、図12に示す表示画像IM10)を登録ユーザと許可ユーザに対して提供する。これにより、登録ユーザと許可ユーザは、コメントが追加されたことを容易に把握することができる。したがって、相談タスクの見落としを防止することができる。
【0099】
さらに、文書審査支援システム100では、文書審査支援装置30が、コメントが入力されたことを通知するための通知条件が満たされた場合に、登録ユーザと許可ユーザに対して、コメントが入力されたことを通知する通知部334を備える。これにより、登録ユーザと許可ユーザは、文書審査支援装置30が提供するサービスにログインしなくてもコメントが追加されたことを容易に把握することができる。その結果、文書の審査の確認に要する時間を削減することが可能になる。
【0100】
<変形例>
上記の実施形態では、文書審査支援装置30が、顧客端末装置10により選択された操作に応じた全ての処理を実行する構成を示した。すなわち、上記の実施形態では、顧客端末装置10は、文書審査支援装置30から送信された表示情報を表示するのみの構成を示した。これに対して、顧客端末装置10は、文書審査支援装置30が行う一部の処理を実行するように構成されてもよい。例えば、顧客端末装置10は、Javaを利用することで文書審査支援装置30が行う一部の処理を実行するように構成されてもよい。
【0101】
上記の実施形態では、顧客端末装置10は、ブラウザ上で表示情報を解釈して表示部に情報を表示する構成を示した。顧客端末装置10は、文書審査支援装置30が提供するサービスを利用するためのアプリケーションプログラムをインストールして、専用のアプリケーションを用いて、文書審査支援装置30が提供するサービスを利用するように構成されてもよい。
【0102】
上記の実施形態では、文書審査支援装置30は、新着コメントがある旨をメールで通知する構成を示した。文書審査支援装置30は、新着コメントがある旨を他の伝達方法で通知してもよい。例えば、伝達方法として、ショートメッセージや、顧客端末装置10に専用のアプリケーションがインストールされている場合にはアプリケーションによる通知等の手段が用いられてもよい。
【0103】
上述した構成においてコメントを公開するユーザを制限するように構成されてもよい。上述した構成では、契約書を閲覧可能なユーザは、閲覧した契約書に対して記述されたコメントを閲覧することができる。一方で、コメントを閲覧可能なユーザを制限してほしいという場合も想定される。そこで、文書審査支援装置30では、契約書毎に、コメントの閲覧制限を設定可能に構成されてもよい。このように構成される場合、文書審査支援装置30は、例えば図6に示す登録者の権限の付与設定と同様に、ユーザに対してコメントを閲覧させるユーザを選択させてもよいし、予め契約書毎にコメントの閲覧可能なユーザが設定された設定ファイルを用いて、コメントの閲覧が制限されているユーザを特定する。そして、文書審査支援装置30は、コメントの閲覧が制限されているユーザの顧客端末装置10に対して表示情報を提供する場合、ボタン562(コメントボタン)を除いた表示情報を提供する。このように構成されることによって、一部のユーザのコメントの閲覧制限が可能になる。
【0104】
図3図13に示す表示画像の表示は一例であり、コメント等の情報の表示位置やボタンの配置位置等のレイアウトは、図3図13に示す構成に限定されない。
【0105】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0106】
10-1~10-n…顧客端末装置, 30…文書審査支援装置, 40…ネットワーク, 31…通信部, 32…記憶部, 33…制御部, 331…取得部, 332…登録部, 333…提供部, 334…通知部
図1
図2
図3
図4
図5
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図11
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図17
図18
【手続補正書】
【提出日】2023-01-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
審査の対象である文書に含まれる項目または階層化された項目と、前記項目または前記階層化された項目に対して記述されたコメントとを同一画面上に表示させるための表示情報を、前記文書を登録した登録ユーザと、前記登録ユーザがコメントの記述を許可した許可ユーザに対して提供する提供部、
を備え
前記提供部は、
前記登録ユーザと、前記許可ユーザに対して提供する前記表示情報に、コメントを入力させるための情報をさらに含めて提供する文書審査支援装置。
【請求項2】
前記文書は、契約書であり、
前記提供部は、
前記契約書における前記項目または前記階層化された項目である条項又は条項タイプが選択されると、選択された条項又は条項タイプに対する条文と、選択された条項又は条項タイプに対して記述されたコメントとを同一画面上に表示させるための表示情報を前記登録ユーザと前記許可ユーザに対して提供する、
請求項1に記載の文書審査支援装置。
【請求項3】
前記提供部は、
前記許可ユーザを選択する指示がなされたことに応じて、前記許可ユーザを選択させるための情報を含む表示情報をさらに提供する、
請求項1又は2に記載の文書審査支援装置。
【請求項4】
前記提供部は、
前記登録ユーザ又は前記許可ユーザにより記述されたコメントが新たに追加された場合、前記登録ユーザ又は前記許可ユーザにより記述されたコメントが追加されたことを示す新着コメント情報を、前記登録ユーザ又は前記許可ユーザにより記述されたコメントが追加された文書に対応付けて表示させるための表示情報を前記登録ユーザと前記許可ユーザに対して提供する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の文書審査支援装置。
【請求項5】
前記登録ユーザ又は前記許可ユーザにより記述されたコメントが入力されたことを通知するための通知条件が満たされた場合に、前記登録ユーザと前記許可ユーザに対して、前記登録ユーザ又は前記許可ユーザにより記述されたコメントが入力されたことを通知する通知部をさらに備える、
請求項1からのいずれか一項に記載の文書審査支援装置。
【請求項6】
前記提供部は、
前記登録ユーザ又は前記許可ユーザにより記述されたコメントを時系列順に表示させるように前記表示情報を提供する、
請求項1からのいずれか一項に記載の文書審査支援装置。
【請求項7】
コンピュータが、
審査の対象である文書に含まれる項目または階層化された項目と、前記項目または前記階層化された項目に対して記述されたコメントとを同一画面上に表示させるための表示情報を、前記文書を登録した登録ユーザと、前記登録ユーザがコメントの記述を許可した許可ユーザに対して提供し、
前記登録ユーザと、前記許可ユーザに対して提供する前記表示情報に、コメントを入力させるための情報をさらに含めて提供する、
文書審査支援方法。
【請求項8】
審査の対象である文書に含まれる項目または階層化された項目と、前記項目または前記階層化された項目に対して記述されたコメントとを同一画面上に表示させるための表示情報を、前記文書を登録した登録ユーザと、前記登録ユーザがコメントの記述を許可した許可ユーザに対して提供させ
前記登録ユーザと、前記許可ユーザに対して提供する前記表示情報に、コメントを入力させるための情報をさらに含めて提供する、
コンピュータプログラム。