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特開2023-66110違反車両特定装置、違反車両特定方法、及び違反車両特定処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023066110
(43)【公開日】2023-05-15
(54)【発明の名称】違反車両特定装置、違反車両特定方法、及び違反車両特定処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G07B 15/00 20110101AFI20230508BHJP
   G08G 1/017 20060101ALI20230508BHJP
【FI】
G07B15/00 P
G07B15/00 510
G08G1/017
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021176626
(22)【出願日】2021-10-28
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】飯塚 俊介
【テーマコード(参考)】
3E127
5H181
【Fターム(参考)】
3E127AA16
3E127BA13
3E127BA31
3E127CA13
3E127CA16
3E127CA37
3E127DA21
3E127DA29
3E127DA44
3E127EA03
3E127EA14
3E127EA27
3E127FA03
3E127FA19
3E127FA27
3E127FB10
5H181AA01
5H181AA20
5H181BB04
5H181CC03
5H181CC12
5H181CC18
5H181DD09
5H181FF10
5H181MB02
(57)【要約】
【課題】特殊車両における違反車両を自動的に判定すること。
【解決手段】実施形態に係る違反車両特定装置であって、車両の軸重及び車両ナンバーを含む車両重量自動計測装置(WIM)情報を受信するWIM通信部と、軸重が基準車両の軸重の上限である最高限度値を超えている場合、特殊車両データベース装置に車両ナンバーを含む特殊車両情報要求を送信し、車両ナンバーに対応した特殊車両情報を受信する車両通信部と、軸重が特殊車両情報に含まれる最大重量を超える場合、車両を違反車両と判定する違反車両判定部と、違反車両であると判定した場合、車両についての情報を含む違反車両情報を送信する事業者通信部と、備える。
【選択図】 図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の軸重及び車両ナンバーを含む車両重量自動計測装置(WIM)情報を受信するWIM通信部と、
前記軸重が基準車両の軸重の上限である最高限度値を超えている場合、特殊車両データベース装置に前記車両ナンバーを含む特殊車両情報要求を送信し、前記車両ナンバーに対応した特殊車両情報を受信する車両通信部と、
前記軸重が前記特殊車両情報に含まれる最大重量を超える場合、前記車両を違反車両と判定する違反車両判定部と、
前記違反車両であると判定した場合、前記車両についての情報を含む違反車両情報を送信する事業者通信部と、
備える、違反車両特定装置。
【請求項2】
前記違反車両判定部は、料金所機器からそれぞれ受信した入口料金所の入口料金所識別情報及び出口料金所の出口料金所識別情報に基づいて前記車両の走行経路を決定し、前記走行経路が前記特殊車両情報中の経路区間に含まれない場合、前記車両を前記違反車両と判定する、
請求項1に記載の違反車両特定装置。
【請求項3】
前記違反車両判定部は、料金所機器から受信した入口料金所を通過した日時を示す入口日時情報が前記特殊車両情報に含まれる開始日時と終了日時の間にない場合、前記車両を前記違反車両と判定する、
請求項1又は2に記載の違反車両特定装置。
【請求項4】
前記違反車両判定部は、料金所機器から受信した出口料金所を通過した日時を示す出口日時情報が前記特殊車両情報に含まれる開始日時と終了日時の間にない場合、前記車両を前記違反車両と判定する、
請求項1又は2に記載の違反車両特定装置。
【請求項5】
前記違反車両判定部は、前記車両が有料道路を利用した回数が、前記特殊車両情報に含まれる所定の回数を超える場合、前記車両を前記違反車両と判定する、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の違反車両特定装置。
【請求項6】
前記違反車両判定部は、前記特殊車両情報が前記車両についての情報がないことを示すフラグ情報を有している場合、前記車両を前記違反車両と判定する、
請求項1に記載の違反車両特定装置。
【請求項7】
前記車両が違反車両であると判定した場合、料金所機器から受信した車両の車両情報に含まれるETCカード情報に基づいて、追加の料金を前記車両の運転者に対して徴収する明細管理部をさらに備える、
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の違反車両特定装置。
【請求項8】
車両の軸重及び車両ナンバーを含む車両重量自動計測装置(WIM)情報を受信することと、
前記軸重が基準車両の軸重の上限である最高限度値を超えている場合、特殊車両データベース装置に前記車両ナンバーを含む特殊車両情報要求を送信し、前記車両ナンバーに対応した特殊車両情報を受信することと、
前記軸重が前記特殊車両情報に含まれる最大重量を超える場合、前記車両を違反車両と判定することと、
前記違反車両であると判定した場合、前記車両についての情報を含む違反車両情報を送信することと、
備える、違反車両特定方法。
【請求項9】
車両の軸重及び車両ナンバーを含む車両重量自動計測装置(WIM)情報を受信する処理と、
前記軸重が基準車両の軸重の上限である最高限度値を超えている場合、特殊車両データベース装置に前記車両ナンバーを含む特殊車両情報要求を送信し、前記車両ナンバーに対応した特殊車両情報を受信する処理と、
前記軸重が前記特殊車両情報に含まれる最大重量を超える場合、前記車両を違反車両と判定する処理と、
前記違反車両であると判定した場合、前記車両についての情報を含む違反車両情報を送信する処理と、
を備える違反車両特定処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、違反車両特定装置、違反車両特定方法、及び違反車両特定処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
車両の構造が特殊である車両、あるいは輸送する貨物が特殊な車両で、幅、長さ、高さおよび総重量のいずれかの一般的制限値を超えたり、橋、高架の道路、トンネル等で総重量、高さのいずれかの制限値を超える車両である「特殊な車両」が道路を通行するには、通行経路、通行日時、重量を特定した特殊車両通行許可が必要になる。近年、特殊車両通行許可申請件数が増加している。
【0003】
一方、例えば、軸重20トンの特殊車両が1台通過する場合、舗装道路に与える影響(すなわち道路の劣化の速さ)は、軸重10トンの車両が1台通過する場合と比較して軸重比の4乗倍(すなわち(20/10)^4=16倍)になるといわれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009-216674号公報
【特許文献2】特開平3-189523号公報
【特許文献3】特開2017-33370号公報
【特許文献4】特開2013-114494号公報
【特許文献5】特開2017-151778号公報
【特許文献6】特開平2-207391号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】首都高速道路株式会社 2020年9月9日 「社会資本整備審議会道路分科会 第42回国土幹線道路部会説明資料」
【非特許文献2】国道交通省道路局 国土交通省都市局 令和2年9月 「令和3年度 道路関係 予算概算要求概要」
【非特許文献3】国土交通省 道路局道路交通管理課 平成30年7月31日 「車載型センシング装置による3次元道路データの収集をスタート~特車通行許可の審査の迅速化等に向けて~」
【非特許文献4】国土交通省 平成28年1月 「『ETC2.0 装着車への特殊車両通行許可簡素化制度』実施要綱」
【非特許文献5】独立行政法人 日本高速道路保有・債務返済機構 令和2年1月 「高速道路における道路法(車両制限令)違反への取り組みについて.pdf」
【非特許文献6】国土交通省 関東地方整備局道路部交通対策課 平成30年11月 「特殊車両通行許可制度の概要について」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
申請された特殊車両通行許可に対して、積載量や走行ルート等を違法に超過した特殊車両に対応するために人員を割くのは限界があるため、システムで自動的に検知することが求められている。
【0007】
また、違反車両の特定のために車両重量自動計測装置(WIM:weight in motion)を用いる方法があるが、WIMによって得られる情報のみでは違反車両を特定する情報として不十分である。
【0008】
さらに、有料道路を違反車両が通過した場合、追加の料金を確実に徴収する技術が求められている。
【0009】
この発明は、上記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、自動的に違反車両を検知する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
実施形態に係る違反車両特定中央装置は、車両の軸重及び車両ナンバーを含む車両重量自動計測装置(WIM)情報を受信するWIM通信部と、前記軸重が基準車両の軸重の上限である最高限度値を超えている場合、特殊車両データベース装置に前記車両ナンバーを含む特殊車両情報要求を送信し、前記車両ナンバーに対応した特殊車両情報を受信する車両通信部と、前記軸重が前記特殊車両情報に含まれる最大重量を超える場合、前記車両を違反車両と判定する違反車両判定部と、前記違反車両であると判定した場合、前記車両についての情報を含む違反車両情報を送信する事業者通信部と、を備えるものである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、実施形態に係る違反車両特定システムの概略構成の一例を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る違反車両特定システムの各装置及び各機器の構成例を示すブロック図である。
図3図3は、記憶部が記憶している特殊車両情報である特殊車両通行許可データベースの具体的な情報の一例を示した図である。
図4図4は、WIMの配置の一例を示した図である。
図5図5は、図1に示される違反車両特定システムにおける処理手順の一例を示すシーケンス図である。
図6図6は、事業者機器の出力部に出力される違反車両情報の一例を示した図である。
図7図7は、図1に示される違反車両特定システムのETC中央装置における処理手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
道路を通行する車両の大きさや軸重等の最高限度値が道路法第47条に定められている。通常の車両、すなわち基準車両は、この最高限度値以内の範囲の車両を指す。また、最高限度値を超える車両、すなわち、特殊車両も道路を通行することが可能である。特殊車両が道路を通行する場合、特殊車両の通行許可制度に基づく特殊許可申請を行い、特殊車両通行許可証の交付を受ける必要がある。この通行許可申請では、通行経路を指定する必要がある。
【0013】
本実施形態では、この通行経路内に有料道路が含まれる場合であって、有料道路を通行する特殊車両が法令に違反しているかどうかを判定するシステムについて説明する。
【0014】
以下、図面を参照しながら違反車両特定装置装置、違反車両特定方法、及び違反車両特定処理プログラムについて詳細に説明する。なお、以下の実施形態では、違反車両特定中央装置は、ETC(Electronic Toll Collection)中央装置と一体に実現される場合について、説明する。なお、同一の番号を付した部分については同様の動作を行うものとして、重ねての説明を省略する。
【0015】
(構成)
図1は、実施形態に係る違反車両特定システムの概略構成の一例を示す図である。
違反車両特定システムは、ETC中央装置1と、特殊許可申請データベース装置2と、料金所機器3と、WIM4と、事業者機器5と、車載器6を搭載した車両7とを備える。
【0016】
違反車両特定装置であるETC中央装置1は、有料道路を管理する事業者の管理室等の所定の場所に設置される。そして、ETC中央装置1は、特殊許可申請データベース装置2、料金所機器3と接続され、各種情報を取得することが可能である。
【0017】
特殊許可申請データベース装置2は、国土交通省地方整備局等の所定の場所に設置される。特殊許可申請データベース装置は、特殊車両の通行を許可した特殊車両の情報である特殊車両通行許可データベースを記憶するデータベース装置である。なお、特殊車両通行許可データベースの具体的な情報は、後述する。また、特殊許可申請データベース装置2は、ETC中央装置1の要求に応じて、当該データベースを提供することが可能である。
【0018】
料金所機器3は、有料道路の入口料金所又は出口料金所に設置される。また、路側機を含む料金所機器3は、車両7を検知すると車両7の車載器6と通信を確立する。そして、料金所機器3は、車載器6と各種情報を送受信する。さらに料金所機器3は、車載器6との通信で取得した各種情報を料金明細として、ETC中央装置1に送信する。
【0019】
WIM4は、有料道路上に配置された走行車両重量計測装置である。ここで、WIM4は、国土交通省が管轄する装置である。WIM4は、料金所付近、サービスエリア付近等に設置されてよい。WIM4は、車両7の車両ナンバーを検出及び軸重を計測して取得することが可能である。また、WIM4は、取得した情報をETC中央装置1に送信して良い。
【0020】
事業者機器5は、いわゆるユーザ機器であって良く、ETC中央装置1と同じ管理室等に設置されていても良いし、異なる場所に設置されても良い。また、事業者機器5は、携帯端末であっても良く、事業者の管理者が携帯しても良い。事業者機器5は、ETC中央装置1と各種情報を送受信する。また、事業者機器5は、ETC中央装置1から受信した違反車両についての情報を表示することが可能である。
【0021】
車載器6は、有料道路を走行する車両7内に配置される。車載器6は、料金所機器3と通信可能であり、車載器6に挿入されたETCカードのカードID等の各種情報を送信する。また、車載器6は、入場した料金所機器3の情報等を受信し、ETCカードに受信した情報を書込むことが可能である。
【0022】
図2は、実施形態に係る違反車両特定システムの各装置及び各機器の構成例を示すブロック図である。
すなわち、図2は、ETC中央装置1、特殊許可申請データベース装置2、料金所機器3、WIM4、事業者機器5、及び車載器6それぞれの構成例を示すブロック図である。
【0023】
ETC中央装置1は、制御部11、記憶部12、通信部13、情報管理制御部14、違反車両判定部15、及び明細管理部16等を備える。
【0024】
制御部11は、通信部13、情報管理制御部14、違反車両判定部15、及び明細管理部16の制御を司る制御ユニットである。制御部11は、CPU、メモリ及びインタフェース等を有する。CPUは、プログラムを実行することにより、各種の処理機能を実現するプロセッサである。CPUは、インタフェース等を介してETC中央装置1を構成する各部に接続される。メモリは、CPUが実行するプログラムを記憶する不揮発性メモリ、一時的にデータを保持する揮発性メモリ、及び設定データ等を保存する書換え可能な不揮発性メモリ等の各種のメモリを含む。すなわち、制御部11は、CPUがメモリに記憶されたプログラムを実行することにより各部の制御及びデータ処理を実行する。
【0025】
記憶部12は、メインメモリ等の読出しや書込みが高速に行える記憶媒体を含む。記憶部12は、HDD或いはSSD等の大容量の記憶装置で構成されても良い 。記憶部12は、特殊許可申請データベース装置2、料金所機器3、及びWIM4から受信した各種のデータを記憶する。例えば、記憶部12は、特殊許可申請データベース装置2、料金所機器3、及びWIM4それぞれから受信した各種情報を記憶することが可能である。
【0026】
通信部13は、1つ以上の有線又は無線の通信モジュールを含む通信インタフェースである。例えば、通信部13は、特殊許可申請データベース装置2、料金所機器3、WIM4と有線又は無線接続する通信モジュールを含む。通信部13は、制御部11の制御の下、各装置及び各機器との間で通信を行い、各種情報を送受信することができるものであれば一般的な通信インタフェースで良い。
【0027】
情報管理制御部14は、特殊許可申請データベース装置2、料金所機器3、及びWIM4から受信した各種情報を管理する。また、情報管理制御部14は、制御部11の制御の下、各種情報を記憶部12に記憶させ、必要に応じて記憶部12に記憶されたデータを取得して違反車両判定部15及び明細管理部16等に出力することが可能である。
【0028】
違反車両判定部15は、制御部11の制御の下、WIM4から受信した軸重が、基準車両の最高限度値内であるかを判定することができる。さらに、違反車両判定部15は、料金所機器3及びWIM4から受信した情報に基づいて特殊車両として申請された車両7が申請内容に反し、違反車両であるかどうかを判定することができる。
【0029】
明細管理部16は、料金所機器3から受信した料金所識別情報に基づいて決定された車両7の通行経路に応じて通行料金を決定し、決定した通行料金を車両7から徴収することができる。また、明細管理部16は、違反車両に対して、追加の料金を徴収することも可能である。
【0030】
特殊許可申請データベース装置2は、制御部21、記憶部22、及び通信部23等を備える。
【0031】
制御部21は、特殊許可申請データベース装置2における制御及びデータ処理等を司る制御ユニットである。制御部21は、CPU、メモリ及びインタフェース等を有する。CPUは、プログラムを実行することにより、特殊車両通行許可データベースについての情報を出力する等の各種の処理機能を実現するプロセッサである。CPUは、インタフェース等を介して特殊許可申請データベース装置2を構成する各部に接続される。メモリは、CPUが実行するプログラムを記憶する不揮発性メモリ、一時的にデータを保持する揮発性メモリ、及び設定データ等を保存する書換え可能な不揮発性メモリ等の各種のメモリを含む。すなわち、制御部21は、CPUがメモリに記憶されたプログラムを実行することにより各部を制御及びデータ処理を実行する。なお、特殊車両通行許可データベースについては、後述する。
【0032】
記憶部22は、メインメモリ等の読出しや書込みが高速に行える記憶媒体を含む。記憶部22は、HDD或いはSSD等の大容量の記憶装置で構成されても良い 。記憶部22は、当該車両7が特殊車両であると申請した特殊車両情報を含む各種情報を記憶する。
【0033】
図3は、記憶部22が記憶している特殊車両情報である特殊車両通行許可データベースの具体的な情報の一例を示した図である。
図3に示すように、特殊車両通行許可データベースの項目は、申請者名、住所、電話番号、通行開始日、終了日、積載物質、車種区分、車両番号、車種名、型式、ナンバープレート情報、車両諸元、通行区分、通行経路数、経路区間、更新、更新フラグ等を含む。そして、申請者毎にこれらの項目についての情報が記載されている。
【0034】
申請者名は、個人でも良いし会社名でも良い。積載物質は、積載物の品名、幅、高さ、長さ等が記載される。車両諸元は、総重量、最遠軸距、最小隣接軸距、隣接軸重、長さ、幅、高さ、最小回転半径、最大軸重、最大輪荷重等が記載される。更新は、更新日時が記載され、更新フラグは、所定の更新時期であるかどうかを示す。また、図3に示した項目は、単なる例であり、通行回数、通行経路表、荷姿図等の他の項目を含んでも良いのは勿論である。
【0035】
図2に戻って、通信部23は、1つ以上の有線又は無線の通信モジュールを含む通信インタフェースである。例えば、通信部23は、ETC中央装置1と有線又は無線接続する通信モジュールを含む。通信部23は、制御部21の制御の下、各装置及び各機器との間で通信を行い、各種情報を送受信することができるものであれば一般的な通信インタフェースで良い。
【0036】
料金所機器3は、制御部31、記憶部32、上位通信部33、発進制御部34、路側表示器35、車両通信部36を備える。
【0037】
制御部31は、料金所機器3全体の制御及びデータ処理等を行う制御ユニットである。制御部31は、CPU、メモリ、及びインタフェース等を有する。CPUは、プログラムを実行することにより各種の処理機能を実現するプロセッサである。CPUは、インタフェース等を介して料金所機器3を構成する各部に接続される。メモリは、CPUが実行するプログラムを記憶する不揮発性メモリ、一時的にデータを保持する揮発性メモリ、及び、設定データ等を保存する書換え可能な不揮発性メモリ等の各種のメモリを含む。
【0038】
記憶部32は、メインメモリ等の読出しや書込みが高速に行える記憶媒体を含む。記憶部32は、HDD或いはSSD等の大容量の記憶装置で構成されても良い 。記憶部32は、当該料金所機器3に関わる各種のデータを記憶する。例えば、記憶部32は、料金所機器3が設置された料金所を識別する料金所識別情報を記憶する。
【0039】
上位通信部33は、上位装置としてのETC中央装置1と通信するための、1つ以上の有線又は無線の通信モジュールを含む通信インタフェースである。例えば、上位通信部33は、ETC中央装置1と有線又は無線接続する通信モジュールを含む。上位通信部33は、制御部31の制御の下、各装置及び各機器との間で通信を行い、各種情報を送受信することができるものであれば一般的な通信インタフェースで良い。
【0040】
発進制御部34は、料金所を入場又は退場する車両7の通行を制御する。発進制御部34は、料金所に入場又は料金所から退場する車両7が走行するレーンに設けた発進制御バーの開閉を制御する。例えば、発進制御部34は、車両7を一時停止させる場合、或いは車両7の通行(入場又は退場)を不可とする場合、発進制御バーを閉じて車両7の通行を物理的に阻止する。また、発進制御部34は、車両7の通行(入場又は退場)を許可する場合、発進制御バーを開放して車両7の通行を許可する。なお、料金所がフリーフロー(FF)料金所である場合等、料金所機器3は、発進制御バーを有しなくとも良い。
【0041】
路側表示器35は、料金所を通行する車両7に乗車する利用者に対して案内等を表示する。路側表示器35は、料金所を通行する車両7に向けて設置される。
【0042】
車両通信部36は、車両7に搭載する車載器6と通信するための無線通信モジュールを含む。例えば、車両通信部36は、料金所機器3に接近する車両7を検知し、車両7に搭載された車載器6と通信を確立する。そして、車両通信部36は、車載器6と無線通信することにより、車載器ID、車両7の車種を示す車種情報、及び車載器6に挿入されたETCカードのETCカード情報等の各種情報を取得する。ここで、ETCカード情報は、ETCカードのカードID、カード番号、有効期限等、ETCカードで有料道路の通行料金の決済に必要な各種情報を含む。さらに、車両通信部36は、料金所機器3のID等を含む各種情報を車載器6に送信する。
【0043】
WIM4は、制御部41、記憶部42、上位通信部43、進入車両検知部44、退出車両検知部45、軸重計測部46、及び車両情報取得部47を備える。
【0044】
制御部41は、WIM4全体の制御及びデータ処理等を行う制御ユニットである。制御部41は、CPU、メモリ、及びインタフェース等を有する。CPUは、プログラムを実行することにより各種の処理機能を実現するプロセッサである。CPUは、インタフェース等を介してWIM4を構成する各部に接続される。メモリは、CPUが実行するプログラムを記憶する不揮発性メモリ、一時的にデータを保持する揮発性メモリ、及び、設定データ等を保存する書換え可能な不揮発性メモリ等の各種のメモリを含む。
【0045】
記憶部42は、メインメモリ等の読出しや書込みが高速に行える記憶媒体を含む。記憶部42は、HDD或いはSSD等の大容量の記憶装置で構成されても良い 。記憶部42は、当該WIM4に関わる各種のデータを記憶する。例えば、記憶部42は、軸重計測部46及び車両情報取得部47が取得した情報を記憶して良い。
【0046】
上位通信部43は、上位装置としてのETC中央装置1と通信するための、1つ以上の有線又は無線の通信モジュールを含む通信インタフェースである。例えば、上位通信部43は、ETC中央装置1と有線又は無線接続する通信モジュールを含む。上位通信部43は、制御部41の制御の下、各装置及び各機器との間で通信を行い、各種情報を送受信することができるものであれば一般的な通信インタフェースで良い。
【0047】
進入車両検知部44は、WIM4に進入してくる車両7を検知する。進入車両検知部44は、例えば、ループ式又はレーザ式の検知部であって良い。例えば、ループ式の進入車両検知部44は、道路等に埋め込まれたループコイルを備える。進入車両検知部44は、車両7がループコイル上を通り過ぎる際のインダクタンスの変化に基づいて車両7を検知する。或いは、例えば、進入車両検知部44は、レーザ光を照射し、車両7の物体で反射されるレーザ光の反射光を検知する。進入車両検知部44は、車両7を検知すると検知したことを示す信号を制御部41に出力する。
【0048】
退出車両検知部45は、WIM4から退出する車両7を検知する。退出車両検知部45は、進入車両検知部44と同様にループ式又はレーザ式の検知部であって良い。また、退出車両検知部45も車両7を検知すると、検知したことを示す信号を制御部41に出力する。
【0049】
軸重計測部46は、例えば、軸重検出部及び軸重算出部を備える。軸重検出部は、例えば、複数であり、それぞれ道路上に埋め込まれ、軸重検出部を通過する車両7のタイヤによって踏まれた際の重さに応じて検出信号を軸重算出部に出力する。軸重算出部は、検出信号の波形の平均値を求め当該平均値から軸重を算出する。なお、この算出方法は、一例であり、軸重計測部46による軸重計測は、軸重計測が行えれば一般的な方法で良いのは勿論である。そして、軸重計測部46は、算出された軸重を制御部41に出力する。
【0050】
車両情報取得部47は、カメラ等を備え、車両7の全体を撮影し、車両7の前後に配置されたナンバープレートから車両ナンバーを含むナンバープレート情報を識別する。また、カメラによって撮影される車両7の全体は、車両7の運転者を含んでも良い。車両情報取得部47は、識別したナンバープレート情報を制御部41に出力する。
【0051】
図4は、WIM4の配置の一例を示した図である。
図4に示すように、車両7が進入する側の道路上に進入車両検知部44が設置され、さらに、道路上に複数の軸重計測部46が設置されている。また、車両情報取得部47は、道路を横断するゲート状の支柱の上に設置され、車両7の全体を撮影することを可能としている。また、車両7がWIM4から退場する側の道路上に退出車両検知部45が設置される。
【0052】
なお、図4では、ゲート状の支柱の横に制御部41が設置される。しかしながら、制御部41は、図4の例に限られないのは勿論である。また、図4では、図示していないが、制御部41内に記憶部42及び上位通信部43が格納されていて良い。
【0053】
図2に戻り、事業者機器5は、制御部51、記憶部52、通信部53、入力部54及び出力部55等を備える。
【0054】
制御部51は、通信部53、入力部54、及び出力部55の制御を司る制御ユニットである。制御部51は、CPU、メモリ及びインタフェース等を有する。CPUは、プログラムを実行することにより、各種の処理機能を実現するプロセッサである。CPUは、インタフェース等を介して事業者機器5を構成する各部に接続される。メモリは、CPUが実行するプログラムを記憶する不揮発性メモリ、一時的にデータを保持する揮発性メモリ、及び設定データ等を保存する書換え可能な不揮発性メモリ等の各種のメモリを含む。すなわち、制御部51は、CPUがメモリに記憶されたプログラムを実行することにより各部の制御及びデータ処理を実行する。
【0055】
記憶部52は、メインメモリ等の読出しや書込みが高速に行える記憶媒体を含む。記憶部52は、HDD或いはSSD等の大容量の記憶装置で構成されても良い 。記憶部52は、ETC中央装置1から受信した各種データを記憶する。例えば、記憶部52は、ETC中央装置1から受信した違反車両情報を記憶する。ここで、違反車両情報の詳細は、後述する。
【0056】
通信部53は、1つ以上の有線又は無線の通信モジュールを含む通信インタフェースである。例えば、通信部53は、ETC中央装置1と有線又は無線接続する通信モジュールを含む。通信部53は、制御部51の制御の下、各装置及び各機器との間で通信を行い、各種情報を送受信することができるものであれば一般的な通信インタフェースで良い。
【0057】
入力部54は、例えば、表示デバイスの表示画面上に配置された、静電方式又は圧力方式を採用した入力検知シートであり、入出力インタフェースを介して、ユーザのタッチ位置に対応した信号を制御部51に出力する。例えば、入力部54及び出力部55は、入出力が一体となったタッチスクリーンであって良い。すなわち、入力部54は、タッチスクリーン上に表示された釦等にユーザがタッチすることで必要な情報の入力を受け付け、受け付けた情報に対応する信号を制御部51に出力しても良い。また、入力部54は、例えば、事業者機器5の管理者が事業者機器5に対して指示を入力するためのキーボードやポインティングデバイス等を含んでも良い。
【0058】
出力部55は、例えば液晶、有機EL(Electro Luminescence)等を使用した表示デバイスであり、入出力インタフェースから入力された信号に応じた画像及びメッセージを表示する。例えば、出力部55は、ETC中央装置1から受信した違反車両についての情報を表示することが可能である。
【0059】
車載器6は、制御部61、記憶部62、及び通信部63等を有する。
【0060】
制御部61は、車載器6における制御及びデータ処理等を司る制御ユニットである。制御部61は、CPU、メモリ及びインタフェース等を有する。CPUは、プログラムを実行することにより各種の処理機能を実現するプロセッサである。CPUは、インタフェース等を介して車載器6を構成する各部に接続される。メモリは、CPUが実行するプログラムを記憶する不揮発性メモリ、一時的にデータを保持する揮発性メモリ、及び設定データ等を保存する書換え可能な不揮発性メモリ等の各種のメモリを含む。すなわち、制御部61は、CPUがメモリに記憶されたプログラムを実行することにより各部を制御及びデータ処理を実行する。
【0061】
記憶部62は、メインメモリ等の読出しや書込みが高速に行える記憶媒体を含む。記憶部62は、HDD或いはSSD等の大容量の記憶装置で構成されても良い 。記憶部62は、当該車載器6に関わる各種のデータを記憶する。例えば、記憶部62は、車載器ID、車両7の車種、車両ナンバー、車載器に挿入されたETCカードについてのETCカード情報、及び料金所機器3から受信した各種情報等を記憶する。
【0062】
通信部63は、1つ以上の無線の通信モジュールを含む通信インタフェースである。例えば、通信部63は、料金所機器3と無線接続する通信モジュールを含む。通信部63は、制御部61の制御の下、各機器との間で無線通信を行い、各種情報を送受信することができるものであれば一般的な通信インタフェースで良い。
【0063】
(動作)
図5は、図1に示される情報処理システムにおける処理手順の一例を示すシーケンス図である。
ETC中央装置1の制御部11、特殊許可申請データベース装置2の制御部21、料金所機器3の制御部31、WIM4の制御部41、事業者機器5の制御部51、車載器6の制御部61それぞれが記憶部12、記憶部22、記憶部32、記憶部42、記憶部52、及び記憶部62に格納されたプログラムを読み出して実行することにより、このフローチャートの動作が実現される。
【0064】
このフローチャートは、車両7が有料道路に進入することで開始する。
【0065】
ステップST11で、制御部61は、車両情報を料金所機器3に送信する。車両7が入口料金所に近づくと車載器6の通信部63と料金所機器3の車両通信部36とは通信を確立する。そして、通信部63は、通信部63を通じて、記憶部62に記憶された車両7の車両ナンバー、車載器固有情報、及びETCカード情報等を含む車両情報を料金所機器3に送信する。また、制御部61は、料金所機器3から料金所機器3が設置された入口料金所に対応する料金所識別情報及び入口料金所を通過した日時を示す入口日時情報を受信し、記憶部62に記憶させても良い。
【0066】
ステップST12で、制御部31は、入口明細をETC中央装置1に送信する。車両通信部36を通じて車両情報を受信した制御部31は、記憶部32に記憶された料金所機器3が設置された料金所に対応する料金所識別情報と、入口日時情報とを取得する。制御部31は、車両通信部36を通じて、料金所識別情報及び入口日時情報を車載器6に送信する。さらに、制御部31は、車両情報、料金所識別情報、及び入口日時情報を含む入口明細を生成し、上位通信部33を通じて、当該入口明細をETC中央装置1に送信する。なお、ETC中央装置1の制御部11は、入口明細を情報管理制御部14に出力する。情報管理制御部14は、入口明細に含まれる車両ナンバーに紐付けて入口明細を記憶部12に記憶させても良い。
【0067】
その後、料金所から有料道路に入った車両7がWIM4に進入する。
ステップST13で、制御部41は、WIM情報をETC中央装置1に送信する。進入車両検知部44の上を車両7が通行することで、進入車両検知部44が車両7を検知したことを示す信号を制御部41に出力する。そして、進入車両検知部44から信号を受信した制御部41は、車両情報取得部47に車両情報取得要求を出力する。車両情報取得部47は、車両7の全体を撮影し、車両7の前後に配置されたナンバープレートから車両ナンバーを含むナンバープレート情報を識別する。そして、車両情報取得部47は、識別したナンバープレート情報を制御部41に出力する。
【0068】
また、車両7が軸重計測部46を通過すると、軸重計測部46が備える軸重検出部は、車両7のタイヤが踏んだ重さに応じた検出信号を軸重計測部46が備える軸重算出部に出力する。軸重算出部は、検出信号の波形の平均値を求め当該平均値から軸重を算出する。そして、軸重計測部46は、算出した軸重を制御部41に出力する。
【0069】
最後に退出車両検知部45の上を車両7が通行することで、退出車両検知部45が車両7を検知したことを示す信号を制御部41に出力する。退出車両検知部45から信号を受信した制御部41は、軸重計測部46から受信した軸重及び車両情報取得部47から取得した車両ナンバーを含むWIM情報を生成する。そして、制御部41は、上位通信部43を通じて、ETC中央装置1にWIM情報を送信する。
【0070】
ステップST14で、違反車両判定部15は、重量判定を行う。通信部13を通じてWIM情報を受信した制御部11は、WIM情報を情報管理制御部14に出力する。そして、情報管理制御部14は、WIM情報に含まれる車両ナンバーに紐づけてWIM情報を記憶部12に記憶させる。そして、情報管理制御部14は、WIM情報を違反車両判定部15に出力する。
【0071】
違反車両判定部15は、WIM情報に含まれる軸重についての情報に基づいて、所定の重さを越えているかどうかを判定することで車両7が特殊車両であるかどうかを判定する。ここで、所定の重さは、基準車両の軸重の上限である最高限度値であって良い。例えば、軸重が最高限度値を超えていると判定した場合、違反車両判定部15は、特殊車両信号を制御部11に出力する。なお、軸重が所定の重さを超えていない場合、違反車両判定部15は、車両7が基準車両であると判定し、基準車両信号を制御部11に出力することになる。
【0072】
ここで、以下の説明では、違反車両判定部15によって車両7が特殊車両であると判定された場合について説明する。
【0073】
ステップST15で、制御部11は、特殊許可申請データベース装置2に特殊車両情報要求を送信する。特殊車両信号を受信した制御部11は、車両7が特殊車両申請を行っているかを確認するため、WIM情報に含まれる車両ナンバーを含む特殊車両情報要求を生成する。そして、制御部11は、通信部13を通じて、特殊許可申請データベース装置2に特殊車両情報要求を送信する。
【0074】
ステップST16で、制御部21は、特殊車両情報をETC中央装置1に送信する。通信部23を通じて特殊車両情報要求を受信した制御部21は、特殊車両情報要求に含まれる車両ナンバーを抽出し、抽出した車両ナンバーに対応する特殊車両通行許可データベースを記憶部22から取得する。そして、制御部21は、当該特殊車両通行許可データベースを含む特殊車両情報を生成し、通信部23を通じて、当該特殊車両情報をETC中央装置1に送信する。
【0075】
なお、記憶部22に車両ナンバーに対応する特殊車両通行許可データベースがない場合、制御部21は、該当なしというフラグ情報を含む特殊車両情報を生成し、当該特殊車両情報をETC中央装置1に送信しても良い。なお、制御部11は、特殊車両情報に含まれる車両ナンバーに紐付けて、受信した特殊車両情報を記憶部12に記憶させる。
【0076】
その後、車両7が有料道路を走行し終えて、出口となる出口料金所に進入する。
ステップST17で、制御部61は、車両情報を料金所機器3に送信する。車両7が出口料金所に近づくと車載器6の通信部63と料金所機器3の車両通信部36とは、通信を確立する。そして、通信部63は、通信部63を通じて、記憶部62に記憶された車両7のナンバー情報、車載器固有情報、ETCカード情報、入口明細等を含む車両情報を料金所機器3に送信する。また、制御部61は、料金所機器3から料金所機器3が設置された出口料金所に対応する料金所識別情報を受信し、記憶部62に記憶させても良い。さらに、制御部31は、車載器6から受信した入口明細に基づいて通行料金を決定し、通行料金を徴収して良い。
【0077】
ステップST18で、制御部31は、出口明細をETC中央装置1に送信する。車両通信部36を通じて車両情報を受信した制御部31は、記憶部32に記憶された料金所機器3が設置された料金所に対応する料金所識別情報及び車両7が出口料金所を通過した日時を示す出口日時情報を取得する。制御部31は、車両通信部36を通じて、料金所識別情報を車載器6に送信する。さらに、制御部41は、車両情報、料金所識別情報、及び出口日時情報を含む出口明細を生成し、上位通信部33を通じて、当該出口明細をETC中央装置1に送信する。
【0078】
ステップST19で、違反車両判定部15は、違反車両判定を行う。出口明細を受信した制御部11は、出口明細を情報管理制御部14に出力する。情報管理制御部14は、出口明細に含まれる車両ナンバーに対応する入口明細、WIM情報、及び特殊車両情報を記憶部12から取得する。そして、情報管理制御部14は、入口明細、出口明細、WIM情報、及び特殊車両情報を違反車両判定部15に出力する。違反車両判定部15は入口明細、出口明細、WIM情報、及び特殊車両情報に基づいて車両7が違反車両であるかどうかを判定する。
【0079】
例えば、違反車両判定部15は、WIM情報に含まれる軸重が特殊車両情報に含まれる特殊車両通行許可データベースの車両諸元に含まれる最大軸重を超えているかどうかを判定する。WIM情報に含まれる軸重が最大軸重を超えている場合、違反車両判定部15は、車両7が違反車両であると判定する。
【0080】
さらに、例えば、違反車両判定部15は、入口明細及び出口明細に含まれる料金所識別情報から車両7が通行した経路を決定し、当該走行経路が特殊車両情報中の経路区間に含まれるかどうかを判定する。走行経路が経路区間に含まれない場合、違反車両判定部15は、車両7を違反車両と判定する。
【0081】
さらに、例えば、違反車両判定部15は、入口明細に含まれる入口日時情報及び出口明細に含まれる出口日時情報がそれぞれ特殊車両通行許可データベースに含まれる開始日と終了日との間であるかを判定する。入口日時情報又は出口日時情報のいずれかが開始日と終了日との間にない場合、違反車両判定部15は、車両7を違反車両であると判定する。
【0082】
さらに、例えば、車両情報が前記車両についての情報がないことを示すフラグ情報を含む場合、違反車両判定部15は、車両7を違反車両と判定する。
【0083】
また、違反車両判定部15は、その他の情報が特殊車両通行許可データベースに含まれるか判定しても良い。例えば、制御部11が車両7の通行回数をカウントして通行回数を記憶部12に記憶させておき、情報管理制御部14が当該カウントを違反車両判定部15に出力する。そして、違反車両判定部15は、当該通行回数が特殊車両情報に含まれる所定の回数以内であるかどうか判定する。所定の回数を超える場合、違反車両判定部15は、車両7を違反車両と判定する。
【0084】
ステップST20で、違反車両判定部15は、違反車両情報を生成する。違反車両判定部15が車両7を違反車両であると判定した場合、違反車両判定部15は、特殊車両通行許可データベースに含まれる申請者、車両ナンバー、出口料金所を通過した日時、すなわち出口日時情報、車両諸元、通行経路等を含む違反車両情報を生成する。そして、違反車両判定部15は、当該違反車両情報を制御部11に出力する。
【0085】
ステップST21で、違反車両情報を事業者機器5に送信する。制御部11は、通信部13を通じて、当該違反車両情報を事業者機器5に送信する。違反車両情報を受信した事業者機器5の制御部51は、違反車両情報を記憶部52に記憶させるとともに、違反車両情報を出力部55の表示デバイスに出力して違反情報を表示しても良い。
【0086】
図6は、事業者機器5の出力部55に出力される違反車両情報の一例を示した図である。
図6に示すように、制御部51は、出力部55に違反した車両の申請者、車両番号、発生日時(出場日時情報)、車両諸元、及び通行経路等を表示させて良い。
【0087】
ステップST22で、明細管理部16は、車両7の運転者に対して追加の料金を徴収する。違反車両情報を受信した制御部11は、違反車両情報を明細管理部16に出力する。明細管理部16は、入口明細又は出口明細中の車両情報に含まれるETCカード情報を取得し、ETCカード情報に基づいて、違反車両である車両7の運転者に対して追加の料金を徴収する。
【0088】
図7は、図1に示される情報処理システムのETC中央装置1における処理手順の一例を示すフローチャートである。
すなわち、図7は、図5に示されたシーケンス図のETC中央装置1の動作のみを示したフローチャートである。そして、ETC中央装置1の制御部11が記憶部12に格納されたプログラムを読み出して実行することにより、このフローチャートの動作が実現される。
【0089】
ステップST31で、制御部11は、入口明細を受信する(ステップST31)。制御部11は、通信部13を通じて、料金所機器3から入口明細を受信する。制御部11は、入口明細を情報管理制御部14に出力する。情報管理制御部14は、車両ナンバーに紐付けて入口明細を記憶部12に記憶させる。
【0090】
ステップST32で、制御部11は、WIM情報を受信する。制御部11は、通信部13を通じて、WIM4からWIM情報を受信する。制御部11は、情報管理制御部14にWIM情報を出力する。情報管理制御部14は、車両ナンバーに紐付けてWIM情報を記憶部12に記憶させる。
【0091】
ステップST33で、違反車両判定部15は、車両7が特殊車両かどうか判定する。制御部11は、WIM情報を違反車両判定部15に出力する。違反車両判定部15は、WIM情報に含まれる軸重についての情報に基づいて、車両7の軸重が所定の重さ、すなわち最高限度値を超えているかどうかを判定する。
【0092】
ステップST34で、制御部11は、出口明細を受信する。軸重が所定の重さを超えていない場合、違反車両判定部15は、車両7が基準車両であると判定することになる。そのため、通常の車両と同様に出口明細を受信して、処理を終了する。なお、ETC中央装置1は、料金所機器3から車両7の通行料金についての情報を受信しても良い。
【0093】
一方、ステップST35で、制御部11は、特殊許可申請データベース装置2に特殊車両情報要求を送信する。軸重が所定の重さを超えていると判定した場合、違反車両判定部15は、特殊車両信号を制御部11に出力する。特殊車両信号を受信した制御部11は、車両7が特殊車両申請を行っているかを確認するため、WIM情報に含まれる車両ナンバーを含む特殊車両情報要求を生成する。そして、制御部11は、通信部13を通じて、特殊許可申請データベース装置2に特殊車両情報要求を送信する。
【0094】
ステップST36で、制御部11は、特殊車両情報を受信する。特殊車両情報要求に応答して、特殊許可申請データベース装置2から特殊車両情報を受信する。制御部11は、特殊車両情報を情報管理制御部14に出力する。情報管理制御部14は、車両ナンバーに紐付けて、受信した特殊車両情報を記憶部12に記憶させる。
【0095】
その後、車両7が有料道路を走行し終え、出口となる出口料金所に進入する。
ステップST37で、制御部11は、出口明細を受信する。制御部11は、通信部13を通じて、出口明細を受信する。
【0096】
ステップST38で、違反車両判定部15は、車両7が違反車両であるかどうかを判定する。出口明細を受信した制御部11は、出口明細を情報管理制御部14に出力する。情報管理制御部14は、出口明細に含まれる車両ナンバーに対応する入口明細、WIM情報、及び特殊車両情報を記憶部12から取得する。そして、情報管理制御部14は、入口明細、出口明細、WIM情報、及び特殊車両情報を違反車両判定部15に出力する。違反車両判定部15は入口明細、出口明細、WIM情報、及び特殊車両情報に基づいて車両7が違反車両であるかどうかを判定する。
【0097】
ステップST39で、違反車両判定部15は、違反車両情報を生成する。違反車両判定部15が車両7を違反車両であると判定した場合、違反車両判定部15は、特殊車両通行許可データベースに含まれる申請者、車両ナンバー、出口料金所を通過した日時、すなわち出口日時情報、車両諸元、通行経路等を含む違反車両情報を生成する。そして、違反車両判定部15は、当該違反車両情報を制御部11に出力する。
【0098】
ステップST40で、違反車両情報を事業者機器5に送信する。制御部11は、通信部13を通じて、当該違反車両情報を事業者機器5に送信する。違反車両情報を受信した事業者機器5の制御部51は、違反車両情報を記憶部52に記憶させるとともに、違反車両情報を出力部55の表示デバイスに出力して違反情報を表示しても良い。
【0099】
ステップST41で、明細管理部16は、車両7の運転者に対して追加の料金を徴収する。違反車両情報を受信した制御部11は、違反車両情報を明細管理部16に出力する。明細管理部16は、入口明細又は出口明細中の車両情報に含まれるETCカード情報を取得し、ETCカード情報に基づいて、違反車両である車両7の運転者に対して追加の料金を徴収する。
【0100】
(実施形態の作用効果)
本実施形態によれば、ETC中央装置1は、違反車両の特定のためにWIM4で取得した情報に加えて料金所機器3で取得した情報を用いて車両7が特殊許可申請データベース装置2に記憶された特殊車両情報に適合するか判定することができる。これにより、自動的に特殊車両における違反車両を自動的に判定することが可能となる。
【0101】
さらに、有料道路を違反車両が通過した場合、ETC中央装置1が違反車両の運転手に対して追加の料金を自動的に徴収することが可能となる。
【0102】
[他の実施形態]
なお、この発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、実施形態では、料金所機器3及びWIM4を別個の装置とし説明したが、料金所機器3がWIM4の機能を有していても良い。すなわち、料金所機器3が軸重計測部46及び車両情報取得部47を備えても良い。そして、料金所機器3が管轄する料金所を通行する車両7から軸重及び車両ナンバーを含むナンバープレート情報を取得し、料金所機器3が取得した情報をWIM情報としてETC中央装置1に送信しても良い。
【0103】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0104】
1…ETC中央装置
11…制御部
12…記憶部
13…通信部
14…情報管理制御部
15…違反車両判定部
16…明細管理部
2…特殊許可申請データベース装置
21…制御部
22…記憶部
23…通信部
3…料金所機器
31…制御部
32…記憶部
33…上位通信部
34…発進制御部
35…路側表示器
36…車両通信部
4…WIM
41…制御部
42…記憶部
43…上位通信部
44…進入車両検知部
45…退出車両検知部
46…軸重計測部
47…車両情報取得部
5…事業者機器
51…制御部
52…記憶部
53…通信部
54…入力部
55…出力部
6…車載器
61…制御部
62…記憶部
63…通信部
7…車両
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7