IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ソーラーフロンティア株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-光電変換モジュールの支持構造 図1
  • 特開-光電変換モジュールの支持構造 図2
  • 特開-光電変換モジュールの支持構造 図3
  • 特開-光電変換モジュールの支持構造 図4
  • 特開-光電変換モジュールの支持構造 図5
  • 特開-光電変換モジュールの支持構造 図6
  • 特開-光電変換モジュールの支持構造 図7
  • 特開-光電変換モジュールの支持構造 図8
  • 特開-光電変換モジュールの支持構造 図9
  • 特開-光電変換モジュールの支持構造 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023066115
(43)【公開日】2023-05-15
(54)【発明の名称】光電変換モジュールの支持構造
(51)【国際特許分類】
   E04D 13/18 20180101AFI20230508BHJP
   H02S 20/24 20140101ALI20230508BHJP
   H02S 20/10 20140101ALI20230508BHJP
【FI】
E04D13/18
H02S20/24
H02S20/10 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021176635
(22)【出願日】2021-10-28
(71)【出願人】
【識別番号】513009668
【氏名又は名称】ソーラーフロンティア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100187218
【弁理士】
【氏名又は名称】堀 宏光
(72)【発明者】
【氏名】市川 直毅
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 大輔
(72)【発明者】
【氏名】大内 義紹
【テーマコード(参考)】
2E108
【Fターム(参考)】
2E108KK01
2E108LL01
2E108MM08
2E108NN07
(57)【要約】
【課題】構造物の設置面に加工することなく支持可能な改良された光電変換モジュールの支持構造を提供する。
【解決手段】光電変換モジュールの支持構造10は、少なくとも1つの光電変換モジュール100と、光電変換モジュールを支持する架台200と、少なくとも1つの懸架部材400と、を有する。懸架部材400は、光電変換モジュールを設置している設置面Sを有する構造物500又は建造物500の付帯物のうち設置面Sを除く部分どうしの間で張られている。懸架部材400は、架台200を構成する部材の上で、架台200に取り付けられることなく架台200を構成する部材と交差している。
【選択図】図2

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの光電変換モジュールと、
前記光電変換モジュールを支持する架台と、
少なくとも1つの懸架部材と、を有し、
前記懸架部材は、前記光電変換モジュールを設置している設置面を有する構造物又は前記建造物の付帯物のうち前記設置面を除く部分どうしの間で張られており、
前記懸架部材は、前記架台を構成する部材の上で、前記架台に取り付けられることなく前記架台を構成する前記部材と交差している、光電変換モジュールの支持構造。
【請求項2】
前記懸架部材は、前記架台を構成する前記部材と前記光電変換モジュールとの間を通っている、請求項1に記載の光電変換モジュールの支持構造。
【請求項3】
前記懸架部材は、前記架台と前記光電変換モジュールとによって囲まれた閉領域を通っている、請求項1又は2に記載の光電変換モジュールの支持構造。
【請求項4】
前記懸架部材は、前記設置面に関して略平行に張られている、請求項1から3のいずれか1項に記載の光電変換モジュールの支持構造。
【請求項5】
前記懸架部材は、弾性部材により構成されている、請求項1から4のいずれか1項に記載の光電変換モジュールの支持構造。
【請求項6】
前記懸架部材は、実質的に鋼体により構成されている、請求項1から4のいずれか1項に記載の光電変換モジュールの支持構造。
【請求項7】
前記懸架部材は、可撓性のワイヤにより構成されている、請求項1から4のいずれか1項に記載の光電変換モジュールの支持構造。
【請求項8】
前記光電変換モジュールは、前記設置面に関して傾斜するよう配置されており、
前記懸架部材は、前記設置面に直交する方向から見たときに、前記光電変換モジュールの表面の最大傾斜線の方向に沿って延びている、請求項1から7のいずれか1項に記載の光電変換モジュールの支持構造。
【請求項9】
前記光電変換モジュールは、前記設置面に関して傾斜するよう配置されており、
前記懸架部材は、前記設置面に直交する方向から見たときに、前記光電変換モジュールの表面の最大傾斜線の方向に交差する方向に沿って延びている、請求項1から7のいずれか1項に記載の光電変換モジュールの支持構造。
【請求項10】
少なくとも2つの前記光電変換モジュールを有し、
前記懸架部材は、少なくとも2つの前記光電変換モジュールの下方を通って延びている、請求項1から9のいずれか1項に記載の光電変換モジュールの支持構造。
【請求項11】
前記架台は、第2方向に並んだ複数の前記光電変換モジュールを支持可能に構成されており、
前記懸架部材は、前記第2方向に並んで複数設けられており、
前記第2方向に並んだ前記懸架部材の数は、前記第2方向に並んだ前記光電変換モジュールの数以下である、請求項1から10のいずれか1項に記載の光電変換モジュールの支持構造。
【請求項12】
前記架台の一部上に積載された重石を備え、
前記懸架部材は、前記重石の下を通っている、請求項1から11のいずれか1項に記載の光電変換モジュールの支持構造。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光電変換モジュールの支持構造に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば住宅や工場のような建造物の屋根等に設置される太陽電池モジュールのような光電変換モジュールが知られている。近年、光電変換モジュールは、様々な建造物の屋根に設置されている。
【0003】
特許文献1は、構造物の屋上に設置されるソーラーパネルを支持するソーラーパネルの支持構造を開示する。特許文献1に記載の支持構造では、ソーラーパネルは、紐状物によって、ソーラーパネルを設置している構造物の屋上の床面を除いた非床面箇所に取り付けられる。この紐状物は、その両端でパラペットのような非床面箇所に取り付けられており、非床面箇所どうしの間で張られている。この紐状物の中間部分は、ソーラーパネルの表面に沿って配置されるか(特許文献1の図1参照)、クランプによって架台に固定されている(特許文献1の図4参照)。これにより、ソーラーパネルは、床面に施されている防水層に加工を施すことなく、紐状物によって支持される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015-059360号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1は、構造物の設置面に加工することなく支持可能な光電変換モジュールの支持構造を開示する。特許文献1に記載されているように紐状物が光電変換モジュールの表面に沿って配置される場合、紐状物が影になるため、光電変換効率の低下を招く。また、紐状物から光電変換モジュールに余計な負荷をかけてしまうことがある。
【0006】
一方、パラペットどうしの間にかけ渡した紐状物の中間部分をクランプによって架台に固定する場合、特許文献1の図4に示されているように、紐状物は、十分に引っ張られた緊張状態において架台の支柱と交差する。この緊張状態の紐状物の中間部分と架台の支柱とをクランプで一緒に挟み込む作業は難しいと考えられる。
【0007】
したがって、構造物の設置面に加工することなく支持可能な改良された光電変換モジュールの支持構造が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一態様に係る光電変換モジュールの支持構造は、少なくとも1つの光電変換モジュールと、前記光電変換モジュールを支持する架台と、少なくとも1つの懸架部材と、を有する。前記懸架部材は、前記光電変換モジュールを設置している設置面を有する構造物又は前記建造物の付帯物のうち前記設置面を除く部分どうしの間で張られている。前記懸架部材は、前記架台を構成する部材の上で、前記架台に取り付けられることなく前記架台を構成する前記部材と交差している。
【発明の効果】
【0009】
上記態様によれば、構造物の設置面に加工することなく支持可能な改良された光電変換モジュールの支持構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1実施形態における光電変換モジュールの支持構造の模式的斜視図である。
図2図1の2A方向から見た第1実施形態における光電変換モジュールの支持構造の模式的平面図である。
図3】設置面Sに直交する方向から見た第1実施形態における光電変換モジュールの支持構造の模式的平面図である。
図4】第2実施形態における光電変換モジュールの支持構造の模式的平面図である。
図5】第3実施形態における光電変換モジュールの支持構造の模式的平面図である。
図6】第4実施形態における光電変換モジュールの支持構造の模式的斜視図である。
図7図6の7A方向から見た第4実施形態における光電変換モジュールの支持構造の模式的平面図である。
図8】設置面Sに直交する方向から見た第4実施形態における光電変換モジュールの支持構造の模式的平面図である。
図9】第5実施形態における光電変換モジュールの支持構造の模式的平面図である。
図10】設置面Sに直交する方向から見た第5実施形態における光電変換モジュールの支持構造の模式的平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、実施形態について説明する。以下の図面において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なることがあることに留意すべきである。
【0012】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態における光電変換モジュールの支持構造の模式的斜視図である。図2は、図1の2A方向から見た第1実施形態における光電変換モジュールの支持構造の模式的平面図である。図3は、設置面Sに直交する方向から見た第1実施形態における光電変換モジュールの支持構造の模式的平面図である。
【0013】
本実施形態において、光電変換モジュールの支持構造10は、少なくとも1つの光電変換モジュール100と、光電変換モジュール100を支持する架台200と、少なくとも1つの懸架部材400と、を有していてよい。光電変換モジュール100及び架台200は、好ましくは構造物の屋根の床面ような設置面Sに設けられていてよい。
【0014】
構造物500は、例えば工場、倉庫及び一般住宅のような建造物であってよい。光電変換モジュール100及び架台200が設置される屋根の種類は、特に制限されない。屋根は、例えば、水平な、又は比較的緩やかな勾配を有する陸屋根であってよい。
【0015】
光電変換モジュール100は、光電変換パネルと、当該光電変換パネルのまわりに設けられたフレームと、を有していてよい。光電変換パネルは、光エネルギーと電気エネルギーを相互に変換するパネルである。なお、本明細書において、光電変換モジュール100の「表面側」は、光エネルギーを受ける側、又は光エネルギーを発する側を意味する。光電変換パネルが太陽電池パネルである場合、「表面側」は、太陽光を受ける受光側に相当する。また、「裏面側」は、「表面側」と反対側を意味する。
【0016】
光電変換モジュール100は、設置面Sよりも上方で、設置面Sに関して傾斜して支持されていてよい。具体的には、光電変換モジュール100の表面、すなわち光電変換パネルの表面が、設置面Sに対して傾斜していてよい。
【0017】
光電変換モジュール100は、架台200に支えられていてよい。架台200は、設置面Sに置かれている。ここで、架台200は、設置面Sに直接固定されていなくてよい。光電変換モジュールの支持構造10は、架台200の一部上に積載された重石300を備えていてもよい。重石300の荷重により、架台200は安定的に保持される。
【0018】
架台200の構造は、特に制限されない。一例では、架台200は、例えば複数の縦材210と、複数の横材220と、複数の支柱230と、を有していてよい。縦材210は、光電変換モジュール100の短辺方向に沿って延びた長尺部材によって構成されていてよい。横材210は、光電変換モジュール100の長辺方向に沿って延びた長尺部材によって構成されていてよい。支柱230は、光電変換モジュール100を設置面Sより上方で支持できるように高さ方向に延びていてよい。
【0019】
図1に示す例では、光電変換モジュールの支持構造10は、複数の光電変換モジュール100を有する。光電変換モジュールの支持構造10は、図1に示すように、第1方向(図のY方向)に複数並んでいてもよい。この場合、架台200の縦材210は、第1方向に並んだ複数の光電変換モジュール100にわたって延びていてよい。これにより、架台200は、第1方向に並んだ複数の光電変換モジュール100を支持することができる。
【0020】
光電変換モジュールの支持構造10は、図1に示すように、第2方向(図のX方向)に複数並んでいてもよい。この場合、架台200の横材220は、第2方向に並んだ複数の光電変換モジュール100にわたって延びていてよい。これにより、架台200は、第2方向に並んだ複数の光電変換モジュール100を支持することができる。
【0021】
なお、図示した態様の代わりに、光電変換モジュール支持構造10は、第1方向及び/又は第2方向において1つの光電変換モジュール100のみを有していてもよい。
【0022】
懸架部材400は、架台200を設置している設置面Sを有する構造物500のうち設置面Sを除く部分510どうしの間で張られている。具体的には、第1実施形態では、懸架部材400が取り付けられている部分510は、構造物500の設置面Sから上方に突出した部分、例えばパラペットの壁部に位置する。構造物500に取り付けられる懸架部材400の両端部は、構造物500に取り付け可能であればどのような構成を有していても良い。懸架部材400の両端部は、例えばボルトや螺子のような締結部材を有していてよい。
【0023】
懸架部材400が構造物500の設置面Sよりも上方に取り付けられる場合、懸架部材400が設置面Sに直接取り付けられる場合と比較すると、懸架部材400の設置時に、構造物の、設置面Sよりも下方の部分に振動が伝わり難いため、構造物内の精密機器に与える影響や人に対する不快感を緩和することができる。さらに、設置面Sに雨のような水がたまったときであっても、取付部510から構造物の内部へ漏水するリスクを軽減するができる。
【0024】
懸架部材400は、架台200を構成する部材の上で、架台200に取り付けられることなく架台200を構成する部材と交差している。第1実施形態では、懸架部材400は、架台200の横材220の上で、横材220に交差するよう延びている。第1実施形態では、光電変換モジュール支持構造10は、Y方向に少なくとも2つの光電変換モジュール100を有しており、懸架部材400は、少なくとも2つの光電変換モジュール100の下方を通って延びていることが好ましい。
【0025】
懸架部材400は、前述したように、横材220の上で、横材220に交差するよう延びている。したがって、風圧により光電変換モジュール100が架台200ごと浮き上がったとき、懸架部材400は、横材220に当接し、これにより光電変換モジュール100及び架台200の更なる浮き上がりを抑止する。したがって、光電変換モジュール100及び架台200が強風により吹き飛ばされることが抑制される。
【0026】
また、懸架部材400は、架台200を構成する部材に取り付けられておらず、構造物500どうしの間にかけ渡されている。したがって、懸架部材400の設置に必要な作業が容易である。
【0027】
懸架部材400は、第2方向(図のX方向)に並んで複数設けられていてよい。複数の懸架部材400が1つの架台200を支持することによって、架台200をより安定的に支持することができる。
【0028】
懸架部材400は、架台200を構成する部材、例えば横材220と光電変換モジュール100との間を通っていてよい。言い換えると、懸架部材400は、光電変換モジュール100よりも下方を通っている。これにより、懸架部材400の影による光電変換効率の低下を防止することができる。
【0029】
好ましくは、懸架部材400は、架台200と光電変換モジュール100とによって囲まれた閉領域を通っている。第1実施形態では、架台200の支柱230と、横材220と、光電変換モジュール100とによって囲まれた閉領域が形成されている(図1参照)。懸架部材400は、この閉領域を通ることが好ましい。懸架部材400が閉領域を通ることによって、懸架部材400、光電変換モジュール100及び架台200のいずれかが破壊されない限り、光電変換モジュール100及び架台200は懸架部材400から外れないというメリットがある。
【0030】
懸架部材400は、設置面Sに関して略平行に張られていてよい。懸架部材400の、設置面Sに対して成す角度は、10°以下であってよい。懸架部材400の、設置面Sに対して成す角度が小さいと、光電変換モジュールが風で持ち上げられたとしても、光電変換モジュールの持ち上げられる高さ(移動距離)がなるべく抑制される。この代わりに、懸架部材400は、設置面Sに関して角度を付けて張られていてもよい。
【0031】
第1実施形態では、光電変換モジュール100の表面は、設置面Sに関して傾斜するよう配置されている。また、懸架部材400は、設置面Sに直交する方向から見たときに、光電変換モジュール100の表面の最大傾斜線の方向Mに沿って延びている(図3参照)。言い換えると、懸架部材400は、設置面Sに平行な面内に射影されたときに、光電変換モジュール100の表面の最大傾斜線の方向Mに沿って延びている。本明細書では、設置面Sに平行な射影面内で、懸架部材400と最大傾斜線の方向Mとの間の角度が30°以下であれば、懸架部材400は、設置面Sに平行な射影面内で、光電変換モジュール100の表面の最大傾斜線の方向Mに沿って延びているものと定義するものとする。
【0032】
また、設置面Sに平行な射影面内で、懸架部材400と最大傾斜線の方向Mとの間の角度は、例えば0°以上、好ましくは10°以上であってよい。懸架部材400と最大傾斜線の方向Mとの間に角度を付けることによって、懸架部材400に外力が加わったとしても、取付部510に対して斜め方向に力は働くため、懸架部材400の引き抜き強度が増す。
【0033】
懸架部材400は、可撓性のワイヤのような紐状物により構成されていてよい。この場合、紐状物は、例えば不図示のターンバックルのような張力調整機構を有していてよい。これにより、懸架部材400に働く張力を懸架部材400ごとに容易に調整することができる。
【0034】
前述した態様の代わりに、懸架部材400は、弾性部材により構成されていてよい。弾性部材は、例えばゴム部材やばね部材であってよい。この場合、懸架部材400は、自然長から伸張された状態で、構造物500どうしの間でかけ渡されていてよい。突風のような風圧により突発的に強い外力が光電変換モジュール100及び架台200に加えられたとしても、弾性部材により外力を緩和することができる。したがって、突発的な強風により光電変換モジュール100及び架台200が勢いよく移動することに伴う外力を抑制でき、光電変換モジュール100及び架台200の破壊を抑制できる。また、弾性部材は、外力を吸収することによって取付部510に過大な引抜荷重が加わることを抑制し、これにより、懸架部材400の脱落や引き抜けの防止を図ることができる。
【0035】
前述した態様の代わりに、懸架部材400は、実質的に鋼体により構成されていてもよい。このような剛体として、例えば鉄骨や鉄棒のような長尺の鋼材等が挙げられる。このような剛体は、外力が加えられても実質的に曲がらない。したがって、このような部材により構成される懸架部材400は、破壊されない限り、光電変換モジュール100の架台200を浮き上がらせることなく強固に支えることができる。
【0036】
好ましくは、懸架部材400は、第2方向(図のX方向)に並んで複数設けられており、第2方向に並んだ懸架部材400の数は、第2方向に並んだ光電変換モジュールの数以下である。図1図3に示す態様では、第2方向に並んだ懸架部材400の数は、第2方向に並んだ光電変換モジュールの数と同数である。例えば、懸架部材400は、第2方向に並んだ光電変換モジュール1つあたりに1つ設けられていてよい。このように複数の光電変換モジュール100を支持可能な架台200を使用することにより、1つの光電変換モジュール100あたりに使用される懸架部材400の数を削減することができる。
【0037】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態に係る光電変換モジュールの支持構造について、図4を参照して説明する。図4は、第2実施形態における光電変換モジュールの支持構造の模式的平面図である。
【0038】
第2実施形態において、第1実施形態と同様の構成については同じ符号が付されていることに留意されたい。第1実施形態と同様の構成については、その説明を省略することがあることに留意されたい。
【0039】
第2実施形態では、懸架部材400は、重石300の下を通っている。具体的には、懸架部材400は、重石300と架台200との間を通っている。なお、懸架部材400は、重石300と架台200とによって挟まれているだけであり、重石300又は架台200には固定されていなくてよい。
【0040】
第2実施形態では、懸架部材400は、重石300によって押さえ付けられるため、懸架部材400によって光電変換モジュール100及び架台200がより安定的に支持されることになる。
【0041】
[第3実施形態]
次に、第3実施形態に係る光電変換モジュールの支持構造について、図5を参照して説明する。図5は、第3実施形態における光電変換モジュールの支持構造の模式的平面図である。
【0042】
第3実施形態において、第1実施形態及び/又は第2実施形態と同様の構成については同じ符号が付されていることに留意されたい。第1実施形態及び/又は第2実施形態と同様の構成については、その説明を省略することがあることに留意されたい。
【0043】
第3実施形態では、懸架部材400は、設置面Sを有する構造物500自体に直接は取り付けられておらず、構造物500に備わっている付帯物に取り付けられている。すなわち、懸架部材400は、光電変換モジュール100を設置している設置面Sを有する構造物500の付帯物のうち設置面Sを除く部分どうしの間で張られている。このような付帯物は、例えば構造物に取り付けられた丸環、フェンス、土台及び配管等であってよい。この場合、光電変換モジュール100及び架台200の設置個所をより柔軟に決定することができる。
【0044】
第3実施形態では、懸架部材400の両端が、設置面Sを有する構造物500の付帯物に取り付けられている。この代わりに、懸架部材400の一方の端が、構造物500の付帯物に取り付けられており、懸架部材400の他方の端が、構造物500自体に取り付けられていてもよい。
【0045】
[第4実施形態]
次に、第4実施形態に係る光電変換モジュールの支持構造について、図6図8を参照して説明する。図6は、第4実施形態における光電変換モジュールの支持構造の模式的斜視図である。図7は、図6の7A方向から見た第4実施形態における光電変換モジュールの支持構造の模式的平面図である。図8は、設置面Sに直交する方向から見た第4実施形態における光電変換モジュールの支持構造の模式的平面図である。
【0046】
第4実施形態において、第1実施形態から第3実施形態と同様の構成については同じ符号が付されていることに留意されたい。第1実施形態から第3実施形態と同様の構成については、その説明を省略することがあることに留意されたい。
【0047】
第4実施形態では、懸架部材400は、架台200を構成する縦材210の上で、縦材210と交差している。懸架部材400は、図のY方向に隣接する2つの光電変換モジュール100どうしの間に位置していてよい。この場合であっても、懸架部材400は、縦材210の上に位置していることに留意されたい。
【0048】
第4実施形態では、光電変換モジュール100の表面は、設置面Sに関して傾斜するよう配置されている。また、懸架部材400は、設置面Sに直交する方向から見たときに、光電変換モジュール100の表面の最大傾斜線の方向Mに交差、例えば直交する方向Oに沿って延びている(図8参照)。言い換えると、懸架部材400は、設置面Sに平行な射影面内で、光電変換モジュール100の表面の最大傾斜線の方向Mに直交する方向Oに沿って延びている。本明細書では、設置面Sに平行な射影面内で、懸架部材400と最大傾斜線の方向Mに直交する方向Oとの間の角度が30°以下であれば、懸架部材400は、設置面Sに平行な面内で、光電変換モジュール100の表面の最大傾斜線の方向Mに直交する方向に沿って延びているものと定義する。
【0049】
例えば、図8のY方向(最大傾斜線の方向M)の両側に作業用の通路を確保する必要がある場合、懸架部材400が当該作業用の通路の邪魔にならないよう、懸架部材400は、設置面Sに直交する方向から見たときに、図8に示すように、光電変換モジュール100の表面の最大傾斜線の方向Mに交差、例えば直交する方向Oに沿って延びていることが好ましい。また、図のX方向において光電変換モジュールから、懸架部材400を取り付け可能な構造物又は付帯物までの距離が長い場合、懸架部材400を撓みなく張ることが難しいことがあり、懸架部材400の数も過剰に増えてしまうことがある。このような場合、懸架部材400は、設置面Sに直交する方向から見たときに、図8に示すように、光電変換モジュール100の表面の最大傾斜線の方向Mに交差、例えば直交する方向Oに沿って延びていることが好ましい。
【0050】
光電変換モジュール100の表面が設置面Sに関して傾斜している場合、光電変換モジュール100の裏側から表側に向かう風圧が光電変換モジュール100にかかることがある。この場合、光電変換モジュール100に与えられる風圧は、設置面Sに平行な面内では、光電変換モジュール100の表面の最大傾斜線の方向Mに沿って加わる。したがって、光電変換モジュール100及び架台200は、強風により最大傾斜線の方向Mに移動し易くなる。第4実施形態では、懸架部材400が最大傾斜線の方向Mに交差する方向に沿って設けられるため、このような最大傾斜線の方向Mに光電変換モジュール100及び架台200が移動することが抑制され易くなる。
【0051】
[第5実施形態]
次に、第5実施形態に係る光電変換モジュールの支持構造について、図9図10を参照して説明する。図9は、第5実施形態における光電変換モジュールの支持構造の模式的平面図である。図10は、設置面Sに直交する方向から見た第5実施形態における光電変換モジュールの支持構造の模式的平面図である。
【0052】
第5実施形態において、第1実施形態から第4実施形態と同様の構成については同じ符号が付されていることに留意されたい。第1実施形態から第4実施形態と同様の構成については、その説明を省略することがあることに留意されたい。
【0053】
第5実施形態では、懸架部材400は、架台200を構成する縦材210の上で、縦材210と交差している。懸架部材400は、それぞれの光電変換モジュール100の直下に位置していてよい。この場合であっても、懸架部材400は、縦材210の上に位置していることに留意されたい。
【0054】
第5実施形態では、懸架部材400は、架台200と光電変換モジュール100とによって囲まれた閉領域を通っている。具体的には、懸架部材400は、架台200の支柱230と、横材220と、光電変換モジュール100とによって囲まれた閉領域を通っている。
【0055】
また、第5実施形態において、互いに隣接する光電変換モジュール100どうしの間に隙間Gが開けられている。この隙間Gは、人が通行可能な幅、又は隣接する光電変換モジュールの影がかからないようにするための幅、例えば20cm以上の幅を有していてよい。隙間Gが人が通行可能な幅を有する場合、隙間Gは、光電変換モジュール100のメンテナンスのために利用される。この場合、懸架部材400が前述の隙間Gに通されていると、人が隙間Gを通行する邪魔になることがある。第5実施形態では、懸架部材400はこのような隙間Gを避けて張られている。
【0056】
具体的には、懸架部材400は、設置面Sに直交する方向から見て光電変換モジュール100に重複する領域を通って、構造物500又はその付帯物どうしの間にかけ渡されている。
【0057】
上述したように、実施形態を通じて本発明の内容を開示したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替の実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなる。したがって、本発明の技術的範囲は、上述の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【符号の説明】
【0058】
10 光電変換モジュールの支持構造
100 光電変換モジュール
200 架台
400 懸架部材
500 構造物
S 設置面

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10