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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023066124
(43)【公開日】2023-05-15
(54)【発明の名称】陳列フックのアタッチメント
(51)【国際特許分類】
   A47F 5/00 20060101AFI20230508BHJP
【FI】
A47F5/00 D
A47F5/00 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021176649
(22)【出願日】2021-10-28
(71)【出願人】
【識別番号】000115980
【氏名又は名称】レンゴー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100130513
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 直也
(74)【代理人】
【識別番号】100074206
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 文二
(74)【代理人】
【識別番号】100130177
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 弥一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100117400
【弁理士】
【氏名又は名称】北川 政徳
(74)【代理人】
【識別番号】100161746
【弁理士】
【氏名又は名称】地代 信幸
(74)【代理人】
【識別番号】100166796
【弁理士】
【氏名又は名称】岡本 雅至
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 明人
(72)【発明者】
【氏名】田邉 航平
(72)【発明者】
【氏名】田中 千春
【テーマコード(参考)】
3B118
【Fターム(参考)】
3B118FA04
3B118FA11
(57)【要約】
【課題】価格表示を遮ることなく、商品を容易に取り出し、或いは戻すことができる陳列フック用のアタッチメントを提供する。
【解決手段】下段ロッド21と上段ロッド22とを備えた陳列フック20に取り付けられるアタッチメントAにおいて、上段ロッド22に固定するための取付部1と、取付部1から前方へ延びる延伸部2と、延伸部2の先端側から下方へ向かう垂下部3とから構成され、取付部1は、上段ロッド22を抱持する部分の下方に延伸部2の付根となる部分を備え、延伸部2は、付根側から先端側へ至る前後方向の中間部に上方へ向きを変えて延びる変向部10が設けられた形状とし、陳列フック20への取付状態で、延伸部2が下段ロッド21と上段ロッド22の間で前方へ延び、変向部10により下段ロッド21の鉤部21aを回避して、垂下部3と下段ロッド21の先端との間に間隔が開くものとする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下段ロッド(21)と上段ロッド(22)とを備え、それらの前部の先端が開放された陳列フック(20)に取り付けられるアタッチメントにおいて、
前記上段ロッド(22)に固定するための取付部(1)と、前記取付部(1)から前方へ延びる延伸部(2)と、前記延伸部(2)の先端側から下方へ向かう垂下部(3)とから構成され、
前記取付部(1)は、前記上段ロッド(22)を抱持する部分の下方に前記延伸部(2)の付根となる部分を備えた形状とされ、
前記取付部(1)による前記陳列フック(20)への取付状態で、前記延伸部(2)が前記下段ロッド(21)と前記上段ロッド(22)の間で前方へ延び、前記上段ロッド(22)の下方から前記下段ロッド(21)よりも前方へ突出し、前記垂下部(3)と前記下段ロッド(21)の先端との間に間隔が開くことを特徴とする陳列フックのアタッチメント。
【請求項2】
前記取付部(1)は、前記上段ロッド(22)の外周下部に沿うベース部(4)と、前記上段ロッド(22)の外周上部に沿うカバー部(5)とがヒンジ(6)を介して連結された構成であり、
前記ベース部(4)には、上下方向に並ぶ複数の係合溝(7)が形成され、前記カバー部(5)には、先端側に係合片(8)が設けられ、
前記係合片(8)を、上段ロッド(22)の外径に応じて、前記複数の係合溝(7)のうち、いずれの係合溝(7)に係合させるかを選択することにより、外径が異なる上段ロッド(22)に固定可能となっていることを特徴とする請求項1に記載の陳列フックのアタッチメント。
【請求項3】
前記ベース部(4)及び前記カバー部(5)には、それぞれ前記上段ロッド(22)の外周下部及び上部が嵌まり込むロッド溝(4a,5a)が形成され、
前記ロッド溝(4a,5a)の内周面には、前記上段ロッド(22)の抱持状態で、その外径の微差を吸収する弾性部材(1a)が付設されていることを特徴とする請求項2に記載の陳列フックのアタッチメント。
【請求項4】
前記取付部(1)は、前記上段ロッド(22)の外周下部に沿うベース部(12)と、前記上段ロッド(22)の外周上部に沿うカバー部(13)とが着脱自在の別体とされた構成であり、
前記ベース部(12)に対する前記カバー部(13)の前後方向へのスライドに伴い、前記カバー部(13)が弾力的に縮径又は拡径し、
前記ベース部(12)に前記カバー部(13)を装着した状態で、前記ベース部(12)に対して前記カバー部(13)をスライドさせると、縮径した前記カバー部(13)により上段ロッド(22)がその外径に応じて締め付けられ、無段階に外径が異なる上段ロッド(22)に固定可能となっていることを特徴とする請求項1に記載の陳列フックのアタッチメント。
【請求項5】
前記延伸部(2)は、付根側から先端側へ至る前後方向の中間部に上方へ向きを変えて延びる変向部(10)が設けられた形状であり、
前記陳列フック(20)への取付状態で、前記変向部(10)により前記下段ロッド(21)の先端側で上方へ向いた鉤部(21a)を回避することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の陳列フックのアタッチメント。
【請求項6】
前記垂下部(3)は、ヒンジ(14)を軸として上下方向に揺動することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の陳列フックのアタッチメント。
【請求項7】
前記垂下部(3)には、ビス用の貫穴(11)が設けられ、前記貫穴(11)と販売促進用品の貫穴とにビス(33)を挿通して、販売促進用品を前記垂下部(3)に取り付けることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の陳列フックのアタッチメント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、上段ロッドと下段ロッドとを備えた陳列フックに取り付けて、商品のサンプル等を保持するためのアタッチメントに関するものである。
【背景技術】
【0002】
店頭で買物客が商品の使用感を購入前に確認できるようにするため、下記特許文献1においては、図8に示すように、陳列フック20に取り付けて、商品35の試供用のサンプル36を手に取れるように保持しておくアタッチメントAが提案されている。
【0003】
陳列フック20は、金属棒の折り曲げにより形成された下段ロッド21と上段ロッド22とを備え、それらの前部である先端が開放され、下段ロッド21が上段ロッド22よりも前方へ長く延び、後部の係止部材23を店頭什器の桟Pに係合させて取り付けられるものである。下段ロッド21には、商品35(この例ではステープラーとそのパッケージ)が前後に並べて吊り下げられ、下段ロッド21の先端部には、商品35の脱落を防止する上向きの鉤部21aが形成されている。上段ロッド22の先端部には、商品35の価格を印刷した紙片が挿入される価格表示ホルダー40が取り付けられる。
【0004】
アタッチメントAは、上段ロッド22に固定するための取付部51と、取付部51の上部から前方へ延びる板状の延伸部52と、延伸部52の先端からヒンジ53を介して下方へ向かう板状の透明な垂下部54とから構成されている。サンプル36を保持する垂下部54は、延伸部52に対して上下方向に揺動自在とされている。
【0005】
また、下記特許文献2においては、図9に示すようなアタッチメントAが提案されている。このアタッチメントAは、可撓性のシート材から成り、価格表示ホルダー40に差し込まれる取付部61と、取付部61の両側から上部で湾曲して下方へ延びる左右一対の帯状の垂下部62と、垂下部62の下端に連設されたトレイ状のサンプル保持部63とを備えたものである。
【0006】
これらの陳列フック20のアタッチメントA,Aでは、下段ロッド21に吊り下げられた商品を購入する際、陳列フック20からアタッチメントA,Aを取り外さなくても、垂下部54又は62を上方へ揺動させることにより、下段ロッド21から商品を前方へ取り出すことができる。また、一旦取り出した商品を下段ロッド21に吊り下げて戻すこともできる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006-75228号公報
【特許文献2】登録実用新案第3159080号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、図8に示すようなアタッチメントAでは、垂下部54に透明な素材を使用しなければ、価格表示ホルダー40に表示された価格表示が見えなくなるため、使用できる素材や形状が限られることになる。
【0009】
また、商品35を取り出したり戻したりする際、一方の手で垂下部54を上方へ揺動させ、その状態に保持しながら、他方の手で商品35を取り出し、或いは戻さなければならず、荷物を持っている場合、商品35の取り出しや戻しが難しいという問題がある。
【0010】
同様に、図9に示すようなアタッチメントAにおいても、垂下部62を上方へ揺動させて、サンプル保持部63を一方の手で保持しながら、他方の手で商品を下段ロッド21から取り出し、或いは下段ロッド21に戻さなければならないという問題がある。
【0011】
そこで、この発明は、価格表示を遮ることなく、商品を容易に取り出し、或いは戻すことができる陳列フック用のアタッチメントを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するため、この発明は、下段ロッドと上段ロッドとを備え、それらの前部の先端が開放された陳列フックに取り付けられるアタッチメントにおいて、
前記上段ロッドに固定するための取付部と、前記取付部から前方へ延びる延伸部と、前記延伸部の先端側から下方へ向かう垂下部とから構成され、
前記取付部は、前記上段ロッドを抱持する部分の下方に前記延伸部の付根となる部分を備えた形状とされ、
前記取付部による前記陳列フックへの取付状態で、前記延伸部が前記下段ロッドと前記上段ロッドの間で前方へ延び、前記上段ロッドの下方から前記下段ロッドよりも前方へ突出し、前記垂下部と前記下段ロッドの先端との間に間隔が開くものとしたのである。
【0013】
また、前記取付部は、前記上段ロッドの外周下部に沿うベース部と、前記上段ロッドの外周上部に沿うカバー部とがヒンジを介して連結された構成であり、
前記ベース部には、上下方向に並ぶ複数の係合溝が形成され、前記カバー部には、先端側に係合片が設けられ、
前記係合片を、上段ロッドの外径に応じて、前記複数の係合溝のうち、いずれの係合溝に係合させるかを選択することにより、外径が異なる上段ロッドに固定可能となっているものとしたのである。
【0014】
さらに、前記ベース部及び前記カバー部には、それぞれ前記上段ロッドの外周下部及び上部が嵌まり込むロッド溝が形成され、
前記ロッド溝の内周面には、前記上段ロッドの抱持状態で、その外径の微差を吸収する弾性部材が付設されているものとしたのである。
【0015】
或いは、前記取付部は、前記上段ロッドの外周下部に沿うベース部と、前記上段ロッドの外周上部に沿うカバー部とが着脱自在の別体とされた構成であり、
前記ベース部に対する前記カバー部の前後方向へのスライドに伴い、前記カバー部が弾力的に縮径又は拡径し、
前記ベース部に前記カバー部を装着した状態で、前記ベース部に対して前記カバー部をスライドさせると、縮径した前記カバー部により上段ロッドがその外径に応じて締め付けられ、無段階に外径が異なる上段ロッドに固定可能となっているものとしたのである。
【0016】
さらに、前記延伸部は、付根側から先端側へ至る前後方向の中間部に上方へ向きを変えて延びる変向部が設けられた形状であり、
前記陳列フックへの取付状態で、前記変向部により前記下段ロッドの先端側で上方へ向いた鉤部を回避するものとしたのである。
【0017】
或いは、前記垂下部は、ヒンジを軸として上下方向に揺動するものとしたのである。
【0018】
そして、前記垂下部には、ビス用の貫穴が設けられ、前記貫穴と販売促進用品の貫穴とにビスを挿通して、販売促進用品を前記垂下部に取り付けるものとしたのである。
【発明の効果】
【0019】
この発明に係る陳列フックのアタッチメントでは、取付部により陳列フックの上段ロッドに固定した取付状態で、延伸部が下段ロッドと上段ロッドの間で前方へ延び、垂下部と下段ロッドの先端との間に間隔が開くようになっているので、垂下部に商品のサンプルやPOP等の販売促進用品を吊り下げても、上段ロッドの先端部の価格表示が遮られることがなく、下段ロッドに吊り下げられた商品の取り出しや戻しを容易に行うことができ、商品購入時の納得感を高め、販売促進効果の向上が期待できる。
【0020】
また、取付部の構成を、ベース部とカバー部とがヒンジを介して連結され、カバー部の先端側の係合片をベース部のいずれの係合溝に係合させるかを選択することにより、外径が異なる上段ロッドに固定できるものとしているので、上段ロッドの外径ごとに取付部の対応寸法が異なるアタッチメントを用意する必要がなく、陳列コストを削減できる。
【0021】
また、取付部の構成を、ベース部とカバー部とが着脱自在の別体とされ、ベース部に対するカバー部の前後方向へのスライドに伴い、カバー部が弾力的に縮径又は拡径し、縮径したカバー部により上段ロッドがその外径に応じて締め付けられ、無段階に外径が異なる上段ロッドに固定できるものとすれば、汎用性が高いものとなる。
【0022】
さらに、延伸部の形状を、前後方向の中間部に上向きの変向部が設けられ、陳列フックへの取付状態で、変向部により下段ロッドの鉤部を回避するものとしているので、下段ロッドに吊り下げられた商品の取り出しや戻しを片手で容易に行うことができる。
【0023】
或いは、前記垂下部がヒンジを軸として上下方向に揺動するものとしても、下段ロッドに吊り下げられた商品を前方へ引っ張る際に、垂下部を商品で押し退けるように上方へ揺動させて、商品を容易に取り出すことができる。
【0024】
また、垂下部にビス用の貫穴を設け、ビスを用いて商品のサンプルを保持するサンプルホルダーを垂下部に取り付けるようにしているので、サンプルホルダーの台紙を告知面として利用できるほか、種々のサンプルホルダーに交換して、様々な形状の商品サンプルに対応することができる。さらに、垂下部にPOP広告等を取り付けることもでき、店頭の限られたスペースで効果的に商品のPRをすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】この発明の第1実施形態に係る陳列フックのアタッチメントの店頭における使用状態を示す斜視図
図2】同上のアタッチメントの拡大斜視図
図3】同上のカバー部を開いた取付部の状態を示す(a)後方からの拡大斜視図、(b)後面図
図4】同上の大径の上段ロッドを抱持した取付部の状態を示す後面図
図5】同上の小径の上段ロッドを抱持した取付部の状態を示す後面図
図6】同上の第2実施形態に係る取付部を示す後方からの拡大斜視図
図7】同上の第3実施形態に係るアタッチメントの使用状態を示す斜視図
図8】特許文献1に記載の陳列フックのアタッチメントの使用状態を示す斜視図
図9】特許文献2に記載の陳列フックのアタッチメントの使用状態を示す斜視図
【発明を実施するための形態】
【0026】
<使用環境の概要>
図1に示すように、ここで示すアタッチメントAは、従来と同様の陳列フック20に取り付け、商品30(この例では化粧品とそのパッケージ)の試供品として、サンプルホルダー31に挿入されるサンプル32を買物客が手に取れるように保持するため、サンプルホルダー31をプラスチック製のビス33で取り付けておくものである。
【0027】
陳列フック20は、上述のとおり、金属棒の折り曲げにより形成された下段ロッド21と上段ロッド22とを備え、それらの前部である先端が開放され、下段ロッド21が上段ロッド22よりも前方へ長く延び、後部の係止部材23を店頭什器の桟Pに係合させて取り付けられるものである。下段ロッド21には、商品30が前後に並べて吊り下げられ、下段ロッド21の先端部には、商品30の脱落を防止する上向きの鉤部21aが形成されている。上段ロッド22の先端部には、商品30の価格を印刷した紙片が挿入される価格表示ホルダー40が取り付けられる。なお、下段ロッド21と上段ロッド22の材料となる金属棒には、大径のものと小径のものとが存在している。
【0028】
<第1実施形態に係るアタッチメント>
(構成)
アタッチメントAは、プラスチックの一体成型品であり、図2に示すように、上段ロッド22に固定するための取付部1と、取付部1から前方へ延びる延伸部2と、延伸部2の先端側から下方へ向かう垂下部3とから構成されている。
【0029】
取付部1は、陳列フック20への取付状態で、上段ロッド22の外周下部に沿うベース部4と、上段ロッド22の外周上部に沿うカバー部5とがヒンジ6を介して連結された構成であり、ベース部4の下部が延伸部2の付根となっている。
【0030】
図2及び図3に示すように、ベース部4の上面には、上段ロッド22の外周下部が嵌まり込むロッド溝4aが形成され、カバー部5の裏面には、上段ロッド22の外周上部が嵌まり込むロッド溝5aが形成されている。
【0031】
ロッド溝4a、5aの内周面には、上段ロッド22の僅かな外径差を吸収し、上段ロッド22に安定して固定されるように、ゴム等の弾性部材1aを貼り付けておく。
【0032】
また、ベース部4には、ロッド溝4aを挟んでヒンジ6の反対側の立上壁に、横方向に長い開口部を両端の突起で区画して、上下方向に並ぶ2段の係合溝7が形成され、ロッド溝4aと係合溝7の間の上面に掘込溝4bが形成されている。
【0033】
一方、カバー部5には、ロッド溝5aを挟んでヒンジ6の反対側に、折り返すような湾曲部5bを介して係合片8及びツマミ9が設けられている。
【0034】
延伸部2は、付根側から先端側へ至る前後方向の中間部に、斜め上方へ向きを変えて延びる変向部10が設けられた形状である。延伸部2の付根から変向部10へ向かう部分には、付根側が上下方向に厚く、変向部10側へかけて次第に上下方向に薄くなる補強部2aが設けられ、変向部10及びその先端側部分は、薄く細長い板状となっている。
【0035】
垂下部3は、サンプルホルダー31をビス33により取り付ける部分であり、延伸部2よりも短い舌片状とされ、その下端寄りにビス33の軸部を挿通するための貫穴11が設けられている。
【0036】
(陳列フックへの取り付け)
図1及び図2に示すように、陳列フック20にアタッチメントAを取り付けるには、図3に示すように、取付部1において、ベース部4に対してカバー部5を開いた状態で、上段ロッド22の外周下部をベース部4のロッド溝4aに嵌め込み、ツマミ9を指で押しつつ、ベース部4に被せるようにカバー部5を閉じる。
【0037】
このとき、図4に示すように、上段ロッド22が大径であれば、湾曲部5bを掘込溝4bに浅く差し込んで、係合片8を上方の係合溝7に係合させ、上段ロッド22の外周上部をカバー部5のロッド溝5aに嵌め込むと、ベース部4とカバー部5とで上段ロッド22がしっかりと抱持され、アタッチメントAが上段ロッド22に固定される。
【0038】
また、図5に示すように、上段ロッド22が小径であれば、湾曲部5bを掘込溝4bに深く差し込んで、係合片8を下方の係合溝7に係合させ、上段ロッド22の外周上部をカバー部5のロッド溝5aに嵌め込むと、ベース部4とカバー部5とで上段ロッド22がしっかりと抱持され、アタッチメントAが上段ロッド22に固定される。
【0039】
(商品サンプルのセット)
その後、図1に示すように、サンプルホルダー31の台紙の上部に形成された貫穴と垂下部3の貫穴11とにビス33の軸部を挿通して抜け止めすると、垂下部3にサンプルホルダー31が取り付けられ、サンプルホルダー31の下部のトレイ状部分に挿入したサンプル32を、下段ロッド21に吊り下げられた商品30の前方に保持できる。
【0040】
(効果)
このアタッチメントAでは、取付部1により陳列フック20に取り付けた状態で、延伸部2が下段ロッド21と上段ロッド22の間で前方へ延び、垂下部3と下段ロッド21の先端との間に間隔が開くようになっているので、垂下部3に商品30のサンプルホルダー31等の販売促進用品を吊り下げても、上段ロッド22の先端部の価格表示ホルダー40に表示された価格表示が遮られることがない。
【0041】
そして、延伸部2の前後方向の中間部に上向きの変向部10が設けられているので、陳列フック20への取付状態で、変向部10により下段ロッド21の先端側の鉤部21aを回避することができ、下段ロッド21に吊り下げられた商品30を片手で容易に取り出すことができる。また、一旦取り出した商品を片手で容易に戻すこともできる。
【0042】
また、取付部1のベース部4とカバー部5とがヒンジ6を介して連結され、カバー部5の先端側の係合片8をベース部4のいずれの係合溝7に係合させるかを選択することにより、外径が異なる上段ロッド22に固定できるものとなっているので、上段ロッド22の外径ごとに取付部1の対応寸法が異なるアタッチメントAを用意する必要がなく、陳列のためのコストを削減することができる。
【0043】
また、垂下部3にビス33を用いて商品30のサンプル32を保持するサンプルホルダー31を取り付けるので、サンプルホルダー31の台紙を告知面として利用できるほか、種々のサンプルホルダー31に交換して、様々な形状の商品サンプルに対応することができる。さらに、垂下部3にPOP広告等を取り付けることもでき、店頭の限られたスペースで効果的に商品のPRをすることができる。
【0044】
また、店頭での陳列状態で、サンプルホルダー31の後方に下段ロッド21の先端が隠れるので、下段ロッド21の先端に不意に顔をぶつけて怪我をするといった事故を防止することができる。
【0045】
<第2実施形態に係るアタッチメント>
ところで、取付部1は、上記第1実施形態のものに替えて、図6に示すアタッチメントAのような構成としてもよい。この取付部1は、陳列フック20の上段ロッド22の外周下部に沿うベース部12と、上段ロッド22の外周上部に沿う弾性を備えた半円筒状のカバー部13とが着脱自在の別体とされている。
【0046】
ベース部12は、上底面12aの上方に一対の対向するフランジ12bを有し、後方から前方へかけて、上底面12aとフランジ12bの間隔及び対向するフランジ12b同士の間隔が漸次狭くなっている。カバー部13は、両側の下部開口縁に外向きのガイド突条13aを備えている。
【0047】
そして、ガイド突条13aがベース部12の上底面12aとフランジ12bの間に前後方向に摺動自在に挟まれ、ベース部12に対するカバー部13の前後方向へのスライドに伴い、カバー部13が弾力的に縮径し又は拡径するようになっている。
【0048】
このような取付部1では、ベース部12にカバー部13を装着し、ベース部12に対してカバー部13を後方から前方へスライドさせると、縮径したカバー部13により上段ロッド22がその外径に応じて締め付けられるので、無段階に外径が異なる様々な上段ロッド22に固定できるものとなり、汎用性が高まる。
【0049】
<第3実施形態に係るアタッチメント>
また、図7に示すアタッチメントAのように、垂下部3は、延伸部2の前後方向の中間部に介在するヒンジ14を軸として、上下方向に揺動するものとしてもよい。ヒンジ14は、延伸部2と垂下部3の境界部に設けてもよい。
【0050】
この場合、延伸部2には、前後方向の中間部に斜め上方へ向きを変えて延びる変向部10を設けなくても、下段ロッド21に吊り下げられた商品を前方へ引っ張る際に、垂下部3を商品で押し退けるように上方へ揺動させれば、商品を片手で容易に取り出すことができる。なお、一旦取り出した商品を下段ロッド21に戻す際には、一方の手で垂下部3を上方へ揺動させ、その状態に保持しながら、他方の手で商品を戻す必要がある。
【0051】
<その他>
上記実施形態では、垂下部3にサンプルホルダー31を取り付けて、サンプルホルダー31により商品のサンプル32を保持するものを例示したが、垂下部3自体をサンプルホルダーとして、商品のサンプル32を保持できるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0052】
,A,A アタッチメント
1 取付部
1a 弾性部材
2 延伸部
2a 補強部
3 垂下部
4 ベース部
4a ロッド溝
4b 掘込溝
5 カバー部
5a ロッド溝
5b 湾曲部
6 ヒンジ
7 係合溝
8 係合片
9 ツマミ
10 変向部
11 貫穴
12 ベース部
12a 上底面
12b フランジ
13 カバー部
13a ガイド突条
14 ヒンジ
20 陳列フック
21 下段ロッド
21a 鉤部
22 上段ロッド
23 係止部材
30 商品
31 サンプルホルダー
32 サンプル
33 ビス
40 価格表示ホルダー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9