(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023066132
(43)【公開日】2023-05-15
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G08G 1/00 20060101AFI20230508BHJP
G16Y 10/40 20200101ALI20230508BHJP
G16Y 40/20 20200101ALI20230508BHJP
【FI】
G08G1/00 D
G16Y10/40
G16Y40/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021176672
(22)【出願日】2021-10-28
(71)【出願人】
【識別番号】000005016
【氏名又は名称】パイオニア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112656
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 英毅
(72)【発明者】
【氏名】石原 義大
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181BB04
5H181BB05
5H181BB13
5H181CC04
5H181EE07
5H181FF04
5H181FF10
5H181FF13
5H181FF27
5H181FF32
5H181FF35
5H181MB02
(57)【要約】
【課題】利用者が運転に対する苦手意識を払拭できるよう支援すること。
【解決手段】情報処理装置100は、車両を運転する運転者の運転スキルに関するスキル情報を取得する取得部132と、推定対象となる対象エリアを運転者が通過する際の運転スキルに対する困難性を推定する推定部133と、運転者が対象エリアを通過した場合には、推定部133により推定された困難性に応じて、運転者による運転を称賛する情報が運転者に対して報知されるよう制御する報知制御部136とを有する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両を運転する運転者の運転スキルに関するスキル情報を取得する取得部と、
推定対象となる対象エリアを前記運転者が通過する際の前記運転スキルに対する困難性を推定する推定部と、
前記運転者が前記対象エリアを通過した場合には、前記推定部により推定された困難性に応じて、前記運転者による運転を称賛する情報が前記運転者に対して報知されるよう制御する報知制御部と
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記運転者が前記車両を運転する際の情報である運転者情報に基づいて、前記運転者の運転スキルを評価する評価部をさらに有し、
前記取得部は、前記スキル情報として、前記評価部により評価された運転スキルを示すスキル情報を取得する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記評価部は、前記運転者情報として、前記運転者のデモグラフィック属性に基づいて、前記運転者の運転スキルを評価する
ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記評価部は、前記運転者情報として、前記運転者の走行履歴に基づいて、前記運転者の運転スキルを評価する
ことを特徴とする請求項2または3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記評価部は、前記車両に対応する所定のセンサにより検出されたセンサ情報であって、前記運転者の運転状況を示すセンサ情報に基づいて、前記運転者の運転スキルを評価する
ことを特徴とする請求項2~4のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記評価部は、前記運転者情報として、前記車両の車種、前記車両の車体サイズ、前記車両を前記運転者が使用している運転年数、前記車両を使用して前記運転者が走行した走行距離、または、前記車両に搭乗している搭乗人数に基づいて、前記運転者の運転スキルを評価する
ことを特徴とする請求項2~5のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記推定部は、前記運転スキルと、前記対象エリアの状況に応じて予め定められたエリア難易度とに基づいて、前記困難性を指し示す困難性スコアを推定する
ことを特徴とする請求項1~6のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記推定部は、前記運転スキルと、前記エリア難易度との乖離が大きいほど、より高い困難性スコアを推定する
ことを特徴とする請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記運転者が前記対象エリアを通過する際における運転挙動を検出する検出部と、
前記検出部により検出された運転挙動と、前記困難性とに基づいて、前記運転者による運転を称賛する情報を出力させるか否かを判定する判定部と
をさらに有し、
前記報知制御部は、前記運転者による運転を称賛する情報を出力させるよう判定された場合には、前記運転者による運転を称賛する情報が前記運転者に対して報知されるよう制御する
ことを特徴とする請求項1~8のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記検出部は、前記運転挙動に基づいて、前記対象エリアを通過する際における運転の円滑性をさらに検出し、
前記判定部は、前記対象エリアを通過する際の運転の円滑性の傾向と、前記運転者について検出された運転の円滑性とを比較した比較結果に基づいて、前記運転者による運転を称賛する情報を出力させるか否かを判定する
ことを特徴とする請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記検出部は、前記運転挙動に基づいて、前記対象エリアの通過に要した所要時間をさらに検出し、
前記判定部は、前記対象エリアの通過に要する所要時間の傾向と、前記運転者について検出された所要時間とを比較した比較結果に基づいて、前記運転者による運転を称賛する情報を出力させるか否かを判定する
ことを特徴とする請求項9または10に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記報知制御部は、前記困難性を指し示す困難性スコアの高さに応じて、前記運転者による運転を称賛する称賛度合を制御し、制御した後の称賛度合に応じた内容の情報が前記運転者に対して報知されるよう制御する
ことを特徴とする請求項1~11のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記報知制御部は、前記困難性を指し示す困難性スコアが所定閾値を下回ることにより、前記運転者にとって前記対象エリアを通過することは容易であると推定される場合には、前記運転者による運転を称賛する情報を報知しない
ことを特徴とする請求項1~12のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項14】
情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
車両を運転する運転者の運転スキルに関するスキル情報を取得する取得工程と、
推定対象となる対象エリアを前記運転者が通過する際の前記運転スキルに対する困難性を推定する推定工程と、
前記運転者が前記対象エリアを通過した場合には、前記推定工程により推定された困難性に応じて、前記運転者による運転を称賛する情報が前記運転者に対して報知されるよう制御する報知制御工程と
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項15】
車両を運転する運転者の運転スキルに関するスキル情報を取得する取得手順と、
推定対象となる対象エリアを前記運転者が通過する際の前記運転スキルに対する困難性を推定する推定手順と、
前記運転者が前記対象エリアを通過した場合には、前記推定手順により推定された困難性に応じて、前記運転者による運転を称賛する情報が前記運転者に対して報知されるよう制御する報知制御手順と
を情報処理装置に実行させるための情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両の運転者に対して、運転に関する情報を通知する技術が知られている。例えば、特許文献1には、診断項目に従って運転者による運転操作が評価することで、評価結果を運転者に通知する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の従来技術では、利用者が運転に対する苦手意識を払拭できるよう支援することができるとは限らない。
【0005】
例えば、上記の従来技術では、診断項目に関連する走行データに基づき、運転者による運転操作の傾向を評価することで、運転操作の傾向を示す傾向情報を評価結果として運転者に報知している。
【0006】
このような上記の従来技術によれば、運転者は、自身の運転傾向が客観的に評価された評価結果を認識することができるため、運転の改善を図ることができるようになる可能性がある。
【0007】
一方で、上記の従来技術では、例えば利用者に成功体験を与えるような内容が報知されるとは限らず、利用者が運転に対する苦手意識を払拭できるよう支援することができるとはいい難い。
【0008】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、利用者が運転に対する苦手意識を払拭できるよう支援することができる情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の情報処理装置は、車両を運転する運転者の運転スキルに関するスキル情報を取得する取得部と、推定対象となる対象エリアを前記運転者が通過する際の前記運転スキルに対する困難性を推定する推定部と、前記運転者が前記対象エリアを通過した場合には、前記推定部により推定された困難性に応じて、前記運転者による運転を称賛する情報が前記運転者に対して報知されるよう制御する報知制御部とを有することを特徴とする。
【0010】
請求項14に記載の情報処理方法は、情報処理装置が実行する情報処理方法であって、車両を運転する運転者の運転スキルに関するスキル情報を取得する取得工程と、推定対象となる対象エリアを前記運転者が通過する際の前記運転スキルに対する困難性を推定する推定工程と、前記運転者が前記対象エリアを通過した場合には、前記推定工程により推定された困難性に応じて、前記運転者による運転を称賛する情報が前記運転者に対して報知されるよう制御する報知制御工程とを含むことを特徴とする。
【0011】
請求項15に記載の情報処理プログラムは、車両を運転する運転者の運転スキルに関するスキル情報を取得する取得手順と、推定対象となる対象エリアを前記運転者が通過する際の前記運転スキルに対する困難性を推定する推定手順と、前記運転者が前記対象エリアを通過した場合には、前記推定手順により推定された困難性に応じて、前記運転者による運転を称賛する情報が前記運転者に対して報知されるよう制御する報知制御手順とを情報処理装置に実行させるための情報処理プログラムである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、実施形態に係る報知制御システムの一例を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る出力制御処理の概要を説明する説明図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る情報処理装置の構成例を示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る運転者情報データベースの一例を示す図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係るスキル情報データベースの一例を示す図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係る難易度情報データベースの一例を示す図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係るコンテンツデータベースの一例を示す図である。
【
図8】
図8は、運転スキルを評価する評価処理手順を示すフローチャートである。
【
図9】
図9は、報知制御処理手順を示すフローチャートである。
【
図10】
図10は、情報処理装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と記載する)の一例について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムが限定されるものではない。また、以下の実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0014】
[実施形態]
〔1.はじめに〕
例えば、自動車の運転において危険な体験をした人は、運転に対する苦手意識が高まり、今後より一層危険な状況に陥ってしまうことが考えられる。
【0015】
そこで、本発明は、運転における成功体験を与えることができれば、利用者が運転に対する苦手意識を払拭できる可能性がある点に着目してなされたものである。このような目的のため、本発明では、例えば、運転者が特定のエリアを通過できた場合には、運転者から見てこのエリアを通過することの難易度が高いほど、通過できたことをより称賛する内容の情報を報知するものである。
【0016】
〔2.システムの全体像について〕
まず、
図1を用いて、実施形態に係る報知制御システムの構成を説明する。
図1は、実施形態に係る報知制御システムの一例を示す図である。
図1には、実施形態に係る報知制御システムの一例として、報知制御システム1が示される。以下では、報知制御システム1では、実施形態に係る情報処理の一例である報知制御処理が実現される。
【0017】
図1に示すように、報知制御システム1は、端末装置10と、情報処理装置100とを備えてよい。また、端末装置10と、情報処理装置100とは、ネットワークNを介して、有線または無線により通信可能に接続される。また、
図1に示す報知制御システム1には、任意の数の端末装置10と、任意の数の情報処理装置100とが含まれてもよい。
【0018】
端末装置10は、移動体の一例である車両に搭載される車載装置であってよい。
図1には、端末装置10が車両VExの車載装置である例が示される。係る例では、端末装置10は、例えば、車両VExに内蔵される専用のナビゲーション装置、あるいは、車両VExに取り付けられる専用のナビゲーション装置であってよい。
【0019】
また、端末装置10は、後述する情報処理装置100として機能するよう構成されてもよい。例えば、
図1には、端末装置10と、情報処理装置100とが別々の装置として示されているが、端末装置10と情報処理装置100とは一体化されて1つの情報処理装置として構成されてもよい。係る場合、例えば、端末装置10に対して、情報処理装置100が有する機能の一部または全てが導入されてよい。
【0020】
なお、端末装置10は、所定のナビゲーションシステムに対応するアプリケーションが導入されている携帯型端末装置(例えば、スマートフォン、タブレット型端末、ノート型PC、デスクトップPC、PDA等)であってもよい。係る例では、端末装置10は、車両VExの運転者によって日常的に利用されるものであってよい。
【0021】
また、端末装置10は、各種の出力部を有しており、情報処理装置100による出力制御に応じて、例えば、運転者による運転を称賛する内容の情報(以下「称賛コンテンツ」と表記する場合がある)を適切な出力部から出力する。例えば、端末装置10は、称賛コンテンツが、テキスト形式、画像形式、あるいは、動画形式である場合には、出力部の一例である表示画面に称賛情報を表示させてよい。また、例えば、端末装置10は、称賛コンテンツが、音声形式である場合には、出力部の一例である報知部(例えば、スピーカー)から称賛コンテンツを音声出力させてよい。以下の実施形態では、称賛コンテンツは、音声形式であり、スピーカー等の報知部から音声として出力されるものとして説明する。
【0022】
情報処理装置100は、実施形態に係る情報処理を行う装置である。例えば、情報処理装置100は、実施形態に係る情報処理として、運転者に対して称賛コンテンツを報知するための報知制御処理を行う。例えば、情報処理装置100は、実施形態に係る情報処理プログラムの制御に従って、報知制御処理を行ってよい。また、このような場合、情報処理装置100は、例えば、実施形態に係る情報処理プログラムで実現される情報処理方法に従って、報知制御処理を行ってよい。また、情報処理装置100は、運転者に報知される報知候補の称賛コンテンツを保有していてよい。
【0023】
ここで、端末装置10を運転者の近くでエッジ処理を行うエッジコンピュータとするなら、情報処理装置100は、例えば、クラウド側で処理を行うクラウドコンピュータであってよい。すなわち、情報処理装置100は、サーバ装置であってよい。
【0024】
〔3.出力制御処理の概要〕
ここからは、
図2を用いて、実施形態に係る出力制御処理の概要を説明する。
図2は、実施形態に係る出力制御処理の概要を説明する説明図である。
図2には、車両VE1(車両VExの一例)を運転する運転者U1が、道路RD1と道路RD2とが交差するエリアである交差点エリアAR1を右折する場面が示される。より具体的には、
図2には、車両VE1を運転しながら道路RD1を直進してきた運転者U1が、交差点エリアAR1を右折することで、道路RD2に侵入する場面が示される。
【0025】
また、
図2には、交差点エリアAR1をはさんで対向車線からは複数台の他の車両が直進してきている場面が示される。このように、交差点エリアAR1は、比較的交通量の多いエリアといえる。
【0026】
ここで、
図2の例によれば、情報処理装置100は、運転者U1が車両VE1を運転する際の情報である運転者情報に基づいて、運転者U1の運転スキルを評価することができる。例えば、情報処理装置100は、
図2に示すように、運転者U1のデモグラフィック属性、運転者U1の運転歴、車両VE1に対応する所定のセンサにより検出されたセンサ情報であって運転者U1の運転状況を示すセンサ情報等に基づいて、運転者U1の運転スキルを評価するスキルスコアを算出してよい。
【0027】
なお、ここでいう車両VE1に対応する所定のセンサとは、安全走行システムとして、車両VE1に予め搭載される各種センサであってもよいし、端末装置10が有する各種センサ(例えば、カメラ、加速度センサ、ジャイロセンサ、GPSセンサ、気圧センサ等)であってもよい。
【0028】
また、運転者U1の運転状況を示すセンサ情報とは、運転者U1の運転態様を示すセンサ情報であればいかなる情報であってもよい。例えば、運転者U1の運転状況を示すセンサ情報とは、車両VE1がどの位置をどのような挙動で走行しているか、あるいは、車両VE1がどのような操作(例えば、ハンドル操作やブレーキ操作)をされたことに応じて走行しているか、等といった車両VE1に対する運転挙動を示す情報であってよい。
【0029】
そして、
図2には、情報処理装置100が、運転者U1のデモグラフィック属性、運転歴、センサ情報等の運転者情報に基づいて、運転者U1の運転スキルを指し示すスキルスコアとして、スキルスコア「SSC1」を算出した例が示される。換言すると、
図2には、情報処理装置100が、運転者U1について、スキルスコア「SSC1」程度の運転スキルであると評価した例が示される。
【0030】
また、
図2の例では、交差点エリアAR1(対象エリアの一例)には、交通量、横断歩道を通行する通行者の数、右折レーンの有無、等といったエリアの状況(エリア特性)に応じて、このエリアを通過することの難易度であるエリア難易度が予め定められる。
図2には、交差点エリアAR1が、交通量「多い」、横断歩道を通行する通行者の数「多い」、右折レーン「なし」というエリア特性を有すること応じて、エリア難易度「DSC1」が予め定められている例が示される。
【0031】
なお、エリア難易度を設定する際に考慮されるエリア特性は上記例に限定されない。また、上記の通り、運転スキル(スキルスコア)は、運転者情報に応じて変動し得る値であることに対して、エリア難易度は、対応するエリアに対して定められる固定の値であってよい。
【0032】
このような状態において、情報処理装置100は、運転者U1の運転スキルを示すスキルスコア「SSC1」と、交差点エリアAR1におけるエリア難易度「DSC1」とに基づいて、スキルスコア「SSC1」という運転スキルの状態で、エリア難易度「DSC1」の交差点エリアAR1を運転者U1が通過することの困難性を推定する。例えば、情報処理装置100は、スキルスコア「SSC1」が示す値と、エリア難易度「DSC1」が示す値とがどれだけ乖離しているか乖離度に基づいて、困難性を指し示す困難性スコアを算出してよい。
【0033】
一例を示すと、情報処理装置100は、スキルスコア「SSC1」が示す値と、エリア難易度「DSC1」が示す値との乖離度が大きいほど、より高い困難性スコアを算出してよい。
図2には、情報処理装置100が、スキルスコア「SSC1」が示す値と、エリア難易度「DSC1」が示す値との間での乖離度に基づいて、困難性スコア「80」を算出した例が示される。
【0034】
なお、このようなスコア算出手法によれば、情報処理装置100は、例えば、運転スキルが平均よりも低いにも拘わらず、より高難易度なエリアを通過した運転者ほど高く称賛されるような内容の称賛コンテンツを報知することができるようになる。
【0035】
ここで、情報処理装置100は、交差点エリアAR1を通過する際における運転者U1の運転挙動(運転者U1により運転されることによる車両VE1の走行挙動ともいえる)を検出してよい。また、情報処理装置100は、検出した運転挙動に基づき、運転者U1が交差点エリアAR1を通過できたか否かを判定してよく、運転者U1が交差点エリアAR1を通過できたと判定した場合には、困難性スコアを算出してよい。
【0036】
そして、情報処理装置100は、運転者U1が交差点エリアAR1を通過できたと判定した場合には、困難性スコア「80」に応じた程度で運転者U1による運転を称賛する内容の称賛コンテンツを記憶部から抽出する。そして、情報処理装置100は、抽出した称賛コンテンツが運転者U1に報知されるよう、端末装置10に対して報知制御する。
【0037】
図2には、端末装置10が、情報処理装置100による報知制御に応じて、「通過成功です!次回も頑張って下さい!!」といった内容の称賛コンテンツを報知部から出力させている例が示される。なお、称賛する内容であれば、係る例に限定されず、端末装置10は、例えば、「難しい地点でしたが、問題なく通過できましたね!」といった内容の称賛コンテンツを出力させてもよい。また、端末装置10は、様々な内容の称賛コンテンツが出力候補として登録されているデータベースから、運転者U1の状況に応じたより最適な称賛コンテンツを抽出し、抽出した称賛コンテンツを出力させてもよい。また、不図示であるが、係るデータベースは、情報処理装置100側に存在してもよいし、端末装置10側に存在してもよい。
【0038】
さて、ここまで、
図2を用いて、実施形態に係る出力制御処理の一例を示した。このような出力制御処理によれば、情報処理装置100は、運転者に対して運転における成功体験を効果的に与えることができるため、運転者が運転に対する苦手意識を払拭できるよう支援することができるようになる。
【0039】
〔4.情報処理装置の構成〕
ここからは、
図3を用いて、実施形態に係る情報処理装置100について説明する。
図3は、実施形態に係る情報処理装置100の構成例を示す図である。
図3に示すように、情報処理装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。
【0040】
(通信部110について)
通信部110は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部110は、ネットワークと有線または無線で接続され、例えば、端末装置10との間で情報の送受信を行う。
【0041】
記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子またはハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部120は、運転者情報データベース121と、スキル情報データベース122と、難易度情報データベース123と、コンテンツデータベース124とを有する。
【0042】
(運転者情報データベース121について)
運転者情報データベース121は、運転者が車両VExを運転する際の情報である運転者情報を記憶する。ここで、
図4に、実施形態に係る運転者情報データベース121の一例を示す。
図4の例では、運転者情報データベース121は、「車両ID」、「運転者ID」、「運転者情報」といった項目を有する。また、「運転者情報」には、「デモグラフィック属性」、「走行履歴」、「センサ情報」、「車両情報」といった項目が含まれる。
【0043】
「車両ID」は、車両VExを識別する識別情報を示す。「運転者ID」は、「車両ID」が示す車両VExを運転する運転者を識別する識別情報を示す。
図4には、車両ID「VE1」と、運転者ID「U1」とが対応付けられる例が示される。係る例は、運転者U1によって車両VE1が運転される例を示す。
【0044】
「デモグラフィック属性」は、「運転者情報」の一例であり、「運転者ID」が示す運転者のデモグラフィック属性を示す。「走行履歴」は、「運転者情報」の一例であり、「運転者ID」が示す運転者が、「車両ID」が示す車両VExを運転したことによる走行履歴(運転歴)を示す。
【0045】
「センサ情報」は、「車両ID」が示す車両VExに対応する所定のセンサにより検出されたセンサ情報であって、「運転者ID」が示す運転者の運転状況を示すセンサ情報である。
図2で説明した通り、「センサ情報」は、「運転者ID」が示す運転の運転態様を示す情報であればいかなる情報であってもよい。例えば、「センサ情報」は、運転挙動を示す情報であってよい。
【0046】
「車両情報」は、「車両ID」が示す車両VExの車種、「車両ID」が示す車両VExの車体サイズ、「車両ID」が示す車両VExを「運転者ID」が示す運転者が使用している運転年数、「車両ID」が示す車両VExを使用して「運転者ID」が示す運転者が走行した走行距離、あるいは、「車両ID」が示す車両VExに搭乗している人物の人数を示す情報である。もちろん、「車両情報」は、これらの例に限定されない。
【0047】
図4には、車両者ID「U1」に対して、「デモグラフィック属性♯11」と、「走行履歴♯11」、「センサ情報♯11」、「車両情報♯11」が対応付けられる例が示される。係る例は、運転者U1は、デモグラフィック属性♯11が示す属性の人物であり、走行履歴♯11を有しており、センサ情報♯11が示す運転挙動を検出されており、また、車両情報♯11を有する例を示す。
【0048】
(スキル情報データベース122について)
スキル情報データベース122は、運転者の運転スキルが評価された評価結果を記憶する。ここで、
図5に、実施形態に係るスキル情報データベース122の一例を示す。
図5の例では、スキル情報データベース122は、「運転者ID」、「スキルスコア」といった項目を有する。
【0049】
「運転者ID」は、「車両ID」が示す車両VExを運転する運転者を識別する識別情報であり、
図4で説明した「運転者ID」に対応する。「スキルスコア」は、「運転者ID」が示す運転者の運転スキルを指し示す評価値である。
図5には、運転者ID「U1」と、スキルスコア「SSC1」とが対応付けられる例が示される。係る例は、運転者U1の運転スキルを示す評価値として、スキルスコア「SSC1」が算出された例を示す。なお、
図5では、「SSC1」等を用いてスキルスコアを概念的に表記しているが、スキルスコアは、実際には、数値で表されてよい。また、例えば、スキルスコアが高いほど、運転スキルが高いことを意味する。
【0050】
(難易度情報データベース123について)
難易度情報データベース123は、エリア難易度に関する情報を記憶する。ここで、
図6に、実施形態に係る難易度情報データベース123の一例を示す。
図6の例では、難易度情報データベース123は、「道路識別情報」、「対象エリア識別情報」、「エリア位置」、「エリア特性」、「エリア難易度」といった項目を有する。
【0051】
「道路識別情報」は、報知制御の対象となっている対象エリアが存在する道路を識別する識別情報を示す。「道路識別情報」は、対象エリアが存在する道路を識別可能な情報であればいかなる情報であってもよく、例えば、道路の名称等であってよい。
【0052】
「対象エリア識別情報」は、報知制御の対象となっている対象エリアを識別する識別情報を示す。「対象エリア識別情報」は、例えば、対象エリアを識別可能な情報であればいかなる情報であってもよく、例えば、エリアの名称等であってよい。なお、対象エリアは、
図2で説明したように交差点エリアであってもよいし、その他のエリアであってもよい。すなわち、対象エリアは、道路上のいかなるエリアであってもよいが、運転者が苦手意識を覚えやすいエリアであることが好ましい。例えば、対象エリアは、交差点エリア以外にも、急カーブエリア、高速道路本線への合流エリア、駐車場エリア、人通りの多い道路エリア等であってよい。
【0053】
図6には、道路識別情報「RD1」と、対象エリア識別情報「AR1」とが対応付けられる例が示される。係る例は、道路RD1に存在するエリアAR1が、報知制御の対象エリアとなっている例を示す。
【0054】
「エリア位置」は、「道路識別情報」が示す道路のどの位置に、「対象エリア識別情報」が示す対象エリアが存在するか、対象エリアの位置を示す位置情報である。
図6には、道路識別情報「RD1」および対象エリア識別情報「AR1」との組に対して、「エリア位置♯1」が対応付けられる例が示される。係る例は、道路RD1上の位置であるエリア位置♯1に対象エリアであるエリアAR1が存在する例を示す。
【0055】
「エリア特性」は、「対象エリア識別情報」が示す対象エリアがどのような状況のエリアであるかを示す情報である。例えば、「エリア特性」は、「対象エリア識別情報」が示す対象エリアでの交通量、「対象エリア識別情報」が示す対象エリアを利用する通行者の人数、「対象エリア識別情報」が示す対象エリアに含まれる道路の幅/複雑さ等を示す情報であってよい。
図6には、対象エリア識別情報「AR1」と、「エリア特性♯1」とが対応付けられる例が示される。係る例は、対象エリアAR1は、エリア特性♯1のような特性のエリアである例を示す。
【0056】
「エリア難易度」は、「対象エリア識別情報」が示す対象エリアを通過することの難しさを指標する度合いであってよく、例えば、運転者の運転スキルに依らず固定の値で示されてよい。
図6には、対象エリア識別情報「AR1」と、エリア難易度「DSC1」とが対応付けられる例が示される。係る例は、対象エリアAR1を通過することの難易度として、エリア難易度「DSC1」が予め定められている例を示す。なお、
図6では、「DSC1」等を用いてエリア難易度を概念的に表記しているが、エリア難易度は、実際には、数値で表されてよい。また、例えば、エリア難易度が高いほど、対象エリアの通過が難しいことを意味する。
【0057】
(コンテンツデータベース124について)
コンテンツデータベース124は、運転者による運転を称賛するために出力される称賛コンテンツに関する情報を記憶する。ここで、
図7に、実施形態に係るコンテンツデータベース124の一例を示す。
図7の例では、コンテンツデータベース124は、「対象エリア識別情報」、「スコア範囲」、「称賛度合」、「コンテンツID」、「コンテンツデータ」といった項目を有する。
【0058】
「対象エリア識別情報」は、報知制御の対象となっている対象エリアを識別する識別情報であり、
図6で説明した「対象エリア識別情報」に対応する。
【0059】
「スコア範囲」は、情報処理装置100により算出された困難性スコアと照らし合わせられる情報であって、情報処理装置100により算出された困難性スコアに応じた称賛コンテンツを特定するために用いられる情報である。
図7には、対象エリア識別情報「AR1」に対して、「51以上~60未満」、「61以上~70未満」、「71以上~80未満」、「81以上~90未満」、「91以上~」という5つのスコア範囲が対応付けられる例が示される。係る例は、運転者が対象エリアAR1を通過した場合に、この運転者について算出された困難性スコア応じた称賛コンテンツとして、どのような内容の称賛コンテンツを報知すべきか、「51以上~60未満」、」「61以上~70未満」、「71以上~80未満」、「81以上~90未満」、「91以上~」という5つのスコア範囲との照らし合わせにより特定するよう予め規定されている例を示す。
【0060】
「称賛度合」は、「スコア範囲」が示す範囲内の困難性スコアが算出された場合に、この困難性スコアに応じて運転者による運転をどの程度称賛すべきか称賛度合を制御する際に用いられる情報である。
図7には、スコア範囲「51以上~60未満」に対して称賛度合「レベル1」、スコア範囲「61以上~70未満」に対して称賛度合「レベル2」、スコア範囲「71以上~80未満」に対して称賛度合「レベル3」、スコア範囲「81以上~90未満」に対して称賛度合「レベル4」、スコア範囲「91以上~」に対して称賛度合「レベル5」がそれぞれ対応付けられる例が示される。係る例は、スコア範囲「51以上~60未満」に含まれる困難性スコアが算出された場合には「レベル1」程度に称賛し、スコア範囲「61以上~70未満」に含まれる困難性スコアが算出された場合には「レベル2」程度に称賛し、スコア範囲「71以上~80未満」に含まれる困難性スコアが算出された場合には「レベル3」程度に称賛し、スコア範囲「81以上~90未満」に含まれる困難性スコアが算出された場合には「レベル4」程度に称賛し、また、スコア範囲「91以上~」に含まれる困難性スコアが算出された場合には「レベル5」程度に称賛するよう予め規定されている例を示す。なお、「称賛度合」が示すレベル値が高いほど、より高く称賛することを意味する。
【0061】
「コンテンツID」は、称賛コンテンツを識別する識別情報を示す。「コンテンツデータ」は、「コンテンツID」が示す称賛コンテンツを構成するデータである。
図7には、スコア範囲「51以上~60未満」と、称賛度合「レベル1」と、コンテンツID「C1」、コンテンツデータ「CDA11」とが対応付けられる例が示される。係る例は、称賛コンテンツC1は、レベル1に相当する称賛度合で運転を称賛する内容CDA11を含むコンテンツであって、スコア範囲「51以上~60未満」に含まれる困難性スコアが算出された場合に報知対象として特定されるコンテンツである例を示す。
【0062】
(制御部130について)
図3に戻り、制御部130は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、情報処理装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(例えば、実施形態に係る情報処理プログラム)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
【0063】
図3に示すように、制御部130は、評価部131と、取得部132と、推定部133と、検出部134と、判定部135と、報知制御部136とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部130の内部構成は、
図3に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部130が有する各処理部の接続関係は、
図3に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
【0064】
(評価部131について)
評価部131は、運転者が車両VExを運転する際の情報である運転者情報に基づいて、運転者の運転スキルを評価する。
【0065】
例えば、評価部131は、運転者情報として、運転者のデモグラフィック属性に基づいて、運転者の運転スキルを評価してよい。また、評価部131は、運転者情報として、運転者の走行履歴に基づいて、運転者の運転スキルを評価してもよい。また、評価部131は、車両VExに対応する所定のセンサにより検出されたセンサ情報であって、運転者の運転状況を示すセンサ情報に基づいて、運転者の運転スキルを評価してもよい。また、評価部131は、運転者情報として、車両VExの車種、車両VExの車体サイズ、車両VExを運転者が使用している運転年数、車両VExを使用して運転者が走行した走行距離、または、車両VExに搭乗している搭乗人数に基づいて、運転者の運転スキルを評価してもよい。
【0066】
また、評価部131は、上記の運転者情報を任意に組み合わせることで、運転者の運転スキルを評価してもよい。例えば、評価部131は、運転者情報に基づいて、運転スキルを示す評価値であるスキルスコアを算出する。この場合、評価部131は、運転者情報に基づいて、運転に対する熟練度合を推定することで、推定した熟練度合に応じたスキルスコアを算出してよい。また、評価部131は、運転者情報に基づいて、現在の状況にある車両VExを運転することの運転難易度を推定することで、推定した運転難易度に応じたスキルスコアを算出してよい。また、評価部131は、運転者情報に基づいて、現在の運転者の状況で車両VExを運転することの運転難易度を推定することで、推定した運転難易度に応じたスキルスコアを算出してよい。
【0067】
また、評価部131は、運転スキルを評価する場合には、運転者情報データベース121に記憶される運転者情報を用いてよい。また、評価部131は、運転スキルとして算出したスキルスコアをスキル情報データベース122に格納してよい。
【0068】
(取得部132について)
取得部132は、車両VExを運転する運転者の運転スキルに関するスキル情報を取得する。例えば、取得部132は、スキル情報として、評価部131により算出されたスキルスコアをスキル情報データベース122から取得してよい。
【0069】
(推定部133について)
推定部133は、推定対象(報知制御の対象)となる対象エリアを運転者が通過する際の運転スキルに対する困難性を推定する。例えば、推定部133は、運転スキルと、対象エリアの状況に応じて予め定められたエリア難易度とに基づいて、困難性を指し示す困難性スコアを推定する。例えば、推定部133は、運転スキルを評価する評価値として算出されたスキルスコアと、対象エリアを通過することの難しさを指標する度合いであるエリア難易度とに基づいて、スキルスコアによって示される運転スキルの状態で、エリア難易度が示す難度の対象エリアを運転者が通過することの困難性を推定する。
【0070】
例えば、推定部133は、困難性の推定として、スキルスコアが示す値と、エリア難易度が示す値とがどれだけ乖離しているか乖離度に基づいて、困難性を指し示す困難性スコアを算出してよい。例えば、推定部133は、スキルスコアが示す値と、エリア難易度が示す値との乖離度が大きいほど、より高い困難性スコアを算出してよい。
【0071】
(検出部134について)
検出部134は、車両VExが対象エリアを通過する際の運転挙動を検出する。具体的には、検出部134は、運転者が車両VExを運転しながら対象エリアを通過する際における運転挙動を検出する。例えば、検出部134は、運転挙動として、運転者が対象エリアを通過する際における運転者の運転に応じた車両VExの運転挙動(走行挙動)を検出してよい。
【0072】
また、検出部134は、安全走行システムとして、車両VExに予め搭載される各種センサや、端末装置10が有する各種センサ(例えば、カメラ、加速度センサ、ジャイロセンサ、GPSセンサ、気圧センサ等)から得られたセンサ情報に基づいて、運転挙動を検出してよい。
【0073】
また、検出部134は、運転挙動に基づいて、対象エリアを通過する際における運転の円滑性をさらに検出してよい。また、他の一例として、検出部134は、運転挙動に基づいて、対象エリアの通過に要した所要時間をさらに検出してよい。
【0074】
(判定部135について)
判定部135は、検出部134により検出された運転挙動と、推定部133により算出された困難性スコアとに基づいて、運転者による運転を称賛する情報を出力させるか否かを判定する。例えば、判定部135は、対象エリアを通過する際の運転の円滑性の傾向と、運転者について検出された運転の円滑性とを比較した比較結果に基づいて、運転者による運転を称賛する情報を出力させるか否かを判定してよい。また、判定部135は、対象エリアの通過に要する所要時間の傾向と、運転者について検出された所要時間とを比較した比較結果に基づいて、運転者による運転を称賛する情報を出力させるか否かを判定してもよい。
【0075】
例えば、判定部135は、対象エリアを通過する際における運転者の運転の円滑性が平均並みもしくは平均以上、かつ、困難性スコアが閾値以上、という条件が満たされる場合には、運転者による運転を称賛する情報を出力させると判定してよい。なお、このような条件設定は、運転者の現在の運転スキルでは対象エリアを通過することが比較的困難であると推定されるにも拘わらず、スムーズに通過できたと判断される場合に、この運転車を称賛する価値があるとの考えに基づくものである。
【0076】
また、例えば、判定部135は、対象エリアの通過に要する所要時間が平均並みもしくは平均以下、かつ、困難性スコアが閾値以上、という条件が満たされる場合には、運転者による運転を称賛する情報を出力させると判定してよい。なお、このような条件設定は、運転者の現在の運転スキルでは対象エリアを通過することが比較的困難であると推定されるにも拘わらず、時間をかけずに通過できたと判断される場合に、この運転車を称賛する価値があるとの考えに基づくものである。
【0077】
(報知制御部136について)
報知制御部136は、運転者が対象エリアを通過した場合には、推定部133により推定された困難性に応じて、運転者による運転を称賛する情報が運転者に対して報知されるよう制御する。例えば、報知制御部136は、判定部135により運転者による運転を称賛する情報を出力させるよう判定された場合には、運転者による運転を称賛する情報が運転者に対して報知されるよう制御する。
【0078】
また、報知制御部136は、困難性を指し示す困難性スコアの高さに応じて、運転者による運転を称賛する称賛度合を制御し、制御した後の称賛度合に応じた内容の情報が運転者に対して報知されるよう制御してよい。例えば、報知制御部136は、困難性スコアと、コンテンツデータベース124のスコア範囲とを照らし合わせることで、称賛度合を制御することができ、制御した後の称賛度合に紐付けられる称賛コンテンツを、報知対象の称賛コンテンツとして抽出してよい。
【0079】
また、報知制御部136は、困難性を指し示す困難性スコアが所定閾値を下回ることにより、運転者にとって対象エリアを通過することは容易であると推定される場合には、称賛コンテンツを報知しなくてもよい。なお、
図7の例では、所定閾値は、例えば、「51」であってよい。
【0080】
〔5.処理手順〕
続いて、
図8および
図9を用いて、実施形態に係る情報処理方法によって実現される報知制御処理の手順について説明する。
図8では、運転スキルの評価に係る処理の手順を説明する。
図9では、運転スキルが評価された評価結果と、エリア難易度とに基づく称賛コンテンツの報知に係る処理の手順を説明する。
【0081】
〔5-1.処理手順(1)〕
まず、
図8を用いて、運転者の運転スキルを評価する評価処理の手順を説明する。
図8は、運転スキルを評価する評価処理手順を示すフローチャートである。また、
図8では、報知制御処理の対象の運転者として、運転者U1を例に説明する。
【0082】
まず、評価部131は、運転スキルを評価するタイミングになったか否かを判定する(ステップS801)。なお、運転スキルを評価するタイミングは限定されない。例えば、運転スキルを評価するタイミングは、運転者U1が対象エリアに差し掛かるよりも前のタイミングであってもよいし、運転者U1が対象エリアを通過し終わったタイミングであってもよい。
【0083】
そして、評価部131は、運転スキルを評価するタイミングになっていないと判定している間は(ステップS801;No)、運転スキルを評価するタイミングになったと判定できるまで待機する。
【0084】
一方、評価部131は、運転スキルを評価するタイミングになったと判定した場合には(ステップS801;Yes)、運転者U1が車両VE1を運転する際の情報である運転者情報を取得する(ステップS802)。例えば、評価部131は、運転者情報データベース121から運転者U1に対応する運転者情報を取得してよい。
【0085】
次に、評価部131は、運転者情報に基づいて、運転者U1の運転スキルを指し示す評価値であるスキルスコアを算出する(ステップS803)。
【0086】
なお、
図8では不図示であるが、評価部131は、算出したスキルスコアをスキル情報データベース122に記憶させてよい。
【0087】
〔5-2.処理手順(2)〕
次に、
図9を用いて、称賛コンテンツを報知するための報知制御処理の手順を説明する。
図9は、報知制御処理手順を示すフローチャートである。また、
図9では、引き続き運転者U1を例に説明する。
【0088】
まず、
図9の例では、検出部134が、運転者U1の車両VE1が対象エリアのいずれかに差し掛かったか否かを判定していてよい(ステップS901)。例えば、検出部134は、車両VE1の現在位置と、車両VE1の進行方向を検出することで、検出結果に基づいて、車両VE1がどの道路をどのような進行方向で走行しているかを特定する。そして、検出部134は、特定した道路での車両VE1の現在位置および進行方向と、各対象エリアの位置を示す位置情報とに基づいて、車両VE1が対象エリアのうちのいずれかに差し掛かったか否かを判定してよい。また、検出部134は、例えば、車両VE1の進行方向が撮像された撮像画像に対する画像認識により、車両VE1が対象エリアのいずれかに差し掛かったか否かを判定してもよい。
【0089】
検出部134は、車両VE1が対象エリアに差し掛かっていないと判定している間は(ステップS901;No)、車両VE1が対象エリアに差し掛かったと判定できるまで待機する。
【0090】
一方、検出部134は、車両VE1が対象エリアに差し掛かったと判定した場合には(ステップS901;Yes)、車両VE1がそのまま対象エリアに侵入したか否かを判定する(ステップS902)。例えば、検出部134は、車両VE1に対応する運転挙動を検出することで、検出した運転挙動に基づいて、車両VE1が対象エリアに侵入したか否かを判定してよい。また、検出部134は、例えば、車両VE1の進行方向が撮像された撮像画像に対する画像認識により、車両VE1が対象エリアに侵入したか否かを判定してもよい。
【0091】
検出部134は、車両VE1が対象エリアに侵入しなかった(例えば、運転者U1は、対象エリアに差し掛かったものの対象エリアの通過を断念した)と判定した場合には(ステップS902;No)、この後の報知制御処理を実行させず、この時点で処理を終了させる。
【0092】
一方、検出部134は、車両VE1が対象エリアに侵入した(例えば、運転者U1は、対象エリアの通過を開始した)と判定した場合には(ステップS902;Yes)、車両VE1がこの対象エリアを通過中であるか否かを判定する(ステップS903)。
【0093】
検出部134は、車両VE1が対象エリアを通過中であると判定している間は(ステップS903;Yes)、車両VE1が対象エリアを通過している際の運転挙動を検出する(ステップS904)。なお、このとき検出部134は、運転挙動に基づいて、運転者U1が車両VE1で対象エリアを通過する際における、運転者U1による運転の円滑性をさらに検出してよい。また、検出部134は、運転挙動に基づいて、運転者U1が車両VE1で対象エリアを通過することに要した所要時間を検出してよい。
【0094】
一方、取得部132は、車両VE1が対象エリアを通過中でないと判定された場合、すなわち車両VE1が対象エリアを通過したと判定された場合には(ステップS903;No)、評価部131によって運転者U1を対象に算出されているスキルスコアと、車両VE1が今回通過した対象エリアのエリア難易度とを取得する(ステップS905)。例えば、取得部132は、スキル情報データベース122から運転者U1に対応するスキルスコアを取得し、難易度情報データベース123からエリア難易度を取得してよい。
【0095】
また、取得部132は、取得したスキルスコアおよびエリア難易度を推定部133に対して出力してよい。そうすると、推定部133は、取得部132から取得したスキルスコアとエリア難易度とに基づいて、対象エリアを運転者U1が通過する際の運転スキルに対する困難性を指し示す困難性スコアを推定する(ステップS906)。具体的には、推定部133は、スキルスコアとエリア難易度とに基づいて、スキルスコアによって示される運転スキルの状態で、エリア難易度が示す難度の対象エリアを運転者U1が通過することの困難性を指し示す困難性スコアを算出する。
【0096】
次に、判定部135は、ステップS904で検出部134により検出されている運転挙動(車両VE1が対象エリアを通過している際の運転挙動)と、ステップS906で推定部133により算出された困難性スコアとに基づいて、運転者U1による運転を称賛する情報を出力させるか否かを判定する(ステップS907)。
【0097】
例えば、判定部135は、対象エリアを通過する際における運転者U1の運転の円滑性が平均並みもしくは平均以上、かつ、困難性スコアが閾値以上、という条件が満たされるか否かに基づいて、運転者U1による運転を称賛する情報を出力させるか否かを判定してよい。一例として、判定部135は、対象エリアを通過する際における運転者U1の運転の円滑性が平均並みもしくは平均以上、かつ、困難性スコアが閾値以上、という条件が満たされる場合には、運転者U1による運転を称賛する情報を出力させると判定する。
【0098】
また、他の例として、判定部135は、運転者U1が車両VE1で対象エリアを通過することに要した所要時間が平均並みもしくは平均以下、かつ、困難性スコアが閾値以上、という条件が満たされるか否かに基づいて、運転者U1による運転を称賛する情報を出力させるか否かを判定してよい。一例として、判定部135は、運転者U1が車両VE1で対象エリアを通過することに要した所要時間が平均並みもしくは平均以下、かつ、困難性スコアが閾値以上、という条件が満たされる場合には、運転者U1による運転を称賛する情報を出力させると判定する。
【0099】
次に、報知制御部136は、ステップS907での判定結果に基づいて、運転者U1による運転を称賛する情報、すなわち運転者U1による運転を称賛する称賛コンテンツを報知するか否かを判定する(ステップS908)。
【0100】
報知制御部136は、運転者U1による運転を称賛する情報を出力させないと判定された場合には、称賛コンテンツを報知しないと判定し(ステップS908;No)、この後の報知制御処理を実行させず、この時点で処理を終了させる。
【0101】
一方、報知制御部136は、運転者U1による運転を称賛する情報を出力させると判定された場合には、称賛コンテンツを報知すると判定し(ステップS908;Yes)、ステップS906で算出された困難性スコアに基づいて、運転者U1による運転をどの程度称賛すべきか称賛度合を制御する(ステップS909)。例えば、報知制御部136は、困難性スコアと、コンテンツデータベース124のスコア範囲とを照らし合わせることで、称賛度合を制御してよい。
【0102】
続いて、報知制御部136は、称賛度合に応じた内容の情報が報知されるよう報知制御する(ステップS910)。例えば、報知制御部136は、称賛度合に紐付けられる称賛コンテンツを、報知対象の称賛コンテンツとしてコンテンツデータベース124から抽出し、抽出した称賛コンテンツが運転者U1に報知されるよう、端末装置10に対して報知制御する。
【0103】
〔6.ハードウェア構成〕
また、上述してきた実施形態に係る情報処理装置100は、例えば、
図10に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。
図10は、情報処理装置100の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
【0104】
CPU1100は、ROM1300またはHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0105】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、及び、かかるプログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信インターフェイス1500は、所定の通信網を介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100が生成したデータを所定の通信網を介して他の機器へ送信する。
【0106】
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、生成したデータを入出力インターフェイス1600を介して出力装置へ出力する。
【0107】
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラムまたはデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0108】
例えば、コンピュータ1000が実施形態に係る情報処理装置100として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部130の機能を実現する。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から所定の通信網を介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0109】
〔7.その他〕
また、上記各実施形態において説明した処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0110】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0111】
また、上記各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0112】
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0113】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、取得部は、取得手段や取得回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0114】
1 報知制御システム
10 端末装置
100 情報処理装置
120 記憶部
121 運転者情報データベース
122 スキル情報データベース
123 難易度情報データベース
124 コンテンツデータベース
130 制御部
131 評価部
132 取得部
133 推定部
134 検出部
135 判定部
136 報知制御部