(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023066159
(43)【公開日】2023-05-15
(54)【発明の名称】オンラインシステム、プログラム及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20230508BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021176713
(22)【出願日】2021-10-28
(71)【出願人】
【識別番号】521473804
【氏名又は名称】キュブライト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110559
【弁理士】
【氏名又は名称】友野 英三
(72)【発明者】
【氏名】梅舟 柄全
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】契約のときに生じる争いの発生を防止することを可能とするオンラインシステムを提供すること。
【解決手段】端末機3A、3Bは、同一の契約書類及び要承認項目を閲覧しつつ互いに通信することが可能であると共に、要承認項目の夫々について契約者の承認を示す承認情報を契約者の操作に基づき生成し、承認情報と通信履歴情報をサーバ2に送信し、サーバ2は、承認情報と通信履歴情報を契約書類情報に紐付けて、端末機3A、3Bによる閲覧が可能な状態で保存する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の契約者がオンラインで契約を行うことを可能とするオンラインシステムであって、
一以上の契約条項を含む契約書類に係る契約書類情報及び前記契約条項についての要承認項目を示す要承認項目情報を保存するサーバと、
前記サーバに保存された前記契約書類情報及び前記要承認項目情報を閲覧可能とする複数の端末機と
を備え、
複数の前記端末機は、同一の契約書類情報及び要承認項目情報が閲覧されつつ互いに通信することにより生じる通信履歴情報を生成し、前記契約書類情報と前記要承認項目情報とについての契約者による承認を示す承認情報を生成し、前記承認情報及び前記通信履歴情報を前記サーバに送信し、
前記サーバは、前記承認情報及び前記通信履歴情報と、前記契約書類情報及び前記要承認項目情報とを紐付けて、複数の前記端末機による閲覧が可能な状態で保存することができる合意形成手段を備える
ことを特徴とするオンラインシステム。
【請求項2】
前記複数の端末機のうちの少なくとも一つの端末機は、前記承認情報と、前記承認を行った契約者の電子署名及び前記承認が行われた時間を示すタイムスタンプとを、前記サーバに送信し、
前記サーバは、受信した前記承認情報と、前記電子署名及び前記タイムスタンプとを改ざん防止措置を講じたうえで前記契約書類情報に紐付けて保存する
ことを特徴とする請求項1に記載のオンラインシステム。
【請求項3】
前記タイムスタンプは、契約開始から終了までの一連の手続きにおいて、契約開始のときもしくはサービス開始のときに係る開始情報、契約承認にいたるまでの契約者当事者間の会話もしくは対話に係る会話情報、契約承認にいたるまでの契約者当事者間で交わされる文字情報、契約文書開封のときに係る契約文書開封情報、契約情報、要承認項目情報の最終頁までの閲覧完了のときに係る要承認項目完遂情報、契約終了のときもしくはサービス終了のときに係る終了情報、のうちの少なくてもいずれか一つ以上に付されて、前記サーバに送信され、前記手続き情報に紐付けて保存されることを特徴とする請求項2に記載のオンラインシステム。
【請求項4】
前記複数の端末機のうちの少なくとも一つである第1の端末機は、契約者の操作により契約交渉の辞退を行う辞退機能を有し、契約者により前記辞退機能が操作されると、前記承認情報の生成機能を停止すると共に辞退情報を生成して前記サーバに送信し、
前記サーバは、前記辞退情報を受信すると、継続意思確認情報を生成して前記第1の端末機以外の前記複数の端末機に対して送信し、
前記継続意思確認情報を受信した前記第1の端末機以外の前記複数の端末機は、契約交渉を継続する意思を示す継続意思情報を前記契約者の操作に基づき生成して前記サーバに送信し、
前記サーバは、前記継続意思確認情報を送信した前記第1の端末機以外の前記複数の端末機から前記継続意思表示情報を受信すると、前記継続意思確認情報を送信した前記第1の端末機以外の前記複数の端末機に対して前記契約書類情報及び前記要承認項目情報を閲覧可能とすると共に、前記承認情報を受信可能とする
ことを特徴とする請求項1~3のうちのいずれか1項に記載のオンラインシステム。
【請求項5】
前記契約書類情報及び前記要承認項目情報は前記複数の端末機のうちの少なくとも一つの端末から前記サーバにアップロードされることを特徴とする請求項1~4のうちのいずれか1項に記載のオンラインシステム。
【請求項6】
前記複数の端末機のうちの少なくとも一つの端末機を用いたオンライン契約の際の説明は、文字、音声、画像又は動画のうち少なくとも1つを用いた通信を介して行われることを特徴とする請求項1~5のうちのいずれか1項に記載のオンラインシステム。
【請求項7】
前記通信に音声が含まれる場合、前記音声は前記複数の端末機のうちの少なくとも一つの端末機又は前記サーバにより文字に変換され前記複数の端末機のうちの少なくとも一つの端末機に表示され、前記音声と共に前記文字が通信履歴情報として前記サーバに保存されることを特徴とする請求項6に記載のオンラインシステム。
【請求項8】
前記サーバは、前記複数の端末機のうちの少なくとも一つの端末機に対して前記契約書類情報及び前記要承認項目情報を電子郵便機能により送信することを特徴とする請求項1~7のうちのいずれか1項に記載のオンラインシステム。
【請求項9】
複数の契約者がオンラインで契約を行うことを可能とするオンラインシステムに係るコンピュータを、
1つ以上の契約条項を含む契約書類を示す契約書類情報及び契約書類の契約条項についての要承認項目を示す要承認項目情報を生成する手段と、
生成した前記契約書類情報及び前記要承認項目情報を他のコンピュータと共有する手段と、
前記要承認項目情報の各々について契約者の承認を示す承認情報を契約者の操作に基づき生成する手段と、
生成した前記承認情報を他のコンピュータと共有する手段と、
他のコンピュータとの通信履歴を示す通信履歴情報及び前記承認情報を前記契約書類情報に紐付けて、他のコンピュータによる閲覧が可能な状態で保存する手段と
として機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項10】
前記コンピュータを、
前記承認を行った契約者の電子署名及び前記承認を行った時間を示すタイムスタンプを生成する手段と、
生成した改ざん防止措置を講じたうえで前記契約書類情報に紐付けて他のコンピュータと共有する手段と
として更に機能させることを特徴とする請求項9に記載のプログラム。
【請求項11】
前記タイムスタンプは、契約開始から終了までの一連の手続きにおいて、契約開始のときもしくはサービス開始のときに係る開始情報、契約承認にいたるまでの契約者当事者間の会話もしくは対話に係る会話情報、契約承認にいたるまでの契約者当事者間で交わされる文字情報、契約文書開封のときに係る契約文書開封情報、契約情報、要承認項目情報の最終頁までの閲覧完了のときに係る要承認項目完遂情報、契約終了のときもしくはサービス終了のときに係る終了情報、のうちの少なくてもいずれか一つ以上に付されて、前記サーバに送信され、前記手続き情報に紐付けて保存されることを特徴とすることを特徴とする請求項10に記載のプログラム。
【請求項12】
前記通信履歴情報は、文字、音声、画像又は動画のうち少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項9~11のうちのいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項13】
前記通信履歴情報に音声が含まれる場合、前記コンピュータを、
前記音声を文字に変換する手段と、
前記音声と共に前記文字を通信履歴情報として他のコンピュータによる閲覧が可能な状態で保存する手段と
として更に機能させることを特徴とする請求項12に記載のプログラム。
【請求項14】
請求項9~14のうちのいずれか1項に記載のプログラムを格納したコンピュータ読取可能な記憶媒体。
【請求項15】
複数の当事者がオンラインによって承認を要する事項についての合意形成を行うことを可能とするシステムであって、
一以上の承認項目を含む書類に係る書類情報及び前記承認項目を示す承認項目情報を保存するサーバと、
前記サーバに保存された前記書類情報及び前記要承認項目情報を閲覧可能とする複数の端末機と
を備え、
複数の前記端末機は、同一の書類情報及び要承認項目情報が閲覧されつつ互いに通信することにより生じる通信履歴情報を生成し、前記書類情報と前記要承認項目情報とについての当事者による承認を示す承認情報を生成し、前記承認情報及び通信履歴情報を前記サーバに送信し、
前記サーバは、前記承認情報及び前記通信履歴情報と、前記書類情報及び前記要承認項目情報とを紐付けて、複数の前記端末機による閲覧が可能な状態で保存することができる合意形成手段を備える
ことを特徴とするオンラインシステム。
【請求項16】
前記承認に係るシンボルマークを表示する手段と、
前記承認がなされるのに連動してもしくは関連して環境保護団体を含む団体への寄付に繋がる寄付動機付けポイントが付加される手段と
をさらに備えることを特徴とする請求項1~8、15のうちのいずれか1項に記載のオンラインシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はたとえばオンラインシステム、プログラム及び記憶媒体に係り、特に、複数の契約者がオンラインで契約を行うことを可能とするオンライン契約システム、コンピュータをオンライン契約システムとして機能させるプログラム及びこのプログラムを記憶する記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の感染症対策や通信環境の進歩により、従来対面形式で行われていた各種業務がオンラインで行われるようになっている。
【0003】
こうした業務のオンライン化は、電子署名やタイムスタンプ等の改ざん防止技術の発達に伴い、各種の契約業務においても広がりつつあり、様々なオンライン契約システムが開発されつつある。
【0004】
例えば、特許文献1には、同一の契約書情報に対して行われた契約者の電子署名を正しく検証することにより、安全にオンライン契約手続を実現することができるオンライン契約システムに係る技術思想が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、各種の契約業務においては、従前から契約締結後に契約内容に関する説明が十分に行われておらず、「言った/言わない」の水掛論に発展し、契約者間の合意が正しく行われていなかった等として契約者間に争いが生じることがある。そして、こうした争いが生じた際に、契約締結過程において契約内容に関する十分な説明が行われた(という事実があった)こと、そしてその説明された事項について契約者間で明確な合意があったか否かについて事後的に検証することは困難である。こうした問題は従来の対面形式による契約業務のみならず、近年のオンラインでの契約業務においても発生している。
【0007】
一方、行政もしくは省庁が関与する形式での契約の場合、契約の種類や状況によっては、ルーチン化している場合や、利益を度外視してでも受注する必要があるとの事情がある場合等においては、丁寧な説明も少なく、ややもすれば同意するしかないだけのこともあるのが現状である。
【0008】
いずれにしても、現状の日本の主に産業界において、対面形式による契約業務、オンラインでの契約業務、を問わず、上述したような契約者間に争いが発生した場合に、システム的に解決されるものがない。
【0009】
本発明は、上述した問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、紙の契約における判子を押すという行為による合意形成よりもより強固な合意形成を目的とし、契約締結過程において契約内容に関する十分で丁寧な説明が行われること、そしてその説明された事項について契約者間で明確な合意がなされることを支援すると共に、契約締結後に契約手続が正当に行われたか否かについての検証を可能とし、契約という行為が発生するにあたり生じてしまった争いをシステム的に解決できる基盤を提供すること、これを通じて生じ得る争いの発生を防止することを可能とするオンラインシステム、コンピュータをオンラインシステムとして機能させるプログラム及びこのプログラムを記憶する記憶媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者は上記課題の解決のためには、まず、対面で契約内容の確認を一つ一つ丁寧に安心して進められる基盤、確認するべき一つ一つの契約条項が契約に当たることを明確化することを可能とする基盤、対面契約のときの会話を「音声を見える化」することを可能とする基盤、が前提として必要であることを発見・創案した。そして、「音声を見える化」することの一態様として、会話の履歴を残し、その内容を文字おこしに発展させ、契約文章に反映させることを発案した。このような発案に立った場合、本発明の効果として、電子郵便機能の活用により、郵便手続きの手間・コスト・時間を大幅に削減できることにも考察が及んだ。
【0011】
そこで、上記課題を解決すべく、本発明の第1の態様に係るオンラインシステムは、複数の契約者がオンラインで契約を行うことを可能とするオンラインシステムであって、一以上の契約条項を含む契約書類に係る契約書類情報及び前記契約条項についての要承認項目を示す要承認項目情報を保存するサーバと、前記サーバに保存された前記契約書類情報及び前記要承認項目情報を閲覧可能とする複数の端末機とを備え、複数の前記端末機は、同一の契約書類情報及び要承認項目情報が閲覧されつつ互いに通信することにより生じる通信履歴情報を生成し、前記契約書類情報と前記要承認項目情報とについての契約者による承認を示す承認情報を生成し、前記承認情報及び前記通信履歴情報を前記サーバに送信し、前記サーバは、前記承認情報及び前記通信履歴情報と、前記契約書類情報及び前記要承認項目情報とを紐付けて、複数の前記端末機による閲覧が可能な状態で保存することができる合意形成手段を備えることを特徴とする。
【0012】
ここでいうところの「承認」とは、法的な意味での合意を意味する。また、「契約者による承認を示す承認情報」とは、当事者双方の意思に基づいて合意が形成されたことが少なくとも外形的に認められることを意味する。また、「合意形成手段」とは、たとえば改ざん防止措置が講じられることにより、当該合意形成についての真正性が担保される状態で、前記承認情報及び前記通信履歴情報と、前記契約書類情報及び前記要承認項目情報とを紐付けて、複数の前記端末機による閲覧が可能な状態で保存されることを意味する。
【0013】
したがって、当該契約書類における全ての当該契約書類情報にたいして各々の承認情報が保存されると、法的な契約が真正に締結されたことの蓋然性が担保されることを意味する。
【0014】
本発明の一態様に係るオンラインシステムによれば、契約に関わる全ての契約者がオンライン上で同時に契約書類を閲覧しつつ契約内容についての情報交換を行うことができ、契約説明者が契約書類と、契約書の各条項に紐づけた要承認項目に基づき、要承認項目毎に承認を行うことで、契約者間で十分な説明及び明確な合意がなされることを担保することができる。また、契約書類情報及び要承認項目情報と、承認情報及び通信履歴情報とがサーバに保存され端末機により閲覧可能とすることにより、契約締結後に契約手続が正当に行われたことを容易に検証することができる。そして、これらにより、契約にあたり生じる争いの発生を防止することができる。なお、「契約書類」とは、契約のときの説明事項、重要事項説明書や承認事項が記載された書類であり、不動産契約書類、売買契約書類、雇用契約書類等の各種書類を含む書類であるが、割れたガラスなどの写真や動画や音声などの証拠となりうるデータもしくは当該データが記載されたあるいは包含されたあるいは当該データが参照された文書も、契約書類に含まれうる。
【0015】
本発明の第2の態様に係るオンラインシステムとして、第1の態様において、前記複数の端末機のうちの少なくとも一つの端末機は、前記承認情報と、前記承認を行った契約者の電子署名及び前記承認が行われた時間を示すタイムスタンプとを、前記サーバに送信し、前記サーバは、受信した前記承認情報と、前記電子署名及び前記タイムスタンプとを改ざん防止措置を講じたうえで前記契約書類情報に紐付けて保存するようにしてもよい。
【0016】
上記第2の態様において、前記タイムスタンプは、承認を行った時間を示すものに限定されず、たとえば、開封を行った時間を示す情報などいずれかの情報、いずれかのデータに紐づけられるものであってもよい。
【0017】
上記第2の態様において、前記タイムスタンプは、契約の改竄の不可能性もしくは当事者間の錯誤の担保する、および/または契約の改竄が行われたことをしめす記録としてもよい。
【0018】
本発明の第3の態様に係るオンラインシステムとして、第2の態様において、前記タイムスタンプは、契約開始から終了までの一連の手続きにおいて、契約開始のときもしくはサービス開始のときに係る開始情報、契約承認にいたるまでの契約者当事者間の会話もしくは対話に係る会話情報、契約承認にいたるまでの契約者当事者間で交わされる文字情報、契約文書開封のときに係る契約文書開封情報、契約情報、要承認項目情報の最終頁までの閲覧完了のときに係る要承認項目完遂情報、契約終了のときもしくはサービス終了のときに係る終了情報、のうちの少なくてもいずれか一つ以上に付されて、前記サーバに送信され、前記手続き情報に紐付けて保存されるようにしてもよい。また、この場合、上記タイムスタンプに加えて、本人認証(多素認証、指紋認証、顔認証、生体認証、その他公知の認証方法(身分証明書の提示等)として公知の手段もしくはこれらに代替できる本人確認手段を併せ採用してもよい。
【0019】
これにより、当事者間の本人性を否定できない強固な担保として切り離せない時間としてのスタンプを合わせ、これにたとえば、本人認証(多素認証、指紋認証、顔認証、生体認証、その他公知の認証方法(身分証明書の提示等)として公知の手段もしくはこれらに代替できる本人確認手段を併せ採用することにすれば、真正の契約者により契約が行われたことを証明することができ、第三者によるなりすましを防止し、契約の改ざん防止性と真正性を確保することができる。
【0020】
本発明の第4の態様に係るオンラインシステムとして、第1乃至第3のいずれかの態様において、前記複数の端末機のうちの少なくとも一つである第1の端末機は、契約者の操作により契約交渉の辞退を行う辞退機能を有し、契約者により前記辞退機能が操作されると、前記承認情報の生成機能を停止すると共に辞退情報を生成して前記サーバに送信し、前記サーバは、前記辞退情報を受信すると、継続意思確認情報を生成して前記第1の端末機以外の前記複数の端末機に対して送信し、前記継続意思確認情報を受信した前記第1の端末機以外の前記複数の端末機は、契約交渉を継続する意思を示す継続意思情報を前記契約者の操作に基づき生成して前記サーバに送信し、前記サーバは、前記継続意思確認情報を送信した前記第1の端末機以外の前記複数の端末機から前記継続意思表示情報を受信すると、前記継続意思確認情報を送信した前記第1の端末機以外の前記複数の端末機に対して前記契約書類情報及び前記要承認項目情報を閲覧可能とすると共に、前記承認情報を受信可能とするようにしてもよい。
【0021】
これにより、契約者が契約交渉の途中で契約交渉を辞退することが可能になると共に、辞退した契約者以外の契約者が承認することにより、辞退した契約者以外の契約者により引き続き契約交渉を行い、契約を締結することができる。
【0022】
本発明の第5の態様に係るオンラインシステムとして、第1乃至第4のいずれかの態様において、前記契約書類情報及び前記要承認項目情報は前記複数の端末機のうちの少なくとも一つの端末から前記サーバにアップロードされるようにしてもよい。
【0023】
これにより、契約書類のアップロード及び契約者間で契約書類の表示を容易に行うことができ、利便性を高めることができる。
【0024】
本発明の第6の態様に係るオンラインシステムとして、第1乃至第5のいずれかの態様において、前記複数の端末機のうちの少なくとも一つの端末機を用いたオンライン契約の際の説明は、文字、音声、画像又は動画のうち少なくとも1つを用いた通信を介して行われるようにしてもよい。
【0025】
これにより、対面形式に劣らない環境下で、契約者間が相互に意思疎通を行いながら契約を行うことができる。
【0026】
本発明の第7の態様に係るオンラインシステムとして、第6の態様において、前記通信に音声が含まれる場合、前記音声は前記複数の端末機のうちの少なくとも一つの端末機又は前記サーバにより文字に変換され前記複数の端末機のうちの少なくとも一つの端末機に表示され、前記音声と共に前記文字が通信履歴情報として前記サーバに保存されるようにしてもよい。
【0027】
本発明の一態様に係るオンライン契約システムによれば、前記音声は自動・同時通訳され、前記端末機より通訳音声として発声され、前記音声と共に通信履歴情報として前記サーバに保存されることを特徴としてもよい。これに加えて、もしくはこれに代替させて、音声は自動・同時通訳された音声は、いずれも文字起こしされ文字情報としても保存されるようにしてもよい。
【0028】
本発明の一態様に係るオンライン契約システムによれば、前記文字は自動翻訳されて前記端末機に翻訳文字として表示され、前記音声、前記通訳音声と共に前記文字および/または前記翻訳文字が通信履歴情報として前記サーバに保存されることを特徴としてもよい。
【0029】
前記通信履歴情報は、特に保存形式は問われない。
【0030】
これにより、契約にあたり情報交換に音声が用いられる場合にはこの音声に対応する文字も保存することが可能となり、情報交換した内容や説明内容を振り返って確認することが容易になり、契約締結後に契約手続が正当に行われたことをより容易に検証することができる。
【0031】
本発明の第8の態様に係るオンラインシステムとして、第1乃至第7のいずれかの態様において、前記サーバは、前記複数の端末機のうちの少なくとも一つの端末機に対して前記契約書類情報及び前記要承認項目情報を電子郵便機能により送信するようにしてもよい。
【0032】
上記課題を解決するために、本発明の第9の態様に係るプログラムは、複数の契約者がオンラインで契約を行うことを可能とするオンラインシステムに係るコンピュータを、1つ以上の契約条項を含む契約書類を示す契約書類情報及び契約書類の契約条項についての要承認項目を示す要承認項目情報を生成する手段と、生成した前記契約書類情報及び前記要承認項目情報を他のコンピュータと共有する手段と、前記要承認項目情報の各々について契約者の承認を示す承認情報を契約者の操作に基づき生成する手段と、生成した前記承認情報を他のコンピュータと共有する手段と、他のコンピュータとの通信履歴を示す通信履歴情報及び前記承認情報を前記契約書類情報に紐付けて、他のコンピュータによる閲覧が可能な状態で保存する手段と、として機能させることを特徴とする。
【0033】
本発明の第10の態様に係るプログラムとして、第9の態様において、前記コンピュータを、前記承認を行った契約者の電子署名及び前記承認を行った時間を示すタイムスタンプを生成する手段と、生成した改ざん防止措置を講じたうえで前記契約書類情報に紐付けて他のコンピュータと共有する手段と、として更に機能させるようにしてもよい。
【0034】
本発明の第11の態様に係るプログラムとして、第10の態様において、前記タイムスタンプは、契約開始から終了までの一連の手続きにおいて、契約開始のときもしくはサービス開始のときに係る開始情報、契約承認にいたるまでの契約者当事者間の会話もしくは対話に係る会話情報、契約承認にいたるまでの契約者当事者間で交わされる文字情報、契約文書開封のときに係る契約文書開封情報、契約情報、要承認項目情報の最終頁までの閲覧完了のときに係る要承認項目完遂情報、契約終了のときもしくはサービス終了のときに係る終了情報、のうちの少なくてもいずれか一つ以上に付されて、前記サーバに送信され、前記手続き情報に紐付けて保存されるようにしてもよい。
【0035】
本発明の第12の態様に係るプログラムとして、第9乃至第11のいずれか態様において、前記通信履歴情報は、文字、音声、画像又は動画のうち少なくとも1つを含むようにしてもよい。
【0036】
本発明の第13の態様に係るプログラムとして、第12の態様において、前記通信履歴情報に音声が含まれる場合、前記コンピュータを、前記音声を文字に変換する手段と、前記音声と共に前記文字を通信履歴情報として他のコンピュータによる閲覧が可能な状態で保存する手段と、として更に機能させるようにしてもよい。
【0037】
本発明の第14の態様として、第9乃至第13のいずれかの態様に係るプログラムを格納したコンピュータ読取可能な記憶媒体として実現してもよい。
【0038】
上記課題を解決するために、本発明の第15の態様に係るオンラインシステムは、複数の当事者がオンラインによって承認を要する事項についての合意形成を行うことを可能とするシステムであって、一以上の承認項目を含む書類に係る書類情報及び前記承認項目を示す承認項目情報を保存するサーバと、前記サーバに保存された前記書類情報及び前記要承認項目情報を閲覧可能とする複数の端末機とを備え、複数の前記端末機は、同一の書類情報及び要承認項目情報が閲覧されつつ互いに通信することにより生じる通信履歴情報を生成し、前記書類情報と前記要承認項目情報とについての当事者による承認を示す承認情報を生成し、前記承認情報及び通信履歴情報を前記サーバに送信し、前記サーバは、前記承認情報及び前記通信履歴情報と、前記書類情報及び前記要承認項目情報とを紐付けて、複数の前記端末機による閲覧が可能な状態で保存することができる合意形成手段を備えることを特徴とする。
【0039】
いわゆる契約以外に、オンラインアンケート、オンライン説明会、オンラインセミナー、オンライン郵便、オンライン会議、オンライン販売、オンライン電話、オンラインチャットの少なくともいずれか、或いはこれらの任意の組み合わせ等、の双方向で行う質問・調査、および、これに伴う承認、同意、合意のうちのいずれか少なくとも一つが必要な約束事や回答などを含むいわゆる非契約形態のものを本システムにおける情報処理対象としてもよい。
【0040】
本発明の第16の態様に係るオンラインシステムとして、第1の態様から第8態様及び第15の態様のうちのいずれかの態様において、前記承認に係るシンボルマークを表示する手段と、前記承認がなされるのに連動してもしくは関連して環境保護団体を含む団体への寄付に繋がる寄付動機付けポイントが付加される手段とをさらに備えるようにしてもよい。
【0041】
本発明の一態様に係るオンライン契約システムによれば、契約のときに、保存された承認情報及び通信履歴情報等を音声または文字等による検索を可能とし、検索結果は、文字、画像、動画または音声等により表示および/または発音されること特徴としてもよい。
【0042】
本発明の一態様に係るオンライン契約システムによれば、契約のときに、過去に蓄積された契約情報が参照されることで、契約項目の錯誤や過失、契約情報漏れなどを判断し、忠告・警告、訂正・補足・修正などのエラー未然防止措置が備えらえることを特徴としてもよい。
【0043】
本発明の一態様に係るオンライン契約システムによれば、契約当事者の目の動きや顔の表情などにより説明を受ける側の要承認項目情報等の理解度および説明をする側が理解できるように説明が行われているか等を機械学習し、その結果と決められた値とを比較し、決められた値を満たさないときに、説明を受ける側は理解ができていない、説明をする側は、十分に説明ができていないと判断し、音声および/または表示でアシストされること等を特徴としてもよい。
【発明の効果】
【0044】
上述した構成からなる本発明によれば、契約締結過程において契約内容に関する十分な説明が行われること、そしてその説明された事項について契約者間で明確な合意がなされることを支援すると共に、契約締結後に契約手続が正当に行われたか否かについての検証を可能とし、契約のときに生じる争いの発生を防止することが可能となる。また、電子郵便機能の活用が容易となることから、郵便手続きの手間・コスト・時間を大幅に削減できる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【
図1】本発明の実施形態に係るオンライン契約システムの構成を示す模式図である。
【
図2】
図1のオンライン契約システムに用いられるサーバの機能ブロック図である。
【
図3】
図1のオンライン契約システムに用いられる端末機の機能ブロック図である。
【
図4】端末機に表示される契約者情報の入力画面を示す図である。
【
図5】端末機に表示される契約書類のアップロード画面である。
【
図6】端末機に表示される契約相手のWeb会議画面及び契約に必要な書類データの一覧を示す画面である。
【
図7】端末機に表示される契約相手のWeb会議画面、契約書類及び要承認項目を示す画面である。
【
図8】端末機に表示される契約締結済を示す画面である。
【
図9】端末機に表示される契約相手のWeb会議画面及び文字通信を示す画面である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0047】
以下に説明する実施形態においては、オンライン契約システム1が不動産賃貸借契約に用いられる場合を例に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るオンライン契約システム1のハードウェア構成を示す模式図である。
図1に示すように、本実施形態に係るオンライン契約システム1は、サーバ2と、契約内容の説明を行う人間すなわち不動産の賃貸契約を仲介する不動産会社の担当社員等が用いる第1端末機3Aと、不動産の賃借人となる契約者が用いる第2端末機3Bと、これらの構成要素を結ぶインターネット回線4とを備えて構成されている。
【0048】
なお、本発明の一実施形態に係るオンライン契約システムには、不動産賃貸借契約に限らず、不動産売買契約、雇用契約、金銭貸借契約、物品リース契約、物品売買契約、業務委託契約、秘密保持契約、株式譲渡契約、遺産分割契約、各種贈与契約、各種権利譲渡契約、会社の合併契約等、様々な契約業務に用いることができ、更に、契約のみならず、双方向に情報交換をしながら行われる各種のオンラインアンケートやオンライン説明会等にも好適に用いることができる。また、本実施形態においては、2者間によるオンライン契約を例に説明するが、本発明の一実施形態においてはこれに限らず、本発明の一実施形態に係るオンライン契約システム1は、3者以上の間で行われる契約についても好適に用いることができる。
【0049】
サーバ2は、契約に用いられる各種情報を第1端末機3A及び第2端末機3Bとやり取りすると共にこれらの情報を記憶し、また、契約を行う当事者(契約者)の認証を行うと共に、オンライン契約のプラットフォームとなるオンライン契約サイトの管理を行う。サーバ2は、サーバ2全体を制御するCPU(Central Processing Unit)と、CPU上で動作する制御プログラム等を格納したROM(Read-only Memory)と、各種データを一時的に格納するためのRAM(Random Access Memory)(何れも不図示)とを備えて構成されている。
【0050】
図2は、
図1のオンライン契約システム1に用いられるサーバ2の機能構成を説明するための機能ブロック図である。サーバ2は、
図2に示すように、CPUがROMに格納されている制御プログラムをRAMに展開して実行することにより、送受信部21、記憶部22、認証情報生成部23及び認証部24として機能することができる。
【0051】
送受信部21は、第1端末機3A及び第2端末機3Bに対して情報の授受を行うインターフェースとして機能することができる。
【0052】
記憶部22は、第1端末機3A及び第2端末機3Bから受信した各種情報を図示しない記憶手段に記憶することができる。記憶される情報には、契約者の本人情報も含まれる。また、記憶部22内には、契約者がオンライン契約を行うためのオンライン契約サイトを構成する各ページのデータが記憶されていて、第1端末機3A及び第2端末機3Bによりアクセス可能となっている。
【0053】
認証情報生成部23は、オンライン契約への参加希望者が真正な契約者であるか否かを確認するための認証情報を生成することができる。具体的には、認証情報生成部23は、一定期間のみアクセス可能な認証用URL(Uniform Resource Locator)を生成すると共に、生成した認証用URLを本文中に含むEメールやショートメッセージを生成することができる。そして、これらのEメールやショートメッセージは、送受信部21により、予め任意の方法によりサーバ2に登録されている契約者情報に含まれる契約者のEメールアドレスやショートメッセージアドレスに対して送信されることができる。
【0054】
なお、上記契約者情報は、例えばオンライン契約システム1が本実施形態のように不動産賃貸借契約に用いられる場合には、契約内容の説明を行う不動産の担当社員により、予め端末機3Aを介してサーバ2に登録されることができる。
【0055】
認証部24は、契約者が真正の契約者であるか否かの認証を行うことができる。具体的には、認証部24は、賃借人となる契約者については、上記Eメールやショートメッセージを受信した契約者が上記所定期間内に所定の端末機を用いて認証用URLにアクセスした場合、当該端末機を契約者の端末機であると認識し、当該端末機によるオンライン契約サイトへのアクセスを許可することができる。
【0056】
また、契約内容の説明を行う契約者については、事前にユーザ登録を行いIDとパスワードを記憶部22に登録した後、契約業務を行う際には当該IDとパスワードを端末機3Aを通じてサーバ2に送信することで、認証部24によるユーザ認証を受けるようになっている。
【0057】
なお、本発明の一実施形態に係るオンライン契約システムにおいては、上述した認証部24による契約者の認証に際して、認証後の端末機3A、3Bに対して更にEメールやショートメッセージにより認証パスワードを送信し、当該認証パスワードがオンライン契約サイトの所定の入力欄に入力された場合に真正の契約者であると認証する、2段階認証を用いてもよい。
【0058】
第1端末機3Aと第2端末機3Bは、それぞれ契約者がサーバ2が提供するオンライン契約サイトにアクセスし契約を行うための端末機である。本実施形態においては、第1端末機3Aは契約者である不動産会社の社員が不動産会社内で使用しているデスクトップ型のパーソナルコンピュータ(デスクトップPC)であり、第2端末機3Bは賃借人となる契約者が保有するスマートフォンである。ただし、本発明の実施形態においては第1端末機3A及び第2端末機3Bはこれらに限られず、ノート型のパーソナルコンピュータ(ノートPC)やタブレット型端末等、サーバ2との文字、音声、画像及び動画を用いた通信機能、各種データの表示機能(ディスプレイ等の表示装置)及び情報入力機能(キーボードやタッチパネル等の入力装置や、動画撮影装置、音声録音装置等)を有する端末機であれば好適に用いることができる。文字、音声、画像及び動画を用いた通信環境下でオンライン契約を行うことにより、対面形式に劣らない環境下で、契約者間が相互に意思疎通を行いながら契約を行うことができる。
【0059】
第1端末機3A及び第2端末機3Bは、それぞれ自機の構成を全体的に制御するCPU(Central Processing Unit)と、CPU上で動作する制御プログラム等を格納したROM(Read-only Memory)と、各種データを一時的に格納するためのRAM(Random Access Memory)(何れも不図示)を備えて構成されている。
【0060】
図3は、
図1のオンライン契約システムに用いられる端末機3A、3Bの機能構成を説明するための機能ブロック図である。第1端末機3A及び第2端末機3Bは、
図3に示すように、CPUがROMに格納されている制御プログラムをRAMに展開して実行することにより、送受信部311、記憶部312、表示部313、操作部314、契約書類情報生成部315、要承認項目情報生成部316、承認情報生成部317、通信履歴情報生成部319、電子署名生成部320、タイムスタンプ生成部321及び文字情報生成部322として機能することができる。
【0061】
送受信部311は、サーバ2に対して情報の送受信を行うインターフェースとして機能することができる。また、送受信部311は、サーバ2を介して第1端末機3Aと第2端末機3Bが文字通信、音声通信、画像通信及び動画通信を用いて通信を行う際には、文字情報、音声情報、画像情報及び動画情報をサーバ2に送信することができる。なお、音声情報は第1端末機3Aと第2端末機3Bに設けられている図示しないマイクにより音声を録音することで生成されることができる。この音声情報は、第1端末機3Aと第2端末機3Bとがサーバ2を介して通信を行っている際にはタイムリーに生成され、サーバ2に保存される際にはMP3(MPEG-1 Audio Layer-3)等の任意の既知の形式で保存されることができる。また、動画情報は第1端末機3Aと第2端末機3Bに設けられている図示しない撮像装置により動画を撮影することで生成されることができる。この動画情報は、第1端末機3Aと第2端末機3Bとがサーバ2を介して通信を行っている際にはタイムリーに生成され、サーバ2に保存される際にはMP4(MPEG-4 Part 14)等の任意の既知の形式で保存されることができる。
【0062】
記憶部312は、サーバ2から受信した各種情報を図示しない記憶手段に記憶することができる。また、記憶部312内には、契約者がオンライン契約を行うための契約書類情報及び契約書類情報の契約条項についての承認を要する要承認項目を示す要承認項目情報が保存されることができる。なお、契約書類情報及び要承認項目情報については、サーバ2にも送信され、記憶部22に保存されることができる。また、記憶部312は、他の第1端末機3A又は第2端末機3Bから受信した契約者の本人確認情報も記憶手段に記憶することができる。
【0063】
表示部313は、第1端末機3Aと第2端末機3Bに設けられているディスプレイやタッチパネル等の表示装置に各種情報を表示させることができる。なお、音声情報については、図示しないスピーカ部により音声として出力されることができる。
【0064】
操作部314は、第1端末機3Aと第2端末機3Bに設けられているキーボードやタッチパネル、マウス等の情報入力装置を介して入力情報を受け付け、第1端末機3Aと第2端末機3Bの各構成に情報処理の指示を与えることができる。
【0065】
契約書類情報生成部315は、契約者が情報入力装置を操作して表示装置上に契約書類を作成すると、当該契約書類に対応する契約書類情報を、サーバ2や他の端末機でも利用可能な形式で生成することができる。この契約書類情報生成部315は、本実施形態においては第1端末機3Aと第2端末機3Bの双方に設けられているが、本発明においては少なくとも契約書類を提示して説明を行う側である第1端末機3Aに設けられていればよい。生成された契約書類情報は、自機の記憶装置に記憶されると共に、送受信部311によりサーバ2へと送信され、記憶されることができる。
【0066】
要承認項目情報生成部316は、契約者が情報入力装置を操作して契約書類情報の契約条項についての承認を要する要承認項目を作成すると、当該要承認項目に対応する要承認項目情報を、サーバ2や他の端末機でも利用可能な形式で生成することができる。この要承認項目情報生成部316も、本実施形態においては第1端末機3Aと第2端末機3Bの双方に設けられているが、本発明の実施形態においては少なくとも契約書類を提示して説明を行う側である第1端末機3Aに設けられていればよい。生成された要承認項目情報は、自機の記憶装置に記憶されると共に、送受信部311によりサーバ2へと送信され、記憶されることができる。
【0067】
承認情報生成部317は、表示装置に表示された契約書類の各要承認項目に付されている承認ボタンについて契約者が情報入力装置を介してクリックすると、当該操作に応じて要承認項目についての承認がなされたことを示す承認情報を生成することができる。生成された承認情報は、自機の記憶装置に記憶されると共に、送受信部311によりサーバ2へと送信され、記憶されることができる。
【0068】
通信履歴情報生成部319は、第1端末機3A(第2端末機3B)がサーバ2及びサーバ2を介して第2端末機3B(第1端末機3A)と行った通信履歴を示す通信履歴情報を生成することができる。生成された通信履歴情報は、自機の記憶装置に記憶されると共に、送信部311によりサーバ2へと送信され、記憶されることができる。
【0069】
電子署名生成部319は、第1端末機3Aと第2端末機3Bのそれぞれを用いる契約者について、当該契約者の電子署名を生成することができる。生成された電子署名は、前述した承認情報と共に、送信部311によりサーバ2へと送信され、記憶される。なお、本発明の実施形態においてはこの電子署名として、外部の認証局による高度電子署名を含んでもよい。
【0070】
タイムスタンプ生成部321は、承認ボタンがクリックされた時間、すなわち各要承認項目についての承認が行われた時間を示すタイムスタンプを生成することができる。生成されたタイムスタンプは、前述した承認情報及び電子署名と共に、送信部311よりサーバ2へと送信され、記憶されることができる。
【0071】
タイムスタンプ生成部321は、承認以外にも、契約開始のとき(サービス開始のとき)、契約のときの会話・文字入力(都度)、契約文書及び各要承認項目の開封のとき、契約書類及び各要承認項目の最終頁までの閲覧、契約終了のとき(サービス終了のとき)の、契約開始から終了までの一連の手続に付され、送信部311よりサーバ2へと送信され、記憶されてもよい。
【0072】
なお、本実施形態においては、タイムスタンプ生成機能は第1端末機3A及び第2端末機3Bが有する態様について説明しているが、本発明においてはこれに限らず、サーバ2がタイムスタンプ生成機能を有する態様であってもよい。
【0073】
文字情報生成部322は、第1端末機3Aと第2端末機3Bのそれぞれが録音した音声に基づき文字を生成する(文字起こし機能)ことができる。生成した文字の情報(文字情報)は、自機の記憶装置に記憶されると共に、表示部に表示され、また、送信部311によりサーバ2へと送信され記憶されることができる。
【0074】
次に、上述した構成を有するオンライン契約システム1によるオンライン契約に係る動作/作について、図を用いて説明する。
【0075】
図4は、端末機3Aに表示される契約者情報の入力画面を示す図である。この画面は第1端末機3Aを介してサーバ2へとアクセスすることで第1端末機3Aが表示されるWebサイトのページを示している。不動産賃貸借契約を行う際には、重要事項の説明は、宅地建物取引士(宅建士)が行う必要がある。そのため、
図4に示すように、契約者情報の入力ページには、契約者情報として会社名(宅建業者名)、住所、宅建業者免許番号、宅建士名、代表電話番号の入力欄が表示されると共に、説明を受ける契約者への提示が義務付けられている宅建士証の表面と裏面の画像データをアップロードするための操作ボタンが表示される。契約者は第1端末機3Aの入力装置を操作して各種項目に情報を入力すると共に、宅建士証の画像ファイルを指定し、「送信する」のボタンを押下することにより、第1端末機3Aからサーバ2へと契約者である宅建士の情報が送信される。
【0076】
次に、宅建士により重要事項説明書等、不動産賃貸借契約に必要な各種書類のサーバ2へのアップロードが行われる。
図5は、端末機3Aに表示される契約書類のアップロード画面である。
図4に示す画面を介した操作が全て終了した後、第1端末機3Aの表示装置には、
図5に示す画面が表示される。
【0077】
図5に示すように、第1端末機3Aの表示装置には、契約書類ファイルを所定の枠内にドラッグアンドドロップすることでアップロードする契約書類をして可能な画面が表示される。宅建士が契約書類を枠内にドラッグアンドドロップする度に、当該書類の名称と、クリックすることで当該書類を開くことが可能となるアイコンが表示される。なお、ドラッグアンドドロップだけでなく、選択アップロードによっても契約書類ファイルをアップロードすることができる。
【0078】
宅建士によりアップロードする契約書類の指定が完了し、
図5の枠内に必要な、契約書類と確認事項を含めた契約書類情報が全て表示された状態で「オンライン手続きを開始する」のボタンを押下することにより、これらの契約書類情報がサーバ2にアップロードされ、第1端末機3A及び第2端末機3Bにより後述する
図6の画面を介して閲覧可能となると共に、オンライン契約手続きが開始される。このように、第1端末機3Aから契約書類をアップロード可能とすることにより、契約者間で契約書類の閲覧を容易に行うことができ、利便性を高めることができる。
【0079】
図6は、端末機3A、3Bに表示される契約相手の動画及び契約に必要な書類データの一覧を示す画面である。上述したオンライン手続きの開始ボタンが押下されると、Webサイトにログインしている第1端末機3A及び第2端末機3Bには、
図6に示す画面が表示される。この画面では、通信相手である契約者がオンライン上に表示され、所謂Web会議が行われる。また、このWeb会議画面に加えて、宅建士によりアップロードされた契約書類一覧の表示欄が設けられている。
【0080】
なお、このシステムへのログインに際しては、各契約者が認証手続きを行う必要がある。この認証手続きは、例えば端末機3A、3Bを介する指紋認証、顔認証、生体認証等、公知の認証方法を用いて行うことができる。
【0081】
図6に示すように、各契約書類について、当該書類の名称、説明を受ける契約者が当該書類を開封した日時、宅建士によるオンラインによる当該書類の内容に関する説明が完了した日時、当該書類が最終ページまで閲覧されたことを示す表示、及び当該書類に対する契約ステータスが表示されている。
【0082】
また、各契約書類の左側にはそれぞれ書類の形をしたアイコンが表示される。契約者がこのアイコンをクリックすることにより、実際の書類が表示され、記載内容を閲覧することが可能となる。
【0083】
図7は、端末機3A、3Bに表示される契約相手のWeb会議画面、契約書類及び要承認項目を示す画面である。
図6に示す書類の形をしたアイコンをクリックすると、
図7に示すように、当該アイコンに対応した契約書類の記載内容を閲覧することが可能となる。
【0084】
このとき、契約書類の確認を要する要承認項目である各条項の右側には、各条項についての説明を受け承認、同意、合意が必要であることを確認する黄色の「承認」ボタンが表示される。賃借人となる契約者は、宅建士である契約者から各条項について説明を受け、内容を十分理解した場合には、第2端末機3Bの入力装置を操作して黄色の「承認」ボタンを押すと、当該ボタンの表示の色が異なる緑色の「承認」へと切り替わる。緑色の「承認」が表示されると、各条項についての契約締結を意味する。
【0085】
こうして全ての要承認項目についての説明が終了し、「承認」ボタンの色が切り替わり、全ての確認書類について全ての条項「承認」となると、
図8に示す画面が表示される。
【0086】
図8は、端末機3A、3Bに表示される契約締結済を示す画面である。同図に示すように、全ての契約書類について「契約締結済」となると、それぞれの契約書類について、契約締結が完了した契約締結日時が表示される。
【0087】
賃借人となる契約者は、第2端末機3Bを操作し、この「承認」ボタンを押下することにより、契約の承認が行われたことを示す承認情報、承認を行った契約者の電子署名及び最終承認を行った時間を示すタイムスタンプが生成され、サーバ2へと送信される。サーバ2は、受信した承認情報、電子署名及びタイムスタンプを契約書類情報に紐付けて保存する。これにより、真正の契約者により契約が行われたことを証明することができ、第三者によるなりすましを防止し、契約の安全性と正当性を確保することができる。
【0088】
なお、契約手続の最中、契約者はオンラインミーティングによるやり取りに加えて、文字によるやり取り、所謂チャットをすることも可能である。
図9は、端末機に表示される契約相手のWeb会議画面及び文字通信を示す画面である。
【0089】
契約手続のときに図示しない画面選択ボタンにより文字通信画面を選択すると、Web会議画面の下に文字通信欄が表示される。この文字通信欄には、契約者の双方が入力した文字情報が入力日時と共に表示される。この文字通信欄への文字情報の入力は、第1端末機3A及び第2端末機3Bの入力装置を操作することにより行われると共に、第1端末機3A及び第2端末機3Bに設けられているマイクが収集した音声を文字情報生成部322が文字情報に変換することで行われる。この文字情報によるやり取りも、サーバ2に通信履歴情報として閲覧可能に保存される。
【0090】
このように、Web会議画面に加えて文字によるやり取りも可能とすることにより、説明内容を振り返って確認することが容易になり、契約者間で十分な説明及び明確な合意がなされることをより確実に担保することができる。また、契約のときのやり取りを音声のみならず文字としても保存することにより、契約締結後に契約手続が正当に行われたことをより容易に検証することができる。
【0091】
上述した本実施形態に係るオンライン契約システム1によると、契約に関わる全ての契約者がオンライン上で同時に契約書類を閲覧しつつ契約内容についての情報交換を行うことができ、情報交換の結果に基づき契約条項毎に承認を行うことで、契約者間で十分な説明及び明確な承認がなされることを担保することができる。また、承認情報と通信履歴情報がサーバに保存され端末機により閲覧可能とすることにより、契約締結後に契約手続が正当に行われたことを容易に検証することができる。そして、これらにより、契約のときに生じる争いの発生を防止することができる。
【0092】
なお、
図9に示すように、端末機間のコミュニケーションはWeb会議及び文字通信を主体として行われるが、これらの情報の授受に加えて、任意の添付ファイル、写真ファイルや画像ファイル、音声データファイル及び動画データファイルの授受も同時に行い得るようにしてもよい。
【0093】
また、上述した実施形態においてはシステムへのログインのときに各契約者が本人認証を行う態様を説明したが、本発明においてはこれに限らず、契約締結のとき、すなわち「承認」ボタンの押下後、承認情報が生成される前に、更に本人認証を要求してもよい。この本人認証も、端末機3A、3Bを介する指紋認証、顔認証、生体認証等、公知の認証方法を用いて行うことができる。
【0094】
なお、詳細は省略するが、上記実施形態においては、捺印マーク、印鑑の印影の撮影および/または登録機能を使用することで、捺印マーク、既存印鑑の印影等を承認フローに従って使用することや、書類作成時や対社内での押印ワークフローにおいて上述した機能を用いることも可能である。
【0095】
また、本発明の実施形態においては、第1端末機3A及び第2端末機3Bからサーバ2にアップロードできるのは各種書類データのみならず、写真や画像のファイル、音声ファイル、動画ファイル等、任意のファイルをアップロードすることができる。
【0096】
また、本発明の一実施形態に係るオンライン契約システムには、オンライン契約以外の用途にも用いることが可能である。
【0097】
例えば、本発明の別の実施形態に係るオンライン契約システムには、文章アップロード機能を生かした電子郵便システムとして用いることができる。この場合、発送元のユーザが端末機を操作して本人確認を行った後、要承認項目のかわりとなる回答事項を設定した書類をサーバにアップロードすると共に、送付先の情報を入力することができる。そしてサーバは入力された送付先に、オンラインルームのURLを本文中に含むメールを送信することができる。メールを受信した送付先のユーザは、当該URLにアクセスし、回答項目に必要事項を記載したりチェックマークを付したりすることができる。このときの回答操作はタイムスタンプが付されサーバに記録されることができる。また、必要に応じて発送元のユーザと発送先のユーザはオンライン契約システムを介して情報交換を行うことができる。そして、回答完了後は、発送元のユーザに対して回答が完了した旨のメールがサーバから送信される。これにより、ユーザ間で迅速な書類の送付と回答を行うことが可能になる。
【0098】
さらに、契約締結後に、電子郵便機能により書類と回答結果送信することにより、郵便手続きの手間・コスト・時間を大幅に削減できる。
【0099】
また、本発明のまた別の実施形態に係るオンライン(契約)システムには、承認を要する書類のアップロードを行わない場合でも、当事者間による音声通話、動画通話、文字通信等が可能なSNSシステムとしても用いることができる。この場合でも、当事者間で本人確認を行うと共に、通信履歴がサーバにタイムスタンプが付されて記録されることができる。これにより、当事者間のやり取りを簡易に行うことが可能になると共に、やり取りした内容を保存することが可能になる。
【0100】
本発明のさらに別の実施形態に係るオンライン(契約)システムには、相互理解に、リアルタイムでのオンラインミーティング、WEB会議などの使用には限定されず、PОDキャストなどファイルをダウンロードして使用する場合や、メディア再生による情報を使用する場合などに用いられるシステムも含まれることができる。
【0101】
契約締結ごとに、ポイントを付加し、このポイントを環境保護団体等へ寄付することができる。ポイントを意味するシンボルマークを画面上に表示することができる。この場合、画面上にもシンボルマークを表示することで、環境保護団体等への寄付を動機付け、寄付を促進させることを可能とする。
【0102】
例えば、オンライン契約システム1のそれぞれのマイページ上に、植樹予定の『木の苗の本数』および『木のシンボルマーク』が表示されることができる。当該表示は、契約当事者双方により契約が締結される度に、『木の苗の本数』は一本ずつ増えていき、『木のシンボルマーク』は気の苗の本数に連動してマークを変えていくことができる。画面上にもシンボルマークを表示することで、環境保護団体等への寄付を動機付け、寄付を促進させることを可能とする。
【0103】
オンライン契約システム1の契約者は、『木の苗の本数』を増やしていくことができる。また、貯まった『木の苗』はいつでも植樹活動を実行でき、植樹先は指定の範囲の中から自由に選択することができる。また、『木の苗』は1本あたり1ポイントに交換することができ、その他の環境保護団体や慈善団体等への寄付等を行うことも可能とする。
【0104】
植樹予定の『木の苗の本数』および『木のシンボルマーク』の表示は、公開設定をすることで、オンライン契約システム1を使用する他のユーザも閲覧することを可能とし、オンライン契約システム1を使用するユーザに対して、『木の苗の累計本数』がランキング等の様々な形式で公開されることができる。公開されることで、それぞれのユーザが環境対策に貢献していることを、アピールすることができる。
【0105】
さらに、本発明のまた別の実施形態として、コンピュータを本発明に係るオンライン契約システム1として機能させるプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してコンピュータに供給し、当該コンピュータのCPUがプログラムを読出し実行する処理を行うことでも実現可能である。
【符号の説明】
【0106】
1 オンライン契約システム
2 サーバ
3A 第1端末機
3B 第2端末機
4 インターネット
21 送受信部
22 記憶部
23 認証情報生成部
24 認証部
311 送受信部
312 記憶部
313 表示部
314 操作部
315 契約書類情報生成部
316 要承認項目情報生成部
317 承認情報生成部
319 通信履歴情報生成部
320 電子署名生成部
321 タイムスタンプ生成部
322 文字情報生成部
【手続補正書】
【提出日】2022-05-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の契約者がオンラインで契約を行うことを可能とするオンラインシステムであって、
契約者が真正の契約者であるか否かの認証を行う認証部を備え、一以上の契約条項を含む契約書類に係る契約書類情報及び前記契約条項についての要承認項目を示す要承認項目情報を保存するサーバと、
前記サーバに保存された前記契約書類情報及び前記要承認項目情報を閲覧可能とする複数の端末機と
を備え、
複数の前記端末機は、同一の契約書類情報及び要承認項目情報が閲覧されつつ互いに通信することにより生じる通信履歴情報を生成し、前記契約書類情報と前記要承認項目情報とについての契約者による承認を示す承認情報を生成し、前記承認情報及び前記通信履歴情報を前記サーバに送信し、
前記サーバは、前記承認情報及び前記通信履歴情報と、前記契約書類情報及び前記要承認項目情報とを紐付けて、複数の前記端末機による閲覧が可能な状態で保存することができる合意形成手段を備え、
前記複数の端末機のうちの少なくとも一つの端末機は、前記承認情報と、前記承認を行った契約者の電子署名及び前記承認が行われた時間を示すタイムスタンプとを、前記サーバに送信し、
前記サーバは、受信した前記承認情報と、前記電子署名及び前記タイムスタンプとを改ざん防止措置を講じたうえで前記契約書類情報に紐付けて保存し、
前記複数の前記端末機が前記契約者による承認を示す前記承認情報を生成するに当たっては、各前記契約条項についての説明を受けた者による該契約条項についての承認ボタンの押圧が全ての前記契約条項について行われたときに契約締結済となる
ことを特徴とするオンラインシステム。
【請求項2】
前記タイムスタンプは、契約開始から終了までの一連の手続きにおいて、契約開始のときもしくはサービス開始のときに係る開始情報、契約承認にいたるまでの契約者当事者間の会話もしくは対話に係る会話情報、契約承認にいたるまでの契約者当事者間で交わされる文字情報、契約文書開封のときに係る契約文書開封情報、契約情報、要承認項目情報の最終頁までの閲覧完了のときに係る要承認項目完遂情報、契約終了のときもしくはサービス終了のときに係る終了情報、のうちの少なくてもいずれか一つ以上に付されて、前記サーバに送信され、前記手続き情報に紐付けて保存されることを特徴とする請求項1に記載のオンラインシステム。
【請求項3】
前記複数の端末機のうちの少なくとも一つである第1の端末機は、契約者の操作により契約交渉の辞退を行う辞退機能を有し、契約者により前記辞退機能が操作されると、前記承認情報の生成機能を停止すると共に辞退情報を生成して前記サーバに送信し、
前記サーバは、前記辞退情報を受信すると、継続意思確認情報を生成して前記第1の端末機以外の前記複数の端末機に対して送信し、
前記継続意思確認情報を受信した前記第1の端末機以外の前記複数の端末機は、契約交渉を継続する意思を示す継続意思情報を前記契約者の操作に基づき生成して前記サーバに送信し、
前記サーバは、前記継続意思確認情報を送信した前記第1の端末機以外の前記複数の端末機から前記継続意思表示情報を受信すると、前記継続意思確認情報を送信した前記第1の端末機以外の前記複数の端末機に対して前記契約書類情報及び前記要承認項目情報を閲覧可能とすると共に、前記承認情報を受信可能とする
ことを特徴とする請求項1に記載のオンラインシステム。
【請求項4】
前記契約書類情報及び前記要承認項目情報は前記複数の端末機のうちの少なくとも一つの端末から前記サーバにアップロードされることを特徴とする請求項1に記載のオンラインシステム。
【請求項5】
前記複数の端末機のうちの少なくとも一つの端末機を用いたオンライン契約の際の説明は、文字、音声、画像又は動画のうち少なくとも1つを用いた通信を介して行われることを特徴とする請求項1~4のうちのいずれか1項に記載のオンラインシステム。
【請求項6】
前記通信に音声が含まれる場合、前記音声は前記複数の端末機のうちの少なくとも一つの端末機又は前記サーバにより文字に変換され前記複数の端末機のうちの少なくとも一つの端末機に表示され、前記音声と共に前記文字が通信履歴情報として前記サーバに保存されることを特徴とする請求項5に記載のオンラインシステム。
【請求項7】
前記サーバは、前記複数の端末機のうちの少なくとも一つの端末機に対して前記契約書類情報及び前記要承認項目情報を電子郵便機能により送信することを特徴とする請求項1に記載のオンラインシステム。
【請求項8】
複数の契約者がオンラインで契約を行うことを可能とするオンラインシステムに係るコンピュータを、
1つ以上の契約条項を含む契約書類を示す契約書類情報及び契約書類の契約条項についての要承認項目を示す要承認項目情報を生成する手段と、
契約者が真正の契約者であるか否かの認証を行う認証手段と、
生成した前記契約書類情報及び前記要承認項目情報を他のコンピュータと共有する手段と、
前記要承認項目情報の各々について契約者の承認を示す承認情報を契約者の操作に基づき生成する手段と、
生成した前記承認情報を他のコンピュータと共有する手段と、
他のコンピュータとの通信履歴を示す通信履歴情報及び前記承認情報を前記契約書類情報に紐付けて、他のコンピュータによる閲覧が可能な状態で保存する手段と、
前記承認を行った契約者の電子署名及び前記承認を行った時間を示すタイムスタンプを生成する手段と、
生成した改ざん防止措置を講じたうえで前記契約書類情報に紐付けて他のコンピュータと共有する手段と
前記複数の前記端末機が前記契約者による承認を示す前記承認情報を生成するに当たっては、各前記契約条項についての説明を受けた者による該契約条項についての承認ボタンの押圧が全ての前記契約条項について行われたときに契約締結済とする手段と
として機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項9】
前記タイムスタンプは、契約開始から終了までの一連の手続きにおいて、契約開始のときもしくはサービス開始のときに係る開始情報、契約承認にいたるまでの契約者当事者間の会話もしくは対話に係る会話情報、契約承認にいたるまでの契約者当事者間で交わされる文字情報、契約文書開封のときに係る契約文書開封情報、契約情報、要承認項目情報の最終頁までの閲覧完了のときに係る要承認項目完遂情報、契約終了のときもしくはサービス終了のときに係る終了情報、のうちの少なくてもいずれか一つ以上に付されて、前記サーバに送信され、前記手続き情報に紐付けて保存されることを特徴とすることを特徴とする請求項8に記載のプログラム。
【請求項10】
前記通信履歴情報は、文字、音声、画像又は動画のうち少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項8に記載のプログラム。
【請求項11】
前記通信履歴情報に音声が含まれる場合、前記コンピュータを、
前記音声を文字に変換する手段と、
前記音声と共に前記文字を通信履歴情報として他のコンピュータによる閲覧が可能な状態で保存する手段と
として更に機能させることを特徴とする請求項10に記載のプログラム。
【請求項12】
請求項8~11のうちのいずれか1項に記載のプログラムを格納したコンピュータ読取可能な記憶媒体。
【請求項13】
複数の当事者がオンラインによって承認を要する事項についての合意形成を行うことを可能とするシステムであって、
当事者が真正の当事者であるか否かの認証を行う認証部を備え、一以上の承認項目を含む書類に係る書類情報及び前記承認項目を示す承認項目情報を保存するサーバと、
前記サーバに保存された前記書類情報及び前記要承認項目情報を閲覧可能とする複数の端末機と
を備え、
複数の前記端末機は、同一の書類情報及び要承認項目情報が閲覧されつつ互いに通信することにより生じる通信履歴情報を生成し、前記書類情報と前記要承認項目情報とについての当事者による承認を示す承認情報を生成し、前記承認情報及び通信履歴情報を前記サーバに送信し、
前記サーバは、前記承認情報及び前記通信履歴情報と、前記書類情報及び前記要承認項目情報とを紐付けて、複数の前記端末機による閲覧が可能な状態で保存することができる合意形成手段を備え、
前記複数の端末機のうちの少なくとも一つの端末機は、前記承認情報と、前記承認を行った当事者の電子署名及び前記承認が行われた時間を示すタイムスタンプとを、前記サーバに送信し、
前記サーバは、受信した前記承認情報と、前記電子署名及び前記タイムスタンプとを改ざん防止措置を講じたうえで前記書類情報に紐付けて保存し、
前記複数の前記端末機が前記当事者による承認を示す前記承認情報を生成するに当たっては、各前記要承認項目についての説明を受けた者による該要承認項目についての承認ボタンの押圧が全ての前記要承認項目について行われたときに合意形成済となる
ことを特徴とするオンラインシステム。
【請求項14】
前記承認に係るシンボルマークを表示する手段と、
前記承認がなされるのに連動してもしくは関連して環境保護団体を含む団体への寄付に繋がる寄付動機付けポイントが付加される手段と
をさらに備えることを特徴とする請求項1~4、7、13のうちのいずれか1項に記載のオンラインシステム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
本発明は、上述した問題点に鑑みてなされたものであり、紙の契約における判子を押すという行為による合意形成よりもより強固な合意形成を目的とし、契約締結過程において契約内容に関する十分で丁寧な説明が行われること、そしてその説明された事項について契約者間で明確な合意がなされることを支援すると共に、契約締結後に契約手続が正当に行われたか否かについての検証を可能とし、契約という行為が発生するにあたり生じてしまった争いをシステム的に解決できる基盤を提供すること、これを通じて生じ得る争いの発生を防止することを可能とするオンラインシステム、コンピュータをオンラインシステムとして機能させるプログラム及びこのプログラムを記憶する記憶媒体を提供することを目的とする。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
本発明者は上記課題の解決のためには、まず、対面で契約内容の確認を一つ一つ丁寧に安心して進められる基盤、確認するべき一つ一つの契約条項が契約に当たることを明確化することを可能とする基盤、対面契約のときの会話について「音声を見える化」することを可能とする基盤、が前提として必要であることを発見・創案した。そして、「音声を見える化」することの一態様として、会話の履歴を残し、その内容を文字おこしに発展させ、契約文章に反映させることを発案した。このような発案に立った場合、本発明の効果として、電子郵便機能の活用により、郵便手続きの手間・コスト・時間を大幅に削減できることにも考察が及んだ。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0017】
上記第2の態様において、前記タイムスタンプは、契約の改竄の不可能性もしくは当事者間の錯誤、および/または契約の改竄が行われたことをしめす記録としてもよい。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0074
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0074】
次に、上述した構成を有するオンライン契約システム1によるオンライン契約に係る動作/作用について、図を用いて説明する。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0098
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0098】
さらに、契約締結後に、電子郵便機能により書類と回答結果とを送信することにより、郵便手続きの手間・コスト・時間を大幅に削減できる。
【手続補正書】
【提出日】2022-09-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の契約者がオンラインで契約を行うことを可能とするオンラインシステムであって、
契約者が真正の契約者であるか否かの認証を行う認証部を備え、一以上の契約条項を含む契約書類に係る契約書類情報及び前記契約条項についての要承認項目を示す要承認項目情報を保存するサーバと、
前記サーバに保存された前記契約書類情報及び前記要承認項目情報を閲覧可能とする複数の端末機と
を備え、
複数の前記端末機は、同一の契約書類情報及び要承認項目情報が閲覧されつつ互いに通信することにより生じる通信履歴情報を生成し、前記契約書類情報と前記要承認項目情報とについての契約者による承認を示す承認情報を生成し、前記承認情報及び前記通信履歴情報を前記サーバに送信し、
前記サーバは、前記承認情報及び前記通信履歴情報と、前記契約書類情報及び前記要承認項目情報とを紐付けて、複数の前記端末機による閲覧が可能な状態で保存することができる合意形成手段を備え、
前記複数の端末機のうちの少なくとも一つの端末機は、前記承認情報と、前記承認を行った契約者の電子署名及び前記承認が行われた時間を示すタイムスタンプとを、前記サーバに送信し、
前記サーバは、受信した前記承認情報と、前記電子署名及び前記タイムスタンプとを改ざん防止措置を講じたうえで前記契約書類情報に紐付けて保存し、
前記複数の前記端末機が前記契約者による承認を示す前記承認情報を生成するに当たっては、前記契約書類に含まれる前記契約条項ごとに承認ボタンが前記複数の前記端末機に表示され、各前記契約条項についての説明を受けた者による前記承認ボタンの押圧が全ての前記契約条項について行われたときに前記契約書類について契約締結済となる
ことを特徴とするオンラインシステム。
【請求項2】
前記タイムスタンプは、契約開始から終了までの一連の手続きにおいて、契約開始のときもしくはサービス開始のときに係る開始情報、契約承認にいたるまでの契約者当事者間の会話もしくは対話に係る会話情報、契約承認にいたるまでの契約者当事者間で交わされる文字情報、契約文書開封のときに係る契約文書開封情報、契約情報、要承認項目情報の最終頁までの閲覧完了のときに係る要承認項目完遂情報、契約終了のときもしくはサービス終了のときに係る終了情報、のうちの少なくてもいずれか一つ以上に付されて、前記サーバに送信され、前記手続き情報に紐付けて保存されることを特徴とする請求項1に記載のオンラインシステム。
【請求項3】
前記複数の端末機のうちの少なくとも一つである第1の端末機は、契約者の操作により契約交渉の辞退を行う辞退機能を有し、契約者により前記辞退機能が操作されると、前記承認情報の生成機能を停止すると共に辞退情報を生成して前記サーバに送信し、
前記サーバは、前記辞退情報を受信すると、継続意思確認情報を生成して前記第1の端末機以外の前記複数の端末機に対して送信し、
前記継続意思確認情報を受信した前記第1の端末機以外の前記複数の端末機は、契約交渉を継続する意思を示す継続意思情報を前記契約者の操作に基づき生成して前記サーバに送信し、
前記サーバは、前記継続意思確認情報を送信した前記第1の端末機以外の前記複数の端末機から前記継続意思表示情報を受信すると、前記継続意思確認情報を送信した前記第1の端末機以外の前記複数の端末機に対して前記契約書類情報及び前記要承認項目情報を閲覧可能とすると共に、前記承認情報を受信可能とする
ことを特徴とする請求項1に記載のオンラインシステム。
【請求項4】
前記契約書類情報及び前記要承認項目情報は前記複数の端末機のうちの少なくとも一つの端末から前記サーバにアップロードされることを特徴とする請求項1に記載のオンラインシステム。
【請求項5】
前記複数の端末機のうちの少なくとも一つの端末機を用いたオンライン契約の際の説明は、文字、音声、画像又は動画のうち少なくとも1つを用いた通信を介して行われることを特徴とする請求項1~4のうちのいずれか1項に記載のオンラインシステム。
【請求項6】
前記通信に音声が含まれる場合、前記音声は前記複数の端末機のうちの少なくとも一つの端末機又は前記サーバにより文字に変換され前記複数の端末機のうちの少なくとも一つの端末機に表示され、前記音声と共に前記文字が通信履歴情報として前記サーバに保存されることを特徴とする請求項5に記載のオンラインシステム。
【請求項7】
前記サーバは、前記複数の端末機のうちの少なくとも一つの端末機に対して前記契約書類情報及び前記要承認項目情報を電子郵便機能により送信することを特徴とする請求項1に記載のオンラインシステム。
【請求項8】
複数の契約者がオンラインで契約を行うことを可能とするオンラインシステムに係るコンピュータを、
1つ以上の契約条項を含む契約書類を示す契約書類情報及び契約書類の契約条項についての要承認項目を示す要承認項目情報を生成する手段と、
契約者が真正の契約者であるか否かの認証を行う認証手段と、
生成した前記契約書類情報及び前記要承認項目情報を他のコンピュータと共有する手段と、
前記要承認項目情報の各々について契約者の承認を示す承認情報を契約者の操作に基づき生成する手段と、
生成した前記承認情報を他のコンピュータと共有する手段と、
他のコンピュータとの通信履歴を示す通信履歴情報及び前記承認情報を前記契約書類情報に紐付けて、他のコンピュータによる閲覧が可能な状態で保存する手段と、
前記承認を行った契約者の電子署名及び前記承認を行った時間を示すタイムスタンプを生成する手段と、
生成した改ざん防止措置を講じたうえで前記契約書類情報に紐付けて他のコンピュータと共有する手段と
前記複数の前記端末機が前記契約者による承認を示す前記承認情報を生成するに当たっては、前記契約書類に含まれる前記契約条項ごとに承認ボタンが前記複数の前記端末機に表示され、各前記契約条項についての説明を受けた者による前記承認ボタンの押圧が全ての前記契約条項について行われたときに前記契約書類について契約締結済とする手段と
として機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項9】
前記タイムスタンプは、契約開始から終了までの一連の手続きにおいて、契約開始のときもしくはサービス開始のときに係る開始情報、契約承認にいたるまでの契約者当事者間の会話もしくは対話に係る会話情報、契約承認にいたるまでの契約者当事者間で交わされる文字情報、契約文書開封のときに係る契約文書開封情報、契約情報、要承認項目情報の最終頁までの閲覧完了のときに係る要承認項目完遂情報、契約終了のときもしくはサービス終了のときに係る終了情報、のうちの少なくてもいずれか一つ以上に付されて、前記サーバに送信され、前記手続き情報に紐付けて保存されることを特徴とすることを特徴とする請求項8に記載のプログラム。
【請求項10】
前記通信履歴情報は、文字、音声、画像又は動画のうち少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項8に記載のプログラム。
【請求項11】
前記通信履歴情報に音声が含まれる場合、前記コンピュータを、
前記音声を文字に変換する手段と、
前記音声と共に前記文字を通信履歴情報として他のコンピュータによる閲覧が可能な状態で保存する手段と
として更に機能させることを特徴とする請求項10に記載のプログラム。
【請求項12】
請求項8~11のうちのいずれか1項に記載のプログラムを格納したコンピュータ読取可能な記憶媒体。
【請求項13】
複数の当事者がオンラインによって承認を要する事項についての合意形成を行うことを可能とするシステムであって、
当事者が真正の当事者であるか否かの認証を行う認証部を備え、一以上の承認項目を含む書類に係る書類情報及び前記承認項目を示す承認項目情報を保存するサーバと、
前記サーバに保存された前記書類情報及び前記要承認項目情報を閲覧可能とする複数の端末機と
を備え、
複数の前記端末機は、同一の書類情報及び要承認項目情報が閲覧されつつ互いに通信することにより生じる通信履歴情報を生成し、前記書類情報と前記要承認項目情報とについての当事者による承認を示す承認情報を生成し、前記承認情報及び通信履歴情報を前記サーバに送信し、
前記サーバは、前記承認情報及び前記通信履歴情報と、前記書類情報及び前記要承認項目情報とを紐付けて、複数の前記端末機による閲覧が可能な状態で保存することができる合意形成手段を備え、
前記複数の端末機のうちの少なくとも一つの端末機は、前記承認情報と、前記承認を行った当事者の電子署名及び前記承認が行われた時間を示すタイムスタンプとを、前記サーバに送信し、
前記サーバは、受信した前記承認情報と、前記電子署名及び前記タイムスタンプとを改ざん防止措置を講じたうえで前記書類情報に紐付けて保存し、
前記複数の前記端末機が前記当事者による承認を示す前記承認情報を生成するに当たっては、前記要承認項目ごとに承認ボタンが前記複数の前記端末機に表示され、各前記要承認項目についての説明を受けた者による前記承認ボタンの押圧が全ての前記要承認項目について行われたときに前記書類について合意形成済となる
ことを特徴とするオンラインシステム。
【請求項14】
前記承認に係るシンボルマークを表示する手段と、
前記承認がなされるのに連動してもしくは関連して環境保護団体を含む団体への寄付に繋がる寄付動機付けポイントが付加される手段と
をさらに備えることを特徴とする請求項1~4、7、13のうちのいずれか1項に記載のオンラインシステム。