IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ パナソニックIPマネジメント株式会社の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023066173
(43)【公開日】2023-05-15
(54)【発明の名称】ソケット装置及び照明器具
(51)【国際特許分類】
   F21V 19/00 20060101AFI20230508BHJP
   F21S 8/02 20060101ALI20230508BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20230508BHJP
【FI】
F21V19/00 110
F21S8/02 430
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】26
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021176728
(22)【出願日】2021-10-28
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】平野 晶裕
(72)【発明者】
【氏名】宮原 雄太
(72)【発明者】
【氏名】山口 俊治
(72)【発明者】
【氏名】宮川 昇
(72)【発明者】
【氏名】井川 智浩
【テーマコード(参考)】
3K013
【Fターム(参考)】
3K013AA01
3K013BA01
3K013CA02
3K013CA05
3K013CA16
3K013EA13
(57)【要約】
【課題】コスト及び施工性を改善できるとともに投影面における照明器具のサイズを小さくしつつ、照明器具の高さが高くなることを抑制できるソケット装置及び照明器具を提供する。
【解決手段】2つの給電ピン2dを有する光源2が装着される第1ソケット部10を備えるソケット装置3であって、第1ソケット部10は、給電ピン2dが電気的かつ機械的に接続される給電ピン接続端子21が配置されたソケット本体部11と、給電ピン接続端子21と電気的に接続され且つ光源2に電力を供給するための電源線6が接続される電源線接続端子22が配置された端子台部12と、を有し、ソケット本体部11と端子台部12とは、一体に構成され、かつ、光源2の装着方向に対して異なる高さに位置する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの給電ピンを有する光源が装着される第1ソケット部を備えるソケット装置であって、
前記第1ソケット部は、
前記給電ピンが電気的かつ機械的に接続される給電ピン接続端子が配置されたソケット本体部と、
前記給電ピン接続端子と電気的に接続され且つ前記光源に電力を供給するための電源線が接続される電源線接続端子が配置された端子台部と、を有し、
前記ソケット本体部と前記端子台部とは、一体に構成され、かつ、前記光源の装着方向に対して異なる高さに位置する、
ソケット装置。
【請求項2】
前記端子台部は、前記ソケット本体部よりも前記光源側とは反対側に位置する、
請求項1に記載のソケット装置。
【請求項3】
前記ソケット装置を前記光源の装着方向から見たときに、前記ソケット本体部は、前記端子台部の外側に位置している、
請求項1又は2に記載のソケット装置。
【請求項4】
前記ソケット本体部は、円環状である、
請求項3に記載のソケット装置。
【請求項5】
前記端子台部に、前記電源線が差し込まれる電源線挿入口が設けられており、
前記ソケット本体部に、前記2つの給電ピンが係止される2つのピン受け孔が設けられており、
前記給電ピン接続端子は、前記2つのピン受け孔の各々の近傍に存在し、
前記ソケット装置を前記光源の装着方向から見たときに、前記電源線挿入口への前記電源線の差し込み方向は、2つの前記給電ピン接続端子同士を結ぶ線に直交している、
請求項1~4のいずれか1項に記載のソケット装置。
【請求項6】
前記電源線接続端子は、2本の前記電源線が前記ソケット装置に接続できるように前記端子台部の2箇所に配置されており、
2箇所に配置された前記電源線接続端子同士を結ぶ線は、2つの前記給電ピン接続端子同士を結ぶ線に直交している、
請求項1~5のいずれか1項に記載のソケット装置。
【請求項7】
2箇所に配置された前記電源線接続端子の少なくとも一方に接続される電源線は、当該ソケット装置から他のソケット装置に電力を送るための送り配線である、
請求項6に記載のソケット装置。
【請求項8】
さらに、前記第1ソケット部を覆う第2ソケット部を備え、
前記第2ソケット部は、前記ソケット本体部を覆う第1カバー部と、前記端子台部を覆う第2カバー部とを有する、
請求項1~7のいずれか1項に記載のソケット装置。
【請求項9】
前記第1カバー部と前記第2カバー部とは、前記光源の装着方向に対して異なる高さに位置し、
前記第1カバー部は、前記第2カバー部よりも前記光源側に位置する、
請求項8に記載のソケット装置。
【請求項10】
前記第1カバー部の外面は、平面である、
請求項8又は9に記載のソケット装置。
【請求項11】
前記第1カバー部の外面は、当該ソケット装置を備える照明器具が有する器具本体の底部が当接する面である、
請求項10に記載のソケット装置。
【請求項12】
前記第2カバー部の側面に、前記電源線が挿通される挿通孔が設けられている、
請求項8~11のいずれか1項に記載のソケット装置。
【請求項13】
前記ソケット本体部と前記端子台部とは、樹脂材料によって一体に構成されている、
請求項1~12のいずれか1項に記載のソケット装置。
【請求項14】
請求項8~12のいずれか1項に記載のソケット装置と、
前記ソケット装置が取り付けられた器具本体と、を備え、
前記ソケット装置の前記第2ソケット部と前記器具本体とは、係止部材によって係合されており、
前記第2ソケット部の前記第2カバー部は、前記器具本体に設けられた開口孔から突出している、
照明器具。
【請求項15】
前記第1カバー部は、前記器具本体に押圧されている、
請求項14に記載の照明器具。
【請求項16】
前記第2カバー部の側面に取り付けられたゴムカバーを備え、
前記ゴムカバーは、前記電源線が挿通される電源線挿通部を有し、
前記ゴムカバーの前記電源線挿通部は、前記第2カバー部の側面に設けられた挿通孔に対向している、
請求項14又は15に記載の照明器具。
【請求項17】
前記ゴムカバーは、前記電源線挿通部に向けて前記電源線をガイドする筒部からなる第1ガイド筒を有する、
請求項16に記載の照明器具。
【請求項18】
前記ゴムカバーは、前記第1ガイド筒を囲むように形成された壁部を有し、
前記壁部は、前記第1ガイド筒の開口端部よりも突出している、
請求項17に記載の照明器具。
【請求項19】
前記ソケット装置は、前記電源線と前記電源線接続端子との接続状態を解除するための電源線解除部材を有し、
前記ゴムカバーは、前記ソケット装置から前記電源線を抜き取る際に前記電源線解除部材に押し当てる解除ジグが差し込まれる電源線解除部と、前記電源線解除部に向けて前記解除ジグをガイドする筒部からなる第2ガイド筒とを有する、
請求項18に記載の照明器具。
【請求項20】
前記壁部は、前記第2ガイド筒を囲っていない、
請求項19に記載の照明器具。
【請求項21】
前記開口孔から突出した前記第2カバー部の少なくとも一部を覆う金属製の天板を備え、
前記ゴムカバーは、第1固定用シート部を有し、
前記天板は、前記第1固定用シート部を前記器具本体に押さえ付ける押さえ片を有する、
請求項16~20のいずれか1項に記載の照明器具。
【請求項22】
前記天板の前記第2カバー部を覆う部分の側面に開口が設けられており、
前記開口は、前記第2カバー部の側面に設けられた挿通孔と連通している、
請求項21に記載の照明器具。
【請求項23】
前記ゴムカバーは、前記第2カバー部と前記天板とに挟持される第2固定用シート部を有する、
請求項21又は22に記載の照明器具。
【請求項24】
前記ソケット装置は、2本の前記電源線が接続できるように構成されており、
前記ゴムカバーは、2本の前記電源線の各々に対応して前記第2カバー部の2箇所に設けられており、
2箇所に設けられた前記ゴムカバーにおいて、一方の箇所の前記ゴムカバーの前記第2固定用シート部と他方の箇所の前記ゴムカバーの前記第2固定用シート部とが連結されている、
請求項23に記載の照明器具。
【請求項25】
前記第2カバー部は、前記ソケット装置を覆う金属製の天板又は前記器具本体と一体になっている、
請求項14~24のいずれか1項に記載の照明器具。
【請求項26】
前記天板に取付バネが固定されている、
請求項21~25のいずれか1項に記載の照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ソケット装置及び照明器具に関し、特に、光源としてランプが装着されるソケット装置及びこのソケット装置を備える照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、GX53形の口金を備えるランプが装着されるダウンライト等の照明器具が知られている(例えば特許文献1)。この種の照明器具として、図25及び図26に示される照明器具1Xが知られている。
【0003】
図25及び図26に示すように、従来の照明器具1Xは、給電ピンを有する光源2Xが装着されるソケット3Xと、ソケット3Xが取り付けられた器具本体4Xと、器具本体4Xの外部に配置された端子台5Xとを備える。端子台5Xには、照明器具1Xに電源電力を供給するための電源線(不図示)が接続される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017-199491号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の照明器具1Xでは、ソケット3Xと端子台5Xとが別置きにされているので、ソケット3Xと端子台5Xとは、リード線(不図示)で繋がれる。このため、リード線の費用がかかるともに、ソケット3Xと端子台5Xとをリード線で繋ぐための作業が必要になる。このため、従来の照明器具1Xは、高コストであるとともに施工性が悪いという課題がある。
【0006】
また、従来の照明器具1Xでは、ソケット3Xを保持する器具本体4Xと端子台5Xとが離れているので、鉛直方向から見たときの投影面における照明器具1Xのサイズが大型化するという課題もある。
【0007】
そこで、端子台を器具本体の上に取り付けることで、リード線を無くすとともに投影面における照明器具のサイズを小さくすることが考えられるが、端子台を器具本体の上に取り付けると、照明器具の高さが高くなってしまう。つまり、照明器具が大型化するという課題が発生する。
【0008】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、コスト及び施工性を改善できるとともに投影面における照明器具のサイズを小さくしつつ、照明器具の高さが高くなることを抑制できるソケット装置及び照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明に係るソケット装置の一態様は、2つの給電ピンを有する光源が装着される第1ソケット部を備えるソケット装置であって、前記第1ソケット部は、前記給電ピンが電気的かつ機械的に接続される給電ピン接続端子が配置されたソケット本体部と、前記給電ピン接続端子と電気的に接続され且つ前記光源に電力を供給するための電源線が接続される電源線接続端子が配置された端子台部と、を有し、前記ソケット本体部と前記端子台部とは、一体に構成され、かつ、前記光源の装着方向に対して異なる高さに位置する。
【0010】
また、本発明に係る照明器具の一態様は、上記のソケット装置と、前記ソケット装置が取り付けられた器具本体と、を備え、前記ソケット装置の前記第2ソケット部と前記器具本体とは、係止部材によって係合されており、前記第2ソケット部の前記第2カバー部は、前記器具本体に設けられた開口孔から突出している。
【発明の効果】
【0011】
コスト及び施工性を改善できるとともに投影面における照明器具のサイズを小さくしつつ、照明器具の高さが高くなることを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、実施の形態1に係る照明器具を床側から見たときの斜視図である。
図2図2は、実施の形態1に係る照明器具を床側とは反対側から見たときの斜視図である。
図3図3は、実施の形態1に係る照明器具の分解斜視図である。
図4図4は、実施の形態1に係る照明器具の断面図である。
図5図5は、複数の照明器具を設置したときの一例を示す図である。
図6図6は、図2のVI-VI線における照明器具の拡大断面図である。
図7図7は、実施の形態1に係るソケット装置を床側とは反対側から見たときの斜視図である。
図8図8は、実施の形態1に係るソケット装置を床側から見たときの斜視図である。
図9図9は、実施の形態1に係るソケット装置の構成を示す図である。
図10図10は、電源線が接続されたソケット装置の斜視図である。
図11図11は、電源線が接続されたソケット装置を床側とは反対側から見たときの分解斜視図である。
図12図12は、電源線が接続されたソケット装置を床側から見たときの分解斜視図である。
図13図13は、ゴムカバーを挿通させた電源線が接続されたソケット装置の断面斜視図である。
図14図14は、ゴムカバーを挿通させた電源線が接続されたソケット装置の断面斜視図である。
図15図15は、電源線が接続されたソケット装置のカバーを外した状態を示す上面図である。
図16図16は、実施の形態2に係る照明器具の斜視図である。
図17図17は、実施の形態2に係る照明器具の分解斜視図である。
図18図18は、実施の形態2に係る照明器具の断面図である。
図19図19は、実施の形態2に係るソケット装置とゴムカバーの斜視図である。
図20図20は、実施の形態2に係るソケット装置の分解斜視図である。
図21図21は、実施の形態2に係るソケット装置を床側から見たときの斜視図である。
図22図22は、実施の形態2に係る照明器具に用いられるゴムカバーの斜視図である。
図23図23は、実施の形態2に係る照明器具に用いられるゴムカバーを裏側から見たときの斜視図である。
図24図24は、ゴムカバーの変形例を示す斜視図である。
図25図25は、従来の照明器具の斜視図である。
図26図26は、従来の照明器具の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される、数値、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、並びに、工程及び工程の順序等は、一例であって本発明を限定する主旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0014】
なお、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。また、各図において、X軸、Y軸及びZ軸は、三次元直交座標系の三軸を表しており、本実施の形態では、Z軸方向を鉛直方向とし、Z軸に垂直な方向(XY平面に平行な方向)を水平方向としている。X軸及びY軸は、互いに直交し、かつ、いずれもZ軸に直交する軸である。本実施の形態において、Z軸方向は、鉛直方向である。なお、本明細書において、「上」及び「下」という用語は、必ずしも、絶対的な空間認識における上方向(鉛直上方)及び下方向(鉛直下方)を指すものではない。
【0015】
(実施の形態1)
まず、実施の形態1に係る照明器具1の構成について、図1図4を用いて説明する。
【0016】
図1及び図2は、実施の形態1に係る照明器具1の斜視図である。図1は、床側から見たときの図であり、図2は、床側とは反対側から見たときの図である。また、図3は、同照明器具1の分解斜視図であり、図4は、同照明器具1の断面図である。なお、図1では、光源2をソケット装置3に装着していない状態を示している。また、図4では、断面に表れる部分のみを図示している。
【0017】
図1図4に示すように、照明器具1は、光源2と、光源2が装着されるソケット装置3と、ソケット装置3が取り付けられた器具本体4と、器具本体4を覆う天板5とを備える。照明器具1は、例えば建物の天井等の造営材に埋め込み配設されたダウンライト等の埋込型照明器具であり、下方(床や壁等)に向けて照明光を照射する。本実施の形態において、照明器具1は、光源2から照射される白色光を照明光として照射する。
【0018】
図4に示すように、光源2は、筐体2aと、筐体2aに支持される発光部2bと、発光部2bを覆う透光カバー2cと、発光部2bを発光させるための電力を受電する2つの給電ピン2dとを有する。図3に示すように、光源2は、全体形状が円盤状又は扁平状であるフラット薄形構造のランプである。また、光源2は、口金2eを有するランプである。本実施の形態において、口金2eは、筐体2aの一部である。
【0019】
筐体2aは、発光部2bを支持している。筐体2aは、樹脂製及び金属製のいずれであってもよい。また、筐体2a内には、発光部2bを駆動するための駆動回路2fが収納されている。この駆動回路2fは、発光部2bを発光させるための電源回路であって、発光部2bに所定の電力を供給する。例えば、駆動回路2fは、給電ピン2dで受電した交流電力(例えばAC100Vの商用交流電力)を直流電力に変換し、当該直流電力を発光部2bに供給する。
【0020】
発光部2bは、駆動回路2fから供給される電力によって発光する。発光部2bは、例えば白色光を放出する。この場合、光源2は、照明光として白色光を照射する。
【0021】
本実施の形態において、発光部2bは、LEDによって構成されている。したがって、光源2は、LEDランプである。一例として、発光部2bは、基板と、基板に実装された1つ又は複数のLED素子とを有する。LED素子は、表面実装型のLEDパッケージであってもよいし、LEDチップでもよい。LED素子がLEDチップである場合、LEDチップは、封止部材で覆われる。この場合、LEDチップとして青色光を発光する青色LEDチップを用いる場合、青色LEDチップは、黄色蛍光体を含む樹脂材料によって構成された封止部材で封止される。これにより、封止部材から白色光が放出される。本実施の形態において、ソケット装置3に装着されたときの光源2の光軸は、Z軸方向である。
【0022】
透光カバー2cは、透光性を有する透光部材である。したがって、透光カバー2cの内面に入射した光は、透光カバー2cを透過して透光カバー2cの外部へと取り出される。透光カバー2cは、発光部2bを覆うように筐体2aに取り付けられる。具体的には、透光カバー2cは、筐体2aの開口部の開口端部に取り付けられている。
【0023】
透光カバー2cの材料としては、アクリルやポリカーボネート等の透光性樹脂材料又はガラス材料等の透光性材料を用いることができる。なお、透光カバー2cは、光拡散性を有する拡散カバーであるが、光拡散性を有しない透明カバーであってもよい。
【0024】
図3に示される給電ピン2dは、導電性の導電ピンであり、発光部2bを発光させるための電力を光源2の外部から受電する。例えば、2つの給電ピン2dによって、ソケット装置3から交流電力を受電する。2つの給電ピン2dと駆動回路とは、筐体2aに収納されたリード線(不図示)等によって電気的に接続されており、2つの給電ピン2dで受電した交流電力は、リード線を介して駆動回路に供給される。各給電ピン2dは、先端に円板状の径大部を有する断面T字形状のピンである。
【0025】
また、2つの給電ピン2dは、光源2をソケット装置3に接続するための接続ピンである。各給電ピン2dは、ソケット装置3と電気的及び機械的に接続される。詳細は後述するが、各給電ピン2dは、ソケット装置3のソケット10に形成されたピン受け孔11a(図1参照)に係止されるとともに、ソケット10に配置された端子板20(図1図4では不図示)と電気的及び機械的に接続される。また、給電ピン2dがソケット装置3に接続されることで、光源2は、ソケット装置3に保持される。
【0026】
2つの給電ピン2dは、口金2eの一部であってもよい。口金2eは、例えば、GX53形の口金である。したがって、図3及び図4に示すように、口金2eは、有底円筒形状の突出部2gを有する。突出部2gは、筐体2aにおける透光カバー2cとは反対側の面に設けられている。突出部2gには、駆動回路2fが収納されている。また、この突出部2gによって筐体2aの透光カバー2cとは反対側の面には段差部が形成される。
【0027】
図3に示すように、2つの給電ピン2dは、この段差部の一段下がった段差面に設けられている。つまり、2つの給電ピン2dは、突出部2gの側方に設けられている。具体的には、2つの給電ピン2dは、突出部2gの周りに180度間隔で配置されている。つまり、2つの給電ピン2dは、突出部2gを挟んで対向する位置に配置されている。
【0028】
このように構成される光源2は、図4に示すように、ソケット装置3に装着される。例えば、照明器具1が天井に設置されている場合、光源2は、透光カバー2cが床側となるように(つまり2つの給電ピン2dが天井側となるように)ソケット装置3に装着される。したがって、光源2がソケット装置3に装着される方向である光源2の装着方向は、鉛直方向(Z軸方向)である。
【0029】
本実施の形態において、光源2は、着脱可能にソケット装置3に装着される。つまり、光源2は、ソケット装置3に取り付けたり取り外したりすることができる。具体的には、光源2は、XY平面を回転面として回転させることでソケット装置3に取り付けることができる。例えば、光源2の透光カバー2cを手で把持して光源2の給電ピン2dを第1ソケット部10のピン受け孔11aに差し込んで、光源2を右回りに回転させることで光源2をソケット装置3に取り付けることができる。一方、光源2をソケット装置3から取り外す場合、光源2を左回りに回転させることで、光源2をソケット装置3から取り外すことができる。
【0030】
図3及び図4に示すように、ソケット装置3は、光源2を保持するとともに光源2への給電を行うソケット機能を有する。具体的には、ソケット装置3は、GX53形の口金に対応するソケット機能を有する。本実施の形態において、ソケット装置3は、ソケット機能を有するだけではなく、電源電力を供給するための電源線6が接続される端子台としての機能も有する。具体的には、電源線6は、電源電力として交流電力をソケット装置3に供給する。一例として、電源線6は、VVFケーブルであるが、これに限らない。
【0031】
本実施の形態において、ソケット装置3は、2本の電源線6が接続できるように構成されている。具体的には、ソケット装置3には、電源線6として、第1電源線6aと第2電源線6bとの2本の電源線が接続される。第1電源線6aは、照明器具1の外部から照明器具1に供給される交流電力を受ける電源線である。一方、第2電源線6bは、照明器具1から照明器具1の外部に交流電力を送る電源線である。第1電源線6aは、例えば商用交流電源に接続されている。したがって、照明器具1は、第1電源線6aを介して商用の交流電力(例えばAC100V)を受電する。第1電源線6a及び第2電源線6bの各々は、一対の導電線によって構成されている。一対の導電線は、保護チューブで覆われている。
【0032】
また、図5に示すように、天井100に複数の照明器具1を設置する場合、第2電源線6bは、隣り合う2つの照明器具1のうちの一方から他方に交流電力を供給するための送り配線となる。例えば、図5では、隣り合う2つの照明器具1のうちの一方の第1照明器具1aにおいて、第1電源線6aは、商用交流電源(系統電源)に接続されている。また、第1照明器具1aにおいて、第2電源線6bは、送り配線である。つまり、第1照明器具1aに接続された第2電源線6bは、第1照明器具1aの隣りの第2照明器具1bに接続されている。つまり、隣り合う2つの第1照明器具1aと第2照明器具1bとにおいて、第1照明器具1aが受電した交流電力は、第2電源線6bを介して第2照明器具1bに供給される。このように、複数の照明器具1を設置する場合、商用交流電源からの交流電力は、送り配線である第2電源線6bを介して、隣りの照明器具1に順次供給していくことができる。
【0033】
第1電源線6a及び第2電源線6bは、いずれも照明器具1のソケット装置3に接続される。なお、ソケット装置3の具体的な構成については、後述する。
【0034】
図4に示すように、ソケット装置3は、器具本体4に固定されている。具体的には、図6に示すように、ソケット装置3は、係止部材7によって器具本体4に固定されている。図6は、図2のVI-VI線における照明器具1の拡大断面図である。なお、図6は、図2の係止部材7を通る平面で切断したときの断面図である。
【0035】
図3及び図6に示すように、本実施の形態において、係止部材7は、ネジである。なお、係止部材7は、ネジに限るものではなく、カシメピン等であってもよいし、ソケット装置3及び器具本体4自体に設けられた凹凸による嵌め合わせ構造等であってもよい。つまり、係止部材7は、ソケット装置3と器具本体4とを係止して固定できるものであればよい。
【0036】
図1図3に示すように、器具本体4は、光源2から出射した光が通る筒状の枠部材である。光源2から出射した光は、器具本体4の内部を通って器具本体4の外部に出射する。また、器具本体4は、光源2から出射した光を反射する反射部材として機能してもよい。この場合、器具本体4の内面は、光反射面になっている。
【0037】
図3に示すように、器具本体4は、底部に開口孔4aが設けられた有底円筒形状の枠体である。開口孔4aの形状は、例えば円形である。図4に示すように、器具本体4の開口孔4aからはソケット装置3の一部が突出している。本実施の形態において、器具本体4の開口孔4aからは、ソケット装置3の第2ソケット部30の第2カバー部32が突出している。つまり、第2カバー部32は、器具本体4の開口孔4aから露出している。本実施の形態において、開口孔4aの直径と第2カバー部32の外径とは略同一である。したがって、器具本体4の開口孔4aに第2カバー部32が嵌る構成になっている。
【0038】
器具本体4は、例えばアルミニウム又は鉄等の金属材料によって構成されている。なお、器具本体4は、金属材料に限らず、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等の樹脂材料によって構成されていてもよい。
【0039】
図2図4に示すように、器具本体4は、天板5で覆われている。具体的には、天板5は、器具本体4の外周面の一部と器具本体4の底部とを覆っている。天板5は、さらに、ソケット装置3における器具本体4の開口孔4aから突出した部分(本実施の形態では、ソケット装置3の第2ソケット部30の第2カバー部32)も覆っている。つまり、天板5は、器具本体4とソケット装置3とを覆っている。天板5は、金属製であり、金属材料によって構成されている。例えば、天板5は、鋼板等の金属板にプレス加工及び折り曲げ加工等を施すことによって所定形状に形成されている。このように、器具本体4とソケット装置3とを金属製の天板5で覆うことで、準耐火性を確保することができる。つまり、金属製の天板5を設けることで、火災が発生した際等に火災の延焼を抑制することができる。
【0040】
図2及び図3に示すように、本実施の形態において、天板5は、ソケット装置3と器具本体4の底部とを覆う第1天板部5aと、器具本体4の外周面を覆う一対の第2天板部5bとを有する。このように、器具本体4の外周面も天板5で覆うことで、準耐火性を一層向上させることができる。
【0041】
第1天板部5aは、器具本体4の開口孔4aから突出したソケット装置3の第2カバー部32の少なくとも一部を覆っている。本実施の形態において、第1天板部5aは、第2カバー部32の全体を覆っている。具体的には、ソケット装置3における器具本体4の開口孔4aから突出した部分の全体を覆っている。したがって、ソケット装置3は、第1天板部5aで覆われており、第1天板部5aから露出していない。本実施の形態において、第1天板部5aは、全体としてハット(鍔付き帽子)形状である。つまり、第1天板部5aは、開口部の端縁にフランジ部を有する有底円筒形状である。第1天板部5aは、例えば絞り加工によって形成することができる。
【0042】
一対の第2天板部5bは、第1天板部5aのフランジ部に接続されている。一対の第2天板部5bは、器具本体4の外周面に沿って第1天板部5aから床側に向かって延在している。つまり、一対の第2天板部5bは、天板5の脚部となるように形成されている。一対の第2天板部5bは、器具本体4を挟むように対向して形成されている。
【0043】
図2に示すように、天板5には取付バネ8が固定されている。具体的には、天板5の一対の第2天板部5bに取付バネ8が固定されている。本実施の形態では、一対の第2天板部5bの各々に取付バネ8が固定されている。したがって、天板5には一対の取付バネ8が固定されている。取付バネ8は、照明器具1を天井等の被取付部に取り付けるための弾性部材であり、例えば板バネ構造を有する。取付バネ8は、例えば長尺状の金属板によって形成されている。
【0044】
取付バネ8は、照明器具1を天井等の被取付部に取り付けるための取付部材である。一例として、取付バネ8は、弾性部材であり、長尺状の金属板によって構成された板バネである。例えば、照明器具1を天井の開口部に配設する際、器具本体4のフランジ部を天井面に係止させて、器具本体4の側面と天井の開口部の内側面との間で取付バネ8を弾性変形させることで照明器具1を天井の開口部に固定することができる。つまり、取付バネ8のバネ復元力を利用することで照明器具1を天井に固定することができる。
【0045】
天板5におけるソケット装置3の第2カバー部32を覆う部分の側面には、開口5cが設けられている。具体的には、開口5cは、天板5の第1天板部5aの筒部の側面に設けられている。開口5cには、電源線6が挿通される。したがって、開口5cは、第2カバー部32の側面に設けられた挿通孔32a(図3参照)と連通している。本実施の形態におけるソケット装置3は、2本の電源線6が接続できるように構成されているので、天板5には、2本の電源線6に対応して2つの開口5cが設けられている。なお、図3に示すように、開口5cは、第1天板部5aの筒部の側面を切り欠くように形成されているが、これに限らない。例えば、開口5cは、切り欠かれていない貫通孔であってもよい。
【0046】
ソケット装置3の第2ソケット部30には、ゴムカバー9(ゴムパッキン)が取り付けられる。具体的には、ゴムカバー9は、ソケット装置3における第2ソケット部30の第2カバー部32に取り付けられる。本実施の形態において、ゴムカバー9は、第2カバー部32の側面に取り付けられる。
【0047】
ゴムカバー9は、図2に示すように、天板5に設けられた開口5cに嵌め合わされて天板5によって保持されている。ゴムカバー9の一部は、天板5の第1天板部5aに覆われているが、ゴムカバー9の他の一部は天板5の開口5cから外側に突出している。
【0048】
ゴムカバー9は、電源線6を保護する保護カバーである。例えば、ゴムカバー9は、電源線6を覆うブッシュである。ゴムカバー9は、絶縁性の樹脂材料によって構成された絶縁カバーである。例えば、ゴムカバー9は、ゴム弾性を有しており、シリコンゴム又はウレタンゴム等のエラストマーによって構成されている。なお、ゴムカバー9の材料は、これらの材料に限定されるものではない。
【0049】
本実施の形態におけるソケット装置3は、2本の電源線6が接続できるように構成されている。したがって、ゴムカバー9は、2本の電源線6の各々に対応してソケット装置3の第2カバー部32の2箇所に設けられている。つまり、天板5の2つの開口5cに対応して2つのゴムカバー9が設けられている。
【0050】
各ゴムカバー9は、有底筒状形状であり、筒部91と底部92とを有する。筒部91は、電源線6の全周を囲む筒状の周壁部であり、開口形状が略矩形の筒状体である。なお、筒部91は、開口形状が円形の円筒状等であってもよい。筒部91の一方の開口は、電源線6が差し込まれる電線挿入口である。筒部91の他方の開口は、底部92で塞がれている。底部92は、ソケット装置3の第2カバー部32の側面を覆う被覆部である。具体的には、底部92は、第2カバー部32の外周部の一部が平面状に切り欠かれた平面部に面接触している。また、底部92は、天板5の開口5cの周辺部分に係止する部分として、筒部91の端部から外方に膨らむように形成された膨出部を有する。
【0051】
図3に示すように、ゴムカバー9は、ソケット装置3に接続される電源線6が挿通される電源線挿通部9aと、ソケット装置3から電源線6を抜き取る際に解除ジグが差し込まれる電源線解除部9bとを有する。本実施の形態において、電源線挿通部9a及び電源線解除部9bは、それぞれゴムカバー9の底部92の一部分である。
【0052】
ゴムカバー9の電源線挿通部9aは、ソケット装置3の第2カバー部32の側面に設けられた挿通孔32aに対向している。ソケット装置3に電源線6を接続する際、ゴムカバー9の底部92を貫通させて電源線6をソケット装置3の挿通孔32aに差し込む。具体的には、電源線6の一対の導電線の先端をゴムカバー9の底部92に突き刺して、電源線6で底部92の電源線挿通部9aを破ることで、電源線6の一対の導電線をソケット装置3の挿通孔32aに差し込む。このように、電源線6の一対の導電線を底部92に貫通させることで、底部92の電源線挿通部9aは、電源線6が挿通する挿通孔(電源線挿通孔)になる。具体的には、ゴムカバー9の電源線挿通部9aは、一対の導線線に対応して、2つの挿通孔になる。
【0053】
ゴムカバー9の電源線解除部9bは、ソケット装置3の第2カバー部32の側面に設けられた電源線解除用孔32bに対向している。ソケット装置3から電源線6を抜き取る際、マイナスドライバー等の解除ジグをゴムカバー9の筒部91に挿入し、ゴムカバー9の底部92を貫通させて解除ジグをソケット装置3の電源線解除用孔32bに差し込む。具体的には、解除ジグをゴムカバー9の底部92に突き刺して、解除ジグで底部92を破ることで、解除ジグをソケット装置3の電源線解除用孔32bに差し込む。このように、解除ジグを底部92に貫通させることで、底部92の電源線挿通部9aは、解除ジグが挿通する挿通孔(解除ジグ挿通孔)になる。
【0054】
このように、本実施の形態では、ゴムカバー9の底部92を突き破ることで、ゴムカバー9には、電源線6が挿通される電源線挿通孔及び解除ジグが挿通される解除ジグ挿通孔が形成される。したがって、電源線6又は解除ジグで底部92を突き破りやすいように、底部92の厚さは薄くなっているとよく、例えば、底部92の厚さは、筒部91の厚さ以下であるとよい。
【0055】
なお、ゴムカバー9は、底部92を有していなくてもよい。例えば、ゴムカバー9は、筒部91及び底部92のうち筒部91のみを有していてもよい。この場合、ゴムカバー9の底部92を電源線6又は解除ジグで突き破る必要がないので、ゴムカバー9における電源線挿通部9a及び電源線解除部9bは、筒部91の開口(挿通孔)である。この場合、電源線挿通部9a及び電源線解除部9bは、最初からゴムカバー9に形成された共通の1つの挿通孔となる。ただし、ゴムカバー9が底部92を有することで、必要な箇所及び必要なときに底部92に挿通孔を形成することができるので、埃等の異物がソケット装置3に侵入することを効果的に抑制できる。
【0056】
このように構成される天板5は、器具本体4に固定される。図1及び図6に示すように、本実施の形態では、ソケット装置3と器具本体4とを固定する係止部材7によって、天板5も器具本体4に固定されている。つまり、図6に示すように、ソケット装置3と器具本体4と天板5とは、係止部材7によって共締めされて固定されている。この場合、係止部材7は、ソケット装置3の第1カバー部31の貫通孔31aと、器具本体4のフランジ部に設けられた貫通孔4bと、天板5の第1天板部5aのフランジ部に設けられた貫通孔5dとに挿通される。したがって、ソケット装置3の貫通孔31aと器具本体4の貫通孔4bと天板5の貫通孔5dとは連通している。図3及び図6に示すように、器具本体4の貫通孔4bと天板5の貫通孔5dとは、ネジである係止部材7が挿通される円形のネジ孔である。
【0057】
次に、ソケット装置3の具体的な構成について、図1図4を参照しつつ、図7図15を用いて説明する。図7は、実施の形態1に係るソケット装置3を床側とは反対側から見たときの斜視図である。図8は、同ソケット装置3を床側から見たときの斜視図である。図9は、同ソケット装置3の構成を示す図である。図9において、(a)は上面図であり、(b)は下面図であり、(c)は(b)のIXc-IXc線における断面図であり、(d)は(a)のIXd-IXd線における断面図である。図10は、電源線6が接続された同ソケット装置3の斜視図であり、図11及び図12は、電源線6が接続された同ソケット装置3の分解斜視図である。図11は、床側とは反対側から見たときの図であり、図12は、床側から見たときの図である。図13及び図14は、ゴムカバー9を挿通させた電源線6が接続された同ソケット装置3の断面斜視図である。図13は、XZ断面で切断した状態を示しており、図14は、YZ断面で切断した状態を示している。なお、図14では、第2ソケット部30を省略している。また、図15は、電源線6が接続された同ソケット装置3の第2ソケット部30を外した状態を示す上面図である。
【0058】
ソケット装置3は、光源2が装着されるソケットとして機能する。具体的には、図7図15に示すように、ソケット装置3は、光源2が装着される第1ソケット部10と、電源線6が接続される端子板20と、第1ソケット部10を覆う第2ソケット部30とを備える。
【0059】
第1ソケット部10は、ソケット装置3における第1筐体となる下カバーである。第2ソケット部20は、ソケット装置3における第2筐体となる上カバーである。本実施の形態において、第1ソケット部10と第2ソケット部20とでソケット装置3の全体の筐体をなしている。第1ソケット部10と第2ソケット部20とは、ソケット装置3の外郭部材である。
【0060】
図9及び図11に示すように、第1ソケット部10は、ソケット本体部11と、端子台部12と、ソケット本体部11と端子台部12とを接続する接続部13とを備える。
【0061】
ソケット本体部11と端子台部12とは、一体に構成されている。具体的には、ソケット本体部11と端子台部12とは、絶縁性の樹脂材料によって一体に構成されている。本実施の形態では、ソケット本体部11と端子台部12と接続部13とが一体に構成されている。つまり、ソケット本体部11と端子台部12と接続部13とが樹脂材料によって一体に構成されている。したがって、第1ソケット部10は、樹脂材料によって構成された1つの樹脂成形品である。この場合、第1ソケット部10には光源2が取り付けられるので、第1ソケット部10は、強度を重視した樹脂材料によって構成されているとよい。このため、本実施の形態において、第1ソケット部10は、ポリカーボネート(PC)によって構成されている。
【0062】
第1ソケット部10は、全体としてハット(鍔付き帽子)形状である。具体的には、第1ソケット部10は、開口部にフランジ部を有する有底円筒形状である。
【0063】
ソケット本体部11は、第1ソケット部10のフランジ部に相当する部分であり、板状且つ枠状である。本実施の形態において、ソケット本体部11は、平板状且つ円環状である。
【0064】
図4及び図9に示すように、ソケット本体部11には、光源2の2つの給電ピン2dが係止される2つのピン受け孔11aが設けられている。2つのピン受け孔11aは、光源2の2つの給電ピン2dと一対一に対応している。図9の(b)に示すように、2つのピン受け孔11aは、ソケット本体部11の周方向に沿って180度間隔で設けられている。具体的には、2つのピン受け孔11aは、端子台部12を挟んで対向する位置に設けられている。
【0065】
各ピン受け孔11aは、径大の円形孔と、この円形孔に連続する長孔とによって構成されている。ピン受け孔11aの長孔は、光源2をソケット装置3に取り付ける際に回転させるときの回転方向に沿って延在している。例えば、光源2をソケット装置3に取り付ける場合、光源2の給電ピン2dの径大部分をピン受け孔11aの円形孔に差し込み、その後、光源2を回転させて給電ピン2dをピン受け孔11aの長孔に沿ってピン受け孔11aの奥に移動させる。これにより、給電ピン2dは、ピン受け孔11aに係止されるとともに端子板20と電気的に接続される。
【0066】
また、ソケット本体部11には、ネジである係止部材7が挿通される貫通孔11bが設けられている。本実施の形態において、ソケット本体部11には、4つの貫通孔11bが設けられている。
【0067】
図9及び図11に示すように、端子台部12は、第1ソケット部10の底部に相当する部分であり、板状である。本実施の形態において、端子台部12は、円形平板状である。
【0068】
ソケット装置3を光源2の装着方向(本実施の形態ではZ軸方向)から見たときに、ソケット本体部11は、端子台部12の外側に位置しており、端子台部12は、ソケット本体部11の内側に位置している。本実施の形態において、円環状のソケット本体部11は、端子台部12を囲んでいる。つまり、ソケット本体部11は、第1ソケット部10の外周側に位置している。
【0069】
接続部13は、第1ソケット部10の側壁部に相当する部分であり、筒状である。本実施の形態において、接続部13は、円筒状である。なお、接続部13は、ソケット本体部11の一部であってもよいし、端子台部12の一部であってもよい。
【0070】
図9の(c)及び図11に示すように、光源2の装着方向(本実施の形態ではZ軸方向)において、接続部13は、ソケット本体部11と端子台部12との間に位置している。したがって、ソケット本体部11と端子台部12とは、光源2の装着方向(本実施の形態ではZ軸方向)に対して異なる高さに位置する。つまり、接続部13とソケット本体部11と端子台部12とによって第1ソケット部10が段差状に形成されている。
【0071】
本実施の形態において、ソケット本体部11は、端子台部12よりも光源2側に位置している。言い換えると、端子台部12は、ソケット本体部11よりも光源2側とは反対側に位置している。これにより、図8図9及び図12に示すように、第1ソケット部10には、端子台部12の部分が光源2側とは反対側に窪んだ凹部10aが形成されている。
【0072】
図4に示すように、この第1ソケット部10の凹部10aには、光源2の一部が収納される。具体的には、第1ソケット部10の凹部10aには、光源2の突出部2gが収納される。この場合、光源2における筐体2aの少なくとも突出部2gを構成する部分は、絶縁性の樹脂材料によって構成されているとよい。また、光源2の突出部2gを囲む第1ソケット部10も樹脂製であるとよい。これにより、光源2の周辺の絶縁性を向上させることができる。
【0073】
図11図14及び図15に示すように、第1ソケット部10には、端子板20が配置されている。端子板20は、金属等の導電材料によって構成された導電板である。例えば、端子板20は、銅合金等の金属板によって構成されている。端子板20は、1つ又は複数の金属板によって構成されている。本実施の形態において、端子板20は、複数の金属板によって構成されている。端子板20を構成する複数の金属板の各々は、折り曲げ加工等を施すことで所定の形状に形成されており、互いに連結されている。例えば、端子板20を構成する複数の金属板は、挟み込み構造によって互いに連結されている。なお、端子板20を構成する複数の金属板は、同じ金属材料によって構成されていてもよいし、異なる金属材料によって構成されていてもよい。
【0074】
端子板20は、電源線6を介して受電した電力を光源2の給電ピン2dに供給する機能を有する。具体的には、端子板20は、光源2の給電ピン2dが電気的かつ機械的に接続される給電ピン接続端子21と、光源2に電力を供給するための電源線6が接続される電源線接続端子22とを有する。
【0075】
本実施の形態において、給電ピン接続端子21は、端子板20の一部(給電ピン接続端子部)である。同様に、電源線接続端子22も、端子板20の一部(電源線接続端子部)である。したがって、給電ピン接続端子21と電源線接続端子22とは、同じ端子板20の一部として電気的に接続されている。
【0076】
給電ピン接続端子21は、ソケット本体部11に配置されている。一方、電源線接続端子22は、端子台部12に配置されている。ソケット本体部11と端子台部12とは高さが異なる位置に配置されているので、給電ピン接続端子21と電源線接続端子22とについても、高さが異なる位置に配置されている。したがって、端子板20は、第1ソケット部10において接続部13を跨るように配置されている。
【0077】
ソケット本体部11に位置する給電ピン接続端子21は、ソケット本体部11に設けられた2つのピン受け孔11aの各々の近傍に存在する。したがって、端子板20は、2つの給電ピン接続端子21を有する。つまり、2つの給電ピン接続端子21と光源2が有する2つの給電ピン2dとは、一対一に対応している。
【0078】
また、2つの給電ピン接続端子21の各々の近傍には、金属バネ23が設けられている。金属バネ23は、ピン受け孔11aに挿入された光源2の給電ピン2dを弾性保持する。具体的には、金属バネ23は、光源2をソケット装置3に取り付ける際に、ピン受け孔11aに挿入してピン受け孔11aの長孔の奥に移動させた給電ピン2dの径大部分をバネ弾性力によって保持する。
【0079】
これにより、光源2をソケット装置3に取り付ける際に、ピン受け孔11aに給電ピン2dが保持されたことが分かるようにユーザにクリック感(引っ掛かり感)を持たせることができる。つまり、ユーザは、光源2がソケット装置3に装着されたことが分かる。また、給電ピン2dが金属バネ23で保持されることで、給電ピン2dは、ピン受け孔11aから脱落することなく給電ピン接続端子21に接続し続けることができる。金属バネ23は、金属板に折り曲げ加工等を施すことで所定の形状に形成されている。一例として、金属バネ23は、ピン受け孔11aに向けて凸となるようにV字状に折り曲げられた屈曲部を有する。
【0080】
端子台部12に位置する電源線接続端子22には、ソケット装置3に差し込まれる電源線6が配置される。電源線接続端子22は、電源線6を構成する一対の導電線に対応している。つまり、端子板20は、1つの電源線6に対して2つの電源線接続端子22を有する。この2つの電源線接続端子22は、一対となって隣接して配置されている。
【0081】
ソケット装置3の側面に形成された挿通孔32aからソケット装置3に差し込まれた電源線6は、電源線接続端子22に接続される。図11及び図14に示すように、ソケット装置3は、ソケット装置3から電源線6を抜き取る際に電源線6と電源線接続端子22との接続状態を解除するための電源線解除部材24(解除ボタン)を有する。電源線解除部材24は、例えば、絶縁性の樹脂材料によって構成されている。電源線接続端子22の板部22aと電源線解除部材24との間の空間は、電源線6が差し込まれる電源線挿入口25(電源線入線口)である。つまり、端子台部12には、電源線挿入口25が設けられている。
【0082】
ソケット装置3に差し込まれた電源線6は、電源線挿入口25を通って電源線接続端子22に接続される。本実施の形態において、電源線接続端子22は、速結端子構造22bを有しており、電源線6は、速結端子構造22bに接続される。速結端子構造22bは、端子板20を構成する金属板の一部を板バネ状に形成された部分であり、ソケット装置3に差し込まれた電源線6を保持する。具体的には、電源線6は、速結端子構造22bによるバネ弾性力によって電源線接続端子22に弾性保持される。速結端子構造22bは、端子板20を構成する金属板の一部に、屈曲加工、折り曲げ加工、及び、切り起こし加工等を施すことで形成することができる。
【0083】
速結端子構造22bに保持された電源線6をソケット装置3から抜き取りたい場合、解除ジグによって電源線解除部材24を移動させる。例えば、速結端子構造22bに保持された電源線6をソケット装置3から抜き取る場合、ゴムカバー9の底部92の電源線解除部9b(図3参照)を解除ジグで突き破って、解除ジグをソケット装置3の電源線解除用孔32bに差し込んで電源線解除部材24に押し当てる。これにより、電源線解除部材24が押し込まれて速結端子構造22bが電源線6を保持する力が小さくなり、電源線6が速結端子構造22bから解放されることになる。これにより、電源線6をソケット装置3から引き抜くことができ、電源線6と端子板20(電源線接続端子22)との接続状態が解除される。なお、本実施の形態において、電源線解除部材24は、図10及び図13に示すように、電源線解除部材24の一部がソケット装置3の電源線解除用孔32bに挿入されて嵌っているが、これに限らない。例えば、電源線解除部材24は、解除ジグが届く範囲であれば、電源線解除部材24から内側に後退した位置に配置されていてもよい。
【0084】
図15に示すように、電源線挿入口25への電源線6の差し込み方向は、ソケット装置3を光源2の装着方向から見たときに、2つの給電ピン接続端子21同士を結ぶ線L1に直交している。2つの給電ピン接続端子21の各々にはピン受け孔11aが形成されているので、電源線6の差し込み方向は、2つのピン受け孔11a同士を結ぶ線L1に直交している。
【0085】
本実施の形態において、1つの電源線解除部材24は、電源線6を構成する一対の導電線を覆っている。したがって、1つの電源線解除部材24と一対の電源線接続端子22とによって2つの電源線挿入口25が構成されている。
【0086】
また、一対の電源線接続端子22は、2本の電源線6がソケット装置3に接続できるように端子台部12の2箇所に配置されている。つまり、本実施の形態において、端子板20は、4つの電源線接続端子22を有する。2箇所に配置された一対の電源線接続端子22の少なくとも一方に接続される電源線6は、当該ソケット装置3から他のソケット装置3に電力を送るための送り配線である。具体的には、2箇所に配置された一対の電源線接続端子22の一方には、送り配線である第2電源線6bが接続され、2箇所に配置された一対の電源線接続端子22の他方には、商用交流電源に接続された第1電源線6aが接続されている。
【0087】
2箇所に配置された電源線接続端子22同士を結ぶ線L2は、2つの給電ピン接続端子21同士を結ぶ線L1に直交している。本実施の形態において、一対の電源線接続端子22の各々に電源線解除部材24が配置されている。したがって、2つの電源線解除部材24が配置されている。この場合、2つの電源線解除部材24を結ぶ線は、2つの給電ピン接続端子21同士を結ぶ線L1に直交している。また、2つの給電ピン接続端子21の各々にはピン受け孔11aが形成されているので、2箇所に配置された電源線接続端子22同士を結ぶ線L2(2つの電源線解除部材24を結ぶ線)は、2つのピン受け孔11a同士を結ぶ線L1に直交している。なお、本実施の形態において、2箇所に配置された電源線接続端子22同士を結ぶ線L2は、電源線挿入口25への電源線6の差し込み方向と平行である。
【0088】
図7図12に示すように、第1ソケット部10を覆う第2ソケット部30は、ソケット本体部11を覆う第1カバー部31(ソケット本体部カバー部)と、端子台部12を覆う第2カバー部32(端子台部カバー部)とを有する。また、第2ソケット部30は、第1ソケット部10に配置された端子板20も覆っている。
【0089】
第1カバー部31と第2カバー部32とは一体に構成されている。具体的には、第1カバー部31と第2カバー部32とは、絶縁性の樹脂材料によって一体に構成されている。したがって、第2ソケット部30は、樹脂材料によって構成された1つの樹脂成形品である。第2ソケット部30の樹脂材料は、第1ソケット部10の樹脂材料と同じであってもよいし、異なっていてもよい。この場合、第2ソケット部30は、第1ソケット部10と比べてあまり強度が要求されないので、第2ソケット部30の樹脂材料は、端子板20に流れる大電流によるトラッキング現象の発生を抑制することを重視して選択するとよい。本実施の形態ではこの観点で、第2ソケット部30の樹脂材料が選択されている。具体的には、第2ソケット部30の樹脂材料は、ポリプロピレン(PP)によって構成されている。
【0090】
図11に示すように、第2ソケット部30は、第1ソケット部10と同様に、全体としてハット(鍔付き帽子)形状である。具体的には、第2ソケット部30は、開口部にフランジ部を有する有底円筒形状である。
【0091】
第1カバー部31は、第2ソケット部30のフランジ部に相当する部分であり、平板状の枠体である。本実施の形態において、第1カバー部31は、円環状である。第2カバー部32は、第2ソケット部30の有底円筒部に相当する部分である。
【0092】
ソケット装置3を光源2の装着方向(本実施の形態ではZ軸方向)から見たときに、第1カバー部31は、第2カバー部32の外側に位置しており、第2カバー部32は、第1カバー部31の内側に位置している。本実施の形態において、円環状の第1カバー部31は、第2カバー部32を囲んでいる。つまり、第1カバー部31は、第2カバー部32の外周側に位置している。
【0093】
第1カバー部31と第2カバー部32とは、光源2の装着方向(本実施の形態ではZ軸方向)に対して異なる高さに位置する。本実施の形態において、第1カバー部31は、第2カバー部32よりも光源2側に位置している。
【0094】
第1カバー部31には、ネジである係止部材7が挿通される貫通孔31aが設けられている。本実施の形態において、第1カバー部31には、4つの貫通孔31aが設けられている。上面視において、第1カバー部31の4つの貫通孔31aの各々は、第1ソケット部10のソケット本体部11の4つの貫通孔11bの各々と同じ位置に設けられている。
【0095】
上記のように、ソケット装置3と器具本体4とは、係止部材7によって固定されている。具体的には、ソケット装置3における第2ソケット部30の第1ソケット部10及び第2ソケット部30と器具本体4とは、係止部材7によって係合されて固定されている。本実施の形態において、係止部材7はネジであるので、第1ソケット部10及び第2ソケット部30と器具本体4とはネジ止めによって固定されている。
【0096】
図6に示すように、係止部材7によって第1ソケット部10及び第2ソケット部30と器具本体4とを固定することで、第2ソケット部30の第1カバー部31は、器具本体4に押圧される。このとき、第2ソケット部30の第1カバー部31の外面(上面)が器具本体4の底部の内面(下面)に当接する。したがって、第1カバー部31の外面は、器具本体4の底部が当接する面となる。本実施の形態において、第1カバー部31の外面と器具本体4の底部の内面とは、平面である。これにより、第1カバー部31と器具本体4の底部とを隙間なく接触させることができるので、器具本体4と第2ソケット部30との密閉性を確保することができる。
【0097】
また、図6に示すように、本実施の形態において、第1ソケット部10のソケット本体部11の貫通孔11bは、ソケット本体部11に設けられた凸部11cに設けられている。凸部11cは、第1カバー部31に向かって突出しており、第1カバー部31の貫通孔31aに挿入されている。具体的には、凸部11cの外側面に形成された段差部が第1カバー部31の貫通孔31aの内面に形成された段差部に係止している。つまり、ソケット本体部11の凸部11cの一部が第1カバー部31の貫通孔31aに嵌め込まれている。
【0098】
このとき、第1カバー部31の外面(上面)とソケット本体部11の凸部11cの外側面の段差部の段差面(第1カバー部31の貫通孔31aの内面の段差部の段差面)との距離をd1とし、ソケット本体部11の凸部11cの外面とソケット本体部11の凸部11cの外側面の段差部の段差面(第1カバー部31の貫通孔31aの内面の段差部の段差面)との距離をd2とすると、d1>d2になっているとよい。これにより、第1カバー部31の貫通孔31aに挿入されたソケット本体部11の凸部11cの上面が、第1カバー部31の上面からはみ出すことがなくなる。したがって、第1カバー部31を器具本体4の底部に密着させることができるので、器具本体4と第2ソケット部30とを確実に密着させることができる。
【0099】
また、図4に示すように、第2カバー部32は、上記のように、器具本体4に設けられた開口孔4aから突出している。具体的には、第2カバー部32の全体が器具本体4の開口孔4aから外部にはみ出している。
【0100】
図7に示すように、第2カバー部32の側面には、電源線6が挿通される挿通孔32aが設けられている。具体的には、第2カバー部32の側面には、電源線6を構成する一対の導電線に対応して一対の挿通孔32aが設けられている。
【0101】
また、本実施の形態では、ソケット装置3に2本の電源線6が差し込まれるので、第2カバー部32の側面の2箇所に一対の挿通孔32aが設けられている。つまり、第2カバー部32には、4つの挿通孔32aが設けられている。本実施の形態において、一対の挿通孔32aは、第2カバー部32を挟んで対向する位置に設けられている。したがって、ソケット装置3に差し込まれる2本の電源線6は、直線状に配置されている。
【0102】
また、第2カバー部32の側面には、ソケット装置3から電源線6を抜き取る際に用いられる解除ジグが差し込まれる電源線解除用孔32bが設けられている。電源線解除用孔32bに解除ジグを差し込むことで解除ジグを電源線解除部材24に押し当てることができる。電源線解除用孔32bは、電源線6が挿通される挿通孔32aの近傍に設けられている。
【0103】
本実施の形態では、ソケット装置3に2本の電源線6が挿通されるので、電源線解除用孔32bは、第2カバー部32の側面の2箇所に設けられている。具体的には、電源線解除用孔32bは、2本の電源線6と同様に、対向する位置に設けられている。
【0104】
以上説明したように、本実施の形態に係るソケット装置3によれば、光源2が取り付けられる第1ソケット部10について、端子板20の給電ピン接続端子21が配置されたソケット本体部11と端子板20の電源線接続端子22が配置された端子台部12とが、一体に構成されている。具体的には、ソケット本体部11と端子台部12とは、樹脂材料によって一体に構成されている。
【0105】
このように、本実施の形態に係るソケット装置3は、光源2が装着されるソケット機能を有するとともに電源線6が接続される端子台としての機能を有するだけではなく、ソケット機能を有するソケット本体部11と端子台として機能する端子台部12とが一体に構成されている。
【0106】
この構成により、図25及び図26に示される従来の照明器具1Xのようにソケット3Xと端子台5Xとを繋ぐリード線が不要になる。このため、リード線の費用が不要になるとともに、ソケット3Xと端子台5Xとをリード線で繋ぐための作業が不要になる。これにより、照明器具1の低コスト化を図ることができるとともに照明器具1の施工性を向上させることができる。
【0107】
また、ソケット装置3に端子台としての機能を持たせることで、器具本体4と離れた位置に端子台を設置する必要がなくなる。これにより、本実施の形態におけるソケット装置3を用いることで、鉛直方向から見たときの投影面(XY平面)における照明器具1のサイズを小型化することができ、照明器具1の横幅サイズ(径方向サイズ)を容易に小型化することができる。例えば、天井埋め込みの深さ及び遮光角のスペックをキープした上で、照明器具1の小型化を図ることができる。
【0108】
しかも、本実施の形態におけるソケット装置3では、第1ソケット部10におけるソケット本体部11と端子台部12とが光源2の装着方向に対して異なる高さに位置している。この構成により、光源2としてGX53形等の口金を備えるランプを用いる場合であっても、光源2の口金2eにおける突出部2g(回路部)を、ソケット本体部11と端子台部12との高さ違い構造によって形成される空間部分に収納することができる。これにより、ソケット装置3に端子台としての機能を持たせたとしても、照明器具1の高さが高くなることを抑制することができる。
【0109】
このように、本実施の形態に係るソケット装置3及び照明器具1によれば、コスト及び施工性を改善できるとともに投影面における照明器具1のサイズを小さくしつつ、照明器具1の高さが高くなることを抑制することができる。
【0110】
また、本実施の形態に係るソケット装置3において、端子台部12は、ソケット本体部11よりも光源2側とは反対側に位置している。
【0111】
この構成により、第1ソケット部10には、端子台部12の部分が光源2側とは反対側に窪んだ凹部10aが形成されるので、この第1ソケット部10の凹部10aに、光源2の突出部2gを収納することができる。したがって、照明器具1の高さが高くなることを効果的に抑制することができる。
【0112】
また、本実施の形態では、ソケット装置3を光源2の装着方向から見たときに、ソケット本体部11は、端子台部12の外側に位置している。具体的には、ソケット本体部11は、円環状であり、端子台部12を囲っている。
【0113】
この構成により、第1ソケット部10の内側部分が端子台部12の部分となるので、第1ソケット部10の凹部10aを第1ソケット部10の内側部分に形成することができる。これにより、光源2の内側部分に形成された突出部2gを、第1ソケット部10の内側部分に形成された凹部10aに効率よく収納することができる。つまり、ソケット装置3の径方向サイズを大きくすることなく光源2の突出部2gを収納することができる。したがって、ソケット装置3の径方向サイズを小さくすることが可能となるので、照明器具1の横幅サイズ(径方向サイズ)を一層小型化することができる。
【0114】
また、本実施の形態におけるソケット装置3では、ソケット本体部11に、2つの給電ピン2dが係止される2つのピン受け孔11aが設けられており、図15に示すように、ソケット装置3を光源2の装着方向から見たときに、電源線挿入口25への電源線6の差し込み方向は、2つの給電ピン接続端子21同士を結ぶ線L1に直交している。
【0115】
この構成により、電源線6が接続される端子台としての機能をソケット装置3に持たせたとしても、光源2の給電ピン2dと電源線6との距離を極力長くすることができるので、光源2の給電ピン2dと電源線6との絶縁距離を容易に確保することができる。さらに、電源線挿入口25への電源線6の差し込み方向が2つの給電ピン接続端子21同士を結ぶ線L1に直交させるように構成することで、ソケット装置3を備える照明器具1の組み立てを容易にすることができる。
【0116】
また、本実施の形態におけるソケット装置3では、2本の電源線6がソケット装置3に接続できるように電源線接続端子22が第1ソケット部10の端子台部12の2箇所に配置されている。そして、2箇所に配置された電源線接続端子22同士を結ぶ線L2は、2つの給電ピン接続端子21同士を結ぶ線L1に直交している。
【0117】
この構成により、本実施の形態のようにソケット装置3が2本の電源線6が接続される構造を有している場合であっても、光源2の給電ピン2dと2本の電源線6の各々との距離を最大限長くすることができる。これにより、光源2の給電ピン2dと2本の電源線6の各々との絶縁距離を容易に確保することができる。
【0118】
なお、本実施の形態では、2箇所に配置された一対の電源線接続端子22の少なくとも一方に接続される電源線6は、当該ソケット装置3から他のソケット装置3に電力を送るための送り配線である。
【0119】
また、本実施の形態におけるソケット装置3は、端子板20が配置された第1ソケット部10を覆う第2ソケット部30を備えている。そして、第2ソケット部30は、第1ソケット部10のソケット本体部11を覆う第1カバー部31と、第1ソケット部10の端子台部12を覆う第2カバー部32とを有する。
【0120】
この構成により、ソケット機能を有するソケット本体部11に配置された端子板20の給電ピン接続端子21を第2ソケット部30で保護するだけではなく、端子台として機能する端子台部12に配置された端子板20の電源線接続端子22も第2ソケット部30で保護することができる。
【0121】
また、本実施の形態におけるソケット装置3において、第2ソケット部30における第1カバー部31と第2カバー部32とは、光源2の装着方向に対して異なる高さに位置し、第1カバー部31は、第2カバー部32よりも光源2側に位置している。
【0122】
この構成により、第1ソケット部10の端子台部12を覆う第2カバー部32から一段下がった位置に、第1ソケット部10のソケット本体部11を覆う第1カバー部31が存在することになる。これにより、本実施の形態のようにソケット本体部11が端子台部12よりも光源2側に位置する第1ソケット部10の形状であっても、第1カバー部31とソケット本体部11との間及び第2カバー部32と端子台部12との間の各々に、端子板20を配置するスペースを容易に確保することができる。
【0123】
また、本実施の形態におけるソケット装置3では、第2ソケット部30の第2カバー部32の側面に、電源線6が挿通される挿通孔32aが設けられている。
【0124】
この構成により、電源線6をソケット装置3に接続する際、第2ソケット部30の第2カバー部32の挿通孔32aに電源線6を挿通して、電源線6を電源線接続端子22に接続させることができる。
【0125】
また、本実施の形態における照明器具1は、ソケット装置3と、ソケット装置3が取り付けられた器具本体4とを備える。そして、ソケット装置3の第2ソケット部30と器具本体4とは、係止部材7によって係合されており、第2ソケット部30の第2カバー部32は、器具本体4に設けられた開口孔4aから突出している。
【0126】
この構成により、電源線6が接続される電源線接続端子22を覆う第2カバー部32が器具本体4から露出することになる。これにより、ソケット装置3を器具本体4で覆ったとしてもソケット装置3に電源線6を容易に接続することができる。したがって、施工性に優れた照明器具1を実現することができる。
【0127】
また、このようにソケット装置3の第2ソケット部30と器具本体4とが係止部材7によって係合されている場合、第2ソケット部30の第1カバー部31の外面は、器具本体4の底部が当接する面になっているとよい。また、第2ソケット部30の第1カバー部31の外面は、平面であるとよい。
【0128】
この構成により、器具本体4と第1カバー部31との密着性を高めることができる。この場合、第1カバー部31は、器具本体4に押圧されているとよい。これにより、器具本体4と第1カバー部31との密着性をさらに高めることができる。したがって、器具本体4と第2ソケット部30との密閉性を確保することができる。
【0129】
また、本実施の形態における照明器具1は、第2ソケット部30の第2カバー部32の側面に取り付けられたゴムカバー9を備えており、ゴムカバー9は、電源線6が挿通される電源線挿通部9aを有している。そして、この電源線挿通部9aは、第2カバー部32の側面に設けられた挿通孔32aに対向している。
【0130】
この構成により、電源線6をゴムカバー9を介してソケット装置3に接続する場合でも、電源線6をソケット装置3に容易に接続することができる。したがって、照明器具1に電源線6を接続する際の施工性を向上させることができる。
【0131】
また、本実施の形態における照明器具1は、器具本体4の開口孔4aから突出した第2カバー部32の少なくとも一部を覆う金属製の天板5を備えている。そして、天板5の第2カバー部32を覆う部分の側面に開口5cが設けられている。
【0132】
このように第2カバー部32を天板5で覆うことによって、ソケット装置3の準耐火性を確保することができる。しかも、天板5の第2カバー部32を覆う部分の側面に開口5cを設けることで、器具本体4の開口孔4aから突出した第2カバー部32を天板5で覆ったとしても、天板5の開口5cから電源線6を第2カバー部32の挿通孔32aから電源線6を挿通して電源線6を電源線接続端子22に容易に接続することができる。つまり、準耐火性を確保しつつ施工性に優れた照明器具1を実現することができる。
【0133】
また、本実施の形態における照明器具1では、天板5に取付バネ8が固定されている、
このように、ソケット装置3を覆う天板5に取付バネ8を固定して天板5と取付バネ8とを一つの部品にすることで、ソケット装置3の準耐火性を向上させつつ、照明器具1のコストダウンを図ることができる。特に、天板5は、ソケット装置3における端子台部12を覆う第2カバー部32(突出部分)を覆っているので、ソケット装置3の準耐火性を効果的に向上させることができる。
【0134】
しかも、本実施の形態における天板5は、ネジによってソケット装置3が取り付けられる取付部材としての機能している。このように、本実施の形態における天板5は、ソケット装置3の端子台部12を覆うための機能と、取付バネ8を固定するための機能と、ソケット装置3を取り付けるための機能とを有しており、一つ天板5が三役を担っている。これにより、天板5と取付バネ8との1部品化によって組立性が向上するとともに、器具本体4をシンプルな形状にすることができて複雑な加工を必要としないので、コストダウンを図ることができる。
【0135】
(実施の形態2)
次に、実施の形態2に係る照明器具1Aについて、図16図21を用いて説明する。図16は、実施の形態2に係る照明器具1Aの斜視図である。図17は、同照明器具1Aの分解斜視図である。図18は、同照明器具1Aの断面図である。なお、図18では、断面に表れる部分のみを図示している。図19は、実施の形態2に係るソケット装置3Aとゴムカバー9Aの斜視図である。図20は、実施の形態2に係るソケット装置3Aの分解斜視図である。図21は、同ソケット装置3Aを床側から見たときの斜視図である。
【0136】
図16図21に示すように、本実施の形態に係る照明器具1Aは、上記実施の形態1と同様に、光源2と、ソケット装置3Aと、器具本体4Aと、天板5Aと、係止部材7と、取付バネ8と、ゴムカバー9Aとを備える。照明器具1Aには、電源線6が接続される。具体的には、電源線6は、ソケット機能と端子台と機能とを兼用するソケット装置3Aに接続される。
【0137】
また、本実施の形態における照明器具1Aでは、上記実施の形態1と同様に、ソケット装置3Aに2本の電源線6が接続できるように構成されている。したがって、本実施の形態においても、ゴムカバー9A(ゴムパッキン)は、2本の電源線6の各々に対応してソケット装置3Aの第2カバー部32の2箇所に設けられている。
【0138】
本実施の形態に係る照明器具1Aは、上記実施の形態1に係る照明器具1に対して、器具本体4A、天板5A及びゴムカバー9Aの構成が異なる。特に、本実施の形態に係る照明器具1Aでは、ゴムカバー9Aの構造が特徴になっている。なお、このゴムカバー9Aの構造に合わせて、器具本体4A及び天板5Aについても、上記実施の形態1に対して、一部形状を変更している。
【0139】
本実施の形態におけるゴムカバー9Aは、上記実施の形態1におけるゴムカバー9と同様に、ソケット装置3Aにおける第2ソケット部30Aの第2カバー部32の側面に取り付けられているが、上記実施の形態1におけるゴムカバー9とは、形状が異なっている。以下、本実施の形態に係るゴムカバー9Aの具体的な形状について、図16図21を参照しつつ、図22及び図23を用いて説明する。図22及び図23は、実施の形態2に係る照明器具1Aに用いられるゴムカバー9Aの斜視図である。なお、図23は、ゴムカバー9Aを裏側から見たときの斜視図である。
【0140】
図22及び図23に示すように、本実施の形態に係るゴムカバー9Aは、カバー本体部93と、第1固定用シート部94と、第2固定用シート部95とを有する。カバー本体部93と第1固定用シート部94と第2固定用シート部95とは、絶縁性の樹脂材料によって一体に形成されている。ゴムカバー9Aを構成する樹脂材料は、上記実施の形態1におけるゴムカバー9と同様の樹脂材料を用いることができる。したがって、ゴムカバー9Aは、ゴム弾性を有する。
【0141】
図17及び図18に示すように、カバー本体部93は、ソケット装置3Aの第2カバー部32の側面を覆う被覆部である。カバー本体部93は、第2カバー部32の外周部の一部が平面状に切り欠かれた平面部に面接触している。
【0142】
図17及び図18に示すように、第1固定用シート部94は、カバー本体部93の下端部からXY平面と平行な方向に外側に延在するシート状の平面部である。図18に示すように、第1固定用シート部94は、器具本体4Aの底部に載置されている。器具本体4Aの底部に載置された第1固定用シート部94は、天板5Aに設けられた押さえ片5eによって押さえ付けられている。つまり、第1固定用シート部94は、器具本体4Aの底部と天板5Aの押さえ片5eとによって挟持されている。このように、本実施の形態における天板5Aは、第1固定用シート部94を器具本体4Aに押さえ付ける押さえ片5eを有する点で、上記実施の形態1における天板5と異なっている。なお、押さえ片5eは、第1固定用シート部94の両側端部を押さえ付けるように2つ設けられている。
【0143】
第2固定用シート部95は、カバー本体部93の上端部からXY平面と平行な方向に内側に延在するシート状の平面部である。第2固定用シート部95は、ソケット装置3Aにおける第2ソケット部30Aの第2カバー部32の上部に載置されている。第2カバー部32の上部に載置された第2固定用シート部95は、天板5Aの第1天板部5aによって押さえ付けられている。つまり、第2固定用シート部95は、第2ソケット部30Aの第2カバー部32と天板5とに挟持されている。具体的には、第2固定用シート部95は、第2カバー部32の上部と天板5Aの第1天板部5aとに挟持されている。
【0144】
このように、本実施の形態では、ゴムカバー9Aの一部を延長してゴムカバー9Aに第1固定用シート部94及び第2固定用シート部95を設けている。これにより、天板5Aを器具本体4Aに固定するための係止部材7の軸力(本実施の形態ではネジの締め付け力)によって、第1固定用シート部94及び第2固定用シート部95を、天板5Aと器具本体4A及びソケット装置3Aとで強固に挟持させることができる。これにより、ゴムカバー9Aをソケット装置3Aにしっかりと密着させて取り付けることができる。
【0145】
また、本実施の形態では、図22及び図23に示すように、第1固定用シート部94の裏面に第1凸部94a(ボス)が設けられ、第2固定用シート部95の裏面に第2凸部95a(ボス)が設けられている。ゴムカバー9Aをソケット装置3Aに取り付ける際、第1固定用シート部94の第1凸部94aは、器具本体4Aの底部に設けられた第1凹部4c(図17参照)に嵌め合わされ、第2固定用シート部95の第2凸部95aは、ソケット装置3Aの第2ソケット部30Aの第2カバー部32に設けられた第2凹部32c(図19参照)に嵌め合わされる。
【0146】
このように、本実施の形態における器具本体4Aは、第1凹部4cを有する点で、上記実施の形態1における器具本体4と異なっている。また、本実施の形態におけるソケット装置3Aは、第2凹部32cを有する点で、上記実施の形態1におけるソケット装置3と異なっている。なお、器具本体4Aの第1凹部4cは、貫通孔であるが、底部を有する穴であってもよい。また、ソケット装置3Aの第2凹部32cは、底部を有する穴であるが、貫通孔であってもよい。
【0147】
本実施の形態のように、ゴムカバー9Aの第1凸部94a及び第2凸部95aを第1凹部4c及び第2凹部32cに嵌め合わせることで、ゴムカバー9Aの位置がずれることを抑制することができる。特に、ゴムカバー9Aに対して電源線6及び解除ジグを差し込んだり抜いたりする際にゴムカバー9Aが引っ張られてゴムカバー9Aの位置がずれるおそれがあるが、第1凸部94a及び第2凸部95aを第1凹部4c及び第2凹部32cに嵌め合わせることで、ゴムカバー9Aが引っ張られても、ゴムカバー9Aの位置がずれることを抑制できる。
【0148】
しかも、本実施の形態において、第1凸部94a及び第2凸部95aは、ゴムカバー9Aが引っ張られる方向(例えばXY平面に平行な方向)に対して垂直な方向(例えばZ軸方向)に突出するように設けられている。これにより、ゴムカバー9Aが引っ張られても、ゴムカバー9Aの位置がずれることを効果的に抑制することができる。
【0149】
なお、第1凸部94a及び第2凸部95aは、それぞれ2つずつ設けられている。これにより、ゴムカバー9Aが引っ張られたときに、ゴムカバー9Aが回転して位置がずれることを抑制できるだけではなく、ゴムカバー9Aが水平方向に移動して位置がずれることを抑制できる。
【0150】
また、図22及び図23に示すように、本実施の形態におけるゴムカバー9Aは、上記実施の形態1におけるゴムカバー9と同様に、電源線6が挿通される電源線挿通部9aと、ソケット装置3Aから電源線6を抜き取る際に解除ジグが差し込まれる電源線解除部9bとを有する。本実施の形態において、電源線挿通部9a及び電源線解除部9bは、それぞれ、カバー本体部93の一部である。
【0151】
本実施の形態においても、ゴムカバー9Aの電源線挿通部9aは、ソケット装置3Aの第2カバー部32の側面に設けられた挿通孔32aに対向している。電源線挿通部9aは、電源線6をソケット装置3Aに接続する際に、電源線6でカバー本体部93を突き破ることで電源線6が挿通する挿通孔(電源線挿通孔)になる。これにより、電源線6をゴムカバー9Aを介してソケット装置3Aに接続する際に、電源線6をソケット装置3Aに容易に接続することができる。
【0152】
ゴムカバー9Aの電源線解除部9bは、ソケット装置3Aの第2カバー部32の側面に設けられた電源線解除用孔32bに対向している。電源線解除部9bは、ソケット装置3Aから電源線6を抜き取る際に、ソケット装置3Aの電源線解除用孔32bに差し込まれる解除ジグでカバー本体部93を突き破ることで解除ジグが挿通する挿通孔(解除ジグ挿通孔)になる。
【0153】
このように、本実施の形態でも、上記実施の形態1と同様に、ゴムカバー9Aの一部を突き破ることで、電源線6が挿通される電源線挿通孔及び解除ジグが挿通される解除ジグ挿通孔がゴムカバー9Aに形成される。なお、ゴムカバー9Aは、ゴムカバー9Aの一部が突き破られることなく、電源線6又は解除ジグが挿通されるようになっていてもよい。つまり、電源線挿通部9a及び電源線解除部9bは、最初からゴムカバー9Aに形成された挿通孔であってもよい。
【0154】
図22に示すように、ゴムカバー9Aは、ソケット装置3Aに電源線6を差し込む際に電源線6をガイドする第1ガイド筒93aを有する。第1ガイド筒93aは、電源線挿通部9aに向けて電源線6をガイドする筒部からなる。第1ガイド筒93aの筒部の一方の開口は、電源線6が差し込まれる電線挿入口である。第1ガイド筒93aの筒部の他方の開口は、塞がれている。ゴムカバー9Aの電源線挿通部9aは、第1ガイド筒93aの筒部における塞がれた部分(底部)である。つまり、電源線挿通部9aは、第1ガイド筒93aの一部である。本実施の形態において、第1ガイド筒93aは、開口形状が円形の円筒状であるが、これに限らない。
【0155】
第1ガイド筒93aは、カバー本体部93に設けられている。第1ガイド筒93aは、電源線6の一対の導電線に対応して2つ設けられている。つまり、電源線挿通部9aは、カバー本体部93に一対設けられている。第1ガイド筒93aは、電源線挿通部9aと同様に、ソケット装置3Aの第2カバー部32の側面に設けられた挿通孔32aに対向している。
【0156】
このように、電源線挿通部9aに繋がる第1ガイド筒93aをゴムカバー9Aに設けることで、照明器具1Aにおける電源線6の差し込み口(第1ガイド筒93aの開口)が照明器具1Aの外部から見やすくなる位置まで延長させることができるとともに、第1ガイド筒93aの筒部によって第1ガイド筒93aに差し込まれた電源線6を電源線挿通部9aに向けてガイドすることができる。これにより、ユーザは、ゴムカバー9Aの電源線挿通部9aに電源線6を容易に挿通させることができる。したがって、ソケット装置3Aが端子台の機能を有している場合であっても、電源線6をソケット装置3Aに容易に接続することができる。
【0157】
また、ゴムカバー9Aは、マイナスドライバー等の解除ジグで電源線6をソケット装置3Aから抜き取る際に、電源線解除部9bに向けて解除ジグをガイドする筒部からなる第2ガイド筒93bを有する。第2ガイド筒93bの筒部の一方の開口は、解除ジグが差し込まれる解除ジグ挿入口である。第2ガイド筒93bの筒部の他方の開口は、塞がれている。ゴムカバー9Aの電源線解除部9bは、第2ガイド筒93bの筒部における塞がれた部分(底部)である。つまり、電源線解除部9bは、第2ガイド筒93bの一部である。本実施の形態において、第2ガイド筒93bは、開口形状が横長矩形の角筒状であるが、これに限らない。
【0158】
第2ガイド筒93bは、カバー本体部93に設けられている。第2ガイド筒93bは、一対の第1ガイド筒93aの間の領域に1つ設けられている。第2ガイド筒93bは、電源線解除部9bと同様に、ソケット装置3Aの第2カバー部32の側面に設けられた電源線解除用孔32bに対向している。
【0159】
このように、電源線解除部9bに繋がる第2ガイド筒93bをゴムカバー9Aに設けることで、照明器具1Aにおける解除ジグの差し込み口(第2ガイド筒93bの開口)が照明器具1Aの外郭から見やすくなるとともに、第2ガイド筒93bの筒部によって第2ガイド筒93bに差し込まれた解除ジグを電源線解除部9bに向けてガイドすることができる。これにより、ユーザは、ゴムカバー9Aの電源線解除部9bに解除ジグを容易に挿通させることができる。したがって、解除ジグをソケット装置3Aに差し込んで電源線解除部材24に容易に押し当てることができるので、ソケット装置3Aから電源線6を容易に抜き取ることができる。
【0160】
ゴムカバー9Aは、さらに、第1ガイド筒93aを囲むように形成された壁部93cを有する。壁部93cは、外方に向けて突出するようにカバー本体部93にリブ状に設けられている。壁部93cは、第1ガイド筒93aの開口端部よりも突出している。これにより、壁部93cによって第1ガイド筒93aを防護することができる。特に、壁部93cは、第1ガイド筒93aの上側部分及び外側部分を覆っている。これにより、壁部93cがゴムカバー9Aのエッジ部分を防護するエッジ防護壁となるので、壁部93cによって第1ガイド筒93aを効果的に防護することができる。
【0161】
一方、壁部93cは、第2ガイド筒93bを囲っていない。つまり、壁部93cにおける第2ガイド筒93bの上方部分は、壁部93cが切り欠かれた切り欠き部になっている。これにより、ゴムカバー9Aの上側(発光側とは反対側)からの第2ガイド筒93bの視認性を向上させることができる。したがって、ユーザは、ソケット装置3Aから電源線6を抜き取る際に、解除ジグを差し込む第2ガイド筒93bを容易に見つけることができる。
【0162】
また、本実施の形態におけるソケット装置3Aと上記実施の形態1におけるソケット装置3とでは、第1ソケット部10A、端子板20A及び第2ソケット部30Aの構成も一部異なっている。
【0163】
具体的には、本実施の形態における第1ソケット部10Aでは、図20に示すように、第1ソケット部10Aの端子台部12には、電源線6が挿通される挿通孔を有する電源線保持部12aが形成されている。電源線保持部12aの開口は、電源線6が差し込まれる電源線挿入口25である。つまり、上記実施の形態1では、電源線挿入口25は、電源線接続端子22の板部22aと電源線解除部材24との間の空間であったが、本実施の形態では、電源線挿入口25は、第1ソケット部10Aにおける端子台部12の一部になっている。
【0164】
電源線保持部12aは、電源線6の一対の導電線に対応して2つ設けられている。本実施の形態でも、2本の電源線6がソケット装置3Aに接続できるようになっているので、電源線保持部12aは、端子台部12に4つ設けられている。
【0165】
ソケット装置3Aの側面に形成された挿通孔32aからソケット装置3Aに接続される電源線6の一対の導電線は、一対の電源線保持部12aを介して端子台部12に配置された端子板20Aの電源線接続端子22Aに接続される。
【0166】
また、本実施の形態における第2ソケット部30Aについては、上記実施の形態1における第2ソケット部30に対して、上記のように第2カバー部32の上部に第2凹部32cが形成されていることに加えて、第1カバー部31に設けられた貫通孔31aの一部が切り欠かれている。
【0167】
なお、第1ソケット部10A及び第2ソケット部30Aは、それ以外には、上記実施の形態1における第1ソケット部10及び第2ソケット部30と一部形状が異なっている。
【0168】
また、本実施の形態における端子板20Aについては、上記実施の形態1における端子板20に対して、電源線接続端子22Aの形状が異なっている。また、上記実施の形態1において、端子板20を構成する複数の金属板は、挟み込み構造によって連結されていたが、本実施の形態では、端子板20を構成する複数の金属板は、カシメ構造によって連結されている。
【0169】
なお、本実施の形態におけるソケット装置3Aは、それら以外の構成については、基本的には、上記実施の形態におけるソケット装置3と同様の構成を有する。
【0170】
したがって、本実施の形態におけるソケット装置3A及びソケット装置3Aを備える照明器具1Aは、上記実施の形態1におけるソケット装置3及び照明器具1と同様の効果を奏する。
【0171】
例えば、本実施の形態におけるソケット装置3Aは、上記実施の形態1におけるソケット装置3と同様に、光源2が取り付けられる第1ソケット部10Aについて、端子板20Aの給電ピン接続端子21が配置されたソケット本体部11と端子板20Aの電源線接続端子22Aが配置された端子台部12とが一体に構成されているとともに、第1ソケット部10Aにおけるソケット本体部11と端子台部12とが光源2の装着方向に対して異なる高さに位置している。
【0172】
この構成により、本実施の形態におけるソケット装置3A及び照明器具1Aでも、コスト及び施工性を改善できるとともに投影面における照明器具1Aのサイズを小さくしつつ、照明器具1Aの高さが高くなることを抑制することができる。
【0173】
また、本実施の形態に係るソケット装置3Aにおいても、端子台部12は、ソケット本体部11よりも光源2側とは反対側に位置している。
【0174】
この構成により、図21に示すように、本実施の形態においても、第1ソケット部10Aには、端子台部12の部分が光源2側とは反対側に窪んだ凹部10aが形成される。これにより、この第1ソケット部10Aの凹部10aに、光源2の突出部2gを収納することができる。したがって、照明器具1Aの高さが高くなることを効果的に抑制することができる。
【0175】
また、本実施の形態における照明器具1Aでは、第1ガイド筒93a及び第2ガイド筒93bを有するゴムカバー9Aを用いているので、上記実施の形態1における照明器具1と比べて、電源線6の抜き差しがしやすいので、さらに施工性を向上させることができる。この点について、以下説明する。
【0176】
上記実施の形態1における照明器具1では、ゴムカバー9が筒部91を有するので、電源線6を照明器具1に接続する際に電源線6の差し込み口が分かりにくかったり、解除ジグで電源線6を照明器具1から抜き取る際に解除ジグの差し込み口が分かりにくかったりするおそれがある。つまり、上記実施の形態1における照明器具1では、ゴムカバー9の電源線挿通部9a及び電源線解除部9bがゴムカバー9の奥まった位置(具体的には底部92)にあるので、電源線6の抜き差しがしにくくなるおそれがある。
【0177】
これに対して、本実施の形態における照明器具1Aでは、ゴムカバー9Aに第1ガイド筒93a及び第2ガイド筒93bが設けられている。これにより、電源線6を照明器具1Aに接続する際は、電源線6を差し込む際の差し込み口を有する第1ガイド筒93aの位置を確認しながら電源線6をゴムカバー9Aに差し込んでソケット装置3Aに接続することができる。また、解除ジグを用いて電源線6を照明器具1Aから抜き取る際には、解除ジグを差し込む際の差し込み口を有する第2ガイド筒93bの位置を確認しながら解除ジグをゴムカバー9Aに差し込んでソケット装置3Aの電源線解除部材24を移動させることができる。したがって、本実施の形態における照明器具1Aによれば、上記実施の形態1における照明器具1と比べて、電源線6の抜き差しがしやすく、さらに施工性を向上させることができる。
【0178】
なお、本実施の形態において、ゴムカバー9Aは、2本の電源線6の各々に対応してソケット装置3の第2カバー部32の2箇所に設けられていたが、これに限らない。例えば、図18及び図19に示される2つのゴムカバー9Aを一体化したものであってもよい。
【0179】
具体的には、図24に示されるように、各々が第1ガイド筒93a及第2ガイド筒93bを有する2つのカバー本体部93と、その2つのカバー本体部93に対応して設けられた2つの第1固定用シート部94と、1つの第2固定用シート部95Bとを有するゴムカバー9Bを用いてもよい。図24に示されるゴムカバー9Bは、2箇所に設けられた2つのゴムカバー9A(図18図19)において一方の箇所のゴムカバー9Aの第2固定用シート部95と他方の箇所のゴムカバー9Aの第2固定用シート部95とが連結された構成になっている。このように構成されたゴムカバー9Bでは、第2固定用シート部95Bがソケット装置3Aの第2ソケット部30Aの第2カバー部32の全体を覆うように形成されている。
【0180】
このように、2つのゴムカバー9Aを一体化したゴムカバー9Bを用いることによって、天板5とソケット装置3Aの第2カバー部30とによって1つの第2固定用シート部95Bを強固に挟み込むことができる。これにより、電源線6の差込時又は脱着時等にゴムカバー9Bが引っ張られたとしてもゴムカバー9Bがずれたり抜けたりすることを抑制できる。また、1つのゴムカバー9Bにすることで、2つのゴムカバー9Aを用いる場合に比べて、照明器具1の組立性を向上させることができる。
【0181】
(変形例)
以上、本発明について、実施の形態1、2に基づいて説明したが、本発明は、上記実施の形態1、2に限定されるものではない。
【0182】
例えば、上記実施の形態1において、ソケット装置3の第2カバー部32は、天板5及び器具本体4と別体であったが、これに限らない。例えば、ソケット装置3の第2カバー部32は、天板5又は器具本体4と一体になっていてもよい。これにより、第2カバー部32の機能を天板5又は器具本体4に持たせることができるので、第2カバー部32を別途設ける必要がなくなる。したがって、照明器具1の低コスト化をさらに図ることができる。このことは、実施の形態2についても同様である。つまり、上記実施の形態2において、ソケット装置3Aの第2カバー部32は、天板5A又は器具本体4Aと一体になっていてもよい。
【0183】
また、上記実施の形態1、2において、光源2は、LEDによって構成されたLEDランプであったが、これに限らない。例えば、光源2は、蛍光ランプであってもよい。
【0184】
また、上記実施の形態1、2において、光源2は、GX53形の口金を有するフラット形のランプであったが、これに限らない。例えば、光源2は、GH76p形又はGH69h形等の口金を有するランプであってもよいし、フラット形以外のランプであってもよい。光源2は、2つの給電ピンを有するものであれば、任意のものを用いることができる。
【0185】
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0186】
1、1A 照明器具
2 光源
2d 給電ピン
3、3A ソケット装置
4、4A 器具本体
4a 開口孔
4b 貫通孔
5、5A 天板
5c 開口
6 電源線
7 係止部材
9a 電源線挿通部
9b 電源線解除部
10、10A 第1ソケット部
11 ソケット本体部
11a ピン受け孔
12 端子台部
20、20A 端子板
21 給電ピン接続端子
22、22A 電源線接続端子
25 電源線挿入口
30、30A 第2ソケット部
31 第1カバー部
32 第2カバー部
93a 第1ガイド筒
93b 第2ガイド筒
93c 壁部
94 第1固定用シート部
95、95B 第2固定用シート部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26