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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023066178
(43)【公開日】2023-05-15
(54)【発明の名称】桶染め用の桶
(51)【国際特許分類】
   D06B 1/00 20060101AFI20230508BHJP
   A41H 43/00 20060101ALI20230508BHJP
   D06B 23/14 20060101ALI20230508BHJP
【FI】
D06B1/00
A41H43/00 A
D06B23/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021176742
(22)【出願日】2021-10-28
(71)【出願人】
【識別番号】397065608
【氏名又は名称】株式会社青柳
(74)【代理人】
【識別番号】100091373
【弁理士】
【氏名又は名称】吉井 剛
(72)【発明者】
【氏名】青柳 蔵人
【テーマコード(参考)】
3B154
【Fターム(参考)】
3B154AB18
3B154AB27
3B154BA08
3B154BC01
3B154BC41
3B154BC45
3B154BD01
3B154DA13
(57)【要約】
【課題】針の打ち付けにより損傷した桶縁を容易に修復することができ、さらに、桶の作り替えを不要とし、長期に亘って使用し続けることができる実用性に優れた桶染め用の桶を提供することを目的とする。
【解決手段】天部と底部の少なくとも一方に開口部1aが形成された胴部1と、前記開口部1aに着脱自在に設けられる蓋部2と、前記蓋部2を前記開口部1aに固定するための蓋固定具3とを備える桶染め用の桶であって、前記胴部1は、前記開口部1aの周囲に生地30を固定するための針40を打ち付ける針打ち部4が設けられ、前記針打ち部4は、前記胴部1と別体に構成され該胴部1に着脱交換自在に設けられている桶染め用の桶。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
天部と底部の少なくとも一方に開口部が形成された胴部と、前記開口部に着脱自在に設けられる蓋部と、前記蓋部を前記開口部に固定するための蓋固定具とを備える桶染め用の桶であって、前記胴部は、前記開口部の周囲に生地を固定するための針を打ち付ける針打ち部が設けられ、前記針打ち部は、前記胴部と別体に構成され該胴部に着脱交換自在に設けられていることを特徴とする桶染め用の桶。
【請求項2】
請求項1記載の桶染め用の桶において、前記胴部は、前記天部と前記底部の両方に前記開口部が形成された筒状体であることを特徴とする桶染め用の桶。
【請求項3】
請求項1,2いずれか1項に記載の桶染め用の桶において、前記胴部は、前記開口部の周囲に凹溝状に形成された配設部が設けられ、この配設部に前記針打ち部が着脱交換自在に嵌設されていることを特徴とする桶染め用の桶。
【請求項4】
請求項1~3いずれか1項に記載の桶染め用の桶において、前記胴部は、金属製であることを特徴とする桶染め用の桶。
【請求項5】
請求項4記載の桶染め用の桶において、前記胴部は、内表面が木製の被覆部材で被覆されていることを特徴とする桶染め用の桶。
【請求項6】
請求項5記載の桶染め用の桶において、前記被覆部材は、複数の輪っぱ状板材で構成されていることを特徴とする桶染め用の桶。
【請求項7】
請求項1~6いずれか1項に記載の桶染め用の桶において、前記蓋部は木製であることを特徴とする桶染め用の桶。
【請求項8】
請求項1~7いずれか1項に記載の桶染め用の桶において、前記針打ち部は、複数の形成部材で構成されていることを特徴とする桶染め用の桶。
【請求項9】
請求項1~8いずれか1項に記載の桶染め用の桶において、前記針打ち部は木製であることを特徴とする桶染め用の桶。
【請求項10】
請求項1~9いずれか1項に記載の桶染め用の桶において、前記蓋固定具は、蓋押さえ部材と、この蓋押さえ部材を前記蓋部に圧接せしめるターンバックルからなることを特徴とする桶染め用の桶。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、桶染めに用いる桶に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、着物や帯等の生地の染色技法の一つとして桶染め(桶絞りともいう。)がある。この桶染めは、檜製の桶を用い、染める部分の生地を桶の外に出し、それ以外の染めない部分の生地を桶の中に詰め入れ、蓋で桶内を密閉し桶内に染液が入り込まないようにして、桶ごと高温の染液に漬け込み生地を染め上げる技法である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
この桶染めでは、生地を桶に詰め入れる際、桶の外に出した染める部分と染めない部分との境界に入れた糸を引き締めた箇所を桶縁に多数の針を用いて打ち付け固定する作業が行われるが、従来の桶は、上記作業が繰り返し行われることで針を打つ桶縁が損傷し、針を打つことが困難な状態になってしまう。
【0004】
そのため、従来は、損傷した桶縁を削り取り、新しい木質部を表出させ、新たに針を打つことができる状態に修復しながら桶を使用していたが、この修復作業は煩雑であると共に、この修復作業を繰り返すことで桶幅(桶の高さ)が徐々に低くなり、これにより桶の容量が減少して、生地を収容しきれない容量になってしまうため、最終的には、桶そのものを作り替えなければならなかった。
【0005】
しかしながら、近年、上記煩雑な修復作業や桶の作り替えを行う職人が減少し、桶の修復や新しい桶への入れ替えが困難な状況になっている。
【0006】
本発明は、上記のような現状に鑑みなされたものであり、針の打ち付けにより損傷した桶縁を容易に修復することができ、さらに、桶の作り替えを不要とし、長期に亘って使用し続けることができる実用性に優れた桶染め用の桶を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0008】
天部と底部の少なくとも一方に開口部1aが形成された胴部1と、前記開口部1aに着脱自在に設けられる蓋部2と、前記蓋部2を前記開口部1aに固定するための蓋固定具3とを備える桶染め用の桶であって、前記胴部1は、前記開口部1aの周囲に生地30を固定するための針40を打ち付ける針打ち部4が設けられ、前記針打ち部4は、前記胴部1と別体に構成され該胴部1に着脱交換自在に設けられていることを特徴とする桶染め用の桶に係るものである。
【0009】
また、請求項1記載の桶染め用の桶において、前記胴部1は、前記天部と前記底部の両方に前記開口部1aが形成された筒状体であることを特徴とする桶染め用の桶に係るものである。
【0010】
また、請求項1,2いずれか1項に記載の桶染め用の桶において、前記胴部1は、前記開口部1aの周囲に凹溝状に形成された配設部5が設けられ、この配設部5に前記針打ち部4が着脱交換自在に嵌設されていることを特徴とする桶染め用の桶に係るものである。
【0011】
また、請求項1~3いずれか1項に記載の桶染め用の桶において、前記胴部1は、金属製であることを特徴とする桶染め用の桶に係るものである。
【0012】
また、請求項4記載の桶染め用の桶において、前記胴部1は、内表面が木製の被覆部材6で被覆されていることを特徴とする桶染め用の桶に係るものである。
【0013】
また、請求項5記載の桶染め用の桶において、前記被覆部材6は、複数の輪っぱ状板材6aで構成されていることを特徴とする桶染め用の桶に係るものである。
【0014】
また、請求項1~6いずれか1項に記載の桶染め用の桶において、前記蓋部2は木製であることを特徴とする桶染め用の桶に係るものである。
【0015】
また、請求項1~7いずれか1項に記載の桶染め用の桶において、前記針打ち部4は、複数の形成部材4aで構成されていることを特徴とする桶染め用の桶に係るものである。
【0016】
また、請求項1~8いずれか1項に記載の桶染め用の桶において、前記針打ち部4は木製であることを特徴とする桶染め用の桶に係るものである。
【0017】
また、請求項1~9いずれか1項に記載の桶染め用の桶において、前記蓋固定具3は、蓋押さえ部材3aと、この蓋押さえ部材3aを前記蓋部2に圧接せしめるターンバックル3bからなることを特徴とする桶染め用の桶に係るものである。
【発明の効果】
【0018】
本発明は上述のように構成したから、針の打ち付けにより損傷した桶縁を容易に修復することができ、さらに、桶の作り替えを不要とし、長期に亘って使用し続けることができる実用性に優れた桶染め用の桶となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本実施例を示す斜視図である。
図2】本実施例の胴部を示す斜視図である。
図3】本実施例の胴部を示す断面図である。
図4】本実施例の胴部及び針打ち部を示す説明分解斜視図である。
図5】本実施例の胴部及び被覆部材を示す説明分解斜視図である。
図6】本実施例の使用状態(桶詰め処理時)を示す説明断面図である。
図7】本実施例の使用状態(桶詰め処理時)を示す説明断面図である。
図8】本実施例の桶詰め時に用いる押圧装置を示す斜視図である。
図9】本実施例の使用状態(桶詰め処理時)を示す説明断面図である。
図10】本実施例の使用状態(桶詰め処理時)を示す説明断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
好適と考える本発明の実施形態を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
【0021】
本発明は、染めない部分の生地30を胴部1内に収納し、染める部分の生地30を胴部1に形成された開口部1aから外側に出し、針打ち部4に針40を打ち付けこの針打ち部4に生地30を固定し、開口部1aを蓋部2で閉口し、さらに、蓋固定具3により蓋部2を締め付け固定することで、胴部1内に収納した生地30を防染し、外側に出した生地30のみを染めることができる。なお、前記針40は、いわゆる針と称されるものだけでなく、先端が細く先鋭であり、針と同様に、打ち込みにより生地30を著しく痛めないもの(例えば細い釘状のもの)を含むものとする。
【0022】
そして、本発明は、針打ち部4が胴部1と別体に構成され、胴部1に着脱交換自在に設けられているから、針40の打ち付けにより針打ち部4が損傷した場合、この針打ち部4を交換することにより容易に修復することができる。
【0023】
すなわち、本発明は、針40の打ち付けにより損傷し修復が必要となる針打ち部4をパーツ化し交換可能にすることで、従来の損傷部分を削り取り新たな木質部を表出させる煩雑な修復作業を不要とし、従来の修復作業で行われていた桶縁の削り取りに起因する桶の作り替えの必要性も不要となる。
【0024】
このように、本発明は、針40の打ち付けにより損傷した針打ち部4を容易に修復することができ、さらに、桶の作り替えを不要とし、長期に亘って使用し続けることができる実用性に優れた桶染め用の桶となる。
【実施例0025】
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
【0026】
本実施例は、染色技法の一つである桶染めで使用する桶染め用の桶であって、図1に示すように、胴部1と、この胴部1に着脱自在に設けられる蓋部2と、この蓋部2を固定するための蓋固定具3とからなるものである。
【0027】
以下、本実施例に係る構成各部について詳述する。
【0028】
胴部1は、金属製であり、天部及び底部に開口部1aを有する筒状体に構成されている。
【0029】
具体的には、本実施例の胴部1は、ステンレス製であり、図2,3に示すように、周面に複数の補強リブ7が設けられ、また、天部及び底部の各開口部1aの周囲に沿って凹溝状に形成された配設部5が設けられ、さらに、各配設部5に針打ち部4が設けられ、この針打ち部4に生地30を固定するための針40を打ち付けることができるように構成されている。
【0030】
より具体的には、配設部5は、胴部1と同様、金属製(本実施例はステンレス製)であり、胴部1と一体成形されている。
【0031】
また、針打ち部4は、胴部1と別体に構成され、図2に示すように、円環状に形成され、胴部1(配設部5)に着脱交換自在に設けられている。
【0032】
具体的には、本実施例の針打ち部4は、木製(檜製)であり、図4に示すように、円弧状に湾曲形成された複数の形成部材4aからなり、本実施例は、この形成部材4aを配設部5に敷き詰め配設することにより、天部及び底部の各開口部1aの周囲に沿って針打ち部4が形成される構成である。
【0033】
より具体的には、本実施例の針打ち部4(形成部材4a)は、図示するように、内面上縁部にテーパー面9が形成されている。本実施例は、このテーパー面9の形成により、針打ち部4と蓋部2とで挟み込まれる生地30の面積を低減し、針打ち部4と蓋部2との挟み込みにより生地30が受けるダメージを可及的に低減するように構成されている。
【0034】
また、本実施例の胴部1は、内表面が木製の被覆部材6で被覆されている。すなわち、本実施例の胴部1は、上述したようにステンレス製であるため、高温の染液中での処理より染液の熱が伝わり高温になり、高温になった胴部1に収納した生地30が長時間接触すると熱ダメージを受けることがあり、本実施例の胴部1は、これを防止するため、ステンレス製の内表面を被覆部材6により被覆隠蔽し、胴部1に収納した生地30がステンレス製の内表面と接触しないように構成されている。
【0035】
また、本実施例の胴部1は、内面に被覆部材6を設けることで、被覆部材6が胴部1の湿気を吸収し、胴部1内での湿気の水滴化を抑制し、水滴を介して胴部1内に収納した生地30に染着している染料の移染を可及的に防止するように構成されている。
【0036】
具体的には、本実施例の被覆部材6は、図5に示すように、複数(本実施例は2つ)の檜製の輪っぱ状板材6aで構成されている。
【0037】
より具体的には、本実施例の輪っぱ状板材6aは、図示するように、端部同士が重なり合う弾性変形可能な胴部1の内径よりもやや大径な円環状に形成され、縮径方向に弾性変形させた状態で胴部1内に配し、胴部1内で弾性復帰させることで拡径し、胴部1の内面に圧接し、位置決め状態に配設されるように構成されている。
【0038】
なお、本実施例では胴部1の素材に金属(ステンレス)が採用されているが、胴部1の素材は金属に限定されるものではなく、本実施例と同等の作用効果を奏するものであれば適宜採用可能である。
【0039】
また、針打ち部4及び被覆部材6の素材についても同様に、本実施例と同等の作用効果を奏するものであれば適宜採用可能である。
【0040】
また、蓋部2は、木製(檜製)であり、適宜な厚さを有し胴部1の開口部1aの開口径よりやや大径な平面視円形状に形成され、図1に示すように、胴部1の開口部1aの周囲に設けられた針打ち部4上に載置されるように構成されている。
【0041】
すなわち、本実施例は、配設部5に配設した針打ち部4を、この蓋部2で固定する構成である。
【0042】
なお、蓋部2の素材については、上述した針打ち部4や被覆部材6と同様、本実施例と同等の作用効果を奏するものであれば適宜採用可能である。
【0043】
また、蓋固定具3は、蓋押さえ部材3aと、この蓋押さえ部材3aを蓋部2に圧接せしめるターンバックル3bからなるものである。
【0044】
具体的には、図1に示すように、蓋押さえ部材3aは。胴部1の外径よりも長尺な角材(本実施例は木製角材を採用)からなり、また、ターンバックル3bは、金属製(本実施例はステンレス製)であり、長手方向両端部に蓋押さえ部材3aを挿通配設する枠状の蓋押さえ部材挿通部8が設けられた構成である。
【0045】
以上のように構成される本実施例の作用効果について以下に説明する。
【0046】
まず、本実施例の桶染め用の桶の使用方法について説明する。
【0047】
本実施例の桶染め用の桶に生地30を詰める作業(桶詰め)を行う場合、図6に示すように、生地30の染める部分を胴部1の開口部1aから外に出し、染めない部分を桶の中に詰め入れ、針針打ち部4に針40(本実施例では錆防止を目的としてステンレス製の針40を用いている。)を打ち付け外側に出した生地30を固定した後、蓋部2を装着する。
【0048】
次に、図7,8に示すように、蓋部2を装着した胴部1に蓋固定具3の蓋押さえ部材3aを配した状態で押圧装置20にセットし、所定の圧力で蓋押さえ部材3aを押圧し蓋部2を胴部1(針打ち部4)に圧接させると共に、針打ち部4に打ち付けた針40を抜き取る。
【0049】
次に、図9に示すように、上記押圧状態のまま蓋押さえ部材3aにターンバックル3bを取り付け、締め付け操作を行い、蓋部2の胴部1への圧接を保持した状態で固定し、押圧装置20から取り出し完了となる(図10は、押圧装置20から取り出した状態の桶染め用の桶を示している。)。
【0050】
このように、本実施例は、ターンバックル3bを用いた蓋固定具3と押圧装置20とを使用して蓋部2を固定するから、誰もが容易に適正な状態で蓋部2を固定することができ、胴部1内に収納した染めない部分の生地30を確実に防染しながら桶染めを行うことができる。
【0051】
また、本実施例は、胴部1がステンレス製であり、さらに、周囲に補強リブ7が設けられているから、耐久性及び防錆性に優れ、長期に亘って使用することができる。
【0052】
また、本実施例は、胴部1の内表面が木製(檜製)の被覆部材6で覆われているから、この被覆部材6が胴部1の湿気を吸収し、胴部1内での湿気の水滴化を抑制し、水滴を介して胴部1内に収納した生地30に染着している染料の移染が防止され、さらに、胴部1の内面に高温中での処理により高温となった金属(ステンレス)部分が露出せず、胴部1に収納した生地30の高温の金属との接触が防止され、生地30の熱ダメージの影響を可及的に低減することができる。
【0053】
また、本実施例は、胴部1を金属製(ステンレス製)、蓋部2及び針打ち部4を木製(檜製)とする金属製部材と木製部材との併用で構成されているから、胴部1内が完全密閉されず、高温処理による内圧上昇が緩和され、胴部1や蓋部2の変形や破損が可及的に防止される。
【0054】
また、本実施例は、生地30を固定するための針40を打ち付ける針打ち部4を胴部1と別体に構成し、胴部1に着脱交換自在に設ける構成としたから、針40の打ち付けにより針打ち部4が損傷した場合、この針打ち部4の交換により容易に修復することができる。
【0055】
すなわち、本実施例は、針40の打ち付けにより損傷し修復が必要となる針打ち部4をパーツ化し交換可能にすることで、従来の損傷部分を削り取り新たな木質部を表出させる煩雑な修復作業を不要とし、従来の修復作業で行われていた桶縁の削り取りに起因する桶の作り替えの必要性も不要となる。
【0056】
しかも、本実施例は、針打ち部4が複数の形成部材4aで構成されているから、交換の際も、針打ち部4全体を交換する必要がなく、修復(補修)が必要な部分の形成部材4aだけを交換すればよく、したがって、修復(補修)費用を抑えることができる。
【0057】
このように、本実施例は、針40の打ち付けにより損傷した針打ち部4を容易に且つ安価に修復することができ、さらに、桶の作り替えを不要とし、長期に亘って使用し続けることができる実用性に優れた桶染め用の桶となる。
【0058】
なお、本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
【符号の説明】
【0059】
1 胴部
1a 開口部
2 蓋部
3 蓋固定具
3a 蓋押さえ部材
3b ターンバックル
4 針打ち部
4a 形成部材
5 配設部
6 被覆部材
6a 輪っぱ状板材
30 生地
40 針
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10