(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023000662
(43)【公開日】2023-01-04
(54)【発明の名称】教育支援ソフトウェア
(51)【国際特許分類】
G09B 5/08 20060101AFI20221222BHJP
G06Q 50/20 20120101ALI20221222BHJP
【FI】
G09B5/08
G06Q50/20
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021101613
(22)【出願日】2021-06-18
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-12-17
(71)【出願人】
【識別番号】521269610
【氏名又は名称】株式会社itsumo
(74)【代理人】
【識別番号】100185270
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 貴史
(72)【発明者】
【氏名】後藤 大介
(72)【発明者】
【氏名】イグナチオ ルケ サンドバル ホアン
【テーマコード(参考)】
2C028
5L049
【Fターム(参考)】
2C028BA05
2C028BC05
5L049CC34
(57)【要約】
【課題】生徒の主体的な学習意欲の促進、及び生徒同士の対話的で深い学びを実践することの可能な教育支援ソフトウェアを提供する。
【解決手段】教育に関連する環境で利用される管理サーバ11を、生徒から投稿される質問を受け付ける質問受付手段、質問受付手段が受け付けた質問を、質問を投稿した生徒とは異なる複数の生徒が読み出し可能に保持する質問保持手段、質問保持手段が保持する質問に対して、複数の生徒の何れか1人から投稿される最先の回答のみを受け付ける回答受付手段、回答受付手段が受け付けた回答を、質問を投稿した生徒のみが読み出し可能に保持する回答保持手段、を提供する装置として機能させる、教育支援ソフトウェア。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
教育に関連する環境で利用される管理サーバを、
生徒から投稿される質問を受け付ける質問受付手段、
前記質問受付手段が受け付けた前記質問を、前記質問を投稿した生徒とは異なる複数の生徒が読み出し可能に保持する質問保持手段、
前記質問保持手段が保持する前記質問に対して、前記複数の生徒の何れか1人から投稿される最先の回答のみを受け付ける回答受付手段、
前記回答受付手段が受け付けた前記回答を、前記質問を投稿した前記生徒のみが読み出し可能に保持する回答保持手段、
を提供する装置として機能させる、教育支援ソフトウェア。
【請求項2】
請求項1記載の教育支援ソフトウェアにおいて、
前記質問受付手段は、前記管理サーバにネットワークによって接続される生徒用端末から生徒が投稿する質問を受け付け、
前記回答保持手段は、前記質問を投稿した前記生徒が生徒用端末から前記回答を読み出し可能に保持する、教育支援ソフトウェア。
【請求項3】
請求項2記載の教育支援ソフトウェアにおいて、
前記質問受付手段は、前記生徒用端末から第1ユーザ名を利用して投稿される前記質問を受け付け、
前記回答受付手段は、前記生徒用端末から前記第1ユーザ名とは異なる第2ユーザ名を利用して投稿される前記回答を受け付ける、教育支援ソフトウェア。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れか1項記載の教育支援ソフトウェアにおいて、
前記質問受付手段は、匿名で投稿される前記質問を受け付け、
前記回答受付手段は、匿名で投稿される前記回答を受け付ける、教育支援ソフトウェア。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れか1項記載の教育支援ソフトウェアにおいて、
前記回答保持手段は、前記質問を投稿する前記生徒及び前記回答を投稿する前記生徒を管理する立場にある者によって、前記質問及び前記回答を読み出し可能に保持する、教育支援ソフトウェア。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、教育に関連する環境で利用される仮想空間を提供する管理サーバを機能させる教育支援ソフトウェアに関する。
【背景技術】
【0002】
学校教育において生徒の学習を促進する教育支援装置の一例である学習支援システムが、特許文献1に記載されている。特許文献1に記載された学習支援システムは、生徒が使用する各端末装置の表示画面に表示された画面情報に従って質問を投稿することに伴う入力情報を受け付ける質問受付部と、質問の存在を示す存在情報が表示画面に表示されるように画面情報を更新する第1更新部と、端末装置から、存在情報に対応する質問への回答情報を受け付ける回答受付部と、を有する。
【0003】
特許文献1に記載された学習支援システムは、質問を示す入力情報に回答情報を関連付けて記憶する記憶部と、各端末装置から、存在情報に対する操作の操作情報を受け付ける操作受付部と、該入力情報に関連する回答情報が表示画面に表示されるように画面情報を更新する第2更新部と、入力情報の受け付けに基づき更新された画面情報を、各端末装置に配信し、または操作情報の受け付けに基づき更新された画面情報を、操作を行った端末装置に配信する配信部と、を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願発明者は、従来の教育支援装置によると、生徒の主体的な学習意欲の促進、及び生徒同士の対話的で深い学びを実践するという点において、改善の余地があるという課題を認識した。
【0006】
本開示は、生徒の主体的な学習意欲の促進、及び生徒同士の対話的で深い学びを実践することが可能なように、管理サーバを機能させる教育支援ソフトウェアを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
教育に関連する環境で利用される管理サーバを、生徒から投稿される質問を受け付ける質問受付手段、前記質問受付手段が受け付けた前記質問を、前記質問を投稿した生徒とは異なる複数の生徒が読み出し可能に保持する質問保持手段、前記質問保持手段が保持する前記質問に対して、前記複数の生徒の何れか1人から投稿される最先の回答のみを受け付ける回答受付手段、前記回答受付手段が受け付けた前記回答を、前記質問を投稿した前記生徒のみが読み出し可能に保持する回答保持手段、を提供する装置として機能させる、教育支援ソフトウェアである。
【発明の効果】
【0008】
一実施形態の教育支援ソフトウェアにより管理サーバを機能させると、管理サーバが提供する仮想空間を利用する生徒の主体的な学習意欲の促進、及び生徒同士の対話的で深い学びを実践することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】教育支援ソフトウェアにより機能する管理サーバを含む教育支援環境を示す模式図である。
【
図2】管理サーバが提供する仮想空間にアクセスする生徒用端末の動作例を示すフローチャートである。
【
図3】生徒用端末の表示部に表示されるログイン画面の一例を示す模式図である。
【
図4】生徒用端末の表示部に表示されるトップページの一例を示す模式図である。
【
図5】管理サーバ及び生徒用端末の動作例を示すフローチャートである。
【
図6】生徒用端末の表示部に表示される質問画面の一例を示す模式図である。
【
図7】生徒用端末の表示部に表示される回答画面の一例を示す模式図である。
【
図8】生徒用端末の表示部に表示されるフィードバック画面の一例を示す模式図である。
【
図9】生徒用端末の表示部に表示される活動状況画面の一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<実施形態の概要>
本技術は、公立の小中学校をはじめとする学校教育において、生徒同士(異年齢を含む)が自らの発意に基づき安心して学び合える環境を、生徒用端末からインターネットブラウザによってアクセス可能な管理サーバによって提供される仮想空間中に創出し、もって、生徒達の学習面および精神面の成長を促すことを主目的として開発された教育支援ソフトウェアである。
【0011】
本技術の大きな特徴は、上記の目的を実現するために、主たる利用者となる生徒達の相互的な匿名性と、従たる利用者となる教育団体(自治体及び学校)にとってのゆるやかな監視可能性を両立させることにある。生徒達は、生徒用端末を操作して管理サーバが提供する仮想空間にアクセスし、かつ、無作為に割り振られる英数字の組み合わせからなるユーザ名及びパスワードを使ってログインすることにより、自分が誰かを明かさない形で、自分の疑問、不明点等を質問として投稿することができる。また、投稿されている質問に対して、生徒は生徒用端末を操作して、自分が選んだ質問に回答することができる。このことにより、通常の教育環境では互いの目があるために埋もれてしまい易い、個々の生徒が抱えている真の疑問点が、生徒同士の対話の俎上に載ることになる。
【0012】
一方、教育団体は、教員用端末から、管理サーバが提供する仮想空間にアクセスすることにより、生徒を識別し、かつ、質問内容、回答内容等を閲覧することができる。これは、生徒の理解をよりよく促す方向での授業の改善に役立てることができる。
【0013】
生徒同士の対話を通じた学びに最適化している点も、本技術の重要な特徴である。本開示の教育支援ソフトウェアによって形成される環境では、生徒が質問をする際、自分の問題意識を簡潔に伝える選択肢設問にも回答する。これにより、回答する生徒は、質問者のニーズの概略を理解でき、自分が回答するのに適した質問を選びやすくなる。そして、投稿された質問へ誰かが回答すると、その質問と回答の連なり(スレッド)は、当該質問者と回答者の1対1の関係において展開され、他の生徒には見えなくなる。
【0014】
質問者は、質問に対する回答を読んだ後、
(1)追加的な質問を同じ回答者に対して行うか、
(2)同じ質問を、回答者の限定を行わずに再度、投稿するか、
を選択できる。さらに、質問者は、受け取った回答に対する感想(フィードバック)を、回答者に伝える。この感想を受け取った回答者は、自分の回答の仕方について省察する機会を得る。このようにして、生徒達は、質問者と回答者という2つの立場で、自分達の疑問をめぐり、様々な相手との対話を、丁寧な手順を踏みながら、数多く重ねていくことになる。
【0015】
さらに、本開示の教育支援ソフトウェアは、管理サーバを介して、生徒達が自らの対話の記録を閲覧・活用できるようにする機能も備える。本開示の教育支援ソフトが機能させる管理サーバは、生徒達が自分の取り組みの履歴を確認できる仮想空間を提供するとともに、その履歴をまとめたレポートを各利用者向けに発行することも可能である。
【0016】
利用者の登録・管理、利用者への案内、対話状況の閲覧、不測の事態における通報の受領といった管理者の利便性を図るための機能も、本技術は提供する。また、本技術は、部外者による管理サーバへの不正な侵入やデータの漏洩を防ぐための基礎的な仕組みも含む。
【0017】
本技術は主に、
(a)情報の処理や蓄積を行うデータベースシステム、
(b)利用者が直接閲覧・操作するインターフェース
の2要素を有する。これら2要素は、ネットワークに接続できる多様な情報端末からの利用を可能にするため、管理サーバを介して提供される。
【0018】
<実施形態の目的>
勉強は、わからないことが出てくると、しばしば孤独で苦痛の伴う作業になる。誰かに尋ねるのは、疑問を抱えた生徒にとって、それほど簡単ではない。生徒が質問をしたいと思った時に、ためらわずできるようにするとともに、他の生徒が自分なりの回答をして助けることができるようにすると、勉強を、連帯感のある共同作業へと近づけることができる。そうした環境は、生徒達の学習成果の底上げに加えて、安心や自信、社会の担い手としての成長にもつながっていくことが期待できる。そのような場を、手軽にどこでも利用できる形で設けることが、管理サーバを機能させる教育支援ソフトウェアの目的である。
【0019】
<教育実践を支えるインフラとして>
新しい学習指導要領は、より幅広い内容を、より主体的・対話的でかつ深く学べるようにすることを求めている。しかし、教員の方々に与えられた時間は有限であり、新型コロナウイルスの感染防止対策への要請とも相俟って、困難な状況が多くの学校で生じている。管理サーバを機能させる教育支援ソフトウェアは、生徒同士の間で行われる、質問と回答のやり取りに特化する、とてもシンプルで手軽に利用できる仕組みである。そのシンプルな仕組みが、わからないことがあって戸惑っている生徒達と、自分が学んだことを伝えることで誰かを助けられる生徒達との間を、新たにつなぐことができる。
【0020】
この仕組みを継続的に活用することで、生徒達は少しずつ、かつ、着実に、学習面でも精神面でも成長する。教員の方々は、その様子を見守りながら、生徒達の成長を促す環境をつくることによって、教育目標の達成に近づくことができる。また、特に支援を必要としている生徒達のために時間を割くこと、長い目での取り組みに時間を使うことも、行い易くなる。
【0021】
<主体的・対話的で深い学びの土台に>
生徒の主体的な学び、生徒同士の対話的で深い学びをどう実践するか、多くの教育現場は頭を悩ませている。生徒個々の学びに加えて、仲間と共に考え、かつ、仲間と共に学ぶことで、新たな発見や豊かな発想を獲得していけるようにする、という学習指導要領のねらいを実現する技術的なハードルは、元々、決して低くない。そこへ、社会環境の悪化による授業時間数の制限、活動への制約、教員の負担増というマイナス要因が重なり、教育レベル、または学力レベルを維持するためのハードルは、さらに上がっている。
【0022】
本願発明者は、この大きな課題への取り組みは、一歩ずつ着実に進むことが肝要だと考えている。本開示の教育支援ソフトウェアは、生徒の主体的な学び、生徒同士の対話的で深い学びを可能にするための土台とすることを意図している。本開示の教育支援ソフトウェアを継続的に使うことで、生徒達は主体的・対話的で深い学びをする訓練を、日々積むことになる。その上で、授業におけるグループワークのノウハウやオンラインツールを活用することによって、学習指導要領のねらいが、より確実に実現へと近づく。
【0023】
<使用できる主な場面>
教育支援ソフトウェアは、今日の教育課程において、例えば以下のような場面で活用することができる。授業外学習(放課後、家庭)、特別活動、総合的な学習の時間、道徳(特別な教科)の授業等である。これらの場面や目的に応じて、誰でも回答できるようにする設定と、下級生の質問に上級生が回答するようにする設定を使い分けることができる。可能なら、日常的な活用をベースに、適宜スポット的な活用も組み合わせると、より大きな効果が得られる。
【0024】
<具体例>
以下、本技術の具体例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、具体例を説明するための全図において、同一部には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0025】
<教育支援システムの概要>
図1は、本実施形態の教育支援ソフトウェアによって動作する管理サーバ11、管理サーバ11の機能を使用する利用者としての生徒用端末12及び教員用端末13を含む教育支援システム10の模式図(ブロック図)である。教育支援ソフトウェアを提供するシステム管理者(管理会社、管理団体を含む)は、教育支援ソフトウェアを、管理サーバ11上で管理、更新、維持し、テクニカルサポート等を行う。
【0026】
生徒用端末12及び教員用端末13は、ネットワーク21を介して管理サーバ11が提供する機能及び環境にアクセス可能である。ネットワーク21は、例えば、インターネットワークである。また、ネットワーク21は、有線、または、無線の何れかによって構築されていてもよく、有線及び無線の両方によって構築されていてもよい。生徒用端末12及び教員用端末13は、インターネットブラウザを通じて管理サーバ11が提供する機能及び環境を呼び出し、データの入出力を行うことが可能である。
【0027】
管理サーバ11は、中央演算処理部14、記憶部15、通信部16、操作部20、読み取り部30等を有する。中央演算処理部14は、記憶部15、通信部16及び読み取り部30に通信可能に接続されている。記憶部15は、内蔵型ハードディスク、外付型ハードディスク等の何れでもよい。記憶部15には、管理サーバ11と生徒用端末12及び教員用端末13との間で行われる信号の処理、生徒用端末12及び教員用端末13から管理サーバ11に対するアクセス等を処理及び制御するためのソフトウェア(プログラム、ファイル及びフォルダを含む)が記憶されている。
【0028】
記憶部15に記憶されたソフトウェアの一部であるデータベース上には、教育団体の管理者およびそれ以外の利用者が入力するデータ及び生徒等が入力するデータが記憶される。具体的に説明すると、記憶部15は、生徒用端末12から投稿される質問内容、質問回数、質問回数の上限、質問履歴、質問を投稿した生徒の利用者情報等を記憶及び管理する。質問回数の上限は、質問に対する回答を受け、その回答に対してさらなる質問を投稿する場合に、第1回目の質問からの回数の上限を意味し、質問回数の上限は、例えば、3回に設定される。さらに、記憶部15は、生徒用端末12から投稿される回答内容、回答回数、回答に付与された感想(メッセージ)、回答履歴、回答を投稿した生徒用の利用者情報等を、記憶及び管理する。
【0029】
さらに、記憶部15は、主たる利用者である生徒の登録・管理、生徒への案内、対話状況の閲覧、不測の事態における通報の受領といった管理者の利便性を図るための情報も記憶する。生徒の登録・管理は、生徒毎に割り当てられるユーザ名及びパスワードの管理を含む。また、記憶部15には、生徒間の不適切なやり取りを防ぐための基礎的なソフトウェアも格納されている。
【0030】
中央演算処理部14は、入力される信号、記憶部15に記憶されているソフトウェアに基づいて、管理サーバ11と生徒用端末12及び教員用端末13との間で行われる信号の処理及び制御、読み取り部30の制御等を行う。通信部16は、管理サーバ11を、ネットワーク21を介して、生徒用端末12、教員用端末13、或いは、これ以外の機器と通信可能に接続するするためのデバイスである。教員が教員用端末13を使用して管理サーバ11が提供する機能及び環境にアクセス及びログインすると、記憶部15に記憶されている質問の内容、質問を投稿した生徒、回答の内容、回答を投稿した生徒、質問及び回答の履歴等を読み出し可能である。
【0031】
操作部20は、システム管理者が、記憶部15に記憶されるプログラムのバージョンアップ及び変更、または、システムのセキュリティ管理等を行う場合に操作する要素である。操作部20は、キーボード、マウス等などを有し、操作部20から出力される信号は、中央演算処理部14へ入力される。なお、操作部20は、管理サーバ11が備えていてもよいし、管理サーバ11に通信回線、例えば、無線または有線によって接続されていてもよい。
【0032】
読み取り部30は、カメラ、光学的なイメージスキャナ、文字に光を当てて反射光を読み取るOCR(Optical Character Recognition)、鉛筆等で塗りつぶしたマークに光を当てて反射光を読み取るOMR(Optical Mark Recognition)、DVD(Digital Video Disc)リーダ等を含む。読み取り部30から出力される信号は、中央演算処理部14へ入力される。なお、読み取り部30は、管理サーバ11が備えていてもよいし、管理サーバ11に通信回線、例えば、無線または有線によって接続されていてもよい。
【0033】
生徒用端末12及び教員用端末13は、例えば、自治体、学校等に設けられる。
図1には、生徒用端末12を複数有する例が示されており、便宜上、生徒用端末12A,12B・・・生徒用端末12nと表してある。生徒用端末12及び教員用端末13は、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、タブレット端末、スマートフォン等の何れでもよい。
【0034】
複数の生徒用端末12は、教育を受ける生徒によってそれぞれ利用される。各生徒用端末12は、専用または共用として一時に1人の生徒のみが使用し、各生徒用端末12は、表示部22、記憶部23、通信部24、中央演算処理部25、操作部26及び読み取り部27をそれぞれ有する。表示部22は、各種情報を表示する機能を有し、表示部22は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)ディスプレイ、LED(Light Emitting Diode)ディスプレイ、OLED(Organic Light Emitting Diode)ディスプレイ等により実現される。表示部22には、各種の画面が表示される。
【0035】
記憶部23は、管理サーバ11から送信された情報、操作部26の操作によって入力された情報を一時的に記憶し、読み取り部27によって読み取られた情報を記憶可能である。通信部24は、通信部16との間で信号の入出力を行うデバイスである。中央演算処理部25は、表示部22、記憶部23、通信部24、操作部26及び読み取り部27に通信可能に接続されている。
【0036】
操作部26は、操作部20と同様の構成を有する。操作部26及び読み取り部27から出力される信号、管理サーバ11から通信部24へ入力される信号は、中央演算処理部25へ入力され、中央演算処理部25は、表示部22、記憶部23、通信部24及び読み取り部27を制御する。なお、生徒用端末12が、タブレット端末またはスマートフォンである場合、表示部22は、操作部26を兼ねる。この場合、生徒は、表示部22に表示されるボタン、タブ等に触れることによって操作する。
【0037】
教員用端末13は、従たる利用者である教育団体、例えば、自治体、学校、学習塾等における教員、講師等が利用する。教員用端末13は、表示部31、記憶部32、通信部33、中央演算処理部34、操作部35等を、それぞれ有する。表示部31は、各種情報を表示する機能を有し、表示部31は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)ディスプレイ、LED(Light Emitting Diode)ディスプレイ、OLED(Organic Light Emitting Diode)ディスプレイ等により実現される。
【0038】
記憶部32は、記憶部23と同様の構成及び機能を有する。通信部33は、通信部24と同様の構成及び機能を有する。中央演算処理部34は、中央演算処理部25と同様の構成及び機能を有する。操作部35は、操作部26と同様の構成及び機能を有する。なお、生徒用端末12が、タブレット端末またはスマートフォンである場合、表示部31は、操作部35を兼ねる。
【0039】
<生徒用端末の動作例>
生徒用端末12は、教育団体で任意に設定される複数人の生徒のグループ単位で使用及び管理される。グループは、例えば、年齢及び学年が異なる複数の生徒により構成される。まず、生徒は生徒用端末12の操作部26を操作して管理サーバ11が提供する機能及び環境にアクセスする。生徒用端末12が管理サーバ11が提供する機能及び環境にアクセスすると、ステップS10において、表示部22で
図3のログイン画面22Aが表示される。
【0040】
ログイン画面22Aには、入力言語を選択する操作ボタン37、ユーザ名を入力する入力領域38、パスワードを入力する入力領域39、ログイン実行ボタン40等が表示される。管理サーバ11は、ユーザ名及びパスワードが入力され、かつ、ログイン実行ボタン40が操作されたことを、ステップS10で検出する。すると、ステップS11において、生徒用端末12Aの表示部22には、
図4に示すトップページ22Bが表示される。トップページ22Bには、メニューA1乃至A7が表示される。メニューA1乃至A7の意味は、後述する。
【0041】
さらに、生徒は、ステップS12において、操作部26を操作してメニューA1乃至A7の何れかを選択して、各メニューでの操作を実行する。管理サーバ11は、ステップS13において、生徒用端末12でログアウトする操作が行われた場合、
図2の制御例を終了する。
【0042】
<メニューの説明>
図4に示されたメニューA1乃至A7の意味を説明する。ここでは、各生徒が、別々の生徒用端末12を使用する例を説明する。メニューA1としての“私の質問”は、生徒が新しい質問を投稿する場合に、操作ボタン60を操作する。また、質問に対する回答を見て、その回答に対してさらなる質問を行う場合も、操作ボタン60を操作する。質問が生徒用端末12Aから投稿されると、その質問は管理サーバ11へ送信され、かつ、記憶部15に記憶される。
【0043】
これに対して、質問を投稿した生徒以外の生徒は、生徒用端末12Bを操作してログインし、かつ、メニューA2としての“誰かを助ける”の操作ボタン61を操作すると、投稿されている質問の一覧を見ることができる。そして、生徒は回答可能な質問を自分で選び、その質問に対する回答を入力して送信することができる。
【0044】
メニューA3の“新しい回答”は、投稿した質問に対する回答を、質問した生徒が見る場合に、生徒用端末12Aで操作ボタン62を操作する。なお、操作ボタン62と共に、投稿した質問に対する回答の件数が数字で表示され、質問した生徒に確認を促す。
【0045】
メニューA4の“さらなる質問”は、質問に対して回答を投稿した後、その回答を見た生徒から追加的な質問が投稿された場合において、前回回答した生徒が当該追加的な質問を見る場合に、生徒用端末12Bで操作ボタン63を操作する。なお、操作ボタン63と共に、さらなる質問の件数が数字で表示され、前回回答した生徒に確認を促す。
【0046】
メニューA5の“フィードバックタスク”は、質問を投稿した生徒が、他の生徒からの回答を受けて当該スレッドを閉じた後に、回答に対する感想(フィードバック)を送るために、生徒用端末12Aで操作ボタン64を操作する。なお、操作ボタン64と共に、フィードバックする必要がある完了済みスレッドの件数が数字で表示され、当該生徒に対応を促す。
【0047】
メニューA6の“私の活動状況”は、各生徒が、自分の活動履歴を確認する場合に、生徒用端末12で操作ボタン65を操作する。メニューA7の“お知らせ”は、教員から生徒宛にお知らせが届いている場合に、生徒がお知らせを見るために操作ボタン66を操作する。なお、操作ボタン66と共に、お知らせの件数が数字で表示され、各生徒にお知らせの確認を促す。
【0048】
<教育支援方法の概要>
図5は、管理サーバ11及び生徒用端末12の動作例を示すフローチャートである。ここでは、便宜上、管理サーバ11が提供する機能及び環境にアクセスした生徒用端末12Aから、質問が投稿され、管理サーバ11が提供する機能及び環境にアクセスした生徒用端末12Bから、回答が投稿される例を説明する。ステップS20において、生徒用端末12Aから質問が投稿され、管理サーバ11は、ステップS21で質問を受け付け、かつ、質問内容を、質問を投稿した生徒の利用者情報と関連付けて記憶する。
【0049】
管理サーバ11で質問が記憶されると、ステップS22において、生徒用端末12B乃至12nの何れにおいても、トップページ22BでメニューA2を選択し、かつ、投稿された質問がリストアップされた画面(図示せず)を、表示部22に表示させることができる。質問がリストアップされた画面は、生徒が
図4の操作ボタン61を操作すると、表示部22に表示される。
【0050】
リストアップされた質問を見た生徒は、ステップS23において、何れか1つの質問を選択し、生徒用端末12Bから回答を投稿する。すると、管理サーバ11は、投稿された回答をステップS24で受け付け、かつ、回答内容を、回答を投稿した生徒の利用者情報を関連付けて記憶する。管理サーバ11は、ステップS24において、質問を投稿した生徒用端末12Aに限り、回答を見ることができる状態を保持する。
【0051】
また、管理サーバ11は、ステップS24において、回答を受けた質問を、表示部22における回答待ちの画面から削除する。すると、生徒用端末12B以外の生徒用端末12nからは、前記質問を見ることができず、かつ、その質問への回答も行えなくなる。つまり、管理サーバ11は、スレッドを開いている状態にある。スレッドが開いている状態とは、特定の質問者1人と、特定の回答者1人とを、1対1の関係でつないでいる状態を意味する。
【0052】
ステップS24の後、質問を投稿した生徒は、ステップS25において、生徒用端末12Aのトップページ22BでメニューA3を選択し、かつ、質問に対する回答を見ることができる。回答を見た生徒は、ステップS26でさらなる質問を投稿するか、または、スレッドを閉じる。スレッドが閉じている状態は、質問者と回答者との1対1の関係が解消されていることを意味する。
【0053】
管理サーバ11は、ステップS26で行われる生徒の操作を受け付けると、その内容が、前回の回答に対するさらなる質問の投稿か、または、スレッドを閉じる指示なのかを、ステップS27において判断する。管理サーバ11は、ステップS27で、前回の回答に対するさらなる質問と判断すると、ステップS28において、質問内容を、質問を投稿した生徒の利用者情報と関連付けて記憶する。これに対して、管理サーバ11は、ステップS27でスレッドを閉じる操作作が行われたと判断すると、スレッドを閉じる。
【0054】
前回質問に回答した生徒は、ステップS29において、生徒用端末12Bのトップページ22BでメニューA4を選択し、回答に対するさらなる質問を見ることができる。さらに、回答に対するさらなる質問を見た生徒は、ステップS30で生徒用端末12Bから回答を投稿する。
【0055】
管理サーバ11は、ステップS31で回答を受け付け、かつ、記憶する。ステップS31の処理は、ステップS21の処理と同じである。質問を投稿した生徒は、ステップS32において、生徒用端末12Aで回答を見ることができる。ステップS32の内容は、ステップS25の内容と同じである。管理サーバ11は、ステップS26で投稿された質問を受け付けると、ステップS27へ進む。前述したように、質問回数の上限は、例えば、3回に設定されるため、質問及び回答が3回繰り替えされると、質問者は、ステップS26でスレッドを閉じる操作のみを行える。
【0056】
<質問画面の例>
図6は、管理サーバ11にアクセスした生徒用端末12Aにおいて、生徒がメニューA1の操作ボタン60を操作した場合に、表示部22に表示される質問画面B1の一例である。質問画面B1には、科目入力部41、質問入力部43、意図入力部44、投稿ボタン45が含まれる。科目入力部41は、生徒の質問に相当する科目を入力する箇所である。生徒は、科目入力部41において、学校教育の場に関連する事項、例えば、算数、国語、社会、理科、音楽、体育、図画工作、その他等の項目の何れかを選択可能である。
【0057】
また、質問画面B1における科目入力部41と質問入力部43との間に、タイトル入力部42を設けることも可能である。タイトル入力部42は、質問の概要を入力する箇所であり、質問入力部43は、質問内容を具体的に記入する箇所である。質問入力部43には、文章を入力可能であることに加え、自分で撮影した写真を含む画像を添付することも可能である。意図入力部44は、質問の意図を選択肢から入力する箇所である。投稿ボタン45は、生徒が質問を管理サーバ11へ投稿するために操作する箇所である。
【0058】
<回答画面の例>
図7は、管理サーバ11にアクセスした生徒用端末12Bにおいて、生徒がメニューA2の操作ボタン61を操作した場合、または、生徒がメニューA4の操作ボタン63を操作した場合に、表示部22に表示される回答画面B2の一例である。回答画面B2には、質問表示部46、回答入力部47、回答ボタン48が含まれる。質問表示部46には、
図6の質問入力部43に入力された質問が表示される。回答入力部47は、質問に対する回答を入力する領域である。回答入力部47には、文章(文字)を入力可能であることに加え、自分で撮影した写真を含む画像を添付することも可能である。
【0059】
生徒が回答者として取り組む質問は、自分が既に学習した内容に関連するものになる。生徒は、回答を作成するにあたり、自然と自分のノート、教科書、プリント等を参照して、自分の理解を確認したり、深めたりすることになる。回答ボタン48は、生徒が回答を管理サーバ11へ投稿するために操作する。
【0060】
<フィードバック画面の例>
図8は、管理サーバ11にアクセスした生徒用端末12Aにおいて、生徒がメニューA5の操作ボタン64を操作した場合に、表示部22に表示されるフィードバック画面B3の一例である。フィードバック画面B3には、感想概要部49、メッセージ入力部50、送信ボタン51が含まれる。感想概要部49では、回答を受けた感想の概要を、選択肢から入力することができる。また、回答を受け取った生徒は、メッセージ入力部50に、回答を出してくれた生徒に返すお礼等を、自分の言葉で任意で入力することができる。そして、回答を受け取った生徒が、送信ボタン51を操作すると、感想概要部49で選択した感想の概要、メッセージ入力部50に入力されたメッセージが、管理サーバ11へ送信され、管理サーバ11はこれらの情報を、フィードバックを送信した生徒の利用者情報と関連付けて記憶する。
【0061】
<私の活動状況画面例>
図9は、管理サーバ11にアクセスした生徒用端末12において、生徒がメニューA6の操作ボタン65を操作した場合に、表示部22に表示される活動状況画面B4の一例である。活動状況画面B4には、質問表示部52、回答表示部53、第1フィードバック表示部54、第2フィードバック表示部55及びシンボル表示部56が含まれる。質問表示部52には、自分が投稿した質問の件数及び質問の履歴が表示される。回答表示部53には、自分が投稿した回答の件数及び回答の履歴が表示される。第1フィードバック表示部54には、自分が送ったフィードバックのメッセージ件数、及び送ったメッセージの履歴が表示される。
【0062】
第2フィードバック表示部55には、自分が受け取ったフィードバックのメッセージ件数、及び受け取ったメッセージの履歴が表示される。シンボル表示部56には、活動状況画面B4を表示した時点までの活動の積み重ねを示すシンボルが表示される。シンボルとしては、例えばレベル値やそれに関連付けられた意匠が表示される。生徒は、活動状況画面B4で活動状況を確認することにより、モチベーション及び達成感や、授業、質問、回答等への自らの取り組みを考えるきっかけを得る。
【0063】
<本実施形態の効果>
一実施形態の教育支援ソフトウェアを利用すると、生徒同士が1対1の環境において、他の生徒の目を気にすることなく、質問と回答とのやり取りを行うことができる。つまり、生徒用端末12Aから投稿された質問への回答は、それを選んだ1人の生徒のみが担当する。回答者を1人だけに絞るのは、対話が深まるようにすることが最大の狙いである。質問者は、尋ねた事柄についての理解を深めるために、同じスレッド(質問と回答の連なり)において、何度も質問を重ねることができる。質問した生徒は、受け取った回答に満足できなければ、スレッドを閉じた上で、同じ質問を再び投稿することもできる。
【0064】
一方、生徒用端末12Bから回答を投稿した回答者は、他の人がどのような点を理解できずに悩むのか、また、自分の理解や説明にはどのような不足があるのか、少しずつ認識を深めていく。したがって、生徒の主体的な学習意欲の促進、及び生徒同士の対話的で深い学びを実践することが可能である。特に、匿名で質問を投稿し、かつ、匿名で回答を出すことが可能であるため、互いに安心して、質問と回答とのやり取りを行うことができる。
【0065】
また、教育支援ソフトウェアを生徒達が日常的に利用することによって生じる効果は、複層的である。生徒達は、多くの疑問点が放置されずに取り組まれること、そして主体的な復習が促されることによって、学力の底上げが進む。同時に、生徒達の精神的な支えになるとともに、人間的な成長や成熟も促すことができる。生徒達は、抱えている疑問点について、質問形式で他の生徒に尋ねることができることによって、悩み(ストレス)が軽減される。
【0066】
また、生徒用端末12Bを操作することによって質問を見た生徒は、質問に回答することにより、“自分は、誰かを助けることができる”という実感を通じて、自信が育つ。さらに、生徒達は、オンライン空間上の人間関係の中で対話をする経験を通じて、新たな社会性を習得できる。つまり、ネット社会における基本的な振る舞いを学ぶ一歩目ともなり得る。そして、生徒達は、自分が助けられ、他者を助ける経験を積み重ねることにより、“他者と共に歩み、支え合っていく”という連帯感の意識を、ごく自然な形で醸成させていくことができる。
【0067】
生徒達は、質問を書くことも、回答を書くことも、最初は上手くできないのが普通である。そのため、教育支援ソフトウェアを生徒達が利用するにあたり、質問、回答、メッセージ等の書き方のガイダンスや、例文集が用意される。したがって、生徒達は、最初はたどたどしくても、教育支援ソフトウェアを継続して利用していくにつれて、少しずつ上達していく。時間をかけて磨いていく“書く能力”は、ネット社会で生きるのに役立つ。国語の授業などで質問・回答の書き方を指導できると、上達は早まる。また、書くことにより、自分の理解の曖昧さに気付きやすくなるとともに、理解を整理して定着させる習慣も促される。言い換えれば、書くことによって学ぶことになる。
【0068】
本実施形態で説明した事項の技術的意味の一例は、次の通りである。管理サーバ11は、管理サーバの一例である。生徒用端末12(12A)は、第1生徒用端末の一例である。生徒用端末12(12B)は、第2生徒用端末の一例である。生徒用端末12A乃至生徒用端末12nは、複数の生徒用端末の一例である。教育団体における教員、講師は、“生徒を管理する立場にある者”の一例である。“生徒を管理する立場にある者”は、“生徒を管理する立場にある者自体”の他、“生徒を管理する立場にある者に準ずる者”を含む。学校であると、“生徒を管理する立場にある者自体は、例えば、学校長、教頭、教員等であり、“生徒を管理する立場にある者に準ずる者”は、臨時講師、助手等である。
【0069】
また、管理サーバ11に対して、ネットワーク21を介して接続される生徒用端末12が単数設けられ、単数の生徒用端末12を、異なるユーザ名及びパスワードが付与された複数の生徒によって、交替で利用する構成であってもよい。ネットワークは、インターネットワーク、LAN(Local Area Network)、CAN(Campus Area Network )を含む。回答保持手段が、質問を投稿した生徒が生徒用端末から回答を読み出し可能に保持する場合、生徒用端末は、ネットワークによって管理サーバに接続されていればよい。つまり、生徒用端末は、生徒が質問の投稿に使用した生徒用端末と同じであってもよいし、生徒が質問の投稿に使用した生徒用端末とは異なっていてもよい。
【0070】
また、教育に関連する環境は、学校、自治体、学習塾等を含む。生徒用端末は、学校、自治体のみならず、生徒の自宅、生徒が位置する車中、生徒が位置する屋外でも使用可能である。この場合、教育に関連する環境は、生徒の自宅、生徒が位置する車中、生徒が位置する屋外も含む。また、質問の投稿は、質問の提出、質問の送信、と定義することも可能である。回答の投稿は、回答の提出、回答の送信、と定義することも可能である。記憶、記録は、読み出し可能に保持する、の一例である。また、読み出し可能に保持は、閲覧可能に保持と定義してもよい。教員用端末も同様である。
【0071】
本実施形態には、次の教育支援方法も開示されている。すなわち、教育に関連する環境で利用される管理サーバを動作させる教育支援方法において、前記管理サーバで、生徒から投稿される質問を受け付ける質問受付処理(ステップS21)と、受け付けた前記質問の内容を、前記質問を投稿した生徒とは異なる複数の生徒が読み出し可能に保持する質問保持処理(ステップS21)と、前記質問保持ステップで保持される前記質問に対して、前記複数の生徒の何れか1人から投稿される最先の回答のみを受け付ける回答受付処理(ステップS24)と、受け付けた前記回答の内容を、前記質問を投稿した前記生徒のみが読み出し可能に保持する回答保持処理(ステップS24)と、を実行させる、教育支援方法。
【0072】
また、本実施形態には、次の教育支援装置(管理サーバ)も開示されている。すなわち、教育に関連する環境で利用される教育支援装置において、生徒から投稿される質問を受け付ける質問受付部(通信部、中央演算処理装置)と、前記質問受付部が受け付けた前記質問の内容を、前記質問を投稿した生徒とは異なる複数の生徒が読み出し可能に保持する質問保持部(記憶部)と、前記質問保持部が保持する前記質問に対して、前記複数の生徒の何れか1人から投稿される最先の回答のみを受け付ける回答受付部(通信部、中央演算処理装置)と、前記回答受付部が受け付けた前記回答の内容を、前記質問を投稿した前記生徒のみが読み出し可能に保持する回答保持部(記憶部)と、を有する、教育支援装置。
【0073】
本実施形態には、次の記録媒体も開示されている。すなわち、教育に関連する環境で利用される教育支援装置(管理サーバ)を機能させる教育支援ソフトウェアを記録した記録媒体において、前記教育支援装置を、生徒から投稿される質問を受け付ける手段(ステップS21)、受け付けた前記質問の内容を、前記質問を投稿した生徒とは異なる複数の生徒が読み出し可能に保持する手段(ステップS21)、前記質問保持ステップで保持される前記質問に対して、前記複数の生徒の何れか1人から投稿される最先の回答のみを受け付ける手段(ステップS24)、受け付けた前記回答の内容を、前記質問を投稿した前記生徒のみが読み出し可能に保持する手段(ステップS24)、として機能させる教育支援ソフトウェアが記録された記録媒体。記録媒体は、光ディスク、フラッシュメモリ、ハードディスクドライブ等を含む。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本実施形態の教育支援ソフトウェアで機能する管理サーバは、学校、自治体等、教育に関連する環境において、生徒同士の対話による学習に用いられる。
【符号の説明】
【0075】
11…管理サーバ、12,12A、12B、12n…生徒用端末、13…教員用端末、14…中央演算処理部、15…記憶部
【手続補正書】
【提出日】2021-09-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
教育に関連する環境で利用される管理サーバを、
生徒から投稿される質問を受け付ける質問受付手段、
前記質問受付手段が受け付けた前記質問を、前記質問を投稿した生徒とは異なる複数の生徒が読み出し可能に保持する質問保持手段、
前記質問保持手段が保持する前記質問に対して、前記複数の生徒の何れか1人から投稿される最先の回答のみを受け付ける回答受付手段、
前記回答受付手段が受け付けた前記回答を、前記質問を投稿した前記生徒のみが読み出し可能に保持する回答保持手段、
質問を投稿した生徒が、質問に対する回答を読んだ後、追加的な質問を同じ回答者に対して行うか、または、同じ質問を回答者の限定を行わずに再度、投稿するか、を選択できるようにする手段、
を提供する装置として機能させる、教育支援ソフトウェア。
【請求項2】
請求項1記載の教育支援ソフトウェアにおいて、
前記質問受付手段は、前記管理サーバにネットワークによって接続される生徒用端末から生徒が投稿する質問を受け付け、
前記回答保持手段は、前記質問を投稿した前記生徒が生徒用端末から前記回答を読み出し可能に保持する、教育支援ソフトウェア。
【請求項3】
請求項2記載の教育支援ソフトウェアにおいて、
前記質問受付手段は、前記生徒用端末から第1ユーザ名を利用して投稿される前記質問を受け付け、
前記回答受付手段は、前記生徒用端末から前記第1ユーザ名とは異なる第2ユーザ名を利用して投稿される前記回答を受け付ける、教育支援ソフトウェア。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れか1項記載の教育支援ソフトウェアにおいて、
前記質問受付手段は、匿名で投稿される前記質問を受け付け、
前記回答受付手段は、匿名で投稿される前記回答を受け付ける、教育支援ソフトウェア。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れか1項記載の教育支援ソフトウェアにおいて、
前記回答保持手段は、前記質問を投稿する前記生徒及び前記回答を投稿する前記生徒を管理する立場にある者によって、前記質問及び前記回答を読み出し可能に保持する、教育支援ソフトウェア。