(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023066267
(43)【公開日】2023-05-15
(54)【発明の名称】流動体搬送装置及び流路切替バルブ
(51)【国際特許分類】
F16K 11/085 20060101AFI20230508BHJP
B67C 3/28 20060101ALI20230508BHJP
【FI】
F16K11/085 Z
B67C3/28
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021176896
(22)【出願日】2021-10-28
(71)【出願人】
【識別番号】000222727
【氏名又は名称】PACRAFT株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100130719
【弁理士】
【氏名又は名称】村越 卓
(72)【発明者】
【氏名】山根 徳幸
(72)【発明者】
【氏名】河本 幸樹
【テーマコード(参考)】
3E079
3H067
【Fターム(参考)】
3E079AA07
3E079AB01
3E079AB09
3E079CC12
3E079CD25
3E079CD26
3E079DD02
3E079DD35
3H067AA23
3H067CC32
3H067CC42
3H067DD03
3H067DD12
3H067DD32
3H067EA14
3H067FF11
3H067GG12
3H067GG19
3H067GG27
(57)【要約】
【課題】簡素な装置構成によって、流動体の送り出しに関する切替速度を高速化するのに有利な流動体搬送装置及び流路切替バルブを提供する。
【解決手段】バルブ本体部12は、共通流路C0と、共通流路C0に接続される第1バルブ流路C1、第2バルブ流路C2及び第3バルブ流路C3とを有する。バルブ回転体13は、共通流路C0において回転軸線Arを中心に回転可能に配置される。第1バルブ流路C1のうちの共通流路C0に接続される箇所と、第2バルブ流路C2のうちの共通流路C0に接続される箇所とが回転軸線Arを基準に成す角度、及び、第2バルブ流路C2のうちの共通流路C0に接続される箇所と、第3バルブ流路C3のうちの共通流路C0に接続される箇所とが回転軸線Arを基準に成す角度のうち少なくともいずれか一方は、90度未満である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
共通流路と、前記共通流路に接続される第1バルブ流路、第2バルブ流路及び第3バルブ流路と、を有するバルブ本体部と、
前記共通流路において回転軸線を中心に回転可能に配置される回転体であって、前記共通流路を介して前記第1バルブ流路と前記第2バルブ流路とを連通させる第1回転位置と、前記共通流路を介して前記第2バルブ流路と前記第3バルブ流路とを連通させる第2回転位置とに選択的に配置可能なバルブ回転体と、
前記第1バルブ流路に接続され、前記第1バルブ流路に流動体を供給する供給ユニットと、
前記第3バルブ流路に接続され、前記第3バルブ流路から前記流動体が供給される送出ユニットと、
前記第2バルブ流路に接続される中継ユニットであって、前記第1バルブ流路、前記共通流路及び前記第2バルブ流路を介して前記流動体が供給され、前記第2バルブ流路、前記共通流路及び前記第3バルブ流路を介して前記送出ユニットに前記流動体を送り出すように前記第2バルブ流路に前記流動体を供給する中継ユニットと、を備え、
前記第1バルブ流路のうちの前記共通流路に接続される箇所と、前記第2バルブ流路のうちの前記共通流路に接続される箇所とが前記回転軸線を基準に成す角度、及び、前記第2バルブ流路のうちの前記共通流路に接続される箇所と、前記第3バルブ流路のうちの前記共通流路に接続される箇所とが前記回転軸線を基準に成す角度のうち少なくともいずれか一方は、90度未満である流動体搬送装置。
【請求項2】
前記第1バルブ流路の延在方向と前記第2バルブ流路の延在方向とが成す角度、及び、前記第2バルブ流路の延在方向と前記第3バルブ流路の延在方向とが成す角度のうち少なくともいずれか一方は、90度未満である請求項1に記載の流動体搬送装置。
【請求項3】
排出ユニットを備え、
前記バルブ本体部は、前記共通流路及び前記排出ユニットに接続される第4バルブ流路を有し、
前記バルブ回転体は、前記共通流路を介して前記第1バルブ流路と前記第4バルブ流路とを連通させる第3回転位置に選択的に配置可能であり、
前記第1バルブ流路のうちの前記共通流路に接続される箇所と、前記第4バルブ流路のうちの前記共通流路に接続される箇所とが前記回転軸線を基準に成す角度は、90度未満である請求項1又は2に記載の流動体搬送装置。
【請求項4】
X軸、Y軸及びZ軸はお互いに直交し、
前記回転軸線は、前記Y軸に沿う方向に延び、
前記バルブ本体部には、前記Z軸に沿うZ軸負方向成分を含む方向に前記共通流路から延びてバルブ本体部の外部につながる空間通路が設けられない請求項1~3のいずれか一項に記載の流動体搬送装置。
【請求項5】
前記中継ユニットは、前記第1バルブ流路、前記共通流路及び前記第2バルブ流路を介して目標量の前記流動体を受け入れる計量モードと、前記目標量の前記流動体を、前記第2バルブ流路、前記共通流路及び前記第3バルブ流路を介して前記送出ユニットに送り出す送出モードと、を選択的にとり、
前記送出ユニットは、前記中継ユニットから前記第2バルブ流路、前記共通流路及び前記第3バルブ流路を介して送られてくる前記目標量の前記流動体を吐出する請求項1~4のいずれか一項に記載の流動体搬送装置。
【請求項6】
共通流路と、前記共通流路に接続される第1バルブ流路、第2バルブ流路及び第3バルブ流路と、を有するバルブ本体部と、
前記共通流路において回転軸線を中心に回転可能に配置されるバルブ回転体であって、前記共通流路を介して前記第1バルブ流路と前記第2バルブ流路とを連通させる第1回転位置と、前記共通流路を介して前記第2バルブ流路と前記第3バルブ流路とを連通される第2回転位置とに選択的に配置可能なバルブ回転体と、を備え、
前記第1バルブ流路のうちの前記共通流路に接続される箇所と、前記第2バルブ流路のうちの前記共通流路に接続される箇所とが前記回転軸線を基準に成す角度、及び、前記第2バルブ流路のうちの前記共通流路に接続される箇所と、前記第3バルブ流路のうちの前記共通流路に接続される箇所とが前記回転軸線を基準に成す角度のうち少なくともいずれか一方は、90度未満である流路切替バルブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、流動体搬送装置及び流路切替バルブに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、切換バルブによって圧縮性粘体物の送り出し量をコントロールする充填装置を開示する。
【0003】
特許文献2は、四方ロータリーバルブによって液体内容物の送り出し量をコントロールする充填機構を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭62-135105号公報
【特許文献2】特開2010-222023号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1及び特許文献2が開示する装置及び機構のように、回転体の回転位置に応じて流動体の送り出しの実行及び停止を切り替えるバルブユニットを使うことで、流動体の送り出し量をコントロールすることができる。この場合、流動体の送り出しに関する切替速度は、バルブユニットの回転体の回転速度に依存する。
【0006】
一方、そのようなバルブユニットにおける回転体の回転位置は予め決められており、一般に90度間隔の回転角度に応じて決められる。
【0007】
流動体の送り出しに関する切替速度を上げるには、バルブユニットの回転体の回転速度を上げることが考えられる。しかしながら回転体の回転速度の上限は、回転体を回転させる駆動装置の能力に応じて決まる。回転体を高速回転させつつ所望の角度位置で正確に回転体を停止させるには高性能駆動装置が必要になり、結果として装置コストが増大しうる。
【0008】
本開示は上述の事情に鑑みてなされたものであり、簡素な装置構成によって、流動体の送り出しに関する切替速度を高速化するのに有利な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の一態様は、共通流路と、共通流路に接続される第1バルブ流路、第2バルブ流路及び第3バルブ流路と、を有するバルブ本体部と、共通流路において回転軸線を中心に回転可能に配置される回転体であって、共通流路を介して第1バルブ流路と第2バルブ流路とを連通させる第1回転位置と、共通流路を介して第2バルブ流路と第3バルブ流路とを連通させる第2回転位置とに選択的に配置可能なバルブ回転体と、第1バルブ流路に接続され、第1バルブ流路に流動体を供給する供給ユニットと、第3バルブ流路に接続され、第3バルブ流路から流動体が供給される送出ユニットと、第2バルブ流路に接続される中継ユニットであって、第1バルブ流路、共通流路及び第2バルブ流路を介して流動体が供給され、第2バルブ流路、共通流路及び第3バルブ流路を介して送出ユニットに流動体を送り出すように第2バルブ流路に流動体を供給する中継ユニットと、を備え、第1バルブ流路のうちの共通流路に接続される箇所と、第2バルブ流路のうちの共通流路に接続される箇所とが回転軸線を基準に成す角度、及び、第2バルブ流路のうちの共通流路に接続される箇所と、第3バルブ流路のうちの共通流路に接続される箇所とが回転軸線を基準に成す角度のうち少なくともいずれか一方は、90度未満である流動体搬送装置に関する。
【0010】
第1バルブ流路の延在方向と第2バルブ流路の延在方向とが成す角度、及び、第2バルブ流路の延在方向と第3バルブ流路の延在方向とが成す角度のうち少なくともいずれか一方は、90度未満であってもよい。
【0011】
流動体搬送装置は、排出ユニットを備え、バルブ本体部は、共通流路及び排出ユニットに接続される第4バルブ流路を有し、バルブ回転体は、共通流路を介して第1バルブ流路と第4バルブ流路とを連通させる第3回転位置に選択的に配置可能であり、第1バルブ流路のうちの共通流路に接続される箇所と、第4バルブ流路のうちの共通流路に接続される箇所とが回転軸線を基準に成す角度は、90度未満であってもよい。
【0012】
X軸、Y軸及びZ軸はお互いに直交し、回転軸線は、Y軸に沿う方向に延び、バルブ本体部には、Z軸に沿うZ軸負方向成分を含む方向に共通流路から延びてバルブ本体部の外部につながる空間通路が設けられなくてもよい。
【0013】
中継ユニットは、第1バルブ流路、共通流路及び第2バルブ流路を介して目標量の流動体を受け入れる計量モードと、目標量の流動体を、第2バルブ流路、共通流路及び第3バルブ流路を介して送出ユニットに送り出す送出モードと、を選択的にとり、送出ユニットは、中継ユニットから第2バルブ流路、共通流路及び第3バルブ流路を介して送られてくる目標量の流動体を吐出してもよい。
【0014】
本開示の他の態様は、共通流路と、共通流路に接続される第1バルブ流路、第2バルブ流路及び第3バルブ流路と、を有するバルブ本体部と、共通流路において回転軸線を中心に回転可能に配置されるバルブ回転体であって、共通流路を介して第1バルブ流路と第2バルブ流路とを連通させる第1回転位置と、共通流路を介して第2バルブ流路と第3バルブ流路とを連通される第2回転位置とに選択的に配置可能なバルブ回転体と、を備え、第1バルブ流路のうちの共通流路に接続される箇所と、第2バルブ流路のうちの共通流路に接続される箇所とが回転軸線を基準に成す角度、及び、第2バルブ流路のうちの共通流路に接続される箇所と、第3バルブ流路のうちの共通流路に接続される箇所とが回転軸線を基準に成す角度のうち少なくともいずれか一方は、90度未満である流路切替バルブに関する。
【発明の効果】
【0015】
本開示によれば、簡素な装置構成によって、流動体の送り出しに関する切替速度を高速化するのに有利である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】
図1は、流動体搬送装置の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、バルブ回転体の一例を示す斜視図である。
【
図3】
図3は、バルブ本体部の一例を示す斜視図である。
【
図4】
図4は、
図2に示すバルブ回転体及び
図3に示すバルブ本体部を具備する流路切替バルブの一例を示す斜視図である。
【
図5】
図5は、バルブ回転体を回転させる回転駆動部の一例を示す斜視図である。
【
図6】
図6は、流動体搬送装置の作動例を示す図であり、バルブ回転体が第1回転位置に配置されている状態を示す。
【
図7】
図7は、流動体搬送装置の作動例を示す図であり、バルブ回転体が第2回転位置に配置されている状態を示す。
【
図8】
図8は、流動体搬送装置の作動例を示す図であり、バルブ回転体が第3回転位置に配置されている状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して本開示の一実施形態について説明する。以下で説明する流動体搬送装置は、目標量の流動体を分離し、分離された目標量の流動体を吐出する流動体吐出装置として構成される。ただし、本開示の流動体搬送装置を適用可能な装置及び方法は限定されず、他の任意の用途のために流動体を搬送する装置及び方法に対しても本開示の流動体搬送装置を適宜応用可能である。
【0018】
ここでいう流動体の概念には、流動性を有する物全般が含まれうる。典型的には、液状体やペースト状体としての組成を有する物(例えば食品や日用品)が流動体を構成しうるが、流動体の具体的な状態、組成及び用途は限定されない。
【0019】
図1は、流動体搬送装置10の一例を示す図である。
図1において、流路切替バルブ11と、供給配管21、中継配管31、送出配管41及び排出配管51の各々の一部とは、Y軸に対して垂直に延びる断面(XZ断面)が示されている。
【0020】
なおX軸、Y軸及びZ軸はお互いに直交する。本例においてX軸及びY軸は水平方向に沿って延び、Z軸は高さ方向に沿って延びる。以下の説明において「X方向」はX軸に沿う方向を指し、「Y方向」はY軸に沿う方向を指し、「Z方向」はZ軸に沿う方向を指す。Z方向は、お互いに逆方向に向けられるZ軸正方向(本例では上向き方向)及びZ軸負方向(本例では下向き方向)を含む。X方向及びY方向に関しても、同様に、X軸正方向、X軸負方向、Y軸正方向及びY軸負方向がある。
【0021】
流動体搬送装置10は、流路切替バルブ11と、流路切替バルブ11に接続される供給ユニット20、中継ユニット30、送出ユニット40及び排出ユニット50とを備える。
【0022】
流路切替バルブ11はいわゆるロータリー型バルブとして構成され、バルブ本体部12及びバルブ回転体13を有する。
【0023】
バルブ本体部12は、共通流路C0と、共通流路C0に接続される第1バルブ流路C1、第2バルブ流路C2、第3バルブ流路C3及び第4バルブ流路C4と、を有する。
【0024】
バルブ回転体13は、共通流路C0において、Y方向に延びる回転軸線Arを中心に回転可能に配置される。バルブ回転体13は、後述のように、回転位置に応じてバルブ流路(第1バルブ流路C1~第4バルブ流路C4)間の連通状態を切り替える。
【0025】
供給ユニット20は、第1バルブ流路C1に接続され、第1バルブ流路C1に流動体Fを供給する。
【0026】
本例の供給ユニット20は、第1バルブ流路C1に接続される供給配管21と、供給配管21を介して第1バルブ流路C1に接続される供給タンク22とを有する。供給タンク22は、流動体Fを収容する収容部として設けられており、流路切替バルブ11よりも高い位置に設置される。供給タンク22の高さ方向位置は限定されないが、一例として、供給タンク22のうち供給配管21に接続される箇所(すなわち供給排出口部)が、中継ユニット30、送出ユニット40及び排出ユニット50よりも高い位置に配置される。
【0027】
中継ユニット30は、第2バルブ流路C2に接続され、第1バルブ流路C1、共通流路C0及び第2バルブ流路C2を介して流動体Fが供給され、第2バルブ流路C2、共通流路C0及び第3バルブ流路C3を介して送出ユニットに流動体Fを送り出すように第2バルブ流路C2に流動体Fを供給する。
【0028】
本例の中継ユニット30は、第2バルブ流路C2に接続される中継配管31と、中継配管31を介して第2バルブ流路C2に接続されるポンプ装置32とを有する。
【0029】
ポンプ装置32は、中継配管31に接続されるポンプシリンダ33と、ポンプシリンダ33の内側に配置されるポンプピストン34とを有する。ポンプピストン34は、制御部60の制御下で駆動するポンプ駆動部35によって動かされ、ポンプシリンダ33の内壁面に沿って水平方向(
図1に示す例ではX方向)に往復移動する。すなわち制御部60はポンプ駆動部35の進退駆動軸35aを進退させることで、進退駆動軸35aに取り付けられるポンプピストン34を水平方向に進退させる。
【0030】
ポンプピストン34とポンプシリンダ33の内壁面との間が基本的に気密構造及び液密構造を維持するように、ポンプピストン34は、ポンプシリンダ33の内壁面に密着しつつ、ポンプシリンダ33の内壁面に沿ってスライドする。
【0031】
ポンプ装置32は、ポンプピストン34の移動に応じて、中継配管31を介した流動体Fの吸引(受け入れ)及び中継配管31を介した流動体Fの押し出し(送り出し)を行う。すなわちポンプピストン34を押込位置から引込位置に向かう方向(
図1の左方向)に移動させることで、ポンプシリンダ33内に流動体Fを吸引するような負圧がポンプシリンダ33内に生じる。一方、ポンプピストン34を引込位置から押込位置に向かう方向(
図1の右方向)に移動させることで、ポンプシリンダ33から中継配管31に向けて流動体Fを押し出す力がポンプシリンダ33内の流動体Fに作用する。
【0032】
したがってポンプ装置32よる流動体Fの吸引量及び送出量は、ポンプピストン34の移動量に応じて調整可能である。すなわちポンプピストン34の押込位置及び引込位置(押込位置と引込位置との間の移動量)に応じて、ポンプ装置32よる流動体Fの吸引量及び送出量が決められる。そのためポンプピストン34を目標押込位置と目標引込位置との間で正確に往復移動させることで、ポンプ装置32は目標量の流動体Fの吸引(受け入れ)及び押し出し(送り出し)を精度良く行うことができる。したがってポンプ駆動部35が制御部60の制御下でポンプピストン34の移動(すなわちポンプピストン34の目標押込位置及び目標引込位置)を調整することで、ポンプ装置32による流動体Fの受け入れ量及び送り出し量を可変的にコントロールできる。
【0033】
送出ユニット40は、第3バルブ流路C3に接続され、第3バルブ流路C3から流動体Fが供給される。
【0034】
本例の送出ユニット40は、第3バルブ流路C3に接続される送出配管41と、送出配管41を介して第3バルブ流路C3に接続される吐出ノズル部42とを有する。吐出ノズル部42の下端部は吐出部42aを形成し、送出配管41を介して吐出ノズル部42に供給される流動体Fが、吐出部42aから外部(
図1に示す例では下向き)に吐出される。
【0035】
吐出ノズル部42の吐出部42aから吐出された流動体Fは、図示しない容器(例えば袋)や他の任意の対象に与えられる。
【0036】
排出ユニット50は、第4バルブ流路C4に接続され、第4バルブ流路C4から流動体Fが供給される。本例の排出ユニット50は、第4バルブ流路C4に接続される排出配管51と、排出配管51を介して第4バルブ流路C4に接続される排出タンク52とを有する。排出タンク52は、第4バルブ流路C4から排出配管51を介して送られてくる流動体F(後述の洗浄剤や廃液を含む)を受け入れる。
【0037】
図2は、バルブ回転体13の一例を示す斜視図である。
図3は、バルブ本体部12の一例を示す斜視図である。
図4は、
図2に示すバルブ回転体13及び
図3に示すバルブ本体部12を具備する流路切替バルブ11の一例を示す斜視図である。
【0038】
図2に示すバルブ回転体13は、円柱体の側部が2箇所で切り欠かれた構造を持ち、当該円柱体の中心軸線はバルブ回転体13の回転軸線Arと一致する。バルブ回転体13の円柱体のうち、一方の切り欠かれた部分が第1回転体凹部14aを構成し、他方の切り欠かれた部分が第2回転体凹部14bを構成する。
【0039】
共通流路C0に配置されるバルブ回転体13は、
図1に示すように、共通流路C0を、第1回転体凹部14aに対応する第1区画スペースS1と、第2回転体凹部14bに対応する第2区画スペースS2とに区分する。バルブ回転体13の側部は、第1回転体凹部14aを区画する第1区画面13aと、第2回転体凹部14bを区画する第2区画面13bと、回転周面13sとを有する。
【0040】
図3に示すバルブ本体部12において、第1バルブ流路C1及び第2バルブ流路C2は、円形断面を有し、Y軸と垂直を成し且つX軸及びY軸の双方に対して斜めを成す方向に延びる。一方、共通流路C0は円形断面を有し且つY方向に延び、第3バルブ流路C3及び第4バルブ流路C4は円形断面を有し且つX方向に延びる。
【0041】
図3に示すバルブ本体部12は、五角柱(いわゆるホームベース状五角形のXZ断面を有する角柱)を本体として含み、当該五角柱が有する5つの側方平面のうちの4つのそれぞれにおいて第1バルブ流路C1、第2バルブ流路C2、第3バルブ流路C3及び第4バルブ流路C4が開口する。また当該五角柱の底面及び天面(
図3に示す例ではXZ平面として構成される2つの平面)のそれぞれにおいて共通流路C0の両端が開口する。
【0042】
共通流路C0に、
図2に示すバルブ回転体13が挿入されることによって、
図4に示す流路切替バルブ11が構成される。
【0043】
共通流路C0の直径(すなわち回転軸線Arと垂直を成す最大直径)は、バルブ回転体13(特に回転周面13s)の直径(すなわち回転軸線Arと垂直を成す最大直径)とほぼ同じであるが、バルブ回転体13(回転周面13s)の直径よりも僅かに大きい。これによりバルブ本体部12とバルブ回転体13との間には僅かな隙間(クリアランス)が設けられる。そのためバルブ回転体13は、バルブ本体部12から摩擦による抵抗力を実質的に受けることなく又はバルブ本体部12から受ける摩擦力が小さい状態で回転可能であるように、共通流路C0に配置される。
【0044】
バルブ本体部12とバルブ回転体13との間の隙間は、第1回転体凹部14aにより構成される第1区画スペースS1内の流動体F及び第2回転体凹部14bにより構成される第2区画スペースS2内の流動体Fが当該隙間から実質的に漏出しないように、非常に小さいサイズを有する。したがってバルブ回転体13が共通流路C0において回転軸線Arを中心に回転する間、バルブ回転体13の回転周面13sが、共通流路C0を区画するバルブ本体部12の内壁面上をスライドする。
【0045】
図5は、バルブ回転体13を回転させる回転駆動部17の一例を示す斜視図である。
【0046】
回転駆動部17は、制御部60の制御下で、回転軸線Arを中心にバルブ回転体13を回転させて所望の角度位置に配置する。回転駆動部17は、典型的にはサーボモータにより構成可能である。
【0047】
図5に示す回転駆動部17は、駆動本体部17aと、駆動本体部17aにより回転させられる回転軸部17bとを有する。回転軸部17bの先端部がバルブ回転体13に固定され、回転軸部17bが回転することでバルブ回転体13も回転する。
【0048】
本例のバルブ回転体13は、第1回転位置、第2回転位置及び第3回転位置に選択的に配置可能である。
【0049】
第1回転位置に配置されるバルブ回転体13(後述の
図6参照)は、第1区画スペースS1(第1回転体凹部14a;共通流路C0)を介し、第1バルブ流路C1と第2バルブ流路C2とを連通させる。なお第2バルブ流路C2と第3バルブ流路C3との間の連通、及び、第1バルブ流路C1と第4バルブ流路C4との間の連通は、第1回転位置に配置されているバルブ回転体13によって遮断される。
【0050】
第2回転位置に配置されるバルブ回転体13(
図1及び後述の
図7参照)は、第1区画スペースS1(第1回転体凹部14a;共通流路C0)を介し、第2バルブ流路C2と第3バルブ流路C3とを連通させる。なお第1バルブ流路C1と第2バルブ流路C2との間の連通、及び、第1バルブ流路C1と第4バルブ流路C4との間の連通は、第2回転位置に配置されているバルブ回転体13によって遮断される。
【0051】
第3回転位置に配置されるバルブ回転体13(後述の
図8参照)は、第2区画スペースS2(第2回転体凹部14b;共通流路C0)を介し、第1バルブ流路C1と第4バルブ流路C4とを連通させる。なお第1バルブ流路C1と第2バルブ流路C2との間の連通、及び、第2バルブ流路C2と第3バルブ流路C3との間の連通は、第3回転位置に配置されているバルブ回転体13によって遮断される。
【0052】
このように、
図2に示す第1回転体凹部14a及び第2回転体凹部14bは、バルブ本体部12の共通流路C0において第1区画スペースS1及び第2区画スペースS2を構成する。第1回転体凹部14a及び第2回転体凹部14b(すなわち第1区画スペースS1及び第2区画スペースS2)は、共通流路C0におけるバルブ回転体13の回転位置に応じて、2つのバルブ流路をつないで一方のバルブ流路から他方のバルブ流路に流動体Fを流す連絡路として働く。
【0053】
上述の構成を有する流動体搬送装置10(特に流路切替バルブ11)において、第1バルブ流路C1のうちの共通流路C0に接続される箇所と、第2バルブ流路C2のうちの共通流路C0に接続される箇所とが回転軸線Arを基準に成す角度は、90度未満である。
【0054】
また第2バルブ流路C2のうちの共通流路C0に接続される箇所と、第3バルブ流路C3のうちの共通流路C0に接続される箇所とが回転軸線Arを基準に成す角度は、90度未満である。
【0055】
また第1バルブ流路C1のうちの共通流路C0に接続される箇所と、第4バルブ流路C4のうちの共通流路C0に接続される箇所とが回転軸線Arを基準に成す角度は、90度未満である。
【0056】
これにより、バルブ流路(第1バルブ流路C1~第4バルブ流路C4)間の接続状態を切り替える際のバルブ回転体13の回転角度を小さくすることができ、バルブ回転体13の回転に要する時間を短縮して、バルブ流路間の接続状態の切り替えを素早く行うことができる。
【0057】
なお、ここでいう「第1バルブ流路C1のうちの共通流路C0に接続される箇所と、第2バルブ流路C2のうちの共通流路C0に接続される箇所とが回転軸線Arを基準に成す角度」は、例えば以下のようにして定められる。
【0058】
すなわち「第1バルブ流路C1の延在方向に沿って延びる第1バルブ流路C1の中心線(すなわち第1バルブ流路C1の断面の中心が位置する中心線)が共通流路C0に接続する位置」と「回転軸線Ar」とを通過する直線と、「第2バルブ流路C2の延在方向に沿って延びる第2バルブ流路C2の中心線が共通流路C0に接続する位置」と「回転軸線Ar」とを通過する直線とが成す角度が、「第1バルブ流路C1のうちの共通流路C0に接続される箇所と、第2バルブ流路C2のうちの共通流路C0に接続される箇所とが回転軸線Arを基準に成す角度」となる。
【0059】
「第2バルブ流路C2のうちの共通流路C0に接続される箇所と、第3バルブ流路C3のうちの共通流路C0に接続される箇所とが回転軸線Arを基準に成す角度」及び「第1バルブ流路C1のうちの共通流路C0に接続される箇所と、第4バルブ流路C4のうちの共通流路C0に接続される箇所とが回転軸線Arを基準に成す角度」も、同様に定められる。
【0060】
本例の第1バルブ流路C1~第4バルブ流路C4の各々は、直線的に延び、延在方向に沿って一定の断面形状及び一定の断面積を有し、一端において共通流路C0に接続され、他端においてバルブ本体部12の外部に開口する。したがって第1バルブ流路C1の延在方向と第2バルブ流路C2の延在方向とが成す角度は、90度未満である。また第2バルブ流路C2の延在方向と第3バルブ流路C3の延在方向とが成す角度は、90度未満である。また第1バルブ流路C1の延在方向と第4バルブ流路C4の延在方向とが成す角度は、90度未満である。
【0061】
ここでいう「第1バルブ流路C1の延在方向」は、例えば、第1バルブ流路C1の中心線が共通流路C0に接続される位置と、第1バルブ流路C1の中心線がバルブ本体部12の外部に接続する位置と、を結ぶ直線に沿う方向と一致する。「第2バルブ流路C2の延在方向」、「第3バルブ流路C3の延在方向」及び「第4バルブ流路C4の延在方向」も同様である。
【0062】
上述の構成を有する本実施形態の流動体搬送装置10(特に流路切替バルブ11)において、バルブ本体部12には、Z軸に沿うZ軸負方向成分(
図1の下向き方向成分)を含む方向に共通流路C0から延びてバルブ本体部12の外部につながる空間通路が設けられない。
【0063】
これにより、流路切替バルブ11のうちのZ軸負方向側部分に配管を接続する必要がなくなり、流動体搬送装置10のZ軸方向スペースを低減しうる。本例のようにZ軸負方向が下向き方向に設定される場合、流路切替バルブ11の下面側に配管を設ける必要がなくなる。これにより流路切替バルブ11を低い位置に設置することができ、ひいては流路切替バルブ11に接続される外部器具(例えば供給タンク22)を低い位置に設置することが可能になり、流動体搬送装置10の全体の高さ方向スペースを低減しうる。
【0064】
また大きな重量を持ち及び/又は大型サイズを有する外部器具は、メンテナンス性や安全性の観点からは低い位置に設置されることが好ましい。したがって本例の流動体搬送装置10(流路切替バルブ11)によれば、メンテナンス性及び安全性を向上させうる。
【0065】
次に、流動体搬送装置10の作動(流動体搬送方法)の一例について説明する。
【0066】
図6は、流動体搬送装置10の作動例を示す図であり、バルブ回転体13が第1回転位置Pr1に配置されている状態を示す。
図7は、流動体搬送装置10の作動例を示す図であり、バルブ回転体13が第2回転位置Pr2に配置されている状態を示す。
図8は、流動体搬送装置10の作動例を示す図であり、バルブ回転体13が第3回転位置Pr3に配置されている状態を示す。
図6~
図8に示される矢印は、流動体Fの流動方向を示す。
【0067】
本例では、バルブ回転体13の回転位置に応じて、中継ユニット30によって目標量の流動体Fを分離する目標量分離工程と、目標量の流動体Fを送出ユニット40に送り出す目標量送出工程とが行われる。
【0068】
まず、制御部60の制御下で回転駆動部17(
図5参照)がバルブ回転体13を回転させて、バルブ回転体13を
図6に示す第1回転位置Pr1に配置する。そしてバルブ回転体13が第1回転位置Pr1に配置されている状態で、制御部60の制御下でポンプ駆動部35(
図1参照)がポンプピストン34を目標押込位置から目標引込位置に移動させる(目標量分離工程)。
【0069】
これにより第1バルブ流路C1及び第2バルブ流路C2が第1区画スペースS1(共通流路C0)を介して互いに連通している状態でポンプ装置32が流動体Fを吸引し、目標量の流動体Fが第2バルブ流路C2、中継配管31内及びポンプシリンダ33内に引き込まれる。
【0070】
その後、制御部60の制御下で回転駆動部17がバルブ回転体13を回転させて、バルブ回転体13を第2回転位置Pr2(
図7参照)に配置する。そしてバルブ回転体13が第2回転位置Pr2に配置されている状態で、ポンプピストン34が目標引込位置から目標押込位置に移動される(目標量送出工程)。
【0071】
これにより、第2バルブ流路C2及び第3バルブ流路C3が第1区画スペースS1(共通流路C0)を介して互いに連通している状態でポンプ装置32が流動体Fを押し出し、目標量の流動体Fが第3バルブ流路C3、送出配管41内及び吐出ノズル部42に送り出される。その結果、目標量の流動体Fが吐出部42aから吐出される。
【0072】
このように中継ユニット30は、第1バルブ流路C1、共通流路C0及び第2バルブ流路C2を介して目標量の流動体Fを受け入れる計量モードと、目標量の流動体Fを、第2バルブ流路C2、共通流路C0及び第3バルブ流路C3を介して送出ユニット40に送り出す送出モードと、を選択的にとる。また送出ユニット40は、中継ユニット30から第2バルブ流路C2、共通流路C0及び第3バルブ流路C3を介して送られてくる目標量の流動体Fを吐出する。
【0073】
上述の目標量分離工程(
図6参照)及び目標量送出工程(
図7参照)を繰り返すことで、送出ユニット40に目標量の流動体Fが間欠的に送られ、送出ユニット40(吐出部42a)から目標量の流動体Fが間欠的に吐出される。
【0074】
なお、上述の目標量分離工程及び目標量送出工程によって目標量の流動体Fの分離及び送り出しを正確に行うには、供給配管21、第1バルブ流路C1、第1区画スペースS1、第2バルブ流路C2、中継配管31、ポンプシリンダ33、第3バルブ流路C3及び送出配管41に、流動体Fが充填されていることが前提である。したがって上述の目標量分離工程及び目標量送出工程の実施に先立って準備工程が行われることで、供給配管21、第1バルブ流路C1、第1区画スペースS1、第2バルブ流路C2、中継配管31、ポンプシリンダ33、第3バルブ流路C3及び送出配管41に流動体Fが充填される。
【0075】
一例として、準備工程では、上述の目標量分離工程及び目標量送出工程と同様に流動体搬送装置10が駆動されて予備動作を行う。すなわちバルブ回転体13が第1回転位置Pr1に配置されている状態でのポンプ装置32の吸引動作と、バルブ回転体13が第2回転位置Pr2に配置されている状態でのポンプ装置32の押し出し動作とが、予備動作として繰り返される。これにより供給配管21、第1バルブ流路C1、第1区画スペースS1、第2バルブ流路C2、中継配管31、ポンプシリンダ33、第3バルブ流路C3及び送出配管41内の空気が、流動体Fとともに吐出ノズル部42を介して徐々に排出され、最終的には流動体Fの充填が完了する。
【0076】
本実施形態の流動体搬送装置10(流動体搬送方法)は、更に、供給配管21内及び第1バルブ流路C1における流動体Fを排出ユニット50に排出する流動体排出工程を実施しうる。
【0077】
すなわち制御部60の制御下で回転駆動部17がバルブ回転体13を回転させて、バルブ回転体13を第3回転位置Pr3(
図8参照)に配置する(流動体排出工程)。これにより供給配管21内及び第1バルブ流路C1における流動体Fが、第2区画スペースS2(共通流路C0)を介して第4バルブ流路C4及び排出配管51内に流入し、最終的には排出タンク52内に排出される。
【0078】
なお、流動体排出工程では、供給配管21内及び第1バルブ流路C1における流動体Fに対して積極的に押し出し力を作用させる装置(図示省略)及び/又は第4バルブ流路C4及び排出配管51内の流動体Fに対して積極的に吸引力を作用させる装置(図示省略)によって、供給配管21、第1バルブ流路C1、第2区画スペースS2(共通流路C0)、第4バルブ流路C4及び排出配管51における流動体Fの流動が促されてもよい。
【0079】
また本実施形態の流動体搬送装置10(流動体搬送方法)は、更に、共通流路C0、第1バルブ流路C1~第4バルブ流路C4、供給配管21、中継配管31、送出配管41及び排出配管51に洗浄剤を流す洗浄工程を実施しうる。すなわち、上述の流動体Fとして流動性を有する洗浄剤(例えば水のみからなる洗浄液や水以外の洗浄成分を含む洗浄液)を使って上述の流動体搬送方法(目標量分離工程、目標量送出工程及び流動体排出工程)を行うことで、洗浄工程を実施することができる。当該洗浄工程によって、共通流路C0、第1バルブ流路C1~第4バルブ流路C4、供給配管21、中継配管31、送出配管41及び排出配管51は、洗浄剤によって洗浄される。
【0080】
以上説明したように本実施形態の流動体搬送装置10は、共通流路C0と、共通流路C0に接続される第1バルブ流路C1、第2バルブ流路C2及び第3バルブ流路C3と、を有するバルブ本体部12と、共通流路C0において回転軸線Arを中心に回転可能に配置されるバルブ回転体13であって、共通流路C0を介して第1バルブ流路C1と第2バルブ流路C2とを連通させる第1回転位置Pr1と、共通流路C0を介して第2バルブ流路C2と第3バルブ流路C3とを連通させる第2回転位置Pr2とに選択的に配置可能なバルブ回転体13と、第1バルブ流路C1に接続され、第1バルブ流路C1に流動体Fを供給する供給ユニット20と、第3バルブ流路C3に接続され、第3バルブ流路C3から流動体Fが供給される送出ユニット40と、第2バルブ流路C2に接続される中継ユニット30であって、第1バルブ流路C1、共通流路C0及び第2バルブ流路C2を介して流動体Fが供給され、第2バルブ流路C2、共通流路C0及び第3バルブ流路C3を介して送出ユニット40に流動体Fを送り出すように第2バルブ流路C2に流動体Fを供給する中継ユニット30と、を備える。第1バルブ流路C1のうちの共通流路C0に接続される箇所と、第2バルブ流路C2のうちの共通流路C0に接続される箇所とが回転軸線Arを基準に成す角度、及び、第2バルブ流路C2のうちの共通流路C0に接続される箇所と、第3バルブ流路C3のうちの共通流路C0に接続される箇所とが回転軸線Arを基準に成す角度のうち少なくともいずれか一方は、90度未満である。
【0081】
また流路切替バルブ11は、共通流路C0と、共通流路C0に接続される第1バルブ流路C1、第2バルブ流路C2及び第3バルブ流路C3と、を有するバルブ本体部12と、共通流路C0において回転軸線Arを中心に回転可能に配置されるバルブ回転体13であって、共通流路C0を介して第1バルブ流路C1と第2バルブ流路C2とを連通させる第1回転位置Pr1と、共通流路C0を介して第2バルブ流路C2と第3バルブ流路C3とを連通される第2回転位置Pr2とに選択的に配置可能なバルブ回転体13と、を備え、第1バルブ流路C1のうちの共通流路C0に接続される箇所と、第2バルブ流路C2のうちの共通流路C0に接続される箇所とが回転軸線Arを基準に成す角度、及び、第2バルブ流路C2のうちの共通流路C0に接続される箇所と、第3バルブ流路C3のうちの共通流路C0に接続される箇所とが回転軸線Arを基準に成す角度のうち少なくともいずれか一方は、90度未満である。
【0082】
上述の流動体搬送装置10及び流路切替バルブ11によれば、バルブ流路間の連通状態を切り替えるためのバルブ回転体13の回転量(回転角度)を低減できる。そのため、簡素な装置構成によって、流動体Fの送り出しに関する切替速度を高速化するのに有利である。具体的には「目標量の流動体Fの分離」及び「目標量の流動体Fの送り出し」に要する時間を短縮化するのに有利である。
【0083】
また第1バルブ流路C1の延在方向と第2バルブ流路C2の延在方向とが成す角度、及び、第2バルブ流路C2の延在方向と第3バルブ流路C3の延在方向とが成す角度のうち少なくともいずれか一方は、90度未満である。
【0084】
これにより、簡素な装置構成によって、流動体Fの送り出しに関する切替速度を高速化するのに有利である。
【0085】
また流動体搬送装置10は排出ユニット50を備え、バルブ本体部12は、共通流路C0及び排出ユニット50に接続される第4バルブ流路C4を有し、バルブ回転体13は、共通流路C0を介して第1バルブ流路C1と第4バルブ流路C4とを連通させる第3回転位置Pr3に選択的に配置可能であり、第1バルブ流路C1のうちの共通流路C0に接続される箇所と、第4バルブ流路C4のうちの共通流路C0に接続される箇所とが回転軸線Arを基準に成す角度は、90度未満である。
【0086】
これにより、共通流路C0を介した第1バルブ流路C1と第4バルブ流路C4との間の連通状態を切り替えるためのバルブ回転体13の回転量(回転角度)を低減できるため、簡素な装置構成によって、流動体Fの送り出しに関する切替速度を高速化するのに有利である。
【0087】
またX軸、Y軸及びZ軸はお互いに直交し、回転軸線Arは、Y軸に沿う方向に延び、バルブ本体部12には、Z軸に沿うZ軸負方向成分を含む方向に共通流路C0から延びてバルブ本体部12の外部につながる空間通路が設けられない。
【0088】
これにより、流路切替バルブ11の周辺(特にZ軸負方向側周辺)における装置構成の簡素化及び/又は装置設置の自由度が向上しうる。
【0089】
また中継ユニット30は、第1バルブ流路C1、共通流路C0及び第2バルブ流路C2を介して目標量の流動体Fを受け入れる計量モードと、目標量の流動体Fを、第2バルブ流路C2、共通流路C0及び第3バルブ流路C3を介して送出ユニット40に送り出す送出モードと、を選択的にとり、送出ユニット40は、中継ユニット30から第2バルブ流路C2、共通流路C0及び第3バルブ流路C3を介して送られてくる目標量の流動体Fを吐出する。
【0090】
これにより、目標量の流動体Fの分離及び吐出を精度良く行うことができる。
【0091】
本開示は、上述の実施形態及び変形例には限定されない。例えば、上述の実施形態及び変形例の各要素に各種の変形が加えられてもよいし、上述の実施形態及び変形例間において部分的に又は全体的に構成が組み合わせられてもよい。また、本開示によって奏される効果も上述の効果に限定されず、各実施形態の具体的な構成に応じた特有の効果も発揮されうる。このように、本開示の技術的思想及び趣旨を逸脱しない範囲で、特許請求の範囲、明細書及び図面に記載される各要素に対して種々の追加、変更及び部分的削除が可能である。
【符号の説明】
【0092】
10 流動体搬送装置、11 流路切替バルブ、12 バルブ本体部、13 バルブ回転体、13a 第1区画面、13b 第2区画面、13s 回転周面、14a 第1回転体凹部、14b 第2回転体凹部、17 回転駆動部、17a 駆動本体部、17b 回転軸部、20 供給ユニット、21 供給配管、22 供給タンク、30 中継ユニット、31 中継配管、32 ポンプ装置、33 ポンプシリンダ、34 ポンプピストン、35 ポンプ駆動部、40 送出ユニット、41 送出配管、42 吐出ノズル部、42a 吐出部、50 排出ユニット、51 排出配管、52 排出タンク、60 制御部、Ar 回転軸線、C0 共通流路、C1 第1バルブ流路、C2 第2バルブ流路、C3 第3バルブ流路、C4 第4バルブ流路、F 流動体、Pr1 第1回転位置Pr1、Pr2 第2回転位置Pr2、Pr3 第3回転位置Pr3、S1 第1区画スペース、S2 第2区画スペース