(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023066300
(43)【公開日】2023-05-15
(54)【発明の名称】拾集機
(51)【国際特許分類】
A01D 51/00 20060101AFI20230508BHJP
【FI】
A01D51/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021176972
(22)【出願日】2021-10-28
(71)【出願人】
【識別番号】509146573
【氏名又は名称】有限会社タカハマ緑幸
(74)【代理人】
【識別番号】100134072
【弁理士】
【氏名又は名称】白浜 秀二
(72)【発明者】
【氏名】高▲浜▼ 健児
(57)【要約】
【課題】簡単な構造でありながら被拾集物を効果的に拾集することができる拾集機を提供する。
【解決手段】回転可能なドラム4と、ドラム4の一部周面を覆うようにドラム4との間に間隔をあけて配設され、ドラム4の下部との間に栗Kを受入れる受入部33を形成するとともに、受入部33より上方においてドラム4との間に栗Kを排出する排出部34を形成するカバー5と、ドラム4の周囲に突設され、ドラム4の回転に伴って受入部33から受入れた栗Kをカバー5の内周に沿って押上げ排出部34から排出する押上部材35とを備える。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転可能なドラムと、
該ドラムの一部周面を覆うように前記ドラムとの間に間隔をあけて配設され、前記ドラムの下部との間に被拾集物を受入れる受入部を形成するとともに、前記受入部より上方において前記ドラムとの間に被拾集物を排出する排出部を形成するカバーと、
前記ドラムの周囲に突設され、前記ドラムの回転に伴って前記受入部から受入れた被拾集物を前記カバーの内周に沿って押上げ前記排出部から排出する押上部材と、
を備えたことを特徴とする拾集機。
【請求項2】
前記排出部は、前記ドラムの上部に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の拾集機。
【請求項3】
前記排出部は、前記ドラムの後部に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の拾集機。
【請求項4】
前記押上部材は、先端部に、前記ドラムの回転方向に向けて延出して被拾集物を掬う掬い部材を備えたことを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の拾集機。
【請求項5】
前記受入部に被拾集物を案内するガイドと、
該ガイドの先端側に設けられた補助輪と、
を備えたことを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の拾集機。
【請求項6】
前記ドラムを移動させる一対の車輪を備え、
該車輪と前記ドラムを同軸に設けたことを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の拾集機。
【請求項7】
船体に取付けるための取付部と、
前記ドラムと同軸に設けられ、水面に浸漬される水車と、
を備え、
前記船体の推進に伴って前記水車の回転に連動して前記ドラムを回転させるように構成したことを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の拾集機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえば栗などを拾い集める拾集機に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の拾集機としては、種々のものが提案されている。
【0003】
たとえば特許文献1には、果実拾集回転体の果実挟持爪の間に果実を挟持し、後段のスクレーパで掻き落とす構成の拾集装置が開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、回転軸の軸周に設けた多数のピックアップ爪によって栗などを拾い上げ、集める構成の拾集装置が開示されている。
【0005】
さらに、特許文献3には、回転主軸の外周に突設された複数の羽根によって梅などをガイド部材上に掻き込む構成の作物収穫機が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実公昭52-32681号公報
【特許文献2】実公昭49-38206号公報
【特許文献3】特許第3538610号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1の拾集装置では、果実挟持爪の間に果実を挟持する構成であるため、果実を確実に挟持することができない場合がある。
【0008】
また、特許文献2の拾集装置では、ピックアップ爪によって拾いあげた栗などを起風翼板の働きによる唐箕の作用で起風胴の筒状部よりあおり出す構成であるため、起風させる構造が必要となる。
【0009】
さらに、特許文献3の作物収穫機では、複数の羽根によって梅などをガイド部材上に掻き上げ、傾斜の緩くなる直線部を通過させることで梅を跳ね上げないように構成されているため、勢いをつけて掻き上げる構造が必要となる。
【0010】
本発明は、上記事情に基づいてなされたもので、その目的とするところは、簡単な構造でありながら被拾集物を効果的に拾集することができる拾集機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明に係る拾集機は、回転可能なドラムと、ドラムの一部周面を覆うようにドラムとの間に間隔をあけて配設され、ドラムの下部との間に被拾集物を受入れる受入部を形成するとともに、受入部より上方においてドラムとの間に被拾集物を排出する排出部を形成するカバーと、ドラムの周囲に突設され、ドラムの回転に伴って受入部から受入れた被拾集物をカバーの内周に沿って押上げ排出部から排出する押上部材とを備えたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る拾集機によれば、簡単な構造でありながら被拾集物を効果的に拾集することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図面は、本発明の特定の実施の形態を示し、発明の不可欠な構成ばかりでなく、選択的及び好ましい実施の形態を含む。
【
図1】本発明の第1実施形態に係る拾集機を示す斜視図。
【
図5】同拾集機における押上げ部材の変形例を示す断面図。
【
図6】同拾集機における押上げ部材の他の変形例を示す断面図。
【
図7】同拾集機における押上げ部材のさらに他の変形例を示す断面図。
【
図8】本発明の第2実施形態に係る拾集機の要部を示す斜視図。
【
図10】本発明の第3実施形態に係る拾集機を示す斜視図。
【
図12】本発明の第4実施形態に係る拾集機を示す斜視図。
【
図14】本発明の第5実施形態に係る拾集機を示す斜視図。
【
図17】本発明の第6実施形態に係る拾集機を一部断面にして示す側面図。
【
図18】本発明の第7実施形態に係る拾集機を一部断面にして示す側面図。
【
図19】本発明の第8実施形態に係る拾集機を一部断面にして示す側面図。
【
図20】本発明の第9実施形態に係る拾集機を一部断面にして示す側面図。
【
図21】本発明の第10実施形態に係る拾集機を一部断面にして示す側面図。
【
図22】本発明の第11実施形態に係る拾集機を一部断面にして示す側面図。
【
図23】本発明の第12実施形態に係る拾集機を一部断面にして示す側面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
<第1実施形態>
以下、本発明の第1実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0015】
図1中符号1は、たとえば栗(被拾集物)Kなどを拾い集める拾集機を示している。
【0016】
この拾集機1は、車軸2に軸支された一対の車輪3,3を有している。
【0017】
この車輪3,3間には車軸2に軸支されたドラム4が設けられている。
【0018】
すなわち、ドラム4は、車輪3,3と同軸に設けられ、車輪3,3の回転に連動して回転するようになっている。
【0019】
このドラム4の周囲には、カバー5が設けられている。
【0020】
カバー5の前方には、車軸2およびカバー5を支持するフレーム6が設けられている。
【0021】
このフレーム6には、拾集機1を押して前方へ進めるための手押しハンドル7が取り付けられている。
【0022】
また、フレーム6の前方には、栗Kを集める一対のガイド8,8が設けられている。
【0023】
このガイド8,8上には、拾集された栗Kを収容する収容籠9が載置できるようになっている。
【0024】
なお、この収容籠9は、紐などの索状体10によってハンドル7に固定されるようになっている。
【0025】
フレーム6は、
図2に示すように、車軸2を回転自在に支持する一対の水平フレーム11,11を有している。
【0026】
この水平フレーム11,11は、車軸3から前方に伸びていて、前部には一対のL字フレーム12、12を介して一対の垂直フレーム13,13が連結されている。
【0027】
この垂直フレーム13,13は、上部および下部において水平に配設された上連結フレーム14および下連結フレーム15によって連結されている。
【0028】
垂直フレーム13,13には、ガイド8が支持されている。
【0029】
このガイド8は、垂直フレーム13,13にヒンジ16,16を介して水平方向に回動可能に取付けられたガイドフレーム17,17を有している。
【0030】
このガイドフレーム17,17は、角度調整フレーム18,18によって前方に対する開き角度が調整できるようになっている。
【0031】
すなわち、各角度調整フレーム18は、垂直フレーム13にヒンジ19を介して回動可能に取付けられた固定側スライドフレーム20と、ガイドフレーム17にヒンジ21を介して回動可能に取付けられた可動側スライドフレーム22とを有している。
【0032】
そして、固定側スライドフレーム20と可動側スライドフレーム22とがスライド可能に嵌合され、留め具23によって所定位置で固定されることにより、ガイドフレーム17の開く角度が調整できるようになっている。
【0033】
ガイドフレーム17,17の先端側には補助輪24,24が取り付けられている。
【0034】
この補助輪24は、ガイドフレーム17を水平に保持するもので、ガイドフレーム17の先端に取付具25を介して取り付けられる基板26と、この基板26の下面に取付けられたキャスター27とを有している。
【0035】
そして、手押しハンドル7を前方へ押して拾集機1を前方へ進めたり、手押しハンドル7を左右に動かして拾集機1を左右に旋回させたりすると、キャスター27によってガイドフレーム17がスムーズに前進や旋回ができるようになっている。
【0036】
手押しハンドル7は、取付具58,58によって垂直フレーム13,13に取付けられている。
【0037】
この手押しハンドル7は、カバー5の前方から上方を通って後方へ延びていて、最後部にグリップ28が取り付けられている。
【0038】
そして、作業者Pが拾集機1の後方でグリップ28を把持して歩きながら栗Kの拾集ができるようになっている。
【0039】
カバー5は、
図3および
図4にも示すように、ドラム4の下部から上部までの後側半周を覆う半円筒部29と、半円筒部29の下部から水平に前方へ延出する下部延出部30と、半円筒部29の上部から水平に前方へ延出する上部延出部31と、両側部を塞ぐ側板部32,32とを有している。
【0040】
半円筒部29は、ドラム4の周面から所定間隔をあけて配設されている。
【0041】
また、カバー5は、下部延出部30とドラム4下部との間に栗Kを受入れる受入部33を形成するとともに、上部延出部31とドラム4上部との間に栗Kを排出する排出部34を形成するようになっている。
【0042】
ドラム4の周囲には、ドラム4の回転に伴って受入部33から受入れた栗Kをカバー5の内周に沿って押上げた後に排出部34から排出する押上部材35がたとえば120°間隔で3か所に突設されている。
【0043】
押上げ部材34は、ドラム4の周面に固定されたL字片36を有している。
【0044】
このL字片36には、栗Kを掬う掬い部材37がボルト38およびナット39によって取付けられている。
【0045】
この掬い部材37は、ドラム4の径方向外方へ延出し、ドラム4の幅方向に亘ってかつ先端がカバー5の内周面に近接するように取付けられ、先端とカバー5内周面との隙間を調整できるようになっている。
【0046】
なお、この隙間を調整することにより、栗K以外のたとえばボールや落下物などの被拾集物の拾集に対応できるようになっている。
【0047】
また、掬い部材37の材質は、鋼材、樹脂、ゴム、スポンジ、ブラシ、番線など、被拾集物に応じて変更することができるようなっている。
【0048】
このように構成された拾集機1は、作業者Pが地面Aに落ちた栗Kに向けて手押しハンドル7を押すと、栗Kがガイド8,8によって受入部33近傍に集められながらドラム4下部の受入部33からドラム4とカバー5との隙間に受け入れられる。
【0049】
受入部33から受入れられた栗Kは、ドラム4の回転に伴って押上部材35によってカバー5の内周に沿って押上げられ、排出部34から排出される。
【0050】
ここで、押上部材35がドラム4の上部に位置すると、栗Kはドラム4の上部周面から前方へ滑落し、あるいは投げ出され、収容籠9内に収容される。
【0051】
以上の構成によれば、栗Kをドラム4の下部から上部へ押上げ、上部から前方へ滑落させ、あるいは投げ出し、収容籠9内に収容するように構成したので、地面Aに落ちた栗Kを簡単な構造でありながら効果的に拾集することができる。
【0052】
なお、押上部材35の掬い部材37は、ドラム4の径方向外方へ延出する形状としたが、
図5に示すように、先端がドラム4の回転方向に向けて延出するL字状に形成してもよい。
【0053】
また、掬い部材37の材質は、鋼材、樹脂、ゴム、スポンジ、ブラシ、番線などとしたが、
図6および
図7に示すように、掬い部材37は、L字片36に取付けられる基端部材40と、この基端部材40の先端に固定された先端部材41とで構成し、先端部材41のみ鋼材、樹脂、ゴム、スポンジ、ブラシ、番線などとしてもよい。なお、
図6は、先端部材41を直線状、
図7は、先端部材41をL字状に形成した例を示している。
【0054】
<第2実施形態>
以下、本発明の第2実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0055】
上述の第1実施形態では、ドラム4は車輪2に連動するように構成したが、本実施形態では、
図8および
図9に示すように、ドラム4はモータ42によって回転駆動するように構成されている。
【0056】
すなわち、ドラム4は車軸2に回転自在に取付けられ、このドラム4の一端側には従動プーリ43が取り付けられている。
【0057】
一方、カバー5にはモータ42が固定され、このモータ42には駆動プーリ44が取付けれている。
【0058】
駆動プーリ44と従動プーリ43とのには伝達ベルト45が掛け渡されている。
【0059】
このように構成することにより、栗Kを簡単な構造でありながら効果的に拾集することができるばかりか、車輪3の回転に関係なくドラム4を回転駆動することができる。
【0060】
<第3実施形態>
以下、本発明の第3実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0061】
上述の第1実施形態では、拾集機1は手押しハンドル7で押して前進させる構成としたが、本実施形態では、
図10および
図11に示すように、拾集機1は動力車46を連結した構成となっている。
【0062】
すなわち、拾集機1は、後部に連結部47を介して連結される動力車46を備えている。
【0063】
この動力車46は、リモコン48によって遠隔操作するように構成されている。
【0064】
なお、本実施形態では、収容籠9は、留め具49によってフレーム6に取付けられるようになっている。
【0065】
このように構成することにより、簡単な構造でありながら効果的に拾集することができるだけでなく、栗Kの拾集作業を遠隔操作で容易に行うことができる。
【0066】
<第4実施形態>
以下、本発明の第4実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0067】
本実施形態では、
図12および
図13に示すように、拾集機1は、真空搬送装置50を備えている。
【0068】
すなわち、この真空搬送装置50は、収容籠9に収容された栗Kを動力車46に取付けられた大容量のボックス51にダクト52を介して搬送するようになっている。
【0069】
このように構成することにより、簡単な構造でありながら効果的に拾集することができるだけでなく、大量の栗Kを一度に拾集することができる。
【0070】
<第5実施形態>
以下、本発明の第5実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0071】
本実施形態では、
図14および
図15に示すように、拾集機1は、水面Wに浮遊する浮遊物(被拾集物)Hを拾集するもので、船体61のたとえば前部に装着するための取付部62を備えている。
【0072】
すなわち、取付部62は、船体61の船首に取付けられる一対の取付フレーム63,63を有し、この取付フレーム63,63は、たとえば船体61の縁を跨ぐように門型に形成されている。
【0073】
一方、拾集機1の垂直フレーム13,13にはそれぞれ、上下一対の取付アーム64,64が水平に取付けられている。
【0074】
そして、これら取付アーム64…が取付フレーム63,63に連結アーム65…によって連結されている。
【0075】
また、取付アーム64…の外側には一対の水車66,66がドラム4と同軸に設けられ、水車66,66の回転に連動してドラム4が回転するようになっている。
【0076】
この水車66,66は、下部が水面に浸漬するように設けられ、船体61の推進の伴って回転するように構成されている。
【0077】
さらに、真空搬送装置50がカバー5の上部に設けられ、収容籠9に収容された浮遊物Hをダクト52,52を介して船体61内の収容箱67に搬送するようになっている。
【0078】
このような構成によれば、船体61が推進すると水車66,66が回転し、これに伴ってドラム4が回転する。
【0079】
同時に、水面Wに浮遊する浮遊物Hがガイド8,8によってカバー5下部の受入部33に集められる。
【0080】
受入部33に受入れられた浮遊物Hは、押上部材35によってカバー5上部へ押上げられる。
【0081】
押上部材35がドラム4の上部に位置すると、浮遊物Hはドラム4の上部周面から前方へ滑落し、あるいは投げ出され、収容籠9内に収容される。
【0082】
収容籠9内の浮遊物Hは、真空搬送装置50によって船体61内の収容箱67へ搬送される。
【0083】
したがって、水面Wに浮遊する浮遊物Hを簡単な構造でありながら効果的に拾集することができる。
【0084】
なお、ドラム4は、水車66の代わりにモータによって回転駆動するようにしてもよい。
【0085】
<第6実施形態>
以下、本発明の第6実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0086】
本実施形態では、
図17に示すように、フレーム6は、ドラム4の後方に配置される後部フレーム71を有している。
【0087】
この後部フレーム71には、後方へ延出する連結ロッド72が取付けられている。
【0088】
また、この連結ロッド72には、回動可能な連結軸73を介して台車74が連結され、この台車73上には大容量のボックス75が載置可能になっている。
【0089】
また、後部フレーム71は、真空搬送装置76が取付けられている。
【0090】
この真空搬送装置76のダクト77は、吸込み側がドラム4の側方から収容籠9内まで延び、吐出し側がボックス75の上方まで延びている。
【0091】
そして、収容籠9内に収容された栗Kをボックス75へ真空搬送するようになっている。
【0092】
なお、収容籠9は、底面に傾斜が設けられ、真空搬送装置76の吸込み部分に栗Kが集まるようになっている。
【0093】
また、手押しハンドル7は、後部フレーム71に取付けられている。
【0094】
このように構成することにより、簡単な構造でありながら効果的に拾集することができるばかりか、手押しハンドル7を手押しするだけで台車74に載置したボックス75に大量の栗Kを一度に拾集することができる。
【0095】
<第7実施形態>
以下、本発明の第7実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0096】
上述の第6実施形態では、栗Kを収容籠9からボックス75へ搬送するのに真空搬送装置76を用いたが、本実施形態では、
図18に示すように、オーガ81によって収容籠9内の栗Kをボックス75へ搬送するように構成されている。
【0097】
すなわち、オーガ81は、ドラム4の側方に傾斜して配置された円筒体82内に配置され、モータ83によって回転されるようになっている。
【0098】
円筒体82は、傾斜下端が収容籠9内に配置され、傾斜上端がボックス75の上方に配置されている。
【0099】
そして、オーガ81の回転に伴って収容籠9内の栗Kをボックス75へ搬送するようになっている。
【0100】
このように構成しても、簡単な構造でありながら効果的に拾集することができるばかりか、手押しハンドル7を手押しするだけで台車74に載置したボックス75に大量の栗Kを一度に拾集することができる。
【0101】
<第8実施形態>
以下、本発明の第8実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0102】
上述の第7実施形態では、栗Kを収容籠9からボックス75へ搬送するのにオーガ82を用いたが、本実施形態では、
図19に示すように、ベルトコンベア91によって収容籠9内の栗Kをボックス75へ搬送するように構成されている。
【0103】
すなわち、ベルトコンベア91は、ドラム4の側方に傾斜して配置された筒状体92内に配置され、モータ93によって駆動されるようになっている。
【0104】
筒状体82は、傾斜下端が収容籠9内に配置され、傾斜上端がボックス75の上方に配置されている。
【0105】
そして、ベルトコンベア91の回転に伴って収容籠9内の栗Kをボックス75へ搬送するようになっている。
【0106】
このように構成しても、簡単な構造でありながら効果的に拾集することができるばかりか、手押しハンドル7を手押しするだけで台車74に載置したボックス75に大量の栗Kを一度に拾集することができる。
【0107】
<第9実施形態>
以下、本発明の第9実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0108】
上述の第1~第8実施形態では、排出部34をドラム4の上部に設け、ドラム4の前方に栗Kを排出するようにしたが、本実施形態では、
図20に示すように、排出部34をドラム4の後部に設け、ドラム4の後方に栗Kを排出するようになっている。
【0109】
すなわち、ドラム4の下部から後部の一部までを覆うようにカバー101がドラム4との間に間隔をあけて配置され、このカバー101と、ドラム4の下部との間に受入部33が、ドラム4の後部との間に排出部34が、それぞれ形成される構成となっている。
【0110】
また、ドラム4の後方に設けられた後部フレーム102には収容籠9が設けられている。
【0111】
そして、受入部33から受入れられた栗Kは、ドラム4の回転に伴って排出部34からドラム4後方の収容籠9へ排出される。
【0112】
このような構成によれば、簡単な構造でありながら効果的に拾集することができるばかりか、さらに構造の簡単化が図れる。
【0113】
<第10実施形態>
以下、本発明の第10実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0114】
本実施形態では、上述の第6実施形態と同様に、
図21に示すように、台車73を連結し、収容籠9に収容された栗Kを真空搬送装置103によりダクト104を通ってボックス75に搬送するようになっている。
【0115】
この場合、収容籠9とボックス75が近くに配置されるため、真空搬送装置103のダクト104を短く構成することができる。
【0116】
このように構成しても、簡単な構造でありながら効果的に拾集することができるばかりか、さらに構造の簡単化が図れる。
【0117】
<第11実施形態>
以下、本発明の第11実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0118】
上述の第10実施形態の真空搬送装置103の代わりに、本実施形態では、
図22に示すように、オーガ111を用いた構成となっている。
【0119】
すなわち、ドラム4の後方の排出部34から排出された栗Kをモータ112によって円筒体113内で回転駆動されるオーガ111によってボックス75に搬送するようになっている。
【0120】
このように構成しても、簡単な構造でありながら効果的に拾集することができるばかりか、さらに構造の簡単化が図れる。
【0121】
<第12実施形態>
以下、本発明の第12実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0122】
上述の第11実施形態のオーガ111の代わりに、本実施形態では、
図23に示すように、ベルトコンベア121を用いた構成となっている。
【0123】
すなわち、ドラム4の後方の排出部34から排出された栗Kをモータ122によって筒状体123内で回転駆動されるベルトコンベア121によってボックス75に搬送するようになっている。
【0124】
このように構成しても、簡単な構造でありながら効果的に拾集することができるばかりか、さらに構造の簡単化が図れる。
【0125】
なお、本発明では、以上の実施形態のように、ドラム4は、地面または水面から回転力を得る他、動力を用いて回転数・回転力を調整することが可能であり、ドラム4の取付は、動力源の前方や後方の他、側方での装着や牽引も可能である。
【0126】
以上に記載した本発明に関する開示は、少なくとも下記事項に要約することができる。
【0127】
すなわち、本発明に係る拾集機は、回転可能なドラムと、ドラムの一部周面を覆うようにドラムとの間に間隔をあけて配設され、ドラムの下部との間に被拾集物を受入れる受入部を形成するとともに、受入部より上方においてドラムとの間に被拾集物を排出する排出部を形成するカバーと、ドラムの周囲に突設され、ドラムの回転に伴って受入部から受入れた被拾集物をカバーの内周に沿って押上げ排出部から排出する押上部材とを備えたことを特徴とする。
【0128】
上記本発明は、少なくとも下記実施形態を含むことができる。該実施形態は、分離して又は互いに組み合わせて採択することができる。
【0129】
(1)排出部は、ドラムの上部に設ける。
【0130】
(2)排出部は、ドラムの後部に設ける。
【0131】
(3)押上部材は、先端部に、ドラムの回転方向に向けて延出して被拾集物を掬う掬い部材を備える。
【0132】
(4)拾集機は、受入部に被拾集物を案内するガイドと、ガイドの先端側に設けられた補助輪とを備える。
【0133】
(5)拾集機は、ドラムを移動させる一対の車輪を備え、車輪とドラムを同軸に設ける。
【0134】
(6)拾集機は、船体に取付けるための取付部と、ドラムと同軸に設けられ、水面に浸漬される水車とを備え、記船体の推進に伴って水車の回転に連動してドラムを回転させるように構成する。
【符号の説明】
【0135】
K 被拾集物(栗)
1 拾集機
3 車輪
4 ドラム
5 カバー
8 ガイド
24 補助輪
33 受入部
34 排出部
35 押上部材
37 掬い部材
61 船体
62 取付部
66 水車
W 水面