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▶ ▲高▼井産業株式会社の特許一覧

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  • 特開-低床カゴ台車 図1
  • 特開-低床カゴ台車 図2
  • 特開-低床カゴ台車 図3A
  • 特開-低床カゴ台車 図3B
  • 特開-低床カゴ台車 図4
  • 特開-低床カゴ台車 図5
  • 特開-低床カゴ台車 図6
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023066325
(43)【公開日】2023-05-15
(54)【発明の名称】低床カゴ台車
(51)【国際特許分類】
   B62B 3/00 20060101AFI20230508BHJP
【FI】
B62B3/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2021189708
(22)【出願日】2021-10-28
(71)【出願人】
【識別番号】516046709
【氏名又は名称】▲高▼井産業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】楊 振華
(72)【発明者】
【氏名】蒲原 利明
【テーマコード(参考)】
3D050
【Fターム(参考)】
3D050AA01
3D050BB02
3D050DD03
3D050EE08
3D050EE15
(57)【要約】
【課題】エレベーター扉(開高規格2M)が、重量長物に干渉して少量ずつの荷物しか搬送出来なかった。
そこで本発明は搬送機能に優れたカゴ台車及びこのカゴ台車に使用する底板の提供を目的とする。
【解決手段】 この目的を達成するため、本発明のカゴ台車は、運ぶ荷物を支持するための底板と、この底板の外周位置に取り付けられた複数のキャスターと、底板の上側に配置された格子状または網状の側壁部と、を備え、前記底板には前記キャスターとの干渉を避けるように運ぶ荷物の下端部を納めるための収納凹部が形成されていることを特徴とするものである。例えば収納凹部は底板中央部の約6割を地面近くまで窪ませて形成し、エレベーター扉(開高規格2M)でも重量長物を搬送出来る様にすることができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カゴ台車であって、
運ぶ荷物を支持するための底板と、
この底板の外周位置に取り付けられた複数のキャスターと、
底板の上側に配置された格子状または網状の側壁部と、を備え、
前記底板には前記キャスターとの干渉を避けるように運ぶ荷物の下端部を納めるための収納凹部が形成されていることを特徴とするカゴ台車。
【請求項2】
前記底板の前記収納凹部は、前記キャスターの車輪部の旋回範囲の内側に位置するように設けられていることを特徴とする請求項1に記載のカゴ台車。
【請求項3】
前記底板の前記収納凹部は前方で開口していて、この開口部を横切る、またはこの開口部の上側を通過するストッパーが取り外しまだは退避可能に設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のカゴ台車。
【請求項4】
前記底板の前記収納凹部は、前記キャスター間に位置する幅方向の拡張部を有していることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のカゴ台車。
【請求項5】
前記底板の前記収納凹部には水抜き穴が形成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のカゴ台車。
【請求項6】
前記底板の外周部には組み立て用のピン孔が形成され、前記側壁部には組み立て用のピンが設けられていて、前記側壁部の組み立ては前記組み立て用のピンを前記組み立て用のピン孔に差し込むことにより行われることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のカゴ台車。
【請求項7】
格子状または網状の側壁部を備え、下端部に複数のキャスターを有するカゴ台車に用いる底板であって、前記キャスターとの干渉を避けるように運ぶ荷物の下端部を納めるための凹部が形成されていることを特徴とする底板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
背の高い荷物を搬送する場に好適なカゴ台車に関する。
【背景技術】
【0002】
重量長物の荷物を大量に搬送する場合に使われる台車である。
カゴ台車とは、3方向を格子状、または網状のスチール製の枠で囲われた台車のことを指し、一般的に底にはキャスターが付いており、搬送を行うことができる。格子があることによって荷崩れが起こりにくく、高さがあるものや数が多いものでも安定して運ぶことができます。また、荷物の仕分け場などで使用されることもある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
エレベーター扉(開高規格2M)が、重量長物に干渉して少量ずつの荷物しか搬送出来なかった。
そこで本発明は搬送機能に優れたカゴ台車及びこのカゴ台車に使用する底板の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
1.この目的を達成するため、本発明のカゴ台車は、運ぶ荷物を支持するための底板と、この底板の外周位置に取り付けられた複数のキャスターと、底板の上側に配置された格子状または網状の側壁部と、を備え、前記底板には前記キャスターとの干渉を避けるように運ぶ荷物の下端部を納めるための収納凹部が形成されていることを特徴とするものである。例えば収納凹部は底板中央部の約6割を地面近くまで窪ませて形成し、エレベーター扉(開高規格2M)でも重量長物を搬送出来る様にすることができる。
2.前記底板の前記収納凹部は、前記キャスターの車輪部の旋回範囲の内側に位置するように設けられていることを特徴とするカゴ台車。
3.前記底板の前記収納凹部は前方で開口していて、この開口部を横切る、またはこの開口部の上側を通過するストッパーが取り外しまだは退避可能に設けられていることを特徴とするカゴ台車。
4.前記底板の前記収納凹部は前方で開口していて、この開口部を横切る、またはこの開口部の上側を通過するストッパーが取り外しまだは退避可能に設けられていることを特徴とするカゴ台車。
5.前記底板の前記収納凹部は、前記キャスター間に位置する幅方向の拡張部を有していることを特徴とするカゴ台車。
6.前記底板の前記収納凹部には水抜き穴が形成されていることを特徴とするカゴ台車。
7.前記底板の外周部には組み立て用のピン孔が形成され、前記側壁部には組み立て用のピンが設けられていて、前記側壁部の組み立ては前記組み立て用のピンを前記組み立て用のピン孔に差し込むことにより行われることを特徴とするカゴ台車。
【0005】
また、この目的を達成するため、本発明のカゴ台車の底板は、格子状または網状の側壁部を備え、下端部に複数のキャスターを有するカゴ台車に用いる底板であって、前記キャスターとの干渉を避けるように運ぶ荷物の下端部を納めるための凹部が形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
例えば、床板中央部の約6割を地面近くまで窪ませて、重量長物を搬送出来るようにした事で、重量長物を現状の搬送量を例えば2倍にするなど増量できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明のカゴ台車全体を示す斜視図である。
図2】本発明のカゴ台車のフレーム及びキャスターを示す分解斜視図である。
図3A】本発明の低底板を示す図である。
図3B】本発明の低底板を下から見た図である。
図4】本発明で、キャスター間の低底板窪み面積を広げる図である。
図5】本発明の低底板を取り外して、小型に収納した状態を示す図である。
図6】本発明の低底板カゴ台車を一般的カゴ台車と比較をする図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1及び2は、本発明に係る低底板カゴ台車の実施形態を示す。図に示すように、本実施形態の低底板カゴ台車4、左面フレーム4-1、後面フレーム4-2、右面フレーム4-3は、丸パイプ・丸棒・アングル・フラットバーを溶接接合で枠(側壁部)を構成していて、6個の連結クランプ3でカゴ台車4.左面フレーム4-1、後面フレーム4-2、右面フレーム4-3を一体化している。
カゴ台車4の下側には4つのキャスター6が設けられているが、キャスター6は左面フレーム4-1の前後、右面フレーム4-3の前後に取り付けられている。
【0009】
図3A図3B図4に示すように、金属の低底板5は溶接構造で、金属鉄板を曲げて製作し、剛性を高めるために角パイプ4本(図示せず)で補強の梁を追加して溶接している。表面は、サビないように亜鉛メッキをしている。水が溜まってサビないように、水抜きの穴12が中央・四隅にある。低底板5は、組み立て脱着を簡単にするため、フレーム側にある差し込みピン9、10、11を低底板5側の差し込み穴13に入れるだけになっている。低床板5をフレーム本体側に簡単に組み付ける様に、低底板5の四隅にフレームパイプの干渉ニゲ8を構成している。組み立て時にフレームのパイプがこの干渉ニゲ8に収まるように構成されている。防錆対策で、溶融亜鉛メッキ(ドブツケ)を行っている。補強の角パイプ内部まで防錆を行うために角パイプ下面に穴を開けている。
【0010】
低底板5は図3Aに示すように外周にフレーム取り付け用のフランジを有し、中央に前方開口の凹部7が形成されているものであり、凹部7の前方開口部7-2の上側をストップバーB2が通過するようになっている。このストップバーB2は荷物を取り出すときに取り外しできるようになっている。なお、左面フレーム4-1、右面フレーム4-3の高さ方向中間にはストップバーA1が揺動して退避可能に設けられている。
【0011】
図4は、カゴ台車4本体奥行きを広げる際、すなわち前後のキャスター6間が広がる場合、窪み7を幅方向両側で前後キャスター6間に入り込むように拡大部7-1を設けて拡大した場合を示している。
【0012】
図2及び図3A図3Bにより、低底板5の組付けは差し込み式にして工具なしで簡単に組付けることが出来る様にした。低底板カゴ台車4が不要な時は、左面フレーム4-1、後面フレーム4-2、右面フレーム4-3から低底板5を取り外して、4個のキャスター6が取り付けられている、左面フレーム4-1、後面フレーム4-2、右面フレーム4-3を自立で折り畳むことが出来る。
【0013】
ビル建設現場の仮設足場施工で、アンチ・単管パイプ(約1.9M)が大量に使われているが、狭いエレベーター扉の最小高が(2M)と規格制限があり数十回に分けて手作業運搬で行われていたため重労働及び運搬時間が長く必要であったが、今回の発明で、低底板5で作業工数が激減した。
【符号の説明】
【0014】
1 ストップバーA
2 ストップバーB
3 連結クランプ
4 カゴ台車
4-1 左面フレーム
4-2 後面フレーム
4-3 右面フレーム
5 低底板
6 キャスター
7 窪み
7-1 拡大部
7-2 前方開口部
8 フレームパイプの干渉ニゲ
9、10、11 差し込みピン
12 水抜きの穴
13 差し込み穴
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6