(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023066399
(43)【公開日】2023-05-15
(54)【発明の名称】感知デバイスのセンサアセンブリ
(51)【国際特許分類】
G01L 9/00 20060101AFI20230508BHJP
【FI】
G01L9/00 303K
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022170357
(22)【出願日】2022-10-25
(31)【優先権主張番号】17/513024
(32)【優先日】2021-10-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】510225465
【氏名又は名称】メジャメント スペシャリティーズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100100077
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 充
(74)【代理人】
【識別番号】100136010
【弁理士】
【氏名又は名称】堀川 美夕紀
(74)【代理人】
【識別番号】100130030
【弁理士】
【氏名又は名称】大竹 夕香子
(74)【代理人】
【識別番号】100203046
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 聖子
(72)【発明者】
【氏名】クリス ワグナー
(72)【発明者】
【氏名】クゥーヂィン ウァン
【テーマコード(参考)】
2F055
【Fターム(参考)】
2F055AA05
2F055BB20
2F055CC60
2F055DD04
2F055EE13
2F055FF45
2F055GG25
(57)【要約】 (修正有)
【課題】感知デバイスのセンサアセンブリに関する。センサは、小型で壊れやすく、センサを損傷させることなくカテーテルに装着することは難しい。
【解決手段】感知デバイス(1)は、本体(20)を貫通する受入通路(22)を有する本体(20)と、キャリア(100)およびキャリア(100)に取り付けられたセンサ(200)を有するセンサアセンブリ(10)とを備える。キャリア(100)は、近位端(102)から遠位端(104)へ長手方向(L)に沿って延びるベース壁と、ベース壁から延びる一対の側壁(140)とを有する。センサ(200)は、一対の側壁(140)間でベース壁に取り付けられている。キャリア(100)は、ベース壁の遠位端(104)側に引張デバイス(132)を有し、引張デバイス(132)により、センサアセンブリ(10)は、受入通路(22)に引き込まれ、受入通路(22)に沿って長手方向(L)に引っ張られる。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサアセンブリ(10)であって、
前記センサアセンブリ(10)は、
- ベース壁(110)および前記ベース壁(110)から延びる一対の側壁(140)を有するキャリア(100)であって、前記一対の側壁(140)の各々は、第1の側部(152)と、前記キャリア(100)の長手方向(L)に沿って前記第1の側部(152)から延びる第2の側部(156)との間に、側段部(150)を有する、キャリア(100)と、
- 前記一対の側壁(140)間で前記ベース壁(110)に取り付けられたセンサ(200)であって、前記センサ(200)のセンサダイ(210)が、前記長手方向(L)に垂直な幅方向(W)において、前記第1の側部(152)から第1の横方向間隙距離(G1)だけ離間し、前記第2の側部(156)から第2の横方向間隙距離(G2)だけ離間し、前記第2の横方向間隙距離(G2)は前記第1の横方向間隙距離(G1)よりも大きい、センサ(200)と、
を備える、
センサアセンブリ(10)。
【請求項2】
前記ベース壁(110)は、近位端(102)から遠位端(104)へ前記長手方向(L)に沿って延び、前記ベース壁(110)は、前記ベース壁(110)の感知開口部(118)によって前記長手方向(L)に沿って互いに分離された、前記近位端(102)側の後ベース部(120)と前記遠位端(104)側の前ベース部(130)とを有する、
請求項1に記載のセンサアセンブリ(10)。
【請求項3】
前記センサダイ(210)は、センサ接着剤(230)によって前記後ベース部(120)に取り付けられた固定部(212)と、前記固定部(212)から延び、かつ前記感知開口部(118)上に位置決めされた自由部(214)とを有する、
請求項2に記載のセンサアセンブリ(10)。
【請求項4】
前記後ベース部(120)は、前記近位端(102)側の第1のベース段部(124)と前記第1のベース段部(124)から延びる第2のベース段部(126)との間に、ベース段差(122)を有し、
前記第1のベース段部(124)は第1のベース厚さ(125)を有し、前記第2のベース段部(126)は第2のベース厚さ(127)を有し、
前記第1のベース厚さ(125)は、前記第2のベース厚さ(127)よりも大きく、
前記固定部(212)は、前記第2のベース段部(126)に配置されている、
請求項3に記載のセンサアセンブリ(10)。
【請求項5】
前記キャリア(100)は、前記前ベース部(130)に引張デバイス(132)を有する、
請求項2に記載のセンサアセンブリ(10)。
【請求項6】
前記キャリア(100)は、前記後ベース部(120)にキャリア位置決めデバイス(170)を有する、
請求項2に記載のセンサアセンブリ(10)。
【請求項7】
前記キャリア(100)は、少なくとも部分的に半透明な材料から形成されている、
請求項1に記載のセンサアセンブリ(10)。
【請求項8】
前記キャリア(100)は、互いに嵌合可能な少なくとも一対の外殻(190)から形成され、
前記一対外殻(190)の各々は、前記一対の側壁(140)のうちの一方と、前記ベース壁(110)の一部とを有する、
請求項1に記載のセンサアセンブリ(10)。
【請求項9】
感知デバイス(1)であって、
前記感知デバイス(1)は、
- 本体(20)であって、前記本体(20)を貫通する受入通路(22)を有する、本体(20)と、
- キャリア(100)および前記キャリア(100)に取り付けられたセンサ(200)を含むセンサアセンブリ(10)と、
を備え、
前記キャリア(100)は、近位端(102)から遠位端(104)へ長手方向(L)に沿って延びるベース壁(110)と、前記ベース壁(110)から延びる一対の側壁(140)とを含み、
前記センサ(200)は、前記一対の側壁(140)間で前記ベース壁(110)に取り付けられ、
前記キャリア(100)は、前記ベース壁(110)の前記遠位端(104)側に引張デバイス(132)を有し、前記引張デバイス(132)により、前記センサアセンブリ(10)は、前記受入通路(22)に引き込まれ、前記受入通路(22)に沿って前記長手方向(L)に引っ張られる、
感知デバイス(1)。
【請求項10】
前記引張デバイス(132)は、前記ベース壁(110)を貫通するアイレット(134)、または前記ベース壁(110)の内側ベース面(112)から延びるフック(136)である、
請求項9に記載の感知デバイス(1)。
【請求項11】
前記キャリア(100)は、前記ベース壁(110)にキャリア位置決めデバイス(170)を有し、
前記本体(20)は、前記キャリア位置決めデバイス(170)と協働して、前記センサアセンブリ(10)を前記受入通路(22)に位置決めする本体位置決めデバイス(28)を有する、
請求項9に記載の感知デバイス(1)。
【請求項12】
前記キャリア位置決めデバイス(170)および前記本体位置決めデバイス(28)の周囲で、前記キャリア(100)と前記本体(20)との間に配置されたデバイス接着剤(30)をさらに備える、
請求項11に記載の感知デバイス(1)。
【請求項13】
前記キャリア位置決めデバイス(170)は、前記ベース壁(110)の外側ベース面(114)から延びるペグ(172)であり、
前記本体位置決めデバイス(28)は、前記本体(20)を貫通する凹部(29)であり、
前記ペグ(172)は、前記凹部(29)に係合する、
請求項11に記載の感知デバイス(1)。
【請求項14】
前記キャリア位置決めデバイス(170)は、前記ベース壁(110)を貫通するアイレット(134)であり、
前記本体位置決めデバイス(28)は、前記本体(20)を貫通する凹部(29)であり、
前記アイレット(134)および前記凹部(29)を貫通するピン(40)をさらに備える、
請求項11に記載の感知デバイス(1)。
【請求項15】
前記側壁(140)の各々は、前記ベース壁(110)とは反対側の前記一対の側壁(140)の自由端部(144)に、成形された側縁部(146)を有し、前記成形された側縁部(146)は、前記受入通路(22)を形成する前記本体(20)の内面形状(24)に対応する、
請求項9に記載の感知デバイス(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、感知デバイスに関し、より詳細には、感知デバイスのセンサアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
人体の侵襲的処置および他の用途のためのカテーテルは、既存の処置を改善するために、または新しい処置を行うために、圧力センサを使用する。センサは、多くの場合、小型で壊れやすく、センサを損傷させることなくカテーテルに装着することは難しい。センサをカテーテルに挿入している際に、センサがカテーテルの壁に接触することにより、センサが損傷し、信頼性の低いセンサ性能をもたらすことがある。センサをカテーテルの適切な位置に取り付けることも難しい。用途によっては、センサをカテーテルに慎重に配置する前に、センサに接続された調整電子機器を最初に取り外さなければならず、その後、ワイヤを再び取り付けなければならない。ワイヤの複雑な再取付けにより、電気的接続の信頼性およびセンサからの信号の信頼性が低下する。
硬化および小さい空間における位置決めの制限により、センサをカテーテルに適切な向きで接着することも難しい。
【発明の概要】
【0003】
センサアセンブリは、ベース壁およびベース壁から延びる一対の側壁を有するキャリアと、一対の側壁間でベース壁に取り付けられたセンサとを備える。一対の側壁の各々は、第1の側部と、キャリアの長手方向に沿って第1の側部から延びる第2の側部との間に、側段部を有する。センサのセンサダイが、長手方向に垂直な幅方向において、第1の側部から第1の横方向間隙距離だけ離間し、第2の側部から第2の横方向間隙距離だけ離間している。第2の横方向間隙距離は第1の横方向間隙距離よりも大きい。
【0004】
以下で、添付図面を参照しながら、本発明を例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】一実施形態によるセンサアセンブリの斜視図である。
【
図2】センサアセンブリのキャリアの断面斜視図である。
【
図4】別の実施形態によるキャリアの上面図である。
【
図8】一対の外殻が互いに離れている状態の、別の実施形態によるセンサアセンブリの斜視図である。
【
図9】一対の外殻が互いに接続されている状態の、
図8のセンサアセンブリの斜視図である。
【
図10】一実施形態による感知デバイスの斜視図である。
【
図12】別の実施形態による感知デバイスの側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
以下で、添付図面を参照しながら、本開示の例示的な実施形態について詳細に説明する。図中、同一の参照数字は同一の要素を指す。しかしながら、本開示は、多くの異なる形態で具体化することができ、本明細書に記載の実施形態に限定されるものと解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が本開示の概念を当業者に伝えるように提供される。加えて、以下の詳細な説明において、説明の目的で、開示された実施形態の完全な理解をもたらすために、多くの具体的な詳細を述べる。しかしながら、1つまたは複数の実施形態は、これらの具体的な詳細なしで実施してもよいことが明らかである。
【0007】
明細書全体を通じて、「長手方向」、「幅」、および「鉛直方向」などの方向の記述を使用する。これらの記述は、説明を明確にするため、および様々な方向を区別するためのものに過ぎない。これらの方向の記述は、開示された要素のいかなる特定の向きを意味することも必要とすることもない。
【0008】
図面全体を通じて、図面を明確にするために、複数の同一の要素のうちの1つのみが図面に表示されていることがあるが、本明細書中の要素の詳細な説明は、図面に同様に現れる要素の各々に等しく当てはまる。
【0009】
一実施形態によるセンサアセンブリ10が、
図1、
図6、および
図7に示されている。センサアセンブリ10は、キャリア100と、キャリア100に取り付けられたセンサ200とを備える。
【0010】
図1~
図3に示すように、キャリア100は、近位端102から遠位端104へキャリア100の長手方向Lに沿って延びる。キャリア100は、近位端102と遠位端104との間に延びるベース壁110と、ベース壁110から長手方向Lに垂直な鉛直方向Vに延びる一対の側壁140とを含む。ベース壁110と一対の側壁140とは、
図1に示すセンサ受入空間160を画定する。
【0011】
図2および
図3に示すように、ベース壁110は、ベース壁110を鉛直方向Vに貫通する感知開口部118を有する。別の実施形態において、感知開口部118は、ベース壁110を鉛直方向Vに完全には貫通しない、センサ受入空間160に対向するベース壁110の凹部であってよい。ベース壁110は、近位端102側の後ベース部120と、感知開口部118によって後ベース部120から長手方向Lに沿って分離された、遠位端104側の前ベース部130とを有する。
【0012】
図2に示すように、後ベース部120は、近位端102側の第1のベース段部124と第1のベース段部124から延びる第2のベース段部126との間に、ベース段差122を有する。第1のベース段部124は、鉛直方向Vに沿って第1のベース厚さ125を有し、第2のベース段部126は、鉛直方向Vに沿って第2のベース厚さ127を有する。第1のベース厚さ125は第2のベース厚さ127よりも大きい。
【0013】
図2および
図3に示すように、前ベース部130は引張デバイス132を有する。
図2および
図3に示す実施形態において、引張デバイス132は、ベース壁110を鉛直方向Vに貫通するアイレット134である。図示の実施形態において、アイレット134は、ベース壁110を貫通する対称の円形通路である。他の実施形態において、アイレット134は、対称または非対称の形状を含む、ベース壁110を貫通する任意の他の形状の通路であってもよい。
【0014】
図4および
図5に示す別の実施形態において、前ベース部130の引張デバイス132は、ベース壁110の内側ベース面112から鉛直方向Vに延びるフック136であり、
図2、
図4、および
図5に示すように、ベース壁110は、内側ベース面112と、鉛直方向Vにおいて内側ベース面112とは反対側の外側ベース面114とを有する。
図4および
図5に示すフック136は例示的なものに過ぎず、他の実施形態において、フック136は、ベース壁110の内側ベース面112から鉛直方向Vに延びる任意の要素であってもよく、キャリア100に非対称または対称に位置決めされてもよく、任意の配置で位置決めされた単一のフック136または複数のフック136であってもよい。他の実施形態において、前ベース部130の引張デバイス132は、以下でより詳細に説明するように、外部要素によって係合して引っ張ることができる任意の他のタイプの凹部または突起であってもよい。
【0015】
図2に示すように、側壁140の各々は、ベース壁110の側に接続されたベース端部142と、鉛直方向Vにおいてベース端部142とは反対側の自由端部144とを有する。側壁140の各々は、第1の端部147から反対側の第2の端部148へ長手方向Lに沿って延びる。図示の実施形態において、第2の端部148は、鉛直方向Vおよび長手方向Lに対して傾斜した傾斜形状149を有する。
【0016】
図1に示すように、側壁140の各々は側段部150を有する。
図2に示すように、側段部150は、側壁140の第1の側部152と第2の側部156との間にある。第2の側部156は、第1の側部152から長手方向Lに沿って延びる。第1の側部152は、鉛直方向Vおよび長手方向Lに垂直な幅方向Wに第1の側部厚さ154を有する。第2の側部156は、幅方向Wに第2の側部厚さ158を有する。第1の側部厚さ154は第2の側部厚さ158よりも大きい。
【0017】
図1に示すように、自由端部144において、側壁140の各々は、センサ受入空間160から離れる方を向く側に、成形された側縁部146を有する。図示の実施形態において、成形された側縁部146は、自由端部144と交わる直線面取り部である。他の実施形態において、成形された側縁部146は湾曲した断面形状を有してもよい。
【0018】
図3に示すように、ベース壁110は、ベース壁110の外側ベース面114の幅方向W両側に、成形されたベース縁部116を有する。図示の実施形態において、成形されたベース縁部116の各々は、側壁140のうちの一方のベース端部142と交わる直線面取り部である。他の実施形態において、成形されたベース縁部116は湾曲した断面形状を有してもよい。一実施形態において、成形されたベース縁部116の形状は、成形された側縁部146の形状に対応する。別の実施形態において、成形されたベース縁部116と成形された側縁部146とが以下で説明する機能を果たすのであれば、成形されたベース縁部116の形状は、成形された側縁部146の形状と異なっていてもよい。別の実施形態において、成形されたベース縁部116および成形された側縁部146を省いてもよい。
【0019】
図2および
図3に示すように、キャリア100は、後ベース部120にキャリア位置決めデバイス170を有する。図示の実施形態において、キャリア位置決めデバイス170は、ベース壁110の外側ベース面114に配置され、かつ外側ベース面114から鉛直方向Vに延びるペグ172である。他の実施形態において、キャリア位置決めデバイス170は、外側ベース面114から延びる任意の他のタイプの突起であってもよい。図示の実施形態において、キャリア位置決めデバイス170は、外側ベース面114の略中央に位置決めされた単一のペグ172であり、他の実施形態において、キャリア位置決めデバイス170は、外側ベース面114に中央から外れてもしくは非対称に位置決めされた1つのペグ172であってもよく、または、外側ベース面114に対称もしくは非対称に位置決めされた複数のペグ172であってもよい。
さらなる実施形態において、例えば以下で説明するように、キャリア位置決めデバイス170は、ベース壁110を鉛直方向Vに貫通する凹部であってもよく、同様に、1つの凹部であっても複数の凹部であってもよく、対称または非対称に位置決めされてもよい。
【0020】
図1に示すように、センサ200は、センサダイ210と、センサダイ210に接続された複数のワイヤ220とを含む。一実施形態において、センサダイ210は圧力センサ、例えばピエゾ抵抗圧力感知ダイである。他の実施形態において、センサダイ210は、任意の他のタイプの圧力センサであってもよく、または、圧力に加えてもしくは圧力の代わりに他の性質を検出可能な任意のセンサであってもよい。ワイヤ220は、センサダイ210の信号をセンサアセンブリ10の外部の要素に伝送する複数の導体である。
【0021】
以下で、
図1、
図6、および
図7を参照しながら、センサアセンブリ10の組立てについてより詳細に説明する。
【0022】
図6および
図7に示すように、センサ200は、ベース壁110のセンサ受入空間160に側壁140間で取り付けられる。センサダイ210は、第2のベース段部126に配置された固定部212を有する。図示の実施形態において、固定部212は、ベース段部122に当接して、センサダイ210をセンサ受入空間160において長手方向Lに沿って位置付ける。
【0023】
図6および
図7に示すように、センサ接着剤230が、センサダイ210をキャリア100に取り付ける。センサ接着剤230は、センサダイ210の固定部212およびワイヤ220上に付着または供給される。図示の実施形態において、センサ接着剤230は、センサダイ210の周囲およびワイヤ220の下を
図7に示す位置まで流れ、その位置で、センサ接着剤230は、後ベース部120の内側ベース面112と固定部212との間に配置される。他の実施形態において、センサ接着剤230は、センサダイ210およびワイヤ220の上のみにとどまってもよく、または、後ベース部120の内側ベース面112と固定部212との間と、センサダイ210およびワイヤ220の上との両方に配置されてもよい。
【0024】
センサ接着剤230は、紫外光によって硬化可能なエポキシなどの、光によって硬化可能な任意のタイプの接着剤であってもよく、熱を加えることによって硬化可能な任意のタイプの接着剤であってもよく、または、化学触媒によって硬化可能な任意のタイプの接着剤であってもよい。センサ接着剤230は、硬化状態で、センサダイ210の固定部212とワイヤ220とをキャリア100に固定する。センサダイ210は、固定部212から延び、かつ感知開口部118上に位置決めされた自由部214を有する。
【0025】
図6に示すように、センサダイ210は、側壁140から幅方向Wに離間した位置に固定される。センサダイ210は、第1の側部152から幅方向Wに第1の横方向間隙距離G1だけ離間し、第2の側部156から幅方向Wに第2の横方向間隙距離G2だけ離間している。第2の横方向間隙距離G2は第1の横方向間隙距離G1よりも大きい。
図6に示す実施形態において、センサ接着剤230は、側壁140とセンサダイ210との間の第1の横方向間隙距離G1を有する領域に配置される。
図6に示す実施形態において、センサダイ210は、側壁140間で幅方向W中央に位置し、第1の横方向間隙距離G1は、センサダイ210の両側で同一であり、第2の横方向間隙距離G2は、センサダイ210の両側で同一である。
他の実施形態において、センサダイ210は、側壁140間で幅方向Wに中央から外れて位置決めされてもよく、第1の横方向間隙距離G1および第2の横方向間隙距離G2は、センサダイ210の幅方向Wの両側で異なっていてもよい。
【0026】
側壁140から第1の横方向間隙距離G1および第2の横方向間隙距離G2をおいてセンサダイ210を位置決めし、キャリア100の前壁を省くことにより、センサダイ210がキャリア100に接触することを防ぐ。第1の横方向間隙距離G1よりも大きい第2の横方向間隙距離G2は、センサダイ210の感知領域であるセンサダイ210の自由部214に位置合わせされる。キャリア100からの間隔をこのように維持することによって、センサダイ210の損傷を制限し、かつ/またはセンサダイ210からの出力誤差を制限することは、センサダイ210からの正確な測定値を保証するのに役立つ。
【0027】
図6および
図7に示すように、ワイヤ220は、センサダイ210から第1のベース段部124上に、かつキャリア100の近位端102の外に延びる。図示の実施形態のように、ワイヤ220は、センサ接着剤230によって、ベース壁110の内側ベース面112に固定されてもよい。図示の実施形態において、センサ接着剤230は、第1のベース段部124の一部に位置決めされる。別の実施形態において、センサ接着剤230は、第1のベース段部124の全体に付着されてもよく、キャリア100の近位端102まで、またはキャリア100の近位端102を越えて長手方向Lに延びる。
【0028】
図1~
図7に示す実施形態において、キャリア100は単一部品として一体に形成される。別の実施形態において、キャリア100は、同一の材料または異なる材料の複数の別々の部品から形成され、前述したキャリア100を形成するように互いに組み合わされてもよい。
【0029】
一実施形態において、キャリア100は、少なくとも部分的に半透明な材料、すなわち、ポリカーボネートなどの半透明材料または透明材料から形成される。キャリア100が少なくとも部分的に半透明な材料から形成される実施形態において、可視スペクトルの光または紫外光などのセンサ接着剤230を硬化可能な光をキャリア100に当てて、光がキャリア100の少なくとも部分的に半透明な材料を透過し、センサ接着剤230に到達するようにすることによって、センサ接着剤230を
図7に示す位置で硬化させることができる。
【0030】
別の実施形態において、キャリア100は不透明材料から形成されてもよい。本実施形態において、センサ接着剤230を硬化させる熱をセンサアセンブリ10に加えることによって、センサ接着剤230を
図7に示す位置で硬化させることができ、または、化学触媒、例えば2液型エポキシによって、センサ接着剤230を
図7に示す位置で硬化させることができる。
【0031】
図8および
図9に示す別の実施形態において、キャリア100は、互いに嵌合可能な一対の外殻190、191から形成される。
図8および
図9の実施形態において、キャリア100は2つの外殻190、191から形成されている。他の実施形態において、キャリア100は、3つ以上の外殻190、191から形成されてもよい。外殻190、191の各々は、単一部品として一体に形成され、前述したキャリア100の任意の材料から形成されてもよい。
【0032】
図8および
図9に示すように、外殻190、191の各々は、感知開口部118の一部を含むベース壁110の一部と、側壁140のうちの一方とを有する。
図8および
図9に示す実施形態において、外殻190、191の各々はまた、キャリア100の上壁182の一部と端壁184の一部とを有する。キャリア100が上壁182または端壁184を有していない、
図1~
図7の実施形態のような他の実施形態において、キャリア100が一対の外殻190、191から形成されてもよい。他の実施形態において、外殻190、191は、異なる方向に沿って分離されたキャリア100の異なる部分であってもよく、例えば、一方の外殻190が、ベース壁110の全体と感知開口部118とを有することができ、他方の外殻192が、少なくとも側壁140を有する蓋である。
【0033】
図8および
図9に示す実施形態において、外殻190、191のうちの一方がキャリア位置決めデバイス170を有する。他の実施形態において、キャリア位置決めデバイス170の一部が、外殻190、191の各々に位置決めされてもよい。図示の実施形態において、キャリア位置決めデバイス170はペグ172であり、他の実施形態において、キャリア位置決めデバイス170は、任意の他のタイプの突起または前述したベース壁110を貫通する凹部であってもよい。
【0034】
図8に示すように、外殻190、191の各々はロケート機構192(locating feature: 位置合わせ機構)を有する。図示の実施形態において、外殻190、191のうちの第1の外殻190は、ベース壁110の一部から延びるロケート突起194(locating protrusion: 位置合わせ突起)を有し、外殻190、191のうちの第2の外殻191は、ベース壁110の一部内へ延びるロケート凹部196(locating recess: 位置合わせ凹部)を有する。図示の実施形態において、ロケート突起194は単一の矩形形状の突起であり、ロケート凹部196は単一の矩形形状の凹部である。他の実施形態において、ロケート突起194は、丸い突起などの任意の他のタイプの突起であってもよく、ロケート凹部196は、ロケート突起194に対応する凹くぼみなどの任意の他のタイプの凹部であってもよい。
別の実施形態において、ロケート機構192のうちの一方が複数のロケート突起194を有してもよく、ロケート機構192のうちの他方が複数のロケート凹部196を有してもよい。
【0035】
センサアセンブリ10を形成するために、
図8に示すように、センサ200は最初に一方の外殻190のベース壁110に取り付けられる。センサ200は、
図6および
図7に関して詳細に説明したベース壁110の位置に取り付けられる。
【0036】
センサ200が一方の外殻190に取り付けられた状態で、外殻190、191を一緒に幅方向Wに沿って
図9に示す形成状態まで移動させることによってキャリア100が形成される。図示の実施形態において、ロケート機構192は互いに協働して、外殻190、191が形成状態で互いに対して適切な位置にあることを保証し、ロケート突起194はロケート凹部196内に延びる。ベース壁110、上壁182、および端壁184のそれぞれの一部などの外殻190、191の一部は、
図9に示すように互いに当接して、形成状態でキャリア100の壁110、182、184を形成する。外殻190、191を、接着剤、プラスチック溶接、または任意の他の取付け形態によって、
図9に示す形成状態で互いに取り付けることができる。
【0037】
一実施形態による感知デバイス1が、
図10および
図11に示されている。感知デバイス1は、本体20と、本体20に配置された、前述した実施形態によるセンサアセンブリ10とを備える。図面を明確にするために、
図10および
図11で、センサアセンブリ10のすべての要素を詳細に表示しているわけではなく、
図1~
図3、
図6、および
図7に関する上記のセンサアセンブリ10の参照数字および説明が、
図10および
図11に示すセンサアセンブリ10に等しく当てはまる。
【0038】
図10および
図11に示すように、本体20は、長手方向Lに沿って延び、長手方向Lに沿って本体20を貫通する受入通路22を有する。本体20の内面形状24が、受入通路22を形成し画定する。図示の実施形態において、本体20は、円形断面を有する円筒形部材であり、内面形状24は円形断面を有する。他の実施形態において、本体20は、正方形断面、矩形断面、または円以外の湾曲した断面などの任意の断面形状を有する管状部材であってもよく、内面形状24は、これに対応して任意の断面形状を有してもよい。
【0039】
図10および
図11に示すように、本体20は、本体20内に鉛直方向Vに延び、かつ受入通路22に連通する感知窓26を有する。感知窓26は、長手方向Lに沿った本体20の一部に沿って延びる。
【0040】
図11に示すように、本体20は、鉛直方向Vに沿って感知窓26の一部の反対側に本体位置決めデバイス28を有する。図示の実施形態において、本体位置決めデバイス28は、本体20を貫通する凹部29である。図示の実施形態において、本体位置決めデバイス28は、長手方向Lに沿って本体20の略中央に位置決めされた単一の凹部29である。他の実施形態において、本体位置決めデバイス28は、本体20に中央から外れて位置決めされた1つの凹部29であってもよく、または本体20に対称または非対称に位置決めされた複数の凹部29であってもよい。他の実施形態において、本体位置決めデバイス28は、本体20から受入通路22内に鉛直方向Vに沿って延びる突起であってもよく、同様に、1つの突起または複数の突起であっても、対称または非対称に位置決めされてもよい。
【0041】
以下で、
図10および
図11に関して、センサアセンブリ10を本体20に装着して感知デバイス1を形成することについて、より詳細に説明する。
【0042】
図1~
図9に関して前述した実施形態のいずれかとして形成されたセンサアセンブリ10は、本体20の受入通路22の端部に位置決めされる。キャリア100の遠位端104側の引張デバイス132に、工具が取り付けられる。工具は、
図10および
図11に示す実施形態において引張デバイス132として形成されたアイレット134を通る、または他の方法でアイレット134に係合するワイヤまたは突起であってよい。
図4および
図5に示し前述した、引張デバイス132がフック136である別の実施形態において、工具は、フック136に係合するワイヤまたは留め具であってもよい。
【0043】
センサアセンブリ10は、引張デバイス132により、工具を使用して、受入通路22に引き込まれ、受入通路22に沿って長手方向Lに引っ張られる。側壁140の成形された側縁部146とベース壁110の成形されたベース縁部116とは、本体20の内面形状24に対応するように形成され、キャリア100が、著しく妨げられることなく、受入通路22に嵌入し、受入通路22に沿って移動できるようになっている。
【0044】
引張デバイス132によりセンサアセンブリ10を本体20に引き込むことによって、キャリア100に引張力を加えることによるセンサダイ210への損傷を制限する。さらに、キャリア100が受入通路22に嵌入するので、センサアセンブリ10が移動するときに、キャリア100は、センサダイ210を本体20との接触から保護する。引張デバイス132を使用してセンサアセンブリ10を移動させることによって、ワイヤ220をセンサダイ210およびセンサ調整電子機器に接続されたままにすることもでき、追加のステップにより組立てプロセスが複雑になることを防ぐ。
【0045】
図11に示すように、センサアセンブリ10は、キャリア位置決めデバイス170が本体位置決めデバイス28に到達するまで、受入通路22に沿って引っ張られる。キャリア位置決めデバイス170は、本体位置決めデバイス28と協働して、センサアセンブリ10を受入通路22の装着位置Iに位置決めする。図示の実施形態において、ペグ172として具体化されたキャリア位置決めデバイス170は、凹部29として具体化された本体位置決めデバイス28に係合する。別の実施形態において、本体位置決めデバイス28は、受入通路22内に延びるペグであってもよく、キャリア位置決めデバイス170は、ペグを受け入れる凹部であってもよい。キャリア位置決めデバイス170と本体位置決めデバイス28とが各々複数の要素である実施形態において、キャリア位置決めデバイス170と本体位置決めデバイス28とは、同数の要素を有し、要素は位置が個々に対応して互いに係合する。
【0046】
図12に示す別の実施形態において、キャリア位置決めデバイス170は、ベース壁110を貫通するアイレット134である。本実施形態において、アイレット134が鉛直方向Vに沿って本体位置決めデバイス28の凹部29に位置合わせされると、ピン40が挿入されて、凹部29およびアイレット134を貫通し、センサアセンブリ10を装着位置Iに固定する。他の実施形態において、ベース壁110の他の場所に位置決めされたアイレットまたは通路が、ピン40を受け入れてもよい。
【0047】
センサアセンブリ10が受入通路22の装着位置Iに配置されると、
図11および
図12に示すように、デバイス接着剤30が塗布されて、センサアセンブリ10を装着位置Iに固定する。デバイス接着剤30は、キャリア位置決めデバイス170および本体位置決めデバイス28の周囲で、キャリア100と本体20との間に配置される。デバイス接着剤30は、エポキシまたは任意の他のタイプの接着剤であってよく、可視スペクトルの光もしくは紫外光を含む光、熱、または化学触媒によって硬化可能であってよい。キャリア位置決めデバイス170と本体位置決めデバイス28との係合により、キャリア100とキャリア100によって保持されたセンサ200とが、デバイス接着剤30の塗布前に本体20内に適切に位置決めされることを保証する。
【0048】
一実施形態において、感知デバイス1は、医療用に使用されるカテーテルの一部である。本実施形態において、センサダイ210を使用して、感知窓26を通って受入通路22に入ることによりセンサダイ210に接触する流体の圧力を検出することができ、センサダイ210は、圧力を表す信号をワイヤ220に沿って伝送することができる。他の実施形態において、感知デバイス1は、別のタイプの医療デバイスであってもよく、または、圧力もしくは他の計測値を測定するためにセンサ200を本体20に配置する必要がある任意のデバイスの一部であってもよい。
【外国語明細書】