(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023066408
(43)【公開日】2023-05-15
(54)【発明の名称】補強リングを有する傾斜先端拡張可能なマウスカテーテル
(51)【国際特許分類】
A61B 17/22 20060101AFI20230508BHJP
【FI】
A61B17/22 528
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022172243
(22)【出願日】2022-10-27
(31)【優先権主張番号】17/513,347
(32)【優先日】2021-10-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.KEVLAR
(71)【出願人】
【識別番号】515248931
【氏名又は名称】ニューラヴィ・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ペトリカ・ステファノフ
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160EE22
4C160MM36
4C160MM37
(57)【要約】 (修正有)
【課題】物体を回収することができる拡張可能な先端部を有する回収カテーテルを提供する。
【解決手段】血塊回収カテーテル100は、大きいボアシャフトと、外シースよりも大きい直径に拡張可能である遠位編組支持先端部と、を有する。先端部の遠位口218は、シャフト110の長手方向軸111から傾いた角度で傾斜させることができる。編組先端部は、編組の遠位端部214に溶接又はオーバーモールドすることができる補強リング211で補強することができ、吸引力下での先端部の潰れを防止する。補強リングは、先端部が圧縮され、ガイドシースを通して送達され、標的部位において拡張されるときに、リングの斜めの配向が円形の内部チャネルを維持することを許容するように位置付けられたレリーフ特徴部224を有することができる。遠位先端部は、カテーテルシャフトと対称又は非対称のいずれかであるプロファイルに拡張され得る。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カテーテルであって、
長手方向軸、遠位端部、管腔、及びシャフト編組を含む、近位の細長いシャフトと、
前記細長いシャフトの前記遠位端部における拡張可能な遠位先端部セクションであって、前記先端部セクションが、潰された送達構成、拡張された展開構成、先端部編組、並びに傾斜プロファイル、及び補強リングによって画定される周囲を含む遠位口を含む、拡張可能な遠位先端部セクションと、を含み、
前記補強リングが、前記長手方向軸の周りに等間隔に離間した複数のレリーフ特徴部を含む、カテーテル。
【請求項2】
前記遠位先端部セクションが、前記潰された送達構成及び前記拡張された展開構成の両方において、実質的に円形の断面を更に含む、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項3】
前記補強リングが、前記遠位先端部セクションの前記先端部編組に溶接されている、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項4】
前記補強リングが、前記遠位先端部セクションの前記先端部編組(220)にオーバーモールドされている、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項5】
前記補強リングが、形状記憶合金を含む、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項6】
前記補強リングは、前記遠位先端部セクションが前記拡張された展開構成にあるときに、潰された内径よりも大きい拡張された内径を含むようにヒートセットされている、請求項5に記載のカテーテル。
【請求項7】
前記先端部編組の少なくとも一部分は、前記遠位先端部セクションが前記拡張された展開構成にあるときに、潰された内径よりも大きい拡張された内径を含むようにヒートセットされている、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項8】
前記補強リングが、ポリマー組成物を含む、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項9】
前記先端部編組が、前記先端部セクションの前記遠位端部における前記レリーフ特徴部の輪郭に沿うように切断されている、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項10】
前記遠位口が、前記補強リングの少なくとも一部分を通過する平面を画定し、前記平面は、前記先端部セクションが前記潰された送達構成にあるときに、前記長手方向軸に対して鋭角を形成する、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項11】
前記角度が、約30度~約60度である、請求項10に記載のカテーテル。
【請求項12】
前記補強リングの前記レリーフ特徴部の少なくとも一部分が、前記平面から近位にオフセットして置かれている、請求項10に記載のカテーテル。
【請求項13】
前記レリーフ特徴部が、前記先端部セクションの少なくとも一部分の前記断面プロファイルを低減させる、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項14】
前記レリーフ特徴部が、平行なセクション及び丸みを帯びたセクションを有する鍵穴形状を含む、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項15】
前記レリーフ特徴部が、前記遠位口の遠位周囲から近位に延在する軸方向スロットを含む、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項16】
カテーテルであって、
近位の細長いシャフトであって、長手方向軸、遠位端部、管腔、シャフト編組、及び前記シャフトの前記遠位端部におけるマーカバンドを含む、近位の細長いシャフトと、
前記細長いシャフトの前記遠位端部に接続された拡張可能な遠位先端部セクションであって、前記先端部セクションが、潰された送達構成、拡張された展開構成、支持先端部編組、及び前記先端部編組の遠位端部に取り付けられた補強リングを含む、拡張可能な遠位先端部セクションと、
前記先端部セクションの周りに配設されたポリマー先端部ジャケットと、を含み、
前記補強リングの少なくとも一部分は、前記先端部セクションが前記潰された送達構成にあるときに、前記長手方向軸に対して鋭角を形成する口平面を画定し、
前記補強リングが、前記長手方向軸の周りに等間隔に離間した複数のレリーフ特徴部を含み、前記レリーフ特徴部の各々の少なくとも一部分が、前記口平面から近位にオフセットされている、カテーテル。
【請求項17】
前記ポリマー先端部ジャケットの遠位縁が、前記補強リングの輪郭に沿っている、請求項16に記載のカテーテル。
【請求項18】
前記ポリマー先端部ジャケットの少なくとも一部分が、前記補強リングの輪郭を越えて遠位に延在する、請求項16に記載のカテーテル。
【請求項19】
前記ポリマー先端部ジャケットが、約42ショアA~約72ショアAの範囲の硬度を有する、請求項16に記載のカテーテル。
【請求項20】
前記支持先端部編組の近位端部が、前記マーカバンドに溶接されている、請求項16に記載のカテーテル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、脈管内医療処置中に血管から急性閉塞を除去するためのデバイス及び方法に関する。より具体的には、本発明は、物体又は複数の物体を回収することができる拡張可能な先端部を有する回収カテーテルに関する。
【背景技術】
【0002】
血塊回収吸引カテーテル及びデバイスは、しばしば患者が急性虚血性脳卒中(AIS)、心筋梗塞(MI)、及び肺塞栓症(PE)などの状態を患う場合に、血管内介入を行うための機械的血栓除去術に使用される。従来の技術では、特に神経血管床へのアクセスは、標的血管の直径が小さく、挿入部位に対して遠くにあり、かつ非常に曲がりくねっているために困難である。これらのカテーテルは長尺になることが多く、全ての分岐及び屈曲に関して血管の構成に従う必要がある。従来のデバイスは、多くの場合、プロファイルが大きすぎるか、特に曲がりくねった血管をナビゲートするために必要な送達性及び可撓性に欠けるか、又は標的部位に送達されたときに血塊を除去するのに有効ではないかのいずれかである。
【0003】
吸引回収カテーテルのための多くの既存の設計は、例えば、6Fr、すなわちおよそ0.068~0.074インチの内径に制限されることが多い。より大きいサイズには、より大きいガイド又はシースを使用する必要があり、次いで、より大きい大腿骨アクセス穴を閉じる必要がある。ほとんどの医師は、8Frガイド/6Frシースの組み合わせを使用することを好み、9Frガイド/7Frシースを超える組み合わせを容易にこなせる医師はほとんどいない。これは、標的部位に達したら、血塊のサイズが、しばしば、吸引カテーテルの内径よりも大きい場合があり、別様にカテーテル口に入るように血塊を直ちに圧縮しなければならないことを意味する。この圧縮は、回収中に凝固(bunching up)を引き起こし、その後、血塊の剪断につながる可能性がある。堅いフィブリンに富む血塊はまた、これらのカテーテルの固定口の先端部に詰まる場合もあり、それらを抽出することがより困難になる。この詰まりにより、より柔軟な部分が血塊のより堅い領域からちぎれる剪断をもたらす可能性もある。
【0004】
小さい直径及び固定された先端部サイズもまた、処置中に血液及び血栓物質の除去に必要な吸引を誘導する際に効率が悪い。吸入は、吸引又は機械的血栓除去デバイスの使用の結果として生じ得るいかなる断片も、移動して遠位血管を閉塞することができないように、十分強くなければならない。固定マウスカテーテルで吸引するときに、吸引流のかなりの部分は、血塊が存在しないカテーテルの先端部の近位の血管流体から来ることになる。これは、吸引効率を著しく低下させ、血塊除去の成功率を低減させる。
【0005】
したがって、大きいボアの中間及び吸引カテーテル並びに/又は拡張可能な先端部を有するものは、最小限の抵抗で血塊を受容するために大きいルーメン及び遠位口を提供するため、望ましい。これらのカテーテルのボア管腔は、それらが内部を通して送達されるガイド及び/又はシースとほぼ同じ大きさであり得、拡張可能な先端部は、依然としてより大きい直径になるように拡張することができる。血塊が捕捉され、漏斗形状を有する先端部内に近位に引き込まれると、血塊は、回収中に徐々に圧縮され得るため、カテーテルを通してシリンジ又はキャニスタ内に完全に吸引され得る。
【0006】
多くの例では、固定マウスカテーテル及び拡張可能な先端部を有するものは、主支持骨格として下層の編組を有することができる。カテーテル支持体における編組の使用は、新規の概念ではなく、典型的な例は、当該技術分野で容易に見出すことができる。編組は、多くの場合、カテーテルの長さに対して一方向に螺旋状に巻き付けられたバンドとして単純であり得、これは、反対方向に螺旋状に巻かれたバンドの上及び下に交差する。バンドは、本体のより柔軟な外側材料を補強するために効果的なフープ強度を提供する金属、ガラス繊維、又は他の材料であり得る。しかしながら、支持編組はまた、断面剛性が非常に高く、多くの処置で必要とされる可撓性の基準を満たせず、又は実質的な外傷を引き起こすことなく脆弱な血管で使用するのに十分に柔軟にすることができない。逆に、多くの編組は断面剛性及びフープ強度が低い場合、これは、吸引処置中に、血塊が付着する前に適用された吸引によって先端部が潰れてしまう可能性があることを意味する。
【0007】
更に、カテーテルの進歩により、吸引カテーテルの先端部表面積を大きくすると、吸引効率が向上し、血栓との界面が強化され得るという証拠を示している。角度付けられた傾斜先端部を有する設計は、平坦な先端部よりも吸引及び摂取のための口面積が大きくなるため、詰まった血塊との相互作用を改善することが示されている。Vargasらによるインビトロ研究では、傾斜先端部カテーテルを使用した場合、平坦先端部制御デバイスと比較して、血塊の完全摂取の発生率が約70%改善することが実証された(Vargaら、Journal of NeuroInterventional Surgery2021;13:823-826)。したがって、傾斜先端部により、処置を成功させるための総吸引回数が低減し、ステントリーバの使用と関連する追加の合併症が低減し、かつ/又は、より低いmRSスコアでより頻繁にTICI 2C血管再開通グレードに導かれる可能性がある。これにも関わらず、直円筒と比較して、環状の斜面形状に起因する低減されたフープ剛性により、先端部が潰れることを防止するために、より大きい支持が必要とされ得る。
【0008】
結果として、潰された状態でガイド又はシースを通って容易に前進するのに十分に適合し、一方で、潰れることなく吸引力に耐えるのに十分に強くなければならない。これらのニーズを著しいトレードオフなしに両立させることは、難しい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
これらの設計課題を克服しようとするカテーテル設計の改善に対するニーズが依然として残っている。本開示の設計は、上記の欠陥に対処することができるデバイス及び方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記のニーズを満たすデバイス及び方法を提供することが、本設計の目的である。設計は、AISを患う患者の大脳動脈から、MIを患う患者の自然の冠状血管又は移植血管から、PEを患う患者の肺動脈から、若しくは血塊が閉塞を引き起こしている他の末梢動脈及び末梢静脈から、血塊を除去することができる血塊回収カテーテルに対するものであり得る。設計はまた、これらの血塊を変形させるために必要な吸引エネルギー/作業が可能な拡張可能な先端部を利用し、一方で、処置中に潰れにくい構造を有する、血塊物質を吸引するという課題を解決することができる。
【0011】
いくつかの例では、カテーテルは、近位端部、遠位端部、大きい内部ボア、及びそこを通って延在する長手軸を有する近位の細長いシャフトを有し得る。細長いシャフトは、低摩擦内側ライナの周りに構成されたシャフト編組を有し得る。編組は、カテーテルシャフト用のバックボーン及び支持体として機能することができる。編組の交絡織りは、当該技術分野で既知の任意の数の材料又はパターンであり得、シャフトの長さに沿って様々な密度及び組成を有することができる。
【0012】
多くの例では、カテーテルは、細長いシャフトの遠位端部から延在する拡張可能な遠位先端部セクションを有し得る。先端部セクションは、潰された送達構成と、拡張された展開構成と、を有し得る。先端部は、外側ガイドシースを通る送達のために半径方向に潰すことができ、拡張構成では漏斗形状プロファイルを想定することができる。先端部は、下層にある編組によって支持された外側ポリマー膜又はジャケットを有し得る。先端部セクションの遠位端部は、編組上に補強リングを有し、カテーテルの長手方向軸に垂直な角度を形成する傾斜プロファイルを有する口を画定することができる。編組の端部を切断することができ、又はワイヤは、遠位に1つの螺旋方向を描き、遠位端部において近位方向に反転して他方の螺旋方向を描くことも可能である。拡張可能な遠位先端部セクションの編組は、半径方向の拡張に対応することができ、したがって、半径方向の力能力を有する漏斗先端部の許容可能な拡張のバランスを取るために可変PPI及びセル角度を有することができる。
【0013】
先端部及びシャフト編組は、モノリシックに形成されるか、又は別々に接合され得る。いくつかの例では、先端部及びシャフト編組は、同じ材料から作製することができ、又はそれらは異なる材料であり得る。一例として、先端部編組の遠位ワイヤは、ニチノール又は別の形状記憶超弾性合金組成物であり得、製造中に先端部の所望の拡張直径にヒートセットすることができる。
【0014】
他の例では、先端部及びシャフト編組は、異なる厚さのワイヤを有することができ、それにより、解剖学的構造内の屈曲部を通してカテーテルをナビゲートする間、遠位先端部とシャフトとの間にヒンジ効果がある。ヒンジは、引張荷重又は圧縮荷重下で伸長又は短縮する傾向を低減するために、遠位先端部セクションを比較的短く保つことを許容することができる。
【0015】
長手方向に、先端部の弾性的に拡張された形状は、シャフトから半径方向にフレア状である実質的に漏斗形状であり得、それにより、横方向平面において、先端部セクションは、潰された送達構成と拡張された展開構成の両方において円形の断面を有する。一例では、潰された送達構成における先端部セクションの円形プロファイルは、細長い本体の長手方向軸と一致する中心を画定することができる。代替的に、拡張された展開構成における先端部セクションの円形プロファイルは、長手方向軸から半径方向にオフセットされた中心をもたらし得る。
【0016】
補強リングは、拡張可能な遠位先端部セクションの遠位口の周囲に配設することができる。リングの少なくとも一部分は、遠位先端部セクションが潰された送達構成にあるときに、カテーテルの長手方向軸に対して鋭角を形成する口平面を画定することができる。この角度は、先端部セクションが拡張構成に展開される場合、類似するか又は異なり得る。一例では、角度は、約30度~約60度の範囲であり得る。別のより具体的な例では、角度は約45度であり得、
【0017】
補強リングは、ポリマー、金属、又は先端部セクションの遠位端部に剛性及び形状を追加することができる他の好適な材料であり得る。好ましい例では、補強リングは、遠位先端部セクションが拡張された展開構成にあるときに、潰された内径よりも大きい所望の拡張された内径にヒートセットされ得るニチノールなどの形状記憶合金であり得る。別の例では、補強リングは、編組にオーバーモールドすることができる。更なる代替例では、リングは、PVC又は他の適切な密度のポリマーであり得る。
【0018】
製造中、補強リングは、先端部セクションの遠位編組に溶接することができる。他の例では、ろう付け、摩擦溶接、接着剤、又は他の手段を使用して、補強リングを取り付けることができる。
【0019】
拡張可能な先端部セクションの一貫した拡張及び折り畳みを容易にするために、補強リングは、円周プロファイルに複数のレリーフ特徴部を有することができる。いくつかの設計では、レリーフ特徴部は、リング内に機械加工することができ、又はリングは、特徴部を有するように金型内に形成することができる。先端部編組の編組ワイヤは、先端部セクションの遠位端部におけるレリーフ特徴部の輪郭に沿うように切断することができる。別の場合では、編組ワイヤは、補強リングの周囲及びレリーフ特徴部に巻き付けることができる。
【0020】
特徴部は、例えば、平行なセクションを有する鍵穴形状及び補強リングの周囲の遠位縁から近位に延在する丸みを帯びたセクションであり得る。別の場合では、レリーフ特徴部は、補強リングによって形成された口の遠位周囲から近位に延在する軸方向スロット又は他の幾何学形状であり得る。特徴部は、長手方向軸に平行であるか、又は軸に対して角度を形成する部分を有し得る。
【0021】
特徴部は、先端部セクションの少なくとも一部分の断面プロファイルを低減することができる。特徴部はまた、斜めの口平面から軸方向に又は長手方向にオフセットされ得る。レリーフ特徴部による材料のこの効果的な低減により、先端部の周囲の特定の平面に沿った折り畳みが促進される。特徴部は、外側シース内への潰れ中に折り畳みが長手方向軸を中心に対称になるように、リングの円周上に等間隔に離間することができる。代替的に、特定の平面に沿って折り畳むことが有利に促進されるように、特徴部を断続的に離間することができる。加えて、レリーフ特徴部は、先端部セクションの潰れを特定の方向に付勢するために、軸と角度を形成することができる。
【0022】
本開示の他のカテーテル設計は、近位端部と、遠位端部と、管腔及びそれを通って延在する長手方向軸を画定する管状シャフト編組と、を有する近位の細長いシャフトを有することができる。シャフトは、放射線不透過性マーカバンドにおいて遠位に終端することができる。拡張する遠位先端部セクションは、細長いシャフトの遠位端部に配設することができ、先端部編組の遠位端部に取り付けられた支持先端部編組及び補強リングを有することができる。
【0023】
マーカバンドは、放射線不透過性材料であり得るか、又は放射線不透過性コーティング又は充填剤材料を含み得る。材料は、シャフト編組及び先端部編組の材料と適合し得、それにより、編組端は、マーカバンドに溶接又は別様に取り付けられ得、バンドは、セクション間の接合部として機能する。いくつかの例では、支持先端部編組の近位端部は、マーカバンドに溶接され得る。別の例では、シャフト編組の遠位端部をマーカバンドに溶接することができる。更なる例では、溶接又は接着剤を使用してシャフト編組を先端部編組に接続し、組み合わせた構造をバンドに取り付けることができる。
【0024】
遠位先端部セクションは、潰された送達構成と、拡張された展開構成と、を有し得る。先端部セクションの遠位端部における補強リングは、長手方向軸の周りに等間隔に離間した複数のレリーフ特徴部又は切り欠きを有することができる。切り欠きは、補強リングの周囲の断面プロファイルを低減することができる。補強リングの少なくとも一部分は、先端部セクションが潰された送達構成、拡張された展開構成、又はその両方にあるときに、軸と鋭角を形成する口平面を画定するように平面状であり得る。レリーフ特徴部の各々の少なくとも一部分は、口平面から近位に延在するように、口平面からオフセットされ得る。
【0025】
遠位先端部セクションのプロファイルは、潰された送達構成にあるときに長手方向軸に対して実質的に対称であり得るが、拡張された展開構成にあるときに非対称又はオフセットされ得る。拡張された先端部の中心は、カテーテルシャフトの中心から半径方向にオフセットされ得る。
【0026】
ポリマー膜又はジャケットは、シャフト編組及び先端部編組の周りに巻き付けることができる。ジャケットは軸方向に直列に置かれ、互いに溶融混和性のある材料から選択することで、隣接する層がその間の下層の編組を保持するのに役立つようにすることができる。材料はまた、カテーテルの異なるセクションの剛性が段階的又は連続的に変化し得るように選択することができる。編組とポリマージャケットとの間の協働により、薄壁でありながら、耐キンク性に優れたカテーテルを実現することができる。
【0027】
遠位先端部セクションの一部又は全部を、最遠位先端部ジャケットで被覆又は包被することができる。先端部ジャケットは、最も非外傷性の血管横断プロファイルを有するように、非常に柔軟な材料であり得る。例えば、約42ショアA~約72ショアAの範囲の硬度を有する低デュロメータPebaxを使用することができる。代替的に、Neusoft層をリフローすることで、62ショアA又は更には42ショアAの先端部を包被することができる。
【0028】
最遠位ポリマー先端部ジャケットは、カテーテルの先端部セクションの口の周りの補強リングの輪郭に沿うようにトリミングすることができる。先端部ジャケットの遠位縁は、リングのレリーフ特徴部の輪郭に沿うための円周間隙を含む、補強リングの遠位縁と一致することができる。代替例では、先端部ジャケットは、傾斜先端部の円形又は卵形の端にトリミングすることができるが、レリーフ特徴部の切り欠きの上にウェビングされている。更なる設計は、リングに突き出る柔軟なリップとして、補強リングの遠位縁輪郭を越えて遠位に延在する先端部ジャケットを有することができる。
【0029】
本開示の他の態様は、以下の詳細な説明を添付の図と併せて考察することで明らかになるであろう。追加の特徴又は製造及び使用ステップは、当業者によって認識され理解されるように含めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
本発明の上記及び更なる態様は、添付の図面と併せて以下の説明を参照して更に考察され、様々な図面において、同様の数字は、同様の構造要素及び特徴を示す。図面は、必ずしも縮尺どおりではなく、代わりに、本発明の原理を図示することに主眼が置かれている。図は、限定としてではなく単なる例解として、本発明のデバイスの1つ又は2つ以上の実装形態を描写している。当業者は、ユーザーのニーズにより良好に合うように、複数の図面から要素を着想し、組み合わせ得ることが期待される。
【
図1】本発明の態様による、拡張可能な先端部を有する血塊回収カテーテルの遠位部分の図である。
【
図2】本発明の態様による、
図1のカテーテルの側面図を図示する。
【
図3】本発明の態様による、潰された送達構成における
図2のカテーテル先端部セクションの近接図を示す。
【
図4】本発明の態様による、
図3のカテーテル先端部セクションの端面図を描写する。
【
図5】本発明の態様による、カテーテル先端部セクションの強化リングを示す。
【
図6】本発明の態様による、拡張された展開構成における
図2のカテーテル先端部セクションを図示する。
【
図7】本発明の態様による、
図6の先端部セクションの端面図である。
【
図8】本発明の態様による、血管系の屈曲部を通って前進しているカテーテルの図である。
【
図9】本発明の態様による、標的部位において展開されたカテーテルを図示する。
【
図10】本発明の態様による、血塊回収カテーテルの遠位部分の別の例の図である。
【
図11】本発明の態様による、血塊回収カテーテルの遠位部分の別の例を描写する。
【
図12a】本発明の態様による、補強リング及び先端部ジャケットが配向され得る方式を示す。
【
図12b】本発明の態様による、補強リング及び先端部ジャケットが配向され得る方式を示す。
【
図12c】本発明の態様による、補強リング及び先端部ジャケットが配向され得る方式を示す。
【発明を実施するための形態】
【0031】
ここで、図を参照して、本発明の具体的な実施例を詳細に説明する。本明細書の設計は、大きい内部ボアと、それが同軸的に送達されるガイド又はシースのものよりも大きい直径で実質的に漏斗状に自己拡張することができる遠位先端部セクションと、を有する、血塊回収カテーテルのためのものであり得る。設計は、カテーテルのシャフトのための近位の細長い本体と、拡張する編組支持構造及び外側ポリマージャケットを有する遠位先端部と、を有して、先端部の非外傷性の特性を与えることができる。先端部セクションは、遠位端部に補強リングを有することができ、これは、フープ強度を加え、吸引の吸込み下で編組及びジャケットが潰れるのを防止するように機能する。カテーテルの先端部設計はまた、解剖学的構造の非常に曲がりくねった領域をナビゲートするために十分に可撓性でありながら、送達構造に潰されたとき、又は血管内で変位したときに、形状を回復して管腔の内径を維持することが可能である。
【0032】
冠血管、肺血管、又は脳血管に関わらず、脈管内の様々な血管にアクセスすることは、周知の手順ステップ及び多数の従来の市販アクセサリ製品の使用を伴う。血管造影材料、機械的血栓除去デバイス及びステントリーバ、マイクロカテーテル、及びガイドワイヤなどのこれらの製品は、研究室及び医療処置において広く使用されている。これらの製品が、以下の説明において本発明のデバイス及び方法と共に用いられる場合、それらの機能及び正確な構成は、詳細には説明されない。加えて、これらの説明は、頭蓋内動脈における血栓除去治療に関連することがあるが、本開示は、他の処置及び他の身体通路にも同様に適応させることができる。
【0033】
図を参照すると、
図1は、本明細書に開示される設計の血塊回収カテーテル100を図示する。カテーテルは、細長いシャフト110と、それに遠位に取り付けられた先端部セクション210と、を有することができる。先端部セクション210は、より良い吸引効率と、閉塞性凝血塊を摂取するためのより大きい遠位口218を提供するために、半径方向に拡張することができる。先端部セクションの口218は、長手方向軸111との角度で斜めの又は傾斜した遠位表面を備えることができ、これは、吸引及び血塊摂取のための更に大きい領域を有する斜めの口を提示する。先端部セクション210の遠位端部214に補強リング211を組み込んで、吸引中に先端部の組紐220構造を拡張漏斗形状に保持し、外側シース内に引き込まれたときに巻き付けを容易にすることができる。カテーテルは、処置中にデバイスの様々な遷移点及び終端を識別するために、1つ又は2つ以上の放射線不透過性マーカバンド116を有することができる。
【0034】
シャフト及び先端部の編組セクションは、モノリシックに又は別個のセクション内で形成され得る。多くの場合、異なる可撓性の4つ以上の別個の編組セクションを使用することができる。先端部及びシャフト編組の異なる編組セクションが、カテーテルのその部分の所望の特性を達成するために異なる幾何学的形状及び織りパターンを有し得ることが理解され得る。したがって、物理的パラメータ及び材料の選択を通して、異なる可撓性及び剛性特性を、臨床要件を満たすためにカテーテル100の異なるセクションに与えることができる。
【0035】
細長いシャフトは、シャフト編組セクションからなり、軸方向の一連の外部本体ジャケット160によって囲まれるバックボーンを有し得る。同様に、先端部セクション210は、1つ又は2つ以上のポリマー先端部ジャケット180によって囲まれた先端部編組220を有することができる。ジャケットは、PTFE、ポリエーテルブロックアミド(Pebax(登録商標))、又はナイロンなど、当該技術分野で既知である様々な医療グレードポリマーから作製することができる。
【0036】
遠位先端部セクション210内の編組220は、拡張されたときに漏斗プロファイルの拡張された自由形状に形成されたニチノールワイヤを有し得る。先端部編組のワイヤのようなニチノール編組ワイヤは、シャフト110の近位編組120にも使用することができるが、より安価なステンレス鋼線を代用して、これらの領域において、より低いコストで剛性を発揮させることもできる。
【0037】
本明細書で使用される場合、「編組セクション」、「編組」、及び同様の用語は、カテーテルシャフト及び先端部の支持構造を説明するために集合的に使用される。このタイプのカテーテル構造は、当該技術分野で一般的に既知である。この用語は、異なる物理的特性(PICカウント、編組角度など)及び/又は構成を有する単一のモノリシック編組内のセグメントを指し得、必ずしも共に付着された2つの別個の構造を意味しない。代替的に、この用語は、一緒に編まれた別個のセクションの集合を指し得る。
【0038】
マーカバンド116は、シャフト110の遠位端部、及び先端部セクション210の近位端部において、又はその上に位置付けることができる。マーカバンドは、白金、金、及び/若しくは別の金属カラーであり得るか、又は代替的に、実質的な放射線不透過性を与える化合物でコーティングされ得る。シャフトの可撓性への影響を最小限に抑えるために、バンドは、比較的短い長さ、例えば0.3~1.0mmに保たれ得る。バンド116は、適所に圧着されるか、又はマンドレル上に摺動し、後に編組セクションの端部に接着することができる。いくつかの例では、バンド116はまた、先端部セクション210の編組とシャフト110との間の接合部として機能することができ、各々の編組セクションを多数の所望の長さのいずれかに別々に迅速に製造し、バンドで一緒に接合することが許容される。カテーテルの長さが多くの設計の典型的な1350mmである場合、先端部セクション210は、約100mmの長さであり得、1250mmのシャフト110が近位のルアーで終端する。マーカバンド116のスリーブのための白金(ステンレス鋼及びニチノールの両方に溶接することができる)などの特定の金属を使用すると、接着剤又は他の手段の使用に代わって、より堅牢な接合部を創出することができる。
【0039】
カテーテルシャフトの管腔は、カテーテル100が一般的にサイズ決めされ、容易に利用可能なガイドシースと適合するようにサイズ決定され得る。低摩擦インナーライナは、ブレード120の下に配設され得、補助デバイスの送達、造影剤の注入、及び血塊面への直接的な遠位への吸引のための管腔の使用を容易にする。好ましいライナ材料は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE又はTFE)、エチレン-クロロフルオロエチレン(ECTFE)、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、ポリフッ化ビニル(PVF)、又は同様の材料などのフルオロポリマーであり得る。選択した材料によっては、ライナを伸張させてライナ材料の方向性を変え(例えば、ライナ材料が繊維を有する場合、課された伸張により、公称等方性のスリーブをより異方性の長手方向組成物に変化させることができる)、必要に応じて壁厚を低減させることもできる。
【0040】
本体ジャケット160と先端部ジャケット180とを共に突き合わせて、カテーテルシャフトの連続的かつ滑らかな外面を形成することができる。ポリマージャケットは、細長いシャフト110及び先端部セクション210の長さに沿って、適所にリフロー又は積層することができる。加えられた熱は、外側ポリマーが、編組間の格子間位置を埋めることを許容することができる。この流れはまた、ジャケットを軸方向に固定するのに役立ち得るため、遠位に摺動することができない。
【0041】
これらの外側ジャケットは、編組構造と組み合わせて、(デュロメータ硬度、曲げ弾性率などによる)より高い柱剛性を有し、更なる横方向の可撓性を有する遠位部分へ移行するカテーテルの近位部分を創出するように、変化するデュロメータ硬度を有することができる。いくつかの例では、本体ジャケットは、約25~約72ショアDの範囲の硬度を有することができる。先端部ジャケット180又は複数のジャケットは、最も外傷性がない血管横断プロファイルに対して最小の剛性を有する最遠位ジャケットを有することができる。
【0042】
図2は、
図1のカテーテル100の遠位部分のプロファイル図を示す。開示されるように、長さ約0.8mmの遠位マーカバンド116は、先端部セクション210の遠位端部214の近くに放射線不透過性を与えるために、ポリマー先端部ジャケット180のすぐ近位に含まれ得る。マーカバンド116は、白金又は別の好適な貴金属であり得、シャフト110及び先端部セクション210の編組120、220のアセンブリの上、下、又はそれらの間に圧着され得る。バンド116はまた、シャフトの遠位端部114において又はその近くに、かつ先端部セクション210の遠位端部214から少なくとも5mm及び最大10mm以上に位置することができる。代替的に、又は加えて、遠位先端部セクション210の補強リング211は、血塊と相互作用するときにデバイスの最終遠位末端を照らすために、放射線不透過性材料で構成することもでき、又はそのような材料でコーティングすること若しくは埋め込むことができる。
【0043】
カテーテルシャフト110は、長手方向軸111に沿ってシャフト編組120と共に延在する1つ又は2つ以上の軸方向スパイン(図示せず)を有することができる。スパイン又は複数のスパイン117は、引張伸びに対抗し、シャフトの押し特性に寄与することができる。これは、大きい硬い血塊がカテーテルの遠位端部に留まり、血管から除去するためにカテーテルが大きい外側シース内に引き込まれるときに、スパイン110が大きい引張力を受ける場合に特に有益である。スパインは、編組の下に位置付けられ、編組の編み目の間に通され、編組の外径上に置くことができるか、若しくはこれらの組み合わせであり得る。スパインは、金属、ポリマー、又はKevlarなどの複合ストランドで構成することができる。他の例では、スパインは、引張荷重を支えることができるが圧縮荷重を支えることができない糸又は他の構造であり得る。いくつかの好ましい例では、加工が容易で、任意の横方向の可撓性を犠牲にすることなく高い引張強度を提供するTechnoraなどの液晶ポリマー(LCP)を利用することができる。
【0044】
カテーテル100が標的部位まで移送されるとき、又は図示の潰された送達構成でアクセスカテーテル/外側シース内に引き戻されるとき、先端部セクション210は、編組220を圧縮して、補強リング211の外周周りのレリーフ特徴部224の場所において折り畳むように半径方向下方に巻き付けることが可能である。アクセスカテーテルでは、先端部セクション210は、細長いシャフト110の内径115と同じ又はほぼ同じである潰された内径215を有することができる。
【0045】
図1及び
図2に示すように、先端部セクション210の遠位端部214は、長手方向軸111に対して角度217で傾いた傾斜面を有することができる。傾斜面は、吸引効率を増加させ、改善された血塊摂取のためのより大きい口面積を提示することができ、これにより、傾斜していない先端部を有するカテーテルと比較した場合、改善された再灌流及び再利用結果をもたらし得る。そのため、傾斜先端部は、処置を成功させるために必要なパスの回数を潜在的に低減させるか、又は機械的な血塊回収デバイスの導入に伴う追加の合併症を低減させることができる。
【0046】
先端部セクション210が潰れた状態にあるとき、先端部セクション210の環状口218の傾斜した遠位面は、長手方向軸111との鋭角217で傾斜平面213上に存在し得る。平面213は、軸に対して少なくとも約10度~少なくとも60度の角度で存在し得る。ナビゲーション中のより非外傷性のプロファイルについては、好ましい角度217は、約30度~60度の範囲であり得、又はより具体的には、約45度であり得る。
【0047】
広く採用されているいずれかの外側ガイドに適合し、及び/又はシースが選択されるように、カテーテルシャフト110の内径115及び拡張可能な先端部セクション210の潰された内径215は、適切にサイズ決定及びスケーリングされ得る。先端部セクション及びシャフトの断面は、潰されたときにほぼ対称とすることができ、例えば、直径約2.0mmの血管を標的とする5Frカテーテルは、約0.054インチのシャフト/先端部の内径115、215を有することができる。同様に、直径約2.3~3.4mmの血管を標的とする6Frカテーテルは、約0.068~0.074インチのシャフト/先端部の内径115、215を有することができる。あまり離れていない血塊のためのより大きい公称8Frのカテーテルは、約0.082~0.095インチのシャフト/先端部の内径115、215を有することができる。ほとんどの状況では、潰されたときの先端部の直径215の実際の設計上限は、外側ガイド又はシース内を横断するときの摩擦及び他の送達力によって制限される。
【0048】
補強リングは、
図3に図示された潰された先端部のより近接の図に見られるように、先端部セクション210の遠位端部214のプロファイルを決定する様々な形状を有することができる。リング211は、溶接又はろう付けを通して先端部編組220の遠位縁の周りに貼り付けることができる。一例では、補強リング211は、下層にある編組をしっかりと把持するニチノール部材とすることができ、ガイド又はシースの外側の展開状態のより大きい直径に変化するときに、先端部セクションの遠位部分を半径方向に弾性的に伸張する自由形状に設定されている。代替的に、リング211を高分子材料とし、マスキングを使用して編組層へのオーバーモールド、射出成形、又は噴霧若しくは浸漬を行うこともできる。
【0049】
拡張されたときに、遠位端部214から実質的に漏斗形状で先細になる先端部セクション210の長さ及び輪郭は、先端部編組220及び補強リング211のパターンの設計を通して調整することができる。上述のように、リング要素に加えて、又はリング要素の代わりに、編組220のワイヤは、形状記憶特性を有し、所望の設計された弾性自由形状にヒートセットされ得る。例えば、より短い漏斗セクションは、細長いシャフト110をヒンジするようにより短いレバー距離を有することを通して、良好なフープ剛性及び可撓性の利点を提供することができる。加えて、より短い漏斗は、外側ポリマー先端部ジャケット180のより遠位における伸縮及び変形を最小化するように調整することもできる。代替的に、より浅い先細を有するより長い漏斗により、血塊との相互作用が良くなり、先端部の長さにわたってもっと徐々に血塊を圧縮することができるため、滞留のリスクを低減させることができる。
【0050】
補強リング211は、均一な厚さの単一の部品として形成することができ、又は特定のセクションにおいて厚さが変化し得る。
図3において、リング211は、これらのセクションが口周囲の大部分を構成し、吸引力に抵抗するために最大の半径方向の力を提供し得るので、レリーフ特徴部224の間のウェブ又はリガメントを硬化するためにわずかに大きい厚さ221を有し得る。リング211は、これらの平面に沿った先端部の折り畳み及び潰しを更に付勢させるために、レリーフ特徴部224の領域においてより少ない厚さ222に移行することができる。先端部ジャケット180は、折り畳みにおける対称性を維持しながら、これらの領域において更なる剛性を加えないように、補強リング211の輪郭に沿うようにトリミングすることもできる(リリース特徴部224の周りで近位にトリミングすることも含む)。
【0051】
レリーフ特徴部224は、カテーテル口218において補強リング211の遠位周囲から近位に延在する鍵穴型突起であり得る。鍵穴形状は、リング211の傾斜環状部分から延び、リング構造のための応力緩和器及び関節運動イネーブラとして作用する丸みを帯びたセクション226で終端する2つの平行なセクション225を有することができる。鍵穴レリーフ特徴部224は、丸みを帯びたセクション226を中心にヒンジでリングの「開」及び「閉」を許容し、遠位先端部210を破損することなく繰り返し拡張させ、潰すことが可能になる。口218の周りのレリーフ特徴部224の中断性質は、下層の編組220に対する補強リング211を位置特定して、固定するのを助けるために、製造中及び製造後のフランジ又は鍵としても機能することを意味する。
【0052】
図4は、潰された送達構成における遠位先端部セクション210の端面図を描写する。外側シース内に拘束された場合、先端部セクションの潰された内径215は、シャフト110の内径115とほぼ等しくなり得る。補強リング211の最終設計プロファイルに応じて、先端部セクション及びシャフトは、先端部が潰されたときに共通の中心117を中心として同心円状とすることができるか、又はオフセットすることもできる。環状口218は、長手方向軸111から傾いた傾斜平面上に存在する楕円であり得る。
【0053】
図5の補強リング211の透視図に見られるように、90度間隔で離間した4つのレリーフ特徴部224は、付属デバイスで使用するために口218の内径を維持しながら、先端部セクション210が均等かつ対称的に巻き付けるのを助ける。より大きい又はより少ない数のレリーフ特徴部が予想され得ることに留意されたい。特徴部は、長手方向軸の周りに均一に離間されて、先端部セクションの対称的な折り畳みを促進することができる。例えば、30度間隔で6つのレリーフ特徴部を採用することができる。代替的に、いくつかの他の例では、補強リング211は、奇数若しくはレリーフ特徴部を組み込むことができ、又は特徴部は、平面の特定の方向での折り畳みを付勢するように、口の周りに非対称に離間させることができる。
【0054】
補強リング211のこの例の鍵穴形状のレリーフ特徴部224は各々、丸みを帯びたセクション226によって近位に接合された2つの平行なセクション225を有することができる。したがって、各レリーフ特徴部は、先端部セクションの半径方向の拡張を許容する開口部として機能することができる。
図6に図示されるように、先端部セクション210の口218は、拡張された展開構成において、潰された直径215からより大きい内径230まで拡張することができる。傾斜した遠位端部は、長手方向軸111に対して鋭角219で傾いている拡張された口平面228を画定することができる。傾斜プロファイルは、堅固な血塊の取り込みを容易にするためにより大きい入口領域を許容し、血塊をより長い長さの先端部にわたってもっと徐々に圧縮することを許容し、血塊が完全に取り込まれ、カテーテルのシャフトを通して吸引され得る可能性を改善する。
【0055】
補強リング211及び先端部編組220のワイヤの一方又は両方は、固体相変換が先端部の拘束送達及び拘束されていない展開直径を指示するように設計され得るように、ニチノール又は別の形状記憶超弾性合金であり得る。先端部編組220は、補強リング211の輪郭に沿うようにトリミングすることができ、リングは、膨張することを許容したときに先端部セクションが漏斗状に引き出されるように編組ワイヤの端部の上に溶接又はろう付けすることができる。補強リング211は、カテーテル100が外側シースから展開されたときに、より大きい拡張内径230を有する自由形状にヒートセットすることができる。潰されたときに、補強リング211及び先端部編組220は、拘束されたときにカテーテルボアの内径と近似する内径を有することができる。代替的に、編組のワイヤはまた、編組が蛍光透視下で可視であるように、白金コアを備えた引き出された充填チューブ(DFT)形状記憶合金であり得る。
【0056】
編組ワイヤのための超弾性材料を使用し、先端部セクション210の一次構造支持要素として補強リングを使用することの更なる利点は、可撓性又は圧潰強度などの性能特性を犠牲にすることなく、カテーテル壁を比較的薄くすることができるので、先端部セクション210の曲がりくねった屈曲部に堅牢性を加えることができる。より薄い壁は、吸引のためにより大きい効果的なボアサイズを許容する。
【0057】
放射線不透過性マーカバンドは、処置中に透視下で可視化するために、カテーテル100の長さに沿った異なる軸方向の点に含まれ得る。図示される例では、マーカバンド116は、シャフト110の遠位端部114の場所を照らして、カテーテルの拡張可能な容量が始まる場所の指標を主治医に与えることができる。示されたバンドは、カテーテルの可撓性及び外径への影響を最小限に抑えるために、約0.025~0.030インチの比較的短い長さと薄い壁厚(約0.0005インチ)を有する白金ストリップ又は他の貴金属とすることができる。
【0058】
図6及び
図7が示すように、先端部セクション210が拡張されると、中心軸及び先端部の大部分は、シャフト110の公称長手方向軸111からオフセットされ得る。したがって、先端部セクションの中心232は、先端部が拡大するにつれて、シャフト中心117と一致することから半径方向に離れて、より非対称になるように移動することができる。オフセット形状及び斜めの遠位口218を有することにより、横方向の可撓性を増加させることができるため、先端部セクション210は、標的部位に前進するときに、血管壁をより良好に追跡し、偏向させることができる。
図8は、先端部セクション210の傾斜形状が、血管系10内で追跡するときに、緊密な屈曲部から離れるように偏向することができ、レリーフ特徴部224の近位に延在する切り欠きが、局所的な力の存在下で先端部セクションが応答して屈曲することを許容することを示している。多くの状況では、標的部位あるとき、カテーテルはまた、先端部セクション210の傾斜口218が血塊面と面内であるように操作され、トルクをかけられ、界面でのより良い血塊管理のための増大したアクセス領域を提供することができる。
【0059】
拡張可能な先端部セクション210は、拡張状態の血管系を通って前進されるように設計することができる。これらの例では、拡張可能な先端部は、標的血塊のすぐ近位の標的血管の直径にほぼ等しい拡張状態において最大内径を有することができる。ほとんどの例では、拡張された漏斗先端部は、それを通して送達される外側シース及び/又はガイドの内径よりも大きい内径を有するようにサイズ決定することができる。
【0060】
送達中、先端部セクションの潰された内径215は、カテーテルシャフトセクションの公称直径115とほぼ同じであり得る。拡張されると、先端部セクション210の拡張された内径230は、アクセスされる血管の公称直径115と共に直線的にスケール調整することができる。例えば、シャフト内に約0.070インチの内径を有するカテーテルは、拡張された展開構成において約0.090インチの最大内径230を有する先端部セクション210を有することができる。同様に、5Fr~9Frまでのような他の一般的なサイズのシャフトを有するカテーテルも、約0.075~0.200インチの全体範囲について、適宜スケール調製するフレア状の先端部直径230で想定され得る。
【0061】
本開示のカテーテル100を使用して、身体血管から閉塞を除去するとき、潰された先端部を有するカテーテルは、
図9に描写されるように、外側カテーテル又はシース30を通って、血管閉塞の近位の場所に前進することができる。シース30は、典型的には、閉塞性血塊にできるだけ近接して位置されるが、場所は、目的の血管サイズ及びそれに到達するのに必要な血管系の相対的な蛇行に依存し得る。例えば、中大脳動脈閉塞の場合、外側カテーテルは頸動脈サイフォンの近位の内頸動脈内に位置付けられ得る。例えば、標的閉塞がM1血管内にある場合、典型的なガイド又は外側シースは、これらの血管径の十分に近位の位置に維持され、吸引カテーテル100が独立して前進する必要があるであろう。
【0062】
図示されているように、ガイドシース30は、閉塞性血塊のかなり上流に停留され、カテーテル100は、ガイドシースの遠位端部32から前進して拡張状態に展開することができる。純粋な吸引が血塊を取り除くのに不十分であると判明した場合、マイクロカテーテル50を使用して、ステントリーバ又は当該技術分野で既知の他のデバイスを展開することができる。ステントリーバと拡大された傾斜先端部セクションを通じた効率的な吸引との組み合わせは、血塊40の除去に一度で成功する可能性を増加させるために共に作用することができる。
【0063】
血塊が血管壁から取り除かれると、カテーテルの拡張可能な先端部の漏斗形状を通って、かつ管腔を通して、キャニスタ又はシリンジ内に次第に圧縮され得る。補強リングは先端部の潰れに対する支持を提供するため、より可撓性のある編組を使用して、局所的な半径方向の拡張を更に許容することができる。ステントリーバを静止管腔から引き抜く代わりに、カテーテル100はまた、ステントリーバと連動して引き抜きながら吸引真空を血塊面に向け、(破砕領域とフィブリンを多く含む領域からなる)複合血塊を共に保持して塞栓を防止することができる。特に固い血塊の場合、先端部セクションのこの更なる拡張により、カテーテル自体を引き抜いている間に、詰まった血塊を保護し、退避させることができる。
【0064】
造影剤を注入して、血管が開存している程度を判断することができる。必要に応じて、血塊回収デバイスは、生理食塩水ですすがれ、追加のパスのためにマイクロカテーテルに再装填される前に、穏やかに洗浄され得る。
【0065】
本開示によるカテーテルの遠位先端部セクション210の別の代替設計が
図10に図示されている。傾斜口218は、増強した丸みを帯びたセクション226を有する180度離間した2つのレリーフ特徴部224を有する補強リング211の周囲により決定される。レリーフ特徴部224は、少なくとも一部分が斜面の角度付けられた平面からオフセットされるように、口218から近位に延在することができる。より少ない数のレリーフ特徴部は、補強リング211の全体的な剛性及び利用可能なフープ強度を増加させることができる。これにより、密度の低い先端部編組220と共に使用することが許容され、より大きい拡張能力を提供することができる。
【0066】
更に、示されるように対角線上に向かい合う2つのレリーフ特徴部211を有する構成は、2つの特徴部を通過する先端部セクション210の屈曲面を画定する。代替的に、追加の平面を画定する他の幾何学的形状を含む、追加のレリーフ特徴部を組み込むことができる。
【0067】
先端部セクション210の編組220のワイヤは、遠位口218の周りの補強リング211の所望の輪郭に切断及びトリミングされ得る。このようにして、編組は、自由端でステントの端部に類似し得るので、可撓性が高く、製造が容易である。代替的に、下層にある編組のワイヤは、先端部セクションの遠位端部214に向かって一方向に巻かれ得る。遠位終端に到達すると、ワイヤを反転させ、反対方向に近位に巻き付けることができる。結果として、反転端部はまた、追加の製造コストに対してより非外傷的である。この例では、編組の反転端部を補強リング211の周りに巻き付けて、接合部の強度を改善することもできる。
【0068】
図11は、補強リング211が長手方向軸111について対称的な一連の軸方向スロット227の形態のレリーフ特徴部224を有する、カテーテルの遠位先端部セクション210の設計を図示する。軸方向スロット227は、傾斜口平面213からマーカバンド116に向かって近位に延在し、その中に先端部編組220を囲む広い弧状ループであり得る。軸方向スロット227又は他のレリーフ特徴部が長手方向軸111と実質的に平行であり得る多くの場合があるが、他の例では、それらは平行セクション、又は軸に対して角度付けられているか、又は螺旋状になるスロット中心線を有し得る。レリーフ特徴部についてスロットを使用すると、鍵穴又は他の不規則な幾何学形状の選択肢と比較して、より簡素化された製造プロセスを提供することができる。
【0069】
最遠位先端部ジャケット180は、補強リング211及びレリーフ特徴部の輪郭に沿うようにトリミングすることができ、又はリングの遠位端部を越えて突き出るように遠位に長手方向距離を延ばすことができる。
図11に示される例では、先端部ジャケットは、軸方向スロット227の領域内の補強リング211の周囲を越えて延在し、先端部セクション210の遠位端部214における傾斜口218の平面状の表面を生じさせる。いくつかの例では、突出の長手方向距離は、約0.1mm~約1.0mmの範囲であり得る。より具体的な例では、この長手方向距離は、0.5mm~約0.8mmの範囲であり得る。
【0070】
先端部ジャケット180はまた、カテーテル上で使用されるジャケットの中で最も柔軟にすることができ、長さの約90mmの遠位をほぼ被覆することができる。補強リング211が提供する追加的な完全性により、ますます柔軟なジャケット材料を実装することが許容される。一般に、約42ショアA~約72ショアAの範囲の硬度が好ましい場合がある。1つ以上の特定の例では、約62ショアAの硬度を有するNeusoftジャケットをリフローして、先端部ジャケット180を形成することができる。別の場合では、約42ショアAの更に柔軟なNeusoft層を使用することができる。
【0071】
補強リング211、先端部ジャケット180、及び遠位先端部セクション210の先端部編組220の層状レイアウトの様々な例を明示する断面は、
図12a~
図12cに示されている。ジャケット180は、浸漬コーティング、リフロー、積層、又は他の好適な方法を通して編組及びリングに適用及び接着され得る。
図12aに示される例では、補強リング211の構造は、先端部ジャケット180によって包被されている、編組220の半径方向外側及び上方に延びる。このレイアウトにより、補強リングは、特に、例えば、より柔軟で、より脆弱なジャケットが利用される場合に、遠位ジャケットを摩耗又は引き裂きから保護することができる。補強リングの縁は、横断した血管床を保護するために半径又は面取りを有し得る。
【0072】
図12bに示される代替案は、ジャケット用にやや硬く、より耐久性のある材料を選択する場合に使用することができる。ジャケットに包まれた編組220は、半径方向外側に位置付けられ、補強リング211の外面に接着され得る。この構成では、補強リングは、先端部セクション210が拡張されるにつれて、編組及びジャケット材料を外向きに「押す」ために使用される。同様に、補強リングは、先端部セクションが外側シース内で潰されると、編組及びジャケット材料を内側に「引っ張る」ことになる。
【0073】
更なる例では、編組220が補強リング211によって挟まれ、外側先端部ジャケット180が編組ワイヤと補強リングの両方を完全に包被する配置が、
図12cに描かれている。この構造を形成するために、薄い内側ジャケット層をフレア状のマンドレル上に配設し、マンドレルを、編組/補強リングの組み合わせの遠位端部内へ近接して装填して、先端部セクションを半径方向に拡張することができる。先端部ジャケット押出の薄い弾性外側ポリマー層を、フレア状のマンドレル上にねじ込むか、又は伸張させ、フレア状セクションの上に押し出されて、小さい押出材料を拡張することができる。次いで、先端部ジャケット180の組み合わされた内層及び外層を、適所にリフローし、フレア状マンドレルをカテーテルアセンブリから取り外すことができる。
【0074】
編組を挟み込み、ジャケット材が下層のアセンブリの全てを包むことで、
図12cの構成は、先端部セクションに作用する、非常に均一な「押す」力及び「引く」力を提供することができる。加えて、完全に均質なジャケット縁部が、先端部セクション210の遠位端部214に形成される。
【0075】
本発明は、説明された例に必ずしも限定されず、構成及び詳細において変化し得る。「遠位」及び「近位」という用語は、前述の説明を通して使用され、処置している医師に対する位置及び方向を指すことを意図する。したがって、「遠位」又は「遠位に」は、医師に対して遠い位置又は医師から離れる方向を指す。同様に、「近位」又は「近位に」は、医師に対して近い位置又は医師に向かう方向を指す。更に、文脈が明らかに既定しない限り、「a」、「an」、及び「the」という単数形は、複数の指示対象を含む。
【0076】
本明細書で使用される場合、任意の数値又は数値の範囲に対する「約」又は「およそ」という用語は、構成要素の部分又は構成要素の集合が、本明細書において説明されるその意図された目的に沿って機能することを可能にする、好適な寸法の許容誤差を示すものである。より具体的には、「約」又は「およそ」は、列挙された値の±20%の値の範囲を指し得、例えば「約90%」は、71%~99%の値の範囲を指し得る。
【0077】
例示的な実施形態について説明する際、明確にするために、専門用語が利用されている。結果として、全ての可能な組み合わせが列挙されているわけではなく、かかる変更例は、多くの場合、当業者には明らかであり、以下の特許請求の範囲の範囲内にあることが意図される。各用語が、当業者によって理解されるその最も広い意味を有することを企図し、本発明の範囲及び趣旨を逸脱することなく、同様の目的を実現するために同様の様式で作用する全ての技術的な均等物を含むことが意図される。方法の1つ又は2つ以上のステップへの言及は、追加の方法ステップ又は明示的に識別されたそれらのステップ間に介在する方法ステップの存在を排除しないことも理解されたい。同様に、方法のいくつかのステップは、開示される技術の範囲から逸脱することなく、本明細書に述べられる順序とは異なる順序で実施することができる。
【0078】
〔実施の態様〕
(1) カテーテルであって、
長手方向軸、遠位端部、管腔、及びシャフト編組を含む、近位の細長いシャフトと、
前記細長いシャフトの前記遠位端部における拡張可能な遠位先端部セクションであって、前記先端部セクションが、潰された送達構成、拡張された展開構成、先端部編組、並びに傾斜プロファイル、及び補強リングによって画定される周囲を含む遠位口を含む、拡張可能な遠位先端部セクションと、を含み、
前記補強リングが、前記長手方向軸の周りに等間隔に離間した複数のレリーフ特徴部を含む、カテーテル。
(2) 前記遠位先端部セクションが、前記潰された送達構成及び前記拡張された展開構成の両方において、実質的に円形の断面を更に含む、実施態様1に記載のカテーテル。
(3) 前記補強リングが、前記遠位先端部セクションの前記先端部編組に溶接されている、実施態様1に記載のカテーテル。
(4) 前記補強リングが、前記遠位先端部セクションの前記先端部編組(220)にオーバーモールドされている、実施態様1に記載のカテーテル。
(5) 前記補強リングが、形状記憶合金を含む、実施態様1に記載のカテーテル。
【0079】
(6) 前記補強リングは、前記遠位先端部セクションが前記拡張された展開構成にあるときに、潰された内径よりも大きい拡張された内径を含むようにヒートセットされている、実施態様5に記載のカテーテル。
(7) 前記先端部編組の少なくとも一部分は、前記遠位先端部セクションが前記拡張された展開構成にあるときに、潰された内径よりも大きい拡張された内径を含むようにヒートセットされている、実施態様1に記載のカテーテル。
(8) 前記補強リングが、ポリマー組成物を含む、実施態様1に記載のカテーテル。
(9) 前記先端部編組が、前記先端部セクションの前記遠位端部における前記レリーフ特徴部の輪郭に沿うように切断されている、実施態様1に記載のカテーテル。
(10) 前記遠位口が、前記補強リングの少なくとも一部分を通過する平面を画定し、前記平面は、前記先端部セクションが前記潰された送達構成にあるときに、前記長手方向軸に対して鋭角を形成する、実施態様1に記載のカテーテル。
【0080】
(11) 前記角度が、約30度~約60度である、実施態様10に記載のカテーテル。
(12) 前記補強リングの前記レリーフ特徴部の少なくとも一部分が、前記平面から近位にオフセットして置かれている、実施態様10に記載のカテーテル。
(13) 前記レリーフ特徴部が、前記先端部セクションの少なくとも一部分の前記断面プロファイルを低減させる、実施態様1に記載のカテーテル。
(14) 前記レリーフ特徴部が、平行なセクション及び丸みを帯びたセクションを有する鍵穴形状を含む、実施態様1に記載のカテーテル。
(15) 前記レリーフ特徴部が、前記遠位口の遠位周囲から近位に延在する軸方向スロットを含む、実施態様1に記載のカテーテル。
【0081】
(16) カテーテルであって、
近位の細長いシャフトであって、長手方向軸、遠位端部、管腔、シャフト編組、及び前記シャフトの前記遠位端部におけるマーカバンドを含む、近位の細長いシャフトと、
前記細長いシャフトの前記遠位端部に接続された拡張可能な遠位先端部セクションであって、前記先端部セクションが、潰された送達構成、拡張された展開構成、支持先端部編組、及び前記先端部編組の遠位端部に取り付けられた補強リングを含む、拡張可能な遠位先端部セクションと、
前記先端部セクションの周りに配設されたポリマー先端部ジャケットと、を含み、
前記補強リングの少なくとも一部分は、前記先端部セクションが前記潰された送達構成にあるときに、前記長手方向軸に対して鋭角を形成する口平面を画定し、
前記補強リングが、前記長手方向軸の周りに等間隔に離間した複数のレリーフ特徴部を含み、前記レリーフ特徴部の各々の少なくとも一部分が、前記口平面から近位にオフセットされている、カテーテル。
(17) 前記ポリマー先端部ジャケットの遠位縁が、前記補強リングの輪郭に沿っている、実施態様16に記載のカテーテル。
(18) 前記ポリマー先端部ジャケットの少なくとも一部分が、前記補強リングの輪郭を越えて遠位に延在する、実施態様16に記載のカテーテル。
(19) 前記ポリマー先端部ジャケットが、約42ショアA~約72ショアAの範囲の硬度を有する、実施態様16に記載のカテーテル。
(20) 前記支持先端部編組の近位端部が、前記マーカバンドに溶接されている、実施態様16に記載のカテーテル。
【外国語明細書】